JP2004322874A - 車両用車高調整装置 - Google Patents

車両用車高調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004322874A
JP2004322874A JP2003120999A JP2003120999A JP2004322874A JP 2004322874 A JP2004322874 A JP 2004322874A JP 2003120999 A JP2003120999 A JP 2003120999A JP 2003120999 A JP2003120999 A JP 2003120999A JP 2004322874 A JP2004322874 A JP 2004322874A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
spring seat
lock nut
vehicle height
shock absorber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003120999A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kanezaki
謙治 金崎
Hidekazu Sakashita
英一 坂下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YFC Co Ltd
Original Assignee
YFC Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YFC Co Ltd filed Critical YFC Co Ltd
Priority to JP2003120999A priority Critical patent/JP2004322874A/ja
Publication of JP2004322874A publication Critical patent/JP2004322874A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】錆付き防止,異物噛込み防止の性能を高くする。強度面,耐熱面での設計,製造を容易にする。
【解決手段】ショックアブソーバ1に螺合されてスプリング2を受けるスプリングシート6と、ショックアブソーバ1に螺合されてスプリングシート6の螺合位置を固定するロックナット7とを備えている。金属材を素材として潤滑性を発揮するコーティング処理が施されたリング8をスプリングシート6,ロックナット7の間に介装した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両のストラットタイプのサスペンションに装備される車両用車高調整装置に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】最近、法規制の緩和に伴って、車両の走行面への適応性を高める等のために車両の車高を調整可能にすることが行われるようになってきている。車高の調整手段としては、サスペンションに装備するように構成されるものが殆どである。例えば、筒形のショックアブソーバにコイル形のスプリングが同軸に外装されたストラットタイプのサスペンションでは、ショックアブソーバに螺合されてスプリングを受けるスプリングシートと、ショックショックアブソーバに螺合されてスプリングシートの螺合位置を固定するロックナットとを備えるように構成される。即ち、車両の車高の調整は、ロックナットを回動させてスプリングシートに対する締付けを解除した後、スプリングシートを回動させてショックアブソーバの軸方向へ移動させる調整作業によって実施される。
【0003】
この車両用車高調整装置は、一般的に、ショックアブソーバのロックナットが螺合される雄ネジ部にニッケルクロムメッキ処理,無電解ニッケルメッキ処理が施され、スプリングシート,ロックナットをジュラルミン系アルミニウム材としさらにはアルマイト処理が施され、防錆剤,防塵剤,潤滑剤等を塗布して使用される。然しながら、雨水,泥水,小砂利等との接触環境下におかれるため、錆付きで車高調整が不能になったり、車高調整で小砂利を噛込みスプリングシート,ロックナット等を損傷してしまうことがある。錆付きについては、島嶼等の塩害地域のみならず最近の冬期における凍結防止剤(塩化カルシウム,塩化ナトリウム等)の使用で、発生が顕著になる傾向がある。このため、極端な例としては、車高調整の際にスプリングシート,ロックナットを打壊して取外すこともある。
【0004】
このため、錆付き防止,異物噛込み防止を有効に防止することのできる車両用車高調整装置の開発が切望されている
【0005】
従来、錆付き防止,異物噛込み防止を指向した車両用車高調整装置としては、例えば、以下に記載のものが知られている。
【特許文献1】特開平9−196102号公報。
特許文献1には、スプリングシートをショックアブソーバにスライド可能に装着し、スプリングシート,ロックナットの間に調整用ナットを介装するとともに、スプリングシート,調整用ナットの間に合成樹脂材のリングを介装してなる車両用車高調整装置が記載されている。
【0006】
特許文献1に係る車両用車高調整装置の車両の車高の調整は、ロックナットを回動させて調整用ナットに対する締付けを解除した後、調整用ナットを回動させてスプリングシートをショックアブソーバの軸方向へスライドさせる調整作業によって実施される。この調整作業において、合成樹脂材のリングが調整用ナット,スプリングシートの間の回動摩擦を減衰する。従って、錆付き防止,異物噛込み防止についての積極的な言及がないものの、少なくとも調整用ナット,スプリングシートの間でのある程度の錆付き防止,異物噛込み防止が予想される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特許文献1に係る車両用車高調整装置では、調整用ナット,ロックナットの間での錆付き防止,異物噛込み防止を期待することができないため、全体としての錆付き防止,異物噛込み防止の性能が低いという問題点がある。また、本来スプリングシート,ロックナットの2部材の構成に対して、調整用ナットに加えて異材質である合成樹脂材のリングまでも介装することになるため、構造が複雑になってしまい強度面,耐熱面での設計,製造が面倒になるという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、錆付き防止,異物噛込み防止の性能が高く強度面,耐熱面での設計,製造が容易な車両用車高調整装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するため、本発明に係る車両用車高調整装置は、次のような手段を採用する。
【0010】
即ち、請求項1では、ショックアブソーバに螺合されてスプリングを受けるスプリングシートと、ショックアブソーバに螺合されてスプリングシートの螺合位置を固定するロックナットとを備えた車両用車高調整装置において、金属材を素材として潤滑性を発揮するコーティング処理が施されたリングをスプリングシート,ロックナットの間に介装したことを特徴とする。
【0011】
この手段では、スプリングシート,ロックナットの間にあるリングが異物の噛込みや錆付きを防止し、リングに施された潤滑性を発揮するコーティング処理がリング自体の錆付きを防止し、スプリングシート,ロックナットの間に素材が金属材である1部材のリングを介装して構造の複雑化を避けることで、錆付き防止,異物噛込み防止の性能が高くし強度面,耐熱面での設計,製造を容易にするという課題を解決する。
【0012】
また、請求項2では、請求項1の車両用車高調整装置において、スプリングシート,ロックナットはジュラルミン系アルミニウム材からなり、リングは素材が銅または銅系の金属材でコーティング材料がフッ素樹脂からなることを特徴とする。
【0013】
この手段では、相性の良好な材質が選択される。
【0014】
また、請求項3では、請求項1または2の車両用車高調整装置において、リングは径方向へ延びるスリットで切断されていることを特徴とする。
【0015】
この手段では、リングが非連続形に形成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用車高調整装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1,図2は、本発明に係る車両用車高調整装置の実施の形態(1)を示すものである。
【0018】
この実施の形態では、自動車からなる車両のフロント側のサスペンションに適用されたものを示してある。
【0019】
この実施の形態が装備されるサスペンションは、図1に示すように、筒形のショックアブソーバ1にコイル形のスプリング2が同軸に外装されたストラットタイプからなる。
【0020】
ショックアブソーバ1は、下半部を構成する本体部11と上半部を構成するロッド12とからなる。本体部11は、ダンパ構造を内蔵してなるもので、基部11aに車軸側に連結するためのブラケット3が取付けられ、上部に雄ネジ構造のカラー11bが取付けられている。ロッド12は、本体部11から進退するもので、上端部に車体側に連結するためのマウントプレート4が取付けられている。
【0021】
スプリング2は、メインスプリング21とヘルパースプリング22とがスプリングスペーサ5を介して階層的に突合わされている。
【0022】
この実施の形態は、図2に詳細に示されるように、スプリングシート6,ロックナット7,リング8で構成されている。
【0023】
スプリングシート6は、ショックアブソーバ1の本体部11に螺合されてスプリング2のヘルパースプリング22を受けるもので、ヘルパースプリング22の内径よりも小さな筒部61と、ヘルパースプリング22の外径よりも大きなフランジ部62とからなる。筒部61の内周面の一部には、雌ネジ63が刻設されている。フランジ部62の周縁には、レンチが引掛けられるレンチ溝64が放射状の配置で切込み形成されている。
【0024】
ロックナット7は、ショックアブソーバ1の本体部11のカラー11bに螺合されてスプリングシート6の螺合位置を固定するもので、ほぼフランジ形の本体71の内周面に雌ネジ72が刻設されている。本体71の周縁には、レンチが引掛けられるレンチ溝73が放射状の配置で切込み形成されている。
【0025】
リング8は、スプリングシート6,ロックナット7の間に介装されるもので、ワッシャ形に形成されている。
【0026】
このリング8は、金属材を素材としている。素材の金属材としては、銅や黄銅,青銅等の銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金、鉄、ステンレス、チタニウムやチタニウム合金が挙げられる。ただし、ジュラルミン系アルミニウム材としさらにはアルマイト処理が施されるスプリングシート6,ロックナット7との材質的な相性等から、銅や黄銅,青銅等の銅合金が好ましい。素材を銅や黄銅,青銅等の銅合金とした場合、厚さTを0.2〜1.0mmに設定する。この厚さTの設定は、0.2mm未満であると加工が困難となり、1.0mmを超えると規定の締付けトルクで塑性変形を引起こすおそれがあることを考慮したものである。なお、素材の加工手段としては、板材からのプレス機で打抜きしてからバリ取りをすることが考えられる。また、寸法としては、内径がショックアブソーバ1の本体部11のカラー11bの外径よりも大きいことは当然として、外径aをプリングシート6,ロックナット7の外径b,c(レンチ溝63,73の内側)と一致させてプリングシート6,ロックナット7との間で無用の凹凸構造を形成しないようにするのが好ましい(図2参照)。
【0027】
また、このリング8は、潤滑性を発揮するコーティング処理が施されている。コーティング処理としては、フッ素樹脂コーティング,二硫化モリブデンコーティング,グラファイトコーティングが挙げられる。ただし、銅や黄銅,青銅等の銅合金が選択されるリング8の素材との相性や潤滑性,揮発性等の特性からフッ素樹脂コーティングが好ましい。コーティング処理をフッ素樹脂コーティングとした場合、具体的なコーティング材料であるフッ素樹脂として4フッ化エチレン樹脂,4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニールエーテル共重合体樹脂,4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体樹脂,エチレン・4フッ化エチレン共重合体,2フッ化ビニリデン樹脂,1フッ化ビニール樹脂,変性フッ素樹脂(例えば、ポリイミド変性,エポキシ変性,フェノール変性)が挙げられる。コーティング処理の工法としては、例えば、ワッシャ形に加工された素材を脱脂洗浄し、サンドブラストまたは化成処理の表面処理と洗浄乾燥とを行った後、コーティング材料をスプレイ,ディップ,タンブラでコーティングして、而後自然乾燥または焼成(焼付け)する。コーティングの膜厚については、2〜5μmに設定される。この膜厚の設定は、2μmであると加工が困難であり、5μmを超えると締付けで剥離するおそれがあることを考慮したものである。
【0028】
この実施の形態では、スプリングシート6,ロックナット7の間に単にリング8を介装するという構成となる。従って、金属材を素材とするリング8を追加するだけであるため、構造が複雑になることがなく強度面,耐熱面での設計,製造が面倒になるということもない。また、リング8がスプリングシート6,ロックナット7の間でワッシャのような機能を奏するため、ロックナット7の緩みが防止されて車高の維持性能が高くなる。
【0029】
リング8が介装された状態では、スプリングシート6,ロックナット7の接触面(突合わせ面)がコーティング処理で表面が平坦化されているリング8で緊密にシールされる。従って、スプリングシート6,ロックナット7の間からの異物(雨水,泥水,小砂利等)の浸入が阻止され、スプリングシート6,ロックナット7の接触面やスプリングシート6,ロックナット7とショックアブソーバ1の本体部11のカラー11bとの螺合部分の錆付きが防止され異物噛込みも防止される。なお、コーティング処理の特性から、リング8自体の錆付きも防止される。
【0030】
さらに、この実施の形態では、ロックナット7を回動させてスプリングシート6に対する締付けを解除した後、スプリングシート6を回動させてショックアブソーバ1の軸方向へ移動させる車高の調整作業が行われる。従って、特別な作業が要求されることがなく、車高の調整作業が面倒になることがない。また、リング8のコーティング膜が潤滑性を発揮して回転摩擦を減衰するため、スプリングシート6,ロックナット7の回動が円滑になり、車高の調整作業が容易となる。
【0031】
図3,図4は、本発明に係る車両用車高調整装置の実施の形態(2)を示すものである。
【0032】
この実施の形態では、図3に示すように、前述の実施の形態(1)のリング8を径方向へ延びる1つのスリット81で切断している。また、リング8は、図4に示すように、内周縁,外周縁とスリット81との交差部分に曲面形の面取り82を加工してある。
【0033】
この実施の形態によると、基本的に前述の実施の形態(1)と同様の作用,効果が奏されるのに加えて、スリット81を利用してリング8をショックアブソーバ1の本体部11へ割込ませるようにして装着することができるため、既存品について簡単に改造実施することができる。また、リング8の面取り82は、車高調整の作業員の怪我の防止と、スプリングシート6,ロックナット7の傷付き損傷の防止とに寄与する。
【0034】
なお、この実施の形態では、リング8のスリット81の幅Sを2mm以下に設定するのが好ましい。この幅Sが2mmを超えると、リング8によるシール性が損なわれてしまうとともに、ロックナット7の締付けでずれ,変形が生ずる可能性があるためである。
【0035】
【実施例】
以下、前述の実施の形態(1),(2)の効果を確認するため具体的な7つの実施例と、これ等の実施例に対比される3つの比較例とを示す。
【0036】
実施例1
リング8については、黄銅板(厚さ0.5mm)から、スプリングシート6,ロックナット7の寸法(内径58mm,外径68mm)に合わせてプレス機で打抜きし、バリ取りをしてから、脱脂,サンドブラストの表面処理を行った後、洗浄してコーティング処理を施した。コーティング処理は、4フッ化エチレン樹脂を主成分とするコーティング材料で膜厚を30μmとした。
【0037】
なお、ショックアブソーバ1の本体部11のカラー11bとして、ニッケルクロムメッキ処理されたものを対象とした。また、スプリングシート6,ロックナット7として、ジュラルミンA2017S材でアルマイト処理されたものを対象とした。
【0038】
これ等の材質等の条件の下に、リング8を自動車のスプリングシート6,ロックナット7の間に介装して、ロックナット7を専用レンチにより規定トルクの83N・mで締付けた。そして、自動車を平成14年1月より同年8月までの8ヶ月間寒冷地において走行距離10,000Kmの実走試験を行った。
【0039】
実施例2
実施例1のリング8に幅Sが1mmのスリット81を設けた。
実施例1のコーティング材料の膜厚を10μmとした。
その他の条件等については、実施例1と同一とした。
【0040】
実施例3
実施例1のリング8に幅Sが1mmのスリット81を設けた。
リング8のコーティング処理を二硫化モリブデンを主成分としたコーティング材料で膜厚を30μmとした。
その他の条件等については、実施例1と同一とした。
【0041】
実施例4
リング8の材料として厚さ0.3mmの黄銅板を採用した。
リング8に幅Sが1mmのスリット81を設けた。
実施例1のコーティング材料の膜厚を10μmとした。
その他の条件等については、実施例1と同一とした。
【0042】
実施例5
リング8の材料として厚さ0.5mmの鉄板(SPCC)を採用した。
リング8に幅Sが1mmのスリット81を設けた。
実施例1のコーティング材料の膜厚を20μmとした。
その他の条件等については、実施例1と同一とした。
【0043】
実施例6
リング8の材料として厚さ0.5mmのアルミニウム合金板(ADC12)を採用した。
実施例1のコーティング材料の膜厚を10μmとした。
その他の条件等については、実施例1と同一とした。
【0044】
実施例7
実施例1のリング8に幅Sが1mmのスリット81を設けた。
リング8のコーティング処理をグラファイトを主成分としたコーティング材料で膜厚を30μmとした。
その他の条件等については、実施例1と同一とした。
【0045】
比較例1
前述の条件のスプリングシート6,ロックナット7をそのままとした(リング8を使用しなかった。)。
【0046】
比較例2
リング8の材料として厚さ1,5mmの黄銅板を採用した。
リング8に幅Sが1mmのスリット81を設けた。
その他の条件等については、実施例1と同一とした。
【0047】
比較例3
実施例1のリング8に幅Sが1mmのスリット81を設けた。
リング8にコーティング処理を施さなかった。
その他の条件等については、実施例1と同一とした。
【0048】
実装試験の結果については、図5に示すような4つの状態を検証した。
【0049】
検証状態は、以下の通りである。
▲1▼固着の有無(緩め作業(車高の調整作業)の状態)
◎;専用レンチで緩めることができた。
○;専用レンチに治具を付けてこを利用して、緩めることができた。
△;マイナスドライバーをロックナット7のレンチ溝73に当て、マイナスドライバの頭部をハンマで叩いて、緩めることができた。
×;前述の各手段でも、緩めることができなかった。
▲2▼スプリングシート6,ロックナット7の緩み(走行安定性)
◎;緩むことがなく、安全に走行することができた。
×;走行時に緩みの発生があり、危険な状態となった(走行中止)。
▲3▼接触面の錆の発生状態
◎;緩めた際にスプリングシート6,ロックナット7の接触面に錆の発生がなかった。
○;緩めた際にスプリングシート6,ロックナット7の接触面に部分的(半分未満)に錆の発生があった。
△;緩めた際にスプリングシート6,ロックナット7の接触面の約半分に錆の発生があった。
×;固着していて緩めることができなかった(かなり錆付き進行しているものと考えられる。)。
▲4▼接触面の傷の発生状態(異物噛込み状態)
◎;緩めた際にスプリングシート6,ロックナット7の接触面に傷がなかった。
○;緩めた際にスプリングシート6,ロックナット7の接触面に部分的(半分未満)に傷があった。
△;緩めた際にスプリングシート6,ロックナット7の接触面の約半分に傷があった。
×;緩めた際にスプリングシート6,ロックナット7の接触面の全面に傷があった。
【0050】
実装試験の結果については、以下の結論を得た。
即ち、比較例1に示すように、前述の錆付き,異物噛込みの不具合が確認された。
また、比較例2に示すように、リング8の厚さTを厚くすると、塑性変形によると考えられる緩みが発生して安全走行不可能になることが確認された。
また、比較例3に示すように、リング8にコーティング処理を施さないと、かえって錆付きが激しくなることが確認された。
また、比較例1〜3との対比から明らかなように、実施例1〜7では4つの検証状態の全てについて有効性が確認された。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る車両用車高調整装置は、スプリングシート,ロックナットの間にあるリングが異物の噛込みや錆付きを防止し、リングに施された潤滑性を発揮するコーティング処理がリング自体の錆付きを防止し、スプリングシート,ロックナットの間に素材が金属材である1部材のリングを介装して構造の複雑化を避けているため、錆付き防止,異物噛込み防止の性能が高くし強度面,耐熱面での設計,製造を容易にするという効果がある。
【0052】
また、リングがリングシート,ロックナットの間で緩止めのワッシャのように機能するため、車両の調整された車高が確実に維持され安全走行が確保される効果がある。
【0053】
また、リングに施されたコーティング処理のコーティング材料がリングシート,ロックナットとの回動摩擦を減衰するため、スプリングシート,ロックナットの回動が円滑になり、車高の調整作業が容易となる効果がある。
【0054】
さらに、請求項2として、コーティング材料としてフッ素樹脂することで、前述の効果がより確実に奏される果がある。
【0055】
さらに、請求項3として、スリットを利用してリングをショックアブソーバへ割込ませるようにして装着することができるため、既存品について簡単に改造実施することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用車高調整装置の実施の形態(1)を示す正面図である。
【図2】図1の要部の拡大斜視図である。
【図3】発明に係る車両用車高調整装置の実施の形態(2)を示す要部の斜視図である。
【図4】図4の要部の一部拡大平面図である。
【図5】本発明に係る車両用車高調整装置の実施の形態の実施例と比較例との実験結果を示す表である。
【符号の説明】
1 ショックアブソーバ
2 スプリング
6 スプリングシート
7 ロックナット
8 リング
81 スリット

Claims (3)

  1. ショックアブソーバに螺合されてスプリングを受けるスプリングシートと、ショックアブソーバに螺合されてスプリングシートの螺合位置を固定するロックナットとを備えた車両用車高調整装置において、金属材を素材として潤滑性を発揮するコーティング処理が施されたリングをスプリングシート,ロックナットの間に介装したことを特徴とする車両用車高調整装置。
  2. 請求項1の車両用車高調整装置において、スプリングシート,ロックナットはジュラルミン系アルミニウム材からなり、リングは素材が銅または銅系の金属材でコーティング材料がフッ素樹脂からなることを特徴とする車両用車高調整装置。
  3. 請求項1または2の車両用車高調整装置において、リングは径方向へ延びるスリットで切断されていることを特徴とする車両用車高調整装置。
JP2003120999A 2003-04-25 2003-04-25 車両用車高調整装置 Pending JP2004322874A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003120999A JP2004322874A (ja) 2003-04-25 2003-04-25 車両用車高調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003120999A JP2004322874A (ja) 2003-04-25 2003-04-25 車両用車高調整装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004322874A true JP2004322874A (ja) 2004-11-18

Family

ID=33499679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003120999A Pending JP2004322874A (ja) 2003-04-25 2003-04-25 車両用車高調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004322874A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010519127A (ja) * 2007-02-20 2010-06-03 テンネコ・オートモティブ・オペレーティング・カンパニー・インコーポレイテッド 正確な車高のための位置決めの形態および方法
KR101201535B1 (ko) 2012-08-16 2012-11-15 송칠영 차고조절기구의 제조방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010519127A (ja) * 2007-02-20 2010-06-03 テンネコ・オートモティブ・オペレーティング・カンパニー・インコーポレイテッド 正確な車高のための位置決めの形態および方法
CN102423996A (zh) * 2007-02-20 2012-04-25 田纳科汽车营运公司 用于精确的车辆高度的定位部件和方法
JP2014076802A (ja) * 2007-02-20 2014-05-01 Tenneco Automotive Operating Company Inc 正確な車高のための位置決めの形態および方法
KR101201535B1 (ko) 2012-08-16 2012-11-15 송칠영 차고조절기구의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2864083C (en) Control arm assembly with ball joint for automotive suspension
US20080044254A1 (en) Anti-theft fastener assembly
US6280096B1 (en) Rolling bearing unit for supporting vehicle wheel
US4235558A (en) Ball joint design
WO1998025772A1 (en) Vehicle wheel hub and bearing retention system and method for producing same
AU5446601A (en) Fastener assembly including a screw element and a supporting element
AU2011204889B2 (en) Lock nut system
JP2004322874A (ja) 車両用車高調整装置
JP2011005539A (ja) 筒状金具の製造方法及び該筒状金具を用いた防振ゴムブッシュの製造方法
US20140187336A1 (en) Torque Limiting Assembly
JP4020607B2 (ja) ボールジョイントおよびその製造方法
SE443210B (sv) Tetningsanordning for en roterande navnostetning till en torisionsvibrationsdempare
US20020104187A1 (en) Metal insert component
CA2068823A1 (en) Rubber-metal bushing and method of producing same
JP5401702B2 (ja) 転動成形型とそれを用いた筒状金具の製造方法,筒状金具を用いた防振ゴムブッシュの製造方法
JP2006207247A (ja) ホースの防護壁挿通構造
JPS61127934A (ja) ブツシユ組立体
JP2007010132A (ja) 脱落防止ボルト・ナット。
JPH09503275A (ja) 回転ユニットをセンタリングする装置
JP2007247736A (ja) ボルト固定構造
JP4373918B2 (ja) ワイパ機構の固定装置
JPH07190116A (ja) 金具付防振ゴム
CN210591206U (zh) 一种带基准定位结构的一体式汽车轮毂单元
JP2005030476A (ja) 車両用軸受装置
CN2621108Y (zh) 主轴前方遮水罩

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060227

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080709

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080722

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20081209

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02