JP2004323637A - カルボン酸(塩)系重合体の製造方法並びに組成物、洗剤組成物及び水処理剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体50〜100モル%及び(b)上記(a)の単量体と共重合可能な他のモノエチレン性不飽和単量体0〜50モル%(但し、単量体(a)と(b)の合計量は100モル%である)と亜硫酸塩とを、水系反応媒体中に添加し、該亜硫酸塩1モルに対して1.0〜20.0モルの酸素量となるように酸素を吹き込みながら重合し、かつ重合濃度が20質量%以上であることを特徴とするカルボン酸(塩)系重合体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカルボン酸(塩)系重合体の製造方法に関するものである。更に詳しくは、洗剤ビルダーや水処理剤として有用なカルボン酸(塩)系低分子重合体を、高純度でかつ高い生産性で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
分子量500〜100,000程度の低分子量のカルボン酸(塩)系重合体の製造は、単量体であるカルボン酸(塩)の重合性が非常に高いため、低分子量体を製造することは難しい。一般的には、重合時間を長くする、重合開始剤を増量する、過硫酸塩等の開始剤と連鎖移動剤の併用することが知られているが、重合時間を長くする方法は、製造施設や装置において制限が生じ、また製造コストがかかるという問題があり、重合開始剤を増量したり、連鎖移動剤を併用する方法では、得られる製品純分が低下し、性能低下を招くという問題がある。また、重合濃度が増加すると分子量も増加してしまうため、重合濃度を下げる方法も低分子量化には有効であるが、高濃度の製品が得られず、濃縮工程が必要であるという問題がある。
【0003】
かかる課題を解決するものとして、特許文献1(特開昭62−121705号)には、円筒又は二重円筒からなる反応筒の一端部から原料等の必要成分と空気等のガスを並流に供給し、ガス流により原料モノマーの薄膜流を反応筒の内壁に形成させて反応させるという特殊な装置を用いたカルボン酸系重合体の連続重合法が記載されている。
【0004】
また、特許文献2(特公昭60−24806号)には、アクリル酸塩系単量体と亜硫酸塩とを、水系反応媒体中に連続的に添加し、空気を連続的に吹き込み、空気と反応媒体とを接触しながら重合する方法が記載されており、特に、限定された量の亜硫酸水素ナトリウムと限定された量の空気との組み合わせを用い、比較的低温で水溶液重合することにより、分子量を500〜100,000まで任意に調節でき、生産性よくアクリル酸塩系重合体が製造できると記載されている。
【0005】
更に、特許文献3(特開平1−167305号公報)には、水溶性ビニルモノマーを重合する際に、0.1〜30モル%の亜硫酸水素イオンの存在下、紫外線を照射して低分子量の水溶性重合体を製造する方法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−121705号公報
【特許文献2】
特公昭60−24806号公報
【特許文献3】
特開平1−167305号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、特殊な装置が必要であり、バッチ釜での製造は不可能であり、また、原料モノマーの薄膜流を反応筒の内壁に形成させるために大量のガスを吹き込むため、発生する亜硫酸ガスが系外に流出し、格別の処理装置が必要であるという問題がある。特許文献3記載の方法においても、紫外線照射という手段が必要なため、そのための特殊な装置が必要である。また、特許文献2記載の方法においても、純度や重合効率の点で、更なる改良の余地がある。
従って本発明の目的は、純度が高く、生産性良く、良好な性能を有する低分子量カルボン酸(塩)系重合体を製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記の(1)〜(4)により達成されることが見出された。
(1)(a)炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体50〜100モル%及び(b)上記(a)の単量体と共重合可能な他のモノエチレン性不飽和単量体0〜50モル%(但し、単量体(a)と(b)の合計量は100モル%である)と亜硫酸塩とを、水系反応媒体中に添加し、該亜硫酸塩1モルに対して1.0〜20.0モルの酸素量となるように酸素を吹き込みながら重合し、かつ重合濃度が20質量%以上であることを特徴とするカルボン酸(塩)系重合体の製造方法。
【0009】
(2)上記(1)記載の方法により得られたカルボン酸(塩)系重合体を含有してなる組成物。
(3)上記(1)記載の方法により得られたカルボン酸(塩)系重合体を含有してなる洗剤組成物。
(4)上記(1)1記載の方法により得られたカルボン酸(塩)系重合体を含有してなる水処理剤。
【0010】
本発明は、驚くべきことに、上記重合法において、亜硫酸塩に対し特定の酸素量となるように酸素を吹き込むことにより、重合効率が格段に向上し、純分の高い高性能の低分子量のカルボン酸(塩)系重合体を得ることができることを見出したものである。これは、「亜硫酸塩1モルに対して1モル以上」の酸素量という着眼点が極めて有効であり、酸素をこの特定量以上で吹き込むことにより、重合開始に必要なラジカルが効率的に生成することによるものと推定される。従って、特殊な装置を用いたり、重合開始剤量を増量したりしなくても低分子量体を効率よく製造することができる。また重合濃度を20質量%以上と高濃度に設定しても、有効量のラジカルが存在しているため、低分子量の重合体を得ることができるものと推定される。
【0011】
上記特許文献2では、亜硫酸水素ナトリウム1モルに対して「標準状態に換算して10L以上の空気」を吹き込むことが記載されており、実施例においては「25〜67Lの空気」が連続的に吹き込まれている。ここで、明細書に記載される「10Lの空気」は本発明の酸素量に換算すると、「0.094モル/亜硫酸塩1モル」に相当し、該実施例で実施された空気量は、「0.30〜0.77モル/亜硫酸塩1モル」に相当することから、かかる酸素量では本発明の特徴であるラジカル発生効果を期待することはできない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の原料モノマーは、上記の通り、(a)炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体50〜100モル%、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%であり、(b)上記(a)の単量体と共重合可能なその他のモノエチレン性不飽和単量体0〜50モル%、好ましくは0〜20モル%、より好ましくは0〜5モル%である(但し、単量体(a)と(b)の合計量は100モル%である)。(a)成分の組成が50モル%以下であると、本発明で得られる重合体の泥分散性などの性能が低下するため好ましくない。
【0013】
単量体(a)としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸;上記モノカルボン酸モノエチレン不飽和単量体をアルカリ金属により部分中和した塩、または完全中和した塩;上記ジカルボン酸モノエチレン不飽和単量体をアンモニア、あるいはモノエタノールアミンやトリエタノールアミンなどの有機アミン類により部分中和した塩、または完全中和した塩、などが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)であり、特に好ましくはアクリル酸(塩)である。単量体(a)は、1種類であっても2種類以上含有していてもよい。
【0014】
単量体(b)としては、単量体(a)と共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体であれば特に制限はないが、水溶性の単量体が好ましく、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸モノエチレン不飽和単量体;上記ジカルボン酸モノエチレン不飽和単量体をアルカリ金属により部分中和した塩、または完全中和した塩;上記ジカルボン酸モノエチレン不飽和単量体をアンモニア、あるいはモノエタノールアミンやトリエタノールアミンなどの有機アミン類により部分中和した塩、または完全中和した塩;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和単量体;上記モノエチレン性不飽和単量体をアルカリ金属により部分中和した塩、または完全中和した塩;上記モノエチレン性不飽和単量体をアンモニア、あるいはモノエタノールアミンやトリエタノールアミンなどの有機アミン類により部分中和した塩、または完全中和した塩;3−メチル−2−ブテン−1−オール(プレノール)、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、2−ヒドロキシルアクリレート、2−ヒドロキシメチルアクリレートなどの水酸基を含有する不飽和単量体;などが挙げられる。上記化合物の中でも、より好ましくはモノエチレン性不飽和ジカルボン酸、スルホン酸基を含有する不飽和炭化水素、および、それらの部分または完全中和塩より選択される1種類または2種類以上の化合物である。
【0015】
単量体(a)および(b)は、全使用量に対し、70質量%以上、好ましくは90質量%以上、特に好ましくは全量を、滴下することにより反応系に添加する。滴下は、実質的に連続的であることが好ましい。滴下の割合が70質量%未満(即ち初期仕込量が30質量%以上)であると、重合初期に単量体(a)または(b)がブロック的に重合し、また高分子量化する恐れがあるため、カルシウムイオン捕捉能、高硬度水でのクレー分散能、スケール防止能のいずれかに悪影響を及ぼし好ましくない。単量体(a)および(b)の滴下時間は、30〜360分間、好ましくは60〜240分間、特に好ましくは90〜240分間である。滴下時間が30分間より短いと単量体(a)および(b)がブロック的に重合するため、また360分を越えると製造施設・装置の点から制限を受けるだけでなく、製造費の上昇を招く。何れも高硬度水での泥(クレー)分散能、耐ゲル化能などに悪影響を及ぼし好ましくない。なお、中和度については後述する。
【0016】
本発明で用いられる亜硫酸塩としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等が挙げられ、特に亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。亜硫酸塩の量は、上記単量体(a)及び単量体(b)の合計量1モルに対して、0.010〜0.5モルの範囲で用いることが好ましい。より好ましくは0.02〜0.3モル、更に好ましくは0.04〜0.2モルの範囲である。0.01モルより少ないと、得られるモノカルボン酸(塩)系重合体の分子量が高くなる傾向があり好ましくなく、一方、0.5モルより多いと、得られるものカルボン酸(塩)系重合体の純度が低下する等の悪影響を及ぼすことがあり、好ましくない。本発明によれば、亜硫酸塩の量を少なくしても十分低分子量の重合体を得ることができるため、純分の高い重合体を得ることができるため、重合体純度が高く、性能(例えば、泥分散性、キレート性能など)の優れた製品を得ることができる。
【0017】
亜硫酸塩の添加方法としては、特に限定されないが、その分解性等を鑑み、全使用量に対し滴下する量が必要所定量の50質量%以上であることが好ましく、特に好ましくは80質量%以上であり、全量を滴下することが最も好ましい。
【0018】
滴下時間も特には限定されないが、後述する重合温度、重合時のpHにおける条件下において、単量体滴下終了後から30分以内に終了することが好ましく、単量体滴下終了後10分以内に終了することがより好ましく、単量体滴下終了と同時に終了することが特に好ましい。これにより、共重合体における単量体の残量を著しく減じることが出来る効果を見出せる。なお、単量体の滴下終了前に、これら開始剤の滴下を終了しても、重合に特に悪影響を及ぼすものではなく、得られた共重合体中における単量体の残存量に応じて設定すれば良いものである。
これらの滴下終了時間についてのみ好ましい範囲を述べたが、滴下開始時間は何ら限定されるものではなく、適宜設定すれば良い。例えば、場合によっては単量体の滴下開始前に開始剤の滴下を開始しても良い。何れも、開始剤の分解速度、単量体の反応性に応じて適宜設定すれば良い。
【0019】
また、添加時の亜硫酸塩の濃度は、特には限定されないが、好ましくは5〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。亜硫酸塩の濃度が5質量%未満であると、結果的に重合中の単量体濃度が非常に低くなるので、単量体の重合性が非常に悪くなり得られる重合体中における単量体の残存量が多くなる傾向があり、好ましくない。また輸送等の効率や生産性も低くなり経済的な面からも好ましくない。逆に60質量%を超えると、安全性や滴下の簡便性の面で好ましくない。
【0020】
本発明では、さら必要に応じて、重合促進剤として多価金属イオンを併用しても良い。使用できる有効な多価金属イオンとしては、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Cu+、V2+、V3+、VO2+等が挙げられる。好ましくはCu2+、Fe2+、Fe3+である。これらを単独で用いても良いし、2種以上の併用系でも良い。
これらの多価金属イオンの添加方法は特に限定されないが、単量体の滴下終了前までに添加することが好ましく、全量初期仕込することが特に好ましい。また、使用量としては反応液全量に対して100ppm以下であることが好ましい。この範囲内において、多価金属イオンを添加した効果が見られ、また共重合体を着色させることなく、洗剤組成物として用いる場合などにも十分使用することができる。
【0021】
多価金属イオンの供給形態については特に制限はなく、重合反応系内でイオン化するものであれば、どのような金属化合物、金属であってもよい。このような金属化合物、金属としては、例えば、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウム、シュウ酸バナジウム、硫酸バナジウム、無水バナジン酸、メタバナジン酸アンムニウム、硫酸アンモニウムハイボバナダス[(NH4)2SO2・VSO4・6H2O]、硫酸アンモニウムバナダス[(NH4)V(SO4)2・12H2O]、酢酸銅(II)、臭化銅(II)、銅(II)アセチルアセテート、塩化第二銅、塩化銅アンモニウム、炭酸銅、塩化銅(II)、クエン酸銅(II)、ギ酸銅(II)、水酸化銅(II)、硝酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅(II)、マレイン酸銅、リン酸銅、硫酸銅(II)、塩化第一銅、シアン化銅(I)、ヨウ化銅、酸化銅(I)、チオシアン酸銅、鉄アセチルアセナート、クエン酸鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄アンモニウム、硫酸第一鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸鉄、フマル酸鉄、マレイン酸鉄、乳酸第一鉄、硝酸第二鉄、鉄ペンタカルボニル、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄等の水溶性金属塩、五酸化バナジウム、酸化銅(II)、酸化第一鉄、酸化第二鉄等の金属酸化物、硫化銅(II)、硫化鉄などの金属硫化物、銅粉末、鉄粉末等を挙げることができる。本発明の重合用単量体組成物としては、上述の単量体や重合開始剤、連鎖移動剤、多価金属イオン等の添加剤を含んでいる。なお、他に、本発明の重合反応を阻害しない範囲、できた水溶性共重合体の物性を阻害しない範囲で、これら例示した添加剤以外のその他の添加剤等を単量体組成物に含んでもかまわない。
【0022】
本発明の共重合体の製造方法における溶媒としては、単量体の溶解度を増すために、必要に応じて重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を添加しても良いが、好ましくは水性溶媒であり、80質量%以上が水であることが好ましく、水単独であることが特に好ましい。
上記有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の低級ケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類等が挙げられ、これらを単独で用いても良く、2種以上の混合物で用いても良い。
【0023】
本発明では、酸素を吹き込みながら水溶液重合体を行う。吹き込みは連続的に行うことが好ましい。この際、酸素は直接酸素ガスとして供給してもよいし、空気として供給しても、あるいは酸素と不活性ガスとの混合気体として供給してもよい。簡便性の点から、空気として供給するのが好ましい。もちろん空気として供給する際には、空気に含まれる酸素量が本発明の特定量となるように換算して空気供給を行う。
【0024】
吹き込まれた酸素又は空気は、1,000μm以下の径の微気泡として水系反応媒体と接触させることが好ましい。これにより、酸素が効率よく水系反応媒体に溶解し、重合率が向上し、単量体と亜硫酸塩との付加生成物の生成が抑制され、好ましい。
【0025】
酸素又は空気を水系反応媒体中に吹き込み、反応媒体と接触させる方法としては、種々の公知の方法を用いることができる。例えば、酸素又は空気を攪拌混合翼の直下に吹き込みノズルの出口を設置し、強力な攪拌で吹き込まれた気泡を微細化する方法が挙げられる。この場合の攪拌翼としては、タービン型を用い、重合槽内に邪魔板を設置することが、より微細な気泡を得る上で好ましい。他の方法としては、微細孔を多数有する多孔質面より酸素又は空気を吹き込む方法が挙げられる。
【0026】
本発明では、重合温度は、用いる単量体や溶媒の種類によって適宜設定することができ、特に限定的ではないが、好ましくは5〜80℃、より好ましくは10〜50℃、更に好ましくは20〜30℃の範囲である。重合温度が低いと除熱が必要となり、重合温度が高すぎると単量体と亜硫酸塩の付加反応効率が高くなるために、重合体の重量平均分子量が大きくなったり、重合体の純分が低下し易くなったりするため、上記重合温度範囲が適当である。なお、この重合温度における「重合」とは、単量体又は重合開始剤の滴下開始による重合開始時から重合終了時(すなわち、単量体及び重合開始剤等のすべての滴下が終了し、場合により滴下終了後にさらに熟成時間を設定するときはその終了時)までを意味する。
【0027】
本発明では、本発明の重合濃度は、20質量%以上であり、より好ましくは30〜60質量%、更に好ましくは40〜50質量%である。ここでいう重合濃度とは、重合終了時(重合、熟成、後中和終了を意味する)の単量体と重合開始剤を合計した濃度を意味する。本発明によれば、亜硫酸塩に対して十分な量の酸素を供給することにより、ラジカルが効率よく発生するため、重合濃度が20質量%以上と高濃度であっても、十分に低分子量の、すなわち、重量平均分子量が好ましくは500〜50,000、より好ましくは1,000〜20,000のカルボン酸(塩)重合体を得ることができる。しかも、本発明によれば、上記の通り、用いる亜硫酸塩の量も低く抑えることができ、純分の高い低分子量のカルボン酸(塩)重合体を得ることができる。
【0028】
重合中(即ち単量体滴下中)の中和度は、単量体(a)および単量体(b)の酸量の合計量に対して、好ましくは50〜100mol%であり、より好ましくは70〜100mol%であり、さらに好ましくは90〜95mol%である。また、この中和度は、重合初期から重合終了まで、±10%以内に制御しながら重合する事が最も好ましい。中和度が50mol%未満であると亜硫酸塩と酸素間の反応速度が低下するため、重量平均分子量が高くなる傾向がある。単量体の中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属に水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上の混合物として用いても良い。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物であり、特に好ましくは水酸化ナトリウムである。以下、本発明ではこれらのものを単に「中和剤」とのみ表記する。
【0029】
中和は単量体を反応器に供給する前に予め行われていても良いし、単量体と中和剤とを別々に反応器に供給して反応器内で中和を行っても良い。また、重合開始時から重合終了時までの中和度は上記の範囲内であれば一定である必要がなく、具体的にいえば、重合前半に中和度を低くしても良いし、あるいは、重合後半に中和度を高くしてもかまわない。
添加時の中和剤の濃度は、特には限定されないが、好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは30〜50質量%である。中和剤の濃度が10質量%未満であると、結果的に重合中の単量体濃度が低くなり、単量体の重合性が悪くなり得られる重合体中における単量体の残存量が多くなる傾向があり、また輸送等の効率や生産性も低くなり経済的な面からも好ましくない。逆に70質量%を超えると、安定性や滴下の簡便性の面で好ましくない。
【0030】
本発明の方法により得られる低分子量カルボン酸(塩)重合体の直鎖の末端又は側鎖には、1分子あたり0.5〜1.5個のスルホン酸基を導入することができるため、該重合体は、分散能やキレート能に優れ、無機顔料の分散剤、洗剤ビルダー、洗浄剤、スケール防止剤等として有効に用いることができる。特に、本発明の方法により得られるカルボン酸(塩)系重合体は、付加生成物や亜硫酸塩などの不純物も少ないため、製品性能に大きく寄与し、例えば、泥分散性、キレート能に優れる。
また、本発明によれば、亜硫酸塩の添加量を低く抑えることができる、高濃度重合が可能で、濃縮工程が不要となる、特殊な製造設備が不要である等から、製造コストを低減することができる。
【0031】
本発明のカルボン酸(塩)系重合体を含有する組成物の用途としては、水系の分散剤(顔料分散剤を含む)、スケール防止剤(スケール抑制剤)、洗剤ビルダー及びこれを用いた洗浄剤組成物などが挙げられるが、これらの制限されるべきものではなく、例えば、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダーなどの用途などにも幅広く適用できるものである。
【0032】
引き続いて、本発明のさらに別の課題である本発明の製造方法により得られるカルボン酸(塩)系重合体を含有してなる洗剤組成物について説明する。
本発明の洗剤組成物においては、該重合体の配合量が洗剤組成物全体の1〜20質量%であり、界面活性剤の配合量が洗剤組成物全体の5〜70質量%であると好ましく、場合により酵素を5質量%以下の範囲で添加しても良い。
該重合体の配合量が1質量%〜20質量%の範囲において、本発明の重合体を添加した効果が有効に発揮され、良好な洗浄力向上効果が得られる。また、洗剤組成物の主剤である界面活性剤の量が上記の範囲内において、他の成分とのバランスが良好に維持され、洗剤組成物の洗浄力に悪影響を及ぼすことがなく好ましい。酵素を配合した場合、5質量%以下において、洗浄力の向上に有効に寄与し、また経済上の有利である。
【0033】
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを使用することができる。アニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルまたはその塩等を挙げることができる。
ノニオン界面活性剤としては、特には限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、特には限定されないが、例えば、カルボキシ型またはスルホベタイン型両性界面活性剤等を挙げることができ、カチオン界面活性剤としては、特には限定されないが、例えば、第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0034】
本発明における洗剤組成物に配合される酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等を使用することができる。特に、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼおよびアルカリセルラーゼが好ましい。
【0035】
さらに、本発明の洗剤組成物には、必要に応じて、公知のアルカリビルダー、キレートビルダー、再付着防止剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、蛍光剤、漂白剤、漂白助剤、香料等の洗剤組成物に常用される成分を配合してもよい。また、ゼオライトを配合してもよい。
アルカリビルダーとしては、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩等を用いることができる。キレートビルダーとしては、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン六酢酸)、クエン酸等を必要に応じて使用することができる。あるいは公知の水溶性ポリカルボン酸系ポリマーを本発明の効果を損なわない範囲で使用しても良い。
【0036】
次に、本発明のさらに別の課題である本発明の製造方法により得られる低分子量カルボン酸(塩)系重合体を含有してなる水処理剤について説明する。
上記該重合体を含んでなることを特徴とする水処理剤は、該重合体を含有することからなり、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を配合した組成物とすることもできる。いずれの場合でも、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルブ蒸解釜、黒液濃縮釜等でのスケール防止に有用である。また、性能、効果に影響しない範囲で公知の水溶性重合体を含んでもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、「%」は「質量%」を示す。
【0038】
<物性測定方法>
(重量平均分子量(Mw)の測定方法)
▲1▼GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。測定に用いたカラムはG−3000PWXL(東ソー製)であり、移動相はリン酸水素二ナトリウム12水和物34.5g及びリン酸二水素ナトリウム2水和物46.2g(何れも試薬特級、以下測定に用いる試薬は全て特級を使用)に純水を加えて全量を5000gとし、その後0.45ミクロンのメンブランフィルターで濾過した水溶液を用いた。
▲2▼ポンプはL−7110(日立製)を使用し、移動相の流量を0.5ml/minに設定して、検出器としてはUVで波長214nm(ウォーターズ製 モデル481型)とした。その際、カラム温度は35℃で一定とした。
▲3▼さらに検量線としては、ポリアクリル酸ナトリウム標準サンプル(創和科学製)を用いた。
▲4▼サンプルを移動相の溶媒で希釈し0.1質量%サンプル溶液を調製した。これらにより重合体の重量平均分子量を測定した。
【0039】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
実施例1
温度計、テフロン(登録商標)製撹拌羽根(外径7cm)を備えた容量1.0リットルのガラス製セパラルブルフラスコにイオン交換水(以下純水と記す)293.8gを初期仕込し、撹拌下、該水溶液を25℃とした。この水中にSUS製焼結多孔管より毎分0.8lの空気を吹込みながら、37%アクリル酸ナトリウム水溶液(以下37%SAと記す)635.1gを空気吹込みの10分後から120分間に渡って、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液83.6g(以下35%SBSと記す)を空気吹込みの10分後から130分間に渡って、純水161.3gを空気吹込みの10分後から150分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に滴下した。さらに全ての滴下終了後20分間に渡って、液温25℃に維持して、重合を完了した。
このようにして、固形分濃度24.1%、最終中和度100%、重量平均分子量1,400のポリアクリル酸ナトリウム1−1(以下、重合体(1−1)とする)を得た。
【0040】
実施例2
温度計、テフロン(登録商標)製撹拌羽根(外径7cm)を備えた容量1.0リットルのガラス製セパラルブルフラスコに純水145.0gを初期仕込みし、撹拌下、該水溶液を25℃とした。この水中にSUS製焼結多孔管より毎分0.64lの空気を吹込みながら、80%アクリル酸水溶液(以下80%AAと記す)360.0gを空気吹込みの10分後から240分間に渡って、48%水酸化ナトリウム水溶液333.3g(以下48%NaOHと記す)を空気吹込みの10分後から240分間に渡って、35%SBS 133.7gを空気吹込みの10分後から250分間に渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に滴下した。さらに全ての滴下終了後20分間に渡って、液温25℃に維持して、重合を完了した。
このようにして、固形分濃度44.9%、最終中和度100%、重量平均分子量5,400のポリアクリル酸ナトリウム1−2(以下、重合体(1−2)とする)を得た。
【0041】
実施例3
実施例2において48%NaOH 166.7gを重合開始から240分間に渡って連続的に滴下した以外同様に重合を行った。
質量終了後、48%NaOH 166.7gを撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、固形分濃度45.0%、最終中和度100%、重量平均分子量6,000のポリアクリル酸ナトリウム1−3(以下、重合体(1−3)とする)を得た。
【0042】
実施例4
実施例2において純水153.0gを初期仕込みし、35%SSB滴下量を91.4g、空気吹き込み量を0.44ml/分とし、各滴下水溶液の滴下を空気吹込みと同時に開始した以外は同様に重合を行った。
このようにして、固形分濃度45.4%、最終中和度100%、重量平均分子量4,200のポリアクリル酸ナトリウム1−4(以下、重合体(1−4)とする)を得た。
【0043】
実施例5
実施例4において純水164.2gを初期仕込みし、35%SSB滴下量を68.6g、48%NaOH滴下量を300.0g、空気吹き込み量を0.33ml/分とした以外は同様に重合を行った。
重合終了後、48%NaOH 16.7gを撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、固形分濃度45.0%、最終中和度95%、重量平均分子量5,600のポリアクリル酸ナトリウム1−5(以下、重合体(1−5)とする)を得た。
【0044】
実施例6
実施例5において空気吹込み量を0.14ml/分とした以外は同様に重合を行った。
重合終了後、48%NaOH 83.3gを撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、固形分濃度45.5%、最終中和度95%、重量平均分子量7,600のポリアクリル酸ナトリウム1−6(以下、重合体(1−6)とする)を得た。
【0045】
実施例7
実施例5において重合度を40℃にした以外は同様に重合を行った。
重合終了後、48%NaOH 16.7gを撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、固形分濃度45.8%、最終中和度95%、重量平均分子量7,500のポリアクリル酸ナトリウム1−7(以下、重合体(1−7)とする)を得た。
【0046】
実施例8
実施例5において重合度を50℃にした以外は同様に重合を行った。
重合終了後、48%NaOH 16.7gを撹拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、固形分濃度45.5%、最終中和度95%、重量平均分子量10,000のポリアクリル酸ナトリウム1−8(以下、重合体(1−8)とする)を得た。
【0047】
比較例1
温度計、撹拌機、及び還流冷却器を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラルブルフラスコに純水 560.0gを初期仕込し、撹拌下、該水溶液を沸点還流状態まで昇温した。次いで、撹拌下、還流状態を撹拌しながら、80%AA、360.0gを重合開始から240分間に渡って、48%NaOH、283.0gを重合開始から240分間に渡って、15%NaPS、56.0gを重合開始から250分間に渡って、純水600gを重合開始から250分間渡って、それぞれ別々の滴下ノズルから連続的に均一速度で滴下した。さらに全ての滴下終了後20分間に渡って、沸点還流状態を維持して、重合を完了した。
重合終了後、pH及び濃度調製を行い、固形分濃度45.0%、最終中和度100%、重量平均分子量4,600のポリアクリル酸ナトリウム1−9(以下、重合体(1−9)とする)を得た。
【0048】
以上の結果から、本発明にかかる重合体(1−1)〜重合体(1−8)は、全て重量平均分子量が20000以下であり、高濃度の条件下であっても一段重合により低分子量重合体が得られることがわかる。
【0049】
実施例9
実施例9では、実施例1〜8で得られた本発明の各重合体組成物において、本発明の別の課題である該重合体組成物を含むことを特徴とする洗剤組成物としての評価を行うため、次に示す通りの方法によりクレー分散能について測定を行った。
【0050】
(高硬度水下におけるクレー分散能)
▲1▼まず、グリシン67.56g、塩化ナトリウム52.6g、1mol/lのNaOH水溶液60mlにイオン交換水を加えて600gとしたグリシン緩衝溶液を調整した。
▲2▼塩化カルシウム2水和物を0.3268g、▲1▼の調整液60gを取って、純水を加えて1000gとし、分散液を調整した。また、固形分換算で0.1%の重合体水溶液を調整した。
▲3▼約30ccの実験に用いる一般的な試験管に、JIS試験用粉体I、11種(関東ローム、微粒:日本粉体工業技術協会)のクレー0.3gを入れ、▲2▼の分散液27g、重合体水溶液3%を添加した。この時、試験液のカルシウム濃度は炭酸カルシウム換算200ppmとなっている。
▲4▼試験管をパラフィルムで密封した後、クレーが全体に分散するように軽く振り、さらに上下に20回振った。この試験管を直射日光の当たらないところに20時間静置した後、分散液の上澄みをホールピペットで5ml採取した。
▲5▼この液をUV分光器を用いて、波長380nmの条件で、1cmのセルで吸光度(ABS)を測定し、この値を高硬度水下におけるクレー分散能値とした。
【0051】
実施例1〜8で得られた本発明の各重合体(1−1)〜(1−8)の組成物及び比較例1で得られた重合体(1−9)の組成物について、それぞれ上記方法に基づきクレー分散能の測定を行った。その結果を表1にまとめた。
【0052】
【表1】
【0053】
表1から明らかなように、本発明における重合体は、優れたクレー分散能を有しており、本発明の洗剤組成物が非常に優れていることが明らかとなった。
【0054】
実施例10
実施例10では、実施例1〜8で得られた本発明の重合体の組成物において、本発明の別の課題である該重合体組成物を含むことを特徴とする水処理剤としての評価を行うため、次に示す通りの方法により耐ゲル化能について測定を行った。
【0055】
(耐ゲル化能)
▲1▼まず、グリシン67.56g、塩化ナトリウム52.6g、1mol/lのNaOH水溶液60mlにイオン交換水を加えて600gとしたグリシン緩衝溶液を調整した。
▲2▼塩化カルシウム2水和物 14.7に純水を加えて1000gとし、滴定液を調整した。また、固形分換算で1%の重合体水溶液を調整した。
▲3▼100mlビーカーに、重合体水溶液2.5g、純水80.0g、▲1▼の緩衝溶液1mlを添加した。
▲4▼オリオン社製イオンアナライザーEA920を用いて、▲3▼の試験用サンプル液に塩化カルシウム水溶液を滴下した。サンプル液が白濁する滴定量(ml)を求め、この値を耐ゲル化能値とした。
【0056】
実施例4及び5で得られた本発明の重合体(1−4)及び(1−5)の組成物、並びに比較例1で得られた重合体(1−9)の組成物について、それぞれ上記方法に基づき耐ゲル化能の測定を行った。その結果を表2にまとめた。
【0057】
【表2】
【0058】
表2から明らかなように、本発明における重合体は、優れた耐ゲル化能を有しており、本発明の水処理剤が非常に優れていることが明らかとなった。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、簡便な方法で、純分の高い低分子量のカルボン酸(塩)系重合体を効率よく製造することができる。また、本発明に従い得られる低分子量重合体を用いることにより、分散性能や耐ゲル化性能等の優れた洗剤組成物、水処理剤等を提供することができる。
Claims (4)
- (a)炭素数3〜6のモノカルボン酸モノエチレン性不飽和単量体50〜100モル%及び(b)上記(a)の単量体と共重合可能な他のモノエチレン性不飽和単量体0〜50モル%(但し、単量体(a)と(b)の合計量は100モル%である)と亜硫酸塩とを、水系反応媒体中に添加し、該亜硫酸塩1モルに対して1.0〜20.0モルの酸素量となるように酸素を吹き込みながら重合し、かつ重合濃度が20質量%以上であることを特徴とするカルボン酸(塩)系重合体の製造方法。
- 請求項1記載の方法により得られたカルボン酸(塩)系重合体を含有してなる組成物。
- 請求項1記載の方法により得られたカルボン酸(塩)系重合体を含有してなる洗剤組成物。
- 請求項1記載の方法により得られたカルボン酸(塩)系重合体を含有してなる水処理剤。
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JP2003118800A JP2004323637A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | カルボン酸(塩)系重合体の製造方法並びに組成物、洗剤組成物及び水処理剤 |
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JP2007217654A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-08-30 | Nippon Shokubai Co Ltd | 水溶性重合体の連続的製造方法、及び、水溶性重合体 |
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003118800A patent/JP2004323637A/ja active Pending
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