JP2004320382A - Lan電話システム - Google Patents
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Abstract
【課題】IPマルチキャストによる送受信時のLAN電話システムにおけるサービスの低下を防ぐ。
【解決手段】LANに設置された複数のLAN電話機200と、LAN電話機を内線として制御するPBX100とを有するLAN電話システムであって、外部音源装置300から提供される不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや、保留音などに利用される音楽またはLAN電話機から利用者の声による一斉呼び出し/会議など、同一の音源から発信する音声情報を、予め試験によって得られるLAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルに応じてIPマルチキャストパケットまたはパケット制御装置から分配されるユニキャストパケットにより複数のLAN電話機に同時に受信させる。
【選択図】 図1
【解決手段】LANに設置された複数のLAN電話機200と、LAN電話機を内線として制御するPBX100とを有するLAN電話システムであって、外部音源装置300から提供される不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや、保留音などに利用される音楽またはLAN電話機から利用者の声による一斉呼び出し/会議など、同一の音源から発信する音声情報を、予め試験によって得られるLAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルに応じてIPマルチキャストパケットまたはパケット制御装置から分配されるユニキャストパケットにより複数のLAN電話機に同時に受信させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、TCP/IPネットワークに接続されるLAN電話機と、LAN電話機を内線として管理、制御するPBXを有するLAN電話システム、特に、同一の音源から提供されるトーンやアナウンス等の音声情報をLAN電話機に送信するのに好適なLAN電話システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、TCP/IPネットワークに接続されるLAN電話機をPBXが内線として管理、制御するLAN電話システムが知られている(従来技術1。例えば、特許文献1参照)。この技術は、交換機のCPUがLAN電話機端末との呼制御を直接行うことにより、ライン回線に直接接続する通常の端末に対する交換機の処理動作と同じように、LAN回線に接続するLAN電話機端末との接続動作を可能にしている。
【0003】
このため、LAN電話機のIPアドレスと対応付ける番号展開テーブルと、音声変換回線番号毎の呼者接続情報,被呼者接続情報,接続状態および通話開始時刻の情報とをPBX内のメモリに記憶しておく。発呼者または被呼者がLAN電話機である場合は、LAN回線を介して音声接続するよう、該当LAN電話機のIPアドレス情報を含む呼制御パケットを送信し音声接続する。このとき使用されるIPアドレスはLAN電話機のIPアドレスであり、ユニキャストによって音声情報が伝達される。
【0004】
また、インターネット上でマルチキャストによって音声情報を伝達する技術も周知であるが、現在、インターネットの大部分の送信ホスト,受信ホストおよびルータでは、IPマルチキャスト通信方法をサポートしていない。そこで、この課題を解決するため、IPマルチキャストをサポートしていない受信ホストが、IPマルチキャストデータグラムを受信可能とした技術が提案されている(従来技術2。例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この技術は、図14に示すように、IPマルチキャストをサポートしていない複数の受信ホストが、送信ホストからのメッセージの受信を要求する場合、マルチキャストゲートウェイが送信ホストから送信されるIPマルチキャストデータグラムをIPユニキャストデータグラムとして個別に受信ホストに送信するようにしたものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−331371号公報(第1−第10頁、図2)
【特許文献2】
特開平10−242962号公報(第1−第8頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術1では、メッセージを複数のLAN電話機へ同報する場合にユニキャストによって音声情報を伝達するため、音声情報を受信するLAN電話機の数を制限する必要があるという第1の問題点がある。その理由は、同一の音声情報を受信するLAN電話機が増加するに従い、セッションを確立し1対1のユニキャスト通信を行う必要があるため、同時接続数に比例して、送信側でのセッション数,送信パケット量またはルータでのパケット中継処理が増加するので、同時接続数は送信側もしくはルータでの処理の限界値に合わせる必要があるためである。
【0008】
また、従来技術2では、IPマルチキャストをサポートしていない受信ホストは、マルチキャストゲートウェイによってマルチキャストデータグラムをユニキャストデータグラムに変換して個別にデータを受信しているが、このような仕様は独自プロトコルの実装を要するため、サービスを実施するには、マルチキャスト・ルータおよび受信ホストにプログラムの変更等の処置が必要になるという第1の問題点がある。
【0009】
更に、パケットの伝送にUDP(User Datagram Protocol)を使用しているため、パケットの欠落に対する保証がなく、IPマルチキャストでの音声伝達の信頼性が低いという第2の問題点がある。
【0010】
この第2の問題点を回避しようとしても、音声情報の伝達にIPマルチキャストが最適かどうかをPBXが知る手段が提案されていない。音声情報をIPマルチキャストで送受信が可能か不可能かは、ネットワークの構成、または端末の変更により時間の経過とともに変化する。したがって、当初に保守者からIPマルチキャスト対応のデータの登録があっても、ルータや端末の変更時などにPBXに通知されない場合は、システムとして最適でない可能性が出てくるのである。
【0011】
本発明の目的は、IPマルチキャストによる送受信時のLAN電話システムにおけるサービスの低下を防ぐことのできるLAN電話システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のLAN電話システムは、LAN(ローカルエリアネットワーク)に設置された複数のLAN電話機と、LAN電話機を内線として制御するPBX(構内交換機)とを有するLAN電話システムであって、外部音源装置から提供される不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや、保留音などに利用される音楽またはLAN電話機から利用者(ユーザ)の声による一斉呼び出し/会議など、同一の音源から発信する音声情報を、予め試験によって得られるLAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルに応じてIPマルチキャストパケットまたはパケット制御装置から分配されるユニキャストパケットにより複数のLAN電話機に同時に受信させることを特徴とする。
【0013】
不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや、保留音などに利用される音楽をIPマルチキャストの未サポートのLAN電話機が受信する必要がある場合には、PBX内部に設ける音声種別管理テーブルによって、第2の音源から音声情報の送信を実施する。
【0014】
LAN電話機と、LAN電話機およびトーンまたはアナウンスの音源となる外部音源装置が配置されるネットワークを制御するルータは、IPマルチキャストを行うプロトコルであるIGMP(Internet Group Management Protocol:RFC1112),IGMP2(Internet Group Management Protocol version 2:RFC 2236)を実装している。
【0015】
PBXは、音声種別毎に、音源情報(IPマルチキャスト使用/不使用の情報を含む),音声種別管理テーブル,音声情報の発信元,IPマルチキャストパケットの宛先であるIPアドレス,パケットの伝達される範囲を示すTTL(Time to Live:生存時間)および音声情報を受信しているLAN電話機の数を示す接続数を記憶する端末状態管理テーブルと、PBXに所属するLAN電話機毎にその状態情報を記憶するための呼制御管理テーブルとを保持する。
【0016】
LAN電話機は、IPマルチキャスト対応レベル(サポート、未サポートの別を含む)をPBXから指示されたIPマルチキャスト試験を元に判定し、判定結果をPBXに通知する。PBXは、この通知された情報をが自メモリ内にある端末状態管理テーブルに保持し、トーンやアナウンスまたはLAN電話機からの音声一斉呼び出しなどで、音声情報を伝達する際に端末状態管理テーブルに保持されているIPマルチキャスト対応レベルによって音声情報の接続形態を決定する。
【0017】
同一音源からの音声情報をIPマルチキャストにより伝達する場合、LAN電話機の種類、配置されるネットワークによっては、IPマルチキャストパケットを受信できないことがある。例えば、受信側のLAN電話がIPマルチキャストのプロトコルであるIGMP(Internet Group Management Protocol:RFC1112),IGMP2(Internet Group Management Protocol version 2:RFC 2236)に対応していなかったり、LAN電話機がIPマルチキャストのプロトコルに対応していても、ルータやスイッチ・ハブなどIPマルチキャストパケットを中継する全てのネットワーク機器がIPマルチキャストのルーティングプロトコルをサポートしていない場合である。
【0018】
本発明では、LAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルを試験によって予め採取し記憶しておくことによって、IPマルチキャストに対応できるのであればIPマルチキャスト、上述のようにIPマルチキャストに対応できない場合には、別手段または第2の音源によって音声情報を伝達し、これによりLAN電話システムにおけるサービスの低下を防ぐのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[実施例の構成]
図1は本発明のLAN電話システムの一実施例を示す構成図である。この実施例では、3つのルータ500と2つのゲートウェイ600で結ばれたネットワーク上に、PBX100と、9つのLAN電話機200−1〜200−9と、不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや保留音などに利用される音楽を送信する外部音源装置300と、IPマルチキャストパケットからユニキャストパケットの変換および複数のLAN電話機に対してパケットを分配するパケット制御装置400が配されている。LAN電話機200−1〜200−9はLAN電話機200と総称する。LAN電話機200それぞれは、PBX100の内線として使用されるものとする。
【0021】
PBX100は、LAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400が利用者(ユーザ)によるイベントを通知する呼制御パケットを受信する手段と、LAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400に音声情報の送信,受信の指示や状態の変更を通知する呼制御パケットを送信する手段とを備えている。
【0022】
また、PBX100は、LAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルの情報と、音声種別対応にIPマルチキャストが受信できない場合の代理手段となる第2の音源の情報とを記憶し、IPマルチキャスト対応レベルに応じて、IPマルチキャストパケットまたはパケット制御装置から分配されるユニキャストパケットまたは第2の音源からの音声のいずれかを受信するように決定する。
【0023】
また、PBX100は、音声種別毎に、音源情報(IPマルチキャスト使用/不使用の情報を含む),音声種別管理テーブルと、音声情報の発信元,IPマルチキャストパケットの宛先であるIPアドレス,パケットの伝達される範囲を示すTTL(Time to Live:生存時間)および音声情報を受信しているLAN電話機の数を示す接続数を記憶する端末状態管理テーブルと、PBXに所属するLAN電話機毎に、その状態情報を記憶するための呼制御管理テーブルとを保持する。
【0024】
図2は、図1の実施例におけるPBX100の内部構成を示すブロック図である。PBX100は、プログラム制御によりLAN電話機200の呼状態を制御するCPU101と、CPU101が使用するメモリ102と、呼制御メッセージを通信するためのLANインタフェース103とから構成されている。メモリ102は、後述の音声種別管理テーブル(図6)および端末状態管理テーブル(図7)を記憶する。
【0025】
LAN電話機200は、PBX100が指示する呼制御パケットを受信する手段と、LAN電話機200からのイベントを送信する手段とを備え、PBX100の指示によりIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットで音声情報を送信または受信する。
【0026】
図3は、図1の実施例におけるLAN電話機200の内部構造を示すブロック図である。LAN電話機200は、マイク206と、スピーカ205と、マイク206およびスピーカ205を接続し音声から音声パケットの生成または音声パケットから音声の再生を実施する音声制御回路204と、PBX100からの呼制御コマンドの受信や音声パケットの送受信を中継するLANインタフェース203と、音声制御回路204およびLANインタフェース203を制御するCPU201と、CPU201が使用するメモリ202とから構成されている。
【0027】
外部音源装置300は、PBX100から指示される呼制御パケットを受信する手段を備え、PBX100から音声情報の送信を指示する呼制御パケットを受信すると、指示された音声情報を指定されている宛先に対してIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットを送信する。
【0028】
図4は、図1の実施例における外部音源装置300の内部構成を示すブロック図である。外部音源装置300は、2つの外部音源306,307から音声を取り込むための外部音声インタフェース305と、取り込んだ音声を音声パケットに変換する音声制御回路304と、変換された音声パケットを一時的に蓄えるメモリ302と、LAN電話機200の要求により音声パケットをLANへ送信するLANインタフェース303と、外部音声インタフェース305,音声制御回路304およびLANインタフェース303を制御するCPU301とから構成されている。
【0029】
パケット制御装置400は、PBX100からの呼制御パケットを受信する手段を備え、PBX100から指定される音声パケットをIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットを受信し、宛先を変更して送信する。
【0030】
図5は、図1の実施例におけるパケット制御装置400の内部構成を示すブロック図である。パケット制御装置400は、音声情報およびPBX100からの呼制御パケットを送受信するLANインタフェース402と、LANインタフェース402を制御するCPU401と、CPU401が使用するメモリ402とから構成されている。
【0031】
ネットワークを制御するルータ500は、IPマルチキャストを行うプロトコルであるIGMP(Internet Group Management Protocol:RFC1112),IGMP2(Internet Group Management Protocol version 2:RFC 2236)を実装している。
【0032】
図6は、PBX100のメモリ102が記憶する音声種別管理テーブルの内容を例示する。音声種別管理テーブルには、LAN電話機200が聴取する音声の種別ごとに、その音声の音源を示す音源情報,音源から発信される音声情報がIPマルチキャストであった場合に使用するIPマルチキャストアドレス,IPマルチキャストパケットが到達する範囲を決定するTTL(Time To Live),LAN電話機200の通信中の数を示す接続数およびIPマルチキャストが使用できなかった場合に代理手段となる第2の音源情報が表示されている。これらの各情報は予め保守者によって音声種別管理テーブルに設定されているものとする。なお、IPマルチキャストアドレスは、具体的には特定のマルチキャストグループ(IPマルチキャストの対象となる端末グループ)に対して付与されたアドレスである。
【0033】
音声種別には、“IPマルチキャスト試験”,“発信音”,“話中音”,“呼出音”,“規制音”,“保留音”,“着信音”,“不在案内”および“話中案内”が含まれる。「音声種別」“マルチキャスト試験”の音源情報は“パケット制御装置”、「音声種別」“発信音”,“話中音”,“規制音”および“着信音”の音源情報は“端末内蔵音源”、「音声種別」“呼出音”,“保留音”,“不在案内”および“話中案内”の音源情報は“外部音源装置”をそれぞれ示す。
【0034】
音源情報“パケット制御装置”および“外部音源装置”にはIPマルチキャストアドレス,TTLおよび接続数が付される。また、音源情報“呼出音”および“保留音”に対する第2の音源情報は“端末内蔵音源”、音源情報“不在案内”および“話中案内”に対する第2の音源情報は“パケット制御装置”を経由することをそれぞれ示す。
【0035】
図7は、PBX100のメモリ102が記憶する端末状態管理テーブルの内容を例示する。端末状態管理テーブルには、各LAN電話機200−1〜200−9,外部音源装置300およびパケット制御装置400それぞれの状態が表示される。LAN電話機200の状態は、LAN通信を行うのに必要な自己のIPアドレス,IPマルチキャストの受信レベル,IPマルチキャストの送信レベル,呼状態,送話先および受話元について表示され、外部音源装置300およびパケット制御装置400の状態は、IPアドレス,受信レベルおよび送信レベルについて表示される。
【0036】
呼状態は、LAN電話機200が空き,通話中,初期設定中,呼出音送出中,保留音送出中,着信音送出または送信音送出中のいずれであるかを示す。初期設定については後述する。送話先は、呼状態が通話中のときの内線番号、または端末状態が初期設定中のときのIPマルチキャストアドレスを示す。また、受話先は、呼状態が通話中のときの内線番号(送話先の内線番号と同一)、または端末状態が呼出音送出中か保留音送出中のときのIPマルチキャストアドレスを示す。
【0037】
図8は、図7におけるIPマルチキャストレベルの内容を示す。図8における受信レベルとは、LAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400がIPマルチキャストを受信する機能のレベルをいう。受信レベル“0”はLAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400が受信についてマルチキャスト未対応、“1”はIGMP(Intenet Group Multicast Protcol)1対応、“2”はIGMP2対応であることを表す。また、図8における送信レベルとは、LAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400がIPマルチキャストを送信する機能のレベルをいう。送信レベル“0”はLAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400が送信についてマルチキャスト未対応、“1”は送信可能であることを表す。
【0038】
図9は、LAN電話機200のメモリ202が記憶する呼制御管理テーブルの内容を例示する。この呼制御管理テーブルは内線初期化情報と呼制御情報を格納している。内線初期化情報は、PBX100のIPアドレスと、PBX100から通知される内線番号から成る。また、呼制御情報は、呼状態と、音声情報の送信先IPアドレスと、音声情報の受信元IPアドレスから成る。PBX100のIPアドレスは、利用者(ユーザ)あるいは保守者により予め設定される。
【0039】
[実施例の動作]
さて、図1のLAN電話機200をPBX100の内線として使用するためには、PBX100に対して、LAN電話機200の立上げと受信レベルおよび送信レベルとを通知する必要がある。図10にLAN電話機200の電源をONしてからPBX100の内線として使用可能状態となるまでのシーケンスを示す。以下、LAN電話機200の初期設定と、PBX100がLAN電話機200の受信レベルおよび送信レベルを自動収集する手順について図10を参照して詳細に説明する。
【0040】
LAN電話機200が電源ONによりリセットされると、TCP/IPベースのネットワークに接続するホストとして必要なIPアドレス,ネットマスク,デフォルトゲートウェイ等のネットワークパラメータがLAN電話機200のLANインタフェース203に設定される。この設定は、手動もしくは、RFC(Request For Comments)2131に記述されているDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)により行われ、LAN電話機200自身で自己解決されるものとし、これ以上の説明はしない。
【0041】
ネットワークパラメータの設定後、LAN電話機200は呼制御管理テーブル(図9)を参照してPBXのIPアドレスにより、PBX100に対し初期設定要求を送信する(図10のステップA1)。この初期設定要求に対し、PBX100は、端末状態管理テーブル(図7)のLAN電話機200に対する呼状態を“初期設定中”にし、受信レベルおよび送信レベルをそれぞれ未対応を示す“0”に変更すると共に、内線番号を含めた内線情報をLAN電話機200に対して通知する(ステップA2)。
【0042】
内線情報を受信したLAN電話機200は、通知された内線情報を基に呼制御管理テーブル(図9)を初期化し、この初期化が完了するとPBX100に対し初期化完了通知を通知する(ステップA3)。初期化の結果、呼制御管理テーブル(図9)の自内線番号,呼状態,送信先IPアドレスおよび受信元IPアドレスは初期値に設定される。
【0043】
初期化完了通知を受信したPBX100は、LAN電話機200に対してIPマルチキャスト受信試験を実施するために、PBX100の音声種別管理テーブル(図6)から、音声種別“IPマルチキャスト試験”に対応する音源情報“パケット制御装置400”、IPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”と、接続数を読み出す。読み出した接続数が1以上であれば、パケット制御装置400は既に他のLAN電話機200に対応する試験パケットを送信中であるため、LAN電話機200対応のIPマルチキャスト受信試験を開始するに当り接続数をインクリメントするだけでよい。
【0044】
一方、接続数が0であるならば接続数のインクリメントと、パケット制御装置400に対してIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”宛に試験パケットの送信を行うよう指示する(ステップA4)。また、LAN電話機200に対しても、パケット制御装置400が送信するIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”からのIPマルチキャストパケットを受信するように指示する(ステップA6)。
【0045】
試験パケットの送信指示を受信したパケット制御装置400は、直ちに試験パケットをIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”に対して送信を開始する(ステップA5)。また、試験パケットを受信するように指示されたLAN電話機200は、LAN電話機200がサポートするIPマルチキャストのプロトコルのうち、最新のプロトコルを使用して受信試験を開始する。
【0046】
例えば、LAN電話機200がIGMP(Internet Group Multicast Protocol)2をサポートしている場合、IGMP2に従いオール・ホスト・グループ・アドレス“244.0.0.1”に対しIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”へのIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを送信する(ステップA7)。
【0047】
このIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージは、LAN電話機200が属するサブネット内のマルチキャスト・ルータが受信し、パケット制御装置400から送信される試験パケットをLAN電話機102に対して中継する(ステップA8)。LAN電話機200はIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを送信してから一定時間の間に基準値以上の個数の試験パケットを受信できれば、IPマルチキャスト・メンバ離脱メッセージをIPアドレス“244.0.0.2”に送信し(ステップA9)、IPマルチキャストの受信レベルは“2”である旨を告げる試験完了通知をPBX100に送信する(ステップA10)。
【0048】
一方、その時の通信状態によって試験パケットの受信ができなかった場合や、受信数が基準値を超えない場合には、LAN電話機200はIPマルチキャストプロトコルの受信レベルを“1”に下げて、図10のステップA7からの手順を繰り返す。それでも改善されない場合には、IPマルチキャスト・メンバ離脱メッセージをIPアドレス“244.0.0.2”に送信し(ステップA9)、IPマルチキャストの受信レベルは未対応である“0”として試験完了通知をPBX100に送信する(ステップA10)。
【0049】
LAN電話機200から試験完了通知を受信したPBX100は、端末状態管理テーブル(図7)中のLAN電話機200の「呼状態」を“空き”とし、「受信レベル」にIPマルチキャス試験の結果を書き込むと共に、音声種別管理テーブル(図6)の接続数をデクリメントする。その結果、接続数が“0”となればパケット制御装置400に対し試験パケットの送信停止を指示する(ステップA11)。
【0050】
次に、PBX100はLAN電話機200のIPマルチキャスト送信試験を実施するために、LAN電話機200に対して試験パケットを送信するように指示する(ステップA12)。また、パケット制御装置400に対しても試験パケットを受信するように指示する(ステップA13)。
【0051】
試験パケットの送信指示を受信したLAN電話機200は、直ちに試験パケットをIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”に対して送信を開始する(ステップA14)。また、試験パケットを受信するように指示されたパケット制御装置400は、IPマルチキャストプロトコルに従い、オール・ホスト・グループ・アドレス“244.0.0.1”に対しIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを送信する(ステップA15)。
【0052】
このIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージにより、マルチキャスト・ルータはLAN電話機200から送信される試験パケットをパケット制御装置400に対して中継する(ステップA16)。パケット制御装置400はIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを送信してから一定時間の間に基準値以上の個数の試験用IPマルチキャストパケットが受信できれば、IPマルチキャスト・メンバ離脱メッセージを送信し(ステップA17)、IPマルチキャストの送信レベルは送信可である“1”として試験完了通知をPBX100に送信する(ステップA18)。
【0053】
試験パケットの受信ができなかった場合や、受信数が基準値を超えない場合には、図10のステップA15からの手順を1度だけ繰り返す。改善されない場合には、IPマルチキャスト・メンバ離脱メッセージを送信し(ステップA17)、IPマルチキャストの送信レベルは送信不可である“0”である旨を告げる継試験完了通知をPBX100に送信する(ステップA18)。
【0054】
パケット制御装置400から試験完了通知を受信したPBX100は、LAN電話機200に対して試験パケットの送信を停止するよう指示し(ステップA19)、端末状態管理テーブル(図7)中のLAN電話機200の送信レベルにIPマルチキャスト送信試験の結果を書き込み、呼状態を“空き”とし、LAN電話機200の初期設定を完了する。
【0055】
以上に説明したように、IPマルチキャスト対応試験を介してLAN電話機200のIPマルチキャスト対応に必要な情報を自動的に収集するが、この情報が予め判明しているのであれば、IPマルチキャスト対応試験をすることになく、保守者により手動で初期設定することも可能である。
【0056】
また、LAN電話機200が配置されるネットワークは運用中に変更されることがある。そのような場合にもIPマルチキャスト対応の受信レベルおよび送信レベルを最新のデータに保つためには、IPマルチキャスト対応試験を運用中に実施し、データをリフレッシュする必要がある。そのときは、図10のステップA4からステップA19までの手順が実施され、試験結果を端末状態管理テーブル(図7)に上書きする。
【0057】
次に、LAN電話機200がトーンやアナウンスの音声情報をIPマルチキャストで受信する処理について、オフフックから内線通話までのシーケンスを示す図11を用いて詳細に説明する。LAN電話機200−1およびLAN電話機200−2は、既に初期設定を終了し端末状態管理テーブル(図7)の呼状態は“空き”の状態になっているものとする。この状態において、LAN電話機200−1がオフフックすると、LAN電話機200−1からPBX100に対しオフフックを通知する呼制御パケットが送信される(図11のステップB1)。
【0058】
PBX100はLAN電話機200−1がオフフックしたことを認識すると、LAN電話機200−1に対し発信音の接続を指示するために、音声種別管理テーブル(図6)から音声種別“発信音”に対する音源情報“端末内蔵音源”を読み出す。これにより、PBX100は、自端末内の音源から“発信音”を送信する指示をLAN電話機200−1に対して呼制御パケットで送信し(ステップB2)、端末状態管理テーブル(図7)中のLAN電話機200−1の呼状態を“発信音送出”に変更する。
【0059】
発信音送出指示の呼制御パケット(ステップB2)を受信したLAN電話機200−1は、LAN電話機200−1内の音源から発信音を再生すると同時に、LAN電話機200−1内の呼制御管理テーブル(図9)の呼状態を“発信音送出”にする。
【0060】
次に、発信音送出中のLAN電話機200−1は、最初の数字をダイヤルされると、送出中の発信音を直ちに停止し(ステップB3)、LAN電話機200−1内の呼制御管理テーブル(図9)の呼状態を“ダイヤル中”にする。続いて、後続の数字がダイヤルされると、その都度、ダイヤルされた数字情報を呼制御パケットでPBX100に通知する(ステップB4,ステップB5)。
【0061】
PBX100はLAN電話機200−1から送られた数字情報を分析し、被呼内線をLAN電話機200−2と判断すると、端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200−2の呼状態を確認し、上述のとおり“空き”としているので、LAN電話機200−1に対しては呼出音を、LAN電話機200−2については着信音を送出することを決定する。
【0062】
このとき、LAN電話機200−1に対して呼出音を送出するために、音声種別管理テーブル(図6)から音声種別“呼出音”の音源情報“外部音源装置300(IPマルチキャスト)”を確認すると、端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200−1の受信レベルを判定する。
【0063】
その結果、LAN電話機200−1の受信レベルが“0”であれば、図8の表からIPマルチキャスト未対応であることから、IPマルチキャストが使用できなかった場合に代理手段となる第2の音源情報“端末内蔵音源”を音声種別管理テーブル(図6)から読み出して、LAN電話機200−1に対して“端末内蔵音源”の呼出音を再生するように通知する(ステップB7)。そして、端末状態管理テーブル(図7)中のLAN電話機200−1の「呼状態」を“呼出音送出”に変更する。
【0064】
一方、LAN電話機200−1の「受信レベル」が“0”以外であれば音声種別管理テーブル(図6)から呼出音に対する接続数を判定する。その結果、接続数が“1”以上であれば、既に送出中のIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”からの呼出音を受信するようLAN電話機200−1に通知する(ステップB7)。
【0065】
また、接続数が“0”であれば、音声種別管理テーブル(図6)から音声種別“呼出音”に対する音源情報“外部音源装置120”とIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”を読み出し、“外部音源装置300”に対して音声種別“呼出音”をIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”として送信するように通知する(ステップB6)。
【0066】
そして、音声種別管理テーブル(図6)の音声種別“呼出音”に対する接続数をインクリメントする。この結果、接続数が“1”以上となるので、上述と同様に、既に送出中のIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”からの呼出音を受信するようLAN電話機200−1に通知する(ステップB7)。
【0067】
このように、LAN電話機200−1の受信レベルが“0”以外である場合には、呼出音送出のためにIPマルチキャストを利用する。そして、端末状態管理テーブル(図7)のLAN電話機200−1に対する呼状態を“呼出音送出”に変更し、受話元にIPマルチキャストアドレス“239.192.0.2”を記憶する。
【0068】
PBX100から“呼出音”の音声情報をIPマルチキャストで送信するように指示された外部音源装置300は、直ちに“呼出音”の音声情報をIPマルチキャストアドレス“239.192.0.2”に対して送信を開始する。
【0069】
また、被呼内線であるLAN電話機200−2に対しては着信音送出を指示し(ステップB8)、端末状態管理テーブル(図7)のLAN電話機200−2に対する呼状態を“着信音送出”に変更する。着信音送出指示を受信したLAN電話機200−2は、自端末内の音源から着信音の再生を開始する。
【0070】
さらに、PBX100から“呼出音”の音声情報をIPマルチキャストアドレス“239.192.0.2”から受信するよう指示されたLAN電話機200−1は、マルチキャストグループに参加するために、IGMPのプロトコルに従い、IPマルチキャストアドレス“239.192.0.2”に対するIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージをオール・ホスト・グループ・アドレス“244.0.0.1”へ送信し(ステップB9)、LAN電話機200−1の呼制御管理テーブル(図9)の呼状態を“呼出音”とする。
【0071】
オール・ホスト・グループ・アドレス“244.0.0.1”のマルチキャスト・ルータは、LAN電話機200−1からIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを受信すると、外部音源装置300からの音声情報をLAN電話機200−1に中継する。この場合のマルチキャスト・ルータでのIPマルチキャストパケットのル−ティング処理の詳細は周知であるため説明を省略する。LAN電話機200−1は、マルチキャスト・ルータによって中継された“呼出音”を受信すると、直ちに音声制御回路204によって再生し、スピーカ205を通して利用者に伝達する。
【0072】
次に、LAN電話機200−1によって呼出音が所定時間継続して受信されると、マルチキャスト・ルータからメンバ照会メッセージが発信される(ステップB10)。メンバ照会メッセージを受信したLAN電話機200−1は、メンバ照会メッセージ内の最大レスポンスタイムの範囲内でランダムな遅延タイマを設定し、タイマが時間切れとなった地点でメンバ照会返信メッセージを送信する(ステップB11)。これらのIPマルチキャストの継続動作は、IGMPに定義されているところである。
【0073】
次に、LAN電話機200−2が応答すると、応答したことを呼制御パケットでPBX100に通知する(ステップB12)。LAN電話機200−2の応答を認識したPBX100は、LAN電話機200−2に対しては着信音停止および接続先のIPアドレス情報を含めた接続指示、LAN電話機200−1に対しては呼出音停止および接続先のIPアドレス情報を含めた接続指示をそれぞれ呼制御パケットで通知する(ステップB13,ステップB14)。
【0074】
また、端末状態管理テーブル(図7)におけるLAN電話機200−1とLAN電話機200−2の呼状態を“通話中”に変更し、さらに音声種別管理テーブル(図6)における“呼出音”の接続数をデクリメントする。このとき、接続数が“0”となると、呼出音の発信元である外部音源装置300に対して、呼出音の送信を停止する指示を送信する(ステップB16)。
【0075】
PBX100からの接続指示を受信したLAN電話機200−1は、これまで受信していた呼出音を停止するために、マルチキャスト・ルータに対しグループ離脱メッセージを送信した後(ステップB15)、LAN電話機200−1の呼制御管理テーブル(図9)の呼状態を“通話中”に変更し、PBX100から通知されたIPアドレスを元にLAN電話機200−2との接続を開始する。
【0076】
LAN電話機200−1からの離脱メッセージを受信したマルチキャスト・ルータは、他のLAN電話機200が同一のマルチキャストグループのメンバとなっているのか確認するために、メンバ問い合わせメッセージを送信し、返信がない場合にマルチキャストパケットの中継を停止する。これらのIPマルチキャストの停止動作は、IGMP2(RFC2236)で定義されているとおりである。
【0077】
次に、PBX100がLAN電話機200に対してIPマルチキャストで接続を指示する場合と、PBX100がLAN電話機200に対してIPマルチキャストの受信停止を指示する場合(図13)とについて、それぞれ図12と図13に示す各フローチャートにより説明する。
【0078】
これらの中では、具体例として、図11においてPBX100がLAN電話機200−1からのダイヤル数字を受信(ステップB5)してステップB6〜ステップB8に到るまでのPBX100の動作と、PBX100がLAN電話機200−2から応答したことの通知(ステップB12)を受けてステップB13〜B16に到るまでののPBX100の動作とについて言及する。
【0079】
PBX100がLAN電話機200に対してIPマルチキャストで接続を指示する場合、先ず、PBX100は音声種別管理テーブル(図6)から送出すべき音声種別を選択する(図12のステップC1)。図11の例では、LAN電話機200−1がLAN電話機200−2をダイヤルしたこと検出したPBX100は音声種別として“呼出音”を選択する。そして、選択した音声種別に対する音源情報を読み出して、その音源はIPマルチキャストを使用するか否かを判断する(ステップC2)。“呼出音”に対する音源“外部音源装置”はIPマルチキャストを使用する。
【0080】
音源情報がIPマルチキャストを使用する音源である場合には(ステップC2でYES)、端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200のIPマルチキャストの受信レベルが“0”であるかを判定する(ステップC3)。その結果、“0”でない(ステップC3でNO)、すなわち“1”以上であれば、音声種別管理テーブル(図6)からIPマルチキャストに対する接続数を確認する(ステップC4)。
【0081】
その結果、接続数が“1”以上なら(ステップC4でNO)、既にIPマルチキャストが送信されていることになるので、LAN電話機200に対しはIPマルチキャストのメンバとなって音声情報(図11では“呼出音”)を受信するよう指示し、また音源(図11では“外部音源装置”)に対してはLAN電話機への音声接続を指示する(ステップC6)。ステップC6では音声種別管理テーブル(図6)における当該音源の接続数をインクリメントする。
【0082】
一方、接続数が“0”であるなら(ステップC4でYES)、音源のIPマルチキャストは停止していることになるので、外部音源装置300に対して音声種別と宛先のIPマルチキャストアドレスを通知しIPマルチキャストパケットの送信を指示し(ステップC5)、その後にステップC6へ移行する。
【0083】
LAN電話機のIPマルチキャストの受信レベルが“0”である場合(ステップC3でYES)は、IPマルチキャスト受信に対応していないことになるので、音声種別管理テーブル(図6)から第2の音源情報を読み出す(ステップC7)。この場合は、外部音源装置(IPマルチキャスト)でない場合(ステップC2でNO)と同様な処理(ステップC8〜C12)となる。
【0084】
ステップC8では第2の音源情報が“端末内蔵音源”であるか“パケット制御装置”であるかを判定する(ステップC8)。その結果、“端末内蔵音源”の場合は(ステップC8でYES)、指定される端末内蔵音源に対してLAN電話機200へ音声接続を指示する(ステップC12)。一方、“パケット制御装置”の場合は(ステップC8でNO)、外部音源装置300のIPマルチキャストパケットをパケット制御装置400が中継しLAN電話機200へユニキャストパケットで分配する。
【0085】
そのため、音声種別管理テーブル(図6)から選択されている音声種別の音声に対する接続数を確認する(ステップC9)。その結果、接続数が“1”以上であるならば(ステップC9でNO)、既にIPマルチキャストが送信されているので、パケット制御装置400に対しIPマルチキャストのメンバとなりIPマルチキャストパケットを受信し、LAN電話機200に対してユニキャストで中継するよう指示を行う。LAN電話機200に対しはIPマルチキャストのメンバとなって音声情報を受信するよう指示する(ステップC11)。ステップC11では音声種別管理テーブル(図6)におけるに当該音源の接続数をインクリメントする。
【0086】
一方、接続数が“0”であるならば(ステップC9でYES)、IPマルチキャストは停止していることになるので、外部音源装置300に対して音声種別と宛先のIPマルチキャストアドレスを通知しIPマルチキャストパケットの送信を指示し(ステップC10)、その後にステップC11へ移行する。
【0087】
次に、PBX100がLAN電話機200に対してIPマルチキャストの受信停止を指示する場合、PBX100は接続中のLAN電話機200に対して現在の音声(図11の例では呼出音と着信音)の切断を指示し、端末状態管理テーブル(図7)における当該LAN電話機200の呼状態を変更する(図13のステップD1)。
【0088】
図11の例では、LAN電話機200−2からの応答イベント情報を受信したPBX100は、LAN電話機200−1に対しては現在受信中の呼出音を停止し、LAN電話機200−2に対しては着信音を停止し、LAN電話機200−1とLAN電話機200−2の通話を実施することを決定する。このとき、PBX100は端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200−1の呼状態と受話元を読み出し、LAN電話機200−1に対し呼出音切断指示を呼制御パケットで通知し、端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200−1の呼状態を変更する。
【0089】
次に、読み出した呼状態と受話元から音源と伝達手段を判定する(ステップD2)。その結果、端末内蔵音源であれば処理を終了する。また、パケット制御装置経由で音声情報を中継していた場合にはバケット制御装置400に対して中継の停止を指示した上で(ステップD3)、IPマルチキャストであった場合にはストレートに、音声種別管理テーブル(図6)における当該音源の接続数をデクリメントする(ステップD4)。
【0090】
その結果、接続数が“0”であるか判定する(ステップD5)。接続数が“1”以上の場合は、音声(図11の例では呼出音)の送信を継続するが、接続数が“0”である場合は、外部音源装置300に対して、音声の送信を停止するように指示する(ステップD6)。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について、PBXへの適応例をとりあげて説明してきたが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、音声種別毎に最初の接続者が発生した時に、IPマルチキャストアドレスを動的に割り当てるRFC2771,RFC2908などを使用して問題の解決を図ることができる。
【0092】
また、別の例として、LAN電話機200が配置されるネットワーク毎に音源である外部音源装置300を変更する場合においても、ネットワーク毎に音声種別管理テーブル(図6)をPBX100が保持することによって実施することが可能である。
【0093】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、LAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルを試験によって予め採取し記憶しておくことによって、IPマルチキャストに対応できるのであればIPマルチキャスト、一方、IPマルチキャストに対応できない場合には、別手段または第2の音源によって音声情報を伝達する構成としたので、IPマルチキャスト対応LAN電話システムにおけるサービスの低下を防ぐことができるようになる。
【0094】
これは、IPマルチキャストをサポートしていないLAN電話機を予定して、マルチキャストデータグラムをユニキャストデータグラムに変換して個別にデータを送受信する必要がなくなり、更に、独自プロトコルの実装を必要としたり、マルチキャスト・ルータおよび受信ホストにプログラムの変更等の処置が不要になるからである。
【0095】
音声情報がマルチキャストパケットで伝達できるときは、周知のように、1つパケットで複数のLAN電話機に対して情報の伝達ができる。このため、接続するLAN電話機の増加に比例してパケット数が増加するユニキャストでの音声情報の伝達と比較して、パケットのトラヒックを一定に押さえネットワークリソースを効率良く利用することが可能になるので、LANトラヒックに負荷を与えないのである。
【0096】
特に、本発明では、RFCで標準化されているプロトコルを利用するため、ネットワークを構成している全ての装置が本仕様に準拠していれば、ネットワークの形態やホスト数に関係なく、マルチキャストパケットで送られてくる音声情報を受信することが可能になり、音声情報を受信するメンバが無制限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLAN電話システムの一実施例を示す構成図
【図2】図1の実施例におけるPBX100の内部構成を示すブロック図
【図3】図1の実施例におけるLAN電話機200の内部構造を示すブロック図
【図4】図1の実施例における外部音源装置300の内部構成を示すブロック図
【図5】図1の実施例におけるパケット制御装置400の内部構成を示すブロック図
【図6】PBX100のメモリ102が記憶する音声種別管理テーブルの内容を例示する図
【図7】PBX100のメモリ102が記憶する端末状態管理テーブルの内容を例示する図
【図8】図7におけるIPマルチキャストレベルの内容を示す
【図9】LAN電話機200のメモリ202が記憶する呼制御管理テーブルの内容を例示する図
【図10】図1の実施例におけるLAN電話機200の初期設定シーケンス図
【図11】図1の実施例におけるLAN電話機200が音声情報をIPマルチキャストで受信する処理例を示すシーケンス図
【図12】図1の実施例におけるPBX100がLAN電話機200に対しIPマルチキャストの受信を指示する場合のプログラムフローチャート
【図13】図1の実施例におけるPBX100がLAN電話機200に対しIPマルチキャストの受信停止を指示する場合のプログラムフローチャート
【図14】従来のLAN電話システムにおける処理例を示すシーケンス図
【符号の説明】
100 PBX
200 LAN電話機
300 外部音源装置
400 パケット制御装置
500 ルータ
600 ゲートウエイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、TCP/IPネットワークに接続されるLAN電話機と、LAN電話機を内線として管理、制御するPBXを有するLAN電話システム、特に、同一の音源から提供されるトーンやアナウンス等の音声情報をLAN電話機に送信するのに好適なLAN電話システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、TCP/IPネットワークに接続されるLAN電話機をPBXが内線として管理、制御するLAN電話システムが知られている(従来技術1。例えば、特許文献1参照)。この技術は、交換機のCPUがLAN電話機端末との呼制御を直接行うことにより、ライン回線に直接接続する通常の端末に対する交換機の処理動作と同じように、LAN回線に接続するLAN電話機端末との接続動作を可能にしている。
【0003】
このため、LAN電話機のIPアドレスと対応付ける番号展開テーブルと、音声変換回線番号毎の呼者接続情報,被呼者接続情報,接続状態および通話開始時刻の情報とをPBX内のメモリに記憶しておく。発呼者または被呼者がLAN電話機である場合は、LAN回線を介して音声接続するよう、該当LAN電話機のIPアドレス情報を含む呼制御パケットを送信し音声接続する。このとき使用されるIPアドレスはLAN電話機のIPアドレスであり、ユニキャストによって音声情報が伝達される。
【0004】
また、インターネット上でマルチキャストによって音声情報を伝達する技術も周知であるが、現在、インターネットの大部分の送信ホスト,受信ホストおよびルータでは、IPマルチキャスト通信方法をサポートしていない。そこで、この課題を解決するため、IPマルチキャストをサポートしていない受信ホストが、IPマルチキャストデータグラムを受信可能とした技術が提案されている(従来技術2。例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この技術は、図14に示すように、IPマルチキャストをサポートしていない複数の受信ホストが、送信ホストからのメッセージの受信を要求する場合、マルチキャストゲートウェイが送信ホストから送信されるIPマルチキャストデータグラムをIPユニキャストデータグラムとして個別に受信ホストに送信するようにしたものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−331371号公報(第1−第10頁、図2)
【特許文献2】
特開平10−242962号公報(第1−第8頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術1では、メッセージを複数のLAN電話機へ同報する場合にユニキャストによって音声情報を伝達するため、音声情報を受信するLAN電話機の数を制限する必要があるという第1の問題点がある。その理由は、同一の音声情報を受信するLAN電話機が増加するに従い、セッションを確立し1対1のユニキャスト通信を行う必要があるため、同時接続数に比例して、送信側でのセッション数,送信パケット量またはルータでのパケット中継処理が増加するので、同時接続数は送信側もしくはルータでの処理の限界値に合わせる必要があるためである。
【0008】
また、従来技術2では、IPマルチキャストをサポートしていない受信ホストは、マルチキャストゲートウェイによってマルチキャストデータグラムをユニキャストデータグラムに変換して個別にデータを受信しているが、このような仕様は独自プロトコルの実装を要するため、サービスを実施するには、マルチキャスト・ルータおよび受信ホストにプログラムの変更等の処置が必要になるという第1の問題点がある。
【0009】
更に、パケットの伝送にUDP(User Datagram Protocol)を使用しているため、パケットの欠落に対する保証がなく、IPマルチキャストでの音声伝達の信頼性が低いという第2の問題点がある。
【0010】
この第2の問題点を回避しようとしても、音声情報の伝達にIPマルチキャストが最適かどうかをPBXが知る手段が提案されていない。音声情報をIPマルチキャストで送受信が可能か不可能かは、ネットワークの構成、または端末の変更により時間の経過とともに変化する。したがって、当初に保守者からIPマルチキャスト対応のデータの登録があっても、ルータや端末の変更時などにPBXに通知されない場合は、システムとして最適でない可能性が出てくるのである。
【0011】
本発明の目的は、IPマルチキャストによる送受信時のLAN電話システムにおけるサービスの低下を防ぐことのできるLAN電話システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のLAN電話システムは、LAN(ローカルエリアネットワーク)に設置された複数のLAN電話機と、LAN電話機を内線として制御するPBX(構内交換機)とを有するLAN電話システムであって、外部音源装置から提供される不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや、保留音などに利用される音楽またはLAN電話機から利用者(ユーザ)の声による一斉呼び出し/会議など、同一の音源から発信する音声情報を、予め試験によって得られるLAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルに応じてIPマルチキャストパケットまたはパケット制御装置から分配されるユニキャストパケットにより複数のLAN電話機に同時に受信させることを特徴とする。
【0013】
不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや、保留音などに利用される音楽をIPマルチキャストの未サポートのLAN電話機が受信する必要がある場合には、PBX内部に設ける音声種別管理テーブルによって、第2の音源から音声情報の送信を実施する。
【0014】
LAN電話機と、LAN電話機およびトーンまたはアナウンスの音源となる外部音源装置が配置されるネットワークを制御するルータは、IPマルチキャストを行うプロトコルであるIGMP(Internet Group Management Protocol:RFC1112),IGMP2(Internet Group Management Protocol version 2:RFC 2236)を実装している。
【0015】
PBXは、音声種別毎に、音源情報(IPマルチキャスト使用/不使用の情報を含む),音声種別管理テーブル,音声情報の発信元,IPマルチキャストパケットの宛先であるIPアドレス,パケットの伝達される範囲を示すTTL(Time to Live:生存時間)および音声情報を受信しているLAN電話機の数を示す接続数を記憶する端末状態管理テーブルと、PBXに所属するLAN電話機毎にその状態情報を記憶するための呼制御管理テーブルとを保持する。
【0016】
LAN電話機は、IPマルチキャスト対応レベル(サポート、未サポートの別を含む)をPBXから指示されたIPマルチキャスト試験を元に判定し、判定結果をPBXに通知する。PBXは、この通知された情報をが自メモリ内にある端末状態管理テーブルに保持し、トーンやアナウンスまたはLAN電話機からの音声一斉呼び出しなどで、音声情報を伝達する際に端末状態管理テーブルに保持されているIPマルチキャスト対応レベルによって音声情報の接続形態を決定する。
【0017】
同一音源からの音声情報をIPマルチキャストにより伝達する場合、LAN電話機の種類、配置されるネットワークによっては、IPマルチキャストパケットを受信できないことがある。例えば、受信側のLAN電話がIPマルチキャストのプロトコルであるIGMP(Internet Group Management Protocol:RFC1112),IGMP2(Internet Group Management Protocol version 2:RFC 2236)に対応していなかったり、LAN電話機がIPマルチキャストのプロトコルに対応していても、ルータやスイッチ・ハブなどIPマルチキャストパケットを中継する全てのネットワーク機器がIPマルチキャストのルーティングプロトコルをサポートしていない場合である。
【0018】
本発明では、LAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルを試験によって予め採取し記憶しておくことによって、IPマルチキャストに対応できるのであればIPマルチキャスト、上述のようにIPマルチキャストに対応できない場合には、別手段または第2の音源によって音声情報を伝達し、これによりLAN電話システムにおけるサービスの低下を防ぐのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[実施例の構成]
図1は本発明のLAN電話システムの一実施例を示す構成図である。この実施例では、3つのルータ500と2つのゲートウェイ600で結ばれたネットワーク上に、PBX100と、9つのLAN電話機200−1〜200−9と、不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや保留音などに利用される音楽を送信する外部音源装置300と、IPマルチキャストパケットからユニキャストパケットの変換および複数のLAN電話機に対してパケットを分配するパケット制御装置400が配されている。LAN電話機200−1〜200−9はLAN電話機200と総称する。LAN電話機200それぞれは、PBX100の内線として使用されるものとする。
【0021】
PBX100は、LAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400が利用者(ユーザ)によるイベントを通知する呼制御パケットを受信する手段と、LAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400に音声情報の送信,受信の指示や状態の変更を通知する呼制御パケットを送信する手段とを備えている。
【0022】
また、PBX100は、LAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルの情報と、音声種別対応にIPマルチキャストが受信できない場合の代理手段となる第2の音源の情報とを記憶し、IPマルチキャスト対応レベルに応じて、IPマルチキャストパケットまたはパケット制御装置から分配されるユニキャストパケットまたは第2の音源からの音声のいずれかを受信するように決定する。
【0023】
また、PBX100は、音声種別毎に、音源情報(IPマルチキャスト使用/不使用の情報を含む),音声種別管理テーブルと、音声情報の発信元,IPマルチキャストパケットの宛先であるIPアドレス,パケットの伝達される範囲を示すTTL(Time to Live:生存時間)および音声情報を受信しているLAN電話機の数を示す接続数を記憶する端末状態管理テーブルと、PBXに所属するLAN電話機毎に、その状態情報を記憶するための呼制御管理テーブルとを保持する。
【0024】
図2は、図1の実施例におけるPBX100の内部構成を示すブロック図である。PBX100は、プログラム制御によりLAN電話機200の呼状態を制御するCPU101と、CPU101が使用するメモリ102と、呼制御メッセージを通信するためのLANインタフェース103とから構成されている。メモリ102は、後述の音声種別管理テーブル(図6)および端末状態管理テーブル(図7)を記憶する。
【0025】
LAN電話機200は、PBX100が指示する呼制御パケットを受信する手段と、LAN電話機200からのイベントを送信する手段とを備え、PBX100の指示によりIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットで音声情報を送信または受信する。
【0026】
図3は、図1の実施例におけるLAN電話機200の内部構造を示すブロック図である。LAN電話機200は、マイク206と、スピーカ205と、マイク206およびスピーカ205を接続し音声から音声パケットの生成または音声パケットから音声の再生を実施する音声制御回路204と、PBX100からの呼制御コマンドの受信や音声パケットの送受信を中継するLANインタフェース203と、音声制御回路204およびLANインタフェース203を制御するCPU201と、CPU201が使用するメモリ202とから構成されている。
【0027】
外部音源装置300は、PBX100から指示される呼制御パケットを受信する手段を備え、PBX100から音声情報の送信を指示する呼制御パケットを受信すると、指示された音声情報を指定されている宛先に対してIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットを送信する。
【0028】
図4は、図1の実施例における外部音源装置300の内部構成を示すブロック図である。外部音源装置300は、2つの外部音源306,307から音声を取り込むための外部音声インタフェース305と、取り込んだ音声を音声パケットに変換する音声制御回路304と、変換された音声パケットを一時的に蓄えるメモリ302と、LAN電話機200の要求により音声パケットをLANへ送信するLANインタフェース303と、外部音声インタフェース305,音声制御回路304およびLANインタフェース303を制御するCPU301とから構成されている。
【0029】
パケット制御装置400は、PBX100からの呼制御パケットを受信する手段を備え、PBX100から指定される音声パケットをIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットを受信し、宛先を変更して送信する。
【0030】
図5は、図1の実施例におけるパケット制御装置400の内部構成を示すブロック図である。パケット制御装置400は、音声情報およびPBX100からの呼制御パケットを送受信するLANインタフェース402と、LANインタフェース402を制御するCPU401と、CPU401が使用するメモリ402とから構成されている。
【0031】
ネットワークを制御するルータ500は、IPマルチキャストを行うプロトコルであるIGMP(Internet Group Management Protocol:RFC1112),IGMP2(Internet Group Management Protocol version 2:RFC 2236)を実装している。
【0032】
図6は、PBX100のメモリ102が記憶する音声種別管理テーブルの内容を例示する。音声種別管理テーブルには、LAN電話機200が聴取する音声の種別ごとに、その音声の音源を示す音源情報,音源から発信される音声情報がIPマルチキャストであった場合に使用するIPマルチキャストアドレス,IPマルチキャストパケットが到達する範囲を決定するTTL(Time To Live),LAN電話機200の通信中の数を示す接続数およびIPマルチキャストが使用できなかった場合に代理手段となる第2の音源情報が表示されている。これらの各情報は予め保守者によって音声種別管理テーブルに設定されているものとする。なお、IPマルチキャストアドレスは、具体的には特定のマルチキャストグループ(IPマルチキャストの対象となる端末グループ)に対して付与されたアドレスである。
【0033】
音声種別には、“IPマルチキャスト試験”,“発信音”,“話中音”,“呼出音”,“規制音”,“保留音”,“着信音”,“不在案内”および“話中案内”が含まれる。「音声種別」“マルチキャスト試験”の音源情報は“パケット制御装置”、「音声種別」“発信音”,“話中音”,“規制音”および“着信音”の音源情報は“端末内蔵音源”、「音声種別」“呼出音”,“保留音”,“不在案内”および“話中案内”の音源情報は“外部音源装置”をそれぞれ示す。
【0034】
音源情報“パケット制御装置”および“外部音源装置”にはIPマルチキャストアドレス,TTLおよび接続数が付される。また、音源情報“呼出音”および“保留音”に対する第2の音源情報は“端末内蔵音源”、音源情報“不在案内”および“話中案内”に対する第2の音源情報は“パケット制御装置”を経由することをそれぞれ示す。
【0035】
図7は、PBX100のメモリ102が記憶する端末状態管理テーブルの内容を例示する。端末状態管理テーブルには、各LAN電話機200−1〜200−9,外部音源装置300およびパケット制御装置400それぞれの状態が表示される。LAN電話機200の状態は、LAN通信を行うのに必要な自己のIPアドレス,IPマルチキャストの受信レベル,IPマルチキャストの送信レベル,呼状態,送話先および受話元について表示され、外部音源装置300およびパケット制御装置400の状態は、IPアドレス,受信レベルおよび送信レベルについて表示される。
【0036】
呼状態は、LAN電話機200が空き,通話中,初期設定中,呼出音送出中,保留音送出中,着信音送出または送信音送出中のいずれであるかを示す。初期設定については後述する。送話先は、呼状態が通話中のときの内線番号、または端末状態が初期設定中のときのIPマルチキャストアドレスを示す。また、受話先は、呼状態が通話中のときの内線番号(送話先の内線番号と同一)、または端末状態が呼出音送出中か保留音送出中のときのIPマルチキャストアドレスを示す。
【0037】
図8は、図7におけるIPマルチキャストレベルの内容を示す。図8における受信レベルとは、LAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400がIPマルチキャストを受信する機能のレベルをいう。受信レベル“0”はLAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400が受信についてマルチキャスト未対応、“1”はIGMP(Intenet Group Multicast Protcol)1対応、“2”はIGMP2対応であることを表す。また、図8における送信レベルとは、LAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400がIPマルチキャストを送信する機能のレベルをいう。送信レベル“0”はLAN電話機200,外部音源装置300またはパケット制御装置400が送信についてマルチキャスト未対応、“1”は送信可能であることを表す。
【0038】
図9は、LAN電話機200のメモリ202が記憶する呼制御管理テーブルの内容を例示する。この呼制御管理テーブルは内線初期化情報と呼制御情報を格納している。内線初期化情報は、PBX100のIPアドレスと、PBX100から通知される内線番号から成る。また、呼制御情報は、呼状態と、音声情報の送信先IPアドレスと、音声情報の受信元IPアドレスから成る。PBX100のIPアドレスは、利用者(ユーザ)あるいは保守者により予め設定される。
【0039】
[実施例の動作]
さて、図1のLAN電話機200をPBX100の内線として使用するためには、PBX100に対して、LAN電話機200の立上げと受信レベルおよび送信レベルとを通知する必要がある。図10にLAN電話機200の電源をONしてからPBX100の内線として使用可能状態となるまでのシーケンスを示す。以下、LAN電話機200の初期設定と、PBX100がLAN電話機200の受信レベルおよび送信レベルを自動収集する手順について図10を参照して詳細に説明する。
【0040】
LAN電話機200が電源ONによりリセットされると、TCP/IPベースのネットワークに接続するホストとして必要なIPアドレス,ネットマスク,デフォルトゲートウェイ等のネットワークパラメータがLAN電話機200のLANインタフェース203に設定される。この設定は、手動もしくは、RFC(Request For Comments)2131に記述されているDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)により行われ、LAN電話機200自身で自己解決されるものとし、これ以上の説明はしない。
【0041】
ネットワークパラメータの設定後、LAN電話機200は呼制御管理テーブル(図9)を参照してPBXのIPアドレスにより、PBX100に対し初期設定要求を送信する(図10のステップA1)。この初期設定要求に対し、PBX100は、端末状態管理テーブル(図7)のLAN電話機200に対する呼状態を“初期設定中”にし、受信レベルおよび送信レベルをそれぞれ未対応を示す“0”に変更すると共に、内線番号を含めた内線情報をLAN電話機200に対して通知する(ステップA2)。
【0042】
内線情報を受信したLAN電話機200は、通知された内線情報を基に呼制御管理テーブル(図9)を初期化し、この初期化が完了するとPBX100に対し初期化完了通知を通知する(ステップA3)。初期化の結果、呼制御管理テーブル(図9)の自内線番号,呼状態,送信先IPアドレスおよび受信元IPアドレスは初期値に設定される。
【0043】
初期化完了通知を受信したPBX100は、LAN電話機200に対してIPマルチキャスト受信試験を実施するために、PBX100の音声種別管理テーブル(図6)から、音声種別“IPマルチキャスト試験”に対応する音源情報“パケット制御装置400”、IPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”と、接続数を読み出す。読み出した接続数が1以上であれば、パケット制御装置400は既に他のLAN電話機200に対応する試験パケットを送信中であるため、LAN電話機200対応のIPマルチキャスト受信試験を開始するに当り接続数をインクリメントするだけでよい。
【0044】
一方、接続数が0であるならば接続数のインクリメントと、パケット制御装置400に対してIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”宛に試験パケットの送信を行うよう指示する(ステップA4)。また、LAN電話機200に対しても、パケット制御装置400が送信するIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”からのIPマルチキャストパケットを受信するように指示する(ステップA6)。
【0045】
試験パケットの送信指示を受信したパケット制御装置400は、直ちに試験パケットをIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”に対して送信を開始する(ステップA5)。また、試験パケットを受信するように指示されたLAN電話機200は、LAN電話機200がサポートするIPマルチキャストのプロトコルのうち、最新のプロトコルを使用して受信試験を開始する。
【0046】
例えば、LAN電話機200がIGMP(Internet Group Multicast Protocol)2をサポートしている場合、IGMP2に従いオール・ホスト・グループ・アドレス“244.0.0.1”に対しIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”へのIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを送信する(ステップA7)。
【0047】
このIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージは、LAN電話機200が属するサブネット内のマルチキャスト・ルータが受信し、パケット制御装置400から送信される試験パケットをLAN電話機102に対して中継する(ステップA8)。LAN電話機200はIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを送信してから一定時間の間に基準値以上の個数の試験パケットを受信できれば、IPマルチキャスト・メンバ離脱メッセージをIPアドレス“244.0.0.2”に送信し(ステップA9)、IPマルチキャストの受信レベルは“2”である旨を告げる試験完了通知をPBX100に送信する(ステップA10)。
【0048】
一方、その時の通信状態によって試験パケットの受信ができなかった場合や、受信数が基準値を超えない場合には、LAN電話機200はIPマルチキャストプロトコルの受信レベルを“1”に下げて、図10のステップA7からの手順を繰り返す。それでも改善されない場合には、IPマルチキャスト・メンバ離脱メッセージをIPアドレス“244.0.0.2”に送信し(ステップA9)、IPマルチキャストの受信レベルは未対応である“0”として試験完了通知をPBX100に送信する(ステップA10)。
【0049】
LAN電話機200から試験完了通知を受信したPBX100は、端末状態管理テーブル(図7)中のLAN電話機200の「呼状態」を“空き”とし、「受信レベル」にIPマルチキャス試験の結果を書き込むと共に、音声種別管理テーブル(図6)の接続数をデクリメントする。その結果、接続数が“0”となればパケット制御装置400に対し試験パケットの送信停止を指示する(ステップA11)。
【0050】
次に、PBX100はLAN電話機200のIPマルチキャスト送信試験を実施するために、LAN電話機200に対して試験パケットを送信するように指示する(ステップA12)。また、パケット制御装置400に対しても試験パケットを受信するように指示する(ステップA13)。
【0051】
試験パケットの送信指示を受信したLAN電話機200は、直ちに試験パケットをIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”に対して送信を開始する(ステップA14)。また、試験パケットを受信するように指示されたパケット制御装置400は、IPマルチキャストプロトコルに従い、オール・ホスト・グループ・アドレス“244.0.0.1”に対しIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを送信する(ステップA15)。
【0052】
このIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージにより、マルチキャスト・ルータはLAN電話機200から送信される試験パケットをパケット制御装置400に対して中継する(ステップA16)。パケット制御装置400はIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを送信してから一定時間の間に基準値以上の個数の試験用IPマルチキャストパケットが受信できれば、IPマルチキャスト・メンバ離脱メッセージを送信し(ステップA17)、IPマルチキャストの送信レベルは送信可である“1”として試験完了通知をPBX100に送信する(ステップA18)。
【0053】
試験パケットの受信ができなかった場合や、受信数が基準値を超えない場合には、図10のステップA15からの手順を1度だけ繰り返す。改善されない場合には、IPマルチキャスト・メンバ離脱メッセージを送信し(ステップA17)、IPマルチキャストの送信レベルは送信不可である“0”である旨を告げる継試験完了通知をPBX100に送信する(ステップA18)。
【0054】
パケット制御装置400から試験完了通知を受信したPBX100は、LAN電話機200に対して試験パケットの送信を停止するよう指示し(ステップA19)、端末状態管理テーブル(図7)中のLAN電話機200の送信レベルにIPマルチキャスト送信試験の結果を書き込み、呼状態を“空き”とし、LAN電話機200の初期設定を完了する。
【0055】
以上に説明したように、IPマルチキャスト対応試験を介してLAN電話機200のIPマルチキャスト対応に必要な情報を自動的に収集するが、この情報が予め判明しているのであれば、IPマルチキャスト対応試験をすることになく、保守者により手動で初期設定することも可能である。
【0056】
また、LAN電話機200が配置されるネットワークは運用中に変更されることがある。そのような場合にもIPマルチキャスト対応の受信レベルおよび送信レベルを最新のデータに保つためには、IPマルチキャスト対応試験を運用中に実施し、データをリフレッシュする必要がある。そのときは、図10のステップA4からステップA19までの手順が実施され、試験結果を端末状態管理テーブル(図7)に上書きする。
【0057】
次に、LAN電話機200がトーンやアナウンスの音声情報をIPマルチキャストで受信する処理について、オフフックから内線通話までのシーケンスを示す図11を用いて詳細に説明する。LAN電話機200−1およびLAN電話機200−2は、既に初期設定を終了し端末状態管理テーブル(図7)の呼状態は“空き”の状態になっているものとする。この状態において、LAN電話機200−1がオフフックすると、LAN電話機200−1からPBX100に対しオフフックを通知する呼制御パケットが送信される(図11のステップB1)。
【0058】
PBX100はLAN電話機200−1がオフフックしたことを認識すると、LAN電話機200−1に対し発信音の接続を指示するために、音声種別管理テーブル(図6)から音声種別“発信音”に対する音源情報“端末内蔵音源”を読み出す。これにより、PBX100は、自端末内の音源から“発信音”を送信する指示をLAN電話機200−1に対して呼制御パケットで送信し(ステップB2)、端末状態管理テーブル(図7)中のLAN電話機200−1の呼状態を“発信音送出”に変更する。
【0059】
発信音送出指示の呼制御パケット(ステップB2)を受信したLAN電話機200−1は、LAN電話機200−1内の音源から発信音を再生すると同時に、LAN電話機200−1内の呼制御管理テーブル(図9)の呼状態を“発信音送出”にする。
【0060】
次に、発信音送出中のLAN電話機200−1は、最初の数字をダイヤルされると、送出中の発信音を直ちに停止し(ステップB3)、LAN電話機200−1内の呼制御管理テーブル(図9)の呼状態を“ダイヤル中”にする。続いて、後続の数字がダイヤルされると、その都度、ダイヤルされた数字情報を呼制御パケットでPBX100に通知する(ステップB4,ステップB5)。
【0061】
PBX100はLAN電話機200−1から送られた数字情報を分析し、被呼内線をLAN電話機200−2と判断すると、端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200−2の呼状態を確認し、上述のとおり“空き”としているので、LAN電話機200−1に対しては呼出音を、LAN電話機200−2については着信音を送出することを決定する。
【0062】
このとき、LAN電話機200−1に対して呼出音を送出するために、音声種別管理テーブル(図6)から音声種別“呼出音”の音源情報“外部音源装置300(IPマルチキャスト)”を確認すると、端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200−1の受信レベルを判定する。
【0063】
その結果、LAN電話機200−1の受信レベルが“0”であれば、図8の表からIPマルチキャスト未対応であることから、IPマルチキャストが使用できなかった場合に代理手段となる第2の音源情報“端末内蔵音源”を音声種別管理テーブル(図6)から読み出して、LAN電話機200−1に対して“端末内蔵音源”の呼出音を再生するように通知する(ステップB7)。そして、端末状態管理テーブル(図7)中のLAN電話機200−1の「呼状態」を“呼出音送出”に変更する。
【0064】
一方、LAN電話機200−1の「受信レベル」が“0”以外であれば音声種別管理テーブル(図6)から呼出音に対する接続数を判定する。その結果、接続数が“1”以上であれば、既に送出中のIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”からの呼出音を受信するようLAN電話機200−1に通知する(ステップB7)。
【0065】
また、接続数が“0”であれば、音声種別管理テーブル(図6)から音声種別“呼出音”に対する音源情報“外部音源装置120”とIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”を読み出し、“外部音源装置300”に対して音声種別“呼出音”をIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”として送信するように通知する(ステップB6)。
【0066】
そして、音声種別管理テーブル(図6)の音声種別“呼出音”に対する接続数をインクリメントする。この結果、接続数が“1”以上となるので、上述と同様に、既に送出中のIPマルチキャストアドレス“239.192.0.1”からの呼出音を受信するようLAN電話機200−1に通知する(ステップB7)。
【0067】
このように、LAN電話機200−1の受信レベルが“0”以外である場合には、呼出音送出のためにIPマルチキャストを利用する。そして、端末状態管理テーブル(図7)のLAN電話機200−1に対する呼状態を“呼出音送出”に変更し、受話元にIPマルチキャストアドレス“239.192.0.2”を記憶する。
【0068】
PBX100から“呼出音”の音声情報をIPマルチキャストで送信するように指示された外部音源装置300は、直ちに“呼出音”の音声情報をIPマルチキャストアドレス“239.192.0.2”に対して送信を開始する。
【0069】
また、被呼内線であるLAN電話機200−2に対しては着信音送出を指示し(ステップB8)、端末状態管理テーブル(図7)のLAN電話機200−2に対する呼状態を“着信音送出”に変更する。着信音送出指示を受信したLAN電話機200−2は、自端末内の音源から着信音の再生を開始する。
【0070】
さらに、PBX100から“呼出音”の音声情報をIPマルチキャストアドレス“239.192.0.2”から受信するよう指示されたLAN電話機200−1は、マルチキャストグループに参加するために、IGMPのプロトコルに従い、IPマルチキャストアドレス“239.192.0.2”に対するIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージをオール・ホスト・グループ・アドレス“244.0.0.1”へ送信し(ステップB9)、LAN電話機200−1の呼制御管理テーブル(図9)の呼状態を“呼出音”とする。
【0071】
オール・ホスト・グループ・アドレス“244.0.0.1”のマルチキャスト・ルータは、LAN電話機200−1からIPマルチキャスト・メンバ参加メッセージを受信すると、外部音源装置300からの音声情報をLAN電話機200−1に中継する。この場合のマルチキャスト・ルータでのIPマルチキャストパケットのル−ティング処理の詳細は周知であるため説明を省略する。LAN電話機200−1は、マルチキャスト・ルータによって中継された“呼出音”を受信すると、直ちに音声制御回路204によって再生し、スピーカ205を通して利用者に伝達する。
【0072】
次に、LAN電話機200−1によって呼出音が所定時間継続して受信されると、マルチキャスト・ルータからメンバ照会メッセージが発信される(ステップB10)。メンバ照会メッセージを受信したLAN電話機200−1は、メンバ照会メッセージ内の最大レスポンスタイムの範囲内でランダムな遅延タイマを設定し、タイマが時間切れとなった地点でメンバ照会返信メッセージを送信する(ステップB11)。これらのIPマルチキャストの継続動作は、IGMPに定義されているところである。
【0073】
次に、LAN電話機200−2が応答すると、応答したことを呼制御パケットでPBX100に通知する(ステップB12)。LAN電話機200−2の応答を認識したPBX100は、LAN電話機200−2に対しては着信音停止および接続先のIPアドレス情報を含めた接続指示、LAN電話機200−1に対しては呼出音停止および接続先のIPアドレス情報を含めた接続指示をそれぞれ呼制御パケットで通知する(ステップB13,ステップB14)。
【0074】
また、端末状態管理テーブル(図7)におけるLAN電話機200−1とLAN電話機200−2の呼状態を“通話中”に変更し、さらに音声種別管理テーブル(図6)における“呼出音”の接続数をデクリメントする。このとき、接続数が“0”となると、呼出音の発信元である外部音源装置300に対して、呼出音の送信を停止する指示を送信する(ステップB16)。
【0075】
PBX100からの接続指示を受信したLAN電話機200−1は、これまで受信していた呼出音を停止するために、マルチキャスト・ルータに対しグループ離脱メッセージを送信した後(ステップB15)、LAN電話機200−1の呼制御管理テーブル(図9)の呼状態を“通話中”に変更し、PBX100から通知されたIPアドレスを元にLAN電話機200−2との接続を開始する。
【0076】
LAN電話機200−1からの離脱メッセージを受信したマルチキャスト・ルータは、他のLAN電話機200が同一のマルチキャストグループのメンバとなっているのか確認するために、メンバ問い合わせメッセージを送信し、返信がない場合にマルチキャストパケットの中継を停止する。これらのIPマルチキャストの停止動作は、IGMP2(RFC2236)で定義されているとおりである。
【0077】
次に、PBX100がLAN電話機200に対してIPマルチキャストで接続を指示する場合と、PBX100がLAN電話機200に対してIPマルチキャストの受信停止を指示する場合(図13)とについて、それぞれ図12と図13に示す各フローチャートにより説明する。
【0078】
これらの中では、具体例として、図11においてPBX100がLAN電話機200−1からのダイヤル数字を受信(ステップB5)してステップB6〜ステップB8に到るまでのPBX100の動作と、PBX100がLAN電話機200−2から応答したことの通知(ステップB12)を受けてステップB13〜B16に到るまでののPBX100の動作とについて言及する。
【0079】
PBX100がLAN電話機200に対してIPマルチキャストで接続を指示する場合、先ず、PBX100は音声種別管理テーブル(図6)から送出すべき音声種別を選択する(図12のステップC1)。図11の例では、LAN電話機200−1がLAN電話機200−2をダイヤルしたこと検出したPBX100は音声種別として“呼出音”を選択する。そして、選択した音声種別に対する音源情報を読み出して、その音源はIPマルチキャストを使用するか否かを判断する(ステップC2)。“呼出音”に対する音源“外部音源装置”はIPマルチキャストを使用する。
【0080】
音源情報がIPマルチキャストを使用する音源である場合には(ステップC2でYES)、端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200のIPマルチキャストの受信レベルが“0”であるかを判定する(ステップC3)。その結果、“0”でない(ステップC3でNO)、すなわち“1”以上であれば、音声種別管理テーブル(図6)からIPマルチキャストに対する接続数を確認する(ステップC4)。
【0081】
その結果、接続数が“1”以上なら(ステップC4でNO)、既にIPマルチキャストが送信されていることになるので、LAN電話機200に対しはIPマルチキャストのメンバとなって音声情報(図11では“呼出音”)を受信するよう指示し、また音源(図11では“外部音源装置”)に対してはLAN電話機への音声接続を指示する(ステップC6)。ステップC6では音声種別管理テーブル(図6)における当該音源の接続数をインクリメントする。
【0082】
一方、接続数が“0”であるなら(ステップC4でYES)、音源のIPマルチキャストは停止していることになるので、外部音源装置300に対して音声種別と宛先のIPマルチキャストアドレスを通知しIPマルチキャストパケットの送信を指示し(ステップC5)、その後にステップC6へ移行する。
【0083】
LAN電話機のIPマルチキャストの受信レベルが“0”である場合(ステップC3でYES)は、IPマルチキャスト受信に対応していないことになるので、音声種別管理テーブル(図6)から第2の音源情報を読み出す(ステップC7)。この場合は、外部音源装置(IPマルチキャスト)でない場合(ステップC2でNO)と同様な処理(ステップC8〜C12)となる。
【0084】
ステップC8では第2の音源情報が“端末内蔵音源”であるか“パケット制御装置”であるかを判定する(ステップC8)。その結果、“端末内蔵音源”の場合は(ステップC8でYES)、指定される端末内蔵音源に対してLAN電話機200へ音声接続を指示する(ステップC12)。一方、“パケット制御装置”の場合は(ステップC8でNO)、外部音源装置300のIPマルチキャストパケットをパケット制御装置400が中継しLAN電話機200へユニキャストパケットで分配する。
【0085】
そのため、音声種別管理テーブル(図6)から選択されている音声種別の音声に対する接続数を確認する(ステップC9)。その結果、接続数が“1”以上であるならば(ステップC9でNO)、既にIPマルチキャストが送信されているので、パケット制御装置400に対しIPマルチキャストのメンバとなりIPマルチキャストパケットを受信し、LAN電話機200に対してユニキャストで中継するよう指示を行う。LAN電話機200に対しはIPマルチキャストのメンバとなって音声情報を受信するよう指示する(ステップC11)。ステップC11では音声種別管理テーブル(図6)におけるに当該音源の接続数をインクリメントする。
【0086】
一方、接続数が“0”であるならば(ステップC9でYES)、IPマルチキャストは停止していることになるので、外部音源装置300に対して音声種別と宛先のIPマルチキャストアドレスを通知しIPマルチキャストパケットの送信を指示し(ステップC10)、その後にステップC11へ移行する。
【0087】
次に、PBX100がLAN電話機200に対してIPマルチキャストの受信停止を指示する場合、PBX100は接続中のLAN電話機200に対して現在の音声(図11の例では呼出音と着信音)の切断を指示し、端末状態管理テーブル(図7)における当該LAN電話機200の呼状態を変更する(図13のステップD1)。
【0088】
図11の例では、LAN電話機200−2からの応答イベント情報を受信したPBX100は、LAN電話機200−1に対しては現在受信中の呼出音を停止し、LAN電話機200−2に対しては着信音を停止し、LAN電話機200−1とLAN電話機200−2の通話を実施することを決定する。このとき、PBX100は端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200−1の呼状態と受話元を読み出し、LAN電話機200−1に対し呼出音切断指示を呼制御パケットで通知し、端末状態管理テーブル(図7)からLAN電話機200−1の呼状態を変更する。
【0089】
次に、読み出した呼状態と受話元から音源と伝達手段を判定する(ステップD2)。その結果、端末内蔵音源であれば処理を終了する。また、パケット制御装置経由で音声情報を中継していた場合にはバケット制御装置400に対して中継の停止を指示した上で(ステップD3)、IPマルチキャストであった場合にはストレートに、音声種別管理テーブル(図6)における当該音源の接続数をデクリメントする(ステップD4)。
【0090】
その結果、接続数が“0”であるか判定する(ステップD5)。接続数が“1”以上の場合は、音声(図11の例では呼出音)の送信を継続するが、接続数が“0”である場合は、外部音源装置300に対して、音声の送信を停止するように指示する(ステップD6)。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について、PBXへの適応例をとりあげて説明してきたが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、音声種別毎に最初の接続者が発生した時に、IPマルチキャストアドレスを動的に割り当てるRFC2771,RFC2908などを使用して問題の解決を図ることができる。
【0092】
また、別の例として、LAN電話機200が配置されるネットワーク毎に音源である外部音源装置300を変更する場合においても、ネットワーク毎に音声種別管理テーブル(図6)をPBX100が保持することによって実施することが可能である。
【0093】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、LAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルを試験によって予め採取し記憶しておくことによって、IPマルチキャストに対応できるのであればIPマルチキャスト、一方、IPマルチキャストに対応できない場合には、別手段または第2の音源によって音声情報を伝達する構成としたので、IPマルチキャスト対応LAN電話システムにおけるサービスの低下を防ぐことができるようになる。
【0094】
これは、IPマルチキャストをサポートしていないLAN電話機を予定して、マルチキャストデータグラムをユニキャストデータグラムに変換して個別にデータを送受信する必要がなくなり、更に、独自プロトコルの実装を必要としたり、マルチキャスト・ルータおよび受信ホストにプログラムの変更等の処置が不要になるからである。
【0095】
音声情報がマルチキャストパケットで伝達できるときは、周知のように、1つパケットで複数のLAN電話機に対して情報の伝達ができる。このため、接続するLAN電話機の増加に比例してパケット数が増加するユニキャストでの音声情報の伝達と比較して、パケットのトラヒックを一定に押さえネットワークリソースを効率良く利用することが可能になるので、LANトラヒックに負荷を与えないのである。
【0096】
特に、本発明では、RFCで標準化されているプロトコルを利用するため、ネットワークを構成している全ての装置が本仕様に準拠していれば、ネットワークの形態やホスト数に関係なく、マルチキャストパケットで送られてくる音声情報を受信することが可能になり、音声情報を受信するメンバが無制限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLAN電話システムの一実施例を示す構成図
【図2】図1の実施例におけるPBX100の内部構成を示すブロック図
【図3】図1の実施例におけるLAN電話機200の内部構造を示すブロック図
【図4】図1の実施例における外部音源装置300の内部構成を示すブロック図
【図5】図1の実施例におけるパケット制御装置400の内部構成を示すブロック図
【図6】PBX100のメモリ102が記憶する音声種別管理テーブルの内容を例示する図
【図7】PBX100のメモリ102が記憶する端末状態管理テーブルの内容を例示する図
【図8】図7におけるIPマルチキャストレベルの内容を示す
【図9】LAN電話機200のメモリ202が記憶する呼制御管理テーブルの内容を例示する図
【図10】図1の実施例におけるLAN電話機200の初期設定シーケンス図
【図11】図1の実施例におけるLAN電話機200が音声情報をIPマルチキャストで受信する処理例を示すシーケンス図
【図12】図1の実施例におけるPBX100がLAN電話機200に対しIPマルチキャストの受信を指示する場合のプログラムフローチャート
【図13】図1の実施例におけるPBX100がLAN電話機200に対しIPマルチキャストの受信停止を指示する場合のプログラムフローチャート
【図14】従来のLAN電話システムにおける処理例を示すシーケンス図
【符号の説明】
100 PBX
200 LAN電話機
300 外部音源装置
400 パケット制御装置
500 ルータ
600 ゲートウエイ
Claims (8)
- LAN(ローカルエリアネットワーク)に設置された複数のLAN電話機と、LAN電話機を内線として制御するPBX(構内交換機)とを有するLAN電話システムにおいて、
外部音源装置から提供される不在通知/話中案内/音声ガイダンス等のアナウンスや、保留音などに利用される音楽またはLAN電話機から利用者(ユーザ)の声による一斉呼び出し/会議など、同一の音源から発信する音声情報を、予め試験によって得られるLAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルに応じてIPマルチキャストパケットまたはパケット制御装置から分配されるユニキャストパケットにより複数のLAN電話機に同時に受信させることを特徴とするLAN電話システム。 - 前記PBXは、前記LAN電話機,前記外部音源装置または前記パケット制御装置が利用者(ユーザ)によるイベントを通知する呼制御パケットを受信する手段と、前記LAN電話機,前記外部音源装置または前記パケット制御装置に音声情報の送信,受信の指示や状態の変更を通知する呼制御パケットを送信する手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のLAN電話システム。
- 前記PBXは、前記LAN電話機毎のIPマルチキャスト対応レベルの情報と、音声種別対応にIPマルチキャストが受信できない場合の代理手段となる第2の音源の情報とを記憶し、
前記IPマルチキャスト対応レベルに応じて、IPマルチキャストパケットまたは前記パケット制御装置から分配されるユニキャストパケットまたは前記第2の音源からの音声のいずれかを受信するように決定することを特徴とする請求項1または2に記載のLAN電話システム。 - 前記PBXは、音声種別毎に、音源情報(IPマルチキャスト使用/不使用の情報を含む),音声種別管理テーブル,音声情報の発信元と,IPマルチキャストパケットの宛先であるIPアドレス,パケットの伝達される範囲を示すTTL(Time to Live:生存時間)および音声情報を受信しているLAN電話機の数を示す接続数を記憶する端末状態管理テーブルと、
PBXに所属するLAN電話機毎に、その状態情報を記憶するための呼制御管理テーブルとを保持することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のLAN電話システム。 - 前記LAN電話機は、前記PBXが指示する呼制御パケットを受信する手段と、LAN電話機からのイベントを送信する手段とを備え、PBXの指示によりIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットで音声情報を送信または受信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のLAN電話システム。
- 前記外部音源装置は、PBXから指示される呼制御パケットを受信する手段を備え、PBXから音声情報の送信を指示する呼制御パケットを受信すると、指示された音声情報を指定されている宛先に対してIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットを送信することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のLAN電話システム。
- 前記パケット制御装置は、PBXからの呼制御パケットを受信する手段を備え、PBXから指定される音声パケットをIPマルチキャストパケットまたはユニキャストパケットを受信し、宛先を変更して送信することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のLAN電話システム。
- 前記LAN電話機または前記パケット制御装置は、IPマルチキャストパケットの前記IPマルチキャスト対応レベルを自動判定するための試験用IPマルチキャストパケットが予め定義されており、PBXから試験用IPマルチキャストパケットの送信指示、停止指示、受信指示の各呼制御パケットを受信すると、それぞれ試験用IPマルチキャストパケットの送信を開始し、試験用IPマルチキャストパケットの送信を停止し、自己の認識する最新のIPマルチキャストプロトコルを用いて受信処理を開始し、
予め規定した一定時間内に予め規定したパケット数を受信できなかった場合には、次に新しいIPマルチキャストプロトコルを用いた受信処理を繰り返し、受信できたプロトコルに対応するレベルを前記IPマルチキャスト対応レベルとしてPBXに通知することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のLAN電話システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110830A JP2004320382A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | Lan電話システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003110830A JP2004320382A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | Lan電話システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004320382A true JP2004320382A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33471574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003110830A Pending JP2004320382A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | Lan電話システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004320382A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007060381A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-03-08 | Oki Electric Ind Co Ltd | 音声ガイダンスを提供するip電話システム |
JP2008147887A (ja) * | 2006-12-07 | 2008-06-26 | Nakayo Telecommun Inc | 電話システムおよびゲートウェイ装置 |
JP2011199417A (ja) * | 2010-03-17 | 2011-10-06 | Toshiba Corp | 電話システム及び電話交換装置及び電話交換装置で用いられる接続制御方法 |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110830A patent/JP2004320382A/ja active Pending
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US8565224B2 (en) | 2010-03-17 | 2013-10-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Telephone system, telephone exchange apparatus, and connection control method used in telephone exchange apparatus |
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