JP2004319102A - 平面表示パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の輝度を上げたり、低電圧動作させたりするために、透明電極の抵抗を下げる目的で、透明電極に補助電極を付加することが行われる。また、高精細な画像を得るためや、マトリクス状に配置した両電極の接触を防止するために、透明電極の間や上面に絶縁層を配置する。これら透明電極及び絶縁層のエッチング工程は、通常フォトリソグラフィ法によるため、エッチング工程毎にこれらのパターンアラインメントを実施する必要があった。パターンアラインメントには、位置ずれを考慮して透明電極の幅の設計寸法に予めアラインメントマージンを見こまねばならない。このアラインメントマージンは高精細な平面表示パネルの障害となるものであった。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、補助電極や絶縁層を自己整合的に形成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面表示パネルの透明電極を補完する補助電極及び絶縁層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネセンス(以後、「エレクトロルミネセンス」を「EL」と略記する。)表示パネルのような平面表示パネルは、陰極と陽極をマトリクス状に配置し、両極の間に信号を印加して画素を表示する。これらの平面表示パネルでは、画素からの光を取り出すために、少なくとも一方の電極には透明電極が用いられる。画像の輝度を上げたり、低電圧動作させたりするために、透明電極の抵抗を下げる目的で、透明電極に補助電極を付加することが行われる。また、高精細な画像を得るためや、マトリクス状に配置した両電極の接触を防止するために、透明電極の間や上面に絶縁層を配置する。
【0003】
平面表示パネルの一つである有機EL表示パネルを例に補助電極や絶縁層の構成を説明する。有機EL表示パネルは有機EL層を陰極と陽極で挟みこんだ構造であるが、有機EL層で発光した光を取り出すために、少なくとも一方の電極には透明電極が用いられる。有機EL表示パネルの構造を図1に示す。図1において、51は透明基板、52は透明電極、53は有機EL層、55は補助電極、56は絶縁層、57は金属電極である。
【0004】
有機EL表示パネルでは、透明基板51の上面に陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等で透明電極52を形成する。透明電極52だけでは十分な低抵抗を実現できないために、ITOよりも比抵抗の低い金属で補助電極55を形成する。陰極となる金属電極57は透明電極52と直交する形で形成される。透明電極52と金属電極57との間に、発光層となる有機EL層53を挟持する。しかし、有機EL層53は200〜400nmと薄く、絶縁層56で被覆しないと、透明電極52と金属電極57との間がショートしてしまう。
【0005】
このような補助電極は、有機EL表示パネル(例えば、特許文献1参照。)ばかりでなく、液晶表示パネル(例えば、特許文献2参照。)やプラズマ表示パネル(例えば、特許文献3参照。)でも採用されている。従来、補助電極55を透明基板上に形成するには、透明電極の材料と補助電極とを順に積層し、補助電極をエッチングした後、さらに、透明電極をエッチングするという工程を行っていた。また、絶縁層56を形成するには、透明電極52を形成した後に、絶縁層となる材料を積層し、さらに絶縁層をエッチングするという工程を行っていた。これらのエッチング工程は、通常フォトリソグラフィ法によるため、エッチング工程毎にこれらのパターンアラインメントを実施する必要があった。
【0006】
パターンアラインメントには、位置ずれを考慮して透明電極の幅の設計寸法に予めアラインメントマージンを見こまねばならない。このアラインメントマージンは高精細な平面表示パネルの障害となるものであった。即ち、アラインメントマージンは開口率を低下させ、精細度の低下や輝度の低下を招く要因となっていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−223971号公報 (第(2)頁、第6図)
【特許文献2】
特開2001−242475号公報 (第(6)頁、第12図)
【特許文献3】
特開2000−323047号公報 (第(3)頁、第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するために、補助電極や絶縁層の形成を容易にし、高精細な平面表示パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本願第一発明は、透明基板上に順に積層された透明電極層及び補助電極層を透明電極のパターンに合わせてパターニングして透明電極及び補助電極を形成する工程と、パターニングされた補助電極の上からネガ型レジスト層を積層する工程と、積層された該ネガ型レジスト層を該透明基板の側から露光する工程と、露光した該ネガ型レジスト層を増感後に現像する工程と、現像後に該補助電極層をエッチングする工程と、エッチング後に該ネガ型レジスト層を除去する工程と、を含む平面表示パネルの製造方法である。
【0010】
本願第一発明により、補助電極の形成を容易にし、高精細な平面表示パネルの製造方法を提供することができる。
【0011】
本願第二発明は、透明基板上に積層された透明電極層をパターニングして透明電極を形成する工程と、パターニングされた透明電極の上から絶縁層及びネガ型レジスト層を積層する工程と、積層された該ネガ型レジスト層を該透明基板の側から露光する工程と、露光した該ネガ型レジスト層を増感後に現像する工程と、現像後に該絶縁層をエッチングする工程と、エッチング後に該ネガ型レジスト層を除去する工程と、を含む平面表示パネルの製造方法である。
【0012】
本願第二発明により、絶縁層の形成を容易にし、高精細な平面表示パネルの製造方法を提供することができる。
【0013】
本願第三発明は、透明基板上に順に積層された透明電極層及び補助電極層を透明電極のパターンに合わせてパターニングして透明電極及び補助電極を形成する工程と、パターニングされた補助電極の上から絶縁層及びネガ型レジスト層を積層する工程と、積層された該ネガ型レジスト層を該透明基板の側から露光する工程と、露光した該ネガ型レジスト層を増感後に現像する工程と、現像後に該絶縁層及び補助電極層をエッチングする工程と、エッチング後に該ネガ型レジスト層を除去する工程と、を含む平面表示パネルの製造方法である。
【0014】
本願第三発明により、補助電極及び絶縁層の形成を容易にし、高精細な平面表示パネルの製造方法を提供することができる。
【0015】
本願第一発明又は第三発明には、前記補助電極層の材料として、モリブデン、タンタル、タングステン、又はこれらを含む合金を用いることができる。
【0016】
本願第一発明又は第三発明には、積層された前記ネガ型レジスト層を前記透明基板の側から露光する工程の前又は後に、少なくとも引出し端子電極部となる引出し端子電極領域を残して前記ネガ型レジスト層をマスクする工程と、前記ネガ型レジスト層をマスクする工程の後であって、前記透明基板の側から前記ネガ型レジスト層を露光する工程の前、同時、又は後に、前記透明基板と反対の側から露光する工程と、をさらに含むことがある。
【0017】
本願第二発明又は第三発明には、前記絶縁層の材料として、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素、又はこれらの混合物を用いることができる。
【0018】
本願第一発明から第三発明には、前記エッチングする工程をドライエッチングによることもできる。
【0019】
本願第一発明から第三発明には、前記透明基板の側から前記ネガ型レジスト層を露光する工程において、露光に拡散光を利用することができる。
【0020】
本願において、拡散光とは、同一方向に進行する平行光や1箇所から放射する放射状の光ではなく、異なる方向に進行する光をいう。
【0021】
なお、これらの各工程は、可能な限り組み合わせることができる。
また、本発明の平面表示パネルの製造方法は、有機EL表示パネルのみならず、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、フィールドエミッションディスプレイ(FED)パネル等にも適用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
実施の形態として、補助電極、又は絶縁層の形成を容易にする平面表示パネルの製造方法について図2から図4で説明する。図2から図4において、11は透明基板、12は透明電極、15、151は補助電極、16、161は絶縁層、17、171はネガ型レジスト層、21は紫外線である。
【0023】
透明基板11としては、ガラス基板、フレキシブル基板、カラーフィルタや色変換膜あるいは誘電体反射膜が形成された基板を含む。透明基板は、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、非晶質ポリオレフィン等を材料とすることができる。カラーフィルタはその特性を調整し、効率や色純度を最適化できる。色変換膜は、発光した光を吸収し、蛍光変換膜の蛍光体から光を放出させることで、発光色の色変換を行わせる。誘電体多層膜はカラーフィルタの代わりに、所定の波長の光を透過させる。
【0024】
透明電極12には透明化の容易な材料が使用できる。透明化の容易な材料には、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、SnO(酸化スズ)、In(酸化インジウム)等の酸化物、AuやNi等の金属がある。
【0025】
(実施の形態1)
補助電極の形成工程を図2で説明する。補助電極の形成工程は、図2(1)から図2(5)の順番で構成されている。透明基板11の上面に透明電極となる材料で透明電極層を、補助電極となる材料で補助電極層を積層し、透明電極層及び補助電極層を透明電極のパターンに合わせてパターニングして、透明電極12と補助電極15を形成する(図2(1))。補助電極の材料としては、モリブデン、タンタル、タングステン、又はこれらを含む合金が好ましい。これらの金属、合金は比較的電気抵抗が低く、また補助電極をエッチングする際に、フッ素系ガスのプラズマでエッチングが可能となる。
【0026】
パターニングされた補助電極15の上からネガ型レジスト層17を形成し、透明基板11の側から当該ネガ型レジスト層17を露光する(図2(2))。形成するネガ型レジスト層17の材料には化学増感型のフォトレジストが好適である。後述する露光後の増感が可能となる。ネガ型レジスト層17の層圧は1〜10μmの範囲で使用とした。層厚は必要に応じた厚さとすることができる。露光には紫外線を用いてオーバ露光とすることがよい。また、露光には平行に近い光よりも、拡散光を用いることが好ましい。拡散光の使用により、補助電極15の周縁部の上部にあるネガ型レジスト層を露光することができる。露光後には、PEB(Post Exposure Baking)により増感することが好適である。化学増感型のフォトレジストをベーキングすると、現像により補助電極15の周縁部の上部にもフォトレジストを残すことができる。
【0027】
露光した後に、現像すると補助電極15の周縁部の上部に重なるパターンのネガ型レジスト層171を得る(図2(3))。拡散光を用いたり、PEBをすることによりネガ型レジスト層171は正テーパ形状となる。補助電極15の周縁部の上部とネガ型レジスト層171との重なる領域は、ネガ型レジスト層の材料の感度、露光の光量、拡散の度合い、PEBの時間等によって調整することができる。
【0028】
次に、残されたネガ型レジスト層171をマスクとして、補助電極15をエッチングする。エッチングには、ドライエッチングが望ましい。例えば、CF,SF等のフッ素系ガスを主体としたプラズマを用いる平行平板型のケミカルドライエッチング、インダクタンスカップリングエッチング、リアクティブイオンエッチングである。このようなドライエッチングにより補助電極15をエッチングすると、正テーパ形状の補助電極151及びネガ型レジスト層171が残る(図2(4))。
【0029】
最後に、ネガ型レジスト層171を除去する。透明電極12上に補助電極151が形成されている(図2(5))。このような、補助電極の形成方法によると、補助電極を自己整合的に形成することができるため、補助電極のためのアラインメントマージンがほとんど不要となり、平面表示パネルの精細度の低下や輝度の低下を防止することができた。また、本方法により透明電極の周縁部の上部に補助電極を形成できるため、透明電極中心部が輝度の高い平面表示パネルの場合は、輝度の高い透明電極中心部から外部に出射する光の透過を妨害することもなくなった。
【0030】
(実施の形態2)
絶縁層の形成工程を図3で説明する。絶縁層の形成工程は、図3(1)から図3(5)の順番で構成されている。透明基板11の上面に透明電極となる材料で透明電極層を積層し、透明電極層をパターニングして、透明電極12を形成する(図3(1))。
【0031】
パターニングされた透明電極12の上から、絶縁層16及びネガ型レジスト層17を積層し、透明基板11の側から当該ネガ型レジスト層17を露光する(図3(2))。絶縁層の材料としては、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素、又はこれらの混合物が好適である。これらの無機材料は有機材料に比較して絶縁性に優れ、また吸湿性がないことから、特に、これらの無機材料を有機EL表示パネルの絶縁層に適用する場合に、水分のDegas(脱ガス)の問題が軽減される。これらの絶縁層は、PE−CVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法で形成することができる。また、エッチングする際に、フッ素系ガスのプラズマでエッチングが可能となる。形成するネガ型レジスト層17には化学増感型のフォトレジストが好適である。後述する露光後の増感が可能となる。ネガ型レジスト層17の層圧は1〜10μmの範囲とした。層厚は必要に応じた厚さとすることができる。露光には紫外線を用いてオーバ露光とすることがよい。また、露光には平行に近い光よりも、拡散光を用いることが好ましい。拡散光の使用により、透明電極12の周縁部の上部にあるネガ型レジスト層を露光することができる。露光後には、PEB(Post Exposure Baking)により増感することが好適である。化学増感型のフォトレジストをベーキングして、現像により透明電極12の周縁部の上部にもフォトレジストを残すことができる。
【0032】
露光した後に、現像すると透明電極12の周縁部の上部に重なるパターンのネガ型レジスト層171を得る(図3(3))。拡散光を用いたり、PEBをすることによりネガ型レジスト層171は正テーパ形状となる。透明電極12の周縁部の上部とネガ型レジスト層171との重なる領域は、ネガ型レジスト層の材料の感度、露光の光量、拡散の度合い、PEBの時間等によって調整することができる。
【0033】
次に、残されたネガ型レジスト層171をマスクとして、絶縁層16をエッチングする。エッチングには、ドライエッチングが望ましい。例えば、CF、SF等のフッ素系ガスを主体としたプラズマを用いる平行平板型のケミカルドライエッチング、インダクタンスカップリングエッチング、リアクティブイオンエッチングである。このようなドライエッチングにより絶縁層16をエッチングすると、正テーパ形状の絶縁層161及びネガ型レジスト層171が残る(図3(4))。
【0034】
最後に、ネガ型レジスト層171を除去する。透明電極12上及び透明電極12間に絶縁層161が形成されている(図3(5))。このような、絶縁層の形成方法によると、絶縁層を自己整合的に形成することができるため、絶縁層のためのアラインメントマージンがほとんど不要となり、平面表示パネルの精細度の低下や輝度の低下を防止することができた。また、無機系の絶縁層とすることにより、有機系の絶縁層に比べて絶縁性に優れ、特に、水分により特性が劣化する有機EL表示パネルでは、吸水しやすい有機系の絶縁層に比べて水分による特性劣化を少なくすることができた。
【0035】
(実施の形態3)
補助電極及び絶縁層の形成工程を図4で説明する。補助電極及び絶縁層の形成工程は、図4(1)から図4(5)の順番で構成されている。透明基板11の上面に透明電極となる材料で透明電極層を、補助電極となる材料で補助電極層を積層し、透明電極層及び補助電極層を透明電極のパターンに合わせてパターニングして、透明電極12と補助電極15を形成する(図4(1))。補助電極の材料としては、モリブデン、タンタル、タングステン、又はこれらを含む合金が好ましい。これらの金属、合金は比較的電気抵抗が低く、また補助電極をエッチングする際に、フッ素系ガスのプラズマでエッチングが可能となる。
【0036】
パターニングされた補助電極15の上から、絶縁層16及びネガ型レジスト層17を積層し、透明基板11の側から当該ネガ型レジスト層17を露光する(図4(2))。絶縁層16の材料としては、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素、又はこれらの混合物が好適である。これらの無機材料は有機材料に比較して絶縁性に優れ、また吸湿性がないことから、特に、これらの無機材料を有機EL表示パネルの絶縁層に適用する場合に、水分のDegas(脱ガス)の問題が軽減される。これらの絶縁層は、PE−CVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法で形成することができる。また、エッチングする際に、フッ素系ガスのプラズマでエッチングが可能となる。形成するネガ型レジスト層17には化学増感型のフォトレジストが好適である。後述する露光後の増感が可能となる。ネガ型レジスト層17の層圧は1〜10μmとした。層厚は必要に応じた厚さとすることができる。露光には紫外線を用いてオーバ露光とすることがよい。また、露光には平行に近い光よりも、拡散光を用いることが好ましい。拡散光の使用により、補助電極15の周縁部の上部にあるネガ型レジスト層を露光することができる。露光後には、PEB(Post Exposure Baking)により増感することが好適である。化学増感型のフォトレジストをベーキングして、現像により補助電極15の周縁部の上部にもフォトレジストを残すことができる。
【0037】
露光した後に、現像すると補助電極15の周縁部の上部に重なるパターンのネガ型レジスト層171を得る(図4(3))。拡散光を用いたり、PEBをすることによりネガ型レジスト層171は正テーパ形状となる。補助電極15の周縁部の上部とネガ型レジスト層171との重なる領域は、ネガ型レジスト層の材料の感度、露光の光量、拡散の度合い、PEBの時間等によって調整することができる。
【0038】
次に、残されたネガ型レジスト層171をマスクとして、絶縁層16と補助電極15をエッチングする。エッチングには、ドライエッチングが望ましい。例えば、CF,SF等のフッ素系ガスを主体としたプラズマを用いる平行平板型のケミカルドライエッチング、インダクタンスカップリングエッチング、リアクティブイオンエッチングである。このようなドライエッチングにより絶縁層16と補助電極15をエッチングすると、正テーパ形状の絶縁層161と補助電極151が残る(図4(4))。
【0039】
最後に、ネガ型レジスト層171を除去する。透明電極12上に補助電極151が形成され、補助電極151上と透明電極12間に絶縁層161が形成されている(図4(5))。このような、補助電極及び絶縁層の形成方法によると、補助電極や絶縁層を自己整合的に形成することができるため、補助電極や絶縁層のためのアラインメントマージンがほとんど不要となり、平面表示パネルの精細度の低下や輝度の低下を防止することができた。また、本方法により透明電極の周縁部の上部に補助電極を形成できるため、透明電極中心部が輝度の高い平面表示パネルの場合は、輝度の高い透明電極中心部から外部に出射する光の透過を妨害することもなくなった。また、無機系の絶縁層とすることにより、有機系の絶縁層に比べて絶縁性に優れ、特に、水分により特性が劣化する有機EL表示パネルでは、吸水しやすい有機系の絶縁層に比べて水分による特性劣化を少なくすることができた。
【0040】
(実施の形態4)
実施の形態1又は3において、補助電極を形成する際に、透明電極のうち、引き出し端子電極部となる部分の上部にある補助電極は出来る限りエッチングしない方が引き出し端子電極の低抵抗化には望ましい。本実施の形態では、引き出し端子電極部となる透明電極の上部にある補助電極を残す平面表示パネルの形成方法について説明する。
【0041】
図5において、11は透明基板、12は透明電極、151は補助電極、31は引き出し端子電極領域、32は素子電極領域、35はフォトマスクである。透明基板11、透明電極12、及び補助電極15については実施の形態1又は3と同じであるため説明を省略する。引き出し端子電極領域31は、平面表示パネルの表示部を構成しない電極部となる領域をいい、素子電極領域32は、透明電極のうち平面表示パネルの表示部を構成する電極部となる領域をいう。
【0042】
実施の形態1又は3において、ネガ型レジスト層を露光する工程の前又は後に、引出し端子電極領域31を残してフォトマスク35を形成する(図5(1))。図5(1)では図示していないが、引出し端子電極領域31あるいは素子電極領域32は、実施の形態1に適用する場合では、透明電極の上に同じパターンで補助電極が形成されており、補助電極の上からネガ型レジスト層が全面に積層されている。実施の形態3に適用する場合では、透明電極の上に同じパターンで補助電極が形成されており、補助電極の上から絶縁層及びネガ型レジスト層が全面に積層されている。
【0043】
フォトマスク35を形成した後、実施の形態1又は3における透明基板の側から前記ネガ型レジスト層を露光する工程の前、同時、又は後に、前記透明基板と反対の側からネガ型レジスト層を露光する。透明基板の側から前記ネガ型レジスト層を露光する工程及び透明基板と反対の側からネガ型レジスト層を露光する工程を同時に実施すると露光の工程が簡略化できる。引き出し端子電極領域31となる部分は紫外線が照射されるため、現像するとネガ型レジスト層が残ることになる。残されたネガ型レジスト層をマスクとして、補助電極、又は絶縁層と補助電極をエッチングすると、引き出し端子電極領域31の補助電極はエッチングされることなく、ほぼ全てが残ることになる(図5(2))。引き出し端子電極には補助電極が全面に残されていても、表示には影響しない。
【0044】
透明電極上に補助電極の残された部分では、補助電極によって抵抗が小さくなるため、引き出し端子電極の低抵抗化が実現できた。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば平面表示パネルの補助電極や絶縁層の形成を容易にすることが可能となり、高精細な平面表示パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の有機EL表示パネルの構造を説明する図である。
【図2】本発明の補助電極の形成を容易にする平面表示パネルの製造方法を説明する工程図である。
【図3】本発明の絶縁層の形成を容易にする平面表示パネルの製造方法を説明する工程図である。
【図4】本発明の補助電極及び絶縁層の形成を容易にする平面表示パネルの製造方法を説明する工程図である。
【図5】本発明の補助電極の形成を容易にする平面表示パネルの製造方法を説明する工程図である。
【符号の説明】
11:透明基板
12:透明電極
15、151:補助電極
16、161:絶縁層
17、171:ネガ型レジスト層
21:紫外線

Claims (8)

  1. 透明基板上に順に積層された透明電極層及び補助電極層を透明電極のパターンに合わせてパターニングして透明電極及び補助電極を形成する工程と、
    パターニングされた補助電極の上からネガ型レジスト層を積層する工程と、
    積層された該ネガ型レジスト層を該透明基板の側から露光する工程と、
    露光した該ネガ型レジスト層を増感後に現像する工程と、
    現像後に該補助電極層をエッチングする工程と、
    エッチング後に該ネガ型レジスト層を除去する工程と、を含む平面表示パネルの製造方法。
  2. 透明基板上に積層された透明電極層をパターニングして透明電極を形成する工程と、
    パターニングされた透明電極の上から絶縁層及びネガ型レジスト層を積層する工程と、
    積層された該ネガ型レジスト層を該透明基板の側から露光する工程と、
    露光した該ネガ型レジスト層を増感後に現像する工程と、
    現像後に該絶縁層をエッチングする工程と、
    エッチング後に該ネガ型レジスト層を除去する工程と、を含む平面表示パネルの製造方法。
  3. 透明基板上に順に積層された透明電極層及び補助電極層を透明電極のパターンに合わせてパターニングして透明電極及び補助電極を形成する工程と、
    パターニングされた補助電極の上から絶縁層及びネガ型レジスト層を積層する工程と、
    積層された該ネガ型レジスト層を該透明基板の側から露光する工程と、
    露光した該ネガ型レジスト層を増感後に現像する工程と、
    現像後に該絶縁層及び補助電極層をエッチングする工程と、
    エッチング後に該ネガ型レジスト層を除去する工程と、を含む平面表示パネルの製造方法。
  4. 前記補助電極層の材料として、モリブデン、タンタル、タングステン、又はこれらを含む合金を用いることを特徴とする請求項1又は3に記載の平面表示パネルの製造方法。
  5. 積層された前記ネガ型レジスト層を前記透明基板の側から露光する工程の前又は後に、少なくとも引出し端子電極部となる引出し端子電極領域を残して前記ネガ型レジスト層をマスクする工程と、
    前記ネガ型レジスト層をマスクする工程の後であって、前記透明基板の側から前記ネガ型レジスト層を露光する工程の前、同時、又は後に、前記透明基板と反対の側から露光する工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項1又は3に記載の平面表示パネルの製造方法。
  6. 前記絶縁層の材料として、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素、又はこれらの混合物を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の平面表示パネルの製造方法。
  7. 前記エッチングする工程はドライエッチングによることを特徴とする請求項1から3に記載の平面表示パネルの製造方法。
  8. 前記透明基板の側から前記ネガ型レジスト層を露光する工程において、露光に拡散光を利用することを特徴とする請求項1から3に記載の平面表示パネルの製造方法。
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