JP2004314736A - ステアバイワイヤシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギー効率に優れたステアバイワイヤシステムを提供する。
【解決手段】本発明のステアバイワイヤシステム10によれば、ハンドル11の操舵によって駆動される回転機43からペルチェ素子51が受電するので、エネルギーの有効利用が図られる。ここで、路面の摩擦抵抗に伴って操舵反力が大きくなったときには、転舵用アクチュエータ33の発熱量が増すが、これに伴って回転機43からペルチェ素子51への給電量も増すので、転舵用アクチュエータ33の冷却を効率良く抑えることができる。また、スイッチ素子52のオン時間を変更するPWM制御を行うことで、操舵抵抗の大きさも変更することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明のステアバイワイヤシステム10によれば、ハンドル11の操舵によって駆動される回転機43からペルチェ素子51が受電するので、エネルギーの有効利用が図られる。ここで、路面の摩擦抵抗に伴って操舵反力が大きくなったときには、転舵用アクチュエータ33の発熱量が増すが、これに伴って回転機43からペルチェ素子51への給電量も増すので、転舵用アクチュエータ33の冷却を効率良く抑えることができる。また、スイッチ素子52のオン時間を変更するPWM制御を行うことで、操舵抵抗の大きさも変更することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアバイワイヤシステムに関する。
【0002】
【関連技術】
一般に、ステアバイワイヤシステムでは、ハンドルと操舵輪とが機械的に切り離され、転舵用アクチュエータがハンドルの舵角に応じて操舵輪を転舵し、反力発生装置がハンドルに操舵反力を付与する構成になっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−37112号公報([0002]、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の反力発生装置は、ハンドルに連動回転するモータで構成されており、モータ駆動による出力トルクを操舵反力としていたので、エネルギー効率が悪かった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、エネルギー効率に優れたステアバイワイヤシステムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るステアバイワイヤシステムは、ハンドルと操舵輪とを機械的に切り離し、ハンドルの舵角に応じて操舵輪を転舵する転舵用アクチュエータと、ハンドルに連動回転する回転機と、回転機から受電可能な負荷と、回転機と負荷との間に設けたスイッチ素子と、運転状況に応じた操舵反力を回転機からハンドルに付与するようにスイッチ素子をオンオフする反力制御部とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、反力制御部は、スイッチ素子のオン時間及び/又はオフ時間を変更して操舵反力をPWM制御するところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、負荷は、ペルチェ素子であるところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、ペルチェ素子は、転舵用アクチュエータを冷却するように配置されたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、発熱部から熱を吸収するヒートパイプをペルチェ素子で冷却するように構成したところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステムにおいて、ハンドルを切った場合に弾性変形して、ハンドルを車両の直進位置に戻すように付勢する弾性部材を備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、反力制御部は、ハンドルを切った場合に負荷を回転機に接続する一方、ハンドルを車両の直進位置に戻すときに負荷を回転機から切り離すようにスイッチ素子をオンオフ制御するところに特徴を有する。
【0013】
【発明の作用及び効果】
請求項1のステアバイワイヤシステムでは、スイッチ素子をオンすると回転機に負荷が接続されて回転機の回転抵抗が増し、これによりハンドルに操舵反力を付与することができる。一方、スイッチ素子をオフすると、回転機から負荷が切り離されて回転機の回転抵抗が減少し、これにより操舵反力を減少又はなくすことができる。即ち、スイッチ素子のオンオフによってハンドルへの操舵反力を制御することができる。しかも、ハンドルの操舵中に負荷が回転機から受電することで、エネルギーの有効利用が図られる。
【0014】
なお、スイッチ素子のオン時間及び/又はオフ時間を変更して操舵反力をPWM制御することで、操舵反力の大きさを変更することができる(請求項2の発明)。
【0015】
請求項3のステアバイワイヤシステムのように、回転機に接続される負荷をペルチェ素子とすることで、車両の発熱部分の冷却を図ることができる。このペルチェ素子によって冷却する部分を転舵用アクチュエータとすることで、転舵用アクチュエータの発熱を抑えることができる(請求項4の発明)。また、ペルチェ素子によってヒートパイプを冷却し、そのヒートパイプにて発熱部の熱を吸収することで発熱部及びペルチェ素子の配置の自由度が増す(請求項5の発明)。
【0016】
請求項6のステアバイワイヤシステムでは、ハンドルを車両の直進位置に戻すように付勢する弾性部材を備えたので、弾性部材と回転機とを協働させてハンドルに操舵反力を付与することができる。ここで、ハンドルを切った場合に、負荷を回転機に接続して操舵反力を発生させる一方、ハンドルを車両の直進位置に戻すときに負荷を回転機から切り離して操舵反力をなくすことで、操舵フィーリングを向上させることができる(請求項7の発明)。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1には、本発明に係るステアバイワイヤシステム10の全体構成が示されている。このステアバイワイヤシステム10では、ハンドル11と操舵輪30,30とが機械的に切り離されており、ハンドル11の中心から延びたステアリングシャフト12の先端部分に反力発生装置13が連結されている。また、ステアリングシャフト12の中間部分には、ハンドル11の舵角を検出するための舵角センサ16と、ステアリングシャフト12にかかる操舵反力を検出するためのトルクセンサ17とが備えられている。
【0018】
左右の操舵輪30,30の間には、転舵用アクチュエータ33が設けられている。転舵用アクチュエータ33は、転舵用モータ31を内蔵したボールネジ機構を備えており、図示しないボールネジナットを転舵用モータ31により回転させて、ボールネジシャフト34を車両の左右方向に直動させる構成になっている。そして、このボールネジシャフト34の両端部に操舵輪30,30が連結され、転舵用アクチュエータ33の駆動によって操舵輪30,30が転舵される。また、転舵用アクチュエータ33には、操舵輪30,30の転舵角を検出するための転舵角センサ32が備えられている。
【0019】
さて、図2には、反力発生装置13の詳細構造が示されている。この反力発生装置13には、大小の入力歯車40,41をステアリングシャフト12に固定して備える。一方の入力歯車40には、増速用の出力歯車42が噛合されている。これら入力歯車40と出力歯車42とのギヤ比は、例えばG=15:1になっており、出力歯車42側にハンドル11の回転を増速出力する。他方の入力歯車41には、減速用の出力歯車44が噛合されている。これら入力歯車41と出力歯車44とのギヤ比は、例えばG=1:6になっており、出力歯車44側にハンドル11の回転を減速出力する。
【0020】
減速用の出力歯車44の端面には、1対の反力発生リンク45,45が連結されている。各反力発生リンク45は、ベース部48にロッド47を直動可能に支持し、ロッド47に備えたフランジ47Fとベース部48との間に圧縮コイルバネ46(本発明の弾性部材に相当する)を設けた構造をなしている。そして、両反力発生リンク45,45におけるロッド47,47の先端部が、共に出力歯車44の端面のうち外縁寄り位置に回転可能に連結され、車両直進時に両反力発生リンク45,45が均衡状態になっており、ハンドル11を切ったときに一方の反力発生リンク45のロッド47がベース部48側に移動して圧縮コイルバネ46が圧縮変形され、車両の直進位置にハンドル11を戻す反力を発生させる。
【0021】
増速用の出力歯車42は、回転機43の入力回転軸に軸支されている。これにより、ハンドル11の回転量が増速されて回転機43の回転軸に伝達される。
【0022】
図3に示すように、回転機43の出力線には、負荷駆動回路50が接続されている。負荷駆動回路50は、回転機43から出力された交流を直流に変換する整流回路49と、整流回路49の正負の出力端子間に接続されたペルチェ素子51と、ペルチェ素子51と整流回路49との接続ラインの途中に設けたスイッチ素子52とからなる。ペルチェ素子51は、転舵用アクチュエータ33の発熱部に固定されている。スイッチ素子52は、例えば、FET、バイポーラトランジスタ等で構成され、次述するECU20(本発明の「反力制御部」に相当する)からの信号を受けてオンオフされる。ECU20は、スイッチ素子52のオン時間の幅を変更するPWM制御を行って、回転機43からペルチェ素子51への給電量を変更することで、回転機43の回転抵抗、即ち、回転機43からハンドル11への操舵反力を制御している。
【0023】
ECU20は、舵角センサ16が検出したハンドル11の舵角に対応させて転舵用アクチュエータ33を駆動する。また、ECU20は、路面状況に応じた操舵輪30の転舵抵抗をハンドル11への操舵反力に反映させるために、転舵用アクチュエータ33(詳細には、転舵用モータ31)への駆動電流に対応させて、回転機43からハンドル11への操舵反力をPWM制御する。具体的には、転舵用アクチュエータ33への駆動電流が大きくなったときには、回転機43からペルチェ素子51への給電量を増加させることで操舵反力を増加させ、転舵用アクチュエータ33への駆動電流が小さくなったときには、回転機43からペルチェ素子51への給電量を減少させることで操舵反力を減少させる。
【0024】
また、転舵抵抗とは別に、高速運転時には操舵反力を増加させる一方、低速運転時には操舵反力を減少させるように回転機43からハンドル11への操舵反力をPWM制御する。
【0025】
さらに、操舵フィーリングを向上させるために、ハンドル11を車両の直進位置(以下、中立点という)から切り込んでいくときには操舵反力を増加させ、ハンドル11を中立点に戻すときには、スイッチ素子52をオフする。
【0026】
次に、上記構成からなる本実施形態のステアバイワイヤシステム10の作用効果を説明する。車両走行中にハンドル11を操舵すると、舵角センサ16が検出したハンドル11の舵角に応じて転舵用アクチュエータ33が駆動される。このとき、転舵用アクチュエータ33には、路面の摩擦抵抗に応じた駆動電流が流される。すると、転舵用アクチュエータ33への駆動電流に応じて負荷駆動回路50のスイッチ素子52がオンオフされ、路面の摩擦抵抗に応じた操舵反力が反力発生装置13からハンドル11に付与され、運転手はその操舵反力をもって路面状況を知ることができる。ここで、路面の摩擦抵抗に伴って操舵反力が大きくなったときには、転舵用アクチュエータ33の発熱量が増すが、これに伴って回転機43からペルチェ素子51への給電量も増すので、転舵用アクチュエータ33の冷却を効率良く抑えることができる。
【0027】
このように本実施形態のステアバイワイヤシステム10によれば、ハンドル11の操舵中にペルチェ素子51が回転機43から受電することで、エネルギーの有効利用が図られる。また、スイッチ素子52のオン時間を変更するPWM制御を行うことで、操舵抵抗の大きさも変更することができる。さらに、ハンドル11を切った場合に、ペルチェ素子51を回転機43に接続して操舵反力を発生させる一方、ハンドル11を中立点に戻すときにペルチェ素子51を回転機43から切り離して操舵反力をなくすことで、操舵フィーリングを向上させることができる。
【0028】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、ペルチェ素子51を転舵用アクチュエータ33に取り付けていたが、ヒートパイプを転舵用アクチュエータ33に取り付け、そのヒートパイプをペルチェ素子51によって冷却する構成にしてもよい。このように発熱部にヒートパイプを取り付けることでペルチェ素子の配置の自由度が増す。
【0029】
(2)前記実施形態では、回転機43にペルチェ素子51を接続する構成を示したが、回転機43に接続される負荷はペルチェ素子に限定されるものではなく、例えば、バッテリ充電回路を負荷として回転機に接続してもよい。
【0030】
(3)前記実施形態では、回転機43と反力発生リンク45とによって、操舵反力を発生させる構成であったが、回転機43のみで操舵反力を発生させる構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るステアバイワイヤシステムの概念図
【図2】反力発生装置の斜視図
【図3】負荷駆動回路の回路図
【符号の説明】
10…ステアバイワイヤシステム
11…ハンドル
30…操舵輪
33…転舵用アクチュエータ
43…回転機
46…圧縮コイルバネ(弾性部材)
51…ペルチェ素子(負荷)
52…スイッチ素子
20…ECU(反力制御部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアバイワイヤシステムに関する。
【0002】
【関連技術】
一般に、ステアバイワイヤシステムでは、ハンドルと操舵輪とが機械的に切り離され、転舵用アクチュエータがハンドルの舵角に応じて操舵輪を転舵し、反力発生装置がハンドルに操舵反力を付与する構成になっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−37112号公報([0002]、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の反力発生装置は、ハンドルに連動回転するモータで構成されており、モータ駆動による出力トルクを操舵反力としていたので、エネルギー効率が悪かった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、エネルギー効率に優れたステアバイワイヤシステムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るステアバイワイヤシステムは、ハンドルと操舵輪とを機械的に切り離し、ハンドルの舵角に応じて操舵輪を転舵する転舵用アクチュエータと、ハンドルに連動回転する回転機と、回転機から受電可能な負荷と、回転機と負荷との間に設けたスイッチ素子と、運転状況に応じた操舵反力を回転機からハンドルに付与するようにスイッチ素子をオンオフする反力制御部とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、反力制御部は、スイッチ素子のオン時間及び/又はオフ時間を変更して操舵反力をPWM制御するところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、負荷は、ペルチェ素子であるところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、ペルチェ素子は、転舵用アクチュエータを冷却するように配置されたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、発熱部から熱を吸収するヒートパイプをペルチェ素子で冷却するように構成したところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステムにおいて、ハンドルを切った場合に弾性変形して、ハンドルを車両の直進位置に戻すように付勢する弾性部材を備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載のステアバイワイヤシステムにおいて、反力制御部は、ハンドルを切った場合に負荷を回転機に接続する一方、ハンドルを車両の直進位置に戻すときに負荷を回転機から切り離すようにスイッチ素子をオンオフ制御するところに特徴を有する。
【0013】
【発明の作用及び効果】
請求項1のステアバイワイヤシステムでは、スイッチ素子をオンすると回転機に負荷が接続されて回転機の回転抵抗が増し、これによりハンドルに操舵反力を付与することができる。一方、スイッチ素子をオフすると、回転機から負荷が切り離されて回転機の回転抵抗が減少し、これにより操舵反力を減少又はなくすことができる。即ち、スイッチ素子のオンオフによってハンドルへの操舵反力を制御することができる。しかも、ハンドルの操舵中に負荷が回転機から受電することで、エネルギーの有効利用が図られる。
【0014】
なお、スイッチ素子のオン時間及び/又はオフ時間を変更して操舵反力をPWM制御することで、操舵反力の大きさを変更することができる(請求項2の発明)。
【0015】
請求項3のステアバイワイヤシステムのように、回転機に接続される負荷をペルチェ素子とすることで、車両の発熱部分の冷却を図ることができる。このペルチェ素子によって冷却する部分を転舵用アクチュエータとすることで、転舵用アクチュエータの発熱を抑えることができる(請求項4の発明)。また、ペルチェ素子によってヒートパイプを冷却し、そのヒートパイプにて発熱部の熱を吸収することで発熱部及びペルチェ素子の配置の自由度が増す(請求項5の発明)。
【0016】
請求項6のステアバイワイヤシステムでは、ハンドルを車両の直進位置に戻すように付勢する弾性部材を備えたので、弾性部材と回転機とを協働させてハンドルに操舵反力を付与することができる。ここで、ハンドルを切った場合に、負荷を回転機に接続して操舵反力を発生させる一方、ハンドルを車両の直進位置に戻すときに負荷を回転機から切り離して操舵反力をなくすことで、操舵フィーリングを向上させることができる(請求項7の発明)。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1には、本発明に係るステアバイワイヤシステム10の全体構成が示されている。このステアバイワイヤシステム10では、ハンドル11と操舵輪30,30とが機械的に切り離されており、ハンドル11の中心から延びたステアリングシャフト12の先端部分に反力発生装置13が連結されている。また、ステアリングシャフト12の中間部分には、ハンドル11の舵角を検出するための舵角センサ16と、ステアリングシャフト12にかかる操舵反力を検出するためのトルクセンサ17とが備えられている。
【0018】
左右の操舵輪30,30の間には、転舵用アクチュエータ33が設けられている。転舵用アクチュエータ33は、転舵用モータ31を内蔵したボールネジ機構を備えており、図示しないボールネジナットを転舵用モータ31により回転させて、ボールネジシャフト34を車両の左右方向に直動させる構成になっている。そして、このボールネジシャフト34の両端部に操舵輪30,30が連結され、転舵用アクチュエータ33の駆動によって操舵輪30,30が転舵される。また、転舵用アクチュエータ33には、操舵輪30,30の転舵角を検出するための転舵角センサ32が備えられている。
【0019】
さて、図2には、反力発生装置13の詳細構造が示されている。この反力発生装置13には、大小の入力歯車40,41をステアリングシャフト12に固定して備える。一方の入力歯車40には、増速用の出力歯車42が噛合されている。これら入力歯車40と出力歯車42とのギヤ比は、例えばG=15:1になっており、出力歯車42側にハンドル11の回転を増速出力する。他方の入力歯車41には、減速用の出力歯車44が噛合されている。これら入力歯車41と出力歯車44とのギヤ比は、例えばG=1:6になっており、出力歯車44側にハンドル11の回転を減速出力する。
【0020】
減速用の出力歯車44の端面には、1対の反力発生リンク45,45が連結されている。各反力発生リンク45は、ベース部48にロッド47を直動可能に支持し、ロッド47に備えたフランジ47Fとベース部48との間に圧縮コイルバネ46(本発明の弾性部材に相当する)を設けた構造をなしている。そして、両反力発生リンク45,45におけるロッド47,47の先端部が、共に出力歯車44の端面のうち外縁寄り位置に回転可能に連結され、車両直進時に両反力発生リンク45,45が均衡状態になっており、ハンドル11を切ったときに一方の反力発生リンク45のロッド47がベース部48側に移動して圧縮コイルバネ46が圧縮変形され、車両の直進位置にハンドル11を戻す反力を発生させる。
【0021】
増速用の出力歯車42は、回転機43の入力回転軸に軸支されている。これにより、ハンドル11の回転量が増速されて回転機43の回転軸に伝達される。
【0022】
図3に示すように、回転機43の出力線には、負荷駆動回路50が接続されている。負荷駆動回路50は、回転機43から出力された交流を直流に変換する整流回路49と、整流回路49の正負の出力端子間に接続されたペルチェ素子51と、ペルチェ素子51と整流回路49との接続ラインの途中に設けたスイッチ素子52とからなる。ペルチェ素子51は、転舵用アクチュエータ33の発熱部に固定されている。スイッチ素子52は、例えば、FET、バイポーラトランジスタ等で構成され、次述するECU20(本発明の「反力制御部」に相当する)からの信号を受けてオンオフされる。ECU20は、スイッチ素子52のオン時間の幅を変更するPWM制御を行って、回転機43からペルチェ素子51への給電量を変更することで、回転機43の回転抵抗、即ち、回転機43からハンドル11への操舵反力を制御している。
【0023】
ECU20は、舵角センサ16が検出したハンドル11の舵角に対応させて転舵用アクチュエータ33を駆動する。また、ECU20は、路面状況に応じた操舵輪30の転舵抵抗をハンドル11への操舵反力に反映させるために、転舵用アクチュエータ33(詳細には、転舵用モータ31)への駆動電流に対応させて、回転機43からハンドル11への操舵反力をPWM制御する。具体的には、転舵用アクチュエータ33への駆動電流が大きくなったときには、回転機43からペルチェ素子51への給電量を増加させることで操舵反力を増加させ、転舵用アクチュエータ33への駆動電流が小さくなったときには、回転機43からペルチェ素子51への給電量を減少させることで操舵反力を減少させる。
【0024】
また、転舵抵抗とは別に、高速運転時には操舵反力を増加させる一方、低速運転時には操舵反力を減少させるように回転機43からハンドル11への操舵反力をPWM制御する。
【0025】
さらに、操舵フィーリングを向上させるために、ハンドル11を車両の直進位置(以下、中立点という)から切り込んでいくときには操舵反力を増加させ、ハンドル11を中立点に戻すときには、スイッチ素子52をオフする。
【0026】
次に、上記構成からなる本実施形態のステアバイワイヤシステム10の作用効果を説明する。車両走行中にハンドル11を操舵すると、舵角センサ16が検出したハンドル11の舵角に応じて転舵用アクチュエータ33が駆動される。このとき、転舵用アクチュエータ33には、路面の摩擦抵抗に応じた駆動電流が流される。すると、転舵用アクチュエータ33への駆動電流に応じて負荷駆動回路50のスイッチ素子52がオンオフされ、路面の摩擦抵抗に応じた操舵反力が反力発生装置13からハンドル11に付与され、運転手はその操舵反力をもって路面状況を知ることができる。ここで、路面の摩擦抵抗に伴って操舵反力が大きくなったときには、転舵用アクチュエータ33の発熱量が増すが、これに伴って回転機43からペルチェ素子51への給電量も増すので、転舵用アクチュエータ33の冷却を効率良く抑えることができる。
【0027】
このように本実施形態のステアバイワイヤシステム10によれば、ハンドル11の操舵中にペルチェ素子51が回転機43から受電することで、エネルギーの有効利用が図られる。また、スイッチ素子52のオン時間を変更するPWM制御を行うことで、操舵抵抗の大きさも変更することができる。さらに、ハンドル11を切った場合に、ペルチェ素子51を回転機43に接続して操舵反力を発生させる一方、ハンドル11を中立点に戻すときにペルチェ素子51を回転機43から切り離して操舵反力をなくすことで、操舵フィーリングを向上させることができる。
【0028】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、ペルチェ素子51を転舵用アクチュエータ33に取り付けていたが、ヒートパイプを転舵用アクチュエータ33に取り付け、そのヒートパイプをペルチェ素子51によって冷却する構成にしてもよい。このように発熱部にヒートパイプを取り付けることでペルチェ素子の配置の自由度が増す。
【0029】
(2)前記実施形態では、回転機43にペルチェ素子51を接続する構成を示したが、回転機43に接続される負荷はペルチェ素子に限定されるものではなく、例えば、バッテリ充電回路を負荷として回転機に接続してもよい。
【0030】
(3)前記実施形態では、回転機43と反力発生リンク45とによって、操舵反力を発生させる構成であったが、回転機43のみで操舵反力を発生させる構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るステアバイワイヤシステムの概念図
【図2】反力発生装置の斜視図
【図3】負荷駆動回路の回路図
【符号の説明】
10…ステアバイワイヤシステム
11…ハンドル
30…操舵輪
33…転舵用アクチュエータ
43…回転機
46…圧縮コイルバネ(弾性部材)
51…ペルチェ素子(負荷)
52…スイッチ素子
20…ECU(反力制御部)
Claims (7)
- ハンドルと操舵輪とを機械的に切り離し、
前記ハンドルの舵角に応じて前記操舵輪を転舵する転舵用アクチュエータと、
前記ハンドルに連動回転する回転機と、
前記回転機から受電可能な負荷と、
前記回転機と前記負荷との間に設けたスイッチ素子と、
前記運転状況に応じた操舵反力を前記回転機から前記ハンドルに付与するように前記スイッチ素子をオンオフする反力制御部とを備えたことを特徴とするステアバイワイヤシステム。 - 前記反力制御部は、前記スイッチ素子のオン時間及び/又はオフ時間を変更して前記操舵反力をPWM制御することを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤシステム。
- 前記負荷は、ペルチェ素子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステム。
- 前記ペルチェ素子は、前記転舵用アクチュエータを冷却するように配置されたことを特徴とする請求項3に記載のステアバイワイヤシステム。
- 発熱部から熱を吸収するヒートパイプを前記ペルチェ素子で冷却するように構成したことを特徴とする請求項3又は4に記載のステアバイワイヤシステム。
- 前記ハンドルを切った場合に弾性変形して、前記ハンドルを車両の直進位置に戻すように付勢する弾性部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のステアバイワイヤシステム。
- 前記反力制御部は、前記ハンドルを切った場合に前記負荷を前記回転機に接続する一方、前記ハンドルを車両の直進位置に戻すときに前記負荷を前記回転機から切り離すように前記スイッチ素子をオンオフ制御することを特徴とする請求項6に記載のステアバイワイヤシステム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003109806A JP2004314736A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | ステアバイワイヤシステム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003109806A JP2004314736A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | ステアバイワイヤシステム |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009500219A (ja) * | 2005-06-29 | 2009-01-08 | ルノー・エス・アー・エス | ステアバイワイヤ形式の自動車操舵システムに使用し、力をパッシブなステアリングホイールに伝える力伝達装置 |
WO2017089218A1 (de) * | 2015-11-25 | 2017-06-01 | Thyssenkrupp Presta Ag | Feedbackaktuator für eine steer-by-wire-lenkung |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003109806A patent/JP2004314736A/ja active Pending
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CN108290601A (zh) * | 2015-11-25 | 2018-07-17 | 蒂森克虏伯普利斯坦股份公司 | 用于线控转向式转向机构的反馈致动器 |
US10661823B2 (en) | 2015-11-25 | 2020-05-26 | Thyssenkrupp Presta Ag | Feedback actuator for a steer-by-wire steering mechanism |
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