JP2004320432A - 送信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を送信する送信機で、送信対象となる信号に含まれるピーク成分を適切に抑圧する。
【解決手段】デジタル変調手段C1〜C4がそれぞれのキャリア信号毎にデジタル変調を行い、デジタル変調結果合成手段11がデジタル変調結果を複数のキャリア信号について合成する。ピーク成分抑圧手段では、成分除去手段2がデジタル変調結果合成結果に基づいてデジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベル成分又は所定の閾値以上となるレベル成分を除去し、第1の減算手段3がデジタル変調結果合成結果から成分除去結果を減算し、等化手段4が減算結果を等化し、第2の減算手段6がデジタル変調結果合成結果から等化結果を減算し、減算結果をピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
【選択図】 図1
【解決手段】デジタル変調手段C1〜C4がそれぞれのキャリア信号毎にデジタル変調を行い、デジタル変調結果合成手段11がデジタル変調結果を複数のキャリア信号について合成する。ピーク成分抑圧手段では、成分除去手段2がデジタル変調結果合成結果に基づいてデジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベル成分又は所定の閾値以上となるレベル成分を除去し、第1の減算手段3がデジタル変調結果合成結果から成分除去結果を減算し、等化手段4が減算結果を等化し、第2の減算手段6がデジタル変調結果合成結果から等化結果を減算し、減算結果をピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のキャリア信号を送信する送信機に関し、特に、送信対象となる信号(送信信号)に含まれるピーク成分を適切に抑圧する送信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、符号分割多重接続(CDMA:Code Division Multiple Access)方式を採用する基地局装置などの送信機では、複数のキャリア信号を多重化して、当該多重化結果を送信増幅器により増幅して送信することが行われている。
また、一般に、増幅器では、線形動作する領域が限られており、線形変調方式が用いられる場合には線形動作する領域を用いることが必要となる。
【0003】
しかし、一般の増幅器では、線形動作領域だけを使用すると、電力効率の著しい劣化が生じるため、可能な限り、増幅器の線形動作領域を増加させることや、或いは、送信信号のダイナミックレンジを縮める操作つまり平均電力から瞬間最大電力までの比(ピークファクタ)を縮める操作が行われる。
【0004】
一例として、従来では、リミッタ回路付きキャリア合成送信回路において、複数のキャリア信号を送信するに際して、クリッピングの必要程度に適合したリミット係数を求め、それぞれのキャリア信号に必要なクリッピングを与えることにより、ピークの振幅を抑圧することが行われており、これにより、送信信号のピークファクタを低減させて、電力効率の高い送信増幅を実現することが図られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
具体的には、当該リミッタ回路付きキャリア合成送信回路では、各キャリア信号のチャネル多重したI情報の信号及びQ情報の信号のそれぞれに対して、リミッタ回路により検出されるピークが発生するタイミングに基づいてリミット乗算器によりクリッピングを行った後に、低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)により所望の占有帯域幅に帯域制限することを行い、その後、当該帯域制限により得られる各キャリア信号のI情報の信号及びQ情報の信号を直交変調することを行う。そして、当該直交変調により得られる直交変調信号を複数のキャリア信号について合成した後に増幅して送信することを行う。なお、当該リミッタ回路の規模は非常に大きくなる(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−44054号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例で示したようなピーク抑圧を行う装置では、送信信号のピーク抑圧が不十分であり、更なる開発が要求されていた。
具体的には、従来では、帯域制限を行うフィルタ(帯域制限フィルタ)の前段でピーク抑圧が行われるが、帯域制限フィルタを通過すると再びピーク振幅が発生してしまうため、或る上限までしかピーク抑圧が実現されないといった不具合があった。なお、この理由は、帯域制限フィルタは、入力信号の周波数帯域と比べて狭い周波数帯域特性を有することから、当該入力信号のパターンに依存して出力が変動してしまうためである。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、複数のキャリア信号を送信するに際して、送信対象となる信号に含まれるピーク成分を適切に抑圧することができる送信機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る送信機では、互いに異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を送信するに際して、次のようにして、送信対象となる信号に含まれるピーク成分を抑圧する。
すなわち、デジタル変調手段がそれぞれのキャリア信号毎にデジタル変調を行い、デジタル変調結果合成手段がデジタル変調手段により得られるデジタル変調結果を複数のキャリア信号について合成し、そして、ピーク成分抑圧手段が、デジタル変調結果合成手段により得られるデジタル変調結果合成結果に基づいて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分を抑圧する。
【0010】
従って、各キャリア信号のデジタル変調が行われた後に、デジタル変調結果が全てのキャリア信号について合成された結果(デジタル変調結果合成結果)に基づいて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分が抑圧されるため、例えば従来と比べて、ピーク抑圧を良好に行うことができ、これにより、例えば、電力効率の高い送信増幅を実現することができる。
【0011】
なお、上記課題で述べたような帯域制限フィルタは、通常、デジタル変調手段の前段に備えられ、この場合、本発明では、帯域制限フィルタの後段でピーク抑圧が行われる。
一構成例として、本発明に係る送信機では、それぞれのキャリア信号に対応したデジタル変調手段の前段に、帯域制限フィルタが備えられる。帯域制限フィルタとしては、種々なフィルタが用いられてもよい。
【0012】
ここで、複数のキャリア信号の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、キャリア信号としては、例えば、搬送波周波数の信号(搬送波信号)を用いて送信対象となるI情報の信号及びQ情報の信号をデジタル変調することにより得られるデジタル変調信号が用いられる。
また、各キャリア信号の搬送波周波数としては、それぞれ、種々な周波数が用いられてもよい。
【0013】
また、デジタル変調手段としては、例えば、それぞれのキャリア信号毎に備えられるキャリア信号の総数と同数のデジタル変調器を用いて構成することができ、或いは、1つのデジタル変調器により複数のキャリア信号のデジタル変調を時分割で行うような構成を用いることも可能である。
また、デジタル変調で用いられる変調方式としては、種々な方式が用いられてもよく、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式や、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式などの直交変調の方式を用いることができる。
【0014】
また、デジタル変調結果合成手段は、複数のキャリア信号についてデジタル変調結果を合成することにより、これら複数のキャリア信号(デジタル変調結果)を多重化する。
また、デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分を抑圧する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよい。
【0015】
一例として、ピーク成分抑圧手段は、デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分部分を等化し、そして、等化したピーク成分部分を当該デジタル変調結果合成結果から除去した結果を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
他の例として、ピーク成分抑圧手段は、デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分部分を等化し、また、デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分部分を当該デジタル変調結果合成結果から除去し、そして、当該除去結果と等化したピーク成分部分とを加算した結果を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
【0016】
従って、デジタル変調結果合成結果に対して等化されたピーク成分部分が抑圧されるため、例えば等化されないピーク成分部分が抑圧されるような場合と比べて、ピーク成分抑圧後のデジタル変調結果合成結果の信号波形を滑らかにすることができる。
【0017】
ここで、ピーク成分部分としては、ピーク成分に関する種々な部分が用いられてもよく、例えば、所定の閾値を超えるレベルの成分又は所定の閾値以上となるレベルの成分を用いることができる。
なお、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、デジタル変調結果合成結果に要求されるレベルの上限値或いはそれに近似する値などを用いることができる。また、所定の閾値としては、例えば、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて変化するような値が用いられてもよい。
また、レベルとしては、例えば、振幅のレベルや、電力のレベルなどの種々なレベルが用いられてもよい。
【0018】
本発明に係る送信機では、一構成例として、ピーク成分抑圧手段では、次のような処理を行う。
すなわち、成分除去手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果に基づいて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分又は所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する。第1の減算手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果から、成分除去手段により得られる成分除去結果を減算する。等化手段が、第1の減算手段により得られる減算結果(ピーク成分部分)を等化する。第2の減算手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果から、等化手段により得られる等化結果(等化されたピーク成分部分)を減算する。
そして、ピーク成分抑圧手段では、第2の減算手段により得られる減算結果(デジタル変調結果合成結果から等化されたピーク成分部分を減じたもの)を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
【0019】
従って、デジタル変調結果合成結果から等化されたピーク成分部分が減じられるため、例えば等化されないピーク成分部分が減じられるような場合と比べて、ピーク成分抑圧後のデジタル変調結果合成結果の信号波形を滑らかにすることができる。
なお、デジタル変調手段としては、例えば、デジタルの直交変調手段が用いられる。
また、例えば、信号処理のタイミングを合わせるために、遅延手段などが用いられてもよい。
【0020】
ここで、成分除去手段では、デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分を除去する態様と、デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する態様とのいずれが用いられてもよい。
また、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、デジタル変調結果合成結果に要求されるレベルの上限値或いはそれに近似する値などを用いることができる。
【0021】
また、所定の閾値としては、例えば、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて変化するような値が用いられてもよく、一例として、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて成分除去結果のレベルが非線形関数などにより設定されるような態様が用いられてもよい。
また、レベルとしては、例えば、振幅のレベルや、電力のレベルなどの種々なレベルが用いられてもよい。
【0022】
また、等化手段としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、信号波形を時間的に平均化するような所定のフィルタリング特性を有するフィルタなどを用いることができる。
【0023】
本発明に係る送信機では、他の一構成例として、ピーク成分抑圧手段では、次のような処理を行う。
すなわち、成分除去手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果に基づいて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分又は所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する。減算手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果から成分除去手段により得られる成分除去結果を減算する。等化手段が、減算手段により得られる減算結果(ピーク成分部分)を等化する。加算手段が、成分除去手段により得られる成分除去結果と、等化手段により得られる等化結果(等化されたピーク成分部分)とを加算する。
そして、ピーク成分抑圧手段では、加算手段により得られる加算結果(ピーク成分部分が除去されたデジタル変調結果合成結果と等化されたピーク成分部分とを加えたもの)を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
【0024】
従って、ピーク成分部分が除去されたデジタル変調結果合成結果と等化されたピーク成分部分とが加えられるため、例えば、ピーク成分抑圧後のデジタル変調結果合成結果の信号波形を滑らかにすることができる。
なお、デジタル変調手段としては、例えば、デジタルの直交変調手段が用いられる。
また、例えば、信号処理のタイミングを合わせるために、遅延手段などが用いられてもよい。
【0025】
ここで、成分除去手段では、デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分を除去する態様と、デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する態様とのいずれが用いられてもよい。
また、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、デジタル変調結果合成結果に要求されるレベルの上限値或いはそれに近似する値などを用いることができる。
【0026】
また、所定の閾値としては、例えば、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて変化するような値が用いられてもよく、一例として、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて成分除去結果のレベルが非線形関数などにより設定されるような態様が用いられてもよい。
また、レベルとしては、例えば、振幅のレベルや、電力のレベルなどの種々なレベルが用いられてもよい。
【0027】
また、等化手段としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、信号波形を時間的に平均化するような所定のフィルタリング特性を有するフィルタなどを用いることができる。
【0028】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
一構成例として、それぞれの手段は、I情報の信号(I相信号)及びQ情報の信号(Q相信号)を処理する。
この場合、それぞれの手段は、例えば、I情報の信号とQ情報の信号とをそれぞれ別個に処理してもよく、或いは、I情報の信号とQ情報の信号とをまとめて処理してもよい。
【0029】
一構成例として、等化手段は、例えばピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果に基づいて、フィードバック制御される。
本発明は、例えば、送信対象となる信号を増幅する電力増幅器(PA:Power Amplifier)を備えた装置に適用される。
また、本発明は、例えば、CDMA方式や、W(Wideband)−CDMA方式に適用される。
【0030】
また、本発明は、例えば、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの移動通信システムや、FWA(Fixed Wireless Access)などと称される加入者無線アクセスシステムなどの固定通信システムなどの種々な通信システムや、このような通信システムの基地局装置に適用される。
【0031】
また、本発明に係る技術思想は、例えば、送受信機や、通信機や、通信装置や、送信信号処理装置や、ピーク成分抑圧装置などの種々なものとして実現することが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
なお、本実施例では、4つのキャリア信号を処理する場合を例として説明するが、処理対象となるキャリア信号の数としては種々な数が用いられてもよい。
ここで、図7には、4つのキャリア信号から成るマルチキャリア信号のデジタル領域におけるスペクトルの一例を示してある。同図において、横軸は中間周波数(IF:Intermediate Frequency)[MHz]を示しており、縦軸は信号の電力(Power)[dB]を示している。
【0033】
同図に示されるように、各キャリア信号の中間周波数ωは各キャリア信号毎に異なっており、本実施例では、キャリア間隔が5MHzである場合を想定し、第1のキャリア信号の中間周波数ω1=2.5MHzであり、第2のキャリア信号の中間周波数ω2=7.5MHzであり、第3のキャリア信号の中間周波数ω3=12.5MHzであり、第4のキャリア信号の中間周波数ω4=17.5MHzである場合を想定する。
【0034】
なお、同図では、デジタル領域でのスペクトルを示してあることから、イメージ成分が図中の右側(高い周波数側)に存在するが、本実施例では、アナログ化する際に当該イメージ成分を除去する。
また、各キャリア信号の中間周波数は、例えば、本実施例に係る送信機を実施するメーカなどにより選定されるものである。
【0035】
第1実施例に係る送信機を説明する。
図1には、本例の送信機の構成例を示してある。
本例の送信機には、デジタル変調部1と、ハードクリップ部2と、加算器3と、等化器4と、遅延器5と、加算器6と、D/A変換器7が備えられている。
また、デジタル変調部1には、4つの信号処理系と、合成器11が備えられている。
それぞれの信号処理系には、1個のリミッタA1〜A4と、1個のルートナイキストFIRフィルタB1〜B4と、1個の直交変調器C1〜C4が備えられている。
なお、本例では、一例として、直交変調器C1〜C4が備えられたデジタル変調部1を用いているが、他の種々な構成を有するデジタル変調部が用いられてもよい。
【0036】
デジタル変調部1により行われる動作の一例を示す。
デジタル変調部1では、それぞれのキャリア信号に対応したベースバンド(BB:Base Band)帯のI情報及びQ情報から成るデジタルデータf1、f2、f3、f4が、それぞれに対応した信号処理系のリミッタA1〜A4に入力される。
【0037】
それぞれの信号処理系において行われる処理は、同様である。
具体的には、それぞれの信号処理系のリミッタA1〜A4は、入力されるI情報及びQ情報に対してレベル制限を行い、その後、I情報及びQ情報をそれぞれの信号処理系のルートナイキストFIRフィルタB1〜B4へ出力する。
それぞれの信号処理系のルートナイキストFIRフィルタB1〜B4は、入力されるI情報及びQ情報に対してフィルタリングにより帯域制限を施し、その後、I情報及びQ情報をそれぞれの信号処理系の直交変調器C1〜C4へ出力する。
【0038】
このように、本例では、各周波数に割り当てられるベースバンド信号に対して帯域制限が施される。このような帯域制限としては、例えば、使用するシステムに応じて形状が異なるものが用いられる。一例として、現在においてサービス中であるW−CDMA(FOMA:商標)では、ロールオフ率が0.22でありカットオフが0.5であるパラメータのルートレイズドコサインフィルタ(ルートナイキストフィルタ)が適用されている。
【0039】
それぞれの信号処理系の直交変調器C1〜C4は、入力されるI情報及びQ情報に対してデジタルの直交変調(Quadrature Modulation)を施し、その後、直交変調の結果として得られる直交変調信号を合成器11へ出力する。
合成器11は、4つの信号処理系の直交変調器C1〜C4から入力される直交変調信号を合成し、当該合成結果をハードクリップ部2と加算器3と遅延器5へ出力する。
【0040】
なお、jを虚数演算子として、tを時刻として、I及びQをベースバンド実数信号として、ωを中間周波数として、ベースバンド信号を(I+j・Q)と表すと、1個の直交変調器C1〜C4から出力される直交変調信号PI、PQは式1のように表される。
【0041】
【数1】
【0042】
デジタル変調部1の後段に備えられたピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)により行われる動作の一例を示す。
ハードクリップ部2は、伝送しようとする信号である合成器11から入力されるI情報及びQ情報のピーク成分部分を強制的に抑圧し、当該抑圧結果を加算器3へ出力する。
【0043】
加算器3は、合成器11から入力される信号からハードクリップ部2から入力される信号が減算されるように、これら2つの信号を加算し、当該加算結果(ピーク成分部分)を等化器4へ出力する。
等化器4は、加算器3から入力される信号を等化し、当該等化結果(等化されたピーク成分部分)を加算器6へ出力する。
【0044】
遅延器5は、合成器11から入力される信号を遅延させて加算器6へ出力する。
加算器6は、遅延器5から入力される信号から等化器4から入力される信号が減算されるように、これら2つの信号を加算し、当該加算結果をD/A変換器7へ出力する。
D/A変換器7は、加算器6から入力される信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換して出力する。
【0045】
なお、D/A変換器7から出力されるピーク成分抑圧後の直交変調信号は、送信増幅器(図示せず)により増幅されてアンテナ(図示せず)により無線送信される。
また、ベースバンドとのインターフェイスとしては、例えば、複数の系統のバスを使用する構成に限られず、実際のハードウエア構成では1系統を複数に時分割して使用することも可能であり、また、他の方法を使用することも可能である。
【0046】
次に、本例の送信機のピーク成分抑圧機能部により行われる動作の一例を更に詳しく説明する。
なお、ここでは、図2を参照して、説明を行う。
同図には、上記図1に示した送信機の構成と概略的には同様な構成を示してあるが、更に、I情報の合成器12とQ情報の合成器13を別個なものとして示してあり、また、等化器4に対してフィードバック制御を行うための加算器21と2乗器22と平均化器23を示してある。また、図2では、遅延器5を配線から構成した場合を示してある。
【0047】
また、図2では、時刻tに対する時間軸上の信号波形の例として、(a)ハードクリップの様子の例や、(b)等化器への入力の様子の例や、(c)ピーク成分抑圧機能部(等化器型リミッタ)からの出力の様子の例を示してある。
【0048】
ここで、それぞれの信号処理系の直交変調器C1〜C4は、直交変調信号のI情報成分を一方の合成器12へ出力し、直交変調信号のQ情報成分を他方の合成器13へ出力する。
一方の合成器12は、4つの信号処理系の直交変調器C1〜C4から入力されるI情報成分を合成し、当該合成結果Isをハードクリップ部2と加算器3と遅延器5へ出力する。
同様に、他方の合成器13は、4つの信号処理系の直交変調器C1〜C4から入力されるQ情報成分を合成し、当該合成結果Qsをハードクリップ部2と加算器3と遅延器5へ出力する。
【0049】
なお、各キャリア信号のベースバンド実数信号をI1及びQ1、I2及びQ2、I3及びQ3、I4及びQ4として、各キャリア信号の中間周波数をω1、ω2、ω3、ω4とすると、直交変調信号のI情報成分の合成結果Isは式2のように表され、直交変調信号のQ情報成分の合成結果Qsは式3のように表される。
【0050】
【数2】
【0051】
【数3】
【0052】
本例のピーク成分抑圧機能部により行われる動作の一例を示す。
ハードクリップ部2は、入力される信号のレベルが所定のレベルを超えた場合に動作し始めてクリッピングを行う。
ここで、クリッピングの方法としては、種々な方法が用いられてもよい。
本例では、クリッピングの方法として、入力される信号のレベルが所定のレベル(閾値)を超えた場合には全て同一の値(一定のレベル)として出力する処理を行う。
【0053】
図2中の(a)には、ハードクリップ部2により行われるハードクリップの様子の一例を示してある。
図示されるように、入力される信号波形のうちで、所定の閾値を超えるレベルの成分が切り取られたような信号波形がハードクリップの結果として出力される。
【0054】
なお、図2中の(a)では、I情報成分Isを例として信号波形の時間的変化を示してあるが、実際にはQ情報成分Qsについても同様にクリッピングが行われる。そして、Is−Qsのベクトル平面で見ると、図示されるように、I情報成分IsとQ情報成分Qsとのレベルの比はクリッピングの前後で不変であり、クリッピングにより(Is、Qs)ベクトルの大きさが縮減させられる。
【0055】
また、クリッピングの方法の他の例として、非線形関数を使用する方法を用いることも可能である。
図3には、非線形関数の一例を示してある。同図において、横軸は入力信号のレベルを示しており、縦軸は出力信号のレベルを示している。
このような非線形関数を使用すると、例えば、入力信号のレベルに応じて出力信号のレベルが変化するようなクリッピング結果を得ることができ、具体的には、図2中の(b)においてクリッピングにより一部の成分が切り取られて残る波形部分が或る程度高いレベル側へ膨らんだような信号波形がクリッピング結果として得られる。
【0056】
加算器3は、デジタル変調部1からの出力である合成器12、13から入力される信号(主信号)から、ハードクリップ部2から出力される信号を差し引く。
ここで、図2中の(b)には、加算器3から出力されて等化器4に入力される信号の一例を示してある。
図示されるように、等化器4への入力信号は、主信号のピーク成分の部分だけが抜き出されたような信号となる。なお、ここでは、I情報成分Isについてのみ図示したが、Q情報成分Qsについても同様な処理が為される。
【0057】
図4には、本例の等化器4として用いられるトランスバーサルフィルタの構成例を示してある。なお、一般に、等化器としては、本例のようなトランスバーサルフィルタの構成が用いられる。
本例の等化器(トランスバーサルフィルタ)4は、複数であるn個の遅延素子D(1)〜D(n)と、n個の乗算器E(1)〜E(n)と、1個の合成器31から構成されている。
【0058】
そして、本例の等化器(トランスバーサルフィルタ)4では、入力される信号が直列に並べられたn個の遅延素子D(1)〜D(n)に順次入力されていき、各遅延素子D(1)〜D(n)からの出力と各タップ係数(重み付け係数)1〜nとが各乗算器E(1)〜E(n)により乗算され、これらn個の乗算結果が合成器31により合成され、当該合成結果が等化結果(フィルタリング結果)として出力される。
【0059】
ここで、本例のようなトランスバーサルフィルタは、時間領域で動作するフィルタであるため、そのタップ係数を操作することにより、種々な特性を有するフィルタが実現される。
また、トランスバーサルフィルタのタップ数としては、例えば、システムで要求される仕様により異なる。
【0060】
また、複素信号に対応する場合には、上記図4に示したようなトランスバーサルフィルタにおいて、各実数乗算器E(1)〜E(n)をそれぞれ複素乗算器へ変更し、また、I情報成分とQ情報成分を遅延させるために、遅延素子D(1)〜D(n)が2倍の数(2n個)必要となり、また、タップ係数として複素タップ係数を用いる。
【0061】
図5には、複素信号に対応した本例の等化器(トランスバーサルフィルタ)4へ与えるタップ係数の一例として、(a)I情報成分のタップ係数(I相係数)と、(b)Q情報成分のタップ係数(Q相係数)を示してある。
同図に示したタップ係数は、インパルス応答を表しており、トランスバーサルフィルタにインパルスを入力した時の出力を表している。インパルスは、或る時間にのみ信号が存在して他の時間には信号のレベルがゼロ(0)である状態を示す。つまり、1つの入力がある度に、複数ポイントの信号が出力されて、鈍った波形となる。
【0062】
上記のように、等化器4からの出力は、急峻に変動する部分が鈍った波形となる。
加算器6は、デジタル変調部1からの出力である合成器12、13から遅延器5を介して入力される信号(主信号)から、等化器4から入力される等化されたピーク成分部分を差し引く。
【0063】
図2中の(c)には、加算器6からD/A変換器7へ出力される信号の一例を示してある。なお、ここでは、I情報成分Isについてのみ図示したが、Q情報成分Qsについても同様な処理が為される。
図示されるように、等化器4では、図2中の(b)に示した信号波形において、ゼロ(0)から急峻に立ちあがる部分は、当該等化器4の動作により鈍る。そして、等化器4からの出力の波形が主信号の波形から減じられて、ピーク成分の抑圧が完了する。
【0064】
なお、ピーク成分の抑圧という点では、例えば、ピーク成分部分が主信号からハードクリップされた状態を用いるのが最適であると考えることもできるが、これでは、急峻な変化が生じる(つまり、不連続となる)ピーク成分の抑圧開始点及び抑圧終了点で、スペクトラムが大きく膨らみ、大概の無線送信規格を満たさなくなってしまう。このため、本例では、ピーク成分の抑圧を行いつつ、スペクトルの膨らみを最小限にすることが、等化器4により実現されている。
【0065】
また、図2に示した構成例では、等化器4についてフィードバック制御が行われている。
具体的には、ハードクリップ部2からの出力及び加算器6からの出力が加算器21に入力され、加算器21では、これら2つの出力の加算により、加算器6からの出力からハードクリップ部2からの出力を減算し、当該減算結果を2乗器22へ出力する。当該減算結果は、例えば、クリッピングにより切り取られたピーク成分部分と、等化器4により等化されたピーク成分部分との差分に相当する。
【0066】
2乗器22は、加算器21から入力される信号のレベルの絶対値を2乗して、当該2乗結果を平均化器23へ出力する。
平均化器23は、2乗器22から入力される値を時間的に平均化し、例えば、当該平均化結果が最小となるように、等化器4の各タップ係数を更新する。これにより、フィードバック制御が実現される。
【0067】
ここで、等化器は、本来、学習を行い、そのタップ係数を決定する。
本発明では、等化器の学習方法としては、特に限定はなく、いずれの学習方法が用いられても基本的には良く、例えば、システムとして最適なタップ係数になれば良い。また、事前に求めたタップ係数を設定するような場合には、実際の運用中には、事前に求めたタップ係数から変更する必要は無い。
【0068】
図2の構成例では、学習方法の一例として、最小2乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Square Error)を用いた場合を示してある。
本例の方法では、希望する形から、現在のタップ係数による実波形を引き算し、当該引き算の結果の2乗誤差が最小になるように学習する。なお、実際には、最終的な波形は希望する形とはならないが、例えば、2乗誤差が最小となればよいとする。
【0069】
また、図示はしていないが、例えば、帯域外輻射(上記図7の例では、周波数が20MHz〜高い領域への漏れ込み)を重点的に抑えたいような場合には、帯域外輻射量をMMSEアルゴリズムの二乗誤差に、重みを付けて足し込むようなアルゴリズムを用いることが可能である。なお、このような場合にも、実運用時には、学習の必要性は必ずしも無く、事前に求まったタップ係数を用いて運用することも可能である。
【0070】
本例のピーク成分抑圧機能部により行われる処理を、具体的な数値を用いて、説明する。
まず、送信対象となる信号S(t)が、ピーク成分の部分Sp(t)と、ハードクリップにより得られる成分部分Sclip(t)とに分解されるとすると、式4が成り立つ。
【0071】
【数4】
【0072】
また、等化器4のタップ係数に基づく当該等化器4からの出力をEQ1(Sp(t))とすると、加算器6から出力されるピーク成分抑圧結果SR1(t)は式5のように表される。
【0073】
【数5】
【0074】
以上のように、本例の送信機では、N個の搬送波周波数を使用する無線通信装置において、N個の搬送波に対するデジタル変調機能を有するデジタル変調部C1〜CNと、当該デジタル変調部C1〜CNからの出力に対して指定されたレベルより信号振幅が大きい部分を抑圧するハードクリップ部2と、当該ハードクリップ部2からの出力をデジタル変調部C1〜CNからの出力から引き算する加算器3と、当該加算器3からの出力に対して等化処理を行う等化器4と、ハードクリップ部2と加算器3と等化器4の処理遅延を吸収する遅延器5と、当該遅延器5からの出力から等化器4からの出力を減算する加算器6と、当該加算器6からの出力をD/A変換するD/A変換器7などを備え、送信対象となる信号に含まれるピーク成分部分を抑圧する。
なお、Nは、例えば、1以上の自然数である。本例では、N=4である場合を示した。
【0075】
従って、本例の送信機では、リミッタ回路により送信対象となる信号に含まれるピーク成分部分が抑圧されることにより、例えば、線形変調方式を用いた無線通信装置などにおいて、送信電力増幅器の負荷を軽減することができ、システムとして低電力化が可能である。また、等化器4の特性を利用したリミッタ回路を用いることにより、良好なピーク成分抑圧を実現することができる。
【0076】
具体的には、本例の送信機では、例えば、従来と比べて、ピーク成分の抑圧量を大幅に向上させることができ、この結果として送信機の消費電力を低減することができ、これにより、電源設備などが低額なインフラ設備を供給することを可能とすることができる。
【0077】
なお、本例の送信機では、直交変調器C1〜C4の機能によりデジタル変調手段(本例では、直交変調手段)が構成されており、合成器11(合成器12、13)の機能によりデジタル変調結果合成手段(本例では、直交変調結果合成手段)が構成されており、ハードクリップ部2や加算器3や等化器4や遅延器5や加算器6の機能によりピーク成分抑圧手段が構成されている。
また、本例の送信機では、ハードクリップ部2の機能により成分除去手段が構成されており、加算器3の機能により第1の減算手段が構成されており、等化器4の機能により等化手段が構成されており、加算器6の機能により第2の減算手段が構成されている。
【0078】
本発明の第2実施例に係る送信機を説明する。
図6には、本例の送信機の構成例を示してある。
本例の送信機には、デジタル変調部1と、ハードクリップ部41と、加算器42と、等化器43と、加算器44と、D/A変換器7が備えられている。
【0079】
ここで、本例の送信機の構成や動作は、例えば、ピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)41〜44の構成や動作を除いては、上記第1実施例の図1や図2に示した送信機の構成や動作と同様である。本例では、上記第1実施例の図1や図2に示したのと同様な構成部分1、7については、同一の符号を付してあり、詳しい説明を省略する。
【0080】
デジタル変調部1の後段に備えられたピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)により行われる動作の一例を示す。
ハードクリップ部41は、伝送しようとする信号である合成器11から入力されるI情報及びQ情報のピーク成分部分を強制的に抑圧し、当該抑圧結果を加算器42と加算器44へ出力する。
【0081】
加算器42は、合成器11から入力される信号からハードクリップ部41から入力される信号が減算されるように、これら2つの信号を加算し、当該加算結果(ピーク成分部分)を等化器43へ出力する。
等化器43は、加算器42から入力される信号を等化し、当該等化結果(等化されたピーク成分部分)を加算器44へ出力する。
【0082】
加算器44は、ハードクリップ部41から入力される信号と等化器43から入力される信号とを加算し、当該加算結果をD/A変換器7へ出力する。当該出力は、ピーク成分部分が抑圧された主信号と等化されたピーク成分部分との加算結果に相当する。
【0083】
図6中の(a)には、加算器44からD/A変換器7へ出力される信号の一例を示してある。なお、ここでは、I情報成分Isについてのみ図示したが、Q情報成分Qsについても同様な処理が為される。
図示されるように、等化器43では、ゼロ(0)から急峻に立ちあがる部分は、当該等化器43の動作により鈍る。そして、等化器43からの出力の波形がハードクリップ部41からの出力の波形に加えられて、ピーク成分の抑圧が完了する。
【0084】
このように、上記第1実施例に係る送信機では、送信対象となる信号からピーク成分部分の等化信号を引き算して消すことにより、ピーク抑圧を行ったのに対して、本例の送信機では、ハードリミッタ部41により切りすぎた信号成分を等化器43からの出力により補うことにより、ピーク抑圧が行われる。いずれの構成においても、等化器を用いてピーク抑圧を実施するが、その実現方法に若干の違いがある。なお、等化器43の学習方法としては、例えば、上記第1実施例の場合と同様な方法が用いられる。
【0085】
本例のピーク成分抑圧機能部により行われる処理を、具体的な数値を用いて、説明する。
まず、送信対象となる信号S(t)が、ピーク成分の部分Sp(t)と、ハードクリップにより得られる成分部分Sclip(t)とに分解されるとすると、上記式4が成り立つ。
【0086】
また、等化器43のタップ係数に基づく当該等化器43からの出力をEQ2(Sp(t))とすると、加算器44から出力されるピーク成分抑圧結果SR2(t)は式6のように表される。
【0087】
【数6】
【0088】
ここで、本例の等化器43におけるタップ係数は、例えば、上記第1実施例の図1や図2に示される等化器4におけるタップ係数とは異なる値が用いられる。本例の式6と上記第1実施例の式4とを比較すると、例えば、EQ1(Sp(t))が収束したタップ係数がEQ2(Sp(t))の反転相当となり、且つ、Sp(t)成分を含む場合には、同一となる。
【0089】
なお、アルゴリズムに不完全性がある場合や、収束に時間がかかる場合や、最適解にいたるまでに極点がある場合には、収束タップ係数が異なることになるため、本例のピーク抑圧処理と上記第1実施例のピーク抑圧処理とでは結果が異なることになる。この場合には、本例のピーク抑圧処理と上記第1実施例のピーク抑圧処理とで、ピーク抑圧性能若しくは帯域外漏洩電力抑圧性能に差が出ることがあるが、例えばシステムの仕様などに応じて、このような性能の差があるいずれの構成を用いるかが選択されればよい。
【0090】
以上のように、本例の送信機では、N個の搬送波周波数を使用する無線通信装置において、N個の搬送波に対するデジタル変調機能を有するデジタル変調部C1〜CNと、当該デジタル変調部C1〜CNからの出力に対して指定されたレベルより信号振幅が大きい部分を抑圧するハードクリップ部41と、当該ハードクリップ部41からの出力をデジタル変調部C1〜CNからの出力から引き算する加算器42と、当該加算器42からの出力に対して等化処理を行う等化器43と、ハードクリップ部41からの出力と等化器43からの出力とを加算する加算器44と、当該加算器44からの出力をD/A変換するD/A変換器7などを備え、送信対象となる信号に含まれるピーク成分部分を抑圧する。
なお、Nは、例えば、1以上の自然数である。本例では、N=4である場合を示した。
【0091】
従って、本例の送信機では、リミッタ回路により送信対象となる信号に含まれるピーク成分部分が抑圧されることにより、例えば、線形変調方式を用いた無線通信装置などにおいて、送信電力増幅器の負荷を軽減することができ、システムとして低電力化が可能である。また、等化器43の特性を利用したリミッタ回路を用いることにより、良好なピーク成分抑圧を実現することができる。
【0092】
具体的には、本例の送信機では、例えば、従来と比べて、ピーク成分の抑圧量を大幅に向上させることができ、この結果として送信機の消費電力を低減することができ、これにより、電源設備などが低額なインフラ設備を供給することを可能とすることができる。
【0093】
なお、本例の送信機では、直交変調器C1〜C4の機能によりデジタル変調手段(本例では、直交変調手段)が構成されており、合成器11の機能によりデジタル変調結果合成手段(本例では、直交変調結果合成手段)が構成されており、ハードクリップ部41や加算器42や等化器43や加算器44の機能によりピーク成分抑圧手段が構成されている。
また、本例の送信機では、ハードクリップ部41の機能により成分除去手段が構成されており、加算器42の機能により減算手段が構成されており、等化器43の機能により等化手段が構成されており、加算器44の機能により加算手段が構成されている。
【0094】
第3実施例に係る送信機を説明する。
本例の送信機は、例えば、上記第1実施例や上記第2実施例で示したのと同様な構成を有しており同様な動作を行い、本例では、CDMA基地局装置に設けられている。
【0095】
CDMA方式を用いた無線通信では、通常、1キャリア当たりの収容ユーザ数が多いため、ピークファクタが上昇する。このため、本例の送信機のようにリミッタの回路規模が小さくリミッタが適切に動作するものを適用することにより、ピークファクタを小さく抑えることができ、電力効率が高い送信増幅器の利用を実現することを可能とすることができる。
【0096】
また、本例の送信機では、瞬間的ではあるが、等化器4、43により非線形処理が行われるが、受信機側において逆拡散操作(CDMA方式に特有な積分処理)を行うCDMAシステムでは、当該非線形処理の影響は現れない。このため、本例のような等化器型リミッタは、特に、CDMAシステムに最適なものである。
【0097】
以上のように、本例では、本例の送信機をCDMA方式の基地局装置に適用することにより、例えば、基地局装置の小型軽量化や基地局装置の単価の低減を実現することができ、これにより、セルラー電話網などにおいて、小型軽量化を実現することや、インフラ整備費を低減して、ユーザが分担して負担する費用を軽減することができる。
【0098】
第4実施例に係る送信機を説明する。
本例の送信機は、例えば、上記第1実施例や上記第2実施例で示したのと同様な構成を有しており同様な動作を行い、本例では、送信増幅器として電力増幅器(PA)を有するカード(PAカード)に設けられる。
【0099】
実際のシステムの運用時では、基地局装置の本体と送信機(PAカード)とを分離させて運用する形態もあり得る。このような形態では、例えば、PAカードからアンテナまでの距離が削減されるため、ロスが少ない。つまり、PAカードの電力増幅器(PA)にかかる負荷が軽減され、より効率が良い送信増幅を実施することが可能となる。
【0100】
電力増幅器の効率が良くなることは、消費電力が少なくなることに相当する。
一例として、効率が10%である電力増幅器では、20Wの出力を得るためには、消費電力=20W/0.1−20W=180Wを熱変換して捨てている。例えば、この効率が向上して、12%になった場合には、消費電力=20W/0.12−20W=約146.7Wとなり、30W以上の消費電力低減となる。
【0101】
ここで、30Wの電力を熱変換して放熱するための放熱板の面積や重量を考えると、どんなに少なく見積もっても、10%以上の低減効果を得ることができる。
また、一般に、基地局装置では、セクタ構成と呼ばれる構成として、複数の送信増幅器(例えば、複数のPAカード)を有する構成となっている。一例として、6セクタ構成では、6×30W=180Wに相当する消費電力を低減することが可能である。この場合には、例えば、消費電力の問題と共に、熱の問題も同時に低減されることとなる。
【0102】
以上のように、本例では、本例の送信機の構成(リミッタの構成)を、電力増幅器を具備する装置に搭載することにより、電力増幅器の効率を向上させることができ、例えば、インフラ設備投資への大きな寄与となる。また、例えば、上記第3実施例で示したようにCDMA方式に適用する場合には、更に効果的なセルラー電話網の構築が可能となる。
【0103】
一例として、本例の送信機の構成(リミッタの構成)を、CDMA方式における基地局装置の共通増幅器に適用することにより、小型軽量のインフラ整備費を実現することができ、結果的に、ユーザが分担して負担するインフラ設備費を軽減することなどが可能となる。
【0104】
ここで、本発明に係る送信機やピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
【0105】
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。なお、本発明に係る技術思想は、例えば、直交変調以外の種々な変調を行うものに適用することも可能であり、また、例えば、時間に応じてレベルが変化するような1つの信号(例えば、1つのキャリア信号)のみを処理(例えば、送信)するようなものに適用することも可能である。
【0106】
また、本発明に係る送信機やピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る送信機によると、互いに異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を送信する構成において、それぞれのキャリア信号毎にデジタル変調を行い、これにより得られるデジタル変調結果を複数のキャリア信号について合成し、例えばデジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分部分を等化して当該等化結果を用いて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分を抑圧するようにしたため、送信対象となる信号(送信信号)に含まれるピーク成分を適切に抑圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る送信機の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)により行われる動作の一例を説明するための図である。
【図3】非線形関数の一例を示す図である。
【図4】トランスバーサルフィルタにより構成される等化器の構成例を示す図である。
【図5】等化器へ与えるタップ係数の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る送信機の構成例を示す図である。
【図7】マルチキャリア変調信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1・・デジタル変調部、 2、41・・ハードクリップ部、
3、6、21、42、44・・加算器、 4、43・・等化器、
5・・遅延器、 7・・D/A変換器、 A1〜A4・・リミッタ、
B1〜B4・・フィルタ、 C1〜C4・・直交変調器、
11、12、13、31・・合成器、 22・・2乗器、 23・・平均化器、
D(1)〜D(n)・・遅延素子、 E(1)〜E(n)・・乗算器、
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のキャリア信号を送信する送信機に関し、特に、送信対象となる信号(送信信号)に含まれるピーク成分を適切に抑圧する送信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、符号分割多重接続(CDMA:Code Division Multiple Access)方式を採用する基地局装置などの送信機では、複数のキャリア信号を多重化して、当該多重化結果を送信増幅器により増幅して送信することが行われている。
また、一般に、増幅器では、線形動作する領域が限られており、線形変調方式が用いられる場合には線形動作する領域を用いることが必要となる。
【0003】
しかし、一般の増幅器では、線形動作領域だけを使用すると、電力効率の著しい劣化が生じるため、可能な限り、増幅器の線形動作領域を増加させることや、或いは、送信信号のダイナミックレンジを縮める操作つまり平均電力から瞬間最大電力までの比(ピークファクタ)を縮める操作が行われる。
【0004】
一例として、従来では、リミッタ回路付きキャリア合成送信回路において、複数のキャリア信号を送信するに際して、クリッピングの必要程度に適合したリミット係数を求め、それぞれのキャリア信号に必要なクリッピングを与えることにより、ピークの振幅を抑圧することが行われており、これにより、送信信号のピークファクタを低減させて、電力効率の高い送信増幅を実現することが図られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
具体的には、当該リミッタ回路付きキャリア合成送信回路では、各キャリア信号のチャネル多重したI情報の信号及びQ情報の信号のそれぞれに対して、リミッタ回路により検出されるピークが発生するタイミングに基づいてリミット乗算器によりクリッピングを行った後に、低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)により所望の占有帯域幅に帯域制限することを行い、その後、当該帯域制限により得られる各キャリア信号のI情報の信号及びQ情報の信号を直交変調することを行う。そして、当該直交変調により得られる直交変調信号を複数のキャリア信号について合成した後に増幅して送信することを行う。なお、当該リミッタ回路の規模は非常に大きくなる(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−44054号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例で示したようなピーク抑圧を行う装置では、送信信号のピーク抑圧が不十分であり、更なる開発が要求されていた。
具体的には、従来では、帯域制限を行うフィルタ(帯域制限フィルタ)の前段でピーク抑圧が行われるが、帯域制限フィルタを通過すると再びピーク振幅が発生してしまうため、或る上限までしかピーク抑圧が実現されないといった不具合があった。なお、この理由は、帯域制限フィルタは、入力信号の周波数帯域と比べて狭い周波数帯域特性を有することから、当該入力信号のパターンに依存して出力が変動してしまうためである。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、複数のキャリア信号を送信するに際して、送信対象となる信号に含まれるピーク成分を適切に抑圧することができる送信機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る送信機では、互いに異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を送信するに際して、次のようにして、送信対象となる信号に含まれるピーク成分を抑圧する。
すなわち、デジタル変調手段がそれぞれのキャリア信号毎にデジタル変調を行い、デジタル変調結果合成手段がデジタル変調手段により得られるデジタル変調結果を複数のキャリア信号について合成し、そして、ピーク成分抑圧手段が、デジタル変調結果合成手段により得られるデジタル変調結果合成結果に基づいて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分を抑圧する。
【0010】
従って、各キャリア信号のデジタル変調が行われた後に、デジタル変調結果が全てのキャリア信号について合成された結果(デジタル変調結果合成結果)に基づいて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分が抑圧されるため、例えば従来と比べて、ピーク抑圧を良好に行うことができ、これにより、例えば、電力効率の高い送信増幅を実現することができる。
【0011】
なお、上記課題で述べたような帯域制限フィルタは、通常、デジタル変調手段の前段に備えられ、この場合、本発明では、帯域制限フィルタの後段でピーク抑圧が行われる。
一構成例として、本発明に係る送信機では、それぞれのキャリア信号に対応したデジタル変調手段の前段に、帯域制限フィルタが備えられる。帯域制限フィルタとしては、種々なフィルタが用いられてもよい。
【0012】
ここで、複数のキャリア信号の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、キャリア信号としては、例えば、搬送波周波数の信号(搬送波信号)を用いて送信対象となるI情報の信号及びQ情報の信号をデジタル変調することにより得られるデジタル変調信号が用いられる。
また、各キャリア信号の搬送波周波数としては、それぞれ、種々な周波数が用いられてもよい。
【0013】
また、デジタル変調手段としては、例えば、それぞれのキャリア信号毎に備えられるキャリア信号の総数と同数のデジタル変調器を用いて構成することができ、或いは、1つのデジタル変調器により複数のキャリア信号のデジタル変調を時分割で行うような構成を用いることも可能である。
また、デジタル変調で用いられる変調方式としては、種々な方式が用いられてもよく、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式や、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式などの直交変調の方式を用いることができる。
【0014】
また、デジタル変調結果合成手段は、複数のキャリア信号についてデジタル変調結果を合成することにより、これら複数のキャリア信号(デジタル変調結果)を多重化する。
また、デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分を抑圧する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよい。
【0015】
一例として、ピーク成分抑圧手段は、デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分部分を等化し、そして、等化したピーク成分部分を当該デジタル変調結果合成結果から除去した結果を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
他の例として、ピーク成分抑圧手段は、デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分部分を等化し、また、デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分部分を当該デジタル変調結果合成結果から除去し、そして、当該除去結果と等化したピーク成分部分とを加算した結果を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
【0016】
従って、デジタル変調結果合成結果に対して等化されたピーク成分部分が抑圧されるため、例えば等化されないピーク成分部分が抑圧されるような場合と比べて、ピーク成分抑圧後のデジタル変調結果合成結果の信号波形を滑らかにすることができる。
【0017】
ここで、ピーク成分部分としては、ピーク成分に関する種々な部分が用いられてもよく、例えば、所定の閾値を超えるレベルの成分又は所定の閾値以上となるレベルの成分を用いることができる。
なお、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、デジタル変調結果合成結果に要求されるレベルの上限値或いはそれに近似する値などを用いることができる。また、所定の閾値としては、例えば、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて変化するような値が用いられてもよい。
また、レベルとしては、例えば、振幅のレベルや、電力のレベルなどの種々なレベルが用いられてもよい。
【0018】
本発明に係る送信機では、一構成例として、ピーク成分抑圧手段では、次のような処理を行う。
すなわち、成分除去手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果に基づいて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分又は所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する。第1の減算手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果から、成分除去手段により得られる成分除去結果を減算する。等化手段が、第1の減算手段により得られる減算結果(ピーク成分部分)を等化する。第2の減算手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果から、等化手段により得られる等化結果(等化されたピーク成分部分)を減算する。
そして、ピーク成分抑圧手段では、第2の減算手段により得られる減算結果(デジタル変調結果合成結果から等化されたピーク成分部分を減じたもの)を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
【0019】
従って、デジタル変調結果合成結果から等化されたピーク成分部分が減じられるため、例えば等化されないピーク成分部分が減じられるような場合と比べて、ピーク成分抑圧後のデジタル変調結果合成結果の信号波形を滑らかにすることができる。
なお、デジタル変調手段としては、例えば、デジタルの直交変調手段が用いられる。
また、例えば、信号処理のタイミングを合わせるために、遅延手段などが用いられてもよい。
【0020】
ここで、成分除去手段では、デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分を除去する態様と、デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する態様とのいずれが用いられてもよい。
また、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、デジタル変調結果合成結果に要求されるレベルの上限値或いはそれに近似する値などを用いることができる。
【0021】
また、所定の閾値としては、例えば、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて変化するような値が用いられてもよく、一例として、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて成分除去結果のレベルが非線形関数などにより設定されるような態様が用いられてもよい。
また、レベルとしては、例えば、振幅のレベルや、電力のレベルなどの種々なレベルが用いられてもよい。
【0022】
また、等化手段としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、信号波形を時間的に平均化するような所定のフィルタリング特性を有するフィルタなどを用いることができる。
【0023】
本発明に係る送信機では、他の一構成例として、ピーク成分抑圧手段では、次のような処理を行う。
すなわち、成分除去手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果に基づいて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分又は所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する。減算手段が、デジタルのデジタル変調結果合成結果から成分除去手段により得られる成分除去結果を減算する。等化手段が、減算手段により得られる減算結果(ピーク成分部分)を等化する。加算手段が、成分除去手段により得られる成分除去結果と、等化手段により得られる等化結果(等化されたピーク成分部分)とを加算する。
そして、ピーク成分抑圧手段では、加算手段により得られる加算結果(ピーク成分部分が除去されたデジタル変調結果合成結果と等化されたピーク成分部分とを加えたもの)を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする。
【0024】
従って、ピーク成分部分が除去されたデジタル変調結果合成結果と等化されたピーク成分部分とが加えられるため、例えば、ピーク成分抑圧後のデジタル変調結果合成結果の信号波形を滑らかにすることができる。
なお、デジタル変調手段としては、例えば、デジタルの直交変調手段が用いられる。
また、例えば、信号処理のタイミングを合わせるために、遅延手段などが用いられてもよい。
【0025】
ここで、成分除去手段では、デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分を除去する態様と、デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する態様とのいずれが用いられてもよい。
また、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、デジタル変調結果合成結果に要求されるレベルの上限値或いはそれに近似する値などを用いることができる。
【0026】
また、所定の閾値としては、例えば、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて変化するような値が用いられてもよく、一例として、デジタル変調結果合成結果のレベルに応じて成分除去結果のレベルが非線形関数などにより設定されるような態様が用いられてもよい。
また、レベルとしては、例えば、振幅のレベルや、電力のレベルなどの種々なレベルが用いられてもよい。
【0027】
また、等化手段としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、信号波形を時間的に平均化するような所定のフィルタリング特性を有するフィルタなどを用いることができる。
【0028】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
一構成例として、それぞれの手段は、I情報の信号(I相信号)及びQ情報の信号(Q相信号)を処理する。
この場合、それぞれの手段は、例えば、I情報の信号とQ情報の信号とをそれぞれ別個に処理してもよく、或いは、I情報の信号とQ情報の信号とをまとめて処理してもよい。
【0029】
一構成例として、等化手段は、例えばピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果に基づいて、フィードバック制御される。
本発明は、例えば、送信対象となる信号を増幅する電力増幅器(PA:Power Amplifier)を備えた装置に適用される。
また、本発明は、例えば、CDMA方式や、W(Wideband)−CDMA方式に適用される。
【0030】
また、本発明は、例えば、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの移動通信システムや、FWA(Fixed Wireless Access)などと称される加入者無線アクセスシステムなどの固定通信システムなどの種々な通信システムや、このような通信システムの基地局装置に適用される。
【0031】
また、本発明に係る技術思想は、例えば、送受信機や、通信機や、通信装置や、送信信号処理装置や、ピーク成分抑圧装置などの種々なものとして実現することが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
なお、本実施例では、4つのキャリア信号を処理する場合を例として説明するが、処理対象となるキャリア信号の数としては種々な数が用いられてもよい。
ここで、図7には、4つのキャリア信号から成るマルチキャリア信号のデジタル領域におけるスペクトルの一例を示してある。同図において、横軸は中間周波数(IF:Intermediate Frequency)[MHz]を示しており、縦軸は信号の電力(Power)[dB]を示している。
【0033】
同図に示されるように、各キャリア信号の中間周波数ωは各キャリア信号毎に異なっており、本実施例では、キャリア間隔が5MHzである場合を想定し、第1のキャリア信号の中間周波数ω1=2.5MHzであり、第2のキャリア信号の中間周波数ω2=7.5MHzであり、第3のキャリア信号の中間周波数ω3=12.5MHzであり、第4のキャリア信号の中間周波数ω4=17.5MHzである場合を想定する。
【0034】
なお、同図では、デジタル領域でのスペクトルを示してあることから、イメージ成分が図中の右側(高い周波数側)に存在するが、本実施例では、アナログ化する際に当該イメージ成分を除去する。
また、各キャリア信号の中間周波数は、例えば、本実施例に係る送信機を実施するメーカなどにより選定されるものである。
【0035】
第1実施例に係る送信機を説明する。
図1には、本例の送信機の構成例を示してある。
本例の送信機には、デジタル変調部1と、ハードクリップ部2と、加算器3と、等化器4と、遅延器5と、加算器6と、D/A変換器7が備えられている。
また、デジタル変調部1には、4つの信号処理系と、合成器11が備えられている。
それぞれの信号処理系には、1個のリミッタA1〜A4と、1個のルートナイキストFIRフィルタB1〜B4と、1個の直交変調器C1〜C4が備えられている。
なお、本例では、一例として、直交変調器C1〜C4が備えられたデジタル変調部1を用いているが、他の種々な構成を有するデジタル変調部が用いられてもよい。
【0036】
デジタル変調部1により行われる動作の一例を示す。
デジタル変調部1では、それぞれのキャリア信号に対応したベースバンド(BB:Base Band)帯のI情報及びQ情報から成るデジタルデータf1、f2、f3、f4が、それぞれに対応した信号処理系のリミッタA1〜A4に入力される。
【0037】
それぞれの信号処理系において行われる処理は、同様である。
具体的には、それぞれの信号処理系のリミッタA1〜A4は、入力されるI情報及びQ情報に対してレベル制限を行い、その後、I情報及びQ情報をそれぞれの信号処理系のルートナイキストFIRフィルタB1〜B4へ出力する。
それぞれの信号処理系のルートナイキストFIRフィルタB1〜B4は、入力されるI情報及びQ情報に対してフィルタリングにより帯域制限を施し、その後、I情報及びQ情報をそれぞれの信号処理系の直交変調器C1〜C4へ出力する。
【0038】
このように、本例では、各周波数に割り当てられるベースバンド信号に対して帯域制限が施される。このような帯域制限としては、例えば、使用するシステムに応じて形状が異なるものが用いられる。一例として、現在においてサービス中であるW−CDMA(FOMA:商標)では、ロールオフ率が0.22でありカットオフが0.5であるパラメータのルートレイズドコサインフィルタ(ルートナイキストフィルタ)が適用されている。
【0039】
それぞれの信号処理系の直交変調器C1〜C4は、入力されるI情報及びQ情報に対してデジタルの直交変調(Quadrature Modulation)を施し、その後、直交変調の結果として得られる直交変調信号を合成器11へ出力する。
合成器11は、4つの信号処理系の直交変調器C1〜C4から入力される直交変調信号を合成し、当該合成結果をハードクリップ部2と加算器3と遅延器5へ出力する。
【0040】
なお、jを虚数演算子として、tを時刻として、I及びQをベースバンド実数信号として、ωを中間周波数として、ベースバンド信号を(I+j・Q)と表すと、1個の直交変調器C1〜C4から出力される直交変調信号PI、PQは式1のように表される。
【0041】
【数1】
【0042】
デジタル変調部1の後段に備えられたピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)により行われる動作の一例を示す。
ハードクリップ部2は、伝送しようとする信号である合成器11から入力されるI情報及びQ情報のピーク成分部分を強制的に抑圧し、当該抑圧結果を加算器3へ出力する。
【0043】
加算器3は、合成器11から入力される信号からハードクリップ部2から入力される信号が減算されるように、これら2つの信号を加算し、当該加算結果(ピーク成分部分)を等化器4へ出力する。
等化器4は、加算器3から入力される信号を等化し、当該等化結果(等化されたピーク成分部分)を加算器6へ出力する。
【0044】
遅延器5は、合成器11から入力される信号を遅延させて加算器6へ出力する。
加算器6は、遅延器5から入力される信号から等化器4から入力される信号が減算されるように、これら2つの信号を加算し、当該加算結果をD/A変換器7へ出力する。
D/A変換器7は、加算器6から入力される信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換して出力する。
【0045】
なお、D/A変換器7から出力されるピーク成分抑圧後の直交変調信号は、送信増幅器(図示せず)により増幅されてアンテナ(図示せず)により無線送信される。
また、ベースバンドとのインターフェイスとしては、例えば、複数の系統のバスを使用する構成に限られず、実際のハードウエア構成では1系統を複数に時分割して使用することも可能であり、また、他の方法を使用することも可能である。
【0046】
次に、本例の送信機のピーク成分抑圧機能部により行われる動作の一例を更に詳しく説明する。
なお、ここでは、図2を参照して、説明を行う。
同図には、上記図1に示した送信機の構成と概略的には同様な構成を示してあるが、更に、I情報の合成器12とQ情報の合成器13を別個なものとして示してあり、また、等化器4に対してフィードバック制御を行うための加算器21と2乗器22と平均化器23を示してある。また、図2では、遅延器5を配線から構成した場合を示してある。
【0047】
また、図2では、時刻tに対する時間軸上の信号波形の例として、(a)ハードクリップの様子の例や、(b)等化器への入力の様子の例や、(c)ピーク成分抑圧機能部(等化器型リミッタ)からの出力の様子の例を示してある。
【0048】
ここで、それぞれの信号処理系の直交変調器C1〜C4は、直交変調信号のI情報成分を一方の合成器12へ出力し、直交変調信号のQ情報成分を他方の合成器13へ出力する。
一方の合成器12は、4つの信号処理系の直交変調器C1〜C4から入力されるI情報成分を合成し、当該合成結果Isをハードクリップ部2と加算器3と遅延器5へ出力する。
同様に、他方の合成器13は、4つの信号処理系の直交変調器C1〜C4から入力されるQ情報成分を合成し、当該合成結果Qsをハードクリップ部2と加算器3と遅延器5へ出力する。
【0049】
なお、各キャリア信号のベースバンド実数信号をI1及びQ1、I2及びQ2、I3及びQ3、I4及びQ4として、各キャリア信号の中間周波数をω1、ω2、ω3、ω4とすると、直交変調信号のI情報成分の合成結果Isは式2のように表され、直交変調信号のQ情報成分の合成結果Qsは式3のように表される。
【0050】
【数2】
【0051】
【数3】
【0052】
本例のピーク成分抑圧機能部により行われる動作の一例を示す。
ハードクリップ部2は、入力される信号のレベルが所定のレベルを超えた場合に動作し始めてクリッピングを行う。
ここで、クリッピングの方法としては、種々な方法が用いられてもよい。
本例では、クリッピングの方法として、入力される信号のレベルが所定のレベル(閾値)を超えた場合には全て同一の値(一定のレベル)として出力する処理を行う。
【0053】
図2中の(a)には、ハードクリップ部2により行われるハードクリップの様子の一例を示してある。
図示されるように、入力される信号波形のうちで、所定の閾値を超えるレベルの成分が切り取られたような信号波形がハードクリップの結果として出力される。
【0054】
なお、図2中の(a)では、I情報成分Isを例として信号波形の時間的変化を示してあるが、実際にはQ情報成分Qsについても同様にクリッピングが行われる。そして、Is−Qsのベクトル平面で見ると、図示されるように、I情報成分IsとQ情報成分Qsとのレベルの比はクリッピングの前後で不変であり、クリッピングにより(Is、Qs)ベクトルの大きさが縮減させられる。
【0055】
また、クリッピングの方法の他の例として、非線形関数を使用する方法を用いることも可能である。
図3には、非線形関数の一例を示してある。同図において、横軸は入力信号のレベルを示しており、縦軸は出力信号のレベルを示している。
このような非線形関数を使用すると、例えば、入力信号のレベルに応じて出力信号のレベルが変化するようなクリッピング結果を得ることができ、具体的には、図2中の(b)においてクリッピングにより一部の成分が切り取られて残る波形部分が或る程度高いレベル側へ膨らんだような信号波形がクリッピング結果として得られる。
【0056】
加算器3は、デジタル変調部1からの出力である合成器12、13から入力される信号(主信号)から、ハードクリップ部2から出力される信号を差し引く。
ここで、図2中の(b)には、加算器3から出力されて等化器4に入力される信号の一例を示してある。
図示されるように、等化器4への入力信号は、主信号のピーク成分の部分だけが抜き出されたような信号となる。なお、ここでは、I情報成分Isについてのみ図示したが、Q情報成分Qsについても同様な処理が為される。
【0057】
図4には、本例の等化器4として用いられるトランスバーサルフィルタの構成例を示してある。なお、一般に、等化器としては、本例のようなトランスバーサルフィルタの構成が用いられる。
本例の等化器(トランスバーサルフィルタ)4は、複数であるn個の遅延素子D(1)〜D(n)と、n個の乗算器E(1)〜E(n)と、1個の合成器31から構成されている。
【0058】
そして、本例の等化器(トランスバーサルフィルタ)4では、入力される信号が直列に並べられたn個の遅延素子D(1)〜D(n)に順次入力されていき、各遅延素子D(1)〜D(n)からの出力と各タップ係数(重み付け係数)1〜nとが各乗算器E(1)〜E(n)により乗算され、これらn個の乗算結果が合成器31により合成され、当該合成結果が等化結果(フィルタリング結果)として出力される。
【0059】
ここで、本例のようなトランスバーサルフィルタは、時間領域で動作するフィルタであるため、そのタップ係数を操作することにより、種々な特性を有するフィルタが実現される。
また、トランスバーサルフィルタのタップ数としては、例えば、システムで要求される仕様により異なる。
【0060】
また、複素信号に対応する場合には、上記図4に示したようなトランスバーサルフィルタにおいて、各実数乗算器E(1)〜E(n)をそれぞれ複素乗算器へ変更し、また、I情報成分とQ情報成分を遅延させるために、遅延素子D(1)〜D(n)が2倍の数(2n個)必要となり、また、タップ係数として複素タップ係数を用いる。
【0061】
図5には、複素信号に対応した本例の等化器(トランスバーサルフィルタ)4へ与えるタップ係数の一例として、(a)I情報成分のタップ係数(I相係数)と、(b)Q情報成分のタップ係数(Q相係数)を示してある。
同図に示したタップ係数は、インパルス応答を表しており、トランスバーサルフィルタにインパルスを入力した時の出力を表している。インパルスは、或る時間にのみ信号が存在して他の時間には信号のレベルがゼロ(0)である状態を示す。つまり、1つの入力がある度に、複数ポイントの信号が出力されて、鈍った波形となる。
【0062】
上記のように、等化器4からの出力は、急峻に変動する部分が鈍った波形となる。
加算器6は、デジタル変調部1からの出力である合成器12、13から遅延器5を介して入力される信号(主信号)から、等化器4から入力される等化されたピーク成分部分を差し引く。
【0063】
図2中の(c)には、加算器6からD/A変換器7へ出力される信号の一例を示してある。なお、ここでは、I情報成分Isについてのみ図示したが、Q情報成分Qsについても同様な処理が為される。
図示されるように、等化器4では、図2中の(b)に示した信号波形において、ゼロ(0)から急峻に立ちあがる部分は、当該等化器4の動作により鈍る。そして、等化器4からの出力の波形が主信号の波形から減じられて、ピーク成分の抑圧が完了する。
【0064】
なお、ピーク成分の抑圧という点では、例えば、ピーク成分部分が主信号からハードクリップされた状態を用いるのが最適であると考えることもできるが、これでは、急峻な変化が生じる(つまり、不連続となる)ピーク成分の抑圧開始点及び抑圧終了点で、スペクトラムが大きく膨らみ、大概の無線送信規格を満たさなくなってしまう。このため、本例では、ピーク成分の抑圧を行いつつ、スペクトルの膨らみを最小限にすることが、等化器4により実現されている。
【0065】
また、図2に示した構成例では、等化器4についてフィードバック制御が行われている。
具体的には、ハードクリップ部2からの出力及び加算器6からの出力が加算器21に入力され、加算器21では、これら2つの出力の加算により、加算器6からの出力からハードクリップ部2からの出力を減算し、当該減算結果を2乗器22へ出力する。当該減算結果は、例えば、クリッピングにより切り取られたピーク成分部分と、等化器4により等化されたピーク成分部分との差分に相当する。
【0066】
2乗器22は、加算器21から入力される信号のレベルの絶対値を2乗して、当該2乗結果を平均化器23へ出力する。
平均化器23は、2乗器22から入力される値を時間的に平均化し、例えば、当該平均化結果が最小となるように、等化器4の各タップ係数を更新する。これにより、フィードバック制御が実現される。
【0067】
ここで、等化器は、本来、学習を行い、そのタップ係数を決定する。
本発明では、等化器の学習方法としては、特に限定はなく、いずれの学習方法が用いられても基本的には良く、例えば、システムとして最適なタップ係数になれば良い。また、事前に求めたタップ係数を設定するような場合には、実際の運用中には、事前に求めたタップ係数から変更する必要は無い。
【0068】
図2の構成例では、学習方法の一例として、最小2乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Square Error)を用いた場合を示してある。
本例の方法では、希望する形から、現在のタップ係数による実波形を引き算し、当該引き算の結果の2乗誤差が最小になるように学習する。なお、実際には、最終的な波形は希望する形とはならないが、例えば、2乗誤差が最小となればよいとする。
【0069】
また、図示はしていないが、例えば、帯域外輻射(上記図7の例では、周波数が20MHz〜高い領域への漏れ込み)を重点的に抑えたいような場合には、帯域外輻射量をMMSEアルゴリズムの二乗誤差に、重みを付けて足し込むようなアルゴリズムを用いることが可能である。なお、このような場合にも、実運用時には、学習の必要性は必ずしも無く、事前に求まったタップ係数を用いて運用することも可能である。
【0070】
本例のピーク成分抑圧機能部により行われる処理を、具体的な数値を用いて、説明する。
まず、送信対象となる信号S(t)が、ピーク成分の部分Sp(t)と、ハードクリップにより得られる成分部分Sclip(t)とに分解されるとすると、式4が成り立つ。
【0071】
【数4】
【0072】
また、等化器4のタップ係数に基づく当該等化器4からの出力をEQ1(Sp(t))とすると、加算器6から出力されるピーク成分抑圧結果SR1(t)は式5のように表される。
【0073】
【数5】
【0074】
以上のように、本例の送信機では、N個の搬送波周波数を使用する無線通信装置において、N個の搬送波に対するデジタル変調機能を有するデジタル変調部C1〜CNと、当該デジタル変調部C1〜CNからの出力に対して指定されたレベルより信号振幅が大きい部分を抑圧するハードクリップ部2と、当該ハードクリップ部2からの出力をデジタル変調部C1〜CNからの出力から引き算する加算器3と、当該加算器3からの出力に対して等化処理を行う等化器4と、ハードクリップ部2と加算器3と等化器4の処理遅延を吸収する遅延器5と、当該遅延器5からの出力から等化器4からの出力を減算する加算器6と、当該加算器6からの出力をD/A変換するD/A変換器7などを備え、送信対象となる信号に含まれるピーク成分部分を抑圧する。
なお、Nは、例えば、1以上の自然数である。本例では、N=4である場合を示した。
【0075】
従って、本例の送信機では、リミッタ回路により送信対象となる信号に含まれるピーク成分部分が抑圧されることにより、例えば、線形変調方式を用いた無線通信装置などにおいて、送信電力増幅器の負荷を軽減することができ、システムとして低電力化が可能である。また、等化器4の特性を利用したリミッタ回路を用いることにより、良好なピーク成分抑圧を実現することができる。
【0076】
具体的には、本例の送信機では、例えば、従来と比べて、ピーク成分の抑圧量を大幅に向上させることができ、この結果として送信機の消費電力を低減することができ、これにより、電源設備などが低額なインフラ設備を供給することを可能とすることができる。
【0077】
なお、本例の送信機では、直交変調器C1〜C4の機能によりデジタル変調手段(本例では、直交変調手段)が構成されており、合成器11(合成器12、13)の機能によりデジタル変調結果合成手段(本例では、直交変調結果合成手段)が構成されており、ハードクリップ部2や加算器3や等化器4や遅延器5や加算器6の機能によりピーク成分抑圧手段が構成されている。
また、本例の送信機では、ハードクリップ部2の機能により成分除去手段が構成されており、加算器3の機能により第1の減算手段が構成されており、等化器4の機能により等化手段が構成されており、加算器6の機能により第2の減算手段が構成されている。
【0078】
本発明の第2実施例に係る送信機を説明する。
図6には、本例の送信機の構成例を示してある。
本例の送信機には、デジタル変調部1と、ハードクリップ部41と、加算器42と、等化器43と、加算器44と、D/A変換器7が備えられている。
【0079】
ここで、本例の送信機の構成や動作は、例えば、ピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)41〜44の構成や動作を除いては、上記第1実施例の図1や図2に示した送信機の構成や動作と同様である。本例では、上記第1実施例の図1や図2に示したのと同様な構成部分1、7については、同一の符号を付してあり、詳しい説明を省略する。
【0080】
デジタル変調部1の後段に備えられたピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)により行われる動作の一例を示す。
ハードクリップ部41は、伝送しようとする信号である合成器11から入力されるI情報及びQ情報のピーク成分部分を強制的に抑圧し、当該抑圧結果を加算器42と加算器44へ出力する。
【0081】
加算器42は、合成器11から入力される信号からハードクリップ部41から入力される信号が減算されるように、これら2つの信号を加算し、当該加算結果(ピーク成分部分)を等化器43へ出力する。
等化器43は、加算器42から入力される信号を等化し、当該等化結果(等化されたピーク成分部分)を加算器44へ出力する。
【0082】
加算器44は、ハードクリップ部41から入力される信号と等化器43から入力される信号とを加算し、当該加算結果をD/A変換器7へ出力する。当該出力は、ピーク成分部分が抑圧された主信号と等化されたピーク成分部分との加算結果に相当する。
【0083】
図6中の(a)には、加算器44からD/A変換器7へ出力される信号の一例を示してある。なお、ここでは、I情報成分Isについてのみ図示したが、Q情報成分Qsについても同様な処理が為される。
図示されるように、等化器43では、ゼロ(0)から急峻に立ちあがる部分は、当該等化器43の動作により鈍る。そして、等化器43からの出力の波形がハードクリップ部41からの出力の波形に加えられて、ピーク成分の抑圧が完了する。
【0084】
このように、上記第1実施例に係る送信機では、送信対象となる信号からピーク成分部分の等化信号を引き算して消すことにより、ピーク抑圧を行ったのに対して、本例の送信機では、ハードリミッタ部41により切りすぎた信号成分を等化器43からの出力により補うことにより、ピーク抑圧が行われる。いずれの構成においても、等化器を用いてピーク抑圧を実施するが、その実現方法に若干の違いがある。なお、等化器43の学習方法としては、例えば、上記第1実施例の場合と同様な方法が用いられる。
【0085】
本例のピーク成分抑圧機能部により行われる処理を、具体的な数値を用いて、説明する。
まず、送信対象となる信号S(t)が、ピーク成分の部分Sp(t)と、ハードクリップにより得られる成分部分Sclip(t)とに分解されるとすると、上記式4が成り立つ。
【0086】
また、等化器43のタップ係数に基づく当該等化器43からの出力をEQ2(Sp(t))とすると、加算器44から出力されるピーク成分抑圧結果SR2(t)は式6のように表される。
【0087】
【数6】
【0088】
ここで、本例の等化器43におけるタップ係数は、例えば、上記第1実施例の図1や図2に示される等化器4におけるタップ係数とは異なる値が用いられる。本例の式6と上記第1実施例の式4とを比較すると、例えば、EQ1(Sp(t))が収束したタップ係数がEQ2(Sp(t))の反転相当となり、且つ、Sp(t)成分を含む場合には、同一となる。
【0089】
なお、アルゴリズムに不完全性がある場合や、収束に時間がかかる場合や、最適解にいたるまでに極点がある場合には、収束タップ係数が異なることになるため、本例のピーク抑圧処理と上記第1実施例のピーク抑圧処理とでは結果が異なることになる。この場合には、本例のピーク抑圧処理と上記第1実施例のピーク抑圧処理とで、ピーク抑圧性能若しくは帯域外漏洩電力抑圧性能に差が出ることがあるが、例えばシステムの仕様などに応じて、このような性能の差があるいずれの構成を用いるかが選択されればよい。
【0090】
以上のように、本例の送信機では、N個の搬送波周波数を使用する無線通信装置において、N個の搬送波に対するデジタル変調機能を有するデジタル変調部C1〜CNと、当該デジタル変調部C1〜CNからの出力に対して指定されたレベルより信号振幅が大きい部分を抑圧するハードクリップ部41と、当該ハードクリップ部41からの出力をデジタル変調部C1〜CNからの出力から引き算する加算器42と、当該加算器42からの出力に対して等化処理を行う等化器43と、ハードクリップ部41からの出力と等化器43からの出力とを加算する加算器44と、当該加算器44からの出力をD/A変換するD/A変換器7などを備え、送信対象となる信号に含まれるピーク成分部分を抑圧する。
なお、Nは、例えば、1以上の自然数である。本例では、N=4である場合を示した。
【0091】
従って、本例の送信機では、リミッタ回路により送信対象となる信号に含まれるピーク成分部分が抑圧されることにより、例えば、線形変調方式を用いた無線通信装置などにおいて、送信電力増幅器の負荷を軽減することができ、システムとして低電力化が可能である。また、等化器43の特性を利用したリミッタ回路を用いることにより、良好なピーク成分抑圧を実現することができる。
【0092】
具体的には、本例の送信機では、例えば、従来と比べて、ピーク成分の抑圧量を大幅に向上させることができ、この結果として送信機の消費電力を低減することができ、これにより、電源設備などが低額なインフラ設備を供給することを可能とすることができる。
【0093】
なお、本例の送信機では、直交変調器C1〜C4の機能によりデジタル変調手段(本例では、直交変調手段)が構成されており、合成器11の機能によりデジタル変調結果合成手段(本例では、直交変調結果合成手段)が構成されており、ハードクリップ部41や加算器42や等化器43や加算器44の機能によりピーク成分抑圧手段が構成されている。
また、本例の送信機では、ハードクリップ部41の機能により成分除去手段が構成されており、加算器42の機能により減算手段が構成されており、等化器43の機能により等化手段が構成されており、加算器44の機能により加算手段が構成されている。
【0094】
第3実施例に係る送信機を説明する。
本例の送信機は、例えば、上記第1実施例や上記第2実施例で示したのと同様な構成を有しており同様な動作を行い、本例では、CDMA基地局装置に設けられている。
【0095】
CDMA方式を用いた無線通信では、通常、1キャリア当たりの収容ユーザ数が多いため、ピークファクタが上昇する。このため、本例の送信機のようにリミッタの回路規模が小さくリミッタが適切に動作するものを適用することにより、ピークファクタを小さく抑えることができ、電力効率が高い送信増幅器の利用を実現することを可能とすることができる。
【0096】
また、本例の送信機では、瞬間的ではあるが、等化器4、43により非線形処理が行われるが、受信機側において逆拡散操作(CDMA方式に特有な積分処理)を行うCDMAシステムでは、当該非線形処理の影響は現れない。このため、本例のような等化器型リミッタは、特に、CDMAシステムに最適なものである。
【0097】
以上のように、本例では、本例の送信機をCDMA方式の基地局装置に適用することにより、例えば、基地局装置の小型軽量化や基地局装置の単価の低減を実現することができ、これにより、セルラー電話網などにおいて、小型軽量化を実現することや、インフラ整備費を低減して、ユーザが分担して負担する費用を軽減することができる。
【0098】
第4実施例に係る送信機を説明する。
本例の送信機は、例えば、上記第1実施例や上記第2実施例で示したのと同様な構成を有しており同様な動作を行い、本例では、送信増幅器として電力増幅器(PA)を有するカード(PAカード)に設けられる。
【0099】
実際のシステムの運用時では、基地局装置の本体と送信機(PAカード)とを分離させて運用する形態もあり得る。このような形態では、例えば、PAカードからアンテナまでの距離が削減されるため、ロスが少ない。つまり、PAカードの電力増幅器(PA)にかかる負荷が軽減され、より効率が良い送信増幅を実施することが可能となる。
【0100】
電力増幅器の効率が良くなることは、消費電力が少なくなることに相当する。
一例として、効率が10%である電力増幅器では、20Wの出力を得るためには、消費電力=20W/0.1−20W=180Wを熱変換して捨てている。例えば、この効率が向上して、12%になった場合には、消費電力=20W/0.12−20W=約146.7Wとなり、30W以上の消費電力低減となる。
【0101】
ここで、30Wの電力を熱変換して放熱するための放熱板の面積や重量を考えると、どんなに少なく見積もっても、10%以上の低減効果を得ることができる。
また、一般に、基地局装置では、セクタ構成と呼ばれる構成として、複数の送信増幅器(例えば、複数のPAカード)を有する構成となっている。一例として、6セクタ構成では、6×30W=180Wに相当する消費電力を低減することが可能である。この場合には、例えば、消費電力の問題と共に、熱の問題も同時に低減されることとなる。
【0102】
以上のように、本例では、本例の送信機の構成(リミッタの構成)を、電力増幅器を具備する装置に搭載することにより、電力増幅器の効率を向上させることができ、例えば、インフラ設備投資への大きな寄与となる。また、例えば、上記第3実施例で示したようにCDMA方式に適用する場合には、更に効果的なセルラー電話網の構築が可能となる。
【0103】
一例として、本例の送信機の構成(リミッタの構成)を、CDMA方式における基地局装置の共通増幅器に適用することにより、小型軽量のインフラ整備費を実現することができ、結果的に、ユーザが分担して負担するインフラ設備費を軽減することなどが可能となる。
【0104】
ここで、本発明に係る送信機やピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
【0105】
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。なお、本発明に係る技術思想は、例えば、直交変調以外の種々な変調を行うものに適用することも可能であり、また、例えば、時間に応じてレベルが変化するような1つの信号(例えば、1つのキャリア信号)のみを処理(例えば、送信)するようなものに適用することも可能である。
【0106】
また、本発明に係る送信機やピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る送信機によると、互いに異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を送信する構成において、それぞれのキャリア信号毎にデジタル変調を行い、これにより得られるデジタル変調結果を複数のキャリア信号について合成し、例えばデジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分部分を等化して当該等化結果を用いて、当該デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分を抑圧するようにしたため、送信対象となる信号(送信信号)に含まれるピーク成分を適切に抑圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る送信機の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るピーク成分抑圧機能部(リミッタ回路部)により行われる動作の一例を説明するための図である。
【図3】非線形関数の一例を示す図である。
【図4】トランスバーサルフィルタにより構成される等化器の構成例を示す図である。
【図5】等化器へ与えるタップ係数の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る送信機の構成例を示す図である。
【図7】マルチキャリア変調信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1・・デジタル変調部、 2、41・・ハードクリップ部、
3、6、21、42、44・・加算器、 4、43・・等化器、
5・・遅延器、 7・・D/A変換器、 A1〜A4・・リミッタ、
B1〜B4・・フィルタ、 C1〜C4・・直交変調器、
11、12、13、31・・合成器、 22・・2乗器、 23・・平均化器、
D(1)〜D(n)・・遅延素子、 E(1)〜E(n)・・乗算器、
Claims (3)
- 互いに異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を送信する送信機において、
それぞれのキャリア信号毎にデジタル変調を行うデジタル変調手段と、
デジタル変調手段により得られるデジタル変調結果を複数のキャリア信号について合成するデジタル変調結果合成手段と、
デジタル変調結果合成手段により得られるデジタル変調結果合成結果に基づいて当該デジタル変調結果合成結果に含まれるピーク成分を抑圧するピーク成分抑圧手段と、
を備えたことを特徴とする送信機。 - 請求項1に記載の送信機において、
ピーク成分抑圧手段は、デジタル変調結果合成結果に基づいて当該デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分又は所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する成分除去手段と、
デジタル変調結果合成結果から成分除去手段により得られる成分除去結果を減算する第1の減算手段と、
第1の減算手段により得られる減算結果を等化する等化手段と、
デジタル変調結果合成結果から等化手段により得られる等化結果を減算する第2の減算手段と、を用いて構成され、
第2の減算手段により得られる減算結果を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする、
ことを特徴とする送信機。 - 請求項1に記載の送信機において、
ピーク成分抑圧手段は、デジタル変調結果合成結果に基づいて当該デジタル変調結果合成結果に含まれる所定の閾値を超えるレベルの成分又は所定の閾値以上となるレベルの成分を除去する成分除去手段と、
デジタル変調結果合成結果から成分除去手段により得られる成分除去結果を減算する減算手段と、
減算手段により得られる減算結果を等化する等化手段と、
成分除去手段により得られる成分除去結果と等化手段により得られる等化結果とを加算する加算手段と、を用いて構成され、
加算手段により得られる加算結果を、ピーク成分を抑圧したデジタル変調結果合成結果とする、
ことを特徴とする送信機。
Priority Applications (1)
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-
2003
- 2003-04-16 JP JP2003111367A patent/JP2004320432A/ja active Pending
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