JP2004324067A - ボード用アンカー並びにこれを用いた中空スラブ用緊結具及び中空スラブ用スペーサ - Google Patents

ボード用アンカー並びにこれを用いた中空スラブ用緊結具及び中空スラブ用スペーサ Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で安価に製造でき、型枠へ固定する場合は上下で同時に作業する必要がなく上部からの作業のみで容易に固定でき、型枠型枠解体時に一部品の撤去で済むボード用アンカー、並びにこれを用いた中空スラブ用緊結具及びスラブスペーサを開発する。
【解決手段】アンカー本体61は、筒状部と、その上端に形成したフランジ部とからなり、筒状部の下端には外側に膨出する抜止部を形成し、筒状部の内壁には下部が上部よりも内径が大きくなるような段部66を形成する。軸体62は下部に矢印状の抜止バネ部68を有する。アンカー本体と軸体を差し込むのみで、容易にボードに固定できる。軸体の上部に浮き上がり防止手段を設けると中空スラブ用緊結具となり、軸体上部にスペーサ本体を接合すると中空スラブ用スペーサとなる。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、型枠などのボード類に種々の機器を取り付けるために型枠などのボード類に固定するボード用アンカー、及び、これを用いて型枠に取り付けるスペーサで、特に中空スラブの鉄筋を所定位置に位置せしめるための中空スラブ用スペーサに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許第3311340号公報には、下筋用と上筋用を兼用した中空スラブ用のスラブスペーサが開示されている。これは、下筋を保持する支持基台と、これから立設した2本の支柱と、支柱の上部に設けた上筋を保持する支持部を有し、型枠に支持基台を取り付けた後に下筋を配筋し、その後支持基台に支柱を取り付け、掛止部を折り曲げて支柱を固定し、その後上筋を配筋し、折曲部を折り曲げて上筋を固定するものである。このスラブスペーサは、上筋を固定して浮き上がりを防止するので、スラブの中空部を形成するボイドが浮力を受けてコンクリート内から浮き上がるのを防ぐための特別なボイド浮き上がり防止具(実公昭62−4103、特開平11−107527、特開2000−192654等)を設けなくともよく、スラブスペーサがボイドの浮き上がり防止具を兼用する点で優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許第3311340号公報のスラブスペーサには次のような問題点があった。
▲1▼ 2本の支柱が一体化された構成であるので、構造が複雑で製造コストが高くなっていた。
▲2▼ 支持基台に支柱を固定するのに掛止部を折り曲げなければならないので、煩雑で作業能率が悪かった。また、支柱の固定が不十分となりやすかった。
▲3▼ 上筋を固定するのに折曲部を折り曲げなければならないので、煩雑で作業能率が悪かった。また、上筋の固定が不十分となりやすかった。
【0004】
また、実公昭62−4103には、ボイド浮き上がり防止具を型枠に固定する手段が開示されているが、この手段では、型枠解体時に、植込みボルトとナットの両方を撤去する必要があり、面倒であった。
【0005】
本発明は、簡単な構造で安価に製造でき、型枠へ固定する場合は上下で同時に作業する必要がなく上部からの作業のみで容易に固定でき、型枠型枠解体時に一部品の撤去で済むボード用アンカー、並びにこれを用いた中空スラブ用緊結具及びスラブスペーサを開発することを課題としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、表裏貫通する非円形貫通孔(5、25)を有する基板(4、24)の裏面の貫通孔周囲から、外側に向かって膨出する抜止部(7、27)を下端に有する垂下部(6、26)を垂下形成したアンカー本体(2、22)と、前記貫通孔(5、25)と垂下部(6、26)の中に挿通可能で所定角度回転することで引き抜き不能となる非円形の下頭部(11、28)を下端に備えた軸体(3、23)とからなり、前記アンカー本体(2、22)をボードに形成した穴に挿入すると前記基板(4、24)の背面と抜止部(7、27)の間でボードを挟持してアンカー本体(2、22)がボードに固定され、このアンカー本体(2、22)に前記軸体(3、23)を挿入して所定角度回転することで前記下頭部(11、28)が前記垂下部(6、26)の下端に係合して引き抜き不能となることを特徴とするボード用アンカーである。アンカー本体をボードに片側から差し込むだけでボードに固定できるので、ボードへの固定作業がきわめて簡単である。軸体は、アンカー本体の貫通孔に挿入し、所定角度回転すればよいので、軸体の取り付け作業もきわめて簡単である。
【0007】
本願の請求項2の発明は、請求項1のボード用アンカーにおいて、前記垂下部(6、26)の外周面が粗面に形成されていることを特徴とするボード用アンカーである。ここで粗面とは、細かい凹凸、やや大きな凹凸、突条、溝等が形成されて摩擦が大きくなっている面をいう。垂下部の外面が粗面となっているのでアンカー本体とボードの摩擦が大きくなり、軸体を所定角度回転する際にアンカー本体が共に回転するのを防止できる。
【0008】
本願の請求項3の発明は、請求項1又は2のボード用アンカーにおいて、前記垂下部(6、26)が2本対向して形成されており、その対向する垂下部(6、26)の下端の隙間をなくすように閉じると、下端の抜止部(7、27)の外径がボードの穴径とほぼ等しくなることを特徴とするボード用アンカーである。このように構成すると、垂下部下端の抜止部の突出量を最大にすることができ、アンカーの引き抜き強度が最大となる。
【0009】
本願の請求項4の発明は、垂下部(63)と、その上端に形成された基板(64)とからなり、垂下部(63)の下端には外側に膨出する抜止部(65)を形成し、垂下部(63)の内壁には下部が上部よりも内径が大きくなるような段部(66)を形成したアンカー本体(61)と、下部に矢印状の抜止バネ部(68)を有する軸体(62)とからなり、前記アンカー本体(61)をボードに形成した穴に挿入すると前記基板(64)の背面と抜止部(65)の間でボードを挟持してアンカー本体(61)がボードに固定され、このアンカー本体(61)に前記軸体(62)を挿入すると、前記抜止バネ部(68)が前記段部(66)に係合して引き抜き不能となることを特徴とするボード用アンカーである。アンカー本体をボードに片側から差し込むだけでボードに固定できるので、ボードへの固定作業がきわめて簡単である。軸体は、アンカー本体に挿入するだけよいので、軸体の取り付け作業もきわめて簡単である。抜止バネ部によって垂下部の内壁が外側に押圧され、抜止部が確実にボードの裏側に係合する。垂下部は縦溝を形成すると、変形しやすくなってボードの穴に容易に挿入できるようになる。
【0010】
本願の請求項5の発明は、請求項4のボード用アンカーにおいて、前記垂下部(63)の内壁上部に、前記抜止バネ部(68)に対応してテーパ状のガイド部(86)を形成し、前記アンカー本体(61)に前記軸体(62)を挿入するときに、ガイド部(86)がガイドとなって軸体(62)が容易に、かつ、所定の向きに挿入されることを特徴とするボード用アンカーである。ガイド部を設けることで、軸体の挿入が容易になり、かつ、軸体の向きを所定の向きにそろえることができる。
【0011】
本願の請求項6の発明は、表裏貫通し円形の対向する2端部を弓形に切り欠いたタイコ形をなす貫通孔(153)を有する基板(152)の裏面の前記弓形部分から、該弓形の断面形状をなし、外側に向かって膨出する抜止部(155)を下端に有する垂下部(154)を垂下形成したアンカー本体(151)と、下部に矢印状の抜止バネ部(161)を有する軸体(160)とからなり、前記アンカー本体(151)をボードに形成した穴に挿入すると前記基板(152)の背面と抜止部(155)の間でボードを挟持してアンカー本体(151)がボードに固定され、このアンカー本体(151)の前記貫通孔(153)に前記軸体(160)を挿入すると、前記抜止バネ部(161)が前記垂下部の下で開いて引き抜き不能となるボード用アンカーであって、前記抜止バネ部(161)の平面形状が前記タイコ形をなし、縮めた状態では前記貫通孔(153)を通過可能で、解放した状態では前記垂下部に引っ掛かって引き抜き抜き不能となることを特徴とするボード用アンカーである。アンカー本体の貫通孔の形状をタイコ形とすることで、垂下部の抜止部を最も大きくすることができ、耐引き抜き力が大きくなる。軸体の抜止バネ部の形状もタイコ形とすることで、耐引き抜き力が大きくなる。
【0012】
本願の請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかのボード用アンカーにおいて、前記軸体の軸に脆弱に形成された破断部(16、30)を設けたことを特徴とするボード用アンカーである。このアンカーは、特にボードが型枠である場合に好適なもので、コンクリートの硬化後に型枠を取り外す場合、型枠の裏面から軸体を回転することで軸体が破断し、下頭部又は抜止バネ部を含む軸体下部を取り外すことができ、型枠の取り外しが可能となる。すなわち、1部材を取り外すことで型枠を取り外すことができるので、作業がきわめて簡単となる。
【0013】
本願の請求項8の発明は、上下方向に貫通し内周に雌ねじを有するボルト孔(92)を有し、側面にはボードが嵌合する三日月形状の嵌合溝(93)を有する概略円筒形状のアンカー本体(91)と、該アンカー本体(91)をボードに形成した円形穴(57)に差し入れた後横方向に移動して前記嵌合溝(93)に前記円形穴(57)の周囲の部分のボードを嵌合してアンカー本体(91)をボードに保持せしめたときに生じる円形穴(57)との隙間を閉塞する三日月形状のパッキン材(94)とからなることを特徴とするボード用アンカーである。アンカー本体をボードに片側から差し込み、横に移動してパッキン材を填め込むことでボードに固定できるので、ボードへの固定作業が片側だけの作業でよく、きわめて簡単である。
【0014】
本願の請求項9の発明は、請求項8のボード用アンカーにおいて、前記ボルト孔(92)が雌ねじを有し、該雌ねじがアンカー本体(91)に装着された金属ナット(100)によって形成されていることを特徴とするボード用アンカーである。雌ねじが金属であるので、種々の機材を雌ねじに螺合して取り付けたときの取付強度が大きくなる。本体はプラスチック製とすることで安価に製造できる。
【0015】
本願の請求項10の発明は、請求項1〜7のいずれかのボード用アンカーの前記軸体(3)の上部に鉄筋及び/又はボイドの浮き上がりを防止する浮上防止手段(12)を設けたことを特徴とする中空スラブ用緊結具である。軸体の上部に浮き上がり防止手段を設けることで、ボード用アンカーを中空スラブのボイド(中空部分を成形する中子)を緊結して浮き上がりを防止する中空スラブ用緊結具として用いることができる。ボード用アンカーの耐引き抜き力によって、鉄筋やボイドの浮力に対抗できる。浮上防止手段としては、鈎状に形成して引っ掛ける方式、挟みつける方式、ボルトなどで固定する方式など、種々の公知手段を採用できる。
【0016】
本願の請求項11の発明は、請求項8又は9のボード用アンカーの前記ボルト孔に、上部に鉄筋及び/又はボイドの浮き上がりを防止する浮上防止手段を有する軸体を螺着したことを特徴とする中空スラブ用緊結具である。この場合も、請求項10の発明と同様に、ボード用アンカーを中空スラブ用緊結具として用いることができる。
【0017】
本願の請求項12の発明は、上筋及び/又は下筋を所定の高さ位置に保持する鉄筋保持部と、鉄筋及び/又はボイドの浮き上がりを防止する浮上防止手段(35、73)を有するスペーサ本体(32、70)と、上部に任意の接合手段(29、67)を備える前記軸体(23、62)を有する請求項1〜7のいずれかのボード用アンカーとからなり、前記スペーサ本体(32、70)は前記軸体(23、62)の接合手段(29、67)と接合可能な接合部(36、83)を有することを特徴とする中空スラブ用スペーサである。軸体の上部に接合手段を設け、これにスペーサ本体下部の接合部を接合することで、ボード用アンカーにスペーサ本体を接合し、中空スラブ用スペーサとして用いることができる。ボード用アンカーの耐引き抜き力によって、鉄筋やボイドの浮力に対抗できる。接合手段、接合部の構造は任意である。
【0018】
本願の請求項13の発明は、下筋保持部(33、71)、上筋保持部(34、72)及び上筋の浮き上がりを防止する浮上防止手段(35、73)を有するスペーサ本体(32、70)と、請求項1〜7のいずれかのボード用アンカーからなり、前記スペーサ本体(32、70)は前記軸体(23、62)の接合手段(29、67)と接合可能な接合部(36、74)を有することを特徴とする中空スラブ用スペーサである。下筋保持部と上筋保持部によって、下筋と上筋を所定の高さ位置に保持でき、また上筋の浮き上がりを防止する浮上防止手段を有するので、ボイドを上筋に接続しておけば、ボイドが浮力で浮き上がることも防止できる。
【0019】
本願の請求項14の発明は、請求項13のスペーサにおいて、前記スペーサ本体(32、70)は下筋保持部(33、71)を有する下筋保持部材(37、75)と、上筋保持部(34、72)及び上筋浮上防止手段(35、73)を有する上筋保持部材(38、76)と、下筋保持部材(37、75)と上筋保持部材(38、76)を連結する支柱部材(39、77)とを有し、該支柱部材(39、77)が上下端に雄ねじが形成されたボルトであり、該支柱部材(39、77)の下端の雄ねじを前記下筋保持部材(37、75)に形成した雌ねじに螺着し、上端の雄ねじを前記上筋保持部材(38、76)に形成した雌ねじに螺着したことを特徴とする中空スラブ用スペーサである。スペーサ本体が上記の構成であるので、下筋保持部材及び上筋保持部材をプラスチック製とすることができ、支柱部材は市販の両端にねじを有するボルトを使用できるので、スペーサ本体を安価かつ容易に製造できる。
【0020】
本願の請求項15の発明は、請求項14のスペーサにおいて、前記下筋保持部材(37、75)及び上筋保持部材(38、76)の雌ねじが、下筋保持部材(37、75)及び上筋保持部材(38、76)に形成され、かつ、下筋保持部材(37、75)及び上筋保持部材(38、76)の側面に開口するナット装着部(40、78、41、79)に挿入、装着した金属ナット(42、80、43、81)の雌ねじであることを特徴とする中空スラブ用スペーサである。下筋保持部材及び上筋保持部材をプラスチック製とすることができ、金属ナットを填め込むだけで雌ねじが形成できるので、製造が安価、容易であり、雌ねじが金属製となるので、強度も大きくなる。
【0021】
本願の請求項16の発明は、請求項12〜15のいずれかのスペーサにおいて、前記軸体(23)の接合手段(29)が非円形の上頭部であり、前記スペーサ本体の接合部(36)がスペーサ本体(32)の下面に形成された非円形の挿入口(44)とその奧の回転空所(45)であり、軸体(23)の上頭部をスペーサ本体(32)の挿入口(44)から回転空所(45)に挿入し、所定角度回転することで上頭部が引き抜き不能となることを特徴とする中空スラブ用スペーサである。このように構成すると、軸体とスペーサ本体との接合が容易となる。
【0022】
本願の請求項17の発明は、請求項16のスペーサにおいて、前記スペーサ本体(32)の下面に位置決め片(46)を、前記アンカー本体(22)の基板(24)上面に位置決め突起(47、48)を設け、スペーサ本体(32)とアンカー本体(22)を相対的に所定角度回転したときに、位置決め片(46)が位置決め突起(47、48)に係合してスペーサ本体(32)とアンカー本体(22)とが相対的に位置決めされて回転が拘束されることを特徴とする中空スラブ用スペーサである。このように構成すると、軸体とスペーサ本体とが位置決めされ、不用意に軸体とスペーサ本体が分離してしまうのを防止できる。
【0023】
本願の請求項18の発明は、請求項16又は17のスペーサにおいて、前記軸体(23)の上部にストッパ片(58)が、スペーサ本体(32)の下面にストッパ突起(59)が形成され、前記軸体(23)とスペーサ本体(32)とを相対的に所定角度回転したときにストッパ片(58)がストッパ突起(59)に当接して軸体(23)とスペーサ本体(32)の相対的な回転が拘束されることを特徴とする中空スラブ用スペーサである。このように構成すると、軸体を予めスペーサ本体に取り付ける場合、所定角度回転したときに回転が停止するので、確実に軸体をスペーサ本体に取り付けることができる。
【0024】
本願の請求項19の発明は、下筋保持部材(170)、上筋保持部材及び上筋の浮上を防止する浮上防止手段を有するスペーサ本体と、上部に接合手段(162)である螺条を有する前記軸体(160)を有する請求項6のボード用アンカーとからなり、前記下筋保持部材(170)は前記軸体(160)の接合手段(162)と接合可能な接合部(166)を有する中空スラブ用スペーサであって、前記軸体(160)の接合手段(162)と前記下筋保持部材(170)の接合部(166)とを接合したときに、前記スペーサ本体と前記下筋保持部材とが一体化し、どちらか一方を回転させると他方が共に回転することを特徴とする中空スラブ用スペーサである。ボード用アンカーに下筋保持部材を接合した後、下筋保持部材の向きを調整するために回転させたとき、ボード用アンカーが共に回転するので、軸体(抜止バネ部)とアンカー本体との位置関係が変化せず、軸体の耐引き抜き強度が弱化するのを防止できる。
【0025】
本願の請求項20の発明は、請求項19のスペーサにおいて、前記軸体(160)及び下筋保持部材(170)に、相互の位置合わせのための目印を設けたことを特徴とする中空スラブ用スペーサである。軸体と下筋保持部材の目印を合わせることで、軸体と下筋保持部材とを接合する場合、正しい位置関係に容易に接合できる。
【0026】
本願の請求項21の発明は、請求項19又は20のスペーサにおいて、前記接合部(166)が前記下筋保持部材(170)に装着したナットであり、該ナットの上部が前記下筋保持部材(170)の上部に突出して下筋(53)の移動を制限することを特徴とする中空スラブ用スペーサである。下筋の移動が制限されるので、下筋配筋の際に下筋が所定の位置から外れにくく、配筋作業が容易となる。
【0027】
本願の請求項22の発明は、請求項14、15、19、20又は21のスペーサにおいて、前記下筋保持部材が下筋との結束が可能なものであることを特徴とする中空スラブ用スペーサである。ボイドと下筋を結合し、ボイドの浮力が下筋に作用したとき、下筋を下筋保持部に結束することで下筋が浮き上がるのを防止できる。
【0028】
本願の請求項23の発明は、下筋保持部(103)上筋保持部及び上筋の浮き上がりを防止する浮上防止手段を有し、下面からボルトを突出したスペーサ本体(101)と、請求項8又は9のボード用アンカーとからなり、前記スペーサ本体(101)のボルトを前記ボード用アンカーのボルト孔に螺合することを特徴とする中空スラブ用スペーサである。スペーサ本体のボルトをアンカー本体のボルト孔に螺合するのみで、アンカー本体にスペーサ本体を取り付け、ボード用アンカーを容易に中空スラブ用スペーサとして利用することができる。
【0029】
本願の請求項24の発明は、請求項23のスペーサにおいて、前記スペーサ本体(101)は下筋保持部(103)を有する下筋保持部材(102)と、上筋保持部及び上筋浮上防止手段を有する上筋保持部材と、下筋保持部材(102)と上筋保持部材を連結する支柱部材(104)とを有し、前記支柱部材(104)が上下端に雄ねじが形成されたボルトであり、該支柱部材(104)の下端の雄ねじを前記下筋保持部材(102)の雌ねじに螺着すると共に支柱部材(104)の下端を下筋保持部材(102)の下面から下方に突出させ、上端の雄ねじを前記上筋保持部材の雌ねじに螺着したことを特徴とする中空スラブ用スペーサである。下筋保持部材及び上筋保持部材をプラスチック製とすることができ、支柱部材は市販の両端にねじを有するボルトを使用できるので、スペーサ本体を安価かつ容易に製造できる。
【0030】
本願の請求項25の発明は、下筋保持部(103)を有する下筋保持部材(102)と、上筋保持部及び上筋浮上防止手段を有する上筋保持部材と、下筋保持部材(102)と上筋保持部材を連結する支柱部材(104)とを有するスペーサ本体(101)と、型枠に固定するボード用アンカー(90、110)とからなり、前記支柱部材(104)が上下端に雄ねじが形成されたボルトであり、該支柱部材(104)の下端の雄ねじを前記下筋保持部材(102)の雌ねじに螺着すると共に支柱部材(104)の下端を下筋保持部材(102)の下面から下方に突出させ、上端の雄ねじを前記上筋保持部材の雌ねじに螺着することで前記スペーサ本体が組み立てられており、前記支柱部材(104)の下端部を型枠に固定したボード用アンカー(90、110)のボルト孔に螺着して型枠に取り付けるスペーサであって、前記支柱部材(104)の前記下筋保持部材(102)の内部にある位置に、脆弱に形成された破断部(106)を設けたことを特徴とする中空スラブ用スペーサである。支柱部材に破断部を設けたので、支柱部材の下部を回転させて破断部を破断し、支柱部材の下部を取り除くと、下筋保持部材の雌ねじを天井下地、電気器具、空調ダクトなどを吊り下げるアンカーとして利用でき、別途にこのような天井用アンカーを取り付ける必要がなくなる。
【0031】
本願の請求項26の発明は、請求項7のボード用アンカーにおいて、該ボード用アンカーが型枠(51)とその上に設けた断熱材(52)とを複合したボードに用いるものであり、前記垂下部(6’)に脆弱に形成された破断部(31)を設けたことを特徴とするボード用アンカーである。垂下部の下部を回転して破断部を破断し、取り除くことで、型枠を取り除くことが可能となる。なお、請求項1〜25の断熱材を用いない場合は、本発明のアンカー本体は型枠に取り付けたままで、転用することができる。
【0032】
本願の請求項27の発明は、請求項12〜18のいずれかのスペーサにおいて、前記ボード用アンカーが請求項26のボード用アンカーであることを特徴とする中空スラブ用スペーサである。断熱材を用いる場合でも、断熱材を用いない場合と同様に、スペーサ本体を接合してボード用アンカーを中空スラブ用スペーサに利用することができる。
【0033】
本願の請求項28の発明は、型枠(51)とその上に設けた断熱材(52)とを複合したボードに用いるボード用アンカーであって、表裏貫通する円形の貫通孔(131)を有する基板(130)の裏面の貫通孔周囲から、外側に向かって膨出する抜止部(124)を下端に有する垂下部(122)を垂下形成したアンカー本体(120)と、上部軸(132)が前記貫通孔(131)とほぼ同径、下部軸(133)がそれよりも小径に形成され、該上部軸(132)と下部軸(133)の境目が型枠(51)と断熱材(52)の境目付近にあり、前記貫通孔(131)と垂下部(122)の中に挿通可能で所定角度回転することで引き抜き不能となる非円形の下頭部(134)を下端に備えた軸体(121)とからなり、前記アンカー本体(120)をボード(51、52)に形成した穴に挿入すると前記基板(130)の背面と抜止部(124)の間でボード(51、52)を挟持してアンカー本体(120)がボードに固定され、このアンカー本体(120)に前記軸体(121)を挿入して所定角度回転することで前記下頭部(134)が前記垂下部(122)の下端に係合して引き抜き不能となることを特徴とするボード用アンカーである。このように構成すると、断熱材の部分において、アンカー本体を軸体との間に隙間が生じないので、断熱性能が低下することがない。
【0034】
本願の請求項29の発明は、請求項28のボード用アンカーにおいて、前記垂下部(122)の型枠(51)と断熱材(52)の境目に相当する付近に脆弱に形成された破断部(125)を設け、前記上部軸(132)の直下に脆弱に形成された破断部(138)を設けたことを特徴とするボード用アンカーである。このように構成すると、破断部で破断することで、断熱材部分はアンカー本体及び軸体が残り、型枠部分は取り除くことができるから、型枠を取り除くことが可能となり、断熱性能の低下も防止できる。
【0035】
本願の請求項30の発明は、請求項29のボード用アンカーにおいて、前記下部軸(133)外周にストッパ(137)を突設し、前記垂下部(122)内面にこれに対応するストッパ受部(126)を突設し、前記軸体(121)を所定角度回転すると、前記ストッパ(137)が前記ストッパ受部(126)に当接して回転が停止し、型枠解体時には前記下頭部(134)を強い力で回転すると、前記ストッパ(137)が前記ストッパ受部(126)に当接しているために下部軸(133)と共に垂下部(122)の下部(123)が回転し、破断部(138)が破断して下部軸(133)を取り外せると共に、破断部(125)が破断して垂下部(122)の下部(123)を取り外せることを特徴とするボード用アンカーである。このように構成すると、軸体の下頭部をのみを回転すれば、ストッパがストッパ受部に当接しているために、下部軸と共に垂下部の下部が回転し、破断部が破断して下部軸と垂下部の下部を取り外すことができ、型枠を取り外すことができるようになる。
【0036】
【発明の実施の形態】
実施例1:
図1〜4は本発明の実施例のボード用アンカーと、これを用いた中空スラブ用緊結具1に関し、図1は中空スラブ用緊結具1の一部を切欠して示す説明図、図2はアンカー本体2の斜視図、図3はアンカー本体2を型枠51に挿入する説明図、図4は軸体3の斜視図である。
【0037】
本実施例のボード用アンカー及び中空スラブ用緊結具1はアンカー本体2と軸体3からなる。アンカー本体2はプラスチック製で、表裏貫通する非円形貫通孔5を有する基板4と、基板4の裏面の貫通孔5周囲から垂下形成した2個の垂下部6からなり、垂下部6の下端には外側に向かって膨出する抜止部7が形成されている。基板4は円盤状をなし、中央に非円形の貫通孔5を有する。貫通孔の形状は非円形であればよいが、円形の対向する2端部を弓形に切り欠いたタイコ形とするのが好ましい。基板4の上面外周縁には立上部10とストッパ9が形成されている。垂下部6は円柱の中央部を縦に刳り抜いた形状をしており、その長さは取り付けるボード(型枠51)の厚さよりやや長くなっている。このような形状とすることで、また、基板4の裏面の切込8と相俟って、ボード(型枠51)の穴に垂下部6を差し込むときに垂下部6が変形しやすくなり、差し込みが容易となる。垂下部の形状は他に円筒形状や円筒に縦方向の溝を設けた形状などとすることができる。垂下部6の外周面は摩擦が大きくなるような粗面となっている。図3に示すように、ボード(型枠51)には垂下部6の外径dとほぼ同じ穴を設け、その穴に上から垂下部6を差し込むと、対向する垂下部6の下端の隙間が閉じてなくなり、下端の抜止部7の外径がボードの穴径とほぼ等しくなる。このようにすると、垂下部6下端の抜止部7の突出量を最大にすることができ、アンカーの引き抜き強度が最大となる。抜止部7がボード(型枠51)を通過したところで垂下部6が弾性復帰して広がり、基板4の背面と抜止部7の間でボード(型枠51)を挟持してアンカー本体がボードに固定される。
【0038】
軸体3はプラスチック製で、円柱状をなし、下端に非円形の下頭部11を有し、上端に鈎状に曲がった接合手段12が、その中間に円板部13が形成されている。円板部13上面にはストッパ14が180°反対側に2個、外側に突出して設けられている。下頭部11は非円形であればよいが、前記の貫通孔5と同様のタイコ形とするのが好ましい。円板部13のすぐ下側は周溝を設けることによって脆弱に形成した破断部16となっている。下頭部11の下面には六角形の回動手段15が設けられている。
【0039】
中空スラブ用緊結具1は、図1に示すように使用される。型枠51(厚さ12mmのベニヤ板)に円形の穴を開け、この穴に、型枠の上からアンカー本体2を挿入して固定する。次に軸体3を、下頭部11と貫通孔5の向きを合わせて、アンカー本体2の貫通孔5に円板部13が基板4の上面に当接するまで挿入する。このとき、円板部13は立上部10の内側に入り込む。次に、軸体3を90°回転させると、ストッパ14がストッパ受部9に当接して回転が停止し、下頭部11が垂下部6の下端に係合して引き抜き不能となる。軸体3の軸部分の外径は垂下部6の間隔とほぼ等しくなっているので、軸体3をアンカー本体2に挿入することで、垂下部6の間隔が確実に所定の間隔に復帰し、アンカー本体2がボード(型枠51)から引き抜けることが防止される。そして、鈎状の浮上防止手段12を下配力筋54に引っ掛ける。このようにすると、下筋(下配力筋54及び下主筋53)の浮き上がりが防止されるから、ボイドを直接又は間接的に下筋に結合しておけば、ボイドが浮力で浮き上がるのを防止できる。浮上防止手段は、上筋に接続して上筋の浮上を防止するものでもよいし、ボイドに直接又はボイドの付属部品(貫通筋141等)に接続するものでもよい。コンクリートを打設し、硬化後に型枠51を取り外すときは、型枠51の下側からスパナなどで回動手段15を回転させると、破断部16が切断し、軸体3の下部が抜け落ちる。そうすれば、スペーサ本体2が取り付けられたままの型枠51をコンクリートスラブから取り外すことができる。スペーサ本体2が取り付けられたままの型枠51は、次の階のスラブの型枠としてそのまま利用できる。
【0040】
実施例2:
図5〜図11は本発明の実施例のボード用アンカーと、これを用いた中空スラブ用スペーサ21に関し、図5は中空スラブ用スペーサ21の一部を切欠して示す説明図、図6はアンカー本体22の斜視図、図7は軸体23の斜視図、図8は上筋保持部材38の側面説明図、図9は下筋保持部材37の斜視図、図10、11はアンカー本体22と下筋保持部材37を接合した状態の斜視図である。
【0041】
本実施例のボード用アンカーはアンカー本体22と軸体23からなる。アンカー本体22はプラスチック製で、表裏貫通する非円形貫通孔25を有する基板24と、基板24の裏面の貫通孔25周囲から対向して垂下形成した2個の垂下部26からなり、垂下部26の下端には外側に向かって膨出する抜止部27が形成されている。基板24は円板状をなし、中央に非円形の貫通孔25を有する。貫通孔の形状は非円形であればよいが、タイコ形とするのが好ましい。基板24の上面外周には、スペーサ本体32の位置決め片46と係合する位置決め突起47、48が形成されている。位置決め片46は位置決め突起47、48の間に入り込んで係合し、位置決めされる。位置決め突起47は位置決め片46が入り込みやすいようにテーパ状をなしている。垂下部26は円柱の中央部を縦に刳り抜いた形状をしており、その長さは取り付けるボード(型枠51)の厚さよりやや長くなっている。この形状は前記のアンカー本体2と同じ形状で、基板24の裏面の切込49と相俟って、ボード(型枠51)の穴に垂下部26を差し込むときに垂下部26が変形しやすくなり、差し込みが容易となり、抜止部27を最も幅広にして耐引き抜き強度を最大にできる。垂下部の形状は他に円筒形状や円筒に縦方向の溝を設けた形状などとすることができる。ボード(型枠51)には垂下部26の外径とほぼ同じ径の円形の穴を設け、その穴に上から垂下部26を差し込むと抜止部27がボード(型枠51)を通過したところで垂下部が弾性復帰して広がり、基板24の背面と抜止部27の間でボード(型枠51)を挟持してアンカー本体がボードに固定される。
【0042】
軸体23はプラスチック製で、円柱状をなし、下端に非円形の下頭部28を有し、上端に接合手段29である非円形の上頭部を有する。下頭部28及び上頭部の形状は非円形であればよいが、前記の貫通孔25と同様にタイコ形とするのが好ましい。また、下頭部28及び上頭部の向きは共に同じ向き(長辺どうしが同じ向き)とするのがよい。上頭部のやや下方にはストッパ片58が形成されている。ストッパ片58の形状もタイコ形となっており、その向きは下頭部28及び上頭部と直角とするのがよい。ストッパ片58のすぐ下側は周溝を設けることによって脆弱に形成した破断部30となっている。下頭部28の下面には六角形の回動手段50が設けられている。
【0043】
ボード(型枠51)に固定したアンカー本体22の貫通孔25と垂下部26の中に軸体23を上から挿入する。下頭部28が貫通孔25と垂下部26を通過したところで所定角度(この場合は90°)回転すると、下頭部28の外端が垂下部26の下側に入り込み、軸体23は引き抜き不能となる。軸体23の軸部分の外径は垂下部26の間隔とほぼ等しくなっているので、軸体23をアンカー本体22に挿入することで、垂下部26の間隔が確実に所定の間隔に復帰し、アンカー本体22がボード(型枠51)から引き抜けることが防止される。アンカー本体22及び軸体23はボード(型枠51)の片側(上側)から差し込んで固定できるので、取り付け作業がきわめて容易である。
【0044】
スペーサ本体32は下筋保持部材37、上筋保持部材38及び1本の支柱部材39からなる。下筋保持部材37はプラスチック製で、下筋保持部33が3カ所外側に向かって張り出し形成されている。下筋保持部33上には下主筋53が支持され、その上にこれと直行する下配力筋54が支持される。金属ナット42が、下筋保持部材37内に形成されかつ下筋保持部材37の側面に開口するナット装着部40に外側から挿入され装着されている。金属ナット42には支柱部材39が螺着される。また、下筋保持部材37の下面には接合部36として、非円形の挿入口44とその奧(上側)の回転空所45が設けられている。挿入口44の形状は、軸体23の上頭部(接合手段29)に対応してタイコ形となっている。回転空所45は上頭部が内部で回転可能な円筒形状となっている。軸体23の上頭部を挿入口44から回転空所45に挿入し、所定角度回転(この場合は90°)することで上頭部が引き抜き不能となる。また、所定角度回転すると軸体23のストッパ片58がストッパ突起59に当接し、それ以上回転することができなくなる。
【0045】
上筋保持部材38はプラスチック製で、上筋保持部34が180°反対側に2カ所、外側に向かって張り出し形成されている。上筋保持部34の上には上配力筋56が支持され、その上にこれと直行する上主筋55が支持される。上筋保持部34の上方には断面がエの字形の棒状の浮上防止手段35が上筋保持部34と直角の向きに設けられている。上筋(上主筋55、上配力筋56)に浮き上がる力が作用した場合、浮上防止手段35が上主筋55に当接し、上筋の浮上が防止される。また、金属ナット43が、上筋保持部材38内に形成されかつ上筋保持部材38の側面に開口するナット装着部41に側面から挿入され装着されている。金属ナット43には支柱部材39が螺着される。
【0046】
支柱部材39は両端に雄ねじを有するボルトで、下端の雄ねじを金属ナット42に螺合することで下筋保持部材37を取り付け、上端の雄ねじを金属ナット43に螺合することで上筋保持部材38を取り付ける。
【0047】
次に、中空スラブ用スペーサ21の好ましい組み立て順序の例を説明する。支柱部材39の両端には予め金属ナット42、43を螺着しておく。次に下端の金属ナット42を下筋保持部材37のナット装着部40に側面から差し込むことで下筋保持部材37を取り付け、上端の金属ナット43を上筋保持部材38のナット装着部41に側面から差し込むことで上筋保持部材38を取り付け、スペーサ本体32の組み立てが完了する。また、軸体23は下筋保持部37の下面に差し込み所定角度回転して取り付けておく。アンカー本体22は型枠51の穴に差し込んで取り付けておく。最後に、スペーサ本体32に取り付けてある軸体を型枠に取り付けてあるアンカー本体22に差し込んで所定角度回転し、スペーサ本体を型枠に固定する。
【0048】
スラブ型枠上にコンクリートを打設し、硬化後型枠を解体する場合は、型枠の下側からスパナなどの工具で回動手段50を回動する。すると、破断部30で軸体23が破断し、軸体23の破断部30から下側の部分を取り除くことができ、型枠51を取り除けるようになる。アンカー本体22は型枠に取り付けられたままになっているので、このまま次の階のスラブ型枠として転用できる。
【0049】
実施例3:
図12〜図18は本発明の実施例のボード用アンカーと、これを用いた中空スラブ用スペーサ60に関し、図12は中空スラブ用スペーサ60の一部を切欠して示す説明図、図13はアンカー本体61の平面、側面及び底面を示す説明図、図14は軸体62の底面図、図15は下筋保持部材75の正面と側面を示す説明図、図16は下筋保持部材75の平面図、図17は上筋保持部材76の正面と側面を示す説明図、図18は上筋保持部材76の底面図である。
【0050】
本実施例のボード用アンカーはアンカー本体61と軸体62からなる。アンカー本体61はプラスチック製で、中央に表裏貫通する円形の貫通孔63aを有する円板状の基板64と、基板64背面の貫通孔63aの周囲から垂下形成された円筒状の垂下部63とからなる。垂下部63の下端は外側に膨出する抜止部65となっている。垂下部63の内壁は上部の内径が小さく、下部の内径が大きくなっており、その境目が段部66となっている。段部66の高さ位置は抜止部65が形成されている高さの範囲内にある。垂下部63には、変形しやすいように縦溝69が2カ所形成されている。また、垂下部63の内壁上部には、軸体62の抜止バネ部68に対応して上に向かって開いたテーパ状のガイド部86を形成している。アンカー本体61をボード(型枠51)に形成した穴に挿入すると、垂下部63は弾性によって径を縮小しながら穴に進入し、抜止部65が穴を貫通すると垂下部は弾性によりものと形状に復帰し、基板64の背面と抜止部65の間でボードを挟持してアンカー本体61がボード(型枠51)に固定される。更に4本のビス84をボード(型枠51)にねじ込んで強固に固定しているが、このねじは必須のものではない。
【0051】
軸体62は軸部分の外径がアンカー本体61の内径とほぼ等しくなっており、上部に接合手段67である雄ねじを有し、下部には矢印状の抜止バネ部68を有する。抜止バネ部68の矢印状の部分は内側に向かって弾性変形する。また、矢印状の部分の下には六角形状の回動手段85が形成されている。軸体62をアンカー本体61に上方から差し込むと、矢印状の抜止バネ部68が変形しながらアンカー本体内に進入し、抜止バネ部68が段部66を通過すると弾性によって元の形状に復帰して広がるので、軸体62はアンカー本体61から引き抜けない状態となる。軸体62をアンカー本体61に挿入することで、垂下部63が確実に元の径に復帰し、アンカー本体61がボード(型枠51)から引き抜けることが防止される。アンカー本体61及び軸体62はボード(型枠51)の片側(上側)から差し込んで固定できるので、取り付け作業がきわめて容易である。
【0052】
スペーサ本体70は下筋保持部材75、上筋保持部材76及び1本の支柱部材77からなる。下筋保持部材75はプラスチック製で、下筋保持部71が2カ所外側に向かって張り出し形成されている。下筋保持部71上には下主筋53が支持され、その上にこれと直行する下配力筋54が支持される。支柱部材77と螺合するための金属ナット80が、下筋保持部材75内に形成されかつ下筋保持部材75の側面に開口するナット装着部78に側面から挿入され装着されている。金属ナット80には支柱部材77が螺着される。またその下に、軸体62と接合するための金属ナット83が、装着部78と同様の装着部82に装着され、金属ナット83の雌ねじが接合部74となっており、軸体62の接合手段67である上端の雄ねじと螺合する。
【0053】
上筋保持部材76はプラスチック製で、上筋保持部72が180°反対側に2カ所、外側に向かって張り出し形成されている。上筋保持部72の上には上配力筋56が支持され、その上にこれと直行する上主筋55が支持される。上筋保持部72の上方には断面がエの字形の棒状の浮上防止手段73が上筋保持部72と直角の向きに設けられている。上筋(上主筋55、上配力筋56)に浮き上がる力が作用した場合、浮上防止手段73が上主筋55に当接し、上筋の浮き上がりが防止される。また、金属ナット81が、上筋保持部材76内に形成され、かつその側面に開口するナット装着部79に側面から挿入され装着されている。金属ナット81には支柱部材77が螺着される。
【0054】
支柱部材77は両端に雄ねじを有するボルトで、下端の雄ねじを金属ナット80に螺合することで下筋保持部材75を取り付け、上端の雄ねじを金属ナット81に螺合することで上筋保持部材76を取り付ける。
【0055】
次に、中空スラブ用スペーサ60の好ましい組み立て順序の例を説明する。下筋保持部材75には金属ナット80、83を、上筋保持部材76には金属ナット81を予め装着しておく。支柱部材77の両端に金属ナット80、81を螺着して下筋保持部材75及び上筋保持部材76を取り付け、スペーサ本体70を組み立てる。金属ナット83には軸体62を螺着し、軸体62を下筋保持部材の下面に取り付ける。アンカー本体61は型枠51の穴に差し込んで取り付けておく。最後に、スペーサ本体70の下面に取り付けてある軸体62を型枠51に取り付けてあるアンカー本体61に差し込んで、スペーサ本体70を型枠51に固定する。このとき、軸体62の矢印状の抜止バネ部68は、垂下部63の内壁上部に形成されたガイド部86に沿って垂下部63内に進入するので、容易に差し込むことができ、かつ、抜止バネ部68が所定の方向を向くようにすることができる。
【0056】
スラブ型枠上にコンクリートを打設し、硬化後型枠を解体する場合は、型枠の下側からスパナなどの工具で回動手段85を回動し、軸体62を取り除くと、型枠51を取り除けるようになる。アンカー本体61は型枠51に取り付けられたままになっているので、このまま次の階のスラブ型枠として転用できる。下筋保持部材の接合部74(この場合は金属ナット83の雌ねじ)は天井インサート(天井、ダクト、照明器具などを吊り下げるためのインサート)として使用できる。
【0057】
実施例4:
図19〜22は実施例のボード用アンカーと、これを用いた中空スラブ用スペーサ150に関し、図19は中空スラブ用スペーサ150の一部を切欠して示す要部説明図、図20はアンカー本体151の平面、一部切欠側面及び底面を示す説明図、図21は軸体160の2側面及び底面を示す説明図、図22は下筋保持部材170の平面、一部切欠側面及び底面を示す説明図である。
【0058】
本実施例のボード用アンカーはアンカー本体151と軸体160からなる。アンカー本体151はプラスチック製で、平面形状が六角形の基板152とその下面から垂下形成された2個の垂下部154からなる。基板152は表裏貫通する貫通孔153を有する。貫通孔153の平面形状は、円形の対向する2端部を弓形に切り欠いたタイコ形である。垂下部154はその弓形の部分から垂下形成され、横断面形状も弓形であるが、下端に外側に向かって膨出する抜止部155が形成されている。基板152の上面には、ボードの穴に差し込むときに折り曲がり変形しやすいように切込156が形成され、貫通孔153のタイコ形の直線部分には、軸体161の抜止バネ部を押し込みやすいように、テーパ部158が形成され、更に外縁部には立上部157が設けられている。アンカー本体151をボード(型枠51)に形成した穴に挿入すると、基板152は切込156で折れ曲がるように弾性変形し、対向する垂下部154は下端が相互に近づくように弾性変形しながら穴に進入し、抜止部155が穴を貫通すると基板及び垂下部は弾性によりものと形状に復帰し、基板152の背面と抜止部155の間でボードを挟持してアンカー本体151がボード(型枠51)に固定される。
【0059】
軸体160はプラスチック製で、円柱状をなし、上部に接合手段162(螺条)が形成され、下部には平面形状がタイコ形の抜止バネ部161が形成され、下端には六角形の回動手段165が形成されている。抜止バネ部161は縮めた状態でアンカー本体の貫通孔153をようやく通過できる形状と大きさを有し、垂下部の下方に突出すると弾発力によって開いて貫通孔153を通過不能となるとともに、垂下部の下部に係止して軸体が引き抜かれるのを防止する。抜止バネ部をこのようなタイコ形とすることで、抜止バネ部の垂下部に引っ掛かる面積と、軸体の耐引き抜き力が最大になる。なお、抜止バネ部161の上端に形成されている突起163は、図19に示すように、抜止バネ部161の弾性復帰力によって垂下部154を外側に押し広げるためのもので、これによって、抜止部155はボード(型枠51)の裏側に確実に引っ掛かり、アンカー本体が引き抜かれるのを防止する。また、軸体160の接合手段162(螺条)の下部には、目印164(縦溝)が180度反対側に2カ所設けられている。
【0060】
本実施例におけるスペーサ本体は、下筋保持部材170、支柱部材167及び図示しない上筋保持部材からなる。上筋保持部材は前記の実施例3と同様のものの他、任意のものを使用できる。
【0061】
下筋保持部材170はプラスチック製で、円柱状の筒状本体171の下端には六角形の底板部174が形成され、外周からは下筋保持部175が十字状に外側に向かってに4カ所張り出し形成されている。下筋保持部175上には下主筋53が支持され、その上にこれと直行する下配力筋54が支持される。筒状本体内部には六角柱状の中空のナット収納部172が形成され、その底部分にはボルト孔173が貫通している。収納部172内にはナット166(高ナット)が納められている。ナット166の上方からは支柱部材167を螺着し、下方からは軸体160を螺合する。したがって、ナット166は軸体を接合するための接合部である。また、ナット166の上部は下筋保持部材(170)の上部に突出して下筋(53)の移動を制限するので、下筋を配筋する際に下筋が位置決めされ、配筋作業が容易となる。下面には、ボルト孔173の周囲に45度ピッチで8個の目印突起177が突設されている。また、下筋保持部175の下部にはスリット176が形成され、図19に示すように、下筋を下筋保持部に結束線178で結束できるようになっている。下筋を結束するためには、このようなスリットに限らず、穴や突起などを設けても良い。
【0062】
下筋保持部材170には予めナット166を装着しておき、これに下側から軸体160を螺着する。このとき、目印164と目印突起177を合わせることで、下筋保持部材と軸体の位置合わせが行われる。その後、下筋保持部材を型枠51に取り付けてあるアンカー本体151に、軸体160を差し込んで取り付ける。このとき、軸体160の抜止バネ部161はアンカー本体151の貫通孔153と同じタイコ形で、しかも、バネを縮めてようやく通過できる大きさなので、軸体とアンカー本体の位置(角度)合わせは自動的になされる。また、下筋保持部材170の六角形の底板部174はアンカー本体151の基板152の立上部157の内周に嵌合するので、下筋保持部材170を回転して角度調整したときに、アンカー本体151も共に回転し、軸体とアンカー本体の位置(角度)関係が変化しないので、軸体の耐引き抜き強度が低下しない。下筋保持部材とアンカー本体を共に回転させるためには、このような構成の他に、接触面を凹凸嵌合にするなど種々の構成を用いることができる。
【0063】
このようにして下筋保持部材170を型枠に取り付けた後に、下筋配筋、ボイド設置、支柱・上筋保持部材・浮上防止手段の取り付け、上筋配筋を行う。型枠解体後、アンカー本体151は型枠に取り付けたままで他の階の型枠として転用でき、ナット166は天井インサートとして利用できるのは前記の実施例3と同様である。
【0064】
実施例5:
図23〜図27は本発明の実施例のボード用アンカー90と、これを用いた中空スラブ用スペーサに関し、図23は一部を切り欠いて示す中空スラブ用スペーサの要部説明図、図24はボード用アンカー90の取り付け状態の平面説明図、図25はアンカー本体91の側面図、図26は図25におけるAA線断面図、図27はパッキン材94の底面図である。
【0065】
本実施例のボード用アンカー90はアンカー本体91とパッキン材94からなる。アンカー本体91はプラスチック製で、概略円筒状をなし、上下方向に貫通するボルト孔92を有する。内部には金属ナット100がインサート成形により組み込まれており、これによって、ボルト孔92は螺条を有している。側面にはボード(型枠51)が嵌合する三日月形状の嵌合溝93と、パッキン部材94の突起97が係合する凹部98が形成されている。パッキン材94はゴム、軟質プラスチックなどの弾性体で形成することが望ましく、三日月形状をなし、ボード(型枠51)とアンカー本体91の間に填め込み、隙間を閉塞するもので、外れにくいように突起95、96、97が設けられている。また、底面には、容易に填め込めるように溝99が設けられている。
【0066】
ボード用アンカー90をボード(型枠51)に取り付ける際は、まず、アンカー本体91をボード(型枠51)に形成した円形穴57に差し入れた後、横(水平)方向に移動して嵌合溝93に前記円形穴57の周囲の部分のボードを嵌合し、アンカー本体91をボードに保持せしめる。更に、ビス107で固定すれば万全であるが、ビス止めは必須ではない。アンカー本体91を横方向に移動すると、円形穴57の一部に三日月形の隙間が発生するので、この隙間にパッキン材94を填め込み、閉塞する。パッキン材を填め込むことによって、ボード用アンカー90が型枠に固定される。
【0067】
図23のスペーサ本体101は、下筋保持部103を有する下筋保持部材102と、上筋保持部及び上筋浮上防止手段を有する上筋保持部材(図示せず)と、下筋保持部材と上筋保持部材を連結する支柱部材104とを有する。上筋保持部材は、例えば前記の実施例と同じものを用いることができる。下筋保持部材102はプラスチック製で、図29に示すように、下筋保持部103が1カ所、脚部108が2カ所、外方向に張り出し形成されている。内部には高ナット105がインサート成形によって組み込まれており、これにより下筋保持部材102は上下方向に貫通し内部に螺条を有するボルト孔を有している。
【0068】
支柱部材104は両端に雄ねじを有するボルトで、下端の雄ねじを高ナット105に螺合することで下筋保持部材102を取り付ける。下端の雄ねじの根元には外周に溝を形成して脆弱にした破断部106が設けられている。ボルトの下端は下筋保持部材102の底面から突出している。その突出部分を型枠に取り付けたボード用アンカー90の金属ナット100に螺合し、図23に示すように型枠51に固定する。このとき破断部106の位置は下筋保持部材102の内部(ボルト孔の内部)にあることが望ましい。
【0069】
実施例6:
図28に示す実施例6は、実施例5とボード用アンカーが異なるものである。また支柱部材104’の破断部106’が下端の雄ねじの途中に設けられている点で異なり、その他のスペーサ本体101’の構成は実施例5と同じである。ボード用アンカー110はプラスチック製で、筒状をなし、上部に基板111が設けられ、下端外周に抜止部112が突出形成されている。内部は上下に貫通し螺条を有するボルト孔となっている。ボード用アンカー110は型枠51に開けた穴に上から押し込むことで型枠に固定される。なお、ボード用アンカーはボルト孔を有し型枠に固定できるものであれば何でもよい。支柱部材104’の下端は下筋保持部材102の底面から突出している。その突出部分を型枠に取り付けたボード用アンカー110のボルト孔に螺合し、図28に示すように型枠51に固定する。このとき破断部106’の位置は下筋保持部材102の内部(ボルト孔の内部)にあることが望ましい。
【0070】
実施例5、6におて、スラブ型枠上にコンクリートを打設し、硬化後型枠を解体する場合は、型枠の下側から適宜の工具で支柱部材104、104’の下端の突出している部分を回動すると、破断部106、106’が破断してそれより下の部分を抜き取ることができ、型枠51を取り除けるようになる。ボード用アンカー90、110は型枠51に取り付けられたままになっているので、このまま次の階のスラブ型枠として転用できる。ボード用アンカー90、110及び高ナット105のボルト孔は天井インサート(天井、ダクト、照明器具などを吊り下げるためのインサート)として使用できる。
【0071】
実施例7:
図30に示すのは、スラブ下面に断熱材52を打ち込む(型枠51の上に断熱材52が設けられる)場合に用いる中空スラブ用スペーサ21’である。この場合のボード用アンカーは、型枠と断熱材の複合ボードに用いる実施例7のボード用アンカーであり、アンカー本体22’と軸体23’からなる。スペーサ本体32は前記の実施例2と同じである。このボード用アンカーは実施例2のボード用アンカーとは若干異なっている。すなわち、アンカー本体22’と軸体23’が断熱材52の厚みの分だけ長く形成されており、軸体23’に破断部30が設けられると共に、アンカー本体22’の垂下部6’にも外周面に設けた溝で脆弱となっている破断部31が設けられている。破断部30、31の位置は、型枠51と断熱材52の境目付近とするのがよい。アンカー本体22’及び軸体23’のその他の構成は前記の実施例2と同じである。型枠を解体する場合は、型枠の下側からスパナなどの工具で回動手段50を回動する。すると、破断部30で軸体23’が折れ、アンカー本体22’の下の部分も供回りして破断部31で垂下部6’が折れ、軸体23’及びアンカー本体22’の破断部30、31から下側の部分を取り除くことができ、型枠51を取り除けるようになる。型枠51を取り除くと、断熱材52がスラブの下面に打ち込まれた状態で残る。この場合、垂下部は基板の非円形の貫通孔の周囲から垂下形成されているので、軸体23’の軸部分と垂下部6’の間には隙間が生じ、したがって、断熱材52部分に僅かな空間が存在することとなり、スラブの断熱性能が若干低下する。
【0072】
実施例8:
図31〜33は実施例8のボード用アンカーに関し、図31はボード用アンカーの一部を切欠して示す説明図、図32はアンカー本体120の説明図、図33は軸体121の説明図である。
【0073】
本実施例のボード用アンカーも、スラブに断熱材52を打ち込む(型枠51の上に断熱材52が設けられる)場合に用いるものである。アンカー本体120は、基板130と垂下部122からなり、円板状の基板130は表裏貫通する円形の貫通孔131が形成され、その周囲から円筒状の垂下部122が垂下形成されている。垂下部122の下端には、外側に向かって膨出する抜止部124が形成されている。垂下部122は上部は肉薄の筒状で、下部123は円柱を中央でくり抜いたような切欠部128によって2つ割れとなっており、その隙間dは上部の内径よりも小さくなっている。また、垂下部122内面の上部の最下部にストッパ受部126が形成されている。これは、軸体121のストッパ137に対応するものである。垂下部122の外周面には溝により脆弱となっている破断部125、粗面の一態様である突条129が形成されている。垂下部122の下面にはストッパ突起127が設けられている。
【0074】
軸体121は共に円柱状の上部軸132及び下部軸133を有し、上端に接合手段136、下端に下頭部134が形成され、下頭部134の下面には回動手段135が設けられている。下頭部134及び接合手段136は前記の実施例2の下頭部28及び接合手段29と同様のものである。上部軸132の外径はアンカー本体の垂下部122の上部の内径にほぼ等しく、下部軸133の外形は垂下部の下部123の隙間dとほぼ等しくなっている。下部軸133の上部にはストッパ137が180°反対側に2カ所突出形成され、その上の上部軸との境目に脆弱部138が形成されている。
【0075】
アンカー本体120は、ボード(型枠51及び断熱材52)に開けた円形の穴に上部から差し込んで固定する。軸体121は、例えば実施例2と同じスペーサ本体32に取り付け、アンカー本体120の貫通孔131、垂下部122に差し込み、90°回転する。このとき、ストッパ137はストッパ受部126に当接し、下頭部134の外端がストッパ突起127に当接して回転が停止する。破断部125、138は共に型枠51と断熱材52の境目付近に位置する。上部軸132の外径はアンカー本体の垂下部122の上部の内径にほぼ等しいので、間に隙間はほとんどできず、断熱材52部分に空間が生じないので、断熱性能が低下しない。
【0076】
型枠を解体する場合は、型枠の下側からスパナなどの工具で回動手段135を回動する。すると、ストッパ137が前記ストッパ受部126に当接し、また、下頭部134の外端がストッパ突起127に当接しているために、下部軸133と共に垂下部122の下部123が回転し、破断部138、125が破断して下部軸133と垂下部122の下部123を取り除き、型枠51を取り外せるようになる。型枠51を取り外すと、断熱材52がスラブの下面に打ち込まれた状態で残る。
【0077】
【発明の効果】
本発明の中空スラブ用スペーサは、例えば図34、35に示されるように、中空スラブの配筋に利用することができる。直行する2方向の上筋55、56及び下筋53、54で形成される四角形のマスの中に発泡スチロール製のボイド140が配置される。ボイド140は、図36に示すように、繭玉形状をなし、貫通筋141で複数個を連結一体化している。貫通筋141は上配力筋56の下側に結束固定されてボイド140が支持される。スラブ型枠上にコンクリートを打設すると、ボイド140はコンクリートに比べて著しく軽いために大きな浮力が生じるが、上筋(55、56)を介してスラブスペーサの浮上防止手段によって、浮き上がりが防止される。スラブスペーサは本発明のボード用アンカーによって型枠に固定されているから、上下の配筋全体が浮き上がることもない。
【0078】
本発明において、ボード用アンカーはボードの片側(型枠の上側)からの作業のみで型枠などのボードに強固に取り付けることができるので取り付け作業がきわめて簡単である。軸体の上部に浮き上がり防止手段を設けることで、中空スラブ用緊結具となる。また、中空スラブ用緊結具又は中空スラブ用スペーサに利用した場合、スラブ型枠の解体に際しては、軸体をねじ切るなどして一部材を取り除くのみで、容易に型枠を解体できる状態にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の中空スラブ用緊結具1の一部を切欠して示す説明図である。
【図2】アンカー本体2の斜視図である。
【図3】アンカー本体2を型枠52に挿入する説明図である。
【図4】軸体3の斜視図である。
【図5】中空スラブ用スペーサ21の一部を切欠して示す説明図である。
【図6】アンカー本体22の斜視図である。
【図7】軸体23の斜視図である。
【図8】上筋保持部材38の側面説明図である。
【図9】下筋保持部材37の斜視図である。
【図10】アンカー本体22と下筋保持部材37を接合した状態の斜視図である。
【図11】アンカー本体22と下筋保持部材37を接合した状態の斜視図である。
【図12】中空スラブ用スペーサ60の一部を切欠して示す説明図である。
【図13】アンカー本体61の平面、側面及び底面を示す説明図である。
【図14】軸体62の底面図である。
【図15】下筋保持部材75の正面と側面を示す説明図である。
【図16】下筋保持部材75の平面図である。
【図17】上筋保持部材76の正面と側面を示す説明図である。
【図18】上筋保持部材76の底面図である。
【図19】中空スラブ用スペーサ150の一部を切欠して示す要部説明図である。
【図20】アンカー本体151の平面、一部切欠側面及び底面を示す説明図である。
【図21】軸体160の2側面及び底面を示す説明図である。
【図22】下筋保持部材170の平面、一部切欠側面及び底面を示す説明図である。
【図23】スペーサ本体101の要部とボード用アンカー90の一部を切り欠いて示す説明図である。
【図24】ボード用アンカー90の取り付け状態の平面説明図である。
【図25】アンカー本体91の側面図である。
【図26】図25におけるAA線断面図である。
【図27】パッキン材94の底面図である。
【図28】スペーサ本体101’の要部とボード用アンカー110の一部を切り欠いて示す説明図である。
【図29】下筋保持部材102の平面説明図である。
【図30】中空スラブ用スペーサ21’の一部を切欠して示す説明図である。
【図31】ボード用アンカーの一部を切欠して示す説明図である。
【図32】アンカー本体120の説明図である。
【図33】軸体121の説明図である。
【図34】スラブスペーサ21を用いた中空スラブの例を示す平面説明図である。
【図35】図34における断面説明図である。
【図36】ボイド140の例を示す平面及び側面説明図である。
【符号の説明】
1 中空スラブ用緊結具
2 アンカー本体
3 軸体
4 基板
5 貫通孔
6 垂下部
7 抜止部
8 切込
9 ストッパ受部
10 立上部
11 下頭部
12 浮上防止手段
13 円板部
14 ストッパ
15 回動手段
16 破断部
21 中空スラブ用スペーサ
22 アンカー本体
23 軸体
24 基板
25 貫通孔
26 垂下部
27 抜止部
28 下頭部
29 接合手段
30 破断部
31 破断部
32 スペーサ本体
33 下筋保持部
34 上筋保持部
35 浮上防止手段
36 接合部
37 下筋保持部材
38 上筋保持部材
39 支柱部材
40 ナット装着部
41 ナット装着部
42 金属ナット
43 金属ナット
44 挿入口
45 回転空所
46 位置決め片
47 位置決め突起
48 位置決め突起
49 切込
50 回動手段
51 型枠
52 断熱材
53 下主筋
54 下配力筋
55 上主筋
56 上配力筋
57 円形穴
58 ストッパ片
59 ストッパ突起
60 中空スラブ用スペーサ
61 アンカー本体
62 軸体
63 垂下部
64 基板
65 抜止部
66 段部
67 接合手段
68 抜止バネ部
69 縦溝
70 スペーサ本体
71 下筋保持部
72 上筋保持部
73 浮上防止手段
74 接合部
75 下筋保持部材
76 上筋保持部材
77 支柱部材
78 ナット装着部
79 ナット装着部
80 金属ナット
81 金属ナット
82 ナット装着部
83 金属ナット
84 ビス
85 回動手段
86 ガイド部
90 ボード用アンカー
91 アンカー本体
92 ボルト孔
93 嵌合溝
94 パッキン材
95 突起
96 突起
97 突起
98 凹部
99 溝
100 金属ナット
101 スペーサ本体
102 下筋保持部材
103 下筋保持部
104 支柱部材
105 高ナット
106 破断部
107 ビス
108 脚部
110 ボード用アンカー
111 基板
112 抜止部
120 アンカー本体
121 軸体
122 垂下部
123 垂下部の下部
124 抜止部
125 破断部
126 ストッパ受部
127 ストッパ突起
128 切欠部
129 突条
130 基板
131 貫通孔
132 上部軸
133 下部軸
134 下頭部
135 回動手段
136 接合手段
137 ストッパ
138 破断部
140 ボイド
141 貫通筋
150 中空スラブ用スペーサ
151 アンカー本体
152 基板
153 貫通孔
154 垂下部
155 抜止部
156 切込
157 立上部
158 テーパ部
160 軸体
161 抜止バネ部
162 接合手段
163 突起
164 目印
165 回動手段
166 ナット(接合部)
167 支柱部材
170 下筋保持部材
171 筒状本体
172 ナット収納部
173 ボルト孔
174 底板部
175 下筋保持部
176 スリット
177 目印突起
178 結束線

Claims (30)

  1. 表裏貫通する非円形貫通孔(5、25)を有する基板(4、24)の裏面の貫通孔周囲から、外側に向かって膨出する抜止部(7、27)を下端に有する垂下部(6、26)を垂下形成したアンカー本体(2、22)と、前記貫通孔(5、25)と垂下部(6、26)の中に挿通可能で所定角度回転することで引き抜き不能となる非円形の下頭部(11、28)を下端に備えた軸体(3、23)とからなり、前記アンカー本体(2、22)をボードに形成した穴に挿入すると前記基板(4、24)の背面と抜止部(7、27)の間でボードを挟持してアンカー本体(2、22)がボードに固定され、このアンカー本体(2、22)に前記軸体(3、23)を挿入して所定角度回転することで前記下頭部(11、28)が前記垂下部(6、26)の下端に係合して引き抜き不能となることを特徴とするボード用アンカー
  2. 請求項1のボード用アンカーにおいて、前記垂下部(6、26)の外周面が粗面に形成されていることを特徴とするボード用アンカー
  3. 請求項1又は2のボード用アンカーにおいて、前記垂下部(6、26)が2本対向して形成されており、その対向する垂下部(6、26)の下端の隙間をなくすように閉じると、下端の抜止部(7、27)の外径がボードの穴径とほぼ等しくなることを特徴とするボード用アンカー
  4. 垂下部(63)と、その上端に形成された基板(64)とからなり、垂下部(63)の下端には外側に膨出する抜止部(65)を形成し、垂下部(63)の内壁には下部が上部よりも内径が大きくなるような段部(66)を形成したアンカー本体(61)と、下部に矢印状の抜止バネ部(68)を有する軸体(62)とからなり、前記アンカー本体(61)をボードに形成した穴に挿入すると前記基板(64)の背面と抜止部(65)の間でボードを挟持してアンカー本体(61)がボードに固定され、このアンカー本体(61)に前記軸体(62)を挿入すると、前記抜止バネ部(68)が前記段部(66)に係合して引き抜き不能となることを特徴とするボード用アンカー
  5. 請求項4のボード用アンカーにおいて、前記垂下部(63)の内壁上部に、前記抜止バネ部(68)に対応してテーパ状のガイド部(86)を形成し、前記アンカー本体(61)に前記軸体(62)を挿入するときに、ガイド部(86)がガイドとなって軸体(62)が容易に、かつ、所定の向きに挿入されることを特徴とするボード用アンカー
  6. 表裏貫通し円形の対向する2端部を弓形に切り欠いたタイコ形をなす貫通孔(153)を有する基板(152)の裏面の前記弓形部分から、該弓形の断面形状をなし、外側に向かって膨出する抜止部(155)を下端に有する垂下部(154)を垂下形成したアンカー本体(151)と、下部に矢印状の抜止バネ部(161)を有する軸体(160)とからなり、前記アンカー本体(151)をボードに形成した穴に挿入すると前記基板(152)の背面と抜止部(155)の間でボードを挟持してアンカー本体(151)がボードに固定され、このアンカー本体(151)の前記貫通孔(153)に前記軸体(160)を挿入すると、前記抜止バネ部(161)が前記垂下部の下で開いて引き抜き不能となるボード用アンカーであって、前記抜止バネ部(161)の平面形状が前記タイコ形をなし、縮めた状態では前記貫通孔(153)を通過可能で、解放した状態では前記垂下部に引っ掛かって引き抜き抜き不能となることを特徴とするボード用アンカー
  7. 請求項1〜6のいずれかのボード用アンカーにおいて、前記軸体の軸に脆弱に形成された破断部(16、30)を設けたことを特徴とするボード用アンカー
  8. 上下方向に貫通し内周に雌ねじを有するボルト孔(92)を有し、側面にはボードが嵌合する三日月形状の嵌合溝(93)を有する概略円筒形状のアンカー本体(91)と、該アンカー本体(91)をボードに形成した円形穴(57)に差し入れた後横方向に移動して前記嵌合溝(93)に前記円形穴(57)の周囲の部分のボードを嵌合してアンカー本体(91)をボードに保持せしめたときに生じる円形穴(57)との隙間を閉塞する三日月形状のパッキン材(94)とからなることを特徴とするボード用アンカー
  9. 請求項8のボード用アンカーにおいて、前記ボルト孔(92)が雌ねじを有し、該雌ねじがアンカー本体(91)に装着された金属ナット(100)によって形成されていることを特徴とするボード用アンカー
  10. 請求項1〜7のいずれかのボード用アンカーの前記軸体(3)の上部に鉄筋及び/又はボイドの浮き上がりを防止する浮上防止手段(12)を設けたことを特徴とする中空スラブ用緊結具
  11. 請求項8又は9のボード用アンカーの前記ボルト孔に、上部に鉄筋及び/又はボイドの浮き上がりを防止する浮上防止手段を有する軸体を螺着したことを特徴とする中空スラブ用緊結具
  12. 上筋及び/又は下筋を所定の高さ位置に保持する鉄筋保持部と、鉄筋及び/又はボイドの浮き上がりを防止する浮上防止手段(35、73)を有するスペーサ本体(32、70)と、上部に任意の接合手段(29、67)を備える前記軸体(23、62)を有する請求項1〜7のいずれかのボード用アンカーとからなり、前記スペーサ本体(32、70)は前記軸体(23、62)の接合手段(29、67)と接合可能な接合部(36、74)を有することを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  13. 下筋保持部(33、71)、上筋保持部(34、72)及び上筋の浮き上がりを防止する浮上防止手段(35、73)を有するスペーサ本体(32、70)と、請求項1〜7のいずれかのボード用アンカーからなり、前記スペーサ本体(32、70)は前記軸体(23、62)の接合手段(29、67)と接合可能な接合部(36、74)を有することを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  14. 請求項13のスペーサにおいて、前記スペーサ本体(32、70)は下筋保持部(33、71)を有する下筋保持部材(37、75)と、上筋保持部(34、72)及び上筋浮上防止手段(35、73)を有する上筋保持部材(38、76)と、下筋保持部材(37、75)と上筋保持部材(38、76)を連結する支柱部材(39、77)とを有し、該支柱部材(39、77)が上下端に雄ねじが形成されたボルトであり、該支柱部材(39、77)の下端の雄ねじを前記下筋保持部材(37、75)に形成した雌ねじに螺着し、上端の雄ねじを前記上筋保持部材(38、76)に形成した雌ねじに螺着したことを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  15. 請求項14のスペーサにおいて、前記下筋保持部材(37、75)及び上筋保持部材(38、76)の雌ねじが、下筋保持部材(37、75)及び上筋保持部材(38、76)に形成され、かつ、下筋保持部材(37、75)及び上筋保持部材(38、76)の側面に開口するナット装着部(40、78、41、79)に挿入、装着した金属ナット(42、80、43、81)の雌ねじであることを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  16. 請求項12〜15のいずれかのスペーサにおいて、前記軸体(23)の接合手段(29)が非円形の上頭部であり、前記スペーサ本体の接合部(36)がスペーサ本体(32)の下面に形成された非円形の挿入口(44)とその奧の回転空所(45)であり、軸体(23)の上頭部をスペーサ本体(32)の挿入口(44)から回転空所(45)に挿入し、所定角度回転することで上頭部が引き抜き不能となることを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  17. 請求項16のスペーサにおいて、前記スペーサ本体(32)の下面に位置決め片(46)を、前記アンカー本体(22)の基板(24)上面に位置決め突起(47、48)を設け、スペーサ本体(32)とアンカー本体(22)を相対的に所定角度回転したときに、位置決め片(46)が位置決め突起(47、48)に係合してスペーサ本体(32)とアンカー本体(22)とが相対的に位置決めされて回転が拘束されることを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  18. 請求項16又は17のスペーサにおいて、前記軸体(23)の上部にストッパ片(58)が、スペーサ本体(32)の下面にストッパ突起(59)が形成され、前記軸体(23)とスペーサ本体(32)とを相対的に所定角度回転したときにストッパ片(58)がストッパ突起(59)に当接して軸体(23)とスペーサ本体(32)の相対的な回転が拘束されることを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  19. 下筋保持部材(170)、上筋保持部材及び上筋の浮上を防止する浮上防止手段を有するスペーサ本体と、上部に接合手段(162)である螺条を有する前記軸体(160)を有する請求項6のボード用アンカーとからなり、前記下筋保持部材(170)は前記軸体(160)の接合手段(162)と接合可能な接合部(166)を有する中空スラブ用スペーサであって、前記接合手段(162)と前記接合部(166)とを接合したときに、前記スペーサ本体と前記下筋保持部材とが一体化し、どちらか一方を回転させると他方が共に回転することを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  20. 請求項19のスペーサにおいて、前記軸体(160)及び下筋保持部材(170)に、相互の位置合わせのための目印を設けたことを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  21. 請求項19又は20のスペーサにおいて、前記接合部が前記下筋保持部材(170)に装着したナット(166)であり、該ナット(166)の上部が前記下筋保持部材(170)の上部に突出して下筋(53)の移動を制限することを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  22. 請求項14、15、19、20又は21のスペーサにおいて、前記下筋保持部材が下筋との結束が可能なものであることを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  23. 下筋保持部(103)上筋保持部及び上筋の浮き上がりを防止する浮上防止手段を有し、下面からボルトを突出したスペーサ本体(101)と、請求項8又は9のボード用アンカーとからなり、前記スペーサ本体(101)のボルトを前記ボード用アンカーのボルト孔に螺合することを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  24. 請求項23のスペーサにおいて、前記スペーサ本体(101)は下筋保持部(103)を有する下筋保持部材(102)と、上筋保持部及び上筋浮上防止手段を有する上筋保持部材と、下筋保持部材(102)と上筋保持部材を連結する支柱部材(104)とを有し、前記支柱部材(104)が上下端に雄ねじが形成されたボルトであり、該支柱部材(104)の下端の雄ねじを前記下筋保持部材(102)の雌ねじに螺着すると共に支柱部材(104)の下端を下筋保持部材(102)の下面から下方に突出させ、上端の雄ねじを前記上筋保持部材の雌ねじに螺着したことを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  25. 下筋保持部(103)を有する下筋保持部材(102)と、上筋保持部及び上筋浮上防止手段を有する上筋保持部材と、下筋保持部材(102)と上筋保持部材を連結する支柱部材(104)とを有するスペーサ本体(101)と、型枠に固定するボード用アンカー(90、110)とからなり、前記支柱部材(104)が上下端に雄ねじが形成されたボルトであり、該支柱部材(104)の下端の雄ねじを前記下筋保持部材(102)の雌ねじに螺着すると共に支柱部材(104)の下端を下筋保持部材(102)の下面から下方に突出させ、上端の雄ねじを前記上筋保持部材の雌ねじに螺着することで前記スペーサ本体が組み立てられており、前記支柱部材(104)の下端部を型枠に固定したボード用アンカー(90、110)のボルト孔に螺着して型枠に取り付けるスペーサであって、前記支柱部材(104)の前記下筋保持部材(102)の内部にある位置に、脆弱に形成された破断部(106)を設けたことを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  26. 請求項7のボード用アンカーにおいて、該ボード用アンカーが型枠(51)とその上に設けた断熱材(52)とを複合したボードに用いるものであり、前記垂下部(6’)に脆弱に形成された破断部(31)を設けたことを特徴とするボード用アンカー
  27. 請求項12〜18のいずれかのスペーサにおいて、前記ボード用アンカーが請求項26のボード用アンカーであることを特徴とする中空スラブ用スペーサ
  28. 型枠(51)とその上に設けた断熱材(52)とを複合したボードに用いるボード用アンカーであって、表裏貫通する円形の貫通孔(131)を有する基板(130)の裏面の貫通孔周囲から、外側に向かって膨出する抜止部(124)を下端に有する垂下部(122)を垂下形成したアンカー本体(120)と、上部軸(132)が前記貫通孔(131)とほぼ同径、下部軸(133)がそれよりも小径に形成され、該上部軸(132)と下部軸(133)の境目が型枠(51)と断熱材(52)の境目付近にあり、前記貫通孔(131)と垂下部(122)の中に挿通可能で所定角度回転することで引き抜き不能となる非円形の下頭部(134)を下端に備えた軸体(121)とからなり、前記アンカー本体(120)をボード(51、52)に形成した穴に挿入すると前記基板(130)の背面と抜止部(124)の間でボード(51、52)を挟持してアンカー本体(120)がボードに固定され、このアンカー本体(120)に前記軸体(121)を挿入して所定角度回転することで前記下頭部(134)が前記垂下部(122)の下端に係合して引き抜き不能となることを特徴とするボード用アンカー
  29. 請求項28のボード用アンカーにおいて、前記垂下部(122)の型枠(51)と断熱材(52)の境目に相当する付近に脆弱に形成された破断部(125)を設け、前記上部軸(132)の直下に脆弱に形成された破断部(138)を設けたことを特徴とするボード用アンカー
  30. 請求項29のボード用アンカーにおいて、前記下部軸(133)外周にストッパ(137)を突設し、前記垂下部(122)内面にこれに対応するストッパ受部(126)を突設し、前記軸体(121)を所定角度回転すると、前記ストッパ(137)が前記ストッパ受部(126)に当接して回転が停止し、型枠解体時には前記下頭部(134)を強い力で回転すると、前記ストッパ(137)が前記ストッパ受部(126)に当接しているために下部軸(133)と共に垂下部(122)の下部(123)が回転し、破断部(138)が破断して下部軸(133)を取り外せると共に、破断部(125)が破断して垂下部(122)の下部(123)を取り外せることを特徴とするボード用アンカー
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