JP2004317297A - 染色剤及び当該染色剤を用いた染色方法 - Google Patents

染色剤及び当該染色剤を用いた染色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光色素を利用した染色剤であり、該染色剤を利用したタンパク質の高速検出方法を提供する。
【解決手段】蛍光色素もしくはその誘導体を少なくとも1種類含有してなることを特徴とする染色剤。また、上記染色剤を用いた染色方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気泳動におけるタンパク質の検出に用いる、蛍光色素もしくはその誘導体を含む染色剤及び該染色剤を用いたタンパク質の検出方法に関する。また、本発明は、生物試料、例えば、細菌、酵母、かび、藻類、原生動物等の微生物、動植物の細胞、組織、及び染色体の染色方法及び観察法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タンパク質の電気泳動後の担体上での検出及び定量は色素染色法がよく用いられる。
【特許文献1】
特開平5年−157733号公報
【特許文献2】
特開2003−29304号公報
色素染色法ではそれぞれの公報に示されている様なCoomassie Brilliant Blue(CBB)という色素を用いた方法が最も主流であり、CBBとタンパク質との分子間相互作用によりタンパク質にCBBを付着させ、可視化するという染色法である。電気泳動終了後、ゲル中に染色剤等の試薬を浸透・透析させることにより検出を行う。比較的簡便であり、高い再現性を持つが、最大検出感度は約100ngであり微量なタンパク質の検出・定量には不向きである。また染色・固定・脱色行程はすべてゲルを介しており、染色剤等の試薬の浸透・透析が必要であるため、根本的にこの染色法は時間がかかり、通常2〜16時間を要する。さらに、染色時間・試薬濃度の設定条件等によりバックグラウンドが高くなってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような現状に鑑み、蛍光色素を利用した染色剤であり、バックグラウンドの染色が少ない染色剤を提供するとともに、該染色剤を利用したタンパク質の高速検出方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、従来はアミンをラベル化する色素である7−chloro−4−nitrobenzo−2−oxa−1,3−diazole(NBD−Cl)が、安定性、染色性に優れ、タンパク質の染色成分として非常に優れた性質を有すること、並びに当該色素が無蛍光性であり、アミノ基との反応後に蛍光を発する性質の利用を考案し、これらの知見により本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明の第一は、蛍光色素もしくはその誘導体を有効成分として含有することを特徴とする染色剤である。本発明の第二は、蛍光色素もしくはその誘導体により染色することを特徴とする高速染色方法である。
【発明の実施の形態】
【0006】
以下、上記発明を各発明ごとに説明する。
(1)染色剤 本発明の染色剤は、蛍光色素もしくはその誘導体(以下、単に「蛍光色素等」という)を有効成分として少なくとも1種類含有する。ここで用いられる蛍光色素にはNBD−ClやDansyl Chloride に代表されるアミン標識用プローブや、Dansylamidoethyl Methanethiosulfonateに代表されるチオール標識用プローブ、4−Bromomethyl−7−Methoxycoumarinに代表されるカルボン酸標識用プローブなどを例示することができ、これらの中でもNBD−Clが好ましい。また、ここで用いられる蛍光色素等は、ラベル化反応後に蛍光を持つものであれば特に限定されないが、電気泳動後の検出を考慮し、励起波長と蛍光波長の差が大きく、励起波長に紫外線を使用しないものが好ましい。さらに、蛍光色素等を数種類含有する染色剤を用いてもよい。
【0007】
本発明の染色剤は、水溶液やアルコールなどに溶解させて使用する。ここで用いる水溶液としては、蒸留水、トリス緩衝液等を例示することができ、これらの溶液のpHは染色剤に含まれる蛍光色素等により異なるが、プローブ化反応に最適なpHであれば良い。アルコールとしてはメタノール、エタノール等を例示することができ、アルコール濃度は電気泳動に影響を与えない濃度であれば良いが、40重量%以下であることが好ましい。また、溶液中のイオン強度は染色剤の反応性に影響を与える為、なるべく低い物が望ましい。以上の条件を考慮し、メタノール33重量%の水溶液が一般的な使用には好ましい。水溶液中に溶解させる蛍光色素等の量は、染めようとするサンプルの分子量や濃度、染色時間、蛍光強度などに応じて決めればよいが、水溶液中の蛍光色素等の濃度が0.001〜1.0重量%程度になるようにするのが好ましい。
0.001重量%以下だと、反応性の点で好ましくなく、また1.0 重量%以上だと蛍光色素の溶解性の点で好ましくない。しかしながら、蛍光強度の高い蛍光色素等はこの限りではない。
本発明の染色剤は、例えば、タンパク質のポリアクリルアミドゲル電気泳動前の染色に使用することができる。 染色時間は、染めようとするタンパク質の分子量や濃度、染色剤に含まれる蛍光色素等の蛍光強度などに応じて決めればよいが、通常は、5分〜15分程度とするのが好ましい。通常用いられているCBBによる染色では、30分〜120分の染色が必要であり、これに比べて格段に染色時間が短縮された。また、電気泳動前に染色を行うため、電気泳動後の脱色操作が不必要となり、染色・脱色操作にかかる時間が大幅に短縮された。また、本染色剤は蛋白質だけでなく核酸の染色にも使用することが出来る。
【0008】
(2)染色方法 本発明の染色方法は、蛍光色素等を用いて染色する。ここで用いられる蛍光色素等は、「(1)染色剤」の欄で述べたものと同様のものが使用できる。具体的な染色方法としては、ポリアクリルアミドゲル電気泳動前の染色法を例示することができる。しかしながら、あらかじめゲルに含有させる場合や、電気泳動後に染色する場合もある。
【0009】ポリアクリルアミドゲル電気泳動前の染色法は、電気泳動前にタンパク質を染色剤と反応させることにより染色を行う方法である。反応時間は、染めようとするタンパク質の分子量や濃度、染色剤に含まれる蛍光色素等の反応性に応じて決めればよいが、通常は、5分〜15分程度が適当である。また、反応温度は染めようとするタンパク質の分子量や濃度、染色剤に含まれる蛍光色素等の反応性に応じて決めればよいが、通常は室温〜60℃が適当である。さらに、この染色時間は「(1)染色剤」の欄で述べた理由により、従来法より短縮されている。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0011】
〔実施例1〕蛋白質染色時の緩衝液の影響
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で5分間反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、3%アガロースゲル(TBS緩衝液100mL、SeakemGTGアガロース(BMA社)3g)を加熱溶解し、ゲルトレイに流し込んで平板としたものを用い、左からレーン1〜3までを使用した。電気泳動するサンプルは、ウシ血清アルブミン(BSA、SIGMA社)500ngを使用した。各レーンの染色用緩衝液は表1の通りである。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、100Vで約45分間電気泳動を行った。表1は、サンプルを染色する際に使用した緩衝液の組成を示す表である。
【表1】表 1
Figure 2004317297
【0012】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。
【0013】電気泳動像は図1の通りであった。図1からわかるように緩衝液の種類による差異はほとんど見られなかった。しかし、染色剤との反応性が最も低い炭酸緩衝液の使用が好ましいことが明らかとなった。
【0014】
〔実施例2〕蛋白質染色時の緩衝液濃度の影響
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの炭酸緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で5分間反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、3%アガロースゲル(TBS緩衝液100mL、SeakemGTGアガロース(BMA社)3g)を加熱溶解し、ゲルトレイに流し込んで平板としたものを用い、左からレーン1〜3までを使用した。電気泳動するサンプルは、ウシ血清アルブミン(BSA、SIGMA社)500ngを使用した。各レーンの染色用緩衝液の濃度は表2の通りである。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、100Vで約45分間電気泳動を行った。表2は、サンプルを染色する際に使用した緩衝液の濃度を示す表である。
【表2】表 2
Figure 2004317297
【0015】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。
【0016】電気泳動像は図2の通りであった。図2からわかるように緩衝液の濃度は10mMが最適であることが明らかとなった。
【0017】
〔実施例3〕蛋白質染色時の反応温度の影響
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で5分間反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、3%アガロースゲル(TBS緩衝液100mL、SeakemGTGアガロース(BMA社)3g)を加熱溶解し、ゲルトレイに流し込んで平板としたものを用い、左からレーン1〜3までを使用した。電気泳動するサンプルは、ウシ血清アルブミン(BSA、SIGMA社)500ngを使用した。各レーンの反応温度は表3の通りである。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、100Vで約45分間電気泳動を行った。表3は、サンプルを染色する際の反応温度を示す表である。
【表3】表 3
Figure 2004317297
【0018】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。 電気泳動像は図3の通りであった。図3からわかるように反応温度は60℃が最適であることが明らかとなった。
【0019】
〔実施例4〕蛋白質染色時の反応時間の影響
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、3%アガロースゲル(TBS緩衝液100mL、SeakemGTGアガロース(BMA社)3g)を加熱溶解し、ゲルトレイに流し込んで平板としたものを用い、左からレーン1〜5までを使用した。電気泳動するサンプルは、ウシ血清アルブミン(BSA、SIGMA社)500ngを使用した。各レーンの反応時間は表4の通りである。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、100Vで約45分間電気泳動を行った。表4は、サンプルを染色する際の反応時間を示す表である。
【表4】表 4
Figure 2004317297
【0020】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。
電気泳動像は図4の通りであった。図4からわかるように反応時間は5分〜15分がよく、その中でも10分間の反応が最適であることが明らかとなった。
【0021】
〔実施例5〕蛋白質染色時の塩濃度の影響
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で10分間反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、3%アガロースゲル(TBS緩衝液100mL、SeakemGTGアガロース(BMA社)3g)を加熱溶解し、ゲルトレイに流し込んで平板としたものを用い、左からレーン1〜8までを使用した。電気泳動するサンプルは、ウシ血清アルブミン(BSA、SIGMA社)500ngを使用し、ここに調べる塩溶液を所定の濃度加えた。各レーンの塩濃度は表5の通りである。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、100Vで約45分間電気泳動を行った。表5は、サンプルに加えた塩の種類と終濃度を示す表である。
【表5】表 5
Figure 2004317297
【0022】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。
【0023】電気泳動像は塩化ナトリウムの場合は図5の通りであった。また、塩化カルシウムの場合は図6の通りであった。図5、図6からわかるように塩化ナトリウムではほとんど影響は無いが、塩化カルシウムの場合は250mM以上の濃度では反応が阻害されることが明らかとなった。
【0024】
〔実施例6〕検出限界の測定
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で10分間反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、3%アガロースゲル(TBS緩衝液100mL、SeakemGTGアガロース(BMA社)3g)を加熱溶解し、ゲルトレイに流し込んで平板としたものを用い、左からレーン1〜8までを使用した。電気泳動するサンプルは、ウシ血清アルブミン(BSA、SIGMA社)を使用し、ここに調べる塩溶液を所定の濃度加えた。各レーンのBSA量は表6の通りである。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、100Vで約45分間電気泳動を行った。さらに、比較対照としてCBB染色を同時に行った。表6は、サンプルとして使用したBSAの量を示す表である。
【表6】表 6
Figure 2004317297
【0025】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。
【0026】電気泳動像はNBD−Cl染色の場合は図7の通りであった。また、CBB染色の場合は図8の通りであった。図7、図8からわかるように検出感度はCBB染色の場合とほぼ同等であることが明らかとなった。
【0027】
〔実施例7〕蛋白質の電気泳動
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で10分間反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、3%アガロースゲル(TBS緩衝液100mL、SeakemGTGアガロース(BMA社)3g)を加熱溶解し、ゲルトレイに流し込んで平板としたものを用い、左からレーン1〜6までを使用した。電気泳動するサンプルは、は表7の通りであり、各1μgを使用した。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、100Vで約45分間電気泳動を行った。表7は、サンプルとして使用した蛋白質の名称を示す表である。
【表7】表 7
Figure 2004317297
【0028】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。
【0029】電気泳動像は図9の通りであり、全ての蛋白質が検出された。
【0030】
〔実施例8〕ポリアクリルアミドゲル電気泳動への応用
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で10分間反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、10%ポリアクリルアミドゲルを用い、左からレーン1〜6までを使用した。電気泳動するサンプルは、は表8の通りであり、各2μgを使用した。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、20mAで約100分間電気泳動を行った。表8は、サンプルとして使用した蛋白質の名称を示す表である。
【0031】
【表8】表 8
Figure 2004317297
【0032】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。
【0033】電気泳動像は図10の通りであり、全ての蛋白質が検出された。この結果より、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にも応用可能であることが明らかとなった。
【0034】
〔実施例9〕染色阻害剤の検討
蛍光色素として、8.3mM NBD−Cl(Methanol 100mL、NBD−Cl (SIGMA社)0.166g)を利用した。染色時に、10mMの緩衝液(pH9.5):8.3mM NBD−Cl = 1:2 の割合で混合し、これを染色剤とした。サンプル:染色剤 = 1:2の割合で混合し、60℃で10分間反応させた。ここにSDS Sample Buffer(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH6.8) 0.125M、グリセロール20重量%、2−メルカプトエタノール10重量%、SDS 4重量%、ブロモフェノールブルー 0.002重量%を蒸留水1Lに溶解)を等量加え、100℃で5分間保温した。その後、アガロールゲル電気泳動を行った。電気泳動には、TBS緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン89mM、ホウ酸89mM、SDS 0.1重量%を蒸留水1Lに溶解)、3%アガロースゲル(TBS緩衝液100mL、SeakemGTGアガロース(BMA社)3g)を加熱溶解し、ゲルトレイに流し込んで平板としたものを用い、左からレーン1〜3までを使用した。電気泳動するサンプルは、BSA500ngであり、これに阻害剤を表9の量添加したものを使用した。また、電気泳動装置はMUPID−II(株式会社アドバンス製)を利用し、100Vで約45分間電気泳動を行った。表9は、使用した阻害剤の名称および終濃度を示す表である。
【表9】表 9
Figure 2004317297
【0035】検出にはブラックライト(ピーク波長360nm)による励起・蛍光の発色を利用し、撮影時に偏光フィルター(500nm以下の波長をカットするフィルター)を利用した。
電気泳動像は図11の通りであり、還元剤によって反応が阻害されることが明らかとなった。
【0036】
【発明の効果】
本発明の染色剤によって、従来用いられているCBB染色よりも、はるかに短時間で感度良く染色することが可能になった。また、電気泳動前に染色するため、脱色工程を省略することが可能になった。さらに、CBB染色では染色されない核酸を染色することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した蛋白質(BSA)の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図2】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した蛋白質(BSA)の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図3】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した蛋白質(BSA)の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図4】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した蛋白質(BSA)の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図5】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した蛋白質(BSA)の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図6】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した蛋白質(BSA)の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図7】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した蛋白質(BSA)の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図8】3%アガロースゲルを用いて、蛋白質(BSA)の電気泳動を行い、CBB染色を行った結果を示す図である。
【図9】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した表7に示した蛋白質の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図10】10%ポリアクリルアミドゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した表8に示した蛋白質の電気泳動を行った結果を示す図である。
【図11】3%アガロースゲルを用いて、NBD−Clを用いて染色した蛋白質(BSA)の電気泳動を行った結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 蛍光色素を有効成分として少なくとも1種類を含有してなることを特徴とする染色剤。
  2. アミノ基・カルボキシル基・スルホン基をラベル化することで蛍光を発する蛍光色素誘導体を有効成分として少なくとも1種類を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の染色剤。
  3. アミノ基・カルボキシル基・スルホン基をラベル化することで蛍光を発する蛍光色素及び蛍光色素誘導体の混合物を有効成分として含有してなることを特徴とする請求項1に記載の染色剤。
  4. 電気泳動を行う前に、試料に前記染色剤を添加することで、試料を着色する請求項1,2,3に記載の染色剤の使用方法。
  5. 前記塩基性色素が、NBD−Clである請求項1乃至4に記載の染色剤及び当該染色剤の使用方法。
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