JP2004317840A - 光デバイスおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性のある気密封止を有し、封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、信号伝送特性に経時劣化のない信頼性の高い光デバイスおよびその製造方法の提供。
【解決手段】ケース5と蓋部材8からなる筐体3と、筐体3に収容された機能部材2と、機能部材2と光学的に接続する光ファイバー15を有し、ケース5の光ファイバー15の導入部13には、筒状の導入管材10が一体形成される。第1の半田材6および第2の半田材7は低融点半田材であり、光ファイバー15は第1の半田材6によって導入管材10に気密固定され、また蓋部材8は第1の半田材6より融点の低い第2の半田材7を介してケース5に封着される。
【選択図】 図1
【解決手段】ケース5と蓋部材8からなる筐体3と、筐体3に収容された機能部材2と、機能部材2と光学的に接続する光ファイバー15を有し、ケース5の光ファイバー15の導入部13には、筒状の導入管材10が一体形成される。第1の半田材6および第2の半田材7は低融点半田材であり、光ファイバー15は第1の半田材6によって導入管材10に気密固定され、また蓋部材8は第1の半田材6より融点の低い第2の半田材7を介してケース5に封着される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光デバイスおよびその製造方法に関し、特に、光デバイスの筐体を気密封止する構造およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバーを用いた光通信において、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)伝送や波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送を用いて大量の情報を伝達することが可能になってきている。それに伴って、光信号を解析し、伝達された大量の情報を処理するために、複雑な光デバイスが必要になっている。例えば、波長分割多重伝送を行う場合には、光源や可変減衰器や光スイッチなどの様々な光学部品が組み込まれた複合デバイスが用いられる。
【0003】
光デバイスに対しては、光ファイバーを介して様々な光学部品が接続される。このような光デバイスにおいて高性能を維持するために、高温および高湿の環境下での信頼性を確保するように、通常、気密封止構造が採用される。
【0004】
図4に示す従来の光デバイス1は、例えば半導体レーザー素子や受光素子といった光素子19と、光素子19が実装されるシリコン基板11と、それらを収容するための筐体を構成する金属製のケース5およびフタ8と、半田付け性の向上を目的としてメッキまたはスパッタ等の方法によって素線の表面に金属膜が形成された光ファイバー15とを備えている。この光デバイス1では、ケース5とフタ8との間に光ファイバー15を挟み込み、半田9を使用して全周を接合することによって筐体の気密封止を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、上述の光デバイス1において半田9に代えて低融点ガラスを用いて気密封止することも提案されている。この場合、半田を用いていないため半田付け性を考慮する必要はなく、光ファイバーの表面に金属膜を形成しなくてもよい。低融点ガラスによる気密封止は、ケースとフタとの間に光ファイバーを挟み込んで、ケースとフタとの間の全周に低融点ガラスを配し加熱、溶融することで実施される(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、低融点ガラスに代えて、樹脂封止材を用いて気密封止する方法も提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−293230号公報(第2−5頁、第5図)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−198973号公報(第3項、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に光デバイスでは、ケース内部に収容される光源、可変減衰器、または光スイッチなどの機能性部材のアセンブル、およびこれらの機能性部材への光ファイバーの調芯固定に紫外線硬化性樹脂接着剤や熱硬化性樹脂接着剤、または紫外線・熱併用の接着剤が多く用いられる。これら光学用接着剤のガラス転移点(Tg)は通常100℃前後と比較的低温である。一方、パッケージやコネクター等の端子の高性能の気密封止には低融点ガラスが多く用いられている。しかし、低融点ガラスの融点は一般に430℃以上と高温であるため、封止時にその熱によって筐体内の機能部材の特性を劣化させたり、それらを位置決め固定するための樹脂接着剤が高温化し、軟化することによって、光素子と光ファイバーの位置関係がずれたりする恐れがある。また、低融点ガラスをケースへの光ファイバー導入部分の封止に用いた場合、光ファイバーと低融点ガラスの熱膨張係数の違いから光ファイバーが破損したり、温度特性が劣化したりする問題がある。
【0010】
それに対し、樹脂封止材による封止は、硬化時の温度は比較的低温であり、ケース内部に収容される機能性部材の特性を劣化させない点で有用である。しかし、どのような樹脂材料もある程度の透湿性を持っており、長期的には筐体内部に湿気が入り込んでしまうことは避けられない。また、樹脂を硬化させるための加熱時にケース内の気体膨張により内圧が上昇し、樹脂の未硬化部分から空気が外部へ漏れて樹脂に穴があいてしまい気密封止に不良を引き起こす問題がある。
【0011】
半田を用いた気密封止を行う場合、低融点半田材を用いれば比較的低温で封止を行うことが可能となる。しかし、低融点半田材の融点はおよそ100℃から150℃程度であり、光学用接着剤のTgと比較して高温であるため、ケース内部に収容される機能部材に影響を与えないように半田付け工程やケース構造などを工夫する必要がある。また、図4の従来の光デバイスで説明した、ケース5とフタ8との間に光ファイバー15を挟み込み、半田9を使用して全周を接合する構成では、光ファイバーを挟み込む部分に例えばV溝などの位置決め溝構造を形成するため、その凹凸部分に半田材を形成するための工程に工夫が必要であり、またその部分の半田材の厚みが均一とならず、気密封止に欠陥が生じやすい問題がある。
【0012】
そこで本発明の目的は、信頼性のある気密封止を有し、封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、光ファイバー導入部分の封止構造で光ファイバーが損傷するのを防止し、信号伝送特性に経時劣化のない信頼性の高い光デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の光デバイスは、少なくとも、光ファイバーが予め調芯接続された機能部材と、機能部材を格納するケースと、ケースの開口部に封着する蓋部材と、ケースに形成された導入部に配置され、光ファイバーの外径より大きな内径の貫通穴を有する導入管材とからなり、光ファイバーが導入管材を通って外部へ導出されている光デバイスにおいて、光ファイバーは導入管材に第1の半田材によって固定され、かつ蓋部材はケースに第2の半田材で封着されていることを特徴とする。
【0014】
このとき、第1の半田材および第2の半田材はいずれも低融点半田材料であり、かつ第2の半田材は、第1の半田材より融点の低い合金材料を用いる。特に、第1の半田材はビスマスの含有量が48wt%以上のスズ−ビスマス合金材料であり、第2の半田材はスズ−インジウム合金材料であることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、低融点半田材を用いるため、気密封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させる可能性が小さい。また、ケースに対する蓋部材の封着と光ファイバー導入部の封止は別々に行うことができるため、それぞれに最適な構造とすることができ、より確実な封止を実現できる。さらに、蓋部材の封着を光ファイバーの固定よりもあとに行うため、蓋部材封着時の加熱は光ファイバーの固定状態に影響を与えない。また、スズ−ビスマス合金材料はビスマスが48から55wt%のとき、凝固にともなう体積変化がほとんど発生せず、凝固時のストレスにより光ファイバーが損傷するのを防止することができる。さらに、スズ−ビスマス合金材料はビスマスが55%以上では凝固膨張を示すため、適当な組成とすることにより凝固時に光ファイバーを圧縮してより効果的に気密封止を行うことができる。
【0016】
また、第1の半田材および第2の半田材は同一の低融点半田材料とすることもできる。この場合、蓋部材封着時の加熱が光ファイバー固定部分に影響を与えないように加熱条件に工夫が必要となるが、同一の材料を使用することにより材料コストを低減することができる。
【0017】
さらに、本発明の光デバイスは、導入管材が、ケースと一体に形成されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、導入管材をケースに接続する工程はなく信頼性の高い確実な気密封止を行うことができる。
【0019】
また、導入管材は、ケースに第1の半田材または第2の半田材のいずれか一方と同一材料からなる第3の半田材によって固定されていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、導入管をケースと一体に製造した場合と比較してケースの形状が平易であり、ケースの部材コストを低減することができる。
【0021】
これらの導入管材、ケース、蓋部材はそれぞれ金属材料またはセラミクス材料を用いることができる。
【0022】
また、半田材料の濡れ性を向上させるために、導入管材、ケース、蓋部材の、半田材料との接触部分のうち少なくとも1箇所には、その接触面が金である少なくとも1層以上の金属膜からなる金属膜被覆を配置することもできる。
【0023】
本発明の光デバイスの製造方法は、機能部材を導入管材が一体形成されたケース中に光ファイバーを導入管材に通して挿入する工程と、光ファイバーを第1の半田材で前記導入管材に固定する工程と、平板状の蓋部材を第2の半田部材で前記ケースに封着する工程とを含む。
【0024】
この製造方法によると、機能部材に対する光ファイバーの接続はあらかじめ精密な調芯装置を用いて行い、低融点半田を用いる工程により封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、ケースに対する蓋部材の封着と光ファイバー導入部の封止はそれぞれ最適条件で行うことができる。従って、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することができる。
【0025】
また、本発明の光デバイスの製造方法は、導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程と、機能部材をケース中に光ファイバーを前記導入管材に通して挿入する工程と、光ファイバーを第1の半田材で導入管材に固定する工程と、平板状の蓋部材を第2の半田部材でケースに封着する工程とを含む。このとき、導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程、光ファイバーを第1の半田材で導入管材に固定する工程、平板状の蓋部材を第2の半田部材でケースに封着する工程の順に行うことができる。また、導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程と、光ファイバーを第1の半田材で導入管材に固定する工程は同時に行うこともできる。さらに、導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程と、前記平板状の蓋部材を前記第2の半田部材で前記ケースに封着する工程を同時に行うことも可能である。
【0026】
この製造方法によれば、導入管材を有しない安価なケースを用いて、ケース内に収容される機能部材を劣化させず、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図1に本発明の実施の形態1に係る光デバイスの断面図を示す。図1に示す本発明の光デバイス1は、電気信号を入出力するための電極ピン4が配置されたケース5と、ケース5とはその封着面が平面同志で対向する蓋部材8からなる筐体3と、筐体3に収容された機能部材2と、機能部材2と光学的に接続するとともに外部の光学部品等(図示せず)と光学的に接続する光ファイバー15を有している。ケース5の光ファイバー15の導入部13には、筒状の導入管材10が一体形成されている。導入管材10には貫通穴が形成されている。電極ピン4はケース5にハーメチックシールされている。光ファイバー15は第1の半田材6によって導入管材10に気密固定されており、また蓋部材8は第2の半田材7を介してケース5に封着されている。
【0029】
機能部材2は、例えばレンズやフィルタなどのガラスを主成分とする光学部品や、半導体レーザー素子や受光素子、可変減衰器や光スイッチなどの様々な光学部品、その光学部品を動かすアクチュエータなどが用いられる(図1では機能部材2は模式的に示す)。機能部材2の組立には光学用接着剤(図示せず)が用いられている。また、この機能部材2には光ファイバー15が予め精密に調芯されたうえ、光学用接着剤(図示せず)で接着固定されている。これらの光学用接着剤は、強度および耐久性等に優れているエポキシ系の紫外線硬化性樹脂接着剤や熱硬化性樹脂接着剤、または紫外線・熱併用の接着剤が用いられる。図1では光ファイバー15は一本のみ示されているが、機能部材2が可変減衰器や光スイッチなど光信号の入出力を同時に行う光学部品の場合は、光ファイバー15は必要な本数が配置される。
【0030】
ケース5、蓋部材8の材料は、ガラス部材と近い熱膨張係数を有するコバール材が多く用いられるが、鉄−ニッケル合金などの鉄系の合金材料、各種ステンレス、アルミニウム、真鍮などの金属材料や、セラミクス材料などの中からそれぞれ選択して用いられる。これらの材料には必要に応じて防錆および半田濡れ性を向上させる目的で金/ニッケルの2層メッキをはじめとするコーティングが施され用いられる。
【0031】
第1の半田材6、および第2の半田材7は低融点半田材が用いられる。特に、環境保全の観点からは鉛フリーの低融点半田材が用いられるのが望ましい。第1の半田材6は、融点が第2の半田材7の融点よりも高いものが用いられる。例えば、第1の半田材6は融点が139℃のスズ−ビスマス合金材料、第2の半田材7は融点が119℃のスズ−インジウム合金材料が用いられる。
【0032】
上述の機能部材2に光ファイバー15を接着固定するための光学用接着剤のガラス転移点(Tg)は通常100℃前後と比較的低温である。従って、第1の半田材6、および第2の半田材7の融点が高い場合は、光ファイバー15や蓋部材8を封止する工程において、筐体3内の機能部材2の特性を劣化させたり、それらを位置決め固定するための光学用接着剤が高温化し、軟化することによって、機能部材2と光ファイバー15の位置関係がずれたりする恐れがある。
【0033】
それに対し、この光デバイス1の構成によれば、第1の半田材6、および第2の半田材7は低融点半田材料が用いられるため、気密封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させる可能性が小さい。
【0034】
また、ケース5に対する蓋部材8の封着と光ファイバー導入部13の封止は別々に行うことができるため、それぞれに最適な構造とすることができ、より確実な封止を実現できる。即ち、ケース5と蓋部材8の封着面は光ファイバー15を挟まない構造であり、互いに完全な平面同志とすることができ、従って第2の半田材7を介して隙間なく密着させることができる。また、導入管材10は内径がファイバー15の外径よりも数10μmから1mm程度大きい貫通穴を有する構造として、光ファイバー15と導入管材10の内面に第1の半田材6を充填することにより、効果的に気密封止を行うことが可能となる。
【0035】
さらに、第1の半田材6の融点は第2の半田材7の融点よりも高いため、先に光ファイバー15を封止固定したあとに、蓋部材8の封着を行うことにより、光ファイバー15の封止状態に影響を与えずに、蓋部材8の封着時の加熱を行うことが可能となる。
【0036】
また、スズ−ビスマス合金材料はビスマスが48から55wt%のとき、凝固にともなう体積変化がほとんど発生せず、凝固時のストレスにより光ファイバー15が損傷する現象を防止することができる。さらに、スズ−ビスマス合金材料はビスマスが55%以上では凝固膨張を示すため、適当な組成とすることにより凝固時に光ファイバーを圧縮してより効果的に気密封止を行うことができる。
【0037】
従って、図1に示した本発明の実施の形態1による光デバイス1の構成によれば、信頼性のある気密封止を有し、封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、光ファイバー導入部分の封止で光ファイバーが損傷するのを防止し、信号伝送特性に経時劣化のない信頼性の高い光デバイスを実現することが可能となる。
【0038】
図2は本発明の実施の形態1に係わる半田封止部分の拡大断面図であり、半田封止部分の例としてケース5と蓋部材8の封着部分を示している。ケース5および蓋部材8の第2の半田材7との接触面にはニッケル21と金22のメッキ膜が被覆されている。通常、コバール材やセラミック材のケースは金/ニッケルメッキされて用いられる場合が多いが、金/ニッケルメッキされていない場合でも、少なくとも半田材と接触する面が金となるように被覆が形成されていれば、半田材の良好な濡れ性が実現できる。図2は例としてケース5と蓋部材8の封着部分を示しているが、ほかのどの半田封止部分に関しても金被覆を行うことにより同様の効果が得られる。
【0039】
また、図1に示した実施の形態1の説明では、第1の半田材6は、融点が第2の半田材7の融点よりも高いものが用いられるとしたが、蓋部材8の封着条件を調整して、機能部材2や導入部13に与える熱の影響を小さくできれば、第1の半田材6と第2の半田材7は同一の材料を用いることもできる。同一の材料を用いることにより、製造時にかかる消耗部材費のコストを抑えることができる。このとき、機能部材2や機能部材2への光ファイバー15の接着固定に与える熱の影響を極力小さくしたい場合は、例えばスズ−インジウムなどの比較的融点の低い合金材料が用いられる。また、封止部分への、特に光ファイバー15の封止部分へのストレスの影響を小さくしたい場合には、例えばスズ−ビスマス合金材料が用いられる。
【0040】
この光デバイス1の製造方法について以下に説明する。
【0041】
はじめに、電極ピン4がハーメチックシールされたケース5、および蓋部材8を用意する。これらの部材は、材質および加工コストに対応して、切削、プレス、射出成形などによって成型されたものを用いる。また半田付け性を考慮して、金/ニッケルメッキ被覆されたものが多く用いられる。導入管材10はケース5と一体で成型される。または、導入管材10はろう付けによって強固にケース5に対して固定されることによって、一体として扱うことも可能である。
【0042】
機能部材に光ファイバー15を光学的に接続するための調芯は、作業性を考慮してあらかじめ調芯固定し、ユニット化しておく。調芯方法は機能部材2を構成する光部品の種類によって最適な方法が選択されるが、例えば、光ファイバー15の光信号出力をモニターしながら調芯する方法、顕微鏡観察しながら位置決めする方法、あらかじめシリコン基板上に異方性エッチングやDeep RIEにより形成しておいた位置決め用の溝にならわせる方法などが用いられる。光ファイバー15の機能部材2への接着は、上述の通り、様々な種類の光学用接着剤が用いられる。調芯ステージや調芯ジグで調芯した状態で紫外線照射によって仮留めし、さらに熱によって硬化させられる点で、紫外線・熱併用の接着剤が便利である。
【0043】
このユニット化した機能部材2および光ファイバー15を、光ファイバー15が導入管材10を通るようにしてケース5に配置する。そして、樹脂接着剤等によって機能部材2をケース5に固定し、必要に応じて電極ピン4との電気的な配線接続を行う。
【0044】
次に、光ファイバー15を導入管材10に第1の半田材6を用いて固定する。光ファイバー15の半田固定部分は予め樹脂被覆が取り除かれている必要がある。加熱は、半田ゴテを用いてできるだけ局所的に行う。局所的な加熱方法であれば、半田ゴテ以外の加熱方法を用いても良い。特に、第1の半田材6としてスズ−ビスマス合金材料を使用する場合、光学用接着剤のガラス転移点と比較して40℃程度高温の加熱が必要であり、熱伝導によって光学用接着剤を軟化させないように、加熱温度と加熱時間に十分な条件出しと配慮が必要となる。半田付けは必要に応じてフラックスを使用することもできるが、予め使用部材にくもりや腐食を与えないことを確認しなければならない。また、半田材の濡れ性を向上させるためには、導入管材10に予め予備半田しておくことが効果的である。
【0045】
続いて、第2の半田材7を用いてケース5と蓋部材8の封着を行う。第2の半田材7はスズ−インジウム合金材料を用いると加熱温度が比較的低く、機能部材2、機能部材2と光ファイバー15の接続、および前の工程で用いたスズ−ビスマス合金材料へ与える熱的影響がない。ケース5と蓋部材8の間にテープ状の半田材から切り出した枠状の半田材を配置し、加熱圧着機を用いて封着する方法が簡単である。加熱圧着機は、ケース5と蓋部材8の加熱温度を別々に調整可能な装置を用いる。ケース5には既に機能部材2が配置されているため、ケース5の加熱温度は100℃以下のとするのが望ましい。蓋部材8の加熱温度は、スズ−インジウム合金材料の融点119℃より僅かに高く設定される。蓋部材8の加熱温度およびケース5へ圧力を加える時間は、熱伝導によって光学用接着剤を軟化させないように十分な条件出しと配慮が必要である。
【0046】
この製造方法によれば、機能部材2に対する光ファイバー15の接続はあらかじめ精密な調芯装置を用いて行うことができ、低融点半田材を用いる工程により封止時の熱によってケース5の内部に収容される機能部材2を劣化させず、光ファイバー15の導入管材10の封止と、ケース5に対する蓋部材8の封着とはそれぞれ別々の最適条件で行うことができる。従って、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することが可能となる。
【0047】
第2の半田材7の配置方法としては、上述のテープ状の半田材を挟む方法のほか、半田印刷、半田ペーストを用いることもできる。また、予めケース5および蓋部材8の封着面に予備半田を配置し、両半田面を合わせて熱圧着する方法も可能である。また、必要に応じて半田材の濡れ性を向上させるための予備半田やフラックスの使用なども可能である。ただし、フラックスを使用する場合は、使用部材にくもりや腐食を与えないことを確認する必要がある。
【0048】
図3に本発明の実施の形態2に係る光デバイスの断面図を示す。なお、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0049】
図3に示す本発明の光デバイス1は、図1に示した実施の形態1に係わる光デバイス1とは、導入管材10がケース5と別体になっており、第3の半田材12によって固定されている点が異なる。図3に示す本発明の光デバイス1は、電気信号を入出力するための電極ピン4が配置されたケース5と、ケース5とはその封着面が平面同志で対向する蓋部材8からなる筐体3と、筐体3に収容された機能部材2と、機能部材2と光学的に接続するとともに外部の光学部品等(図示せず)と光学的に接続する光ファイバー15を有している。ケース5の光ファイバー15の導入部13には、ケース5とは別体の筒状の導入管材10が固定されている。導入管材10には貫通穴が形成されている。電極ピン4はケース5にハーメチックシールされている。光ファイバー15は第1の半田材6によって導入管材10に気密固定されており、また蓋部材8は第2の半田材7を介してケース5に封着されている。
【0050】
第1の半田材6、第2の半田材7、および第3の半田材12は低融点半田材が用いられる。第1の半田材6、第2の半田材7、および第3の半田材12の材料は次の組み合わせが考えられる。
【0051】
第3の半田材12は、融点が第1の半田材6および第2の半田材7の融点よりも高い物を用いる場合、また、第1の半田材6および第3の半田材12は、融点が第2の半田材6の融点よりも高いものを用いる場合、さらに第1の半田材6は、融点が第2の半田材7および第3の半田材12の融点よりも高いものを用いる場合である。これらの組み合わせは、その製造方法によって決定される。
【0052】
この光デバイス1の構成によれば、ケース5の形状は比較的平易な形状とすることができ、製造上の部材コストを抑えることが可能となる。そのほかの構成、作用および効果は実施の形態1で説明した光デバイス1と変わるところはない。
【0053】
次に、この実施の形態2による光デバイス1の製造方法を説明する。この光デバイス1の製造方法は、基本的に実施の形態1による光デバイスの製造方法と同一である。ただし、導入管10をケース5に第3の半田材12を用いて固定する工程を含むところが異なるところである。
【0054】
導入管10は、第3の半田材12としてスズ−ビスマス合金材料を用いてケース5に固定する。次に、ユニット化した機能部材2および光ファイバー15を、光ファイバー15が導入管材10を通るようにしてケース5に配置する。光ファイバー15の導入管材の固定は、第1の半田材として、第3の半田材より融点の低いスズ−インジウム系の合金材料が使用される。従って、光ファイバー15を固定する際に、導入管10の固定が外れることはない。続いて、第2の半田材7を用いてケース5と蓋部材8の封着を行う。第2の半田材7はスズ−インジウム合金材料を用いる。加熱圧着機は、ケース5と蓋部材8の加熱温度を別々に調整可能な装置を用いる。ケース5には既に機能部材2が配置されているため、ケース5の加熱温度は100℃以下とするのが望ましい。蓋部材8の加熱温度は、スズ−インジウム合金材料の融点119℃より僅かに高く設定される。蓋部材8の加熱温度およびケース5へ圧力を加える時間は、熱伝導によって光学用接着剤を軟化させないよう、また光ファイバー15の固定に影響を与えないように十分な条件出しと配慮が必要である。
【0055】
また、導入管材10をケース5に固定する工程は、光ファイバー15を導入管材10に固定する工程と同時に行うこともできる。この場合、第1の半田材6および第3の半田材12は、両方ともスズ−ビスマス合金材料を用い、同時に加熱する工程とする。このとき、蓋部材8をケース5に固定する第2の半田材7にスズ−インジウム合金材料を用いれば、蓋部材8の加熱熱圧着時の熱が、第1の半田材6および第3の半田材12に影響を与えない。
【0056】
さらに、導入管材10をケース5に固定する工程は、蓋部材8をケース5に固定する工程と同時に行うこともできる。この場合、光ファイバー15を導入管材10に固定する工程は、第1の半田材6としてスズ−ビスマス合金材料を用いて先行して行う。次に、第2の半田材7および第3の半田材12をスズ−インジウム合金材料として、導入管材10をケース5に固定する工程と、蓋部材8をケース5に固定する工程とを同時に行う。このとき、蓋部材8の加熱圧着条件は、熱伝導で第3の半田材12も融ける条件とする必要がある。
【0057】
以上説明した光デバイス1の製造方法によれば、導入管材10を有しない安価なケース5を用いて、ケース5の内部に収容される機能部材2を劣化させず、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、気密封止材料として低融点半田材料を用いるため、信頼性のある気密封止を有し、封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、また、硬化時の体積変化の小さい半田材料を用いることにより光ファイバー導入部分の封止で光ファイバーが損傷するのを防止し、信号伝送特性に経時劣化のない信頼性の高い光デバイスを実現することが可能となる。
【0059】
また、本発明の光デバイスの製造方法によれば、機能部材に対する光ファイバーの接続はあらかじめ精密な調芯装置を用いて行うことができ、低融点半田材を用いる工程により封止時の熱によってケースの内部に収容される機能部材を劣化させず、光ファイバーの導入管材の封止と、ケースに対する蓋部材の封着とはそれぞれ別々の最適条件で行うことができる。従って、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光デバイスの断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係わる半田封止部分の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る光デバイスの断面図である。
【図4】従来技術の一例である光デバイスの気密封止方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光デバイス
2 機能部材
3 筐体
4 電極ピン
5 ケース
6 第1の半田材
7 第2の半田材
8 蓋部材
9 半田
10 導入管材
11 シリコン基板
12 第3の半田材
13 導入部
15 光ファイバー
19 光素子
21 ニッケル膜
22 金膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、光デバイスおよびその製造方法に関し、特に、光デバイスの筐体を気密封止する構造およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバーを用いた光通信において、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)伝送や波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送を用いて大量の情報を伝達することが可能になってきている。それに伴って、光信号を解析し、伝達された大量の情報を処理するために、複雑な光デバイスが必要になっている。例えば、波長分割多重伝送を行う場合には、光源や可変減衰器や光スイッチなどの様々な光学部品が組み込まれた複合デバイスが用いられる。
【0003】
光デバイスに対しては、光ファイバーを介して様々な光学部品が接続される。このような光デバイスにおいて高性能を維持するために、高温および高湿の環境下での信頼性を確保するように、通常、気密封止構造が採用される。
【0004】
図4に示す従来の光デバイス1は、例えば半導体レーザー素子や受光素子といった光素子19と、光素子19が実装されるシリコン基板11と、それらを収容するための筐体を構成する金属製のケース5およびフタ8と、半田付け性の向上を目的としてメッキまたはスパッタ等の方法によって素線の表面に金属膜が形成された光ファイバー15とを備えている。この光デバイス1では、ケース5とフタ8との間に光ファイバー15を挟み込み、半田9を使用して全周を接合することによって筐体の気密封止を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、上述の光デバイス1において半田9に代えて低融点ガラスを用いて気密封止することも提案されている。この場合、半田を用いていないため半田付け性を考慮する必要はなく、光ファイバーの表面に金属膜を形成しなくてもよい。低融点ガラスによる気密封止は、ケースとフタとの間に光ファイバーを挟み込んで、ケースとフタとの間の全周に低融点ガラスを配し加熱、溶融することで実施される(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、低融点ガラスに代えて、樹脂封止材を用いて気密封止する方法も提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−293230号公報(第2−5頁、第5図)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−198973号公報(第3項、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に光デバイスでは、ケース内部に収容される光源、可変減衰器、または光スイッチなどの機能性部材のアセンブル、およびこれらの機能性部材への光ファイバーの調芯固定に紫外線硬化性樹脂接着剤や熱硬化性樹脂接着剤、または紫外線・熱併用の接着剤が多く用いられる。これら光学用接着剤のガラス転移点(Tg)は通常100℃前後と比較的低温である。一方、パッケージやコネクター等の端子の高性能の気密封止には低融点ガラスが多く用いられている。しかし、低融点ガラスの融点は一般に430℃以上と高温であるため、封止時にその熱によって筐体内の機能部材の特性を劣化させたり、それらを位置決め固定するための樹脂接着剤が高温化し、軟化することによって、光素子と光ファイバーの位置関係がずれたりする恐れがある。また、低融点ガラスをケースへの光ファイバー導入部分の封止に用いた場合、光ファイバーと低融点ガラスの熱膨張係数の違いから光ファイバーが破損したり、温度特性が劣化したりする問題がある。
【0010】
それに対し、樹脂封止材による封止は、硬化時の温度は比較的低温であり、ケース内部に収容される機能性部材の特性を劣化させない点で有用である。しかし、どのような樹脂材料もある程度の透湿性を持っており、長期的には筐体内部に湿気が入り込んでしまうことは避けられない。また、樹脂を硬化させるための加熱時にケース内の気体膨張により内圧が上昇し、樹脂の未硬化部分から空気が外部へ漏れて樹脂に穴があいてしまい気密封止に不良を引き起こす問題がある。
【0011】
半田を用いた気密封止を行う場合、低融点半田材を用いれば比較的低温で封止を行うことが可能となる。しかし、低融点半田材の融点はおよそ100℃から150℃程度であり、光学用接着剤のTgと比較して高温であるため、ケース内部に収容される機能部材に影響を与えないように半田付け工程やケース構造などを工夫する必要がある。また、図4の従来の光デバイスで説明した、ケース5とフタ8との間に光ファイバー15を挟み込み、半田9を使用して全周を接合する構成では、光ファイバーを挟み込む部分に例えばV溝などの位置決め溝構造を形成するため、その凹凸部分に半田材を形成するための工程に工夫が必要であり、またその部分の半田材の厚みが均一とならず、気密封止に欠陥が生じやすい問題がある。
【0012】
そこで本発明の目的は、信頼性のある気密封止を有し、封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、光ファイバー導入部分の封止構造で光ファイバーが損傷するのを防止し、信号伝送特性に経時劣化のない信頼性の高い光デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の光デバイスは、少なくとも、光ファイバーが予め調芯接続された機能部材と、機能部材を格納するケースと、ケースの開口部に封着する蓋部材と、ケースに形成された導入部に配置され、光ファイバーの外径より大きな内径の貫通穴を有する導入管材とからなり、光ファイバーが導入管材を通って外部へ導出されている光デバイスにおいて、光ファイバーは導入管材に第1の半田材によって固定され、かつ蓋部材はケースに第2の半田材で封着されていることを特徴とする。
【0014】
このとき、第1の半田材および第2の半田材はいずれも低融点半田材料であり、かつ第2の半田材は、第1の半田材より融点の低い合金材料を用いる。特に、第1の半田材はビスマスの含有量が48wt%以上のスズ−ビスマス合金材料であり、第2の半田材はスズ−インジウム合金材料であることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、低融点半田材を用いるため、気密封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させる可能性が小さい。また、ケースに対する蓋部材の封着と光ファイバー導入部の封止は別々に行うことができるため、それぞれに最適な構造とすることができ、より確実な封止を実現できる。さらに、蓋部材の封着を光ファイバーの固定よりもあとに行うため、蓋部材封着時の加熱は光ファイバーの固定状態に影響を与えない。また、スズ−ビスマス合金材料はビスマスが48から55wt%のとき、凝固にともなう体積変化がほとんど発生せず、凝固時のストレスにより光ファイバーが損傷するのを防止することができる。さらに、スズ−ビスマス合金材料はビスマスが55%以上では凝固膨張を示すため、適当な組成とすることにより凝固時に光ファイバーを圧縮してより効果的に気密封止を行うことができる。
【0016】
また、第1の半田材および第2の半田材は同一の低融点半田材料とすることもできる。この場合、蓋部材封着時の加熱が光ファイバー固定部分に影響を与えないように加熱条件に工夫が必要となるが、同一の材料を使用することにより材料コストを低減することができる。
【0017】
さらに、本発明の光デバイスは、導入管材が、ケースと一体に形成されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、導入管材をケースに接続する工程はなく信頼性の高い確実な気密封止を行うことができる。
【0019】
また、導入管材は、ケースに第1の半田材または第2の半田材のいずれか一方と同一材料からなる第3の半田材によって固定されていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、導入管をケースと一体に製造した場合と比較してケースの形状が平易であり、ケースの部材コストを低減することができる。
【0021】
これらの導入管材、ケース、蓋部材はそれぞれ金属材料またはセラミクス材料を用いることができる。
【0022】
また、半田材料の濡れ性を向上させるために、導入管材、ケース、蓋部材の、半田材料との接触部分のうち少なくとも1箇所には、その接触面が金である少なくとも1層以上の金属膜からなる金属膜被覆を配置することもできる。
【0023】
本発明の光デバイスの製造方法は、機能部材を導入管材が一体形成されたケース中に光ファイバーを導入管材に通して挿入する工程と、光ファイバーを第1の半田材で前記導入管材に固定する工程と、平板状の蓋部材を第2の半田部材で前記ケースに封着する工程とを含む。
【0024】
この製造方法によると、機能部材に対する光ファイバーの接続はあらかじめ精密な調芯装置を用いて行い、低融点半田を用いる工程により封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、ケースに対する蓋部材の封着と光ファイバー導入部の封止はそれぞれ最適条件で行うことができる。従って、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することができる。
【0025】
また、本発明の光デバイスの製造方法は、導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程と、機能部材をケース中に光ファイバーを前記導入管材に通して挿入する工程と、光ファイバーを第1の半田材で導入管材に固定する工程と、平板状の蓋部材を第2の半田部材でケースに封着する工程とを含む。このとき、導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程、光ファイバーを第1の半田材で導入管材に固定する工程、平板状の蓋部材を第2の半田部材でケースに封着する工程の順に行うことができる。また、導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程と、光ファイバーを第1の半田材で導入管材に固定する工程は同時に行うこともできる。さらに、導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程と、前記平板状の蓋部材を前記第2の半田部材で前記ケースに封着する工程を同時に行うことも可能である。
【0026】
この製造方法によれば、導入管材を有しない安価なケースを用いて、ケース内に収容される機能部材を劣化させず、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図1に本発明の実施の形態1に係る光デバイスの断面図を示す。図1に示す本発明の光デバイス1は、電気信号を入出力するための電極ピン4が配置されたケース5と、ケース5とはその封着面が平面同志で対向する蓋部材8からなる筐体3と、筐体3に収容された機能部材2と、機能部材2と光学的に接続するとともに外部の光学部品等(図示せず)と光学的に接続する光ファイバー15を有している。ケース5の光ファイバー15の導入部13には、筒状の導入管材10が一体形成されている。導入管材10には貫通穴が形成されている。電極ピン4はケース5にハーメチックシールされている。光ファイバー15は第1の半田材6によって導入管材10に気密固定されており、また蓋部材8は第2の半田材7を介してケース5に封着されている。
【0029】
機能部材2は、例えばレンズやフィルタなどのガラスを主成分とする光学部品や、半導体レーザー素子や受光素子、可変減衰器や光スイッチなどの様々な光学部品、その光学部品を動かすアクチュエータなどが用いられる(図1では機能部材2は模式的に示す)。機能部材2の組立には光学用接着剤(図示せず)が用いられている。また、この機能部材2には光ファイバー15が予め精密に調芯されたうえ、光学用接着剤(図示せず)で接着固定されている。これらの光学用接着剤は、強度および耐久性等に優れているエポキシ系の紫外線硬化性樹脂接着剤や熱硬化性樹脂接着剤、または紫外線・熱併用の接着剤が用いられる。図1では光ファイバー15は一本のみ示されているが、機能部材2が可変減衰器や光スイッチなど光信号の入出力を同時に行う光学部品の場合は、光ファイバー15は必要な本数が配置される。
【0030】
ケース5、蓋部材8の材料は、ガラス部材と近い熱膨張係数を有するコバール材が多く用いられるが、鉄−ニッケル合金などの鉄系の合金材料、各種ステンレス、アルミニウム、真鍮などの金属材料や、セラミクス材料などの中からそれぞれ選択して用いられる。これらの材料には必要に応じて防錆および半田濡れ性を向上させる目的で金/ニッケルの2層メッキをはじめとするコーティングが施され用いられる。
【0031】
第1の半田材6、および第2の半田材7は低融点半田材が用いられる。特に、環境保全の観点からは鉛フリーの低融点半田材が用いられるのが望ましい。第1の半田材6は、融点が第2の半田材7の融点よりも高いものが用いられる。例えば、第1の半田材6は融点が139℃のスズ−ビスマス合金材料、第2の半田材7は融点が119℃のスズ−インジウム合金材料が用いられる。
【0032】
上述の機能部材2に光ファイバー15を接着固定するための光学用接着剤のガラス転移点(Tg)は通常100℃前後と比較的低温である。従って、第1の半田材6、および第2の半田材7の融点が高い場合は、光ファイバー15や蓋部材8を封止する工程において、筐体3内の機能部材2の特性を劣化させたり、それらを位置決め固定するための光学用接着剤が高温化し、軟化することによって、機能部材2と光ファイバー15の位置関係がずれたりする恐れがある。
【0033】
それに対し、この光デバイス1の構成によれば、第1の半田材6、および第2の半田材7は低融点半田材料が用いられるため、気密封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させる可能性が小さい。
【0034】
また、ケース5に対する蓋部材8の封着と光ファイバー導入部13の封止は別々に行うことができるため、それぞれに最適な構造とすることができ、より確実な封止を実現できる。即ち、ケース5と蓋部材8の封着面は光ファイバー15を挟まない構造であり、互いに完全な平面同志とすることができ、従って第2の半田材7を介して隙間なく密着させることができる。また、導入管材10は内径がファイバー15の外径よりも数10μmから1mm程度大きい貫通穴を有する構造として、光ファイバー15と導入管材10の内面に第1の半田材6を充填することにより、効果的に気密封止を行うことが可能となる。
【0035】
さらに、第1の半田材6の融点は第2の半田材7の融点よりも高いため、先に光ファイバー15を封止固定したあとに、蓋部材8の封着を行うことにより、光ファイバー15の封止状態に影響を与えずに、蓋部材8の封着時の加熱を行うことが可能となる。
【0036】
また、スズ−ビスマス合金材料はビスマスが48から55wt%のとき、凝固にともなう体積変化がほとんど発生せず、凝固時のストレスにより光ファイバー15が損傷する現象を防止することができる。さらに、スズ−ビスマス合金材料はビスマスが55%以上では凝固膨張を示すため、適当な組成とすることにより凝固時に光ファイバーを圧縮してより効果的に気密封止を行うことができる。
【0037】
従って、図1に示した本発明の実施の形態1による光デバイス1の構成によれば、信頼性のある気密封止を有し、封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、光ファイバー導入部分の封止で光ファイバーが損傷するのを防止し、信号伝送特性に経時劣化のない信頼性の高い光デバイスを実現することが可能となる。
【0038】
図2は本発明の実施の形態1に係わる半田封止部分の拡大断面図であり、半田封止部分の例としてケース5と蓋部材8の封着部分を示している。ケース5および蓋部材8の第2の半田材7との接触面にはニッケル21と金22のメッキ膜が被覆されている。通常、コバール材やセラミック材のケースは金/ニッケルメッキされて用いられる場合が多いが、金/ニッケルメッキされていない場合でも、少なくとも半田材と接触する面が金となるように被覆が形成されていれば、半田材の良好な濡れ性が実現できる。図2は例としてケース5と蓋部材8の封着部分を示しているが、ほかのどの半田封止部分に関しても金被覆を行うことにより同様の効果が得られる。
【0039】
また、図1に示した実施の形態1の説明では、第1の半田材6は、融点が第2の半田材7の融点よりも高いものが用いられるとしたが、蓋部材8の封着条件を調整して、機能部材2や導入部13に与える熱の影響を小さくできれば、第1の半田材6と第2の半田材7は同一の材料を用いることもできる。同一の材料を用いることにより、製造時にかかる消耗部材費のコストを抑えることができる。このとき、機能部材2や機能部材2への光ファイバー15の接着固定に与える熱の影響を極力小さくしたい場合は、例えばスズ−インジウムなどの比較的融点の低い合金材料が用いられる。また、封止部分への、特に光ファイバー15の封止部分へのストレスの影響を小さくしたい場合には、例えばスズ−ビスマス合金材料が用いられる。
【0040】
この光デバイス1の製造方法について以下に説明する。
【0041】
はじめに、電極ピン4がハーメチックシールされたケース5、および蓋部材8を用意する。これらの部材は、材質および加工コストに対応して、切削、プレス、射出成形などによって成型されたものを用いる。また半田付け性を考慮して、金/ニッケルメッキ被覆されたものが多く用いられる。導入管材10はケース5と一体で成型される。または、導入管材10はろう付けによって強固にケース5に対して固定されることによって、一体として扱うことも可能である。
【0042】
機能部材に光ファイバー15を光学的に接続するための調芯は、作業性を考慮してあらかじめ調芯固定し、ユニット化しておく。調芯方法は機能部材2を構成する光部品の種類によって最適な方法が選択されるが、例えば、光ファイバー15の光信号出力をモニターしながら調芯する方法、顕微鏡観察しながら位置決めする方法、あらかじめシリコン基板上に異方性エッチングやDeep RIEにより形成しておいた位置決め用の溝にならわせる方法などが用いられる。光ファイバー15の機能部材2への接着は、上述の通り、様々な種類の光学用接着剤が用いられる。調芯ステージや調芯ジグで調芯した状態で紫外線照射によって仮留めし、さらに熱によって硬化させられる点で、紫外線・熱併用の接着剤が便利である。
【0043】
このユニット化した機能部材2および光ファイバー15を、光ファイバー15が導入管材10を通るようにしてケース5に配置する。そして、樹脂接着剤等によって機能部材2をケース5に固定し、必要に応じて電極ピン4との電気的な配線接続を行う。
【0044】
次に、光ファイバー15を導入管材10に第1の半田材6を用いて固定する。光ファイバー15の半田固定部分は予め樹脂被覆が取り除かれている必要がある。加熱は、半田ゴテを用いてできるだけ局所的に行う。局所的な加熱方法であれば、半田ゴテ以外の加熱方法を用いても良い。特に、第1の半田材6としてスズ−ビスマス合金材料を使用する場合、光学用接着剤のガラス転移点と比較して40℃程度高温の加熱が必要であり、熱伝導によって光学用接着剤を軟化させないように、加熱温度と加熱時間に十分な条件出しと配慮が必要となる。半田付けは必要に応じてフラックスを使用することもできるが、予め使用部材にくもりや腐食を与えないことを確認しなければならない。また、半田材の濡れ性を向上させるためには、導入管材10に予め予備半田しておくことが効果的である。
【0045】
続いて、第2の半田材7を用いてケース5と蓋部材8の封着を行う。第2の半田材7はスズ−インジウム合金材料を用いると加熱温度が比較的低く、機能部材2、機能部材2と光ファイバー15の接続、および前の工程で用いたスズ−ビスマス合金材料へ与える熱的影響がない。ケース5と蓋部材8の間にテープ状の半田材から切り出した枠状の半田材を配置し、加熱圧着機を用いて封着する方法が簡単である。加熱圧着機は、ケース5と蓋部材8の加熱温度を別々に調整可能な装置を用いる。ケース5には既に機能部材2が配置されているため、ケース5の加熱温度は100℃以下のとするのが望ましい。蓋部材8の加熱温度は、スズ−インジウム合金材料の融点119℃より僅かに高く設定される。蓋部材8の加熱温度およびケース5へ圧力を加える時間は、熱伝導によって光学用接着剤を軟化させないように十分な条件出しと配慮が必要である。
【0046】
この製造方法によれば、機能部材2に対する光ファイバー15の接続はあらかじめ精密な調芯装置を用いて行うことができ、低融点半田材を用いる工程により封止時の熱によってケース5の内部に収容される機能部材2を劣化させず、光ファイバー15の導入管材10の封止と、ケース5に対する蓋部材8の封着とはそれぞれ別々の最適条件で行うことができる。従って、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することが可能となる。
【0047】
第2の半田材7の配置方法としては、上述のテープ状の半田材を挟む方法のほか、半田印刷、半田ペーストを用いることもできる。また、予めケース5および蓋部材8の封着面に予備半田を配置し、両半田面を合わせて熱圧着する方法も可能である。また、必要に応じて半田材の濡れ性を向上させるための予備半田やフラックスの使用なども可能である。ただし、フラックスを使用する場合は、使用部材にくもりや腐食を与えないことを確認する必要がある。
【0048】
図3に本発明の実施の形態2に係る光デバイスの断面図を示す。なお、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0049】
図3に示す本発明の光デバイス1は、図1に示した実施の形態1に係わる光デバイス1とは、導入管材10がケース5と別体になっており、第3の半田材12によって固定されている点が異なる。図3に示す本発明の光デバイス1は、電気信号を入出力するための電極ピン4が配置されたケース5と、ケース5とはその封着面が平面同志で対向する蓋部材8からなる筐体3と、筐体3に収容された機能部材2と、機能部材2と光学的に接続するとともに外部の光学部品等(図示せず)と光学的に接続する光ファイバー15を有している。ケース5の光ファイバー15の導入部13には、ケース5とは別体の筒状の導入管材10が固定されている。導入管材10には貫通穴が形成されている。電極ピン4はケース5にハーメチックシールされている。光ファイバー15は第1の半田材6によって導入管材10に気密固定されており、また蓋部材8は第2の半田材7を介してケース5に封着されている。
【0050】
第1の半田材6、第2の半田材7、および第3の半田材12は低融点半田材が用いられる。第1の半田材6、第2の半田材7、および第3の半田材12の材料は次の組み合わせが考えられる。
【0051】
第3の半田材12は、融点が第1の半田材6および第2の半田材7の融点よりも高い物を用いる場合、また、第1の半田材6および第3の半田材12は、融点が第2の半田材6の融点よりも高いものを用いる場合、さらに第1の半田材6は、融点が第2の半田材7および第3の半田材12の融点よりも高いものを用いる場合である。これらの組み合わせは、その製造方法によって決定される。
【0052】
この光デバイス1の構成によれば、ケース5の形状は比較的平易な形状とすることができ、製造上の部材コストを抑えることが可能となる。そのほかの構成、作用および効果は実施の形態1で説明した光デバイス1と変わるところはない。
【0053】
次に、この実施の形態2による光デバイス1の製造方法を説明する。この光デバイス1の製造方法は、基本的に実施の形態1による光デバイスの製造方法と同一である。ただし、導入管10をケース5に第3の半田材12を用いて固定する工程を含むところが異なるところである。
【0054】
導入管10は、第3の半田材12としてスズ−ビスマス合金材料を用いてケース5に固定する。次に、ユニット化した機能部材2および光ファイバー15を、光ファイバー15が導入管材10を通るようにしてケース5に配置する。光ファイバー15の導入管材の固定は、第1の半田材として、第3の半田材より融点の低いスズ−インジウム系の合金材料が使用される。従って、光ファイバー15を固定する際に、導入管10の固定が外れることはない。続いて、第2の半田材7を用いてケース5と蓋部材8の封着を行う。第2の半田材7はスズ−インジウム合金材料を用いる。加熱圧着機は、ケース5と蓋部材8の加熱温度を別々に調整可能な装置を用いる。ケース5には既に機能部材2が配置されているため、ケース5の加熱温度は100℃以下とするのが望ましい。蓋部材8の加熱温度は、スズ−インジウム合金材料の融点119℃より僅かに高く設定される。蓋部材8の加熱温度およびケース5へ圧力を加える時間は、熱伝導によって光学用接着剤を軟化させないよう、また光ファイバー15の固定に影響を与えないように十分な条件出しと配慮が必要である。
【0055】
また、導入管材10をケース5に固定する工程は、光ファイバー15を導入管材10に固定する工程と同時に行うこともできる。この場合、第1の半田材6および第3の半田材12は、両方ともスズ−ビスマス合金材料を用い、同時に加熱する工程とする。このとき、蓋部材8をケース5に固定する第2の半田材7にスズ−インジウム合金材料を用いれば、蓋部材8の加熱熱圧着時の熱が、第1の半田材6および第3の半田材12に影響を与えない。
【0056】
さらに、導入管材10をケース5に固定する工程は、蓋部材8をケース5に固定する工程と同時に行うこともできる。この場合、光ファイバー15を導入管材10に固定する工程は、第1の半田材6としてスズ−ビスマス合金材料を用いて先行して行う。次に、第2の半田材7および第3の半田材12をスズ−インジウム合金材料として、導入管材10をケース5に固定する工程と、蓋部材8をケース5に固定する工程とを同時に行う。このとき、蓋部材8の加熱圧着条件は、熱伝導で第3の半田材12も融ける条件とする必要がある。
【0057】
以上説明した光デバイス1の製造方法によれば、導入管材10を有しない安価なケース5を用いて、ケース5の内部に収容される機能部材2を劣化させず、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、気密封止材料として低融点半田材料を用いるため、信頼性のある気密封止を有し、封止時の熱によってケース内に収容される機能部材を劣化させず、また、硬化時の体積変化の小さい半田材料を用いることにより光ファイバー導入部分の封止で光ファイバーが損傷するのを防止し、信号伝送特性に経時劣化のない信頼性の高い光デバイスを実現することが可能となる。
【0059】
また、本発明の光デバイスの製造方法によれば、機能部材に対する光ファイバーの接続はあらかじめ精密な調芯装置を用いて行うことができ、低融点半田材を用いる工程により封止時の熱によってケースの内部に収容される機能部材を劣化させず、光ファイバーの導入管材の封止と、ケースに対する蓋部材の封着とはそれぞれ別々の最適条件で行うことができる。従って、より確実な気密封止を有する光デバイスを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光デバイスの断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係わる半田封止部分の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る光デバイスの断面図である。
【図4】従来技術の一例である光デバイスの気密封止方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光デバイス
2 機能部材
3 筐体
4 電極ピン
5 ケース
6 第1の半田材
7 第2の半田材
8 蓋部材
9 半田
10 導入管材
11 シリコン基板
12 第3の半田材
13 導入部
15 光ファイバー
19 光素子
21 ニッケル膜
22 金膜
Claims (13)
- 光ファイバーが予め調芯接続された機能部材と、前記機能部材を格納するケースと、前記ケースの開口部に封着する蓋部材と、前記ケースに形成された導入部に配置され、前記光ファイバーの外径より大きな内径の貫通穴を有する導入管材とからなり、前記光ファイバーが前記導入管材を通って外部へ導出されている光デバイスにおいて、
前記光ファイバーは前記導入管材に第1の半田材によって固定され、かつ前記蓋部材は前記ケースに第2の半田材で封着されていることを特徴とする光デバイス。 - 前記第1の半田材および前記第2の半田材はいずれも低融点半田材料であり、かつ前記第2の半田材は、前記第1の半田材より融点の低い合金材料であることを特徴とする請求項1記載の光デバイス。
- 前記第1の半田材はビスマスの含有量が48wt%以上のスズ−ビスマス合金材料であり、前記第2の半田材はスズ−インジウム合金材料であることを特徴とする請求項1または2記載の光デバイス。
- 前記第1の半田材および前記第2の半田材は同一の低融点半田材料であることを特徴とする請求項1記載の光デバイス。
- 前記導入管材は、前記ケースと一体に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光デバイス。
- 前記導入管材は、前記ケースに前記第1の半田材または前記第2の半田材のいずれか一方と同一材料からなる第3の半田材によって固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光デバイス。
- 前記導入管材、前記ケース、前記蓋部材はそれぞれ金属材料またはセラミクス材料で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光デバイス。
- 前記導入管材、前記ケース、前記蓋部材の、前記第1の半田材、前記第2の半田材、または前記第3の半田材との接触部分のうち少なくとも1箇所には、その接触面が金である少なくとも1層以上の金属膜からなる金属膜被覆が配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光デバイス。
- 機能部材を導入管材が一体形成されたケース中に光ファイバーを導入管材に通して挿入する工程と、
前記光ファイバーを第1の半田材で前記導入管材に固定する工程と、
平板状の蓋部材を第2の半田部材で前記ケースに封着する工程とを含む光デバイスの製造方法。 - 導入管材をケースの導入部に第3の半田材で固定する工程と、
機能部材を前記ケース中に光ファイバーを前記導入管材に通して挿入する工程と、
前記光ファイバーを第1の半田材で前記導入管材に固定する工程と、
平板状の蓋部材を第2の半田部材で前記ケースに封着する工程とを含む光デバイスの製造方法。 - 前記導入管材を前記ケースの導入部に前記第3の半田材で固定する工程、前記光ファイバーを前記第1の半田材で前記導入管材に固定する工程、前記平板状の蓋部材を前記第2の半田部材で前記ケースに封着する工程の順に行われることを特徴とする請求項10記載の光デバイスの製造方法。
- 前記導入管材を前記ケースの導入部に前記第3の半田材で固定する工程と、前記光ファイバーを前記第1の半田材で前記導入管材に固定する工程は同時に行われることを特徴とする請求項10記載の光デバイスの製造方法。
- 前記導入管材を前記ケースの導入部に前記第3の半田材で固定する工程と、前記平板状の蓋部材を前記第2の半田部材で前記ケースに封着する工程は同時に行われることを特徴とする請求項10記載の光デバイスの製造方法。
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- 2003-04-17 JP JP2003112622A patent/JP2004317840A/ja active Pending
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