JP2004318858A - 印刷ワークフローのためのプリフライト時間予測 - Google Patents

Abstract

【課題】印刷ワークフローに関するプリフライト時間を予測する方法を提供すること。
【解決手段】印刷ワークフロー(10)のためのプリフライト時間予測手段が提供される。予測されるプリフライト時間(27)は、複数の先行して測定されたプリフライト時間(25)を分析することにより決定される。該分析(38)は、複数の印刷ジョブ(12)の少なくとも１つのプリフライト属性を追跡し分析することを含むことが可能である。プリフライト時間予測手段は、予測されるプリフライト時間(27)を計算するためのコンピュータにより実行することが可能な命令を含むコンピュータにより読み取ることが可能な媒体(122)を含むことが可能である。該コンピュータ読取可能媒体(122)の命令を実行するよう構成されたプリンタ(30)もまた提供される。
【選択図】図２

Description

本発明は、一般に印刷システム及びサービスの分野に関し、特に印刷ワークフローにおいてプリフライトプロセスを実行するために必要な時間を予測することに関する。

商業的な印刷は、一般に、人手によるプリントショップ又は電子的なプリントショップにおける完成文書の大量の製作又は特殊な製作を含む。印刷プロセスの時間線（timeline）は一般に、当業界で「プリフライト」(preflight）時間として知られるセットアップ時間又は編集時間を含む。図１は、一般的なプリントショップで少なくとも部分的に使用されるような複数の第１の印刷ジョブ12及び新たな又は第２の印刷ジョブ13に関する基本的な印刷ワークフロー10を示している。第２の印刷ジョブ13及びそれに対応する予測される第２のプリフライト時間27を波線で示し、これにより複数の第１の印刷ジョブ及びそれに対応する測定された第１のプリフライト時間25との時間的な区別を行う。本書で使用する「ワークフロー」には、ビジネスプロセスを実行するために必要となるタスク、ステップ、手続き、情報、ツール、及びその他のリソースが含まれる。複数の第１の印刷ジョブ12と第２の印刷ジョブ13との各々は、１つ又は２つ以上の完成文書32を製作するための（例えば顧客からの）計画又は要求を含む。印刷ワークフロー10には、文書指定14、プリフライト16、及び印刷／仕上げ18が含まれる。代替的には、１つ又は２つ以上のワークフロー10のプロセスを組み合わせることが可能であり、更に別のプロセスを追加して完成文書32を製作することも可能である。

文書指定14は、一般に、所望のコンテンツ20（例えば、テキスト、図形、イメージ等）を識別すること、及びコンテンツ20を編成すること又は完成文書32においてコンテンツ20を如何に編成するかに関する命令22を提供することを含む。コンテンツ20は、ハードコピー形式、電子形式、又は最終的な再現時に互いに結合されるハードコピー及び電子文書の組み合わせとすることが可能である。例えば、コンテンツは、テキスト文書の電子的なコピー中に挿入されることになる処理済みの写真という形のイメージを含むことが可能である。デスクトップパブリッシング技術の進歩により、殆どのコンテンツ20、並びに編成及び個々のページレイアウトを、プリントショップ以外の場で行うことが可能となった。しかし、デスクトップパブリッシング技術により製作されてプリントショップへ提供されるコンテンツ20、編成、及びページレイアウトは、誤りを含み、又はプリントショップの印刷技術と互換性がない可能性がある。更に、より複雑なレイアウト及びタスクの場合には、プリントショップにレイアウト命令22を提供する必要がある可能性がある。かかるレイアウト命令22には、例えば、テキストの異なる部分に対するフォントのタイプ及びサイズ、図形で使用する色、媒体の重さ及びサイズ、ページ番号付け又はその他の注釈、個々のテキスト文書を各章に順序付けるといった全体構成、及び図形及びイメージの位置、を指定することが含まれる。レイアウト命令22は、綴じのタイプ、表紙の指定、折目の数、及び保護コーティングといった仕上げ情報を指定することが可能なものである。

レイアウト命令22はまた、個人用（personalized）印刷命令を含むことが可能であり、この場合には、完成文書32の各コピーがその意図される受取人毎にカスタマイズされる。例えば、個人用印刷キャンペーン（campaign）は、名前、住所、会社ロゴ、又は受取人に合わせて作成された他の図形若しくはコピー要素といった、意図された受取人に一意の情報を含むことが可能である。このため、各コピーは、各完成文書において同一である固定データと、特定のコピー又はコピーのサブセットに一意である可変データとを含むことが可能である。個人用印刷命令はまた、固定ページレイアウト、並びに意図された各受取人毎又は各受取人グループ毎にカスタマイズされた可変ページレイアウトを含むことが可能である。複数のレコード（各レコードは複数のデータフィールドからなる）を含む１つ又は２つ以上の電子的なデータベースから可変データを選択することが可能である。個人用印刷命令は、データベースクエリを規定すると共に個人用印刷キャンペーンの各コピーに使用することになる可変データを指定する、１つ又は２つ以上のルールを含むことが可能である。

文書指定14中に、印刷ジョブ12,13を要求している顧客は、印刷／仕上げ18で製作されるべき完成文書32の数を指定することが可能である。印刷／仕上げ18は、一般に、プリフライト16中に作成された最終的なプルーフが承認された際に完成文書32を製作するために必要となるプロセスを含む。完成文書32は、印刷機、大量デジタルプリンタ、綴じ機、又は当業界で既知である他の任意のイメージ形成又は仕上げ装置といった、出力装置30を使用して作成することが可能である。完成文書32としては、例えば、個々に印刷されたシート、装丁された本、タブ付き手帳、折り畳み式パンフレット、カラーチラシ、又はコーティングされたポスタが挙げられる。

プリントショップは、文書指定14において顧客からの印刷ジョブ12,13の要求を受け取った際に、該顧客に対して費用の見積24を提供することが可能である。この費用の見積24の正確さは、主として、プリフライト16の費用を予測するプリントショップの能力によって決まる可能性がある。プリフライト16は一般に、文書に誤りがないかチェックすること、次いで該文書を特定の出力装置30で印刷するよう準備することを含む。プリントショップが文書を印刷する準備をするために必要とする時間等のリソース26は、文書指定14において顧客がプリントショップに提供したコンテンツ20及びレイアウト命令22に依存する可能性がある。例えば、顧客は、デジタルプリンタ等の出力装置30に直接送ることができる形のコンテンツ20を含む「即印刷可能な（print ready）」ファイルをプリントショップに提供する可能性がある。このため、プリントショップは、ファイルを印刷／仕上げ18のためにデジタル出力装置30に渡す前に、プリフライト16においてファイルに誤りがないかチェックするために費やす時間を短くすることが可能となる。

これとは対照的に、プリントショップは、特定の出力装置30で印刷するよう文書を準備するために大きなリソース26を費やす必要がある場合がある。例えば、顧客によって提供されたコンテンツ20を結合し編成してページレイアウトにしなければならない可能性がある。ハードコピー形式のソース文書は、そのスキャンを行って電子文書を作成する必要がある場合があり、また、電子形態のソース文書は、出力装置30により編集し又は処理するために別の電子的なファイル形式へと変換する必要がある場合がある。プリフライト16中には、望ましくないテキスト又はマーク等の誤りを除去する必要がある場合があり、ページを追加し、差し替え、又は逆にする必要がある場合があり、ヘッダ、フッタ、又はページ番号といった注釈を追加する必要がある場合があり、図形、イメージ、及びフォントのサイズを変更する必要がある場合があり、綴じを可能にするよう余白を調整する必要がある場合があり、色を追加し、変更し、又は除去する必要がある場合があり、レコードの数、各レコード毎に使用されるフィールドの数、及びクエリルールを定義するためにデータベースを構築する必要がある場合がある。

プリントショップは、一般に、印刷ワークフロープロセスのプリフライト16中に費やされるプリフライト時間25,27、労力、及びその他のリソース26を最小限にすることを好む。これは、プリフライト16が、一般に利益を生み出すものではなく費用を発生させるものであるからである。換言すれば、プリフライト16において文書を準備する際に発生する実際の費用の殆どは、プリントショップの顧客に直接転嫁されることはない。プリフライト16の費用を顧客に転嫁するという問題の一部は、複数の第１の印刷ジョブ12の測定された第１のプリフライト時間25に比較して、新たな又は第２の印刷ジョブ13のためにプリフライト16に追加する必要のある第２のプリフライト時間27を予測するのが困難であることにある。複数の第１の印刷ジョブ12のプリフライト16中に費やされる時間27、労力、及びその他のリソース26の量は、大幅に変動し得るものである。

複数の第１の印刷ジョブ12に関するプリフライト16の費用はまた、文書を印刷するために設計し準備する顧客の知識及びスキルにも依存する可能性がある。例えば、プリントショップの顧客の約80％が、プリフライト16のために非常にわずかな時間25しか必要としない複数の第１の印刷ジョブ12の一部を提供する一方、プリントショップの顧客の約20％が、準備するためにかなりの時間25を必要とする複数の第１の印刷ジョブ12の一部を提供する可能性があることが予想される。プリフライト時間25を予測することが困難であるため、プリントショップは、その顧客の20％によってもたらされる費用を他の80％の顧客に無差別に転嫁すること、又は、複数の第１の印刷ジョブ12の一部を変更する必要がある（例えば20％の）顧客に請求の承認を求めることにより該ジョブに対応して見積もりを超過させることが必要となる可能性がある。文書がプリフライト16段階にある間のテキスト及びレイアウトに対する変更は、一般に「著者校正」28と呼ばれ、プリフライト16の遅延を生じさせ得るものである。著者校正は、顧客の誤りに起因し得るものであり、顧客に対して顧客自身のリソースを費やして誤りを訂正するよう要求する場合がある。更に、顧客に対する事前通知なしにプリントショップで必要な著者校正を行うことが通例となる可能性があり、このため最終的な請求書を受け取った際に驚きをもたらす可能性がある。

当業界における欠点を鑑み、新たな又は第２の印刷ジョブ13に対応する第２のプリフライト時間27を予測する方法を提供することが有利である。第２のプリフライト時間27の予測の改善は、プリントショップがそのリソース26をより適当にスケジュールすることを可能とし、また顧客に対して一層正確な費用見積24を提供することを可能とする。第２のプリフライト時間27の予測の改善はまた、プリントショップが、プリフライト16中に費す必要のあるリソース26が僅かであり又は全く必要ない形でプリントショップにコンテンツ20を提供した顧客に報酬を与えることを可能にする。更に、予測された第２のプリフライト時間27をプリントショップの顧客と共有して、顧客による該顧客自身のワークフロー及び手続きの能率化に資することが可能である。

印刷ワークフローに関するプリフライト時間予測手段が提供される。本発明の一実施形態では、複数の先行する印刷ジョブに関する測定されたプリフライト時間に基づいて新たな印刷ジョブに関するプリフライト時間を予測する方法が提供される。本発明の別の実施形態では、複数の先行する印刷ジョブの各々の少なくとも１つのプリフライト属性を追跡し分析する。

本発明の別の実施形態では、印刷ワークフローのプリフライト時間を予測するよう構成されたプリンタが提供される。本発明の更に別の実施形態では、印刷ワークフローに関するプリフライト時間の予測を実行するためのコンピュータにより実行することが可能な命令を含むコンピュータにより読み取ることが可能な媒体が提供される。

本発明の上述した及び他の利点は、以下の詳細な説明を読み図面を参照することにより明らかとなろう。

上述したように、図１は、複数の第１の印刷ジョブ12と新たな又は第２の印刷ジョブ13との各々に関して完成文書32を製作するよう構成された印刷ワークフロー10を示す説明図である。本発明の一実施形態によれば、複数の第１の印刷ジョブ12の少なくとも一部について実行されたプリフライト16の操作を分析することにより、第２の印刷ジョブ13に関してプリフライト16中に必要となるリソース26を予測することが可能である。

複数の第１の印刷ジョブ12と第２の印刷ジョブ13との各々は、プリフライト16中に使用する必要のあるリソース26の量に影響を与える少なくとも１つのプリフライト属性を含むことが可能である。例えば（これには限定されないが）、プリフライト属性は、特定の印刷ジョブ12,13を要求している顧客の識別子（「ID」）、印刷されるファイルのサイズ、静止イメージの数、フォントの数、ページの数、又は色の数を含むことが可能である。また、例えば（これには限定されないが）、特定の印刷ジョブ12,13が個人用印刷キャンペーンである場合には、プリフライト属性は、可変イメージの数、可変テキストボックスの数、照会すべきデータベースの数、各データベース中のレコードの数、各データベース中のフィールドの数、又は個人用印刷キャンペーンの特定のコピーについて何れの可変イメージ又は可変テキストを使用すべきかを規定するルールの数を含むことが可能である。

図２は、本発明の一実施形態による、図１に示す第２の印刷ジョブ13に対応する第２のプリフライト時間27を予測するためのプロセス38を示すフローチャートである。図１及び図２を参照すると、開始40後、プロセス38は、複数の第１の印刷ジョブ12についてプリフライト16操作を実行するステップ42、複数の第１の印刷ジョブ12に対応する第１のプリフライト時間25を測定するステップ44、複数の第１の印刷ジョブ12の評価サブセットを選択するステップ46、及び該評価サブセットにおける測定された第１のプリフライト時間25に基づいて第２のプリフライト時間27を予測するステップ48を含む。上述したように、プリフライト16操作を実行するステップ42は、デジタルプリンタ等の出力装置30において再現するように文書を準備することを含む。

第１のプリフライト時間25を測定するステップ44は、複数の第１の印刷ジョブ12の各々の少なくとも一部についてプリフライト16操作を完了するために必要となる経過時間を記録することを含む。プリフライト時間25は、デジタル媒体（図示せず）に記録することが可能であり、情報データベース（図示せず）に格納することも可能である。プリフライト時間25はまた、複数の第１の印刷ジョブ12に関する情報と共に記録することが可能である。図３は、本発明の一実施形態によるＭ個の印刷ジョブレコード70を示している。印刷ジョブレコード70の各々は、図１に示す複数の第１の印刷ジョブ12のうちの１つに対応する。印刷ジョブレコード70の各々は、特定の第１の印刷ジョブ12に対応する少なくとも１つのプリフライト属性72と測定された第１のプリフライト時間25とを含む。例えば、図３は、複数の印刷ジョブレコード70の第７の印刷ジョブレコード74がＮ個のプリフライト属性72を有すること、及び第Ｍの印刷ジョブレコード76が１１個のプリフライト属性72を有することを示している。

再び図１及び図２を参照する。複数の第１の印刷ジョブ12の評価サブセットを選択するステップ46は、第２の印刷ジョブ13と共通する少なくとも１つのプリフライト属性を有する複数の第１の印刷ジョブ12のうちの少なくとも１つを識別することを含む。例えば、図４(a)〜(c)は、評価サブセット90,92,94内に含まれる複数の印刷ジョブレコード80をそれぞれ表したものである。複数の印刷ジョブレコード80の各々は、複数の第１の印刷ジョブ12のうちの１つに対応する。図４(a)において、評価サブセット90は、複数の印刷ジョブレコード80における全ての印刷ジョブレコードを含む。印刷ジョブレコード80の数が小さくて、評価サブセット90を狭めることの統計上の利益が低下する場合には、評価サブセット90を選択する（ステップ46）のが有利である可能性がある。また、第２の印刷ジョブ13が、複数の第１の印刷ジョブ12の全てよりも少数の印刷ジョブと重要なプリフライト属性を共有していない場合にも、評価サブセット90を選択する（ステップ46）のが有利である可能性がある。

図４(b)において、評価サブセット92は、複数の印刷ジョブレコード80のうち第１のプリフライト属性82を有する印刷ジョブレコードのみを含む。例えば、評価サブセット92は、同じ顧客IDを有する全ての印刷ジョブレコードを含むことが可能である。このため、特定の顧客に対応する全ての印刷ジョブ12を、追跡及び分析の対象として選択することが可能である（ステップ46）。上述したように、特定の顧客が他の顧客に比べてプリフライト時間25に格差が存在し得るため、特定の顧客に対応する評価サブセット92を選択するステップ46は有利なものとなる可能性がある。

図４(c)において、評価サブセット94は、複数の印刷ジョブレコード80のうち第１のプリフライト属性82と第２のプリフライト属性84とを共に有する印刷ジョブレコードのみを含む。例えば、評価サブセット94は、同じ顧客IDを有すると共に個人用印刷キャンペーンでもある全ての印刷ジョブレコードを含むことが可能である。代替的には、図４(c)には示さないが、評価サブセット94は、複数の印刷ジョブレコード80のうち任意数のプリフライト属性を共通して有する印刷ジョブレコードを含むことが可能である。

再び図１及び図２を参照する。評価サブセットにおける測定された第１のプリフライト時間25に基づいて第２のプリフライト時間27を予測するステップ48は、所定の関係に従って評価サブセットにおける第１のプリフライト時間25の範囲内にある値を計算することを含む。例えば、その値を、その範囲内の第１のプリフライト時間25の平均を計算することにより選択することが可能である。同様に、その値を、当業者にとって既知である他の統計的な方法又はサンプリング方法により選択することが可能である。その範囲内に含まれる第１のプリフライト時間25の数を増大させることにより分析48の精度を高めることが有利となる可能性があることが当業者には理解されよう。

図５は、本発明の別の実施形態による、少なくとも１つのプリフライト属性に関する評価サブセットにおける測定された第１のプリフライト時間25の間の差を分析することにより、図２に示す第２のプリフライト時間27を予測するプロセス48を示すフローチャートである。図５に示すように、第２のプリフライト時間27を予測するプロセス48は、評価サブセットにおける複数の第１の印刷ジョブ12と第２の印刷ジョブ13との両方の少なくとも１つのプリフライト属性を識別するステップ100を含む。上述したように、該少なくとも１つのプリフライト属性は、プリフライト16中に使用する必要のあるリソース26の量に影響を与える、複数の第１の印刷ジョブ12及び第２の印刷ジョブ13の特性又は特徴である。

第２のプリフライト時間27を予測するプロセス48は更に、評価サブセットにおける複数の第１の印刷ジョブ12の各々毎に、少なくとも１つのプリフライト属性の各々毎のプリフライトファクタを計算するステップ102を含む。各プリフライトファクタは、少なくとも１つのプリフライト属性がそれに対応するプリフライト時間に及ぼした影響を表すものである。各プリフライトファクタは、次式に従って計算することが可能である。

（数１）
プリフライトファクタ＝（プリフライト時間）／（プリフライト属性値）
第２のプリフライト時間27を予測するプロセス48は更に、少なくとも１つのプリフライト属性の各々毎に、第２の印刷ジョブ13に対応する予測されたプリフライトファクタを確定するステップ104を含む。各予測されたプリフライトファクタは、所定の関係に従って特定の少なくとも１つのプリフライト属性に対応する計算された（ステップ102）プリフライトファクタの範囲内にある値を選択することにより、確定することが可能である（ステップ104）。例えば、その値は、特定の少なくとも１つのプリフライト属性に対応する計算された（ステップ102）プリフライトファクタの平均を確定すること（ステップ104）により選択することが可能である。同様に、その値は、当業界で既知の他の統計的な方法又はサンプリング方法により選択することが可能である。

第２のプリフライト時間27を予測するプロセス48は更に、予測された第２のプリフライト時間27を計算するステップ106を含む。第２のプリフライト時間27は、次式に従って計算する（ステップ106）ことが可能である。

ここで、kは、少なくとも１つのプリフライト属性の数であり、EPFは、第iプリフライト属性に対応する予測されたプリフライトファクタであり、PAは、第２の印刷ジョブ13の第iプリフライト属性である。

再び図１及び図２を参照する。プロセス38は更に、第２の印刷ジョブ13に対してプリフライト16操作を実行するステップ50、第２の印刷ジョブ13に対応する第２のプリフライト時間（図示せず）を測定するステップ52、測定された第２のプリフライト時間と予測された第２のプリフライト時間27とを比較するステップ54、及び終了するステップ58を含む。このため、前記数２を調整して、実際の測定された第２のプリフライト時間に基づいて第２のプリフライト時間27をより正確に予測する（ステップ48）ようにするのが有利となり得る。例えば、図５を参照すると、測定されたプリフライト時間に対して、第１のプリフライト属性の変化の方が第２のプリフライト属性の変化よりも大きい影響を及ぼすことを確定することが可能である。ここで、該第１及び第２のプリフライト属性は、識別された（ステップ100）少なくとも１つのプリフライト属性の一部をなすものである。よって、第１のプリフライト属性に、第２のプリフライト属性よりも大きな重みづけをすることが有利となる可能性がある。このため、前記数２を次のように表すことが可能である。

ここで、Wは、第iプリフライト属性に対応する重みファクタであり、次式が成立する。

図６は、本発明の一実施形態による、図２に示すプロセス38を使用するコンピュータシステム110を示すブロック図である。図示しないが、該コンピュータシステムはデジタルプリンタ等の出力装置の一部とすることが可能である。コンピュータシステムは、コンピュータ回路112、少なくとも１つの入力装置114、少なくとも１つの出力装置116、及びデータ記憶装置118を含む。コンピュータ回路112は、典型的には、ソフトウェアプログラムを実行して所望の計算及びタスクを実行するといったコンピュータ機能を実行する。コンピュータ回路112は、図２に示すプロセス38を実行するためのコンピュータにより実行可能な命令を含むコンピュータにより読み取り可能な媒体122を含む。代替的には、コンピュータにより読み取り可能な媒体122は、入力装置114又はデータ記憶装置118を介してコンピュータ回路によりアクセスされるよう構成することが可能である。例えば（これには限定されないが）、コンピュータにより読み取り可能な媒体122は、ハードドライブ、フロッピーディスク、テープカセット、CD−ROM、及びDVD−ROMからなるグループから選択することが可能である。

入力装置114は、例えば、インターネットその他のネットワーク接続、マウス、キーパッド、又はオペレータがコンピュータ回路112にデータを入力するのを可能にするあらゆる装置を含むことが可能である。出力装置116は、例えば、プリンタ又はビデオ表示装置を含むことが可能である。データ記憶装置は、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、テープカセット、CD−ROM、又はDVD−ROMを受容するドライブを含むことが可能である。

図２で説明したプロセス38の一実施例として、下記の表１は、７つの印刷ジョブレコードを示している。参照のため、表１に列挙した各印刷ジョブレコードは、それぞれに対応する印刷ジョブレコードID番号を有している。印刷ジョブレコード番号65478は、「新たな」印刷ジョブに対応するものであり、後述する方法でプリフライト時間が予測されるまでプリフライト時間が測定されていないことを示すために、角括弧内に示す対応する測定されたプリフライト時間を有する。残りの６つの印刷ジョブレコードは、「先行する」印刷ジョブに対応するものであり、対応する測定されたプリフライト時間をそれぞれ有する。この実施例の目的上、該７つの印刷ジョブレコードは全て、プリントショップの単一の顧客について実行される印刷ジョブに対応するものとする。

表１はまた、各印刷ジョブレコード毎に、２つのプリフライト属性（すなわちファイルサイズ及びイメージの数）と２つのプリフライトファクタ（すなわちファイルファクタ及びイメージファクタ）とを列挙している。表１に示すように、ファイルサイズを使用して、上記数１に従って各印刷ジョブレコード毎に対応するファイルファクタを計算した。同様に、イメージの数を使用して、上記数１に従って各印刷ジョブレコード毎に対応するイメージファクタを計算した。印刷ジョブレコード番号65478に関するファイルファクタ及びイメージファクタを囲む角括弧は、それらの値が、実際のプリフライト時間が測定されるまで計算されていなかったことを示している。

上述した本発明の一実施形態によれば、印刷ジョブレコード番号65478に関するプリフライト時間は、残りの６つの印刷ジョブレコードの測定されたプリフライト時間を平均化することにより予測することが可能である。このため、印刷ジョブレコード番号65478に関する予測されたプリフライト時間は、約35.83分となる。後続する20分の測定時間と比較して、これは、約15.83分の誤差である。

上述した本発明の別の実施形態によれば、印刷ジョブレコード番号65478に関するプリフライト時間は、上記数２を使用し及び６つの先行する印刷ジョブレコードの各々におけるイメージの数を考慮することにより、予測することが可能である。６つの先行する印刷ジョブレコードのイメージファクタを平均化して、約5.67（分／イメージ）の予測されたイメージファクタを生成することが可能である。このため、印刷ジョブレコード番号65478に関し、数２は、

（数５）
予測されたプリフライト時間＝（5.67分／イメージ)×(５イメージ）＝28.35分
を与え、これは約8.35分の誤差である。

上述した本発明の別の実施形態によれば、印刷ジョブレコード番号65478に関するプリフライト時間は、上記数２を使用し及び６つの先行する印刷ジョブレコードの各々のイメージの数とファイルサイズとを共に考慮することにより、予測することが可能である。６つの先行する印刷ジョブレコードのファイルファクタを平均化して、約0.97（分／MB）の予測されたファイルファクタを生成することが可能である。上記の計算済みの予測されたイメージファクタを使用して、数２は、

（数６）
予測されたプリフライト時間
＝ 1／2［（5.67分／イメージ)×(５イメージ)＋(0.97分／MB)×(20MB）］＝23.88分
を与え、これは約3.88分の誤差である。

上述した本発明の別の実施形態によれば、上記数６で計算される予測されたプリフライト時間の精度は、プリフライト属性に重み付けを行うことにより向上させることが可能である。例えば、表１で考察している特定のタイプの印刷ジョブに関してファイルサイズがイメージの数よりも90％大きい影響を対応するプリフライト時間に及ぼすことを確定することが可能である。このため、上記数３を使用して、印刷ジョブレコード番号65478に関するプリフライト時間を予測することが可能であり、この場合、ファイルサイズに対する重みファクタは0.9であり、イメージの数に対する重みファクタは0.1である。したがって、数３は、

（数７）
予測されたプリフライト時間
＝（5.67分／イメージ)×(５イメージ)×(0.1)＋(0.97分／MB)×(20MB)×(0.9）
＝ 20.29分 （7）
を提供し、これは約0.29分すなわち約18秒の誤差である。

本発明は、あらゆる変更及び代替形態が可能であるが、特定の実施形態を、図面において実施例として示し、本明細書において詳細に説明した。しかし、本発明が、開示した特定の形態に限定されるように意図されていない、ということを理解しなければならない。むしろ、本発明は、特許請求の範囲により画定される本発明の精神及び範囲内にある全ての変更、等価物、及び代替物を含む。

印刷ワークフローを示す説明図である。 本発明の一実施形態によるプリフライト時間を予測するプロセスを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による少なくとも１つのプリフライト属性を含む複数の印刷ジョブレコードを示す説明図である。 本発明の一実施形態による印刷ジョブレコードの評価サブセットを示す概念図である。 本発明の一実施形態による、先行して測定された第１のプリフライト時間に基づいて第２のプリフライト時間を予測する方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によるコンピュータシステムを示すブロック図である。

Claims (10)

1. 印刷ワークフローのプリフライト時間を予測する方法であって、
   複数の第１の印刷ジョブについてプリフライト操作を実行し、
   該複数の第１の印刷ジョブの各々毎に第１のプリフライト時間を測定し、
   該複数の第１の印刷ジョブの評価サブセットを選択し、
   該評価サブセットにおける測定された該第１のプリフライト時間に基づいて第２の印刷ジョブに対応する第２のプリフライト時間を予測する、
   という各ステップを含む、印刷ワークフローのプリフライト時間を予測する方法。
2. 前記第１のプリフライト時間を測定する前記ステップが、前記第１のプリフライト時間を印刷ジョブレコードに格納するステップを更に含み、該印刷ジョブレコードが、記録されたプリフライト属性を含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記評価サブセットを選択する前記ステップが、前記第２の印刷ジョブと共通する少なくとも１つのプリフライト属性を有する前記複数の第１の印刷ジョブのうちの少なくとも１つを識別するステップを含む、請求項１に記載の方法。
4. 前記第２のプリフライト時間を予測する前記ステップが、少なくとも１つのプリフライト属性に関して前記評価サブセットにおける前記測定された第１のプリフライト時間の間の差を分析することを含む、請求項１に記載のプリフライト時間を予測する方法。
5. 印刷ワークフローにおけるプリフライト時間を予測するよう構成されたプリンタであって、
   複数の第１のプリフライト時間を格納するよう構成されたデータ記憶装置と、
   該複数の第１のプリフライト時間に基づいて第２のプリフライト時間を予測するよう構成されたコンピュータ回路と
   を含む、プリフライト時間を予測するよう構成されたプリンタ。
6. 前記コンピュータ回路が更に、所定の関係に従って前記複数の第１のプリフライト時間の範囲内にある値を計算することにより前記第２のプリフライト時間を予測するよう構成される、請求項５に記載のプリンタ。
7. 前記コンピュータ回路が更に、少なくとも１つのプリフライト属性に関して前記複数の第１のプリフライト時間の間の差を分析することにより前記第２のプリフライト時間を予測するよう構成される、請求項５に記載のプリンタ。
8. 印刷ワークフローに対応する複数の第１のプリフライト時間を識別し、
   該複数の第１のプリフライト時間に基づいて第２のプリフライト時間を予測する、
   という各ステップを実行するためのコンピュータにより実行することが可能な命令を含む、コンピュータにより読み取ることが可能な媒体。
9. 前記第２のプリフライト時間を予測する前記ステップが、所定の関係に従って前記複数の第１のプリフライト時間の範囲内にある値を計算するステップを含む、請求項８に記載のコンピュータにより読み取ることが可能な媒体。
10. 前記第２のプリフライト時間を予測する前記ステップが、少なくとも１つのプリフライト属性に関して前記複数の第１のプリフライト時間の間の差を分析するステップを含む、請求項８に記載のコンピュータにより読み取ることが可能な媒体。

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