JP2004315311A - 合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、合わせガラスの製造方法および合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げ加工精度の高い合わせガラス用曲げガラスを効率的に得ることができる合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、および、ノンオートクレーブ方式による高品質かつ効率的な合わせガラスの製造方法、ならびに、上記曲げ加工方法により得られた曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記製造方法により作製される合わせガラスを提供する。
【解決手段】合わせガラスに用いる一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工する合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、および、上記曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着する合わせガラスの製造方法、ならびに、上記曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記製造方法により作製される合わせガラス。
【選択図】 なし
【解決手段】合わせガラスに用いる一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工する合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、および、上記曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着する合わせガラスの製造方法、ならびに、上記曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記製造方法により作製される合わせガラス。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、合わせガラスの製造方法および合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損しても、ガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車などの車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。
【0003】
このような合わせガラスとしては、少なくとも一対(2枚)のガラスの間に、例えば、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂などのポリビニルアセタール系樹脂からなる合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」と略記することもある)を介在させ、一体化させてなるもの等が挙げられる。
【0004】
ところが、このような中間膜を用いて合わせガラスを製造する際に、ガラスの曲げ加工精度が高くないと、製造工程において空気がガラスと中間膜との間に入って残留してしまい、上手く脱気できないという問題点が発生する。
【0005】
ガラスの曲げ加工方法としては、例えば、ガラス1枚ずつを加熱した後に型でプレスする、いわゆるプレスベンド法がある。しかし、プレスベンド法では、1枚ずつのガラスの曲がり具合が少しずつ異なるために、2枚重ねた際の隙間間隔が均一でなく、合わせガラス製造時における脱気不良(空気残留や周辺部シール不良)の原因となりやすいという問題点がある。
【0006】
また、例えば、一方向にのみ曲がったガラスの場合には、加熱空気を下から噴出してガラスを浮揚搬送し、ガラスの軟化温度まで加熱することにより曲げ加工するガラスの曲げ加工方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかし、上記ガラスの曲げ加工方法の場合、曲がりが比較的浅く、一方向にのみ曲げるために、脱気不良に係わる問題点はさほど大きくないが、1枚ずつ曲げることには変わりがないため、曲げ加工精度に係わる問題点は依然として残っている。
【0008】
このような問題点に対応するために、例えば、2枚のガラスの曲がり具合を同じにする試みとして、1枚のガラスの型を粘土型にとり、乾燥固化した粘土型を使ってもう1枚のガラスを曲げる曲げガラスの製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
しかし、上記曲げガラスの製造方法の場合、生産性が悪いため、合わせガラスを大量に製造する工程には不向きであるという問題点がある。
【0010】
また、生産性の良い曲げ加工方法として、予め2枚の平板ガラスを重ねておき、加熱炉の中で2枚同時に曲げる、いわゆる自重曲げ法が一般的に採用されている。
【0011】
しかし、上記自重曲げ法でガラスを曲げても、2枚のガラスの間に中間膜を入れ、その中間膜の厚み分だけ2枚のガラスが離れた場合、厳密には曲げられた2枚のガラスの間隔は同じではなく、ガラス端部等で深く曲げられた部分では間隔が狭くなってしまうため、脱気不良に係わる問題点を完全に解決するには不十分である。
【0012】
一方、合わせガラスの製造は、通常、少なくとも一対のガラスの間に合わせガラス用中間膜を挟んで合わせガラス構成体(合わせガラス積層体)を作製した後、この合わせガラス構成体を例えばゴムバッグのような真空バッグの中に入れて減圧吸引する方式(真空バッグ方式)、この合わせガラス構成体の周囲にスペーサーを入れて圧力が均一にかかるようにした状態で真空リングの中に入れて合わせガラス構成体の端部から減圧吸引する方式(真空リング方式)などの真空(減圧)脱気法や、この合わせガラス構成体を例えばニップロール(押圧ロール)に通して扱く扱き脱気法等により、合わせガラス構成体中のガラスと中間膜との間に残留する空気を脱気しながら加熱圧着(予備圧着)した後、そのままの状態でオートクレーブの中に入れて加圧下で加熱圧着(本圧着)する方式、いわゆるオートクレーブ方式で行われているが、近年、合わせガラスの製造工程の簡略化を図るために、オートクレーブ工程を省略する方式、いわゆるノンオートクレーブ方式(非オートクレーブ方式)に適用できる中間膜やノンオートクレーブ方式による合わせガラスの製造方法に対する要望が高まっている。
【0013】
上記ノンオートクレーブ方式で合わせガラスを製造する場合、ガラスの曲げ加工精度が高くないと、ガラスと中間膜との間の空気を上手く脱気できず、製造工程中で空気が合わせガラス構成体中に残留してしまうという問題点が発生する。同じノンオートクレーブ方式による合わせガラスの製造であっても、ガラスが平板ガラスである場合には、上記空気残留の問題は殆ど発生せず、良好な合わせガラスを得ることができるが、ガラスが曲げガラスである場合には、2枚のガラスのペア差(2枚のガラス間の距離が均一でない部分)に起因する空気残留が発生しやすくなって、良好な合わせガラスを得ることが困難となる。このような観点からも、合わせガラス用ガラスには曲げ加工精度が高いことが要求され、曲げ加工精度に係わる前記問題点を解消することは極めて重要である。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−340441号公報
【特許文献2】
特開2000−219544号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、曲げ加工精度の高い合わせガラス用曲げガラスを効率的に得ることができる合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、および、ノンオートクレーブ方式による高品質な合わせガラスの効率的な製造方法、ならびに、上記合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記合わせガラスの製造方法により作製される合わせガラスを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(本発明)による合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法は、合わせガラスに用いる少なくとも一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明(本発明)による合わせガラスの製造方法は、合わせガラスに用いる少なくとも一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することにより得られた少なくとも一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明による合わせガラスの曲げ加工方法または合わせガラスの製造方法は、上記請求項1に記載の合わせガラスの曲げ加工方法または上記請求項2に記載の合わせガラスの製造方法において、スペーサー用ガラスの厚みが、後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等であることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明(本発明)による合わせガラスは、上記請求項1または請求項3に記載の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた少なくとも一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記請求項2または請求項3に記載の合わせガラスの製造方法により作製されることを特徴とする。
【0020】
本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法は、合わせガラスに用いられる少なくとも一対のガラスの間に、曲げ加工中にのみ使用するスペーサー用ガラスを介在させて合計枚数が奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工するものである。
【0021】
上記少なくとも一対のガラスおよびスペーサー用ガラスとしては、合わせガラス用として一般的に用いられるガラスであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、クリアガラス、グリーンガラス、高熱線吸収ガラス等の板ガラスが挙げられ、好適に用いられる。上記少なくとも一対のガラスは、同種のガラスであっても良いし、異種のガラスであっても良い。また、上記スペーサー用ガラスは、少なくとも一対のガラスの少なくとも一方と同種のガラスであっても良いし、少なくとも一対のガラスの双方と異種のガラスであっても良い。
【0022】
上記曲げ加工方法においては、ガラス同士の離型性を向上させるために、2枚のガラスを自重曲げする際に一般的に用いられる離型粉を用いることが好ましい。
【0023】
上記離型粉としては、離型性を有し、ガラスの曲げ加工時にガラス表面に傷を付ける等の品質低下を引き起こさないものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、珪藻土のような屈折率がガラスの屈折率と近いものが好適に用いられる。上記離型粉は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0024】
少なくとも一対のガラス間に介在させたスペーサー用ガラスは、曲げ加工終了後に取り外し、その代わりに、少なくとも一対の曲げガラス間に形成されたスペース内に合わせガラス用中間膜を挿入し積層することにより、合わせガラス構成体ひいては合わせガラスとなす。
【0025】
次に、本発明の合わせガラスの製造方法は、合わせガラスに用いる少なくとも一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することにより得られた、すなわち、上記本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法と同様の方法で得られた少なくとも一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することにより合わせガラスを作製する。
【0026】
本発明の合わせガラスの製造方法においては、先ず、上記本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法と同様の方法で少なくとも一対のガラスに曲げ加工を施す。次に、少なくとも一対のガラス間に介在させたスペーサー用ガラスを曲げ加工終了後に取り外し、その代わりに、少なくとも一対の曲げガラス間に形成されたスペース内に合わせガラス用中間膜を挿入し、例えば、ガラス/中間膜/ガラスからなる3層構成で積層することにより、合わせガラス構成体を作製する。
【0027】
従って、本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法または本発明の合わせガラスの製造方法に用いられるスペーサー用ガラスの厚みは、後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等であることが好ましい。
【0028】
上記スペーサー用ガラスの厚みを中間膜の厚みと同等にすることにより、脱気不良等の起こりにくい高品質の合わせガラス構成体ひいては脱気不良等のない高品質の合わせガラスを効率的に得ることができる。
【0029】
本発明の合わせガラスの製造方法においては、次いで、上記のようにして作製された合わせガラス構成体を、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、すなわち、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することにより合わせガラスを作製する。
【0030】
合わせガラス構成体をノンオートクレーブ方式で加熱圧着する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、合わせガラス構成体を前記真空バッグ方式や真空リング方式により、真空バッグや真空リングの中に入れ、この真空バッグや真空リングを排気系に接続して、真空バッグや真空リングの内部の圧力が約−64〜−100kPaの減圧度(絶対圧力約37〜1kPa)となるように吸引減圧しながら温度を上げ、温度約100℃以上で、脱気、予備圧着および本圧着を一貫して連続的に行う方法、いわゆる真空プレス法(減圧プレス法)等が挙げられる。
【0031】
本発明の合わせガラスの製造方法は、前記方法で高精度の曲げ加工が施された少なくとも一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着するので、脱気不良等のない高品質の合わせガラスを簡略な工程で効率的に作製することができるとともに、オートクレーブの設置に伴う多額の設備投資費用も不要となる。
【0032】
次に、本発明の合わせガラスは、前述した本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、上述した本発明の合わせガラスの製造方法により作製される。
【0033】
本発明の合わせガラスに用いられるガラスの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、平板ガラス、並板ガラス、型板ガラス、金網入り型板ガラス、着色された板ガラスなどの各種無機ガラスであっても良いし、ポリカーボネート板やポリメチルメタクリサート板などの各種有機ガラスであっても良い。これらのガラスは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記ガラスの厚みは、合わせガラスの用途や目的等に応じて適宜選択されれば良く、特に限定されるものではない。
【0034】
本発明の合わせガラスの構成は、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス/中間膜/ガラスからなる通常の3層構成であっても良いし、ガラス/中間膜/ガラス/中間膜/ガラスからなるような多層構成であっても良い。
【0035】
本発明の合わせガラスを本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスを用いて作製する場合、先ず、合わせガラスに用いる一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱して少なくとも一対のガラスに曲げ加工を施す。次に、少なくとも一対のガラス間に介在させたスペーサー用ガラスを曲げ加工終了後に取り外し、その代わりに、少なくとも一対の曲げガラス間に形成されたスペース内に合わせガラス用中間膜を挿入し、例えば、ガラス/中間膜/ガラスからなる3層構成で積層することにより、合わせガラス構成体を作製する。次いで、得られた合わせガラス構成体を加熱圧着することにより合わせガラスを作製する。
【0036】
上記合わせガラス構成体を加熱圧着して合わせガラスを作製する方法は、通常のオートクレーブ方式で良く、例えば、次のように行えば良い。
【0037】
すなわち、上記操作で作製された合わせガラス構成体を例えばゴムバッグのような真空バッグの中に入れて減圧吸引する方式(真空バッグ方式)、合わせガラス構成体の周囲にスペーサーを入れて圧力が均一にかかるようにした状態で真空リングの中に入れて合わせガラス構成体の端部から減圧吸引する方式(真空リング方式)などの真空(減圧)脱気法や、合わせガラス構成体を例えばニップロール(押圧ロール)に通して扱く扱き脱気法等により、合わせガラス構成体中のガラスと中間膜との間に残留する空気を脱気しながら加熱圧着(予備圧着)した後、そのままの状態でオートクレーブの中に入れて加圧下で加熱圧着(本圧着)することにより、所望の合わせガラスを作製することができる。
【0038】
本発明の合わせガラスを本発明の合わせガラスの製造方法により作製する場合、上記と同様の操作で合わせガラス構成体を作製した後、この合わせガラス構成体を、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することにより合わせガラスを作製する。
【0039】
上記合わせガラス構成体をノンオートクレーブ方式で加熱圧着して合わせガラスを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記真空プレス法(減圧プレス法)等が挙げられ、このような方法を採ることにより、所望の合わせガラスを作製することができる。
【0040】
こうして得られる本発明の合わせガラスの用途としては、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス等や、航空機や電車などの乗り物のガラス部位、建築物のガラス部位等が挙げられるが、これらの用途に限定されるものではない。
【0041】
本発明の合わせガラスの製造方法または本発明の合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂が製膜(成形)されてなるものであれば如何なる中間膜であっても良く、特に限定されるものではない。
【0042】
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、(可塑化)飽和ポリエステル系樹脂、(可塑化)ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂等の従来から中間膜用として用いられている熱可塑性樹脂が挙げられ、中でも、優れた透明性、優れた耐候性、強靱な強度、ガラスに対する適正な接着力等の諸性能のバランスに優れる中間膜を得られることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0043】
上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂とは、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルアセタール系樹脂のことである。
【0044】
上記ポリビニルアセタール系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と記す)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、「PVB」と記す)等が挙げられ、中でも、優れた透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性等の諸性能のバランスにより優れる中間膜を得られることから、PVBが好適に用いられる。これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0045】
上記ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるPVAは、特に限定されるものではないが、鹸化度が80.0〜99.8モル%であることが好ましい。
【0046】
また、上記PVAは、特に限定されるものではないが、平均重合度が200〜3000であることが好ましく、より好ましくは500〜2000である。
【0047】
PVAの平均重合度が200未満であると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を用いて作製した中間膜の強度が弱くなりすぎて、この中間膜を用いて作製した合わせガラスの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にPVAの平均重合度が3000を超えると、得られるポリビニルアセタール系樹脂の製膜性(成形性)が悪くなったり、このポリビニルアセタール系樹脂を用いて作製した中間膜の剛性が高くなりすぎて、加工性が悪くなることがある。
【0048】
なお、上記PVAの鹸化度および平均重合度は、JIS K−6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠して測定することができる。
【0049】
上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、アセタール化度が40〜85モル%であることが好ましく、より好ましくは60〜75モル%である。
【0050】
アセタール化度が40モル%未満もしくは85モル%超のポリビニルアセタール系樹脂は、反応機構上、合成するのが困難となることがある。
【0051】
また、上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、残存アセチル基量が30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜24モル%である。
【0052】
残存アセチル基量が30モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂を合成しようとすると、PVAとアルデヒドとの反応率が著しく低下することがある。
【0053】
さらに、上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、平均重合度が800〜3000であることが好ましい。
【0054】
ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度が800未満であると、このポリビニルアセタール系樹脂を用いて作製した中間膜の強度が弱くなりすぎて、この中間膜を用いて作製した合わせガラスの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度が3000を超えると、製膜性(成形性)が悪くなったり、このポリビニルアセタール系樹脂を用いて作製した中間膜の強度が強くなりすぎて、この中間膜を用いて作製した合わせガラスの衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがある。
【0055】
なお、ポリビニルアセタール系樹脂がPVBである場合、上記アセタール化度(ブチラール化度)、残存アセチル基量および平均重合度は、JIS K−6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定することができる。また、ポリビニルアセタール系樹脂がPVB以外のポリビニルアセタール系樹脂である場合、上記アセタール化度および残存アセチル基量は、JIS K−6729「ポリビニルホルマール試験方法」に準拠して測定することができる。
【0056】
上記ポリビニルアセタール系樹脂を可塑化するために用いられる可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、一塩基性有機酸エステル系可塑剤、多塩基性有機酸エステル系可塑剤などの有機酸エステル系可塑剤や、有機リン酸系可塑剤、有機亜リン酸系可塑剤などのリン酸系可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、これらの可塑剤は、ポリビニルアセタール系樹脂との相溶性を考慮して、ポリビニルアセタール系樹脂の種類に応じて適宜選択されることが好ましい。
【0057】
一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールと酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキシル酸などの一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げられる。
【0058】
多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数4〜8の直鎖状もしくは分岐状アルコールとアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などの多塩基性有機酸との反応によって得られるエステル等が挙げられる。
【0059】
リン酸系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0060】
上記各種可塑剤のなかでも、例えば、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジブチルセバケート、トリエチレングリコールジn−ヘプタノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジn−オクタノエート、テトラエチレングリコールジ2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジn−ヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレート等が好適に用いられ、中でも、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジブチルセバケート等がより好適に用いられる。
【0061】
上記可塑剤の配合量は、ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度やアセタール化度および残存アセチル基量等によっても異なり、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、可塑剤20〜60重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜50重量部である。
【0062】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の配合量が20重量部未満であると、得られる中間膜や合わせガラスの衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の配合量が60重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトしやすくなって、得られる中間膜や合わせガラスの光学歪みが大きくなったり、透明性やガラスと中間膜との接着力等が損なわれることがある。
【0063】
本発明で好ましく用いられる可塑化ポリビニルアセタール系樹脂には、必要に応じて、ガラスに対する接着力をより適正なものとするために、接着力調整剤が配合されていても良い。
【0064】
上記接着力調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの接着力調整剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0065】
上記有機酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸などのカルボン酸等が挙げられる。これらの有機酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記無機酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。これらの無機酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0066】
上記有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記有機酸や無機酸のカリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。これらの有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0067】
上記有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の中でも、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が好適に用いられ、とりわけ、炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩やマグネシウム塩がより好適に用いられる。
【0068】
上記炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩やマグネシウム塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム等が挙げられる。これらの炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩やマグネシウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0069】
上記有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の配合量は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩0.0001〜1重量部であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.2重量部である。
【0070】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の配合量が0.0001重量部未満であると、高湿度雰囲気下において中間膜周辺部のガラスに対する接着力が低下することがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の配合量が1重量部を超えると、中間膜のガラスに対する接着力が低くなりすぎたり、中間膜ひいては合わせガラスの透明性が失われることがある。
【0071】
上記変性シリコーンオイルとしては、一般にポリシロキサンに変性すべき化合物を反応させて得られるものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ変性シリコーンオイル、エーテル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの変性シリコーンオイルは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0072】
上記変性シリコーンオイルは、特に限定されるものではないが、分子量が800〜5000であることが好ましく、より好ましくは1500〜4000である。
【0073】
変性シリコーンオイルの分子量が800未満であると、中間膜表面への局在化が不十分となって、十分な接着力調整効果を得られなくなることがあり、逆に変性シリコーンオイルの分子量が5000を超えると、ポリビニルアセタール系樹脂との相溶性が低下し、中間膜表面にブリードアウトしやすくなって、中間膜のガラスに対する接着力が損なわれることがある。
【0074】
上記変性シリコーンオイルの配合量は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、変性シリコーンオイル0.01〜0.2重量部であることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.1重量部である。
【0075】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する変性シリコーンオイルの配合量が0.01重量部未満であると、十分な接着力調整効果を得られなくなることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する変性シリコーンオイルの配合量が0.2重量部を超えると、ポリビニルアセタール系樹脂との相溶性が低下し、中間膜表面にブリードアウトしやすくなって、中間膜のガラスに対する接着力が損なわれることがある。
【0076】
本発明で好ましく用いられる可塑化ポリビニルアセタール系樹脂には、必要に応じて、耐候性(耐光性)をより向上させるために、紫外線吸収剤や光安定剤が配合されていても良い。
【0077】
上記紫外線吸収剤や光安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、マロン酸エステル系化合物、蓚酸アニリド系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤や光安定剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0078】
上記紫外線吸収剤や光安定剤の配合量は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤や光安定剤0.01〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1重量部である。
【0079】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する紫外線吸収剤や光安定剤の配合量が0.01重量部未満であると、十分な耐候性(耐光性)向上効果を得られなくなることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する紫外線吸収剤や光安定剤の配合量が5重量部を超えると、却ってポリビニルアセタール系樹脂の耐候(耐光)劣化を引き起こすことがある。
【0080】
本発明で好ましく用いられる可塑化ポリビニルアセタール系樹脂には、必要に応じて、例えば押出機による製膜(成形)時の酸化劣化や熱劣化を防止するために、酸化防止剤や熱安定剤が配合されていても良い。
【0081】
上記酸化防止剤や熱安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール:BHT(例えば、住友化学工業社製の商品名「スミライザーBHT」)、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名「イルガノックス1010」)等が挙げられる。これらの酸化防止剤や熱安定剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0082】
上記酸化防止剤や熱安定剤の配合量は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、酸化防止剤や熱安定剤0.01〜5重量部であることが好ましい。
【0083】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する酸化防止剤や熱安定剤の配合量が0.01重量部未満であると、十分な酸化劣化防止効果や熱劣化防止効果を得られなくなることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する酸化防止剤や熱安定剤の配合量が5重量部を超えると、却ってポリビニルアセタール系樹脂の酸化劣化や熱劣化を引き起こすことがある。
【0084】
本発明で好ましく用いられる可塑化ポリビニルアセタール系樹脂には、さらに必要に応じて、例えば、界面活性剤、耐湿性付与剤、遮音性付与剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種配合剤(各種添加剤)の1種類もしくは2種類以上が配合されていても良い。
【0085】
【作用】
本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法は、合わせガラスに用いる一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工するので、曲げ加工精度の高い合わせガラス用曲げガラスを効率的に得ることができる。
【0086】
また、上記スペーサー用ガラスの厚みを後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等にすることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0087】
本発明の合わせガラスの製造方法は、合わせガラスに使用する一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することにより得られた一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着するので、脱気不良等のない高品質の合わせガラスを簡略な工程で効率的に作製することができる。
【0088】
また、上記スペーサー用ガラスの厚みを後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等にすることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0089】
本発明の合わせガラスは、上記本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記本発明の合わせガラスの製造方法により作製されるので、脱気不良等のない高品質のものである。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法によれば、曲げ加工精度の高い合わせガラス用曲げガラスを効率的に得ることができる。
【0091】
また、本発明の合わせガラスの製造方法によれば、脱気不良等のない高品質の合わせガラスを簡略な工程で効率的に作製することができるとともに、オートクレーブの設置に伴う多額の設備投資費用も不要となる。
【0092】
さらに、本発明の合わせガラスは、脱気不良等のない高品質のものであるので、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス等や、航空機や電車などの乗り物のガラス部位、建築物のガラス部位等に好適に用いられる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、合わせガラスの製造方法および合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損しても、ガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車などの車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。
【0003】
このような合わせガラスとしては、少なくとも一対(2枚)のガラスの間に、例えば、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂などのポリビニルアセタール系樹脂からなる合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」と略記することもある)を介在させ、一体化させてなるもの等が挙げられる。
【0004】
ところが、このような中間膜を用いて合わせガラスを製造する際に、ガラスの曲げ加工精度が高くないと、製造工程において空気がガラスと中間膜との間に入って残留してしまい、上手く脱気できないという問題点が発生する。
【0005】
ガラスの曲げ加工方法としては、例えば、ガラス1枚ずつを加熱した後に型でプレスする、いわゆるプレスベンド法がある。しかし、プレスベンド法では、1枚ずつのガラスの曲がり具合が少しずつ異なるために、2枚重ねた際の隙間間隔が均一でなく、合わせガラス製造時における脱気不良(空気残留や周辺部シール不良)の原因となりやすいという問題点がある。
【0006】
また、例えば、一方向にのみ曲がったガラスの場合には、加熱空気を下から噴出してガラスを浮揚搬送し、ガラスの軟化温度まで加熱することにより曲げ加工するガラスの曲げ加工方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかし、上記ガラスの曲げ加工方法の場合、曲がりが比較的浅く、一方向にのみ曲げるために、脱気不良に係わる問題点はさほど大きくないが、1枚ずつ曲げることには変わりがないため、曲げ加工精度に係わる問題点は依然として残っている。
【0008】
このような問題点に対応するために、例えば、2枚のガラスの曲がり具合を同じにする試みとして、1枚のガラスの型を粘土型にとり、乾燥固化した粘土型を使ってもう1枚のガラスを曲げる曲げガラスの製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
しかし、上記曲げガラスの製造方法の場合、生産性が悪いため、合わせガラスを大量に製造する工程には不向きであるという問題点がある。
【0010】
また、生産性の良い曲げ加工方法として、予め2枚の平板ガラスを重ねておき、加熱炉の中で2枚同時に曲げる、いわゆる自重曲げ法が一般的に採用されている。
【0011】
しかし、上記自重曲げ法でガラスを曲げても、2枚のガラスの間に中間膜を入れ、その中間膜の厚み分だけ2枚のガラスが離れた場合、厳密には曲げられた2枚のガラスの間隔は同じではなく、ガラス端部等で深く曲げられた部分では間隔が狭くなってしまうため、脱気不良に係わる問題点を完全に解決するには不十分である。
【0012】
一方、合わせガラスの製造は、通常、少なくとも一対のガラスの間に合わせガラス用中間膜を挟んで合わせガラス構成体(合わせガラス積層体)を作製した後、この合わせガラス構成体を例えばゴムバッグのような真空バッグの中に入れて減圧吸引する方式(真空バッグ方式)、この合わせガラス構成体の周囲にスペーサーを入れて圧力が均一にかかるようにした状態で真空リングの中に入れて合わせガラス構成体の端部から減圧吸引する方式(真空リング方式)などの真空(減圧)脱気法や、この合わせガラス構成体を例えばニップロール(押圧ロール)に通して扱く扱き脱気法等により、合わせガラス構成体中のガラスと中間膜との間に残留する空気を脱気しながら加熱圧着(予備圧着)した後、そのままの状態でオートクレーブの中に入れて加圧下で加熱圧着(本圧着)する方式、いわゆるオートクレーブ方式で行われているが、近年、合わせガラスの製造工程の簡略化を図るために、オートクレーブ工程を省略する方式、いわゆるノンオートクレーブ方式(非オートクレーブ方式)に適用できる中間膜やノンオートクレーブ方式による合わせガラスの製造方法に対する要望が高まっている。
【0013】
上記ノンオートクレーブ方式で合わせガラスを製造する場合、ガラスの曲げ加工精度が高くないと、ガラスと中間膜との間の空気を上手く脱気できず、製造工程中で空気が合わせガラス構成体中に残留してしまうという問題点が発生する。同じノンオートクレーブ方式による合わせガラスの製造であっても、ガラスが平板ガラスである場合には、上記空気残留の問題は殆ど発生せず、良好な合わせガラスを得ることができるが、ガラスが曲げガラスである場合には、2枚のガラスのペア差(2枚のガラス間の距離が均一でない部分)に起因する空気残留が発生しやすくなって、良好な合わせガラスを得ることが困難となる。このような観点からも、合わせガラス用ガラスには曲げ加工精度が高いことが要求され、曲げ加工精度に係わる前記問題点を解消することは極めて重要である。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−340441号公報
【特許文献2】
特開2000−219544号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、曲げ加工精度の高い合わせガラス用曲げガラスを効率的に得ることができる合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、および、ノンオートクレーブ方式による高品質な合わせガラスの効率的な製造方法、ならびに、上記合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記合わせガラスの製造方法により作製される合わせガラスを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(本発明)による合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法は、合わせガラスに用いる少なくとも一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明(本発明)による合わせガラスの製造方法は、合わせガラスに用いる少なくとも一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することにより得られた少なくとも一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明による合わせガラスの曲げ加工方法または合わせガラスの製造方法は、上記請求項1に記載の合わせガラスの曲げ加工方法または上記請求項2に記載の合わせガラスの製造方法において、スペーサー用ガラスの厚みが、後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等であることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明(本発明)による合わせガラスは、上記請求項1または請求項3に記載の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた少なくとも一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記請求項2または請求項3に記載の合わせガラスの製造方法により作製されることを特徴とする。
【0020】
本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法は、合わせガラスに用いられる少なくとも一対のガラスの間に、曲げ加工中にのみ使用するスペーサー用ガラスを介在させて合計枚数が奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工するものである。
【0021】
上記少なくとも一対のガラスおよびスペーサー用ガラスとしては、合わせガラス用として一般的に用いられるガラスであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、クリアガラス、グリーンガラス、高熱線吸収ガラス等の板ガラスが挙げられ、好適に用いられる。上記少なくとも一対のガラスは、同種のガラスであっても良いし、異種のガラスであっても良い。また、上記スペーサー用ガラスは、少なくとも一対のガラスの少なくとも一方と同種のガラスであっても良いし、少なくとも一対のガラスの双方と異種のガラスであっても良い。
【0022】
上記曲げ加工方法においては、ガラス同士の離型性を向上させるために、2枚のガラスを自重曲げする際に一般的に用いられる離型粉を用いることが好ましい。
【0023】
上記離型粉としては、離型性を有し、ガラスの曲げ加工時にガラス表面に傷を付ける等の品質低下を引き起こさないものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、珪藻土のような屈折率がガラスの屈折率と近いものが好適に用いられる。上記離型粉は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0024】
少なくとも一対のガラス間に介在させたスペーサー用ガラスは、曲げ加工終了後に取り外し、その代わりに、少なくとも一対の曲げガラス間に形成されたスペース内に合わせガラス用中間膜を挿入し積層することにより、合わせガラス構成体ひいては合わせガラスとなす。
【0025】
次に、本発明の合わせガラスの製造方法は、合わせガラスに用いる少なくとも一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することにより得られた、すなわち、上記本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法と同様の方法で得られた少なくとも一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することにより合わせガラスを作製する。
【0026】
本発明の合わせガラスの製造方法においては、先ず、上記本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法と同様の方法で少なくとも一対のガラスに曲げ加工を施す。次に、少なくとも一対のガラス間に介在させたスペーサー用ガラスを曲げ加工終了後に取り外し、その代わりに、少なくとも一対の曲げガラス間に形成されたスペース内に合わせガラス用中間膜を挿入し、例えば、ガラス/中間膜/ガラスからなる3層構成で積層することにより、合わせガラス構成体を作製する。
【0027】
従って、本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法または本発明の合わせガラスの製造方法に用いられるスペーサー用ガラスの厚みは、後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等であることが好ましい。
【0028】
上記スペーサー用ガラスの厚みを中間膜の厚みと同等にすることにより、脱気不良等の起こりにくい高品質の合わせガラス構成体ひいては脱気不良等のない高品質の合わせガラスを効率的に得ることができる。
【0029】
本発明の合わせガラスの製造方法においては、次いで、上記のようにして作製された合わせガラス構成体を、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、すなわち、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することにより合わせガラスを作製する。
【0030】
合わせガラス構成体をノンオートクレーブ方式で加熱圧着する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、合わせガラス構成体を前記真空バッグ方式や真空リング方式により、真空バッグや真空リングの中に入れ、この真空バッグや真空リングを排気系に接続して、真空バッグや真空リングの内部の圧力が約−64〜−100kPaの減圧度(絶対圧力約37〜1kPa)となるように吸引減圧しながら温度を上げ、温度約100℃以上で、脱気、予備圧着および本圧着を一貫して連続的に行う方法、いわゆる真空プレス法(減圧プレス法)等が挙げられる。
【0031】
本発明の合わせガラスの製造方法は、前記方法で高精度の曲げ加工が施された少なくとも一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着するので、脱気不良等のない高品質の合わせガラスを簡略な工程で効率的に作製することができるとともに、オートクレーブの設置に伴う多額の設備投資費用も不要となる。
【0032】
次に、本発明の合わせガラスは、前述した本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、上述した本発明の合わせガラスの製造方法により作製される。
【0033】
本発明の合わせガラスに用いられるガラスの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、平板ガラス、並板ガラス、型板ガラス、金網入り型板ガラス、着色された板ガラスなどの各種無機ガラスであっても良いし、ポリカーボネート板やポリメチルメタクリサート板などの各種有機ガラスであっても良い。これらのガラスは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記ガラスの厚みは、合わせガラスの用途や目的等に応じて適宜選択されれば良く、特に限定されるものではない。
【0034】
本発明の合わせガラスの構成は、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス/中間膜/ガラスからなる通常の3層構成であっても良いし、ガラス/中間膜/ガラス/中間膜/ガラスからなるような多層構成であっても良い。
【0035】
本発明の合わせガラスを本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスを用いて作製する場合、先ず、合わせガラスに用いる一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱して少なくとも一対のガラスに曲げ加工を施す。次に、少なくとも一対のガラス間に介在させたスペーサー用ガラスを曲げ加工終了後に取り外し、その代わりに、少なくとも一対の曲げガラス間に形成されたスペース内に合わせガラス用中間膜を挿入し、例えば、ガラス/中間膜/ガラスからなる3層構成で積層することにより、合わせガラス構成体を作製する。次いで、得られた合わせガラス構成体を加熱圧着することにより合わせガラスを作製する。
【0036】
上記合わせガラス構成体を加熱圧着して合わせガラスを作製する方法は、通常のオートクレーブ方式で良く、例えば、次のように行えば良い。
【0037】
すなわち、上記操作で作製された合わせガラス構成体を例えばゴムバッグのような真空バッグの中に入れて減圧吸引する方式(真空バッグ方式)、合わせガラス構成体の周囲にスペーサーを入れて圧力が均一にかかるようにした状態で真空リングの中に入れて合わせガラス構成体の端部から減圧吸引する方式(真空リング方式)などの真空(減圧)脱気法や、合わせガラス構成体を例えばニップロール(押圧ロール)に通して扱く扱き脱気法等により、合わせガラス構成体中のガラスと中間膜との間に残留する空気を脱気しながら加熱圧着(予備圧着)した後、そのままの状態でオートクレーブの中に入れて加圧下で加熱圧着(本圧着)することにより、所望の合わせガラスを作製することができる。
【0038】
本発明の合わせガラスを本発明の合わせガラスの製造方法により作製する場合、上記と同様の操作で合わせガラス構成体を作製した後、この合わせガラス構成体を、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することにより合わせガラスを作製する。
【0039】
上記合わせガラス構成体をノンオートクレーブ方式で加熱圧着して合わせガラスを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記真空プレス法(減圧プレス法)等が挙げられ、このような方法を採ることにより、所望の合わせガラスを作製することができる。
【0040】
こうして得られる本発明の合わせガラスの用途としては、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス等や、航空機や電車などの乗り物のガラス部位、建築物のガラス部位等が挙げられるが、これらの用途に限定されるものではない。
【0041】
本発明の合わせガラスの製造方法または本発明の合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂が製膜(成形)されてなるものであれば如何なる中間膜であっても良く、特に限定されるものではない。
【0042】
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、(可塑化)飽和ポリエステル系樹脂、(可塑化)ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂等の従来から中間膜用として用いられている熱可塑性樹脂が挙げられ、中でも、優れた透明性、優れた耐候性、強靱な強度、ガラスに対する適正な接着力等の諸性能のバランスに優れる中間膜を得られることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0043】
上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂とは、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルアセタール系樹脂のことである。
【0044】
上記ポリビニルアセタール系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と記す)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、「PVB」と記す)等が挙げられ、中でも、優れた透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性等の諸性能のバランスにより優れる中間膜を得られることから、PVBが好適に用いられる。これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0045】
上記ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるPVAは、特に限定されるものではないが、鹸化度が80.0〜99.8モル%であることが好ましい。
【0046】
また、上記PVAは、特に限定されるものではないが、平均重合度が200〜3000であることが好ましく、より好ましくは500〜2000である。
【0047】
PVAの平均重合度が200未満であると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を用いて作製した中間膜の強度が弱くなりすぎて、この中間膜を用いて作製した合わせガラスの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にPVAの平均重合度が3000を超えると、得られるポリビニルアセタール系樹脂の製膜性(成形性)が悪くなったり、このポリビニルアセタール系樹脂を用いて作製した中間膜の剛性が高くなりすぎて、加工性が悪くなることがある。
【0048】
なお、上記PVAの鹸化度および平均重合度は、JIS K−6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠して測定することができる。
【0049】
上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、アセタール化度が40〜85モル%であることが好ましく、より好ましくは60〜75モル%である。
【0050】
アセタール化度が40モル%未満もしくは85モル%超のポリビニルアセタール系樹脂は、反応機構上、合成するのが困難となることがある。
【0051】
また、上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、残存アセチル基量が30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜24モル%である。
【0052】
残存アセチル基量が30モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂を合成しようとすると、PVAとアルデヒドとの反応率が著しく低下することがある。
【0053】
さらに、上記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に限定されるものではないが、平均重合度が800〜3000であることが好ましい。
【0054】
ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度が800未満であると、このポリビニルアセタール系樹脂を用いて作製した中間膜の強度が弱くなりすぎて、この中間膜を用いて作製した合わせガラスの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度が3000を超えると、製膜性(成形性)が悪くなったり、このポリビニルアセタール系樹脂を用いて作製した中間膜の強度が強くなりすぎて、この中間膜を用いて作製した合わせガラスの衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがある。
【0055】
なお、ポリビニルアセタール系樹脂がPVBである場合、上記アセタール化度(ブチラール化度)、残存アセチル基量および平均重合度は、JIS K−6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定することができる。また、ポリビニルアセタール系樹脂がPVB以外のポリビニルアセタール系樹脂である場合、上記アセタール化度および残存アセチル基量は、JIS K−6729「ポリビニルホルマール試験方法」に準拠して測定することができる。
【0056】
上記ポリビニルアセタール系樹脂を可塑化するために用いられる可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、一塩基性有機酸エステル系可塑剤、多塩基性有機酸エステル系可塑剤などの有機酸エステル系可塑剤や、有機リン酸系可塑剤、有機亜リン酸系可塑剤などのリン酸系可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、これらの可塑剤は、ポリビニルアセタール系樹脂との相溶性を考慮して、ポリビニルアセタール系樹脂の種類に応じて適宜選択されることが好ましい。
【0057】
一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールと酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキシル酸などの一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げられる。
【0058】
多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数4〜8の直鎖状もしくは分岐状アルコールとアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などの多塩基性有機酸との反応によって得られるエステル等が挙げられる。
【0059】
リン酸系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0060】
上記各種可塑剤のなかでも、例えば、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジブチルセバケート、トリエチレングリコールジn−ヘプタノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジn−オクタノエート、テトラエチレングリコールジ2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジn−ヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレート等が好適に用いられ、中でも、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジブチルセバケート等がより好適に用いられる。
【0061】
上記可塑剤の配合量は、ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度やアセタール化度および残存アセチル基量等によっても異なり、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、可塑剤20〜60重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜50重量部である。
【0062】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の配合量が20重量部未満であると、得られる中間膜や合わせガラスの衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する可塑剤の配合量が60重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトしやすくなって、得られる中間膜や合わせガラスの光学歪みが大きくなったり、透明性やガラスと中間膜との接着力等が損なわれることがある。
【0063】
本発明で好ましく用いられる可塑化ポリビニルアセタール系樹脂には、必要に応じて、ガラスに対する接着力をより適正なものとするために、接着力調整剤が配合されていても良い。
【0064】
上記接着力調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの接着力調整剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0065】
上記有機酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸などのカルボン酸等が挙げられる。これらの有機酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記無機酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。これらの無機酸は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0066】
上記有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記有機酸や無機酸のカリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。これらの有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0067】
上記有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の中でも、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が好適に用いられ、とりわけ、炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩やマグネシウム塩がより好適に用いられる。
【0068】
上記炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩やマグネシウム塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム等が挙げられる。これらの炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩やマグネシウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0069】
上記有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の配合量は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩0.0001〜1重量部であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.2重量部である。
【0070】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の配合量が0.0001重量部未満であると、高湿度雰囲気下において中間膜周辺部のガラスに対する接着力が低下することがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する有機酸や無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の配合量が1重量部を超えると、中間膜のガラスに対する接着力が低くなりすぎたり、中間膜ひいては合わせガラスの透明性が失われることがある。
【0071】
上記変性シリコーンオイルとしては、一般にポリシロキサンに変性すべき化合物を反応させて得られるものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ変性シリコーンオイル、エーテル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの変性シリコーンオイルは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0072】
上記変性シリコーンオイルは、特に限定されるものではないが、分子量が800〜5000であることが好ましく、より好ましくは1500〜4000である。
【0073】
変性シリコーンオイルの分子量が800未満であると、中間膜表面への局在化が不十分となって、十分な接着力調整効果を得られなくなることがあり、逆に変性シリコーンオイルの分子量が5000を超えると、ポリビニルアセタール系樹脂との相溶性が低下し、中間膜表面にブリードアウトしやすくなって、中間膜のガラスに対する接着力が損なわれることがある。
【0074】
上記変性シリコーンオイルの配合量は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、変性シリコーンオイル0.01〜0.2重量部であることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.1重量部である。
【0075】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する変性シリコーンオイルの配合量が0.01重量部未満であると、十分な接着力調整効果を得られなくなることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する変性シリコーンオイルの配合量が0.2重量部を超えると、ポリビニルアセタール系樹脂との相溶性が低下し、中間膜表面にブリードアウトしやすくなって、中間膜のガラスに対する接着力が損なわれることがある。
【0076】
本発明で好ましく用いられる可塑化ポリビニルアセタール系樹脂には、必要に応じて、耐候性(耐光性)をより向上させるために、紫外線吸収剤や光安定剤が配合されていても良い。
【0077】
上記紫外線吸収剤や光安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、マロン酸エステル系化合物、蓚酸アニリド系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤や光安定剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0078】
上記紫外線吸収剤や光安定剤の配合量は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤や光安定剤0.01〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1重量部である。
【0079】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する紫外線吸収剤や光安定剤の配合量が0.01重量部未満であると、十分な耐候性(耐光性)向上効果を得られなくなることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する紫外線吸収剤や光安定剤の配合量が5重量部を超えると、却ってポリビニルアセタール系樹脂の耐候(耐光)劣化を引き起こすことがある。
【0080】
本発明で好ましく用いられる可塑化ポリビニルアセタール系樹脂には、必要に応じて、例えば押出機による製膜(成形)時の酸化劣化や熱劣化を防止するために、酸化防止剤や熱安定剤が配合されていても良い。
【0081】
上記酸化防止剤や熱安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール:BHT(例えば、住友化学工業社製の商品名「スミライザーBHT」)、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名「イルガノックス1010」)等が挙げられる。これらの酸化防止剤や熱安定剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0082】
上記酸化防止剤や熱安定剤の配合量は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対し、酸化防止剤や熱安定剤0.01〜5重量部であることが好ましい。
【0083】
ポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する酸化防止剤や熱安定剤の配合量が0.01重量部未満であると、十分な酸化劣化防止効果や熱劣化防止効果を得られなくなることがあり、逆にポリビニルアセタール系樹脂100重量部に対する酸化防止剤や熱安定剤の配合量が5重量部を超えると、却ってポリビニルアセタール系樹脂の酸化劣化や熱劣化を引き起こすことがある。
【0084】
本発明で好ましく用いられる可塑化ポリビニルアセタール系樹脂には、さらに必要に応じて、例えば、界面活性剤、耐湿性付与剤、遮音性付与剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種配合剤(各種添加剤)の1種類もしくは2種類以上が配合されていても良い。
【0085】
【作用】
本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法は、合わせガラスに用いる一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工するので、曲げ加工精度の高い合わせガラス用曲げガラスを効率的に得ることができる。
【0086】
また、上記スペーサー用ガラスの厚みを後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等にすることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0087】
本発明の合わせガラスの製造方法は、合わせガラスに使用する一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することにより得られた一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着するので、脱気不良等のない高品質の合わせガラスを簡略な工程で効率的に作製することができる。
【0088】
また、上記スペーサー用ガラスの厚みを後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等にすることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0089】
本発明の合わせガラスは、上記本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、上記本発明の合わせガラスの製造方法により作製されるので、脱気不良等のない高品質のものである。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法によれば、曲げ加工精度の高い合わせガラス用曲げガラスを効率的に得ることができる。
【0091】
また、本発明の合わせガラスの製造方法によれば、脱気不良等のない高品質の合わせガラスを簡略な工程で効率的に作製することができるとともに、オートクレーブの設置に伴う多額の設備投資費用も不要となる。
【0092】
さらに、本発明の合わせガラスは、脱気不良等のない高品質のものであるので、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス等や、航空機や電車などの乗り物のガラス部位、建築物のガラス部位等に好適に用いられる。
Claims (4)
- 合わせガラスに用いる少なくとも一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することを特徴とする合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法。
- 合わせガラスに用いる少なくとも一対のガラスの間にスペーサー用ガラスを介在させて奇数枚のガラス積層体とし、このガラス積層体を加熱炉の中で加熱し、曲げ加工することにより得られた少なくとも一対の曲げガラスの間に合わせガラス用中間膜を挿入し積層した後、オートクレーブによる加熱圧着を行うことなく、ノンオートクレーブ方式で加熱圧着することを特徴とする合わせガラスの製造方法。
- スペーサー用ガラスの厚みが、後にスペーサー用ガラスの代わりに挿入する合わせガラス用中間膜の厚みと同等であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法、または、請求項2に記載の合わせガラスの製造方法。
- 請求項1または請求項3に記載の合わせガラス用ガラスの曲げ加工方法により得られた少なくとも一対の曲げガラスを用いて作製されるか、または、請求項2または請求項3に記載の合わせガラスの製造方法により作製されることを特徴とする合わせガラス。
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WO2023051151A1 (zh) * | 2021-09-30 | 2023-04-06 | 福耀玻璃工业集团股份有限公司 | 车用夹层玻璃 |
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2003
- 2003-04-17 JP JP2003113081A patent/JP2004315311A/ja active Pending
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