JP2004322840A - パワーコントロールユニットの冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で、十分な冷却性能を確保することのできるパワーコントロールユニットの冷却構造を提供する。
【解決手段】エンジン3からパワーコントロールユニット20側へと輻射される輻射熱を遮断するための第1,第2の遮熱板125,126をエンジンルーム2内に配設するとともに、第1の遮熱板125からガイド板128を前方に延設して、外気導入口112からエンジンルーム2内に導入される外気の一部をパワーコントロールユニット20へと導くガイド通路129を構成とする。第1,第2の遮熱板125,126によってパワーコントロールユニット20に対するエンジン3からの熱害を防止するとともに、外気を用いた空冷によってパワーコントロールユニット20の水冷作用を補助する。
【選択図】 図5
【解決手段】エンジン3からパワーコントロールユニット20側へと輻射される輻射熱を遮断するための第1,第2の遮熱板125,126をエンジンルーム2内に配設するとともに、第1の遮熱板125からガイド板128を前方に延設して、外気導入口112からエンジンルーム2内に導入される外気の一部をパワーコントロールユニット20へと導くガイド通路129を構成とする。第1,第2の遮熱板125,126によってパワーコントロールユニット20に対するエンジン3からの熱害を防止するとともに、外気を用いた空冷によってパワーコントロールユニット20の水冷作用を補助する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体前部のエンジンルーム内に配設されたパワーコントロールユニットの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両においては、モータジェネレータを用いた簡易ハイブリッドシステム、電動4輪駆動システム、電磁駆動弁、電動パワーステアリング、電動カーエアコン、電動ブレーキ、電動シャーシコントロール、フロントガラスの急速霜取り装置、シートヒータ等の各装備を高いクオリティで実現することを目的として、車載補機類の定格電圧を14Vから42Vへと昇圧化させることが検討されており、これに伴い、車載のバッテリ電圧を12Vから36Vへと昇圧化させることが検討されている。
【0003】
このような補機類の昇圧化への移行期間には、補機類の変更に伴うコストの高騰を抑制するため、補機類の昇圧化は、当該昇圧化によってより多くのメリットを享受可能なものから段階的に導入されることが望ましい。この場合、補機類の昇圧化によって見込まれる最も大きなメリットの1つとして、高出力なモータジェネレータを用いて簡易ハイブリッドシステムを構築することで燃費向上等を実現することが考えられる。そこで、近年では、36Vバッテリと12Vバッテリとをともに搭載し、例えばモータジェネレータ、電磁クラッチ、及びオートマチックトランスミッション用の電動オイルポンプ等を36Vバッテリで駆動するとともに、その他の補機類を12Vバッテリで駆動する技術が提案され実用化されている。
【0004】
ところで、上述のように36Vバッテリと12Vバッテリとを備えた車両においては、両バッテリを狭隘なエンジンルーム内に同時に搭載することが困難となる。また、車両にモータジェネレータを採用した場合には、インバータ装置を新たに搭載する必要がある。さらに、モータジェネレータによる発電電圧を降圧させて12Vバッテリ等にも給電するためには、DC−DCコンバータ等の補機類を新たに搭載する必要がある。
【0005】
これらに対処し、例えば非特許文献1には、36Vバッテリ及び12Vバッテリをラゲージルーム内に配設するとともに、各バッテリをラゲージルーム内に配設することでエンジンルーム内に確保されたスペースに、インバータ装置にDC−DCコンバータが一体的に併設されたパワーコントロールユニットを配設する技術が開示されている。
【0006】
また、非特許文献1には、パワーコントロールユニットの各部を冷却するためのウォータジャケットをインバータ装置とDC−DCコンバータとの接合部に設け、エンジンルーム内に配設されたリザーバタンクやウォータポンプを冷却水配管を介してウォータジャケットに接続することで、ラジエータからの冷却水をウォータジャケットに循環する技術が開示されている。
【0007】
【非特許文献1】
トヨタ自動車株式会社編集「クラウン、クラウンマジェスタ、クラウンエステート新型車解説書」2001年8月20日発行、P0−2、P1−2〜1−7、P1−12〜1−21
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンルーム内に配設されたパワーコントロールユニットは、エンジンからの輻射熱等の影響を受けやすい。従って、上述の非特許文献1に開示された技術において、パワーコントロールユニットの冷却性能を十分に確保するためには、ウォータジャケット内に多量の冷却水を流通させる必要があり、ウォータポンプの大型化等を招く虞がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造で、十分な冷却性能を確保することのできるパワーコントロールユニットの冷却構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明によるパワーコントロールユニットの冷却構造は、パワーコントロールユニットを車体前部のエンジンルーム内の側部前方寄りに配設し、上記エンジンからの輻射熱を遮断する遮熱板を上記パワーコントロールユニットに対向して配置するとともに、上記パワーコントロールユニットに外気を導くガイド板を上記遮熱板から前方に延設して、その前端部をラジエータの側部で車体の外気導入口に臨ませたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の発明によるパワーコントロールユニットの冷却構造は、請求項1記載の発明において、上記遮熱板は、上記パワーコントロールユニットの上部に冠設する端子カバーに一体形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3記載の発明によるパワーコントロールユニットの冷却構造は、請求項1または請求項2記載の発明において、上記外気ガイド板は、上記ラジエータの後部に固設するラジエータファンに対応した高さ位置に配設されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態に係わり、図1はエンジン及びパワーコントロールユニットを示す平面図、図2はエンジン及びパワーコントロールユニットを示す正面図、図3は車載の電源回路の概略構成図、図4はエンジンルーム内の要部を示す平面図、図5はエンジンルーム内の要部を示す斜視図、図6はパワーコントロールユニットを示す斜視図である。
【0014】
図1において符号1は自動車等の車体を示す。本実施の形態において、車体1には、定格電圧が例えば42Vに設定されたモータジェネレータ10(後述する)や電動オイルポンプ(図示せず)等の負荷と、定格電圧が例えば14Vに設定されたランプバルブ(図示せず)やオーディオ機器(図示せず)等の負荷とが搭載されている。そして、42Vに設定されたモータジェネレータ10等を搭載することにより、車体1にはアイドルストップ機能等を高いクオリティで実現可能な簡易ハイブリッドシステムが構築されている。
【0015】
また、定格電圧の異なる各電気負荷にそれぞれ対応して給電を行うため、車体1には、図示しないラゲージルーム内に、36Vバッテリ5と、12Vバッテリ6とが搭載されている(図3参照)。
【0016】
図1,2に示すように、モータジェネレータ10は車体1前部のエンジンルーム2内でエンジン3に併設されており、モータジェネレータ10のプーリ11は、エアコン用コンプレッサ12のプーリ13等とともに、図示しないベルトを介してエンジン3のクランクプーリ3aに連結されている。ここで、本実施の形態において、エンジン3は車体1に対して縦置き配置される水平対向エンジンであり、モータジェネレータ10及びコンプレッサ12は、インテークマニホルド3bの前方で、エンジン3の上部に固設されている。
【0017】
また、エンジンルーム2内において、モータジェネレータ10の側方(図1の例では、左側方)には、パワーコントロールユニット20が配設されている。
【0018】
図3に示すように、パワーコントロールユニット20は、インバータ装置21と、このインバータ装置21に一体的に併設するDC−DCコンバータ22とを有して構成されている。
【0019】
インバータ装置21は、インテリジェントパワーモジュール23と、励磁回路24と、モータコントローラ25とを有し、これらがインバータケース50内に一体的に収容されて要部が構成されている。
【0020】
インテリジェントパワーモジュール23は、モータジェネレータ10内に配設されたステータコイル15のU相、V相、及びW相に大容量のパワーケーブル(電源ケーブル)27a〜27cを介して接続されているとともに、36Vバッテリ5に電力線31a,31bを介して外部接続され、モータジェネレータ10と36Vバッテリ5との間の交流/直流変換等を行うようになっている。
【0021】
また、励磁回路24は、モータジェネレータ10内に配設されたロータコイル16に電力線28を介して外部接続され、ロータコイル16に励磁電流を供給するようになっている。
【0022】
また、モータコントローラ25は、モータジェネレータ10内に配設された回転センサ17や温度センサ18等にハーネス29を介して接続されているとともに、図示しないアイドルストップ制御装置等にハーネス(図示せず)を介して外部接続され、各種入力信号に基づいて、インテリジェントパワーモジュール23の位相制御や励磁回路24の励磁電流制御等を行うようになっている。
【0023】
DC−DCコンバータ22は、コンバータ本体26を有し、このコンバータ本体26が、インバータケース50に一体的に併設するコンバータケース51内に収容されて要部が構成されている。
【0024】
コンバータ本体26は、36Vの直流電圧を12Vの直流電圧に降圧するためのもので、インバータケース50の内部でインテリジェントパワーモジュール23に接続されているとともに、電力線32を介して12Vバッテリ6に外部接続されている。
【0025】
そして、パワーコントロールユニット20は、アイドルストップ制御装置等からの信号に基づく制御を行うことで、モータジェネレータ10を発電機或いはモータとして選択的に機能させる。すなわち、走行時等において、インバータ装置21は、スイッチング制御等による充電圧及び発電量の調整を行うことでモータジェネレータ10を発電機として機能させ、36Vバッテリ5に対して電気エネルギーの充電を行う。また、インバータ装置21は、DC−DCコンバータ22を介して、12Vバッテリ6に対しても電気エネルギーの充電を行う。その一方で、エンジン3のアイドルストップからの再始動時等において、インバータ装置21は、36Vバッテリ5からの給電制御を行うことでモータジェネレータ10をモータとして機能させる。
【0026】
次に、パワーコントロールユニット20のエンジンルーム2内における詳細な構成について説明する。
ここで、図5に示すように、車体1の前部には、左右のラジエータサイドパネル110(左側のラジエータサイドパネル110のみを図示)と、ラジエータアッパーパネル111及びラジエータロアパネル(図示せず)とで囲まれた領域が外気導入口112として開口されており、この外気導入口112には、エンジン3の前方に配設されたラジエータ113が対向されている。なお、図中符号114はラジエータファンを示し、このラジエータファン114は、ラジエータ113の後部上方寄りに固設されている。
【0027】
また、図1,4,5に示すように、DC−DCコンバータ22はインバータ装置21の前部に併設されており、これらの間には、ラジエータ113からの冷却水を流通してパワーコントロールユニット20の各部を冷却するためのウォータジャケット(図示せず)が形成されている。ラジエータ113とウォータジャケットとを連通する冷却水配管(図示せず)には、ウォータポンプやリザーバタンク(図示せず)等が介装されており、ラジエータ113からの冷却水は、ウォータポンプの動作によってウォータジャケットに循環するようになっている。
【0028】
また、インバータ装置21の上面には、パワーケーブル27a〜27cを介してインテリジェントパワーモジュール23をモータジェネレータ10に電気接続するための端子台59や、電力線31a,31bを介してインテリジェントパワーモジュール23を36Vバッテリ5に電気接続するための直流端子57a,57b等が配設されているとともに、DC−DCコンバータ22の上面には、電力線32を介してコンバータ本体26を12Vバッテリ6に電気接続するための直流端子83が配設されている。すなわち、本実施の形態においては、DC−DCコンバータ22とインバータ装置21とを前後に併設した構成により、パワーコントロールユニット20から露呈する全ての外部接続端子を上面に配設することを可能とし、これにより、パワーコントロールユニット20の各部に対する端子接続作業が容易なものとなっている。
【0029】
図4,5に示すように、エンジンルーム2内の側部前方寄り位置(図示の例では左側部前方寄り位置)にはトレイ120が固設されており、このトレイ120上には、パワーコントロールユニット20が載置固定されている。
【0030】
また、エンジンルーム2内には、パワーコントロールユニット20のエンジン3側の側面略全域に対向する第1の遮熱板125が配設されているとともに、パワーコントロールユニット20の後面にエンジン3側で一部対向する第2の遮熱板126が配設されている。
【0031】
これら第1,第2の遮熱板125,126は、エンジン3からパワーコントロールユニット20側へと輻射される輻射熱を遮断するためのもので、図4乃至図6に示すように、パワーコントロールユニット20の上部に冠設する端子カバー127と一体形成されている。ここで、本実施の形態において、端子カバー127は端子台59及び直流端子83に一体的に冠設するよう構成されており、このような構成により、端子カバー127をパワーコントロールユニット20に対して広範囲に接触させることができる。従って、端子カバー127は、第1,第2の遮熱板125,126に対する支持強度を十分に確保することができる。
【0032】
また、第1の遮熱板125には、当該第1の遮熱板125の前方に延設するガイド板128が一体形成されており、ガイド板128の前端部は、ラジエータ113の側部で、外気導入口112に臨まされている。
【0033】
このガイド板128は外気導入口112からラジエータ113側に導入される外気を一部分岐させるためのもので、ガイド板128及び第1,第2の遮熱板125,126によって、エンジンルーム2内には、外気導入口112からの外気をパワーコントロールユニット20に導くガイド通路129が構成されている。すなわち、外気導入口112から導入される外気は、その一部がガイド通路129にガイドされてパワーコントロールユニット20に導かれ、当該パワーコントロールユニット20を冷却するようになっている。なお、パワーコントロールユニット20を冷却後の外気は、第2の遮熱板126の側部から後方に流通される。
【0034】
ここで、ラジエータファン114による負圧等によってラジエータ113を通過後の熱風がガイド通路129内に混入されることを防止するため、ガイド板128は、図5に示すように、ラジエータ113の後部に固設するラジエータファン114に対応した高さ位置に設定されていることが望ましい。
【0035】
このような本実施の形態によれば、エンジン3からパワーコントロールユニット20側へと輻射される輻射熱を第1,第2の遮熱板125,126によって遮断する構成とすることにより、パワーコントロールユニット20に対するエンジン3からの熱害対策を効果的に実現することができる。
【0036】
また、第1,第2の遮熱板125,126による熱害対策に加え、第1の遮熱板125からガイド板128を延設して、外気導入口112からエンジンルーム2内に導入される外気の一部をパワーコントロールユニット20へと導く構成とすることにより、ラジエータ113からの冷却水を用いたパワーコントロールユニット20の水冷作用を空冷によって補助することができ、簡単な構成で、パワーコントロールユニット20の冷却性能を向上することができる。
【0037】
従って、パワーコントロールユニット20内のウォータジャケットに冷却水を循環するためのウォータポンプ等を必要以上に大型化することなく、パワーコントロールユニット20の冷却性能を十分に確保することができる。
【0038】
その際、パワーコントロールユニット20を、エンジンルーム2内の側部前方寄りに配設することにより、エンジンルーム2内に区画形成されるガイド通路129の通路長を短縮することができ、ガイド板128等の大型化や、パワーコントロールユニット20等のエンジンルーム2内への艤装性の低下を効果的に抑制することができる。
【0039】
また、第1,第2の遮熱板125,126及びガイド板128を、パワーコントロールユニット20の上部に冠設する端子カバー127と一体形成することにより、パワーコントロールユニット20の空冷構造を構成する際の部品点数の増加を効果的に抑制することができるとともに、パワーコントロールユニット20を艤装する際の組立工数の削減を実現することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構造で、パワーコントロールユニットの十分な冷却性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン及びパワーコントロールユニットを示す正面図
【図2】エンジン及びパワーコントロールユニットを示す平面図
【図3】車載の電源回路の概略構成図
【図4】エンジンルーム内の要部を示す平面図
【図5】エンジンルーム内の要部を示す斜視図
【図6】パワーコントロールユニットを示す斜視図
【符号の説明】
1 … 車体
2 … エンジンルーム
3 … エンジン
20 … パワーコントロールユニット
112 … 外気導入口
113 … ラジエータ
114 … ラジエータファン
125 … 第1の遮熱板
126 … 第2の遮熱板
127 … 端子カバー
128 … ガイド板
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体前部のエンジンルーム内に配設されたパワーコントロールユニットの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両においては、モータジェネレータを用いた簡易ハイブリッドシステム、電動4輪駆動システム、電磁駆動弁、電動パワーステアリング、電動カーエアコン、電動ブレーキ、電動シャーシコントロール、フロントガラスの急速霜取り装置、シートヒータ等の各装備を高いクオリティで実現することを目的として、車載補機類の定格電圧を14Vから42Vへと昇圧化させることが検討されており、これに伴い、車載のバッテリ電圧を12Vから36Vへと昇圧化させることが検討されている。
【0003】
このような補機類の昇圧化への移行期間には、補機類の変更に伴うコストの高騰を抑制するため、補機類の昇圧化は、当該昇圧化によってより多くのメリットを享受可能なものから段階的に導入されることが望ましい。この場合、補機類の昇圧化によって見込まれる最も大きなメリットの1つとして、高出力なモータジェネレータを用いて簡易ハイブリッドシステムを構築することで燃費向上等を実現することが考えられる。そこで、近年では、36Vバッテリと12Vバッテリとをともに搭載し、例えばモータジェネレータ、電磁クラッチ、及びオートマチックトランスミッション用の電動オイルポンプ等を36Vバッテリで駆動するとともに、その他の補機類を12Vバッテリで駆動する技術が提案され実用化されている。
【0004】
ところで、上述のように36Vバッテリと12Vバッテリとを備えた車両においては、両バッテリを狭隘なエンジンルーム内に同時に搭載することが困難となる。また、車両にモータジェネレータを採用した場合には、インバータ装置を新たに搭載する必要がある。さらに、モータジェネレータによる発電電圧を降圧させて12Vバッテリ等にも給電するためには、DC−DCコンバータ等の補機類を新たに搭載する必要がある。
【0005】
これらに対処し、例えば非特許文献1には、36Vバッテリ及び12Vバッテリをラゲージルーム内に配設するとともに、各バッテリをラゲージルーム内に配設することでエンジンルーム内に確保されたスペースに、インバータ装置にDC−DCコンバータが一体的に併設されたパワーコントロールユニットを配設する技術が開示されている。
【0006】
また、非特許文献1には、パワーコントロールユニットの各部を冷却するためのウォータジャケットをインバータ装置とDC−DCコンバータとの接合部に設け、エンジンルーム内に配設されたリザーバタンクやウォータポンプを冷却水配管を介してウォータジャケットに接続することで、ラジエータからの冷却水をウォータジャケットに循環する技術が開示されている。
【0007】
【非特許文献1】
トヨタ自動車株式会社編集「クラウン、クラウンマジェスタ、クラウンエステート新型車解説書」2001年8月20日発行、P0−2、P1−2〜1−7、P1−12〜1−21
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンルーム内に配設されたパワーコントロールユニットは、エンジンからの輻射熱等の影響を受けやすい。従って、上述の非特許文献1に開示された技術において、パワーコントロールユニットの冷却性能を十分に確保するためには、ウォータジャケット内に多量の冷却水を流通させる必要があり、ウォータポンプの大型化等を招く虞がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造で、十分な冷却性能を確保することのできるパワーコントロールユニットの冷却構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明によるパワーコントロールユニットの冷却構造は、パワーコントロールユニットを車体前部のエンジンルーム内の側部前方寄りに配設し、上記エンジンからの輻射熱を遮断する遮熱板を上記パワーコントロールユニットに対向して配置するとともに、上記パワーコントロールユニットに外気を導くガイド板を上記遮熱板から前方に延設して、その前端部をラジエータの側部で車体の外気導入口に臨ませたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の発明によるパワーコントロールユニットの冷却構造は、請求項1記載の発明において、上記遮熱板は、上記パワーコントロールユニットの上部に冠設する端子カバーに一体形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3記載の発明によるパワーコントロールユニットの冷却構造は、請求項1または請求項2記載の発明において、上記外気ガイド板は、上記ラジエータの後部に固設するラジエータファンに対応した高さ位置に配設されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態に係わり、図1はエンジン及びパワーコントロールユニットを示す平面図、図2はエンジン及びパワーコントロールユニットを示す正面図、図3は車載の電源回路の概略構成図、図4はエンジンルーム内の要部を示す平面図、図5はエンジンルーム内の要部を示す斜視図、図6はパワーコントロールユニットを示す斜視図である。
【0014】
図1において符号1は自動車等の車体を示す。本実施の形態において、車体1には、定格電圧が例えば42Vに設定されたモータジェネレータ10(後述する)や電動オイルポンプ(図示せず)等の負荷と、定格電圧が例えば14Vに設定されたランプバルブ(図示せず)やオーディオ機器(図示せず)等の負荷とが搭載されている。そして、42Vに設定されたモータジェネレータ10等を搭載することにより、車体1にはアイドルストップ機能等を高いクオリティで実現可能な簡易ハイブリッドシステムが構築されている。
【0015】
また、定格電圧の異なる各電気負荷にそれぞれ対応して給電を行うため、車体1には、図示しないラゲージルーム内に、36Vバッテリ5と、12Vバッテリ6とが搭載されている(図3参照)。
【0016】
図1,2に示すように、モータジェネレータ10は車体1前部のエンジンルーム2内でエンジン3に併設されており、モータジェネレータ10のプーリ11は、エアコン用コンプレッサ12のプーリ13等とともに、図示しないベルトを介してエンジン3のクランクプーリ3aに連結されている。ここで、本実施の形態において、エンジン3は車体1に対して縦置き配置される水平対向エンジンであり、モータジェネレータ10及びコンプレッサ12は、インテークマニホルド3bの前方で、エンジン3の上部に固設されている。
【0017】
また、エンジンルーム2内において、モータジェネレータ10の側方(図1の例では、左側方)には、パワーコントロールユニット20が配設されている。
【0018】
図3に示すように、パワーコントロールユニット20は、インバータ装置21と、このインバータ装置21に一体的に併設するDC−DCコンバータ22とを有して構成されている。
【0019】
インバータ装置21は、インテリジェントパワーモジュール23と、励磁回路24と、モータコントローラ25とを有し、これらがインバータケース50内に一体的に収容されて要部が構成されている。
【0020】
インテリジェントパワーモジュール23は、モータジェネレータ10内に配設されたステータコイル15のU相、V相、及びW相に大容量のパワーケーブル(電源ケーブル)27a〜27cを介して接続されているとともに、36Vバッテリ5に電力線31a,31bを介して外部接続され、モータジェネレータ10と36Vバッテリ5との間の交流/直流変換等を行うようになっている。
【0021】
また、励磁回路24は、モータジェネレータ10内に配設されたロータコイル16に電力線28を介して外部接続され、ロータコイル16に励磁電流を供給するようになっている。
【0022】
また、モータコントローラ25は、モータジェネレータ10内に配設された回転センサ17や温度センサ18等にハーネス29を介して接続されているとともに、図示しないアイドルストップ制御装置等にハーネス(図示せず)を介して外部接続され、各種入力信号に基づいて、インテリジェントパワーモジュール23の位相制御や励磁回路24の励磁電流制御等を行うようになっている。
【0023】
DC−DCコンバータ22は、コンバータ本体26を有し、このコンバータ本体26が、インバータケース50に一体的に併設するコンバータケース51内に収容されて要部が構成されている。
【0024】
コンバータ本体26は、36Vの直流電圧を12Vの直流電圧に降圧するためのもので、インバータケース50の内部でインテリジェントパワーモジュール23に接続されているとともに、電力線32を介して12Vバッテリ6に外部接続されている。
【0025】
そして、パワーコントロールユニット20は、アイドルストップ制御装置等からの信号に基づく制御を行うことで、モータジェネレータ10を発電機或いはモータとして選択的に機能させる。すなわち、走行時等において、インバータ装置21は、スイッチング制御等による充電圧及び発電量の調整を行うことでモータジェネレータ10を発電機として機能させ、36Vバッテリ5に対して電気エネルギーの充電を行う。また、インバータ装置21は、DC−DCコンバータ22を介して、12Vバッテリ6に対しても電気エネルギーの充電を行う。その一方で、エンジン3のアイドルストップからの再始動時等において、インバータ装置21は、36Vバッテリ5からの給電制御を行うことでモータジェネレータ10をモータとして機能させる。
【0026】
次に、パワーコントロールユニット20のエンジンルーム2内における詳細な構成について説明する。
ここで、図5に示すように、車体1の前部には、左右のラジエータサイドパネル110(左側のラジエータサイドパネル110のみを図示)と、ラジエータアッパーパネル111及びラジエータロアパネル(図示せず)とで囲まれた領域が外気導入口112として開口されており、この外気導入口112には、エンジン3の前方に配設されたラジエータ113が対向されている。なお、図中符号114はラジエータファンを示し、このラジエータファン114は、ラジエータ113の後部上方寄りに固設されている。
【0027】
また、図1,4,5に示すように、DC−DCコンバータ22はインバータ装置21の前部に併設されており、これらの間には、ラジエータ113からの冷却水を流通してパワーコントロールユニット20の各部を冷却するためのウォータジャケット(図示せず)が形成されている。ラジエータ113とウォータジャケットとを連通する冷却水配管(図示せず)には、ウォータポンプやリザーバタンク(図示せず)等が介装されており、ラジエータ113からの冷却水は、ウォータポンプの動作によってウォータジャケットに循環するようになっている。
【0028】
また、インバータ装置21の上面には、パワーケーブル27a〜27cを介してインテリジェントパワーモジュール23をモータジェネレータ10に電気接続するための端子台59や、電力線31a,31bを介してインテリジェントパワーモジュール23を36Vバッテリ5に電気接続するための直流端子57a,57b等が配設されているとともに、DC−DCコンバータ22の上面には、電力線32を介してコンバータ本体26を12Vバッテリ6に電気接続するための直流端子83が配設されている。すなわち、本実施の形態においては、DC−DCコンバータ22とインバータ装置21とを前後に併設した構成により、パワーコントロールユニット20から露呈する全ての外部接続端子を上面に配設することを可能とし、これにより、パワーコントロールユニット20の各部に対する端子接続作業が容易なものとなっている。
【0029】
図4,5に示すように、エンジンルーム2内の側部前方寄り位置(図示の例では左側部前方寄り位置)にはトレイ120が固設されており、このトレイ120上には、パワーコントロールユニット20が載置固定されている。
【0030】
また、エンジンルーム2内には、パワーコントロールユニット20のエンジン3側の側面略全域に対向する第1の遮熱板125が配設されているとともに、パワーコントロールユニット20の後面にエンジン3側で一部対向する第2の遮熱板126が配設されている。
【0031】
これら第1,第2の遮熱板125,126は、エンジン3からパワーコントロールユニット20側へと輻射される輻射熱を遮断するためのもので、図4乃至図6に示すように、パワーコントロールユニット20の上部に冠設する端子カバー127と一体形成されている。ここで、本実施の形態において、端子カバー127は端子台59及び直流端子83に一体的に冠設するよう構成されており、このような構成により、端子カバー127をパワーコントロールユニット20に対して広範囲に接触させることができる。従って、端子カバー127は、第1,第2の遮熱板125,126に対する支持強度を十分に確保することができる。
【0032】
また、第1の遮熱板125には、当該第1の遮熱板125の前方に延設するガイド板128が一体形成されており、ガイド板128の前端部は、ラジエータ113の側部で、外気導入口112に臨まされている。
【0033】
このガイド板128は外気導入口112からラジエータ113側に導入される外気を一部分岐させるためのもので、ガイド板128及び第1,第2の遮熱板125,126によって、エンジンルーム2内には、外気導入口112からの外気をパワーコントロールユニット20に導くガイド通路129が構成されている。すなわち、外気導入口112から導入される外気は、その一部がガイド通路129にガイドされてパワーコントロールユニット20に導かれ、当該パワーコントロールユニット20を冷却するようになっている。なお、パワーコントロールユニット20を冷却後の外気は、第2の遮熱板126の側部から後方に流通される。
【0034】
ここで、ラジエータファン114による負圧等によってラジエータ113を通過後の熱風がガイド通路129内に混入されることを防止するため、ガイド板128は、図5に示すように、ラジエータ113の後部に固設するラジエータファン114に対応した高さ位置に設定されていることが望ましい。
【0035】
このような本実施の形態によれば、エンジン3からパワーコントロールユニット20側へと輻射される輻射熱を第1,第2の遮熱板125,126によって遮断する構成とすることにより、パワーコントロールユニット20に対するエンジン3からの熱害対策を効果的に実現することができる。
【0036】
また、第1,第2の遮熱板125,126による熱害対策に加え、第1の遮熱板125からガイド板128を延設して、外気導入口112からエンジンルーム2内に導入される外気の一部をパワーコントロールユニット20へと導く構成とすることにより、ラジエータ113からの冷却水を用いたパワーコントロールユニット20の水冷作用を空冷によって補助することができ、簡単な構成で、パワーコントロールユニット20の冷却性能を向上することができる。
【0037】
従って、パワーコントロールユニット20内のウォータジャケットに冷却水を循環するためのウォータポンプ等を必要以上に大型化することなく、パワーコントロールユニット20の冷却性能を十分に確保することができる。
【0038】
その際、パワーコントロールユニット20を、エンジンルーム2内の側部前方寄りに配設することにより、エンジンルーム2内に区画形成されるガイド通路129の通路長を短縮することができ、ガイド板128等の大型化や、パワーコントロールユニット20等のエンジンルーム2内への艤装性の低下を効果的に抑制することができる。
【0039】
また、第1,第2の遮熱板125,126及びガイド板128を、パワーコントロールユニット20の上部に冠設する端子カバー127と一体形成することにより、パワーコントロールユニット20の空冷構造を構成する際の部品点数の増加を効果的に抑制することができるとともに、パワーコントロールユニット20を艤装する際の組立工数の削減を実現することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構造で、パワーコントロールユニットの十分な冷却性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン及びパワーコントロールユニットを示す正面図
【図2】エンジン及びパワーコントロールユニットを示す平面図
【図3】車載の電源回路の概略構成図
【図4】エンジンルーム内の要部を示す平面図
【図5】エンジンルーム内の要部を示す斜視図
【図6】パワーコントロールユニットを示す斜視図
【符号の説明】
1 … 車体
2 … エンジンルーム
3 … エンジン
20 … パワーコントロールユニット
112 … 外気導入口
113 … ラジエータ
114 … ラジエータファン
125 … 第1の遮熱板
126 … 第2の遮熱板
127 … 端子カバー
128 … ガイド板
Claims (3)
- パワーコントロールユニットを車体前部のエンジンルーム内の側部前方寄りに配設し、
上記エンジンからの輻射熱を遮断する遮熱板を上記パワーコントロールユニットに対向して配置するとともに、
上記パワーコントロールユニットに外気を導くガイド板を上記遮熱板から前方に延設して、その前端部をラジエータの側部で車体の外気導入口に臨ませたことを特徴とするパワーコントロールユニットの冷却構造。 - 上記遮熱板は、上記パワーコントロールユニットの上部に冠設する端子カバーに一体形成されていることを特徴とする請求項1記載のパワーコントロールユニットの冷却構造。
- 上記外気ガイド板は、上記ラジエータの後部に固設するラジエータファンに対応した高さ位置に配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパワーコントロールユニットの冷却構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003120368A JP2004322840A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | パワーコントロールユニットの冷却構造 |
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JP2003120368A JP2004322840A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | パワーコントロールユニットの冷却構造 |
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JP2003120368A Pending JP2004322840A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | パワーコントロールユニットの冷却構造 |
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JP (1) | JP2004322840A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007253873A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Mazda Motor Corp | 車両の操舵ユニット配設構造 |
CN110430747A (zh) * | 2017-03-31 | 2019-11-08 | 洋马株式会社 | 联合收割机 |
-
2003
- 2003-04-24 JP JP2003120368A patent/JP2004322840A/ja active Pending
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