JP2004317456A - ピークホールド回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のピークホールド回路の出力側における電位上昇の時定数は、この出力側に接続されているダイオード導通時の抵抗値とコンデンサ容量と信号のマーク率の逆数との3者の積で決定されているため、高速化には限界があった。このため、本発明においては、これら部品を変更することなく、出力電位上昇の高速化を実現する回路の提供を目的とした。
【解決手段】ピークホールド回路の入力増幅器を、差動出力を有する増幅器とし、これら正逆両相出力にそれぞれダイオード等の整流特性を有する素子を介して同じコンデンサの同じ端子に接続する構成としている。このように、全波整流形の時定数回路とすることにより、従来の部品のままで時定数を実質的に半減させる回路構成を実現した。
【選択図】図1
【解決手段】ピークホールド回路の入力増幅器を、差動出力を有する増幅器とし、これら正逆両相出力にそれぞれダイオード等の整流特性を有する素子を介して同じコンデンサの同じ端子に接続する構成としている。このように、全波整流形の時定数回路とすることにより、従来の部品のままで時定数を実質的に半減させる回路構成を実現した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力信号の電圧ピーク値を保持する、ピークホールド回路に関するものであり、特に、光通信システムの受信装置における信号断検出回路に用いる、高速動作可能なピークホールド回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−368591号公報
【特許文献2】特開平10−267967号公報
図4に従来のピークホールド回路を示す。
従来のピークホールド回路は、差動増幅器A1、整流用のダイオードD1、電荷保持用のコンデンサC1、コンデンサC1に蓄積された電荷の放電用としての抵抗R1からなる。差動増幅器A1の差動出力の一方がダイオードD1のアノードに接続される。ダイオードD1のカソードはコンデンサC1の一方の電極に接続され、ピークホールド回路の出力となる。コンデンサC1の他方の電極は基準電位(例えば、グラウンド電位)に接続される。抵抗R1は一端がピークホールド回路の出力に、他端が上記と同じ基準電位にそれぞれ接続される。
【0003】
次に、従来のピークホールド回路の動作を説明する。
ピークホールド回路に入力した信号は差動増幅器A1の差動出力の一方から出力されてダイオードD1のアノードに入力される。その信号は、ダイオードD1で整流され、コンデンサC1に電荷として蓄積かつ保持される。その結果、ダイオードD1のカソード電位、すなわち、ピークホールド回路の出力電位は、ダイオードD1のアノードに入力された信号のピーク電位からダイオードDlのしきい値電圧を差し引いた値に上がっていく。その蓄積時の時定数は、差動増幅器A1の出力インピーダンスは無視できるとすると、ダイオードD1の導通時における抵抗値と、コンデンサC1の容量値と、入力信号のマーク率の逆数との積から決まる。抵抗R1の抵抗値は、ダイオードD1の抵抗に比べて十分に大きく設定され、ダイオードD1が導通状態となってコンデンサC1に電荷が蓄積されている状態のときは、抵抗R1の効果はほとんど無視でき、ダイオードD1に流れる電流がそのままコンデンサC1の充電電流となるものとみなすことが出来る。
【0004】
ピークホールド回路への入力信号の振幅が小さくなり、ダイオードD1のアノードに入力される信号のピーク電位が、ダイオードD1のカソードの電位にダイオードD1のしきい値を加えた電位より低くなると、ダイオードD1は常時遮断状態になるので、ダイオードD1からコンデンサC1への電流供給はなくなる。よって、コンデンサC1に蓄積された電荷は抵抗R1を経由して放電され、ダイオードD1のカソード電位、すなわち、ピークホールド回路の出力電位は、ダイオードD1のアノードに入力された新たな信号のピーク電位からダイオードD1のしきい値を引いた値にまで放電により下がっていく。その放電時の時定数は、コンデンサC1の容量値と抵抗R1の抵抗値との積で決まる。この時定数は、入力信号において規定される同符号連続時間より長く設定しておく必要がある。
【0005】
以上説明したように、ピークホールド回路への入力信号の振幅が大きくなると、ピークホールド回路の出力電位はダイオードD1の導通時の抵抗値とコンデンサC1の容量値と信号のマーク率の逆数とから決まる時定数で上昇し、逆に、ピークホールド回路への入力信号の振幅が小さくなると、ピークホールド回路の出力電位は抵抗R1の抵抗値とコンデンサC1の容量値とから決まる時定数で降下する。いずれの場合でも、ピークホールド回路の出力電位はダイオードD1のアノード電位からダイオードD1のしきい値を引いた値に達したところでその値が保持される。
図4の従来のピークホールド回路に示したように、増幅器の一方の出力のみを利用してピーク電位を検出・保持する回路としては、上記「特許文献1」や「特許文献2」に例が示されている。ピークホールド回路の重要な応用として、光通信システムの受信装置における信号断検出回路が挙げられる。構成例を図5に示す。フォトダイオード103によって受信された光信号が電流信号に変換され、その電流信号が前置増幅器104によって電圧信号に変換される。後置増幅器105では、前置増幅器104の出力信号を増幅し、信号断検出回路102に信号を送る。この信号はクロック抽出系にも送られるがここでは省略した。信号断検出回路102では、入力信号のピーク電位をピークホールド回路100によって検出・保持し、保持されたピーク電位を比較器101で信号断検出のしきい値VTHと比較し、その比較結果がアラーム出力に出力される。通信路に障害等があり入力信号断が発生した場合は、ピークホールド回路100の出力電位がVTHより小さくなり、信号断アラームが発出される。入力信号があり、ピークホールド回路100の出力電位がVTHより大きくなると、信号断アラームが解除される。
一般に、通信路の障害などが起きて信号断となってから信号断アラームの発出までは、ある程度の時間をかけることが望ましい。これは、通信路に障害がなくても通信路上のスイッチの切替などで、瞬断が起きたように見える場合もあるからである。少なくとも、信号の同符号連続時間以上の時間はかける必要がある。
これに対し、通信路が障害から復旧して信号断アラームを解除する際は、できるだけ早いアラーム解除が望ましい。なぜなら、信号断アラームが解除される前の受信したデータは廃棄され、無駄になってしまうからである。よって、アラーム解除時に信号断検出回路102が高速に応答すること、すなわち、入力信号の振幅が大きくなったときのピークホールド回路における出力電位の上昇が高速に行われることが望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示す従来のピークホールド回路では、入力信号の振幅が大きくなってピークホールド回路の出力電位が上昇するときの時定数は、前述のようにダイオードD1の導通状態での抵抗値とコンデンサC1の容量値と信号のマーク率の逆数との積で決まってくる。この時定数を小さくしてピークホールド回路の出力電位の上昇を高速に行うことが望ましいことは前述したとおりである。そのためには、ダイオードD1の抵抗値を小さくするか、コンデンサC1の容量値を小さくするか、もしくは、信号のマーク率を大きくするかの、何れかの方法がある。まず、コンデンサC1の容量値を小さくすると、信号断が起きてピークホールド回路の出力がコンデンサC1の放電によるときの時定数も小さくなってしまい、かつ、出力と基準電位の容量カップリングによる出力電位の安定性も損なわれるので、コンデンサC1の容量値はあまり小さくできない。次に、ダイオードD1の抵抗値を小さくすることを考えると、この抵抗値を小さくするには、ダイオードを大きくする、すなわち、ダイオードの接合面積を大きくすればよい。しかしながら、ダイオードD1を大きくすると、差動増幅器A1の容量性負荷が増えてしまうという間題点がある。そのため、差動増幅器A1の出力、すなわち、ダイオードD1への入力の立ち上がり時間と立ち下がり時間が劣化し、波形がつぶれ、ピーク電位が本来の値より小さくなってしまう恐れがある。
最後に、信号のマーク率であるが、これは信号伝送に用いるプロトコルにより決定されるもので、一般的には1/2であり、回路設計側で勝手に大きくしたり小さくしたりできる性質のものではない。いずれにせよ、このように、従来のピークホールド回路では、出力電位上昇に対しての更なる高速化は困難である。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、増幅器出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間の劣化無しに、入力振幅値が増大したときのピーク電位の検出速度を高速化する回路の提供を目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の最も主要な特徴とするところは、差動増幅器の正相出力と逆相出力の両差動出力を共に利用してピーク電位の検出・保持を行うところにある。このため、
請求項1においては、差動出力を有する入力増幅器と、この入力増幅器の正逆両相出力側にそれぞれ第1および第2の整流特性を有する素子が接続され、これら整流特性を有する素子の出力側は一個のコンデンサの一方の電極に接続され、このコンデンサの他方の電極は基準電位に接続されており、かつ、このコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0008】
請求項2においては、前記の差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のダイオードのアノードが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のダイオードのアノードが接続され、前記第1のダイオードのカソードと前記第2のダイオードのカソードが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0009】
請求項3においては、前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1の電界効果トランジスタのドレインとゲートが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2の電界効果トランジスタのドレインとゲートが接続され、前記第1の電界効果トランジスタのソースと前記第2の電界効果トランジスタのソースが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0010】
請求項4においては、前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1の電界効果トランジスタのゲートが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2の電界効果トランジスタのゲートが接続され、前記第1の電界効果トランジスタのドレインと前記第2の電界効果トランジスタのドレインが、共に高電位電源に接続され、前記第1の電界効果トランジスタのソースと前記第2の電界効果トランジスタのソースが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0011】
請求項5においては、前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のバイポーラトランジスタのコレクタとベースが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のバイポーラトランジスタのコレクタとベースが接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのエミッタと前記第2のバイポーラトランジスタのエミッタが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0012】
請求項6においては、前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のバイポーラトランジスタのベースが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のバイポーラトランジスタのベースが接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのコレクタと前記第2のバイポーラトランジスタのコレクタが、共に高電位電源に接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのエミッタと前記第2のバイポーラトランジスタのエミッタが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0013】
請求項7においては、前記電荷放電手段として、一端が前記コンデンサの一方の電極に、他端が前記コンデンサの他方の電極に接続された抵抗を具備することを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載されている回路構成について規定している。
【0014】
【作用】
本発明にかかるピークホールド回路は、差動増幅器の正相出力と逆相出力の両方の出力電位のピーク値を、ダイオードあるいはトランジスタを介して、1個のコンデンサに蓄積する。すなわち、差動増幅器の正逆両相の出力をピーク電位の検出・保持に利用している。よって、コンデンサC1には、入力信号が全波整流されて電荷が蓄積されることになる。これは、入力信号振幅が大きくなってピークホールド回路の出力電位が上昇するときの時定数を決める3つの要素(ダイオード或いはトランジスタの抵抗値、コンデンサの容量値、信号のマークとスペースの比で与えられるマーク率)のうち、信号のマーク率が従来の1/2から1になったことと同じである。これにより、時定数が従来の技術に比べて半減することが出来、ピークホールド回路の出力電位の上昇速度が2倍に高速化される。
一方、差動増幅器の出力負荷は、逆相出力にも負荷が付くことで増えたように見える。しかし、正相出力のみの負荷は従来の技術でも本発明でも変わらないので、正相出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間は従来の技術と本発明で同じになり、かつ、本発明では正相出力と逆相出力の負荷が同じコンデンサなので、両出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間は同じになり、結果として、本発明における差動増幅器の両出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間は、従来の技術における正相出力のそれと同じになる。すなわち、立ち上がり時間と立ち下がり時間に劣化は無い。
以上により、本発明の目的である、入力振幅値が増大したときのピーク電位の検出速度を高速化する回路の提供を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に本発明における第1の実施の形態を示す。
本第1の実施の形態は、差動増幅器A1、整流用の第1のダイオードD1、第2のダイオードD2、電荷保持用のコンデンサC1、放電用の抵抗R1からなっている。ピークホールド回路への入力は差動増幅器A1に入力され、差動増幅器A1の正相側出力と逆相側出力はそれぞれ第1のダイオードD1のアノードと第2のダイオードD2のアノードに接続される。第1のダイオードD1のカソードと第2のダイオードD2のカソードは、ともに、同じコンデンサC1の一端と抵抗R1の一端に接続され、かつ、ピークホールド回路の出力となる。コンデンサC1の他端と抵抗R1の他端は基準電位(例えばグラウンド電位)に接続される。 まず、ピークホールド回路への入力信号振幅が大きくなったときの動作を説明する。
入力信号が差動増幅器A1で増幅される。増幅された差動増幅器A1の正相と逆相の両出力はダイオードD1とD2で整流され、これによりコンデンサC1に電荷が蓄積・保持される。そして、ピークホールド回路の出力電位は、ダイオードD1、D2のアノード電位のピーク値からダイオードのしきい値を引いた値にまで上昇する。この出力電位が上昇するときの時定数τは、ダイオードD1、D2の導通時の抵抗値r1およびr2とコンデンサC1の容量値cの積で決まる。すなわち
τp=r1・c または τn=r2・c (1)
で与えられる。図4に示した従来の技術の例では、これに、信号のマーク率の逆数m(一般的には1/2の逆数=2)がかかってくるため、
τp=r1・c・m または τn=r2・c・m (2)
で表される。本発明においては、正相逆相の両出力を利用してコンデンサC1に電荷を蓄積しているため、全波整流と同じになり、上記式(2)においてマーク率mは1(m=1)となる。よって、ダイオードの抵抗値とコンデンサC1の容量値が本発明と図4に示した従来の技術とで同じであっても、出力電位上昇時の時定数は、式(1)と同じとなり、従来の技術に比べて1/2倍とすることができ、2倍の高速化が達成できる。なお、抵抗R1の抵抗値は、ダイオードD1、D2が導通状態のときの抵抗値に比べて十分大きく設定されるので、出力電位上昇時には抵抗R1の効果はほとんど無視できる。
【0016】
次に、ピークホールド回路への入力信号振幅が小さくなったときの動作を説明する。
差動増幅器A1の出力、すなわち、ダイオードD1とD2のアノードの信号のピーク電位が、ピークホールド回路の出力電位にダイオードのしきい値を加えた値より小さくなると、ダイオードD1とD2は常時遮断状態になるので、ダイオードD1、D2からコンデンサC1への電流供給はなくなる。よって、コンデンサC1に蓄積された電荷は、抵抗R1を経由して放電される。そして、ダイオードD1、D2のアノードの信号の新たなピーク電位からダイオードのしきい値を引いた値に、ピークホールド回路の出力電位は降下する。この出力電位降下時の時定数は、コンデンサC1の容量値と抵抗R1の抵抗値の積によって決まる。したがって、この時定数は、図4に示す従来の技術に同じである。
【0017】
なお、この時定数は、「従来の技術」の項で述べたのと同様に、入力信号において規定される同符号連統時間より長く設定する必要がある。
また、差動増幅器A1の負荷は、ダイオードの大きさが「従来の技術」と同じであれば、本発明と「従来の技術」の場合とで変わりはない。よって、差動増幅器の出力、すなわち、ダイオードD1、D2ヘの入力信号の波形劣化はないので、検出されるピーク電位が波形劣化によって本来の値より小さくなってしまうと言うことはない。
以上、本発明における第1の実施の形態における動作について説明した。第1の実施の形態によれば、入力信号の振幅値が大きくなって出力電位が上昇するときは、従来の技術に比べて出力電位上昇の時定数が1/2倍となって2倍の高速化が可能となる。一方、入力信号の振幅値が小さくなって出力電位が降下するときは、「従来の技術」の項で述べたものと同じ降下速度が保たれる。また、ダイオードヘの入力信号波形が従来の技術に比べて劣化することもないので、検出されるピーク電位が本来の値より小さくなることもない。
【0018】
第1の実施の形態に係るピークホールド回路を図5に示す信号断検出回路に適用すれば、通信路が障害から復旧し、入力信号が復活してから信号断アラームが解除されるまでの時間は、ピークホールド回路の出力電位上昇時間の高速化によって短縮されるので、通信路が復旧するまで無駄に廃棄されてしまうデータを減らすことができる。一方、通信路に障害が起きて入力信号が遮断されてから信号断アラームが発出されるまでの時間は「従来の技術」の場合と同じに保たれる。ここまでは、ピークホールド回路の入力信号の振幅値が大きくなるときに、出力電位の上昇速度が高速化される効果を述べてきた。次は、ピークホールド回路の出力電位上昇時間は「従来の技術」の場合と変わらないが、入力信号のビットレートを上げられるという効果について説明する。
これまでの説明では、ダイオードD1、D2の導通時の抵抗値、すなわち、大きさを「従来の技術」の場合と本発明における第1の実施の形態とで同じとしてきた。ここで、ダイオードの大きさを「従来の技術」の場合に比べて1/2倍にする、すなわち、ダイオードの抵抗値を2倍にしてみる。すると、第1の実施の形態におけるピークホールド回路の出力電位上昇の時定数は、コンデンサC1の容量は変わらず、ダイオードD1、D2の抵抗値は2倍になり、マーク率の逆数は1/2倍になるので、結局、全体として前述の「従来の技術」の場合と同じになる。その一方で、ダイオードの大きさが1/2倍になることによって、差動増幅器A1の出力負荷も1/2倍になる。よって、信号のビットレートを上げても差動増幅器A1の出力波形の劣化は起こらない。このように、信号のビットレートを上げることができるのである。
【0019】
図2に本発明による第2の実施の形態における回路を示す。
図2に示した第2の実施の形態は、第1の実施の形態におけるダイオードを、ドレインとゲートを結線しダイオード接続とした電界効果トランジスタM1およびM2に置き換えたものである。すなわち、第1の実施の形態におけるダイオードの代わりに、第1の電界効果トランジスタM1のゲートとドレインを差動増幅器A1の正相出力に接続し、ソースをピークホールド回路の出力に接続し、第2の電界効果トランジスタM2のゲートとドレインを差動増幅器A1の逆相出力に接続し、ソースをピークホールド回路の出力に接続したものである。その他の接続は第1の実施の形態に同じである。第2の実施の形態における電界効果トランジスタM1とM2はダイオードとして働き、電界効果トランジスタのしきい値がダイオードのしきい値と同じ役割をする。よって、定常状態における差動増幅器A1の出力のピーク値とピークホールド回路の出力との電位差は、電界効果トランジスタのしきい値に一致する。
【0020】
電界効果トランジスタM1とM2がダイオードとして働くということは、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同じ動作を行い、同じ効果が得られるということである。すなわち、第2の実施の形態によっても、差動増幅器の正相と逆相の両出力をピーク電位の検出・保持に利用することで、ピークホールド回路の出力電位が上昇する時間は短縮され、出力電位が降下する時間は一定に保たれる。また、電界効果トランジスタM1,M2のゲート幅を半分にして、差動増幅器A1の出力負荷を半減させることで、ピークホールド回路の出力電位が上昇する時間はそのままで、信号のビットレートを上げることができる。
【0021】
図3に、本発明における第3の実施の形態を示す。
第3の実施の形態も、第1の実施の形態におけるダイオードを電界効果トランジスタによるスイッチング素子に置き換えたものである。第1の実施の形態におけるダイオードの代わりに、第1の電界効果トランジスタM3のゲートを差動増幅器A1の正相出力に、ドレインを高電位電源に、ソースをピークホールド回路の出力に接続し、第2の電界効果トランジスタM4のゲートを差動増幅器A1の逆相出力に、ドレインを高電位電源に、ソースをピークホールド回路の出力に接続する。その他の接続は、第1の実施の形態に同じである。第3の実施の形態における電界効果トランジスタM3とM4の接続は、いわゆる、ソースフォロワであるが、本実施の形態においても、定常状態における差動増幅器A1の出力のピーク値とピークホールド回路の出力の電位差は、第2の実施の形態と同じく電界効果トランジスタのしきい値に一致し、電界効果トランジスタM3とM4の動作はダイオードとみなすことができる。
【0022】
よって、第3の実施の形態も、第1、第2の実施の形態と同じ動作を行い、同じ効果が得られる。以上、第1から第3の実施の形態について説明したが、第2、第3の実施の形態の電界効果トランジスタをバイポーラトランジスタに置き換えても、同じ効果が得られるのは明らかである。その際は、電界効果トランジスタのドレイン、ゲート、ソースを、それぞれ、バイポーラトランジスタのコレクタ、ベース、エミッタに置き換えればよい。バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧が、ダイオードのしきい値と同じ役割を果たす。さらに、第2、第3の実施の形態における電界効果トランジスタの置き換えは、バイポーラトランジスタに限ったものではなく、ダイオードのごとく整流特性を示すものであれば適用が可能であるのは明らかである。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるピークホールド回路によれば、差動増幅器の正相側出力と逆相側出力の両方の出力をピーク電位の検出・保持に利用しているので、入力信号の振幅値が増大したときの出力電位の上昇時間を「従来の技術」に比べて短縮することができる。差動増幅器の出力負荷は従来の技術と変わらないので、差動増幅器の出力波形が劣化して検出されたピーク電位が変わるというようなことはなく、また、入力信号の振幅値が減少したときの出力電位の降下時間も変わることはない。
さらに、別の効果として、ダイオードあるいはトランジスタの大きさを「従来の技術」に比べて1/2倍にすることで、差動増幅器の出力負荷を半減させ、入力信号の振幅値が増大したときの出力電位の上昇時間を従来と同じにしたまま、より高いビットレートの信号に対応することが可能になる。この場合も、入力信号の振幅値が減少したときの出力電位の降下時間は変わることはない。
本発明にかかるピークホールド回路を信号断検出回路に適用すれば、信号断アラームが解除されるまでの時間を短縮して、データの無駄な廃棄を減らすことができるという効果、もしくは、より高いビットレートの信号に対応することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態によるピークホールド回路の回路図。
【図2】本発明における第2の実施の形態によるピークホールド回路の回路図。
【図3】本発明による第3の実施の形態によるピークホールド回路を示す回路図。
【図4】従来のピークホールド回路を示す回路図。
【図5】光通信システムにおける受信装置の構成例を示す回路図。
【符号の説明】
A1:差動増幅器 D1,D2:ダイオード
M1,M2,M3,M4:電界効果トランジスタ
C1:コンデンサ R1:抵抗
100:ピークホールド回路 101:比較器
102:信号断検出回路 103:フォトダイオード
104:前置増幅器 105:後置増幅器
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力信号の電圧ピーク値を保持する、ピークホールド回路に関するものであり、特に、光通信システムの受信装置における信号断検出回路に用いる、高速動作可能なピークホールド回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−368591号公報
【特許文献2】特開平10−267967号公報
図4に従来のピークホールド回路を示す。
従来のピークホールド回路は、差動増幅器A1、整流用のダイオードD1、電荷保持用のコンデンサC1、コンデンサC1に蓄積された電荷の放電用としての抵抗R1からなる。差動増幅器A1の差動出力の一方がダイオードD1のアノードに接続される。ダイオードD1のカソードはコンデンサC1の一方の電極に接続され、ピークホールド回路の出力となる。コンデンサC1の他方の電極は基準電位(例えば、グラウンド電位)に接続される。抵抗R1は一端がピークホールド回路の出力に、他端が上記と同じ基準電位にそれぞれ接続される。
【0003】
次に、従来のピークホールド回路の動作を説明する。
ピークホールド回路に入力した信号は差動増幅器A1の差動出力の一方から出力されてダイオードD1のアノードに入力される。その信号は、ダイオードD1で整流され、コンデンサC1に電荷として蓄積かつ保持される。その結果、ダイオードD1のカソード電位、すなわち、ピークホールド回路の出力電位は、ダイオードD1のアノードに入力された信号のピーク電位からダイオードDlのしきい値電圧を差し引いた値に上がっていく。その蓄積時の時定数は、差動増幅器A1の出力インピーダンスは無視できるとすると、ダイオードD1の導通時における抵抗値と、コンデンサC1の容量値と、入力信号のマーク率の逆数との積から決まる。抵抗R1の抵抗値は、ダイオードD1の抵抗に比べて十分に大きく設定され、ダイオードD1が導通状態となってコンデンサC1に電荷が蓄積されている状態のときは、抵抗R1の効果はほとんど無視でき、ダイオードD1に流れる電流がそのままコンデンサC1の充電電流となるものとみなすことが出来る。
【0004】
ピークホールド回路への入力信号の振幅が小さくなり、ダイオードD1のアノードに入力される信号のピーク電位が、ダイオードD1のカソードの電位にダイオードD1のしきい値を加えた電位より低くなると、ダイオードD1は常時遮断状態になるので、ダイオードD1からコンデンサC1への電流供給はなくなる。よって、コンデンサC1に蓄積された電荷は抵抗R1を経由して放電され、ダイオードD1のカソード電位、すなわち、ピークホールド回路の出力電位は、ダイオードD1のアノードに入力された新たな信号のピーク電位からダイオードD1のしきい値を引いた値にまで放電により下がっていく。その放電時の時定数は、コンデンサC1の容量値と抵抗R1の抵抗値との積で決まる。この時定数は、入力信号において規定される同符号連続時間より長く設定しておく必要がある。
【0005】
以上説明したように、ピークホールド回路への入力信号の振幅が大きくなると、ピークホールド回路の出力電位はダイオードD1の導通時の抵抗値とコンデンサC1の容量値と信号のマーク率の逆数とから決まる時定数で上昇し、逆に、ピークホールド回路への入力信号の振幅が小さくなると、ピークホールド回路の出力電位は抵抗R1の抵抗値とコンデンサC1の容量値とから決まる時定数で降下する。いずれの場合でも、ピークホールド回路の出力電位はダイオードD1のアノード電位からダイオードD1のしきい値を引いた値に達したところでその値が保持される。
図4の従来のピークホールド回路に示したように、増幅器の一方の出力のみを利用してピーク電位を検出・保持する回路としては、上記「特許文献1」や「特許文献2」に例が示されている。ピークホールド回路の重要な応用として、光通信システムの受信装置における信号断検出回路が挙げられる。構成例を図5に示す。フォトダイオード103によって受信された光信号が電流信号に変換され、その電流信号が前置増幅器104によって電圧信号に変換される。後置増幅器105では、前置増幅器104の出力信号を増幅し、信号断検出回路102に信号を送る。この信号はクロック抽出系にも送られるがここでは省略した。信号断検出回路102では、入力信号のピーク電位をピークホールド回路100によって検出・保持し、保持されたピーク電位を比較器101で信号断検出のしきい値VTHと比較し、その比較結果がアラーム出力に出力される。通信路に障害等があり入力信号断が発生した場合は、ピークホールド回路100の出力電位がVTHより小さくなり、信号断アラームが発出される。入力信号があり、ピークホールド回路100の出力電位がVTHより大きくなると、信号断アラームが解除される。
一般に、通信路の障害などが起きて信号断となってから信号断アラームの発出までは、ある程度の時間をかけることが望ましい。これは、通信路に障害がなくても通信路上のスイッチの切替などで、瞬断が起きたように見える場合もあるからである。少なくとも、信号の同符号連続時間以上の時間はかける必要がある。
これに対し、通信路が障害から復旧して信号断アラームを解除する際は、できるだけ早いアラーム解除が望ましい。なぜなら、信号断アラームが解除される前の受信したデータは廃棄され、無駄になってしまうからである。よって、アラーム解除時に信号断検出回路102が高速に応答すること、すなわち、入力信号の振幅が大きくなったときのピークホールド回路における出力電位の上昇が高速に行われることが望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示す従来のピークホールド回路では、入力信号の振幅が大きくなってピークホールド回路の出力電位が上昇するときの時定数は、前述のようにダイオードD1の導通状態での抵抗値とコンデンサC1の容量値と信号のマーク率の逆数との積で決まってくる。この時定数を小さくしてピークホールド回路の出力電位の上昇を高速に行うことが望ましいことは前述したとおりである。そのためには、ダイオードD1の抵抗値を小さくするか、コンデンサC1の容量値を小さくするか、もしくは、信号のマーク率を大きくするかの、何れかの方法がある。まず、コンデンサC1の容量値を小さくすると、信号断が起きてピークホールド回路の出力がコンデンサC1の放電によるときの時定数も小さくなってしまい、かつ、出力と基準電位の容量カップリングによる出力電位の安定性も損なわれるので、コンデンサC1の容量値はあまり小さくできない。次に、ダイオードD1の抵抗値を小さくすることを考えると、この抵抗値を小さくするには、ダイオードを大きくする、すなわち、ダイオードの接合面積を大きくすればよい。しかしながら、ダイオードD1を大きくすると、差動増幅器A1の容量性負荷が増えてしまうという間題点がある。そのため、差動増幅器A1の出力、すなわち、ダイオードD1への入力の立ち上がり時間と立ち下がり時間が劣化し、波形がつぶれ、ピーク電位が本来の値より小さくなってしまう恐れがある。
最後に、信号のマーク率であるが、これは信号伝送に用いるプロトコルにより決定されるもので、一般的には1/2であり、回路設計側で勝手に大きくしたり小さくしたりできる性質のものではない。いずれにせよ、このように、従来のピークホールド回路では、出力電位上昇に対しての更なる高速化は困難である。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、増幅器出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間の劣化無しに、入力振幅値が増大したときのピーク電位の検出速度を高速化する回路の提供を目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の最も主要な特徴とするところは、差動増幅器の正相出力と逆相出力の両差動出力を共に利用してピーク電位の検出・保持を行うところにある。このため、
請求項1においては、差動出力を有する入力増幅器と、この入力増幅器の正逆両相出力側にそれぞれ第1および第2の整流特性を有する素子が接続され、これら整流特性を有する素子の出力側は一個のコンデンサの一方の電極に接続され、このコンデンサの他方の電極は基準電位に接続されており、かつ、このコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0008】
請求項2においては、前記の差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のダイオードのアノードが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のダイオードのアノードが接続され、前記第1のダイオードのカソードと前記第2のダイオードのカソードが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0009】
請求項3においては、前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1の電界効果トランジスタのドレインとゲートが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2の電界効果トランジスタのドレインとゲートが接続され、前記第1の電界効果トランジスタのソースと前記第2の電界効果トランジスタのソースが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0010】
請求項4においては、前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1の電界効果トランジスタのゲートが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2の電界効果トランジスタのゲートが接続され、前記第1の電界効果トランジスタのドレインと前記第2の電界効果トランジスタのドレインが、共に高電位電源に接続され、前記第1の電界効果トランジスタのソースと前記第2の電界効果トランジスタのソースが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0011】
請求項5においては、前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のバイポーラトランジスタのコレクタとベースが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のバイポーラトランジスタのコレクタとベースが接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのエミッタと前記第2のバイポーラトランジスタのエミッタが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0012】
請求項6においては、前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のバイポーラトランジスタのベースが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のバイポーラトランジスタのベースが接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのコレクタと前記第2のバイポーラトランジスタのコレクタが、共に高電位電源に接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのエミッタと前記第2のバイポーラトランジスタのエミッタが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつこのコンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有している構成について規定している。
【0013】
請求項7においては、前記電荷放電手段として、一端が前記コンデンサの一方の電極に、他端が前記コンデンサの他方の電極に接続された抵抗を具備することを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載されている回路構成について規定している。
【0014】
【作用】
本発明にかかるピークホールド回路は、差動増幅器の正相出力と逆相出力の両方の出力電位のピーク値を、ダイオードあるいはトランジスタを介して、1個のコンデンサに蓄積する。すなわち、差動増幅器の正逆両相の出力をピーク電位の検出・保持に利用している。よって、コンデンサC1には、入力信号が全波整流されて電荷が蓄積されることになる。これは、入力信号振幅が大きくなってピークホールド回路の出力電位が上昇するときの時定数を決める3つの要素(ダイオード或いはトランジスタの抵抗値、コンデンサの容量値、信号のマークとスペースの比で与えられるマーク率)のうち、信号のマーク率が従来の1/2から1になったことと同じである。これにより、時定数が従来の技術に比べて半減することが出来、ピークホールド回路の出力電位の上昇速度が2倍に高速化される。
一方、差動増幅器の出力負荷は、逆相出力にも負荷が付くことで増えたように見える。しかし、正相出力のみの負荷は従来の技術でも本発明でも変わらないので、正相出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間は従来の技術と本発明で同じになり、かつ、本発明では正相出力と逆相出力の負荷が同じコンデンサなので、両出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間は同じになり、結果として、本発明における差動増幅器の両出力の立ち上がり時間と立ち下がり時間は、従来の技術における正相出力のそれと同じになる。すなわち、立ち上がり時間と立ち下がり時間に劣化は無い。
以上により、本発明の目的である、入力振幅値が増大したときのピーク電位の検出速度を高速化する回路の提供を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に本発明における第1の実施の形態を示す。
本第1の実施の形態は、差動増幅器A1、整流用の第1のダイオードD1、第2のダイオードD2、電荷保持用のコンデンサC1、放電用の抵抗R1からなっている。ピークホールド回路への入力は差動増幅器A1に入力され、差動増幅器A1の正相側出力と逆相側出力はそれぞれ第1のダイオードD1のアノードと第2のダイオードD2のアノードに接続される。第1のダイオードD1のカソードと第2のダイオードD2のカソードは、ともに、同じコンデンサC1の一端と抵抗R1の一端に接続され、かつ、ピークホールド回路の出力となる。コンデンサC1の他端と抵抗R1の他端は基準電位(例えばグラウンド電位)に接続される。 まず、ピークホールド回路への入力信号振幅が大きくなったときの動作を説明する。
入力信号が差動増幅器A1で増幅される。増幅された差動増幅器A1の正相と逆相の両出力はダイオードD1とD2で整流され、これによりコンデンサC1に電荷が蓄積・保持される。そして、ピークホールド回路の出力電位は、ダイオードD1、D2のアノード電位のピーク値からダイオードのしきい値を引いた値にまで上昇する。この出力電位が上昇するときの時定数τは、ダイオードD1、D2の導通時の抵抗値r1およびr2とコンデンサC1の容量値cの積で決まる。すなわち
τp=r1・c または τn=r2・c (1)
で与えられる。図4に示した従来の技術の例では、これに、信号のマーク率の逆数m(一般的には1/2の逆数=2)がかかってくるため、
τp=r1・c・m または τn=r2・c・m (2)
で表される。本発明においては、正相逆相の両出力を利用してコンデンサC1に電荷を蓄積しているため、全波整流と同じになり、上記式(2)においてマーク率mは1(m=1)となる。よって、ダイオードの抵抗値とコンデンサC1の容量値が本発明と図4に示した従来の技術とで同じであっても、出力電位上昇時の時定数は、式(1)と同じとなり、従来の技術に比べて1/2倍とすることができ、2倍の高速化が達成できる。なお、抵抗R1の抵抗値は、ダイオードD1、D2が導通状態のときの抵抗値に比べて十分大きく設定されるので、出力電位上昇時には抵抗R1の効果はほとんど無視できる。
【0016】
次に、ピークホールド回路への入力信号振幅が小さくなったときの動作を説明する。
差動増幅器A1の出力、すなわち、ダイオードD1とD2のアノードの信号のピーク電位が、ピークホールド回路の出力電位にダイオードのしきい値を加えた値より小さくなると、ダイオードD1とD2は常時遮断状態になるので、ダイオードD1、D2からコンデンサC1への電流供給はなくなる。よって、コンデンサC1に蓄積された電荷は、抵抗R1を経由して放電される。そして、ダイオードD1、D2のアノードの信号の新たなピーク電位からダイオードのしきい値を引いた値に、ピークホールド回路の出力電位は降下する。この出力電位降下時の時定数は、コンデンサC1の容量値と抵抗R1の抵抗値の積によって決まる。したがって、この時定数は、図4に示す従来の技術に同じである。
【0017】
なお、この時定数は、「従来の技術」の項で述べたのと同様に、入力信号において規定される同符号連統時間より長く設定する必要がある。
また、差動増幅器A1の負荷は、ダイオードの大きさが「従来の技術」と同じであれば、本発明と「従来の技術」の場合とで変わりはない。よって、差動増幅器の出力、すなわち、ダイオードD1、D2ヘの入力信号の波形劣化はないので、検出されるピーク電位が波形劣化によって本来の値より小さくなってしまうと言うことはない。
以上、本発明における第1の実施の形態における動作について説明した。第1の実施の形態によれば、入力信号の振幅値が大きくなって出力電位が上昇するときは、従来の技術に比べて出力電位上昇の時定数が1/2倍となって2倍の高速化が可能となる。一方、入力信号の振幅値が小さくなって出力電位が降下するときは、「従来の技術」の項で述べたものと同じ降下速度が保たれる。また、ダイオードヘの入力信号波形が従来の技術に比べて劣化することもないので、検出されるピーク電位が本来の値より小さくなることもない。
【0018】
第1の実施の形態に係るピークホールド回路を図5に示す信号断検出回路に適用すれば、通信路が障害から復旧し、入力信号が復活してから信号断アラームが解除されるまでの時間は、ピークホールド回路の出力電位上昇時間の高速化によって短縮されるので、通信路が復旧するまで無駄に廃棄されてしまうデータを減らすことができる。一方、通信路に障害が起きて入力信号が遮断されてから信号断アラームが発出されるまでの時間は「従来の技術」の場合と同じに保たれる。ここまでは、ピークホールド回路の入力信号の振幅値が大きくなるときに、出力電位の上昇速度が高速化される効果を述べてきた。次は、ピークホールド回路の出力電位上昇時間は「従来の技術」の場合と変わらないが、入力信号のビットレートを上げられるという効果について説明する。
これまでの説明では、ダイオードD1、D2の導通時の抵抗値、すなわち、大きさを「従来の技術」の場合と本発明における第1の実施の形態とで同じとしてきた。ここで、ダイオードの大きさを「従来の技術」の場合に比べて1/2倍にする、すなわち、ダイオードの抵抗値を2倍にしてみる。すると、第1の実施の形態におけるピークホールド回路の出力電位上昇の時定数は、コンデンサC1の容量は変わらず、ダイオードD1、D2の抵抗値は2倍になり、マーク率の逆数は1/2倍になるので、結局、全体として前述の「従来の技術」の場合と同じになる。その一方で、ダイオードの大きさが1/2倍になることによって、差動増幅器A1の出力負荷も1/2倍になる。よって、信号のビットレートを上げても差動増幅器A1の出力波形の劣化は起こらない。このように、信号のビットレートを上げることができるのである。
【0019】
図2に本発明による第2の実施の形態における回路を示す。
図2に示した第2の実施の形態は、第1の実施の形態におけるダイオードを、ドレインとゲートを結線しダイオード接続とした電界効果トランジスタM1およびM2に置き換えたものである。すなわち、第1の実施の形態におけるダイオードの代わりに、第1の電界効果トランジスタM1のゲートとドレインを差動増幅器A1の正相出力に接続し、ソースをピークホールド回路の出力に接続し、第2の電界効果トランジスタM2のゲートとドレインを差動増幅器A1の逆相出力に接続し、ソースをピークホールド回路の出力に接続したものである。その他の接続は第1の実施の形態に同じである。第2の実施の形態における電界効果トランジスタM1とM2はダイオードとして働き、電界効果トランジスタのしきい値がダイオードのしきい値と同じ役割をする。よって、定常状態における差動増幅器A1の出力のピーク値とピークホールド回路の出力との電位差は、電界効果トランジスタのしきい値に一致する。
【0020】
電界効果トランジスタM1とM2がダイオードとして働くということは、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同じ動作を行い、同じ効果が得られるということである。すなわち、第2の実施の形態によっても、差動増幅器の正相と逆相の両出力をピーク電位の検出・保持に利用することで、ピークホールド回路の出力電位が上昇する時間は短縮され、出力電位が降下する時間は一定に保たれる。また、電界効果トランジスタM1,M2のゲート幅を半分にして、差動増幅器A1の出力負荷を半減させることで、ピークホールド回路の出力電位が上昇する時間はそのままで、信号のビットレートを上げることができる。
【0021】
図3に、本発明における第3の実施の形態を示す。
第3の実施の形態も、第1の実施の形態におけるダイオードを電界効果トランジスタによるスイッチング素子に置き換えたものである。第1の実施の形態におけるダイオードの代わりに、第1の電界効果トランジスタM3のゲートを差動増幅器A1の正相出力に、ドレインを高電位電源に、ソースをピークホールド回路の出力に接続し、第2の電界効果トランジスタM4のゲートを差動増幅器A1の逆相出力に、ドレインを高電位電源に、ソースをピークホールド回路の出力に接続する。その他の接続は、第1の実施の形態に同じである。第3の実施の形態における電界効果トランジスタM3とM4の接続は、いわゆる、ソースフォロワであるが、本実施の形態においても、定常状態における差動増幅器A1の出力のピーク値とピークホールド回路の出力の電位差は、第2の実施の形態と同じく電界効果トランジスタのしきい値に一致し、電界効果トランジスタM3とM4の動作はダイオードとみなすことができる。
【0022】
よって、第3の実施の形態も、第1、第2の実施の形態と同じ動作を行い、同じ効果が得られる。以上、第1から第3の実施の形態について説明したが、第2、第3の実施の形態の電界効果トランジスタをバイポーラトランジスタに置き換えても、同じ効果が得られるのは明らかである。その際は、電界効果トランジスタのドレイン、ゲート、ソースを、それぞれ、バイポーラトランジスタのコレクタ、ベース、エミッタに置き換えればよい。バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧が、ダイオードのしきい値と同じ役割を果たす。さらに、第2、第3の実施の形態における電界効果トランジスタの置き換えは、バイポーラトランジスタに限ったものではなく、ダイオードのごとく整流特性を示すものであれば適用が可能であるのは明らかである。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるピークホールド回路によれば、差動増幅器の正相側出力と逆相側出力の両方の出力をピーク電位の検出・保持に利用しているので、入力信号の振幅値が増大したときの出力電位の上昇時間を「従来の技術」に比べて短縮することができる。差動増幅器の出力負荷は従来の技術と変わらないので、差動増幅器の出力波形が劣化して検出されたピーク電位が変わるというようなことはなく、また、入力信号の振幅値が減少したときの出力電位の降下時間も変わることはない。
さらに、別の効果として、ダイオードあるいはトランジスタの大きさを「従来の技術」に比べて1/2倍にすることで、差動増幅器の出力負荷を半減させ、入力信号の振幅値が増大したときの出力電位の上昇時間を従来と同じにしたまま、より高いビットレートの信号に対応することが可能になる。この場合も、入力信号の振幅値が減少したときの出力電位の降下時間は変わることはない。
本発明にかかるピークホールド回路を信号断検出回路に適用すれば、信号断アラームが解除されるまでの時間を短縮して、データの無駄な廃棄を減らすことができるという効果、もしくは、より高いビットレートの信号に対応することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態によるピークホールド回路の回路図。
【図2】本発明における第2の実施の形態によるピークホールド回路の回路図。
【図3】本発明による第3の実施の形態によるピークホールド回路を示す回路図。
【図4】従来のピークホールド回路を示す回路図。
【図5】光通信システムにおける受信装置の構成例を示す回路図。
【符号の説明】
A1:差動増幅器 D1,D2:ダイオード
M1,M2,M3,M4:電界効果トランジスタ
C1:コンデンサ R1:抵抗
100:ピークホールド回路 101:比較器
102:信号断検出回路 103:フォトダイオード
104:前置増幅器 105:後置増幅器
Claims (7)
- 差動出力を有する入力増幅器と、該入力増幅器の正逆両相出力側にそれぞれ第1および第2の整流特性を有する素子が接続され、該第1および第2の整流特性を有する素子の出力側は同じコンデンサの一方の電極に接続され、該コンデンサの他方の電極は基準電位に接続されており、かつ、該コンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有していることを特徴とするピークホールド回路。
- 前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のダイオードのアノードが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のダイオードのアノードが接続され、前記第1および第2のダイオードの各カソードが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつ前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有していることを特徴とする請求項1に記載のピークホールド回路。
- 前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1の電界効果トランジスタのドレインとゲートが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2の電界効果トランジスタのドレインとゲートが接続され、前記第1の電界効果トランジスタのソースと前記第2の電界効果トランジスタのソースが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつ前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有することを特徴とする請求項1に記載のピークホールド回路。
- 前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1の電界効果トランジスタのゲートが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2の電界効果トランジスタのゲートが接続され、前記第1の電界効果トランジスタのドレインと前記第2の電界効果トランジスタのドレインが、共に高電位電源に接続され、前記第1の電界効果トランジスタのソースと前記第2の電界効果トランジスタのソースが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつ前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有することを特徴とする請求項1に記載のピークホールド回路。
- 前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のバイポーラトランジスタのコレクタとベースが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のバイポーラトランジスタのコレクタとベースが接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのエミッタと前記第2のバイポーラトランジスタのエミッタが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつ前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有することを特徴とする請求項1に記載のピークホールド回路。
- 前記差動出力をもつ増幅器の、正相側出力に前記第1の整流特性を有する素子として第1のバイポーラトランジスタのベースが接続され、逆相側出力に前記第2の整流特性を有する素子として第2のバイポーラトランジスタのベースが接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのコレクタと前記第2のバイポーラトランジスタのコレクタが、共に、高電位電源に接続され、前記第1のバイポーラトランジスタのエミッタと前記第2のバイポーラトランジスタのエミッタが、共に前記コンデンサの一方の電極に接続されており、かつ前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する電荷放電手段を有するたことを特徴とする請求項1に記載のピークホールド回路。
- 前記電荷放電手段として、一端が前記コンデンサの一方の電極に、他端が前記コンデンサの他方の電極に接続された抵抗を具備することを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のピークホールド回路。
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JP2012114684A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Mitsubishi Electric Corp | ピークホールド回路及びボトムホールド回路 |
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2003
- 2003-04-21 JP JP2003115266A patent/JP2004317456A/ja active Pending
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