JP2004322509A - インクジェットヘッド用フィルタユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットヘッド用フィルタユニットにおいて、ハウジング内に混入した気泡の除去を可能にし、同じくハウジング内に気泡が混入したか否かの判断が容易に出来ることを可能としたインクジェットヘッド用フィルタユニットを提供する。
【解決手段】インク導入部2とインクジェットヘッドにインクを供給するためのインク出口部8を備えたハウジング1及び6で、インク中の不純物質をろ過する平面なフィルタ9を有したインク経路において、インク導入部2からフィルタ9間までの第1室3と、フィルタ9と出口部8までの第2室7に、夫々第1の排出口4及び第2の排出口5を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】インク導入部2とインクジェットヘッドにインクを供給するためのインク出口部8を備えたハウジング1及び6で、インク中の不純物質をろ過する平面なフィルタ9を有したインク経路において、インク導入部2からフィルタ9間までの第1室3と、フィルタ9と出口部8までの第2室7に、夫々第1の排出口4及び第2の排出口5を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドにインクを供給するためのインク流路に混入した空気を簡便に除去するインクジェットヘッド用フィルタユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来のインクジェット記録装置の概略を示す正面断面図である。図4に示すように、従来のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド25と、インク供給容器24と、これらを繋ぐインク流路26、27と、フィルタユニット28と、吸引キャップ29を有する。
【0003】
インクジェットヘッド25には複数個の吐出ノズル(図示せず)が設けられており、発熱素子や圧電素子等により付与された加圧力でもって吐出ノズルからインク滴を飛翔させることより記録を行なう。
【0004】
吸引キャップ29はインクジェットヘッド25の表面に付着したゴミやインク、あるいはインクジェットヘッド25内やフィルタユニット28内に混入した空気の除去を目的として設けられている。当該吸引キャップ29は、必要に応じてインクジェットヘッド25の吐出ノズルが配設された面に固定されて、吸引キャップ29と吐出ノズル面とで形成された空間を密封した後、吸引キャップ29に連通している吸引機構(図示せず)により矢印d方向に吸引することで、気泡等の除去動作を実施する。
【0005】
また、上記構成のインクジェット記録装置においては、インクタンク等のインク供給部からインクジェットヘッドにインクを供給する過程において、インク中に混在するゴミ等の不純物がインクジェットヘッド25に入り込むことを防ぐことを目的としてフィルタユニットを設けている。
【0006】
図4において、フィルタユニット28はハウジング33と、当該ハウジング33により挟持されているフィルタ23よりなり、フィルタ23は密閉された状態となっている。また、図4において、ハウジング33は2分割の形状となっているが、この限りではない。ハウジング33の内部形状は、フィルタ23の前後ともインクの流体抵抗の低減を考慮して円錐状の形状となっている。前述したように、図4においては、フィルタ23をハウジング33にて挟み込む構造としているが、その他の方法として、接着や溶着などの技術を用いて装着する場合や、インサートモールド等の一体成型による構成でも可能である。いずれにおいても内部のインクがハウジング外に漏れることが無いよう、フィルタユニット28内の気密が保たれる構造となっている。
【0007】
以下、インク供給機構の構成について説明する。図4において、矢印cはインクの流れる方向を示す。インク供給容器24から供給されるインクはインク流路26中を流れ、フィルタユニット28に入り込む。更に、フィルタユニット28に送り込まれたインクはインク中に混入したゴミ等の不純物がフィルタ23でろ過された後、インク流路27に流れ込み、最終的にインクジェットヘッド25へ送られる構成となっている。本図においては省略されているがインク供給容器24は内部の圧力が一定となる機構を有し、インク供給容器24内のインク量の変化による内部圧力の変動が発生しないものとなっている。インク流路26及び27は継手部材(図示せず)にてインク供給容器24、フィルタユニット28及びインクジェットヘッド25に接合されており、気密が保たれている。このインク流路26及び27には、必要に応じてインク流量を調節する機構などが付加される場合もある。インク流路26、27を形成する部材としては樹脂や金属の管を用いたものが使用されるが、インクの物性対する耐食性、及び空気などの気体透過性を考慮した上で最適の材料が選択される。なお、インク流路26、27はインクジェット記録装置内における他の部材と一体で成型される場合もある。
【0008】
フィルタ23の形状は平板状となっているが、図5に示すような円筒形状フィルタ30を使用すると、フィルタの表面積が拡大し、ろ過効率を向上させることができる。通常、フィルタ23の開孔径は最大でもインクジェットヘッドのインク吐出ノズル径よりも小さいものを用いることで、供給されるインク内の異物などによるノズルづまりなどの不具合を防止している。
【0009】
前述したフィルタユニット28内の空気除去の方法として、フィルタの上流側のみではあるが、排出管を用いて空気を排出する方法などがある(例えば特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−330206号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のインクジェットヘッド用フィルタユニットでは、供給されるインクのゴミ等の不純物は容易に除去できる利点がある。しかしながら、例えば何等かの理由により、インジェットヘッド25の吐出ノズルより入り込んだ空気がインク中に混入して気泡となり、フィルタユニット28内部へ進入してフィルタ23の面に付着した場合、気泡の逃げ場がなくなってしまう。入りこんだ気泡の大きさが吐出ノズル径よりも小さな微細な気泡の場合には、吸引キャップ29の除去動作によりインクと共に排出することが可能であるが、図4に示すような微細な気泡集まって成長した大きな気泡31については、吸引キャップ29の気泡除去動作を実施してもインクのみが流出し、気泡はフィルタユニット28に留まってしまう。気泡31のように成長した気泡は、相当の圧力を用いても除去が困難となる。そして、気泡の除去に伴うインクの排出もインクの有効使用の観点から見ればムダが多い。しかし、フィルタユニット28内に気泡を残しておくと、気泡がインク供給の妨げとなり、記録動作時のインクの流量が減り、インク不吐出等の不具合の原因となる。
【0012】
一方、フィルタ23のインク供給容器24側に何等かの理由により空気が混入した場合においても同様の問題が発生する。すなわち、フィルタユニット28内に溜まった気泡の大きさがインクフィルタ23の開孔径よりも小さな微細な気泡の場合には、吸引キャップ29の除去動作によりインクと共に排出することが可能であるが、微細な気泡集まって成長した大きな気泡についてはインクのみが流出し、気泡がハウジング28内に留まる現象が発生する。これにより、インク供給容器24から供給されるインクの流量が減り、インク不吐出等の不具合の原因となってしまう。
【0013】
また、フィルタユニット28を金属等の材質で形成した場合、内部の状態が安易に確認できない。このため記録装置において、インクジェットヘッド25のインク不吐出等の不具合発生時に、気泡がフィルタユニット内部に混入しているか否かの判断が容易ではなく、不具合の原因究明が困難となるという問題があった。
【0014】
そこで、本発明はフィルタユニット内のインクジェットヘッド側及びインク供給容器側に混入した空気を簡便に除去できるインクジェット用フィルタユニットを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の請求項1に記載の発明は、インク導入部とインクジェットヘッドにインクを供給するためのインク出口部を備えたハウジングと、インク中の不純物質を除去するフィルタとと、該ハウジング内の前記インク導入部から前記フィルタとの間の空間に第1の気泡排出口を設け、前記フィルタとインク出口部との間の空間に第2の排出口を設けたことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッド用フィルタユニットにおいて、前記第1の排出口及び第2の排出口の位置は、それぞれインク導入部とインク出口部に対して鉛直方向の上側に設けることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載のインクジェットヘッド用フィルタユニットにおいて、前記フィルタとの間の空間、及び前記フィルタとインク出口部との間の空間の形状は鉛直方向上部に向かって任意の角度をもって傾斜した形状であり、かつその鉛直方向の最上部に第1の排出口及び第2の排出口が設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2記載のインクジェットヘッド用フィルタユニットにおいて、前記第1の排出口及び第2の排出口は内部の状態を確認できるよう透明もしくは半透明な管状の部材にて形成されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一例について図面を参照して説明する。
図1は本発明を適用したインクジェット記録装置のインク供給容器とインクジェットヘッド間に設けられたフィルタユニットの断面図である。導入側ハウジング1の内部には第1室3が形成されており、当該第1室3にはインク供給容器と導通するインク導入口2が設けられている。出口側ハウジング6の内部には第2室7が形成されており、当該第2室7にはインクジェットヘッドに導通するインク出口部8が設けられている。
【0020】
9はフィルタであって、本例においては図1の如く、第1室3の開口部を漏れなく覆うよう固着されているが、その固定方法に関してはこの限りではなく、パッキンやシール部材などを用いてフィルタ外周部とハウジング内部を漏れ無く固定した構成でもよい。フィルタ9は平板の形状であり、開孔径はインクジェットヘッドの吐出ノズル径よりも小さくなっている。
【0021】
導入側ハウジング1と出口側ハウジング6は、シール部材(図示せず)を介して複数のネジによりハウジング内部が気密状態となるよう密着・固定されている。なお、導入側ハウジング1と出口側ハウジング6の固定は、接着や溶着または接合面にシール部材などを挟んで固定することでも成し得る。
【0022】
本発明のフィルタユニットにおいて、インク供給容器からのインクは矢印aの方向から入り込み、フィルタ9を通過して矢印bの方向へ排出され、インクジェットヘッドへと供給される。なお、本図においてはインク導入口2とインク出口部8はそれぞれ1箇所で図示してあるがこの限りではない。また、インク導入口2とインク出口部8に結合されているインク流路部材20は図示せぬ継手部材により結合されているものであるが、気密が得られる手段であればこの限りではない。
【0023】
また、導入側ハウジング1には第1室用排出口4が設けられており、その配置はインク導入口2に対し鉛直方向で上側となる位置にある。第1室用排出口4の先端には排出用管11が接続されている。このような構成とすることにより、何らかの理由により第1室3に入り込んだ空気の気泡はフィルタ9に付着することなく、又は付着した場合であっても、より上部の第1室用排出口4に向かって気泡が上昇するため、フィルタ9のインク流路の有効面積を減らすことなく、インクを通過させることが出来る。
【0024】
一方、出口側ハウジング6には第2室用排出口5が設けられており、その配置はインク出口部8に対し鉛直方向で上側となる位置にある。第2室用排出口5の先端には排出用管12が接続されている。
【0025】
図1のA―Aを断面を矢印方向Bから見た形状を図2に示す。17は導入側ハウジングの外形、19はフィルタ、15は第1室の形状を示す。また、第1室15は上部が任意の角度をもって傾斜した形状となっているため、気泡が混入した場合においては、気泡は上昇しながら鉛直方向の最上部となる位置18に集まる。位置18には図1における第1室用排出口4が配置されているので気泡の排出が容易となる。
【0026】
また、図2において、16に示す破線は第2室の形状を示しており、第1室と同様に上部が任意の角度をもって傾斜した形状となっている。このため気泡が混入した場合においては、気泡は上昇しながら鉛直方向の最上部となる位置21に集まる。位置21には図1における第2室用排出口5が設けられているので、気泡の排出が容易となる。
【0027】
排出用管11、12は透明な材質を用いており、管内部のインクの状態及び混入した気泡の状態が確認し得るものとなっている。排出用管11、12は内部状態が確認し得る材質であれば透明に限らず半透明なものでもよい。通常時、排出用管11、12には栓13、14が装着されているため、気密を保持することができる。そして、気泡が混入した場合には、排出用管11または12に所定の吸引圧を発生させる手段を結合させることで、内部のインクを容易に排出させることが可能となる。なお、ここでいう所定の吸引圧とはインクジェットヘッドのノズル内(メニスカスなど)に影響を及ぼすことのない程度の圧力を指し、つまりはノズルより空気が入り込まない圧力をいう。
【0028】
本発明の例では、フィルタが傾く位置となるよう設けられているがこの限りではなく、フィルタ49を鉛直方向に配してもよい。この場合、図3に示す例の如く、導入側ハウジング41の内部には第1室43を形成し、当該第1室43にはインク供給容器と導通するインク導入口42を設け、第1室用排出口44は導入側ハウジング41の鉛直方向で上側となる位置に設ける。また、出口側ハウジング46の内部には第2室47を形成し、当該第2室47にはインクジェットヘッドと導通するインク出口部48を設け、第2室用排出口45は出口側ハウジング47の鉛直方向で上側となる位置に設ける。また、通常時、排出用管には栓53、54が装着されているため、気密を保持することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフィルタユニットの構成によれば、フィルタユニット内に気泡が混入しても簡便に除去作業が行なえると共に、インクジェットヘッドの不吐出などの発生時にその原因がフィルタ内に混入した気泡によるものか否かの判断が容易に出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例となるフィルタユニットの側面断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の他の例となるフィルタユニットの側面断面図。
【図4】従来のインクジェット記録装置の構成を示す概略断面図。
【図5】従来のフィルタユニットの構成の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1は導入側ハウジング、2はインク導入口、3は第1室、4は第1室用排出口4、5は第2室用排出口、6は出口側ハウジング、7は第2室、8はインク出口部、9はフィルタ、11、12は排出用管、13、14は栓である。
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドにインクを供給するためのインク流路に混入した空気を簡便に除去するインクジェットヘッド用フィルタユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来のインクジェット記録装置の概略を示す正面断面図である。図4に示すように、従来のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド25と、インク供給容器24と、これらを繋ぐインク流路26、27と、フィルタユニット28と、吸引キャップ29を有する。
【0003】
インクジェットヘッド25には複数個の吐出ノズル(図示せず)が設けられており、発熱素子や圧電素子等により付与された加圧力でもって吐出ノズルからインク滴を飛翔させることより記録を行なう。
【0004】
吸引キャップ29はインクジェットヘッド25の表面に付着したゴミやインク、あるいはインクジェットヘッド25内やフィルタユニット28内に混入した空気の除去を目的として設けられている。当該吸引キャップ29は、必要に応じてインクジェットヘッド25の吐出ノズルが配設された面に固定されて、吸引キャップ29と吐出ノズル面とで形成された空間を密封した後、吸引キャップ29に連通している吸引機構(図示せず)により矢印d方向に吸引することで、気泡等の除去動作を実施する。
【0005】
また、上記構成のインクジェット記録装置においては、インクタンク等のインク供給部からインクジェットヘッドにインクを供給する過程において、インク中に混在するゴミ等の不純物がインクジェットヘッド25に入り込むことを防ぐことを目的としてフィルタユニットを設けている。
【0006】
図4において、フィルタユニット28はハウジング33と、当該ハウジング33により挟持されているフィルタ23よりなり、フィルタ23は密閉された状態となっている。また、図4において、ハウジング33は2分割の形状となっているが、この限りではない。ハウジング33の内部形状は、フィルタ23の前後ともインクの流体抵抗の低減を考慮して円錐状の形状となっている。前述したように、図4においては、フィルタ23をハウジング33にて挟み込む構造としているが、その他の方法として、接着や溶着などの技術を用いて装着する場合や、インサートモールド等の一体成型による構成でも可能である。いずれにおいても内部のインクがハウジング外に漏れることが無いよう、フィルタユニット28内の気密が保たれる構造となっている。
【0007】
以下、インク供給機構の構成について説明する。図4において、矢印cはインクの流れる方向を示す。インク供給容器24から供給されるインクはインク流路26中を流れ、フィルタユニット28に入り込む。更に、フィルタユニット28に送り込まれたインクはインク中に混入したゴミ等の不純物がフィルタ23でろ過された後、インク流路27に流れ込み、最終的にインクジェットヘッド25へ送られる構成となっている。本図においては省略されているがインク供給容器24は内部の圧力が一定となる機構を有し、インク供給容器24内のインク量の変化による内部圧力の変動が発生しないものとなっている。インク流路26及び27は継手部材(図示せず)にてインク供給容器24、フィルタユニット28及びインクジェットヘッド25に接合されており、気密が保たれている。このインク流路26及び27には、必要に応じてインク流量を調節する機構などが付加される場合もある。インク流路26、27を形成する部材としては樹脂や金属の管を用いたものが使用されるが、インクの物性対する耐食性、及び空気などの気体透過性を考慮した上で最適の材料が選択される。なお、インク流路26、27はインクジェット記録装置内における他の部材と一体で成型される場合もある。
【0008】
フィルタ23の形状は平板状となっているが、図5に示すような円筒形状フィルタ30を使用すると、フィルタの表面積が拡大し、ろ過効率を向上させることができる。通常、フィルタ23の開孔径は最大でもインクジェットヘッドのインク吐出ノズル径よりも小さいものを用いることで、供給されるインク内の異物などによるノズルづまりなどの不具合を防止している。
【0009】
前述したフィルタユニット28内の空気除去の方法として、フィルタの上流側のみではあるが、排出管を用いて空気を排出する方法などがある(例えば特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−330206号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のインクジェットヘッド用フィルタユニットでは、供給されるインクのゴミ等の不純物は容易に除去できる利点がある。しかしながら、例えば何等かの理由により、インジェットヘッド25の吐出ノズルより入り込んだ空気がインク中に混入して気泡となり、フィルタユニット28内部へ進入してフィルタ23の面に付着した場合、気泡の逃げ場がなくなってしまう。入りこんだ気泡の大きさが吐出ノズル径よりも小さな微細な気泡の場合には、吸引キャップ29の除去動作によりインクと共に排出することが可能であるが、図4に示すような微細な気泡集まって成長した大きな気泡31については、吸引キャップ29の気泡除去動作を実施してもインクのみが流出し、気泡はフィルタユニット28に留まってしまう。気泡31のように成長した気泡は、相当の圧力を用いても除去が困難となる。そして、気泡の除去に伴うインクの排出もインクの有効使用の観点から見ればムダが多い。しかし、フィルタユニット28内に気泡を残しておくと、気泡がインク供給の妨げとなり、記録動作時のインクの流量が減り、インク不吐出等の不具合の原因となる。
【0012】
一方、フィルタ23のインク供給容器24側に何等かの理由により空気が混入した場合においても同様の問題が発生する。すなわち、フィルタユニット28内に溜まった気泡の大きさがインクフィルタ23の開孔径よりも小さな微細な気泡の場合には、吸引キャップ29の除去動作によりインクと共に排出することが可能であるが、微細な気泡集まって成長した大きな気泡についてはインクのみが流出し、気泡がハウジング28内に留まる現象が発生する。これにより、インク供給容器24から供給されるインクの流量が減り、インク不吐出等の不具合の原因となってしまう。
【0013】
また、フィルタユニット28を金属等の材質で形成した場合、内部の状態が安易に確認できない。このため記録装置において、インクジェットヘッド25のインク不吐出等の不具合発生時に、気泡がフィルタユニット内部に混入しているか否かの判断が容易ではなく、不具合の原因究明が困難となるという問題があった。
【0014】
そこで、本発明はフィルタユニット内のインクジェットヘッド側及びインク供給容器側に混入した空気を簡便に除去できるインクジェット用フィルタユニットを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の請求項1に記載の発明は、インク導入部とインクジェットヘッドにインクを供給するためのインク出口部を備えたハウジングと、インク中の不純物質を除去するフィルタとと、該ハウジング内の前記インク導入部から前記フィルタとの間の空間に第1の気泡排出口を設け、前記フィルタとインク出口部との間の空間に第2の排出口を設けたことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッド用フィルタユニットにおいて、前記第1の排出口及び第2の排出口の位置は、それぞれインク導入部とインク出口部に対して鉛直方向の上側に設けることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載のインクジェットヘッド用フィルタユニットにおいて、前記フィルタとの間の空間、及び前記フィルタとインク出口部との間の空間の形状は鉛直方向上部に向かって任意の角度をもって傾斜した形状であり、かつその鉛直方向の最上部に第1の排出口及び第2の排出口が設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2記載のインクジェットヘッド用フィルタユニットにおいて、前記第1の排出口及び第2の排出口は内部の状態を確認できるよう透明もしくは半透明な管状の部材にて形成されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一例について図面を参照して説明する。
図1は本発明を適用したインクジェット記録装置のインク供給容器とインクジェットヘッド間に設けられたフィルタユニットの断面図である。導入側ハウジング1の内部には第1室3が形成されており、当該第1室3にはインク供給容器と導通するインク導入口2が設けられている。出口側ハウジング6の内部には第2室7が形成されており、当該第2室7にはインクジェットヘッドに導通するインク出口部8が設けられている。
【0020】
9はフィルタであって、本例においては図1の如く、第1室3の開口部を漏れなく覆うよう固着されているが、その固定方法に関してはこの限りではなく、パッキンやシール部材などを用いてフィルタ外周部とハウジング内部を漏れ無く固定した構成でもよい。フィルタ9は平板の形状であり、開孔径はインクジェットヘッドの吐出ノズル径よりも小さくなっている。
【0021】
導入側ハウジング1と出口側ハウジング6は、シール部材(図示せず)を介して複数のネジによりハウジング内部が気密状態となるよう密着・固定されている。なお、導入側ハウジング1と出口側ハウジング6の固定は、接着や溶着または接合面にシール部材などを挟んで固定することでも成し得る。
【0022】
本発明のフィルタユニットにおいて、インク供給容器からのインクは矢印aの方向から入り込み、フィルタ9を通過して矢印bの方向へ排出され、インクジェットヘッドへと供給される。なお、本図においてはインク導入口2とインク出口部8はそれぞれ1箇所で図示してあるがこの限りではない。また、インク導入口2とインク出口部8に結合されているインク流路部材20は図示せぬ継手部材により結合されているものであるが、気密が得られる手段であればこの限りではない。
【0023】
また、導入側ハウジング1には第1室用排出口4が設けられており、その配置はインク導入口2に対し鉛直方向で上側となる位置にある。第1室用排出口4の先端には排出用管11が接続されている。このような構成とすることにより、何らかの理由により第1室3に入り込んだ空気の気泡はフィルタ9に付着することなく、又は付着した場合であっても、より上部の第1室用排出口4に向かって気泡が上昇するため、フィルタ9のインク流路の有効面積を減らすことなく、インクを通過させることが出来る。
【0024】
一方、出口側ハウジング6には第2室用排出口5が設けられており、その配置はインク出口部8に対し鉛直方向で上側となる位置にある。第2室用排出口5の先端には排出用管12が接続されている。
【0025】
図1のA―Aを断面を矢印方向Bから見た形状を図2に示す。17は導入側ハウジングの外形、19はフィルタ、15は第1室の形状を示す。また、第1室15は上部が任意の角度をもって傾斜した形状となっているため、気泡が混入した場合においては、気泡は上昇しながら鉛直方向の最上部となる位置18に集まる。位置18には図1における第1室用排出口4が配置されているので気泡の排出が容易となる。
【0026】
また、図2において、16に示す破線は第2室の形状を示しており、第1室と同様に上部が任意の角度をもって傾斜した形状となっている。このため気泡が混入した場合においては、気泡は上昇しながら鉛直方向の最上部となる位置21に集まる。位置21には図1における第2室用排出口5が設けられているので、気泡の排出が容易となる。
【0027】
排出用管11、12は透明な材質を用いており、管内部のインクの状態及び混入した気泡の状態が確認し得るものとなっている。排出用管11、12は内部状態が確認し得る材質であれば透明に限らず半透明なものでもよい。通常時、排出用管11、12には栓13、14が装着されているため、気密を保持することができる。そして、気泡が混入した場合には、排出用管11または12に所定の吸引圧を発生させる手段を結合させることで、内部のインクを容易に排出させることが可能となる。なお、ここでいう所定の吸引圧とはインクジェットヘッドのノズル内(メニスカスなど)に影響を及ぼすことのない程度の圧力を指し、つまりはノズルより空気が入り込まない圧力をいう。
【0028】
本発明の例では、フィルタが傾く位置となるよう設けられているがこの限りではなく、フィルタ49を鉛直方向に配してもよい。この場合、図3に示す例の如く、導入側ハウジング41の内部には第1室43を形成し、当該第1室43にはインク供給容器と導通するインク導入口42を設け、第1室用排出口44は導入側ハウジング41の鉛直方向で上側となる位置に設ける。また、出口側ハウジング46の内部には第2室47を形成し、当該第2室47にはインクジェットヘッドと導通するインク出口部48を設け、第2室用排出口45は出口側ハウジング47の鉛直方向で上側となる位置に設ける。また、通常時、排出用管には栓53、54が装着されているため、気密を保持することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフィルタユニットの構成によれば、フィルタユニット内に気泡が混入しても簡便に除去作業が行なえると共に、インクジェットヘッドの不吐出などの発生時にその原因がフィルタ内に混入した気泡によるものか否かの判断が容易に出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例となるフィルタユニットの側面断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の他の例となるフィルタユニットの側面断面図。
【図4】従来のインクジェット記録装置の構成を示す概略断面図。
【図5】従来のフィルタユニットの構成の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1は導入側ハウジング、2はインク導入口、3は第1室、4は第1室用排出口4、5は第2室用排出口、6は出口側ハウジング、7は第2室、8はインク出口部、9はフィルタ、11、12は排出用管、13、14は栓である。
Claims (4)
- インク導入部とインクジェットヘッドにインクを供給するためのインク出口部を備えたハウジングと、インク中の不純物質を除去するフィルタとと、該ハウジング内の前記インク導入部から前記フィルタとの間の空間に第1の気泡排出口を設け、前記フィルタとインク出口部との間の空間に第2の排出口を設けたことを特徴とするインクジェットヘッド用フィルタユニット。
- 前記第1の排出口及び第2の排出口の位置は、それぞれインク導入部とインク出口部に対して鉛直方向の上側に設けることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド用フィルタユニット。
- 前記フィルタとの間の空間、及び前記フィルタとインク出口部との間の空間の形状は鉛直方向上部に向かって任意の角度をもって傾斜した形状であり、かつその鉛直方向の最上部に第1の排出口及び第2の排出口が設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のインクジェットヘッド用フィルタユニット。
- 前記第1の排出口及び第2の排出口は内部の状態を確認できるよう透明もしくは半透明な管状の部材にて形成されることを特徴とする請求項2記載のインクジェットヘッド用フィルタユニット。
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