JP3588289B2 - 熱転写プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写プリンタに係り、特に、A3サイズ用紙等の大きい記録紙に記録を行うのに好適な熱転写プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、葉書やA4サイズの普通用紙等の記録紙に記録するプリンタには、インパクト方式、インクジェット方式やレーザー方式をはじめ多くの種類のプリント方式が実用化されている。これらのうちでも、高記録品質、低騒音、低コスト、メンテナンスの容易性などの理由により、熱転写式のプリンタが多用されている。
【0003】
このような熱転写プリンタは、例えば平板状のプラテンに対して平行にメインシャフトが配設されているとともに、前記プラテンに平行なフレームにはフレームレールが形成されている。そして、前記メインシャフトおよび前記フレームレールには、往復動自在に摺動するキャリッジが取り付けられており、このキャリッジには前記プラテンに接離自在なサーマルヘッドとこのサーマルヘッドの発熱部に沿ってインクリボンを繰り出すリボンカセットが搭載されている。
【0004】
さらに、前記熱転写プリンタには、給紙カセットから記録紙を供給する給紙ローラが設けられているとともに、この給紙ローラにより給紙される記録紙を前記プラテンの記録面上に搬送するための搬送ローラが設けられている。
【0005】
そして、前記搬送ローラによって記録紙がプラテンの記録紙面上に搬送されると、前記キャリッジが前記メインシャフトおよびフレームレールに沿って往復動しつつ、この動作に伴ってリボンカセットからインクリボンが順次繰り出され、このインクリボンおよび記録紙を介して前記サーマルヘッドがプラテンに圧接し、その発熱部を記録情報に基づいて選択的に発熱させることにより前記インクリボンのインクを記録紙に溶融転写するようになっている。
【0006】
このような溶融転写記録が記録紙の1行分終了すると、前記搬送ローラにより記録紙を1行分改行して次行の記録を行うようになっている。このような記録改行動作を繰り返し行うことにより記録紙の全面にわたって所望の記録画像を記録するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の熱転写プリンタにおいては、A4サイズの用紙等に記録する場合には特に問題が生じていなかったが、A3サイズ用紙等の大きい記録紙に対して記録する場合には、メインシャフトがA4サイズ用のものに比べて長尺状に形成されているため、そのメインシャフトの中央付近において記録が実行されると、前記サーマルヘッドの圧接力の反作用力が前記メインシャフトおよび前記フレームレールに作用し、前記メインシャフトが大きく撓んでしまうことがあった。そのため、十分な圧接圧を得られず、記録紙の中央付近に色むらが生じてしまうという問題があった。
【0008】
特に、近年では普通紙のみならず表面の粗い記録紙に記録を行うことも要求されるようになっているため、サーマルヘッドの圧接圧が大きく設定されるようになっているが、このような場合には、より一層メインシャフトが大きく撓んでしまうこととなり、記録品質の低下が目立っていた。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、A3サイズ用紙等の大きい記録紙に対して記録する場合であってもメインシャフトが撓むのを防止することによりサーマルヘッドの圧接力を安定させて記録品質を維持することができる熱転写プリンタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため請求項1に係る発明の熱転写プリンタの特徴は、サーマルヘッドがプラテンに圧接する際に生じる圧接力の反作用力を受けるサブシャフトを前記プラテンに対して平行に配設するとともに、そのサブシャフトにサブ軸受を介してキャリッジを摺動自在に取り付け、前記サブ軸受を、前記サブシャフトの外周面のうち前記反作用力を受けない外周面に摺接する部分を除去する形状に形成し、前記サブシャフトの前記反作用力を受けない外周面に当接して前記サブシャフトを支持する撓み防止プレートを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、サーマルヘッドの圧接力の反作用力に対してサブシャフトがキャリッジおよびサブ軸受を介して対抗するようになっているため、メインシャフトに加わる反作用力を軽減させることができ、そのメインシャフトが撓んでしまうのを防止できる。また、前記サブ軸受がサブシャフトの外周面のうち反作用力を受けない外周面に摺接する部分を除去する形状となっているため、その除去部分に他の部品を配置するスペースを設けることができ、熱転写プリンタ全体の小型化を図ることができる。さらに、撓み防止プレートが反作用力を受ける補助になるため、より一層メインシャフトの撓みを確実に防止できるし、あるいは同等の強度を保持させたまま前記サブシャフトの外径を細くすることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0014】
本実施形態の熱転写プリンタ1は、鉛直方向に立設された1対のサイドフレーム2,2を有しており、これらのサイドフレーム2,2間には平板状のプラテン3がその記録面3aが上方側に向けられて延在されている。また、前記サイドフレーム2,2には、メインシャフト4が前記プラテン3に対して平行に支持されており、前記メインシャフト4には、このメインシャフト4に沿って往復動自在に摺動するキャリッジ5が取り付けられている。このキャリッジ5には、前記プラテン3に接離自在なサーマルヘッド6が搭載されているとともに、このサーマルヘッド6の発熱部に沿ってインクリボン(図示せず)を繰り出すリボンカセット(図示せず)が搭載されるようになっている。
【0015】
さらに、前記サイドフレーム2,2には、前記キャリッジ5の前記サーマルヘッド6の圧接面に対して後方側(図示の上方側)にサブシャフト8が支持されているとともに、このサブシャフト8は前記メインシャフト4と平行に配置されている。前記サブシャフト8には、サブ軸受9を介して前記キャリッジ5が取り付けられており、前記サーマルヘッド6の圧接力の反作用力を受けるようになっている。
【0016】
ここで、前記サブ軸受9は、その幅方向において前記サブシャフト8の外周面を覆うような形状に形成するようにしてもよいが、本実施形態の前記サブ軸受9は、前記サブシャフト8の外周面のうちのサーマルヘッド6による圧接力の反作用力を受けない外周面に摺接する部分が除去された形状に形成されている。これは、前記サーマルヘッド6が前記プラテン3に圧接すると、その圧接力に対する反作用力が生じ、この反作用力が前記キャリッジ5および前記サブ軸受9を介して前記サブシャフト8に伝達される。しかし、このサブシャフト8では、その反作用力を前記プラテン3の圧接面に対向する側の外周面において受けており、換言すれば、前記サーマルヘッド6の圧接面に対向しない側の外周面には反作用力が働いていない。そのため、本実施形態の前記サブ軸受9は、前記サブシャフト8の外周面のうち前記反作用力を受けない外周面に摺接する部分、図1では上半分を除去した形状とされている。これにより、前記サブシャフト8の上方位置に他の部材等を設けられる空間を形成することができるようになっている。
【0017】
さらに、前記サブ軸受9の形状によるスペースにおいて、図2に示すように、前記サブシャフト8の長手方向のほぼ中央位置に、そのサブシャフト8の前記反作用力を受けない外周面に当接して前記サブシャフト8を支持する撓み防止プレート10を設けるようにしてもよい。
【0018】
この撓み防止プレート10は、前記サブシャフト8の反作用力を受ける補助になるため、より一層メインシャフト4の撓みを確実に防止するようになる。
【0019】
また、本実施形態の熱転写プリンタ1には、給紙カセットから記録紙を供給する給紙ローラ(いずれも図示せず)が設けられており、この給紙ローラにより給紙される記録紙を前記プラテン3の記録面3a上に搬送するための搬送ローラ12が設けられているとともに、この搬送ローラ12の上方には、この搬送ローラ12に圧接して記録紙を挟持する複数の圧接ローラ13が配設されている。さらに、前記プラテン3よりも記録紙の搬送方向下流側には、複数の排紙ローラ14が回転自在に支持されており、記録終了後の記録紙を排出口(図示せず)へ排出するようになっている。
【0020】
つぎに、前述した実施の形態の作用について説明する。
【0021】
本実施形態の熱転写プリンタ1は、図示しない給紙カセットから給紙ローラの回転により記録紙が1枚ずつ給紙され、この記録紙が搬送ローラ12と圧接ローラ13とに狭持されつつプラテン3の記録紙面上に搬送されると、前記キャリッジ5がホームポジションから動作を開始する。このキャリッジ5はメインシャフト4およびサブシャフト8にそれぞれ沿って往復動作を行うとともに、この動作に伴ってリボンカセットからインクリボンが順次繰り出され、所定の記録位置において、前記サーマルヘッド6が前記インクリボンおよび前記記録紙をプラテン3の記録面3aに圧接し、前記サーマルヘッド6の発熱部を記録情報に基づいて選択的に発熱させることにより前記インクリボンのインクを記録紙に溶融転写する。
【0022】
このような動作により記録紙の1行分の記録が終了すると、前記搬送ローラ12により前記記録紙を1行分搬送して改行し、次行の記録を行うようになっている。このような記録改行動作を繰り返し行うことにより記録紙の全面にわたってインクリボンの1色分についての記録画像を記録するようになっている。
【0023】
そして、フルカラーの画像を記録する場合には、例えば第1色目のシアンのインクリボンによる記録を終了した後に、前記搬送ローラ12を逆回転させて記録紙を上流方向側に搬送し、第1行目の記録位置まで逆搬送する。この逆搬送動作とともに、前記キャリッジ5に搭載していたシアンのインクリボンを収容したリボンカセットを第2色目のマゼンタのインクリボンを収容したリボンカセットに交換する。その後、再びキャリッジ5を往復動させながら前記サーマルヘッド6をマゼンタのインクリボンおよび記録紙を介してプラテン3に圧接させ、その発熱部を選択的に発熱させることによりマゼンタインクを記録紙に溶融転写する。そして、前記搬送ローラ12による改行動作により最終行まで記録を行った後に、再び、前記搬送ローラ12を逆回転させて記録紙を逆搬送するとともに、マゼンタのカセットから第3色目のイエローのインクリボンを収容したリボンカセットに交換して第3色目の記録を実行する。
【0024】
このようにして3色分あるいはこれにブラックのインクリボンを加えた記録を記録紙全面に行うことにより、所望の記録情報に基づくフルカラー画像を得ることができる。
【0025】
したがって、本実施形態によれば、サーマルヘッド6の圧接力によりプラテン3から受ける反作用力に対して前記サブシャフト8が対抗するようになっているため、メインシャフト4に加わる反作用力を軽減させることができ、A3サイズ等の大きい記録紙用の長尺状のメインシャフト4であっても撓んでしまうのを防止できる。そのため、記録紙の中央付近での記録むらが生じることもなく、記録品質を維持することができる。
【0026】
また、本実施形態では、前記サブ軸受9がサブシャフト8の外周面のうち反作用力を受けない外周面に摺接する部分を除去する形状となっているため、その除去部分のスペースに発光ダイオード用レンズやスイッチ等の他の部品を配置することができ、熱転写プリンタ1全体の小型化を図ることができる。
【0027】
さらに、前記サブシャフト8の長手方向のほぼ中央位置において、前記サブシャフト8の前記反作用力を受けない外周面に当接して前記サブシャフト8を支持する撓み防止プレート10を設けた場合には、この撓み防止プレート10が反作用力を受ける補助になるため、より一層メインシャフト4の撓みを確実に防止できるし、あるいは同等の強度を保ちつつ前記サブシャフト8の外径を細くすることもできる。
【0028】
なお、この撓み防止プレート10は、前記メインシャフト4の撓みがその中央位置において最も大きい点を考慮し、前記サブシャフト8のほぼ中央に配置されるようになっており、より効果的にメインシャフト4の撓みを防止することができる。
【0029】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、サーマルヘッドの圧接力の反作用力に対してサブシャフトが対抗するようになっているため、メインシャフトに加わる反作用力を軽減させることができ、そのメインシャフトが撓んでしまうのを防止でき、記録紙の中央付近での記録むらが生じることもなく、記録品質を維持することができる。また、サブ軸受がサブシャフトの外周面のうち反作用力を受けない外周面に摺接する部分を除去する形状となっているため、その除去部分に他の部品を配置するスペースを設けることができ、熱転写プリンタ全体の小型化を図ることができる。さらに、撓み防止プレートが反作用力を受ける補助になるため、より一層メインシャフトの撓みを確実に防止できるし、あるいは同等の強度を保持させたまま細い外径のサブシャフトを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写プリンタの実施形態を示す一部省略斜視図
【図2】本発明に係る熱転写プリンタの他の実施形態を示す一部省略斜視図
【符号の説明】
1 熱転写プリンタ
3 プラテン
3a記録面
4 メインシャフト
5 キャリッジ
6 サーマルヘッド
8 サブシャフト
9 サブ軸受
10 撓み防止プレート
Claims (1)
- プラテンに対して平行にメインシャフトを配設し、このメインシャフトに往復動自在に摺動するキャリッジを取り付け、このキャリッジに前記プラテンに接離自在なサーマルヘッドを搭載した熱転写プリンタであって、前記サーマルヘッドが前記プラテンに圧接する際に生じる圧接力の反作用力を受けるサブシャフトを前記プラテンに対して平行に配設するとともに、そのサブシャフトにサブ軸受を介して前記キャリッジを摺動自在に取り付け、前記サブ軸受を、前記サブシャフトの外周面のうち前記反作用力を受けない外周面に摺接する部分を除去する形状に形成し、前記サブシャフトの前記反作用力を受けない外周面に当接して前記サブシャフトを支持する撓み防止プレートを設けたことを特徴とする熱転写プリンタ。
Priority Applications (1)
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JP30939899A JP3588289B2 (ja) | 1999-10-29 | 1999-10-29 | 熱転写プリンタ |
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JP2001121776A JP2001121776A (ja) | 2001-05-08 |
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Family Applications (1)
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1999
- 1999-10-29 JP JP30939899A patent/JP3588289B2/ja not_active Expired - Fee Related
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