JP2004320368A - 増幅回路及び送信装置 - Google Patents

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Kazuhiko Takeyama
和彦 竹山
Kazuhiko Ikeda
和彦 池田
Akira Sasaki
亮 佐々木
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Abstract

【課題】広帯域での均一な位相制御又は利得制御の少なくとも一方の制御が可能であり、デバイスの増加に伴う信号品質の劣化が小さく、かつ、調整が簡単で小型で安価に構成すること。
【解決手段】ローカル周波数発振器106は、位相可変器103及び利得可変器104を備えたプリディストータ101にローカル信号を入力する。位相可変器103は、外部から入力される制御信号により前記ローカル信号の位相を変化させる。利得可変器104は、外部から入力される制御信号により前記ローカル信号の振幅を変化させる。周波数変換器102は、増幅回路100に入力される希望信号と、ローカル周波数発振器106から出力されるローカル信号とを掛け合わせて希望信号の周波数を変換する。フィルタ107は、周波数変換された希望信号のみを通過させる。ローカル信号の位相制御及び利得制御により高出力増幅器105の位相歪み及び電力歪みを抑圧する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波増幅器において発生する位相歪み及び振幅歪みを低減する歪み補償回路を備えた増幅回路及び送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信システムの送信装置に用いられる高周波増幅器の入出力特性は、理想的には入力信号の電力あるいは周波数により出力信号の位相及び増幅器の利得が変化しないことが望ましい。しかしながら、この種の送信装置における実際の増幅器は、入力電力の増加に伴って増幅器の利得が減少するとともに出力信号の位相が変化する特性をもつため出力信号の位相歪み及び振幅歪みが発生する。このため、このような増幅器を有する送信装置においては、その出力信号の位相歪み及び振幅歪みによって、その伝送信号周波数近傍の周波数に漏洩電力が現れる。この漏洩電力は、他のチャネルの伝送信号においては妨害波となってしまうため抑圧する必要がある。しかしながら、この漏洩電力は、伝送信号周波数の近傍に発生するためにフィルタでの抑圧が難しい。そこで、この種の従来の送信装置では、歪み補償される増幅器と逆の入出力特性を持つ歪み補償回路を使用して、その出力信号の位相歪み及び振幅歪みの発生を抑制するようにしている。このような歪み補償回路を使用している送信装置は、増幅器の飽和電力付近まで出力信号の利得及び位相の変化を小さくできるので、線形に近い特性を得ることができ、漏洩電力を抑圧することができる。
【0003】
図9に、従来の送信装置10の一例を示す。この送信装置10は、図9に示すように、送信用の高出力増幅器11、高出力増幅器11において生じる信号歪みを補償する歪み補償回路(プリディストータ)12、周波数変換手段15、局部発振器16、変調回路17及びアンテナ18を具備している。周波数変換手段15は、局部発振器16からのローカル信号を受けて送信信号をマイクロ周波数信号に周波数変換する。
【0004】
この送信装置10のプリディストータ12は、高出力増幅器11よりも前段に設けられており、変調回路17からの入力信号の位相を調整する可変位相器13と、変調回路17からの入力信号の振幅を調整する可変利得器14とを具備している。このプリディストータ12は、高出力増幅器11により発生する信号歪みが最小となるように変調回路17からの入力信号の位相及び振幅を調整する。つまり、このプリディストータ12は、高出力増幅器11より発生する信号歪みに対し等振幅で逆位相となるように、可変位相器13及び可変利得器14により変調回路17からの入力信号の位相及び振幅を調整する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図10は、この種のプリディストータとしてダイオードを利用した従来の歪み補償回路の一例を示す回路図である。図10に示すように、歪み補償回路20は、ダイオード21、キャパシタ22、入力整合回路23及び出力整合回路24を具備している。図10において、ダイオード21とキャパシタ22とは互いに並列に接続されている。入力整合回路23は、ダイオード21とキャパシタ22との並列接続回路の入力端子に接続されている。また、出力整合回路24は、ダイオード21とキャパシタ22との並列接続回路の出力端子に接続されている。図11は、ダイオード21とキャパシタ22の並列接続回路の入力電力に対する利得及び通過位相特性を示す特性図である。図11に示すように、ダイオード21とキャパシタ22の並列接続回路は、その入力電力の増加に伴って出力信号の利得が増加するとともに出力信号の位相が遅れる特性を有している。そこで、この歪み補償回路20では、ダイオード21に加える順方向電圧を変化させて、ダイオード21の後段に設けられる高出力増幅器(図示せず)の歪み特性を逆特性になるように調整することにより、高出力増幅器より発生する信号歪みを抑えている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−264082号公報
【特許文献2】
特開平9−232901号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、移動体通信システムの分野においては、高速伝送を実現するために広帯域な通信帯域幅の送信装置が求められている。この広帯域な通信帯域幅の送信装置では、その信号ラインに配設する可変位相器として、広帯域な希望周波数帯の位相を均一に変化させることができる可変位相器を必要としている。しかしながら、従来の送信装置においては、広帯域な希望周波数帯の位相を均一に変化させることができる可変位相器の実現が難しいという問題があった。この問題は可変利得器についても同様である。また、例えば、複数の周波数チャネルを利用する送信装置においては、前記可変位相器の位相特性の直線性を満足できる周波数帯域幅が狭いため各周波数チャネルにおいて同等の性能を満足することが難しいという問題があった。
【0008】
また、この種の従来の送信装置では、そのプリディストータの可変位相器及び可変利得器によって挿入損失が発生するため、この挿入損失を補うための増幅器等のデバイスを追加する必要がある。このため、従来の送信装置では、増幅器等のデバイスの追加によるNF劣化及び歪み成分の増加に伴う信号品質の劣化を招くとともに、回路規模が増大してコストアップとなるという問題があった。また、従来の送信装置では、入出力信号が広帯域なため、可変位相器及び可変利得器の通過損失が周波数特性を持つ場合、この通過損失を補償する手段も必要となり、回路規模が更に大きくなるという問題があった。
【0009】
また、ディジタル信号処理で位相制御及び利得制御を行う送信装置の場合には、実運用時の信号より更に振幅を大きくする必要があるため、分解能を保持するために広いダイナミックレンジを持ったデジタルアナログコンバータが必要となり、コストアップになるという問題がある。
【0010】
また、広帯域な通信帯域幅を有する送信装置では、広帯域の信号を扱うのでベースバンド部での信号処理も高速となるため、その位相制御を行う場合でも、高価な高速型デバイスの回路規模が増大してコストアップに繋がるという問題がある。
【0011】
一方、図10に示すようなダイオード21を利用した歪み補償回路20を有する増幅回路においては、増幅器と逆の入出力特性を歪み補償回路20に持たせているため、微調整が困難な高周波回路におけるバイアス調整、キャパシタの容量値の調整及び入出力の整合調整が必要となり、調整工数に多くの時間を費やすという問題がある。また、このような歪み補償回路20を有する増幅回路では、そのダイオード21の特性の依存性が強く、その振幅特性及び位相特性の独立した調整が難しくなるため、十分な歪み補償効果が得られないという問題がある。また、この歪み補償回路20を有する増幅回路では、その周波数を変更する場合、ダイオード21の変更を必要とするおそれがあるという問題がある。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、広帯域での均一な位相制御又は利得制御の少なくとも一方の制御が可能であり、デバイスの増加に伴う信号品質の劣化が小さく、かつ、調整が簡単で小型で安価な増幅回路及び送信装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の増幅回路は、ローカル信号を出力するローカル周波数発振手段と、入力される希望信号と前記ローカル信号とを掛け合わせて前記希望信号の周波数を変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段により変換された前記希望信号の周波数のみを通過させるフィルタと、前記希望信号を増幅する高出力増幅器と、を具備し、かつ、外部から入力される制御信号に基づいて前記ローカル信号の位相を変化させる位相可変手段と、外部から入力される制御信号に基づいて前記ローカル信号の振幅を変化させる利得可変手段とのうちの、少なくとも一方を具備する構成を採る。
【0014】
この構成によれば、前記ローカル周波数発振手段より出力されるローカル信号が、前記位相可変手段と前記利得可変手段とのうちの少なくとも一方を有するプリディストータを介して前記周波数変換手段に入力される。ここで、前記ローカル信号のローカル信号ラインには帯域は必要ないので、前記ローカル信号の位相及び振幅(利得)を個々に変化させることにより、周波数変換した希望信号の位相又は振幅の少なくとも一方を任意に独立して制御できるようになる。従って、この構成によれば、前記希望信号の位相又は振幅の少なくとも一方を、広帯域のすべての周波数において一定の利得又は位相変化となるように容易に制御できるようになる。また、この構成によれば、前記希望信号の振幅及び位相の調整が簡単になる。すなわち、一般に、アナログ調整デバイスを広帯域で動作させる場合、帯域内のインピーダンス整合及び帯域内偏差修正等の調整が必要になる。これに対し、前記ローカル信号の制御では帯域は必要ないので、この構成においては、広帯域のデバイスに比べて前記希望信号の振幅及び位相の調整を容易に行うことができる。ところで、前記可変位相器及び前記可変利得器を設けた場合には、挿入損失が発生するため、この挿入損失を補うための増幅器等のデバイスを追加する必要がある。しかし、このような増幅器等のデバイスを追加すると、NF劣化、歪み成分の増加に伴う信号品質の劣化を招く。これに対し、この構成では、一般に前記ローカル信号ラインにMIXの入力レベルに合わせた増幅器を置くので、損失補償用の増幅器等のデバイスが不要になり信号品質の劣化が小さくなる。なお、広帯域の可変位相器及び広帯域の可変利得器は高価であり大型となる傾向がある。また、制御器損失を補償する増幅器を取り付けた増幅回路は高価で大型となる傾向がある。これに対し、この構成では、前記ローカル信号ラインには帯域は必要ないので、小型で安価な狭帯域の可変位相器及び可変利得器により前記ローカル信号の位相及び振幅(利得)を個々に変化させることができるようになる。
【0015】
請求項2記載の増幅回路は、請求項1記載の増幅回路において、前記高出力増幅器より発生する信号歪みに対し等振幅で逆位相となるように前記位相可変手段及び利得可変手段を制御する制御装置を具備する構成を採る。
【0016】
この構成によれば、請求項1記載の発明の作用効果に加え、前記制御装置により前記位相可変手段及び利得可変手段を制御することで、前記高出力増幅器より発生する出力信号の位相歪み及び振幅歪みを容易に補償することができるようになる。
【0017】
請求項3記載の増幅回路は、請求項1又は2記載の増幅回路において、前記位相可変手段は飽和領域内の動作での入力電力によって位相特性が変化する第1の可変利得増幅器を有し、前記利得可変手段は前記第1の可変利得増幅器からの入力電力を前記飽和領域内で変化させる第2の可変利得増幅器を有する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、前記増幅回路に用いられる歪み補償回路の更なる小型化及び低コスト化が可能になる。すなわち、前記第1の可変利得増幅器及び前記第2の可変利得増幅器として使用する可変増幅器は、一般に、汎用品として多くの可変増幅器が提供されており、これらは安価で小型なものが多い。この構成では、上記位相可変手段及び利得可変手段を、小型で安価な可変利得増幅器に置き換えた構成を採っているので、増幅回路の歪み補償回路を更に小型で安価に構成することができる。
【0019】
請求項4記載の送信装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の増幅回路を具備する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、前記増幅回路を小型で安価に構成できるので、送信装置を小型化及び低コスト化することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、外部から入力される制御信号に基づいて位相可変手段及び利得可変手段を制御して、ローカル周波数発振手段から出力されるローカル信号の位相及び振幅を変化させることである。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る増幅回路の構成を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る増幅回路100は、プリディストータ101、高出力増幅器105、ローカル周波数発振器106及びフィルタ107を具備している。歪み補償回路であるプリディストータ101は、位相可変手段としての位相可変器103及び利得可変手段としての利得可変器104を備えている。プリディストータ101のローカル信号ラインには、プリディストータ101にローカル信号を入力するローカル周波数発振手段としてのローカル周波数発振器106が設けられている。位相可変器103は、外部から入力される制御信号によりローカル信号の位相を変化させる。利得可変器104は、外部から入力される制御信号によりローカル信号の振幅を変化させる。
【0025】
周波数変換手段としての周波数変換器102は、増幅回路100に入力される希望信号と、ローカル周波数発振器106から出力されるローカル信号とを掛け合わせて希望信号の周波数を変換する。
【0026】
増幅回路100のプリディストータ101の出力端子には、周波数変換された希望信号を増幅する高出力増幅器105がフィルタ107を介して接続されている。フィルタ107は、周波数変換された希望信号のみを通過させる。
【0027】
この増幅回路100は、図1に示すように、高出力増幅器105よりも前段に、高出力増幅器105で生じる信号歪みを補償するためのプリディストータ101を設けたものである。このプリディストータ101は、希望周波数を変換するとともに、外部から入力される制御信号により前記ローカル信号の位相及び利得を任意に独立して変化させることができる。
【0028】
次に、このプリディストータ101により周波数変換した希望信号の位相及び利得を任意に独立して制御できる原理について説明する。
【0029】
図1において、周波数変換器102は、例えばダイオードとする。図2は、ダイオード201を用いた周波数変換器102を示す回路図である。この周波数変換器102は、ダイオード201の入力端子に希望入力信号とローカル信号とが入力され、ダイオード201の出力端子から出力信号を出力する。
【0030】
ここで、ダイオード201のI−V特性は、一般に次の(式1)で表される。
【数1】
Figure 2004320368
【0031】
この(式1)において、Isはダイオードの飽和電流を示し、qは電子の電荷を示し、VはPN接合への印加電圧を示し、ηは1〜2の定数であり、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度である。
PN接合に印加される電圧が、次の(式2)のように直流バイアスVoと微小な交流電圧δVとの和であるとする。
【数2】
Figure 2004320368
【0032】
この(式2)を前記(式1)に代入してTaylor展開を行うと、次の(式3)のようになる。
【数3】
Figure 2004320368
【0033】
この(式3)において、Ioは直流バイアス電流であり、δIは微小な交流電流である。この(式3)の各項を、次の(式4)に置き換える。
【数4】
Figure 2004320368
【0034】
この(式4)を前記(式3)に代入して整理すると、(式3)は次の(式5)のように表される。
【数5】
Figure 2004320368
【0035】
図2において、ダイオード201に印加される交流電圧vを次の(式6)で表す。
【数6】
Figure 2004320368
【0036】
この(式6)を前記(式5)に代入して展開すると、次の(式7)のようになる。
【数7】
Figure 2004320368
【0037】
この(式7)のなかに、和と差の項があり、ダイオード201が周波数変換器102として動作していることがわかる。なお、この場合には希望周波数成分以外にも様々な周波数成分を生じていることも分かるが、これらの周波数成分はフィルタ107によって抑圧することができる。その結果、ダイオード201を通過する信号は、次の(式8)で表される。
【数8】
Figure 2004320368
【0038】
この(式8)において、振幅はVLO・VRFで表され、位相はωRF+ωLO+θで表されており、前記ローカル信号の位相及び振幅を個々に変化させることにより、周波数変換した希望信号の位相及び振幅を独立して制御できることが分かる。
【0039】
これにより、外部から入力される制御信号に基づいてプリディストータ101の位相可変器103及び利得可変器104を制御することによって、高出力増幅器105へ入力する希望信号の振幅及び位相を任意に制御できることが分かる。
【0040】
また、前記(式8)より、前記希望信号は、すべての周波数において一定の利得及び位相の変化となることが分かる。
【0041】
このように、本発明の実施の形態1によれば、広帯域において均一な位相制御及び利得制御が可能であり、調整が簡単なデバイスの増加に伴う信号品質の劣化が小さい小型で安価なプリディストータ101を実現できる。また、本発明の実施の形態1によれば、プリディストータ101を用いることにより、広帯域での動作が可能で小型で安価な低歪みの増幅回路100を実現できるようになる。
【0042】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図面を参照して説明する。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態2に係る増幅回路の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態2においては、本発明の実施の形態1と同一の構成要素には同じ符号が付されて、その説明が省略される。
【0044】
図3に示すように、本発明の実施の形態2に係る増幅回路300は、プリディストータ101、高出力増幅器105、ローカル周波数発振器106、フィルタ107、方向性結合器308、検波器309及び制御装置310を具備している。
【0045】
方向性結合器308には、増幅回路300への入力信号が入力される。この方向性結合器308の一方の出力は、プリディストータ101に入力される。また、方向性結合器308の他方の出力は、検波器309に入力される。制御装置310は、検波器309が検出した検出情報に基づいて、位相可変器103及び利得可変器104に制御信号を与える。
【0046】
ここで、検波器309としては、例えば、検波用ダイオードを用いることができる。この検波器309は、方向性結合器308より分配された微小希望信号のレベルを検波して検出信号として電圧を出力する。
【0047】
また、制御装置310は、高出力増幅器105より発生する信号歪みに対し等振幅で逆位相となるように、位相可変器103及び利得可変器104を制御する。この制御装置310は、検波器309より入力される検出信号に対応した制御値を記憶している記憶回路を持っており、この記憶回路に記憶されている制御値を参照することで、位相可変器103及び利得可変器104へ送る制御信号を決定する。
【0048】
例えば、制御装置310の記憶回路には、高出力増幅器105より発生する信号歪みに対し等振幅で逆位相となるような制御値を予め書き込んでおく。制御装置310は、この制御値を参照して位相可変器103及び利得可変器104へ送る制御信号を決定する。この決定した制御信号に基づいて位相可変器103及び利得可変器104を制御することにより、高出力増幅器105より発生する漏洩電力を抑圧することができる。
【0049】
このように、本発明の実施の形態2によれば、制御装置310により位相可変器103及び利得可変器104を制御することにより、高出力増幅器105より発生する出力信号の位相歪み及び振幅歪みを容易に補償することができるようになる。
【0050】
図3に示した増幅回路300は、プリディストータ101の前段に方向性結合器308を配設する構成を取っているが、位相可変器103及び利得可変器104を歪み補償が得られるように動作できる構成であればよく、この構成に限るものではない。
【0051】
なお、本発明の実施の形態1、2に係る増幅回路100又は300においては、ローカル周波数発振器106より出力されるローカル信号の位相及び利得の両方を制御しているが、歪み補償の効果が得られれば位相又は利得のどちらか一方を制御するようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態1、2に係る増幅回路100又は300においては、例えば、位相可変器103によりローカル周波数発振器106より出力されるローカル信号の位相のみを制御し、従来の歪み補償回路と同様に入力信号の振幅を利得可変器104により制御するように構成してもよい。また、この増幅回路100又は300においては、利得可変器104によりローカル周波数発振器106より出力されるローカル信号の振幅のみを制御し、入力信号の位相を位相可変器103により制御するように構成してもよい。
【0052】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、図面を参照して説明する。
【0053】
図4は、本発明の実施の形態3に係る増幅回路の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態3においては、本発明の実施の形態1と同一の構成要素には同じ符号が付されて、その説明が省略される。
【0054】
図4に示すように、本発明の実施の形態3に係る増幅回路400は、図1に示した増幅回路100の位相可変器103を第1の可変利得増幅器403に置き換え、かつ、利得可変器104を第2の可変利得増幅器404に置き換えたものである。
【0055】
この増幅回路400のプリディストータ401は、第1の可変利得増幅器403及び第2の可変利得増幅器404を備えている。第1の可変利得増幅器403は、出力レベルにおける飽和領域内動作での入力レベルによって位相特性が変化し、飽和出力レベルが変化する。第2の可変利得増幅器404は、第1の可変利得増幅器403の入力レベルを飽和領域で変化させる。プリディストータ401は、第1の可変利得増幅器403の出力信号を第2の可変利得増幅器404に入力するように接続し、第2の可変利得増幅器404の出力信号を周波数変換器102に入力するように接続して構成されている。
【0056】
この増幅回路400の第2の可変利得増幅器404は、例えば、図5に示すように、増幅素子501及び可変減衰素子502を備えている。この第2の可変利得増幅器404は、増幅素子501の出力を可変減衰素子502に入力するように構成されている。このような構成の第2の可変利得増幅器404は、可変減衰素子502の制御により飽和出力レベルを制御することができる。
【0057】
一般に、飽和領域内動作での増幅器の特性は、入力レベルの変動に対して出力信号の位相は大きく変動し、出力レベルは一定レベルへ収束する。このような増幅器の代表的な特性を図6に示す。図6において、横軸は入力レベルであり第1縦軸は出力レベルであり、第2縦軸は歪みのない信号の位相を基準としたときの位相差である。
【0058】
増幅回路400の第2の可変利得増幅器404では、増幅素子501が、例えば、図6に示されるような特性をもつ。つまり、増幅素子501の出力信号は、図6に実線Aで示すように、ある入力レベル(図6ではa1[dBm])より、入力レベルの増加に対して大きく位相が変化し始める傾向にある。この増幅素子501の場合には、入力レベルの増加に伴い、その出力信号の位相の進みが大きくなる。また、増幅素子501の出力信号の出力レベルは、図6に実線Bで示すように、ある入力レベル(図6ではa2[dBm])より、入力レベルの増加に伴いb1[dBm]へ収束する傾向となる。
【0059】
また、第1の可変利得増幅器403は、例えば、一定の入力レベルに対して、図7に示すような特性を持つ。この第1の可変利得増幅器403では、その制御信号を例えば電圧とする。図7において、横軸は制御信号電圧であり、縦軸は出力レベルである。この第1の可変利得増幅器403は、その利得の可変範囲内において制御電圧を制御することにより、図7に実線Cで示すように、任意に出力レベルを変えることができる。
【0060】
図4において、第1の可変利得増幅器403は、入力されたローカル信号を可変増幅して、レベル変換した信号を第2の可変利得増幅器404へ入力する。信号が入力された第2の可変利得増幅器404は、その増幅素子501の位相歪み特性により、入力レベル変化を位相変化に変換した信号を出力する(図6の破線A参照)。このような第1の可変利得増幅器403の利得制御により、ローカル信号の位相制御が可能となる。
【0061】
また、第2の可変利得増幅器404においては、可変減衰素子502を制御することにより、周波数変換器102へ入力するローカル信号の出力レベルの制御が可能となる(図6の実線B参照)。このような可変減衰素子502の制御により、ローカル信号の利得(振幅)制御が可能となる。
【0062】
ここで、第1の可変利得増幅器403及び第2の可変利得増幅器404として使用する可変増幅器は、一般に、汎用品として多くの可変増幅器が提供されており、これらは安価で小型なものが多い。
【0063】
従って、本発明の実施の形態3によれば、高価な位相可変器103及び利得可変器104を、安価な第1の可変利得増幅器403及び第2の可変利得増幅器403に置き換えた構成を採っているので、そのプリディストータ401の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0064】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について、図面を参照して説明する。
【0065】
図8は、本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態2においては、本発明の実施の形態1と同一の構成要素には同じ符号が付されて、その説明が省略される。
【0066】
図8に示すように、本発明の実施の形態4に係る送信装置800は、その増幅回路として図1に示した増幅回路100を有している。
【0067】
この送信装置800は、アンテナ801、変調器802、IF周波数変換器803、IFローカル周波数発振器804、IFフィルタ805及びIF増幅器806を具備している。
【0068】
図8において、アンテナ801は、増幅回路100の高出力増幅器105に接続されており、高出力増幅器105から出力される送信信号を送信する。変調器802は、変調波信号を出力する。この変調器802から出力される変調波信号は、IF周波数帯へ周波数変換させるIF周波数変換器803に入力される。このIF周波数変換器803のローカル端子には、IFローカル周波数を発振するIFローカル周波数発振器804の出力が入力されている。
【0069】
また、IF周波数変換器803の出力は、希望IF信号を通過させるIFフィルタ805に入力されている。このIFフィルタ805の出力は、希望IF信号を増幅するIF増幅器806に入力されている。そして、このIF増幅器806の出力は、増幅回路100に入力されている。
【0070】
以上のように構成された送信装置800は、次のように動作される。
【0071】
図8において、変調器802より出力される変調波信号は、IF周波数変換器803によりIF周波数帯の信号に変換される。このIF周波数変換器803により変換されたIF変調波信号は、IFフィルタ805及びIF増幅器806により、増幅回路100への入力に最適な信号レベルに調整されて、その不用波が抑圧される。送信装置800のプリディストータ101は、増幅回路100に入力された信号を、高出力増幅器105より発生する漏洩電力を抑圧するように、変調波信号の位相及び振幅を制御する。また、プリディストータ101は、IF周波数変換器803により変換されたIF変調波信号の周波数を送信周波数帯の周波数に変換する。
【0072】
このように、IF周波数変換器803を必須の構成要素とするスーパーヘテロダイン方式の送信装置800に、歪み補償回路であるプリディストータ101を備えた増幅回路100を組み込むことにより、プリディストータ101で歪み補償を行いながら周波数変換を行うことができる。また、この送信装置800の増幅回路100は、前述したように、広帯域での動作が可能で小型で安価な低歪みの増幅回路であるので、送信装置800の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0073】
ここで、プリディストータ101は、変調波信号の振幅が高出力増幅器105の出力で低下するとき、その特性と逆特性を持たせるために信号振幅を増加するように動作する。つまり、このように変調波信号の振幅が高出力増幅器105の出力で低下するときには、プリディストータ101の出力の信号レベルの最大値が大きくなる。
【0074】
このため、このプリディストータ101を、図9に示した従来の送信装置10のように、変調器802とIF周波数変換器803との間のIF周波数ラインに設けた場合には、プリディストータ101と高出力増幅器105との間に設けられたデバイスの入力信号の最大振幅が通常運用時より大きくなる。従って、この場合には、プリディストータ101と高出力増幅器105との間に設けられたデバイスで信号に歪みが生じた場合に、高出力増幅器105の歪み補償が行えなくなる。このため、この場合には、プリディストータ101と高出力増幅器105との間に設けられたデバイスとして歪みのない特性が優れたものが必要となり、回路規模の増大及びコストアップを招くことになる。
【0075】
これに対し、本発明の実施の形態4に係る送信装置800は、そのプリディストータ101と高出力増幅器105との間のデバイスが、周波数変換された希望信号のみを通過させる安価で小型なフィルタ107のみであるので、その小型化及び低コスト化を実現できる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、広帯域での均一な位相制御及び利得制御が可能であり、デバイスの増加に伴う信号品質の劣化が小さく、かつ調整が簡単で小型で安価な増幅回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る増幅回路の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る増幅回路における周波数変換手段の回路図
【図3】本発明の実施の形態2に係る増幅回路の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3に係る増幅回路の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態3に係る増幅回路における可変利得増幅器の回路図
【図6】本発明の実施の形態3に係る増幅回路における増幅器の入力レベルと出力レベル及び位相差特性との関係を説明するためのグラフ
【図7】本発明の実施の形態3に係る増幅回路における可変利得増幅器の制御電圧対飽和出力レベル特性を説明するための特性図
【図8】本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図9】従来の歪み補償回路を備えた送信装置の構成を示すブロック図
【図10】ダイオードを用いた従来の歪み補償回路の構成を示す模式図
【図11】ダイオードを用いた従来の歪み補償回路における入力レベル及び出力レベルと位相差特性との関係を説明するための特性図
【符号の説明】
100、300、400 増幅回路
101 プリディストータ
102 周波数変換器
103 位相可変器
104 利得可変器
105 高出力増幅器
106 ローカル周波数発振器
107 フィルタ
308 方向性結合器
309 検波器
110 制御装置
403 第1の可変利得増幅器
404 第2の可変利得増幅器
801 アンテナ
802 変調器
803 IF周波数変換器
804 IFローカル周波数発振器
805 IFフィルタ
806 IF増幅器

Claims (4)

  1. ローカル信号を出力するローカル周波数発振手段と、入力される希望信号と前記ローカル信号とを掛け合わせて前記希望信号の周波数を変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段により変換された前記希望信号の周波数のみを通過させるフィルタと、前記希望信号を増幅する高出力増幅器と、を具備し、かつ、外部から入力される制御信号に基づいて前記ローカル信号の位相を変化させる位相可変手段と、外部から入力される制御信号に基づいて前記ローカル信号の振幅を変化させる利得可変手段とのうちの、少なくとも一方を具備することを特徴とする増幅回路。
  2. 前記高出力増幅器より発生する信号歪みに対し等振幅で逆位相となるように前記位相可変手段及び利得可変手段を制御する制御装置を具備することを特徴とする請求項1記載の増幅回路。
  3. 前記位相可変手段は飽和領域内の動作での入力電力によって位相特性が変化する第1の可変利得増幅器を有し、前記利得可変手段は前記第1の可変利得増幅器からの入力電力を前記飽和領域内で変化させる第2の可変利得増幅器を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の増幅回路。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の増幅回路を具備することを特徴とする送信装置。
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