JP2004323560A - 接着性フィルムまたはシート、およびこれから得られる積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜100(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.905〜0.960(g/cm3)であるエチレン系重合体(A)50〜99重量%、およびメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜100(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.850〜0.905(g/cm3)であるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物から形成されるフィルムまたはシートの少なくとも一方の面に酸化処理が施されていることを特徴とする接着性フィルムまたはシート。
さらには上記接着性フィルムまたはシートの酸化処理が施された面に、他の成形体が直接接着された積層体。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は接着剤または接着層を使用しなくとも積層体を製造することのできる接着性フィルムまたはシートに関する。本発明により得られる積層体は、各種包装材料、化粧シートや保護シートとして有効に使用できる。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルムやシートは、水蒸気バリヤー性、ヒートシール性、耐熱性が優れることから食品、医薬等の包装材料として広く使用されている。さらに、内容物の保護のためにガスバリヤー性や遮光性を付与する目的で、これらポリオレフィンフィルムにポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムやアルミ箔等が積層されたフィルムやシートについても広く使用されている。しかしながら、ポリオレフィンは極性を有するポリマーや金属との接着性に乏しいため、一般には層間に接着剤が使用されている。通常、接着剤は有機溶剤に溶解しているため、乾燥工程において発生する揮発溶剤による環境汚染や火災の危険性の問題がある。このような問題を解決するため、接着剤を使用しない積層体の製造方法が検討されている。
【0003】
特公昭60−17698号公報には、コロナ処理したポリオレフィンフィルムにポリアミドフィルムを積層する方法が開示されている。(特許文献1)
特開平9−76419号公報には、低密度ポリエチレンおよびアイオノマー等からなる組成物から形成されるフィルム表面をコロナ処理した後、ポリアミドフィルムと積層する方法が開示されている。(特許文献2)
しかしながら、これら開示されている方法では、接着強度が不充分であったり、ポリオレフィンに他の樹脂をブレンドすることにより、ポリオレフィン本来のもつ透明性や水蒸気バリヤー性等の性質が損なわれるという問題点があった。
【0004】
【特許文献1】特公昭60−17698号公報
【0005】
【特許文献2】特開平9−76419号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリオレフィン樹脂本来の性質を維持し、接着剤を使用しなくても接着性に優れる接着性フィルム、およびそれを用いた積層体の提供を目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜100(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.905〜0.960(g/cm3)であるエチレン系重合体(A)50〜99重量%、およびメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜100(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.850〜0.905(g/cm3)であるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物から形成されるフィルムまたはシートの少なくとも一方の面に酸化処理が施されていることを特徴とする接着性フィルムまたはシートである。
【0008】
さらに本発明は、上記フィルムまたはシートの少なくとも一つの面に、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、金属、および蒸着体からなる郡から選ばれる少なくとも一つの成形体を直接接着された積層体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、ある特定のエチレン系重合体およびエチレン・α−オレフィン共重合体から構成される樹脂組成物からなるフィルムまたはシートから得られる接着性フィルム、およびそれを用いた積層体に関する。次にそれらの各構成について具体的に説明する。
【0010】
エチレン系重合体(A)
本発明においてエチレン系重合体(A)としては、ASTM D1238に準じ190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(以下MFRと略記する)が0.1〜100、好ましくは0.5〜50(g/10分)であり、密度(ASTM D1505)が0.905〜0.960、好ましくは0.905〜0.955(g/cm3)である。
【0011】
本発明において使用されるエチレン系重合体(A)は、前記の物性を満たしている限り、ラジカル触媒を用いて高圧下で製造されたいわゆる高圧法ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体であっても、あるいはチーグラー触媒またはメタロセン触媒を用い、エチレンとα−オレフィン等のコモノマーの存在下、中低圧下で製造されたいわゆる中低圧ポリエチレンであってもよい。これらの中で、接着性に優れることから、中低圧ポリエチレンが好ましい。中低圧ポリエチレン中のコモノマーとしては、炭素数3〜20までのα−オレフィンが挙げられ、好ましくは、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンである。
【0012】
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)
本発明の樹脂組成物における(B)成分として使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜10までのα―オレフィンとを共重合することによって得られるランダム共重合体である。α―オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンが挙げられ、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。共重合体中のα−オレフィン含量としては、5〜50モル%、通常7〜30モル%である。
【0013】
エチレン・α−オレフィン共重合体のMFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)は0.1〜100、好ましくは0.3〜70(g/10分)であり、密度(ASTM D1505)が0.850〜0.905(g/cm3)、好ましくは0.850〜0.900(g/cm3)、さらに好ましくは0.855〜0.890(g/cm3)であり、かつ示差走査熱量分析(DSC)で求められる融点が80℃未満または融点が観測されない非晶性であることが好ましい。
【0014】
上記エチレン・α−オレフィン共重合体の製造法については特に制限はないが、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。
【0015】
さらに、本発明においては、密度および/またはMFRの異なる数種類のエチレン・α−オレフィン重合体をブレンドした組成物で使用することもできる。
【0016】
接着性フィルムまたはシート
本発明の接着性フィルムは、上記エチレン系重合体(A)およびエチレン・α−オレフィン共重合体(B)からなる樹脂組成物からフィルムまたはシートを形成し、さらにその少なくとも一方の面に酸化処理を施すことにより得られる。エチレン系重合体(A)とエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の組成比としては、(A)50〜99重量%、(B)1〜50重量%、好ましくは(A)60〜98重量%、(B)2〜40重量%、さらに好ましくは(A)70〜97重量%、(B)3〜30重量%である。このような組成物をフィルムまたはシートにする方法としては、一般にポリオレフィンを溶融成形してフィルムまたはシートを得る方法を採用することができる。具体的には、T−ダイ、円形ダイ、異型ダイを兼ね備えた押出成形、カレンダー成形および熱プレス成形等を挙げることができる。フィルムまたはシートの厚みとしては、5μm〜10mm、通常10μm〜5mmである。本発明においては、上記樹脂組成物とポリエチレンやポリプロピレンなどの他のポリオレフィン樹脂とを共押出等により積層することも可能である。
【0017】
このようにして得られるフィルムまたはシートを、固体状態もしくは半溶融状態で、少なくとも一方の面を酸化処理することにより本発明の接着性フィルムまたはシートとすることができる。酸化処理の方法としては、ポリオレフィンのフィルムやシートの表面を酸化処理する公知の方法を採用できるが、好ましい具体例としてはコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理およびオゾン処理が挙げられる。酸化処理度については特に制限は無いが、充分な接着力を発現させるため、表面の濡れ指数(JIS K6768)として20mN/m以上、好ましくは25〜60mN/m、さらに好ましくは30〜50mN/mとなる様、酸化処理が施される。
【0018】
積層体
本発明の接着性フィルムまたはシートは、酸化処理が施された面にさらにポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、金属、および蒸着体からなる郡から選ばれる少なくとも一つの成形体を直接接着することにより積層体とすることができる。成形体の形状については特に制限はないが、例えば食品包装用積層体として用いる場合には、フィルムまたはシート状の成形体が広く用いられる。さらに本発明の積層体は、真空成形、圧空成形などにより所望の形状に加工することもできる。
【0019】
【実施例】
次に実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
【実施例1】
(接着性フィルムの製造)
スクリュー径40mmの押出機を兼ね備えた、ダイ幅300mmのT−ダイキャスト成形機に、直鎖状低密度ポリエチレン(MFR2.5g/10分、密度0.921g/cm3、コモノマー4−メチル−1−ペンテン)95重量%およびエチレン・1−ブテン共重合体(MFR3.6g/10分、密度0.885g/cm3)5重量%からなる樹脂組成物を投入し、成形温度220℃、チルロール温度30℃にて、厚み200μmのシートを作成した。
【0021】
さらに得られたシートの片面に濡れ指数が40mN/mとなる様、均一にコロナ処理を施すことにより接着性フィルムを得た。
【0022】
(積層体の製造)
上記得られた積層体フィルムのコロナ処理面を厚み200μmのアルミニウム板と向かい合わせ、90℃、圧力0.2MPaで60秒間圧着することにより積層体を得た。得られた積層体を幅20mmの短冊状にし、アルミニウム板〜接着性フィルムの層間を180℃方向に300mm/分の速度で剥離させ、その時の剥離強度を測定し、接着強度とした。結果を表−1に示す。
【0023】
【実施例2】
樹脂組成物の組成比を表−1記載の比率とした以外は実施例1と同様にして接着性フィルムおよび積層体を得た。得られた積層体の接着強度を表−1に示す。
【0024】
【実施例3】
エチレン・α−オレフィン共重合体成分として、エチレン・プロピレン共重合体(MFR1.0g/10分、密度0.870g/cm3)を使用した以外は実施例1と同様にして接着性フィルムおよび積層体を得た。得られた積層体の接着強度を表−1に示す。
【0025】
【実施例4】
樹脂組成物の組成比を表−1記載の比率とした以外は実施例1と同様にして接着性フィルムおよび積層体を得た。得られた積層体の接着強度を表−1に示す。
【0026】
【比較例1】
エチレン・α−オレフィン共重合体成分を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして接着性フィルムおよび積層体を得た。得られた積層体の接着強度を表−1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1に示した結果から明らかなように、本発明の接着性フィルムは、アルミニウム板等の成形体との接着強度は高いことがわかる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の接着性フィルムまたはシートは、他の成形体との接着することにより、接着性に優れた積層体を得ることができる。本発明の積層体は、食品包装用フィルム、シート原料または化粧シートとして好適に使用できる。
Claims (3)
- メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜100(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.905〜0.960(g/cm3)であるエチレン系重合体(A)50〜99重量%、およびメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜100(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.850〜0.905(g/cm3)であるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物から形成されるフィルムまたはシートの少なくとも一方の面に酸化処理が施されていることを特徴とする接着性フィルムまたはシート。
- 酸化処理がコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理およびオゾン処理からなる郡より選ばれる少なくとも一つの方法で請求項1記載のフィルムまたはシート。
- 請求項1または2記載のフィルムまたはシートの酸化処理が施された面に、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、金属、および蒸着体からなる郡から選ばれる少なくとも一つの成形体を直接接着させた積層体。
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JP2003116633A JP2004323560A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | 接着性フィルムまたはシート、およびこれから得られる積層体 |
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