JP2004320353A - 画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速で容易な階調変換処理を可能にする。
【解決手段】画像処理システム100における画像処理部1は、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整(出力階調再現特性調整)、出力機器特性調整の5ステップに分割し、この順番で処理する。また、指示入力部3に、色、明るさを調整するためのキーと、コントラストを調整するためのキーを設ける。リバーサルフィルムに記録された画像の階調変換を行う場合は、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整を、第2の色・明るさ調整及び第2のコントラスト調整に分け、この順番で処理する。
【選択図】 図1
【解決手段】画像処理システム100における画像処理部1は、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整(出力階調再現特性調整)、出力機器特性調整の5ステップに分割し、この順番で処理する。また、指示入力部3に、色、明るさを調整するためのキーと、コントラストを調整するためのキーを設ける。リバーサルフィルムに記録された画像の階調変換を行う場合は、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整を、第2の色・明るさ調整及び第2のコントラスト調整に分け、この順番で処理する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、現像済みの写真フィルムをフィルムスキャナで読み取ることによって取得された画像情報、デジタルスチルカメラによる撮影によって取得された画像情報等に対して適宜画像処理を施し、プリント出力したりCD−R等の記録メディアに出力したりする技術が普及している。
【0003】
これらの画像処理の過程では、トリミング、画像合成等の各種画像加工、好ましい鮮鋭感や粒状感を得るための各種フィルター処理、好ましい色再現を得るための色変換処理、好ましい色調やコントラストを得るための階調変換処理等が行われる。これらの画像処理のうち、階調変換処理は、画像の基本的な品位を決定付ける重要な処理の一つであり、デジタル画像処理技術が普及する以前から、非常に重要な課題として認識され、今日に至るまで様々な手法が提案されている。特に、デジタル画像処理においては、その階調設計段階において、非常に自由度の大きな階調調整が行えることもあって、各種の手法が用いられてきた。例えば、一般に市販されている画像処理ソフトのように、階調変換の特性を、トーンカーブを用いて、表示モニタに表示される画像を見ながら調整する手法がある。
【0004】
しかしながら、上述の階調変換処理における手法では、実際の画像の品位と、階調変換のために設定するトーンカーブとの間に官能評価的な関連がないため、熟練した技術者でなければ、トーンカーブの動きと、画像の官能評価的な動きとのつながりを理解することができなかった。そこで、最近のデジタルミニラボ(小規模現像所)に見られるような、簡単操作が必要な画像処理装置においては、容易に画質調整が可能な技術が用いられている。このような技術の一例として、特許文献1では、官能評価的に好ましい階調設計を、階調再現特性の形で定義し、これを実現するための技術が開示されている。しかしながら、好ましい階調再現条件は、基本的な骨格は一緒であっても、プリントオペレータや顧客によって若干の違いがあるのが普通である。そのため、特許文献2では、階調変換処理に関わる様々な機能を、プリセット機能で定義し、容易に利用可能なデジタルミニラボの一例が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−27624号公報
【特許文献2】
特開2000−258848号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
階調再現条件は、プリントオペレータや顧客の感覚によって異なるだけでなく、撮影シーン、撮影時の状況によっても異なる。しかしながら、従来の階調変換処理では、このような様々な階調再現条件に対応することができず、容易に画像の階調を調整することができなかった。また、特許文献1に記載されているような階調再現特性は、標準的な露光条件で撮影されたものを基準としている場合が多く、カラーネガフィルムにおいては、大きな露出制御ミスがない限りは特に不具合なく階調再現が行われていたが、リバーサルフィルムを用いた撮影においては、撮影条件に微小のずれがあった場合でも、画像の調子再現特性は大きく変化してしまい、容易に階調を調整することができないという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、様々な階調再現条件において、迅速で容易な階調変換処理を可能にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理方法において、前記入力画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換工程と、前記所定の規格化された単位量に変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整工程と、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整工程と、前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整工程と、前記出力階調特性調整工程において調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
請求項7に記載の発明は、入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理装置において、前記入力画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換部と、前記入力画像変換部により変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整部と、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整部と、前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整部と、前記出力階調特性調整部により調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項13に記載の発明は、画像処理装置を制御するコンピュータに、前記画像処理装置に入力された画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換機能と、前記入力画像変換機能により変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整機能と、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整機能と、前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整機能と、前記出力階調特性調整機能により調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整機能と、を実現させる。
【0011】
請求項1、7、13に記載の発明によれば、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、出力階調特性調整、出力機器特性調整の5ステップに分割して行うことにより、特に、シーン毎に調整量が大きく異なる色、明るさ、コントラストの調整を容易に行うことができる。また、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、出力階調特性調整、出力機器特性調整の順序で行うことにより、例えば、明るさ調整後にコントラスト調整を行った結果、再度、明るさ調整が必要になる等の重複作業の頻度が少なくなり、迅速な階調変換を実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理方法において、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示工程と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示工程と、を含み、前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、色及び/又は明るさの調整が行われ、前記コントラスト調整工程において、前記指示されたコントラストの変換量に基づいて、コントラストの調整が行われることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示部と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示部と、を備え、前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、前記入力画像変換部により変換された画像の色及び/又は明るさを調整し、前記コントラスト調整部は、前記コントラスト調整指示部により指示されたコントラストの変換量に基づいて、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0014】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像処理プログラムにおいて、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示機能と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示機能部と、を実現させ、前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、前記入力画像変換機能により変換された画像の色及び/又は明るさを調整し、前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記コントラスト調整指示機能により指示されたコントラストの変換量に基づいて、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0015】
請求項2、8、14に記載の発明によれば、画像の色及び/又は明るさ変換量の調整指示に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、画像のコントラスト変換量の調整指示に基づいて、当該画像のコントラストを調整するようにしたことにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理方法において、ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさの調整が行われ、前記コントラスト調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストの調整が行われることを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像処理装置において、ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、前記コントラスト調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0018】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の画像処理プログラムにおいて、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0019】
請求項3、9、15に記載の発明によれば、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理を行う場合、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整及びコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理方法において、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示工程と、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整工程と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示工程と、前記指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整工程と、を含むことを特徴としている。
【0021】
請求項10に記載の発明は、入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理装置において、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示部と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示部と、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整部と、前記コントラスト調整指示部により指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整部と、を備えることを特徴としている。
【0022】
請求項16に記載の発明は、画像の階調変換処理を実行するコンピュータに、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示機能と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示機能と、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整機能と、前記コントラスト調整指示機能により指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整機能と、を実現させる。
【0023】
請求項4、10、16に記載の発明によれば、画像の色及び/又は明るさ変換量の調整指示に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、画像のコントラスト変換量の調整指示に基づいて、当該画像のコントラストを調整するようにしたことにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理方法において、ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさが調整され、前記コントラスト調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストが調整されることを特徴としている。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像処理装置において、ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、前記コントラスト調整部は、前記コントラスト調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0026】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像処理プログラムにおいて、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記コントラスト調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0027】
請求項5、11、17に記載の発明によれば、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理を行う場合、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整及びコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記色・明るさ調整指示工程における指示と、前記コントラスト調整指示工程における指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴としている。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項8〜11の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記色・明るさ調整指示部による指示と、前記コントラスト調整指示部による指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴としている。
【0030】
請求項18に記載の発明は、請求項14〜17の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記色・明るさ調整指示機能による指示と、前記コントラスト調整指示機能による指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴としている。
【0031】
請求項6、12、18に記載の発明によれば、色・明るさ調整指示及びコントラスト調整指示における操作性を向上させるとともに、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0033】
[第1の実施の形態]
まず、構成を説明する。
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理システム100の構成を示す。画像処理システム100は、図1に示すように、画像処理部1、画像取得部2、指示入力部3、表示部4、銀塩露光プリンタ5、IJ(Ink−Jet)プリンタ6、画像書込部7、画像ストレージ部8により構成される。
【0034】
画像処理部1は、マイクロコンピュータにより構成され、ROM(Read Only Memory)等の記憶部(図示略)に記憶されている画像処理プログラム等の各種制御プログラムと、CPU(Central Processing Unit)(図示略)との協働により、画像処理システム100を構成する各部の動作を制御する。
【0035】
画像処理部1は、指示入力部3からの入力信号(指令情報)に基づいて、画像取得部2により取得された画像信号に対して、各種の画像処理を施す。画像処理部1により実行される画像処理としては、明るさ調整、色調調整、コントラスト調整、彩度調整、鮮鋭性調整、粒状性調整、覆い焼き処理、露光アンダー補正等がある。
【0036】
画像処理部1は、本発明において、階調変換処理として、画像取得部2からの入力画像を規格化された単位量に変換する入力画像変換と、入力画像変換が施された画像の色、明るさを調整する色・明るさ調整と、色・明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整と、コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された好ましい調子再現特性(出力階調再現特性)に合わせて調整する調子再現特性調整と、調子再現特性調整が施された画像の階調を、出力機器の特性に応じて調整(色変換)する出力機器特性調整を実行する(図8及び図9参照)。なお、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整、出力機器特性調整の詳細は、後に説明する(図4〜図7)。
【0037】
ここで、色・明るさ調整は、キーボード31の色・明るさ調整キー33又はタッチパネル上の色・明るさ調整キー43の操作に応じて行われる。また、コントラスト調整は、キーボード31のコントラスト調整キー(Tキー)32又はタッチパネル上のコントラスト調整キー(Tキー)42の操作に応じて行われる。
【0038】
また、画像処理部1は、画像処理が施された画像信号を、指定された出力先に出力する。画像処理部1の出力先としては、表示部4、銀塩露光プリンタ5、IJプリンタ6、画像書込部7、画像ストレージ部8等がある。
【0039】
画像取得部2は、反射原稿スキャナ21、透過原稿スキャナ22、メディアドライバ23、情報通信I/F24により構成される。
【0040】
反射原稿スキャナ21は、光源、CCD(Charged−Coupled Device)、A/Dコンバータ等により構成され、原稿台に載置された、原稿(写真プリント、書画、各種の印刷物)に光源からの光を照射し、その反射光をCCDにより電気信号(アナログ信号)に変換し、A/Dコンバータにより、このアナログ信号をデジタル信号に変換することによって、デジタル画像信号を取得する。透過原稿スキャナ22は、現像済みのネガフィルム、ポジフィルム等の透過原稿を読み取り、デジタル画像信号を取得する。
【0041】
メディアドライバ23は、CD−R、メモリスティック(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、マルチメディアカード(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)、PCカード等の各種のメディアが装着可能な構成となっており、これらのメディアに記録された画像信号を読み取る。
【0042】
情報通信I/F24は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信ネットワークに接続されたコンピュータと、画像処理システム100とを接続するためのインターフェースであり、通信ネットワークを介して接続された他のコンピュータから、撮像画像を表す画像信号やプリント命令信号を受信する。
【0043】
指示入力部3は、キーボード31やマウス等を備え、キーボード31、マウスの操作による操作信号を画像処理部1のCPUに出力する。図2に、キーボード31におけるキー配列の一例を示す。キーボード31上には、コントラストを調整するためのコントラスト調整キー(Tキー)32、色や明るさを調整するための色・明るさ調整キー33、プリントを指示するためのプリントキー(start/enter)34、プラス(+)キー35、マイナス(−)キー36、カーソルキー37、各種特殊キー等が備えられている。色・明るさ調整キー33には、明るさを調整するためのD(Density)キー、色を調整するためのY(Yellow)キー、M(Magenta)キー、C(Cyan)キーが備えられている。
【0044】
指示入力部3における操作例として、コントラスト調整時及び色・明るさ調整時における操作を簡単に説明する。例えば、コントラストを強くする場合は、Tキー32の押下後、プラスキー35を押下する。逆に、コントラストを弱くする場合は、Tキー32の押下後、マイナスキー36を押下する。画像を明るくする場合は、Dキーの押下後、マイナスキー36を押下する。逆に、画像を暗くする場合は、Dキーの押下後、プラスキー35を押下する。黄色成分を強くする場合は、Yキーの押下後、プラスキー35を押下する。黄色成分を弱くして青色成分に近づける場合は、Yキーの押下後、マイナスキー36を押下する。マゼンタ成分を強くする場合は、Mキーの押下後、プラスキー35を押下する。マゼンタ成分を弱くして緑色成分に近づける場合は、Mキーの押下後、マイナスキー36を押下する。シアン成分を強くする場合は、Cキーの押下後、プラスキー35を押下する。シアン成分を弱くして赤色成分に近づける場合は、Cキーの押下後、マイナスキー36を押下する。プラスキー35、マイナスキー36の押下回数により、コントラスト、色、明るさの変化の度合いが異なる。
【0045】
また、指示入力部3は、表示部4の表示画面上を覆うように重畳して設けられたタッチパネル(接触センサー)を備える。タッチパネルは、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として画像処理部1のCPUに出力する。
【0046】
表示部4は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される表示画面を有し、画像処理部1のCPUにより入力される表示制御信号に従って、所要の表示を行う。
【0047】
図3に、表示部4での画面表示例として、画像取得部2から取得された画像に各種の画像処理を施すための画像調整画面を示す。図3に示すように、画像調整画面には、画像取得部2から取得された画像(サムネイル画像)がエリア1〜エリア6に表示され、プリントキー41、コントラスト調整キー(Tキー)42、色・明るさ調整キー43が表示されている。これら各キーのキー操作は、タッチパネル上でのタッチ指示又はマウスによるクリック操作により行われる。タッチパネル上のカーソルキー44のタッチ指示又はキーボード31のカーソルキー37の操作により、画像処理対象の画像を選択することができる。
【0048】
銀塩露光プリンタ5は、画像処理部1により生成された画像信号から、露光用画像情報を生成し、生成された露光用画像情報に基づいて、感光材料に画像の露光を行い、露光された感光材料を現像処理して乾燥させ、出力する。IJプリンタ6は、画像処理部1により生成された画像信号に基づいて、インクジェット方式によりプリント出力する。画像書込部7は、各種のメディアが装着可能な構成となっており、画像処理部1により生成された画像信号を、装着されたメディアに記録する。
【0049】
画像ストレージ部8は、画像処理部1により処理された画像信号を保存する。画像ストレージ部8に保存された画像信号は、画像ソースとして再利用可能である。
【0050】
次に、図4〜図7を参照して、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整、出力機器特性調整の詳細について説明する。
【0051】
〈色・明るさ調整〉
図4に、色、明るさの調整に用いるLUT(Look Up Table)を示す。図4に示すように、画像ソースに応じて、用いるLUTが異なる。図4(a)は、デジタルカメラで撮影された画像のように、白から黒までの階調が特定或いは標準化された画像に作用する色・明るさ調整LUTである。図4(a)に示すように、色、明るさを調整する変換関数として、変換後の階調域を可能な限り再現するような変換関数α1、α2が設定されている。図4(a)において、変換関数α1は、画像を明るく調整(補正)する場合に用いられ、変換関数α2は、画像を暗く調整する場合に用いられる。
【0052】
図4(b)は、ネガフィルム画像のように、元画像(入力画像)の階調域が、出力信号値として再現される階調域よりも広くなるような画像に作用する色・明るさ調整LUTである。この場合、図4(b)に示すように、色、明るさを調整する変換関数として、入力信号値と出力信号値が等しい関数(直線)Lを平行移動させた変換関数β1、β2が設定されている。図4(b)において、変換関数β1は、画像を明るく調整する場合に用いられ、変換関数β2は、画像を暗く調整する場合に用いられる。
【0053】
〈コントラスト調整〉
図5に、コントラスト調整に用いるLUTを示す。図5(a)は、デジタルカメラで撮影された画像のように標準化されたデジタル画像ソースで利用可能なコントラスト調整LUTである。図5(a)に示すように、コントラストを強く調整するための変換関数として、入力信号値と出力信号値が等しい関数L上の固定点p、q、rを通る非線形関数γ1(S字型の曲線)が設定される。ここで、固定点qは、関数L上の最大信号値に対応する点、固定点rは、関数L上の最小信号値に対応する点である。また、固定点pは、例えば、固定点qとrの中点である。また、図5(a)において、コントラストを弱く調整するための変換関数として、関数L上の固定点p、q、rを通る非線形関数γ2(逆S字型の曲線)が設定されている。変換関数γ1、γ2により、元画像の階調域が再現される。
【0054】
図5(b)は、フィルム画像のように、元画像の階調域が、出力信号値として再現される階調域よりも広くなるような画像に作用する色・明るさ調整LUTである。図5(b)に示すように、コントラストを強く調整するための変換関数として、関数L上の固定点pを通り、関数Lよりも傾きの大きい1次関数δ1が設定される。また、コントラストを弱く調整するための変換関数として、関数L上の固定点pを通り、関数Lよりも傾きの小さい1次関数δ2が設定される。
【0055】
なお、図5(b)に示す変換特性は、フィルム画像に対して好ましく利用できるが、デジタルカメラで撮影された画像等のデジタル画像に適用してもよい。これは、色・明るさ調整が既に終了しているため、追加の補正量(調整量)は、通常、問題になるほど大きくならないことによる。
【0056】
〈調子再現特性調整〉
図6に、調子再現特性調整LUTの生成方法を示す。調子再現特性調整とは、画像の階調を、実際に画像が出力される出力機器の特性とは別に、望まれる調子再現特性(出力階調再現特性)に合わせて擬似的に調整することである。この望まれる調子再現特性は、プリセットされている。図6(a)は、目標とする調子再現特性(変換関数ε)を示している。望まれる調子再現特性、即ち、目標とする調子再現特性としては、例えば、ブライダルフォトに好ましい調子再現特性、スクールフォトに好ましい調子再現特性、ネイチャーフォトに好ましい調子再現特性などがある。
【0057】
図6(b)は、標準的な画像出力機器の階調特性(変換関数ζ)を示している。図6(b)に示す標準出力階調特性は、画像出力システム100において共通に用いる標準的な画像出力機器(標準のプリンタ)の特性であるが、実際には、規格化された明るさ表現を設定することが好ましい。規格化された明るさ表現としては、sRGB、sYCCといった、通常頻繁に用いられている色空間に対応した明るさ軸を用いればよい。
【0058】
標準的な画像出力機器において、図6(a)に示す目標調子再現特性(変換関数ε)を得るためのLUTを調子再現特性調整LUT(変換関数η)とすると、変換関数ηの出力信号を変換関数ζ(図6(b))の入力信号とし、そのときの変換関数ζの出力信号と同一の出力信号を得る、変換関数ε(図6(a))の入力信号が、変換関数ηの入力信号と一致する必要がある。このような条件を満たす変換関数ηは、図6(c)に示す変換線を用いることによって求められる。このようにして求められた調子再現特性調整LUT(変換関数η)を、図6(d)に示す。
【0059】
〈出力機器特性調整〉
図7に、機器特性調整LUTの生成方法を示す。図7(a)は、図6(b)の標準出力階調特性(変換関数ζ)を示している。図7(b)は、出力機器固有の階調特性(変換関数θ)を示している。実際の出力機器において、図7(a)に示す標準出力階調特性(変換関数ζ)を得るためのLUTを機器特性調整LUT(変換関数κ)とすると、変換関数κの出力信号を変換関数θ(図7(b))の入力信号とし、そのときの変換関数θの出力信号と同一の出力信号を得る、変換関数ζ(図7(a))の入力信号が、変換関数κの入力信号と一致する必要がある。このような条件を満たす変換関数κは、図7(c)に示す変換線を用いることによって求められる。このようにして求められた機器特性調整LUT(変換関数κ)を、図7(d)に示す。
【0060】
図5に示したコントラスト調整が施された画像を、図6(d)に示す調子再現特性調整LUTにより変換し、調子再現特性調整処理が施された画像を、図7(d)に示す機器特性調整LUTにより変換することにより、異なる出力機器においても、安定した階調再現特性を得ることができる。
【0061】
次に、第1の実施の形態における動作を説明する。
まず、図8のフローチャートを参照して、画像処理システム100において実行される画像処理全体の流れについて説明する。
【0062】
まず、反射原稿スキャナ21、透過原稿スキャナ(フィルムスキャナ)22、その他のメディアデバイス等から取得された画像情報(画像信号)に対し、入力属性に応じた入力色変換が施される(ステップS1)。ステップS1における入力色変換は、例えば、フィルム透過光量をセンサが受け取ってデジタル信号化した信号値を、視覚信号値や、光学濃度値等、所定の規格化された単位系に変換する処理や、各々の分光特性に応じて表現されている色調を、標準的な色空間に整合させる処理を含む。
【0063】
次いで、取得された画像信号に対し、画像判定が開始される(ステップS2)。これは、取得された画像信号が、目的にそぐわない色、明るさを有している場合に、以降のユーザ調整が容易に実施できるよう、予め正解に近い階調調整量を自動的に求める処理である。具体的には、色、明るさ調整(図4参照)、コントラスト調整(図5参照)、調子再現特性調整(図6参照)が行われる(ステップS3)。ステップS3において求められる階調調整量は、オペレータによる追加の調整分と統合され、色、明るさ調整、コントラスト調整等のパラメータで表記される。
【0064】
自動及びオペレータ操作により、色、明るさ、コントラストが調整された画像信号は、表示部4の表示画面に表示され、オペレータにより、画面表示された画像の評価が実施される(ステップS4)。オペレータによる画像評価の結果として、コントラスト調整キー32や色・明るさ調整キー33等が操作され、処理対象に対する調整が更に必要であると判断された場合(ステップS5;NO)、ステップS3に戻り、再度、当該画像信号に対し、色、明るさ、コントラスト調整、調子再現特性調整が施される。
【0065】
ステップS5において、キーボード31のプリントキー34又はタッチパネル上のプリントキー41が操作され、処理対象の画像信号のプリントが指示されると、当該画像信号に対する画像評価がOKと判断され(ステップS5;YES)、必要に応じて、処理対象の画像信号に対して、画像の拡大/縮小処理(ステップS6)、ノイズ除去処理(ステップS7)、鮮鋭性強調処理が施される(ステップS8)。また、当該画像信号に対して、画像回転、貼り付け合成処理等が施され、加工仕上がり画像情報が得られる(ステップS9)。
【0066】
なお、画像の拡大/縮小、ノイズ除去処理、画像回転、貼り付け合成処理等は、その処理の内容に応じて処理順序が異なる。また、実際の画像処理システム100では、画像を表示画面に表示してコントラスト等を調整する段階では、大きな本画像は用いず、プレビュー用の小さな画像を用意し、評価OKとなった場合に改めて本画像に対する処理を行うようにする。
【0067】
加工された画像信号を実際にプリント出力する際には、当該画像信号に対し、図7(d)の機器特性調整LUTを用いて、プリンタ(出力機器)の特性に応じた色空間への階調変換処理が施される(ステップS10)。そして、その階調変換処理が施された画像信号は、指定された出力機器に出力され(ステップS11)、本画像処理が終了する。
【0068】
このように、図8のフローチャートに示すように、本発明では、色・明るさ調整、コントラスト調整の順番で階調変換を行うとともに、これらの調整処理を、調子再現特性調整に先立って行うようにしている。これは、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整の各調整処理における、オペレータの感応性の違いによる。
【0069】
色や明るさの変化は、撮影条件によって常に生じ、補正の頻度が高いため、オペレータの感応性が高く、即座に調整方向が認識されやすい。一方、コントラスト特性は、画像処理システムの構造上、大きく変動することは比較的少なく、画像品位として認識するための若干の注視を必要する場合が多い。調整再現特性については、更にこの傾向が強くなる。従って、色、明るさの崩れを補正してからでないと、コントラスト調整、調子再現特性調整は実施しにくい場合が多い。
【0070】
本発明では、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整のうち、色・明るさ調整を最初に行うことで、階調変換における調整作業が容易になる。また、調子再現特性調整は、非常に微妙な特性調整である場合が多いため、これを実施後に色・明るさ調整等を行ってしまうと、画像評価結果に与える影響が大きくなるため、階調変換の順番は、本発明で示した順番で行うことが望ましい。
【0071】
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のステップS3〜S5に示した処理の詳細な動作について説明する。
【0072】
まず、入力色変換が施された画像信号に対し、色、明るさ調整が施される(ステップS101)。次いで、色、明るさ調整が施された画像信号に対し、コントラスト調整が施される(ステップS102)。次いで、コントラスト調整が施された画像信号に対し、調子再現特性調整LUT(図6(d))を用いて、調子再現特性調整が施される(ステップS103)。
【0073】
ステップS101〜S103における処理が施された画像信号に対応する画像は、表示部4の表示画面に表示され、オペレータにより、画面表示された画像の評価が実施される(ステップS104)。
【0074】
キーボード31のプリントキー34又はタッチパネル上のプリントキー41のキー操作により、処理対象の画像信号のプリントが指示されると(ステップS105;YES)、当該画像信号に対する画像評価がOKと判断され、図8のステップS6に移行する。
【0075】
オペレータによる画像評価の結果として、キーボード31のコントラスト調整キー32又はタッチパネル上のコントラスト調整キー42のキー操作により、処理対象の画像信号のコントラスト調整が指示された場合(ステップS106;YES)、当該キー操作に応じたコントラスト調整LUT(図5参照)によりコントラスト調整値が設定され(ステップS107)、その設定されたコントラスト調整値に基づいて、コントラスト調整が行われる(ステップS102)。
【0076】
オペレータによる画像評価の結果として、キーボード31の色・明るさ調整キー33又はタッチパネル上の色・明るさ調整キー43のキー操作により、処理対象の画像信号の色・明るさ調整が指示された場合(ステップS108;YES)、当該キー操作に応じた色・明るさ調整LUT(図4参照)により、色・明るさ調整値が設定され(ステップS109)、その設定された色・明るさ調整値に基づいて、色・明るさ調整が行われる(ステップS101)。
【0077】
以上のように、本第1の実施の形態における画像処理部1によれば、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整(出力階調再現特性調整)、出力機器特性調整の5ステップに分割して行うことにより、特に、シーン毎に調整量が大きく異なる色、明るさ、コントラストの調整を容易に行うことができる。
【0078】
また、階調変換を、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整(出力階調再現特性調整)、出力機器特性調整の順序で行うことにより、例えば、明るさ調整後にコントラスト調整を行った結果、再度、明るさ調整が必要になる等の重複作業の頻度が少なくなり、迅速な階調変換を実現することができる。
【0079】
更に、指示入力部3に、画像の色、明るさの変換量を調整するための色・明るさ調整キー33、43と、コントラストの変換量を調整するためのコントラスト調整キー32、42を備えることにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0080】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本第2の実施の形態は、リバーサルフィルムの画像等、ポジ型の画像ソースに対する階調変換処理を示すものである。
【0081】
まず、第2の実施の形態における構成を説明する。本第2の実施の形態における画像処理システムの構成は、上述の第1の実施の形態において図1に示した画像処理システム100と同一ゆえ、同一符号を付し、その図示を省略する。以下の構成説明では、第1の実施の形態における画像処理システム100と異なる部分(画像処理部1)について説明する。
【0082】
第2の実施の形態における画像処理部1は、リバーサルフィルムの画像に対する階調変換処理を行う場合、第1の実施の形態で示した色・明るさ調整を、更に、第2の色・明るさ調整と、第2のコントラスト調整に分け、第2の色・明るさ調整、第2のコントラスト調整の順番で階調変換処理を行う(図15参照)。以下、第2の色・明るさ調整、第2のコントラスト調整について説明する。
【0083】
まず、リバーサルプリントについて説明する。図10に、リバーサルフィルム(ポジフィルム)から直接プリントを得るリバーサルプリントの特性曲線の一例を示す。このリバーサルプリント特性曲線は、原稿濃度に100を乗じた値(原稿濃度*100)と、プリント濃度との関係を示したものである。このリバーサルプリント特性曲線によれば、リバーサルプリント上に階調を再現可能な原稿の濃度域(原稿濃度再現域)は、ほぼ2.4Dである。ここで、Dは光学濃度である。
【0084】
通常、リバーサルフィルムを用いて撮影する場合、現像後のフィルムがそのまま鑑賞対象となるため、撮影時に、十分な注意を払って撮影すると、現像後のフィルムは、過半のシーンでそのまま主観的に好ましい色、明るさとなっている。そのため、画像処理システム100には、これら過半のシーンが好ましくプリントできるよう、色、明るさの初期調整条件がプリセットされており、残りの、補正が必要なシーン、即ち、撮影時の露光状態が標準状態と異なるシーンについては、オペレータの判断により、追加の色、明るさ調整が施されることとなる。このような画像処理システムの場合、オペレータによる色・明るさ補正から、撮影時の露光状態を判断することが可能である。本第2の実施の形態は、この原理を応用し、オペレータの操作しやすい、かつ、高品質のリバーサルプリントが簡単に得られる画像処理システム100を説明したものである。
【0085】
図11に、リバーサルフィルムの特性曲線のモデルを示す。図11に示す特性曲線は、相対露光量(LogE)と、フィルムの濃度値に100を乗じた値(濃度値*100)との関係を示したものである。図10及び図11より、リバーサルプリントで再現可能な濃度域(2.4D)は、リバーサルフィルムが再現可能な濃度域よりも狭いことから、撮影時の露光ミスにより原稿の濃さが大幅に変動した場合は、図4(b)に示した色・明るさ調整LUTにより、色、明るさを調整する。色・明るさ調整の様子を、リバーサルフィルムの特性曲線の左側に矢印で示す。各々の矢印の幅は、2.4Dである。
【0086】
図12(a)に、図11の左側に示した色・明るさ調整によって、プリント階調上に被写体輝度が再現されている範囲(輝度再現域)を示す。図12(a)に示すように、露光オーバー時の輝度再現域は、標準露光時の輝度再現域に比べて広く、プリント上の濃度再現域を十分に活用しておらず、ハイライト部分が再現されない。一方、露光アンダー時の輝度再現域は、標準露光時の輝度再現域より狭い。
【0087】
図12(b)に、色・明るさ調整によりオペレータの感じる感覚を示す。図12(b)に示すように、リバーサルフィルム撮影時の露光状態が露光アンダーで暗すぎる場合、タッチパネル上のD−キー(又はキーボード31のDキーとマイナスキー36)の押下により濃度が低くなり、明るくなる方向に補正(調整)される。この場合、図12(a)に示したように、輝度再現域が標準露光時よりも狭くなることから、オペレータには、コントラストが高くなったように感じられる。また、オペレータには、1回のD−キー押下による変化(補正ステップ)が通常(標準露光時)より小さくなったように感じられる。即ち、オペレータには、濃度の補正ステップが感覚的に小さく感じられる。一方、オペレータの感覚上、重要な領域となる中間濃度域、即ち、図12(a)中、プリント上に再現できる濃度域の中間部に相当する特性曲線の傾きが、露光アンダー時と標準露光時で大きく変化しない。従って、オペレータは、1回のD−キー押下による変化(補正ステップ)については、強い違和感をもたない。
【0088】
一方、リバーサルフィルム撮影時の露光状態が露光オーバーで明るすぎる場合、タッチパネル上のD+キー(又はキーボード31のDキーとプラスキー35)の押下により濃度が高くなり、暗くなる方向に補正(調整)される。この場合、図12(a)に示したように、輝度再現域が標準露光時よりも広くなることから、オペレータには、コントラストが低くなったように感じられる。また、オペレータには、1回のD+キー押下による変化(補正ステップ)が通常(標準露光時)より大きくなったように感じられる。即ち、オペレータには、濃度の補正ステップが感覚的に大きく感じられる。
【0089】
図13に、第2の色・明るさ調整の変換特性を示す。この第2の色・明るさ調整は、図12(b)に示した、露光状態に応じて感覚的に異なる補正ステップの大きさを調整するものである。図13において、変換曲線λは、最初の色・明るさ調整における調整量(横軸、単位は原稿濃度)と、第2の色・明るさ調整における調整量(縦軸、単位は原稿濃度)の関係を示す。変換曲線λ上の黒い四角は、キーボード31の色・明るさ調整キー33のDキー(又はタッチパネル或いはマウスによる同様の指示操作)による調整段階(調整レベル)の各ステップを示す。
【0090】
図13の変換曲線λによれば、露光オーバー時に感覚的に補正ステップが大きく感じられる濃度付加方向の補正においては、補正ステップが小さくなるように補正されている。このように、キー操作による補正ステップの大きさを調整することで、露光状態によらず、各補正ステップでの変化量が感覚的に略一致することになる。
【0091】
図14に、第2のコントラスト調整の特性(変換特性)を示す。図14のコントラスト調整特性において、縦軸は、入力信号値の濃度*100の相対値であり、横軸は、出力信号値の濃度*100の相対値である。図14において、Dkeyとは、キーボード31の色・明るさ調整キー33のDキー(又はタッチパネル上での色・明るさ調整キー43のD+キー、D−キー)による調整状態を示している。図14において、例えば、−4Dkeyは、濃度を4段階低くすることを意味し、+8Dkeyは、濃度を8段階高くすることを意味する。
【0092】
リバーサルフィルムの撮影時の露光状態が露光アンダーの場合に、Dキーにより濃度を低くして明るくなる方向に補正すると、図12(a)に示すように、輝度再現域が標準露光時よりも狭くなることから、オペレータには、コントラストが高くなったように感じられる。従って、露光アンダーの場合には、第2のコントラスト調整として、コントラストを低くする処理を行う。図14において、−8Dkey及び−4Dkeyに対応する変換特性が、露光アンダーの場合の第2のコントラスト調整に相当する。図14に示すように、入力画像信号(横軸)の信号変化幅が、−8Dkey及び−4Dkeyの変換特性を用いることにより、出力画像信号(縦軸)の変化が小さくなり、画像のコントラストが低くなる。
【0093】
リバーサルフィルムの撮影時の露光状態が露光オーバーの場合に、Dキーにより濃度を高くして暗くなる方向に補正すると、図12(a)に示すように、輝度再現域が標準露光時よりも広くなることから、オペレータには、コントラストが低くなったように感じられる。従って、露光オーバーの場合には、第2のコントラスト調整として、コントラストを高くする処理を行う。図14において、+8Dkey及び+4Dkeyに対応する変換特性が、露光オーバーの場合の第2のコントラスト調整に相当する。図14に示すように、入力画像信号(横軸)の信号変化幅が、+8Dkeyおよび、+4Dkeyの変換特性を用いることにより、出力画像信号(縦軸)の変化が大きくなり、画像のコントラストが高くなる。
【0094】
次に、本第2の実施の形態における動作を説明する。本第2の実施の形態における画像処理全体の流れは、第1の実施の形態において図6に示したフローチャートと同一であるため、その説明を省略する。以下、図15のフローチャートを参照して、図8のステップS3〜S5に示した処理の詳細な動作について説明する。
【0095】
まず、入力色変換が施された画像信号に対し、色、明るさ調整が施される(ステップS201)。次いで、色、明るさ調整が施された画像信号に対し、コントラスト調整が施される(ステップS202)。次いで、コントラスト調整が施された画像信号に対し、調子再現特性調整LUT(図6(d))を用いて、調子再現特性調整が施される(ステップS203)。
【0096】
ステップS201〜S203における処理が施された画像信号に対応する画像は、表示部4の表示画面に表示され、オペレータにより、画面表示された画像の評価が実施される(ステップS204)。
【0097】
キーボード31のプリントキー34又はタッチパネル上のプリントキー41のキー操作により、処理対象の画像信号のプリントが指示されると(ステップS205;YES)、当該画像信号に対する画像評価がOKと判断され、図8のステップS6に移行する。
【0098】
オペレータによる画像評価の結果として、キーボード31のコントラスト調整キー32又はタッチパネル上のコントラスト調整キー42のキー操作により、処理対象の画像信号のコントラスト調整が指示された場合(ステップS206;YES)、当該キー操作に応じたコントラスト調整LUT(図5参照)によりコントラスト調整値が設定され(ステップS207)、その設定されたコントラスト調整値に基づいて、コントラスト調整が行われる(ステップS202)。
【0099】
オペレータによる画像評価の結果として、キーボード31の色・明るさ調整キー33又はタッチパネル上の色・明るさ調整キー43のキー操作により、処理対象の画像信号の色・明るさ調整が指示された場合(ステップS208;YES)、当該キー操作に応じた色・明るさ調整LUT(図4参照)により、色・明るさ調整値が設定される(ステップS209)。
【0100】
次いで、図13の変換曲線λに基づいて、明るさ調整キー33又は43のキー操作に応じた第2の色・明るさ調整値が設定される(ステップS210)。次いで、図14に示したコントラスト変換特性に基づいて、明るさ調整キー33又は43のキー操作に応じた第2のコントラスト調整値が設定される(ステップS211)。
【0101】
第2の色・明るさ調整値及び第2のコントラスト調整値が設定されると、まず、第2の色・明るさ調整値に基づいて色・明るさ調整(第2の色・明るさ調整)が行われ(ステップS212)、その後、第2のコントラスト調整値に基づいてコントラスト調整(第2のコントラスト調整)が行われ(ステップS213)、ステップS202に移行する。
【0102】
以上のように、本第2の実施の形態における画像処理部1によれば、リバーサルフィルム等、明るさ調整の必要なシーンのコントラストが、標準的なシーンと比較して大幅に異なる特性を有するポジ型の記録媒体に記録された画像の階調変換を行う場合、指示された色・明るさ変換量から判断される撮影時の露光状態に基づいて、第2の色・明るさ調整及び第2のコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。また、色・明るさ調整値を第2の色・明るさ調整値に変換することにより、キー操作による補正ステップの大きさを、オペレータの感覚に合うように調整することができるため、オペレータにとって快適な階調変換を実現することができる。
【0103】
なお、本第2の実施の形態では、色調整と、明るさ調整を特に区別しないで説明したが、どちらの調整も同一の手法で実施可能である。色調整の場合は、上述の手法を、例えばB、G、R各々について適用すればよく、明るさ調整の場合は、例えば、B、G、R各々に同一値の追加変換量を与えればよい。更に、画像処理システムによっては、例えば周知の画像判定技術を用いて、画像情報から撮影時の露光条件を自動推定する場合がある。このような場合においても、本第2の実施の形態における手法が適用可能である。例えば、上記自動推定による色・明るさ変換量と、オペレータがさらに追加した色・明るさ補正量を加算し、この加算値を、本第2の実施の形態における色・明るさ変換量として扱えばよい。
【0104】
なお、上記各実施の形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0105】
【発明の効果】
請求項1、7、13に記載の発明によれば、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、出力階調特性調整、出力機器特性調整の5ステップに分割して行うことにより、特に、シーン毎に調整量が大きく異なる色、明るさ、コントラストの調整を容易に行うことができる。また、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、出力階調特性調整、出力機器特性調整の順序で行うことにより、例えば、明るさ調整後にコントラスト調整を行った結果、再度、明るさ調整が必要になる等の重複作業の頻度が少なくなり、迅速な階調変換を実現することができる。
【0106】
請求項2、8、14に記載の発明によれば、画像の色、明るさ変換量の調整指示に基づいて、当該画像の色、明るさを調整し、画像のコントラスト変換量の調整指示に基づいて、当該画像のコントラストを調整するようにしたことにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0107】
請求項3、9、15に記載の発明によれば、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理を行う場合、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整及びコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。
【0108】
請求項4、10、16に記載の発明によれば、画像の色、明るさ変換量の調整指示に基づいて、当該画像の色、明るさを調整し、画像のコントラスト変換量の調整指示に基づいて、当該画像のコントラストを調整するようにしたことにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0109】
請求項5、11、17に記載の発明によれば、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理を行う場合、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整及びコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。
【0110】
請求項6、12、18に記載の発明によれば、色・明るさ調整指示及びコントラスト調整指示における操作性を向上させるとともに、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理システム100の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の指示入力部3のキーボード31におけるキー配列を示す図である。
【図3】図1の表示部4の画面表示例を示す図である。
【図4】色・明るさ調整LUTを示す図である。
【図5】コントラスト調整LUTを示す図である。
【図6】調子再現特性調整LUTを示す図である。
【図7】機器特性調整LUTを示す図である。
【図8】画像処理システム100において実行される画像処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、図8のステップS3〜S5に示した処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図10】リバーサルプリント特性曲線を示す図である。
【図11】リバーサルフィルムのモデル特性曲線を示す図である。
【図12】色・明るさ調整によるプリント上の輝度再現域を示す図(同図(a))と、明るさ調整によりオペレータの感じる感覚を示す図(同図(b))である。
【図13】第2の色・明るさ調整の特性を示す図である。
【図14】第2のコントラスト調整の特性を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態において、図8のステップS3〜S5に示した処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像処理部
2 画像取得部
21 反射原稿スキャナ
22 透過原稿スキャナ
23 メディアドライバ
24 情報通信I/F
3 指示入力部
31 キーボード
32 コントラスト調整キー(Tキー)
33 色・明るさ調整キー
34 プリントキー(start/enterキー)
35 プラスキー
36 マイナスキー
37 カーソルキー
4 表示部
41 プリントキー
42 コントラスト調整キー(Tキー)
43 色・明るさ調整キー
44 カーソルキー
5 銀塩露光プリンタ
6 IJプリンタ
7 画像書込部
8 画像ストレージ部
100 画像処理システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、現像済みの写真フィルムをフィルムスキャナで読み取ることによって取得された画像情報、デジタルスチルカメラによる撮影によって取得された画像情報等に対して適宜画像処理を施し、プリント出力したりCD−R等の記録メディアに出力したりする技術が普及している。
【0003】
これらの画像処理の過程では、トリミング、画像合成等の各種画像加工、好ましい鮮鋭感や粒状感を得るための各種フィルター処理、好ましい色再現を得るための色変換処理、好ましい色調やコントラストを得るための階調変換処理等が行われる。これらの画像処理のうち、階調変換処理は、画像の基本的な品位を決定付ける重要な処理の一つであり、デジタル画像処理技術が普及する以前から、非常に重要な課題として認識され、今日に至るまで様々な手法が提案されている。特に、デジタル画像処理においては、その階調設計段階において、非常に自由度の大きな階調調整が行えることもあって、各種の手法が用いられてきた。例えば、一般に市販されている画像処理ソフトのように、階調変換の特性を、トーンカーブを用いて、表示モニタに表示される画像を見ながら調整する手法がある。
【0004】
しかしながら、上述の階調変換処理における手法では、実際の画像の品位と、階調変換のために設定するトーンカーブとの間に官能評価的な関連がないため、熟練した技術者でなければ、トーンカーブの動きと、画像の官能評価的な動きとのつながりを理解することができなかった。そこで、最近のデジタルミニラボ(小規模現像所)に見られるような、簡単操作が必要な画像処理装置においては、容易に画質調整が可能な技術が用いられている。このような技術の一例として、特許文献1では、官能評価的に好ましい階調設計を、階調再現特性の形で定義し、これを実現するための技術が開示されている。しかしながら、好ましい階調再現条件は、基本的な骨格は一緒であっても、プリントオペレータや顧客によって若干の違いがあるのが普通である。そのため、特許文献2では、階調変換処理に関わる様々な機能を、プリセット機能で定義し、容易に利用可能なデジタルミニラボの一例が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−27624号公報
【特許文献2】
特開2000−258848号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
階調再現条件は、プリントオペレータや顧客の感覚によって異なるだけでなく、撮影シーン、撮影時の状況によっても異なる。しかしながら、従来の階調変換処理では、このような様々な階調再現条件に対応することができず、容易に画像の階調を調整することができなかった。また、特許文献1に記載されているような階調再現特性は、標準的な露光条件で撮影されたものを基準としている場合が多く、カラーネガフィルムにおいては、大きな露出制御ミスがない限りは特に不具合なく階調再現が行われていたが、リバーサルフィルムを用いた撮影においては、撮影条件に微小のずれがあった場合でも、画像の調子再現特性は大きく変化してしまい、容易に階調を調整することができないという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、様々な階調再現条件において、迅速で容易な階調変換処理を可能にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理方法において、前記入力画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換工程と、前記所定の規格化された単位量に変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整工程と、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整工程と、前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整工程と、前記出力階調特性調整工程において調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
請求項7に記載の発明は、入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理装置において、前記入力画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換部と、前記入力画像変換部により変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整部と、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整部と、前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整部と、前記出力階調特性調整部により調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項13に記載の発明は、画像処理装置を制御するコンピュータに、前記画像処理装置に入力された画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換機能と、前記入力画像変換機能により変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整機能と、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整機能と、前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整機能と、前記出力階調特性調整機能により調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整機能と、を実現させる。
【0011】
請求項1、7、13に記載の発明によれば、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、出力階調特性調整、出力機器特性調整の5ステップに分割して行うことにより、特に、シーン毎に調整量が大きく異なる色、明るさ、コントラストの調整を容易に行うことができる。また、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、出力階調特性調整、出力機器特性調整の順序で行うことにより、例えば、明るさ調整後にコントラスト調整を行った結果、再度、明るさ調整が必要になる等の重複作業の頻度が少なくなり、迅速な階調変換を実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理方法において、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示工程と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示工程と、を含み、前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、色及び/又は明るさの調整が行われ、前記コントラスト調整工程において、前記指示されたコントラストの変換量に基づいて、コントラストの調整が行われることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示部と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示部と、を備え、前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、前記入力画像変換部により変換された画像の色及び/又は明るさを調整し、前記コントラスト調整部は、前記コントラスト調整指示部により指示されたコントラストの変換量に基づいて、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0014】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像処理プログラムにおいて、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示機能と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示機能部と、を実現させ、前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、前記入力画像変換機能により変換された画像の色及び/又は明るさを調整し、前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記コントラスト調整指示機能により指示されたコントラストの変換量に基づいて、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0015】
請求項2、8、14に記載の発明によれば、画像の色及び/又は明るさ変換量の調整指示に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、画像のコントラスト変換量の調整指示に基づいて、当該画像のコントラストを調整するようにしたことにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理方法において、ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさの調整が行われ、前記コントラスト調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストの調整が行われることを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像処理装置において、ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、前記コントラスト調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0018】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の画像処理プログラムにおいて、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0019】
請求項3、9、15に記載の発明によれば、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理を行う場合、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整及びコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理方法において、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示工程と、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整工程と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示工程と、前記指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整工程と、を含むことを特徴としている。
【0021】
請求項10に記載の発明は、入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理装置において、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示部と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示部と、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整部と、前記コントラスト調整指示部により指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整部と、を備えることを特徴としている。
【0022】
請求項16に記載の発明は、画像の階調変換処理を実行するコンピュータに、画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示機能と、画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示機能と、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整機能と、前記コントラスト調整指示機能により指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整機能と、を実現させる。
【0023】
請求項4、10、16に記載の発明によれば、画像の色及び/又は明るさ変換量の調整指示に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、画像のコントラスト変換量の調整指示に基づいて、当該画像のコントラストを調整するようにしたことにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理方法において、ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさが調整され、前記コントラスト調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストが調整されることを特徴としている。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像処理装置において、ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、前記コントラスト調整部は、前記コントラスト調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0026】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像処理プログラムにおいて、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記コントラスト調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴としている。
【0027】
請求項5、11、17に記載の発明によれば、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理を行う場合、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整及びコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記色・明るさ調整指示工程における指示と、前記コントラスト調整指示工程における指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴としている。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項8〜11の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記色・明るさ調整指示部による指示と、前記コントラスト調整指示部による指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴としている。
【0030】
請求項18に記載の発明は、請求項14〜17の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記色・明るさ調整指示機能による指示と、前記コントラスト調整指示機能による指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴としている。
【0031】
請求項6、12、18に記載の発明によれば、色・明るさ調整指示及びコントラスト調整指示における操作性を向上させるとともに、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0033】
[第1の実施の形態]
まず、構成を説明する。
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理システム100の構成を示す。画像処理システム100は、図1に示すように、画像処理部1、画像取得部2、指示入力部3、表示部4、銀塩露光プリンタ5、IJ(Ink−Jet)プリンタ6、画像書込部7、画像ストレージ部8により構成される。
【0034】
画像処理部1は、マイクロコンピュータにより構成され、ROM(Read Only Memory)等の記憶部(図示略)に記憶されている画像処理プログラム等の各種制御プログラムと、CPU(Central Processing Unit)(図示略)との協働により、画像処理システム100を構成する各部の動作を制御する。
【0035】
画像処理部1は、指示入力部3からの入力信号(指令情報)に基づいて、画像取得部2により取得された画像信号に対して、各種の画像処理を施す。画像処理部1により実行される画像処理としては、明るさ調整、色調調整、コントラスト調整、彩度調整、鮮鋭性調整、粒状性調整、覆い焼き処理、露光アンダー補正等がある。
【0036】
画像処理部1は、本発明において、階調変換処理として、画像取得部2からの入力画像を規格化された単位量に変換する入力画像変換と、入力画像変換が施された画像の色、明るさを調整する色・明るさ調整と、色・明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整と、コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された好ましい調子再現特性(出力階調再現特性)に合わせて調整する調子再現特性調整と、調子再現特性調整が施された画像の階調を、出力機器の特性に応じて調整(色変換)する出力機器特性調整を実行する(図8及び図9参照)。なお、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整、出力機器特性調整の詳細は、後に説明する(図4〜図7)。
【0037】
ここで、色・明るさ調整は、キーボード31の色・明るさ調整キー33又はタッチパネル上の色・明るさ調整キー43の操作に応じて行われる。また、コントラスト調整は、キーボード31のコントラスト調整キー(Tキー)32又はタッチパネル上のコントラスト調整キー(Tキー)42の操作に応じて行われる。
【0038】
また、画像処理部1は、画像処理が施された画像信号を、指定された出力先に出力する。画像処理部1の出力先としては、表示部4、銀塩露光プリンタ5、IJプリンタ6、画像書込部7、画像ストレージ部8等がある。
【0039】
画像取得部2は、反射原稿スキャナ21、透過原稿スキャナ22、メディアドライバ23、情報通信I/F24により構成される。
【0040】
反射原稿スキャナ21は、光源、CCD(Charged−Coupled Device)、A/Dコンバータ等により構成され、原稿台に載置された、原稿(写真プリント、書画、各種の印刷物)に光源からの光を照射し、その反射光をCCDにより電気信号(アナログ信号)に変換し、A/Dコンバータにより、このアナログ信号をデジタル信号に変換することによって、デジタル画像信号を取得する。透過原稿スキャナ22は、現像済みのネガフィルム、ポジフィルム等の透過原稿を読み取り、デジタル画像信号を取得する。
【0041】
メディアドライバ23は、CD−R、メモリスティック(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、マルチメディアカード(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)、PCカード等の各種のメディアが装着可能な構成となっており、これらのメディアに記録された画像信号を読み取る。
【0042】
情報通信I/F24は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信ネットワークに接続されたコンピュータと、画像処理システム100とを接続するためのインターフェースであり、通信ネットワークを介して接続された他のコンピュータから、撮像画像を表す画像信号やプリント命令信号を受信する。
【0043】
指示入力部3は、キーボード31やマウス等を備え、キーボード31、マウスの操作による操作信号を画像処理部1のCPUに出力する。図2に、キーボード31におけるキー配列の一例を示す。キーボード31上には、コントラストを調整するためのコントラスト調整キー(Tキー)32、色や明るさを調整するための色・明るさ調整キー33、プリントを指示するためのプリントキー(start/enter)34、プラス(+)キー35、マイナス(−)キー36、カーソルキー37、各種特殊キー等が備えられている。色・明るさ調整キー33には、明るさを調整するためのD(Density)キー、色を調整するためのY(Yellow)キー、M(Magenta)キー、C(Cyan)キーが備えられている。
【0044】
指示入力部3における操作例として、コントラスト調整時及び色・明るさ調整時における操作を簡単に説明する。例えば、コントラストを強くする場合は、Tキー32の押下後、プラスキー35を押下する。逆に、コントラストを弱くする場合は、Tキー32の押下後、マイナスキー36を押下する。画像を明るくする場合は、Dキーの押下後、マイナスキー36を押下する。逆に、画像を暗くする場合は、Dキーの押下後、プラスキー35を押下する。黄色成分を強くする場合は、Yキーの押下後、プラスキー35を押下する。黄色成分を弱くして青色成分に近づける場合は、Yキーの押下後、マイナスキー36を押下する。マゼンタ成分を強くする場合は、Mキーの押下後、プラスキー35を押下する。マゼンタ成分を弱くして緑色成分に近づける場合は、Mキーの押下後、マイナスキー36を押下する。シアン成分を強くする場合は、Cキーの押下後、プラスキー35を押下する。シアン成分を弱くして赤色成分に近づける場合は、Cキーの押下後、マイナスキー36を押下する。プラスキー35、マイナスキー36の押下回数により、コントラスト、色、明るさの変化の度合いが異なる。
【0045】
また、指示入力部3は、表示部4の表示画面上を覆うように重畳して設けられたタッチパネル(接触センサー)を備える。タッチパネルは、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として画像処理部1のCPUに出力する。
【0046】
表示部4は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される表示画面を有し、画像処理部1のCPUにより入力される表示制御信号に従って、所要の表示を行う。
【0047】
図3に、表示部4での画面表示例として、画像取得部2から取得された画像に各種の画像処理を施すための画像調整画面を示す。図3に示すように、画像調整画面には、画像取得部2から取得された画像(サムネイル画像)がエリア1〜エリア6に表示され、プリントキー41、コントラスト調整キー(Tキー)42、色・明るさ調整キー43が表示されている。これら各キーのキー操作は、タッチパネル上でのタッチ指示又はマウスによるクリック操作により行われる。タッチパネル上のカーソルキー44のタッチ指示又はキーボード31のカーソルキー37の操作により、画像処理対象の画像を選択することができる。
【0048】
銀塩露光プリンタ5は、画像処理部1により生成された画像信号から、露光用画像情報を生成し、生成された露光用画像情報に基づいて、感光材料に画像の露光を行い、露光された感光材料を現像処理して乾燥させ、出力する。IJプリンタ6は、画像処理部1により生成された画像信号に基づいて、インクジェット方式によりプリント出力する。画像書込部7は、各種のメディアが装着可能な構成となっており、画像処理部1により生成された画像信号を、装着されたメディアに記録する。
【0049】
画像ストレージ部8は、画像処理部1により処理された画像信号を保存する。画像ストレージ部8に保存された画像信号は、画像ソースとして再利用可能である。
【0050】
次に、図4〜図7を参照して、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整、出力機器特性調整の詳細について説明する。
【0051】
〈色・明るさ調整〉
図4に、色、明るさの調整に用いるLUT(Look Up Table)を示す。図4に示すように、画像ソースに応じて、用いるLUTが異なる。図4(a)は、デジタルカメラで撮影された画像のように、白から黒までの階調が特定或いは標準化された画像に作用する色・明るさ調整LUTである。図4(a)に示すように、色、明るさを調整する変換関数として、変換後の階調域を可能な限り再現するような変換関数α1、α2が設定されている。図4(a)において、変換関数α1は、画像を明るく調整(補正)する場合に用いられ、変換関数α2は、画像を暗く調整する場合に用いられる。
【0052】
図4(b)は、ネガフィルム画像のように、元画像(入力画像)の階調域が、出力信号値として再現される階調域よりも広くなるような画像に作用する色・明るさ調整LUTである。この場合、図4(b)に示すように、色、明るさを調整する変換関数として、入力信号値と出力信号値が等しい関数(直線)Lを平行移動させた変換関数β1、β2が設定されている。図4(b)において、変換関数β1は、画像を明るく調整する場合に用いられ、変換関数β2は、画像を暗く調整する場合に用いられる。
【0053】
〈コントラスト調整〉
図5に、コントラスト調整に用いるLUTを示す。図5(a)は、デジタルカメラで撮影された画像のように標準化されたデジタル画像ソースで利用可能なコントラスト調整LUTである。図5(a)に示すように、コントラストを強く調整するための変換関数として、入力信号値と出力信号値が等しい関数L上の固定点p、q、rを通る非線形関数γ1(S字型の曲線)が設定される。ここで、固定点qは、関数L上の最大信号値に対応する点、固定点rは、関数L上の最小信号値に対応する点である。また、固定点pは、例えば、固定点qとrの中点である。また、図5(a)において、コントラストを弱く調整するための変換関数として、関数L上の固定点p、q、rを通る非線形関数γ2(逆S字型の曲線)が設定されている。変換関数γ1、γ2により、元画像の階調域が再現される。
【0054】
図5(b)は、フィルム画像のように、元画像の階調域が、出力信号値として再現される階調域よりも広くなるような画像に作用する色・明るさ調整LUTである。図5(b)に示すように、コントラストを強く調整するための変換関数として、関数L上の固定点pを通り、関数Lよりも傾きの大きい1次関数δ1が設定される。また、コントラストを弱く調整するための変換関数として、関数L上の固定点pを通り、関数Lよりも傾きの小さい1次関数δ2が設定される。
【0055】
なお、図5(b)に示す変換特性は、フィルム画像に対して好ましく利用できるが、デジタルカメラで撮影された画像等のデジタル画像に適用してもよい。これは、色・明るさ調整が既に終了しているため、追加の補正量(調整量)は、通常、問題になるほど大きくならないことによる。
【0056】
〈調子再現特性調整〉
図6に、調子再現特性調整LUTの生成方法を示す。調子再現特性調整とは、画像の階調を、実際に画像が出力される出力機器の特性とは別に、望まれる調子再現特性(出力階調再現特性)に合わせて擬似的に調整することである。この望まれる調子再現特性は、プリセットされている。図6(a)は、目標とする調子再現特性(変換関数ε)を示している。望まれる調子再現特性、即ち、目標とする調子再現特性としては、例えば、ブライダルフォトに好ましい調子再現特性、スクールフォトに好ましい調子再現特性、ネイチャーフォトに好ましい調子再現特性などがある。
【0057】
図6(b)は、標準的な画像出力機器の階調特性(変換関数ζ)を示している。図6(b)に示す標準出力階調特性は、画像出力システム100において共通に用いる標準的な画像出力機器(標準のプリンタ)の特性であるが、実際には、規格化された明るさ表現を設定することが好ましい。規格化された明るさ表現としては、sRGB、sYCCといった、通常頻繁に用いられている色空間に対応した明るさ軸を用いればよい。
【0058】
標準的な画像出力機器において、図6(a)に示す目標調子再現特性(変換関数ε)を得るためのLUTを調子再現特性調整LUT(変換関数η)とすると、変換関数ηの出力信号を変換関数ζ(図6(b))の入力信号とし、そのときの変換関数ζの出力信号と同一の出力信号を得る、変換関数ε(図6(a))の入力信号が、変換関数ηの入力信号と一致する必要がある。このような条件を満たす変換関数ηは、図6(c)に示す変換線を用いることによって求められる。このようにして求められた調子再現特性調整LUT(変換関数η)を、図6(d)に示す。
【0059】
〈出力機器特性調整〉
図7に、機器特性調整LUTの生成方法を示す。図7(a)は、図6(b)の標準出力階調特性(変換関数ζ)を示している。図7(b)は、出力機器固有の階調特性(変換関数θ)を示している。実際の出力機器において、図7(a)に示す標準出力階調特性(変換関数ζ)を得るためのLUTを機器特性調整LUT(変換関数κ)とすると、変換関数κの出力信号を変換関数θ(図7(b))の入力信号とし、そのときの変換関数θの出力信号と同一の出力信号を得る、変換関数ζ(図7(a))の入力信号が、変換関数κの入力信号と一致する必要がある。このような条件を満たす変換関数κは、図7(c)に示す変換線を用いることによって求められる。このようにして求められた機器特性調整LUT(変換関数κ)を、図7(d)に示す。
【0060】
図5に示したコントラスト調整が施された画像を、図6(d)に示す調子再現特性調整LUTにより変換し、調子再現特性調整処理が施された画像を、図7(d)に示す機器特性調整LUTにより変換することにより、異なる出力機器においても、安定した階調再現特性を得ることができる。
【0061】
次に、第1の実施の形態における動作を説明する。
まず、図8のフローチャートを参照して、画像処理システム100において実行される画像処理全体の流れについて説明する。
【0062】
まず、反射原稿スキャナ21、透過原稿スキャナ(フィルムスキャナ)22、その他のメディアデバイス等から取得された画像情報(画像信号)に対し、入力属性に応じた入力色変換が施される(ステップS1)。ステップS1における入力色変換は、例えば、フィルム透過光量をセンサが受け取ってデジタル信号化した信号値を、視覚信号値や、光学濃度値等、所定の規格化された単位系に変換する処理や、各々の分光特性に応じて表現されている色調を、標準的な色空間に整合させる処理を含む。
【0063】
次いで、取得された画像信号に対し、画像判定が開始される(ステップS2)。これは、取得された画像信号が、目的にそぐわない色、明るさを有している場合に、以降のユーザ調整が容易に実施できるよう、予め正解に近い階調調整量を自動的に求める処理である。具体的には、色、明るさ調整(図4参照)、コントラスト調整(図5参照)、調子再現特性調整(図6参照)が行われる(ステップS3)。ステップS3において求められる階調調整量は、オペレータによる追加の調整分と統合され、色、明るさ調整、コントラスト調整等のパラメータで表記される。
【0064】
自動及びオペレータ操作により、色、明るさ、コントラストが調整された画像信号は、表示部4の表示画面に表示され、オペレータにより、画面表示された画像の評価が実施される(ステップS4)。オペレータによる画像評価の結果として、コントラスト調整キー32や色・明るさ調整キー33等が操作され、処理対象に対する調整が更に必要であると判断された場合(ステップS5;NO)、ステップS3に戻り、再度、当該画像信号に対し、色、明るさ、コントラスト調整、調子再現特性調整が施される。
【0065】
ステップS5において、キーボード31のプリントキー34又はタッチパネル上のプリントキー41が操作され、処理対象の画像信号のプリントが指示されると、当該画像信号に対する画像評価がOKと判断され(ステップS5;YES)、必要に応じて、処理対象の画像信号に対して、画像の拡大/縮小処理(ステップS6)、ノイズ除去処理(ステップS7)、鮮鋭性強調処理が施される(ステップS8)。また、当該画像信号に対して、画像回転、貼り付け合成処理等が施され、加工仕上がり画像情報が得られる(ステップS9)。
【0066】
なお、画像の拡大/縮小、ノイズ除去処理、画像回転、貼り付け合成処理等は、その処理の内容に応じて処理順序が異なる。また、実際の画像処理システム100では、画像を表示画面に表示してコントラスト等を調整する段階では、大きな本画像は用いず、プレビュー用の小さな画像を用意し、評価OKとなった場合に改めて本画像に対する処理を行うようにする。
【0067】
加工された画像信号を実際にプリント出力する際には、当該画像信号に対し、図7(d)の機器特性調整LUTを用いて、プリンタ(出力機器)の特性に応じた色空間への階調変換処理が施される(ステップS10)。そして、その階調変換処理が施された画像信号は、指定された出力機器に出力され(ステップS11)、本画像処理が終了する。
【0068】
このように、図8のフローチャートに示すように、本発明では、色・明るさ調整、コントラスト調整の順番で階調変換を行うとともに、これらの調整処理を、調子再現特性調整に先立って行うようにしている。これは、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整の各調整処理における、オペレータの感応性の違いによる。
【0069】
色や明るさの変化は、撮影条件によって常に生じ、補正の頻度が高いため、オペレータの感応性が高く、即座に調整方向が認識されやすい。一方、コントラスト特性は、画像処理システムの構造上、大きく変動することは比較的少なく、画像品位として認識するための若干の注視を必要する場合が多い。調整再現特性については、更にこの傾向が強くなる。従って、色、明るさの崩れを補正してからでないと、コントラスト調整、調子再現特性調整は実施しにくい場合が多い。
【0070】
本発明では、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整のうち、色・明るさ調整を最初に行うことで、階調変換における調整作業が容易になる。また、調子再現特性調整は、非常に微妙な特性調整である場合が多いため、これを実施後に色・明るさ調整等を行ってしまうと、画像評価結果に与える影響が大きくなるため、階調変換の順番は、本発明で示した順番で行うことが望ましい。
【0071】
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のステップS3〜S5に示した処理の詳細な動作について説明する。
【0072】
まず、入力色変換が施された画像信号に対し、色、明るさ調整が施される(ステップS101)。次いで、色、明るさ調整が施された画像信号に対し、コントラスト調整が施される(ステップS102)。次いで、コントラスト調整が施された画像信号に対し、調子再現特性調整LUT(図6(d))を用いて、調子再現特性調整が施される(ステップS103)。
【0073】
ステップS101〜S103における処理が施された画像信号に対応する画像は、表示部4の表示画面に表示され、オペレータにより、画面表示された画像の評価が実施される(ステップS104)。
【0074】
キーボード31のプリントキー34又はタッチパネル上のプリントキー41のキー操作により、処理対象の画像信号のプリントが指示されると(ステップS105;YES)、当該画像信号に対する画像評価がOKと判断され、図8のステップS6に移行する。
【0075】
オペレータによる画像評価の結果として、キーボード31のコントラスト調整キー32又はタッチパネル上のコントラスト調整キー42のキー操作により、処理対象の画像信号のコントラスト調整が指示された場合(ステップS106;YES)、当該キー操作に応じたコントラスト調整LUT(図5参照)によりコントラスト調整値が設定され(ステップS107)、その設定されたコントラスト調整値に基づいて、コントラスト調整が行われる(ステップS102)。
【0076】
オペレータによる画像評価の結果として、キーボード31の色・明るさ調整キー33又はタッチパネル上の色・明るさ調整キー43のキー操作により、処理対象の画像信号の色・明るさ調整が指示された場合(ステップS108;YES)、当該キー操作に応じた色・明るさ調整LUT(図4参照)により、色・明るさ調整値が設定され(ステップS109)、その設定された色・明るさ調整値に基づいて、色・明るさ調整が行われる(ステップS101)。
【0077】
以上のように、本第1の実施の形態における画像処理部1によれば、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整(出力階調再現特性調整)、出力機器特性調整の5ステップに分割して行うことにより、特に、シーン毎に調整量が大きく異なる色、明るさ、コントラストの調整を容易に行うことができる。
【0078】
また、階調変換を、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、調子再現特性調整(出力階調再現特性調整)、出力機器特性調整の順序で行うことにより、例えば、明るさ調整後にコントラスト調整を行った結果、再度、明るさ調整が必要になる等の重複作業の頻度が少なくなり、迅速な階調変換を実現することができる。
【0079】
更に、指示入力部3に、画像の色、明るさの変換量を調整するための色・明るさ調整キー33、43と、コントラストの変換量を調整するためのコントラスト調整キー32、42を備えることにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0080】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本第2の実施の形態は、リバーサルフィルムの画像等、ポジ型の画像ソースに対する階調変換処理を示すものである。
【0081】
まず、第2の実施の形態における構成を説明する。本第2の実施の形態における画像処理システムの構成は、上述の第1の実施の形態において図1に示した画像処理システム100と同一ゆえ、同一符号を付し、その図示を省略する。以下の構成説明では、第1の実施の形態における画像処理システム100と異なる部分(画像処理部1)について説明する。
【0082】
第2の実施の形態における画像処理部1は、リバーサルフィルムの画像に対する階調変換処理を行う場合、第1の実施の形態で示した色・明るさ調整を、更に、第2の色・明るさ調整と、第2のコントラスト調整に分け、第2の色・明るさ調整、第2のコントラスト調整の順番で階調変換処理を行う(図15参照)。以下、第2の色・明るさ調整、第2のコントラスト調整について説明する。
【0083】
まず、リバーサルプリントについて説明する。図10に、リバーサルフィルム(ポジフィルム)から直接プリントを得るリバーサルプリントの特性曲線の一例を示す。このリバーサルプリント特性曲線は、原稿濃度に100を乗じた値(原稿濃度*100)と、プリント濃度との関係を示したものである。このリバーサルプリント特性曲線によれば、リバーサルプリント上に階調を再現可能な原稿の濃度域(原稿濃度再現域)は、ほぼ2.4Dである。ここで、Dは光学濃度である。
【0084】
通常、リバーサルフィルムを用いて撮影する場合、現像後のフィルムがそのまま鑑賞対象となるため、撮影時に、十分な注意を払って撮影すると、現像後のフィルムは、過半のシーンでそのまま主観的に好ましい色、明るさとなっている。そのため、画像処理システム100には、これら過半のシーンが好ましくプリントできるよう、色、明るさの初期調整条件がプリセットされており、残りの、補正が必要なシーン、即ち、撮影時の露光状態が標準状態と異なるシーンについては、オペレータの判断により、追加の色、明るさ調整が施されることとなる。このような画像処理システムの場合、オペレータによる色・明るさ補正から、撮影時の露光状態を判断することが可能である。本第2の実施の形態は、この原理を応用し、オペレータの操作しやすい、かつ、高品質のリバーサルプリントが簡単に得られる画像処理システム100を説明したものである。
【0085】
図11に、リバーサルフィルムの特性曲線のモデルを示す。図11に示す特性曲線は、相対露光量(LogE)と、フィルムの濃度値に100を乗じた値(濃度値*100)との関係を示したものである。図10及び図11より、リバーサルプリントで再現可能な濃度域(2.4D)は、リバーサルフィルムが再現可能な濃度域よりも狭いことから、撮影時の露光ミスにより原稿の濃さが大幅に変動した場合は、図4(b)に示した色・明るさ調整LUTにより、色、明るさを調整する。色・明るさ調整の様子を、リバーサルフィルムの特性曲線の左側に矢印で示す。各々の矢印の幅は、2.4Dである。
【0086】
図12(a)に、図11の左側に示した色・明るさ調整によって、プリント階調上に被写体輝度が再現されている範囲(輝度再現域)を示す。図12(a)に示すように、露光オーバー時の輝度再現域は、標準露光時の輝度再現域に比べて広く、プリント上の濃度再現域を十分に活用しておらず、ハイライト部分が再現されない。一方、露光アンダー時の輝度再現域は、標準露光時の輝度再現域より狭い。
【0087】
図12(b)に、色・明るさ調整によりオペレータの感じる感覚を示す。図12(b)に示すように、リバーサルフィルム撮影時の露光状態が露光アンダーで暗すぎる場合、タッチパネル上のD−キー(又はキーボード31のDキーとマイナスキー36)の押下により濃度が低くなり、明るくなる方向に補正(調整)される。この場合、図12(a)に示したように、輝度再現域が標準露光時よりも狭くなることから、オペレータには、コントラストが高くなったように感じられる。また、オペレータには、1回のD−キー押下による変化(補正ステップ)が通常(標準露光時)より小さくなったように感じられる。即ち、オペレータには、濃度の補正ステップが感覚的に小さく感じられる。一方、オペレータの感覚上、重要な領域となる中間濃度域、即ち、図12(a)中、プリント上に再現できる濃度域の中間部に相当する特性曲線の傾きが、露光アンダー時と標準露光時で大きく変化しない。従って、オペレータは、1回のD−キー押下による変化(補正ステップ)については、強い違和感をもたない。
【0088】
一方、リバーサルフィルム撮影時の露光状態が露光オーバーで明るすぎる場合、タッチパネル上のD+キー(又はキーボード31のDキーとプラスキー35)の押下により濃度が高くなり、暗くなる方向に補正(調整)される。この場合、図12(a)に示したように、輝度再現域が標準露光時よりも広くなることから、オペレータには、コントラストが低くなったように感じられる。また、オペレータには、1回のD+キー押下による変化(補正ステップ)が通常(標準露光時)より大きくなったように感じられる。即ち、オペレータには、濃度の補正ステップが感覚的に大きく感じられる。
【0089】
図13に、第2の色・明るさ調整の変換特性を示す。この第2の色・明るさ調整は、図12(b)に示した、露光状態に応じて感覚的に異なる補正ステップの大きさを調整するものである。図13において、変換曲線λは、最初の色・明るさ調整における調整量(横軸、単位は原稿濃度)と、第2の色・明るさ調整における調整量(縦軸、単位は原稿濃度)の関係を示す。変換曲線λ上の黒い四角は、キーボード31の色・明るさ調整キー33のDキー(又はタッチパネル或いはマウスによる同様の指示操作)による調整段階(調整レベル)の各ステップを示す。
【0090】
図13の変換曲線λによれば、露光オーバー時に感覚的に補正ステップが大きく感じられる濃度付加方向の補正においては、補正ステップが小さくなるように補正されている。このように、キー操作による補正ステップの大きさを調整することで、露光状態によらず、各補正ステップでの変化量が感覚的に略一致することになる。
【0091】
図14に、第2のコントラスト調整の特性(変換特性)を示す。図14のコントラスト調整特性において、縦軸は、入力信号値の濃度*100の相対値であり、横軸は、出力信号値の濃度*100の相対値である。図14において、Dkeyとは、キーボード31の色・明るさ調整キー33のDキー(又はタッチパネル上での色・明るさ調整キー43のD+キー、D−キー)による調整状態を示している。図14において、例えば、−4Dkeyは、濃度を4段階低くすることを意味し、+8Dkeyは、濃度を8段階高くすることを意味する。
【0092】
リバーサルフィルムの撮影時の露光状態が露光アンダーの場合に、Dキーにより濃度を低くして明るくなる方向に補正すると、図12(a)に示すように、輝度再現域が標準露光時よりも狭くなることから、オペレータには、コントラストが高くなったように感じられる。従って、露光アンダーの場合には、第2のコントラスト調整として、コントラストを低くする処理を行う。図14において、−8Dkey及び−4Dkeyに対応する変換特性が、露光アンダーの場合の第2のコントラスト調整に相当する。図14に示すように、入力画像信号(横軸)の信号変化幅が、−8Dkey及び−4Dkeyの変換特性を用いることにより、出力画像信号(縦軸)の変化が小さくなり、画像のコントラストが低くなる。
【0093】
リバーサルフィルムの撮影時の露光状態が露光オーバーの場合に、Dキーにより濃度を高くして暗くなる方向に補正すると、図12(a)に示すように、輝度再現域が標準露光時よりも広くなることから、オペレータには、コントラストが低くなったように感じられる。従って、露光オーバーの場合には、第2のコントラスト調整として、コントラストを高くする処理を行う。図14において、+8Dkey及び+4Dkeyに対応する変換特性が、露光オーバーの場合の第2のコントラスト調整に相当する。図14に示すように、入力画像信号(横軸)の信号変化幅が、+8Dkeyおよび、+4Dkeyの変換特性を用いることにより、出力画像信号(縦軸)の変化が大きくなり、画像のコントラストが高くなる。
【0094】
次に、本第2の実施の形態における動作を説明する。本第2の実施の形態における画像処理全体の流れは、第1の実施の形態において図6に示したフローチャートと同一であるため、その説明を省略する。以下、図15のフローチャートを参照して、図8のステップS3〜S5に示した処理の詳細な動作について説明する。
【0095】
まず、入力色変換が施された画像信号に対し、色、明るさ調整が施される(ステップS201)。次いで、色、明るさ調整が施された画像信号に対し、コントラスト調整が施される(ステップS202)。次いで、コントラスト調整が施された画像信号に対し、調子再現特性調整LUT(図6(d))を用いて、調子再現特性調整が施される(ステップS203)。
【0096】
ステップS201〜S203における処理が施された画像信号に対応する画像は、表示部4の表示画面に表示され、オペレータにより、画面表示された画像の評価が実施される(ステップS204)。
【0097】
キーボード31のプリントキー34又はタッチパネル上のプリントキー41のキー操作により、処理対象の画像信号のプリントが指示されると(ステップS205;YES)、当該画像信号に対する画像評価がOKと判断され、図8のステップS6に移行する。
【0098】
オペレータによる画像評価の結果として、キーボード31のコントラスト調整キー32又はタッチパネル上のコントラスト調整キー42のキー操作により、処理対象の画像信号のコントラスト調整が指示された場合(ステップS206;YES)、当該キー操作に応じたコントラスト調整LUT(図5参照)によりコントラスト調整値が設定され(ステップS207)、その設定されたコントラスト調整値に基づいて、コントラスト調整が行われる(ステップS202)。
【0099】
オペレータによる画像評価の結果として、キーボード31の色・明るさ調整キー33又はタッチパネル上の色・明るさ調整キー43のキー操作により、処理対象の画像信号の色・明るさ調整が指示された場合(ステップS208;YES)、当該キー操作に応じた色・明るさ調整LUT(図4参照)により、色・明るさ調整値が設定される(ステップS209)。
【0100】
次いで、図13の変換曲線λに基づいて、明るさ調整キー33又は43のキー操作に応じた第2の色・明るさ調整値が設定される(ステップS210)。次いで、図14に示したコントラスト変換特性に基づいて、明るさ調整キー33又は43のキー操作に応じた第2のコントラスト調整値が設定される(ステップS211)。
【0101】
第2の色・明るさ調整値及び第2のコントラスト調整値が設定されると、まず、第2の色・明るさ調整値に基づいて色・明るさ調整(第2の色・明るさ調整)が行われ(ステップS212)、その後、第2のコントラスト調整値に基づいてコントラスト調整(第2のコントラスト調整)が行われ(ステップS213)、ステップS202に移行する。
【0102】
以上のように、本第2の実施の形態における画像処理部1によれば、リバーサルフィルム等、明るさ調整の必要なシーンのコントラストが、標準的なシーンと比較して大幅に異なる特性を有するポジ型の記録媒体に記録された画像の階調変換を行う場合、指示された色・明るさ変換量から判断される撮影時の露光状態に基づいて、第2の色・明るさ調整及び第2のコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。また、色・明るさ調整値を第2の色・明るさ調整値に変換することにより、キー操作による補正ステップの大きさを、オペレータの感覚に合うように調整することができるため、オペレータにとって快適な階調変換を実現することができる。
【0103】
なお、本第2の実施の形態では、色調整と、明るさ調整を特に区別しないで説明したが、どちらの調整も同一の手法で実施可能である。色調整の場合は、上述の手法を、例えばB、G、R各々について適用すればよく、明るさ調整の場合は、例えば、B、G、R各々に同一値の追加変換量を与えればよい。更に、画像処理システムによっては、例えば周知の画像判定技術を用いて、画像情報から撮影時の露光条件を自動推定する場合がある。このような場合においても、本第2の実施の形態における手法が適用可能である。例えば、上記自動推定による色・明るさ変換量と、オペレータがさらに追加した色・明るさ補正量を加算し、この加算値を、本第2の実施の形態における色・明るさ変換量として扱えばよい。
【0104】
なお、上記各実施の形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0105】
【発明の効果】
請求項1、7、13に記載の発明によれば、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、出力階調特性調整、出力機器特性調整の5ステップに分割して行うことにより、特に、シーン毎に調整量が大きく異なる色、明るさ、コントラストの調整を容易に行うことができる。また、画像の階調変換を、入力画像変換、色・明るさ調整、コントラスト調整、出力階調特性調整、出力機器特性調整の順序で行うことにより、例えば、明るさ調整後にコントラスト調整を行った結果、再度、明るさ調整が必要になる等の重複作業の頻度が少なくなり、迅速な階調変換を実現することができる。
【0106】
請求項2、8、14に記載の発明によれば、画像の色、明るさ変換量の調整指示に基づいて、当該画像の色、明るさを調整し、画像のコントラスト変換量の調整指示に基づいて、当該画像のコントラストを調整するようにしたことにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0107】
請求項3、9、15に記載の発明によれば、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理を行う場合、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整及びコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。
【0108】
請求項4、10、16に記載の発明によれば、画像の色、明るさ変換量の調整指示に基づいて、当該画像の色、明るさを調整し、画像のコントラスト変換量の調整指示に基づいて、当該画像のコントラストを調整するようにしたことにより、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで実現することができる。
【0109】
請求項5、11、17に記載の発明によれば、ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理を行う場合、撮影時の露光状態に基づいて、色・明るさ調整及びコントラスト調整を行うようにしたことにより、色・明るさ調整に伴うコントラストの変化が生じにくいため、好ましい階調調整を容易に実現することができる。
【0110】
請求項6、12、18に記載の発明によれば、色・明るさ調整指示及びコントラスト調整指示における操作性を向上させるとともに、色・明るさ調整及びコントラスト調整を容易に明瞭な手続きで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理システム100の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の指示入力部3のキーボード31におけるキー配列を示す図である。
【図3】図1の表示部4の画面表示例を示す図である。
【図4】色・明るさ調整LUTを示す図である。
【図5】コントラスト調整LUTを示す図である。
【図6】調子再現特性調整LUTを示す図である。
【図7】機器特性調整LUTを示す図である。
【図8】画像処理システム100において実行される画像処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、図8のステップS3〜S5に示した処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図10】リバーサルプリント特性曲線を示す図である。
【図11】リバーサルフィルムのモデル特性曲線を示す図である。
【図12】色・明るさ調整によるプリント上の輝度再現域を示す図(同図(a))と、明るさ調整によりオペレータの感じる感覚を示す図(同図(b))である。
【図13】第2の色・明るさ調整の特性を示す図である。
【図14】第2のコントラスト調整の特性を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態において、図8のステップS3〜S5に示した処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像処理部
2 画像取得部
21 反射原稿スキャナ
22 透過原稿スキャナ
23 メディアドライバ
24 情報通信I/F
3 指示入力部
31 キーボード
32 コントラスト調整キー(Tキー)
33 色・明るさ調整キー
34 プリントキー(start/enterキー)
35 プラスキー
36 マイナスキー
37 カーソルキー
4 表示部
41 プリントキー
42 コントラスト調整キー(Tキー)
43 色・明るさ調整キー
44 カーソルキー
5 銀塩露光プリンタ
6 IJプリンタ
7 画像書込部
8 画像ストレージ部
100 画像処理システム
Claims (18)
- 入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理方法において、
前記入力画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換工程と、
前記所定の規格化された単位量に変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整工程と、
前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整工程と、
前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整工程と、
前記出力階調特性調整工程において調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示工程と、
画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示工程と、を含み、
前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、色及び/又は明るさの調整が行われ、
前記コントラスト調整工程において、前記指示されたコントラストの変換量に基づいて、コントラストの調整が行われることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、
前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさの調整が行われ、
前記コントラスト調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストの調整が行われることを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。 - 入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理方法において、
画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示工程と、
前記指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整工程と、
画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示工程と、
前記指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、
前記色・明るさ調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさが調整され、
前記コントラスト調整工程において、前記指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストが調整されることを特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。 - 前記色・明るさ調整指示工程における指示と、前記コントラスト調整指示工程における指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の画像処理方法。
- 入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理装置において、
前記入力画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換部と、
前記入力画像変換部により変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整部と、
前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整部と、
前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整部と、
前記出力階調特性調整部により調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示部と、
画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示部と、を備え、
前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、前記入力画像変換部により変換された画像の色及び/又は明るさを調整し、
前記コントラスト調整部は、前記コントラスト調整指示部により指示されたコントラストの変換量に基づいて、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。 - ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、
前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、
前記コントラスト調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 - 入力画像に階調変換処理を施して出力する画像処理装置において、
画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示部と、
画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示部と、
前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整部と、
前記コントラスト調整指示部により指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - ポジ型の記録媒体に記録された画像に階調変換処理を施す場合、
前記色・明るさ調整部は、前記色・明るさ調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、
前記コントラスト調整部は、前記コントラスト調整指示部により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。 - 前記色・明るさ調整指示部による指示と、前記コントラスト調整指示部による指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記画像処理装置に入力された画像を、所定の規格化された単位系に変換する入力画像変換機能と、
前記入力画像変換機能により変換された画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整機能と、
前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整するコントラスト調整機能と、
前記コントラストが調整された画像の階調を、予め設定された出力階調再現特性に基づいて調整する出力階調特性調整機能と、
前記出力階調特性調整機能により調整された画像の階調を、実際に画像出力する出力機器の特性に基づいて調整する出力機器特性調整機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。 - 画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示機能と、
画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示機能部と、を実現させ、
前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、前記入力画像変換機能により変換された画像の色及び/又は明るさを調整し、
前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記コントラスト調整指示機能により指示されたコントラストの変換量に基づいて、前記色及び/又は明るさが調整された画像のコントラストを調整することを特徴とする請求項13に記載の画像処理プログラム。 - ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、
ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴とする請求項14に記載の画像処理プログラム。 - 画像の階調変換処理を実行するコンピュータに、
画像の色及び/又は明るさの変換量を指示する色・明るさ調整指示機能と、
画像のコントラストの変換量を指示するコントラスト調整指示機能と、
前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像の色及び/又は明るさを調整する色・明るさ調整機能と、
前記コントラスト調整指示機能により指示されたコントラストの変換量に基づいて、階調変換処理対象の画像のコントラストを調整するコントラスト調整機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。 - ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記色・明るさ調整機能を実現させる際に、前記色・明るさ調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像の色及び/又は明るさを調整し、
ポジ型の記録媒体に記録された画像に対する階調変換処理において、前記コントラスト調整機能を実現させる際に、前記コントラスト調整指示機能により指示された色及び/又は明るさの変換量に対応して判断される、階調変換処理対象の画像が撮影された時の露光状態に基づいて、当該画像のコントラストを調整することを特徴とする請求項16に記載の画像処理プログラム。 - 前記色・明るさ調整指示機能による指示と、前記コントラスト調整指示機能による指示は、画像処理対象の画像を表示する表示部の筐体に形成されたタッチパネルの操作及び/又はキーボードの操作により行われることを特徴とする請求項14〜17の何れか一項に記載の画像処理プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110580A JP2004320353A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003110580A JP2004320353A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=33471396
Family Applications (1)
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JP2003110580A Pending JP2004320353A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004320353A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006154422A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Noritsu Koki Co Ltd | デジタルカメラからの画像データのための画像処理方法と画像処理装置 |
JP2008160704A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Noritsu Koki Co Ltd | 濃度補正曲線生成方法と濃度補正曲線生成モジュール |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110580A patent/JP2004320353A/ja active Pending
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JP2008160704A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Noritsu Koki Co Ltd | 濃度補正曲線生成方法と濃度補正曲線生成モジュール |
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