JP2004314856A - 車輌用ヘッドライト制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輌のヘッドライトを単にハイ/ロービームの2段階の切り換えを行なう従来の構成に代えて、車輌の前後方向の傾斜角度に応じてヘッドライトの照射角度を上下方向及び/又は左右方向に変化させることにより、また車輌の前後方向の傾斜角度に応じてヘッドライトの光量を変化させることにより、従来の問題点を解決し得る車輌用ヘッドライト制御装置の提供を目的とする。
【解決手段】車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する三次元ジャイロセンサ4と、この三次元ジャイロセンサ4が検出した車輌の水平面に対する傾斜状態に対応してヘッドライト7の照射角度及び/又は光量を決定するゲートウェイ1と、このゲートウェイ1が決定したヘッドライト7の照射角度及び/又は光量に従ってヘッドライト7の照射角度及び/又は光量を変化させるヘッドライト制御部5とを車載LANにより接続してある。
【選択図】 図1
【解決手段】車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する三次元ジャイロセンサ4と、この三次元ジャイロセンサ4が検出した車輌の水平面に対する傾斜状態に対応してヘッドライト7の照射角度及び/又は光量を決定するゲートウェイ1と、このゲートウェイ1が決定したヘッドライト7の照射角度及び/又は光量に従ってヘッドライト7の照射角度及び/又は光量を変化させるヘッドライト制御部5とを車載LANにより接続してある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車輌、特に自動車のヘッドライトの制御装置に関し、より詳細には、車輌のヘッドライトの照射角度を車輌の傾斜状態に応じて変更する制御と、車輌のヘッドライトの光量を車輌の傾斜状態に応じて変更する制御とのいずれか一方、又は双方を同時に行なうようにした車輌用ヘッドライト制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌、特に自動車においては、ヘッドライトはいわゆるハイビーム状態とロービーム状態とに切り換え可能に通常は構成されている。具体的には、ヘッドライトの電球(バルブ)内に2個のフィラメントが備えられており、その内の一方は反射鏡の焦点位置に配置されていていわゆるハイビーム用として使用され、他方は一方のやや上方、換言すれば反射鏡の焦点位置よりもやや上方に配置されていていわゆるロービーム用として使用される。反射鏡の焦点位置に配置されているフィラメントが光を発する場合は反射鏡の焦点で反射されて正面へ照射されるハイビーム状態になり、反射鏡の焦点位置のやや上方に配置されているフィラメントが光を発する場合は反射鏡の焦点位置よりもやや上方で反射されて下方向きに照射されるロービーム状態になる。
【0003】
このような従来の一般的なハイ/ロービームのみの切り換えがは通常は運転者が手動で行なう。しかしこのような構成に代えて、たとえば車輌の周囲の明るさ(照度)を検知して自動的にハイ/ロービームの切り換え及びスモールライト(車幅灯,テールライト等)のオン/オフを制御する技術も知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
しかしこのような特許文献1に開示されている従来技術では平坦な道路上では対向車のヘッドライトの照射を検知して自動的にハイビームからロービームに切り換えることが可能ではあるが、道路に起伏が有る場合、たとえば自車が坂道を登坂している途中に対向車が坂道の上の平坦地にいる場合には対向車のヘッドライトの照射を検知することができず、対向車の運転者を眩惑する可能性が有る。また、踏切では線路の部分が道路よりも若干高くなっていることが多いため、最前列で踏切待ちしている自動車のヘッドライトは水平方向よりも上方へ照射される状態になる場合が多い。従って、このような場合にも踏切の両側で踏切待ちしている自動車は共に向かい側の自動車のヘッドライトの照射を検知できないことになる。
【0005】
更に、一部の高級車にはステアリングホイールの操作に連動してヘッドライトの照射角度を左右に、具体的にはステアリングホイールが右に切られた場合にはヘッドライトの照射角度も右向きに、ステアリングホイールが左に切られた場合にはヘッドライトの照射角度も左向きに連動して変化させることにより、夜間走行時のカーブでの安全性を図った構成も知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−36946号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来技術においても、山道等の起伏の変化が激しい道路を走行する場合には対向車のヘッドライトの照射を検知してヘッドライトをロービームに切り換えたとしても、対向車の運転者を眩惑させる可能性がある。
【0008】
またステアリングホイールに連動してヘッドライトの照射角度を変化させる従来の構成では、車庫入れ等の際にもヘッドライトの照射角度が変化することになるが、このような場合には不必要な部分をヘッドライトが照射することがあり、かえって不便であった。
【0009】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、車輌のヘッドライトを単にハイ/ロービームの2段階の切り換えを行なう従来の構成に代えて、車輌の前後方向の傾斜角度に応じてヘッドライトの照射角度を上下方向及び/又は左右方向に変化させることにより、また車輌の前後方向の傾斜角度に応じてヘッドライトの光量を変化させることにより、上述の如き従来技術の問題点を解決し得る車輌用ヘッドライト制御装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第1の発明は、車輌用ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を制御する装置であって、前記車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量に従って前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第1の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度及び/又は光量が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度及び/又は光量に従ってヘッドライトの照射角度及び/又は光量が変化する。
【0012】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第2の発明は、車輌用ヘッドライトの照射角度を上下方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの上下方向の照射角度を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を上下方向に変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第2の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの上下方向の照射角度が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度に従ってヘッドライト照射角可変手段が制御されてヘッドライトの照射角度が上下方向に変化する。
【0014】また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第3の発明は、上述の第2の発明において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第3の発明では、上述の第2の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定される。
【0016】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第4の発明は、車輌用ヘッドライトの照射角度を左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、前記車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの左右の照射角度を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を左右方向に変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第4の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの左右の照射角度が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度に従ってヘッドライト照射角可変手段が制御されてヘッドライトの照射角度が左右方向に変化する。
【0018】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第5の発明は、上述の第4の発明において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の左右方向のいずれか一方が高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を前記一方の側へ変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第5の発明では、上述の第4の発明において、車輌の傾斜状態が左右方向の一方が他方よりも高い状態である場合は、他方よりも高くなっている一方の側へヘッドライトの照射角度を向けるように決定される。
【0020】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第6の発明は、車輌用ヘッドライトの照射角度を上下左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後左右方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの上下左右方向の照射角度を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を上下左右方向に変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第6の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後左右方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの上下左右方向の照射角度が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度に従ってヘッドライト照射角可変手段が制御されてヘッドライトの照射角度が上下左右方向に変化する。
【0022】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第7の発明は、上述の第6の発明において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定し、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の左右方向のいずれか一方が高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を前記一方の側へ変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0023】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第7の発明では、上述の第6の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定されると共に、車輌の傾斜状態が左右方向の一方が他方よりも高い状態である場合は、他方よりも高くなっている一方の側へヘッドライトの照射角度を向けるように決定される。
【0024】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第8の発明は、上述の第2乃至第7の発明のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記車輌の水平面に対する傾斜状態と前記ヘッドライトの照射角度とを対応付けたテーブルを有し、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応する前記ヘッドライトの上下方向及び/又は左右方向の照射角度を前記テーブルから読み出して前記ヘッドライト制御手段に与えるようにしてあることを特徴とする。
【0025】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第8の発明では、上述の第2乃至第7の発明のいずれかにおいて、傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応するヘッドライトの上下方向及び/又は左右方向の照射角度がテーブルから読み出されてヘッドライト制御手段に与えられる。
【0026】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第9の発明は、車輌用ヘッドライトの光量を制御するヘッドライト光量可変手段と、前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの光量を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト光量可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの光量を変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0027】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第9の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの光量が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度に従ってヘッドライト光量可変手段が制御されてヘッドライトの光量が変化する。
【0028】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第10の発明は、上述の第9の発明において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの光量を減少させるように前記ヘッドライトの光量を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0029】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第10の発明では、上述の第9の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定される。
【0030】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第11の発明は、上述の第9又は第10の発明において、前記制御手段は、前記車輌の水平面に対する傾斜状態と前記ヘッドライトの光量とを対応付けたテーブルを有し、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応する前記ヘッドライトの光量を前記テーブルから読み出して前記ヘッドライト制御手段に与えるようにしてあることを特徴とする。
【0031】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第11の発明では、上述の第9又は第10の発明において、傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応するヘッドライトの光量がテーブルから読み出されてヘッドライト制御手段に与えられる。
【0032】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第12の発明は、車輌用ヘッドライトをハイビームとロービームとに選択的に切り換えるスイッチ手段と、前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの状態をハイビーム又はロービームのいずれかに決定する制御手段と、
該制御手段が決定した前記ヘッドライトのハイビーム又はロービームのいずれかの状態に従って前記スイッチ手段を制御することにより前記ヘッドライトをハイビーム又はロービームに切り換えさせるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0033】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第12の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの状態がハイビーム又はロービームのいずれかに決定され、この決定されたヘッドライトのハイビーム又はロービームのいずれかの状態に従ってスイッチ手段が制御されてヘッドライトがハイビーム又はロービームに切り換えられる。
【0034】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第13の発明は、上述の第2乃至第12の発明のいずれかにおいて、前記制御手段,前記ヘッドライト制御手段,前記傾斜検出手段はLAN接続されていることを特徴とする。
【0035】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第13の発明では、上述の第2乃至第12の発明のいずれかにおいて、制御手段,ヘッドライト制御手段,傾斜検出手段が相互に通信が可能にLAN接続されている。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【0037】
なお、この構成例では車体の上下方向の傾斜に伴ってヘッドライトの照射角度を上下方向に変化させる構成を採っている。また、図1に示す第1の実施の形態では、車載LANを利用してヘッドライトの照射角度を制御する構成例を示すが、ヘッドライトの照射角度を制御することのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0038】
図1において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0039】
ゲートウェイ1には傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3が接続されている。この傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトの上下方向の照射角との対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0040】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の前後方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)のみをゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0041】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従って、ヘッドライト7の照射角度を上下方向に変化させるヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ60の駆動を制御する。アクチュエータ60は後述するヘッドライト7の支持枠71に取り付けられており、たとえばステッピングモータ等が利用可能であり、ヘッドライト7自体を上下方向に回動させることにより、ヘッドライト7の上下方向の照射角を変更させる。
【0042】
ヘッドライト7は、その光軸と直交し、車体の左右方向に平行な枢軸で支持枠71に枢支されている。支持枠71はその上下端部を車体に固定されている。従って、ヘッドライト7は車体に対して枢軸を回転中心として上下方向に回動し、これによってヘッドライト7の照射角が車体の上下方向に変更される。
【0043】
一方、アクチュエータ60としてのステッピングモータは支持枠71にその出力軸を車体の左右方向として取り付けられており、その出力軸にはスパーギア61が取り付けられている。一方、ヘッドライト7を支持枠71に枢支している枢軸にもスパーギア62が取り付けられており、上述のスパーギア61と噛合している。従って、アクチュエータ60としてのステッピングモータの出力軸の回転に伴ってスパーギア61が回転し、これと噛合するスパーギア62が回転する。スパーギア62の回転によりヘッドライト7を支持枠71に枢支している枢軸が回転し、この枢軸に固定されているヘッドライト7も支持枠71に対して、即ち車体の上下方向に回動する。
【0044】
なお、アクチュエータ60によりヘッドライト7を上下方向に回動させるヘッドライト照射角可変機構6の構成例としては上述したような構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0045】
以上のような図1に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の動作は、図2のフローチャートに示すようになる。
【0046】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7の照射角度を上下方向に自動制御するための「ヘッドライト上下角自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0047】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライト上下角自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS11でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS12でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS13)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0048】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトの上下角を傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3から読出し(ステップS14)、読み出した上下角の指示をライト角度情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS15)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したライト角度情報により指示される上下方向の角度に従って、ヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ60であるステッピングモータを駆動制御する(ステップS16)。
【0049】
以上のようなステップS11からS16に至り、再度S11へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による車体の前後方向の傾斜角の検出出力に応じてヘッドライト7の上下角が変更制御されるので、ヘッドライト7の照射角が車体の前後方向の傾斜角に応じて上下方向に変更制御される。なお、ステップS12において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS12でNO)、ステップS11へ処理が戻される。また、ステップS11において「ヘッドライト上下角自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS11でNO)、ヘッドライト7の一般的なハイ/ロービームの手動での切り換えが可能であり、そのための操作が行なわれたか否かを検出するための処理が行なわれ(ステップS17)、ステップS11へ処理が戻される。
【0050】
図3は傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3の登録内容の一例を示す模式図である。この図3に示す例では、三次元ジャイロセンサ4の前後方向の検出出力である傾斜角情報α1が0度以下である場合、換言すれば車輌がその前後方向に水平状態又は前下がり状態で走行している場合はヘッドライト7の上下角β1は0度、換言すれば通常のハイビーム状態に設定される。また、傾斜角情報α1が0度より大きく35度以下の範囲である場合、換言すれば車輌がある程度の前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の上下角β1は−10度、換言すれば通常のロービームと同等程度の状態に設定される。更に、傾斜角情報α1が35度よりも大きい場合、換言すれば車輌がかなりの前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の上下角β1は−15度、換言すれば通常のロービームよりも更に低い状態に設定される。
【0051】
なお、図3に示した例では、傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3には3段階の条件が予め設定されているが、より細分化した設定を行なってもよいことは言うまでもない。更に、図3に示した例において、傾斜角情報α1が0度より大きく35度以下の範囲である場合には、ヘッドライト7の上下角β1を0度から−10度の範囲で傾斜角情報α1に応じて比例させて変化させてもよい。但し、傾斜角情報α1が35度よりも大きい場合には、ヘッドライト7の上下角β1を−15度を上限として固定することが好ましい。
【0052】
なお、図3に示した傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3の関係は一例であって、たとえば車輌のヘッドライト7が設置されている位置の路面からの高さに応じて異なる条件を設定してもよい。たとえば、ヘッドライト7の設置位置が比較的高いたとえばオフロードタイプの車輌等ではヘッドライト上下角β1の変化率を比較的大きめに設定し、ヘッドライト7の設置位置が比較的低いたとえばスポーツタイプの車輌等ではヘッドライト上下角β1の変化率を比較的小さめに設定するようにしてもよい。
【0053】
なお、本第1の実施の形態においてはヘッドライト7の照射角の制御は車輌の上下方向の傾斜のみに基づいて制御されているため、三次元ジャイロセンサ4に代えてより構成が簡単な傾斜センサにより車体の前後方向の傾斜のみを検出するようにしてもよい。
【0054】図4は本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図であり、この構成例ではヘッドライトの光量を変更するようにしている。
【0055】
なお、この第2の実施の形態の構成例では車体の上下方向の傾斜に伴ってヘッドライトの光量を変化させる構成を採っている。また、図4に示す第2の実施の形態におても、車載LANを利用してヘッドライトの光量を変化させる構成例を示すが、ヘッドライトの光量を変化させることのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0056】
図4において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0057】
ゲートウェイ1には傾斜角−光量テーブル30が接続されている。この傾斜角−光量テーブル30は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトの光量との対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−光量テーブル30はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0058】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の前後方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)のみをゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0059】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従ってヘッドライト7の光量を制御するヘッドライト光量可変手段としての電圧調節器8を制御する。電圧調節器8は電源、具体的には車載バッテリとヘッドライト7との間に介装されており、たとえば可変抵抗等が利用可能である。この電圧調節器8はヘッドライト7への給電電圧を変化させることにより、ヘッドライト7の光量を変化させる。
【0060】
なお、電圧調節器8によりヘッドライト7の光量を変化させる構成としては上述したような可変抵抗を利用する構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0061】
以上のような図4に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の動作は、図5のフローチャートに示すようになる。
【0062】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7の光量を自動制御するための「ヘッドライト光量自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0063】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライト光量自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS21でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS22でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS23)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0064】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトの光量を傾斜角−光量テーブル30から読出し(ステップS24)、読み出した光量の指示をライト光量情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS25)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したライト光量情報により指示される光量に従って電圧調節器8を制御する(ステップS26)。
【0065】
以上のようなステップS21からS26に至り、再度S21へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による検出出力に応じてヘッドライト7の光量が制御される。なお、ステップS22において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS22でNO)、ステップS21へ処理が戻される。また、ステップS21において「ヘッドライト光量自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS21でNO)、ヘッドライト7の一般的なハイ/ロービームの手動での切り換えが可能であり、そのための操作が行なわれたか否かを検出するための処理が行なわれ(ステップS27)、ステップS21へ処理が戻される。
【0066】
図6は傾斜角−光量テーブル30の登録内容の一例を示す模式図である。この図6に示す例では、三次元ジャイロセンサ4の前後方向の検出出力である傾斜角情報α1が0度以下である場合、換言すれば車輌がその前後方向に水平状態又は前下がり状態で走行している場合はヘッドライト7の光量β2は100%、換言すれば通常のハイビーム状態と同等の状態に設定される。また、傾斜角情報α1が0度より大きく35度以下の範囲である場合、換言すれば車輌がある程度の前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の光量β2は50%、換言すれば対向車にとっては通常のロービームと同等程度の光量に設定される。更に、傾斜角情報α1が35度よりも大きい場合、換言すれば車輌がかなりの前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の光量β2は30%、換言すれば対向車にとっては通常のロービームよりも更に低い光量に設定される。
【0067】
なお、図6に示した例では、傾斜角−光量テーブル30には3段階の条件が予め設定されているが、より細分化した設定を行なってもよいことは言うまでもない。更に、図6に示した例において、傾斜角情報α1が0度より大きく35度以下の範囲である場合には、ヘッドライト7の光量β2を100%から50%の範囲で傾斜角情報α1に応じて比例させて変化させてもよい。但し、傾斜角情報α1が35度よりも大きい場合には、ヘッドライト7の光量β2を30%を上限として固定することが好ましい。
【0068】
なお、図6に示した傾斜角−光量テーブル30の関係は一例であって、たとえば車輌のヘッドライト7が設置されている位置の路面からの高さに応じて異なる条件を設定してもよい。たとえば、ヘッドライト7の設置位置が比較的高いたとえばオフロードタイプの車輌等ではヘッドライトの光量β2の変化率を比較的大きめに設定し、ヘッドライト7の設置位置が比較的低いたとえばスポーツタイプの車輌等ではヘッドライトの光量β2の変化率を比較的小さめに設定するようにしてもよい。
【0069】
なお、本第2の実施の形態においてはヘッドライト7の光量の制御は車輌の上下方向の傾斜のみに基づいて制御されているので、三次元ジャイロセンサ4に代えてより構成が簡単な傾斜センサにより車体の前後方向の傾斜のみを検出するようにしてもよい。
【0070】
図7は本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の構成例を示すブロック図であり、この構成例ではヘッドライトの照射角度を車体の左右方向に変更するようにしている。また、この図6に示す第3の実施の形態におても、車載LANを利用してヘッドライトの照射角度を変化させる構成例を示すが、ヘッドライトの照射角度を変化させることのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0071】
図7において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0072】
ゲートウェイ1には傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31が接続されている。この傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトの左右方向の照射角との対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0073】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の左右方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)のみをゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0074】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従って、ヘッドライト7の照射角度を左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ65の駆動を制御する。アクチュエータ65は車体に固定されており、たとえばステッピングモータ等が利用可能であり、ヘッドライト7自体を左右方向に回動させることにより、ヘッドライト7の左右方向の照射角を変更させる。
【0075】
ヘッドライト7は、その光軸と直交し、車体の上下方向に平行な軸に回転自在に支持された支持枠72に固定されている。支持枠72は上端部を車体に適宜の軸受に回動自在に支持された軸73Aの下端部に固定されており、また支持枠72は下端部を適宜の軸受に回動自在に支持された軸73Bの上端部に固定されている。従って、ヘッドライト7を支持している支持枠72は車体に対して上下の軸73A,73Bを回転軸として左右方向に回動し、これによってヘッドライト7の照射角が車体の左右方向に変更される。
【0076】
一方、アクチュエータ65としてのステッピングモータの出力軸にはたとえばスパーギア63が取り付けられており、上述した軸73Bにはこのスパーギア63と噛合するスパーギア73Cが採りつけられている。従って、アクチュエータ60としてのステッピングモータの出力軸の回転に伴ってスパーギア63が回転し、これと噛合するスパーギア73Cが回転する。スパーギア73Cの回転により軸73Bが回転し、この軸73Bの上端部が固定されている支持枠72が車体の左右方向に回動するので、この支持枠72に支持されているヘッドライト7も車体の左右方向に回動する。
【0077】
なお、アクチュエータ65によりヘッドライト7を左右方向に回動させるヘッドライト照射角可変機構6の構成例としては上述したような構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0078】
以上のような図7に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の動作は、図8のフローチャートに示すようになる。なお、一般的なサスペンション(パッシブサスペンション)を使用している車輌(自動車)の場合、たとえば右カーブする場合は遠心力によって車体の右側が浮き上がり、左カーブする場合は遠心力によって車体の左側が浮き上がる。従って、車体の右側(又は左側)が左側(又は右側)よりも高い傾斜状態である場合は右カーブ(又は左カーブ)している状態であり、ヘッドライト7は右側(又は左側)へ向けられるように制御される。
【0079】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7の照射角度を左右方向に自動制御するための「ヘッドライト左右角自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0080】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライト左右角自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS31でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS32でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS33)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0081】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトの左右角を傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31から読出し(ステップS34)、読み出した左右角の指示をライト角度情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS35)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したライト角度情報により指示される左右方向の角度に従って、ヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ65であるステッピングモータを駆動制御する(ステップS36)。
【0082】
以上のようなステップS31からS36に至り、再度S31へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による車体の左右方向の傾斜角の検出出力に応じてヘッドライト7の左右角が変更制御されるので、ヘッドライト7の照射角が車体の左右方向の傾斜角に応じて左右方向に変更制御される。なお、ステップS32において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS32でNO)、ステップS31へ処理が戻される。また、ステップS31において「ヘッドライト左右自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS31でNO)、「ヘッドライト左右自動制御スイッチ」の状態が「オン」になるまで(ステップS31でYES)、待機する。
【0083】
図9は傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31の登録内容の一例を示す模式図である。この図9に示す例では、三次元ジャイロセンサ4の検出出力である左右方向の傾斜角情報α2が−5度以上+5度以下(但し、α2が「−」の場合は右上がりの傾斜状態を、α2が「+」の場合は左上がりの傾斜状態をそれぞれ表わす)の範囲である場合、換言すれば車輌がその左右方向にほぼ水平状態で走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は0度、換言すれば通常の前方を照射する状態に設定される。また、傾斜角情報α2が−10度以下で−5度未満の範囲である場合、換言すれば車輌がある程度の右上がり状態で走行している場合、具体的には右方向へカーブしつつ走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は−10度(但し、β3が「−」の場合はヘッドライト7の照射角が右向きである状態を、β3が「+」の場合はヘッドライト7の照射角が左向きである状態をそれぞれ表わす)に、具体的には10度右方向に設定される。逆に、傾斜角情報α2が+10度以下で+5度未満の範囲である場合、換言すれば車輌がある程度の左上がり状態で走行している場合、具体的には左方向へカーブしつつ走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は+10度に具体的には10度左方向に設定される。更に、傾斜角情報α2が−10度よりも小さい場合、換言すれば車輌がかなりの右上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は−15度に、逆に傾斜角情報α2が+10度よりも大きい場合、換言すれば車輌がかなりの左上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は+15度にそれぞれ設定される。
【0084】
なお、図9に示した例では、傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31には3段階の条件が予め設定されているが、より細分化した設定を行なってもよいことは言うまでもない。更に、図9に示した例において、傾斜角情報α2の絶対値が5度より大で10度以下の範囲である場合には、ヘッドライト7の左右角β3を0度から10度の範囲で傾斜角情報α2に応じて比例させて変化させてもよい。但し、傾斜角情報α2の絶対値が10度よりも大きい場合には、ヘッドライト7の左右角β3を15度を上限として固定することが好ましい。
【0085】
なお、図9に示した傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31の関係は一例であって、たとえば車輌の前部の両端部それぞれに設置されているヘッドライト7の設置間隔が広い大型車の場合はヘッドライト左右角β3の変化率を比較的大きめに設定し、ヘッドライト7の設置間隔が比較的狭い小型車ではヘッドライト左右角β3の変化率を比較的小さめに設定するようにしてもよい。
【0086】
なお、本実施の形態においてはヘッドライト7の照射角の制御は車輌の左右方向の傾斜のみに基づいて制御されているので、三次元ジャイロセンサ4に代えてより構成が簡単な傾斜センサにより車体の前後方向の傾斜のみを検出するようにしてもよい。
【0087】
図10は本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第4の実施の形態の構成例を示すブロック図であり、この構成例ではヘッドライトの照射角度を車体の上下左右方向に変化させる構成を採っている。
【0088】
図10に示す実施の形態では、車載LANを利用してヘッドライトの照射角度を制御する構成例を示すが、ヘッドライトの照射角度を制御することのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0089】
図10において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0090】
ゲートウェイ1には傾斜角−ヘッドライト角テーブル32が接続されている。この傾斜角−ヘッドライト角テーブル32は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトの上下方向及び左右方向の照射角との対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−ヘッドライト角テーブル32はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0091】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の上下方向の傾斜状態及び左右方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)をゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0092】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従って、ヘッドライト7の照射角度を上下方向及び左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ60及び65の駆動を制御する。アクチュエータ60は後述するヘッドライト7の支持枠72に取り付けられており、たとえばステッピングモータ等が利用可能であり、ヘッドライト7自体を上下方向に回動させることにより、ヘッドライト7の上下方向の照射角を変更させる。また、アクチュエータ65は車体に固定されており、たとえばステッピングモータ等が利用可能であり、ヘッドライト7自体を左右方向に回動させることにより、ヘッドライト7の左右方向の照射角を変更させる。
【0093】
ヘッドライト7は、その光軸と直交し、車体の上下方向に平行な軸に回転自在に支持された支持枠72に固定されている。支持枠72は上端部を車体に適宜の軸受に回動自在に支持された軸73Aの下端部に固定されており、また支持枠72は下端部を適宜の軸受に回動自在に支持された軸73Bの上端部に固定されている。従って、ヘッドライト7を支持している支持枠72は車体に対して上下の軸73A,73Bを回転軸として左右方向に回動し、これによってヘッドライト7の照射角が車体の左右方向に変更される。
【0094】
一方、アクチュエータ65としてのステッピングモータの出力軸にはたとえばスパーギア63が取り付けられており、上述した軸73Bにはこのスパーギア63と噛合するスパーギア73Cが採りつけられている。従って、アクチュエータ65としてのステッピングモータの出力軸の回転に伴ってスパーギア63が回転し、これと噛合するスパーギア73Cが回転する。スパーギア73Cの回転により軸73Bが回転し、この軸73Bの上端部が固定されている支持枠72が車体の左右方向に回動するので、この支持枠72に支持されているヘッドライト7も車体の左右方向に回動する。
【0095】
なお、アクチュエータ65によりヘッドライト7を左右方向に回動させる構成としては上述したような構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0096】
一方、アクチュエータ60としてのステッピングモータは支持枠72にその出力軸を車体の左右方向として取り付けられており、その出力軸にはスパーギア61が取り付けられている。一方、ヘッドライト7を支持枠72に枢支している枢軸にもスパーギア62が取り付けられており、上述のスパーギア61と噛合している。従って、アクチュエータ60としてのステッピングモータの出力軸の回転に伴ってスパーギア61が回転し、これと噛合するスパーギア62が回転する。スパーギア62の回転によりヘッドライト7を支持枠72に枢支している枢軸が回転し、この枢軸に固定されているヘッドライト7も支持枠72に対して、即ち車体の上下方向に回動する。
【0097】
なお、アクチュエータ60によりヘッドライト7を上下方向に回動させる構成としては上述したような構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0098】
以上のような構成により、ヘッドライト7はアクチュエータ65としてのステッピングモータにより車体の左右方向に回動し、またアクチュエータ60としてのステッピングモータにより車体の上下方向に回動する。即ち、図10に示す構成では、ヘッドライト7は車体の上下方向と左右方向との双方に回動可能である。
【0099】
以上のような図10に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第4の実施の形態の動作は、図11のフローチャートに示すようになる。
【0100】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7の照射角度を上下左右方向に自動制御するための「ヘッドライト自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0101】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライト自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS41でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS42でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS43)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0102】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトの上下左右角を傾斜角−ヘッドライト角テーブル32から読出し(ステップS44)、読み出した上下左右角の指示をライト角度情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS45)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したライト角度情報により指示される上下左右方向の角度に従って、ヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ60及び65である両ステッピングモータを駆動制御する(ステップS46)。
【0103】
以上のようなステップS41からS46に至り、再度S41へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による車体の上下左右方向の傾斜角の検出出力に応じてヘッドライト7の上下左右角が変更制御されるので、ヘッドライト7の照射角が車体の上下左右方向の傾斜角に応じて上下左右方向に変更制御される。なお、ステップS42において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS42でNO)、ステップS41へ処理が戻される。また、ステップS41において「ヘッドライト自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS41でNO)、ヘッドライト7の一般的なハイ/ロービームの手動での切り換えが可能であり、そのための操作が行なわれたか否かを検出するための処理が行なわれ(ステップS47)、ステップS41へ処理が戻される。
【0104】
なお、本第4の実施の形態の傾斜角−ヘッドライト角テーブル32の登録内容は前述の図3に示した傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3及び図9に示した傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31の双方の登録内容を併せたものであり、それに基づくゲートウェイ1によるヘッドライト7の上下角及び左右角の決定手順も前述同様であるので、その説明は省略する。
【0105】
図12は車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。なお、この構成例では車体の上下方向の傾斜に伴ってヘッドライトのハイ/ロービームを自動的に切り換える構成を採っている。また、図1に示す第1の実施の形態では、車載LANを利用してヘッドライトのハイ/ロービームを切り換える構成例を示すが、ヘッドライトのハイ/ロービームを切り換えを制御することのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0106】
図1において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0107】
ゲートウェイ1には傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33が接続されている。この傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトのハイ/ロービームとの対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0108】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の前後方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)のみをゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0109】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従って、ヘッドライト7のハイ/ロービームを切り換えさせるハイ/ロー切換スイッチ80を制御する。
【0110】
ヘッドライト7は、その反射鏡の焦点位置にハイビーム用のフィラメントHFが、それよりもやや上方の位置にロービーム用のフィラメントLFがそれぞれ配置されて備えられている一般的なシールドビームタイプのものである。
【0111】
ハイ/ロー切換スイッチ80はヘッドライト制御部5により制御され、電源、即ち車載バッテリからの給電電圧をハイビーム用のフィラメントHFまたはロービーム用のフィラメントLFのいずれか一方に選択的に接続する。
【0112】
以上のような図12に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の動作は、図13のフローチャートに示すようになる。
【0113】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7のハイ/ロービームを自動的に切り換えるための「ヘッドライトハイ/ロー自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0114】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライトハイ/ロー自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS51でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS52でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS53)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0115】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトのハイ/ロービームの設定を傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33から読出し(ステップS54)、読み出したハイ/ロービームの指示をハイ/ロー情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS55)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したハイ/ロー情報によるハイ/ロービームの指示に従ってハイ/ロー切換スイッチ80を制御する(ステップS56)。
【0116】
以上のようなステップS51からS56に至り、再度S51へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による車体の前後方向の傾斜角の検出出力に応じてヘッドライト7のハイ/ロービームが自動的に切り換えられるの。なお、ステップS52において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS52でNO)、ステップS51へ処理が戻される。また、ステップS51において「ヘッドライトハイ/ロー自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS51でNO)、ヘッドライト7のハイ/ロービームの手動での切り換えが可能であり、そのための操作が行なわれたか否かを検出するための処理(ステップS57)が行なわれ、ステップS51へ処理が戻される。
【0117】
図14は傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33の登録内容の一例を示す模式図である。この図14に示す例では、三次元ジャイロセンサ4の前後方向の検出出力である傾斜角情報α1が5度以下である場合、換言すれば車輌がその前後方向に5度までの前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7はハイビームに設定され、傾斜角情報α1が5度より大きい場合はヘッドライト7はロービームに設定される。
【0118】
なお、図14に示した傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33の関係は一例であって、たとえば車輌のヘッドライト7が設置されている位置の路面からの高さに応じて異なる条件を設定してもよい。たとえば、ヘッドライト7の設置位置が比較的高いたとえばオフロードタイプの車輌等では傾斜角情報α1が比較的小さい場合でもヘッドライト7をロービームに切り換えるように設定し、ヘッドライト7の設置位置が比較的低いたとえばスポーツタイプの車輌等では傾斜角情報α1が比較的大きい場合にヘッドライト7をロービームに切り換えるように設定してもよい。
【0119】
なお、本第5の実施の形態においてはヘッドライト7のハイ/ロービームの切り換えは車輌の上下方向の傾斜のみに基づいて制御されているため、三次元ジャイロセンサ4に代えてより構成が簡単な傾斜センサにより車体の前後方向の傾斜のみを検出するようにしてもよい。
【0120】
また、上述の各実施の形態においては本発明を自動車に適用した例を示したが、本発明は自動車に限らず、他の種類の車輌、たとえば自動二輪車、鉄道車輌等にも適用可能である。但し、自動二輪車、鉄道車輌においては、カーブ走行時には一般的な自動車とは車体の左右の傾斜が逆になることに留意すべきである。
【0121】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度及び/又は光量が変化するので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなる。
【0122】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第2の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度が上下方向に変化するので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0123】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第3の発明によれば、上述の第2の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定されるので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0124】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第4の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度が左右方向に変化するので、カーブした道路を走行している場合に道路のカーブした側を照射して視認性を向上させ、また対向車により早い目に認識してもらえる。
【0125】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第5の発明によれば、上述の第4の発明において、車輌の傾斜状態が左右方向の一方が他方よりも高い状態である場合は、他方よりも高くなっている一方の側へヘッドライトの照射角度を向けるように決定されるので、カーブした道路を走行している場合に道路のカーブした側を照射して視認性を向上させ、また対向車により早い目に認識してもらえる。
【0126】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第6の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後左右方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度が上下左右方向に変化するので、上述の第2の発明及び第4の発明の双方の効果を発揮する。
【0127】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第7の発明によれば、上述の第6の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定されると共に、車輌の傾斜状態が左右方向の一方が他方よりも高い状態である場合は、他方よりも高くなっている一方の側へヘッドライトの照射角度を向けるように決定されるので、上述の第3の発明及び第5の発明の双方の効果を発揮する。
【0128】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第8の発明によれば、上述の第2乃至第7の発明のいずれかにおいて、傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応するヘッドライトの上下方向及び/又は左右方向の照射角度はテーブルに登録されているので、テーブルの内容を変更するのみで車種、地域等に応じた設定が容易に可能になる。
【0129】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第9の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの光量が変化するので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0130】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第10の発明によれば、上述の第9の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定されるので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0131】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第11の発明によれば、上述の第9又は第10の発明において、傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応するヘッドライトの光量はテーブルに登録されているので、テーブルの内容を変更するのみで車種、地域等に応じた設定が容易に可能になる。
【0132】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第12の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトがハイビーム又はロービームに切り換えられるので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0133】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第13の発明によれば、上述の第2又は第12の発明のいずれかにおいて、制御手段,ヘッドライト制御手段,傾斜検出手段が相互に通信が可能にLAN接続されているので、他の車載装置と通信線を共有することが可能になり、種々の応用が可能になると共に、車輌重量の軽減にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の傾斜角−ヘッドライト上下角テーブルの登録内容の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の傾斜角−光量テーブルの登録内容の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の傾斜角−ヘッドライト左右角テーブルの登録内容の一例を示す模式図である。
【図10】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第4の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第4の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図13】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブルの登録内容の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ゲートウェイ
2 ヒューマンインタフェイス
3 傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル
30 傾斜角−光量テーブル
31 傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル
32 傾斜角−ヘッドライト角テーブル
33 傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル
4 三次元ジャイロセンサ
5 ヘッドライト制御部
6 ヘッドライト照射角可変機構
7 ヘッドライト
8 電圧調節器
80 ハイ/ロー切換スイッチ
60 アクチュエータ(ステッピングモータ)
65 アクチュエータ(ステッピングモータ)
HF ハイビームフィラメント
LF ロービームフィラメント
【発明の属する技術分野】
本発明は車輌、特に自動車のヘッドライトの制御装置に関し、より詳細には、車輌のヘッドライトの照射角度を車輌の傾斜状態に応じて変更する制御と、車輌のヘッドライトの光量を車輌の傾斜状態に応じて変更する制御とのいずれか一方、又は双方を同時に行なうようにした車輌用ヘッドライト制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌、特に自動車においては、ヘッドライトはいわゆるハイビーム状態とロービーム状態とに切り換え可能に通常は構成されている。具体的には、ヘッドライトの電球(バルブ)内に2個のフィラメントが備えられており、その内の一方は反射鏡の焦点位置に配置されていていわゆるハイビーム用として使用され、他方は一方のやや上方、換言すれば反射鏡の焦点位置よりもやや上方に配置されていていわゆるロービーム用として使用される。反射鏡の焦点位置に配置されているフィラメントが光を発する場合は反射鏡の焦点で反射されて正面へ照射されるハイビーム状態になり、反射鏡の焦点位置のやや上方に配置されているフィラメントが光を発する場合は反射鏡の焦点位置よりもやや上方で反射されて下方向きに照射されるロービーム状態になる。
【0003】
このような従来の一般的なハイ/ロービームのみの切り換えがは通常は運転者が手動で行なう。しかしこのような構成に代えて、たとえば車輌の周囲の明るさ(照度)を検知して自動的にハイ/ロービームの切り換え及びスモールライト(車幅灯,テールライト等)のオン/オフを制御する技術も知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
しかしこのような特許文献1に開示されている従来技術では平坦な道路上では対向車のヘッドライトの照射を検知して自動的にハイビームからロービームに切り換えることが可能ではあるが、道路に起伏が有る場合、たとえば自車が坂道を登坂している途中に対向車が坂道の上の平坦地にいる場合には対向車のヘッドライトの照射を検知することができず、対向車の運転者を眩惑する可能性が有る。また、踏切では線路の部分が道路よりも若干高くなっていることが多いため、最前列で踏切待ちしている自動車のヘッドライトは水平方向よりも上方へ照射される状態になる場合が多い。従って、このような場合にも踏切の両側で踏切待ちしている自動車は共に向かい側の自動車のヘッドライトの照射を検知できないことになる。
【0005】
更に、一部の高級車にはステアリングホイールの操作に連動してヘッドライトの照射角度を左右に、具体的にはステアリングホイールが右に切られた場合にはヘッドライトの照射角度も右向きに、ステアリングホイールが左に切られた場合にはヘッドライトの照射角度も左向きに連動して変化させることにより、夜間走行時のカーブでの安全性を図った構成も知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−36946号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来技術においても、山道等の起伏の変化が激しい道路を走行する場合には対向車のヘッドライトの照射を検知してヘッドライトをロービームに切り換えたとしても、対向車の運転者を眩惑させる可能性がある。
【0008】
またステアリングホイールに連動してヘッドライトの照射角度を変化させる従来の構成では、車庫入れ等の際にもヘッドライトの照射角度が変化することになるが、このような場合には不必要な部分をヘッドライトが照射することがあり、かえって不便であった。
【0009】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、車輌のヘッドライトを単にハイ/ロービームの2段階の切り換えを行なう従来の構成に代えて、車輌の前後方向の傾斜角度に応じてヘッドライトの照射角度を上下方向及び/又は左右方向に変化させることにより、また車輌の前後方向の傾斜角度に応じてヘッドライトの光量を変化させることにより、上述の如き従来技術の問題点を解決し得る車輌用ヘッドライト制御装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第1の発明は、車輌用ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を制御する装置であって、前記車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量に従って前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第1の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度及び/又は光量が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度及び/又は光量に従ってヘッドライトの照射角度及び/又は光量が変化する。
【0012】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第2の発明は、車輌用ヘッドライトの照射角度を上下方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの上下方向の照射角度を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を上下方向に変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第2の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの上下方向の照射角度が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度に従ってヘッドライト照射角可変手段が制御されてヘッドライトの照射角度が上下方向に変化する。
【0014】また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第3の発明は、上述の第2の発明において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第3の発明では、上述の第2の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定される。
【0016】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第4の発明は、車輌用ヘッドライトの照射角度を左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、前記車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの左右の照射角度を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を左右方向に変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第4の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの左右の照射角度が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度に従ってヘッドライト照射角可変手段が制御されてヘッドライトの照射角度が左右方向に変化する。
【0018】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第5の発明は、上述の第4の発明において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の左右方向のいずれか一方が高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を前記一方の側へ変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第5の発明では、上述の第4の発明において、車輌の傾斜状態が左右方向の一方が他方よりも高い状態である場合は、他方よりも高くなっている一方の側へヘッドライトの照射角度を向けるように決定される。
【0020】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第6の発明は、車輌用ヘッドライトの照射角度を上下左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後左右方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの上下左右方向の照射角度を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を上下左右方向に変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第6の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後左右方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの上下左右方向の照射角度が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度に従ってヘッドライト照射角可変手段が制御されてヘッドライトの照射角度が上下左右方向に変化する。
【0022】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第7の発明は、上述の第6の発明において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定し、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の左右方向のいずれか一方が高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を前記一方の側へ変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0023】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第7の発明では、上述の第6の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定されると共に、車輌の傾斜状態が左右方向の一方が他方よりも高い状態である場合は、他方よりも高くなっている一方の側へヘッドライトの照射角度を向けるように決定される。
【0024】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第8の発明は、上述の第2乃至第7の発明のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記車輌の水平面に対する傾斜状態と前記ヘッドライトの照射角度とを対応付けたテーブルを有し、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応する前記ヘッドライトの上下方向及び/又は左右方向の照射角度を前記テーブルから読み出して前記ヘッドライト制御手段に与えるようにしてあることを特徴とする。
【0025】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第8の発明では、上述の第2乃至第7の発明のいずれかにおいて、傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応するヘッドライトの上下方向及び/又は左右方向の照射角度がテーブルから読み出されてヘッドライト制御手段に与えられる。
【0026】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第9の発明は、車輌用ヘッドライトの光量を制御するヘッドライト光量可変手段と、前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの光量を決定する制御手段と、該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト光量可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの光量を変化させるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0027】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第9の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの光量が決定され、この決定されたヘッドライトの照射角度に従ってヘッドライト光量可変手段が制御されてヘッドライトの光量が変化する。
【0028】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第10の発明は、上述の第9の発明において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの光量を減少させるように前記ヘッドライトの光量を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0029】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第10の発明では、上述の第9の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定される。
【0030】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第11の発明は、上述の第9又は第10の発明において、前記制御手段は、前記車輌の水平面に対する傾斜状態と前記ヘッドライトの光量とを対応付けたテーブルを有し、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応する前記ヘッドライトの光量を前記テーブルから読み出して前記ヘッドライト制御手段に与えるようにしてあることを特徴とする。
【0031】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第11の発明では、上述の第9又は第10の発明において、傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応するヘッドライトの光量がテーブルから読み出されてヘッドライト制御手段に与えられる。
【0032】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第12の発明は、車輌用ヘッドライトをハイビームとロービームとに選択的に切り換えるスイッチ手段と、前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの状態をハイビーム又はロービームのいずれかに決定する制御手段と、
該制御手段が決定した前記ヘッドライトのハイビーム又はロービームのいずれかの状態に従って前記スイッチ手段を制御することにより前記ヘッドライトをハイビーム又はロービームに切り換えさせるヘッドライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0033】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第12の発明では、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの状態がハイビーム又はロービームのいずれかに決定され、この決定されたヘッドライトのハイビーム又はロービームのいずれかの状態に従ってスイッチ手段が制御されてヘッドライトがハイビーム又はロービームに切り換えられる。
【0034】
また本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第13の発明は、上述の第2乃至第12の発明のいずれかにおいて、前記制御手段,前記ヘッドライト制御手段,前記傾斜検出手段はLAN接続されていることを特徴とする。
【0035】
このような本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第13の発明では、上述の第2乃至第12の発明のいずれかにおいて、制御手段,ヘッドライト制御手段,傾斜検出手段が相互に通信が可能にLAN接続されている。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【0037】
なお、この構成例では車体の上下方向の傾斜に伴ってヘッドライトの照射角度を上下方向に変化させる構成を採っている。また、図1に示す第1の実施の形態では、車載LANを利用してヘッドライトの照射角度を制御する構成例を示すが、ヘッドライトの照射角度を制御することのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0038】
図1において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0039】
ゲートウェイ1には傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3が接続されている。この傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトの上下方向の照射角との対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0040】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の前後方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)のみをゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0041】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従って、ヘッドライト7の照射角度を上下方向に変化させるヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ60の駆動を制御する。アクチュエータ60は後述するヘッドライト7の支持枠71に取り付けられており、たとえばステッピングモータ等が利用可能であり、ヘッドライト7自体を上下方向に回動させることにより、ヘッドライト7の上下方向の照射角を変更させる。
【0042】
ヘッドライト7は、その光軸と直交し、車体の左右方向に平行な枢軸で支持枠71に枢支されている。支持枠71はその上下端部を車体に固定されている。従って、ヘッドライト7は車体に対して枢軸を回転中心として上下方向に回動し、これによってヘッドライト7の照射角が車体の上下方向に変更される。
【0043】
一方、アクチュエータ60としてのステッピングモータは支持枠71にその出力軸を車体の左右方向として取り付けられており、その出力軸にはスパーギア61が取り付けられている。一方、ヘッドライト7を支持枠71に枢支している枢軸にもスパーギア62が取り付けられており、上述のスパーギア61と噛合している。従って、アクチュエータ60としてのステッピングモータの出力軸の回転に伴ってスパーギア61が回転し、これと噛合するスパーギア62が回転する。スパーギア62の回転によりヘッドライト7を支持枠71に枢支している枢軸が回転し、この枢軸に固定されているヘッドライト7も支持枠71に対して、即ち車体の上下方向に回動する。
【0044】
なお、アクチュエータ60によりヘッドライト7を上下方向に回動させるヘッドライト照射角可変機構6の構成例としては上述したような構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0045】
以上のような図1に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の動作は、図2のフローチャートに示すようになる。
【0046】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7の照射角度を上下方向に自動制御するための「ヘッドライト上下角自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0047】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライト上下角自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS11でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS12でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS13)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0048】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトの上下角を傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3から読出し(ステップS14)、読み出した上下角の指示をライト角度情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS15)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したライト角度情報により指示される上下方向の角度に従って、ヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ60であるステッピングモータを駆動制御する(ステップS16)。
【0049】
以上のようなステップS11からS16に至り、再度S11へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による車体の前後方向の傾斜角の検出出力に応じてヘッドライト7の上下角が変更制御されるので、ヘッドライト7の照射角が車体の前後方向の傾斜角に応じて上下方向に変更制御される。なお、ステップS12において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS12でNO)、ステップS11へ処理が戻される。また、ステップS11において「ヘッドライト上下角自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS11でNO)、ヘッドライト7の一般的なハイ/ロービームの手動での切り換えが可能であり、そのための操作が行なわれたか否かを検出するための処理が行なわれ(ステップS17)、ステップS11へ処理が戻される。
【0050】
図3は傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3の登録内容の一例を示す模式図である。この図3に示す例では、三次元ジャイロセンサ4の前後方向の検出出力である傾斜角情報α1が0度以下である場合、換言すれば車輌がその前後方向に水平状態又は前下がり状態で走行している場合はヘッドライト7の上下角β1は0度、換言すれば通常のハイビーム状態に設定される。また、傾斜角情報α1が0度より大きく35度以下の範囲である場合、換言すれば車輌がある程度の前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の上下角β1は−10度、換言すれば通常のロービームと同等程度の状態に設定される。更に、傾斜角情報α1が35度よりも大きい場合、換言すれば車輌がかなりの前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の上下角β1は−15度、換言すれば通常のロービームよりも更に低い状態に設定される。
【0051】
なお、図3に示した例では、傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3には3段階の条件が予め設定されているが、より細分化した設定を行なってもよいことは言うまでもない。更に、図3に示した例において、傾斜角情報α1が0度より大きく35度以下の範囲である場合には、ヘッドライト7の上下角β1を0度から−10度の範囲で傾斜角情報α1に応じて比例させて変化させてもよい。但し、傾斜角情報α1が35度よりも大きい場合には、ヘッドライト7の上下角β1を−15度を上限として固定することが好ましい。
【0052】
なお、図3に示した傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3の関係は一例であって、たとえば車輌のヘッドライト7が設置されている位置の路面からの高さに応じて異なる条件を設定してもよい。たとえば、ヘッドライト7の設置位置が比較的高いたとえばオフロードタイプの車輌等ではヘッドライト上下角β1の変化率を比較的大きめに設定し、ヘッドライト7の設置位置が比較的低いたとえばスポーツタイプの車輌等ではヘッドライト上下角β1の変化率を比較的小さめに設定するようにしてもよい。
【0053】
なお、本第1の実施の形態においてはヘッドライト7の照射角の制御は車輌の上下方向の傾斜のみに基づいて制御されているため、三次元ジャイロセンサ4に代えてより構成が簡単な傾斜センサにより車体の前後方向の傾斜のみを検出するようにしてもよい。
【0054】図4は本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図であり、この構成例ではヘッドライトの光量を変更するようにしている。
【0055】
なお、この第2の実施の形態の構成例では車体の上下方向の傾斜に伴ってヘッドライトの光量を変化させる構成を採っている。また、図4に示す第2の実施の形態におても、車載LANを利用してヘッドライトの光量を変化させる構成例を示すが、ヘッドライトの光量を変化させることのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0056】
図4において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0057】
ゲートウェイ1には傾斜角−光量テーブル30が接続されている。この傾斜角−光量テーブル30は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトの光量との対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−光量テーブル30はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0058】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の前後方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)のみをゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0059】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従ってヘッドライト7の光量を制御するヘッドライト光量可変手段としての電圧調節器8を制御する。電圧調節器8は電源、具体的には車載バッテリとヘッドライト7との間に介装されており、たとえば可変抵抗等が利用可能である。この電圧調節器8はヘッドライト7への給電電圧を変化させることにより、ヘッドライト7の光量を変化させる。
【0060】
なお、電圧調節器8によりヘッドライト7の光量を変化させる構成としては上述したような可変抵抗を利用する構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0061】
以上のような図4に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の動作は、図5のフローチャートに示すようになる。
【0062】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7の光量を自動制御するための「ヘッドライト光量自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0063】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライト光量自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS21でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS22でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS23)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0064】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトの光量を傾斜角−光量テーブル30から読出し(ステップS24)、読み出した光量の指示をライト光量情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS25)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したライト光量情報により指示される光量に従って電圧調節器8を制御する(ステップS26)。
【0065】
以上のようなステップS21からS26に至り、再度S21へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による検出出力に応じてヘッドライト7の光量が制御される。なお、ステップS22において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS22でNO)、ステップS21へ処理が戻される。また、ステップS21において「ヘッドライト光量自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS21でNO)、ヘッドライト7の一般的なハイ/ロービームの手動での切り換えが可能であり、そのための操作が行なわれたか否かを検出するための処理が行なわれ(ステップS27)、ステップS21へ処理が戻される。
【0066】
図6は傾斜角−光量テーブル30の登録内容の一例を示す模式図である。この図6に示す例では、三次元ジャイロセンサ4の前後方向の検出出力である傾斜角情報α1が0度以下である場合、換言すれば車輌がその前後方向に水平状態又は前下がり状態で走行している場合はヘッドライト7の光量β2は100%、換言すれば通常のハイビーム状態と同等の状態に設定される。また、傾斜角情報α1が0度より大きく35度以下の範囲である場合、換言すれば車輌がある程度の前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の光量β2は50%、換言すれば対向車にとっては通常のロービームと同等程度の光量に設定される。更に、傾斜角情報α1が35度よりも大きい場合、換言すれば車輌がかなりの前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の光量β2は30%、換言すれば対向車にとっては通常のロービームよりも更に低い光量に設定される。
【0067】
なお、図6に示した例では、傾斜角−光量テーブル30には3段階の条件が予め設定されているが、より細分化した設定を行なってもよいことは言うまでもない。更に、図6に示した例において、傾斜角情報α1が0度より大きく35度以下の範囲である場合には、ヘッドライト7の光量β2を100%から50%の範囲で傾斜角情報α1に応じて比例させて変化させてもよい。但し、傾斜角情報α1が35度よりも大きい場合には、ヘッドライト7の光量β2を30%を上限として固定することが好ましい。
【0068】
なお、図6に示した傾斜角−光量テーブル30の関係は一例であって、たとえば車輌のヘッドライト7が設置されている位置の路面からの高さに応じて異なる条件を設定してもよい。たとえば、ヘッドライト7の設置位置が比較的高いたとえばオフロードタイプの車輌等ではヘッドライトの光量β2の変化率を比較的大きめに設定し、ヘッドライト7の設置位置が比較的低いたとえばスポーツタイプの車輌等ではヘッドライトの光量β2の変化率を比較的小さめに設定するようにしてもよい。
【0069】
なお、本第2の実施の形態においてはヘッドライト7の光量の制御は車輌の上下方向の傾斜のみに基づいて制御されているので、三次元ジャイロセンサ4に代えてより構成が簡単な傾斜センサにより車体の前後方向の傾斜のみを検出するようにしてもよい。
【0070】
図7は本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の構成例を示すブロック図であり、この構成例ではヘッドライトの照射角度を車体の左右方向に変更するようにしている。また、この図6に示す第3の実施の形態におても、車載LANを利用してヘッドライトの照射角度を変化させる構成例を示すが、ヘッドライトの照射角度を変化させることのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0071】
図7において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0072】
ゲートウェイ1には傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31が接続されている。この傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトの左右方向の照射角との対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0073】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の左右方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)のみをゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0074】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従って、ヘッドライト7の照射角度を左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ65の駆動を制御する。アクチュエータ65は車体に固定されており、たとえばステッピングモータ等が利用可能であり、ヘッドライト7自体を左右方向に回動させることにより、ヘッドライト7の左右方向の照射角を変更させる。
【0075】
ヘッドライト7は、その光軸と直交し、車体の上下方向に平行な軸に回転自在に支持された支持枠72に固定されている。支持枠72は上端部を車体に適宜の軸受に回動自在に支持された軸73Aの下端部に固定されており、また支持枠72は下端部を適宜の軸受に回動自在に支持された軸73Bの上端部に固定されている。従って、ヘッドライト7を支持している支持枠72は車体に対して上下の軸73A,73Bを回転軸として左右方向に回動し、これによってヘッドライト7の照射角が車体の左右方向に変更される。
【0076】
一方、アクチュエータ65としてのステッピングモータの出力軸にはたとえばスパーギア63が取り付けられており、上述した軸73Bにはこのスパーギア63と噛合するスパーギア73Cが採りつけられている。従って、アクチュエータ60としてのステッピングモータの出力軸の回転に伴ってスパーギア63が回転し、これと噛合するスパーギア73Cが回転する。スパーギア73Cの回転により軸73Bが回転し、この軸73Bの上端部が固定されている支持枠72が車体の左右方向に回動するので、この支持枠72に支持されているヘッドライト7も車体の左右方向に回動する。
【0077】
なお、アクチュエータ65によりヘッドライト7を左右方向に回動させるヘッドライト照射角可変機構6の構成例としては上述したような構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0078】
以上のような図7に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の動作は、図8のフローチャートに示すようになる。なお、一般的なサスペンション(パッシブサスペンション)を使用している車輌(自動車)の場合、たとえば右カーブする場合は遠心力によって車体の右側が浮き上がり、左カーブする場合は遠心力によって車体の左側が浮き上がる。従って、車体の右側(又は左側)が左側(又は右側)よりも高い傾斜状態である場合は右カーブ(又は左カーブ)している状態であり、ヘッドライト7は右側(又は左側)へ向けられるように制御される。
【0079】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7の照射角度を左右方向に自動制御するための「ヘッドライト左右角自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0080】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライト左右角自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS31でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS32でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS33)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0081】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトの左右角を傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31から読出し(ステップS34)、読み出した左右角の指示をライト角度情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS35)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したライト角度情報により指示される左右方向の角度に従って、ヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ65であるステッピングモータを駆動制御する(ステップS36)。
【0082】
以上のようなステップS31からS36に至り、再度S31へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による車体の左右方向の傾斜角の検出出力に応じてヘッドライト7の左右角が変更制御されるので、ヘッドライト7の照射角が車体の左右方向の傾斜角に応じて左右方向に変更制御される。なお、ステップS32において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS32でNO)、ステップS31へ処理が戻される。また、ステップS31において「ヘッドライト左右自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS31でNO)、「ヘッドライト左右自動制御スイッチ」の状態が「オン」になるまで(ステップS31でYES)、待機する。
【0083】
図9は傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31の登録内容の一例を示す模式図である。この図9に示す例では、三次元ジャイロセンサ4の検出出力である左右方向の傾斜角情報α2が−5度以上+5度以下(但し、α2が「−」の場合は右上がりの傾斜状態を、α2が「+」の場合は左上がりの傾斜状態をそれぞれ表わす)の範囲である場合、換言すれば車輌がその左右方向にほぼ水平状態で走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は0度、換言すれば通常の前方を照射する状態に設定される。また、傾斜角情報α2が−10度以下で−5度未満の範囲である場合、換言すれば車輌がある程度の右上がり状態で走行している場合、具体的には右方向へカーブしつつ走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は−10度(但し、β3が「−」の場合はヘッドライト7の照射角が右向きである状態を、β3が「+」の場合はヘッドライト7の照射角が左向きである状態をそれぞれ表わす)に、具体的には10度右方向に設定される。逆に、傾斜角情報α2が+10度以下で+5度未満の範囲である場合、換言すれば車輌がある程度の左上がり状態で走行している場合、具体的には左方向へカーブしつつ走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は+10度に具体的には10度左方向に設定される。更に、傾斜角情報α2が−10度よりも小さい場合、換言すれば車輌がかなりの右上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は−15度に、逆に傾斜角情報α2が+10度よりも大きい場合、換言すれば車輌がかなりの左上がり状態で走行している場合はヘッドライト7の左右角β3は+15度にそれぞれ設定される。
【0084】
なお、図9に示した例では、傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31には3段階の条件が予め設定されているが、より細分化した設定を行なってもよいことは言うまでもない。更に、図9に示した例において、傾斜角情報α2の絶対値が5度より大で10度以下の範囲である場合には、ヘッドライト7の左右角β3を0度から10度の範囲で傾斜角情報α2に応じて比例させて変化させてもよい。但し、傾斜角情報α2の絶対値が10度よりも大きい場合には、ヘッドライト7の左右角β3を15度を上限として固定することが好ましい。
【0085】
なお、図9に示した傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31の関係は一例であって、たとえば車輌の前部の両端部それぞれに設置されているヘッドライト7の設置間隔が広い大型車の場合はヘッドライト左右角β3の変化率を比較的大きめに設定し、ヘッドライト7の設置間隔が比較的狭い小型車ではヘッドライト左右角β3の変化率を比較的小さめに設定するようにしてもよい。
【0086】
なお、本実施の形態においてはヘッドライト7の照射角の制御は車輌の左右方向の傾斜のみに基づいて制御されているので、三次元ジャイロセンサ4に代えてより構成が簡単な傾斜センサにより車体の前後方向の傾斜のみを検出するようにしてもよい。
【0087】
図10は本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第4の実施の形態の構成例を示すブロック図であり、この構成例ではヘッドライトの照射角度を車体の上下左右方向に変化させる構成を採っている。
【0088】
図10に示す実施の形態では、車載LANを利用してヘッドライトの照射角度を制御する構成例を示すが、ヘッドライトの照射角度を制御することのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0089】
図10において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0090】
ゲートウェイ1には傾斜角−ヘッドライト角テーブル32が接続されている。この傾斜角−ヘッドライト角テーブル32は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトの上下方向及び左右方向の照射角との対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−ヘッドライト角テーブル32はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0091】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の上下方向の傾斜状態及び左右方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)をゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0092】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従って、ヘッドライト7の照射角度を上下方向及び左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ60及び65の駆動を制御する。アクチュエータ60は後述するヘッドライト7の支持枠72に取り付けられており、たとえばステッピングモータ等が利用可能であり、ヘッドライト7自体を上下方向に回動させることにより、ヘッドライト7の上下方向の照射角を変更させる。また、アクチュエータ65は車体に固定されており、たとえばステッピングモータ等が利用可能であり、ヘッドライト7自体を左右方向に回動させることにより、ヘッドライト7の左右方向の照射角を変更させる。
【0093】
ヘッドライト7は、その光軸と直交し、車体の上下方向に平行な軸に回転自在に支持された支持枠72に固定されている。支持枠72は上端部を車体に適宜の軸受に回動自在に支持された軸73Aの下端部に固定されており、また支持枠72は下端部を適宜の軸受に回動自在に支持された軸73Bの上端部に固定されている。従って、ヘッドライト7を支持している支持枠72は車体に対して上下の軸73A,73Bを回転軸として左右方向に回動し、これによってヘッドライト7の照射角が車体の左右方向に変更される。
【0094】
一方、アクチュエータ65としてのステッピングモータの出力軸にはたとえばスパーギア63が取り付けられており、上述した軸73Bにはこのスパーギア63と噛合するスパーギア73Cが採りつけられている。従って、アクチュエータ65としてのステッピングモータの出力軸の回転に伴ってスパーギア63が回転し、これと噛合するスパーギア73Cが回転する。スパーギア73Cの回転により軸73Bが回転し、この軸73Bの上端部が固定されている支持枠72が車体の左右方向に回動するので、この支持枠72に支持されているヘッドライト7も車体の左右方向に回動する。
【0095】
なお、アクチュエータ65によりヘッドライト7を左右方向に回動させる構成としては上述したような構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0096】
一方、アクチュエータ60としてのステッピングモータは支持枠72にその出力軸を車体の左右方向として取り付けられており、その出力軸にはスパーギア61が取り付けられている。一方、ヘッドライト7を支持枠72に枢支している枢軸にもスパーギア62が取り付けられており、上述のスパーギア61と噛合している。従って、アクチュエータ60としてのステッピングモータの出力軸の回転に伴ってスパーギア61が回転し、これと噛合するスパーギア62が回転する。スパーギア62の回転によりヘッドライト7を支持枠72に枢支している枢軸が回転し、この枢軸に固定されているヘッドライト7も支持枠72に対して、即ち車体の上下方向に回動する。
【0097】
なお、アクチュエータ60によりヘッドライト7を上下方向に回動させる構成としては上述したような構成の他に種々の公知の構成が可能であることは言うまでもない。
【0098】
以上のような構成により、ヘッドライト7はアクチュエータ65としてのステッピングモータにより車体の左右方向に回動し、またアクチュエータ60としてのステッピングモータにより車体の上下方向に回動する。即ち、図10に示す構成では、ヘッドライト7は車体の上下方向と左右方向との双方に回動可能である。
【0099】
以上のような図10に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第4の実施の形態の動作は、図11のフローチャートに示すようになる。
【0100】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7の照射角度を上下左右方向に自動制御するための「ヘッドライト自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0101】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライト自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS41でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS42でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS43)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0102】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトの上下左右角を傾斜角−ヘッドライト角テーブル32から読出し(ステップS44)、読み出した上下左右角の指示をライト角度情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS45)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したライト角度情報により指示される上下左右方向の角度に従って、ヘッドライト照射角可変機構6のアクチュエータ60及び65である両ステッピングモータを駆動制御する(ステップS46)。
【0103】
以上のようなステップS41からS46に至り、再度S41へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による車体の上下左右方向の傾斜角の検出出力に応じてヘッドライト7の上下左右角が変更制御されるので、ヘッドライト7の照射角が車体の上下左右方向の傾斜角に応じて上下左右方向に変更制御される。なお、ステップS42において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS42でNO)、ステップS41へ処理が戻される。また、ステップS41において「ヘッドライト自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS41でNO)、ヘッドライト7の一般的なハイ/ロービームの手動での切り換えが可能であり、そのための操作が行なわれたか否かを検出するための処理が行なわれ(ステップS47)、ステップS41へ処理が戻される。
【0104】
なお、本第4の実施の形態の傾斜角−ヘッドライト角テーブル32の登録内容は前述の図3に示した傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル3及び図9に示した傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル31の双方の登録内容を併せたものであり、それに基づくゲートウェイ1によるヘッドライト7の上下角及び左右角の決定手順も前述同様であるので、その説明は省略する。
【0105】
図12は車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。なお、この構成例では車体の上下方向の傾斜に伴ってヘッドライトのハイ/ロービームを自動的に切り換える構成を採っている。また、図1に示す第1の実施の形態では、車載LANを利用してヘッドライトのハイ/ロービームを切り換える構成例を示すが、ヘッドライトのハイ/ロービームを切り換えを制御することのみを目的とした回路構成とすることも勿論可能である。
【0106】
図1において、HB,LBはそれぞれ車載LANの高速バス,低速バスを示しており、それぞれゲートウェイ(G/W)1に接続されている。高速バスHBにはヒューマンインタフェイス(HMI/F)2等が接続されている。ヒューマンインタフェイス2は車載LANに接続されている図示しない種々のデバイス、たとえばエアコン,オーディオ装置等を運転者または同乗者が制御するために設けられている。なお、本発明のヘッドライト制御装置のオン/オフ制御等もヒューマンインタフェイス2により運転者又は同乗者が指示可能であることは言うまでもない。
【0107】
ゲートウェイ1には傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33が接続されている。この傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33は具体的にはメモリであり、後述する傾斜検出手段としての三次元ジャイロセンサ4が検出する車体の傾斜角(車体の傾斜状態)と、ヘッドライトのハイ/ロービームとの対応関係がテーブルの状態で予め記憶されている。なお、この傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33はゲートウェイ1に内蔵されていてもよい。
【0108】
低速バスLBには前述した三次元ジャイロセンサ4,ヘッドライト制御部5等が接続されている。三次元ジャイロセンサ4は自身が搭載されている車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する。なおここでは、三次元ジャイロセンサ4は自身が検出した車輌の傾斜状態の内の車輌の前後方向の傾斜状態(具体的には傾斜角)のみをゲートウェイ1へ傾斜角情報として車載LANの低速バスLBを通じて送信するものとする。
【0109】
ヘッドライト制御部5はゲートウェイ1から与えられる制御情報に従って、ヘッドライト7のハイ/ロービームを切り換えさせるハイ/ロー切換スイッチ80を制御する。
【0110】
ヘッドライト7は、その反射鏡の焦点位置にハイビーム用のフィラメントHFが、それよりもやや上方の位置にロービーム用のフィラメントLFがそれぞれ配置されて備えられている一般的なシールドビームタイプのものである。
【0111】
ハイ/ロー切換スイッチ80はヘッドライト制御部5により制御され、電源、即ち車載バッテリからの給電電圧をハイビーム用のフィラメントHFまたはロービーム用のフィラメントLFのいずれか一方に選択的に接続する。
【0112】
以上のような図12に示す本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の動作は、図13のフローチャートに示すようになる。
【0113】
ゲートウェイ1はヒューマンインタフェイス2の設定状態を高速バスHBを介して所定周期で受信している。なお、ヒューマンインタフェイス2には図示しないが、ヘッドライト7を点灯させるための「ヘッドライト点灯スイッチ」,ヘッドライト7のハイ/ロービームを自動的に切り換えるための「ヘッドライトハイ/ロー自動制御スイッチ」等が備えられているものとする。
【0114】
ヒューマンインタフェイス2から受信した設定状態の内の「ヘッドライトハイ/ロー自動制御スイッチ」の状態が「オン」であり(ステップS51でYES)、「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」であれば(ステップS52でYES)、ゲートウェイ1は三次元ジャイロセンサ4の検出出力である傾斜角情報を受信する(ステップS53)。なおこの三次元ジャイロセンサ4の検出出力も低速バスLBを介して所定周期でゲートウェイ1へ送信されている。
【0115】
そして、ゲートウェイ1は受信した三次元ジャイロセンサ4の検出出力に対応するヘッドライトのハイ/ロービームの設定を傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33から読出し(ステップS54)、読み出したハイ/ロービームの指示をハイ/ロー情報としてヘッドライト制御部5へ低速バスLBを介して送信する(ステップS55)。ヘッドライト制御部5は、ゲートウェイ1から低速バスLBを介して受信したハイ/ロー情報によるハイ/ロービームの指示に従ってハイ/ロー切換スイッチ80を制御する(ステップS56)。
【0116】
以上のようなステップS51からS56に至り、再度S51へ戻るループ制御により、その時点の車体の傾斜状態、具体的には三次元ジャイロセンサ4による車体の前後方向の傾斜角の検出出力に応じてヘッドライト7のハイ/ロービームが自動的に切り換えられるの。なお、ステップS52において「ヘッドライト点灯スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS52でNO)、ステップS51へ処理が戻される。また、ステップS51において「ヘッドライトハイ/ロー自動制御スイッチ」の状態が「オン」でなければ(ステップS51でNO)、ヘッドライト7のハイ/ロービームの手動での切り換えが可能であり、そのための操作が行なわれたか否かを検出するための処理(ステップS57)が行なわれ、ステップS51へ処理が戻される。
【0117】
図14は傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33の登録内容の一例を示す模式図である。この図14に示す例では、三次元ジャイロセンサ4の前後方向の検出出力である傾斜角情報α1が5度以下である場合、換言すれば車輌がその前後方向に5度までの前上がり状態で走行している場合はヘッドライト7はハイビームに設定され、傾斜角情報α1が5度より大きい場合はヘッドライト7はロービームに設定される。
【0118】
なお、図14に示した傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル33の関係は一例であって、たとえば車輌のヘッドライト7が設置されている位置の路面からの高さに応じて異なる条件を設定してもよい。たとえば、ヘッドライト7の設置位置が比較的高いたとえばオフロードタイプの車輌等では傾斜角情報α1が比較的小さい場合でもヘッドライト7をロービームに切り換えるように設定し、ヘッドライト7の設置位置が比較的低いたとえばスポーツタイプの車輌等では傾斜角情報α1が比較的大きい場合にヘッドライト7をロービームに切り換えるように設定してもよい。
【0119】
なお、本第5の実施の形態においてはヘッドライト7のハイ/ロービームの切り換えは車輌の上下方向の傾斜のみに基づいて制御されているため、三次元ジャイロセンサ4に代えてより構成が簡単な傾斜センサにより車体の前後方向の傾斜のみを検出するようにしてもよい。
【0120】
また、上述の各実施の形態においては本発明を自動車に適用した例を示したが、本発明は自動車に限らず、他の種類の車輌、たとえば自動二輪車、鉄道車輌等にも適用可能である。但し、自動二輪車、鉄道車輌においては、カーブ走行時には一般的な自動車とは車体の左右の傾斜が逆になることに留意すべきである。
【0121】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度及び/又は光量が変化するので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなる。
【0122】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第2の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度が上下方向に変化するので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0123】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第3の発明によれば、上述の第2の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定されるので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0124】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第4の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度が左右方向に変化するので、カーブした道路を走行している場合に道路のカーブした側を照射して視認性を向上させ、また対向車により早い目に認識してもらえる。
【0125】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第5の発明によれば、上述の第4の発明において、車輌の傾斜状態が左右方向の一方が他方よりも高い状態である場合は、他方よりも高くなっている一方の側へヘッドライトの照射角度を向けるように決定されるので、カーブした道路を走行している場合に道路のカーブした側を照射して視認性を向上させ、また対向車により早い目に認識してもらえる。
【0126】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第6の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後左右方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの照射角度が上下左右方向に変化するので、上述の第2の発明及び第4の発明の双方の効果を発揮する。
【0127】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第7の発明によれば、上述の第6の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定されると共に、車輌の傾斜状態が左右方向の一方が他方よりも高い状態である場合は、他方よりも高くなっている一方の側へヘッドライトの照射角度を向けるように決定されるので、上述の第3の発明及び第5の発明の双方の効果を発揮する。
【0128】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第8の発明によれば、上述の第2乃至第7の発明のいずれかにおいて、傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応するヘッドライトの上下方向及び/又は左右方向の照射角度はテーブルに登録されているので、テーブルの内容を変更するのみで車種、地域等に応じた設定が容易に可能になる。
【0129】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第9の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトの光量が変化するので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0130】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第10の発明によれば、上述の第9の発明において、車輌の傾斜状態が前部が後部よりも高い状態である場合は、ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように決定されるので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0131】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第11の発明によれば、上述の第9又は第10の発明において、傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応するヘッドライトの光量はテーブルに登録されているので、テーブルの内容を変更するのみで車種、地域等に応じた設定が容易に可能になる。
【0132】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第12の発明によれば、傾斜検出手段が検出した車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応してヘッドライトがハイビーム又はロービームに切り換えられるので、坂道を登坂している場合に坂道の頂上からの対向車を眩惑することがなくなり、また起伏が多い道路を走行している場合にも対向車を眩惑することがなくなる。
【0133】
また、本発明に係る車輌用ヘッドライト制御装置の第13の発明によれば、上述の第2又は第12の発明のいずれかにおいて、制御手段,ヘッドライト制御手段,傾斜検出手段が相互に通信が可能にLAN接続されているので、他の車載装置と通信線を共有することが可能になり、種々の応用が可能になると共に、車輌重量の軽減にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第1の実施の形態の傾斜角−ヘッドライト上下角テーブルの登録内容の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第2の実施の形態の傾斜角−光量テーブルの登録内容の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第3の実施の形態の傾斜角−ヘッドライト左右角テーブルの登録内容の一例を示す模式図である。
【図10】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第4の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第4の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図13】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の車輌用ヘッドライト制御装置の第5の実施の形態の傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブルの登録内容の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ゲートウェイ
2 ヒューマンインタフェイス
3 傾斜角−ヘッドライト上下角テーブル
30 傾斜角−光量テーブル
31 傾斜角−ヘッドライト左右角テーブル
32 傾斜角−ヘッドライト角テーブル
33 傾斜角−ヘッドライトハイ/ローテーブル
4 三次元ジャイロセンサ
5 ヘッドライト制御部
6 ヘッドライト照射角可変機構
7 ヘッドライト
8 電圧調節器
80 ハイ/ロー切換スイッチ
60 アクチュエータ(ステッピングモータ)
65 アクチュエータ(ステッピングモータ)
HF ハイビームフィラメント
LF ロービームフィラメント
Claims (13)
- 車輌用ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を制御する装置であって、
前記車輌の水平面に対する傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、
該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を決定する制御手段と、
該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量に従って前記ヘッドライトの照射角度及び/又は光量を変化させるヘッドライト制御手段と
を備えたことを特徴とする車輌用ヘッドライト制御装置。 - 車輌用ヘッドライトの照射角度を上下方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、
前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、
該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの上下方向の照射角度を決定する制御手段と、
該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を上下方向に変化させるヘッドライト制御手段と
を備えたことを特徴とする車輌用ヘッドライト制御装置。 - 前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の車輌用ヘッドライト制御装置。
- 車輌用ヘッドライトの照射角度を左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、
前記車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、
該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する左右方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの左右の照射角度を決定する制御手段と、
該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を左右方向に変化させるヘッドライト制御手段と
を備えたことを特徴とする車輌用ヘッドライト制御装置。 - 前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の左右方向のいずれか一方が高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を前記一方の側へ変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあることを特徴とする請求項4に記載の車輌用ヘッドライト制御装置。
- 車輌用ヘッドライトの照射角度を上下左右方向に変化させるヘッドライト照射角可変手段と、
前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、
該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後左右方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの上下左右方向の照射角度を決定する制御手段と、
該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト照射角可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの照射角度を上下左右方向に変化させるヘッドライト制御手段と
を備えたことを特徴とする車輌用ヘッドライト制御装置。 - 前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を下方向きに変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定し、
前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の左右方向のいずれか一方が高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの照射角度を前記一方の側へ変化させるように前記ヘッドライトの照射角度を決定するようにしてあること
を特徴とする請求項6に記載の車輌用ヘッドライト制御装置。 - 前記制御手段は、前記車輌の水平面に対する傾斜状態と前記ヘッドライトの照射角度とを対応付けたテーブルを有し、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応する前記ヘッドライトの上下方向及び/又は左右方向の照射角度を前記テーブルから読み出して前記ヘッドライト制御手段に与えるようにしてあることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の車輌用ヘッドライト制御装置。
- 車輌用ヘッドライトの光量を制御するヘッドライト光量可変手段と、
前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、
該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの光量を決定する制御手段と、
該制御手段が決定した前記ヘッドライトの照射角度に従って前記ヘッドライト光量可変手段を制御することにより前記ヘッドライトの光量を変化させるヘッドライト制御手段と
を備えたことを特徴とする車輌用ヘッドライト制御装置。 - 前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態が前記車輌の前部が後部よりも高い状態である場合は、前記制御手段は前記ヘッドライトの光量を減少させるように前記ヘッドライトの光量を決定するようにしてあることを特徴とする請求項9に記載の車輌用ヘッドライト制御装置。
- 前記制御手段は、前記車輌の水平面に対する傾斜状態と前記ヘッドライトの光量とを対応付けたテーブルを有し、前記傾斜検出手段が検出した傾斜状態に対応する前記ヘッドライトの光量を前記テーブルから読み出して前記ヘッドライト制御手段に与えるようにしてあることを特徴とする請求項9又は10のいずれかに記載の車輌用ヘッドライト制御装置。
- 車輌用ヘッドライトをハイビームとロービームとに選択的に切り換えるスイッチ手段と、
前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態を検出する傾斜検出手段と、
該傾斜検出手段が検出した前記車輌の水平面に対する前後方向の傾斜状態に対応して前記ヘッドライトの状態をハイビーム又はロービームのいずれかに決定する制御手段と、
該制御手段が決定した前記ヘッドライトのハイビーム又はロービームのいずれかの状態に従って前記スイッチ手段を制御することにより前記ヘッドライトをハイビーム又はロービームに切り換えさせるヘッドライト制御手段と
を備えたことを特徴とする車輌用ヘッドライト制御装置。 - 前記制御手段,前記ヘッドライト制御手段,前記傾斜検出手段はLAN接続されていることを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載の車輌用ヘッドライト制御装置。
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