JP2004319633A - ライフタイム測定装置 - Google Patents

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Yoshitake Shigeyama
吉偉 重山
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Abstract

【課題】高分解能で全体測定が可能な小形のライフタイム測定装置を提供する。また測定時間を可及的に短くするライフタイム測定装置を提供する。また高精度のライフタイム測定装置を提供する。
【解決手段】ライフタイム測定装置1は、液晶シャッター3を含んで構成される。液晶シャッター3は、半導体試料12とレーザ光源2との間に介在され、2次元マトリックス状に配置される複数の制御領域を有し、各制御領域のおけるレーザ光13の透過および遮断を個別に制御する。したがって機械的に導光状態を変更するより、ライフタイム測定装置1を小形化することができ、また測定時間を短縮することができる。また電気的に制御することによって面分解能を容易に向上することができ、高精度のライフタイムを求めることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体試料の内部欠陥を評価するために、半導体試料中に発生させたキャリアのライフタイムを測定するライフタイム測定装置に関する。本発明において、用語「反射強度」は、反射光の単位面積当たりの強度ではなく、光検出器に導かれる反射光全体のエネルギー値を示す用語とする。また本発明において、用語「出射強度」および用語「照射強度」は、出射光および照射光の単位面積当たりの強度ではなく、出射光および照射光の全体のエネルギー値を示す用語とする。
【0002】
【従来の技術】
第1の従来の技術のライフタイム測定装置は、半導体試料にレーザ光を照射し、半導体試料中にキャリアを発生させ、さらに半導体試料にマイクロ波を照射し、このマイクロ波の半導体試料による反射波の強度の時間変化を求める。その時間変化に基づいて、半導体試料のライフタイムを求めている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来の技術のライフタイム測定装置は、面分解能を向上させるために、第1の従来の技術の装置を改良し、半導体試料に照射されるレーザ光を、光ファイバを用いて集光させ、半導体試料におけるレーザ光の照射面積を小さくしている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
JEIDA規格,「シリコンウェーハの反射マイクロ波光導電減衰法による再結合ライフタイム測定方法」,JEIDA−53−1997,社団法人日本電子工業振興協会,平成9年4月
【特許文献1】
特開平2−72646号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第2の従来の技術のライフタイム測定装置は、面分解能を向上するため、光ファイバを用いてレーザ光を集光しているので、光ファイバの集光倍率によってレーザ光の照射面積が決定される。このライフタイム測定装置の面分解能を変更するためには、所望の照射面積を得ることができる集光倍率を有する光ファイバに変更するか、または光ファイバと半導体試料との距離を変化させる必要がある。このように変更するためには、機械的な変更手段が必要であり、ライフタイム測定装置が大形化していた。また照射面積を変更するたびに、前記変更手段を用いなければならず、変更に時間がかかっていた。
【0006】
また第2の従来の技術のライフタイム測定装置は、レーザ光の照射面積を変更することによって生じる反射波への影響を、考慮する構成ではなく精度が低かった。
【0007】
また第2の従来の技術のライフタイム測定装置は、半導体試料全体を測定するためには、レーザ光を出射するレーザ光源および半導体試料が配置されるステージを相対的に変位させて、レーザ光を走査しなければならなかった。したがってライフタイム測定装置は、走査するための機械的な走査手段が必要であり、大形かしていた。
【0008】
したがって本発明の目的は、高分解能で半導体試料の全体測定が可能な小形のライフタイム測定装置を提供することである。また本発明の目的は、測定時間を可及的に短くするライフタイム測定装置を提供することである。また本発明の目的は、高精度のライフタイム測定装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体試料に原子を励起するための励起用電磁波を照射するための励起波源と、
半導体試料にキャリアの多寡によって反射率が変化する検出用電磁波を照射するためのプローブ波源と、
プローブ波源によって照射された検出用電磁波の半導体試料による反射強度を検出する検出手段と、
半導体試料と励起波源との間に介在され、複数の制御領域を有し、各制御領域における半導体試料に対する励起用電磁波の導光状態を制御する照射制御手段と、
検出される反射強度に基づいて、キャリアのライフタイムを求める演算手段とを含むことを特徴とするライフタイム測定装置である。
【0010】
本発明に従えば、ライフタイム測定装置は、励起用電磁波を半導体試料に照射し、半導体試料中の原子を励起して、キャリアを発生させる。キャリアが発生している半導体試料に検出用電磁波を照射し、検出用電磁波の半導体試料による反射強度を検出する。検出用電磁波の反射強度に基づいて、キャリアのライフタイムを求めることができる。本発明のライフタイム測定装置は、照射制御手段を含んで構成される。照射制御手段は、複数の制御領域を有する。照射制御手段は、半導体試料と励起波源との間に介在され、励起波源から照射される励起用電磁波の各制御領域における導光状態を制御する。したがって照射制御手段は、各制御領域を電気的に制御し、励起用電磁波の導光状態を制御することが可能である。各制御領域は、たとえば不規則に配置してもよいし、千鳥状、2次元マトリクス状および散乱状に配置してもよい。したがって機械的に、例えば、機械的構造の交換や姿勢制御等により導光状態を変更するよりも、ライフタイム測定装置を小形化することができ、また測定時間を短縮することができる。また各制御領域を電気的に制御することによって面分解能を容易に向上することができ、高精度のライフタイムを求めることができる。
【0011】
また本発明は、前記照射制御手段は、各制御領域における透過状態を制御することによって、照射面積、照射形状および照射位置の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、前記照射制御手段は、各制御領域における透過状態を制御することによって、照射面積、照射形状および照射位置の少なくともいずれか1つを制御する。各制御領域における透過状態を制御することによって、励起用電磁波の各制御領域における導光状態を個別に制御することができる。したがって照射制御手段は、照射面積、照射形状および照射位置の少なくともいずれか1つを制御する。これによって半導体試料における所望する領域のライフタイムを求めることができる。これによって、ライフタイム測定装置を所望の面分解能に制御することができる。
【0013】
また本発明は、前記照射制御手段は、2次元マトリックス状に配置される複数の制御領域を有し、各制御領域における励起電磁波の透過および遮断を個別に制御するシャッター手段であることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、前記照射制御手段は、2次元マトリックス状に配置される複数の制御領域を有し、各制御領域における励起電磁波の透過および遮断を個別に制御するシャッター手段である。したがって、各制御領域の透過および遮断を制御することによって、所望の照射面積、照射形状および照射位置に制御することができる。これによって半導体試料に対する励起用電磁波の照射面積、照射形状および照射位置を制御できるライフタイム測定装置を実現することができる。
【0015】
また本発明は、励起用電磁波の照射面積に基づいて、反射強度とライフタイムとの相関関係を補正する補正手段をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、励起用電磁波の照射面積に基づいて、反射強度とライフタイムとの相関関係を補正する補正手段をさらに含むので、照射面積の変化に起因するライフタイムの不所望な変化を防ぐことができる。これによって信号対雑音比(Signal to Noise Ratio:略称S/N比)を一定に保つことができる。したがって好適なライフタイムを求めることができる。
【0017】
また本発明は、前記補正手段は、検出手段から演算手段への信号を増幅する増幅手段のゲインを調整することを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、前記補正手段は、検出手段から演算手段への信号を増幅する増幅手段のゲインを調整するので、反射強度とライフタイムとの相関関係の補正を実現することができる。
【0019】
また本発明は、励起用電磁波の照射面積に基づいて、半導体試料への励起用電磁波の照射強度を調整する照射強度調整手段をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、励起用電磁波の照射面積に基づいて、半導体試料への励起用電磁波の照射強度を調整する照射強度調整手段をさらに含むので、照射面積の変化に起因する反射強度の不所望な変化を防ぐことができる。これによってS/N比を一定に保つことができる。したがって好適なライフタイムを求めることができる。
【0021】
また本発明は、前記照射強度調整手段は、励起波源からの出射強度を調整する手段、および照射制御手段における励起用電磁波の透過率を調整する手段のいずれか一方であることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、照射強度調整手段は、励起波源からの出射強度を調整する手段、および照射制御手段における励起用電磁波の透過率を調整する手段のいずれか一方である。これによって半導体試料における励起用電磁波の照射強度の調整を実現することができる。
【0023】
また本発明は、前記照射制御手段は、少なくとも照射位置を制御する手段であり、
照射制御手段によって照射位置を走査しながらライフタイムを2次元的に求めるように、励起波源、プローブ波源、検出手段、照射制御手段および演算手段を統括的に制御する主制御手段をさらに含むことを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、照射位置を走査しながらライフタイムを2次元的に求めるように各部が制御されるので、半導体試料の全域にわたって高精度のライフタイムを求めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態のライフタイム測定装置1の構成を示すブロック図である。ライフタイム測定装置1は、レーザ光源2、液晶シャッター3、導波管4、中央処理装置(Central Processing Unit:略称CPU)5、アンプ6、光検出器7、マイクロ波源8、サーキュレータ9、ステージ10およびステージコントローラ11を含んで構成される。ライフタイム測定装置1は、半導体試料12中に発生させたキャリアのライフタイムを測定する装置である。ライフタイムは、原子が励起されて発生したキャリアが再結合によって消滅する時間である。このライフタイムを測定することによって、半導体試料12中の金属不純物および結晶欠陥などを評価することができる。半導体試料12は、半導体装置などの材料として用いられる。したがってライフタイム測定装置が半導体試料を評価することによって、高品質の半導体試料を選択することができる。これによって高品質の半導体試料を用いて、高品質の半導体装置などを製造することができる。半導体試料12は、たとえばシリコン(Si)ウェハであり、ライフタイム測定装置1のステージ10の予め定められる測定位置に予め載置される。
【0026】
レーザ光源2は、励起波源であって、励起電磁波であるレーザ光13を、CPU5のから与えられる指令に基づいて出射する。レーザ光13は、半導体試料12の原子を励起し、キャリアを発生させる。レーザ光13の波長は、原子を励起するために、半導体試料12のバンドギャップエネルギに基づいて選択される。半導体試料12が、たとえばシリコンウェハの場合、シリコンウェハの室温時のバンドギャップエネルギは約1.1eVである。レーザ光源2は、このバンドギャップエネルギに基づいて、波長がたとえば約1100nmのレーザ光13を出射する。レーザ光源2は、たとえば半導体レーザ光源によって実現される。
【0027】
液晶シャッター3は、照射制御手段であって、半導体試料12とレーザ光源2との間に介在される。液晶シャッター3は、半導体試料12に対するレーザ光13の導光状態を、CPU5から与えられる指令に基づいて制御する。導光状態は、たとえば照射面積、照射形状および照射位置がある。本実施の形態では、照射面積、照射形状および照射位置の少なくともいずれか1つが制御される。
【0028】
マイクロ波源8は、プローブ波源であって、半導体試料12のキャリアの多寡によって反射率が変化する検出用電磁波であるマイクロ波14を出射する。マイクロ波源8は、CPU5によって制御される。導波管4は、マイクロ波14を予め定める位置に導く。サーキュレータ9は、第1端子、第2端子および第3端子を有する。マイクロ波14を第1端子に入射すると、与えられたマイクロ波14が第2端子から出射される。マイクロ波14を第2端子に入射すると、与えられたマイクロ波14が第3端子から出射される。
【0029】
光検出器7は、検出手段であって、与えられるマイクロ波14の強度を検出する。光検出器7は、具体的には、マイクロ波検出器によって実現される。光検出器7は、CPU5によって制御される。
【0030】
ステージコントローラ11は、CPU9の指令に基づいてステージ10を制御する。ステージ10は、半導体試料12が載置され、吸着固定される。ステージ10はステージコントローラ11から与えられる指令に基づいて、半導体試料12を測定領域に移動させ、位置決めをする。
【0031】
CPU5は、レーザ光源2、液晶シャッター3、マイクロ波源8、光検出器7およびステージコントローラ11が所定の機能を実現するように制御指令を与えて、制御する。CPU5は、演算部、補正部および主制御部を含んで構成される。演算部は、演算手段であって、演算部は検出される反射強度に基づいてキャリアのライフタイムを求める。補正部は、補正手段であって、補正部はレーザ光13の照射面積に基づいて、反射強度とライフタイムとの相関関係を補正する。補正部は、本実施の形態では、アンプ6のゲインを調整することによって実現される。主制御部は、主制御手段であって、主制御部は液晶シャッター3によって照射位置を走査しながらライフタイムを2次元的に求めるように、レーザ光源2、マイクロ波源8、光検出器7、液晶シャッター3および演算部を統括的に制御する。
【0032】
レーザ光源2は、予め定められる時間、レーザ光13を出射する。液晶シャッター3は、レーザ光13の導光状態を制御し、制御された制御光15を半導体試料12に照射する。マイクロ波源8は、サーキュレータ9、導波管4を介して、半導体試料12に導かれる。したがって半導体試料12は、制御光15とマイクロ波14とが照射される。マイクロ波14は半導体試料12にて反射し、反射光16となって、導波管4、サーキュレータ9を介して光検出器7に導かれる。光検出器7は、反射光16の反射強度に基づく情報を検出し、検出した情報に基づく信号をアンプ6に与える。アンプ6は、増幅手段であって、与えられた信号を予め設定されるゲインに基づいて増幅し、CPU5に増幅した信号を与える。CPU5は、アンプ6からの信号に基づく情報によって、半導体試料12のライフタイムを演算する。
【0033】
図2は、液晶シャッター3を示す正面図である。液晶シャッター3は、シャッター手段であって、本実施の形態では略正方形板状に形成される。液晶シャッター3は、液晶シャッター3の長さ方向に関して、液晶シャッター3がM個に分割され、M個の領域にそれぞれ第1長さ方向信号線18〜第M長さ方向信号線18が順次、電気的に接続される。また液晶シャッター3の長さ方向に垂直な幅方向に関して、液晶シャッター3がN個に分割され、N個の領域にそれぞれ第1幅方向信号線19〜第N幅方向信号線19が順次、電気的に接続される。したがって液晶シャッター3は、2次元マトリックス状に配置される複数の、本実施の形態ではM×N個の制御領域17を有する。各制御領域17は、本実施の形態では、互いに同一の寸法から成る略正方形板状に形成される。
【0034】
各制御領域17は、たとえばそれぞれ液晶層を有し、液晶層の厚み方向両端面部に一対の透明電極がそれぞれ設けられる。各透明電極は、透明電極の厚み方向外方側に一対の透明基板がそれぞれ設けられる。これによって各制御領域の透明電極に接続される信号線18,19を用いて、電圧を印可する、印可しないによって、液晶層を構成する液晶分子の状態を変化させ、レーザ光13の透過状態を制御することができる。したがって液晶シャッター3は、CPU5から与えられる指令に基づいて、各制御領域17におけるレーザ光13の透過状態を制御することができる。液晶シャッター3は、各制御領域における透過状態が個別に制御され、具体的には、レーザ光13の透過および遮断が個別に制御される。これによって液晶シャッター3は、レーザ光13の半導体試料12における照射面積、照射形状および照射位置が制御可能である。また照射位置を走査しながらライフタイムが2次元的に求めることができる。走査方式は、たとえばラスタスキャン方式が用いられる。
【0035】
図3は、各制御領域17、レーザ光13の照射領域であるレーザ光照射領域20およびマイクロ波14の照射領域であるマイクロ波照射領域21の位置関係を示す正面図である。液晶シャッター3は、自然状態において、各制御領域17が透過領域22および遮断領域のいずれか一方となるよう形成され、本実施の形態では、自然状態において、遮断領域となるように形成される。各制御領域17は、電圧が印可されることによって、レーザ光13が透過可能な透過領域17となる。透過領域17を、斜線を施して示す。各制御領域17は、電圧が印可されていない自然状態において、レーザ光13が遮断される遮断領域である。
【0036】
液晶シャッター3の幅方向および長さ方向は、レーザ光源2がレーザ光13を出射する光軸と略垂直となるよう配置される。液晶シャッター3の厚み方向は光軸と略平行になるように配置される。また液晶シャッター3は、レーザ光照射領域20内に配置され、液晶シャッター3におけるレーザ光13の照射光量の分布が一様である領域が選択される。制御光15の半導体試料12における照射領域は、マイクロ波照射領域21に含まれる。
【0037】
図4は、各制御領域17の内、1つの制御領域17だけを透過領域22に制御した液晶シャッター3を示す正面図である。図5は、各制御領域17の内、2×2個の制御領域17だけを透過領域22に制御した液晶シャッター3を示す正面図である。図6は、各制御領域17の内、幅方向に延びる制御領域17である1×N個の制御領域17だけを透過領域22に制御した液晶シャッター3を示す正面図である。図7は、各制御領域17の内、長さ方向に延びる制御領域17であるM×1個の制御領域17だけを透過領域22に制御した液晶シャッター3を示す正面図である。
【0038】
ライフタイム測定装置1の面分解能は、液晶シャッター3の透過領域22の面積に基づいて決定される。液晶シャッター3における面分解能を最大にするためには、透過領域22を最小にすればよく、具体的には、1つの制御領域17だけを透過領域22に制御する。この1つの透過領域22を走査し、液晶シャッター3全域にわたって、ライフタイムを求める。これによって高精度のライフタイムを、半導体試料に全域にあたって求めることができる。面分解能を変更するには、たとえば2×2個の制御領域17を透過領域22に制御し、この2×2個の透過領域22を走査し、ライフタイムを求める。走査させる透過領域22は、略正方形状以外の形状でもよく、たとえば透過領域22は略長方形状であってもよい。具体的には1×3個および2×3個など各制御領域17を組合わせ、走査させる透過領域22とすることができる。これによって半導体試料12の形状および寸法に基づく透過領域22によって、走査することができる。またライフタイムの分布特性が、たとえば半導体試料12の製法などに起因して、一定方向のみに依存する場合がある。この場合、その依存する方向と透過領域22を幅方向および長さ方向のいずれか一方と平行となるように、半導体試料12および液晶シャッター3を配置する。また透過領域22を、依存する方向に延びる略長方形状になるように制御する。この制御領域を依存する方向と垂直な方向に透過領域を走査することによって、効率的に高精度のライフタイムを求めることができ、測定時間を短縮することができる。
【0039】
図8は、液晶シャッター3の透過領域22の面積である透過面積αと、マイクロ波14の半導体試料12による反射光16の反射強度との関係を示すグラフである。グラフの横軸は透過面積を表し、縦軸は反射強度を表す。レーザ光13の照射光量の分布が一様であるレーザ光照射領域20に液晶シャッター3は配置される。これによって反射強度は、透過領域22の透過率が一定の場合、透過面積αのみに依存する。したがって半導体試料12におけるマイクロ波14の反射率が一定の場合に、マイクロ波14の反射強度が、透過面積αに関係なく一定になるように補正する。全制御領域17が透過領域22であるとき、透過面積αはM×Nであるので、透過面積M×Nのときの反射強度を1とすると、透過面積αのときの反射強度はα/(M×N)となる。この透過面積αと反射強度との関係に基づいて、反射強度とライフタイムとの相関関係を補正することができる。
【0040】
図9は、ライフタイム測定装置1を用いてライフタイムを測定する測定方法を示すフローチャートである。ステップa0では、ステージ10に半導体試料12が配置され、ステップa1に進む。ステップa1では、液晶シャッター3の透過領域22の形状が決定され、CPU5に透過領域22の形状を示す指令を与え、CPU5にて透過面積αが求められ、ステップa2に進む。ステップa2では、反射強度とライフタイムとの相関関係を補正するため、アンプ6のゲインが透過面積αと全制御領域17の面積とに基づいて決定され、ステップa3に進む。アンプ6のゲインは、具体的にはM×N/α倍とし、CPU5がアンプ6のゲインを調整する指令を与え、アンプ6のゲインが調整される。これによって反射強度の透過面積αによる不所望の変化を、補正することができる。
【0041】
ステップa3では、半導体試料12の同じ位置における反射強度の測定回数が求められ、ステップa4に進む。反射強度を示す信号は、アンプ6によって増幅されるので、反射強度を示す信号に含まれるノイズ信号も増幅される。このノイズ信号は、白色ノイズ信号であると仮定する。白色ノイズ信号は、複数回測定した反射強度の加算平均を求めることによって、低減することができる。測定回数と、白色ノイズ信号の低減の度合いとは、比例関係にある。したがって本実施の形態では、測定回数をM×N/α回とする。これによってアンプの増幅率が大きくなると、測定回数も多くなる。したがって、アンプ6によって増幅されるノイズ信号を、アンプのゲインに基づいて低減することができる。
【0042】
ステップa4では、CPU5がステージコントローラ11に指令を与え、ステージ10に載置されている半導体試料12を、レーザ光照射領域20に移動させ、ステップa5に進む。ステップa5では、位置(m,n)の制御領域17が、透過領域22となるよう制御され、ステップa6に進む。これによって制御光15が半導体試料12に照射される。ステップa6では、反射強度が、光検出器7によって検出される。検出された値を示す信号が、アンプ6によって増幅され、増幅された信号に基づく値をCPU5に与える。ステップa5およびステップa6が、測定回数M×N/α回繰返され、ステップa7に進む。
【0043】
同じ透過領域における反射強度を複数回検出する方法は、液晶シャッターの透過領域を制御して、遮断領域と透過領域とを交互に繰返す方法がある。他の方法として、液晶シャッターの透過領域は変化させず、レーザ光源を制御して、レーザ光の出射と遮断とを交互に繰返す方法がある。液晶シャッターを制御する方法とレーザ光源を制御する方法とで、短時間でレーザ光の照射と遮断とを切替える方法の方が、測定時間を短くすることができる。本実施の形態では、レーザ光源を制御する方法の方が、液晶シャッターを制御する方法より、短時間で照射と遮断と切替えることができるので、レーザ光源を制御する方法が用いられる。具体的には、レーザ光源2のスイッチング態様を切替える方法、およびレーザ光源2に供給される電流を、チョッパなどによって制御する方法などによって実現される。
【0044】
ステップa7では、反射強度の測定回数M×N/α回の値の加算平均値が求められ、ステップa8に進む。これによって増幅されたノイズ信号が低減される。ステップa8では、CPU5の演算部によって、反射強度の変化に基づくライフタイムが求められ、ステップa9に進む。したがって、制御光15が照射された位置におけるライフタイムが求められる。
【0045】
ステップa9では、液晶シャッター3の各制御領域17が透過領域22に制御され、ライフタイムの測定が完了したかどうかが判断される。測定が完了していない場合、透過領域22の位置(m,n)をラスタスキャンし、ライフタイムを2次元的に求めるようにCPU5が液晶シャッター3を制御し、ステップa5に進む。測定が完了している場合、ステップa10に進み、測定を終了する。
【0046】
本実施の形態では、ライフタイム測定装置1は、レーザ光13を半導体試料12に照射し、半導体試料12中の原子を励起して、キャリアを発生させる。キャリアが発生している半導体試料12にマイクロ波14を照射し、マイクロ波の半導体試料12による反射強度を検出する。マイクロ波14の反射強度に基づいて、キャリアのライフタイムを求めることができる。ライフタイム測定装置1は、液晶シャッター3を含んで構成される。液晶シャッター3は、半導体試料12とレーザ光源2との間に介在され、レーザ光源2から照射されるレーザ光13の導光状態を制御する。液晶シャッター3は、電気的に制御されてレーザ光13の導光状態を制御することが可能である。したがって半導体試料と液晶シャッター3の相対位置が不変の状態で、レーザ光13の導光状態を制御することができる。また液晶シャッターは、レーザ光13の導光状態を動的制御することができる。したがって機械的に、例えば、機械的構造の交換や姿勢制御等により、導光状態を変更するより、ライフタイム測定装置1を小形化することができ、また測定時間を短縮することができる。また電気的に制御することによって面分解能を容易に向上することができ、高精度のライフタイムを求めることができる。
【0047】
また本実施の形態では、液晶シャッター3は、各制御領域17における透過状態を制御することによって、照射面積、照射形状および照射位置の少なくともいずれか1つを制御する。各制御領域17における透過状態を制御することによって、レーザ光13の各制御領域17における導光状態を個別に制御することができる。したがって液晶シャッター3は、照射面積、照射形状および照射位置の少なくともいずれか1つを制御する。したがって半導体試料12における所望する領域のライフタイムを求めることができる。これによって、ライフタイム測定装置1を所望の面分解能に制御することができる。
【0048】
また本実施の形態では、液晶シャッター3は、2次元マトリックス状に配置される複数の制御領域17を有し、各制御領域17におけるレーザ光13の透過および遮断を個別に制御する。したがって、各制御領域17の透過および遮断を制御することによって、所望の照射面積、照射形状および照射位置に制御することができる。これによって半導体試料12に対するレーザ光13の照射面積、照射形状および照射位置を制御できるライフタイム測定装置1を実現することができる。
【0049】
また本実施の形態では、レーザ光13の照射面積に基づいて、反射強度とライフタイムとの相関関係を補正する補正手段をさらに含むので、照射面積の変化に起因するライフタイムの不所望な変化を防ぐことができる。これによってS/N比を一定に保つことができる。したがって好適なライフタイムを求めることができる。
【0050】
また本実施の形態では、補正手段は、光検出器7から演算手段への信号を増幅するアンプ6のゲインを調整するので、反射強度とライフタイムとの相関関係の補正を実現することができる。
【0051】
また本実施の形態では、照射位置を走査しながらライフタイムを2次元的に求めるように各部が制御されるので、半導体試料12の全域にわたって高精度のライフタイムを求めることができる。
【0052】
図10は、本実施の他の形態のライフタイム測定装置を用いてライフタイムを測定する測定方法を示すフローチャートである。本実施の形態は前述の図1〜図9のライフタイム測定装置1と類似しており、本実施の形態の構成にはライフタイム測定装置1における対応する構成と同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。本実施の形態のライフタイム測定装置は、前述のライフタイム測定装置1の補正部に対して、照射強度調整部によって、反射強度を調整し、ライフタイムの値を求めている。
【0053】
本実施の形態のライフタイム測定装置を構成するCPU5は、照射強度調整部を含んで構成される。照射強度調整部は、照射強度調整手段であって、レーザ光13の出射強度を調整する。本実施の形態のレーザ光源2は、供給電流などをCPU5が制御することによって、出射強度を調整できるように構成される。またレーザ光源2が、出射強度を調整できない構成であっても、レーザ光源2と液晶シャッター3との間に複数枚のNDフィルタを光軸方向に配置して、レーザ光13の照射強度を調整してもよい。NDフィルタは、一定の透過率を有し、照射強度を小さくすることができる。レーザ光13の照射強度は、NDフィルタを配置する枚数およびNDフィルタの透過率などによって、調整することができる。
【0054】
照射強度調整部は、具体的には、透過面積αに基づいて、レーザ光13の出射強度を調整する。これによって反射光の反射強度が、透過面積αの変化によって不所望に変化しないように調整する。ステップb0およびステップb1は、前述のステップa0およびステップa1と類似している。ステップb2では、レーザ光源2の出射強度が、照射強度調整部によって、透過面積αに基づいてM×N/α倍され、ステップb3に進む。これによって、半導体試料における反射率が一定の場合、反射強度は透過面積αに依存せず、一定にすることができる。ステップb3〜b8は、前述のステップa4〜a6およびステップa8〜a10と類似している。前述の実施の形態ではアンプ6を用いて信号を増幅していたので、ノイズの低減をする工程があるが、本実施の形態では出射強度が制御されることにより、ノイズは生じにくいので、ノイズを低減する工程は除かれている。
【0055】
本実施の形態では、レーザ光13の照射面積に基づいて、半導体試料12へのレーザ光13の照射強度を調整する照射強度調整部をさらに含むので、照射面積の変化に起因する反射強度の不所望な変化を防ぐことができる。これによってS/N比を一定に保つことができる。したがって好適なライフタイムを求めることができる。
【0056】
また本実施の形態では、照射強度調整部は、レーザ光源2からの出射強度を調整する。これによって半導体試料12におけるレーザ光13の照射強度の調整を実現することができる。したがって本実施の形態のライフタイム測定装置は、その他前記実施の形態と同様の効果を達成することができる。
【0057】
図11は、本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置を用いてライフタイムを測定する測定方法を示すフローチャートである。本実施の形態は前述の図1〜図9のライフタイム測定装置1と類似しており、本実施の形態の構成にはライフタイム測定装置1における対応する構成と同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。本実施の形態のライフタイム測定装置は、前述の図10のライフタイム測定装置と同様に照射強度調整部によって、反射強度を調整し、ライフタイムを求めている。
【0058】
本実施の形態の液晶シャッター3は、透過領域22におけるレーザ光13の透過率を制御できるように構成される。照射強度調整部は、透過率を透過面積αに基づいて制御することによって、照射強度を調整する。これによって反射強度が、透過面積αの変化によって不所望に変化しないように調整する。
【0059】
本実施の形態の図11のフローチャートは、前述の他の実施の形態の図10のフローチャートに対して、ステップc2,c4が異なり、残余のステップc0,c1,c3,c5〜c8は、ステップb0,b1,b3,b5〜b8とそれぞれ類似している。ステップc2では、液晶シャッター3の透過領域22の透過率が、透過面積αに基づいて、1/αに設定される。これによって、半導体試料における反射率が一定の場合、反射強度は透過面積αに依存せず、一定にすることができる。ステップc4では、液晶シャッター3における制御領域17の位置(m,n)が透過率1/αの透過領域22となるよう制御され、制御光15が半導体試料12に照射され、ステップc6に進む。
【0060】
本実施の形態では、液晶シャッターの各制御領域17を制御するときに、透過率も制御されるので、簡単な構成で照射強度を調整することができる。
【0061】
また本実施の形態では、照射強度調整部は、液晶シャッター3におけるレーザ光13の透過率を調整する。これによって半導体試料12におけるレーザ光13の照射強度の調整を実現することができる。したがって本実施の形態のライフタイム測定装置は、その他前記実施の形態と同様の効果を達成することができる。
【0062】
図12は、本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置を構成する液晶シャッター30を示す正面図である。本実施の形態は前述の図1〜図9のライフタイム測定装置1と類似しており、本実施の形態の構成にはライフタイム測定装置1における対応する構成と同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。本実施の形態のライフタイム測定装置は、前述のライフタイム測定装置1と液晶シャッター30の構成が異なる。
【0063】
本実施の形態の液晶シャッター30は、各制御領域31は長方形状であって、数種類の寸法に形成される。集合制御領域32は、4つの同一の寸法の制御領域31が2次元マトリックス状に配置される。この集合制御領域32だけを用いて、ライフタイムを測定する。これによってライフタイムが未知の半導体試料12を測定するとき、集合制御領域32を用いてライフタイムを測定することによって、設定すべき面分解能および走査方向などを容易に短時間で求めることができる。また液晶シャッター30の構成を簡素化することができる。本実施の形態では、複数の制御領域31を同時に透過領域22にしてライフタイムを測定せずに、各制御領域31毎にライフタイムを測定するので、液晶シャッター30の透過領域22の位置および透過率などの制御が容易となる。また本実施の形態では、各制御領域31毎にライフタイムを測定するので、各制御領域31を透過領域22にする制御が容易となり、CPU5が液晶シャッター30に指令を与えてから各制御領域31を透過領域22にするまでの時間を短縮することができる。これによって液晶シャッター30の応答時間が短縮されるので、高効率でライフタイムを求めることができる。したがって本実施の形態のライフタイム測定装置は、その他前記実施の形態と同様の効果を達成することができる。
【0064】
図13は、本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置を構成する液晶シャッター40を示す正面図である。本実施の形態は前述の図1〜図9のライフタイム測定装置1および図12の液晶シャッター30が用いられるライフタイム測定装置と類似しており、本実施の形態の構成にはライフタイム測定装置1および液晶シャッター30における対応する構成と同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。本実施の形態のライフタイム測定装置は、前述のライフタイム測定装置1と液晶シャッター40の構成が異なる。
【0065】
本実施の形態の液晶シャッター40は、各制御領域41は、長方形状であって、複数の寸法に形成される。集合制御領域42は、同一の寸法の複数の制御領域41が、その長辺が互いに接するように、短手方向に並べられ、長方形状に形成される。前述したように、ライフタイムの分布特性が、たとえば半導体試料12の製法などに起因して、一定方向のみに依存する場合、集合制御領域42を用いてライフタイムが測定される。これによって液晶シャッター40の構成を簡素化することができる。また測定時間を短縮することができる。したがって本実施の形態のライフタイム測定装置は、その他前記実施の形態と同様の効果を達成することができる。
【0066】
図14は、本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置に用いられる光学フィルタ50を構成する下部基板51を示す正面図である。図15は、光学フィルタ50を構成する上部基板52を示す正面図であり、図16は、光学フィルタ50を示す断面図である。本実施の形態は、前述の図1〜13のライフタイム測定装置1を構成するシャッター手段が光学フィルタ50によって実現される。本実施の形態は前述の図1〜図13のライフタイム測定装置1と類似しており、本実施の形態の構成にはライフタイム測定装置1における対応する構成と同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0067】
シャッター手段である光学フィルタ50は、半導体試料12に対するレーザ光13の導光状態を、CPU5から与えられる指令に基づいて制御する。光学フィルタ50は、下部基板51、上部基板52および高粘度電解質層54を含んで構成される。下部基板51は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:略称TFT)55、第1透明電極56、電解質含有電極57および第1透明支持体58を含んで構成される。第1透明支持体58は、レーザ光13が透光可能な材料から成る。第1透明支持体58は、平板状に形成され、たとえば略矩形板状に形成される。TFT55と第1透明電極56と電解質含有電極57とは、各1つを組合わせて1つの制御体53を構成するように形成される。制御体53は、複数、本実施の形態では25個形成される。制御体53は、正方形等の略矩形状に形成され、第1透明支持体58の厚み方向一端面部に、2次元マトリクス状に配置される。制御体53を構成するTFT55および第1透明電極56は、電気的に接続される。TFT55は、CPU5と電気的に接続され、CPU5から与えられる指令に基づいて、電気的に接続される第1透明電極56に印可する電圧を制御する。
【0068】
第1透明電極56は、レーザ光13が透光可能であり、導電性を有する材料から成る。第1透明電極56は、平板状に形成され、たとえば略正方形板状に形成される。電解質含有電極57は、第1透明電極56の幅方向一端面部および長さ方向一端面部にL字型に形成される。高粘度電解質層54の電気化学的な酸化もしくは還元、析出もしくは溶解の反復反応により、意図せぬ部分への過度の付着などが発生した場合、高粘度電解質層54中の析出等すべき電解質の不足が生じるため、電解質含有電極57は、これを補給する目的で形成される。
【0069】
上部基板52は、第2透明支持体59および第2透明電極60を含んで構成される。第2透明支持体59は、レーザ光13が透光可能であり、平板状に形成され、たとえば第1透明支持体58と同様の寸法の略矩形板状に形成される。第2透明電極60は、レーザ光13が透光可能であり、導電性を有する材料から成り、CPU5に電気的に接続される。第2透明電極60は、平板状に形成され、たとえば第1透明支持体58と同様の寸法の略矩形板状に形成される。上部基板52は、第2透明支持体59の厚み方向一端面部上に第2透明電極60をその厚み方向一端面部が接続されるようにCVDや塗布や貼付などにより形成されたものである。
【0070】
高粘度電解質層54は、電気的な制御、たとえば電圧の印可方向を制御することによって、レーザ光13を透過および遮断を制御できる性質を有する。高粘度電解質層54は、電気化学的な酸化もしくは還元によって析出もしくは溶解する着色体を含んで構成される。したがって高粘度電解質層54は、電圧の印可方向を制御することによって、透過状態を制御することができる。高粘度電解質層54は、たとえばエレクトロクロミック材料を用いることによって実現される。
【0071】
光学フィルタ50は、下部基板51と上部基板52とが、高粘度電解質層54を介して機械的に接続される。詳述すると下部基板51の厚み方向は、上部基板52の厚み方向と平行であり、下部基板51の制御体53が、上部基板52の第2透明電極60と離間して対向するように配置される。したがって光学フィルタ50は、各制御体53が第2透明電極60の臨む領域である制御領域61が複数形成される。各制御体53は、CPU5からの指令に基づいて個別に電圧が印可されるので、第2透明電極60に電圧が印可されることによって、各制御領域60の高粘度電解質層54に電圧を印可することができる。したがって各制御領域61の高粘度電解質層54の透過状態を変化させることができる。これによってCPU5は、各制御領域61における透過状態を個別に制御することができる。したがって本実施の形態のライフタイム測定装置は、その他前記実施の形態と同様の効果を達成することができる。
【0072】
図17は、本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置に用いられる光学フィルタ70を構成する下部基板71を示す正面図である。図18は、光学フィルタ70を構成する上部基板72を示す正面図であり、図19は、光学フィルタ70を示す断面図である。本実施の形態は、前述の図1〜13のライフタイム測定装置1を構成するシャッター手段が光学フィルタ70によって実現される。本実施の形態は前述の図1〜図13のライフタイム測定装置1と類似しており、本実施の形態の構成にはライフタイム測定装置1における対応する構成と同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0073】
シャッター手段である光学フィルタ70は、半導体試料12に対するレーザ光13の導光状態を、CPU5から与えられる指令に基づいて制御する。光学フィルタ70は、下部基板71、上部基板72および高粘度電解質層73を含んで構成される。下部基板71は、第1透明電極74および第1透明支持体75を含んで構成される。第1透明支持体75は、レーザ光13が透光可能な材料から成る。第1透明支持体75は、平板状に形成され、たとえば略矩形板状に形成される。第1透明電極74は、レーザ光13が透光可能であり、導電性を有する材料から成る。第1透明電極74は、平板状に形成され、たとえば略長方形板状に形成される。第1透明電極74は、第1透明支持体75の厚み方向一端面部に、複数、本実施の形態では5個配置され、CPU5に電気的に接続される。具体的には、各第1透明電極74は、第1透明支持体75の厚み方向一端面部に、第1透明支持体75の幅方向と各第1透明電極74の長手方向が平行であり、第1透明支持体75の厚み方向と各第1透明電極74の厚み方向が同一となるように、幅方向全域にわたって配置される。また各第1透明電極74は、第1透明支持体75の幅方向に垂直な長さ方向に関して、大略的に等間隔に並んで配置される。上部基板72は、前記下部基板71と同様の構成で実現される。高粘度電解質層73は、前述の実施の形態の高粘度電解質層54と同様の構成で実現される。
【0074】
光学フィルタ70は、下部基板71と上部基板72とが高粘度電解質層73を介して機械的に接続されて形成される。詳述すると下部基板71の厚み方向は、上部基板72の厚み方向と平行であり、下部基板71の第1透明電極74は、上部基板72の第2透明電極77と離間して対向するように配置される。さらに詳述すると、第1透明電極74の長手方向は、第2透明電極77の長手方向と垂直となるように、換言すると、第1透明支持体75の長さ方向と、第2透明支持体76の長さ方向が垂直となるように配置される。したがって光学フィルタ70の厚み方向に関して、各透明電極74,77が互いに対向する制御領域78が複数、本実施の形態では25個、2次元マトリクス状に形成される。各透明電極74,77は、CPU5から与えられる指令に基づいて、対応する各透明電極74,77に印可される電圧が制御されるので、各制御領域78の高粘度電解質層54に電圧を印可することができる。したがって各制御領域61の高粘度電解質層54の透過状態を変化させることができる。各制御領域78における透過状態を個別に制御するこができる。したがって本実施の形態のライフタイム測定装置は、その他前記実施の形態と同様の効果を達成することができる。
【0075】
前述の実施の形態のライフタイム測定装置において、半導体試料における測定領域が、レーザ光照射領域およびマイクロ波照射領域よりも大きい場合、ステージをステージコントローラによって制御するようにしてもよい。これによって、レーザ光照射領域およびマイクロ波照射領域を半導体試料に対して変位させることができ、ライムタイムを測定することができる。
【0076】
また前述の実施の形態のライフタイム測定装置において、同じ透過領域における反射強度を複数回検出する場合、レーザ光を制御して制御光にするための液晶シャッターとは別の液晶シャッターを用いて、レーザ光の照射と遮断とを切替えてもよい。この液晶シャッターは、半導体試料のライフタイムに対して応答時間が短い液晶シャッターを用いる。これによってライフタイムの測定時間を長くすることなく、液晶シャッターの透過と遮断とを切替えることができる。したがって、レーザ光の透過と遮断とを切替えることができる。
【0077】
また前述の実施の形態のライフタイム測定装置において、照射制御手段は、レーザ光を透過する構成によって実現されているが、レーザ光を反射させて半導体試料に照射するように構成してもよい。これによって前述の実施の形態のライフタイム測定装置と同様の効果を達成することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、照射制御手段は、半導体試料と励起波源との間に介在され、複数の制御領域を有し、各制御領域における半導体試料に対する励起用電磁波の導光状態を制御する。照射制御手段は、各制御領域を電気的に制御して励起用電磁波の導光状態を制御することが可能である。したがって機械的に、例えば、機械的構造の交換や姿勢制御等により、導光状態を変更するよりも、ライフタイム測定装置を小形化することができ、また測定時間を短縮することができる。また各制御領域を電気的に制御することによって面分解能を容易に向上することができ、高精度のライフタイムを求めることができる。
【0079】
また本発明によれば、半導体試料における所望する領域のライフタイムを求めることができる。これによって、ライフタイム測定装置を所望の面分解能に制御することができる。
【0080】
また本発明によれば、各制御領域の透過および遮断を制御することによって、所望の照射面積、照射形状および照射位置に制御することができる。これによって半導体試料に対する励起用電磁波の照射面積、照射形状および照射位置を制御できるライフタイム測定装置を実現することができる。
【0081】
また本発明によれば、照射面積の変化に起因するライフタイムの不所望な変化を防ぐことができる。これによってS/N比を一定に保つことができる。したがって好適なライフタイムを求めることができる。
【0082】
また本発明によれば、検出手段から演算手段への信号を増幅する増幅手段のゲインを調整するので、反射強度とライフタイムとの相関関係の補正を実現することができる。
【0083】
また本発明によれば、励起用電磁波の照射面積に基づいて、半導体試料への励起用電磁波の照射強度を調整する照射強度調整手段をさらに含むので、照射面積の変化に起因する反射強度の不所望な変化を防ぐことができる。これによってS/N比を一定に保つことができる。したがって好適なライフタイムを求めることができる。
【0084】
また本発明によれば、照射強度調整手段は、励起波源からの出射強度を調整する手段、および照射制御手段における励起用電磁波の透過率を調整する手段のいずれか一方である。これによって半導体試料における励起用電磁波の照射強度の調整を実現することができる。
【0085】
また本発明によれば、照射位置を走査しながらライフタイムを2次元的に求めるように各部が制御されるので、半導体試料の全域にわたって高精度のライフタイムを求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるライフタイム測定装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】ライフタイム測定装置1を構成する液晶シャッター3を示す正面図である。
【図3】液晶シャッター3、レーザ光照射領域20およびマイクロ波照射領域21を示す正面図である。
【図4】各制御領域17の内、1つの制御領域17を透過領域22に制御した液晶シャッター3を示す正面図である。
【図5】各制御領域17の内、2×2個の制御領域17を透過領域22に制御した液晶シャッター3を示す正面図である
【図6】各制御領域17の内、幅方向に延びる1×N個の制御領域17を透過領域22に制御した液晶シャッター3を示す正面図である
【図7】各制御領域17の内、長さ方向に延びるM×1個の制御領域17を透過領域22に制御した液晶シャッター3を示す正面図である。
【図8】液晶シャッター3の透過領域22の面積である透過面積αと、マイクロ波14の半導体試料12による反射光16の反射強度との関係を示すグラフである
【図9】ライフタイム測定装置1を用いてライフタイムを測定する測定方法を示すフローチャートである。
【図10】本実施の他の形態のライフタイム測定装置を用いてライフタイムを測定する測定方法を示すフローチャートである。
【図11】本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置を用いてライフタイムを測定する測定方法を示すフローチャートである。
【図12】本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置を構成する液晶シャッター30を示す正面図である。
【図13】本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置を構成する液晶シャッター40を示す正面図である。
【図14】本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置に用いられる光学フィルタ50を構成する下部基板51を示す正面図である。
【図15】光学フィルタ50を構成する上部基板52を示す正面図である。
【図16】光学フィルタ50を示す断面図である。
【図17】本実施のさらに他の形態のライフタイム測定装置に用いられる光学フィルタ70を構成する下部基板71を示す正面図である。
【図18】光学フィルタ70を構成する上部基板72を示す正面図である。
【図19】光学フィルタ70を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ライフタイム測定装置
2 レーザ光源
3,30,40 液晶シャッター
5 CPU
6 アンプ
7 光検出器
8 マイクロ波源
12 半導体試料
13 レーザ光
14 マイクロ波
17 制御領域
50,70 光学フィルタ

Claims (8)

  1. 半導体試料に原子を励起するための励起用電磁波を照射するための励起波源と、
    半導体試料にキャリアの多寡によって反射率が変化する検出用電磁波を照射するためのプローブ波源と、
    プローブ波源によって照射された検出用電磁波の半導体試料による反射強度を検出する検出手段と、
    半導体試料と励起波源との間に介在され、複数の制御領域を有し、各制御領域における半導体試料に対する励起用電磁波の導光状態を制御する照射制御手段と、
    検出される反射強度に基づいて、キャリアのライフタイムを求める演算手段とを含むことを特徴とするライフタイム測定装置。
  2. 前記照射制御手段は、各制御領域における透過状態を制御することによって、照射面積、照射形状および照射位置の少なくともいずれか1つを制御することを特徴とする請求項1記載のライフタイム測定装置。
  3. 前記照射制御手段は、2次元マトリックス状に配置される複数の制御領域を有し、各制御領域における励起電磁波の透過および遮断を個別に制御するシャッター手段であることを特徴とする請求項1または2記載のライフタイム測定装置。
  4. 励起用電磁波の照射面積に基づいて、反射強度とライフタイムとの相関関係を補正する補正手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のライフタイム測定装置。
  5. 前記補正手段は、検出手段から演算手段への信号を増幅する増幅手段のゲインを調整することを特徴とする請求項4記載のライフタイム測定装置。
  6. 励起用電磁波の照射面積に基づいて、半導体試料への励起用電磁波の照射強度を調整する照射強度調整手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のライフタイム測定装置。
  7. 前記照射強度調整手段は、励起波源からの出射強度を調整する手段、および照射制御手段における励起用電磁波の透過率を調整する手段のいずれか一方であることを特徴とする請求項6記載のライフタイム測定装置。
  8. 前記照射制御手段は、少なくとも照射位置を制御する手段であり、
    照射制御手段によって照射位置を走査しながらライフタイムを2次元的に求めるように、励起波源、プローブ波源、検出手段、照射制御手段および演算手段を統括的に制御する主制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のライフタイム測定装置。
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