JP2004314551A - メラミン樹脂化粧板 - Google Patents

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Takashi Kamiya
隆志 神谷
Atsushi Tateishi
篤 立石
Takahiro Kojima
貴弘 小島
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Abstract

【課題】アルデヒド臭を放散を抑制するメラミン樹脂化粧板を提供する。
【解決手段】化粧板用樹脂組成物にアルデヒド捕捉剤を配合し、含浸、乾燥した含浸紙を用いる。アルデヒド捕捉剤としては、ジシアンジアミド、メラミン等のアミノ化合物、尿素、バルビツール酸等のアミド類、グルタミン酸塩、グリシン、アラニン等のアミノ酸類、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体等の含窒素化合物を少なくとも含有する組成物を用い、配合量は化粧板用樹脂組成物の固形分100重量部に対して、0.1〜20重量部とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はメラミン樹脂化粧板に関する。
【0002】
【特許文献1】特開平10−329274
【特許文献2】特開平10−100333
【特許文献3】特開平10−272737
【0003】
【従来技術】
近年、カウンター、テーブル、壁材などの住宅内装材にはメラミン樹脂化粧板が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メラミン樹脂化粧板中には遊離のホルムアルデヒドや熱処理時の分解によるホルムアルデヒドが含まれるため極微量のホルムアルデヒドが大気中放散され、気密化や高断熱化が進む昨今の住宅においては、室内の空気を汚染し、その特有の刺激臭による不快感やアレルギー症状等を呈することがあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の課題を解決するために検討されたもので、以下のことを特徴とするメラミン樹脂化粧板である。
すなわち、請求項1記載の発明は、メラミン樹脂化粧板であって、少なくとも最下層に、アルデヒド捕捉剤を化粧板用樹脂組成物に配合した樹脂液を含浸した樹脂含浸紙を用いてなることを特徴とするメラミン樹脂化粧板である。
また、請求項2記載の発明は、該アルデヒド捕捉剤の配合量が、該化粧板用樹脂組成物の固形分100重量部に対して、0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1記載のメラミン樹脂化粧板である。
以下,本発明について詳細に説明する。
【0006】
化粧板用樹脂組成物としては、樹脂含浸コア紙用に使用されるフェノール樹脂、樹脂含浸化粧紙、樹脂含浸表面紙に使用されるアミノ−ホルムアルデヒド樹脂があり、フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール性水酸基1モルに対してアルデヒド類を1〜3モルの割合で塩基性触媒下或いは酸性触媒下にて反応させて得られる。フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられ、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザール、トリオキザールなどが挙げられる。
また、必要に応じてパラトルエンスルフォンアミド、桐油、燐酸エステル類、グリコール類などの可塑化を促す変性剤で変性されたものも適用でき、塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、及びトリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、アンモニアが挙げられ、酸性触媒としては、パラトルエンスルフォン酸、塩酸などが挙げられる。
【0007】
アミノ−ホルムアルデヒド樹脂は、アミノ化合物、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどとホルムアルデヒドを反応させた初期縮合物のほか、メチルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコ−ルによるエ−テル化、パラトルエンスルホンアミドなどの可塑化を促す反応性変性剤で変性されたものが適用でき、中でも耐久性に優れるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
【0008】
前記のフェノール樹脂及び/又はアミノ−ホルムアルデヒド樹脂に配合されるアルデヒド捕捉剤は、アルデヒドと反応して消臭化することができるものであればよく、例えば、アミルアミン、ヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン・ジアミン類、シアナミド、ジシアンジアミド等のアミノニトリル、メラミン等のアミノ化合物、尿素、チオ尿素、バルビツール酸等のアミド類、グルタミン酸塩、グリシン、アラニン等のアミノ酸類、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体等の含窒素化合物を少なくとも含有する組成物が挙げられ、耐熱性、着色性を考慮して適宜選択して用いることができる。
配合量は化粧板用樹脂組成物の固形分100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部であればよく、配合量が下限に満たないと、防臭効果があまりなく、上限を超えると耐熱性、耐水性等の物性が劣りやすくなる。
【0009】
本発明のメラミン樹脂化粧板は、化粧板用樹脂組成物にアルデヒド捕捉剤を配合した樹脂液を、化粧板用のクラフト紙、不織布、化粧紙、表面紙などに含浸し、得られた樹脂含浸紙を積層し、熱圧成形することにより得られるが、すべての含浸紙にアルデヒド捕捉剤が含まれても1枚の含浸紙に含まれていてもよい。好ましい態様は仕上がった製品の裏面からのアルデヒドの放散を考慮して、少なくとも最下層となる含浸紙に含まれているのが望ましい。
【0010】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
アルデヒド補足用樹脂含浸コア紙
フェノール樹脂の固形分100重量部に対して、アジピン酸ジヒドラジドを5重量部配合した樹脂液を、坪量198g/mのクラフト紙に、式1に示す含浸率が50%となるように含浸してアルデヒド補足用樹脂含浸コア紙を得た。
【式1】
Figure 2004314551
フェノール樹脂含浸コア紙
フェノール樹脂を主な成分とする樹脂液を、坪量200g/mのクラフト紙に、式1に示す含浸率が50%となるように含浸してフェノール樹脂含浸コア紙を得た。
樹脂含浸化粧紙紙
坪量100g/mの黒色無柄の化粧紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主な成分とする樹脂液を、式1に示す含浸率が93%となるように含浸し、乾燥し、メラミン樹脂含浸化粧紙を得た。
樹脂含浸表面紙
坪量24g/mの表面紙に、前記同様のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主な成分とする樹脂液を、式1に示す含浸率が170%となるように含浸し、乾燥してメラミン樹脂含浸表面紙を得た。
次いで、下から順に、アルデヒド補足用樹脂含浸コア紙を1枚、フェノール樹脂含浸コア紙を3枚、メラミン樹脂含浸化粧紙を1枚、メラミン樹脂含浸表面紙を1枚積層し、加熱加圧プレス機により、加熱温度138℃、圧力70kg/cmの成型条件下で熱圧して、実施例1の防臭性メラミン樹脂化粧板を得た。
【0011】
比較例1(アジピン酸ジヒドラジドを配合しない場合)
実施例1において、アジピン酸ジヒドラジドを配合しなかった以外は同様に実施して化粧板を得た。
【0012】
比較例2(アジピン酸ジヒドラジドの配合量が下限未満の場合)
実施例1において、アジピン酸ジヒドラジドを0.05重量部配合した以外は同様に実施して化粧板を得た。
【0013】
比較例3(アジピン酸ジヒドラジドの配合量が上限を超える場合)
実施例1において、アジピン酸ジヒドラジドを30重量部配合した以外は同様に実施して化粧板を得た。
【0014】
評価結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004314551
評価結果は以下の通りとした。
ホルムアルデヒド放散量
「JIS A 1460:建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法−デシケーター法」に基づいて実施した。
耐熱性・耐水性
「JIS K 6902:熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法」に基づいて実施した。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、アルデヒド臭の放散がなく、不快感を与えることがなく、快適な住宅環境となる。

Claims (2)

  1. メラミン樹脂化粧板であって、少なくとも最下層に、アルデヒド捕捉剤を化粧板用樹脂組成物に配合した樹脂液を含浸した樹脂含浸紙を用いてなることを特徴とするメラミン樹脂化粧板。
  2. 該アルデヒド捕捉剤の配合量が、該化粧板用樹脂組成物の固形分100重量部に対して、0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1記載のメラミン樹脂化粧板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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