JP2004319206A - 燃料電池の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池1内と熱交換器2との間に冷却液を循環させる燃料電池1の冷却システムであって、前記冷却液中に混入した気体を分離して、前記燃料電池1に供給される空気または前記燃料電池1からの排気と混合して排出するようにしたことを特徴とする燃料電池の冷却システム。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の冷却装置、さらに詳しくは燃料電池の冷却液中に混入する気体を分離して排気するようにした燃料電池の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車の動力源などとして注目されている固体高分子型の燃料電池は、常温でも発電することが可能であり、様々な用途に実用化されつつある。
【0003】
この固体高分子型の燃料電池は、一般に、固体高分子電解質を挟んで一方側にカソード電極を区画し、他方側にアノード電極を区画して形成される燃料電池を多数配列して構成され、カソード電極に供給される空気中の酸素と、アノード電極に供給される燃料ガスとの化学反応(以下、「発電反応」という)によって発電するシステムである。
しかし、このような発電反応は発熱反応であるため、燃料電池内を一定の温度に保って安定した運転を維持するために、発生した熱を除去する冷却装置が必要となる。
【0004】
通常、燃料電池内においては、各燃料電池セル毎に、セパレータによって燃料ガスや酸化ガス(空気)と完全に分離された流路を設け、この流路と熱交換器の間に冷却液を循環流通させて燃料電池の冷却を行うシステムが採用されている。
【0005】
しかし、燃料電池を長期に亘って使用していると、前記のセパレータの周辺部をシールしているシール部材が劣化して、燃料ガスや酸化ガスが冷却液中に漏出する場合がある。冷却液中に漏出した燃料ガス等は、冷却性能の低下等の原因となるおそれがある。
【0006】
そこで、燃料電池に熱交換媒体を供給して熱交換を行わせる熱交換システムにおいて、熱交換手段および熱交換媒体流路の内の少なくとも1つ、例えば、ラジエタ(熱交換器)の最上部にあるラジエタキャップまたはリザーブタンクの上部等の冷却液から分離した気体が集まる個所に燃料ガス検出手段を設け、この燃料ガス検出手段によって冷却液から分離した気体を検出することにより、冷却液中への燃料ガス等の気体の漏洩を検知した場合、警告を発するようにした技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−250570号公報(請求項1、請求項5、請求項7および請求項8)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術においては、冷却液中に燃料ガス等が漏洩した場合、所定の濃度に達する前にそれを検知して警告を発し、その後更に濃度上昇があった場合、燃料電池の運転を停止する等の措置をとれるものの、その後、人間が熱交換器や冷却液の循環流路等から溜まった気体を除去する等の人的整備に頼らざるを得ず、使い勝手の良いものではなかった。また、一旦、冷却液中の燃料ガス濃度が高まってしまったときは、その燃料ガス濃度が高いまま排出しなくてはならなかった。
【0009】
そこで本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却液の循環流路に混入した燃料ガスを希釈して低濃度で排出すること、また、従来、熱交換器や冷却液の循環流路内に溜まるにまかせていた気体を、人的整備を必要とせずに随時排気して冷却液中の当該気体の濃度を低いレベルに維持させることが可能となり、燃料電池の冷却装置の冷却性能の低下を防止して、燃料電池による発電システムの使い勝手をより向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、空気と燃料ガスの供給を受けて発電する燃料電池と熱交換器との間に冷却液を循環させる燃料電池の冷却装置であって、前記冷却液中に混入した気体を分離して、前記燃料電池に供給される空気または前記燃料電池から排出される空気と混合して排出するようにしたことを特徴とする燃料電池の冷却装置を発明の構成とする。
【0011】
この燃料電池の冷却装置では、冷却液中に混入した気体を分離して、燃料電池に供給される空気または前記燃料電池からの排気と混合して排出することにより、燃料電池の各所から冷却液中に漏出された気体が排気される。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の燃料電池の冷却装置において、前記燃料電池に供給される空気と混合した気体を、前記燃料電池のカソード電極へ導入させることを特徴とする。
【0013】
この燃料電池の冷却装置では、冷却液中に漏出した気体、特に燃料ガスを分離して、カソード電極の触媒に供給することにより、気体中の燃料ガスが燃料電池における触媒燃焼反応で消費される。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、空気と燃料ガスの供給を受けて発電する燃料電池と熱交換器との間に冷却液を循環させる循環流路を備える燃料電池の冷却装置であって、前記循環流路とガス抜き流路を介して連絡され、かつ前記循環流路と冷却液戻し流路を介して連絡された、前記循環流路の冷却液の一部を貯蔵する冷却液貯蔵容器を備え、前記冷却液貯蔵容器は、前記燃料電池に空気を供給する供給空気配管または前記燃料電池から排気を排出する排気用配管に信号圧配管を介して連絡され、前記冷却液ガス抜き流路を通じて前記循環流路から流入する冷却液より分離され冷却液貯蔵容器内に蓄積される気体の圧力が前記供給空気配管内の供給空気圧または前記排気用配管内の排気圧よりも高いときに、前記信号圧配管を通じて、前記供給空気配管側または排気用配管側から前記信号圧配管中に入り込む空気を前記供給空気配管または排気用配管に押戻して前記気体が前記供給空気配管内または排気用配管内に排気されるようにしたことを特徴とする燃料電池の冷却装置を発明の構成とする。
【0015】
この燃料電池の冷却装置では、冷却液から気体が分離されるに伴って冷却液貯蔵容器内に蓄積される気体が増加し、その気体の圧力が供給空気配管内の供給空気圧よりも高くなったときに、信号圧配管を通じて、供給空気配管側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管内に排気される。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の燃料電池の冷却装置において、前記供給空気配管を通じて前記燃料電池内に供給する空気の圧力または前記排気用配管を通じて排出される排気の圧力を変動させることによって前記気体を前記供給空気配管または前記排気用配管に排気することを特徴とする。
【0017】
この燃料電池の冷却装置では、供給空気配管を通じて前記燃料電池内に供給する空気の圧力を変動させ、冷却液から分離され、冷却液貯蔵容器内に蓄積される気体の圧力が供給空気配管内の供給空気圧よりも高くなったときに、信号圧配管を通じて、供給空気配管側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管内に排気される。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の燃料電池の冷却装置において、前記信号圧配管内の圧力を所定圧力以上高めた後に定常圧力まで戻すようにしたことを特徴とする。
【0019】
この燃料電池の冷却装置では、信号圧配管内の圧力を所定圧力以上高めた後に定常圧力まで戻すときに、冷却液から分離され、冷却液貯蔵容器内に蓄積される気体が、信号圧配管を通じて、供給空気配管側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管内に排気される。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項3に記載の燃料電池の冷却装置において、前記冷却液貯蔵容器内の気体の圧力と供給空気配管内の空気の圧力または排気用配管内の排気の圧力との圧力差が所定時間以上変動しないときに、前記供給空気配管から燃料電池内に供給する空気の圧力または前記排気用配管を通って排気される排気の圧力を変動させるようにしたことを特徴とする。
【0021】
この燃料電池の冷却装置では、冷却液貯蔵容器内の気体の圧力と供給空気配管内の供給空気圧との圧力差が所定時間以上変動しないときに、前記供給空気配管から燃料電池内に供給する空気の圧力を変動させることによって、冷却液から分離されて冷却液貯蔵容器内に蓄積される気体が、信号圧配管を通じて、供給空気配管側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管内に排気される。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項3に記載の燃料電池の冷却装置において、前記冷却液貯蔵容器内の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに、前記供給空気配管から燃料電池内に供給する空気の圧力を変動させるようにしたことを特徴とする。
【0023】
この燃料電池の冷却装置では、冷却液貯蔵容器内の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに燃料電池内に空気を供給する供給空気配管内の圧力を変動させることによって、前記冷却液から分離され、前記冷却液貯蔵容器内に蓄積される気体が前記信号圧配管を通じて前記供給空気配管内に排気される冷却液貯蔵容器内の気体が信号圧配管を通じて、供給空気配管内に排気される。
【0024】
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項3に記載の燃料電池の冷却装置において、前記冷却液貯蔵容器内の燃料ガス濃度が高まると想定されるときに前記燃料電池内に供給する空気の圧力を変動させるようにしたことを特徴とする。
【0025】
この燃料電池の冷却装置では、予め実験等により冷却液貯蔵容器内の燃料ガス濃度が高まると想定されるときに、燃料電池内に空気を供給する供給空気配管内の圧力を変動させることによって、前記冷却液から分離され前記冷却液貯蔵容器内に蓄積される気体が前記信号圧配管を通じて前記供給空気配管内に排気される冷却液貯蔵容器内の気体が信号圧配管を通じて、供給空気配管内に排気され、冷却液貯蔵容器内が換気される。
【0026】
さらに、請求項9に記載の発明は、空気と燃料ガスの供給を受けて発電する燃料電池を冷却する冷却液を前記燃料電池内と熱交換器との間に循環させる循環流路を備える燃料電池の冷却装置であって、前記循環流路の冷却液の一部を貯蔵する冷却液貯蔵容器を備え、前記冷却液貯蔵容器は、前記循環流路と冷却液ガス抜き流路を介して連絡され、かつ前記循環流路と冷却液戻し流路を介して連絡された液相部と、燃料電池に空気を供給する供給空気配管に流入配管を介して連絡され、前記液相部で冷却液から分離される気体と、前記流入配管を通じて前記供給空気配管から流入する供給空気とを混合させる気相部とを備えることを特徴とする燃料電池の冷却装置を発明の構成とする。
【0027】
この燃料電池の冷却装置では、液相部において冷却液から分離された気体が、気相部において供給空気配管側から信号圧配管を通じて流入される空気と混合され、気相部内の圧力が供給空気配管内の供給空気圧よりも高くなったときに、信号圧配管を通じて、供給空気配管側から信号圧配管中に入り込む空気が供給空気配管に押戻され、気相部内の気体が供給空気配管内に排気され、気相部内が換気される。
【0028】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の燃料電池の冷却装置において、前記気相部が、内部の燃料ガス濃度を検出する燃料ガス検出手段を備えることを特徴とする。
【0029】
この燃料電池の冷却装置では、燃料ガス検出手段によって気相部内の燃料ガス濃度が検出される。
【0030】
また、請求項11に記載の発明は、前記請求項10に記載の燃料電池の冷却装置において、前記気相部内の燃料ガス濃度が所定値以上のときに、前記信号圧配管内の圧力を制御することによって前記気相部内の気体を前記供給空気配管または燃料電池からの排気用配管内に押戻す圧力制御手段を備えることを特徴とする。
【0031】
この燃料電池の冷却装置では、気相部内に備えられた燃料ガス検出手段によって検出される燃料ガス濃度が所定値以上となったときに、信号圧配管内の圧力を制御することによって、信号圧配管を通じて、供給空気配管側から信号圧配管中に入り込む空気が供給空気配管に押戻され、気相部内の気体が供給空気配管内に排気され、気相部内が換気される。
【0032】
さらに、請求項12に記載の発明は、前記請求項11に記載の燃料電池の冷却装置において、前記圧力制御手段は、前記信号圧配管内の圧力を所定圧力以上に高めたのちに定常圧力に戻す手段であることを特徴とする。
【0033】
この燃料電池の冷却装置では、圧力制御手段によって、信号圧配管内の圧力を所定圧力以上高めた後に定常圧力まで戻すときに、信号圧配管を通じて、供給空気配管側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻され、気相部内の気体が供給空気配管内に排気され、気相部内が換気される。
【0034】
また、請求項13に記載の発明は、空気と燃料ガスの供給を受けて発電する燃料電池を冷却する冷却液を前記燃料電池内と熱交換器との間に循環させる循環流路を備える燃料電池の冷却装置であって、前記循環流路の冷却液の一部を貯蔵する冷却液貯蔵容器を備え、前記冷却液貯蔵容器は、前記循環流路と冷却液ガス抜き流路を介して連絡され、かつ前記循環流路と冷却液戻し流路を介して連絡された液相部と、燃料電池に空気を供給する供給空気配管に流入配管および流出配管を介して連絡され、前記液相部で冷却液から分離される気体を、前記流入配管を通じて前記供給空気配管から流入する供給空気によって混合し、混合された気体を前記流出配管を通じて前記供給空気配管に戻す気相部とを備え、前記供給空気配管の途中に配設され、前記燃料電池に供給される空気を加湿する加湿器を挟んで前記供給空気配管の上流側に前記流入配管を、下流側に前記流出配管を連絡したことを特徴とする燃料電池の冷却装置を発明の構成とする。
【0035】
この燃料電池の冷却装置では、加湿器によって生じる圧力損失により、冷却液貯蔵容器からの換気量が増大される。
【0036】
また、請求項14に記載の発明は、前記請求項13に記載の燃料電池の冷却装置において、前記冷却液貯蔵容器が、内部の燃料ガス濃度を検出する燃料ガス検出手段を備えることを特徴とする。
【0037】
この燃料電池の冷却装置では、燃料ガス検出手段によって冷却液貯蔵容器内の燃料ガス濃度が検出される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の冷却装置の構成を示すブロック図である。
【0039】
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の冷却装置は、図示しない燃料電池自動車に搭載され、図1に示すとおり、燃料電池1に供給される冷却液を冷却するための熱交換器2と、燃料電池1と熱交換器2との間に冷却液を熱交換可能に循環させる循環流路3と、循環流路3内の冷却液の一部を貯蔵する冷却液貯蔵容器4と、信号圧配管5とから構成される。
【0040】
燃料電池1は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで両側から挟み込んだ燃料電池セルをさらにセパレータで挟持し、複数積層して構成されている。アノード電極に燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソード電極に酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給すると、アノード電極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソード電極まで移動し、カソード電極の触媒によって酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。この反応は発熱反応であり、その燃料電池の温度は反応効率を確保するために、セパレータにおけるアノード電極またはカソード電極の反対側の面に冷却水を循環することで70度前後に維持される。燃料電池の発電電力は、例えば、図示しない燃料電池自動車の走行用モータに供給され、自動車を駆動する。
【0041】
燃料電池1は、エアクリーナ6によって清浄化された、エアーポンプ7によって供給空気配管8を通じて供給される空気と、燃料ガス供給配管9を通じて供給される燃料ガスとを発電反応させて発電を行う装置である。発電反応後、発電反応によって消費されなかった空気は排気用配管10を通じて排気され、また、発電反応によって消費されなかった燃料ガスは燃料ガス排出配管11を通じて燃料電池1から排出される。また、燃料電池1は、冷却液の流入口12および流出口13を備える。なお、燃料ガスとしては、水素、炭化水素、炭化水素を改質した改質ガス、メタノール等が挙げられる。
【0042】
熱交換器2は、循環流路3によって燃料電池1から戻される冷却液が流入する流入口2aと、冷却液と図示しない走行風などの2次冷却媒体との間で熱交換を行わせて、冷却液を冷却させるための熱交換器本体2bと、熱交換によって冷却された冷却液が流出する流出口2cとを備える。この熱交換器2は、2次冷却媒体として、水またはその他の液体を用いる液冷方式でもよいし、2次冷却媒体として空気を用いる空冷方式でもよい。
また、この熱交換器2は、循環流路3を通じて流入口2aから流入する冷却液の一部を冷却液貯蔵容器4に流通させる冷却液−気体流出口2d、2eを備える。
【0043】
循環流路3は、燃料電池1と熱交換器2との間に冷却液を熱交換可能に循環させる流路であり、流出路3aと、送液路3bと、戻し流路3cと、流入路3dと、調整流路3eとから構成される。
流出路3aは、燃料電池1の流出口13と冷却液ポンプ14との間を連絡して、燃料電池1から流出する冷却液が流通する流路である。
【0044】
送液路3bは、冷却液ポンプ14と熱交換器2の流入口2aとの間を連絡し、流出路3aを流通して冷却液ポンプ14に流入し冷却液ポンプ14によって加圧された冷却液が流通する流路である。
戻し流路3cは、熱交換器2の流出口2cとサーモスタット15との間を連絡し、熱交換器2で冷却され、流出口2cから流出する冷却液がサーモスタット15に流通する流路である。
【0045】
流入路3dは、サーモスタット15と燃料電池1の流入口12との間を連絡しサーモスタット15から流出した冷却液が燃料電池1の流入口12に流通する流路である。
【0046】
調整流路3eは、送液路3bとサーモスタット15との間を連絡し、サーモスタット15により、流入路3dを通って流入口12から燃料電池1内に供給される冷却液の温度が所定範囲となるように、送液路3bを流通する冷却液の一部を、戻し流路3cからサーモスタット15内に流入する冷却液と合流させるための流路である。
【0047】
サーモスタット15は、熱交換器2から戻し流路3cを通って流入する冷却液B、冷却液貯蔵容器4から冷却液戻し流路17を通って流入する冷却液C、および調整流路3eを通って流入する冷却液Dのそれぞれの温度に応じて、各流路の流入経路を開閉して、冷却液B、C、Dを混合し、流出口15aから流出し、流入路3dを通って流入口12から燃料電池1内に供給される冷却液の温度を所定の温度に保つ機能を備える装置である。
【0048】
また、冷却液貯蔵容器4は、熱交換器2から流入する循環流路3内の冷却液の一部を下部に滞留させて貯蔵するとともに、冷却液から分離する気体を上部に滞留させる気液分離器としての機能をも備えるものである。
【0049】
この冷却液貯蔵容器4には、図1に示すとおり、冷却液ガス抜き流路16の先端16aと、冷却液戻し流路17の先端17aとが挿入されるとともに、上部に設けられた気体流出入口4aに連絡された信号圧配管5を介して供給空気配管8が連絡されている。
【0050】
この冷却液貯蔵容器4において、冷却液ガス抜き流路16の先端16aは、熱交換器2から流入する冷却液中に含まれる気体が気液分離して、冷却液貯蔵容器4の上部空間に浮上して滞留されるように、冷却液貯蔵容器4の下部に滞留する冷却液Aの液面よりも下部に配置される。
【0051】
また、冷却液戻し流路17の先端17aは、循環流路3内を流通する冷却液と冷却液貯蔵容器4内の冷却液とが連絡するように、冷却液貯蔵容器4の下部に滞留する冷却液Aの液面よりも下部に配置される。
【0052】
冷却液貯蔵容器4は、信号圧配管5と接続されているため、信号圧配管5によって供給された供給空気の圧力によって循環流路3の流入路3dを流通する冷却液に圧力を負荷する。冷却液貯蔵容器4の気相部内での冷却液の圧力は供給空気の圧力と実質等しくなり、その後循環流路3を流通することによって圧力損失が生じるが、その圧力損失は循環流路3内の冷却液の圧力によらずほぼ一定であるため、燃料電池へ供給される冷却液の圧力と燃料電池1へ供給される供給空気との圧力差は、その圧力損失の分だけ冷却液の圧力が供給空気の圧力よりも低くなるようになっている。このように構成することによって、積層構造に構成された燃料電池1内での冷却液流路と供給空気流路の間の圧力差を所定の範囲に保っている。
【0053】
信号圧配管5は、供給空気配管8と冷却液貯蔵容器4との間を連絡している。この信号圧配管5と、これに連絡された冷却液貯蔵容器4によって、冷却液貯蔵容器4が、冷却液貯蔵容器4の上部に滞留する気体の圧力PGと、供給空気配管8を通って燃料電池1に供給される空気の圧力PA(供給空気圧)との圧力差に応じて、呼吸する。ここで、呼吸とは、前記圧力差に応じて、冷却液貯蔵容器4内の気体と供給空気配管8内の空気とが信号圧配管5内を、冷却液貯蔵容器4または供給空気配管8のいずれかに向けて押戻され、または移動することをいう。
【0054】
次に、この第1の実施形態に係る燃料電池の冷却装置における燃料電池の冷却方法について説明するとともに、冷却液中に混入する気体の排気について説明する。
【0055】
この燃料電池の冷却装置において、エアクリーナ6によって清浄化された後、エアーポンプ7によって供給空気配管8を通じて、燃料電池1内に供給される空気と、燃料ガス供給配管9を通じて供給される燃料ガスとを発電反応させて発電が行われる。発電反応後、発電反応によって消費されなかった空気は排気用配管10を通じて排気され、また、発電反応によって消費されなかった燃料ガスは燃料ガス排出配管11を通じて燃料電池1から排出される。
【0056】
このとき、発電反応に伴って発生する熱は、流入口12から燃料電池内に供給され、燃料電池1内に設けられた流路を流通する冷却液によって吸収され、燃料電池1内の温度が所定の温度に保たれる。
【0057】
熱を吸収した冷却液は、流出口13から流出し、循環流路3の流出路3a、冷却液ポンプ14および送液路3bの順で流通し、冷却液ポンプ14によって加圧され、流入口2aから熱交換器2内に流入し、熱交換器本体2bにおいて2次冷却媒体と熱交換して冷却される。熱交換後、冷却液は、熱交換器2の流出口2cから流出し、戻し流路3cを流通してサーモスタット15に流入する。
【0058】
サーモスタット15においては、熱交換器2から戻し流路3cを通って流入する冷却液B、冷却液貯蔵容器4から冷却液戻し流路17を通って流入する冷却液C、および調整流路3eを通って流入する冷却液Dのそれぞれの温度に応じて、各流路の流入経路を開閉して、冷却液B、C、Dを混合して所定の温度に調整された冷却液が流出口15aから流出し、流入路3dを通って流入口12から燃料電池1内に供給される。そして、燃料電池1内に供給された冷却液によって、燃料電池1内が冷却される。
【0059】
このように、本発明の第1の実施形態に係る冷却装置は、冷却液を燃料電池1と熱交換器2の間を循環流路3を介して循環流通させることによって、燃料電池1内を所定の温度に維持し、燃料電池1の安定した運転を図ることができる。
【0060】
また、冷却液貯蔵容器4には、流入口2aから熱交換器2内に流入した冷却液の一部Eが、冷却液ガス抜き流路16を通って、先端16aから冷却液貯蔵容器4内に流入される。このとき、冷却液中に混入した気体が分離して冷却液Aの液面から浮上し、冷却液貯蔵容器4の上部空間(気相部)に滞留するとともに、冷却液は、冷却液貯蔵容器4の下部に滞留する。冷却液貯蔵容器4の下部に滞留した冷却液Aは、冷却液戻し流路17を介して循環流路3の流入路3cを流通する冷却液と連絡している。そして、冷却液貯蔵容器4は、信号圧配管5と接続されているため、信号圧配管5によって供給された供給空気の圧力によって循環流路3の流入路3dを流通する冷却液に圧力を負荷する。冷却液貯蔵容器4の気相部内での冷却液の圧力は供給空気の圧力と実質等しくなり、その後循環流路3を流通することによって圧力損失が生じるが、その圧力損失は循環流路3内の冷却液の圧力によらずほぼ一定であるため、燃料電池へ供給される冷却液の圧力と燃料電池1へ供給される供給空気との圧力差は、その圧力損失の分だけ冷却液の圧力が供給空気の圧力よりも低くなるようになっている。このように構成することによって、積層構造に構成された燃料電池1内での冷却液流路と供給空気流路の間の圧力差を所定の範囲に保っている。
【0061】
このとき、冷却液貯蔵容器4と供給空気配管8とが、信号圧配管5を介して連絡されていることによって、冷却液貯蔵容器4は、冷却液から分離して冷却液貯蔵容器4の上部に滞留する気体と、供給空気配管8内を流通する空気との圧力差PDに応じて呼吸する。すなわち、冷却液貯蔵容器4の上部に滞留する気体によって形成される気相部の圧力PGと、供給空気配管8を通って燃料電池1に供給される空気の圧力PA(供給空気圧)とが圧力差を有する場合には、その圧力差に応じて、冷却液貯蔵容器4内の気体と供給空気配管8内の空気とが、信号圧配管5内を、冷却液貯蔵容器4または供給空気配管8のいずれかに向けて押戻され、または移動する。気体の圧力PGが空気の圧力PAよりも高いときは、図1中、冷却液貯蔵容器4から供給空気配管8に向けて(矢印Gで示す方向に)冷却液貯蔵容器4内の気体が信号圧配管5を通じて流通し、供給空気配管8側から信号圧配管5中に入り込む空気を供給空気配管8に押戻して冷却液貯蔵容器4内の気体が前記供給空気配管8内に排気される。また、気体の圧力PGが空気の圧力PAよりも低いときは、供給空気配管8から冷却液貯蔵容器4に向けて(矢印Hで示す方向に)冷却液貯蔵容器4内の気体が押戻され、空気が冷却液貯蔵容器4内に流入し、気相部の気体が希釈される。これにより、冷却液貯蔵容器4内の気相部が換気される。また、供給空気配管8内に排気された気体(例えば、燃料ガス)は、燃料電池1に供給される空気と混合して、前記燃料電池のカソード電極で燃焼して排出される。
【0062】
さらに、冷却液貯蔵容器4における気相部の圧力は、呼吸することによってほぼ等しくなる(PA=PG)。また、冷却液貯蔵容器4での冷却液の圧力は、気相部の圧力と実質的に等しくなり、その後、燃料電池1へ供給される前に循環流路3を流通することによって圧力損失が生じるが、その圧力損失は循環流路3内の冷却液の圧力によらずほぼ一定であるため、燃料電池1へ供給される冷却液の圧力と燃料電池1へ供給される供給空気の圧力は、その圧力損失の分だけ冷却液の圧力が供給空気の圧力よりも低くなるようになっている(PA>PL)。すなわち、供給空気の圧力(PA)が燃料電池1の出力変動などによって圧力が上昇または下降すると、それに伴ってその圧力を冷却液貯蔵容器4の冷却液に伝えることでPA>PLの関係が保たれ、燃料電池1内での冷却液と供給空気の圧力バランスが保たれる。
【0063】
また、前記第1の実施形態において、前記圧力差PDを制御して、冷却液貯蔵容器4を呼吸させてもよい。前記圧力差PDを制御する方法としては、例えば、エアーポンプ7の回転数を変えることによって供給空気配管8内を流通する空気の圧力PAを変動させたり、排気用配管10に設けた図示しない排出制御弁の弁開度を変えることによって行ってもよい。このとき、前記信号圧配管5内の圧力、すなわち、圧力差PDを所定圧力以上高めた後に定常圧力まで戻すようにすることによって、冷却液貯蔵容器4を呼吸させてもよい。これにより、PG>PAとなったときに、冷却液貯蔵容器内に形成される気相部の気体が、信号圧配管5を通じて、供給空気配管8側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管8内に排気される。
【0064】
さらに、前記圧力差PDが所定時間以上変動しないときに、冷却液貯蔵容器4を呼吸させるようにしてもよい。例えば、圧力差PDを計測し、PDが変動しないときに、エアーポンプ7によって供給空気配管8から燃料電池1内に供給する空気の圧力を変動させ、PG>PAとなったときに、冷却液貯蔵容器内に形成される気相部の気体が、信号圧配管5を通じて、供給空気配管8側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管8内に排気されるようにしてもよい。
【0065】
さらに、冷却液貯蔵容器4内の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに、前記供給空気配管から燃料電池内に供給する空気の圧力を変動させるようにしてもよい。例えば、冷却液貯蔵容器4に燃料ガスセンサ19を設け、この燃料ガスセンサ19によって測定される燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに、エアーポンプ7によって供給空気配管8から燃料電池1内に供給する空気の圧力を変動させ、PG>PAとなったときに、冷却液貯蔵容器内に形成される気相部の気体が、信号圧配管5を通じて、供給空気配管8側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管8内に排気されるようにしてもよい。
【0066】
また、冷却液貯蔵容器4内の燃料ガス濃度が高まると想定されるときに、燃料電池1内に供給する空気の圧力を変動させ、PG>PAとなったときに、冷却液貯蔵容器内に形成される気相部の気体が、信号圧配管5を通じて、供給空気配管8側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管8内に排気されるようにしてもよい。このように構成することによって、より積極的に冷却液貯蔵容器4内の気相部を換気することができる。例えば、冷却液貯蔵容器4内の燃料ガス濃度が高まると想定されるときに、予め、エアーポンプ7を作動させるようにプログラムしておき、そのエアーポンプ7の作動によって供給空気配管8から燃料電池1内に供給する空気の圧力を変動させ、冷却液貯蔵容器内に形成される気相部の気体が、供給空気配管8内に排気されるようにしてもよい。
【0067】
次に、図2に示す本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の冷却装置について説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の冷却装置を示すブロック図である。
【0068】
図2に示す第2の実施形態に係る燃料電池の冷却装置は、燃料電池1と熱交換器2の間に冷却液を循環流通させるための循環流路3(3a、3b、3c、3d、3e)、熱交換器2から冷却液貯蔵容器4に冷却液の一部を供給する冷却液ガス抜き流路16、循環流路3内を流通する冷却液の温度を一定に保つためのサーモスタット15、冷却液貯蔵容器4から冷却液を循環流路3に戻すための冷却液戻し流路17等を備える点で、前記第1の実施形態に係る冷却装置と同一の構成を有するものである。したがって、以下の第2の実施形態に係る冷却装置についての説明においては、前記第1の実施形態に係る冷却装置と異なる構成を中心に説明し、第1の実施形態と同一の構成に係るものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
この第2の実施形態に係る冷却装置においては、図2に示すように、冷却液貯蔵容器4が、液相部41と、気相部42とから構成される。この冷却液貯蔵容器4において、液相部41は、熱交換器2と冷却液ガス抜き流路16を介して連絡されている。冷却液ガス抜き流路16の先端16aは、熱交換器2から流入する冷却液中に含まれる気体が気液分離して、液相部41の上部空間に浮上して滞留されるように、液相部41に滞留している冷却液Aの液面よりも下部になるように配置される。
【0070】
また、液相部41は循環流路3と冷却液戻し流路17を介して連絡されている。この冷却液戻し流路17の先端17aは、循環流路3内を流通する冷却液と冷却液貯蔵容器4内の冷却液とが連絡するように、冷却液貯蔵容器4の下部に滞留する冷却液Aの液面よりも下部に配置される。
【0071】
また、冷却液貯蔵容器4の気相部42は、前記液相部41の上部に上方に向けて突設され、液相部41と連通している。この気相部42は、燃料電池1に空気を供給する供給空気配管8に信号圧配管5を介して連絡されている。この気相部42においては、液相部41において冷却液から気液分離され、液相部41の上部空間に浮上して滞留する気体の状態に応じて、信号圧配管5を介して供給空気配管8から空気を流入させて前記気体と空気とを混合し、あるいは信号圧配管5を通じて空気を押戻し、気体を供給空気配管8内に排気させる役割を有するものである。そして、この第2の実施形態に係る冷却装置においては、冷却液貯蔵容器4が気相部42を備えることにより、冷却液貯蔵容器4の揺動、傾斜等により、冷却液貯蔵容器4内に滞留される冷却液が信号圧配管を介して供給空気配管内に漏出するのを防止するために有効である。例えば、燃料電池を搭載した自動車の走行時に、冷却液貯蔵容器が揺動、傾斜しても冷却液が供給空気配管内に漏出するのを防止して、安定して燃料電池による発電を継続するために有効である。
【0072】
この第2の実施形態に係る冷却装置においては、前記第1の実施形態と同様に、燃料電池1と熱交換器2の間を循環流路3を介して循環される冷却液の温度が、サーモスタット15によって一定に保たれる。
【0073】
このとき、冷却液貯蔵容器4の気相部42と供給空気配管8とを信号圧配管5を介して連絡させることによって、冷却液貯蔵容器4は、冷却液から分離して液相部41の上部および気相部42内に滞留する気体と、供給空気配管8内を流通する空気との圧力差PDに応じて呼吸する。すなわち、冷却液貯蔵容器4の上部(液相部41の上部および気相部42)に滞留する気体によって形成される気相部の圧力PGと、供給空気配管8を通って燃料電池1に供給される空気の圧力PA(供給空気圧)との圧力差に応じて、冷却液貯蔵容器4内の気体と供給空気配管8内の空気とが、信号圧配管5内を、冷却液貯蔵容器4または供給空気配管8のいずれかに向けて移動する。気体の圧力PGが空気の圧力PAよりも高いときは、図2中、冷却液貯蔵容器4から供給空気配管8に向けて(矢印Gで示す方向に)冷却液貯蔵容器4内の気体が信号圧配管5を通じて流通し、冷却液貯蔵容器4内の気体が前記供給空気配管8内に排気される。また、気体の圧力PGが空気の圧力PAよりも低いときは、供給空気配管8から冷却液貯蔵容器4に向けて(矢印Gと逆の方向:図2中、矢印Hで示す方向に)冷却液貯蔵容器4内の気体が押戻され、空気が冷却液貯蔵容器4内に流入し、気相部42の気体と混合される。これにより、冷却液貯蔵容器4内の気相部42が換気される。また、供給空気配管8内に排気された気体(例えば、燃料ガス)は、燃料電池1に供給される空気と混合して、前記燃料電池のカソード電極の触媒で触媒燃焼反応する。
【0074】
さらに、冷却液貯蔵容器4における気相部42の圧力は、呼吸することによってほぼ等しくなる(PA=PG)。また、冷却液貯蔵容器4での冷却液の圧力は、気相部42の圧力と実質的に等しくなり、その後、燃料電池1へ供給される前に循環流路3を流通することによって圧力損失が生じるが、その圧力損失は循環流路3内の冷却液の圧力によらずほぼ一定であるため、燃料電池1へ供給される冷却液の圧力と燃料電池1へ供給される供給空気の圧力は、その圧力損失の分だけ冷却液の圧力が供給空気の圧力よりも低くなるようになっている(PA>PL)。すなわち、供給空気の圧力(PA)が燃料電池1の出力変動などによって圧力が上昇または下降すると、それに伴ってその圧力を冷却液貯蔵容器4の冷却液に伝えることでPA>PLの関係が保たれ、燃料電池1内での冷却液と供給空気の圧力バランスが保たれる。
【0075】
また、この第2の実施形態に係る冷却装置において、気相部42は、内部の燃料ガス濃度を検出する燃料ガス検出手段を備える構成としてもよい。これにより、気相部42内の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに、前記供給空気配管から燃料電池内に供給する空気の圧力を変動させるようにしてもよい。例えば、気相部42に燃料ガスセンサ19を設け、この燃料ガスセンサ19によって測定される燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに、エアーポンプ7によって供給空気配管8から燃料電池1内に供給する空気の圧力を変動させ、PG>PAとなったときに、冷却液貯蔵容器内に形成される気相部の気体が、信号圧配管5を通じて、供給空気配管8側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管8内に排気されるようにしてもよい。
【0076】
また、前記気相部42内の燃料ガス濃度が所定値以上のときに、前記信号圧配管5内の圧力を制御することによって前記気相部42内の気体を前記供給空気配管8または燃料電池からの排気用配管10内に押戻す圧力制御手段を備える構成としてもよい。例えば、前記圧力制御手段は、前記信号圧配管内の圧力を所定圧力以上に高めたのちに定常圧力に戻す手段としてもよい。これにより、前記信号圧配管5内の圧力、すなわち、圧力差PDを所定圧力以上高めた後に定常圧力まで戻すようにすることによって、冷却液貯蔵容器4を呼吸させ、PG>PAとなったときに、冷却液貯蔵容器4内に形成される気相部の気体が、信号圧配管5を通じて、供給空気配管8側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管8に押戻して、気体が供給空気配管8内に排気される。
【0077】
次に、図3に示す本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の冷却装置について説明する。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の冷却装置の構成を示すブロック図である。
【0078】
図3に示す第3の実施形態に係る燃料電池の冷却装置は、燃料電池1と熱交換器2の間に冷却液を循環流通させるための循環流路3(3a、3b、3c、3d、3e)、熱交換器2から冷却液貯蔵容器4に冷却液の一部を供給する冷却液ガス抜き流路16、循環流路3内を流通する冷却液の温度を一定に保つためのサーモスタット15、冷却液貯蔵容器4から冷却液を循環流路3に戻すための冷却液戻し流路17等を備える点で、前記第1の実施形態に係る冷却装置と同一の構成を有するものである。したがって、以下の第3の実施形態に係る冷却装置についての説明においては、前記第1の実施形態に係る冷却装置と異なる構成を中心に説明し、第1の実施形態と同一の構成に係るものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
この第3の実施形態に係る冷却装置は、図3に示すように、冷却液貯蔵容器4が、液相部41と、ガス抜き室43とから構成される。この冷却液貯蔵容器4において、液相部41は、熱交換器2と冷却液ガス抜き流路16を介して連絡されている。冷却液ガス抜き流路16の先端16aは、熱交換器2から流入する冷却液中に含まれる気体が気液分離して、液相部41の上部空間に浮上して滞留されるように、液相部41に滞留している冷却液Aの液面よりも下部になるように配置される。
【0080】
また、液相部41は循環流路3と冷却液戻し流路17を介して連絡されている。この冷却液戻し流路17の先端17aは、循環流路3内を流通する冷却液と冷却液貯蔵容器4内の冷却液とが連絡するように、冷却液貯蔵容器4の下部に滞留する冷却液Aの液面よりも下部に配置される。
【0081】
冷却液貯蔵容器4のガス抜き室43は、前記液相部41の上部に上方に向けて突設され、流入室43aと、流出室43bとに区画されている。流入室43aと、流出室43bとは、それぞれ開口部44a、44bを介して液相部41と連通している。また、流入室43aは、空気流入配管45aを介して供給空気配管8と連絡され、流出室43bは、気体流出配管45bを介して供給空気配管8と連絡されている。そして、供給空気配管の途中に配設された加湿器46を挟んで、上流側に空気流入配管45aが接続され、下流側に気体流出配管45bが接続されている。また、加湿器46は、燃料電池に供給される空気を加湿するものである。
【0082】
このガス抜き室43は、液相部41において冷却液から気液分離され、液相部41の上部空間に浮上して滞留する気体の状態に応じて、空気流入配管45aを通じて流入室43aに空気を流入させて前記気体と空気を混合し、あるいは流出室43bから気体流出配管45bを通じて気相部の気体を供給空気配管8内に排気させるものである。
【0083】
この第3の実施形態に係る冷却装置においては、前記第1の実施形態と同様に、燃料電池1と熱交換器2の間を循環流路3を介して循環される冷却液の温度が、サーモスタット15によって一定に保たれる。
【0084】
このとき、冷却液貯蔵容器4は、冷却液から分離して液相部41の上部およびガス抜き室43内の気体と、供給空気配管8内を流通する空気との圧力差に応じて呼吸する。すなわち、冷却液貯蔵容器4の上部(液相部41の上部およびガス抜き室43)に滞留する気体の圧力PGと、供給空気配管8を通って燃料電池1に供給される空気の圧力PA(供給空気圧)との圧力差、冷却液貯蔵容器4内の気体と供給空気配管8内の空気とが空気流入配管45aまたは気体流出配管45b内を、冷却液貯蔵容器4または供給空気配管8のいずれかに向けて押戻され、または移動する。このとき、加湿器46を挟んで供給空気配管8の上流側に空気流入配管45aを介して流入室43aが連絡され、下流側に気体流出配管45bを介して流出室43bが連絡されているため、加湿器46によって生じる圧力損失によって、冷却液貯蔵容器4内の換気量が増加される。例えば、ガス抜き室43内の気体の圧力PGが空気の圧力PAよりも高いときは、図3中、冷却液貯蔵容器4の流出室43bから供給空気配管8に向けて(矢印Gで示す方向に)気体が気体流出配管45bを通じて流出し、供給空気配管8側から気体流出配管45b中に入り込む空気を供給空気配管8に押戻して冷却液貯蔵容器4内の気体が供給空気配管8内に排気される。また、気体の圧力PGが空気の圧力PAよりも低いときは、供給空気配管8から冷却液貯蔵容器4に向けて(矢印Gと逆の方向:図3中、矢印Hで示す方向に)冷却液貯蔵容器4の流入室43a内の気体が押戻され、空気が流入する。このとき、前記圧力損失によって、流出室43bから供給空気配管8に向けて(矢印Gで示す方向に)冷却液貯蔵容器4内の気体が気体流出配管45bを通じて流出する場合、および供給空気配管8から冷却液貯蔵容器4に向けて(図3中、矢印Hで示す方向に)冷却液貯蔵容器4の流入室43a内の気体が押戻され、空気が流入する場合のいずれにおいても、気体の流出および空気の流入が増加される。そのため、冷却液貯蔵容器4内の気相部の換気がより促進される。
【0085】
さらに、冷却液貯蔵容器4における気相部の圧力は、呼吸することによってほぼ等しくなる(PA=PG)。また、冷却液貯蔵容器4での冷却液の圧力は、気相部の圧力と実質的に等しくなり、その後、燃料電池1へ供給される前に循環流路3を流通することによって圧力損失が生じるが、その圧力損失は循環流路3内の冷却液の圧力によらずほぼ一定であるため、燃料電池1へ供給される冷却液の圧力と燃料電池1へ供給される供給空気の圧力は、その圧力損失の分だけ冷却液の圧力が供給空気の圧力よりも低くなるようになっている(PA>PL)。すなわち、供給空気の圧力(PA)が燃料電池1の出力変動などによって圧力が上昇または下降すると、それに伴ってその圧力を冷却液貯蔵容器4の冷却液に伝えることでPA>PLの関係が保たれ、燃料電池1内での冷却液と供給空気の圧力バランスが保たれる。
【0086】
また、この第3の実施形態に係る冷却装置において、冷却液貯蔵容器4は、内部の燃料ガス濃度を検出する燃料ガス検出手段を備える構成としてもよい。これにより、冷却液貯蔵容器4内の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに、前記供給空気配管8から燃料電池1内に供給する空気の圧力を変動させる等の方法により、積極的に冷却液貯蔵容器4内の換気が行われるようにしてもよい。例えば、図3に示すように、冷却液貯蔵容器4の液相部41の上部に燃料ガスセンサ19を設けた構成としてもよい。このとき、燃料ガスセンサ19は、下部に設けた遮蔽板21によって、冷却液貯蔵容器4の揺動、傾斜等によって冷却液Aと接触しないように防護されていてもよい。そして、燃料ガスセンサ19によって測定される燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに、エアーポンプ7によって供給空気配管8から燃料電池1内に供給する空気の圧力を積極的に変動させ、PG>PAとなったときに、冷却液貯蔵容器内の気体が、気体流出配管45bを通じて、供給空気配管8側から信号圧配管中に入り込む空気を供給空気配管に押戻して、気体が供給空気配管8内に排気されるようにしてもよい。
【0087】
なお、前記の第1の実施形態および第2の実施形態は、冷却液貯蔵容器4(気相部41)が、信号圧配管5を介して供給空気配管8に連絡された構成を有するものであるが、本発明の燃料電池の冷却装置は、冷却液貯蔵容器4(気相部41)が排気用配管10に連絡された構成を有するものでもよい。
【0088】
この構成では、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、燃料電池1と熱交換器2の間を循環流路3を介して循環される冷却液の温度が、サーモスタット15によって一定に保たれるとともに、燃料電池1よりも上部に配置されている冷却液貯蔵容器4(液相部41)によって、循環流路3を流通する冷却液に圧力が負荷され、循環流路3を循環流通する冷却液の圧力が一定に保たれる。
【0089】
このとき、冷却液貯蔵容器4(気相部42)が、燃料電池1から排出される排出空気が流通する排気用配管10(図1参照)に信号圧配管を介して連絡されているため、冷却液貯蔵容器4は、冷却液から分離して冷却液貯蔵容器4の上部(液相部41の上部および気相部42)の気体の圧力と、排気用配管10内を流通する空気との圧力差PEに応じて呼吸する。すなわち、冷却液貯蔵容器4の上部(液相部41の上部および気相部42)に滞留する気体によって形成される気相部の圧力PGと、排気用配管10を通って燃料電池1から排出される空気の圧力PF(または供給空気圧)との圧力差に応じて、冷却液貯蔵容器4内の気体と排気用配管10内の空気とが信号圧配管5内を、冷却液貯蔵容器4または排気用配管10のいずれかに向けて押戻され、または移動する。気体の圧力PGが排出空気の圧力PFよりも高いときは、冷却液貯蔵容器4から排気用配管10に向けて冷却液貯蔵容器4内の気体が信号圧配管5を通じて流通し、排気用配管10側から信号圧配管5中に入り込む空気を排気用配管10に押戻して冷却液貯蔵容器4内の気体が前記排気用配管10内に排気される。また、気体の圧力PGが排出空気の圧力PFよりも低いときは、排気用配管10から冷却液貯蔵容器4に向けて冷却液貯蔵容器4内の気体が押戻され、空気が冷却液貯蔵容器4内に流入し、気相部の気体が希釈される。これにより、冷却液貯蔵容器4内の気相部が換気される。また、排出空気配管10内に排気された気体(例えば、燃料ガス)は、燃料電池1から排出される空気と混合して排気される。
【0090】
さらに、冷却液貯蔵容器4における気相部の圧力は、呼吸することによってほぼ等しくなる(PA=PG)。また、冷却液貯蔵容器4での冷却液の圧力は、気相部の圧力と実質的に等しくなり、その後、燃料電池1へ供給される前に循環流路3を流通することによって圧力損失が生じるが、その圧力損失は循環流路3内の冷却液の圧力によらずほぼ一定であるため、燃料電池1へ供給される冷却液の圧力と燃料電池1へ供給される供給空気の圧力は、その圧力損失の分だけ冷却液の圧力が供給空気の圧力よりも低くなるようになっている(PA>PL)。すなわち、供給空気の圧力(PA)が燃料電池1の出力変動などによって圧力が上昇または下降すると、それに伴ってその圧力を冷却液貯蔵容器4の冷却液に伝えることでPA>PLの関係が保たれ、燃料電池1内での冷却液と供給空気の圧力バランスが保たれる。
【0091】
また、冷却液貯蔵容器がガス抜き室43を有する構成の場合には、冷却液貯蔵容器4の揺動、傾斜等により、冷却液貯蔵容器4内に滞留される冷却液が信号圧配管を介して供給空気配管内に漏出するのを防止するために有効である。
【0092】
【実施例】
次に、前記第2の実施形態と同じ構成を備える冷却装置を有し、燃料ガスとして水素を用いる燃料電池を自動車に搭載して、冷却液貯蔵容器4の呼吸について実験した結果を図4および図5に示す。
【0093】
図4は、前記第2の実施形態に係る冷却装置における冷却液貯蔵容器4の呼吸について、冷却液貯蔵容器4内の気体の圧力(容器内圧)と水素濃度の変化を示す。この実験では、一定流量の水素が冷却液に混入してくるものとして想定している。図4中、点線は容器内圧を、実線は冷却液貯蔵容器4の気相部42内の水素濃度を示す。この冷却装置を備える燃料電池1を定常運転させているとき、燃料電池自動車の走行モータの要求電力に応じて燃料電池1の要求出力が変動する。この燃料電池1の要求出力によって燃料電池1へ供給する供給空気の圧力を変動させるため、図4中、点線で示す通り、冷却液貯蔵容器内の圧力は自然に変動する。図4中、実線で示すように、冷却液貯蔵容器4の気相部42内の水素は冷却液貯蔵容器4内の圧力変動(点線)に伴って冷却液中の気体と供給空気とが気相部で混合され、供給空気とともに燃料電池1のカソード電極に供給されているので、冷却液に混入している水素の濃度は管理目標濃度を超えることはない。しかし、燃料電池1の出力変動が少なく、(例えば、一定速度で燃料電池自動車の運転を続けているときなど)燃料電池1への供給空気の圧力変動が生じない、または供給空気の圧力変動が生じていてもその変動幅が小さいときなど(図4における15分から30分の区間など)は気相部の水素濃度が高まってしまうことがある。このとき冷却液貯蔵容器4の気相部に設けた水素ガス検出手段によって気相部の水素濃度が管理目標濃度に達した場合(図4における17分、24分、26分の位置)はエアーポンプ7の回転数を増大させた後に、定常の回転数に戻すことで供給空気圧を変動させる(圧力を高めてから定常に戻す)。これによって、図4中、容器内圧が、太線で示すように変動し、容器内圧(PG)>供給空気圧(PA)となったとき、水素が信号圧配管5を通って供給空気配管8内に排気され、供給空気と混合して燃料電池1のカソード極で燃焼される。そして、気相部42における水素濃度が減少する。
【0094】
図5は、前記第2の実施形態に係る冷却装置における冷却液貯蔵容器4の呼吸について、冷却液貯蔵容器内の気体の圧力(容器内圧)と水素濃度の変化を示す。図5中、点線は容器内圧を、実線は冷却液貯蔵容器4の気相部42内の水素濃度を示す。この冷却装置を備える燃料電池1の運転において、容器内圧が変動せず、実線で示すように冷却液貯蔵容器4の気相部42内の水素濃度が変動し、水素センサ19によって測定される水素濃度が所定の管理目標濃度に達した場合、エアーポンプ7を操作して、供給空気圧を変動させる(圧力を高めてから戻す)。これによって、図5中、容器内圧が、太線で示すように変動し、容器内圧(PG)>供給空気圧(PA)となったとき、水素が信号圧配管5を通って供給空気配管8内に排気され、供給空気と混合して燃料電池1のカソード極で燃焼される。そして、気相部42における水素濃度が減少する。
【0095】
また、本実施例では、気相部の水素濃度が管理目標濃度に達したときに圧力変動を行うようにしたが、圧力変動(供給空気圧を高めてから定常に戻す)は定期的に行ってもよく、また、図5に示すように定常運転における圧力変動が行われていないときは、その圧力変動が行われていない時間を検知し、その時間に応じて圧力変動を行ってもよい。
【0096】
以上の図4および図5に示す測定結果から、本発明の冷却装置を備える燃料電池によれば、燃料電池の各部から冷却液中に混入される気体、特に燃料ガスを冷却液貯蔵容器内で気液分離して排気して、冷却液貯蔵容器内の燃料ガス濃度を所望のレベルに制御できることが分る。
【0097】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の請求項1に記載の燃料電池の冷却装置によれば、冷却液の循環流路に混入した燃料ガスを供給空気と混合して排出することができるため、燃料電池の排気中の燃料ガスを希釈して低濃度で排出することができる。また、熱交換器や冷却液の循環流路内に溜まる気体を、人的整備を必要とせずに随時排気して冷却液中の当該気体の濃度を低いレベルに維持させることが可能となり、燃料電池の冷却装置における冷却性能の低下を防止することができる。そのため、気体の漏洩による警告や機関停止の必要頻度を低減して燃料電池発電システムの使い勝手をより向上できる。
【0098】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の冷却装置と同様の効果を奏するとともに、燃料電池に供給する空気と混合して希釈された燃料ガスを燃料電池のカソード電極における触媒燃焼反応で消費されるため、さらに排出する燃料ガス濃度を下げることができる。
【0099】
また、請求項3に記載の発明によれば、少なくとも1本の信号圧配管を配設するだけで、冷却液貯蔵容器を呼吸させながら換気することが可能となり、軽量かつ低コストな構成で冷却液中に漏出する気体を随時排気することができる。特に、極間差圧(燃料ガス、空気、冷却液間の圧力差)の少ない設計の燃料電池においては、燃料ガスと冷却液の供給圧力差が生じると燃料電池のセパレータやシール構造などに過負荷がかかるため、燃料ガス、冷却液ともに供給圧力を低く保つか、燃料ガスと冷却液の供給圧力差を少なく制御する必要があるが、本発明は、その場合にも充分適用可能である。
【0100】
また、請求項4に記載の発明によれば、本来、燃料電池システムの有する燃料ガス供給・排出圧力が変動する性質を利用し、冷却液貯蔵容器等を呼吸させながら冷却液中に漏出する気体を換気して排気することが可能となるため、燃料ガス供給手段の軽量化・低コスト化ができる。また、冷却液貯蔵容器等に必要充分な換気を供給しながらも過剰な換気を供給することがなく、必要最適量の換気を供給でき無駄な電力消費を回避できる。
【0101】
また、請求項5に記載の発明によれば、信号圧配管内の圧力を所定圧力以上高めた後に定常圧力まで戻すことによって、冷却液貯蔵容器等を呼吸させながら冷却液中に漏出する気体を換気して排気することが可能となるため、燃料ガス供給手段の軽量化・低コスト化ができる。また、冷却液貯蔵容器等に必要充分な換気を供給しながらも過剰な換気を供給することがなく、必要最適量の換気を供給でき無駄な電力消費を回避できる。
【0102】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、冷却液貯蔵容器等が燃料ガス(燃料ガス)検知手段を持たなくとも冷却液貯蔵容器等の内部の燃料ガス濃度最高値を推測して、冷却液貯蔵容器内の換気を行うことができ、燃料ガスセンサ等の必要センサー数やそのコストを低減できる。
【0103】
また、請求項7に記載の発明によれば、冷却液貯蔵容器等の内部の燃料ガス濃度に応じ換気量を制御できるため冷却液貯蔵容器内の換気に、必要最小の換気で充分であり過剰な換気を行う必要がなく、無駄な電力消費を回避でき、燃料ガス濃度上昇によるトラブルを未然に回避できる。
【0104】
さらに、請求項8に記載の発明によれば、冷却液貯蔵容器等が燃料ガス(燃料ガス)検知手段を持たなくとも冷却液貯蔵容器等の内部の燃料ガス濃度最高値を推測して、冷却液貯蔵容器内の換気を行うことができ、燃料ガスセンサ等の必要センサー数やそのコストを低減できる。
【0105】
また、請求項9に記載の発明によれば、液相部において冷却液から分離された気体が、気相部において供給空気配管側から信号圧配管を通じて流入される空気と混合され、気相部内の圧力が供給空気配管内の供給空気圧よりも高くなったときに、信号圧配管を通じて、供給空気配管側から信号圧配管中に入り込む空気が供給空気配管に押戻され、気相部内の気体が供給空気配管内に排気され、気相部内が換気される。これによって、冷却液の循環流路に混入した燃料ガスを供給空気と混合して排出することができるため、燃料電池の排気中の燃料ガスを希釈して低濃度で排出することができる。また、熱交換器や冷却液の循環流路内に溜まる気体を、人的整備を必要とせずに随時排気して冷却液中の当該気体の濃度を低いレベルに維持させることが可能となり、燃料電池の冷却装置における冷却性能の低下を防止することができる。そのため、気体の漏洩による警告や機関停止の必要頻度を低減して燃料電池発電システムの使い勝手をより向上できる。
【0106】
また、請求項10に記載の発明によれば、燃料ガス検出手段によって検出される気相部内の燃料ガス濃度に応じて、適宜、冷却液貯蔵容器の呼吸による換気量を制御すれば、必要最小の換気で充分であり過剰な換気を行う必要がなく、無駄な電力消費を回避でき、燃料ガス濃度上昇によるトラブルを未然に回避できる。
【0107】
また、請求項11に記載の発明によれば、冷却液貯蔵容器等の内部の燃料ガス濃度に応じ換気量を制御できるため冷却液貯蔵容器内の換気に、必要最小の換気で充分であり過剰な換気を行う必要がなく、無駄な電力消費を回避でき、燃料ガス濃度上昇によるトラブルを未然に回避できる。
【0108】
また、請求項12に記載の発明によれば、信号圧配管内の圧力を所定圧力以上高めた後に定常圧力まで戻すことによって、冷却液貯蔵容器等を呼吸させながら冷却液中に漏出する気体を換気して排気することが可能となるため、燃料ガス供給手段の軽量化・低コスト化ができる。また、冷却液貯蔵容器等に必要充分な換気を供給しながらも過剰な換気を供給することがなく、必要最適量の換気を供給でき無駄な電力消費を回避できる。
【0109】
また、請求項13に記載の発明によれば、加湿器によって生じる圧力損失により、冷却液貯蔵容器からの換気量が増大される。
【0110】
また、請求項14に記載の発明によれば、燃料ガス検出手段によって検出される気相部内の燃料ガス濃度に応じて、適宜、冷却液貯蔵容器の呼吸による換気量を制御すれば、必要最小の換気で充分であり過剰な換気を行う必要がなく、無駄な電力消費を回避でき、燃料ガス濃度上昇によるトラブルを未然に回避できる。
【0111】
また、本発明の冷却装置を備える燃料電池を搭載した自動車においては、供給空気配管における供給空気圧の変動に起因して燃料電池出力電圧、カソードガス(空気)供給用エアーポンプの消費電力が変化しても、燃料電池に接続された駆動機器への出力電流を適切に制御することで常時所望の駆動出力を供給することが可能となる。そのため、自動車のドライバビリティが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の冷却装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の冷却装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の冷却装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の冷却装置による冷却液貯蔵容器内の呼吸について実験した結果を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の冷却装置による冷却液貯蔵容器内の呼吸について実験した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
2 熱交換器
3 循環流路
3a 流出路
3b 送液路
3c 戻し流路
3d 流入路
3e 調整流路
4 冷却液貯蔵容器
5 信号圧配管
8 供給空気配管
9 燃料ガス供給配管
10 排気用配管
16 冷却液ガス抜き流路
17 冷却液戻し流路
19 燃料ガスセンサ(燃料ガス検出手段)
41 液相部
42 気相部
43 ガス抜き室
43a 流入室
43b 流出室
46 加湿器
Claims (14)
- 空気と燃料ガスの供給を受けて発電する燃料電池と熱交換器との間に冷却液を循環させる燃料電池の冷却装置であって、
前記冷却液中に混入した気体を分離して、前記燃料電池に供給される空気または前記燃料電池から排出される空気と混合して排出するようにしたことを特徴とする燃料電池の冷却装置。 - 前記燃料電池に供給される空気と混合した気体を、前記燃料電池のカソード電極へ導入させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の冷却装置。
- 空気と燃料ガスの供給を受けて発電する燃料電池と熱交換器との間に冷却液を循環させる循環流路を備える燃料電池の冷却装置であって、
前記循環流路とガス抜き流路を介して連絡され、かつ前記循環流路と冷却液戻し流路を介して連絡された、前記循環流路の冷却液の一部を貯蔵する冷却液貯蔵容器を備え、
前記冷却液貯蔵容器は、前記燃料電池に空気を供給する供給空気配管または前記燃料電池から排気を排出する排気用配管に信号圧配管を介して連絡され、
前記冷却液ガス抜き流路を通じて前記循環流路から流入する冷却液より分離され冷却液貯蔵容器内に蓄積される気体の圧力が前記供給空気配管内の供給空気圧または前記排気用配管内の排気圧よりも高いときに、前記信号圧配管を通じて、前記供給空気配管側または排気用配管側から前記信号圧配管中に入り込む空気を前記供給空気配管または排気用配管に押戻して前記気体が前記供給空気配管内または排気用配管内に排気されるようにしたことを特徴とする燃料電池の冷却装置。 - 前記供給空気配管を通じて前記燃料電池内に供給する空気の圧力または前記排気用配管を通じて排出される排気の圧力を変動させることによって前記気体を前記供給空気配管または前記排気用配管に排気することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池の冷却装置。
- 前記信号圧配管内の圧力を所定圧力以上高めた後に定常圧力まで戻すようにしたことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池の冷却装置。
- 前記冷却液貯蔵容器内の気体の圧力と供給空気配管内の空気の圧力または排気用配管内の排気の圧力との圧力差が所定時間以上変動しないときに、前記供給空気配管から燃料電池内に供給する空気の圧力または前記排気用配管を通って排気される排気の圧力を変動させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池の冷却装置。
- 前記冷却液貯蔵容器内の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったときに、前記供給空気配管から燃料電池内に供給する空気の圧力を変動させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池の冷却装置。
- 前記冷却液貯蔵容器内の燃料ガス濃度が高まると想定されるときに前記燃料電池内に供給する空気の圧力を変動させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池の冷却装置。
- 空気と燃料ガスの供給を受けて発電する燃料電池を冷却する冷却液を前記燃料電池内と熱交換器との間に循環させる循環流路を備える燃料電池の冷却装置であって、
前記循環流路の冷却液の一部を貯蔵する冷却液貯蔵容器を備え、
前記冷却液貯蔵容器は、前記循環流路と冷却液ガス抜き流路を介して連絡され、かつ前記循環流路と冷却液戻し流路を介して連絡された液相部と、
燃料電池に空気を供給する供給空気配管に流入配管を介して連絡され、前記液相部で冷却液から分離される気体と、前記流入配管を通じて前記供給空気配管から流入する供給空気とを混合させる気相部と
を備えることを特徴とする燃料電池の冷却装置。 - 前記気相部が、内部の燃料ガス濃度を検出する燃料ガス検出手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池の冷却装置。
- 前記気相部内の燃料ガス濃度が所定値以上のときに、前記信号圧配管内の圧力を制御することによって前記気相部内の気体を前記供給空気配管または燃料電池からの排気用配管内に押戻す圧力制御手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池の冷却装置。
- 前記圧力制御手段は、前記信号圧配管内の圧力を所定圧力以上に高めたのちに定常圧力に戻す手段であることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池の冷却装置。
- 空気と燃料ガスの供給を受けて発電する燃料電池を冷却する冷却液を前記燃料電池内と熱交換器との間に循環させる循環流路を備える燃料電池の冷却装置であって、
前記循環流路の冷却液の一部を貯蔵する冷却液貯蔵容器を備え、
前記冷却液貯蔵容器は、前記循環流路と冷却液ガス抜き流路を介して連絡され、かつ前記循環流路と冷却液戻し流路を介して連絡された液相部と、
燃料電池に空気を供給する供給空気配管に流入配管および流出配管を介して連絡され、前記液相部で冷却液から分離される気体を、前記流入配管を通じて前記供給空気配管から流入する供給空気によって混合し、混合された気体を前記流出配管を通じて前記供給空気配管に戻す気相部とを備え、
前記供給空気配管の途中に配設され、前記燃料電池に供給される空気を加湿する加湿器を挟んで前記供給空気配管の上流側に前記流入配管を、下流側に前記流出配管を連絡したことを特徴とする燃料電池の冷却装置。 - 前記冷却液貯蔵容器が、内部の燃料ガス濃度を検出する燃料ガス検出手段を備えることを特徴とする請求項13に記載の燃料電池の冷却装置。
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