JP2004317877A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温で形成できるとともに、屈曲性に優れ、安価なエレクトロクロミック素子を提供する。
【解決手段】基材2a,2bに、一対の電極層を構成する透明導電層1a,1bをそれぞれ形成し、これら一対の透明導電層の間に、還元発色型のエレクトロクロミック層3及び酸化発色型のエレクトロクロミック層5を設け、これらエレクトロクロミック層3と5との間に電解質層4を設け、エレクトロクロミック層3と5と電解質層4とを、ケイ酸とブレンステッド酸と多価アルコールとを含むプロトン伝導材、プロトン伝導樹脂、又はプロトン伝導樹脂分散体を含む材料で構成した。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質層とエレクトロクロミック層とを有するエレクトロクロミック素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロクロミック素子は、電圧の印加により電気化学的な酸化還元反応を誘起し、発色及び消色を生じさせる素子であり、デイスプレイ、住宅等の窓の遮光性窓等に利用されている。かかるエレクトロクロミック素子は、一般に、透明電極、電解質、エレクトロクロミック層を組み合わせた積層構造からなっている。例えば、基材/透明導電膜/酸化タングステン等を主成分とする還元発色型エレクトロクロミック層/電解質層/オキシ水酸化ニッケル等を主成分とする酸化発色型エレクトロクロミック層/透明導電膜/基材のような積層構造となっている。尚、還元発色型エレクトロクロミック層は還元により発色する層であり、酸化発色型エレクトロクロミック層は酸化により発色する層である。
【0003】
これらのエレクトロクロミック層を構成するエレクトロクロミック特性を有する物質としては、酸化タングステンやオキシ水酸化ニッケル等の金属化合物の他にも、金属錯体、有機色素等の材料が知られている。また、これらの材料からなるエレクトロクロミック層を形成するには、スパッタリングや真空蒸着、電界成膜、化学的成膜等が使用されている。ここで、透明導電電極膜間に直流電圧が印加されると、固体電解質層からイオンが酸化発色膜及び還元発色膜に供給され、酸化発色膜及び還元発色膜に発色反応が誘起され、発色する。また、透明導電電極膜間に逆電圧が印加されると、消色する。
【0004】
エレクトロクロミック素子の有望な用途の一つとして、住宅等の窓の遮光性ないし透明性を変えることが可能な調光ガラスがある。特に1980年代には省エネルギーの観点から研究開発が盛んに行われたが、スパッタリング法を使用して成膜するため製造コストが高く、一般に広く使用されるには至っていない。安価にエレクトロクロミック素子を作製する方法として、例えば、有機溶剤に有機タングステン化合物を溶解した溶液を基材表面に塗布し、加熱分解して酸化タングステンのエレクトロクロミック層を形成する方法(特許文献1)が知られている。
【0005】
しかし、この熱分解法では、基材を均一に加熱する必要があり、温度むらがあるとエレクトロクロミック特性が均一に生じない等の問題が発生するため、大面積で均一なエレクトロクロミック層を作製することは難しかった。また、加熱に必要な耐熱性の点で使用できる基材が制限されたり、透明導電膜にITO(錫添加酸化インジウム)を使用する場合は、ITOの酸素欠陥が加熱時に減少し導電率が低下し、目的の導電率が得られなくなる可能性がある等の問題があった。
【0006】
一方、エレクトロクロミックの原理は、プロトンの出し入れによって材料の透過率が変化し、たとえばWOの場合であれば、プロトンが格子中に注入されると青色に変化して透過率が低下し、プロトンが引き抜かれると透明になって透過率が上昇する。このようにエレクトロクロミック素子には、プロトン伝導材料が必要不可欠である。そして、この観点から、常温に近い温度において成膜可能で、且つ用塗拡大のため可撓性に富んだプロトン伝導材料が求められている。
【0007】
ここで、上述の使用目的等に適用されるプロトン伝導材料の例として、特許文献2、特許文献3には、ゾル・ゲル法により酸化Siとブレンステッド酸を含むプロトン伝導樹脂を製造する方法が開示されている。これらの方法によれば、室温または200℃以下の温度においてプロトン伝導樹脂が製造できることが開示されている。しかし、これら従来の技術に係るプロトン伝導樹脂は、いずれも可撓性に乏しく機械的に脆いという性質を有している。
【0008】
【特許文献1】
特開昭56−38379号公報
【特許文献2】
特開平8−249923号公報
【特許文献3】
特開平8−228214号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような課題を解決することを目的としてなされたものであり、ケイ酸とブレンステッド酸と多価アルコールとを含むプロトン伝導材等を含むエレクトロクロミック素子であって、十分な可撓性を有しながら、プロトン伝導特性を損なうことなく通常のプラスチックの耐熱温度以下において製造可能であるエレクトロクロミック素子を提供することにあり、さらに、プロトン伝導材等の中にエレクトロクロミック材料微粒子を分散させることで、上記目的とする安価で、低温製造可能なエレクトロクロミック素子を作製することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、次のことが明らかとなった。従来、プロトン伝導樹脂を作製する際、ブレンステッド酸を含むSiのアルコキシドまたはこの加水分解重合物をゾル・ゲル法により脱水縮合させて、3次元のSiとOとのネットワーク構造を有するケイ酸の骨格構造を構築し、次に溶媒を蒸発除去し、バルク体もしくは膜状で、OH基を有するケイ酸の骨格構造を含むプロトン伝導樹脂を製造していた。しかし、上記ケイ酸の骨格構造の「SiとOとのネットワーク構造」は非常に脆く、さらに、加熱による溶媒除去やゲルの熟成の際に、前記骨格構造が緻密化して体積収縮が起こる為、バルク体や膜等に亀裂が生じる。このため、均一なバルク体や膜等を得ることが困難だったのである。また、この「SiとOとのネットワーク構造」には柔軟性も無いため、フレキシブルな基材へ密着した厚膜や薄膜の形成も困難だったのである。
【0011】
ここで本発明者らは、上記骨格構造を形成している「SiとOとのネットワーク構造」に架橋構造を設ければ、プロトン伝導樹脂としての可撓性を増加させることが出来るのではないかと想到した。そこで、この「SiとOとのネットワーク構造」へ架橋可能であって、かつこの架橋によっても、プロトン伝導特性が損なわれず、さらに通常のプラスチックの耐熱温度以下においてバルク体や膜等の製造が可能であることを条件に、様々な化学種を検討した。
【0012】
その検討の結果、化学種として多価アルコールを用いると、この多価アルコールが縮重合により「Si−多価アルコール−Si」の架橋構造を形成して、ケイ酸の骨格構造が、補強されると同時に柔軟化することを見出した。このケイ酸の骨格構造の補強と柔軟化とによりプロトン伝導樹脂の可撓性が増加し、亀裂の無い均一なプロトン伝導樹脂バルク体の形成が可能となり、さらに、フレキシブルな基材への、厚膜、薄膜の形成をも可能となった。さらにこのプロトン伝導樹脂の製造温度は、通常のプラスチックの耐熱温度以下である室温〜100℃にて可能であった。
【0013】
本発明は、上述の検討の結果なされたもので、上述の課題を解決するための手段として、第1の手段は、
基材と、透明電極と、電解質層と、エレクトロクロミック層との積層構造を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記電解質層は、ケイ酸とブレンステッド酸と多価アルコールとを含むプロトン伝導材、又は、前記プロトン伝導材と樹脂とを含むプロトン伝導樹脂、又は、前記プロトン伝導材あるいは前記プロトン伝導樹脂が樹脂中に分散されたプロトン伝導体分散体を有することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第2の手段は、
第1の手段に記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記エレクトロクロミック層は、、前記プロトン伝導材、又は、前記プロトン伝導樹脂、又は、前記プロトン伝導体分散体中に、酸化発色型又は還元発色型エレクトロクロミック材料を微粒子として1種類以上含むものであることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第3の手段は、
第2の手段に記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記酸化発色型エレクトロクロミック材料が、酸化タングステンであることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第4の手段は、
第1〜第3の手段のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記電解質層中の、前記ケイ酸の骨格構造中に前記多価アルコールの架橋構造が存在することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第5の手段は、
第4の手段に記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記多価アルコールが、エチレングリコールおよび/またはポリエチレングリコールであることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第6の手段は、
第4の手段に記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記ブレンステッド酸が、リン酸であることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第7の手段は、
第4の手段に記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記ケイ酸の原料として、Siアルコキシドおよび/またはSiアルコキシドの加水分解重合物を用いることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第8の手段は、
第1〜第7の手段に記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記ブレンステッド酸と、Siと、多価アルコールとのモル濃度比が、30〜60:3.5〜6.5:25〜65であることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第9の手段は、
第4の手段に記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記プロトン伝導樹脂中に含まれる樹脂が、UV硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂から選ばれた1種以上のバインダー樹脂であることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第10の手段は、
第1〜第4の手段に記載のエレクトロクロミック素子であって、
前記プロトン伝導体分散体は、前記プロトン伝導材または前記プロトン伝導樹脂を微粒子の状態で、UV硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂から選ばれた1種以上のバインダー樹脂、または他の構成のプロトン伝導樹脂中に分散されて存在することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
1.プロトン伝導材の構造
図1は、本発明の実施の形態にかかるプロトン伝導材の分子構造の説明図である。
本発明のプロトン伝導材は、ケイ酸とブレンステッド酸と多価アルコールとを含むものであって、前記ケイ酸の骨格構造中に多価アルコールの架橋構造が存在することを特徴としている。また、前記多価アルコールが、エチレングリコールおよび/またはポリエチレングリコールであることが好ましい。また、前記ブレンステッド酸が、リン酸であることが好ましい。さらには、ケイ酸の原料として、Siアルコキシドおよび/またはSiアルコキシドの加水分解重合物を用いることが好ましい。また、前記ブレンステッド酸と、Siと、多価アルコールとのモル濃度比が、30〜60:3.5〜6.5:25〜65であることが好ましい。
【0016】
図1に示す実施の形態に係るプロトン伝導材は、多価アルコールとしてエチレングリコール、ブレンステッド酸としてリン酸を用いた例である。尚、図1中のRとは、原料のSiアルコキシド等に由来する残留アルキル基である。
図1に示すように、このプロトン伝導材は、SiがOを介して相互に結合し3次元的な網目構造となり、ケイ酸の骨格構造を構築している。このケイ酸の骨格構造を構築している「Si−O−」の単位構造の全てが隣接するSiと結合している訳ではなく、Hや前記Rと結合しているものも存在する。
【0017】
そして、このケイ酸の骨格構造中には、遊離のリン酸(H PO 3−)と遊離のエチレングリコール((CH(OH))とが存在し、さらに水を添加した場合または大気中より水分を吸収した場合等は、図示していない水(HO)が存在する。この遊離のリン酸が解離して生成したリン酸イオン(PO 3−等)の周囲には、遊離のプロトン(H)が存在し、このプロトンが主にプロトン伝導を担っていると考えられる。
【0018】
さらに、本実施の形態に係るプロトン伝導材においては、前記ケイ酸の骨格構造を構築している「Si−O−」の単位構造と、エチレングリコール((CH(OH))との縮合により形成された「Si−O−(CH−O−Si」の架橋構造が存在している。
【0019】
この架橋構造の効果について、さらに説明する。ケイ酸の骨格構造が、「Si−O−」の単位構造より構築されている従来のプロトン伝導物質では、「Si−O−」の単位構造が機械的に脆いばかりでなく、ゲル状のプロトン伝導物質を製造する際の加熱や熟成において、前記3次元的な網目構造が緻密化して体積収縮が起っていた。この結果、可撓性に乏しく亀裂の多いプロトン伝導物質となっていたと考えられる。
【0020】
一方、本発明においては、前記「Si−O−(CH−O−Si」の架橋構造が、前記「Si−O−」の単位構造の機械的な脆さの補強効果と、過度の緻密化を抑制する効果とを与えて、可撓性を有し亀裂の発生のないゲル状のプロトン伝導材を実現できたものと考えられる。さらに、前記「Si−O−(CH−O−Si」の架橋構造が、ケイ酸の骨格構造中にて、前記プロトン伝導を担うプロトンの主な供給源である遊離状態のリン酸(H PO 3−)の存在割合を増加させて、プロトン伝導率をも高めていると考えられる。
【0021】
すなわち、従来のプロトン伝導物質では、ケイ酸の骨格構造中に存在するリン酸の殆どが骨格構造のSiと化学的な結合状態を有し、この結果、前記プロトン伝導を担うプロトンの供給が低減していたものと考えられる。ところが、本実施の形態に係るプロトン伝導材では、前記「Si−O−(CH−O−Si」の架橋構造が、このリン酸と骨格構造のSiとの化学的な結合を抑制し、大部分のリン酸が遊離状態で存在するために、十分な量のプロトンが供給されているのではないかと考えられる。
【0022】
さらに加えて、本実施の形態に係るプロトン伝導材における上記骨格構造は、原料のSiアルコキシド、エチレングリコールまたはポリエチレングリコールに由来する多数のOH基を有している。これらOH基は、Siやグリコールと結合しているものは、安定な状態で骨格構造中に存在すると考えられる。そして、これらのOH基は、リン酸から供与されるプロトンの伝導を補助し、プロトン伝導特性の向上に寄与していると考えられる。
【0023】
2.プロトン伝導材の製造方法
図2は、本発明の実施の形態にかかるプロトン伝導材の製造方法のフロー図である。以下、図2を参照しながら、本発明の実施の形態に係るプロトン伝導材の製造方法を説明する。まずブレンステッド酸と多価アルコールとを混合し、そこへ溶媒としてのアルコールを加え十分に混合する。ブレンステッド酸としては、多様な酸が使用可能であるがプロトン伝導への寄与や作業性等より、リン酸等が好ましい。
【0024】
多価アルコールとしても多様な多価アルコールが使用可能であるがプロトン伝導への寄与や作業性等より、エチレングリコールまたはポリエチレングリコール等が好ましい。溶媒としてのアルコールは、常温付近で蒸散除去が可能で、前記ブレンステッド酸や多価アルコール、および後述するSiアルコキシド等を溶解できるものであればよく、作業性や入手のし易さ等よりメチルアルコール、エチルアルコール等が好ましい。
【0025】
次に、このブレンステッド酸と多価アルコールおよび溶媒との混合溶液中へ、Siのアルコキシド、またはその加水分解重合物を加え、再び十分に攪拌し、ゾル状のプロトン伝導材製造用混合液を得る。ここでSiのアルコキシド等は、特に限定するものではないが、作業性や入手のし易さ等より、代表的なものとして、テトラエチルオルトシリケート(以下、TEOSと記載する。)、テトラメチルオルトシリケート(以下、TMOSと記載する。)およびこれらの加水分解重合物等が好ましい。ここで、後工程での作業性やコストの観点より、プロトン伝導材製造用混合液中へさらに水を添加してもよい。
【0026】
前記プロトン伝導材製造用混合液において、前記ブレンステッド酸と、Siアルコキシド中のSiおよび/またはSiアルコキシドの加水分解重合物中のSiと、多価アルコールとのモル濃度比が、30〜60:3.5〜6.5:25〜65の範囲にあると、次工程のゲル化工程において、プロトン伝導特性に優れ、十分な可撓性を有するプロトン伝導材を作業性良く製造することができ好ましい。
【0027】
前記調製されたプロトン伝導材製造用混合液を、基材上に塗布するか、またはシャーレ等の容器に収納し、25〜100℃の温度で溶媒を蒸散除去して乾燥する。この結果、前記Siアルコキシドおよび/またはSiアルコキシドの加水分解重合物と多価アルコールとで、多価アルコールの架橋構造を有するケイ酸の骨格構造が形成され、ゾル状のプロトン伝導材製造用混合液は、ゲル状のプロトン伝導材となる。
【0028】
前記ゲル状のプロトン伝導材を、さらに乾燥して乾燥ゲルとすることで、プロトン伝導材の膜やバルク体や微粒子を製造することができ、これらは、エレクトロクロミック素子中のプロトン伝導に寄与する材料として応用が可能である。
製造されたプロトン伝導樹脂は、無色で透明性も非常に優れている。そして、膜の形態のものは、フレキシブルな基材上にコーティングされた場合でも十分な可撓性を発揮し亀裂を生じないばかりか、たとえ厚膜の形態であっても基材を湾曲させたときの密着性は良好である。
【0029】
一方、バルク体のものは、ナイフ等で簡単に加工できる程度の可撓性と柔軟性とを有し、基材や素子に容易に挟み込むことが可能である。
【0030】
3.プロトン伝導樹脂、プロトン伝導体分散体の製造方法
上記のプロトン伝導材は、そのままでプロトン伝導材料として使用可能だが、密着強度向上等を目的として、更にUV硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂から選ばれた1種以上のバインダー樹脂成分を含ませ、プロトン伝導樹脂とすることも好ましい構成である。また、上記のプロトン伝導材や上記プロトン伝導樹脂を微粒子化し、UV硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂から選ばれた1種以上のバインダー樹脂中に分散させるか、または他の構成のプロトン伝導樹脂中に分散させて、プロトン伝導体分散体として用いることも好ましい構成である。
【0031】
ここで、上記プロトン伝導材や上記プロトン伝導樹脂を微粒子化する方法は特に限定されないが、例えば、まずプロトン伝導材やプロトン伝導樹脂を目的の特性が得られるように作製し、これを粉砕して微粒子状にする方法が挙げられる。このとき、ビーズミル等を用いて湿式で粉砕する場合には、この工程で予めバインダー樹脂を含有させても構わない。また、乾式で粉砕した場合には、後工程で所定量のバインダー樹脂を添加することとしても良い。
【0032】
4.プロトン伝導材、プロトン伝導樹脂、プロトン伝導体分散体のエレクトロクロミック素子への適用
本発明に係るプロトン伝導材、プロトン伝導樹脂、プロトン伝導体分散体(以下、これら3種の材料をまとめてプロトン伝導材等と記載する。)のバルク体は、上述したように、プロトン伝導特性に優れていることに加え、膜の形態のものは、フレキシブルな基材上にコーティングされた場合でも十分な可撓性を発揮し、亀裂を生じないばかりか、たとえ厚膜の形態であっても基材を湾曲させたときの密着性も良好だった。バルク体のプロトン伝導材等は、ナイフ等で簡単に加工できる程度の可撓性と柔軟性とを有し、基材やエレクトロクロミック素子に容易に挟み込むことが可能であった。
【0033】
また、このバルク体は微細に粉砕し、各種バインダー中に分散されていても良い。上記バインダーは、UV硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等挙げられるが特に限定されない。
【0034】
また、このとき、バルク体が透明性を要求される場合は、プロトン伝導材等の分散粒子径を小さくすることが好ましい。透明性を向上させるためには、膜中に存在する微粒子の凝集体を小さくすることが必要である。人の目は約380nm〜780nmの波長の光に対して感受性があり、特に550nm付近の光に対して感度が良く、その領域を中心に長波長側及び短波長側に行くに従って感度が減少する。散乱物(微粒子凝集体)が光の波長(550nmを中心とした可視光領域波長)と同程度の大きさのとき、光の散乱が最も大きくなる(これをMie領域という)。
【0035】
更に、微粒子凝集体の分散粒子径を小さくするとRayleigh領域となり、微粒子凝集体の半径の6乗に反比例して散乱光強度は減少するので、透明性が格段に向上する。即ち、この透明性を保つためには、膜中のプロトン伝導材等の粒子径が200nm以下であることが好ましく、100nm以下が更に好ましく、50nm以下が特に好ましい。逆に、粒子径が300nmを超えると、散乱光が増大して曇りガラスのようになる。
【0036】
ここで図面を参照しながら、本発明に係るプロトン伝導材等のエレクトロクロミック素子への適用例について説明する。
図3は本発明の実施の形態に係るエレクトロクロミック素子例の部分断面図である。
図3において、エレクトロクロミック素子は、電極層としての透明導電膜1aが形成された透明導電膜つき透明基材2aの内側に還元発色型エレクトロクロミック層3及び電解質層4を形成し、次に、電極層としての透明導電膜1bが形成された透明導電膜つき透明基材2bの内側に酸化発色型エレクトロクロミック層5を形成し、これらを貼り合わせた積層構造を有している。そして、例えば、基材/透明導電膜/酸化タングステン等を主成分とする還元発色型エレクトロクロミック層/電解質層/オキシ水酸化ニッケル等を主成分とする酸化発色型エレクトロクロミック層/透明導電膜/基材の様な積層構造となっている。
以下、各層構造毎に、電解質層4、エレクトロクロミック層3、5、透明基材2a、2b、透明導電膜1a、1bの順で説明する。
【0037】
電解質層4は、上述したプロトン伝導体等であり、ケイ酸とブレンステッド酸と多価アルコールとを含むプロトン伝導材、またはプロトン伝導樹脂、またはプロトン伝導体分散体である。
【0038】
還元発色型エレクトロクロミック層3は還元により発色する層であり、酸化発色型エレクトロクロミック層5は酸化により発色する層である。そして、還元発色型エレクトロクロミック層3においては還元発色型エレクトロクロミック材料の1種以上が、酸化発色型エレクトロクロミック層5においては酸化発色型エレクトロクロミック材料の1種以上が微粒子となって、上述したプロトン伝導体等中に分散している。このように、エレクトロクロミック特性を有する材料が微粒子となって、プロトン伝導特性を有するプロトン伝導体等中に分散していることで、エレクトロクロミック材料の比表面積が増大しプロトンの出入りが容易になり、発色効率が良くなるので好ましい。また、エレクトロクロミック層3、5を構成するプロトン伝導体等は、上述した電解質層4を構成するプロトン伝導体等と同様のものを用いると生産性向上の観点からも好ましい。
【0039】
エレクトロクロミック材料のうち、還元発色型のエレクトロクロミック材料としては、例えば酸化タングステン、酸化ニオブ、ニオブ酸リチウム、酸化モリブテン、酸化チタン、酸化錫、ATO(アンチモン添加酸化錫)、リチウム酸コバルト、プルシアンブルー等が挙げられるが、発色特性の観点からは酸化タングステンが好ましい。還元発色型のエレクトロクロミック材料は、これらに限定されず、還元発色するものであれば良い。
【0040】
一方、酸化発色型のエレクトロクロミック材料は、例えば、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、酸化イリジウム、酸化ロジウム、酸化コバルト、水酸化コバルト等が挙げられる。酸化発色型のエレクトロクロミック材料は、これらに限定されず、酸化発色するものであれば良い。
尚、還元発色型又は酸化発色型のエレクトロクロミック層に用いるエレクトロクロミック材料は、酸化状態又は還元状態で発色していても良く、そのような材料には酸化バナジウム、窒化インジウム、窒化錫等がある。
【0041】
透明基材2a、2bとしては、透明な樹脂やガラス等を使用でき、硬いボード状のものでも、フレキシブルなフィルム状のものでも良い。特に、既存の窓ガラス等に貼付し調光ガラスとする用途には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、フッ素樹脂、エチレン、ビニルアルコールなどの透明樹脂フィルムが好適である。
【0042】
透明基材2a、2bに設ける透明導電膜1a、1bとしては、錫添加酸化インジウム(以下、ITOと記載する。)、アンチモン添加酸化錫(以下、ATOと記載する。)、フッ素添加酸化錫(以下、FTOと記載する。)、アルミニウム添加酸化亜鉛(以下、AZOと記載する。)、ガリウム添加酸化亜鉛(以下、GZOと記載する。)、Au、Ag、Pt等の貴金属薄膜等を使用できる。導電性が発色、消色の速度を決める要素となるため、透明導電膜の表面抵抗は低いことが望ましい。
【0043】
上記本発明に係る構成を有するエレクトロクロミック素子は、生産性が高く、電気特性に優れ、長寿命であること等に加え、さらに本発明に係るプロトン伝導材、プロトン伝導樹脂、プロトン伝導体分散体が無色透明体であることにより、光学特性の向上にも大きく寄与するものである。
勿論、上記材料を用いるエレクトロクロミック素子の構造は、これに限定されるものではない。
【0044】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明をより具体的に説明する。
光学特性に関しては、JIS A 5459(1998)(光源:A光)に基づき測定を行い、可視光透過率、日射透過率を算出した。だたし、測定試料はガラスに貼付せず、フィルムそのものを使用した。塗布液中の平均分散粒子径は、動的光散乱法を用いた測定装置(大塚電子株式会社製:ELS−800)により測定し、その平均値を用いた。
【0045】
(実施例1)
リン酸:TEOS中のSi:エチレングリコールのモル比が0.8:0.2:0.4となるように、リン酸とエチレングリコールを混合し、そこへエタノールを添加後、TEOSを加えて十分に攪拌し、プロトン伝導材製造用混合液を調製した、以下これを(A液)と記載する。
【0046】
A液を80℃で加熱してゲル化させ、さらに80℃で乾燥して溶媒を除去したところ、亀裂の無い均一な無色透明なプロトン伝導材バルク体を得ることができた。これを、エタノールを分散媒を用いてビーズミル((株)シンマルエンタープライゼス製)で分散し、平均分散粒子径100nm以下の分散液を作製した。この分散液に、紫外線硬化アクリル樹脂を、重量比でプロトン伝導材に対して10%添加しプロトン伝導樹脂液を作製した、以下これを(B液)と記載する。
【0047】
酸化タングステン微粒子100gをエタノールを分散媒に用いてビーズミル(同上)で分散し、平均分散粒子径が100nm以下の微粒子分散液を得た、以下これを(C液)と記載する。
オキシ水酸化ニッケル微粒子100gをエタノールを分散媒に用いてミルで分散し、平均分散粒子径100nm以下の微粒子分散液を得た、以下これを(D液)と記載する。
【0048】
次に、(C液)と(A液)とを所定量混合した、以下これを(CA液)と記載する。
(C液)と(B液)を所定量混合した、以下これを(CB液)と記載する。
(D液)と(B液)を所定量混合した、以下これを(DB液)と記載する。
【0049】
透明電極としてFTO膜がコートされ、表面抵抗60Ω/□を有する80μm厚のPETフィルム(以下、FTOフィルムと記載する。)上に(CA液)を塗布し、80℃で乾燥し膜を得た。この乾燥膜上に(B液)を塗布し、溶剤を乾燥させた後、FTOフィルムを、FTO膜が形成された膜面に密着するように被せ、高圧水銀ランプにより紫外線を照射し硬化させた。
【0050】
上記2枚のFTOフィルムから電極をとり、3Vの電圧を印加したところ、濃青色の色調を示した。この時の膜の可視光透過率は28%、日射透過率は22%であった。次に、印加電圧を逆方向にかけたところ、膜の色は直ちに消えて透明になった。この時の膜の可視光透過率は73%、日射透過率は63%であった。
【0051】
(実施例2)
実施例1と同様のFTOフィルムに(CA液)を塗布し、80℃で乾燥して膜を得た。この乾燥膜上に(A液)を塗布し80℃で乾燥させた。さらにこの上に、(DB液)を塗布し80℃で溶剤を乾燥後、FTOフィルムを、FTO膜が形成された膜面に密着するように被せ、高圧水銀ランプにより紫外線を照射し硬化させた。
【0052】
上記2枚のFTOフィルムから電極をとり、3Vの電圧を印加したところ、濃青色の色調を示した。この時の膜の可視光透過率は20%、日射透過率は15%であった。次に、印加電圧を逆方向にかけたところ、膜の色は直ちに消えて透明になった。この時の膜の可視光透過率は70%、日射透過率は59%であった。
【0053】
(実施例3)
実施例1と同様のFTOフィルムに(CB液)を塗布し、80℃で乾燥して膜を得た。この乾燥膜上に(A液)を塗布し80℃で乾燥させた。さらにこの上に、(DB液)を塗布し80℃で溶剤を乾燥後、FTOフィルムを、FTO膜が形成された膜面に密着するように被せ、高圧水銀ランプにより紫外線を照射し硬化させた。
【0054】
上記2枚のFTOフィルムから電極をとり、3Vの電圧を印加したところ、濃青色の色調を示した。この時の膜の可視光透過率は23%、日射透過率は18%であった。次に、印加電圧を逆方向にかけたところ、膜の色は直ちに消えて透明になった。この時の膜の可視光透過率は71%、日射透過率は60%であった。
【0055】
(実施例4)
実施例1と同様のFTOフィルムに(CB液)を塗布し、80℃で乾燥して膜を得た。この乾燥膜上に(B液)を塗布し80℃で乾燥させた。さらにこの上に、(DB液)を塗布し80℃で溶剤を乾燥後、FTOフィルムを、FTO膜が形成された膜面に密着するように被せ、高圧水銀ランプにより紫外線を照射し硬化させた。
【0056】
上記2枚のFTOフィルムから電極をとり、3Vの電圧を印加したところ、濃青色の色調を示した。この時の膜の可視光透過率は25%、日射透過率は20%であった。次に、印加電圧を逆方向にかけたところ、膜の色は直ちに消えて透明になった。この時の膜の可視光透過率は71%、日射透過率は59%であった。
【0057】
(比較例1)
実施例1と同様のFTOフィルムに(CB液)を塗布し、80℃で乾燥した後、さらに紫外線を照射して膜を得た。この膜上に紫外線硬化樹脂のみを塗布し80℃で乾燥し、さらに紫外線を照射して膜を硬化させた。さらにこの上に(DB液)を塗布し、80℃で溶剤を乾燥した後、FTOフィルムをFTOが形成した膜面に密着するように被せ、高圧水銀ランプにより紫外線を照射し硬化させた。上記2枚のFTOフィルムから電極をとり、3Vの電圧を印加したが、透過率の変化を目視にては観測出来なかった。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明は、基材と、透明電極と、電解質層と、エレクトロクロミック層との積層構造を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記電解質層、さらには、エレクトロクロミック層中にも、ケイ酸とブレンステッド酸と多価アルコールとを含むプロトン伝導材、又は、前記プロトン伝導材と樹脂とを含むプロトン伝導樹脂、又は、前記プロトン伝導材あるいは前記プロトン伝導樹脂が樹脂中に分散されたプロトン伝導体分散体を有することを特徴とするもので、プロトン伝導特性を損なうことなく通常のプラスチックの耐熱温度以下の低温環境で安価に製造可能であり、かつ十分な可撓性を有するエレクトロクロミック素子を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプロトン伝導材の分子構造例の説明図である。
【図2】本発明に係るプロトン伝導材の製造方法のフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態例にかかるエレクトロクロミック素子の部分断面図である。
【符号の説明】
R.原料であるSiアルコキシド等に由来する残留アルキル基
1a、1b 透明導電膜
2a、2b 透明基材
3 還元発色型エレクトロクロミック層
4 電解質層
5 酸化発色型エレクトロクロミック層

Claims (10)

  1. 基材と、透明電極と、電解質層と、エレクトロクロミック層との積層構造を有するエレクトロクロミック素子であって、
    前記電解質層は、ケイ酸とブレンステッド酸と多価アルコールとを含むプロトン伝導材、又は、前記プロトン伝導材と樹脂とを含むプロトン伝導樹脂、又は、前記プロトン伝導材あるいは前記プロトン伝導樹脂が樹脂中に分散されたプロトン伝導体分散体を有することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 請求項1に記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記エレクトロクロミック層は、前記プロトン伝導材、又は、前記プロトン伝導樹脂、又は、前記プロトン伝導体分散体中に、酸化発色型又は還元発色型エレクトロクロミック材料を微粒子として1種類以上含むものであることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  3. 請求項2に記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記酸化発色型エレクトロクロミック材料が、酸化タングステンであることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記電解質層中の、前記ケイ酸の骨格構造中に前記多価アルコールの架橋構造が存在することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  5. 請求項4に記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記多価アルコールが、エチレングリコールおよび/またはポリエチレングリコールであることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  6. 請求項4に記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記ブレンステッド酸が、リン酸であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  7. 請求項4に記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記ケイ酸の原料として、Siアルコキシドおよび/またはSiアルコキシドの加水分解重合物を用いることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  8. 請求項1〜7に記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記ブレンステッド酸と、Siと、多価アルコールとのモル濃度比が、30〜60:3.5〜6.5:25〜65であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  9. 請求項4に記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記プロトン伝導樹脂中に含まれる樹脂が、UV硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂から選ばれた1種以上のバインダー樹脂であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  10. 請求項1〜4に記載のエレクトロクロミック素子であって、
    前記プロトン伝導体分散体は、前記プロトン伝導材または前記プロトン伝導樹脂を微粒子の状態で、UV硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂から選ばれた1種以上のバインダー樹脂、または他の構成のプロトン伝導樹脂中に分散されて存在することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
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