JP2004319305A - エレクトロルミネッセンス素子および高分子化合物 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子および高分子化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】長寿命で発光効率の良いエレクトロルミネセンス素子を提供する。
【解決手段】陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、有機層のうち少なくとも1層に、配位子機能を有する結合単位(L)を含む式1で示される高分子化合物と、その高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有させる。さらにその高分子化合物に、溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)や電荷輸送機能を有する結合単位(CT)をもたせることが好ましい。
Figure 2004319305

(式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよく、nは1以上の整数である。)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロルミネッセンス素子およびそれに用いられる高分子化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極との間に電子輸送層、発光層、正孔輸送層等の有機層を順次積層した構造を有している。有機層は、蒸着法や塗布法によって成膜されており、各成膜方法に適し且つ発光効率や発光寿命の優れた有機エレクトロルミネッセンス材料が盛んに研究されている。
【0003】
従来の蒸着法による燐光発光層の成膜において、発光材料であるIr(ppy)を単独で蒸着すると、Ir(ppy)が蒸着時に加熱されて加分解し易く、膜中に凝集物が生じて導電性に必要な並進対称性が得られない。そのため、Ir(ppy)への配位性能があり且つ並進対称性のある均一な膜を作り易い4,4’−Bis(Carbazol−9‐yl)−biphenyl(以後「CBP」と呼ぶ)との共蒸着が行われている。こうした共蒸着により、隣層である正孔注入層や電子注入層または電極との接着性を改善し、良好な電荷注入を実現させている。このCBPは、Ir(ppy)の分解時に、配位子であるppyが脱離した欠乏サイトを埋める役割がある。これにより、得られた燐光発光層は、蒸着時にIr(ppy)が分解した場合であっても高輝度と比較的長い信頼性を確保することができるが、未だ十分であるとは言えない。
【0004】
塗布法は、こうした高温(300℃以上)での加熱工程がないので、加熱による分解は生じないものの、外部からの水分や酸素に基づく分解が生じることが考えられる。したがって、そうした分解の影響を極力排除するような塗布型の高分子化合物が望まれていた。
【0005】
他方、塗布法により有機層を成膜する場合においては、溶媒溶解性に優れていることが望ましい。しかしながら、電荷輸送特性のよい従来のπ共役高分子材料(例えば、特許文献1を参照)は溶媒に対する溶解性が悪いため、塗布溶液中に溶解する高分子材料の濃度が極端に低くなる。そのため、その溶液を塗布して形成した有機層を厚くすることができないので、厚さにムラが生じ易く、その結果、その有機層を電極間に形成してエレクトロルミネッセンス素子を構成した場合に、電圧負荷が局所的にかかって短絡が生じ、信頼性や寿命に悪影響を及ぼすという問題があった。こうした問題に対し、高分子材料の側鎖に極端に長い溶解性のアルキルやエーテル結合を持たせて溶解性を上げる例があるが、そうした高分子材料の溶解溶液は、極端な粘度上昇が生じたり塗布むらが生じ易くなるという副作用が生じると共に側鎖のアルキルが偏析することもあり、デバイス特性に悪影響を与えることがあった。
【0006】
また、有機層を構成する高分子材料としては、エレクトロルミネッセンス素子をデバイス化したときの安定性の観点から、耐電圧性が高く、熱の発生が少なく、さらに、電荷輸送特性のよい高分子化合物が要求されている。しかしながら、上述した従来のπ共役高分子材料は、有機物であるためにp型特性が強く、n型特性を持つ高分子材料があっても電荷移動度が小さく電気伝導性も低かった。そのため、エレクトロルミネッセンス素子の有機層として用いた場合、電荷の注入バランスが崩れ、発光効率が小さく、信頼性の低い性能しか得られないという問題があった。
【0007】
電荷輸送特性の向上については、高分子材料に有機金属錯体をドープして電子受容性を高めることも検討されているが、高分子に使用される結合単位(特に低分子発光材やそのホスト及びゲスト自体)の溶解性が低く、上記同様の厚さムラが生じ易く、信頼性や寿命に悪影響を及ぼすという問題がある。また、高分子中に含まれる有機金属錯体の量が少なく、さらに導電性も低いことから、エレクトロルミネッセンス素子の有機層として十分に機能しないという問題があった。
【0008】
また、低分子燐光材料をドープした高分子材料も検討されているが、低分子燐光材料の溶解濃度が低く、発光はするものの輝点不良にしかならない。そこで、より高濃度に溶解する低分子燐光材料と、その低分子燐光材料が分解しないような高分子化合物との組合せが望まれている。その一例として、フルオレンやオキサチアゾール系の高分子化合物に高溶解性のイリジウム錯体をドープする方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)が、フルオレン自体が発光するために正孔と電子がイリジウムドーパントに効率よく注入されず発光輝度が低いという問題があり、また、外界からの水分や酸素に対する遮蔽性が低いために分解が生じて発光寿命が短くなるという問題があった。
【0009】
また、エレクトロルミネッセンス素子の発光層として1,10−バソフェナントロリンと側鎖に溶解性の基を持つベンゼン誘導体との共役系高分子により高分子錯体を使用している例が報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、側鎖に溶解性を持つ場合、その側鎖自体が不純物となるため発光輝度や発光効率が低下するだけでなく、発光寿命にも悪影響を及ぼした。また、上記報告例においては、溶解性が良いものの濃度に対する粘度の上昇が急激であるために塗布膜の均一性が悪く、むらの多い膜となり、量産性が悪かった。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−284862号公報
【特許文献2】
特開2002−324679号公報
【非特許文献1】
Advanced Materials,vol.15,p.293(2003)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、外部からの水分や酸素に基づく分解が生じた場合であっても、そうした分解の影響を極力排除することができる高分子化合物を提供すること、およびその高分子化合物を含有する有機層を備えたエレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、溶解性に優れ、電荷輸送特性に優れた高分子化合物、およびその高分子化合物を含有する有機層を備えたエレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するための第1形態に係る本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層のうち少なくとも1層が、配位子機能を有する結合単位(L)を含む式1で示される高分子化合物と、当該高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することを特徴とする。
【0013】
【化16】
Figure 2004319305
(式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよく、nは1以上の整数である。)
【0014】
この発明によれば、有機層が配位子機能を有する結合単位(L)を含む高分子化合物とその高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有するので、例えば蛍光発光材料である有機金属錯体が分解して配位子が離脱した場合であっても、結合単位(L)が備える配位子機能との間で同様な有機金属錯体構造を形成できる。その結果、分解の影響を極力排除した有機層とすることができる。また、その結合単位(L)が有機金属錯体の配位子と同様の機能・構造を有するので、その結合単位(L)を有する高分子化合物は金属配位子との相溶性に優れている。従って、高分子化合物を含む塗布溶液中に、有機金属錯体を所望の濃度で含有させることができる。その結果、有機層を厚く均一に形成することができ、ムラをなくして信頼性を向上させることができる。
【0015】
上記第1の目的を達成するための第2形態に係る本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層のうち少なくとも1層が、配位子機能を有する結合単位(L)および溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)を含む式2で示される高分子化合物と、当該高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することを特徴とする。
【0016】
【化17】
Figure 2004319305
(式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。l,m,nは1以上の整数である。)
【0017】
この発明によれば、上記第1形態の発明の構成に溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)を加えることにより、高分子化合物の溶媒溶解性をさらに向上させることができる。その結果、有機層を厚く形成することができ、ムラをなくして信頼性をより一層向上させることができる。
【0018】
上記第2の目的を達成するための第3形態に係る本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層のうち少なくとも1層が、配位子機能を有する結合単位(L)および電荷輸送機能を有する結合単位(CT)を含む式3で示される高分子化合物と、当該高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することを特徴とする。
【0019】
【化18】
Figure 2004319305
(式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。CTは正孔注入機能又は電子吸引機能を有する結合単位である。l,m,nは1以上の整数である。)
【0020】
この発明によれば、上記第1形態の発明の構成に電荷輸送機能を有する結合単位(CT)を加えることにより、高分子化合物の電荷輸送特性をより一層向上させることができる。その結果、高発光効率で信頼性の優れた有機層とすることができる。
【0021】
上記第2の目的を達成するための第4形態に係る本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層のうち少なくとも1層が、配位子機能を有する結合単位(L)、電荷輸送機能を有する結合単位(CT)および溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)を含む式4で示される高分子化合物と、当該高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することを特徴とする。
【0022】
【化19】
Figure 2004319305
(式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。CTは正孔注入機能又は電子吸引機能を有する結合単位である。k,l,m,nは1以上の整数である。)
【0023】
この発明によれば、上記第1形態の発明の構成に、溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)および電荷輸送機能を有する結合単位(CT)を加えることにより、高分子化合物の溶媒溶解性と電荷輸送特性をより一層向上させることができる。その結果、有機層を厚く形成することができ、高発光効率で信頼性の優れた有機層とすることができる。
【0024】
第1〜第4形態に係る本発明のエレクトロルミネッセンス素子においては、前記結合単位(L)が、式5〜式11のいずれかで示される複素環化合物であることが好ましい。
【0025】
【化20】
Figure 2004319305
(ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数である。R,Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0026】
【化21】
Figure 2004319305
(ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、Yは複素環を構成する窒素、酸素、硫黄または炭素であり、kは0〜4の整数である。lは0〜3の整数である。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0027】
【化22】
Figure 2004319305
(ここで、X及びXは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、Y及びYは複素環を構成する窒素、酸素、硫黄または炭素であり、kは0〜3の整数である。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0028】
【化23】
Figure 2004319305
(ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数である。Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0029】
【化24】
Figure 2004319305
(ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数である。R,Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0030】
【化25】
Figure 2004319305
(ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数である。R,Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0031】
【化26】
Figure 2004319305
(ここで、X〜X10は複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数であり、lは0〜2である。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0032】
また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子において、前記高分子化合物は、前記有機金属錯体を構成していた金属が結合単位(L)に結合した高分子錯体部を有することに特徴を有する。
【0033】
この発明によれば、有機金属錯体を構成する配位子が分解により離脱した場合において、有機金属錯体を構成していた金属は、離脱した配位子の代わりに配位子機能を有する結合単位(L)に結合する。そうして構成された高分子錯体部は、発光材料として引き続き機能するので、高い発光効率を維持することができる。
【0034】
また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層中の金属の含有量が、3重量%(本願において、質量%と同義。)以上であることが好ましい。
【0035】
この発明によれば、有機層中の金属の含有量が3重量%以上であるので、たとえ発光材料である有機金属錯体が分解して配位子が離脱しても、有機金属錯体を構成していた所定量の金属は、離脱した配位子の代わりに配位子機能を有する結合単位(L)に結合したまま有機金属錯体部として残存する。その結果、発光材料として引き続き機能するので、高い発光効率を維持することができる。
【0036】
また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層が、電子注入層および電子輸送層の一方又は両方であること、発光層であること、正孔注入層および正孔輸送層の一方又は両方であること、が好ましい。
【0037】
また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子において、前記有機金属錯体が、式12で示されるIr(ppy)誘導体であることが好ましい。
【0038】
【化27】
Figure 2004319305
(式中、R〜Rの少なくともいずれか1つは水素以外からなる任意の置換基である。当該置換基は、各々同一でも異なるものであってもよく、共有結合に関する炭素原子数が1〜60及び酸素原子が0〜60からなるアリールアルキル基、酸素、硫黄、珪素、リン、臭素、フッ素又はこれらのハロゲン置換誘導体を表す。また、当該置換基は、隣接するR(mは1〜4の整数)または隣接するR(nは5〜8の整数)のそれぞれにおいて縮合環が縮合してもよい。)
【0039】
また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層の抵抗率が、印加電界2.6×10V/cmにおいて、10Ω・cm〜1010Ω・cmであることが好ましく、印加電界2×10V/cmにおいて、10Ω・cm〜10Ω・cmであることが好ましい。
【0040】
また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子において、前記高分子化合物のガラス転移温度が、130℃〜400℃であることが好ましく、前記高分子化合物の分解温度が、180℃〜450℃であることが好ましい。
【0041】
また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子において、前記高分子化合物の重量平均分子量が、10〜10であることが好ましく、前記高分子化合物は、190nm〜600nmの波長領域に、配位子機能を有する結合単位の吸収ピークから長波長側に10nm〜200nmの差がある少なくとも一つの吸収ピークを持つことが好ましい。
【0042】
上記目的を達成するための本発明の高分子化合物は、式13〜式15のいずれかで表される結合単位を少なくとも1種類以上、主鎖内に含むことを特徴とする。
【0043】
【化28】
Figure 2004319305
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0044】
【化29】
Figure 2004319305
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0045】
【化30】
Figure 2004319305
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
【0046】
これらの発明によれば、上記のような結合単位を備える高分子化合物が、例えば蛍光発光材料である有機金属錯体と共にエレクトロルミネッセンス素子の有機層の構成材料等として用いられた場合に、その有機金属錯体が分解して配位子が離脱した場合であっても、上述した結合単位が備える配位子機能との間で同様な有機金属錯体構造を形成できる。その結果、分解の影響を極力排除した有機層とすることができる。また、その結合単位(L)が有機金属錯体の配位子と同様の機能・構造を有するので、その結合単位(L)を有する高分子化合物は金属配位子との相溶性に優れている。従って、高分子化合物を含む塗布溶液中に、有機金属錯体を所望の濃度で含有させることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレクトロルミネッセンス素子および高分子化合物について詳細に説明する。
【0048】
本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極との間に少なくとも一層の有機層を有し、その有機層の少なくとも一層が、配位子機能を有する結合単位(L)を含む高分子化合物と、その高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することに特徴がある。
【0049】
有機層は、高分子化合物と有機金属錯体とを溶媒に溶解させて塗布溶液を調製し、その溶液を塗布することにより形成される。
【0050】
(溶媒)
本発明で使用される溶媒としては、ピリジン、アセトニトリル、乳酸エチル、n−ブチルアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)、3−メチルメトキシプロピネート、エトキシエチルプロピネート、n−ヘキサン、シクロヘキサン、γ−ブチロラクトン、o−ジオキサン、m−ジオキサン、p−ジオキサン(1,4−ジオキサン)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスホキシド、ジグライム、クロロホルム、四塩化炭素、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、エタノール、メタノール、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、水、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1−トクロロロエタン、1,1,2−トクロロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン、ペンタクロロフェノール、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノール、2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシプロピオン酸エチル、アクリロニトリル、プロピレングリコール、1−モノメチルエーテル−2−アセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、オレイン酸、ジフェニルエーテル、ジエチルエーテル、石油エーテル、2−ブトキシエタノール、過塩素酸、1−ブロモオクタン、1−ブロモドデカン、酢酸−3−メトキシブチル、1,4−ジメチルベンゼン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、モノクロクロロベンゼン、ピリジン、ヒドロクロライド、テトラリン、o−ジクロロベンゼン、酢酸、酢酸エチル、ジフェニルエーテル、ビフェニルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、モノクロロベンゼン、ベンゾニトリル、キノリン、1,3−ジメチルベンゼン、ニトロベンゼン、アンモニア水、1−ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、2−プロパノール、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジメチルジグリコール、1,1,2,2−テトラクロロエタン、エチルベンゼン、1,2−ジメチルベンゼン、アニソール、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、n−ドデシルメルカプタン、二硫化炭素、1−プロパノール、1−ドデカノ−ル、n−ペンチルアルコール、2−ジメチルアミノエタノール、2−アミノエタノール、トリフルオロ酢酸、3−オキソブタン酸エチル、アセト酢酸エチル、n−ペンチルアルコール、酢酸−3−メトキシブチル、アセトン、2,2’,2’’−ニトリロエタノール、酢酸ブチル、トリ−n−プロピルアミンn−へキシルアミン、ドデシルアミン、ジブチルアミン、ジメチルアミン水溶液、ジエチルトリアミン、アニリン、トリエチルアミン、へプタン、コール酸、o−トリジン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、塩化メチレン、ジクロンエタン、ジメチルアジペートなどの炭化水素系、エーテル系、アミド系、ハロゲン化炭化水素系等の溶媒などを挙げることができるが、本発明で使用される溶剤は、これら溶剤には限られない。
【0051】
(有機金属錯体)
本発明で使用される有機金属錯体は、後述する高分子化合物とは独立した態様で溶媒中および有機層中に含まれる。
【0052】
その有機金属錯体としては、上述した式12で示されるIr(ppy)誘導体であることが好ましい。式12中、R〜Rの少なくともいずれか1つは水素以外からなる任意の置換基であり、その置換基は、各々同一でも異なるものであってもよく、共有結合に関する炭素原子数が1〜60及び酸素原子が0〜60からなるアリールアルキル基、酸素、硫黄、珪素、リン、臭素、フッ素又はこれらのハロゲン置換誘導体を表す。また、その置換基は、隣接するR(mは1〜4の整数)または隣接するR(nは5〜8の整数)のそれぞれにおいて縮合環が縮合してもよい。
【0053】
更に具体的には、式16に示される代表的な有機金属錯体を挙げることができるが、これに限られず各種の有機金属錯体を用いることができる。
【0054】
【化31】
Figure 2004319305
【0055】
例えば、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ドデカカルボニル四ロジウム、ヒドリドテトラカルボニルロジウム、塩化ロジウム等のロジウム触媒。ドデカカルボニル四イリジウム、クロロトリカルボニルイリジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム等の化合物が挙げられる。
【0056】
有機金属錯体を構成する金属としては、Li、Be等の2周期元素、Na、Mg、Al等の3周期元素、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se等の4周期元素、Ag、Au、Pb、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pt、Cd、In、Sn、Sb、Te等の5周期元素、Ba、Hf、Cs、Ir、W、Os、Hg、Tl、Bi等の6周期元素、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Lu等のランタノイド系元素、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es等のアクチノイド系元素などが挙げられる。特に好ましくは、Ir、Os、Eu、Pt、Alなどが挙げられる。
【0057】
有機金属錯体を構成する配位子としては、負電荷を帯びた物質であって、例えば、F、Cl、Br、I、O、CO、OH、OH、NH、NH−CH−COO、PF、BF、AsF、PF、SbF、BCl、SbCl、B、BBr、PO、SO、NO、NO、SCN、CN、ClO、ClO、ClO、ClO、CO、C、OH、CFSO、B(C、(R)SO、NH(R)、NH(R)、B(R)、N(R)、P(R)[ここで、(R)は各々同一でも異なるものであってもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数4〜60の複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。]、P(C、P(C、P(C、P(OCH)(C、P(OCH(C)、P(OCH)(CH、P(OC、P(OCH、η−CCH=CHCH、CFCOO、テトラ3,5−トリフルオロメチルフェニルボロン誘導体、CHSOの負イオンおよび各種スルホン酸などの負イオンおよびそれら組み合わせが挙げられるが、本発明で使用される有機金属錯体に限らない。
【0058】
有機金属錯体の配位金属に配位するドナー原子としては、O(酸素原子)、N(窒素原子)、S(硫黄原子)、P(リン原子)、As(砒素原子)などが挙げられる。これらのドナー原子を含む配位基としては、−OH(アルコール、エノール、フェノール)、−COOH(カルボン酸)、>C=O(アルテヒド、ケトン、キノン)、−O−(エーテル)、−COOR(エステル、Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)、−CONH(アミド)、−N=O(ニトロソ化合物)、−NO(ニトロ化合物)、∋N→O(N−オキシド)、−SOH(スルホン酸)、−PO(OH)(ホスホン酸)、>P−(アルキルおよびアリルホスフィン)、>As−(アルキルおよびアリルアルシン)、−NH(第一級アミン)、>NH(第二級アミン)、∋N(第三級アミン)、−N=N−(アゾ化合物、複素環化合物)、=N−OH(オキシム)、>C=N−(シッフ塩基、複素環化合物)、>C=NH(イミン、エナミン)、−SH(チオアルコール、チオフェノール)、−S−(チオエーテル、複素環化合物)、>C=S(チオアルテヒド、チオケトン)、−COSHまたはCSOH(チオカルボン酸)、−SCN(イソチオシアナート)、などが挙げられるが、本発明の有機金属錯体はこれらの配位基に限られない。
【0059】
なお、上述した配位基のうち、表示を略記した配位基(>C=O、∋N→O、>P−、>As−、>NH、>C=N−、>C=NH、>C=S)の正確な標記を以下に示す。
【0060】
【化32】
Figure 2004319305
【0061】
(高分子化合物)
本発明の第1形態〜第4形態のエレクトロルミネッセンス素子においては、以下の特徴を有する高分子化合物が使用される。
【0062】
第1形態のエレクトロルミネッセンス素子においては、式1に示すように、配位子機能を有する結合単位(L)を含む高分子化合物が使用され、第2形態のエレクトロルミネッセンス素子においては、式2に示すように、配位子機能を有する結合単位(L)および溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)を含む高分子化合物が使用され、第3形態のエレクトロルミネッセンス素子においては、配位子機能を有する結合単位(L)および電荷輸送機能を有する結合単位(CT)を含む高分子化合物が使用され、第4形態のエレクトロルミネッセンス素子においては、配位子機能を有する結合単位(L)、電荷輸送機能を有する結合単位(CT)および溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)を含む高分子化合物が使用される。
【0063】
(結合単位:L)
最初に、配位子機能を有する結合単位(L)について説明する。結合単位(L)は、配位子機能を有し、少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基である。そして、その複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。この結合単位(L)を有する高分子化合物は、例えば蛍光発光材料である有機金属錯体が分解して配位子が離脱した場合において、有機金属錯体を構成していた金属と、結合単位(L)が備える配位子機能との間でもとの有機金属錯体と同様な有機金属錯体構造を形成できるという作用がある。また、その結合単位(L)は有機金属錯体の配位子と同様な機能・構造を有するので、有機金属錯体に対する相容性が優れている。
【0064】
配位子機能を有する結合単位(L)としては、例えば以下の化合物が挙げられるが、以下の化合物に限定されない。また、これら結合単位(L)は、異なる種類の複数の化合物で構成されていてもよく、化合物どうしを結合させて一つの化合物としたものでもよい。
【0065】
結合単位(L)である化合物としては、ピリジン誘導体、4−(2−ピリジル)ベンズアルテヒド誘導体、ピリジンカルボン酸誘導体、2−ピリジンカルボン酸誘導体、2−ヒドロキシピリジジン誘導体、ピリミジン誘導体、2−フェニルピリジン誘導体、3−フェニルピリジン誘導体、4−フェニルピリジン誘導体、4−フェニルピリミジン誘導体、1−フェニルピラゾール誘導体、2−フェニルキノリン誘導体、4’,4’’’−(1,4−フェニレン)ビス(2,2:6’,2’’−ターピリジン)誘導体、ガルビノキシル誘導体、2,2’−ビピペリジン誘導体、4,7−フェナントロリン誘導体、1,7−フェナントロリン誘導体、1,8−フェナントロリン誘導体、1,9−フェナントロリン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、2,8−フェナントロリン誘導体、2,9−フェナントロリン誘導体、2,10−フェナントロリン誘導体、3,9−フェナントロリン誘導体、3,10−フェナントロリン誘導体、4,10−フェナントロリン誘導体、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン誘導体、ヘキサフルオロアセチルアセトン誘導体、シクロオクタジエン誘導体、2,6−ジ−2−ピリジル−1,2,4,5−テトラジン誘導体、ジ−2−ピリジルケトン誘導体、ジ−2−ピリジルケトンオキシム誘導体、シクロヘキサジエン誘導体、フルオレン誘導体、9,10−ジアミノフェナントレン誘導体、6−フェニルフェナントリジン誘導体、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン誘導体、2,9−ジアザ−4a−アゾニアアントラセン誘導体、1H−2−アザ−1−シラインデン誘導体、ピロロ[2,1−g][1,2,5,8,11]ジチアトリアザシクロテトラデシン誘導体、4H−3,1−ベンゾオキサジン誘導体、ベンゾアゼト誘導体、[1,4]チアジノ[3,2−b][1,4]オキサジン誘導体、1H−イミダゾ[5,1−c][1,2,4]トリアゾール誘導体、ベンゾ[b][1,5]ナフチリジン誘導体、2,2’:2’,2’’:6’,3’’:5’’,2’’’−クアテルピリジン誘導体、10,5−[2,3]フラノベンゾ[g]キノリン誘導体、4a,8a−(エピミノメタノ)ナフタレン誘導体、ジピリド[1,2−a:2’,1’−c]ピラジン誘導体、イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン誘導体、[1,3]ジアゼト[1,2−a:3,4−a’]ジベンゾイミダゾール誘導体、6H−キノリジノ[3,4,5,6−ija]キノリン誘導体、ピラジノ[2,1,6−cd:3,4,5−c’d’’]ジピロリジン誘導体、フロ[3,2−b]チエノ[2,3−e]ピリジン誘導体、ナフト[2,1,8−def]キノリン誘導体、ナフト[1,8a]アジリン誘導体、シクロブタ[g]キノリン誘導体、オクタエチルポルフィリン誘導体、2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジン誘導体、フェナジン誘導体、ビピリジン誘導体(2,2’−ビピリジン誘導体、2,3’−ビピリジン誘導体、4,4’−ビピリジン誘導体、3,4’−ビピリジン誘導体、3,3’−ビピリジン誘導体、2,4’−ビピリジン誘導体、)、8‐オキシキノリン誘導体、8‐ヒドロキシキノリン誘導体(オキシン誘導体)、アセチルアセトン誘導体、アセチルアセトンエチレンジイミン誘導体、サリチルアルテヒドエチレンジイミン誘導体、ジメチルグリオキシム誘導体、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラアセティクアシッド(EDTA)誘導体、ジベンゾ[f,h]キノキサリ誘導体(dibenzo[f,h]quinoxaline、2−methyl−dibenzo[f,h]quinoxalineなど)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン誘導体、フタロシアニン誘導体、エチルチオグリコール酸誘導体、ビス−アセチルヒドラゾン誘導体、アルキルキサントゲン酸誘導体、(S)−3,7−ジメチルオクチル−1−アミン誘導体、α−ジオキシム誘導体、2,2’:6’,2’’−テルピリジン誘導体、2,2’,2’’−ニトリロトリス(エタノール)誘導体、N,N−ビス(キノリルメチル)−N’,N’−(カルボキシメチル)−エチレンジアミン誘導体、アクリジン誘導体、2−フェニルピルビン酸誘導体、4−フェニルピリミジン誘導体、アクリダン誘導体、アクリドン誘導体、ペリミジン誘導体、フェナントリジン誘導体、9,10−ジヒドロアクリジン誘導体、アクリジン−9(10H)−オン誘導体、ネオクプロイン誘導体、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン誘導体、フェノテルラジン誘導体、フェノセレナジン誘導体、フェノチアジン誘導体、フェノキサジン誘導体、アンチリジン誘導体、ナフチリジン誘導体、ピリド[2,3−b][1,8]ナフチリジン誘導体、カルバゾール誘導体、シンノリン誘導体、インダゾール誘導体、インドール誘導体、1H−インドール誘導体、インドリジン誘導体、イソインドール誘導体、イソキノリン誘導体、フタラジン誘導体、プテリジン誘導体、プリン誘導体、ピリジニルピラゾール誘導体、2−キノリチオール誘導体、ヒドロキシアミノ酸誘導体、ジチオカルバメート誘導体、ジフェロセニルジカルコゲニド誘導体、チオフェニルピリジン誘導体、2−チオフェニルピリジン誘導体、フェニルベンゾオキサゾール誘導体、2−フェニルベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチオフェニルピリジン誘導体、2−ベンゾチオフェニルピリジン誘導体、チオフェニルピリジン誘導体、2−チオフェニルピリジン誘導体、η−シクロペンタジエニル誘導体、トリフェニルアルシン誘導体、ジメチルアミノ誘導体、4−エチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン誘導体、メチルジフェニルホスフィニト誘導体、トリメチルホスフィン誘導体、トリエチルホスフィン誘導体、テトラフルオロほう酸誘導体、2−チオフェニルトリフルオロアセチルアセトン誘導体、トリフルオロ−2−チオフェニルアセチルアセトン誘導体、チオフェニルトリフルオロアセチルアセトン誘導体、トリフルオロチオフェニルアセチルアセトン誘導体、ベンゾ[h]イソキノリン誘導体、フェナントリジン誘導体、5,6−ベンゾキノリン誘導体、キノラゾリン誘導体、1,8−キノラゾリン誘導体、1,7−キノラゾリン誘導体、1,6−キノラゾリン誘導体、フタラジン誘導体、ピリダジノ[4,5−b]キノキサリン誘導体、ピリダジノ[2,3−b]キノキサリン誘導体、等の化合物が挙げられる。
【0066】
また、含窒素縮合2環系の結合単位(L)としては、ピロリジン誘導体、1H−ピロリジン、キナゾリン誘導体、キノリジン誘導体、キノキサリン誘導体、2,3−ジフェニルキノキサリン誘導体、ピロリジジン誘導体、ヘキサヒドロピロリジン誘導体、1H−1−ピリンジン誘導体、1H−シクロペンタ[b]ピリジン誘導体、1−ピリンダン誘導体、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン誘導体、1H−2−ピリンジン誘導体、1H−シクロペンタ[c]ピリジン、2−ピリンダン誘導体、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン、インドリジン誘導体、オクタヒドロインドリジン誘導体、インドリン誘導体、2,3−ジヒドロ−1H−インドール誘導体、イソインドリン誘導体、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール誘導体、フタルイミド誘導体、イソインドリン−1,3−ジオン誘導体、スカトール誘導体、3−メチル−1H−インドール誘導体、オキシンドール誘導体、インドリン−2−オン誘導体、インドキシル誘導体、1H−インドール−3−オール誘導体、トリプトファン誘導体、α−アミノ−1H−インドール−3−プロパン酸誘導体、トリプトフィル誘導体、α−アミノ−1H−インドール−3−プロパノイル誘導体、トリプタミン誘導体、1H−インドール−3−エタンアミン誘導体、イサチン誘導体、インドリン−2,3−ジオン誘導体、セロトニン誘導体、5−ヒドロキシ−1H−インドール3−エタンアミン誘導体、メラトニン誘導体、N−[2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル]アセトアミド誘導体、インジゴ誘導体、(E)−2−(3−オキソインドリン−2−イリデン)インドリン−3−オン誘導体、インダゾリン誘導体、アデニン誘導体、7H−プリン−6−アミン誘導体、グアニン誘導体、2−アミノ−6,7−ジヒドロ−1H−プリン−6−オン誘導体、ヒポキサンチン誘導体、6,7−ジヒドロ−1H−プリン−6−オン誘導体、キサンチン誘導体、2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン誘導体、尿酸誘導体、2,6−ジヒドロキシ−8,9−ジヒドロ−7H−プリン−8−オン誘導体、カフェイン誘導体、1,3,7−トリメチルキサンチン誘導体、テオフィリン誘導体、1,3−ジメチルキサンチン誘導体、パラキサンチン誘導体、1,7−ジメチルキサンチン誘導体、テオブロミン誘導体、3,7−ジメチルキサンチン誘導体、キネチン誘導体、カイネチン誘導体、N6−ファーフリルアデニン誘導体、キノリジジン誘導体、オクタヒドロ−2H−キノリジン誘導体、イソキノリル誘導体、イソキノロン誘導体、イソカルボスチリル誘導体、イソキノリン−1−オール誘導体、キノリル誘導体、キノロン誘導体、キナルジン誘導体、2−メチルキノリン誘導体、レピジン誘導体、4−メチルキノリン誘導体、カルボスチリル誘導体、キノリン−2−オール誘導体、オキシン誘導体、キノリン−8−オール誘導体、キナルジン酸誘導体、キノリン−2−カルボン酸誘導体、シンコニン酸誘導体、キノリン−4−カルボン酸誘導体、キヌレン酸誘導体、4−ヒドロキシキノリン−2−カルボン酸誘導体、アクリジン酸誘導体、キノリン−2,3−ジカルボン酸誘導体、2,7−ナフチリジン誘導体、2,6−ナフチリジン誘導体、フタラジン誘導体、ルミノール誘導体、5−アミノフタラジン−1,4−ジオール誘導体、ヒドララジン誘導体、1−ヒドラジノフタラジン誘導体、1,8−ナフチリジン誘導体、1,7−ナフチリジン誘導体、1,6−ナフチリジン誘導体、1,5−ナフチリジン誘導体、キノキサリン誘導体、キナゾリン誘導体、シンノリン誘導体、プテリジン誘導体、ルマジン誘導体、プテリジン−2,4(1H,3H)−ジオン誘導体、プテリジン−2,4−ジオン誘導体、プテリン誘導体、2−アミノプテリジン−4(3H)−オン誘導体、2−アミノプテリジン−4−オール誘導体、プテロイン酸誘導体、4−{[(2−アミノ−4−オキソ−3,4−ジヒドロプテリジン−6−イル)メチル]アミノ}安息香酸、プテロイル誘導体、4−{[(2−アミノ−4−オキソ−3,4−ジヒドロプテリジン−6−イル)メチル]アミノ}ベンゾイル誘導体、葉酸誘導体、N−プテロイルグルタミン酸誘導体、ビオチン誘導体、2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−ペンタン酸誘導体、グリコールウリル誘導体、オクタヒドロイミダゾ[4,5−d]イミダゾール−2,5−ジオン誘導体、ベンゾイミダゾリン誘導体、2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール誘導体、サッカリン誘導体、2,3−ジヒドロ−1,2−ベンゾチアゾール−3−オン1,1−ジオキシド誘導体、インドキサゼン誘導体、1,2−ベンゾキサゾール誘導体、アントラニル誘導体、2,1−ベンゾキサゾール誘導体、ピアセレノール誘導体、2,1,3−ベンゾセレナジアゾール誘導体、ピアズチオール誘導体、2,1,3−ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾフラザン誘導体、2,1,3−ベンゾキサジアゾール誘導体、ベンゾフロキサン誘導体、2,1,3−ベンゾキサジアゾール1−オキシド誘導体、等の化合物が挙げられる。
【0067】
また、含窒素5環系の結合単位(L)としては、ピロール誘導体、ピロリン誘導体、アザシクロペンタ−1−エン誘導体、アザシクロペンタ−2−エン誘導体、アザシクロペンタ−3−エン誘導体、ピロリジン誘導体、テトラヒドロ−1H−ピロール誘導体、ピロリドン誘導体、プロリン誘導体、ピロリジン−2−カルボン酸誘導体、プロリル誘導体、ピロリジン−2−カルボニル誘導体、ヒグリン酸誘導体、1−メチルピロリジン−2−カルボン酸、ヒグロイル誘導体、1−メチルピロリジン−2−カルボニル誘導体、ミナリン誘導体、1H−ピロール−2−カルボン酸誘導体、ピログルタミン誘導体、5−オキソピロリジン−2カルボン酸誘導体、スクシンイミド誘導体、ピロリジン−2,5−ジオン誘導体、マレイミド誘導体、1H−ピロール−2,5−ジオン誘導体、イミダゾリン誘導体、1,3−ジアザシクロペンタ−1−エン誘導体、1,3−ジアザシクロペンタ−3−エン誘導体、1,3−ジアザシクロペンタ−4−エン誘導体、イミダゾリジン誘導体、テトラヒドロ−1H−イミダゾール誘導体、イミダゾリドン誘導体、2−イミダゾリジノン誘導体、4−イミダゾリジノン誘導体、エチレン尿素誘導体、イミダゾリジン−2−オン誘導体、エチレンチオ尿素誘導体、イミダゾリジン−2−チオン誘導体、リシジン誘導体、2−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール誘導体、ヒスチジン誘導体、α−アミノイミダゾール3−プロパン酸誘導体、ヒスチジル誘導体、α−アミノイミダゾール−3−プロパノイル誘導体、ヒスタミン誘導体、イミダゾール−3−エタンアミン誘導体、ヒダントイン誘導体、イミダゾリジン−2,4−ジオン誘導体、2−チオヒダントイン誘導体、2−チオキソイミダゾリジン−4−オン誘導体、アラントイン誘導体、5−ウレイドヒダントイン誘導体、クレアチニン誘導体、2−イミノイミダゾリジン−4−オン誘導体、パラバン酸誘導体、イミダソリジントリオン誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、1,2−−ジアザシクロペンタ−1−エン誘導体、1,2−ジアザシクロペンタ−2−エン誘導体、1,2−−ジアザシクロペンタ−3−エン誘導体、ピラゾリジン誘導体、テトラヒドロ−1H−ピラゾール誘導体、ピラゾリドン誘導体、ピラゾリジノン誘導体、アンチピリン誘導体、1,5−ジエチル−2−フェニル−2,3ジヒドロ−1H−ピラゾール3−オン誘導体、3−ピラゾロン誘導体、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−オン誘導体、4−ピラゾロン誘導体、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−オン誘導体、5−ピラゾロン誘導体、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−オン誘導体、テルラゾール誘導体、1,3−テルラゾール誘導体、テルラゾリジン誘導体、1,3−テルラゾリジン誘導体、イソテルラゾール誘導体、1,2−テルラゾール誘導体、イソテルラゾリジン誘導体、1,2−テルラゾリジン誘導体、セレナゾール誘導体、1,3−セレナゾール誘導体、セレナゾリジン誘導体、1,3−セレナゾリジン誘導体、イソセレナゾール誘導体、1,2−セレナゾール誘導体、イソセレナゾリジン誘導体、1,2−セレナゾリジン誘導体、チアゾール誘導体、1,3−チアゾール誘導体、2−チアゾリン誘導体、4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール誘導体、3−チアゾリン誘導体、2,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール誘導体、4−チアゾリン誘導体、2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール誘導体、チアゾリジン誘導体、1,3−チアゾリジン誘導体、チアゾリドン誘導体、1,3−−チアゾリジン−2−オン誘導体、1,3−−チアゾリジン−4−オン誘導体、1,3−−チアゾリジン−5−オン誘導体、ローダニン誘導体、2−チオキソ−1,3−チアゾリジン−4−オン誘導体、チアミン誘導体、3−[(4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチル]−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチル−1,3−チアゾール−3−イウム誘導体、イソチアゾール誘導体、1,2−チアゾール誘導体、2−イソチアゾリン誘導体、4,5−ジヒドロイソチアゾール誘導体、3−イソチアゾリン誘導体、2,5−ジヒドロイソチアゾール誘導体、4−イソチアゾリン誘導体、2,3−ジヒドロイソチアゾール誘導体、イソチアゾリジン誘導体、1,2−チアゾリジン誘導体、イソチアゾリドン誘導体、イソチアゾリジノン誘導体、オキサゾール誘導体、1,3−オキサゾール誘導体、2−オキサゾリン誘導体、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール誘導体、3−オキサゾリン誘導体、2,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール誘導体、4−オキサゾリン誘導体、2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール誘導体、オキサゾリジン誘導体、1,3−オキサゾリジン誘導体、オキサゾリドン誘導体、1,3−オキサゾリジン−2−オン誘導体、1,3−オキサゾリジン−4−オン誘導体、1,3−オキサゾリジン−5−オン誘導体、ムスカゾン誘導体、α−アミノ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−酢酸誘導体、イソオキサゾール誘導体、1,2−オキサゾール誘導体、2−イソオキサゾリン誘導体、4,5−ジヒドロイソキサゾール誘導体、3−イソオキサゾリン誘導体、2,5−ジヒドロイソキサゾール誘導体、4−イソオキサゾリン誘導体、2,3−ジヒドロイソキサゾール誘導体、イソオキサゾリジン誘導体、1,2−オキサゾリジン誘導体、イソオキサゾリドン誘導体、3−イソキサゾリジノン誘導体、4−イソキサゾリジノン誘導体、5−イソキサゾリジノン誘導体、シクロセリン誘導体、4−アミノイソキサゾリジン−3−オン誘導体、ムシモール誘導体、5−(アミノメチル)−2,3−ジヒドロイソキサゾール−3−オン誘導体、イボテン酸誘導体、α−アミノ−3−オキソ−2,3−ジヒドロイソキサゾール−5−酢酸誘導体、トリコロム酸誘導体、α−アミノ−3−オキソイソキサゾリジン−5−酢酸誘導体、フラザン誘導体、1,2,5−オキサジアゾール誘導体、フロキサン誘導体、1,2,5−オキサジアゾール2−オキシド誘導体、ウラゾール誘導体、1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオン誘導体、グアナゾール誘導体、2,3−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0068】
また、含窒素6環系の結合単位(L)としては、ピリダジン誘導体、1,2,3−トリアジン誘導体、1,2,3,4−テトラジン誘導体、ビペリジン誘導体、ピペリジル誘導体、ピペリジノ誘導体、ピペリジン−1−イル誘導体、ピペコリン誘導体、2−メチルピペリジン誘導体、3−メチルピペリジン誘導体、4−メチルピペリジン誘導体、ピペリドン誘導体、2−ピペリジノン誘導体、3−ピペリジノン誘導体、4−ピペリジノン誘導体、δ−バレロラクタム誘導体、ピペリジン−2−オン誘導体、グルタルイミド誘導体、ピペリジン−2,6−ジオン誘導体、ピペコリン酸誘導体、ピペリジン−2−カルボン酸誘導体、ニペコチン酸誘導体、イソニペコチン酸誘導体、ピペリジン−4−カルボン酸誘導体、ピペコロイル誘導体、ピペリジン−2−カルボニル誘導体、ニペコトイル誘導体、ピペリジン−3−カルボニル誘導体、イソニペコトイル誘導体、ピペリジン−4−カルボニル誘導体、ピペリン誘導体、1−[5−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ペンタ−2,4−ジエノイル]ピペリジン誘導体、ピリジン誘導体、ピリジル誘導体、2−ピリドン誘導体、1,2−ジヒドロピリジン−2−オン誘導体、4−ピリドン誘導体、1,4−ジヒドロピリジン−4−オン誘導体、ピコリン誘導体、2−メチルピリジン誘導体、3−メチルピリジン誘導体、4−メチルピリジン誘導体、ルチジン誘導体、ジメチルピリジン誘導体、γ−コリジン誘導体、2,4,6−トリメチルピリジン誘導体、ピコリン酸誘導体、ピリジン−2−カルボン酸誘導体、ニコチン酸誘導体、ピリジン−3−カルボン酸誘導体、イソニコチン酸誘導体、ピリジン−4−カルボン酸誘導体、シトラジン酸誘導体、2,6−ジヒドロキシピリジン−4−カルボン酸誘導体、ピコリノイル誘導体、ピリジン−2−カルボノイル誘導体、ニコチノイル誘導体、ピリジン−3−カルボニル誘導体、イソニコチノイル誘導体、ピリジン−4−カルボニル誘導体、キノリン酸誘導体、ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体、ルチジン酸誘導体、ピリジン−2,4−ジカルボン酸誘導体、イソシンコメロン酸誘導体、ピリジン−2,5−ジカルボン酸誘導体、ジピコリン酸誘導体、ピリジン−2,6−ジカルボン酸誘導体、シンコメロン酸誘導体、ピリジン−3,4−ジカルボン酸誘導体、ジニコチン酸誘導体、ピリジン−3,5−ジカルボン酸誘導体、ベルベロン酸誘導体、ピリジン−2,4,5−トリカルボン酸誘導体、トリメシチン酸誘導体、ピリジン−2,4,6−トリカルボン酸誘導体、ニコチン誘導体、3−(1−メチルピロリジン−2−イル)ピリジン、ピリドキシン誘導体、ピリドキソール誘導体、5−ヒドロキシ−6−メチルピリジン−2,3−ジメタノール誘導体、ピリドキサール誘導体、3−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−2−メチルピリジン−4−カルボアルテヒド誘導体、4−ピリドキシン酸誘導体、3−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−2−メチルピリジン−4−カルボン酸誘導体、ピリドキサミン誘導体、4−(アミノメチル)−5−ヒドロキシ−6−メチルピリジン−3−メタノール誘導体、トリゴネリン誘導体、1−メチルピリジン−1−イウム−3−カルボキレート誘導体、2,6−ジフェニル−4−(2,4,6−トリフェニルピリジノ)フェノキシド誘導体、ピラジン誘導体、ピペラジン誘導体、ピリミジン誘導体、シトシン誘導体、4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−2−オン誘導体、ウラシル誘導体、1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−2,4−ジオン誘導体、チミン誘導体、5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−2,4−ジオン誘導体、オロト酸誘導体、2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−カルボン酸誘導体、バルビツル酸誘導体、ヘキサヒドロピリミジン−2,4,6−トリオン誘導体、バルビタール誘導体、5,5−ジエチルバルビタール酸誘導体、ジアルル酸誘導体、5−ヒドロキシバルビツール酸、ウラミル誘導体、5−アミノバルビツール酸誘導体、アロキサン誘導体、アロキサン誘導体、ヘキサヒドロピリミジン−2,4,5,6−テトロン誘導体、ビオルル酸誘導体、アロキサン5−オキシム誘導体、イソバルビツル酸誘導体、5−ヒドロキシピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン誘導体、ピリミジン−2,4,5−トリオール誘導体、イソウラミル誘導体、6−アミノ−5−ヒドロキシピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン誘導体、6−アミノピリミジン−2,4,5−トリオール誘導体、ジビシン誘導体、2,6−ジアミノ−1,6−ジヒドロピリミジン−4,5−ジオン誘導体、2,6−ジアミノピリミジン−4,5−ジオール誘導体、ピリダジン誘導体、チオモルホリン誘導体、チオモルホリノ誘導体、チオモルホリン−4−イル誘導体、モルホリン誘導体、モルホリノ誘導体、モルホリン−4−イル誘導体、シアヌル酸誘導体、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオール誘導体、イソシアヌル酸誘導体、1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン誘導体、メラミン誘導体、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体、6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン誘導体、3,6−ジフェニル−1,2,4,5−トリアジン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0069】
また、含窒素4〜7環系の結合単位(L)としては、テベニジン誘導体、ベンゾ[lmn]フェナントリジン誘導体、キンドリン誘導体、10H−インドロ[3,2−b]キノリン誘導体、キニンドリン誘導体、6H−インドロ[2,3−b]キノリン、アクリンドリン誘導体、13H−インドロ[3,2−c]アクリジン誘導体、フタロペリン誘導体、7H−イソインドロ[2,1−a]ペリミジン誘導体、トリフェノジチアジン誘導体、ジベンゾ[e,e’]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ビス[1,4]チアジン誘導体、トリフェノジオキサジン誘導体、ジベンゾ[e,e’]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ビス[1,4]オキサジン、フェナントラジン誘導体、テトラベンゾ[a,c,h,j]フェナジン誘導体、アントラジン誘導体、ジナフト[2,3−a:2’,3’−h]フェナジン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0070】
また、含窒素5,6環を除く系からなる結合単位(L)としては、エチレンイミン誘導体、アジリジン誘導体、トリメチレンイミン誘導体、アゼチジン誘導体、ウレト誘導体、1,3−ジアゼテ誘導体、ウレチン誘導体、1,2−ジヒドロ−1,3−ジアゼテ誘導体、ウレチジン誘導体、1,3−ジアゼチジン誘導体、β−プロピオラクタム誘導体、アゼチジン−2−オン誘導体、ε−カプロラクタム誘導体、アゼパン−2−オン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0071】
また、非窒素架橋型の結合単位(L)としては、ペナム誘導体、4−チア−1−アザビシクロ[3.2.0]へプタン−7−オン誘導体、セファム誘導体、5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクタン−8−オン誘導体、キヌクリジン誘導体、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン誘導体、イソキヌクリジン誘導体、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン誘導体、ホモキヌクリジン誘導体、1−アザビシクロ[3.2.2]ノナン誘導体、トリエチレンジアミン誘導体、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン誘導体、ビスピジン誘導体、3,7−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、ピジン誘導体、3−オキサ−7−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、グラナタニン誘導体、9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、グラナタン誘導体、9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、ノルトロパン誘導体、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、トロパン誘導体、8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、メテナミン誘導体、ヘキサメチレンテトラミン誘導体、1,3,5,7−テトラアザアドマンタン誘導体、1,3,5,7−テトラアザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0072】
また、含窒素3環系の結合単位(L)としては、カルバゾール誘導体、β−カルボリン誘導体、9H−ピリド[3,4−b]インドール誘導体、アクリダン誘導体、9,10−ジヒドロアクリジン誘導体、アクリジン−9(10H)−オン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0073】
また、O,O配位子系の結合単位(L)としては、ジオール誘導体、ケトアルコール誘導体、α‐ジケトン誘導体、β‐ジケトン誘導体、環状ジケトン誘導体、芳香族オキシアルテヒド誘導体、オキシケトン誘導体、環状オキシケトン誘導体、ナフトキノン誘導体、1−インダノン誘導体、インダノン誘導体、γ−ピロン誘導体、トロポンおよびその他誘導体、1,3−ジオール誘導体、グリコール誘導体、3−ケト−4−ヘキサノール誘導体、アセトール誘導体、α−ケトンアルコール誘導体(アシロイン誘導体)、ジベンゾイルメタン誘導体、3,4−ヘキサンジオン誘導体、ペンタンジオン誘導体、2−メチル−3,4−ペンタンジオン誘導体、アセチルベンゾイル誘導体、アセテートジハイドレート誘導体、エトキシエタノール誘導体、アセチルアセトン誘導体、トリフルオロアセチルアセトン誘導体、ベンゾイルトリフルオロアセトン誘導体、ヘキサフルオロアセチルアセトン誘導体、フロイルトリフルオロアセトン誘導体、ビス(チノイル)−メタン誘導体、シクロアルカン−1,2−ジオン誘導体、シクロペンタン−1,2−ジオン誘導体、シクロペンテノン−2,3−ジオール誘導体、シクロブテン−1,2−ジオン−3,4−ジオール誘導体、スクアリック酸誘導体、シクロオクタン−1,2−ジオン誘導体、デカリン−1,8−ジオン誘導体、ヒドリンダン−1,7−ジオン誘導体、ペンタラン−1,6−ジオン誘導体、o−オキシアルテヒド誘導体、サリチルアルテヒド誘導体、3−メチルサリチルアルテヒド誘導体、4−メチルサリチルアルテヒド誘導体、6−メチルサリチルアルテヒド誘導体、5−メチルサリチルアルテヒド誘導体、サリチル酸アルテヒド−3−カルボン酸誘導体、p−オキシ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、5−カルボン酸誘導体、m−オキシ安息香酸誘導体、4−カルボン酸誘導体、ジオキシベンズアルテヒド誘導体、サリチル酸アルテヒド誘導体、2,3−ジヒドロキシベンズアルテヒド誘導体、2,4−ジヒドロキシベンズアルテヒド誘導体、2,5−ジヒドロキシベンズアルテヒド誘導体、2,6−ジヒドロキシベンズアルテヒド誘導体、ナフトアルテヒド誘導体、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルテヒド誘導体、8−ヒドロキシ−1−テトラノン誘導体、7−ヒドロキシインダノン−1誘導体、8−ヒドロキシアセナフテノン−1誘導体、9−ヒドロキシぺリナフテノン−1誘導体、8−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン誘導体(ユグロン誘導体)、5,8−ジヒドロキシ−1、4−ナフトキノン誘導体、5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン誘導体、3−オキシ誘導体、ピロメコン酸誘導体、マルトール誘導体、コジック酸誘導体、グルタリン酸二無水物誘導体、エンド−ビシクロ[2,2,2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸二無水物誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0074】
また、N,N配位子系の結合単位(L)としては、脂肪族アミン誘導体、エチレンジアミン誘導体、エチレンクロリド誘導体、ジエチレントリアミン誘導体、トリエチレンテトラミン誘導体、テトラエチレンペンタミン誘導体、ペンタエチレンヘキサミン誘導体、ヘプタエチレンオクタミン誘導体、ノナエチレンデカミン誘導体、プロピレンジアミン誘導体、ポリメチレンジアミン誘導体、N,N−ジアルキルエチレンジアミン誘導体、2,3−ジアミノブタン誘導体、meso−スチルベンジアミン誘導体、d,l−スチルベンジアミン誘導体、1,2,3−トリアミノプロパン誘導体、β,β’,β’’−トリアミノトリエチルアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラキス(β−アミノエチル)−エチレンジアミン、テトラキス(アミノメチル)−メタン誘導体、シクロヘキサン−1,2−ジアミン誘導体、シクロへプタン−1,2−ジアミン誘導体、1,4−ジアミノ−2−ブテン誘導体、芳香族アミン誘導体、o−フェニレンジアミン誘導体、1,8−ナフチレンジアミン誘導体、o−アミノベンジルアミン誘導体、ω−アミノエチル−o−アミノベンゼン誘導体、2−アミノメチルピリジン誘導体、N−(2−ピリジルエチル)−エチレンジアミン、N,N’−(2−ピリジルエチル)−エチレンジアミン誘導体、N,N’−ジ(2−ピリジルエチル)−エチレンジアミン誘導体、8−オキシキノリン誘導体、8−アミノキノリン誘導体、N,N’−ビス(8−キノリル)−エチレンジアミン誘導体、2,2’−ビピリジン誘導体、ジピリジル誘導体、6−メチル−2,2’−ジピリジル誘導体、2,2−ビキノリン誘導体、クプロリン誘導体、o−フェナントロリン誘導体、6,6’−ジメチルピリジン誘導体、α−ピコリン誘導体、トリピリジン誘導体、テトラピリジン誘導体、ペンタピリジン誘導体、ポリピリジン誘導体、2,2−ビキノリン誘導体、キノリン誘導体、8−アミノキノリン誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン誘導体、オクタヒドロ−2,2’−ビピリジン誘導体、イミダゾール誘導体、2−(2’−ピリジル)−イミダゾール誘導体、2,2−ビベンズイミダゾール誘導体、α−ジオキシム誘導体、ジメチルグリオキシム誘導体=グリオキシム誘導体、フリルジオキシム誘導体、ベンジルジオキシム誘導体、シクロヘキサンジオンジオキシム誘導体、キノンジオキシム誘導体、o−ベンゾキノン−ジオキシム誘導体、ジアセチルジヒドラゾン誘導体、ジアセチルジアニル誘導体、о−アミノベンズアルテヒド誘導体=ビス(o−アミノベンズアルテヒド)−エチレンジイミン誘導体、ビス(o−アミノベンズアルテヒド)−o−フェニレンジイミン誘導体、ジピリルメテン誘導体、2,2−ジピリルメテン誘導体、3,3’,4,4’,5,5’−ヘキサメチル−ジピロメテン誘導体、3,4,5−トリメチルジピロメテン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0075】
また、N.O配位子系の結合単位(L)としては、アミノアルコール誘導体、エタノールアミン誘導体、ジエタノールアミン誘導体、トリエタノールアミン誘導体、d−2−アミノ−1−プロパノール誘導体、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン誘導体、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン誘導体、1,2−ジアミノ−3−プロパノール誘導体、1,3−ジアミノ−2−プロパノール誘導体、アミノアルテヒド誘導体、アミノケトン誘導体、アミノアセトアルデヒド誘導体、アミノアセトン誘導体、アセチルアセトンアミン誘導体、o−アミノベンズアルテヒド誘導体、o−アミノアセトフェノン誘導体、アミノフェノール誘導体、o−アミノフェノール誘導体、8−アミノ−1−ナフトール誘導体、1−アミノ−2−ナフトール誘導体、サリチルアミン誘導体、オキサジン誘導体、オキサゾリン誘導体、2,2’−ビベンゾキサゾリン誘導体、1,3−ベンゾキサジン誘導体、2,2’−ビベンズ−1,3−オキサジン誘導体、ベンゾオキサジン誘導体、ビベンゾオキサゾリン誘導体、サリチルアルジミン誘導体、ヒドロサリチルアミド誘導体、ビス(サリチルアルテヒド)−エチレンジイミン誘導体、サリチルアルデヒドアニル誘導体、サリチルアルテヒド−o−ヒドロキシアニル誘導体、サリチリデンサリチルアミン誘導体、サリチリデン−(2−ピコリルアミン)誘導体、o−ヒドロキシアセトフェノン−エチレンジイミン誘導体、ビス(アセチルアセトン)−エチレンジイミン誘導体、エチレンジアミン誘導体、プロピレンジアミン誘導体、シクロヘキサンジアミン誘導体、スチルベンジアミン誘導体、オキシム誘導体、アシルヒドラゾン誘導体、o−オキシアルドキシム誘導体、o−オキシケトオキシム誘導体、サリチルアルドキシム誘導体、o−オキシベンザルアセトフェノンオキシム誘導体、ジアセチル−ビス(ベンゾイルヒドラゾン)誘導体、8−ヒドロキシキナルジン誘導体、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン誘導体、6,6−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2−ビピリジン誘導体、ピリジン−2−カルボン酸誘導体(キナルジン酸誘導体)、8−カルボン酸誘導体、キノリン−8−カルボン酸誘導体、2−ピリジン−メタノール誘導体、2−ピリジン−メタノール誘導体、2−(1−ヒドロキシエチル)−ピリジン誘導体、2−キノリン−メタノール誘導体、アミノポリカルボン酸誘導体(コンプレクサン誘導体)、プロピレンジアミンテトラ酢酸誘導体、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸誘導体、ジエチレントリアミンペンタ酢酸誘導体、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸誘導体、テトラエチレンペンタミンへプタ酢酸誘導体、エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸誘導体、ジフェニルエチレンジアミンテトラ酢酸誘導体、エチレンジアミンジ(α−プロピオン酸)誘導体、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸誘導体、エチレンジアミン−N,N’−ジ(α−プロピオン酸)誘導体、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ(メチルリン酸)誘導体、アミノアセトン−N,N−ジ酢酸誘導体、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸誘導体、シクロヘキサンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸誘導体、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラプロピオン酸誘導体、エチレン−ビス(o−ヒドロキシフェニルアラニン)誘導体、2,6−ジ(アミノメチル)−フェノール−N,N,N’,N’−テトラ酢酸誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0076】
また、N.O以外の配位子系の結合単位(L)としては、チオール誘導体、ブタン−2,3−ジチオール誘導体、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロジチオブテン−2誘導体、エチレンジチオール誘導体、モノチオ−β−ジケトン誘導体、ジチオ−β−ジケトン誘導体、3,4,5−トリメチル−1,2−ジチオリウム誘導体、ジチオカテコール誘導体、4−メチルジチオカテコール誘導体、チオサリチル酸誘導体、o−アミノチオフェノール誘導体、チオサリチルアルテヒド誘導体、2,2−ビベンゾチアゾリン誘導体、グリオキサル−ビス(2−メルカプトキノリン)誘導体、チオキシン誘導体、8−メルカプトキノリン誘導体、4,4’−ジフェニルテトラチアフルバレン誘導体、2−メルカプト−ピリジン−N−オキサイド誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0077】
また、Pを含む配位子系の結合単位(L)としては、チオエーテル誘導体、チオカルボニル誘導体、第三ホスフィンを含む化合物、エチレンビスジアルキルホスフィン誘導体、テトラアセチル−o−フェニレンジホスフィン誘導体、o−ジエチルアミノフェニルジエチルホスフィン誘導体、ジエチルメルカプトホスフィン誘導体、ジフェニルメルカプトホスフィン誘導体、エチルフェニルメルカプトホスフィン誘導体、トリフェニルホスフィン誘導体、メチルジフェニルホスフィン誘導体、トリシクロヘキシルホスフィン誘導体、ホスフィンドリジン誘導体、イソホスフィンドール誘導体、ホスフィンドール誘導体、ホスフィノリジン誘導体、イソホスフィノリン誘導体、ホスフィノリン誘導体、ホスファントリジン誘導体、アクリドホスフィン誘導体、ホスファントレン誘導体、フェノキサホスフィニン誘導体、フェノキサホスフィン誘導体、フェノホスファジニン誘導体、フェノホスファジン誘導体、ホスファイトホスフェニウム誘導体、トリエチルホスフィト誘導体、ジフェニルホスフィノ誘導体、トリフェニルフォスフィト誘導体、トリ−i−プロピルフォスフィト誘導体、ジメチルホスフィノ誘導体、トリス[N−(ジフェニルホスフィニル)−P,P−ジフェニルホスフィニックアミデート−O,O’]誘導体、ジメチルフェニルホスフィン誘導体、ブチルホスフィン誘導体、ターシャリーブチル誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0078】
このリンを含む配位子系の結合単位(L)は、電子受容性があり、有機金属配位子の分解を防ぐのに効果的である。
【0079】
また、Asを含む配位子系の結合単位(L)としては、第三アルシン化合物誘導体、エチレン−ビス(ジフェニルアルシン)誘導体、o−ジエチルホスフィノフェニルジメチルアルシン誘導体、テトラメチル−o−フェニレンジアルシン誘導体、o−ジエチルアミノフェニルジメチルアルシン誘導体、ジメチル−(o−メチルチオフェニル)−アルシン誘導体、アルシンドリジン誘導体、イソアルシンドール誘導体、アルシンドール誘導体、アルシノリジン誘導体、イソアルシノリン誘導体、アルシノリン誘導体、アルサントリジン誘導体、アクリドアルシン誘導体、アルサントレン誘導体、フェノキサルシニン誘導体、フェノキサルシン誘導体、フェナルサジニン誘導体、フェナルサジン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0080】
また、硫黄系配位子の結合単位(L)としては、チオフェン誘導体、チエニル誘導体、チオフェン−2−イル誘導体、チオフェン−3−イル誘導体、テニル誘導体、2−チエニルメチル誘導体、テノ酸誘導体、チオフェンカルボン酸誘導体、テノイル誘導体、2−チオフェンカルボニル誘導体、3−チオフェンカルボニル誘導体、テニル誘導体、2,2’−ジチエニルエタンジオン誘導体、テノイン誘導体、2−ヒドロキシ1,2−ジ(2−チエニル)エタン−1−オン誘導体、チオピラン誘導体、チオピリリウム誘導体、イソチオクロメン誘導体、1H−2−ベンゾチオピラン誘導体、イソチオクロマン誘導体、イソチオクロマン誘導体、3,4−ジヒドロ−1H−イソチオクロメン誘導体、イソチオクロメニリウム誘導体、2−ベンゾチオピリリウム誘導体、チオクロメン誘導体、2H−1−ベンゾチオピラン誘導体、チオクロマン誘導体、チオクロマン誘導体、3,4−ジヒドロ−2H−チオクロメン誘導体、チオクロメニリウム誘導体、1−ベンゾチオピリリウム誘導体、チオフラビリウム誘導体、2−フェニルチオクロメニリウム誘導体、チオキサンテン誘導体、チオキサントン誘導体、9H−チオキサンテン−9−オン誘導体、チオキサンチオン誘導体、9H−チオキサンテン−9−チオン誘導体、チオキサンチリウム誘導体、チアントレン誘導体、フェノキサチイン誘導体、フェノキサチイン誘導体、チオクト酸誘導体、リポ酸誘導体、1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸誘導体、テトラチアフルバレン誘導体、2,2’−ビ(1,3−ジチオール−2−イリデン)誘導体、2−(1,3−ジチオール−2−イリデン)−1,3−ジチオール、レンチオニン誘導体、1,2,3,5,6−ペンタチエパン誘導体、チアナフテン誘導体、チオナフテン誘導体、ベンゾ[b]チオフェン誘導体、チオファントレン誘導体、ナフト[2,3−b]チオフェン誘導体、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン誘導体、チエノ[2,3−b]フラン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0081】
また、炭化水素2〜3環系の結合単位(L)としては、ペンタレン誘導体、インデン誘導体、インダン誘導体、2,3−ジヒドロ−1H−インデン誘導体、ニンヒドリン誘導体、2,2−ジヒドロキシインダン−1,3−ジオン誘導体、ナフタレン誘導体、カダレン誘導体、4−イソプロピル−1,6−ジメチルナフタレン誘導体、オイダレン誘導体、7−イソプロピル−1−メチルナフタレン誘導体、ナフチル誘導体、1−ナフタレニル誘導体、2−ナフタレニル誘導体、ナフトール誘導体、ナフタレノ−ル誘導体、ナフトエ酸誘導体、1−ナフタレンカルボン酸誘導体、2−ナフタレンカルボン酸誘導体、ナフタル酸誘導体、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸誘導体、ナフトキノン誘導体、1,2−ナフタレジオン、1,4−ナフタレジオン、メナジオール誘導体、2−メチルナフタレン−1,4−ジオール誘導体、メナジオン誘導体、2−メチル−1,4−ナフトキノン誘導体、アセトナフトン誘導体、1−アセチルナフタレン、2−アセチルナフタレン、1−(1−ナフチル)エタン−1−オン誘導体、1−(2−ナフチル)エタン−1−オン誘導体、ナフチオン酸誘導体、4−アミノナフタレン−1−スルホン酸誘導体、テトラリン誘導体、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、デカリン誘導体、デカヒドロナフタレン誘導体、アズレン誘導体、カマズレン誘導体、7−エチル−1,4−ジメチルアズレン誘導体、グアイアズレン誘導体、7−イソプロピル−1,4−ジメチルアズレン誘導体、ヘプタレン誘導体、as−インダセン誘導体、as−ヒドロインダセン誘導体、1,2,3,6,7,8−ヘキサヒドロ−as−インダセン誘導体、s−インダセン誘導体、s−ヒドロインダセン誘導体、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン誘導体、ビフェニレン誘導体、アセナフチレン誘導体、アセナフテン誘導体、1,2−ジヒドロアセナフテン誘導体、アセナフトキノン誘導体、アセナフテン−1,2−ジオン誘導体、フェナレン誘導体、ペリナフテノン誘導体、1H−フェナレン−1−オン誘導体、フェナントレン誘導体、フェナントリル誘導体、フェナントレニル誘導体、フェナントロール誘導体、フェナントレノ−ル誘導体、フェナントロン誘導体、フェナントレン−9(10H)−オン誘導体、フェナントラキノン誘導体、フェナントレン−9,10−ジオン誘導体、レテン誘導体、7−イソプロピル−1−メチルフェナントレン誘導体、アントラセン誘導体、アントリル誘導体、アントラセニル誘導体、アントロール誘導体、アントラセノール誘導体、アントロン誘導体、アントラセン−9(10H)−オン誘導体、アントラキノン誘導体、アントラセン−9,10−ジオン誘導体、アリザリン誘導体、1,2−ジヒドロキシアントラキノン誘導体、キニザリン誘導体、1,4−ジヒドロキシアントラキノン誘導体、アントラルフィン誘導体、1,5−ジヒドロキシアントラキノン誘導体、アントラガロール誘導体、1,2,3−トリヒドロキシアントラキノン、プルプリン誘導体、1,2,4−トリヒドロキシアントラキノン誘導体、キナリザリン誘導体、1,2,5,8−テトラヒドロキシアントラキノン誘導体、ビフェニル誘導体、4−(ジフェニルアミノ)−4’−ニトロスチルベン誘導体(DPANS誘導体)、N,N−ジ−(2−ヒドロキシエチル)トリシアノビニルベンゼンアミン誘導体(TCVDEA誘導体)、4−トリシアノビニル−4’−[2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピル]−トリフェニルアミン誘導体(TCVDPA−1誘導体)、4−トリシアノビニル−4’−(2,3−ジヒドロキシプロキシ)−トリフェニルアミン誘導体(TCVDPA−2誘導体)、4,4’−ジヒドロキシ−4’’−ニトロフェニルアミン誘導体(NTPA誘導体)、4,4’−ジヒドロキシ−4’’−シアノトリフェニルアミン誘導体、N−フェニル−3−[(4−シアノ−1−ナフチル)メチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、p−アミノ−N−フェニル−3−[(4−シアノ−1−ナフチル)メチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、ジフェニルアミノ−p−トリシアノビニリデンベンゼン誘導体、ペンタヒドリド誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0082】
また、炭化4、5環系の結合単位(L)としては、トリンデン誘導体、シクロペンタ[e]−as−インダセン誘導体、トリンダン誘導体、2,3,4,5,6,7,8,9−オクタヒドロ−1H−トリンデン誘導体、フルオランテン誘導体、アセフェナントリレン誘導体、アセフェナントレン誘導体、4,5−ジヒドロアセフェナントリレン誘導体、アセアントリレン誘導体、有機カルコゲン化合物の誘導体、アセアントレン誘導体、1,2−ジヒドロアセアントリレン誘導体、トリフェニレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、テトラフェン誘導体、ベンズ[a]アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ルブレン誘導体、5,6,11,12−テトラフェニルテトラセン誘導体、プレイアデン誘導体、コラントレン誘導体、1,2−ジヒドロシクロペンタ[ij]テトラフェン誘導体、ピセン誘導体、ペリレン誘導体、ペンタフェン誘導体、ペンタセン誘導体、テトラフェニレン誘導体、フルオロベンゼン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0083】
また、炭化6〜10環系の結合単位(L)としては、ヘキサヘリセン誘導体、フェナントロ[3,4−c]フェナントレン誘導体、ヘキサフェン誘導体、ヘキサセン誘導体、ルビセン誘導体、コロネン誘導体、トリナフチレン誘導体、ヘプタフェン誘導体、ヘプタセン誘導体、ピラントレン誘導体、ビオラントレン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントレン誘導体、イソビオラントロン誘導体、オバレン誘導体、ビオラントレン−5,10−ジオン誘導体、イソビオラントレン−9,18−ジオン誘導体、1,1’:1’,3’’−テルフェニル誘導体、5,5’−ビ(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン)誘導体、アセン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0084】
また、含酸素多環系の結合単位(L)としては、イソベンゾフラン誘導体、2−ベンゾフラン誘導体、フタラン誘導体、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン誘導体、フタリド誘導体、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−オン誘導体、無水フタル酸誘導体、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン誘導体、ベンゾフラン誘導体、1−ベンゾフラン誘導体、クマロン誘導体、クマラン誘導体、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン誘導体、クマリル酸誘導体、1−ベンゾフラン−2−カルボン酸誘導体、イソクロメン誘導体、1H−2−ベンゾピラン誘導体、イソクロマン誘導体、イソクロマン誘導体、3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン誘導体、イソクマリン誘導体、1H−イソクロメン−1−オン誘導体、ホモフタル酸無水物誘導体、イソクロマン−1,3−ジオン誘導体、イソクロメニリウム誘導体、2−ベンゾピリリウム誘導体、クロメン誘導体、2H−1−ベンゾピラン誘導体、クロマン誘導体、クロマン誘導体、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン誘導体、クマリン誘導体、2H−クロメン−2−オン誘導体、ウンベリフェロン誘導体、7−ヒドロキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、エスクレチン誘導体、6,7−ジヒドロキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、スコポレチン誘導体、6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、スコパロン誘導体、6,7−ジメトキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、ダフネチン誘導体、7,8−ジヒドロキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、フラキセチン誘導体、7,8−ジヒドロキシ−6−メトキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、クロモン誘導体、4H−クロメン−4−オン誘導体、フラバン誘導体、2−フェニルクロメン誘導体、フラボン誘導体、2−フェニル−4H−クロメン−4−オン誘導体、フラボノール誘導体、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4H−クロメン−4−オン誘導体、イソフラバン誘導体、3−フェニルクロメン誘導体、イソフラボン誘導体、3−フェニル−4H−クロメン−4−オン誘導体、クロメニリウム誘導体、2−ベンゾピリリウム誘導体、フラビリウム誘導体、2−フェニルクロメニリウム誘導体、キサンテン誘導体、キサントヒドロール誘導体、9H−キサンテン−9−オール誘導体、キサントン誘導体、9H−キサンテン−9−オン誘導体、キサンチオン誘導体、9H−キサンテン−9−チオン誘導体、キサントキシム誘導体、9H−キサンテン−9−オンオキシム誘導体、フルオロン誘導体、3H−キサンテン−3−オン誘導体、フルオレセイン誘導体、2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸誘導体、キサンチリウム誘導体、オキサントレン誘導体、ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン誘導体、シネオール誘導体、ユーカリプトール誘導体、1,3,3−トリメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン誘導体、1,8−エポキシ−p−メタン誘導体、カンファン酸誘導体、4,7,7−トリメチル−3−オキソ−2−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0085】
また、含酸素系の結合単位(L)としては、フラン誘導体、2−フラニル誘導体、3−フラニル誘導体、フラニル誘導体、フリル誘導体、フルフリル誘導体、2−フリルメチル誘導体、フルフリルアルコール誘導体、フラン−2−メタノール誘導体、フルフラール誘導体、フラン−2−カルボアルテヒド誘導体、フリル誘導体、ジ(フリル)エタンジオン誘導体、フロイン誘導体、1,2−ジ(2−フリル)−2−ヒドロキシエタン−1−オン誘導体、フロ酸誘導体、フランカルボン酸誘導体、フロイル誘導体、2−フランカルボン酸誘導体、3−フランカルボン酸誘導体、2−フランカルボニル誘導体、3−フランカルボニル誘導体、フリル酸誘導体、ジ(2−フリル)ヒドロキシ酢酸誘導体、γ−ブチロラクトン誘導体、テトラヒドロフラン−2−オン誘導体、γ−バレロラクトン誘導体、5−メトキシルテトラヒドロフラン−2−オン誘導体、無水コハク酸誘導体、テトラヒドロフラン−2,5−ジオン誘導体、無水マレイン酸誘導体、2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン誘導体、ムスカリン誘導体、(2S,4R,5S)−4−ヒドロキシ−N,N,N,5−テトラメチルテトラヒドロフラン−2−メタナミニウム誘導体、フリリウム誘導体、2H−1λ4−フラン−1−イリウム誘導体、3H−1λ4−フラン−1−イリウム誘導体、ピラン誘導体、ピロン誘導体、2−ピラノン誘導体、4−ピラノン誘導体、有機カルコゲン化合物の誘導体、クマル酸誘導体、2−オキソ−2H−ピラン−5−カルボン酸誘導体、ピロメコン酸誘導体、3−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン誘導体、マルトール誘導体、3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オン誘導体、コウジ酸誘導体、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4H−ピラン−4−オン誘導体、コマン酸誘導体、4−オキソ−4H−ピラン−2−カルボン酸誘導体、ケリドン酸誘導体、4−オキソ−4H−ピラン−2,6−ジカルボン酸誘導体、メコン酸誘導体、3−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−ピラン−2,6−ジカルボン酸誘導体、δ−バレロラクトン誘導体、テトラヒドロピラン−2−オン誘導体、グルタル酸無水物誘導体、テトラヒドロピラン−2,6−ジオン誘導体、ピリリウム誘導体、エチレンオキシド誘導体、オキシラン誘導体、プロピレンオキシド誘導体、メトキシルオキシラン誘導体、スチレンオキシド誘導体、フェニルオキシラン誘導体、スチルベンオキシド誘導体、1,2−ジフェニルオキシラン誘導体、アレンオキシド誘導体、メチリデンオキシラン、グリシジル誘導体、オキシラニルメチル誘導体、グリシドール誘導体、オキシラニルメタノール誘導体、グリシド酸誘導体、オキシランカルボン酸誘導体、エピクロロヒドリン誘導体、(クロロメチル)オキシラン誘導体、エピブロモヒドリン誘導体、(ブロモメチル)オキシラン誘導体、エピシアノヒドリン誘導体、オキシラニルアセトニトリル誘導体、トリメチレンオキシド誘導体、オキセタン誘導体、ジケテン誘導体、4−メチリデンオキセタン−2−オン誘導体、パラアルデヒド誘導体、2,4,6−トリメチル−1,3,5−トリオキサン誘導体、シアメリド誘導体、1,3,5−トリオキサン−2,4,6−トリイミン誘導体、エキサルトリド誘導体、オキサシクロヘキサデカン−2−オン誘導体、ペンタデカノ−15−ラクトン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0086】
また、他の結合単位(L)としては、アンヌレン誘導体、シクロデセン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0087】
また、その他のベンゼン誘導体系の結合単位(L)としては、ベンゾトリフルオリド誘導体、ベンゾトリクロリド誘導体、過安息香酸誘導体、アスピリン誘導体、チラミン誘導体、ドーパミン誘導体、アドレナリン誘導体、エピネフリン誘導体、ノルアドレナリン誘導体、ノルエピネフリン誘導体、カプサイシン誘導体、ジベンズアミド誘導体、トリベンズアミド誘導体、カルバニリド酸誘導体、カルバニリド誘導体、チオカルバニリド誘導体、ジチゾン誘導体、ピクリン酸誘導体、スチフニン酸誘導体、2,4,6−トリニトロベンゼン−1,3−ジオール、ピクラミン酸誘導体、2−アミノ−4,6−ジニトロフェノール誘導体、クペロン誘導体、オルタニル酸誘導体、メタニル酸誘導体、スルファニル酸誘導体、ホスファニル酸誘導体、アルサニル酸誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0088】
また、アルテヒド+ケトン系の結合単位(L)としては、バニリン誘導体、イソバニリン誘導体、ピペロナール誘導体、ヘリオトロピン誘導体、アセトフェノン誘導体、プロピオフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、カルコン誘導体、ベンジル誘導体、ベンゾイン誘導体、デオキシベンゾイン誘導体、デスオキシベンゾイン誘導体、ベンゾピナコロン誘導体、クルクミン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0089】
また、カルボン酸系の結合単位(L)としては、安息香酸誘導体、トルイル酸誘導体、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テレフタル酸誘導体、ヘミメリト酸誘導体、トリメリト酸誘導体、トリメシン酸誘導体、メロファン酸誘導体、プレーニト酸誘導体、ピロメリト酸誘導体、メリト酸誘導体、α−トルイル酸誘導体、ヒドロアトロパ酸誘導体、アトロパ酸誘導体、ヒドロケイ皮酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジフェン酸誘導体、サリチル酸誘導体、アニス酸誘導体、o−ピロカテク酸誘導体、β−レソルシル酸誘導体、ゲンチジン酸誘導体、γ−レソルシル酸誘導体、プロトカテク酸誘導体、α−レソルシル酸誘導体、バニリン酸誘導体、イソバニリン酸誘導体、o−ベラトルム酸誘導体、ベラトルム酸誘導体、ピペロニル酸誘導体、没食子酸誘導体、マンデル酸誘導体、ベンジル酸誘導体、アトロラクチン酸誘導体、トロパ酸誘導体、アトログリセリン酸誘導体、ホモフタル酸誘導体、ホモイソフタル酸誘導体、ホモテレフタル酸誘導体、ホモゲンチジン酸誘導体、フタロン酸誘導体、イソフタロン酸誘導体、テレフタロン酸誘導体、ウンベル酸誘導体、カフェー酸誘導体、フェルラ酸誘導体、イソフェルラ酸誘導体、アントラニル酸誘導体、イサチン酸誘導体、イサトイン酸誘導体、馬尿酸誘導体、フェニルアラニン誘導体、チロシン誘導体、チロニン誘導体、ドーパ誘導体、キヌレニン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0090】
また、アニリン系の結合単位(L)としては、アニリン誘導体、トルイジン誘導体、キシリジン誘導体、アニシジン誘導体、フェネチジン誘導体、メシジン誘導体、クミジン誘導体、ベンジジン誘導体、セミジン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0091】
また、フェノール系の結合単位(L)としては、フェノール誘導体、フェノキシド誘導体、アニソール誘導体、フェネトール誘導体、クレゾール誘導体、キシレノール誘導体、チモール誘導体、カルバクロール誘導体、ピロカテコール誘導体、カテコール誘導体、レソルシノール誘導体、レゾルシン誘導体、ヒドロキノン誘導体、ピロガロール誘導体、フロログルシノール誘導体、オルシノール誘導体、メシトール誘導体、グアイアコール誘導体、ベラトロール誘導体、セサモール誘導体、オイゲノール誘導体、イソオイゲノール誘導体、アネトール誘導体、サフロール誘導体、イソサフロール誘導体、ビスフェノールA誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0092】
また、アルコール系の結合単位(L)としては、ベンジルアルコール誘導体、フェネチルアルコール誘導体、ヒドロシンナミルアルコール誘導体、シンナミルアルコール誘導体、サリチルアルコール誘導体、アニシルアルコール誘導体、バニリルアルコール誘導体、ベラトリルアルコール誘導体、ピペロニルアルコール誘導体、ベンズヒドロール誘導体、トリチルアルコール誘導体、ヒドロベンゾイン誘導体、ベンゾピナコール誘導体、フタリルアルコール誘導体、イソフタリルアルコール誘導体、テレフタリルアルコール誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0093】
また、ベンゼン系の結合単位(L)としては、ベンゼン誘導体、トルエン誘導体、キシレン誘導体、スチレン誘導体、クメン誘導体、ヘミメリテン誘導体、プソイドクメン誘導体、メシチレン誘導体、シメン誘導体、プレーニテン誘導体、イソジュレン誘導体、ジュレン誘導体、スチルベン誘導体、トラン誘導体、トリタン誘導体、リグナン誘導体、3,3’−ネオリグナン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0094】
また、その他縮合環系の結合単位(L)としては、ピコリン酸アミド誘導体、しゅう酸誘導体、2−ピリジンアルドオキシム誘導体、フラーレン誘導体、6H−1,2,5−チアジアジン誘導体、シクロトリシラザ−1,3,5−トリエン誘導体、1H−2−アザ−1−シラインデン誘導体、1H,1’H−2,2’−スピロビ[ナフタレン]誘導体、1,1’−スピロビ[インデン]誘導体、1H,1’H−2,4’−スピロビ[キノリン]誘導体、1,1’−スピロビ[インデン]誘導体、1,2’−スピロビ[インデン]誘導体、N−メチル−サリチルアルジミン誘導体、フロ[3’,2’:5,6]ピラノ[4,3−b]ピロール誘導体、1H−ピリド[3,2−b]ピリド[2’,3’:4,5]フロ[3,2−e][1,4]ジアゼピン誘導体、1H−ベンゾ[3,4]アズレノ[5,6]オキシレン誘導体、1H−ベンゾ[3,4]アズレノ[5,6−b]オキシレン誘導体、トリベンゾ[3,4:5,6:7,8]シクロオクタ[1,2−b]ピリジン、ジチエノ[2’,3’:3,4;3’’,2’’:6,7]シクロヘプタ[1,2−d]イミダゾール誘導体、ジチエノ[2’,3’:3,4;3’’,2’’:6,7]シクロヘプタ[1,2−d]イミダゾール誘導体、1H,8H−ビスシクロペンタ[5,6][1,2,4]オキサジアジノ[4,3−a:3’,4’−c]キノキサリン、2H−ピラノ[3’’,2’’:4’,5’]フロ[3’,2’:6,7]アズレノ[2,1−c]ピリジン誘導体、1H,8H−ビス(シクロペンタ[5,6][1,2,4]オキサジアジノ)[4,3−a:3’,4’−c]キノキサリン誘導体、1H−[9]アンヌレン誘導体、ベンゾ[8]アンヌレン誘導体、シクロブタ[1,2:3,4]ジ[5]アンヌレン誘導体、1,2,4,5−テトラヒドロジシクロブタ[a,d]ベンゼン誘導体、9,10−[1,2]エピシクロブタアントラセン誘導体、3H,1’’H−ジスピロ[1−ベンゾフラン−2,2’−[1,3]ジチオラン−4’,2’’−キノリン]誘導体、スピロ[シクロペンタ−2−エン−1,1’−インデン]誘導体、スピロ[フルオレン−9,2’−[3]チアビシクロ[2.2.2]オクタ[5]エン]誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0095】
本発明において、好ましい結合単位(L)は、少なくとも一部が窒素を含む複素環で構成され、上述した式5〜式11の化学式が挙げられる。
【0096】
特に、下記の式17〜式30に示す複素環を結合単位(L)とする高分子化合物が好ましく用いられる。
【0097】
【化33】
Figure 2004319305
【0098】
【化34】
Figure 2004319305
【0099】
【化35】
Figure 2004319305
【0100】
【化36】
Figure 2004319305
【0101】
【化37】
Figure 2004319305
【0102】
【化38】
Figure 2004319305
【0103】
【化39】
Figure 2004319305
【0104】
【化40】
Figure 2004319305
【0105】
【化41】
Figure 2004319305
【0106】
【化42】
Figure 2004319305
【0107】
【化43】
Figure 2004319305
【0108】
【化44】
Figure 2004319305
【0109】
【化45】
Figure 2004319305
【0110】
【化46】
Figure 2004319305
【0111】
なお、式17〜式30の各結合単位(L)は、1,10−フェナントロリン誘導体(式17)、ベンゾ[h]キノリン誘導体(式18)、2,2‘−ビピリジン誘導体(式19)、2−フェニルピリジン誘導体(式20)、ピリミジン誘導体(式21)、ピラジン誘導体(式22)、2−(2−ピリジル)ピリミジン誘導体(式23)、ピリジン誘導体(式24)、1,3−ビピリジン誘導体(式25)、キノリン誘導体(式26)、1,5−ナフチリジン誘導体(式27)、キノキサリン誘導体(式28)、ピラジノ[2,3−g]キノキサリン誘導体(式29)、アクリジン誘導体(式30)、で表される各種誘導体である。
【0112】
上述した式5〜式30の化学式および本願記載の結合単位(L,CT,Ar)において、それぞれのRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。上記の例において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよいし、異なる基であってもよく、それぞれ独立に選択される。
【0113】
アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
【0114】
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0115】
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0116】
アルキルシリル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜60程度であり、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、プロピルシリル基、i−プロピルシリル基、ブチルシリル基、i−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、シクロヘキシルシリル基、ヘプチルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、ノニルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ラウリルシリル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基が好ましい。
【0117】
アルキルアミノ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアルキルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度であり、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基などが挙げられ、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。
【0118】
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
【0119】
アリールオキシ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
【0120】
アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
【0121】
アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0122】
アリールアミノ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基などが例示され、C〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ましい。
【0123】
1価の複素環化合物基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0124】
Rの例のうち、アルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐枝付きまたは環状のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。
【0125】
(結合単位:CT)
次に、電荷輸送特性を有する結合単位(CT)について説明する。結合単位(CT)は、正孔注入機能又は電子吸引機能を有する結合単位であり、高分子化合物の構造内において電子受容性の化合物として作用する。この結合単位(CT)を有する高分子化合物は、電荷輸送特性をより一層向上させることができる。その結果、高発光効率で信頼性の優れた有機層とすることができる。
【0126】
正孔注入機能又は電子吸引機能を有する結合単位(L)としては、例えば以下の化合物が挙げられるが、その化合物に限定されない。また、これら結合単位(CT)は、異なる種類の複数の化合物で構成されていてもよく、化合物どうしを結合させて一つの化合物としたものでもよい。
【0127】
電荷輸送特性を有する結合単位(CT)をなす電子受容性の化合物としては、窒素を含む共役分子、ベンゾチアゾール誘導体やオキサチアゾール誘導体などの複素環分子、ペリレン誘導体やナフタルイミド誘導体などのイミド類、ピレン誘導体などの炭化水素系の共役分子、キノン誘導体やフルオレノン誘導体などのケトン類、スルホキシド誘導体などの硫黄系分子、テトラシアノキノジメタンのような電荷移動錯体、さらにはフッ素化デンドリマ−の誘導体、シアノ系のポリパラフェニレンの誘導体などが挙げられるが、本発明はこれら電子受容性の化合物に限られない。
【0128】
結合単位(CT)である化合物としては、ビス(ジ(P−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン誘導体、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4’−ジアミン誘導体、N,N’−ビフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4’−ジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンゼン誘導体、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン誘導体(α−NPD誘導体、N,N’−Di(naphtalen−2−yl)−N,N’−diphenyl−benzidine誘導体)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン誘導体、N,N’−ビス(フェナントリン−9−イル)−N,N’−ビス−フェニル−ベンジジン誘導体、N,N,N,N−テトラキス(ナフト−2−イル)−ベンジジン誘導体、N,N’−ビス−(フェニル)−N,N’−ビス−(4−トリフェニルメチル−フェニル)−ベンジジン誘導体、N,N’−ジ(4−(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)−フェニル)−N,N’−ジ−(4−メチルフェニル)−ベンジジン誘導体、4,4’,4’’−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)トリフェニルアミン誘導体、4,4’,4’’−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)トリフェニルアミン誘導体、4,4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン誘導体、2−オキソ−2H−4−アザ−3−オキサフルオラセン誘導体、インドロ[1,2−b][2,6]ナフチリジン−5,11−ジオン誘導体、インドロ[1,2−b][2,7]ナフチリジン−5,11−ジオン誘導体、ピリド[3,2−b]カルバゾール−5,11(6H)−ジオン誘導体、チアナフテン 1,1−ジオキシド誘導体、4H−ピラン−4−オン誘導体、4H−チオピラン−4−オン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0129】
また、炭化水素2〜3環系の結合単位(CT)としては、ペンタレン誘導体、インデン誘導体、インダン誘導体、2,3−ジヒドロ−1H−インデン誘導体、ニンヒドリン誘導体、2,2−ジヒドロキシインダン−1,3−ジオン誘導体、ナフタレン誘導体、カダレン誘導体、4−イソプロピル−1,6−ジメチルナフタレン誘導体、オイダレン誘導体、7−イソプロピル−1−メチルナフタレン誘導体、ナフチル誘導体、1−ナフタレニル誘導体、2−ナフタレニル誘導体、ナフトール誘導体、ナフタレノ−ル誘導体、ナフトエ酸誘導体、1−ナフタレンカルボン酸誘導体、2−ナフタレンカルボン酸誘導体、ナフタル酸誘導体、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸誘導体、ナフトキノン誘導体、1,2−ナフタレジオン、1,4−ナフタレジオン、メナジオール誘導体、2−メチルナフタレン−1,4−ジオール誘導体、メナジオン誘導体、2−メチル−1,4−ナフトキノン誘導体、アセトナフトン誘導体、1−アセチルナフタレン、2−アセチルナフタレン、1−(1−ナフチル)エタン−1−オン誘導体、1−(2−ナフチル)エタン−1−オン誘導体、ナフチオン酸誘導体、4−アミノナフタレン−1−スルホン酸誘導体、テトラリン誘導体、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、デカリン誘導体、デカヒドロナフタレン誘導体、アズレン誘導体、カマズレン誘導体、7−エチル−1,4−ジメチルアズレン誘導体、グアイアズレン誘導体、7−イソプロピル−1,4−ジメチルアズレン誘導体、ヘプタレン誘導体、as−インダセン誘導体、as−ヒドロインダセン誘導体、1,2,3,6,7,8−ヘキサヒドロ−as−インダセン誘導体、s−インダセン誘導体、s−ヒドロインダセン誘導体、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン誘導体、ビフェニレン誘導体、アセナフチレン誘導体、アセナフテン誘導体、1,2−ジヒドロアセナフテン誘導体、アセナフトキノン誘導体、アセナフテン−1,2−ジオン誘導体、フェナレン誘導体、ペリナフテノン誘導体、1H−フェナレン−1−オン誘導体、フェナントレン誘導体、フェナントリル誘導体、フェナントレニル誘導体、フェナントロール誘導体、フェナントレノ−ル誘導体、フェナントロン誘導体、フェナントレン−9(10H)−オン誘導体、フェナントラキノン誘導体、フェナントレン−9,10−ジオン誘導体、レテン誘導体、7−イソプロピル−1−メチルフェナントレン誘導体、アントラセン誘導体、アントリル誘導体、アントラセニル誘導体、アントロール誘導体、アントラセノール誘導体、アントロン誘導体、アントラセン−9(10H)−オン誘導体、アントラキノン誘導体、アントラセン−9,10−ジオン誘導体、アリザリン誘導体、1,2−ジヒドロキシアントラキノン誘導体、キニザリン誘導体、1,4−ジヒドロキシアントラキノン誘導体、アントラルフィン誘導体、1,5−ジヒドロキシアントラキノン誘導体、アントラガロール誘導体、1,2,3−トリヒドロキシアントラキノン、プルプリン誘導体、1,2,4−トリヒドロキシアントラキノン誘導体、キナリザリン誘導体、1,2,5,8−テトラヒドロキシアントラキノン誘導体、ビフェニル誘導体、4−(ジフェニルアミノ)−4’−ニトロスチルベン誘導体(DPANS誘導体)、N,N−ジ−(2−ヒドロキシエチル)トリシアノビニルベンゼンアミン誘導体(TCVDEA誘導体)、4−トリシアノビニル−4’−[2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピル]−トリフェニルアミン誘導体(TCVDPA−1誘導体)、4−トリシアノビニル−4’−(2,3−ジヒドロキシプロキシ)−トリフェニルアミン誘導体(TCVDPA−2誘導体)、4,4’−ジヒドロキシ−4’’−ニトロフェニルアミン誘導体(NTPA誘導体)、4,4’−ジヒドロキシ−4’’−シアノトリフェニルアミン誘導体、N−フェニル−3−[(4−シアノ−1−ナフチル)メチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、p−アミノ−N−フェニル−3−[(4−シアノ−1−ナフチル)メチル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体、ジフェニルアミノ−p−トリシアノビニリデンベンゼン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0130】
また、炭化4、5環系の結合単位(CT)としては、トリンデン誘導体、シクロペンタ[e]−as−インダセン誘導体、トリンダン誘導体、2,3,4,5,6,7,8,9−オクタヒドロ−1H−トリンデン誘導体、フルオランテン誘導体、アセフェナントリレン誘導体、アセフェナントレン誘導体、4,5−ジヒドロアセフェナントリレン誘導体、アセアントリレン誘導体、有機カルコゲン化合物の誘導体、アセアントレン誘導体、1,2−ジヒドロアセアントリレン誘導体、トリフェニレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、テトラフェン誘導体、ベンズ[a]アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ルブレン誘導体、5,6,11,12−テトラフェニルテトラセン誘導体、プレイアデン誘導体、コラントレン誘導体、1,2−ジヒドロシクロペンタ[ij]テトラフェン誘導体、ピセン誘導体、ペリレン誘導体、ペンタフェン誘導体、ペンタセン誘導体、テトラフェニレン誘導体、フルオロベンゼン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0131】
また、炭化6〜10環系の結合単位(CT)としては、ヘキサヘリセン誘導体、フェナントロ[3,4−c]フェナントレン誘導体、ヘキサフェン誘導体、ヘキサセン誘導体、ルビセン誘導体、コロネン誘導体、トリナフチレン誘導体、ヘプタフェン誘導体、ヘプタセン誘導体、ピラントレン誘導体、ビオラントレン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントレン誘導体、イソビオラントロン誘導体、オバレン誘導体、ビオラントレン−5,10−ジオン誘導体、イソビオラントレン−9,18−ジオン誘導体、1,1’:1’,3’’−テルフェニル誘導体、5,5’−ビ(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン)誘導体、アセン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0132】
また、含酸素多環系の結合単位(CT)としては、イソベンゾフラン誘導体、2−ベンゾフラン誘導体、フタラン誘導体、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン誘導体、フタリド誘導体、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−オン誘導体、無水フタル酸誘導体、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン誘導体、ベンゾフラン誘導体、1−ベンゾフラン誘導体、クマロン誘導体、クマラン誘導体、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン誘導体、クマリル酸誘導体、1−ベンゾフラン−2−カルボン酸誘導体、イソクロメン誘導体、1H−2−ベンゾピラン誘導体、イソクロマン誘導体、イソクロマン誘導体、3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン誘導体、イソクマリン誘導体、1H−イソクロメン−1−オン誘導体、ホモフタル酸無水物誘導体、イソクロマン−1,3−ジオン誘導体、イソクロメニリウム誘導体、2−ベンゾピリリウム誘導体、クロメン誘導体、2H−1−ベンゾピラン誘導体、クロマン誘導体、クロマン誘導体、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン誘導体、クマリン誘導体、2H−クロメン−2−オン誘導体、ウンベリフェロン誘導体、7−ヒドロキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、エスクレチン誘導体、6,7−ジヒドロキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、スコポレチン誘導体、6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、スコパロン誘導体、6,7−ジメトキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、ダフネチン誘導体、7,8−ジヒドロキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、フラキセチン誘導体、7,8−ジヒドロキシ−6−メトキシ−2H−クロメン−2−オン誘導体、クロモン誘導体、4H−クロメン−4−オン誘導体、フラバン誘導体、2−フェニルクロメン誘導体、フラボン誘導体、2−フェニル−4H−クロメン−4−オン誘導体、フラボノール誘導体、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4H−クロメン−4−オン誘導体、イソフラバン誘導体、3−フェニルクロメン誘導体、イソフラボン誘導体、3−フェニル−4H−クロメン−4−オン誘導体、クロメニリウム誘導体、2−ベンゾピリリウム誘導体、フラビリウム誘導体、2−フェニルクロメニリウム誘導体、キサンテン誘導体、キサントヒドロール誘導体、9H−キサンテン−9−オール誘導体、キサントン誘導体、9H−キサンテン−9−オン誘導体、キサンチオン誘導体、9H−キサンテン−9−チオン誘導体、キサントキシム誘導体、9H−キサンテン−9−オンオキシム誘導体、フルオロン誘導体、3H−キサンテン−3−オン誘導体、フルオレセイン誘導体、2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸誘導体、キサンチリウム誘導体、オキサントレン誘導体、ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン誘導体、シネオール誘導体、ユーカリプトール誘導体、1,3,3−トリメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン誘導体、1,8−エポキシ−p−メタン誘導体、カンファン酸誘導体、4,7,7−トリメチル−3−オキソ−2−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0133】
また、含酸素系の結合単位(CT)としては、フラン誘導体、2−フラニル誘導体、3−フラニル誘導体、フラニル誘導体、フリル誘導体、フルフリル誘導体、2−フリルメチル誘導体、フルフリルアルコール誘導体、フラン−2−メタノール誘導体、フルフラール誘導体、フラン−2−カルボアルテヒド誘導体、フリル誘導体、ジ(フリル)エタンジオン誘導体、フロイン誘導体、1,2−ジ(2−フリル)−2−ヒドロキシエタン−1−オン誘導体、フロ酸誘導体、フランカルボン酸誘導体、フロイル誘導体、2−フランカルボン酸誘導体、3−フランカルボン酸誘導体、2−フランカルボニル誘導体、3−フランカルボニル誘導体、フリル酸誘導体、ジ(2−フリル)ヒドロキシ酢酸誘導体、γ−ブチロラクトン誘導体、テトラヒドロフラン−2−オン誘導体、γ−バレロラクトン誘導体、5−メトキシルテトラヒドロフラン−2−オン誘導体、無水コハク酸誘導体、テトラヒドロフラン−2,5−ジオン誘導体、無水マレイン酸誘導体、2,5−ジヒドロフラン−2,5−ジオン誘導体、ムスカリン誘導体、(2S,4R,5S)−4−ヒドロキシ−N,N,N,5−テトラメチルテトラヒドロフラン−2−メタナミニウム誘導体、フリリウム誘導体、2H−1λ4−フラン−1−イリウム誘導体、3H−1λ4−フラン−1−イリウム誘導体、ピラン誘導体、ピロン誘導体、2−ピラノン誘導体、4−ピラノン誘導体、有機カルコゲン化合物の誘導体、クマル酸誘導体、2−オキソ−2H−ピラン−5−カルボン酸誘導体、ピロメコン酸誘導体、3−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン誘導体、マルトール誘導体、3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オン誘導体、コウジ酸誘導体、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4H−ピラン−4−オン誘導体、コマン酸誘導体、4−オキソ−4H−ピラン−2−カルボン酸誘導体、ケリドン酸誘導体、4−オキソ−4H−ピラン−2,6−ジカルボン酸誘導体、メコン酸誘導体、3−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−ピラン−2,6−ジカルボン酸誘導体、δ−バレロラクトン誘導体、テトラヒドロピラン−2−オン誘導体、グルタル酸無水物誘導体、テトラヒドロピラン−2,6−ジオン誘導体、ピリリウム誘導体、エチレンオキシド誘導体、オキシラン誘導体、プロピレンオキシド誘導体、メトキシルオキシラン誘導体、スチレンオキシド誘導体、フェニルオキシラン誘導体、スチルベンオキシド誘導体、1,2−ジフェニルオキシラン誘導体、アレンオキシド誘導体、メチリデンオキシラン、グリシジル誘導体、オキシラニルメチル誘導体、グリシドール誘導体、オキシラニルメタノール誘導体、グリシド酸誘導体、オキシランカルボン酸誘導体、エピクロロヒドリン誘導体、(クロロメチル)オキシラン誘導体、エピブロモヒドリン誘導体、(ブロモメチル)オキシラン誘導体、エピシアノヒドリン誘導体、オキシラニルアセトニトリル誘導体、トリメチレンオキシド誘導体、オキセタン誘導体、ジケテン誘導体、4−メチリデンオキセタン−2−オン誘導体、パラアルデヒド誘導体、2,4,6−トリメチル−1,3,5−トリオキサン誘導体、シアメリド誘導体、1,3,5−トリオキサン−2,4,6−トリイミン誘導体、エキサルトリド誘導体、オキサシクロヘキサデカン−2−オン誘導体、ペンタデカノ−15−ラクトン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0134】
また、その他の結合単位(CT)としては、アンヌレン誘導体、シクロデセン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0135】
また、その他のベンゼン誘導体系の結合単位(CT)としては、ベンゾトリフルオリド誘導体、ベンゾトリクロリド誘導体、過安息香酸誘導体、アスピリン誘導体、チラミン誘導体、ドーパミン誘導体、アドレナリン誘導体、エピネフリン誘導体、ノルアドレナリン誘導体、ノルエピネフリン誘導体、カプサイシン誘導体、ジベンズアミド誘導体、トリベンズアミド誘導体、カルバニリド酸誘導体、カルバニリド誘導体、チオカルバニリド誘導体、ジチゾン誘導体、ピクリン酸誘導体、スチフニン酸誘導体、2,4,6−トリニトロベンゼン−1,3−ジオール、ピクラミン酸誘導体、2−アミノ−4,6−ジニトロフェノール誘導体、クペロン誘導体、オルタニル酸誘導体、メタニル酸誘導体、スルファニル酸誘導体、ホスファニル酸誘導体、アルサニル酸誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0136】
また、アルテヒド+ケトン系の結合単位(CT)としては、バニリン誘導体、イソバニリン誘導体、ピペロナール誘導体、ヘリオトロピン誘導体、アセトフェノン誘導体、プロピオフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、カルコン誘導体、ベンジル誘導体、ベンゾイン誘導体、デオキシベンゾイン誘導体、デスオキシベンゾイン誘導体、ベンゾピナコロン誘導体、クルクミン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0137】
また、カルボン酸系の結合単位(CT)としては、安息香酸誘導体、トルイル酸誘導体、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テレフタル酸誘導体、ヘミメリト酸誘導体、トリメリト酸誘導体、トリメシン酸誘導体、メロファン酸誘導体、プレーニト酸誘導体、ピロメリト酸誘導体、メリト酸誘導体、α−トルイル酸誘導体、ヒドロアトロパ酸誘導体、アトロパ酸誘導体、ヒドロケイ皮酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジフェン酸誘導体、サリチル酸誘導体、アニス酸誘導体、o−ピロカテク酸誘導体、β−レソルシル酸誘導体、ゲンチジン酸誘導体、γ−レソルシル酸誘導体、プロトカテク酸誘導体、α−レソルシル酸誘導体、バニリン酸誘導体、イソバニリン酸誘導体、o−ベラトルム酸誘導体、ベラトルム酸誘導体、ピペロニル酸誘導体、没食子酸誘導体、マンデル酸誘導体、ベンジル酸誘導体、アトロラクチン酸誘導体、トロパ酸誘導体、アトログリセリン酸誘導体、ホモフタル酸誘導体、ホモイソフタル酸誘導体、ホモテレフタル酸誘導体、ホモゲンチジン酸誘導体、フタロン酸誘導体、イソフタロン酸誘導体、テレフタロン酸誘導体、ウンベル酸誘導体、カフェー酸誘導体、フェルラ酸誘導体、イソフェルラ酸誘導体、アントラニル酸誘導体、イサチン酸誘導体、イサトイン酸誘導体、馬尿酸誘導体、フェニルアラニン誘導体、チロシン誘導体、チロニン誘導体、ドーパ誘導体、キヌレニン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0138】
また、アニリン系の結合単位(CT)としては、アニリン誘導体、トルイジン誘導体、キシリジン誘導体、アニシジン誘導体、フェネチジン誘導体、メシジン誘導体、クミジン誘導体、ベンジジン誘導体、セミジン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0139】
また、フェノール系の結合単位(CT)としては、フェノール誘導体、フェノキシド誘導体、アニソール誘導体、フェネトール誘導体、クレゾール誘導体、キシレノール誘導体、チモール誘導体、カルバクロール誘導体、ピロカテコール誘導体、カテコール誘導体、レソルシノール誘導体、レゾルシン誘導体、ヒドロキノン誘導体、ピロガロール誘導体、フロログルシノール誘導体、オルシノール誘導体、メシトール誘導体、グアイアコール誘導体、ベラトロール誘導体、セサモール誘導体、オイゲノール誘導体、イソオイゲノール誘導体、アネトール誘導体、サフロール誘導体、イソサフロール誘導体、ビスフェノールA誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0140】
また、アルコール系の結合単位(CT)としては、ベンジルアルコール誘導体、フェネチルアルコール誘導体、ヒドロシンナミルアルコール誘導体、シンナミルアルコール誘導体、サリチルアルコール誘導体、アニシルアルコール誘導体、バニリルアルコール誘導体、ベラトリルアルコール誘導体、ピペロニルアルコール誘導体、ベンズヒドロール誘導体、トリチルアルコール誘導体、ヒドロベンゾイン誘導体、ベンゾピナコール誘導体、フタリルアルコール誘導体、イソフタリルアルコール誘導体、テレフタリルアルコール誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0141】
また、ベンゼン系の結合単位(CT)としては、ベンゼン誘導体、トルエン誘導体、キシレン誘導体、スチレン誘導体、クメン誘導体、ヘミメリテン誘導体、プソイドクメン誘導体、メシチレン誘導体、シメン誘導体、プレーニテン誘導体、イソジュレン誘導体、ジュレン誘導体、スチルベン誘導体、トラン誘導体、トリタン誘導体、リグナン誘導体、3,3’−ネオリグナン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0142】
また、その他縮合環系の結合単位(CT)としては、ピコリン酸アミド誘導体、しゅう酸誘導体、2−ピリジンアルドオキシム誘導体、フラーレン誘導体、6H−1,2,5−チアジアジン誘導体、シクロトリシラザ−1,3,5−トリエン誘導体、1H−2−アザ−1−シラインデン誘導体、1H,1’H−2,2’−スピロビ[ナフタレン]誘導体、1,1’−スピロビ[インデン]誘導体、1H,1’H−2,4’−スピロビ[キノリン]誘導体、1,1’−スピロビ[インデン]誘導体、1,2’−スピロビ[インデン]誘導体、N−メチル−サリチルアルジミン誘導体、フロ[3’,2’:5,6]ピラノ[4,3−b]ピロール誘導体、1H−ピリド[3,2−b]ピリド[2’,3’:4,5]フロ[3,2−e][1,4]ジアゼピン誘導体、1H−ベンゾ[3,4]アズレノ[5,6]オキシレン誘導体、1H−ベンゾ[3,4]アズレノ[5,6−b]オキシレン誘導体、トリベンゾ[3,4:5,6:7,8]シクロオクタ[1,2−b]ピリジン、ジチエノ[2’,3’:3,4;3’’,2’’:6,7]シクロヘプタ[1,2−d]イミダゾール誘導体、ジチエノ[2’,3’:3,4;3’’,2’’:6,7]シクロヘプタ[1,2−d]イミダゾール誘導体、1H,8H−ビスシクロペンタ[5,6][1,2,4]オキサジアジノ[4,3−a:3’,4’−c]キノキサリン、2H−ピラノ[3’’,2’’:4’,5’]フロ[3’,2’:6,7]アズレノ[2,1−c]ピリジン誘導体、1H,8H−ビス(シクロペンタ[5,6][1,2,4]オキサジアジノ)[4,3−a:3’,4’−c]キノキサリン誘導体、1H−[9]アンヌレン誘導体、ベンゾ[8]アンヌレン誘導体、シクロブタ[1,2:3,4]ジ[5]アンヌレン誘導体、1,2,4,5−テトラヒドロジシクロブタ[a,d]ベンゼン誘導体、9,10−[1,2]エピシクロブタアントラセン誘導体、3H,1’’H−ジスピロ[1−ベンゾフラン−2,2’−[1,3]ジチオラン−4’,2’’−キノリン]誘導体、スピロ[シクロペンタ−2−エン−1,1’−インデン]誘導体、スピロ[フルオレン−9,2’−[3]チアビシクロ[2.2.2]オクタ[5]エン]誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0143】
また、キノン系の結合単位(CT)としては、1,3−インダンジオン誘導体、クリセン−5,6−キノン誘導体、トリニトロフルオレノン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0144】
また、CN系の結合単位(CT)としては、(インダン−1,3−ジイリデン)ジマロノニトリル誘導体、2−フロニトリル誘導体、2−(フラニルメチレン)マロノニトリル誘導体、ジクロロジシアノ−p−ベンゾキノン誘導体、p−ブロマニル誘導体、p−ヨーダニル誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラトロン誘導体、インダントロン誘導体、ピロメリテックジアンハイドライド誘導体(PMDA誘導体)、テトラシアノ−p−キノジメタン誘導体(TCNQ誘導体)、テトラシアノエチレン誘導体(TCNE誘導体)、テトラシアノナフトキノジメタン誘導体、ジクロロジシアノ−p−ベンゾキノン誘導体、1,3,5−トリニトロベンゼン誘導体(TNB誘導体)、N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0145】
また、有機金属系の結合単位(CT)としては、フェニルリチウム誘導体、ジメチル水銀誘導体、ジメチル水銀誘導体、フェロセニウム誘導体、ビス[(1,2,3,3a,7a−η)−1−インデニル]鉄誘導体、ジクロロビス(η5−シクロペンタジエニル)チタン誘導体、テトラカルボニル[2−(フェニルアセチル)フェニル−C,O]マンガン誘導体、[エタン−1,2−ジイルビス(ジフェニルホスファン)−P,P’][N−メチルプロパンアミダト(2−)−C3,N]ニッケル誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0146】
また、元金属へテロ環系の結合単位(CT)としては、スチバントレン誘導体、フェノキサスチビニン誘導体、フェノキサンチモニン誘導体、フェノキサスチビニン誘導体、シラントレン誘導体、フェナザシリン誘導体、ボラジン誘導体、ボロキシン誘導体、ボルチイン誘導体、ボラントレン誘導体、メルクラントレン誘導体、フェノメルクリン誘導体、フェノメルクリン誘導体、フェノメルクラジン誘導体、フェノメルカジン誘導体、カテコールボラン誘導体、1,3,2−ベンゾジオキサボロール誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0147】
本発明において、結合単位(CT)としては、下記の式31〜式41の化学式が好ましく用いられる。下記式のうち、式31〜式37の結合単位(CT)は正孔注入分子であり、式38〜式41の結合単位(CT)は荷電吸引性の電子注入分子である。
【0148】
【化47】
Figure 2004319305
【0149】
【化48】
Figure 2004319305
【0150】
【化49】
Figure 2004319305
【0151】
【化50】
Figure 2004319305
【0152】
【化51】
Figure 2004319305
【0153】
【化52】
Figure 2004319305
【0154】
【化53】
Figure 2004319305
【0155】
【化54】
Figure 2004319305
【0156】
【化55】
Figure 2004319305
【0157】
【化56】
Figure 2004319305
【0158】
【化57】
Figure 2004319305
【0159】
なお、式31〜式37の各結合単位(CT)は、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン誘導体(α−NPD誘導体、N,N’−Di(naphthalen−2−yl)−N,N’−diphenyl−benzidine誘導体)(式31)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1−ジフェニル−4,4’−ジアミン誘導体(式32)、チオフェン誘導体(式33)、エチレンジオキシチオフェン誘導体(式34)、スチレンスルホン酸塩誘導体(式35、Mは任意の金属(イオンを含む)を表す)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1−ジフェニル−4,4’−ジアミン誘導体(式36)、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン誘導体(α−NPD誘導体、N,N’−Di(naphthalen−2−yl)−N,N’−diphenyl−benzidine誘導体)(式37)、で表される正孔注入分子の各種誘導体である。また、式38の各結合単位(CT)は、順に、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−メチレンシクロブット−2−エン−1−オン誘導体、(10−オキソ−9−アンスリジエン)メタン−1,1−ジカルボニトリル誘導体、2H−1−ベンゾピラン−2−オン誘導体、9,10−アントラキノン誘導体、4H−1−ベンゾピラン−4−オン誘導体、シクロペンタ−2,4−ジエン−1−オン誘導体であり、式39の結合単位(CT)は、左より順に、2,1,3−ベンゾチアゾール誘導体、2−プロパンニトリル誘導体、プロパンジニトリル誘導体、4−メチル−2−メチレン−5−ヒドロフラン−3−カルボニトリル誘導体であり、式40の結合単位(CT)は、ジベンゾ[b,d]チオール−5,5−ジオン誘導体(最も左側のもの)であり、式41の結合単位(CT)は、上段左から順に、テトラシアノキノジメタン誘導体、[10−(ジシアノメチレン)−9−アンスリリデン]メタン−1,1−ジカルボニトリル誘導体、1,4−ベンゼンジカルボニトリル誘導体、2−[6−(シアノエチリデン)トリシクロ[6.2.1.0.<2,7>]ウンデカ−2(7),4−ジエン−3−イリデン]プロパンニトリル誘導体であり、さらに下段左から順に、フルオレン−9−イリデンメタン−1,1−ジカルボニトリル誘導体、[7−(ジシアノメチレン)−2,5−ジメチル−3−ヒドロインデン−4−イリデン]メタン−1,1−ジカルボニトリル誘導体、[8−(ジシアノメチレン)−2,6−ジメチル−1,5−ジヒドロス−インダセン−4−イリデン]メタン−1,1−ジカルボニトリル誘導体、で表される電子注入分子の各種誘導体である。
【0160】
上述した式31〜式41の化学式において、それぞれのRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。上記の例において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよいし、異なる基であってもよく、それぞれ独立に選択される。また、各種の基の詳細は、上述した結合単位(L)において説明したとおりである。
【0161】
(結合単位:Ar)
次に、溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)について説明する。結合単位(Ar)は、溶媒溶解機能を有する結合単位であり、高分子化合物の構造内において溶媒溶解性の化合物基として作用する。この結合単位(Ar)を有する高分子化合物は、優れた溶媒溶解性を示すので、有機層を厚く形成することができ、ムラをなくして信頼性をより一層向上させることができる。
【0162】
一般的な主鎖型高分子化合物は溶解性に乏しいが、この高分子化合物は、長鎖のアルケンを導入しているので、共役結合をつなげたまま主鎖に屈曲性を持たせることができ、さらに導電性を低下させることなく溶解性を付与することを可能としている。
【0163】
溶媒については上述したとおりであり、溶媒溶解性を有する結合単位(Ar)としては、例えば以下の化合物が挙げられるが、その化合物に限定されない。また、これら結合単位(Ar)は、異なる種類の複数の化合物で構成されていてもよく、化合物どうしを結合させて一つの化合物としたものでもよい。なお、この溶媒溶解性の結合単位(Ar)は、溶解性の高い化合物基であるが、電子吸引性の機能を有していてもよい。
【0164】
溶媒溶解性の結合単位(Ar)としては、例えば、β,β’−ビス(ベンゾイル)ジビニルベンゼン誘導体、1,9−ビス(アリ−ル)−1,3,6,8−ノナテトラエン−5−オン系ポリアリ−ルアルキルポリエノン誘導体、2,6−ビス(シンナミリデン系)シクロヘキサン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ビスカルコン誘導体、ヒドロキシカルコンを含めたカルコン誘導体、スチルベン誘導体、スチレン誘導体、1−アリ−ルプロペニル誘導体、クマリン誘導体、ベンジリデンシクロヘキサノン誘導体、1,5−ジアリ−ル−1,4−ペンタジエン−3−オン誘導体、2,6−ビス(ベンジリデン)シクロヘキサノン誘導体、ナフトキノン誘導体、ポリアセチレン誘導体、2−シンナミリデン系シクロヘキサノン誘導体、1,9−ビス(アリール)−1,3,6,8−ノナテトラエン−5−オン系ポリアリールアルキルポリエノン誘導体、ポリエノンアルキレン誘導体、マレイミド誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0165】
また、架橋炭素環(非縮合架橋環)系の結合単位(Ar)としては、アダマンタン誘導体、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン誘導体、アダマンチル誘導体、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル誘導体、アマンタジン誘導体、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アミン誘導体、ベンズバレン誘導体、トリシクロ[3.1.0.02,6]ヘクス−3−エン誘導体、バレレン誘導体、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2,5,7−トリエン誘導体、キュバン誘導体、ペンタシクロ[4.2.0.02,5.03,8.04,7]オクタン誘導体、デュワーベンゼン誘導体、ビシクロ[2.2.0]ヘキサ−2,5−ジエン誘導体、ノルボルナン誘導体、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体、ノルカラン誘導体、ビシクロ[4.1.0]ヘプタン誘導体、ノルピナン誘導体、ビシクロ[3.1.1]へプタン誘導体、プリズマン誘導体、テトラシクロ[2.2.0.02,6.03,5]ヘキサン誘導体、ステラン誘導体、トリシクロ[3.3.0.03,7]オクタン誘導体、テトラヘドラン誘導体、トリシクロ[1.1.0.02,4]ブタン誘導体、ツイスタン誘導体、トリシクロ[4.4.0.03,8]デカン誘導体、7,7’−ジアザ−2,2’−スピロビ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン]誘導体、5,6’−ジチア−2,2’−スピロビ[ビシクロ[2.2.2]オクタン]−7,7’−ジエン誘導体、6−オキサ−2,2’−スピロビ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン]−5’−エン誘導体、3H,3’H−1λ,1’−スピロビ[[2,1]ベンゾオキサチオール]誘導体、1,3’−ジヒドロ−3H−1λ,1’−スピロビ[[2,1]ベンゾオキサホスホール]誘導体、(SPY−4−21)−2−フェニル−2,2’−スピロビ[[1,3,2]ベンゾジオキサシロール]−2−ウイド誘導体、2λ−スピロ[1,3,2−ベンゾジオキサチオール−2,2’−([1,2,3]ベンゾオキサジチオール)−2,5’’−ジベンゾ[b,d]チオフェン]誘導体、2λ−スピロ[ビス([1,3,2]ベンゾジオキサチオール)−2,2’:2,2’’−[1,2,3]ベンゾオキサジチオール]誘導体、2λ,2’,2’’−スピロテル[[1,3,2]ベンゾジオキサチオール]誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0166】
また、架橋縮合環系の結合単位(Ar)としては、ジシクロペンタジエン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−4,7−メタノインデン誘導体、トリプチセン誘導体、9,10−ジヒドロ−9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0167】
また、シクロアルカン誘導体系の結合単位(Ar)には、シクロプロパン誘導体、シクロブタン誘導体、シクロペンタン誘導体、シクロヘキサン誘導体、シクロヘプタン誘導体等がある。
【0168】
シクロプロパン誘導体系の結合単位(Ar)としては、クリサンテモール誘導体、2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロップ−1−エン−1−イル)シクロプロパン−1−メタノール誘導体、菊酸誘導体、2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロップ−1−エン−1−イル)シクロプロパン−1−カルボン酸誘導体、カロン酸誘導体、3,3−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボン酸誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0169】
シクロブタン誘導体系の結合単位(Ar)としては、四角酸誘導体、3,4−ジヒドロキシシクロブット−3−エン−1,2−ジオン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0170】
シクロペンタン誘導体系の結合単位(Ar)としては、クロコン酸誘導体、4,5−ジヒドロキシシクロぺント−4−エン−1,2,3−トリオン誘導体、フルベン誘導体、5−メチリデンシクロペンタ−1,3−ジエン誘導体、フルバレン誘導体、1,1’−ビ(シクロペンタ−2,4−ジエン−1−イリデン)誘導体、カリセン誘導体、5−(シクロプロップ−2−エン−1−イリジエン)シクロペンタ−1,3−ジエン誘導体、ショウノウ酸誘導体、シス−1,2,2−トリメチルシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸誘導体、ヒドノカルピルアルコール誘導体、シクロペント−2−エン−1−ウンデカノ−ル誘導体、ヒドノカルプス酸誘導体、シクロペント−2−エン−1−ウンデカン酸誘導体、チョールムーグリルアルコール誘導体、シクロペント−2−エン−1−トリデカノ−ル誘導体、チョールムーグラ酸誘導体、シクロペント−2−エン−1−トリデカン酸、2,2’−ビピペリジン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0171】
シクロヘキサン誘導体系の結合単位(Ar)としては、ベンザイン誘導体、シクロヘキサ−1,3−ジエン−5−イン誘導体、キノジメタン誘導体、3,6−ジメチリデンシクロヘキサ−1,4−ジエン誘導体、イソホロン誘導体、3,5,5−トリメチルシクロへキス−2−エン−1−オン誘導体、o−ベンゾキノン誘導体シクロヘキサ−3,5−ジエン−1,2−ジオン誘導体、p−ベンゾキノン誘導体、シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン誘導体、o−ベンゾキノン誘導体、トルキノン誘導体、2−メチル−p−ベンゾキノン誘導体、フロロン誘導体、2,5−ジメチル−p−ベンゾキノン誘導体、ジュロキノン誘導体、テトラメチル−p−ベンゾキノン誘導体、ブロマニル誘導体、テトラブロモ−p−ベンゾキノン誘導体、クロラニル誘導体、テトラクロロ−p−ベンゾキノン誘導体、クロラニル酸誘導体、2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン誘導体、ニトラニル酸誘導体、2,5−ジヒドロキシ−3,6−ジニトロ−p−ベンゾキノン誘導体、ロジゾン酸誘導体、5,6−ジヒドロキシシクロへキシ−5−エン−1,2,3,4−テトロン誘導体、トリキノイル誘導体、シクロヘキサンヘキソン誘導体、キナ酸誘導体、1L−1(OH),3,4/5−テトラヒドロキシシクロヘキサン−1−カルボン酸誘導体、シキミ酸誘導体、(3R,4S,5R)−3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシ−1−エン−1−カルボン酸誘導体、テトラシアノキノジメタン誘導体、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン誘導体、2,2’−(シクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジイリデン)ジマロノニトリル誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0172】
シクロヘプタン誘導体系の結合単位(Ar)としては、トロピリデン誘導体、シクロペンタ−1,3,5−トリエン誘導体、トロピリウム誘導体、シクロヘプタトリエニリウム誘導体、スベロン誘導体、シクロへプタノン誘導体、トロポン誘導体、シクロペンタ−2,4,6−トリエン−1−オン誘導体、トロポロン誘導体、2−ヒドロキシシクロへプタ−2,4,6−トリエン−1−オン誘導体、ムスコン誘導体、3−メチルシクロペンタデカン−1−オン誘導体、シベトン誘導体、シクロヘプタデック−9−エン−1−オン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0173】
また、スピロ系の結合単位(Ar)としては、1H−4,7−メタノインデン誘導体、スピロ[クロメン−2,2’−[1,3]ジオキソラン]誘導体、1,2−ジヒドロナフタレン−1−オン誘導体、2,3−ジヒドロピラジン−2−オン誘導体、ナフタレン−1,4−ジオン誘導体、1,2,3,4,4a,5−ヘキサヒドロナフタレン−4a−カルボン酸誘導体、4H−ピラン−4−オン誘導体、等の化合物を挙げることができる。
【0174】
また、イオン導電性化合物系の結合単位(Ar)としては、ポリエーテル誘導体、ポリエステル誘導体、ポリアミン誘導体、ポリスルフィド誘導体、ポリアルキレンスルフィド誘導体、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、ポリエチレンサクシネート誘導体、ポリ−β−プロピオラクトン誘導体、ポリエチレンイミン誘導体、ポリアルキレンスルフィド誘導体、ポリホスファゼン誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、ウレタン誘導体、ポリアルキレンオキシド−(CHO−(m=2以上10以下)、ポリエチレンイミン、等の化合物を挙げることができる。
【0175】
また、架橋系の結合単位(Ar)としては、オキサレート、モノチオオキサレート、ジチオオキサレート、トリチオオキサレート、テトラチオオキサレート、等の化合物を挙げることができる。
【0176】
また、電子注入材として使用される高分子化合物であって、電子受容性の機能を有する結合単位(CT)の少なくとも一部がアクセプターであり、例えばテトラシアノキノジメタン誘導体、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン誘導体、o−クロラニル誘導体、m−クロラニル誘導体、p−クロラニル誘導体、バソフェナントロリン誘導体に代表される窒素原子を有する共役系分子であることが好ましく、好適なエレクトロルミネセンス素子を構成できる。
【0177】
本発明において、結合単位(Ar)としては、下記の式42〜式56の化学式が好ましく用いられる。nは1以上の整数である。
【0178】
【化58】
Figure 2004319305
【0179】
【化59】
Figure 2004319305
【0180】
【化60】
Figure 2004319305
【0181】
【化61】
Figure 2004319305
【0182】
【化62】
Figure 2004319305
【0183】
【化63】
Figure 2004319305
【0184】
【化64】
Figure 2004319305
【0185】
なお、式42〜式56の各結合単位(Ar)は、β、β’−ビス(ベンゾイル)ジビニルベンゼン誘導体{(2E)―3―[3−((1E)−3−フェニルプロップ−1−エニル)フェニル]−1−フェニルプロップ−2−エン−1−オン誘導体ともいう}(式42)、2−シンナミリデン系シクロヘキサン誘導体(式43)、1,9−ビス(アリ−ル)−1,3,6,8−ノナテトラエン−5−オン系ポリアリ−ルアルキルポリエノン誘導体(式44)、ポリエノンシクロアルキレン誘導体(式45)、ベンゾフェノン誘導体(式46)、ビスカルコン誘導体{(2E)−1−[3−((2E)−3−フェニルプロップ−2−エノイル)フェニル]−3−フェニルプロップ−2−エン−1−オン誘導体ともいう}(式47)、ヒドロキシカルコンを含めたカルコン誘導体{(2E)−1,3−ジフェニルプロップ−2−エン−1−オン誘導体ともいう}(式48)、エチレン誘導体(式49)、(Z)−スチルベン誘導体(式50)(式51)、ブタンジオン酸誘導体、ヘキサンジオン酸誘導体およびノナンジオン酸誘導体などを含むアルカン系ジオン酸誘導体(式52)、メトキシ(4−メチルフェノキシ)フェニルホスフィノ−1−オン誘導体(式53)、燐酸エステル誘導体(式54)、(3,5−ジメチルフェニル)フルオレノン−9−イルフェニルホスフィノ−1−オン誘導体(式55)、フッ素樹脂(式56)で表される各種誘導体である。また、nは1以上の整数である。
【0186】
上述した式42〜式56の化学式において、各Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。上記の例において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよいし、異なる基であってもよく、それぞれ独立に選択される。また、各種の基の詳細は、上述した結合単位(L)において説明したとおりである。また、nは1以上の整数である。
【0187】
(高分子化合物)
高分子化合物は、上述した各結合単位(L,CT,Ar)のうち少なくとも結合単位(L)を含む。そのため、例えばこの高分子化合物と上述した有機金属錯体とを有する有機層を形成した場合において、有機金属錯体を構成する配位子が分解により離脱したとき、その有機金属錯体を構成していた金属は、離脱した配位子の代わりに配位子機能を有する結合単位(L)に結合して高分子錯体部を構成する。その高分子錯体部は、発光材料として引き続き機能するので、高い発光効率を維持することができるという極めて有益な効果がある。
【0188】
上述した各結合単位(L,CT,Ar)のうち少なくとも結合単位(L)を含む高分子化合物として、130℃〜400℃の範囲内のガラス転移温度を有するものを好ましく用いることができる。高分子化合物がその範囲のガラス転移温度を有することにより、エレクトロルミネッセンス素子の信頼性が向上する(寿命が長くなる)という利点がある。高分子化合物のガラス転移温度が130℃未満では、時間(1万時間〜6万時間)の素子駆動において時間とともに輝度が低下することがある。一方、高分子化合物のガラス転移温度が400℃を超えると、分子主鎖が剛直すぎるため溶解性が低下することがある。なお、ガラス転移温度Tgが180℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。
【0189】
高分子化合物のガラス転移温度は、示差走査熱測定装置(以後「DSC」と呼ぶ)で測定することができ、10℃/分の加温速度での転移開始温度で規定した。例えば、式57に示される高分子化合物のガラス転移温度は、昇温速度は10K/分で390℃であった。測定装置としては、NETZSCH社製のDSC 204 Phoenix/τ−Sensorを使用することができる。
【0190】
【化65】
Figure 2004319305
【0191】
エレクトロルミネセンス素子に用いられる通常の現行材料のガラス転移温度(以後「Tg」ト呼ぶ)は、緑で132℃、青で143℃、赤で123℃および177℃であるが、デバイスの信頼性の観点からもより高いガラス転移温度Tgの高分子化合物を用いることがより好ましい。また、温度履歴によりガラス転移温度Tgは変化することから、毎分10℃の昇温で150℃の温度履歴を2回かけたときでも、ガラス転移温度であるTgの差(Tgの低下幅)が20℃以内となる高分子化合物を用いることがより好ましい。そのガラス転移温度Tgの差については、10℃以内であることが好ましく、5℃以内であることがより好ましい。なお、高分子化合物のDSC測定において、65℃付近に残留溶媒または吸着水の影響と思われるピークが存在することがあるが、これらのピークがない方が好ましく、デバイス性能への悪影響を抑制できる。そのピークを存在させないために、溶剤や水を吸着しやすいフルオレンを使用しないことが好ましい。なぜならこれらビークはポリフルオレンであるADS129BEにおいても存在するためである。
【0192】
また、高分子化合物の分解温度については、180℃〜450℃であることが好ましい。各高分子化合物の分解温度は、示差熱/熱重量同時測定装置(以後TG−DTAと呼ぶ)より測定され、10℃/分の加温速度においてTG−DTAで温度到達時の重量減少が5%以上となる温度で規定した。高分子化合物がその範囲の分解温度を有することにより、エレクトロルミネッセンス素子の信頼性が向上し(寿命が長くなり)、プロセスウィンドウ(プロセスマージン)が広がり生産性が向上するという利点がある。高分子化合物の分解温度が180℃未満ではエレクトロルミネッセンス素子の信頼性が低下し(寿命が短くなり)、プロセスウィンドウ(プロセスマージン)が狭いため生産性が落ちることがある。一方、高分子化合物の分解温度が450℃を超えると分子が剛直すぎるため溶解性が低下することがある。
【0193】
高分子化合物の分解温度は、示差熱/熱重量同時測定装置(以後TG−DTAと呼ぶ)で測定することができる。例えば、式57に示される高分子化合物の分解温度は、390℃であった。測定装置としては、例えば株式会社リガク社製のTG−8120を使用することができる。
【0194】
また、高分子化合物の重量平均分子量は、10〜10であることが好ましい。各高分子化合物がその範囲の重量平均分子量を有することにより、耐熱性が向上し、並進対称性が長くなり、エレクトロルミネッセンス素子として輝度や信頼性が向上するという利点がある。高分子化合物の重量平均分子量が10未満では耐熱性が低下し、並進対称性が短くなり、エレクトロルミネッセンス素子として輝度や信頼性が低下することがある。一方、高分子化合物の重量平均分子量が10を超えると、合成することが困難となることがある。なお、高分子化合物の重量平均分子量は、1万〜50万であることがより好ましく、10万〜30万であることが更に好ましい。
【0195】
この重量平均分子量は、有機層をテトラヒドロフランで溶解し、その溶液を、エバポレータなどで析出しない程度まで濃縮し、または、テトラヒドロフランで稀釈して測定用溶液(展開液)とする。その後、その測定用溶液をGPC(Gel permeation chromatography)に供した。溶媒はテトラヒドロフランであり、測定装置の一例としては高速GPC装置であるHLC−8020(東ソー株式会社製)、示差屈折計検出器であるRI−8020(東ソー株式会社製)、紫外可視検出器であるUV−8020(東ソー株式会社製)、オートサンプラーであるAS−48(東洋曹達工業株式会社)、送液ポンプ、カラムとしてTSKgelG5000HXL、TSKgelG3000HXL、TSKgelG2000HXL、TSKgelG2000HXLを使用する。また、単分散ポリスチレンの分子量により分子量と保持時間との間で検量線を作製し、本発明における高分子化合物の重量平均分子量として換算する。例えば、実施例1の式60における高分子化合物の重量平均分子量は2.7万であった。
【0196】
また、高分子化合物は、190nm〜600nmの紫外・可視吸収スペクトルの波長領域に、配位子機能を有する結合単位の吸収ピークから長波長側に10nm〜200nmの差がある少なくとも一つの吸収ピークを持つことが好ましい。高分子化合物がその波長領域内で配位子機能を有する結合単位の吸収ピークから長波長側に10nm〜200nmの差がある少なくとも一つの吸収ピークを持つことにより、通常、配位子分子内に留まっている電子が電子吸引性の分子により引き出されることで配位子からの共役系が広がり、逆に、電子吸引した電子が配位子分子に供給されることで導電性の高分子化合物の抵抗が低下して、有機金属錯体の発光輝度および発光効率が向上するという利点がある。その吸収ピークの差が10nm未満では、電子が十分に配位子に供給されず、有機金属錯体の発光輝度および発光効率が低下し、導電性の高分子化合物の抵抗が高い状態になることがある。一方、高分子化合物の吸収ピークの差が200nmを超えると吸収領域が可視領域となり、発光輝度を低減させることがある。なお、190nm〜600nmの波長領域に、配位子機能を有する結合単位の吸収ピークから長波長側に50nm〜200nmの差がある少なくとも一つの吸収帯を持つ高分子化合物がより好ましく、190nm〜600nmの波長領域に、配位子機能を有する結合単位の吸収ピークから長波長側に100nm〜200nmの差がある少なくとも一つの吸収帯を持つ高分子化合物が更に好ましい。本発明で用いられる高分子化合物は、隣接する分子に共役系の強力な電子吸引分子を有することとなるので、エネルギーダイアグラムにおいて電子の安定状態が二つの鞍を持つことになり、吸光度において極大吸収が二つに分裂することとなる。この場合は大小二つの吸収が生じる場合が多い。この極大吸収の差が大きいほど電子が共役系において非局在化しているといえるので、導電性をより向上させることができる。
また、吸光度を測定する際においては、パネルをアセトニトリル等の溶媒で溶解させたものをそのまま測定試料として使用するが、溶解させた後に乾燥させ、異なる溶媒を測定時に使用しても良い。また、不純物等が混入する場合には分離、精製しても良い。分離、精製方法としては、例えばクロマトグラフィーによる分離、精製方法などが挙げられる。
【0197】
高分子化合物の吸収特性は、可視・紫外吸光度測定で行うことができ、例えば式57に示される高分子化合物は、380nmおよび440nm付近に2つの吸収ピークが見られる。これは、CT電荷吸引性の分子を隣接させたためと考えられる。可視・紫外吸光度測定装置は、島津製作所製のUV−3100等が使用できる。
【0198】
本発明で使用する高分子化合物は、イオン化ポテンシャルIpの絶対値が5.7eV以下、電子親和力Eaの絶対値が3.0eV以上、エネルギーギャップEgが2.7eV以上である。好ましくは、イオン化ポテンシャルIpの絶対値が6.0eV以下、電子親和力Eaの絶対値が1.8eV以上、エネルギーギャップEgが3.2eV以上である。さらに好ましくは、イオン化ポテンシャルIpの絶対値が6.2eV以下、電子親和力Eaの絶対値が1.8eV以上、エネルギーギャップEgが3.4eV以上である。電子親和力Eaが上記範囲にあることにより、電子注入が良いという効果がある。イオン化ポテンシャルIpおよびエネルギーギャップEgが上記範囲内にあることにより、電子と正孔が再結合しにくいという効果がある。
【0199】
なお、エネルギーギャップEgは、イオン化ポテンシャルIpから電子親和力Eaを差し引いた値(Eg=Ip−Ea)である。イオン化ポテンシャルIpは、いわゆるHOMO(Highest Occupied MolecularOrbital)とほぼ同じ値であり、その測定方法としては、測定装置AC−1(理研計器社製)を使用する方法や、吸収スペクトル、紫外光電子分光(UPS)、光電子分光などにより測定する方法がある。また、電子親和力Eaは、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)とほぼ同じ値であり、測定方法としては、逆光電子分光、吸収スペクトルなどによる測定方法がある。
【0200】
本発明においては、上述した式13〜式15で表される結合単位を少なくとも1種類以上、主鎖内に含む高分子化合物を好ましい例として挙げることができる。この式中における各Rの詳細については、式5〜式11におけるものと同様であるのでここでは省略する。
【0201】
こうした高分子化合物の物性や構造解析は、各種の分析機器、例えばガスクロマトグラフ質量分析計(以後GC−MSと呼ぶ)、赤外分光測定装置(以後IRと呼ぶ)、核磁気共鳴測定装置(以後NMRと呼ぶ)により、高分子化合物の分子情報を確認することができる。
【0202】
例えば、実施例1の式60で示される高分子化合物の場合には、GC−MS(GC−17(株式会社島津製作所製)、GCMS−QP5000(株式会社島津製作所製)及びJHS−100A(HEAD SPACE DEVICE JHS−100、日本分析工業株式会社製))において、測定用の試料を熱分解させ、その分子を質量分析することにより、4,7−ジフェニル−1,10‐フェナントロリン分子に対応する質量数のピークを検出することができる。すなわち、4,7−ジフェニル−1,10‐フェナントロリンであれば質量数180付近にピークを検出できる。また、式67で示される高分子化合物の場合にはピリジンなどの配位子は、質量数79付近にピークを持つので、そのピークが検出されることにより同定できる。また、4,7−ジフェニル−1,10‐フェナントロリンの場合には、元素分析で検出される窒素の含有量は約14%であった。
【0203】
また、赤外分光測定においては、実施例1の式60で示される高分子化合物の吸収ピークが1553cm−1、1487cm−1および1411cm−1付近に観察されるので、その吸収ピークから同定することができる。測定装置としては、Spectra‐Tech社製の走査型赤外顕微鏡IRμsTM/SIRM、走査型赤外顕微システムまたは日本分光株式会社製FT/IR610及びDurascopeを使用することができる。
【0204】
(エレクトロルミネセンス素子)
本発明のエレクトロルミネセンス素子は、陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するものであり、その有機層のうち少なくとも1層が、上述した結合単位(L,CT,Ar)のうち配位子機能を有する結合単位(L)を少なくとも含む高分子化合物と、その高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することに特徴がある。
【0205】
このエレクトロルミネッセンス素子は、図1に示すように、基板上に陽極/正孔注入層/発光層兼電子注入層/陰極を順次形成した構造としたり、図2に示すように、基板上に陽極/正孔注入層兼発光層/電子注入層/陰極を順次形成した構造としたり、または、図3に示すように、基板上に陽極/正孔注入層兼発光層兼電子注入層/陰極を順次形成した構造とすることができる。また、電子注入層を濃度の傾斜勾配を持つ多層構造としてもよい。また、(陽極/正孔注入層/発光層兼電子注入層/陰極)からなる多層構造(nは1以上の整数)、または(陽極/正孔注入層兼発光層/電子注入層/陰極)からなる繰り返しの多層構造(nは1以上の整数)を持つエレクトロルミネッセンス素子とすることも可能である。
【0206】
本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を有し、その発光層が本発明の高分子化合物を用いてなることを特徴とする。また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を有し、その発光層が本発明の高分子化合物を含む溶液の塗布工程を有する方法により形成されることを特徴とする。こうした本発明のエレクトロルミネッセンス素子としては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けたエレクトロルミネッセンス素子、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けたエレクトロルミネッセンス素子、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けかつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けたエレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。
【0207】
本発明のエレクトロルミネセンス素子としては、例えば、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
【0208】
ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0209】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
【0210】
さらに、電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。また、通常の素子構成として、具体的には上述したa)〜d)および以下のe)〜p)の構造が例示される。
【0211】
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けたエレクトロルミネッセンス素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けたエレクトロルミネッセンス素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けたエレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。例えば、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0212】
電荷注入層の具体的な例としては、導電性の高分子化合物を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャル(Ip)を有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力(Ea)を有する材料を含む層などが例示される。
【0213】
上記電荷注入層が導電性の高分子化合物を含む層の場合、該導電性の高分子化合物の抵抗率は、印加電界2×10V/cmにおいて10Ω・cm以上10Ω・cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10Ω・cm以上10Ω・cm以下がより好ましく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下がさらに好ましい。一般的な方法として該導電性の高分子化合物の電気伝導度を10Ω・cm以上10Ω・cm以下とするために、該導電性の高分子化合物に適量のイオンをドープしてもよい。
【0214】
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
【0215】
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0216】
膜厚2nm以下の絶縁層は、電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けたエレクトロルミネッセンス素子としては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けたエレクトロルミネッセンス素子、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けたエレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。
【0217】
例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
【0218】
上記の正孔注入層、正孔注入層兼発光層、電子注入層、または正孔注入層兼発光層兼電子注入層の膜厚としては、1nm〜10μm、好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0219】
なお、これらの層構造の解析は、例えば集束イオンビーム加工装置(FIB:日立製作所製製、FB−2000)により有機層の断面薄膜を作製し、その断面薄膜を透過型電子顕微鏡(TEM−EDX:日立製作所製、H−8100)により観察し、さらにX線分析法により元素分析して金属元素を分析することにより行われる。また、TEMの代わりに、走査型電子顕微鏡(SEM:日立製作所製、S−5000H)で観察する等の方法で断面を確認することができる。
【0220】
基板としては、透明であることが好ましいが、その層構成により必ずしも透明なものでなくても良く、シリコン基板(p型やn型のシリコンウェハ)、ガラス基板(無アルカリガラス基板など)、プラスチック基板(ポリエステル、ポリアクリル、ポリエポキシ、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリサルホン、テフロン(登録商標)等)、金属(アルミニウムなど)、ガラス基板にナイロンやポリエチレンなどの高分子をコートした基板、乾燥した溶融石英基板、などの基板が挙げられるが、本発明ではこれらの基板に限られない。
【0221】
陽極としては、導電性の金属酸化物膜や金属薄膜などが用いられる。例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)などの導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケルなどの金属、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、これらの混合物または積層物などが挙げられる。特に、高導電性と透明性などの点からITOを好ましく用いることができる。
【0222】
有機層は、上述した結合単位を含む高分子化合物と有機金属錯体とを溶媒に溶かして塗布溶液を作製し、その塗布溶液をスピンコート法、キャストコート法、ディップコート法、ダイコート法、ビードコート法、バーコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの方法により塗布し、その後乾燥等することにより形成される。なお、塗布溶液とは、溶融液、溶液、分散液、または混合液等を含んでいる。
【0223】
本発明の高分子化合物を電子注入層に使用する場合においては、発光材料は特に限定されないが、CdSeやCdSなどの可視域にバンドギャップの値を持つ半導体のナノ結晶なども用いることができる。
【0224】
塗布溶液は、高分子化合物と有機金属錯体との合計を100重量部としたとき、溶媒を100〜4975重量部の範囲で配合されたものであり、溶媒の配合量は、粘度や塗布膜厚、発光輝度、発光効率、寿命等に応じて設定される。
【0225】
有機層中には、発光材料である有機金属錯体が0.5〜20重量%含有されていることが望ましく、1〜10重量%含有されていることがより好ましい。特に、燐光性の有機金属錯体が0.5〜20重量%含有されていることが好ましく、1〜10重量%含有されていることがより好ましい。こうした範囲の有機金属錯体が含有されていることにより、発光輝度および発光効率を高めることができるという利点がある。
【0226】
なお、有機層中の金属の含有量が、3重量%(本願において、質量%と同義。)以上であることが好ましい。この有機層中の金属は、有機金属錯体中の金属として有機層中に含まれるが、その金属の含有量が3重量%以上であるので、たとえ発光材料である有機金属錯体が分解して配位子が離脱しても、有機金属錯体を構成していた所定量の金属は、離脱した配位子の代わりに配位子機能を有する結合単位(L)に結合したまま有機金属錯体部として残存する。その結果、発光材料として引き続き機能するので、高い発光効率を維持することができる。
【0227】
形成された有機層の抵抗率は、印加電界2.6×10V/cmにおいて、10Ω・cm〜1010Ω・cmであることが好ましく、10Ω・cm〜10Ω・cmであることがより好ましい。また、印加電界2×10V/cmにおいては、10Ω・cm〜10Ω・cmであることが好ましく、10Ω・cm〜10Ω・cmであることがより好ましい。有機層がこうした範囲の抵抗率を持つことにより、導電性高分子中の有機金属錯体に大きな電圧が印加されるようになることから低分子のCBPと同様な効果を奏し、発光輝度や発光効率を向上させるという効果がある。
【0228】
陰極としては、電子を注入しやすいように4eVより小さい仕事関数を持つものが好ましく、アルカリ金属(リチウム、セシウムなど)およびそのハロゲン化物(フッ化リチウム、フッ化セシウム、塩化リチウム、塩化セシウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)およびそのハロゲン化物(フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムなど)、アルミニウム、銀などの金属、導電性金属酸化物およびこれらの合金または混合物などが挙げられる。陰極の作製方法としては真空蒸着法、スパッタング法、金属薄膜を圧着するラミネート法などが用いられる。
【0229】
陰極を作製した後においては、エレクトロルミネセンス素子を保護するための保護層または保護カバーを陰極上に形成することが望ましく、エレクトロルミネセンス素子を長期間安定的に用いることができる。保護層は、エレクトロルミネセンス素子を外部から保護するように作用する。保護層としては、保護層用の高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、珪素酸化物、珪素窒化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板(シート、フィルムを含む)などを用いることができ、このカバーを熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂で素子と張り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。
【0230】
以下においては、有機層の各物性値(金属含有量、抵抗率)の測定手段等について説明する。
【0231】
有機層に含まれる金属の定量方法は、先ず、エレクトロルミネッセンス素子の有機層をキシレンまたはトルエンで溶解させ、その溶解溶液を回収する。回収した溶液を、エバポレータなどで析出しない程度まで濃縮し、その後、サンプル管瓶で濃縮し、真空下で十分に乾燥させる。乾燥後のサンプル管瓶を秤量し、サンプル管瓶の重量を差し引いて固形物の重量を算出する。その後、塩酸などの酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液でその有機固形物を分解すると共に含有する金属を金属塩化物または金属酸化物として溶解する。このときの酸は、硝酸、塩酸、王水(硝酸:塩酸=1:3)、過酸化水素水と硫酸との混合液(過酸化水素水:硫酸=1:3)及びその混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。このとき溶液の容量または重量を測定する。その後、ICP−AES(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectroscopy。以後ICPと呼ぶ。)により、これらの溶液中の金属イオン濃度を測定する。溶液中の金属イオン濃度が低い場合は、純水にて何倍かに希釈し、希釈した倍数を測定濃度に掛けて全体の金属量を算出する。その金属量を固形物分量で割り、100倍することで有機層に含有する金属の重量百分率(wt%)を算出する。
【0232】
ICPの測定は、具体的にはAl、Pt、Irなどの配位金属を定量するものである。例えば、Alの場合には、定量する代表的な波長は308.22nm,309.27nm,396.15nmであり、Ptの場合には、203.63nm,204.94nm,214.42nm,265.95nm,420.19nmであり、Irの場合には、205.12nm,212.68nm,215.27nm,224.27nm,215.27nmである。
【0233】
これらの各金属に対応するICP標準用液(ICP standard solution)(ICP混合標準液、ICP発光分光分析用標準用液)を希釈することで、各金属に対応する検量線を作製する。これら溶液の濃度は、1000ppm以下であることが望ましい。なぜなら、濃度消光などにより正確な定量ができにくいためである。
【0234】
抵抗測定用の試料は、先ず、ガラス基板上にパターンニングしたITO電極に、キシレン等の溶剤によりエレクトロルミネッセンス素子の有機層を溶解させる。その溶解溶液を図4で使用する試験用素子基板上にスピン塗布して乾燥させ、厚さ約50nmの抵抗測定用の有機層を形成する。不用な部分はトルエン等の溶媒をしみこませた綿棒などでふき取る。そして有機層の上に電極としてAlを厚さ200nm×4mm□(縦4mm×横4mm)となるように蒸着して、図5に示す断面形態からなる試験用素子基板とする。測定に供される高分子化合物層または有機層の膜厚は、電子注入の容易さの観点から、膜厚としては、1nm〜1μm、好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは5nm〜100nmである。なお、塗布法により成膜した場合には、溶媒を除去するために、好ましくは減圧下または不活性雰囲気下で、30〜300℃、好ましくは60〜200℃の温度で加熱乾燥することが望ましい。また、抵抗を測定する際にパネルをキシレン等の溶媒で溶解させたものを測定試料として使用するが、溶解させた後に乾燥させ、異なる溶媒を塗布時に使用しても良い。また、不純物等が混入する場合には分離、精製しても良い。分離、精製方法としては例えばクロマトグラフィーによる分離、精製方法などが挙げられる。
【0235】
抵抗率は、作製した抵抗測定用の有機層の抵抗を測定し、上記の膜厚と電極面積を用いて抵抗率を算出する。抵抗測定は、図4に示すように、測定用の基板と、黒と赤のテストリードとを接触させて行う。このとき、テストリードの先端をワニ口クリップに接続し、そのクリップで接触させてもよい。
【0236】
低電圧側(1.3V付近)での抵抗値測定は、株式会社カスタム社製のDIGITAL MULTIMETERでMODEL:CDM−2000Dを用いて行う。また、高電圧側(15V)での抵抗値測定は、絶縁抵抗計M53(三和電器計測株式会社製)を用いて行うか、1.5mA〜1.5μAのアナログ式又はデジタル式の電流測定器を用意し、15Vの電圧を印加しつつその抵抗値を読むことにより行う。このときの調整は標準抵抗を用いて行うことができる。デジタル式測定の場合においては、ADVANTEST社製のR8340 ULTRA HIGH RESISTANCE METER及び/又はシールドとしてHEWLETT PACKARD社製の16055A TEST FIXTUREを使用して各電圧での電流値を測定することでも抵抗値を測定することができる。
【0237】
高分子化合物を含む有機層が、薄膜トランジスタ(以下「TFT」と呼ぶ)基板や低温ポリシリコンTFT基板に代表されるアクティブマトリクス基板や、スタティックツイステッドネマチック(STN)用の基板などに代表されるパッシブマトリクス基板に形成されている場合には、図6に示すように、画素部の有機層上に、LiF(厚さ10nm)またはCa(厚さ10nm)を画素部より小さい正方形状に蒸着し、その上にさらにAl電極(厚さ200nm)またはAg電極(200nm)を前記同様の大きさで蒸着し、その電極と基板下部に形成されているITO又は電極との間に一対のプローブを接触させ、そのプローブ端子間の抵抗を測定する。このとき、基板上に形成された有機層の厚さをSloan社製表面形状測定器(DEKTAK3030)で測定することにより、その有機層の抵抗率を算出する。
【0238】
測定は、プローブ端子として2台のテストポジショナーであるMODEL:XYZ−500−TIM(QUARTER RESEARCH & DEVELOPMENT社製)を使用し、タングステン製のテストニードル(幅5μm)を顕微鏡で観察しながら、露出した画素部の電極と蒸着により作製した電極とにそれぞれ接触させる。そこから配線を引き、その末端をワニ口クリップでテスタのテストリード又はR8340 ULTRA HIGH RESISTANCE METER(ADVANTEST社製)のV SOURCEとグラウンドにそれぞれ接続する。配線抵抗は通常0.1Ω以下となる。
【0239】
上記の測定に際し、TFT部分、ソース配線またはドレイン配線の抵抗、または保持容量が測定を妨害する場合には、電動マニピュレータM200シリーズ(駿河精機株式会社製)のM205−0200を使用し、オリンパス社製顕微鏡BX51および顕微鏡用電動XYステージM603−1200(駿河精機株式会社製)により観察しつつパソコン制御によりマイクロカッタナイフの直線刃、刃角度15°を操作してエレクトロルミネッセンス素子の画素部の有機層部分を四角形に切り出す。有機層部分の下にある画素電極を周囲配線及び/又はTFT等のスイッチング素子から切り出す方法としては、レーザー修正装置Jupiterシリーズ(ブイ・テクノロジー社製)Jupiter 1100 LR等を用いることができ、有機層部分を有する画素部分を独立させた後、画素部に蒸着により電極を形成して抵抗測定する。このとき四角形に切り出した有機層部分にレーザーが当たらないように十分画素から離れた部分でレーザー切断を行うことが好ましい。
【0240】
また、FIBなどを利用して画素電極を周囲配線及び/又はTFT等のスイッチング素子から切り出してもよい。場合によっては、FIBを利用して画素電極部分を基板から切り離し、その部分のみ測定することも可能である。このようにして発光層を構成する本発明の高分子化合物の抵抗が測定できるのは、高分子化合物材料に隣接する正孔注入材料や電子注入材料が、発光材料である高分子化合物材料と比較して低抵抗(高分子化合物材料の抵抗と比較して約1/100より小さい)であり、本発明の高分子化合物材料の抵抗値が主に測定できるためである。
【0241】
また、これらの抵抗測定方法を利用して四端子法で測定することも可能である。この場合、電極幅が50nm〜10μm程度である必要がある。従って、例えばマスクを使用して電極幅50nm〜10μm程度の条件を満たすライン&スペ−スで四端子の電極を作製するか、または、半導体レジスト(例えば電子線レジスト)及び蒸着などの方法で電極を形成し素子の有機層を溶解しない溶剤で半導体レジストを剥離させることにより電極幅50nm〜10μm程度の条件を満たすライン&スペ−スで四端子の電極を作製し、その電極を使用して四端子法により抵抗を測定しても良い。また、簡易的な抵抗測定方法としては、ハイレスタ−UPのMCP−HT450(株式会社ダイアインスツルメント製)またはロレスタ−GPのMCP−T600(株式会社ダイアインスツルメント製)および専用プローブを使用して測定することも可能であり、ほぼ同様な抵抗値が得られた。
【0242】
【実施例】
以下、実施例と比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下において、wt%または重量%は、mass%または質量%と同じである。
【0243】
(実施例1)
ITO薄膜が形成されたガラス基板を洗浄した後、ポジ型レジスト材料をスピンコート法で塗布し、100℃で50分間アニールすることでレジスト膜を形成した。次いで、所定のパターンが形成されたフォトマスクを用いて10秒間紫外線を照射し、現像した後、可溶化したレジスト材料をイオン交換水で洗い流した。このガラス基板をエッチングした後、残っているレジストを剥離することにより所定のITOパターンが形成された。
【0244】
その後、ITOパターンが形成されたガラス基板上に、PSS(ポリスチレンスルホン酸)とPEDOT[ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)]とを重量比20:1でコロイド状に分散させた水溶液(Bayer社製、CH−8000)をスピン塗布し、膜厚70nmの正孔注入層を作製した。
【0245】
その後、正孔注入層の上に、有機層形成用溶液をスピンコート法で塗布し、真空乾燥した後、130℃に加熱して、膜厚100nmの有機層を形成した。有機層形成用溶液は、式60で表される高分子化合物と式61で表される有機金属錯体であるIr(ppy)とを溶媒であるテトラヒドロフランに溶解させて調製した。溶液中の高分子化合物の配合割合を2.5wt%とし、有機金属錯体の配合割合を0.2wt%とした。なお、式60の高分子化合物の重量平均分子量は、Gel permeation chromatography(以後「GPC」と呼ぶ)により測定した結果、2.4×10であった。
【0246】
有機層の上から厚さ10nmの電子注入層であるCaを蒸着した後、厚さ200nmのAlを蒸着して陰極を形成し、実施例1のエレクトロルミネセンス素子を作製した。
【0247】
【化66】
Figure 2004319305
【0248】
【化67】
Figure 2004319305
【0249】
(実施例2〜4)
実施例1において、式60の高分子化合物の代わりに、式62〜式64の高分子化合物を各々用いた他は、実施例1と同様にして実施例2〜4のエレクトロルミネセンス素子を作製した。なお、膜厚はいずれも100nmであった。GPC測定により求めた重量平均分子量は、式62の高分子化合物は2.4×10、式63の高分子化合物は3.6×10、式64の高分子化合物は6.8×10、であった。
【0250】
【化68】
Figure 2004319305
【0251】
【化69】
Figure 2004319305
【0252】
【化70】
Figure 2004319305
【0253】
(実施例5〜8)
実施例1の有機層形成用溶液の代わりに、式65〜式68で表される金属が配位した高分子化合物を溶媒であるテトラヒドロフランに溶解させて調製した有機層形成用溶液を用いた他は、実施例1と同様にして実施例5〜8のエレクトロルミネセンス素子を作製した。なお、使用した有機層形成用溶液は、溶液中の高分子化合物の配合割合を2.5wt%とした。膜厚はいずれも100nmであった。GPC測定により求めた重量平均分子量は、式65の高分子化合物は2.4×10、式66の高分子化合物は3.6×10、式67の高分子化合物は6.8×10、式68の高分子化合物は2.5×10、であった。
【0254】
【化71】
Figure 2004319305
【0255】
【化72】
Figure 2004319305
【0256】
【化73】
Figure 2004319305
【0257】
【化74】
Figure 2004319305
【0258】
(実施例9、10)
実施例1において、式60の高分子化合物の代わりに、式69および式70の高分子化合物を各々用いた他は、実施例1と同様にして実施例9,10のエレクトロルミネセンス素子を作製した。なお、膜厚はいずれも100nmであった。GPC測定により求めた重量平均分子量は、式69の高分子化合物は4.1×10、式70の高分子化合物は1.2×10、であった。
【0259】
【化75】
Figure 2004319305
【0260】
【化76】
Figure 2004319305
【0261】
(実施例11,12)
実施例1の有機層形成用溶液の代わりに、式71および式72で表される金属が各々配位した高分子化合物を溶媒であるテトラヒドロフランに溶解させて調製した有機層形成用溶液を用いた他は、実施例1と同様にして実施例11,12のエレクトロルミネセンス素子を作製した。なお、使用した有機層形成用溶液は、溶液中の高分子化合物の配合割合を2.5wt%とした。膜厚はいずれも100nmであった。GPC測定により求めた重量平均分子量は、式71の高分子化合物は2.4×10、式72の高分子化合物は6.8×10、であった。
【0262】
【化77】
Figure 2004319305
【0263】
【化78】
Figure 2004319305
【0264】
(実施例13)
ITOパターンが形成されたガラス基板を実施例1と同様に作製し、その上に、1.6重量%となるように式60の高分子化合物を溶媒であるテトラヒドロフランに溶解した溶液をスピン塗布し、膜厚70nmの正孔注入層を作製した。その後、その正孔注入層の上に、0.3重量%となるように発光材料である式61の有機金属錯体を溶媒であるテトラヒドロフランに溶解した溶液をスピン塗布し、真空乾燥した後、130℃に加熱して、膜厚100nmの有機層を形成した。その後、その有機層の上に、1.6重量%となるように式69の高分子化合物を溶媒であるテトラヒドロフランに溶解した溶液をスピン塗布し、膜厚1μmの電子注入層を形成した。その電子注入層上に、10nmのCaを蒸着した後、200nmのAlを蒸着して陰極を形成し、図2に示す実施例13のエレクトロルミネセンス素子を作製した。GPC測定により求めた重量平均分子量は、式60の高分子化合物は2.4×10、式69の高分子化合物は4.1×10、であった。
【0265】
(比較例1)
実施例1において、式60の高分子化合物の代わりに、側鎖に配位子構造を有する式73で表される高分子化合物を用いた他は、実施例1と同様にして比較例1のエレクトロルミネセンス素子を作製した。GPC測定により求めた重量平均分子量は、式73の高分子化合物は7.3×10であった。
【0266】
【化79】
Figure 2004319305
【0267】
(比較例2)
実施例1において、式60の高分子化合物の代わりに、式74で表される高分子化合物を用いた他は、実施例1と同様にして比較例2のエレクトロルミネセンス素子を作製した。GPC測定により求めた重量平均分子量は、式74の高分子化合物は1.1×10であった。
【0268】
【化80】
Figure 2004319305
【0269】
(比較例3)
実施例1において、式60の高分子化合物の代わりに、式75で表される高分子化合物を用いた他は、実施例1と同様にして比較例2のエレクトロルミネセンス素子を作製した。GPC測定により求めた重量平均分子量は、式75の高分子化合物は7.3×10であった。
【0270】
【化81】
Figure 2004319305
【0271】
(抵抗測定)
実施例1〜13および比較例1〜3で得られたエレクトロルミネセンス素子の有機層の抵抗を測定した。抵抗測定用の試料は、ガラス基板上にパターンニングしたITO電極に、CBP薄膜を蒸着により厚さ約50nmとなるように成膜し、電極としてAlを厚さ200nm×4mm□(縦4mm×横4mm)となるように蒸着して試験用基板とし、次いで、キシレン等の溶剤により各実施例および比較例で形成された有機層を溶解させ、その溶解溶液を上記試験用基板上にスピン塗布して乾燥させ、厚さ約50nmの抵抗測定用の有機層を形成した。抵抗率は、作製した抵抗測定用の有機層の抵抗を、上述した手段により抵抗測定器等で測定し、上記膜厚と電極面積を用いて抵抗率を算出した。
【0272】
印加電界が2.6×10V/cmにおいてCBPの単層薄膜(約50nm)で抵抗が1.25kΩであったことから、その抵抗率(体積抵抗率)は約40×10Ω・cmと算出された。同様の方法により、実施例1〜13の有機層の抵抗率は、順に、6×10Ω・cm、5×1010Ω・cm、4×10Ω・cm、7×1010Ω・cm、1×10Ω・cm、3×10Ω・cm、9×10Ω・cm、2×10Ω・cm、5×10Ω・cm、2×1010Ω・cm、3×1010Ω・cm、6×1011Ω・cm、8×10Ω・cm、であり、比較例1〜3の有機層の抵抗率は、順に、32×1013Ω・cm、28×1011Ω・cm、8×1013Ω・cm、であった。
【0273】
また、印加電界が2×10V/cmにおいては、実施例1〜13の有機層の抵抗率は、順に、2×10Ω・cm、6×10Ω・cm、1×10Ω・cm、7×10Ω・cm、3×10Ω・cm、5×10Ω・cm、3×10Ω・cm、2×10Ω・cm、4×10Ω・cm、9×10Ω・cm、6×10Ω・cm、6×1010Ω・cm、8×10Ω・cm、であり、比較例1〜3の有機層の抵抗率は、順に、18×1012Ω・cm、40×1010Ω・cm、10×1012Ω・cm、であった。
【0274】
(評価結果)
実施例1〜13および比較例1〜3のエレクトロルミネセンス素子について、寿命、発光輝度、発光効率について評価した。寿命(信頼性)の評価は、図7及び図8に示す形態からなる発光輝度評価用の発光素子を作製し、その輝度測定を行い、初期輝度100cdが半減するまでの時間によりランク1〜5で評価した。評価ランクは、ランク1(0.5時間未満)、ランク2(0.5時間以上1時間未満)、ランク3(1時間以上1.5万時間未満)、ランク4(1.5万時間以上2時間未満)、ランク5(2万時間以上)、とした。また、発光輝度は、輝度計(LUMINANCE METER)BM−8(株式会社トプコン製)で評価し、発光効率は、輝度測定時の電流及び電圧直流電流源である2400 ソース・メータ(KEITHLEY社製、ケースレーインスツルメンツ株式会社製)で測定することで評価した。発光効率については、ランク1(0.5万cd未満)、ランク2(0.5万cd以上1万cd未満)、ランク3(1万cd以上2万cd未満)、ランク4(2万cd以上3万cd未満)、ランク5(3万cd以上)、で評価した。
【0275】
実施例1〜12のエレクトロルミネセンス素子は、長寿命で、高輝度、高発光効率であった。その結果を表1に示す。
【0276】
【表1】
Figure 2004319305
【0277】
以下に、本発明のエレクトロルミネセンス素子を構成する有機層が、上記効果を奏することとなる理由等について説明する。
【0278】
従来公知のCBPとIr(ppy)が1:1の共蒸着膜においては、その抵抗率が448×10Ω・cmであり、α‐NPD蒸着膜の抵抗率は410×10Ω・cmであり、Alq3蒸着膜の抵抗率は2.4×10Ω・cmであり、4,7−ビフェニル−1,10−バソフェナントロリンの蒸着膜の抵抗率は2.4×10Ω・cmである。
【0279】
これに対して、現在一般に使用されている緑色の導電性高分子は16×10Ω・cmと低分子の約10倍とかなり高い抵抗である。さらに、2×10V/cmの印加電界下で一般に使用されている緑色の導電性高分子化合物の抵抗率は2.4×10Ω・cmであり、低分子化合物であるα−NPDの抵抗率は24×10Ω・cmである。CH−8000は抵抗率が5×10Ω・cmであった。
【0280】
したがって、印加電界が2×10V/cmの場合における抵抗は、2.6×10V/cmにおける抵抗に比べて、現在一般に使用されている緑色の導電性高分子は約1/6程度となり、低分子化合物であるα−NPDは約1/20程度となる。
【0281】
したがって、この高分子化合物の抵抗率の高さが、高分子化合物からなる発光層の輝度と寿命を低下させている原因である。さらには、発光層に隣接する正孔注入層と電子注入電極は、発光層よりも低抵抗であることから、これら発光層に隣接する正孔注入層と電子注入電極が発生する大きな電圧差により発光が誘起されることが、本発明者らの検討により明らかになった。
【0282】
ところで、CBP等の化合物は導電性が高いことから、Ir(ppy)は比較的高抵抗なα‐NPDの界面のみで発光していると考えられる。しかし、界面での電圧は安定せず、膜破壊も起きやすいことからIr(ppy)を使用した発光剤の寿命は極めて短かった。また、Alq3などをホールブロック層として挿入すると、Alq3とCBP/Ir(ppy)との界面でも耐圧がかかり、α−NPD界面との両方で発光することから、発光効率が向上するものと考えられる。そこで、高分子中に低抵抗なIr(ppy)などの金属錯体を導入することにより、高電圧差を印加することができ、さらに抵抗を下げることができる。その結果、輝度特性が向上し、さらに周囲に配位子を有することから信頼性を向上させることも可能となるのである。
【0283】
また、CBPは単層で厚膜化すると白濁や亀裂を生じることから、膜として分子間の結合力が弱いものと推測される。但し、CBPをIr(ppy)と共蒸着するとその白濁や亀裂は生じないことから、CBPとIr(ppy)とが相互作用により凝集しやすいIr(ppy)の膜を配位結合により安定化させると考えられる。
【0284】
このように、式61に示される有機金属錯体であるIr(ppy)をテトラヒドロフランなどの溶剤に溶かし、そこに本発明で用いる高分子化合物を混ぜた溶液を塗布することが可能である。
【0285】
この方法の利点は、有機金属錯体であるIr(ppy)が塗布プロセスで処理されるので、蒸着により加熱分解することがなく、蒸着膜のような荒く不安定な膜とならず、その荒い膜に起因して各分子間距離が広くなり分子軌道が独立して存在することによりバンド理論の成立に必要な並進対称性が低下して導電性を著しく低下させることがない。さらに、塗布プロセスで有機層を形成できるので、加熱工程が蒸着と比較してかなり低温となる。そのため、材料設計における温度制限が低減されて、材料設計上有利である。
【0286】
したがって、配位子機能を有する高分子化合物と、Ir(ppy)などの有機金属錯体とをブレンドすることにより、有機金属錯体が分解して配位子の脱離等が生じた場合であっても、その有機金属は、配位子機能を有する高分子化合物の特定部位との間で配位してIr(ppy)構造の有機金属錯体部を構成することができる。こうした有機金属錯体部の再構築により、高分子の高次構造に対応した並進対称性をもたせることができる。すなわち、金属有機金属錯体が分解して配位子が脱離したとしても、その周囲には配位子機能を有する高分子化合物があるために、化学平衡の原理により、金属はその配位子機能を有する部分に配位して有機金属錯体部を構成することができる。したがって、有機層に熱や局所電界が印加されて、有機層を構成する有機金属錯体が分解または金属から脱離したとしても、その後、金属配位子がその周囲の高分子化合物と結合することができる。本発明における有機層は、こうした自己再生機能を有するので、発光材料である有機金属錯体が、事実上安定性に維持されるのである。そのため、エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度が長期間安定することとなる。
【0287】
また、上記の高分子化合物はバインダーポリマーとして振る舞うので、その高分子化合物と共に有機層を構成する有機金属錯体は、その高分子化合物の作用により外界から隔離される。その結果、外界の水分や酸素などの影響を排除することができ、有機層およびエレクトロルミネセンス素子の信頼性と寿命を著しく向上させることができる。
【0288】
エレクトロルミネセンス素子の発光層においては、再結合の際に、有機金属錯体を構成する配位子に集中した電子と、有機金属錯体を構成する金属に集中した正孔とが結合することにより光を発生するものと考えられている。したがって、その再結合効率を高め、配位子の安定性を高めるためには、配位子の一電子還元体を安定化させることが必要とされる。そのためには、配位子の電子密度を低くすることが必要となり、それが錯体の安定化や再結合確率の向上に寄与することになる。配位子の電子密度は、紫外・可視吸光スペクトルや時間分解型赤外分光スペクトルで確認することができ、また、錯体の安定性や再結合確率の向上は、実際の素子評価で確認できる。有機金属錯体の安定性は、電子受容性の配位子、電荷移動錯体またはホウ素系分子(特にリンやフッ素を含む配位子)を有するときに高まり、エレクトロルミネッセンス素子の長い寿命が得られる。
【0289】
本発明は、こうした点に着目してなされたものであり、有機金属錯体を、配位子機能を有する高分子化合物と共に混同させておくことにより、有機金属錯体の配位子に局部的な電子が集中することを避けることができる。その結果として、エレクトロルミネッセンス素子を長寿命化することができる。
【0290】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のエレクトロルミネッセンス素子によれば、有機層を構成する高分子化合物が、有機金属錯体の配位子と同様な骨格を持つ分子構造を結合単位に有するので、駆動時の発熱等により有機金属の配位子が脱離することがあっても、その有機金属はその高分子化合物との間で有機金属錯体部を再生することができる。その結果、有機金属錯体の機能低下が抑制されるので、エレクトロルミネセンス素子の信頼性が向上する。また、高分子化合物の分子運動性は有機金属錯体の配位子と比較して少ないので、熱振動が緩和され、有機金属配位子の分解を抑制できる。また、高分子化合物が有機金属錯体の配位子と同様の構造を持つので、電子注入して発光材料に至るまでの電荷移動や再結合が効率よく行われる。その結果、エレクトロルミネッセンス素子としての発光効率と発光輝度が向上し、熱失活する電子や正孔が減少し、発光に伴う発熱量が低下するので、エレクトロルミネッセンス素子としての信頼性が向上し、輝度の半減期も長くなった。また、高分子化合物は、脂肪族環を主鎖に有するので、電圧耐性が高く、水分の影響も少ない。そのため、薄い膜でも局所電界が燐光低分子にかからないので、デバイスの信頼性が向上し、寿命も長くなる。
【0291】
また、有機層を構成する高分子化合物が、溶媒溶解機能を有する結合単位を有する場合には、有機溶媒や水への溶解性が向上するので、溶液濃度が調整し易く、塗布膜厚の制御が容易になった。また、熱分解が起こり難い塗布プロセスでの有機層の形成を実現できるので、デバイスの安定性や信頼性を大幅に向上させることができる。
【0292】
また、有機層を構成する高分子化合物が、溶媒溶解機能を有する結合単位を有する場合には、有機溶媒や水への溶解性が向上するので、溶液濃度が調整し易く、塗布膜厚の制御が容易になった。また、熱分解が起こり難い塗布プロセスでの有機層の形成を実現できるので、デバイスの安定性や信頼性を大幅に向上させることができる。
【0293】
また、通常、溶解性のアルキル鎖などが導電性を低下させる不純物になるが、本発明での共役系の溶媒溶解機能を有する結合単位を有する場合は導電性を低下させる不純物を含まず、かつ溶媒溶解機能を付与することができる。
【0294】
また、有機層を構成する高分子化合物が、電荷輸送機能を有する結合単位を有する場合には、電荷移動度や導電性が向上すると共に、電子と正孔との注入バランスが改善され、発光効率及び発光寿命が大幅に改善された。
【0295】
また、耐熱性が高く、酸素や水の透過を抑制する高分子化合物で有機層が構成されるので、エレクトロルミネッセンス素子の信頼性をより向上させることができる。また、高分子化合物が配位子構造を含むので、溶液中での高分子化合物と有機金属錯体との相溶性が高く、成膜時に配位子構造同士が重なり合い易く、高分子から低分子への電荷移動が少ない損失で起き易い。そのため、再結合確率が向上し、素子の発熱量が減少する効果が得られる。その結果、有機金属錯体または有機金属錯体部の分解をより一層抑制することができる。
【0296】
さらに、上述した高分子化合物は、エレクトロルミネセンス素子の有機層に好ましく用いられる他、太陽電池、電磁シールド材、帯電防止材、電池(電極材、電解質、導電性高分子ゲル)、光スイッチ(変色スイッチ)、センサー、エレクトロクロミック素子、電子写真感光体、フォトリフラクティブ素子、コンデンサ、ダイオード、トランジスター(電界効果トランジスター)などに応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレクトロルミネセンス素子の一例を示す層構成である。
【図2】本発明のエレクトロルミネセンス素子の他の一例を示す層構成である。
【図3】本発明のエレクトロルミネセンス素子のさらに他の一例を示す層構成である。
【図4】エレクトロルミネセンス素子が形成されたパネルから高分子化合物のみ分離して素子化した際の抵抗測定方法の概略図である。
【図5】エレクトロルミネセンス素子が形成されたパネルから高分子化合物のみ分離して素子化した際に使用する抵抗測定用素子の断面図である。
【図6】エレクトロルミネセンス素子が形成されたパネルでの抵抗測定方法の概略図である。
【図7】発光輝度評価用の発光素子の断面図である。
【図8】発光輝度評価用の発光素子の平面図である。

Claims (26)

  1. 陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記有機層のうち少なくとも1層が、配位子機能を有する結合単位(L)を含む式1で示される高分子化合物と、当該高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよく、nは1以上の整数である。)
  2. 陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記有機層のうち少なくとも1層が、配位子機能を有する結合単位(L)および溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)を含む式2で示される高分子化合物と、当該高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。l,m,nは1以上の整数である。)
  3. 陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記有機層のうち少なくとも1層が、配位子機能を有する結合単位(L)および電荷輸送機能を有する結合単位(CT)を含む式3で示される高分子化合物と、当該高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。CTは正孔注入機能又は電子吸引機能を有する結合単位である。l,m,nは1以上の整数である。)
  4. 陽極と陰極との間に形成された1又は2以上の有機層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記有機層のうち少なくとも1層が、配位子機能を有する結合単位(L)、電荷輸送機能を有する結合単位(CT)および溶媒溶解機能を有する結合単位(Ar)を含む式4で示される高分子化合物と、当該高分子化合物とは独立した有機金属錯体とを含有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (式中、Lは少なくとも一部に窒素を含む複素環化合物基であり、当該複素環化合物基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。CTは正孔注入機能又は電子吸引機能を有する結合単位である。k,l,m,nは1以上の整数である。)
  5. 前記結合単位(L)が、式5で示される複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数である。R,Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  6. 前記結合単位(L)が、式6で示される複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、Yは複素環を構成する窒素、酸素、硫黄または炭素であり、kは0〜4の整数である。lは0〜3の整数である。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  7. 前記結合単位(L)が、式7で示される複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (ここで、X及びXは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、Y及びYは複素環を構成する窒素、酸素、硫黄または炭素であり、kは0〜3の整数である。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  8. 前記結合単位(L)が、式8で示される複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数である。Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  9. 前記結合単位(L)が、式9で示される複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数である。R,Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  10. 前記結合単位(L)が、式10で示される複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (ここで、X〜Xは複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数である。R,Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  11. 前記結合単位(L)が、式11で示される複素環化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (ここで、X〜X10は複素環を構成する窒素または共役系を構成する炭素であり、kは0〜4の整数であり、lは0〜2である。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子において、前記高分子化合物は、金属が結合単位(L)に結合した高分子錯体部を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記有機層中の金属の含有量が、3重量%以上であることを特徴とする請求項12に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記有機層が、電子注入層および電子輸送層の一方又は両方であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記有機層が、発光層であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記有機層が、正孔注入層および正孔輸送層の一方又は両方であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  17. 前記有機金属錯体が、式12で示されるIr(ppy)誘導体であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004319305
    (式中、R〜Rの少なくともいずれか1つは水素以外からなる任意の置換基である。当該置換基は、各々同一でも異なるものであってもよく、共有結合に関する炭素原子数が1〜60及び酸素原子が0〜60からなるアリールアルキル基、酸素、硫黄、珪素、リン、臭素、フッ素又はこれらのハロゲン置換誘導体を表す。また、当該置換基は、隣接するR(mは1〜4の整数)または隣接するR(nは5〜8の整数)のそれぞれにおいて縮合環が縮合してもよい。)
  18. 前記有機層の抵抗率が、印加電界2.6×10V/cmにおいて、10Ω・cm〜1010Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記有機層の抵抗率が、印加電界2×10V/cmにおいて、10Ω・cm〜10Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  20. 前記高分子化合物のガラス転移温度が、130℃〜400℃であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  21. 前記高分子化合物の分解温度が、180℃〜450℃であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  22. 前記高分子化合物の重量平均分子量が、10〜10であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  23. 前記高分子化合物は、190nm〜600nmの波長領域に、配位子機能を有する結合単位の吸収ピークから長波長側に10nm〜200nmの差がある少なくとも一つの吸収ピークを持つことを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  24. 式13で表される結合単位を少なくとも1種類以上、主鎖内に含むことを特徴とする高分子化合物。
    Figure 2004319305
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  25. 式14で表される結合単位を少なくとも1種類以上、主鎖内に含むことを特徴とする高分子化合物。
    Figure 2004319305
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
  26. 式15で表される結合単位を少なくとも1種類以上、主鎖内に含むことを特徴とする高分子化合物。
    Figure 2004319305
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。)
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