JP2004314481A - サーマルヘッドの圧接機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーマルヘッドと被記録体との密着性を保持しつつ被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力が過大にならないように制御することによって、記録品位の劣化を防止することのできるサーマルヘッドの圧接機構を提供すること。
【解決手段】サーマルヘッド1の外側位置および各発熱素子4の間の少なくとも一方に、前記発熱素子4よりもプラテン3側に突出するようにされ、被記録体8に対する前記サーマルヘッド1の圧接力を緩和可能とされた緩衝部材12,13,16が、前記サーマルヘッド1とともに前記プラテン3に対して相対的に接離可能に配設されていること。
【選択図】 図1
【解決手段】サーマルヘッド1の外側位置および各発熱素子4の間の少なくとも一方に、前記発熱素子4よりもプラテン3側に突出するようにされ、被記録体8に対する前記サーマルヘッド1の圧接力を緩和可能とされた緩衝部材12,13,16が、前記サーマルヘッド1とともに前記プラテン3に対して相対的に接離可能に配設されていること。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、サーマルヘッドの圧接機構に係り、特に、複数の発熱素子が所定の間隔を設けて整列配置されたサーマルヘッドをプラテン上の被記録体に圧接させるのに好適なサーマルヘッドの圧接機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱転写プリンタにおいては、プラテン上に位置された普通紙やCD−Rメディア等の被記録体に対して、インクリボンを介してサーマルヘッドを圧接させた状態で、サーマルヘッドの各発熱素子を選択的に発熱させることにより、インクリボンのインクを被記録体上に熱溶融転写あるいは熱昇華転写する熱転写記録を行うようになっていた。
【0003】
また、従来から、このような熱転写プリンタは、前記サーマルヘッドを前記プラテン上の被記録体に圧接させるサーマルヘッドの圧接機構を有していた。
【0004】
図5は、このような従来から採用されていたサーマルヘッドの圧接機構の一例として、ライン式の熱転写プリンタに配設されたラインサーマルヘッド1の圧接機構2を示したものである。
【0005】
このラインサーマルヘッド1の圧接機構2は、プラテンローラ3の長手方向に沿って複数の発熱素子4が整列配置されたラインサーマルヘッド1における前記発熱素子4の整列方向の両端部1a,1bに、この両端部1a,1bから前記ラインサーマルヘッド1に沿って外側に延出する一対の付勢部材取付板6を有している。
【0006】
前記各付勢部材取付板6の図5における上面には、コイルばね等からなる一対の付勢部材7が取付けられており、これら一対の付勢部材7は、ばね荷重等による付勢力によって、前記ラインサーマルヘッド1を図5における下方のプラテンローラ3の側に付勢するようになっている。
【0007】
従って、前記付勢部材7の付勢力によって前記ラインサーマルヘッド1を前記プラテンローラ3の上に位置された被記録体に圧接させることができるようになっている。
【0008】
このように、サーマルヘッドを被記録体上に圧接させることは、被記録体、インクリボンおよび発熱素子の相互の密着性を保持してインクリボンのインクを被記録体上に適正に熱転写する上で不可欠なことである。
【0009】
【特許文献1】
特開平05−104818号公報
【特許文献2】
特開平06−113096号公報
【特許文献3】
特開2000−85202号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のサーマルヘッドの圧接機構は、サーマルヘッドとプラテンローラとが互いに平行な状態であれば、サーマルヘッドを付勢部材の付勢力のみによって適正に圧接させることも可能であったが、実際に、サーマルヘッドとプラテンラテンローラとを厳密に平行な状態に組み立てることは困難であった。
【0011】
このため、従来は、図6に示すように、インクリボン10を介してラインサーマルヘッド1をプラテンローラ3上の被記録体8に圧接させる際に、ラインサーマルヘッド1からプラテンローラ3に至る距離が、ラインサーマルヘッド1における発熱素子4の整列方向の両端部で互いに異なる場合があった。
【0012】
この結果、図7に示すように、プラテンローラ3までの距離が短いラインサーマルヘッド1における一方の端部1aの側が、他方の端部1bの側よりも先に被記録体8に圧接することになり、前記一方の端部1aの側において、被記録体8に対するラインサーマルヘッド1の圧接力が必要以上に大きくなってしまっていた。
【0013】
したがって、従来は、被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力が過大になる記録位置が存在することによって、記録品位を劣化させてしまうといった問題が生じていた。
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、サーマルヘッドと被記録体との密着性を保持しつつ被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力が過大にならないように制御することによって、記録品位の劣化を防止することのできるサーマルヘッドの圧接機構を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の特徴は、プラテンに対して相対的に接離可能とされ、前記プラテンに臨む位置に複数個の発熱素子が所定の間隔を設けて整列配置されたサーマルヘッドを、付勢手段の付勢力を介して前記プラテン上の被記録体に圧接させるサーマルヘッドの圧接機構であって、前記サーマルヘッドの外側位置および前記各発熱素子の間の少なくとも一方に、前記発熱素子よりも前記プラテン側に突出するようにされ、前記被記録体に対する前記サーマルヘッドの圧接力を緩和可能とされた緩衝部材が、前記サーマルヘッドとともに前記プラテンに対して相対的に接離可能に配設されている点にある。
【0016】
そして、このような構成を採用したことにより、緩衝部材によって、被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力を緩和することができるため、被記録体に対するサーマルヘッドの過剰な圧接を原因とした記録の劣化を適正に防止することが可能となる。
【0017】
さらに、緩衝部材を前記各発熱素子の間(ドットギャップ部)に形成する場合、被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力を発熱素子毎に好適な値に制御することができ、さらに良好な記録を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第1実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
【0019】
なお、従来と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0020】
図1は、本第1実施形態におけるサーマルヘッドの圧接機構としてのラインサーマルヘッド1の圧接機構11を示したものである。
【0021】
このラインサーマルヘッド1の圧接機構11は、プラテンローラ3の長手方向に沿って複数の発熱素子4が整列配置されたラインサーマルヘッド1における前記発熱素子4の整列方向の両端部1a,1bに、この両端部1a,1bから前記サーマルヘッド1に沿って外側に延出する一対の付勢部材取付板6を有している。
【0022】
前記各付勢部材取付板6の図1における上面には、コイルばね等からなる一対の付勢部材7が取付けられており、これら一対の付勢部材7は、ばね荷重等による付勢力によって、前記ラインサーマルヘッド1を図1における下方のプラテンローラ3側に付勢するようになっている。
【0023】
従って、前記付勢部材7の付勢力によって前記ラインサーマルヘッド1を前記プラテンローラ3の上に位置された被記録体8に圧接させることができるようになっている。
【0024】
そして、本第1実施形態において、前記一対の付勢部材取付け板6の図1における下面であって、前記一対の付勢部材7の内側位置には、前記プラテンローラ3の外周面との当接面を有する一対の緩衝部材12,13が、前記発熱素子4よりもプラテンローラ3側に突出するように配設されている。
【0025】
前記一対の緩衝部材12,13は、前記サーマルヘッド1とともに前記プラテンローラ3に対して接離可能とされている。
【0026】
そして、前記緩衝部材12,13を前記サーマルヘッド1とともに前記プラテンローラ3に圧接させることによって、被記録体8に対する前記サーマルヘッド1の圧接力を緩和することができるようになっている。
【0027】
なお、前記緩衝部材12,13は、例えば、シリコーンゴム等によって形成するようにしてもよい。
【0028】
次に、本第1実施形態の作用について説明する。
【0029】
本第1実施形態においては、図1に示すように、プラテンローラ3上に位置された被記録体8に対して、ラインサーマルヘッド1をインクリボン10とともに付勢部材7の付勢力を介して圧接させる。
【0030】
このとき、前記ラインサーマルヘッド1の外側位置に配設された前記一対の緩衝部材12,13は、前記ラインサーマルヘッド1よりもわずかに早く前記プラテンローラ3上に圧接する。
【0031】
ここで、図6に示したように、ラインサーマルヘッド1がプラテンローラ3に対して原始的に傾きを有している場合、従来は、図7に示したようにラインサーマルヘッド1における被記録体8までの距離が短い一方の端部1a側において、ラインサーマルヘッド1の圧接力が過大になってしまっていた。
【0032】
しかし、本第1実施形態においては、図2に示すように、前記ラインサーマルヘッド1における前記一方の端部1aの外側に配設された緩衝部材12によって、前記一方の端部1aの側におけるラインサーマルヘッド1の圧接力を緩和することができる。
【0033】
この結果、たとえ、ラインサーマルヘッド1が一方の端部1aの側に傾いた状態で圧接したとしても、前記一方の端部1aの側において、被記録体8に対する圧接力が過大になることを防止することができる。
【0034】
そして、このように、ラインサーマルヘッド1を適正な圧接力で被記録体8の上に圧接させた後、発熱素子4を選択的に発熱させると、インクリボン10のインクが適正に被記録体8の上に熱転写され、高品位の記録を行うことができる。
【0035】
次に、本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第2実施形態について、図3および図4を参照して説明する。
【0036】
図3は、本第2実施形態におけるサーマルヘッドの圧接機構としてのラインサーマルヘッド1の圧接機構15を示したものである。
【0037】
このラインサーマルヘッド1の圧接機構15は、プラテンローラ3の長手方向に沿って複数の発熱素子4が整列配置されたラインサーマルヘッド1における前記発熱素子4の整列方向の両端部1a、1bに、この両端部1a,1bから前記サーマルヘッド1に沿って外側に延出する一対の付勢部材取付板6を有している。
【0038】
前記各付勢部材取付板6の図3における上面には、コイルばね等からなる一対の付勢部材7が取付けられており、これら一対の付勢部材7は、ばね荷重等による付勢力によって、前記ラインサーマルヘッド1を図3における下方のプラテンローラ3の側に付勢するようになっている。
【0039】
従って、前記付勢部材7の付勢力によって前記ラインサーマルヘッド1を前記プラテンローラ3の上に位置された被記録体8に圧接させることができるようになっている。
【0040】
そして、本第2実施形態において、前記ラインサーマルヘッド1における前記各発熱素子4の間(ドットギャップ部)には、被記録体8との当接面を有する複数の緩衝部材16が、前記発熱素子4よりもプラテンローラ3の側に突出するように配設されており、これらの緩衝部材16は、前記ラインサーマルヘッド1とともに前記プラテンローラ3に対して接離可能とされている。
【0041】
そして、前記複数の緩衝部材16を前記ラインサーマルヘッド1とともに前記プラテンローラ3の上の被記録体8に圧接させることによって、被記録体8に対する前記ラインサーマルヘッド1の圧接力を緩和することができるようになっている。
【0042】
なお、前記緩衝部材16は、第1実施形態と同様に、シリコーンゴム等によって形成するようにしてもよい。
【0043】
次に、本第2実施形態の作用について説明する。
【0044】
本第2実施形態においては、図3に示すように、プラテンローラ3の上に位置された被記録体8に対して、ラインサーマルヘッド1をインクリボン10とともに付勢部材7の付勢力を介して圧接させる。
【0045】
このとき、前記ラインサーマルヘッド1の前記各発熱素子4の間の間隙部に配設された前記複数の緩衝部材16は、前記ラインサーマルヘッド1よりもわずかに早く前記被記録体8の上に圧接する。
【0046】
ここで、図6に示した場合と同様に、ラインサーマルヘッド1がプラテンローラ3に対して傾きを有している場合や、あるいは、被記録体8の表面にうねりや凹凸が存在する場合は、ラインサーマルヘッド1と被記録体8との間の距離が短くなる記録位置が存在するが、従来は、このような記録位置においてラインサーマルヘッド1の圧接力が過大になっていた。
【0047】
しかし、本第2実施形態においては、前記各発熱素子4の間に配設された緩衝部材16によって、ラインサーマルヘッド1の圧接力を緩和することができる。
【0048】
この結果、前記ラインサーマルヘッド1の被記録体8に対する圧接力が過大になる記録位置が生じることを防止することができ、その上、ラインサーマルヘッド1の圧接力を各発熱素子4ごとに好適な値に制御することができる。
【0049】
そして、このように、ラインサーマルヘッド1を適正な圧接力で被記録体8の上に圧接させた後、発熱素子4を選択的に発熱させると、インクリボン10のインクが適正に被記録体8の上に熱転写され、高品位の記録を行うことができる。
【0050】
したがって、本実施形態によれば、緩衝部材12,13,16によって被記録体8に対するラインサーマルヘッド1の圧接力が過大になる記録位置が生じることを防止することによって、記録品位の低下を防ぐことができる。
【0051】
なお、本発明は前記各実施形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0052】
例えば、前記ラインサーマルヘッド1の外側位置および各発熱素子4の間の間隙部の双方に、前記緩衝部材12,13,16を配設するようにしてもよい。この場合、ラインサーマルヘッド1の圧接力が過大になる記録位置の発生をさらに有効に防止することができる。
【0053】
また、本発明は、ライン式の熱転写プリンタに限らず、例えば、シリアル式の熱転写プリンタに適用するようにしてもよい。
【0054】
さらに、前記各実施形態においては、ラインサーマルヘッド1をプラテンローラ3に対して接離するように構成しているが、これに限る必要はなく、プラテンローラ3をラインサーマルヘッド1に対して接離するように構成してもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構によれば、高品位な記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第1実施形態を模式的に示した正面図
【図2】本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第1実施形態において、サーマルヘッドの圧接力の緩和状態を模式的に示した説明図
【図3】本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第2実施形態を模式的に示した正面図
【図4】本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第2実施形態において、サーマルヘッドの圧接力の緩和状態を模式的に示した説明図
【図5】従来のサーマルヘッドの圧接機構の一例を模式的に示した正面図
【図6】従来のサーマルヘッドの圧接機構において、サーマルヘッドの圧接前の状態を模式的に示した正面図
【図7】図6に示したサーマルヘッドの圧接機構の圧接状体を示した説明図
【符号の説明】
1 ラインサーマルヘッド
3 プラテンローラ
4 発熱素子
7 付勢部材
8 被記録体
11,15 圧接機構
12,13,16 緩衝部材
【産業上の利用分野】
本発明は、サーマルヘッドの圧接機構に係り、特に、複数の発熱素子が所定の間隔を設けて整列配置されたサーマルヘッドをプラテン上の被記録体に圧接させるのに好適なサーマルヘッドの圧接機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱転写プリンタにおいては、プラテン上に位置された普通紙やCD−Rメディア等の被記録体に対して、インクリボンを介してサーマルヘッドを圧接させた状態で、サーマルヘッドの各発熱素子を選択的に発熱させることにより、インクリボンのインクを被記録体上に熱溶融転写あるいは熱昇華転写する熱転写記録を行うようになっていた。
【0003】
また、従来から、このような熱転写プリンタは、前記サーマルヘッドを前記プラテン上の被記録体に圧接させるサーマルヘッドの圧接機構を有していた。
【0004】
図5は、このような従来から採用されていたサーマルヘッドの圧接機構の一例として、ライン式の熱転写プリンタに配設されたラインサーマルヘッド1の圧接機構2を示したものである。
【0005】
このラインサーマルヘッド1の圧接機構2は、プラテンローラ3の長手方向に沿って複数の発熱素子4が整列配置されたラインサーマルヘッド1における前記発熱素子4の整列方向の両端部1a,1bに、この両端部1a,1bから前記ラインサーマルヘッド1に沿って外側に延出する一対の付勢部材取付板6を有している。
【0006】
前記各付勢部材取付板6の図5における上面には、コイルばね等からなる一対の付勢部材7が取付けられており、これら一対の付勢部材7は、ばね荷重等による付勢力によって、前記ラインサーマルヘッド1を図5における下方のプラテンローラ3の側に付勢するようになっている。
【0007】
従って、前記付勢部材7の付勢力によって前記ラインサーマルヘッド1を前記プラテンローラ3の上に位置された被記録体に圧接させることができるようになっている。
【0008】
このように、サーマルヘッドを被記録体上に圧接させることは、被記録体、インクリボンおよび発熱素子の相互の密着性を保持してインクリボンのインクを被記録体上に適正に熱転写する上で不可欠なことである。
【0009】
【特許文献1】
特開平05−104818号公報
【特許文献2】
特開平06−113096号公報
【特許文献3】
特開2000−85202号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のサーマルヘッドの圧接機構は、サーマルヘッドとプラテンローラとが互いに平行な状態であれば、サーマルヘッドを付勢部材の付勢力のみによって適正に圧接させることも可能であったが、実際に、サーマルヘッドとプラテンラテンローラとを厳密に平行な状態に組み立てることは困難であった。
【0011】
このため、従来は、図6に示すように、インクリボン10を介してラインサーマルヘッド1をプラテンローラ3上の被記録体8に圧接させる際に、ラインサーマルヘッド1からプラテンローラ3に至る距離が、ラインサーマルヘッド1における発熱素子4の整列方向の両端部で互いに異なる場合があった。
【0012】
この結果、図7に示すように、プラテンローラ3までの距離が短いラインサーマルヘッド1における一方の端部1aの側が、他方の端部1bの側よりも先に被記録体8に圧接することになり、前記一方の端部1aの側において、被記録体8に対するラインサーマルヘッド1の圧接力が必要以上に大きくなってしまっていた。
【0013】
したがって、従来は、被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力が過大になる記録位置が存在することによって、記録品位を劣化させてしまうといった問題が生じていた。
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、サーマルヘッドと被記録体との密着性を保持しつつ被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力が過大にならないように制御することによって、記録品位の劣化を防止することのできるサーマルヘッドの圧接機構を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の特徴は、プラテンに対して相対的に接離可能とされ、前記プラテンに臨む位置に複数個の発熱素子が所定の間隔を設けて整列配置されたサーマルヘッドを、付勢手段の付勢力を介して前記プラテン上の被記録体に圧接させるサーマルヘッドの圧接機構であって、前記サーマルヘッドの外側位置および前記各発熱素子の間の少なくとも一方に、前記発熱素子よりも前記プラテン側に突出するようにされ、前記被記録体に対する前記サーマルヘッドの圧接力を緩和可能とされた緩衝部材が、前記サーマルヘッドとともに前記プラテンに対して相対的に接離可能に配設されている点にある。
【0016】
そして、このような構成を採用したことにより、緩衝部材によって、被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力を緩和することができるため、被記録体に対するサーマルヘッドの過剰な圧接を原因とした記録の劣化を適正に防止することが可能となる。
【0017】
さらに、緩衝部材を前記各発熱素子の間(ドットギャップ部)に形成する場合、被記録体に対するサーマルヘッドの圧接力を発熱素子毎に好適な値に制御することができ、さらに良好な記録を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第1実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
【0019】
なお、従来と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0020】
図1は、本第1実施形態におけるサーマルヘッドの圧接機構としてのラインサーマルヘッド1の圧接機構11を示したものである。
【0021】
このラインサーマルヘッド1の圧接機構11は、プラテンローラ3の長手方向に沿って複数の発熱素子4が整列配置されたラインサーマルヘッド1における前記発熱素子4の整列方向の両端部1a,1bに、この両端部1a,1bから前記サーマルヘッド1に沿って外側に延出する一対の付勢部材取付板6を有している。
【0022】
前記各付勢部材取付板6の図1における上面には、コイルばね等からなる一対の付勢部材7が取付けられており、これら一対の付勢部材7は、ばね荷重等による付勢力によって、前記ラインサーマルヘッド1を図1における下方のプラテンローラ3側に付勢するようになっている。
【0023】
従って、前記付勢部材7の付勢力によって前記ラインサーマルヘッド1を前記プラテンローラ3の上に位置された被記録体8に圧接させることができるようになっている。
【0024】
そして、本第1実施形態において、前記一対の付勢部材取付け板6の図1における下面であって、前記一対の付勢部材7の内側位置には、前記プラテンローラ3の外周面との当接面を有する一対の緩衝部材12,13が、前記発熱素子4よりもプラテンローラ3側に突出するように配設されている。
【0025】
前記一対の緩衝部材12,13は、前記サーマルヘッド1とともに前記プラテンローラ3に対して接離可能とされている。
【0026】
そして、前記緩衝部材12,13を前記サーマルヘッド1とともに前記プラテンローラ3に圧接させることによって、被記録体8に対する前記サーマルヘッド1の圧接力を緩和することができるようになっている。
【0027】
なお、前記緩衝部材12,13は、例えば、シリコーンゴム等によって形成するようにしてもよい。
【0028】
次に、本第1実施形態の作用について説明する。
【0029】
本第1実施形態においては、図1に示すように、プラテンローラ3上に位置された被記録体8に対して、ラインサーマルヘッド1をインクリボン10とともに付勢部材7の付勢力を介して圧接させる。
【0030】
このとき、前記ラインサーマルヘッド1の外側位置に配設された前記一対の緩衝部材12,13は、前記ラインサーマルヘッド1よりもわずかに早く前記プラテンローラ3上に圧接する。
【0031】
ここで、図6に示したように、ラインサーマルヘッド1がプラテンローラ3に対して原始的に傾きを有している場合、従来は、図7に示したようにラインサーマルヘッド1における被記録体8までの距離が短い一方の端部1a側において、ラインサーマルヘッド1の圧接力が過大になってしまっていた。
【0032】
しかし、本第1実施形態においては、図2に示すように、前記ラインサーマルヘッド1における前記一方の端部1aの外側に配設された緩衝部材12によって、前記一方の端部1aの側におけるラインサーマルヘッド1の圧接力を緩和することができる。
【0033】
この結果、たとえ、ラインサーマルヘッド1が一方の端部1aの側に傾いた状態で圧接したとしても、前記一方の端部1aの側において、被記録体8に対する圧接力が過大になることを防止することができる。
【0034】
そして、このように、ラインサーマルヘッド1を適正な圧接力で被記録体8の上に圧接させた後、発熱素子4を選択的に発熱させると、インクリボン10のインクが適正に被記録体8の上に熱転写され、高品位の記録を行うことができる。
【0035】
次に、本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第2実施形態について、図3および図4を参照して説明する。
【0036】
図3は、本第2実施形態におけるサーマルヘッドの圧接機構としてのラインサーマルヘッド1の圧接機構15を示したものである。
【0037】
このラインサーマルヘッド1の圧接機構15は、プラテンローラ3の長手方向に沿って複数の発熱素子4が整列配置されたラインサーマルヘッド1における前記発熱素子4の整列方向の両端部1a、1bに、この両端部1a,1bから前記サーマルヘッド1に沿って外側に延出する一対の付勢部材取付板6を有している。
【0038】
前記各付勢部材取付板6の図3における上面には、コイルばね等からなる一対の付勢部材7が取付けられており、これら一対の付勢部材7は、ばね荷重等による付勢力によって、前記ラインサーマルヘッド1を図3における下方のプラテンローラ3の側に付勢するようになっている。
【0039】
従って、前記付勢部材7の付勢力によって前記ラインサーマルヘッド1を前記プラテンローラ3の上に位置された被記録体8に圧接させることができるようになっている。
【0040】
そして、本第2実施形態において、前記ラインサーマルヘッド1における前記各発熱素子4の間(ドットギャップ部)には、被記録体8との当接面を有する複数の緩衝部材16が、前記発熱素子4よりもプラテンローラ3の側に突出するように配設されており、これらの緩衝部材16は、前記ラインサーマルヘッド1とともに前記プラテンローラ3に対して接離可能とされている。
【0041】
そして、前記複数の緩衝部材16を前記ラインサーマルヘッド1とともに前記プラテンローラ3の上の被記録体8に圧接させることによって、被記録体8に対する前記ラインサーマルヘッド1の圧接力を緩和することができるようになっている。
【0042】
なお、前記緩衝部材16は、第1実施形態と同様に、シリコーンゴム等によって形成するようにしてもよい。
【0043】
次に、本第2実施形態の作用について説明する。
【0044】
本第2実施形態においては、図3に示すように、プラテンローラ3の上に位置された被記録体8に対して、ラインサーマルヘッド1をインクリボン10とともに付勢部材7の付勢力を介して圧接させる。
【0045】
このとき、前記ラインサーマルヘッド1の前記各発熱素子4の間の間隙部に配設された前記複数の緩衝部材16は、前記ラインサーマルヘッド1よりもわずかに早く前記被記録体8の上に圧接する。
【0046】
ここで、図6に示した場合と同様に、ラインサーマルヘッド1がプラテンローラ3に対して傾きを有している場合や、あるいは、被記録体8の表面にうねりや凹凸が存在する場合は、ラインサーマルヘッド1と被記録体8との間の距離が短くなる記録位置が存在するが、従来は、このような記録位置においてラインサーマルヘッド1の圧接力が過大になっていた。
【0047】
しかし、本第2実施形態においては、前記各発熱素子4の間に配設された緩衝部材16によって、ラインサーマルヘッド1の圧接力を緩和することができる。
【0048】
この結果、前記ラインサーマルヘッド1の被記録体8に対する圧接力が過大になる記録位置が生じることを防止することができ、その上、ラインサーマルヘッド1の圧接力を各発熱素子4ごとに好適な値に制御することができる。
【0049】
そして、このように、ラインサーマルヘッド1を適正な圧接力で被記録体8の上に圧接させた後、発熱素子4を選択的に発熱させると、インクリボン10のインクが適正に被記録体8の上に熱転写され、高品位の記録を行うことができる。
【0050】
したがって、本実施形態によれば、緩衝部材12,13,16によって被記録体8に対するラインサーマルヘッド1の圧接力が過大になる記録位置が生じることを防止することによって、記録品位の低下を防ぐことができる。
【0051】
なお、本発明は前記各実施形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0052】
例えば、前記ラインサーマルヘッド1の外側位置および各発熱素子4の間の間隙部の双方に、前記緩衝部材12,13,16を配設するようにしてもよい。この場合、ラインサーマルヘッド1の圧接力が過大になる記録位置の発生をさらに有効に防止することができる。
【0053】
また、本発明は、ライン式の熱転写プリンタに限らず、例えば、シリアル式の熱転写プリンタに適用するようにしてもよい。
【0054】
さらに、前記各実施形態においては、ラインサーマルヘッド1をプラテンローラ3に対して接離するように構成しているが、これに限る必要はなく、プラテンローラ3をラインサーマルヘッド1に対して接離するように構成してもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構によれば、高品位な記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第1実施形態を模式的に示した正面図
【図2】本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第1実施形態において、サーマルヘッドの圧接力の緩和状態を模式的に示した説明図
【図3】本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第2実施形態を模式的に示した正面図
【図4】本発明に係るサーマルヘッドの圧接機構の第2実施形態において、サーマルヘッドの圧接力の緩和状態を模式的に示した説明図
【図5】従来のサーマルヘッドの圧接機構の一例を模式的に示した正面図
【図6】従来のサーマルヘッドの圧接機構において、サーマルヘッドの圧接前の状態を模式的に示した正面図
【図7】図6に示したサーマルヘッドの圧接機構の圧接状体を示した説明図
【符号の説明】
1 ラインサーマルヘッド
3 プラテンローラ
4 発熱素子
7 付勢部材
8 被記録体
11,15 圧接機構
12,13,16 緩衝部材
Claims (1)
- プラテンに対して相対的に接離可能とされ、前記プラテンに臨む位置に複数個の発熱素子が所定の間隔を設けて整列配置されたサーマルヘッドを、付勢手段の付勢力を介して前記プラテン上の被記録体に圧接させるサーマルヘッドの圧接機構であって、
前記サーマルヘッドの外側位置および前記各発熱素子の間の少なくとも一方に、前記発熱素子よりも前記プラテン側に突出するようにされ、前記被記録体に対する前記サーマルヘッドの圧接力を緩和可能とされた緩衝部材が、前記サーマルヘッドとともに前記プラテンに対して相対的に接離可能に配設されていることを特徴とするサーマルヘッドの圧接機構。
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008049635A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Canon Inc | 記録装置および搬送方法 |
US8031216B2 (en) * | 2007-03-15 | 2011-10-04 | Seiko Epson Corporation | Printer with platen roller guide on thermal head |
-
2003
- 2003-04-17 JP JP2003112691A patent/JP2004314481A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008049635A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Canon Inc | 記録装置および搬送方法 |
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