JP2004322174A - レーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents
レーザ加工方法及びレーザ加工装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004322174A JP2004322174A JP2003122319A JP2003122319A JP2004322174A JP 2004322174 A JP2004322174 A JP 2004322174A JP 2003122319 A JP2003122319 A JP 2003122319A JP 2003122319 A JP2003122319 A JP 2003122319A JP 2004322174 A JP2004322174 A JP 2004322174A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diffracted light
- laser beam
- order diffracted
- hole
- order
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Laser Beam Processing (AREA)
Abstract
【課題】レーザビームを照射して、高品質の加工を行う。
【解決手段】(a)レーザビームの断面の一部を遮光してレーザビームの断面形状を整形する。工程(a)で生じたある次数以上の高次回折光を含まないレーザビームを、工程(a)で整形された断面形状が加工対象物上に結像するように、加工対象物上に入射させる。
【選択図】 図1
【解決手段】(a)レーザビームの断面の一部を遮光してレーザビームの断面形状を整形する。工程(a)で生じたある次数以上の高次回折光を含まないレーザビームを、工程(a)で整形された断面形状が加工対象物上に結像するように、加工対象物上に入射させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームを照射して、加工対象物を加工するレーザ加工方法及びレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の、レーザビームを用いた穴開け加工に使用されるレーザ加工装置の概略図である。レーザ光源1、たとえばNd:YAGレーザ発振器やその高次高調波から、パルスレーザビームが出射する。パルスレーザビームは、たとえば円形の貫通孔2aを有するマスク2で断面形状を円形に整形され、フィールドレンズ4に入射する。フィールドレンズ4を透過したパルスレーザビームは、必要に応じて配置される反射ミラー5で反射され、ガルバノスキャナ6に入射する。ガルバノスキャナ6は、揺動可能な2枚のガルバノミラーを含んで構成され、レーザビームを加工面上で2次元方向に走査する。ガルバノスキャナ6で走査されたパルスレーザビームは、fθレンズ7を透過して、ステージ9上に保持された加工対象物8に入射する。フィールドレンズ4及びfθレンズ7は、マスク2の貫通孔2aを加工対象物8上に結像させる。(たとえば、特許文献1参照。)図7は、加工対象物8を示す概略的な断面図である。加工対象物8は、たとえばプリント配線用の基板である。たとえばガラスエポキシ樹脂で形成された基板30上にたとえば銅で形成された金属層31が積層され、更に金属層31上にたとえば熱硬化性樹脂で形成された樹脂層32が積層されている。樹脂層32の厚さは、たとえば40μmである。樹脂層32の表面にパルスレーザビームを入射させて、樹脂層32を貫通し、金属層31の表面を露出させる穴を形成する。たとえば70ショットのパルスレーザビームを樹脂層32上の同一位置に入射させることにより、1つの穴を形成する。穴の開口の形状は、たとえば直径50μmの円形である。
【0003】
図8(A)は、マスク2の貫通孔2aで円形に整形されたパルスレーザビーム断面の回折像を示す概略図である。ビームが貫通孔2aで整形される際の回折効果により、パルスレーザビームの断面中央部から周辺部に向かって、0次回折光20、1次回折光21、2次回折光22、3次回折光23、4次回折光24、5次回折光25、6次回折光26、・・・、に対応する強度の強い部分が、円形のビーム断面の中心を中心とする同心円状に生じる。すなわちn次回折光(n=0、1、2、3、4、5、6、・・・)による強度の強い部分が、同心円状に、次数が大きくなるにつれて、順に、断面の中央部から周辺部に向かって発生する。
【0004】
図8(B)は、図8(A)の8B−8B線に沿って、パルスレーザビームの1パルス当たりのパルスエネルギ密度の分布を表した概略的なグラフである。なお、8B−8B線は、図8(A)に示すビームの円形断面の中心を通る。
【0005】
ビーム断面におけるパルスエネルギ密度は、回折光ごとに、円形のビーム断面の中心を中心とする同心円状に分布する。また、次数が大きくなるにつれてn次回折光(n=0、1、2、・・・)のエネルギ密度は小さくなる。このようなパルスエネルギ密度分布を有するレーザビームが、上述の経路を辿って、加工対象物8に入射する。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−308981号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図9は、加工対象物8に入射した複数ショットのパルスレーザビームで、樹脂層32に形成された略円形の穴を示す概略的な平面図である。穴径が最も大きな部分の長さをDx、穴径が最も小さい部分の長さをDyとするとき、Dy/Dxを真円度と定義することとすると、形成される穴の真円度の平均は、たとえば92.5%以下であり、決して高いとはいえない。また、ガルバノスキャナ6でビームを走査し、樹脂層32の異なる位置に複数の穴を形成するとき、形成される穴の穴径は一様ではなく、ばらつきが生じる。
【0008】
これらの問題は、マスク2の貫通孔2aでビームの断面形状を整形する際に生じたn次回折光(n=0、1、2、・・・)が加工対象物8に入射するまでに、レーザビームの光路上に配置されたミラーやレンズ等の光学部品によって発生する回折損失に起因する。回折損失のために、真円度の低下や穴径の不均一が起こり、マスク2の貫通孔2aを忠実に反映した穴加工が困難となる。
【0009】
本発明の目的は、真円度や穴径の均一性を向上させることのできるレーザ加工方法、及び、レーザ加工装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、(a)レーザビームの断面の一部を遮光して、該レーザビームの断面形状を整形する工程と、(b)前記工程(a)で生じたある次数以上の高次回折光を含まないレーザビームを、前記工程(a)で整形された断面形状が加工対象物上に結像するように、前記加工対象物上に入射させる工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【0011】
また、本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザビームの断面形状を整形する貫通孔を有するマスクと、前記マスクの貫通孔の形状で整形されたレーザビームから、前記マスクの貫通孔で整形する際に生じるある次数以上の高次回折光を除去する回折光除去手段と、前記回折光除去手段で、ある次数以上の高次回折光を除去されたレーザビームを、前記マスクの貫通孔の形状が加工対象物上に結像するように、前記加工対象物上に入射させる結像レンズとを有するレーザ加工装置が提供される。
【0012】
このレーザ加工方法、または、このレーザ加工装置を用いてレーザ加工を行うと、高品質のレーザ加工を行うことができる。たとえば、高い真円度の加工穴を形成することができる。また、たとえば、複数の加工穴を形成した場合、穴径のばらつきを低減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、第1の実施例によるレーザ加工方法に使用するレーザ加工装置の概略図である。図6に示したレーザ加工装置に、たとえば円形の貫通孔3aを有するアパーチャ3が加入されている。
【0014】
レーザ光源1、たとえばパルス発振するNd:YAGレーザ発振器の3次高調波から、たとえば出力5W、70kHzの周波数で、パルスレーザビームが出射する。パルスレーザビームは、たとえば直径0.6mmの円形の貫通孔2aを有するマスク2で断面形状を円形に整形される。この時、前述のように、n次回折光(n=0、1、2、・・・)が生じる。
【0015】
マスク2の貫通孔2aを透過したパルスレーザビームは、たとえば直径4mmの円形の貫通孔3aを有するアパーチャ3に入射する。マスク2とアパーチャ3との間の光路長は、たとえば約1500mmである。パルスレーザビームは、アパーチャ3の貫通孔3aを透過する。アパーチャ3は、貫通孔3aの縁の部分によって、貫通孔3aを透過するレーザビームから、ある次数以上の高次回折光を除去(カット)する。たとえば2次回折光及びそれ以上のすべての高次回折光を除去するように貫通孔3aの大きさ(穴径)を設定しておく。
【0016】
アパーチャ3によって2次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去されたパルスレーザビームは、フィールドレンズ4に入射する。フィールドレンズ4は、たとえば直径が30mmである円形の凸レンズであり、焦点距離は、たとえば2250mmである。マスク2とフィールドレンズ4との間の光路長は、たとえば2250mmである。
【0017】
フィールドレンズ4を出射したパルスレーザビームは、反射ミラー5で反射され、ガルバノスキャナ6に入射する。ガルバノスキャナ6は、揺動可能な2枚のガルバノミラーを含んで構成され、レーザビームを2次元方向に走査する。ガルバノスキャナ6で走査されたパルスレーザビームは、fθレンズ7を透過して、ステージ9上に保持された加工対象物8に入射する。fθレンズ7の焦点距離は、たとえば150mmである。fθレンズ7と加工対象物8とは、その間の光路長が150mmとなるように配置される。
【0018】
フィールドレンズ4及びfθレンズ7は、マスク2の貫通孔2aを加工対象物8上に結像させる。加工対象物8は、たとえば図7に示したようなプリント配線基板である。樹脂層32の表面にパルスレーザビームを入射させて、樹脂層32を貫通し、金属層31の表面を露出させる穴を形成する。たとえば70ショットのパルスレーザビームを樹脂層32上の同一位置に入射させることにより、1つの穴を形成する。穴の開口の形状は、たとえば直径50μmの円形である。
【0019】
図2(A)〜(D)は、それぞれ、パルスレーザビームの1パルス当たりのパルスエネルギ密度の分布を、ビーム断面の中心を通る線に沿って表した概略的なグラフである。
【0020】
図2(A)は、レーザ光源1から出射後、マスク2に入射する前のレーザビームのパルスエネルギ密度の分布を示す。レーザ光源1から出射したパルスレーザビームは、ビーム断面の中央部でパルスエネルギ密度が高く、周辺部に向かうにつれてパルスエネルギ密度が低くなるガウス分布を示す。
【0021】
図2(B)は、マスク2を出射した直後のレーザビームのパルスエネルギ密度の分布を示す。マスク2によって、図2(A)のガウス分布を示すエネルギ密度の裾の部分が除去されている。
【0022】
図2(C)は、マスク2を出射後、アパーチャ3に入射する直前のレーザビームのパルスエネルギ密度の分布を示す。ビームが貫通孔2aで整形される際の回折効果により、n次回折光(n=0、1、2、3、・・)による強度の強い部分が、円形のビーム断面の中心を中心とする同心円状に、次数が大きくなるにつれて、順に、パルスレーザビームの断面中央部から周辺部に向かって発生する。回折光のパルスエネルギ密度は、次数の増加に従い、小さくなる。なお、図2(C)には、回折光のうち、0次回折光20から6次回折光26までを示した。
【0023】
図2(D)は、アパーチャ3を透過した直後のレーザビームのパルスエネルギ密度の分布を示す。アパーチャ3によって、2次回折光22及びそれ以上の高次回折光が除去され、0次回折光20及び1次回折光21のみが、アパーチャ3の貫通孔3aを透過する。
【0024】
本願発明者は、アパーチャ3によって、2次回折光22及びそれ以上の高次回折光を除去したパルスレーザビームを、加工対象物8の樹脂層32に入射させ、複数の穴を開ける穴開け加工を行った。樹脂層32には、真円度が100%に近い円形の開口部を有する加工穴を開けることができた。また、形成された複数の穴は、穴径のばらつきの小さい穴であった。
【0025】
更に、本願発明者は、アパーチャ3の貫通孔3aの大きさ(円形の貫通孔3aの直径)を変え、アパーチャ3によって除去される高次回折光の範囲を変化させて、樹脂層32に形成される円形の加工穴について、真円度を調べた。また、形成される加工穴の穴径のばらつきについても調べた。
【0026】
図3は、アパーチャ径(アパーチャ3の円形の貫通孔3aの直径)を変化させたときに形成される加工穴の真円度の変化を示すグラフである。横軸は、アパーチャ径を単位「mm」で示し、縦軸は、真円度を「%」で示す。アパーチャ径は6mmから20mmの範囲で変化させた。アパーチャ径が6mmのときは、4次回折光及びそれ以上の高次回折光が除去され、0次回折光から3次回折光までがアパーチャ3の貫通孔3aを透過した。アパーチャ径が20mmのときは、11次回折光及びそれ以上の高次回折光が除去され、0次回折光から10次回折光までがアパーチャ3の貫通孔3aを透過した。アパーチャ3によって高次回折光の一部を除去されたパルスレーザビームを樹脂層32に入射させて、樹脂層32を貫通する円形の加工穴を、各アパーチャ径に対して100個形成し、それらの加工穴の真円度の平均を、真円度としてグラフに示した。
【0027】
アパーチャ径が8mm以下のとき、すなわち、5次以上の高次回折光が除去され、0次回折光から4次回折光までが透過するアパーチャ径以下のアパーチャ径で、真円度の向上が見られる。アパーチャ径が小さくなるほど、真円度は高くなる。5次以上の高次回折光を除去したパルスレーザビームを用いて樹脂層32に穴を開ける場合、穴の真円度は、92.5%以上97.5%未満である。
【0028】
したがって、レーザ加工を行う際には、5次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去することが好ましい。また、除去する高次回折光の次数を低くするほど好ましい。更に、高い真円度を得るためには、2次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去することが最も好ましい。
【0029】
図4(A)及び(B)は、樹脂層32に形成された穴の穴径を、樹脂層32上に画定された直交する2方向(U方向及びV方向)に沿って計測した結果を示す穴径分布図である。図4(A)は、アパーチャ径が6mmのときの穴径分布を示し、図4(B)は、アパーチャ径が20mmのときのそれを示す。両図ともに、横軸は、U方向に沿う穴径を単位「μm」で表し、縦軸は、V方向に沿う穴径を単位「μm」で表す。
【0030】
アパーチャ径を6mmにして穴を形成した方が、20mmのアパーチャ径で穴を形成するよりも、真円度の高い穴を形成できることが理解されるとともに、形成される複数の穴の穴径のばらつきを小さくできることがわかる。アパーチャ径を小さくし、より低次の回折光までを除去することにより、穴径のばらつきを改善し、形成される穴の穴径を均一に近づけることができる。
【0031】
このように、レーザビームの断面の一部を遮光してビーム断面を整形する際に生じたある次数以上の高次回折光を含まないレーザビームを用いて、加工対象物8上にマスク2の貫通孔2aを結像させるイメージング加工を行うことにより、高品質の穴開け加工等のレーザ加工を実現することができる。
【0032】
図5は、第2の実施例によるレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置の概略図である。図1に示した、第1の実施例によるレーザ加工装置に、新たに、マスク径可変機構2b、アパーチャ径可変機構3b及び制御装置10が加入されている。
【0033】
マスク径可変機構2bは、マスク2の円形の貫通孔2aの大きさ(直径)を変えることができる。アパーチャ径可変機構3bは、アパーチャ3の円形の貫通孔3aの大きさ(直径)を変え、除去される高次回折光の範囲を変えることができる。
【0034】
たとえばプリント配線基板である加工対象物8の樹脂層32に、異なる大きさの穴を形成しようとする場合に、マスク径可変機構2bにより、マスク径(マスク2の円形の貫通孔2aの直径)を変更する。マスク径の変更に応じ、マスク2の貫通孔2aで断面を整形されるレーザビームにおいて、n次回折光(n=0、1、2、3、・・・)の進行方向が変化する。したがって、アパーチャ3の設置位置や貫通孔3aの大きさ(アパーチャ径)に変更を加えない場合、たとえばアパーチャ3の貫通孔3aを透過するレーザビームのパルスエネルギが変化したり、透過する回折光の次数が変化し、均質な加工性で加工を行うことができない。
【0035】
アパーチャ径可変機構3bを用いて、アパーチャ径を変更する。アパーチャ径は、たとえば、マスク径の変更に伴い、レーザビームの断面の大きさが変化しても、除去される高次回折光の次数が一定となるように(マスク径変更前と等しくなるように)、ある次数以上の高次回折光を除去する値に変更される。
【0036】
制御手段10は、たとえば、マスク2の貫通孔2aの大きさ(整形されるレーザビーム断面の大きさ)が変化しても、除去される高次回折光の次数が一定となるように、アパーチャ径可変機構3bを制御する。
【0037】
マスク径の変更に従って、アパーチャ径を変化させることにより、マスク径の変更(樹脂層32に形成される穴の穴径の変更)に伴う加工品質の変化を低減し、高品質のレーザ加工を行うことができる。
【0038】
第1及び第2の実施例においては、貫通孔2aを有するマスク2で断面の大きさを整形し、その際に生じた回折光をアパーチャ3で除去する場合を考えた。また、たとえばフィールドレンズ4の有効径を調節することによって、高次回折光を除去してもよい。
【0039】
更に、加工対象物上に結像されるビーム断面の形状は円でなくとも、任意の形状でよい。断面の整形に当たって生じた回折光の一部を含まないレーザビームを用いてイメージング加工を行うことにより、結像されるビーム断面の形状をよりよく反映させ、加工品質を向上させることができる。
【0040】
なお、第1及び第2の実施例では穴開け加工を例として説明を行ったが、実施例によるレーザ加工方法は、溝形成加工等にも適用することができる。
【0041】
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、真円度や穴径の均一性を向上させることのできるレーザ加工方法、及び、レーザ加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例によるレーザ加工方法に使用するレーザ加工装置の概略図である。
【図2】(A)〜(D)は、パルスレーザビームの1パルス当たりのパルスエネルギ密度の分布を、ビーム断面の中心を通る線に沿って表した概略的なグラフである。
【図3】アパーチャ径を変化させたときに形成される加工穴の真円度の変化を示すグラフである。
【図4】(A)及び(B)は、樹脂層に形成された穴の穴径を、樹脂層上に画定された直交する2方向(W方向及びZ方向)に沿って計測した結果を示す穴径分布図である。
【図5】第2の実施例によるレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置の概略図である。
【図6】従来の、レーザビームを用いた穴開け加工に使用されるレーザ加工装置の概略図である。
【図7】加工対象物を示す概略的な断面図である。
【図8】(A)は、マスクの貫通孔で円形に整形されたパルスレーザビーム断面の回折像を示す概略図であり、(B)は、(A)の8B−8B線に沿って、パルスレーザビームの1パルス当たりのパルスエネルギ密度の分布を表した概略的なグラフである。
【図9】加工対象物に入射した複数ショットのパルスレーザビームで、樹脂層32に形成された(略)円形の穴を示す概略的な平面図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源
2 マスク
2a 貫通孔
2b マスク径可変機構
3 アパーチャ
3a 貫通孔
3b アパーチャ径可変機構
4 フィールドレンズ
5 反射ミラー
6 ガルバノスキャナ
7 fθレンズ
8 加工対象物
9 ステージ
10 制御装置
20 0次回折光
21 1次回折光
22 2次回折光
23 3次回折光
24 4次回折光
25 5次回折光
26 6次回折光
30 基板
31 金属層
32 樹脂層
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームを照射して、加工対象物を加工するレーザ加工方法及びレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の、レーザビームを用いた穴開け加工に使用されるレーザ加工装置の概略図である。レーザ光源1、たとえばNd:YAGレーザ発振器やその高次高調波から、パルスレーザビームが出射する。パルスレーザビームは、たとえば円形の貫通孔2aを有するマスク2で断面形状を円形に整形され、フィールドレンズ4に入射する。フィールドレンズ4を透過したパルスレーザビームは、必要に応じて配置される反射ミラー5で反射され、ガルバノスキャナ6に入射する。ガルバノスキャナ6は、揺動可能な2枚のガルバノミラーを含んで構成され、レーザビームを加工面上で2次元方向に走査する。ガルバノスキャナ6で走査されたパルスレーザビームは、fθレンズ7を透過して、ステージ9上に保持された加工対象物8に入射する。フィールドレンズ4及びfθレンズ7は、マスク2の貫通孔2aを加工対象物8上に結像させる。(たとえば、特許文献1参照。)図7は、加工対象物8を示す概略的な断面図である。加工対象物8は、たとえばプリント配線用の基板である。たとえばガラスエポキシ樹脂で形成された基板30上にたとえば銅で形成された金属層31が積層され、更に金属層31上にたとえば熱硬化性樹脂で形成された樹脂層32が積層されている。樹脂層32の厚さは、たとえば40μmである。樹脂層32の表面にパルスレーザビームを入射させて、樹脂層32を貫通し、金属層31の表面を露出させる穴を形成する。たとえば70ショットのパルスレーザビームを樹脂層32上の同一位置に入射させることにより、1つの穴を形成する。穴の開口の形状は、たとえば直径50μmの円形である。
【0003】
図8(A)は、マスク2の貫通孔2aで円形に整形されたパルスレーザビーム断面の回折像を示す概略図である。ビームが貫通孔2aで整形される際の回折効果により、パルスレーザビームの断面中央部から周辺部に向かって、0次回折光20、1次回折光21、2次回折光22、3次回折光23、4次回折光24、5次回折光25、6次回折光26、・・・、に対応する強度の強い部分が、円形のビーム断面の中心を中心とする同心円状に生じる。すなわちn次回折光(n=0、1、2、3、4、5、6、・・・)による強度の強い部分が、同心円状に、次数が大きくなるにつれて、順に、断面の中央部から周辺部に向かって発生する。
【0004】
図8(B)は、図8(A)の8B−8B線に沿って、パルスレーザビームの1パルス当たりのパルスエネルギ密度の分布を表した概略的なグラフである。なお、8B−8B線は、図8(A)に示すビームの円形断面の中心を通る。
【0005】
ビーム断面におけるパルスエネルギ密度は、回折光ごとに、円形のビーム断面の中心を中心とする同心円状に分布する。また、次数が大きくなるにつれてn次回折光(n=0、1、2、・・・)のエネルギ密度は小さくなる。このようなパルスエネルギ密度分布を有するレーザビームが、上述の経路を辿って、加工対象物8に入射する。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−308981号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図9は、加工対象物8に入射した複数ショットのパルスレーザビームで、樹脂層32に形成された略円形の穴を示す概略的な平面図である。穴径が最も大きな部分の長さをDx、穴径が最も小さい部分の長さをDyとするとき、Dy/Dxを真円度と定義することとすると、形成される穴の真円度の平均は、たとえば92.5%以下であり、決して高いとはいえない。また、ガルバノスキャナ6でビームを走査し、樹脂層32の異なる位置に複数の穴を形成するとき、形成される穴の穴径は一様ではなく、ばらつきが生じる。
【0008】
これらの問題は、マスク2の貫通孔2aでビームの断面形状を整形する際に生じたn次回折光(n=0、1、2、・・・)が加工対象物8に入射するまでに、レーザビームの光路上に配置されたミラーやレンズ等の光学部品によって発生する回折損失に起因する。回折損失のために、真円度の低下や穴径の不均一が起こり、マスク2の貫通孔2aを忠実に反映した穴加工が困難となる。
【0009】
本発明の目的は、真円度や穴径の均一性を向上させることのできるレーザ加工方法、及び、レーザ加工装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、(a)レーザビームの断面の一部を遮光して、該レーザビームの断面形状を整形する工程と、(b)前記工程(a)で生じたある次数以上の高次回折光を含まないレーザビームを、前記工程(a)で整形された断面形状が加工対象物上に結像するように、前記加工対象物上に入射させる工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【0011】
また、本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザビームの断面形状を整形する貫通孔を有するマスクと、前記マスクの貫通孔の形状で整形されたレーザビームから、前記マスクの貫通孔で整形する際に生じるある次数以上の高次回折光を除去する回折光除去手段と、前記回折光除去手段で、ある次数以上の高次回折光を除去されたレーザビームを、前記マスクの貫通孔の形状が加工対象物上に結像するように、前記加工対象物上に入射させる結像レンズとを有するレーザ加工装置が提供される。
【0012】
このレーザ加工方法、または、このレーザ加工装置を用いてレーザ加工を行うと、高品質のレーザ加工を行うことができる。たとえば、高い真円度の加工穴を形成することができる。また、たとえば、複数の加工穴を形成した場合、穴径のばらつきを低減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、第1の実施例によるレーザ加工方法に使用するレーザ加工装置の概略図である。図6に示したレーザ加工装置に、たとえば円形の貫通孔3aを有するアパーチャ3が加入されている。
【0014】
レーザ光源1、たとえばパルス発振するNd:YAGレーザ発振器の3次高調波から、たとえば出力5W、70kHzの周波数で、パルスレーザビームが出射する。パルスレーザビームは、たとえば直径0.6mmの円形の貫通孔2aを有するマスク2で断面形状を円形に整形される。この時、前述のように、n次回折光(n=0、1、2、・・・)が生じる。
【0015】
マスク2の貫通孔2aを透過したパルスレーザビームは、たとえば直径4mmの円形の貫通孔3aを有するアパーチャ3に入射する。マスク2とアパーチャ3との間の光路長は、たとえば約1500mmである。パルスレーザビームは、アパーチャ3の貫通孔3aを透過する。アパーチャ3は、貫通孔3aの縁の部分によって、貫通孔3aを透過するレーザビームから、ある次数以上の高次回折光を除去(カット)する。たとえば2次回折光及びそれ以上のすべての高次回折光を除去するように貫通孔3aの大きさ(穴径)を設定しておく。
【0016】
アパーチャ3によって2次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去されたパルスレーザビームは、フィールドレンズ4に入射する。フィールドレンズ4は、たとえば直径が30mmである円形の凸レンズであり、焦点距離は、たとえば2250mmである。マスク2とフィールドレンズ4との間の光路長は、たとえば2250mmである。
【0017】
フィールドレンズ4を出射したパルスレーザビームは、反射ミラー5で反射され、ガルバノスキャナ6に入射する。ガルバノスキャナ6は、揺動可能な2枚のガルバノミラーを含んで構成され、レーザビームを2次元方向に走査する。ガルバノスキャナ6で走査されたパルスレーザビームは、fθレンズ7を透過して、ステージ9上に保持された加工対象物8に入射する。fθレンズ7の焦点距離は、たとえば150mmである。fθレンズ7と加工対象物8とは、その間の光路長が150mmとなるように配置される。
【0018】
フィールドレンズ4及びfθレンズ7は、マスク2の貫通孔2aを加工対象物8上に結像させる。加工対象物8は、たとえば図7に示したようなプリント配線基板である。樹脂層32の表面にパルスレーザビームを入射させて、樹脂層32を貫通し、金属層31の表面を露出させる穴を形成する。たとえば70ショットのパルスレーザビームを樹脂層32上の同一位置に入射させることにより、1つの穴を形成する。穴の開口の形状は、たとえば直径50μmの円形である。
【0019】
図2(A)〜(D)は、それぞれ、パルスレーザビームの1パルス当たりのパルスエネルギ密度の分布を、ビーム断面の中心を通る線に沿って表した概略的なグラフである。
【0020】
図2(A)は、レーザ光源1から出射後、マスク2に入射する前のレーザビームのパルスエネルギ密度の分布を示す。レーザ光源1から出射したパルスレーザビームは、ビーム断面の中央部でパルスエネルギ密度が高く、周辺部に向かうにつれてパルスエネルギ密度が低くなるガウス分布を示す。
【0021】
図2(B)は、マスク2を出射した直後のレーザビームのパルスエネルギ密度の分布を示す。マスク2によって、図2(A)のガウス分布を示すエネルギ密度の裾の部分が除去されている。
【0022】
図2(C)は、マスク2を出射後、アパーチャ3に入射する直前のレーザビームのパルスエネルギ密度の分布を示す。ビームが貫通孔2aで整形される際の回折効果により、n次回折光(n=0、1、2、3、・・)による強度の強い部分が、円形のビーム断面の中心を中心とする同心円状に、次数が大きくなるにつれて、順に、パルスレーザビームの断面中央部から周辺部に向かって発生する。回折光のパルスエネルギ密度は、次数の増加に従い、小さくなる。なお、図2(C)には、回折光のうち、0次回折光20から6次回折光26までを示した。
【0023】
図2(D)は、アパーチャ3を透過した直後のレーザビームのパルスエネルギ密度の分布を示す。アパーチャ3によって、2次回折光22及びそれ以上の高次回折光が除去され、0次回折光20及び1次回折光21のみが、アパーチャ3の貫通孔3aを透過する。
【0024】
本願発明者は、アパーチャ3によって、2次回折光22及びそれ以上の高次回折光を除去したパルスレーザビームを、加工対象物8の樹脂層32に入射させ、複数の穴を開ける穴開け加工を行った。樹脂層32には、真円度が100%に近い円形の開口部を有する加工穴を開けることができた。また、形成された複数の穴は、穴径のばらつきの小さい穴であった。
【0025】
更に、本願発明者は、アパーチャ3の貫通孔3aの大きさ(円形の貫通孔3aの直径)を変え、アパーチャ3によって除去される高次回折光の範囲を変化させて、樹脂層32に形成される円形の加工穴について、真円度を調べた。また、形成される加工穴の穴径のばらつきについても調べた。
【0026】
図3は、アパーチャ径(アパーチャ3の円形の貫通孔3aの直径)を変化させたときに形成される加工穴の真円度の変化を示すグラフである。横軸は、アパーチャ径を単位「mm」で示し、縦軸は、真円度を「%」で示す。アパーチャ径は6mmから20mmの範囲で変化させた。アパーチャ径が6mmのときは、4次回折光及びそれ以上の高次回折光が除去され、0次回折光から3次回折光までがアパーチャ3の貫通孔3aを透過した。アパーチャ径が20mmのときは、11次回折光及びそれ以上の高次回折光が除去され、0次回折光から10次回折光までがアパーチャ3の貫通孔3aを透過した。アパーチャ3によって高次回折光の一部を除去されたパルスレーザビームを樹脂層32に入射させて、樹脂層32を貫通する円形の加工穴を、各アパーチャ径に対して100個形成し、それらの加工穴の真円度の平均を、真円度としてグラフに示した。
【0027】
アパーチャ径が8mm以下のとき、すなわち、5次以上の高次回折光が除去され、0次回折光から4次回折光までが透過するアパーチャ径以下のアパーチャ径で、真円度の向上が見られる。アパーチャ径が小さくなるほど、真円度は高くなる。5次以上の高次回折光を除去したパルスレーザビームを用いて樹脂層32に穴を開ける場合、穴の真円度は、92.5%以上97.5%未満である。
【0028】
したがって、レーザ加工を行う際には、5次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去することが好ましい。また、除去する高次回折光の次数を低くするほど好ましい。更に、高い真円度を得るためには、2次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去することが最も好ましい。
【0029】
図4(A)及び(B)は、樹脂層32に形成された穴の穴径を、樹脂層32上に画定された直交する2方向(U方向及びV方向)に沿って計測した結果を示す穴径分布図である。図4(A)は、アパーチャ径が6mmのときの穴径分布を示し、図4(B)は、アパーチャ径が20mmのときのそれを示す。両図ともに、横軸は、U方向に沿う穴径を単位「μm」で表し、縦軸は、V方向に沿う穴径を単位「μm」で表す。
【0030】
アパーチャ径を6mmにして穴を形成した方が、20mmのアパーチャ径で穴を形成するよりも、真円度の高い穴を形成できることが理解されるとともに、形成される複数の穴の穴径のばらつきを小さくできることがわかる。アパーチャ径を小さくし、より低次の回折光までを除去することにより、穴径のばらつきを改善し、形成される穴の穴径を均一に近づけることができる。
【0031】
このように、レーザビームの断面の一部を遮光してビーム断面を整形する際に生じたある次数以上の高次回折光を含まないレーザビームを用いて、加工対象物8上にマスク2の貫通孔2aを結像させるイメージング加工を行うことにより、高品質の穴開け加工等のレーザ加工を実現することができる。
【0032】
図5は、第2の実施例によるレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置の概略図である。図1に示した、第1の実施例によるレーザ加工装置に、新たに、マスク径可変機構2b、アパーチャ径可変機構3b及び制御装置10が加入されている。
【0033】
マスク径可変機構2bは、マスク2の円形の貫通孔2aの大きさ(直径)を変えることができる。アパーチャ径可変機構3bは、アパーチャ3の円形の貫通孔3aの大きさ(直径)を変え、除去される高次回折光の範囲を変えることができる。
【0034】
たとえばプリント配線基板である加工対象物8の樹脂層32に、異なる大きさの穴を形成しようとする場合に、マスク径可変機構2bにより、マスク径(マスク2の円形の貫通孔2aの直径)を変更する。マスク径の変更に応じ、マスク2の貫通孔2aで断面を整形されるレーザビームにおいて、n次回折光(n=0、1、2、3、・・・)の進行方向が変化する。したがって、アパーチャ3の設置位置や貫通孔3aの大きさ(アパーチャ径)に変更を加えない場合、たとえばアパーチャ3の貫通孔3aを透過するレーザビームのパルスエネルギが変化したり、透過する回折光の次数が変化し、均質な加工性で加工を行うことができない。
【0035】
アパーチャ径可変機構3bを用いて、アパーチャ径を変更する。アパーチャ径は、たとえば、マスク径の変更に伴い、レーザビームの断面の大きさが変化しても、除去される高次回折光の次数が一定となるように(マスク径変更前と等しくなるように)、ある次数以上の高次回折光を除去する値に変更される。
【0036】
制御手段10は、たとえば、マスク2の貫通孔2aの大きさ(整形されるレーザビーム断面の大きさ)が変化しても、除去される高次回折光の次数が一定となるように、アパーチャ径可変機構3bを制御する。
【0037】
マスク径の変更に従って、アパーチャ径を変化させることにより、マスク径の変更(樹脂層32に形成される穴の穴径の変更)に伴う加工品質の変化を低減し、高品質のレーザ加工を行うことができる。
【0038】
第1及び第2の実施例においては、貫通孔2aを有するマスク2で断面の大きさを整形し、その際に生じた回折光をアパーチャ3で除去する場合を考えた。また、たとえばフィールドレンズ4の有効径を調節することによって、高次回折光を除去してもよい。
【0039】
更に、加工対象物上に結像されるビーム断面の形状は円でなくとも、任意の形状でよい。断面の整形に当たって生じた回折光の一部を含まないレーザビームを用いてイメージング加工を行うことにより、結像されるビーム断面の形状をよりよく反映させ、加工品質を向上させることができる。
【0040】
なお、第1及び第2の実施例では穴開け加工を例として説明を行ったが、実施例によるレーザ加工方法は、溝形成加工等にも適用することができる。
【0041】
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、真円度や穴径の均一性を向上させることのできるレーザ加工方法、及び、レーザ加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例によるレーザ加工方法に使用するレーザ加工装置の概略図である。
【図2】(A)〜(D)は、パルスレーザビームの1パルス当たりのパルスエネルギ密度の分布を、ビーム断面の中心を通る線に沿って表した概略的なグラフである。
【図3】アパーチャ径を変化させたときに形成される加工穴の真円度の変化を示すグラフである。
【図4】(A)及び(B)は、樹脂層に形成された穴の穴径を、樹脂層上に画定された直交する2方向(W方向及びZ方向)に沿って計測した結果を示す穴径分布図である。
【図5】第2の実施例によるレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置の概略図である。
【図6】従来の、レーザビームを用いた穴開け加工に使用されるレーザ加工装置の概略図である。
【図7】加工対象物を示す概略的な断面図である。
【図8】(A)は、マスクの貫通孔で円形に整形されたパルスレーザビーム断面の回折像を示す概略図であり、(B)は、(A)の8B−8B線に沿って、パルスレーザビームの1パルス当たりのパルスエネルギ密度の分布を表した概略的なグラフである。
【図9】加工対象物に入射した複数ショットのパルスレーザビームで、樹脂層32に形成された(略)円形の穴を示す概略的な平面図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源
2 マスク
2a 貫通孔
2b マスク径可変機構
3 アパーチャ
3a 貫通孔
3b アパーチャ径可変機構
4 フィールドレンズ
5 反射ミラー
6 ガルバノスキャナ
7 fθレンズ
8 加工対象物
9 ステージ
10 制御装置
20 0次回折光
21 1次回折光
22 2次回折光
23 3次回折光
24 4次回折光
25 5次回折光
26 6次回折光
30 基板
31 金属層
32 樹脂層
Claims (11)
- (a)レーザビームの断面の一部を遮光して、該レーザビームの断面形状を整形する工程と、
(b)前記工程(a)で生じたある次数以上の高次回折光を含まないレーザビームを、前記工程(a)で整形された断面形状が加工対象物上に結像するように、前記加工対象物上に入射させる工程と
を有するレーザ加工方法。 - 前記工程(a)が、貫通孔を有するマスクの貫通孔でレーザビームの断面形状を整形する工程とを含む請求項1に記載のレーザ加工方法。
- 前記工程(b)が、更に、
(c)前記工程(a)で断面形状を整形されたレーザビームから、前記工程(a)で生じたある次数以上の高次回折光を除去する工程
を含み、
前記工程(c)である次数以上の高次回折光を除去されたレーザビームを、前記加工対象物に入射させる請求項1または2に記載のレーザ加工方法。 - 前記工程(c)において、前記工程(a)で整形されるレーザビームの断面の大きさが変化しても、除去される高次回折光の次数が一定となるように、ある次数以上の高次回折光を除去する請求項3に記載のレーザ加工方法。
- 前記工程(c)において、2次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去する請求項3または4に記載のレーザ加工方法。
- 前記工程(c)において、5次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去する請求項3または4のいずれかに記載のレーザ加工方法。
- レーザビームを出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザビームの断面形状を整形する貫通孔を有するマスクと、
前記マスクの貫通孔で整形されたレーザビームから、前記マスクの貫通孔で整形する際に生じるある次数以上の高次回折光を除去する回折光除去手段と、
前記回折光除去手段で、ある次数以上の高次回折光を除去されたレーザビームを、前記マスクの貫通孔の形状が加工対象物上に結像するように、前記加工対象物上に入射させる結像レンズと
を有するレーザ加工装置。 - 更に、前記回折光除去手段により除去される高次回折光の範囲を変えることのできる回折光除去範囲可変機構を有する請求項7に記載のレーザ加工装置。
- 更に、前記マスクの貫通孔の大きさが変化しても、前記回折光除去手段により除去される高次回折光の次数が一定となるように、前記回折光除去範囲可変機構を制御する制御機構を有する請求項8に記載のレーザ加工装置。
- 前記回折光除去手段は、2次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去する請求項7〜9のいずれかに記載のレーザ加工装置。
- 前記回折光除去手段は、5次回折光及びそれ以上の高次回折光を除去する請求項7〜9のいずれかに記載のレーザ加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003122319A JP2004322174A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003122319A JP2004322174A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004322174A true JP2004322174A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33500587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003122319A Pending JP2004322174A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004322174A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20080314880A1 (en) * | 2005-09-03 | 2008-12-25 | Trumpf Werkzeugmaschinen Gmbh + Co. Kg | Laser processing machine with an optical diaphragm |
WO2015182238A1 (ja) * | 2014-05-29 | 2015-12-03 | 浜松ホトニクス株式会社 | レーザ加工装置及びレーザ加工方法 |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003122319A patent/JP2004322174A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20080314880A1 (en) * | 2005-09-03 | 2008-12-25 | Trumpf Werkzeugmaschinen Gmbh + Co. Kg | Laser processing machine with an optical diaphragm |
WO2015182238A1 (ja) * | 2014-05-29 | 2015-12-03 | 浜松ホトニクス株式会社 | レーザ加工装置及びレーザ加工方法 |
JP2015223620A (ja) * | 2014-05-29 | 2015-12-14 | 浜松ホトニクス株式会社 | レーザ加工装置及びレーザ加工方法 |
KR20170013291A (ko) * | 2014-05-29 | 2017-02-06 | 하마마츠 포토닉스 가부시키가이샤 | 레이저 가공 장치 및 레이저 가공 방법 |
TWI657884B (zh) * | 2014-05-29 | 2019-05-01 | 日商濱松赫德尼古斯股份有限公司 | Laser processing device and laser processing method |
US10525553B2 (en) | 2014-05-29 | 2020-01-07 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser machining device and laser machining method |
KR102442329B1 (ko) | 2014-05-29 | 2022-09-14 | 하마마츠 포토닉스 가부시키가이샤 | 레이저 가공 장치 및 레이저 가공 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107003530B (zh) | 用于射束成形的光学系统 | |
US5670069A (en) | Laser processing method | |
JP3473268B2 (ja) | レーザ加工装置 | |
US10658171B2 (en) | Wafer processing apparatus | |
KR102417323B1 (ko) | 반도체 자재의 부분 차폐방법 | |
JP2008168297A (ja) | レーザ加工装置及びレーザ加工方法 | |
JP5191212B2 (ja) | レーザ加工装置及びレーザ加工方法 | |
JP2008137058A (ja) | レーザ加工装置及びレーザ加工方法 | |
KR20170096415A (ko) | 레이저 클리닝 방법과, 이를 이용한 레이저 가공방법 및 장치 | |
JP2004322174A (ja) | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 | |
JP2002120080A (ja) | レーザ加工装置 | |
JP3667709B2 (ja) | レーザ加工方法 | |
JP2008049361A (ja) | ビーム成形方法及び該方法を用いたレーザ加工装置 | |
CN114924406A (zh) | 微型反射镜阵列加工方法及系统 | |
JP2011056529A (ja) | レーザ加工方法 | |
KR101243269B1 (ko) | 레이저 가공 시스템 및 이를 이용한 레이저 가공 방법 | |
JP2002023099A (ja) | レーザ加工装置及びレーザ加工方法 | |
JP3385504B2 (ja) | レーザ加工装置、及びレーザ加工装置による照射方法 | |
KR20210062707A (ko) | 레이저 가공 방법 및 레이저 가공 장치 | |
JP2000176661A (ja) | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 | |
JP2005103630A (ja) | レーザ加工装置及びレーザ加工方法 | |
KR20180055293A (ko) | 레이저 가공 장치 및 방법 | |
JP3673255B2 (ja) | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 | |
JP2006043747A (ja) | レーザ加工方法及びレーザ加工装置 | |
JP3795816B2 (ja) | レーザ加工装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051020 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080422 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080819 |