JP2004317176A - 基板支持機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に形成されたバネ状端子と、他の基板に形成された端子との間で安定した電気的接続を得ることが可能な基板支持機構を提供する。
【解決手段】第1基板7は、円筒13及び弾性体15によって、方向Xへ可動なように支持される。第2基板5が下方へ押圧されると、第1基板7は、バネ状端子1の自由端1aの滑動力の反作用を受け、ガイド穴11を通過し、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させる。そして、第1基板7は、弾性体15の縮退量に応じて発生する力と滑動力が均衡する位置で保持される。第1基板7がX方向に押動されることで、滑動力が吸収されるため、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1基板7は、円筒13及び弾性体15によって、方向Xへ可動なように支持される。第2基板5が下方へ押圧されると、第1基板7は、バネ状端子1の自由端1aの滑動力の反作用を受け、ガイド穴11を通過し、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させる。そして、第1基板7は、弾性体15の縮退量に応じて発生する力と滑動力が均衡する位置で保持される。第1基板7がX方向に押動されることで、滑動力が吸収されるため、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の電気的な導通確認の際に用いられる基板支持機構に関し、特に、第1の基板に形成されたバネ状端子と、第2の基板に形成された端子とを接触させることにより、これら第1及び第2の基板の少なくとも一方の電気的な導通確認を行う際に用いられる基板支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の電子コンポーネント間で相互接続を行う際には、各電子コンポーネントが有する複数の端子(接触パッド、電極など)を相互に、又は他のプリント基板を介して電気的に接続する必要がある。典型的な例である電子回路基板や半導体素子は、測定用ソケットを介してテスト回路へ接続され電気的測定が行われる。
【0003】
電子回路基板や半導体素子を測定用ソケットに接続する方法として、半田付けなどでほぼ永久的に接続する方法と、目的とする測定が終了した後、速やかに電子回路基板や半導体素子を取り外せる方法とに分類できる。テスト回路での測定の場合や最終的な装置の組み立て前のテストをする場合には、測定後速やかに電子回路基板や半導体素子を取り外せる方法が好ましい。
【0004】
この取り外せる方法の一般的な例として、電子回路基板や半導体素子の端子を測定用ソケットの一部をなす弾力のあるソケット要素に受容させる方法がある。この場合、弾力のあるソケット要素が、電子回路基板や半導体素子とテスト基板との間で、安定した電気的接続をするために必要な最低限の接触力を印加することとなる。
【0005】
図5は、半導体素子の測定用ソケットの一実施例を示す(例えば、特許文献1参照)。測定用ソケットは、主に、位置決め部材60、導電性の触指52、配線基板56等から成り、これに半導体素子58が過重Fで押圧されることで半田バンプ50と触指52が電気的な接触をする。この導電性の触指が上述した「弾力のあるソケット要素」に相当し、半導体素子のテストが実行される。
【0006】
次に、図6は、一般的な電子回路基板の測定用ソケット及び電子回路基板を示す。2本の位置決めピン3の間に、第1基板7がガイド部12により嵌着又は固着されており、該基板7は第2基板5側の表面に複数(図では2本)の「くの字」形をしたバネ状端子1が備えている。バネ状端子1は、第1基板7側端側を1bで固着され、一方の端側は自由端1aとなっている。第2基板5は、上下方向に可動な形で位置決めピン3に刺着され、第1基板7に向かう面に電気的接続のための端子である導通パッド5aが備えられている。
【0007】
なお、第1基板7より下方は、第1基板7を中心に上方と対称な構造となっているため説明は省略する。
【0008】
図7は、図6の第1、第2基板の要部を示す。図7に示すように、第2基板5を下方に押圧すると、やがてバネ状端子1の自由端1aと第2基板5上の導通パッド5aが接触する。接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子1間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、バネ状端子1の自由端1aを方向Xとは逆方向へ滑動させようと作用する。一方で、接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には摩擦力が存在するため、摩擦力が滑動力に勝る間は、滑動力はそのまま第1基板7を方向Xへ移動させようとする反作用となる。
【0009】
繰り返しになるが本実施例では、2本の位置決めピン3の間に第1基板7が嵌着又は固着されていたため、第1基板7は左右に可動できなかった。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−108989号公報(図6)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、バネ状端子1の自由端1aを方向Xとは逆方向へ滑動させようと作用する力は、第1基板7を方向Xへ押す圧力となるが、上述の通り、第1基板7が左右方向に可動できないため、バネ状端子1の変形及び導通パッド5a上でバネ状端子1の自由端1aを滑動させようと働く。
【0012】
図8は、第2基板5を十分に押圧した状態を示す。図8の実施例では、第1、第2基板間で十分な電気的接続を得るため、言い換えると、バネ状端子1と第2基板5の間で安定した電気的接続を得るために荷重Fを大きくすると、前記滑動力が大きくなる。このため、図8に示すように、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされないという問題があった。なお、導通パッド5aの面積を大きくすることも考えられるが、電子回路基板の端子である導通パッド5aを大きくすることは電子基板回路の実装密度の面から得策ではない。
【0013】
また、バネ状端子1と第2基板5の間で安定した電気的接続を得るために必要な荷重は、バネ状端子1の自由端1aや導通パッド5aの形状で異なるため、必要とされる前記第2基板5の下方への変位量が規定できず、その結果、バネ状端子1と導通パッド5aの相対的な位置を精度よく決定できなかった。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、基板に形成されたバネ状端子と、他の基板に形成された端子との間で安定した電気的接続を得ることが可能な基板支持機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は請求項1に記載されるように、第1の基板に形成されたバネ状端子と、第2の基板に形成された端子とを接触させることにより、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の電気的な導通確認を行う際に用いられる、前記第1及び第2の基板を支持する基板支持機構において、前記第1の基板を水平方向に移動可能に支持する第1の支持部と、前記第2の基板を垂直方向に移動可能に支持する第2の支持部とを備える。
【0016】
また、本発明は請求項2に記載されるように、請求項1記載の基板支持機構において前記バネ状端子を「くの字」形にし、第1の基板を復元力のある構造で水平方向に移動可能に支持する。
【0017】
また、本発明は請求項3に記載されるように、請求項1又は2に記載の基板支持機構において、前記第1の支持部は、前記第2の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第1の基板が前記第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向とは逆方向へ移動可能なように支持する。
【0018】
また、本発明は請求項4に記載されるように、請求項1乃至3何れかに記載の基板支持機構において、前記第2の支持部は、更に、前記第2の基板を水平方向に移動可能に支持する。
【0019】
また、本発明は請求項5に記載されるように、請求項4記載の基板支持機構において、前記バネ状端子を「くの字」形にし、第1及び第2の基板を復元力のある構造で水平方向に移動可能に支持する。
【0020】
また、本発明は請求項6に記載されるように、請求項4又は5に記載の基板支持機構において、前記第2の支持部は、前記第2の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第2の基板が、該第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持する。
【0021】
また、本発明は請求項7に記載されるように、第1の基板の一方の面に形成されたバネ状端子と、第2の基板に形成された端子とを接触させるとともに、前記第1の基板の他方の面に形成されたバネ状端子と、前記第3の基板に形成された端子とを接触させることにより、前記第1、第2及び第3の基板の少なくとも何れか1つの電気的な導通確認を行う際に用いられる、前記第1、第2及び第3の基板を支持する基板支持機構において、前記第1の基板を支持する第1の支持部と、前記第2の基板を水平方向に移動可能に支持する第2の支持部と、前記第3の基板を水平方向に移動可能に支持する第3の支持部とを備える。
【0022】
また、本発明は請求項8に記載されるように、請求項7記載の基板支持機構において、前記バネ状端子を「くの字」形にし、第1及び第3の基板を復元力のある構造で水平方向に移動可能に支持する。
【0023】
また、本発明は請求項9に記載されるように、請求項7又は8に記載の基板支持機構において、前記第2の支持部は、前記第2の基板が、該第2の基板の方向へ移動した際に、前記第1の基板が前記第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持し、前記第3の支持部は、前記第3の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第3の基板が、該第3の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持する。
【0024】
また、本発明は請求項10に記載されるように、請求項9に記載の基板支持機構において、前記第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向と、前記第3の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向とが互いに逆方向である。
【0025】
本発明によれば、第1の基板に形成されたバネ状端子と、第2の基板や第3の基板に形成された端子との間で安定した電気的接続を得るために、第2の基板や第3の基板を第1の基板へ近付けた際に、第1の基板は、バネ状端子の自由端が滑動する方向とは逆方向へ移動し、第2の基板や第3の基板は、バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動することができるため、バネ状端子の自由端が端子から外れることが防止される。
【0026】
また、複雑な要因で定まるバネ状端子の自由端の滑動力に対応した反作用として第1の基板が移動するため、第1の基板と第2の基板や第3の基板との相対的位置を制御することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例〕
図1は、本発明の第1実施例の形態として、基板支持機構を含む基板接続構造を示す。なお図1において、図6と対応する部分については同一の符号を付しその説明は省略する。
【0028】
本実施例の電子回路基板の基板接続構造は、第1基板の支持部4に相当する位置決めピン3の縦方向略中央に、ガイド穴11、円筒13、弾性体15を有する点で、図6と相違している。本実施例では、第1基板7がガイド穴11とガイド部12で保持されており、方向Xに可動である。
【0029】
なお、以下において滑動力とは、「くの字」形のバネ状端子1が凸な方向と逆方向にバネ状端子の自由端1aを導通パッド5a上で滑らせようとする力のことを示し、摩擦力とは滑動力と反対方向に作用して滑動を防止するように働く力のことを示す。また、「くの字」形のバネ状端子1は、リン青銅、ベリリウム銅、鋼鉄、ニッケル、鉄、コバルトなどの合金をバネ材料の心材としつつ、電気的に良好な接触性を持つ例えば金などでメッキされたものである。また、十分な弾力をもたらすため 「くの字」形をなす湾曲部に金属、非金属を被覆するなど何らかの処理が施されていても良い。
【0030】
図1(A)は、「くの字」形のバネ状端子1と導通パッド5aが接触する前の状態を示す。この状態から第2基板5を下方に押圧すると、やがてバネ状端子1の自由端1aと第2基板5上の導通パッド5aが接触する。接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子1間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、バネ状端子1の自由端1aを方向Xとは逆方向へ滑動させようと作用する。一方で、接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には摩擦力が存在するため、滑動力は第1基板7を方向Xへ稼働させようとする反作用となる。
【0031】
本実施例では、第1基板7が方向Xへ可動な構造となっているため、第1基板7は滑動力の反作用を受け、ガイド穴11を通過し、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させる。そして、第1基板7は弾性体15の縮退量に応じて発生する力と滑動力が均衡する位置で保持される。第1基板7がX方向に押動されることで、滑動力が吸収されるため、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなる。
【0032】
なお、ここでいう「くの字」形とは、バネ状端子1を構成する導電性の金属線の何れか1点で曲折又は折曲した形状をいい、バネが左側に凸な場合だけでなく右側に凸な場合を含む。すなわち、図1を反対側(裏側)から望む形状も本実施例に含まれる。
【0033】
また、弾性体15は、素材そのものの特性として弾性を有してる物質(例えばゴム)、弾性を有していない素材を有するように加工した部材(例えばバネ)、機構的に弾性を持つ構成(例えば、ショックアブソーバー)を含む。
【0034】
第1基板7より下方の構造である第3基板6の構造及び動作について、第2基板5と同等な点は省略する。
【0035】
第3基板6を単独で上方へ押圧したときは、第1、第2基板の関係と同様な過程で第1基板7をX方向に押動する。また、第3基板6と第2基板5を共に押圧することで、導通パッド5a及び導通パッド6aという約2倍の接触面で第1基板7を押動できるため、バネ状端子の自由端1aに作用する滑動力を約2倍の面積で分担できる。すなわち、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5a又は6aを通り越して導通が果たされなくなることが、第2基板5のみを押圧する場合よりも少なくなる。
【0036】
〔第2実施例〕
図2は、本発明の第2実施例を示す。なお、同図中図1と同一構成部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0037】
本実施例では、第1基板の支持部2、第2基板の支持部4及び第3基板の支持部9の全ての支持部で、ガイド穴11、円筒13、弾性体15を有する点で、第1実施例と相違している。従って、本実施例では、第1乃至第3基板のいずれもがガイド穴11及びガイド部12に保持されており、X方向またはその逆方向に可動である。
【0038】
また、位置決めピン3の支柱部分17は、弾性的機構又は押縮構造により伸縮するため、第2基板5又は第3基板を押圧するに当たり短くなる点で、第1実施例と相違している。
【0039】
本実施例では、第2基板5を下方に押圧すると、支柱部分17が短くなり、やがてバネ状端子1の自由端1aと第2基板5上の導通パッド5aが接触する。接触したバネ状端子の自由端1aと導通パッド5aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子1間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、第2基板5をX方向と逆方向へ押動させると同時に、接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には摩擦力が存在するため、滑動力の反作用として第1基板7を方向Xへ押動させる。
【0040】
従って、第2基板5はX方向と逆方向に、ガイド穴11を通過し、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させ、第1基板7はX方向にガイド穴11を通過し、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させる。第2基板5及び第1基板7は、2つの弾性体15が発生する力とバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5a間の滑動力が均衡する位置で保持される。
【0041】
本実施例では、第2基板5と第1基板7が同時に反対方向へ動く点で第1実施例と異なる。従って、第1基板7のみが可動である第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第2基板5も可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが、第1基板7のみ可動である場合よりも少なくなる。
【0042】
第1基板7より下方の構造である第3基板6の構造及び動作について、第2基板5と同等な点は省略する。
【0043】
第3基板6を単独で押圧したときは、第1、第2基板の関係と同様な過程で、第1基板7をX方向に押動すると共に第3基板6がX方向とは逆の方向に押動させられる。
【0044】
第3基板6と第2基板5を共に押圧することで、導通パッド5a及び導通パッド6aという約2倍の接触面で第1基板7を押動できるため、バネ状端子1の自由端1aに作用する滑動力を約2倍の面積で分担できる。すなわち、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5a又は6aを通り越して導通が果たされなくなることが、第2基板5のみを押圧する場合よりも少なくなる。
【0045】
〔第3実施例〕
図3は、本発明の第3実施例を示す。なお、同図中図1又は図2と同一構成部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0046】
本実施例は、第1基板7が可動でない点で第1、第2実施例と相違している。第1基板7は、図6と同様に、ガイド部12により2本の位置決めピン3の間で嵌着又は固着されている。
【0047】
本実施例では、第2基板5を下方に押圧すると、支柱部分17が短くなり、やがてバネ状端子1の自由端1aと第2基板5上の導通パッド5aが接触する。接触したバネ状端子の自由端1aと導通パッド5aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子1間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、第2基板5をX方向と逆方向へ押動させる。
【0048】
従って、バネ状端子1の自由端1aに生じる滑動力はそのまま第2基板5を押動させ、ガイド穴11を通過させ、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させる。第2基板5は弾性体15の縮退量に応じて発生する力と滑動力が均衡する位置で保持される。
【0049】
従って、第1実施例では第1基板7が押動したが、本実施例では、第2基板5が押動することで第1実施例と同様な効果が得られる。また、その効果は、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第2基板5が可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなると考えられる。
【0050】
第1基板7より下方の構造である第3基板6の構造及び動作について、第2基板5と同等な点は省略する。
【0051】
第3基板6を上方に押圧すると、支柱部分17が短くなり、やがてバネ状端子1の自由端1aと第3基板6上の導通パッド6aが接触する。接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド6aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、第3基板6をX方向と逆方向へ押動させる。
【0052】
従って、第1実施例では第1基板7が押動したが、本実施例では、第3基板6が押動することで第1実施例と同様な効果が得られる。また、その効果は、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第3基板6が可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド6aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなると考えられる。
【0053】
第2基板5を下方へ押圧すると共に第3基板6を上方へ押圧することもできる。第2基板5と第3基板6が同一基板である場合には、同時に2つの基板をテスト可能となり、また第1、第2及び第3基板全体で1つの機能を奏する装置のテストが可能となる。
【0054】
〔第4実施例〕
図4は、本発明の第4実施例を示す。なお、同図中図1又は図2と同一構成部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0055】
本実施例は、「くの字」形のバネ状端子1が、第2基板5側と第3基板側で逆方向を向いている点で第3実施例と相違している。第1基板7は、図6と同様に、ガイド部12により2本の位置決めピン3の間で嵌着又は固着されている。
【0056】
本実施例では、第2基板5を下方に押圧することで、第3実施例と同様な過程を経て、第2基板5をX方向と逆方向へ押動させる。
【0057】
従って、第1実施例では第1基板7が押動したが、本実施例では、第3実施例同様、第2基板5が押動することで第1実施例と同様な効果が得られる。また、その効果は、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第2基板5が可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなると考えられる。
【0058】
第1基板7より下方の構造である第3基板6の構造及び動作について、第2基板5と同等な点は省略する。
【0059】
第3基板の支持部9では、「くの字」形のバネが第2基板5側と逆方向を向いていることに伴い、ガイド穴11,円筒13、及び弾性体15が第2基板の支持部4とは反対の順番で位置決めピン3に設けられている。また、第3基板6上の導通パッド6aも、第3基板側のバネ状端子の自由端1aと接触する位置に配置される。
【0060】
第3基板6を上方に押圧すると、支柱部分17が短くなり、やがてバネ状端子1の自由端1aと第3基板6上の導通パッド6aが接触する。接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド6aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、第3基板6をX方向へ押動させる。
【0061】
従って、第1実施例では第1基板7が押動したが、本実施例では、第3基板6が押動することで第1実施例と同様な効果が得られる。また、その効果は、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第3基板6が可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド6aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなると考えられる。
【0062】
第2基板5を下方へ押圧すると共に第3基板を上方へ押圧することもできる。第2基板5と第3基板6が同一基板である場合には、同時に2つの基板をテスト可能となり、また第2基板5乃至第3基板全体で1つの機能を奏する装置のテストが可能となる。
【0063】
このように、本実施形態では、バネ状端子1と第2基板5に形成された導通パッド5aや第3基板6に形成された導通パッド6aとの間で安定した電気的接続を得るために第2基板5や第3基板6の変位量を大きくしても、第1基板7は、バネ状端子1の自由端1aが滑動する方向とは逆方向へ移動し、第2基板5や第3基板6は、バネ状端子1の自由端1aが滑動する方向へ移動することができる。このため、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aや導通パッド6aから外れることが防止される。
【0064】
また、複雑な要因で定まるバネ状端子1の自由端1aの滑動力に対応した反作用として、第1基板6が移動するため、第1基板6と第2基板5や第3基板7との相対的位置を制御することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、基板に形成されたバネ状端子と、他の基板に形成された端子との間で安定した電気的接続を得ることが可能な基板支持機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の断面図である。
【図3】本発明の第3実施例の断面図である。
【図4】本発明の第4実施例の断面図である。
【図5】従来発明の一実施形態の断面図である。
【図6】従来発明の一実施例の断面図である。
【図7】従来発明の要部の断面図である。
【図8】従来発明の一実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 バネ状端子
1a バネ状端子の自由端
1b バネ状端子の固着側端側
2 第2基板の支持部
3 位置決めピン
4 第1基板の支持部
5 第2電子回路基板(第2の基板)
5a 第2基板上の導通パッド
6 第3電子回路基板(第3の基板)
6a 第3基板上の導通パッド
7 第1の基板
9 第3基板の支持部
11 ガイド穴
12 ガイド部
13 円筒
15 弾性体
17 位置決めピンの伸縮部分
50 半田バンプ
52 触指(導通バネ)
54 絶縁体
56 配線基板
58 半導体素子
60 位置決め部材
62 ガイドピン
64 外部回路への引出しピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の電気的な導通確認の際に用いられる基板支持機構に関し、特に、第1の基板に形成されたバネ状端子と、第2の基板に形成された端子とを接触させることにより、これら第1及び第2の基板の少なくとも一方の電気的な導通確認を行う際に用いられる基板支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の電子コンポーネント間で相互接続を行う際には、各電子コンポーネントが有する複数の端子(接触パッド、電極など)を相互に、又は他のプリント基板を介して電気的に接続する必要がある。典型的な例である電子回路基板や半導体素子は、測定用ソケットを介してテスト回路へ接続され電気的測定が行われる。
【0003】
電子回路基板や半導体素子を測定用ソケットに接続する方法として、半田付けなどでほぼ永久的に接続する方法と、目的とする測定が終了した後、速やかに電子回路基板や半導体素子を取り外せる方法とに分類できる。テスト回路での測定の場合や最終的な装置の組み立て前のテストをする場合には、測定後速やかに電子回路基板や半導体素子を取り外せる方法が好ましい。
【0004】
この取り外せる方法の一般的な例として、電子回路基板や半導体素子の端子を測定用ソケットの一部をなす弾力のあるソケット要素に受容させる方法がある。この場合、弾力のあるソケット要素が、電子回路基板や半導体素子とテスト基板との間で、安定した電気的接続をするために必要な最低限の接触力を印加することとなる。
【0005】
図5は、半導体素子の測定用ソケットの一実施例を示す(例えば、特許文献1参照)。測定用ソケットは、主に、位置決め部材60、導電性の触指52、配線基板56等から成り、これに半導体素子58が過重Fで押圧されることで半田バンプ50と触指52が電気的な接触をする。この導電性の触指が上述した「弾力のあるソケット要素」に相当し、半導体素子のテストが実行される。
【0006】
次に、図6は、一般的な電子回路基板の測定用ソケット及び電子回路基板を示す。2本の位置決めピン3の間に、第1基板7がガイド部12により嵌着又は固着されており、該基板7は第2基板5側の表面に複数(図では2本)の「くの字」形をしたバネ状端子1が備えている。バネ状端子1は、第1基板7側端側を1bで固着され、一方の端側は自由端1aとなっている。第2基板5は、上下方向に可動な形で位置決めピン3に刺着され、第1基板7に向かう面に電気的接続のための端子である導通パッド5aが備えられている。
【0007】
なお、第1基板7より下方は、第1基板7を中心に上方と対称な構造となっているため説明は省略する。
【0008】
図7は、図6の第1、第2基板の要部を示す。図7に示すように、第2基板5を下方に押圧すると、やがてバネ状端子1の自由端1aと第2基板5上の導通パッド5aが接触する。接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子1間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、バネ状端子1の自由端1aを方向Xとは逆方向へ滑動させようと作用する。一方で、接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には摩擦力が存在するため、摩擦力が滑動力に勝る間は、滑動力はそのまま第1基板7を方向Xへ移動させようとする反作用となる。
【0009】
繰り返しになるが本実施例では、2本の位置決めピン3の間に第1基板7が嵌着又は固着されていたため、第1基板7は左右に可動できなかった。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−108989号公報(図6)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、バネ状端子1の自由端1aを方向Xとは逆方向へ滑動させようと作用する力は、第1基板7を方向Xへ押す圧力となるが、上述の通り、第1基板7が左右方向に可動できないため、バネ状端子1の変形及び導通パッド5a上でバネ状端子1の自由端1aを滑動させようと働く。
【0012】
図8は、第2基板5を十分に押圧した状態を示す。図8の実施例では、第1、第2基板間で十分な電気的接続を得るため、言い換えると、バネ状端子1と第2基板5の間で安定した電気的接続を得るために荷重Fを大きくすると、前記滑動力が大きくなる。このため、図8に示すように、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされないという問題があった。なお、導通パッド5aの面積を大きくすることも考えられるが、電子回路基板の端子である導通パッド5aを大きくすることは電子基板回路の実装密度の面から得策ではない。
【0013】
また、バネ状端子1と第2基板5の間で安定した電気的接続を得るために必要な荷重は、バネ状端子1の自由端1aや導通パッド5aの形状で異なるため、必要とされる前記第2基板5の下方への変位量が規定できず、その結果、バネ状端子1と導通パッド5aの相対的な位置を精度よく決定できなかった。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、基板に形成されたバネ状端子と、他の基板に形成された端子との間で安定した電気的接続を得ることが可能な基板支持機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は請求項1に記載されるように、第1の基板に形成されたバネ状端子と、第2の基板に形成された端子とを接触させることにより、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の電気的な導通確認を行う際に用いられる、前記第1及び第2の基板を支持する基板支持機構において、前記第1の基板を水平方向に移動可能に支持する第1の支持部と、前記第2の基板を垂直方向に移動可能に支持する第2の支持部とを備える。
【0016】
また、本発明は請求項2に記載されるように、請求項1記載の基板支持機構において前記バネ状端子を「くの字」形にし、第1の基板を復元力のある構造で水平方向に移動可能に支持する。
【0017】
また、本発明は請求項3に記載されるように、請求項1又は2に記載の基板支持機構において、前記第1の支持部は、前記第2の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第1の基板が前記第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向とは逆方向へ移動可能なように支持する。
【0018】
また、本発明は請求項4に記載されるように、請求項1乃至3何れかに記載の基板支持機構において、前記第2の支持部は、更に、前記第2の基板を水平方向に移動可能に支持する。
【0019】
また、本発明は請求項5に記載されるように、請求項4記載の基板支持機構において、前記バネ状端子を「くの字」形にし、第1及び第2の基板を復元力のある構造で水平方向に移動可能に支持する。
【0020】
また、本発明は請求項6に記載されるように、請求項4又は5に記載の基板支持機構において、前記第2の支持部は、前記第2の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第2の基板が、該第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持する。
【0021】
また、本発明は請求項7に記載されるように、第1の基板の一方の面に形成されたバネ状端子と、第2の基板に形成された端子とを接触させるとともに、前記第1の基板の他方の面に形成されたバネ状端子と、前記第3の基板に形成された端子とを接触させることにより、前記第1、第2及び第3の基板の少なくとも何れか1つの電気的な導通確認を行う際に用いられる、前記第1、第2及び第3の基板を支持する基板支持機構において、前記第1の基板を支持する第1の支持部と、前記第2の基板を水平方向に移動可能に支持する第2の支持部と、前記第3の基板を水平方向に移動可能に支持する第3の支持部とを備える。
【0022】
また、本発明は請求項8に記載されるように、請求項7記載の基板支持機構において、前記バネ状端子を「くの字」形にし、第1及び第3の基板を復元力のある構造で水平方向に移動可能に支持する。
【0023】
また、本発明は請求項9に記載されるように、請求項7又は8に記載の基板支持機構において、前記第2の支持部は、前記第2の基板が、該第2の基板の方向へ移動した際に、前記第1の基板が前記第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持し、前記第3の支持部は、前記第3の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第3の基板が、該第3の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持する。
【0024】
また、本発明は請求項10に記載されるように、請求項9に記載の基板支持機構において、前記第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向と、前記第3の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向とが互いに逆方向である。
【0025】
本発明によれば、第1の基板に形成されたバネ状端子と、第2の基板や第3の基板に形成された端子との間で安定した電気的接続を得るために、第2の基板や第3の基板を第1の基板へ近付けた際に、第1の基板は、バネ状端子の自由端が滑動する方向とは逆方向へ移動し、第2の基板や第3の基板は、バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動することができるため、バネ状端子の自由端が端子から外れることが防止される。
【0026】
また、複雑な要因で定まるバネ状端子の自由端の滑動力に対応した反作用として第1の基板が移動するため、第1の基板と第2の基板や第3の基板との相対的位置を制御することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例〕
図1は、本発明の第1実施例の形態として、基板支持機構を含む基板接続構造を示す。なお図1において、図6と対応する部分については同一の符号を付しその説明は省略する。
【0028】
本実施例の電子回路基板の基板接続構造は、第1基板の支持部4に相当する位置決めピン3の縦方向略中央に、ガイド穴11、円筒13、弾性体15を有する点で、図6と相違している。本実施例では、第1基板7がガイド穴11とガイド部12で保持されており、方向Xに可動である。
【0029】
なお、以下において滑動力とは、「くの字」形のバネ状端子1が凸な方向と逆方向にバネ状端子の自由端1aを導通パッド5a上で滑らせようとする力のことを示し、摩擦力とは滑動力と反対方向に作用して滑動を防止するように働く力のことを示す。また、「くの字」形のバネ状端子1は、リン青銅、ベリリウム銅、鋼鉄、ニッケル、鉄、コバルトなどの合金をバネ材料の心材としつつ、電気的に良好な接触性を持つ例えば金などでメッキされたものである。また、十分な弾力をもたらすため 「くの字」形をなす湾曲部に金属、非金属を被覆するなど何らかの処理が施されていても良い。
【0030】
図1(A)は、「くの字」形のバネ状端子1と導通パッド5aが接触する前の状態を示す。この状態から第2基板5を下方に押圧すると、やがてバネ状端子1の自由端1aと第2基板5上の導通パッド5aが接触する。接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子1間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、バネ状端子1の自由端1aを方向Xとは逆方向へ滑動させようと作用する。一方で、接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には摩擦力が存在するため、滑動力は第1基板7を方向Xへ稼働させようとする反作用となる。
【0031】
本実施例では、第1基板7が方向Xへ可動な構造となっているため、第1基板7は滑動力の反作用を受け、ガイド穴11を通過し、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させる。そして、第1基板7は弾性体15の縮退量に応じて発生する力と滑動力が均衡する位置で保持される。第1基板7がX方向に押動されることで、滑動力が吸収されるため、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなる。
【0032】
なお、ここでいう「くの字」形とは、バネ状端子1を構成する導電性の金属線の何れか1点で曲折又は折曲した形状をいい、バネが左側に凸な場合だけでなく右側に凸な場合を含む。すなわち、図1を反対側(裏側)から望む形状も本実施例に含まれる。
【0033】
また、弾性体15は、素材そのものの特性として弾性を有してる物質(例えばゴム)、弾性を有していない素材を有するように加工した部材(例えばバネ)、機構的に弾性を持つ構成(例えば、ショックアブソーバー)を含む。
【0034】
第1基板7より下方の構造である第3基板6の構造及び動作について、第2基板5と同等な点は省略する。
【0035】
第3基板6を単独で上方へ押圧したときは、第1、第2基板の関係と同様な過程で第1基板7をX方向に押動する。また、第3基板6と第2基板5を共に押圧することで、導通パッド5a及び導通パッド6aという約2倍の接触面で第1基板7を押動できるため、バネ状端子の自由端1aに作用する滑動力を約2倍の面積で分担できる。すなわち、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5a又は6aを通り越して導通が果たされなくなることが、第2基板5のみを押圧する場合よりも少なくなる。
【0036】
〔第2実施例〕
図2は、本発明の第2実施例を示す。なお、同図中図1と同一構成部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0037】
本実施例では、第1基板の支持部2、第2基板の支持部4及び第3基板の支持部9の全ての支持部で、ガイド穴11、円筒13、弾性体15を有する点で、第1実施例と相違している。従って、本実施例では、第1乃至第3基板のいずれもがガイド穴11及びガイド部12に保持されており、X方向またはその逆方向に可動である。
【0038】
また、位置決めピン3の支柱部分17は、弾性的機構又は押縮構造により伸縮するため、第2基板5又は第3基板を押圧するに当たり短くなる点で、第1実施例と相違している。
【0039】
本実施例では、第2基板5を下方に押圧すると、支柱部分17が短くなり、やがてバネ状端子1の自由端1aと第2基板5上の導通パッド5aが接触する。接触したバネ状端子の自由端1aと導通パッド5aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子1間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、第2基板5をX方向と逆方向へ押動させると同時に、接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5aの間には摩擦力が存在するため、滑動力の反作用として第1基板7を方向Xへ押動させる。
【0040】
従って、第2基板5はX方向と逆方向に、ガイド穴11を通過し、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させ、第1基板7はX方向にガイド穴11を通過し、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させる。第2基板5及び第1基板7は、2つの弾性体15が発生する力とバネ状端子1の自由端1aと導通パッド5a間の滑動力が均衡する位置で保持される。
【0041】
本実施例では、第2基板5と第1基板7が同時に反対方向へ動く点で第1実施例と異なる。従って、第1基板7のみが可動である第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第2基板5も可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが、第1基板7のみ可動である場合よりも少なくなる。
【0042】
第1基板7より下方の構造である第3基板6の構造及び動作について、第2基板5と同等な点は省略する。
【0043】
第3基板6を単独で押圧したときは、第1、第2基板の関係と同様な過程で、第1基板7をX方向に押動すると共に第3基板6がX方向とは逆の方向に押動させられる。
【0044】
第3基板6と第2基板5を共に押圧することで、導通パッド5a及び導通パッド6aという約2倍の接触面で第1基板7を押動できるため、バネ状端子1の自由端1aに作用する滑動力を約2倍の面積で分担できる。すなわち、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5a又は6aを通り越して導通が果たされなくなることが、第2基板5のみを押圧する場合よりも少なくなる。
【0045】
〔第3実施例〕
図3は、本発明の第3実施例を示す。なお、同図中図1又は図2と同一構成部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0046】
本実施例は、第1基板7が可動でない点で第1、第2実施例と相違している。第1基板7は、図6と同様に、ガイド部12により2本の位置決めピン3の間で嵌着又は固着されている。
【0047】
本実施例では、第2基板5を下方に押圧すると、支柱部分17が短くなり、やがてバネ状端子1の自由端1aと第2基板5上の導通パッド5aが接触する。接触したバネ状端子の自由端1aと導通パッド5aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子1間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、第2基板5をX方向と逆方向へ押動させる。
【0048】
従って、バネ状端子1の自由端1aに生じる滑動力はそのまま第2基板5を押動させ、ガイド穴11を通過させ、円筒13を押しこみ、弾性体15を縮退させる。第2基板5は弾性体15の縮退量に応じて発生する力と滑動力が均衡する位置で保持される。
【0049】
従って、第1実施例では第1基板7が押動したが、本実施例では、第2基板5が押動することで第1実施例と同様な効果が得られる。また、その効果は、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第2基板5が可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなると考えられる。
【0050】
第1基板7より下方の構造である第3基板6の構造及び動作について、第2基板5と同等な点は省略する。
【0051】
第3基板6を上方に押圧すると、支柱部分17が短くなり、やがてバネ状端子1の自由端1aと第3基板6上の導通パッド6aが接触する。接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド6aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、第3基板6をX方向と逆方向へ押動させる。
【0052】
従って、第1実施例では第1基板7が押動したが、本実施例では、第3基板6が押動することで第1実施例と同様な効果が得られる。また、その効果は、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第3基板6が可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド6aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなると考えられる。
【0053】
第2基板5を下方へ押圧すると共に第3基板6を上方へ押圧することもできる。第2基板5と第3基板6が同一基板である場合には、同時に2つの基板をテスト可能となり、また第1、第2及び第3基板全体で1つの機能を奏する装置のテストが可能となる。
【0054】
〔第4実施例〕
図4は、本発明の第4実施例を示す。なお、同図中図1又は図2と同一構成部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0055】
本実施例は、「くの字」形のバネ状端子1が、第2基板5側と第3基板側で逆方向を向いている点で第3実施例と相違している。第1基板7は、図6と同様に、ガイド部12により2本の位置決めピン3の間で嵌着又は固着されている。
【0056】
本実施例では、第2基板5を下方に押圧することで、第3実施例と同様な過程を経て、第2基板5をX方向と逆方向へ押動させる。
【0057】
従って、第1実施例では第1基板7が押動したが、本実施例では、第3実施例同様、第2基板5が押動することで第1実施例と同様な効果が得られる。また、その効果は、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第2基板5が可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなると考えられる。
【0058】
第1基板7より下方の構造である第3基板6の構造及び動作について、第2基板5と同等な点は省略する。
【0059】
第3基板の支持部9では、「くの字」形のバネが第2基板5側と逆方向を向いていることに伴い、ガイド穴11,円筒13、及び弾性体15が第2基板の支持部4とは反対の順番で位置決めピン3に設けられている。また、第3基板6上の導通パッド6aも、第3基板側のバネ状端子の自由端1aと接触する位置に配置される。
【0060】
第3基板6を上方に押圧すると、支柱部分17が短くなり、やがてバネ状端子1の自由端1aと第3基板6上の導通パッド6aが接触する。接触したバネ状端子1の自由端1aと導通パッド6aの間には、バネ状端子1の形状や素材、自由端1a及び導通パッド5aの形状、第2基板5の押圧、バネ状端子間の相互作用などで定まる滑動力が発生し、第3基板6をX方向へ押動させる。
【0061】
従って、第1実施例では第1基板7が押動したが、本実施例では、第3基板6が押動することで第1実施例と同様な効果が得られる。また、その効果は、バネ状端子1の自由端1aが滑動しようとする力が直接加わる第3基板6が可動であることで、滑動力を吸収しやすくなり、第1実施例よりも、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド6aを通り越して導通が果たされなくなることが少なくなると考えられる。
【0062】
第2基板5を下方へ押圧すると共に第3基板を上方へ押圧することもできる。第2基板5と第3基板6が同一基板である場合には、同時に2つの基板をテスト可能となり、また第2基板5乃至第3基板全体で1つの機能を奏する装置のテストが可能となる。
【0063】
このように、本実施形態では、バネ状端子1と第2基板5に形成された導通パッド5aや第3基板6に形成された導通パッド6aとの間で安定した電気的接続を得るために第2基板5や第3基板6の変位量を大きくしても、第1基板7は、バネ状端子1の自由端1aが滑動する方向とは逆方向へ移動し、第2基板5や第3基板6は、バネ状端子1の自由端1aが滑動する方向へ移動することができる。このため、バネ状端子1の自由端1aが導通パッド5aや導通パッド6aから外れることが防止される。
【0064】
また、複雑な要因で定まるバネ状端子1の自由端1aの滑動力に対応した反作用として、第1基板6が移動するため、第1基板6と第2基板5や第3基板7との相対的位置を制御することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、基板に形成されたバネ状端子と、他の基板に形成された端子との間で安定した電気的接続を得ることが可能な基板支持機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の断面図である。
【図3】本発明の第3実施例の断面図である。
【図4】本発明の第4実施例の断面図である。
【図5】従来発明の一実施形態の断面図である。
【図6】従来発明の一実施例の断面図である。
【図7】従来発明の要部の断面図である。
【図8】従来発明の一実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 バネ状端子
1a バネ状端子の自由端
1b バネ状端子の固着側端側
2 第2基板の支持部
3 位置決めピン
4 第1基板の支持部
5 第2電子回路基板(第2の基板)
5a 第2基板上の導通パッド
6 第3電子回路基板(第3の基板)
6a 第3基板上の導通パッド
7 第1の基板
9 第3基板の支持部
11 ガイド穴
12 ガイド部
13 円筒
15 弾性体
17 位置決めピンの伸縮部分
50 半田バンプ
52 触指(導通バネ)
54 絶縁体
56 配線基板
58 半導体素子
60 位置決め部材
62 ガイドピン
64 外部回路への引出しピン
Claims (10)
- 第1の基板に形成されたバネ状端子と、第2の基板に形成された端子とを接触させることにより、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の電気的な導通確認を行う際に用いられる、前記第1及び第2の基板を支持する基板支持機構において、
前記第1の基板を水平方向に移動可能に支持する第1の支持部と、
前記第2の基板を垂直方向に移動可能に支持する第2の支持部と、
を備える基板支持機構。 - 請求項1記載の基板支持機構において、
前記バネ状端子は「くの字」形をしており、
前記第1の支持部は、復元力のある構造で第1の基板を水平方向に移動可能に支持する基板支持機構。 - 請求項1又は2に記載の基板支持機構において、
前記第1の支持部は、前記第2の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第1の基板が、前記第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向とは逆方向へ移動可能なように支持する基板支持機構。 - 請求項1乃至3に記載の基板支持機構において、
前記第2の支持部は、更に、前記第2の基板を水平方向に移動可能に支持する基板支持機構。 - 請求項4記載の基板支持機構において、
前記バネ状端子は「くの字」形をしており、
前記第1及び第2の支持部は、復元力のある構造で前記第1、第2の基板を水平方向に移動可能に支持する基板支持機構。 - 請求項4又は5に記載の基板支持機構において、
前記第2の支持部は、前記第2の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第2の基板が該第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持する基板支持機構。 - 第1の基板の一方の面に形成されたバネ状端子と、第2及び第3の基板に形成された端子とを接触させるとともに、前記第1の基板の他方の面に形成されたバネ状端子と、前記第3の基板に形成された端子とを接触させることにより、前記第1、第2及び第3の基板の少なくとも何れかの電気的な導通確認を行う際に用いられる、前記第1、第2及び第3の基板を支持する基板支持機構において、
前記第1の基板を支持する第1の支持部と、
前記第2の基板を水平方向に移動可能に支持する第2の支持部と、
前記第3の基板を水平方向に移動可能に支持する第3の支持部と、
を備える基板支持機構。 - 請求項7記載の基板支持機構において、
前記バネ状端子は「くの字」形をしており、
前記第1、第3の支持部は、復元力のある構造で前記第1、第3の基板を水平方向に移動可能に支持する基板支持機構。 - 請求項7又は8に記載の基板支持機構において、
前記第2の支持部は、前記第2の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第2の基板が、該第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持し、
前記第3の支持部は、前記第3の基板が前記第1の基板の方向へ移動した際に、前記第3の基板が、該第3の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向へ移動可能なように支持する基板支持機構。 - 請求項9に記載の基板支持機構において、
前記第2の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向と、前記第3の基板に接触した前記バネ状端子の自由端が滑動する方向とが互いに逆方向である基板支持機構。
Priority Applications (1)
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JP2003108324A JP2004317176A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 基板支持機構 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101303385B (zh) * | 2007-05-09 | 2010-05-26 | 和硕联合科技股份有限公司 | 测试机台 |
-
2003
- 2003-04-11 JP JP2003108324A patent/JP2004317176A/ja active Pending
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