JP2004317668A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でビーム欠けを検出し、測距値の適正補正を可能にする。
【解決手段】被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光部41と、投光ビームの被写体からの反射光を検出し、三角測距法によって被写体までの測距値を算出するアクティブ測距部42,52と、反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが生じているか否かを判定するビーム欠け判定部56と、反射光にビーム欠けが生じていないと判定された場合に、測距値に応じてフォーカスレンズを移動させ、反射光にビーム欠けが生じていると判定された場合に、ズームレンズの焦点距離に応じてフォーカスレンズを所定位置に移動させるレンズ駆動制御部59を備えたカメラ。
【選択図】 図2
【解決手段】被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光部41と、投光ビームの被写体からの反射光を検出し、三角測距法によって被写体までの測距値を算出するアクティブ測距部42,52と、反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが生じているか否かを判定するビーム欠け判定部56と、反射光にビーム欠けが生じていないと判定された場合に、測距値に応じてフォーカスレンズを移動させ、反射光にビーム欠けが生じていると判定された場合に、ズームレンズの焦点距離に応じてフォーカスレンズを所定位置に移動させるレンズ駆動制御部59を備えたカメラ。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投光ビームを被写体に照射し、反射光から被写体までの距離を計測するアクティブ方式の測距装置を備えたカメラに係り、特に、投光ビームの被写体からの反射光のビーム欠けが発生した際のフォーカス制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LED等の発光素子からの光を被写体に投光(以下、投光ビームという)して、その反射光を光スポットとしてPSD等の受光素子で受光し、このスポット位置に基づき、三角測距の原理で被写体までの距離を算出するアクティブ方式の測距装置が知られている。受光素子としては、PSDの他に、複数に分割されたSPD(シリコンフォトダイオード)アレイ等があり、いずれのSPDの出力が大きいかで、どの位置に反射光がスポット受光されたかを検出可能なものである。
【0003】
ところで、投光ビームは、カメラの向き等によっては必ずしも被写体全体に照射されるものではなく、ビームの一部が被写体から外れて背景等に抜けしまい、一部が反射光として帰来するという、いわゆるビーム欠けを生じることがある。ビーム欠けが発生すると、反射光のスポット位置の重心がビーム欠けの無い場合に比して移動し(ずれて)、算出した測距値が誤差を含むこととなる。
【0004】
特許文献1には、複数の投光ビームを被写体に投光する投光部を備え、ビーム欠けのない反射光、又はビーム欠けの少ない反射光を選び、選択された(投光ビームに対する)反射光の測距情報でオートフォーカス制御を行う装置が記載されている。また、特許文献2には、被写体の同一位置に対して発光強度分布が異なり、かつ左右対称である複数の測距光をそれぞれ異なるタイミングで投光し、受光手段での複数の受光信号に基づいて距離を算出する距離検出装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−100151号公報
【特許文献2】
特開平8−219767号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の装置では、複数の投光ビームが必要となり、投光部の大型化、コストアップを招来する。また、特許文献2の装置では、複数回の投光動作が要求され、その分処理時間が長くなり、しかも複数の受光信号に基づく測距演算を行わなければならず、さらに処理時間が長くなるという問題を有し、かつコストアップも招くこととなる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、ズーム機能を備えるカメラにあって、簡易な構成でビーム欠けの有無を判断し、測距値を適正に補正し得るカメラを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ズームレンズと、フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、前記投光ビームの前記被写体からの反射光を検出し、三角測距法によって被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが生じているか否かを判定する判定手段と、前記反射光にビーム欠けが生じていないと判定された場合に、前記ズームレンズの焦点距離に応じて前記フォーカスレンズを所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とするカメラである。
【0009】
この構成によれば、カメラと被写体との位置関係によってビーム状の投光ビームの一部が被写体で反射すると、すなわち他の部分が背景に抜けることによって、反射光の形状が投光ビームの形状に対して欠落する、ビーム欠けが発生する。判定手段により、ビーム欠けが発生していると判定されると、前記ズームレンズの焦点距離に応じて前記フォーカスレンズが所定位置に移動させられるので、ビーム欠けによってもより適正な測距値が得られることとなる。また、ビーム欠けが発生していないと判断されるときは、前記測距値に応じた位置に前記フォーカスレンズが移動させられる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のカメラにおいて、前記所定位置は、それぞれの焦点距離での撮影倍率が略同一となる位置であることを特徴とする。この構成によれば、ズームレンズのそれぞれの倍率における撮影倍率の情報が利用されることでビーム欠けに対してもより適正な測距値が得られる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のカメラにおいて、撮影モードの選択を受け付ける操作部を備え、前記判定手段は、選択された撮影モードに応じて前記ビーム欠けの判定を行うことを特徴とする。この構成によれば、高い精度での測距値が必要な撮影モードのとき、ビーム欠けの判定が行われる。
【0012】
請求項4記載の発明は、ズームレンズと、フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、前記投光ビームの前記被写体からの反射光の重心位置を検出し、三角測距法によって被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、前記反射光の光量を検出する光量検出手段と、前記測距値と前記反射光の検出光量との関係から、前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが発生しているか否かを判定する判定手段と、前記反射光量に応じて前記測距値を補正し、前記フォーカスレンズを前記補正結果に対応する所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、測距値と、反射光の光量とを利用してビーム欠けが発生したか否かが判定される。そして、ビーム欠けが発生していると判定されると、反射光量に応じて測距値が補正される。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のカメラにおいて、前記判定手段は、算出された測距値が所定の距離より小さいときに、前記ビーム欠けが発生しているか否かの判定を行うことを特徴とする。この構成によれば、高い精度の測距値が要求される近距離の場合にのみビーム欠けの判定が行われる。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4記載のカメラにおいて、前記判定手段は、前記ズームレンズが所定の焦点距離より短いときに、前記ビーム欠けが発生しているか否かの判定を行うことを特徴とする。この構成によれば、焦点距離が短い場合すなわちワイド側の場合には、撮影画角が広く、人物などの被写体が画角の中央に位置する構図になるとは必ずしもいえないことから、ビーム欠けが発生する確率が高く、このような場合に適正な測距値が得られる。
【0016】
請求項7記載の発明は、ズームレンズと、フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、前記投光ビームの前記被写体からの反射光の重心位置を検出し、被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、前記反射光の光量を検出する光量検出手段と、前記反射光の重心位置と前記反射光の検出光量との関係から、前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが発生しているか否かを判定する判定手段と、フラッシュと、前記反射光にビーム欠けが生じていると判定された場合に、撮影前に前記フラッシュを発光し、その時の反射光量を検出するプリ発光検出手段と、前記光量検出手段での検出光量と前記プリ発光検出手段での検出光量とに応じて前記測距値を補正し、前記フォーカスレンズを前記補正結果に対応する所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とするカメラである。
【0017】
この構成によれば、反射光の重心位置と反射光の光量との関係から、ビーム欠けが発生しているか否かが判定され、ビーム欠けが生じていると判定された場合には、撮影前に前記フラッシュが発光(プリ発光)され、その時の反射光量が検出される。そして、光量検出手段での検出光量とプリ発光検出手段での反射光量とに応じて前記測距値が補正されて、フォーカスレンズが補正結果に対応する所定位置に移動される。これにより、暗い場合でもより適正な測距値が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るカメラの外観の一実施形態を示す外観図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。本カメラは、(a)に示すように、カメラ本体1の正面には、その略中央にズームレンズからなる撮影レンズ部2が設けられると共に、撮影レンズ部2の斜め左上部には被写体及びその周囲からの光量を測定する測光部3が、撮影レンズ部2の上部には左右に所定距離離間して投光部41と受光部42とを備える測距部4が設けられ、その間にファインダー対物窓5が設けられている。カメラ本体2の正面の一方側上部には、例えば内蔵式のフラッシュ部6が設けられている。カメラ本体2の上面一方側には押し込み式のレリーズボタン7が設けられている。測距部4は1又は所要数のLED等から構成される投光部41と、PSD(Position Sensitive Diode)等の受光素子や複数に分割されたSPD(シリコンフォトダイオード)アレイ等から構成される受光部42とを備えたアクティブ測距装置であり、三角測距の原理を利用して被写体までの距離を演算して求めるためのセンサ部として機能する。レリーズボタン7は、内部にスイッチ等を備え、半押し(すなわちスイッチS1オン)で、撮影準備動作を指示し、全押し(すなわちスイッチS2オン)でレリーズ動作を指示するものである。
【0019】
また、(b)に示すように、カメラ本体1の裏面には、カメラ動作を起動させるためのメインスイッチ8と、撮影レンズ部2内のズームレンズの焦点距離を変更するためのズームスイッチ9と、ファインダ接眼部10と、液晶パネル等からなり、各種内容が表示可能な表示部11と、各種のモードをそれぞれ選択設定するための複数のボタンから構成されるモード設定ボタン群12とが設けられている。モード設定ボタン群12を構成する各ボタンは、撮影モード(ポートレートモード、風景モード、遠景モード、夜景モード等)、フラッシュモード(自動発光モード、強制発光モード、発光禁止モード、赤目軽減モード等)、ドライブモード(単写(1コマ単位の撮影)モード、連写(連続コマ撮影)モード、セルフモード、リモートコントロール(遠隔操作指示)モード)等をそれぞれ、例えば該当するボタンを押下する毎にサイクリックに指示内容が変更設定されるようになされている。
【0020】
図2は、本カメラの一実施形態を示すブロック構成図である。撮影レンズ部2の光軸方向後方には撮像部30が配設されている。撮像部30はCCDやC−MOSセンサ等、受光量に応じた電荷を蓄積する2次元固体撮像素子である。撮影処理部31は撮像部30が2次元固体撮像素子の場合に撮像制御と画像処理を行うもので、2次元固体撮像素子で受光した被写体の光像をアナログ信号として読み取り、さらにディジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ、A/D変換された画像データのホワイトバランス調節等の所定の処理を施す信号処理回路等を含む。以下の説明を簡単にするため、撮影処理部31からは、所定の信号処理を経たディジタル画像データが出力されるものとする。撮像部30である2次元固体撮像素子は一般的には無限遠の被写体の合焦位置にセットされている。なお、撮像部30としては、感光材料であるフィルムであってもよく、この場合、撮影処理部31はフィルム給送部や給送位置の検出部を含む。
【0021】
制御部50は本カメラ1の全体の制御を行うもので、CPU等で構成され、各部からの信号を受け付け、内部のROM等の記憶部51に格納されている制御プログラムに従って、入力された信号に対して所定の処理を実行し、更に、必要な時点で各部に撮影準備動作や撮影動作、その他のための制御信号を出力するものである。記憶部41は、さらに撮影時に必要なパラメータや測光、測距等に関する調整データ、後述の表1,2のデータテーブル、その他の測距値補整処理用に使用されるデータテーブルを記憶している。
【0022】
撮影レンズ部2は、それぞれ独立して駆動される複数のレンズ群で構成され、そのうち一部のレンズ群を焦点距離を変化させるためのズーム用変倍レンズ群(以下、ズームレンズという)21とし、他の一部又は全部のレンズ群を焦点調節のためのフォーカス用合焦レンズ群(以下、フォーカスレンズという)22とし、レンズ鏡胴2a内でヘリコイド構造などを利用して回動させることによって、それぞれ独立して光軸方向に移動するようにしている。両レンズ21,22間にはシャッタ27が介設されている。ズームレンズ21はズームモータ駆動回路23の制御のもと、モータ24からの駆動力を受けて光軸上を移動され、焦点距離が変更されるようになっている。フォーカスレンズ22は焦点調節駆動回路25の制御のもと、モータ26からの駆動力を受けて光軸上を合焦位置まで移動されることによって撮像部30の2次元固体撮像素子上に被写体像を結像させるものである。レンズ位置検出部20はズーム駆動機構やフォーカス駆動機構に連結されたエンコーダ等を有して、それぞれのレンズの位置を検出するもので、検出結果に従ってズームモータ駆動回路23、焦点調節駆動回路25が制御される。
【0023】
ズームモータ駆動回路23は、ユーザがズームスイッチ9を例えば押圧操作している間だけ、ズームレンズ21を駆動制御する。ズームスイッチ9は、例えばスナップスイッチであり、この操作ボタンの左右一方を押し込むとズームレンズ21の焦点距離を短焦点側から長焦点側に変化させる指示となり、操作ボタンの左右の他方を押し込むとズームレンズ21の焦点距離を長焦点側から短焦点側に変化させる指示となるようにしている。シャッタ27はシャッタ駆動回路28の制御のもと、撮影時にモータ29からの駆動力を受けてシャッタ幕の走行を行わせる。なお、ズームレンズ21の駆動用のモータ24を撮像部30がフィルムである場合には、ギア系を利用することによってフィルム給送用のモータと兼用するようにしてもよい。
【0024】
操作部70はレリーズボタン7、メインスイッチ8、ズームスイッチ、モード設定ボタン群12を含む。フラッシュ部60はフラッシュランプ61とフラッシュ回路62とからなり、フラッシュ回路62は測距結果に応じて撮影のための好適な明るさが得られるように発光時間の制御をする。撮像部30が2次元固体撮像素子の場合には、撮影前にプリ発光させ、2次元固体撮像素子の所定の領域で反射光を画像データレベル等から検知して本発光の発光量を設定する態様も可能である。
【0025】
図3は、受光部にPSDを用いたときの測距部によるアクティブ測距の原理を説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが被写体からの反射光として帰来した場合の受光部での受光位置を示す図である。図において、投光部41と、本実施形態としてのPSDからなる受光部42とは予め設定された距離だけ離間して左右に配置されている。投光部41からは正面方向に所定強度であって断面円形をしたビーム状の光束(以下、投光ビームという)がレンズ411を介して射出されており、この投光ビームの全体が被写体Pにスポット光S1として照射されている。被写体Pからの反射光は、レンズ421を経て所要サイズに結像された円形のスポット光S2として受光部42の受光面の適宜位置で受光されている。受光部42は、(b)に示すように、左右方向に長辺を有する長方形状をなす受光面を有し、その両端に信号出力用の電極42a、42bが形成されている。スポット光S2の受光位置は、(b)から判るように、測距部4から被写体Pまでの距離に応じて左右方向に移動する。受光部42はスポット光S1のスポット位置と電極42a、42bとの各距離に応じたレベルの電流i1,i2を出力するので、これら両電流値を検出し、例えば、その比i1/(i1+i2)を算出すれば、この算出値から、逆にスポット光S2の受光位置を得ることができる。電流i1,i2はスポット光S2内の全領域(面)からの電流の総和として得られ、スポット光S2の重心に対応する位置が受光位置(受光ポイント)となる。そして、受光位置が確定すると、投光部41と受光部42間の距離とを用いて、被写体Pまでの距離が求まる。また、反射光の光量は(i1+i2)として求めることができる。
【0026】
図4は、ビーム欠けを説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが反射光として帰来する状態(上側の図)と投光ビームの一部が被写体から反射光として帰来する状態(下側の図)を対比説明するための図である。
【0027】
被写体が、図3の場合に比して、図中、右寄りに(相対的に)位置していたとすると、投光ビームは被写体Pでの右半分S1′が照射され、左半分は背景に抜かれた、いわゆるビーム欠けを発生する。この場合、被写体Pからの反射光は、(b)の上側に示す図のように、投光ビームの全てが反射された場合に対して、(b)の下側に示す図のように、レンズ421を経由した結果、受光部42の受光面では、右半部が欠け、左半部のみが帰来した、左右方向に半月状のスポット光S2′となる。すなわち、(b)の上側の正常な状態のスポット光S2の中心(重心)S0に対して、(b)の下側のビーム欠けの状態のスポット光S2′の重心S0′は図中、左方にずれる(シフトする)こととなる。上述したように、被写体距離は受光面での左右方向の受光位置に対応することから、このようにビーム欠けの場合、測距部4と被写体Pとの位置関係が同一であっても、重心が右方にずれると、測距値が遠側にシフトすることを意味する。また、ビーム欠けは(i1+i2)が小さい値として検出されるため、反射光量が低減し、ビーム欠けの発生が判断可能となる。
【0028】
図5は、受光部にSPDを用いた測距部14によるアクティブ測距の原理を説明するための、図3に対応する図で、(a)は投光部141、受光部142、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが被写体からの反射光として帰来した場合の受光部での受光位置を示す図である。図において、投光部141と、本実施形態としてのSPDからなる受光部142とは予め設定された距離だけ離間して左右に配置されている。投光部141からは正面方向に所定強度であって断面四角形、好ましくは断面縦長の四角形をしたビーム状の光束(以下、投光ビームという)がレンズ411を介して射出されており、この投光ビームの全体が被写体Pにスポット光S11として照射されている。被写体Pからの反射光は、レンズ421を経て所要サイズに結像された円形のスポット光S12として受光部142の受光面の適宜位置で受光されている。受光部142は、(b)に示すように、左右方向に長辺を有する長方形状をなし、同方向に所定数、本実施形態では4つの領域に均等分割されたSPD素子を備える。各SPD素子は反射光の受光量に応じたレベルの電流i1〜i4をそれぞれの出力端子142a〜142dに出力するものである。例えば,(a)のように、スポット光S12が隣接するSPD素子に跨って受光されたときは、対応する各端子から電流が出力され、これらの各出力電流からスポット光S12の重心位置の計算が行われる。スポット光S12の受光位置は、(b)から判るように、測距部14から被写体Pまでの距離に応じて左右方向に移動する。図5の例では、受光部142はSPD素子142cと142dから電流i3,i4を出力するので、これら両電流値を検出し、例えば、その比i3/(i3+i4)を算出すれば、この算出値から、逆にスポット光S12の受光面での受光位置を得ることができる。電流i3,i4はスポット光S12内であってSPD素子の重なる領域(面)に比例した電流量として得られるので、スポット光S12の重心に対応する位置が受光位置(受光ポイント)となる。そして、受光位置が確定すると、投光部141と受光部142間の距離とを用いて、被写体Pまでの距離が求まる。また、反射光の光量は、(i1+i2+i3+i4)として求めることができる(但し、図5の例では、i1、i2=0)。
【0029】
図6は、ビーム欠けを説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが反射光として帰来する状態(上側の図)と投光ビームの一部が被写体から反射光として帰来する状態(下側の図)を対比説明するための図である。
【0030】
被写体が図5の場合に比して、図中、右寄りに位置していたとすると、投光ビームは被写体Pでの左半分S11′が照射され、右半分は背景に抜かれた、いわゆるビーム欠けを発生する。この場合、被写体Pからの反射光は、(b)の上側に示す図のように、投光ビームの全てが反射された場合に対して、(b)の下側に示す図のように、レンズ421を経由した結果、受光部142の受光面では、左半部が欠け、右半部のみが帰来した、左右に細長長方形のスポット光S12′となる。すなわち、(b)の上側の正常な状態のスポット光S12の中心(重心)S10に対して、(b)の下側のビーム欠けの状態のスポット光S12′の重心S10′は図中、右方にずれる(シフトする)こととなり、電流i4のみしか得られなくなる。上述したように、被写体距離は受光面での左右方向のスポット位置に対応することから、このようにビーム欠けが発生した場合、測距部14と被写体との位置関係が同一であっても、重心が右方にずれると、測距値が近側にずれることを意味する。また、ビーム欠けは(i1+i2+i3+i4)が小さい値として検出されるため、反射光量が低減し、ビーム欠けの発生が判断可能となる。
【0031】
図2に戻って、制御部50は、測距演算部52、測距値判定部53、測光処理部54、モード判定部55、ビーム欠け判定部56、フラッシュプリ発光制御部57、測距値補正部58及びモータ駆動制御部59を含む。
【0032】
測距演算部52は、受光部42(142)からの出力電流値に従って、三角測距の原理に基づく演算を行ってスポット光の重心位置を求めるものである。測距値判定部53は、測距演算部52で算出された測距値Dと所定の基準値Drefとの大小を判定するものである。測光処理部54は、測光部3に測光処理を行わせると共に、検出値P0を得るものである。
【0033】
モード判定部55は、モード欠けが発生した時の誤差が問題となる距離での撮影モード、例えばポートレートモード等が設定されているか否かを判定するものである。
【0034】
ビーム欠け判定部56は、測距演算部52での算出測距値Dに対応する所定の基準光量値Prefを記憶部51から選択して読み出し、測光部54での検出値P0が、この基準値Prefの所定範囲内(Pref―α1〜Pref+α2)か否かを判定(すなわち、ビーム欠け発生の有無の判定を)するものであり、また、この所定範囲を高い方に超える場合には、さらに所定値(Pref+α)との大小とを比較するもので、これによって、それぞれに応じての適正な補正量が測距値Dに加減される。
【0035】
フラッシュプリ発光制御部57は、ビーム欠けが発生していると判断した場合に、フラッシュプリ発光モードを実行させるものである。測距値補正部58は、ビーム欠けが発生していると判定した場合に、アクティブ測距により得た測距値Dに対して所要の補正を施す演算を行うものである。モータ駆動制御部59は、ビーム欠けが発生していないときは、測距演算部52で得られた測距値に応じた位置に、ビーム欠けが発生しているときは測距値補正部58により算出された測距値に応じた位置にフォーカスレンズ22を移動させる指令、移動量データを出力するものである。なお、測距値補正部58、モータ駆動制御部59でレンズを駆動する駆動制御手段が構成される。
【0036】
図7、図8は、撮影動作の全体を示すフローチャートである。メインスイッチ8が操作されて電源がオンされると、本フローチャートが開始する。まず、レンズ鏡胴2aが収納位置から待機位置、すなわち通常ではワイド端の位置に繰り出され(#1)、次いで、初期値として例えばオートモードが撮影モードとして設定される(#3)。続いて、ズームスイッチ9が操作されたか否かが判断される(#5)。ズームスイッチ9が操作なしであれば、レリーズスイッチ7が半押し(スイッチS1オン)されたか否かが判断され(#7)、レリーズスイッチ7が半押しされていなければ、#5に戻る。一方、ズームスイッチ9が操作されたと判断されると、ズームレンズ21が移動され(#9)、かつ、その操作の間、ズームレンズ21の焦点距離がレンズ位置検出部20で検知される(#11)。
【0037】
この後に、レリーズスイッチ9がオンされると(#7でYES)、ズームレンズ21の焦点距離に応じた制御データが記憶部51から読み出され(#13)、測光部3による測光動作、測距部4による測距動作が実行される(#15、#17)。次いで、受光部42(あるいは受光部142)からの出力電流を用いて、三角測距法に沿った演算処理が実行されて、測距値Dが算出される(#19)。
【0038】
続いて特定の撮影モード、ここでは風景モード、遠景モードが選択されているか否かが判別され(#21)、特定の撮影モードが選択されていないのであれば、投光ビームに欠けが発生した場合に測距値補正が必要とされるとして、後述の「ビーム欠け補正ルーチンA」が実行される(#23)。特定の撮影モードであれば、測距値補正は特に必要ではないとして、#23をスキップする。
【0039】
#25では、測距値Dと、ズームレンズ21の焦点距離と、制御データとから、フォーカスレンズ22の移動量が演算され、この移動量だけ焦点調整駆動回路25から駆動信号が出力されて、フォーカスレンズ22が移動される(#27)。次いで、シャッタ27の開閉動作と、撮像部30の2次元固体撮像素子に対して被写体像の取り込みが指示されて、露光が行われ、撮影処理部31での所定の画像処理が実行される(#31)。なお、撮像部30がフィルムの態様では、シャッタ27の開閉動作とフィルムの1コマ分の巻き上げ動作が行われる。
【0040】
図9は、「ビーム欠け補正ルーチンA」の第1実施例を示すフローチャートである。まず、受光部42の出力電流の総和から、反射光量P0が算出される(#41)。次いで、#19で算出した測距値Dに対応する反射光量の基準値Prefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#43)。次いで、この反射光量P0が所定の範囲内にあるかどうかが判定される(#45)。すなわち、Pref−α1≦P0≦Pref+α2が満たされているか否かが判断される。なお、α1、α2は許容幅を考慮したものである。反射光量P0が所定の範囲内にあれば、ビーム欠けはないとして、測距値Dがそのまま採用され、範囲外であれば、ビーム欠け有りと判断して、記憶部51内のテーブルである表1が参照されて、現焦点距離に応じた所定値D(f1)が測距値Dとして置き換えられる(#47)。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、#47の処理に代えて、現焦点距離f1から、f1×像倍率βすなわちD(f1)を算出する態様としてもよい。つまり、各焦点距離において被写体倍率がおおよそ同一となるような被写体距離を予め設定し、表2に示す内容のテーブル形式で、参照可能に準備しておくようにしたものでもよい。
【0043】
【表2】
【0044】
図10は、「ビーム欠け補正ルーチンA」の第2実施例を示すフローチャートである。まず、受光部42の出力電流の総和から、反射光量P0が算出される(#51)。次いで、#19で算出した測距値Dに対応する反射光量の基準値Prefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#53)。次いで、この反射光量P0が所定の範囲内にあるかどうかが判定される(#55)。すなわち、Pref−α1≦P0≦Pref+α2が満たされているか否かが判断される。なお、α1、α2は許容幅を考慮したものである。反射光量P0が所定の範囲内にあれば、ビーム欠けはないとして、測距値Dがそのまま採用され、範囲外であれば、反射光量P0がさらにPref+αより大きいか否か比較される(#57)。反射光量P0がPref+αより小さければ、被写体が比較的近距離にあるとして、所定の精度を得るべく、測距値Dが(D+Δd)に置き換えられる補正が行われる(#59)。一方、反射光量P0がPref+αより大きければ、被写体はさらに近い位置に存在するとみなして、所定の精度を得るべく、測距値Dが(D―Δd)に置き換えられる補正が行われる(#61)。
【0045】
図11は、「ビーム欠け補正ルーチンA」の第3実施例を示すフローチャートである。まず、受光部42の出力電流の総和から、反射光量P0が算出される(#71)。次いで、#19で算出した測距値Dと所定の基準距離Drefとの大小が比較される(#73)。測距値Dが基準距離Drefより大きければ(遠ければ)、測距値Dがそのまま採用される。一方、測距値Dが基準距離Drefより小さければ、測距の精度がより要求されるため、#19で算出した測距値Dに対応する反射光量の基準値Prefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#75)。次いで、反射光量P0が所定の範囲内にあるかどうかが判定される(#77)。すなわち、Pref−α1≦P0≦Pref+α2が満たされているか否かが判断される。なお、α1、α2は許容幅を考慮したものである。反射光量P0が所定の範囲内にあれば、ビーム欠けはないとして、測距値Dがそのまま採用され、範囲外であれば、反射光量P0がさらにPref+αより大きいか否か比較される(#79)。反射光量P0がPref+αより小さければ、比較的近いとして、所定の精度を得るべく、測距値Dが(D+Δd)に置き換えられる補正が行われる(#81)。一方、反射光量P0がPref+αより大きければ、被写体はさらに近い位置に存在するとみなして、所定の精度を得るべく、測距値Dが(D―Δd)に置き換えられる補正が行われる(#83)。
【0046】
図12は、「ビーム欠け補正ルーチンA」の第4実施例を示すフローチャートである。図12では、カメラが電子スチルカメラとする。まず、受光部42の出力電流の総和から、反射光量P0が算出される(#91)。次いで、#19で算出した測距値Dに対応する反射光量の基準値Prefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#93)。次いで、反射光量P0が所定の範囲内にあるかどうかが判定される(#95)。すなわち、Pref−α1≦P0≦Pref+α2が満たされているか否かが判断される。なお、α1、α2は許容幅を考慮したものである。反射光量P0が所定の範囲内にあれば、ビーム欠けはないとして、測距値Dがそのまま採用され、範囲外であれば、フラッシュプリ発光モードが実行されて、フラッシュプリ発光の指示が行われる(#97)。プリ発光時に反射光量R0の測定が、例えば撮像部30での撮像データを利用して行われる(#99)。なお、撮像部30で反射光を測定するための画像データの抽出領域は受光部42のスポット光の受光域と対応させることが好ましい。また、#19で算出した測距値Dに対応するプリ発光での反射光量の基準値Rrefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#101)。次いで、プリ発光時の反射光量R0と基準値Rrefの差分ΔRが算出され(#103)、この差分ΔRに応じた補正値Δdrが記憶部51内のテーブルを参照して読み出され、セットされる(#105)。そして、#19で算出した測距値Dにこの補正値Δdrが加算されて新たな測距値Dが求められる(107)。
【0047】
この第4実施例のように、電子スチルカメラにおいては、被写体の周囲の輝度が低い時に、撮像部の2次元固体撮像素子で撮像された画像データから、隣接画素の差分データの総和値を求め、これを利用して行うコントラスト測距(差分データの総和が大きいほど合焦位置に近いとするもので、測距動作とフォーカスレンズ駆動とを所要回数繰り返して合焦位置にたどり着く方法)では、焦点調節ができないことから、アクティブ測距方式に切り換えて測距動作を行うようにしたものである。また、暗い場合に、投光ビーム欠けが発生すると判断してしまうこともあることから、反射光の光量の大小でフラッシュプリ発光を行うようにしたので、プリ発光でも投光ビーム欠けが発生しているか否かが的確に判断でき、これにより、周囲の輝度如何によらず確実な測距が可能となる。
【0048】
なお、投光ビームの形状は、断面円形、長方形に限定されず、採用される受光部の受光面の形状等を考慮してビーム欠けが好適に判定し得るに好適な形状が採用可能である。
【0049】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ビーム欠けが発生していないと判断されると、前記測距値に応じて前記フォーカスレンズを移動させ、一方、ビーム欠けが発生していると判定されると、前記ズームレンズの焦点距離に応じて前記フォーカスレンズを所定位置に移動させるので、ビーム欠けによってもより適正な測距値を得ることができる。
【0050】
請求項2記載の発明によれば、それぞれの倍率における撮影倍率の情報を利用することでビーム欠けに対してもより適正な測距値を得ることができる。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、高い精度での測距値が必要な撮影モードのときビーム欠けの判定が行われる。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、測距値と反射光の検出光量とを利用してビーム欠けが発生したか否かを判定するので、反射光量に応じてより適切な測距値を得ることができる。
【0053】
請求項5記載の発明によれば、高い精度の測距値が要求される近距離の場合にのみビーム欠けの判定を行わせることができる。
【0054】
請求項6記載の発明によれば、焦点距離が短い場合すなわちワイド側の場合には、撮影画角が広く、人物などの被写体を必ずしも画角の中央に位置する構図にしないことから、ビーム欠けが発生する確率が高く、このような場合にも好適な測距値を得ることができる。
【0055】
請求項7記載の発明によれば、ビーム欠けが生じていると判定された場合には、撮影前に前記フラッシュを発光し、光量検出手段での検出光量とプリ発光検出手段での反射光量とに応じて測距値を補正するので、フォーカスレンズが補正結果に対応する所定位置に移動されて、暗い場合でもより適正な測距値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラの外観の一実施形態を示す外観図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】本カメラの一実施形態を示すブロック構成図である。
【図3】受光部にPSDを用いたときの測距部によるアクティブ測距の原理を説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが被写体からの反射光として帰来した場合の受光部での受光位置を示す図である。
【図4】ビーム欠けを説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが反射光として帰来する状態(上側の図)と投光ビームの一部が被写体から反射光として帰来する状態(下側の図)を対比説明するための図である。
【図5】受光部にSPDを用いた測距部14によるアクティブ測距の原理を説明するための、図3に対応する図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが被写体からの反射光として帰来した場合の受光部での受光位置を示す図である。
【図6】ビーム欠けを説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが反射光として帰来する状態(上側の図)と投光ビームの一部が被写体から反射光として帰来する状態(下側の図)を対比説明するための図である。
【図7】撮影動作の全体を示すフローチャートである。
【図8】撮影動作の全体を示すフローチャートである。
【図9】「ビーム欠け補正ルーチンA」の第1実施例を示すフローチャートである。
【図10】「ビーム欠け補正ルーチンA」の第2実施例を示すフローチャートである。
【図11】「ビーム欠け補正ルーチンA」の第3実施例を示すフローチャートである。
【図12】「ビーム欠け補正ルーチンA」の第4実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ本体
2 撮影レンズ
21 ズームレンズ
22 フォーカスレンズ
23 ズームモータ駆動回路
25 焦点調節駆動回路
3 測光部
30 撮像部
31 撮影処理部
4 アクティブ測距部
41 投光部
42 受光部
50 制御部
51 記憶部
52 測距演算部
53 測距値判定部
54 測光処理部
55 モード判定部
56 ビーム欠け判定部
57 フラッシュプリ発光制御部
58 測距値補正部
59 モータ駆動制御部
6 フラッシュ部
7 レリーズボタン
9 ズームスイッチ
12 モード設定ボタン群
【発明の属する技術分野】
本発明は、投光ビームを被写体に照射し、反射光から被写体までの距離を計測するアクティブ方式の測距装置を備えたカメラに係り、特に、投光ビームの被写体からの反射光のビーム欠けが発生した際のフォーカス制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LED等の発光素子からの光を被写体に投光(以下、投光ビームという)して、その反射光を光スポットとしてPSD等の受光素子で受光し、このスポット位置に基づき、三角測距の原理で被写体までの距離を算出するアクティブ方式の測距装置が知られている。受光素子としては、PSDの他に、複数に分割されたSPD(シリコンフォトダイオード)アレイ等があり、いずれのSPDの出力が大きいかで、どの位置に反射光がスポット受光されたかを検出可能なものである。
【0003】
ところで、投光ビームは、カメラの向き等によっては必ずしも被写体全体に照射されるものではなく、ビームの一部が被写体から外れて背景等に抜けしまい、一部が反射光として帰来するという、いわゆるビーム欠けを生じることがある。ビーム欠けが発生すると、反射光のスポット位置の重心がビーム欠けの無い場合に比して移動し(ずれて)、算出した測距値が誤差を含むこととなる。
【0004】
特許文献1には、複数の投光ビームを被写体に投光する投光部を備え、ビーム欠けのない反射光、又はビーム欠けの少ない反射光を選び、選択された(投光ビームに対する)反射光の測距情報でオートフォーカス制御を行う装置が記載されている。また、特許文献2には、被写体の同一位置に対して発光強度分布が異なり、かつ左右対称である複数の測距光をそれぞれ異なるタイミングで投光し、受光手段での複数の受光信号に基づいて距離を算出する距離検出装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−100151号公報
【特許文献2】
特開平8−219767号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の装置では、複数の投光ビームが必要となり、投光部の大型化、コストアップを招来する。また、特許文献2の装置では、複数回の投光動作が要求され、その分処理時間が長くなり、しかも複数の受光信号に基づく測距演算を行わなければならず、さらに処理時間が長くなるという問題を有し、かつコストアップも招くこととなる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、ズーム機能を備えるカメラにあって、簡易な構成でビーム欠けの有無を判断し、測距値を適正に補正し得るカメラを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ズームレンズと、フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、前記投光ビームの前記被写体からの反射光を検出し、三角測距法によって被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが生じているか否かを判定する判定手段と、前記反射光にビーム欠けが生じていないと判定された場合に、前記ズームレンズの焦点距離に応じて前記フォーカスレンズを所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とするカメラである。
【0009】
この構成によれば、カメラと被写体との位置関係によってビーム状の投光ビームの一部が被写体で反射すると、すなわち他の部分が背景に抜けることによって、反射光の形状が投光ビームの形状に対して欠落する、ビーム欠けが発生する。判定手段により、ビーム欠けが発生していると判定されると、前記ズームレンズの焦点距離に応じて前記フォーカスレンズが所定位置に移動させられるので、ビーム欠けによってもより適正な測距値が得られることとなる。また、ビーム欠けが発生していないと判断されるときは、前記測距値に応じた位置に前記フォーカスレンズが移動させられる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のカメラにおいて、前記所定位置は、それぞれの焦点距離での撮影倍率が略同一となる位置であることを特徴とする。この構成によれば、ズームレンズのそれぞれの倍率における撮影倍率の情報が利用されることでビーム欠けに対してもより適正な測距値が得られる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のカメラにおいて、撮影モードの選択を受け付ける操作部を備え、前記判定手段は、選択された撮影モードに応じて前記ビーム欠けの判定を行うことを特徴とする。この構成によれば、高い精度での測距値が必要な撮影モードのとき、ビーム欠けの判定が行われる。
【0012】
請求項4記載の発明は、ズームレンズと、フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、前記投光ビームの前記被写体からの反射光の重心位置を検出し、三角測距法によって被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、前記反射光の光量を検出する光量検出手段と、前記測距値と前記反射光の検出光量との関係から、前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが発生しているか否かを判定する判定手段と、前記反射光量に応じて前記測距値を補正し、前記フォーカスレンズを前記補正結果に対応する所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、測距値と、反射光の光量とを利用してビーム欠けが発生したか否かが判定される。そして、ビーム欠けが発生していると判定されると、反射光量に応じて測距値が補正される。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のカメラにおいて、前記判定手段は、算出された測距値が所定の距離より小さいときに、前記ビーム欠けが発生しているか否かの判定を行うことを特徴とする。この構成によれば、高い精度の測距値が要求される近距離の場合にのみビーム欠けの判定が行われる。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4記載のカメラにおいて、前記判定手段は、前記ズームレンズが所定の焦点距離より短いときに、前記ビーム欠けが発生しているか否かの判定を行うことを特徴とする。この構成によれば、焦点距離が短い場合すなわちワイド側の場合には、撮影画角が広く、人物などの被写体が画角の中央に位置する構図になるとは必ずしもいえないことから、ビーム欠けが発生する確率が高く、このような場合に適正な測距値が得られる。
【0016】
請求項7記載の発明は、ズームレンズと、フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、前記投光ビームの前記被写体からの反射光の重心位置を検出し、被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、前記反射光の光量を検出する光量検出手段と、前記反射光の重心位置と前記反射光の検出光量との関係から、前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが発生しているか否かを判定する判定手段と、フラッシュと、前記反射光にビーム欠けが生じていると判定された場合に、撮影前に前記フラッシュを発光し、その時の反射光量を検出するプリ発光検出手段と、前記光量検出手段での検出光量と前記プリ発光検出手段での検出光量とに応じて前記測距値を補正し、前記フォーカスレンズを前記補正結果に対応する所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とするカメラである。
【0017】
この構成によれば、反射光の重心位置と反射光の光量との関係から、ビーム欠けが発生しているか否かが判定され、ビーム欠けが生じていると判定された場合には、撮影前に前記フラッシュが発光(プリ発光)され、その時の反射光量が検出される。そして、光量検出手段での検出光量とプリ発光検出手段での反射光量とに応じて前記測距値が補正されて、フォーカスレンズが補正結果に対応する所定位置に移動される。これにより、暗い場合でもより適正な測距値が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るカメラの外観の一実施形態を示す外観図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。本カメラは、(a)に示すように、カメラ本体1の正面には、その略中央にズームレンズからなる撮影レンズ部2が設けられると共に、撮影レンズ部2の斜め左上部には被写体及びその周囲からの光量を測定する測光部3が、撮影レンズ部2の上部には左右に所定距離離間して投光部41と受光部42とを備える測距部4が設けられ、その間にファインダー対物窓5が設けられている。カメラ本体2の正面の一方側上部には、例えば内蔵式のフラッシュ部6が設けられている。カメラ本体2の上面一方側には押し込み式のレリーズボタン7が設けられている。測距部4は1又は所要数のLED等から構成される投光部41と、PSD(Position Sensitive Diode)等の受光素子や複数に分割されたSPD(シリコンフォトダイオード)アレイ等から構成される受光部42とを備えたアクティブ測距装置であり、三角測距の原理を利用して被写体までの距離を演算して求めるためのセンサ部として機能する。レリーズボタン7は、内部にスイッチ等を備え、半押し(すなわちスイッチS1オン)で、撮影準備動作を指示し、全押し(すなわちスイッチS2オン)でレリーズ動作を指示するものである。
【0019】
また、(b)に示すように、カメラ本体1の裏面には、カメラ動作を起動させるためのメインスイッチ8と、撮影レンズ部2内のズームレンズの焦点距離を変更するためのズームスイッチ9と、ファインダ接眼部10と、液晶パネル等からなり、各種内容が表示可能な表示部11と、各種のモードをそれぞれ選択設定するための複数のボタンから構成されるモード設定ボタン群12とが設けられている。モード設定ボタン群12を構成する各ボタンは、撮影モード(ポートレートモード、風景モード、遠景モード、夜景モード等)、フラッシュモード(自動発光モード、強制発光モード、発光禁止モード、赤目軽減モード等)、ドライブモード(単写(1コマ単位の撮影)モード、連写(連続コマ撮影)モード、セルフモード、リモートコントロール(遠隔操作指示)モード)等をそれぞれ、例えば該当するボタンを押下する毎にサイクリックに指示内容が変更設定されるようになされている。
【0020】
図2は、本カメラの一実施形態を示すブロック構成図である。撮影レンズ部2の光軸方向後方には撮像部30が配設されている。撮像部30はCCDやC−MOSセンサ等、受光量に応じた電荷を蓄積する2次元固体撮像素子である。撮影処理部31は撮像部30が2次元固体撮像素子の場合に撮像制御と画像処理を行うもので、2次元固体撮像素子で受光した被写体の光像をアナログ信号として読み取り、さらにディジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ、A/D変換された画像データのホワイトバランス調節等の所定の処理を施す信号処理回路等を含む。以下の説明を簡単にするため、撮影処理部31からは、所定の信号処理を経たディジタル画像データが出力されるものとする。撮像部30である2次元固体撮像素子は一般的には無限遠の被写体の合焦位置にセットされている。なお、撮像部30としては、感光材料であるフィルムであってもよく、この場合、撮影処理部31はフィルム給送部や給送位置の検出部を含む。
【0021】
制御部50は本カメラ1の全体の制御を行うもので、CPU等で構成され、各部からの信号を受け付け、内部のROM等の記憶部51に格納されている制御プログラムに従って、入力された信号に対して所定の処理を実行し、更に、必要な時点で各部に撮影準備動作や撮影動作、その他のための制御信号を出力するものである。記憶部41は、さらに撮影時に必要なパラメータや測光、測距等に関する調整データ、後述の表1,2のデータテーブル、その他の測距値補整処理用に使用されるデータテーブルを記憶している。
【0022】
撮影レンズ部2は、それぞれ独立して駆動される複数のレンズ群で構成され、そのうち一部のレンズ群を焦点距離を変化させるためのズーム用変倍レンズ群(以下、ズームレンズという)21とし、他の一部又は全部のレンズ群を焦点調節のためのフォーカス用合焦レンズ群(以下、フォーカスレンズという)22とし、レンズ鏡胴2a内でヘリコイド構造などを利用して回動させることによって、それぞれ独立して光軸方向に移動するようにしている。両レンズ21,22間にはシャッタ27が介設されている。ズームレンズ21はズームモータ駆動回路23の制御のもと、モータ24からの駆動力を受けて光軸上を移動され、焦点距離が変更されるようになっている。フォーカスレンズ22は焦点調節駆動回路25の制御のもと、モータ26からの駆動力を受けて光軸上を合焦位置まで移動されることによって撮像部30の2次元固体撮像素子上に被写体像を結像させるものである。レンズ位置検出部20はズーム駆動機構やフォーカス駆動機構に連結されたエンコーダ等を有して、それぞれのレンズの位置を検出するもので、検出結果に従ってズームモータ駆動回路23、焦点調節駆動回路25が制御される。
【0023】
ズームモータ駆動回路23は、ユーザがズームスイッチ9を例えば押圧操作している間だけ、ズームレンズ21を駆動制御する。ズームスイッチ9は、例えばスナップスイッチであり、この操作ボタンの左右一方を押し込むとズームレンズ21の焦点距離を短焦点側から長焦点側に変化させる指示となり、操作ボタンの左右の他方を押し込むとズームレンズ21の焦点距離を長焦点側から短焦点側に変化させる指示となるようにしている。シャッタ27はシャッタ駆動回路28の制御のもと、撮影時にモータ29からの駆動力を受けてシャッタ幕の走行を行わせる。なお、ズームレンズ21の駆動用のモータ24を撮像部30がフィルムである場合には、ギア系を利用することによってフィルム給送用のモータと兼用するようにしてもよい。
【0024】
操作部70はレリーズボタン7、メインスイッチ8、ズームスイッチ、モード設定ボタン群12を含む。フラッシュ部60はフラッシュランプ61とフラッシュ回路62とからなり、フラッシュ回路62は測距結果に応じて撮影のための好適な明るさが得られるように発光時間の制御をする。撮像部30が2次元固体撮像素子の場合には、撮影前にプリ発光させ、2次元固体撮像素子の所定の領域で反射光を画像データレベル等から検知して本発光の発光量を設定する態様も可能である。
【0025】
図3は、受光部にPSDを用いたときの測距部によるアクティブ測距の原理を説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが被写体からの反射光として帰来した場合の受光部での受光位置を示す図である。図において、投光部41と、本実施形態としてのPSDからなる受光部42とは予め設定された距離だけ離間して左右に配置されている。投光部41からは正面方向に所定強度であって断面円形をしたビーム状の光束(以下、投光ビームという)がレンズ411を介して射出されており、この投光ビームの全体が被写体Pにスポット光S1として照射されている。被写体Pからの反射光は、レンズ421を経て所要サイズに結像された円形のスポット光S2として受光部42の受光面の適宜位置で受光されている。受光部42は、(b)に示すように、左右方向に長辺を有する長方形状をなす受光面を有し、その両端に信号出力用の電極42a、42bが形成されている。スポット光S2の受光位置は、(b)から判るように、測距部4から被写体Pまでの距離に応じて左右方向に移動する。受光部42はスポット光S1のスポット位置と電極42a、42bとの各距離に応じたレベルの電流i1,i2を出力するので、これら両電流値を検出し、例えば、その比i1/(i1+i2)を算出すれば、この算出値から、逆にスポット光S2の受光位置を得ることができる。電流i1,i2はスポット光S2内の全領域(面)からの電流の総和として得られ、スポット光S2の重心に対応する位置が受光位置(受光ポイント)となる。そして、受光位置が確定すると、投光部41と受光部42間の距離とを用いて、被写体Pまでの距離が求まる。また、反射光の光量は(i1+i2)として求めることができる。
【0026】
図4は、ビーム欠けを説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが反射光として帰来する状態(上側の図)と投光ビームの一部が被写体から反射光として帰来する状態(下側の図)を対比説明するための図である。
【0027】
被写体が、図3の場合に比して、図中、右寄りに(相対的に)位置していたとすると、投光ビームは被写体Pでの右半分S1′が照射され、左半分は背景に抜かれた、いわゆるビーム欠けを発生する。この場合、被写体Pからの反射光は、(b)の上側に示す図のように、投光ビームの全てが反射された場合に対して、(b)の下側に示す図のように、レンズ421を経由した結果、受光部42の受光面では、右半部が欠け、左半部のみが帰来した、左右方向に半月状のスポット光S2′となる。すなわち、(b)の上側の正常な状態のスポット光S2の中心(重心)S0に対して、(b)の下側のビーム欠けの状態のスポット光S2′の重心S0′は図中、左方にずれる(シフトする)こととなる。上述したように、被写体距離は受光面での左右方向の受光位置に対応することから、このようにビーム欠けの場合、測距部4と被写体Pとの位置関係が同一であっても、重心が右方にずれると、測距値が遠側にシフトすることを意味する。また、ビーム欠けは(i1+i2)が小さい値として検出されるため、反射光量が低減し、ビーム欠けの発生が判断可能となる。
【0028】
図5は、受光部にSPDを用いた測距部14によるアクティブ測距の原理を説明するための、図3に対応する図で、(a)は投光部141、受光部142、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが被写体からの反射光として帰来した場合の受光部での受光位置を示す図である。図において、投光部141と、本実施形態としてのSPDからなる受光部142とは予め設定された距離だけ離間して左右に配置されている。投光部141からは正面方向に所定強度であって断面四角形、好ましくは断面縦長の四角形をしたビーム状の光束(以下、投光ビームという)がレンズ411を介して射出されており、この投光ビームの全体が被写体Pにスポット光S11として照射されている。被写体Pからの反射光は、レンズ421を経て所要サイズに結像された円形のスポット光S12として受光部142の受光面の適宜位置で受光されている。受光部142は、(b)に示すように、左右方向に長辺を有する長方形状をなし、同方向に所定数、本実施形態では4つの領域に均等分割されたSPD素子を備える。各SPD素子は反射光の受光量に応じたレベルの電流i1〜i4をそれぞれの出力端子142a〜142dに出力するものである。例えば,(a)のように、スポット光S12が隣接するSPD素子に跨って受光されたときは、対応する各端子から電流が出力され、これらの各出力電流からスポット光S12の重心位置の計算が行われる。スポット光S12の受光位置は、(b)から判るように、測距部14から被写体Pまでの距離に応じて左右方向に移動する。図5の例では、受光部142はSPD素子142cと142dから電流i3,i4を出力するので、これら両電流値を検出し、例えば、その比i3/(i3+i4)を算出すれば、この算出値から、逆にスポット光S12の受光面での受光位置を得ることができる。電流i3,i4はスポット光S12内であってSPD素子の重なる領域(面)に比例した電流量として得られるので、スポット光S12の重心に対応する位置が受光位置(受光ポイント)となる。そして、受光位置が確定すると、投光部141と受光部142間の距離とを用いて、被写体Pまでの距離が求まる。また、反射光の光量は、(i1+i2+i3+i4)として求めることができる(但し、図5の例では、i1、i2=0)。
【0029】
図6は、ビーム欠けを説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが反射光として帰来する状態(上側の図)と投光ビームの一部が被写体から反射光として帰来する状態(下側の図)を対比説明するための図である。
【0030】
被写体が図5の場合に比して、図中、右寄りに位置していたとすると、投光ビームは被写体Pでの左半分S11′が照射され、右半分は背景に抜かれた、いわゆるビーム欠けを発生する。この場合、被写体Pからの反射光は、(b)の上側に示す図のように、投光ビームの全てが反射された場合に対して、(b)の下側に示す図のように、レンズ421を経由した結果、受光部142の受光面では、左半部が欠け、右半部のみが帰来した、左右に細長長方形のスポット光S12′となる。すなわち、(b)の上側の正常な状態のスポット光S12の中心(重心)S10に対して、(b)の下側のビーム欠けの状態のスポット光S12′の重心S10′は図中、右方にずれる(シフトする)こととなり、電流i4のみしか得られなくなる。上述したように、被写体距離は受光面での左右方向のスポット位置に対応することから、このようにビーム欠けが発生した場合、測距部14と被写体との位置関係が同一であっても、重心が右方にずれると、測距値が近側にずれることを意味する。また、ビーム欠けは(i1+i2+i3+i4)が小さい値として検出されるため、反射光量が低減し、ビーム欠けの発生が判断可能となる。
【0031】
図2に戻って、制御部50は、測距演算部52、測距値判定部53、測光処理部54、モード判定部55、ビーム欠け判定部56、フラッシュプリ発光制御部57、測距値補正部58及びモータ駆動制御部59を含む。
【0032】
測距演算部52は、受光部42(142)からの出力電流値に従って、三角測距の原理に基づく演算を行ってスポット光の重心位置を求めるものである。測距値判定部53は、測距演算部52で算出された測距値Dと所定の基準値Drefとの大小を判定するものである。測光処理部54は、測光部3に測光処理を行わせると共に、検出値P0を得るものである。
【0033】
モード判定部55は、モード欠けが発生した時の誤差が問題となる距離での撮影モード、例えばポートレートモード等が設定されているか否かを判定するものである。
【0034】
ビーム欠け判定部56は、測距演算部52での算出測距値Dに対応する所定の基準光量値Prefを記憶部51から選択して読み出し、測光部54での検出値P0が、この基準値Prefの所定範囲内(Pref―α1〜Pref+α2)か否かを判定(すなわち、ビーム欠け発生の有無の判定を)するものであり、また、この所定範囲を高い方に超える場合には、さらに所定値(Pref+α)との大小とを比較するもので、これによって、それぞれに応じての適正な補正量が測距値Dに加減される。
【0035】
フラッシュプリ発光制御部57は、ビーム欠けが発生していると判断した場合に、フラッシュプリ発光モードを実行させるものである。測距値補正部58は、ビーム欠けが発生していると判定した場合に、アクティブ測距により得た測距値Dに対して所要の補正を施す演算を行うものである。モータ駆動制御部59は、ビーム欠けが発生していないときは、測距演算部52で得られた測距値に応じた位置に、ビーム欠けが発生しているときは測距値補正部58により算出された測距値に応じた位置にフォーカスレンズ22を移動させる指令、移動量データを出力するものである。なお、測距値補正部58、モータ駆動制御部59でレンズを駆動する駆動制御手段が構成される。
【0036】
図7、図8は、撮影動作の全体を示すフローチャートである。メインスイッチ8が操作されて電源がオンされると、本フローチャートが開始する。まず、レンズ鏡胴2aが収納位置から待機位置、すなわち通常ではワイド端の位置に繰り出され(#1)、次いで、初期値として例えばオートモードが撮影モードとして設定される(#3)。続いて、ズームスイッチ9が操作されたか否かが判断される(#5)。ズームスイッチ9が操作なしであれば、レリーズスイッチ7が半押し(スイッチS1オン)されたか否かが判断され(#7)、レリーズスイッチ7が半押しされていなければ、#5に戻る。一方、ズームスイッチ9が操作されたと判断されると、ズームレンズ21が移動され(#9)、かつ、その操作の間、ズームレンズ21の焦点距離がレンズ位置検出部20で検知される(#11)。
【0037】
この後に、レリーズスイッチ9がオンされると(#7でYES)、ズームレンズ21の焦点距離に応じた制御データが記憶部51から読み出され(#13)、測光部3による測光動作、測距部4による測距動作が実行される(#15、#17)。次いで、受光部42(あるいは受光部142)からの出力電流を用いて、三角測距法に沿った演算処理が実行されて、測距値Dが算出される(#19)。
【0038】
続いて特定の撮影モード、ここでは風景モード、遠景モードが選択されているか否かが判別され(#21)、特定の撮影モードが選択されていないのであれば、投光ビームに欠けが発生した場合に測距値補正が必要とされるとして、後述の「ビーム欠け補正ルーチンA」が実行される(#23)。特定の撮影モードであれば、測距値補正は特に必要ではないとして、#23をスキップする。
【0039】
#25では、測距値Dと、ズームレンズ21の焦点距離と、制御データとから、フォーカスレンズ22の移動量が演算され、この移動量だけ焦点調整駆動回路25から駆動信号が出力されて、フォーカスレンズ22が移動される(#27)。次いで、シャッタ27の開閉動作と、撮像部30の2次元固体撮像素子に対して被写体像の取り込みが指示されて、露光が行われ、撮影処理部31での所定の画像処理が実行される(#31)。なお、撮像部30がフィルムの態様では、シャッタ27の開閉動作とフィルムの1コマ分の巻き上げ動作が行われる。
【0040】
図9は、「ビーム欠け補正ルーチンA」の第1実施例を示すフローチャートである。まず、受光部42の出力電流の総和から、反射光量P0が算出される(#41)。次いで、#19で算出した測距値Dに対応する反射光量の基準値Prefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#43)。次いで、この反射光量P0が所定の範囲内にあるかどうかが判定される(#45)。すなわち、Pref−α1≦P0≦Pref+α2が満たされているか否かが判断される。なお、α1、α2は許容幅を考慮したものである。反射光量P0が所定の範囲内にあれば、ビーム欠けはないとして、測距値Dがそのまま採用され、範囲外であれば、ビーム欠け有りと判断して、記憶部51内のテーブルである表1が参照されて、現焦点距離に応じた所定値D(f1)が測距値Dとして置き換えられる(#47)。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、#47の処理に代えて、現焦点距離f1から、f1×像倍率βすなわちD(f1)を算出する態様としてもよい。つまり、各焦点距離において被写体倍率がおおよそ同一となるような被写体距離を予め設定し、表2に示す内容のテーブル形式で、参照可能に準備しておくようにしたものでもよい。
【0043】
【表2】
【0044】
図10は、「ビーム欠け補正ルーチンA」の第2実施例を示すフローチャートである。まず、受光部42の出力電流の総和から、反射光量P0が算出される(#51)。次いで、#19で算出した測距値Dに対応する反射光量の基準値Prefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#53)。次いで、この反射光量P0が所定の範囲内にあるかどうかが判定される(#55)。すなわち、Pref−α1≦P0≦Pref+α2が満たされているか否かが判断される。なお、α1、α2は許容幅を考慮したものである。反射光量P0が所定の範囲内にあれば、ビーム欠けはないとして、測距値Dがそのまま採用され、範囲外であれば、反射光量P0がさらにPref+αより大きいか否か比較される(#57)。反射光量P0がPref+αより小さければ、被写体が比較的近距離にあるとして、所定の精度を得るべく、測距値Dが(D+Δd)に置き換えられる補正が行われる(#59)。一方、反射光量P0がPref+αより大きければ、被写体はさらに近い位置に存在するとみなして、所定の精度を得るべく、測距値Dが(D―Δd)に置き換えられる補正が行われる(#61)。
【0045】
図11は、「ビーム欠け補正ルーチンA」の第3実施例を示すフローチャートである。まず、受光部42の出力電流の総和から、反射光量P0が算出される(#71)。次いで、#19で算出した測距値Dと所定の基準距離Drefとの大小が比較される(#73)。測距値Dが基準距離Drefより大きければ(遠ければ)、測距値Dがそのまま採用される。一方、測距値Dが基準距離Drefより小さければ、測距の精度がより要求されるため、#19で算出した測距値Dに対応する反射光量の基準値Prefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#75)。次いで、反射光量P0が所定の範囲内にあるかどうかが判定される(#77)。すなわち、Pref−α1≦P0≦Pref+α2が満たされているか否かが判断される。なお、α1、α2は許容幅を考慮したものである。反射光量P0が所定の範囲内にあれば、ビーム欠けはないとして、測距値Dがそのまま採用され、範囲外であれば、反射光量P0がさらにPref+αより大きいか否か比較される(#79)。反射光量P0がPref+αより小さければ、比較的近いとして、所定の精度を得るべく、測距値Dが(D+Δd)に置き換えられる補正が行われる(#81)。一方、反射光量P0がPref+αより大きければ、被写体はさらに近い位置に存在するとみなして、所定の精度を得るべく、測距値Dが(D―Δd)に置き換えられる補正が行われる(#83)。
【0046】
図12は、「ビーム欠け補正ルーチンA」の第4実施例を示すフローチャートである。図12では、カメラが電子スチルカメラとする。まず、受光部42の出力電流の総和から、反射光量P0が算出される(#91)。次いで、#19で算出した測距値Dに対応する反射光量の基準値Prefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#93)。次いで、反射光量P0が所定の範囲内にあるかどうかが判定される(#95)。すなわち、Pref−α1≦P0≦Pref+α2が満たされているか否かが判断される。なお、α1、α2は許容幅を考慮したものである。反射光量P0が所定の範囲内にあれば、ビーム欠けはないとして、測距値Dがそのまま採用され、範囲外であれば、フラッシュプリ発光モードが実行されて、フラッシュプリ発光の指示が行われる(#97)。プリ発光時に反射光量R0の測定が、例えば撮像部30での撮像データを利用して行われる(#99)。なお、撮像部30で反射光を測定するための画像データの抽出領域は受光部42のスポット光の受光域と対応させることが好ましい。また、#19で算出した測距値Dに対応するプリ発光での反射光量の基準値Rrefが記憶部51のテーブルから選択され、読み出されてセットされる(#101)。次いで、プリ発光時の反射光量R0と基準値Rrefの差分ΔRが算出され(#103)、この差分ΔRに応じた補正値Δdrが記憶部51内のテーブルを参照して読み出され、セットされる(#105)。そして、#19で算出した測距値Dにこの補正値Δdrが加算されて新たな測距値Dが求められる(107)。
【0047】
この第4実施例のように、電子スチルカメラにおいては、被写体の周囲の輝度が低い時に、撮像部の2次元固体撮像素子で撮像された画像データから、隣接画素の差分データの総和値を求め、これを利用して行うコントラスト測距(差分データの総和が大きいほど合焦位置に近いとするもので、測距動作とフォーカスレンズ駆動とを所要回数繰り返して合焦位置にたどり着く方法)では、焦点調節ができないことから、アクティブ測距方式に切り換えて測距動作を行うようにしたものである。また、暗い場合に、投光ビーム欠けが発生すると判断してしまうこともあることから、反射光の光量の大小でフラッシュプリ発光を行うようにしたので、プリ発光でも投光ビーム欠けが発生しているか否かが的確に判断でき、これにより、周囲の輝度如何によらず確実な測距が可能となる。
【0048】
なお、投光ビームの形状は、断面円形、長方形に限定されず、採用される受光部の受光面の形状等を考慮してビーム欠けが好適に判定し得るに好適な形状が採用可能である。
【0049】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ビーム欠けが発生していないと判断されると、前記測距値に応じて前記フォーカスレンズを移動させ、一方、ビーム欠けが発生していると判定されると、前記ズームレンズの焦点距離に応じて前記フォーカスレンズを所定位置に移動させるので、ビーム欠けによってもより適正な測距値を得ることができる。
【0050】
請求項2記載の発明によれば、それぞれの倍率における撮影倍率の情報を利用することでビーム欠けに対してもより適正な測距値を得ることができる。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、高い精度での測距値が必要な撮影モードのときビーム欠けの判定が行われる。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、測距値と反射光の検出光量とを利用してビーム欠けが発生したか否かを判定するので、反射光量に応じてより適切な測距値を得ることができる。
【0053】
請求項5記載の発明によれば、高い精度の測距値が要求される近距離の場合にのみビーム欠けの判定を行わせることができる。
【0054】
請求項6記載の発明によれば、焦点距離が短い場合すなわちワイド側の場合には、撮影画角が広く、人物などの被写体を必ずしも画角の中央に位置する構図にしないことから、ビーム欠けが発生する確率が高く、このような場合にも好適な測距値を得ることができる。
【0055】
請求項7記載の発明によれば、ビーム欠けが生じていると判定された場合には、撮影前に前記フラッシュを発光し、光量検出手段での検出光量とプリ発光検出手段での反射光量とに応じて測距値を補正するので、フォーカスレンズが補正結果に対応する所定位置に移動されて、暗い場合でもより適正な測距値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラの外観の一実施形態を示す外観図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】本カメラの一実施形態を示すブロック構成図である。
【図3】受光部にPSDを用いたときの測距部によるアクティブ測距の原理を説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが被写体からの反射光として帰来した場合の受光部での受光位置を示す図である。
【図4】ビーム欠けを説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが反射光として帰来する状態(上側の図)と投光ビームの一部が被写体から反射光として帰来する状態(下側の図)を対比説明するための図である。
【図5】受光部にSPDを用いた測距部14によるアクティブ測距の原理を説明するための、図3に対応する図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが被写体からの反射光として帰来した場合の受光部での受光位置を示す図である。
【図6】ビーム欠けを説明するための図で、(a)は投光部、受光部、被写体の位置関係及び投光ビームの状態を示す図、(b)は投光ビームの全てが反射光として帰来する状態(上側の図)と投光ビームの一部が被写体から反射光として帰来する状態(下側の図)を対比説明するための図である。
【図7】撮影動作の全体を示すフローチャートである。
【図8】撮影動作の全体を示すフローチャートである。
【図9】「ビーム欠け補正ルーチンA」の第1実施例を示すフローチャートである。
【図10】「ビーム欠け補正ルーチンA」の第2実施例を示すフローチャートである。
【図11】「ビーム欠け補正ルーチンA」の第3実施例を示すフローチャートである。
【図12】「ビーム欠け補正ルーチンA」の第4実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ本体
2 撮影レンズ
21 ズームレンズ
22 フォーカスレンズ
23 ズームモータ駆動回路
25 焦点調節駆動回路
3 測光部
30 撮像部
31 撮影処理部
4 アクティブ測距部
41 投光部
42 受光部
50 制御部
51 記憶部
52 測距演算部
53 測距値判定部
54 測光処理部
55 モード判定部
56 ビーム欠け判定部
57 フラッシュプリ発光制御部
58 測距値補正部
59 モータ駆動制御部
6 フラッシュ部
7 レリーズボタン
9 ズームスイッチ
12 モード設定ボタン群
Claims (7)
- ズームレンズと、
フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、
被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、
前記投光ビームの前記被写体からの反射光を検出し、三角測距法によって被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、
前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが生じているか否かを判定する判定手段と、
前記反射光にビーム欠けが生じていないと判定された場合に、前記測距値に応じて前記フォーカスレンズを移動させ、前記反射光にビーム欠けが生じていると判定された場合に、前記ズームレンズの焦点距離に応じて前記フォーカスレンズを所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とするカメラ。 - 前記所定位置は、それぞれの焦点距離での撮影倍率が略同一となる位置であることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
- 撮影モードの選択を受け付ける操作部を備え、前記判定手段は、選択された撮影モードに応じて前記ビーム欠けの判定を行うことを特徴とする請求項1記載のカメラ。
- ズームレンズと、
フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、
被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、
前記投光ビームの前記被写体からの反射光の重心位置を検出し、三角測距法によって被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、
前記反射光の光量を検出する光量検出手段と、
前記測距値と前記反射光の検出光量との関係から、前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが発生しているか否かを判定する判定手段と、前記反射光量に応じて前記測距値を補正し、前記フォーカスレンズを前記補正結果に対応する所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とするカメラ。 - 前記判定手段は、算出された測距値が所定の距離より小さいときに、前記ビーム欠けが発生しているか否かの判定を行うことを特徴とする請求項4記載のカメラ。
- 前記判定手段は、前記ズームレンズが所定の焦点距離より短いときに、前記ビーム欠けが発生しているか否かの判定を行うことを特徴とする請求項4記載のカメラ。
- ズームレンズと、
フォーカスレンズを光軸方向に移動する駆動手段と、
被写体に向けてビーム状の光を投光ビームとして照射する投光手段と、
前記投光ビームの前記被写体からの反射光の重心位置を検出し、被写体までの測距値を算出するアクティブ測距装置と、
前記反射光の光量を検出する光量検出手段と、
前記反射光の重心位置と前記反射光の検出光量との関係から、前記反射光について、投光ビームの形状に対してのビーム欠けが発生しているか否かを判定する判定手段と、
フラッシュと、
前記反射光にビーム欠けが生じていると判定された場合に、撮影前に前記フラッシュを発光し、その時の反射光量を検出するプリ発光検出手段と、
前記光量検出手段での検出光量と前記プリ発光検出手段での検出光量とに応じて前記測距値を補正し、前記フォーカスレンズを前記補正結果に対応する所定位置に移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とするカメラ。
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Cited By (1)
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JP2012145445A (ja) * | 2011-01-12 | 2012-08-02 | Sharp Corp | 測距装置 |
-
2003
- 2003-04-14 JP JP2003109477A patent/JP2004317668A/ja active Pending
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