JP2004319397A - 車両用赤外線映像装置及びハイビームヘッドランプ構造 - Google Patents

車両用赤外線映像装置及びハイビームヘッドランプ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ハイビームヘッドランプを赤外線ランプとして用いた際に得られる赤外線映像の品質を高めることができる車両用赤外線映像装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の車両用赤外線映像装置は、赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブ12と、バルブ12からの光を略前方に反射させるリフレクタ14と、赤外線フィルター30と、赤外線フィルター30を透過して車両前方に照射された赤外光の反射光を受光する赤外線カメラと、バルブ12から前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、赤外線フィルター30の位置を切り替える位置切替手段(34,35,36等)と、赤外線フィルター30の位置が前記第2の位置から前記第1の位置へと切り替わる際に、リフレクタ14を前方に移動させる及び/又はバルブ12を後方に移動させる位置変更手段(34,35,36,38等)とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両前方に赤外光を投光し、その反射光を受光して車両前方の赤外線映像を生成する車両用赤外線映像装置、及び、車両前方に赤外光を投光する機能を備えたハイビームヘッドランプ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ドライバーの夜間走行を支援するため、高性能な赤外線カメラで撮影した車両周辺の画像をディスプレイ装置に表示する暗視装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。上記従来の暗視装置では、赤外線透過フィルターが、ハイビームヘッドランプからの光の経路を遮断する位置と、ハイビームヘッドランプからの光の経路を遮断しない位置の2つの位置間で移動可能に設けられている。従って、上記従来の暗視装置によれば、赤外線透過フィルターの位置を変更することにより、ハイビームヘッドランプに赤外線ランプとしての機能を選択的に付与することができるため、ハイビームヘッドランプとは別に赤外線ランプを設ける必要が無くなる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−205949号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ハイビームヘッドランプのリフレクタのサイズは、一般的に、意匠的な制約(特に、ロービームヘッドランプの影響)により制限される。このため、比較的小さいなサイズのリフレクタを用いてハイビームヘッドランプの配光に関する法規を満足させるためには、ハイビームヘッドランプの配光パターンを、中心付近に光が局所的に集まるようなスポット的な配光パターンとせざるを得ない。
【0005】
一方、上述の従来技術のようにハイビームヘッドランプからの光の経路に赤外線透過フィルターを設けた場合、ハイビームヘッドランプの配光パターンがそのまま近赤外光の配光パターンに一致することになる。かかる場合、上述の如くスポット的なハイビームヘッドランプの配光パターンに起因して、近赤外光の配光パターンもスポット的なものとなるため、前方に照射される近赤外光の広がりが不足し、赤外線カメラにより撮像される映像が白ボケするという不都合が生ずることになる。
【0006】
そこで、本発明は、ハイビームヘッドランプの本来の配光パターンを変更することなく、赤外線カメラにより撮像される映像の品質を高めることができる車両用赤外線映像装置、及び、ハイビームヘッドランプ構造の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブと、
前記バルブからの光を略前方に反射させるリフレクタと、
赤外線フィルターと、
前記赤外線フィルターを透過して車両前方に照射された赤外光の反射光を受光する赤外線カメラと、
前記バルブから前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、前記赤外線フィルターの位置を切り替える位置切替手段と、
前記赤外線フィルターの位置が前記第2の位置から前記第1の位置へと切り替わる際に、前記リフレクタを前方に移動させる及び/又は前記バルブを後方に移動させる位置変更手段とを含むことを特徴とする、車両用赤外線映像装置により達成される。
【0008】
本発明において、赤外線フィルターは、位置切替手段により、ハイビームヘッドランプ用バルブからリフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、位置の切替が可能となるように構成されている。かかる構成において、赤外線フィルターが第2の位置にある場合、バルブからリフレクタに向かう光は、赤外線フィルターを介することなく直接的にリフレクタで反射され、車両前方に照射される。一方、赤外線フィルターが第1の位置にある場合、バルブからリフレクタに向かう光は、少なくとも部分的に赤外線フィルターを透過した後、リフレクタで反射することになる。かかる場合、車両前方には赤外光が投光されることになるので、当該赤外光の反射光を受光する赤外線カメラにより車両前方の赤外線映像が生成される。本発明では、赤外線フィルターの位置が第2の位置から第1の位置へと切り替わる際に、リフレクタが前方に移動される及び/又はバルブを後方に移動される。リフレクタが前方に移動される及び/又はバルブを後方に移動されると、当該移動前の状態に対して、リフレクタに対するバルブの光の入射角が変化し、リフレクタで反射する光が拡散されることになる。従って、本発明によれば、赤外線フィルターの位置が第2の位置にある際の配光パターン(即ち、ハイビームヘッドランプの本来の配光パターン)を変更することなく、赤外線フィルターの位置が第1の位置にある際の配光パターンに広がりを持たせることができ、これにより、赤外線カメラにより撮像される映像の品質を高めることができる。
【0009】
また、請求項2に記載する如く、前記位置変更手段の動作が、前記位置切替手段の動作と機械的に連動している場合には、複数の駆動手段(モータやソレノイド)を用いることなく、赤外線フィルターの位置の切替、及び、リフレクタ及び/又はバルブの位置の変化を同時に実現することができる。
【0010】
また、上記目的は、請求項3に記載する如く、赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブと、
前記バルブからの光を略前方に反射させるリフレクタと、
赤外線フィルターと、
前記赤外線フィルターを透過して車両前方に照射された赤外光の反射光を受光する赤外線カメラと、
前記バルブから前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、前記赤外線フィルターの位置を切り替える位置切替手段と、
前記赤外線フィルターを透過する光を屈折させる光屈折手段とを含むことを特徴とする、車両用赤外線映像装置によっても達成される。
【0011】
本発明において、赤外線フィルターは、位置切替手段により、ハイビームヘッドランプ用バルブからリフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、位置の切替が可能となるように構成されている。かかる構成において、赤外線フィルターが第2の位置にある場合、バルブからリフレクタに向かう光は、赤外線フィルターを介することなく、直接的にリフレクタで反射することになる。一方、赤外線フィルターが第1の位置にある場合、バルブからリフレクタに向かう光は、赤外線フィルターを透過し、光屈折手段により屈折させられた後、リフレクタで反射することになる。従って、本発明によれば、赤外線フィルターの位置が第2の位置にある際の配光パターン(即ち、ハイビームヘッドランプの本来の配光パターン)を変更することなく、赤外線フィルターの位置が第1の位置にある際の配光パターンに広がりを持たせることができ、これにより、赤外線カメラにより撮像される映像の品質を高めることができる。
【0012】
尚、請求項4に記載する如く、光屈折手段は、好ましくは、赤外線フィルターに形成されたレンズカットであるが、赤外線フィルターに、レンズカット付きの他の部品を装着してもよい。
【0013】
また、上記目的は、請求項5に記載する如く、赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブと、
前記バルブからの光を略前方に反射させるリフレクタと、
赤外線フィルターと、
前記バルブから前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、前記赤外線フィルターの位置を切り替える位置切替機構と、
前記赤外線フィルターの位置が前記第2の位置から前記第1の位置へと切り替わる際に、前記リフレクタを前方に移動させる及び/又は前記バルブを後方に移動させる、又は、前記リフレクタを後方に移動させる及び/又は前記バルブを前方に移動させる位置変更機構とを含むことを特徴とする、ハイビームヘッドランプ構造、
又は、請求項5に記載する如く、赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブと、
前記バルブからの光を略前方に反射させるリフレクタと、
赤外線フィルターと、
前記バルブから前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、前記赤外線フィルターの位置を切り替える位置切替機構と、
前記赤外線フィルターを透過する光を屈折させる光屈折手段とを含むことを特徴とする、ハイビームヘッドランプ構造により達成される。
【0014】
本発明によれば、赤外線フィルターの位置が第2の位置にある際の配光パターン(即ち、ハイビームヘッドランプの本来の配光パターン)を変更することなく、赤外線フィルターの位置が第1の位置にある際の配光パターンに広がりを持たせることができ、これにより、赤外線カメラにより撮像される映像の品質を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、ヘッドランプを含む車両前部の斜視図である。本発明は、ロービームヘッドランプに比して車両前方の遠方領域を照明するのに適したハイビームヘッドランプ10に適用される。
【0017】
図2は、図1のラインI−Iに沿って切断された際の、本発明が適用されたハイビームヘッドランプ10の断面図である。ハイビームヘッドランプ10は、図2に示すように、ハイビームヘッドランプバルブ12(以下、単に「バルブ12」という)、リフレクタ14、及び、アウタレンズ(図示せず)を備えている。これらの構成部品は、ハウジング(図示せず)内に収容されている。尚、ハウジングは、ロービームヘッドランプ等の他のランプと共用されるものであってもよい。
【0018】
バルブ12は、赤外光(特に、近赤外光)を含む光を発するハロゲンバルブ(又は白熱バルブ)であり、そのバルブ中心は、リフレクタ14及びアウタレンズが画成する空間(チャンバ)内に設定されている。リフレクタ14の表面には、アルミ蒸着等の処理が施されている。バルブ12が発光すると、リフレクタ14の表面で反射した光は、アウタレンズを介して外部に放射される。
【0019】
ハイビームヘッドランプ10は、更に、そのチャンバ内に赤外線フィルター(IRフィルター)30を備えている。IRフィルター30は、両端が開口した内部中空の略円筒形のフィルター本体32を有している。フィルター本体32は、ガラスで形成され、その表面には、赤外光(特に、近赤外光)を透過し可視光線をカットする特性を有する膜が形成されている。尚、この膜は、フィルター本体32の内周面及び/又は外周面に形成されてよい。また、IRフィルター30の前側には、IRフィルター30等が外部から直接視認できないように、IRフィルター30に対応した領域においてカバー部材37が設けられてよい。
【0020】
IRフィルター30は、フィルター本体32の中空内にバルブ12を収容する装着位置(図2(A)参照)と、バルブ12から離間する非装着位置(図2(B)参照)との間で移動可能に構成されている。IRフィルター30が装着位置にある場合(図2(A)参照)、バルブ12からの光の経路にIRフィルター30が介在することになるので、バルブ12からの光は、IRフィルター30を通ってリフレクタ14の表面に向かうことになる。従って、かかる場合には、ハイビームヘッドランプ10は、近赤外光を車両前方に向けて照射する赤外線ランプとして機能することになる。
【0021】
この場合、ハイビームヘッドランプ10の投光により発生する車両前方領域からの反射光は、赤外線カメラ(図示せず)により受光される。赤外線カメラは、フロントガラスを介して車両前方からの反射光を受光できるように、車室内の適切な位置(例えばフロントガラスの上縁部付近等)に配設されている。赤外線カメラは、赤外線撮像素子(CCD)を備えている。赤外線撮像素子は、車両前方からの近赤外波長域の反射光により像を形成する。赤外線カメラにより得られた撮像画像は、例えばNTSC方式の映像信号としてヘッドアップディスプレイユニットに送信され、ホログラムが封入されたフロントガラス上に表示される。尚、赤外線カメラの撮像画像は、通常的なディスプレイ装置により表示されるものであってもよい。
【0022】
一方、IRフィルター30が非装着位置にある場合(図2(B)参照)、バルブ12からの光の経路にIRフィルター30が介在しないので、バルブ12からの光は、直接的にリフレクタ14の表面に向かうことになる。従って、かかる場合には、ハイビームヘッドランプ10は、通常通り、ハイビームヘッドランプとして機能することになる。
【0023】
このようなハイビームヘッドランプ10の機能の切替、即ち、IRフィルター30の位置の切替は、ソレノイド38の通電状態を変化させることにより実現されてよい。具体的には、図2に示すように、IRフィルター30は、回動軸34aまわりに回動可能な支持体(ステー)34により支持されている。尚、IRフィルター30は、支持体34にブラケット等により結合されている。支持体34には、プランジャー36がピン等により回転可能に連結されている。プランジャー36は、その軸方向に変位可能となるように構成されている。かかる構成では、ソレノイド38の通電状態を変化させることにより、プランジャー36の変位及びそれに伴う支持体34の回動を介して、IRフィルター30の回動が実現され、これにより、IRフィルター30の位置の切替が実現されることになる。尚、このIRフィルター30の位置の切替は、ナイトビュースイッチ(典型的には、インストルメントパネルに搭載されるオン/オフスイッチ)をユーザが操作することにより実現される。
【0024】
ところで、上述の如く、ハイビームヘッドランプ10に赤外線ランプとしての機能を持たせる場合には、独立した赤外線ランプの設定が不要となるので、赤外線ランプのための搭載スペースを別途確保する必要が無くなる。しかしながら、ハイビームヘッドランプ10の配光パターンが、リフレクタ14のサイズの制約や法規等の関係からスポット的なものである場合、かかる配光パターンをそのまま赤外線ランプの配光パターンとして利用すると、赤外線カメラにより撮像される映像が白ボケするという不都合が生ずることになる。
【0025】
これに対して、本発明では、2つの実施例を通して以下に詳説するように、ハイビームヘッドランプ10にIRフィルター30を着脱可能に設ける構成において、IRフィルター30の装着時にのみハイビームヘッドランプ10の配光パターンを拡散方向に変化させることで、上述の不都合を回避することを可能とする。
【0026】
本発明の第1実施例では、リフレクタ14とバルブ12(バルブ中心)との車両前後方向の相対位置関係を、IRフィルター30の装着時と非装着時で変化させることにより、IRフィルター30の装着時のハイビームヘッドランプ10の配光パターンを拡散方向に変化させることを可能とする。
【0027】
本実施例では、図2(A)及び図2(B)に示すように、バルブ12が、IRフィルター30の非装着位置と装着位置の移動に連動して、前後方向に往復移動(前進及び後退)するように構成されている。具体的には、図3の斜視図においても示されているように、支持体34には、ロッド状のリンク35がピン等により回転可能に取り付けられている。リンク35は、その自由端がバルブホルダー12aに当接するように構成されている。バルブホルダー12aは、バルブ12を保持した状態でリフレクタ14の背後に装着されており、前後方向に往復移動(前進及び後退)するように構成されている。バルブホルダー12aは、リンク35が当接する延長面を有しており、当該延長面のリンク35に対向する表面には、リンク35の自由端を摺動可能に保持する摺動溝12bが形成されている。従って、リンク35の自由端は、支持体34の回動に伴って、バルブホルダー12aの摺動溝12b内を摺動しつつ、バルブホルダー12aを前後方向に押圧することになる。かかる構成では、ソレノイド38の通電状態を変化させることにより、プランジャー36の変位及びそれに伴う支持体34の回動を介して、IRフィルター30の位置の切替と共に、バルブ12(バルブホルダー12a)の前後位置の切替が同時に実現されることになる。
【0028】
本実施例において、バルブ12が前方位置にある状態に対しては、図2(A)に示すように、リフレクタ14とバルブ12との前後方向の相対位置関係(及びリフレクタ14の表面形状)は、リフレクタ14で反射するバルブ12の光が略前方に出射するように設定されている。これにより、ハイビームヘッドランプ10の配光パターンは、リフレクタ14の比較的小さいサイズに起因して、広がりの少ないスポット的なものとなる。
【0029】
一方、IRフィルター30がその非装着位置から装着位置へと移動されると同時に、バルブ12がその前方位置から後方位置へと移動されると、図2(B)に示すように、リフレクタ14とバルブ12との前後方向の相対位置関係が変化するため、バルブ12の光のリフレクタ14に対する入射角が変化する(図2(A)を対照として参照)。これにより、リフレクタ14で反射するバルブ12の光が拡散され、赤外線ランプとしてのハイビームヘッドランプ10の配光パターンが、上述のスポット的なものから広がりのあるより均一なパターン(局所的な光の集中が低減されたパターン)へと変化することになる。この結果、赤外線カメラにより撮像される映像に白ボケが生ずることがなく、赤外線映像の品質が向上する。尚、リフレクタ14とバルブ12との前後方向の相対位置関係の変化量、即ち、バルブ12(バルブホルダー12a)の可動量は、高品質の赤外線映像を得るために必要とされる配光パターンを実現すべく、リフレクタ14のサイズや表面形状等を考慮して決定されてよい。
【0030】
尚、本実施例では、リフレクタ14とバルブ12との前後方向の相対位置関係を変化させるために、バルブ12がリフレクタ14に対して前後方向に移動させられているが、逆にリフレクタ14がバルブ12に対して前後方向に移動させられてもよく、或いは、リフレクタ14及びバルブ12の双方が互いに近接若しくは離反する方向に移動させられてもよい。また、本実施例では、バルブ12の前後方向の移動は、支持体34の回動に機構的に連動して実現されているが、支持体34の回動とは独立して、例えばモータや別のソレノイドを用いてバルブ12(及び/又はリフレクタ14)を前後方向に移動させることも可能である。更に、本実施例において、支持体34の回動及びそれに伴うIRフィルター30の位置の切替をソレノイド38に代わってモータにより実現する構成も可能である。更に、本実施例では、IRフィルター30の位置の切替は、支持体34の回動(車両前後軸を含む鉛直面内の回動)により実現されているが、支持体34の前後・左右・上下移動や、他の平面内での回動等により実現されてもよい。
【0031】
また、本実施例において、IRフィルター30は、フィルター本体32、支持体34、プランジャー36及びソレノイド38等の各構成部品を組み付けた状態で、ハイビームヘッドランプ10の一部(例えば、リフレクタ14)にスクリュウ等により装着されてよく、この場合、IRフィルター30を含むハイビームヘッドランプ10は、アセンブルされた状態で車体に組み付けられてよい。
【0032】
次に、図4を参照して本発明の第2実施例について説明する。図4(A)及び図4(B)は、図1のラインI−Iに沿って切断された際の、本発明が適用されたハイビームヘッドランプ10の断面図であり、図2(A)及び図2(B)に対応している。
【0033】
本実施例では、上述の第1実施例とは異なり、リフレクタ14とバルブ12との車両前後方向の相対位置関係を変化させるのではなく、IRフィルター30自体の構成により、IRフィルター30の装着時にのみハイビームヘッドランプ10の配光パターンを拡散方向に変化させることを可能とする。従って、本実施例では、上述の第1実施例に対して、バルブ12の可動に関する構成、及び、IRフィルター30の構成のみが異なり、他の構成は同様である。以下、上述の第1実施例と異なる構成のみについて説明する。
【0034】
本実施例では、バルブ12は、図4に示すように、上述の第1実施例のようにバルブホルダー12aを介してリフレクタ14に可動に装着されるのではなく、通常通り、リフレクタ14の略中央に形成される開口部に直接的に嵌合(固定)される。従って、本実施例では、支持体34にリンク35が連結されていない。
【0035】
これに代わって、本実施例のIRフィルター30には、入射光を屈折させるための特別な処理が施されている。具体的には、ガラス製のフィルター本体32の略円筒形の内周面には、図4(A)の拡大図に示すように、帯状のレンズカット31が形成されている。レンズカット31は、曲面(又は平面)で画成された帯状の凹凸部(本例では、サイン波状の断面形状を有する凹凸部)である。
【0036】
図5(A)は、IRフィルター30のフィルター本体32の斜視図であり、図5(B)は、図5(A)のII−IIラインに沿って切断した際のフィルター本体32の断面図である。図5(A)及び図5(B)に示すように、本実施例のレンズカット31は、フィルター本体32の中心軸方向(図中一点鎖線により指示)に対して面直方向に形成されている(即ち、フィルター本体32の内周面の周方向に形成されている)。或いは、レンズカット31は、フィルター本体32の中心軸を中心とした螺旋状に形成されてもよい。或いは、同様の図6(A)及び図6(B)に示すように、レンズカット31は、フィルター本体32の中心軸方向に平行な方向(又は、中心軸方向に対して傾斜した方向)に沿って形成されてもよい。また、レンズカット31は、必ずしも直線的に形成される必要な無く、蛇行していてもよい。更に、レンズカット31は、上述の各種形状の組み合わせにより形成されてもよい。また、レンズカット31は、フィルター本体32の内周面の必ずしも全体に形成する必要は無く、フィルター本体32の内周面の必要な箇所に局所的に形成されてもよい。
【0037】
本実施例において、図4(A)に示すように、リフレクタ14とバルブ12(バルブ中心)との相対位置関係(及びリフレクタ14の表面形状)は、リフレクタ14で反射するバルブ12の光が略前方に出射するように設定(固定)されている。従って、IRフィルター30の非装着時のハイビームヘッドランプ10の配光パターンは、リフレクタ14の比較的小さいサイズに起因して、広がりの少ないスポット的なものとなる。
【0038】
一方、IRフィルター30がその非装着位置から装着位置へと移動されると、図4(B)に示すように、バルブ12からリフレクタ14に向かう光がIRフィルター30のカットレンズ31で屈折するため、バルブ12の光のリフレクタ14に対する入射角が変化する。これにより、リフレクタ14で反射するバルブ12の光が拡散され(即ち、リフレクタ14で反射する光が拡散光となる)、赤外線ランプとしてのハイビームヘッドランプ10の配光パターンが、上述のスポット的なものから広がりのあるより均一なパターン(局所的な光の集中が低減されたパターン)へと変化することになる。この結果、上述の実施例と同様に、赤外線カメラにより撮像される映像に白ボケが生ずることがなく、赤外線映像の品質が向上する。
【0039】
尚、本実施例では、光を屈折させるためのレンズカット31がフィルター本体32の略円筒形の内周面に形成されているが、フィルター本体32の外周面、若しくは、内周面及び外周面の双方に形成されてもよい。また、光を屈折させるための微小な凹凸面を形成するために、レンズカット31に代わって、フィルター本体32の内周面及び/又は外周面にシボ又はブラスト処理を施すことも可能である。更に、本実施例では、フィルター本体32にレンズカット31が施されているが、フィルター本体32とは別の部品に同様のレンズカット、シボ又はブラスト処理を施し、当該部品をフィルター本体32の内側又は外側に装着することも可能である。
【0040】
以上説明したように、上述の各実施例によれば、ハイビームヘッドランプ10が赤外線ランプとして機能する際にのみ、ハイビームヘッドランプ10の配光パターンが適切に変化されるので、ハイビームヘッドランプ10の本来の配光パターンに影響を与えることなく、ハイビームヘッドランプ10に、高品質の赤外線映像を得るのに適した赤外線ランプ機能を付与することができる。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0042】
例えば、フィルター本体32の形状に関して、上述した実施例では、バルブ12の放熱性を考慮して、両端が開口した中空円筒形であったが、バルブ12を径方向から覆う周面に加えてバルブ12を前方向から覆う端面を更に有する一端のみが開口した中空円筒形であってもよい。
【0043】
また、本発明は、左右に設けられるハイビームヘッドランプ10に対して同等に適用可能である。また、レンズカット31には、段差(ステップ)が含まれる。即ち、上述において、レンズカット31の多様な形態を説明したが、IRフィルター30に、透過する光を屈折させる機能が付与されている限り、本発明の範囲内である。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。本発明によれば、ハイビームヘッドランプの本来の配光パターンを変更することなく、赤外線カメラにより撮像される映像の品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘッドランプを含む車両前部の斜視図である。
【図2】図2(A)は、IRフィルター30が非装着位置にある際の、図1のラインI−Iに沿ったハイビームヘッドランプ10の断面図であり、図2(B)は、IRフィルター30が装着位置にある際の断面図(第1実施例)である。
【図3】IRフィルター30が装着位置にある際の、第1実施例によるハイビームヘッドランプ10の一部構成を示す斜視図である。
【図4】図4(A)は、IRフィルター30が非装着位置にある際の、図1のラインI−Iに沿ったハイビームヘッドランプ10の断面図であり、図4(B)は、IRフィルター30が装着位置にある際の断面図(第2実施例)である。
【図5】図5(A)は、IRフィルター30のフィルター本体32の斜視図であり、図5(B)は、図5(A)のII−IIラインに沿って切断した際のフィルター本体32の断面図である。
【図6】図6(A)は、フィルター本体32のその他の実施例の斜視図であり、図5(B)は、図5(A)のIII−IIIラインに沿って切断した際の断面図である。
【符号の説明】
10 ハイビームヘッドランプ
12 ハイビームヘッドランプバルブ
12a バルブホルダー
14 リフレクタ
30 IRフィルター
31 レンズカット
32 フィルター本体
34 支持体
35 リンク
36 プランジャー
38 ソレノイド

Claims (7)

  1. 赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブと、
    前記バルブからの光を略前方に反射させるリフレクタと、
    赤外線フィルターと、
    前記赤外線フィルターを透過して車両前方に照射された赤外光の反射光を受光する赤外線カメラと、
    前記バルブから前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、前記赤外線フィルターの位置を切り替える位置切替手段と、
    前記赤外線フィルターの位置が前記第2の位置から前記第1の位置へと切り替わる際に、前記リフレクタを前方に移動させる及び/又は前記バルブを後方に移動させる位置変更手段とを含むことを特徴とする、車両用赤外線映像装置。
  2. 前記位置変更手段の動作が、前記位置切替手段の動作と機械的に連動している、請求項1記載の車両用赤外線映像装置。
  3. 赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブと、
    前記バルブからの光を略前方に反射させるリフレクタと、
    赤外線フィルターと、
    前記赤外線フィルターを透過して車両前方に照射された赤外光の反射光を受光する赤外線カメラと、
    前記バルブから前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、前記赤外線フィルターの位置を切り替える位置切替手段と、
    前記赤外線フィルターを透過する光を屈折させる光屈折手段とを含むことを特徴とする、車両用赤外線映像装置。
  4. 前記光屈折手段は、前記赤外線フィルターに形成されたレンズカットである、請求項3記載の車両用赤外線映像装置。
  5. 赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブと、
    前記バルブからの光を略前方に反射させるリフレクタと、
    赤外線フィルターと、
    前記バルブから前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、前記赤外線フィルターの位置を切り替える位置切替機構と、
    前記赤外線フィルターの位置が前記第2の位置から前記第1の位置へと切り替わる際に、前記リフレクタを前方に移動させる及び/又は前記バルブを後方に移動させる、又は、前記リフレクタを後方に移動させる及び/又は前記バルブを前方に移動させる位置変更機構とを含むことを特徴とする、ハイビームヘッドランプ構造。
  6. 赤外光及び可視光を含む光を発生するハイビームヘッドランプ用バルブと、
    前記バルブからの光を略前方に反射させるリフレクタと、
    赤外線フィルターと、
    前記バルブから前記リフレクタまでの光の経路内の第1の位置と、該経路外の第2の位置との間で、前記赤外線フィルターの位置を切り替える位置切替機構と、
    前記赤外線フィルターを透過する光を屈折させる光屈折手段とを含むことを特徴とする、ハイビームヘッドランプ構造。
  7. 前記光屈折手段は、前記赤外線フィルターに形成されたレンズカットである、請求項6記載のハイビームヘッドランプ構造。
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