JP2004314390A - インク供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャリッジの往復運動の反転時にインクが流動して画像品位が低下することを防ぐことを小型のサブタンクで、インクの連続供給を可能として実現させる。
【解決手段】キャリッジに搭載されたサブタンクとメインタンクを連絡しているチューブの途中にソレノイドを設け、磁性微粒子を分散したインクに対して▲1▼慣性でサブタンク方向へ流動が発生する時はメインタンク方向へ磁場を発生するように電流を流し▲2▼メインタンク方向に流動が発生する時はサブタンク方向へ磁場を発生するように電流を流し、慣性力と逆方向のインク流動を外部から発生させるインク供給装置。
【選択図】 図1
【解決手段】キャリッジに搭載されたサブタンクとメインタンクを連絡しているチューブの途中にソレノイドを設け、磁性微粒子を分散したインクに対して▲1▼慣性でサブタンク方向へ流動が発生する時はメインタンク方向へ磁場を発生するように電流を流し▲2▼メインタンク方向に流動が発生する時はサブタンク方向へ磁場を発生するように電流を流し、慣性力と逆方向のインク流動を外部から発生させるインク供給装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置のインク供給系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インク供給経路によるインクの供給に関する技術に関して、特に、インク吐出部からインク液滴を吐出して被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置のインク(インク)供給装置について述べる。
【0003】
インクジェット記録装置はインクを吐出して記録を行うものなので、記録ヘッドには吐出により消費されたインクを常時供給する必要がある。この記録ヘッドへのインク供給方式の中でも、サイズが大きな被記録媒体への記録や、記録ボリュームが大きい装置に搭載される場合のインクジェット記録装置においては、キャリッジに搭載されたインク吐出部(吐出ヘッド)およびインクを保有する第一インク貯蔵部(サブタンク)が往復運動し、このサブタンクと第二インク貯蔵部(メインタンク)がインク供給管(チューブ)を介して連絡されている構成で、吐出ヘッドにインクを順次供給するチューブ供給方式が用いられている。
【0004】
このチューブ供給方式における従来例を図6に示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
チューブ方式においては、連続的にインクを供給できるものの、キャリッジの往復運動において、移動方向の反転時にチューブ内のインクが慣性力を受け、吐出ヘッドの吐出口部での圧力が変動し、メニスカスが進行しインクが印字媒体上に滴下したり、逆にメニスカスが過剰に後退し不吐出になるなど印字品位を著しく低下するという問題がある。このキャリッジの往復運動の反転時の圧力変動のモデルを図3に示す。キャリッジが反転する時、減速→停止(反転)→加速を行う。この時サブタンク内のインクも慣性力を受け、インク流動が発生しサブタンク内で圧力変動が起こる。従来においては、キャリッジ上のサブタンクにはインク貯蔵部とともに空気を確保する大きな領域を持たせており、この空気をバッファとして圧力変動を緩和させていた。しかしながら、近年のインクジェットプリンタの高速化や、多ノズル化によるインク供給量の増加によって、従来の空気のバッファだけでは十分な圧力変動の緩和が困難になってきており、この問題の解決が必要である。
【0006】
そこで、この問題を解決するために以下のような提案がなされている。まず、サブタンクの1壁面を透明の可撓性フィルムとして、そのフィルムの変形によって圧力変動を緩和する方法(特開平5−229136号公報)である。この方法では、往復運動の反転によってインク流動が発生して起こるサブタンク内の圧力変動を、フィルムのたるみ量が変化することによって圧力変動を緩和している。しかしながら、将来的にプリンタの高速化が進行し、往復運動の速度が上昇すると、インクが受ける慣性力もこれまで以上に増大することが予想され、それに応じてある一定以上のフィルムの変位量が必要になり、自ずとサブタンクの小型化に限界が伺える。その他に、キャリッジ移動時のインクの流れをバルブで調節する方法(特開平9−11488号公報)がある。この方法では、チューブの途中にバルブを設置し、インク供給時以外はバルブを閉じてインクの流動そのものを停止させ、キャリッジ反転時のインク流動による圧力変動を抑制している。しかしながら、バルブでインク流動を停止しているためインクの連続供給という点では不十分であるなどの欠点がある。
【0007】
サイズが大きな被記録媒体への記録や、記録ボリュームが大きい装置に搭載されるインクジェット記録装置の場合、記録動作の高速化や記録画像の高画質化が必要となることが予想され、その一解決手段として吐出液滴のさらなる小液滴化が挙げられる。そして液滴の吐出精度に多大な影響を与える吐出口部での圧力変動の安定がより一層強く求められるとも予想される。本発明では、サブタンク外にインク流動発生源を持つためサブタンクを小型にすることが可能で、かつインクを連続的に供給しながら吐出口部での圧力変動の緩和を可能にするインク供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明はインクジェット記録装置のインク供給装置として、キャリッジの往復運動の移動方向の反転時にサブタンク内のインクが受ける慣性力とは逆方向の流動を発生することによって、吐出ヘッドの吐出口部での圧力変動を緩和する。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は本発明の一例であるインクジェット記録装置の実施形態図である。
【0010】
図1に示すように、プリンタは記録媒体の供給方向とは垂直方向に往復運動するようなキャリッジに搭載されたプリンタカートリッジの吐出ヘッドを伴うサブタンクとメインタンクをチューブによって接続している。
【0011】
本実施例において、代表的な磁性インクは水、磁性分散体としてBASF社のDispersBlack(SE0507)、水溶性有機溶剤としてエチレングリコールおよびグリセリンを含有し、それぞれ20重量%、50重量%、20重量%、10重量%で構成されている。
【0012】
また、メインタンクとサブタンク間のチューブの途中にインク流動発生源としてソレノイドを巻き付けている。このソレノイドに電流を流すことで、インクの流動方向と平行な磁界を誘導することができ、この誘導された磁界がインク中の強磁性粒子に作用し、インク流動を発生させる。本実施例においては誘導する磁界の向きが逆になるようにソレノイドを含む回路をあらかじめ2組設置している。または、インク流動をメインタンクからサブタンク方向へと、サブタンクからメインタンク方向への2方向発生させる必要があるため、ソレノイドに流す電流の方向を回路で切り替える方式でもよい。チューブ全長は本体サイズによって800mmと設定した。またチューブ内径はインク流量および全長によって、その圧力損失から決定する必要があり、本実施例においては内径2.0mmのチューブを使用した。メインタンクはサブタンクよりも大きな容量を有するものであり、本例の場合500cm3程度のインクを収容することができる。キャリッジの往復運動の反転タイミングを検出するために、キャリッジレールの端部およびキャリッジにスイッチを設置した。キャリッジが端部で反転するタイミングに応じてソレノイドに電流が流れ磁界を発生する。図4にソレノイドで発生させる磁界とインクの流動のモデルを示す。往復運動の反転時にサブタンク内のインクの受ける慣性力によって、プリントヘッドの吐出口でのメニスカスが後退する方向にインク流動が起こるときはA回路のスイッチを入れて電流を流しインクの供給を加速する方向に磁界を発生し吐出ヘッド側への流動を発生させ、逆にメニスカスが進行する方向にインク流動が起こるときはB回路のスイッチを入れて電流を流しメインタンクにインクが流れる方向に磁界を発生して吐出ヘッド側からインク流動を発生させ、吐出口部での圧力変動を緩和する。
【0013】
図5でさらに詳細に説明する。従来例のように容積6cm3のサブタンクと500cm3のメインタンクを内径2.0mm全長800mmのタイゴンチューブで接続し、キャリッジを609.6cm/sで移動させる。この時吐出ヘッド部に接続したダイヤフラム式圧力センサーを使用し、センサー出力をオシロスコープでモニターし圧力変動を測定した。ここで通常は非印字時に媒体へのインクの落下を防ぐために、サブタンク内圧力は大気圧に対して約−80mmAqの負圧状態としている。図5(a)のようにキャリッジ反転時において、サブタンク内のインクが慣性力を受けてインク流動が発生し、それに伴いサブタンク内圧力が変動する。ここでサブタンク内圧力が大気圧に対して正圧(加圧)になっている点に着目する。サブタンク内が大気圧に対して正圧になっていることは、すなわち吐出口からインクが外部へ押し出されることを意味しており、媒体へインクが落下し、画像品位を著しく低下させることをあらわす。この時本実施例によって、図5(b)に示すようにソレノイドで磁場を発生させることによって吐出口からインクが外部へ押し出される流動方向とは逆の流動を発生させる。本実施例によって、図5(c)に示すように結果的にサブタンク内圧力変動値が、大気圧に対して+50mmAqであったものが−50mmAqへと圧力変動を減少(緩和)することとなる。
【0014】
一般にインクジェット記録装置は複数の色のインクを使用するカラーインクジェット記録装置であることが多いため、本実施系を複数の各色チューブ毎に設け、各インクに適用したインクジェット記録装置に応用することは容易である。
【0015】
(実施例2)
図2は請求項3に示した本発明の一例であるインクジェット記録装置の実施形態インク経路の図である。
【0016】
図1とは複数のインク流動発生源を持ち、各々を駆動するタイミングを個別に設定できる点が異なる。図3に示すように、往復運動の反転によって発生するインク流動は、減速時と反転後の加速時で起こっている。インク流動発生源を複数設置することで、往復運動の反転による各々の流動に対して、強度およびタイミングのより最適な条件で流動を発生することができ、自由度が高くなるという利点を持つ。
【0017】
往復運動の反転時にサブタンク内のインクが受ける慣性力で発生するインク流動による吐出ロでの圧力変動を緩和する機構は実施例1に準ずる。
【0018】
(実施例3)
メインタンクからサブタンクの間のチューブの任意の位置にフィルタを取り付ける。その他の構成は実施例1に準ずる。インクがフィルタを通るとき気泡や溶存ガスの一部を除去するだけでなく、メインタンク中に混入していた粒状汚染物も除去することができる。本発明においては、チューブ内に気泡が溜まってしまうと、インク流動発生源によってインク流動を発生しても気泡の体積が変動しインク流動量が設定値よりも小さくなってしまう。よってフィルタをチューブ端に取り付ける事で、本発明の往復運動の反転時の圧力変動を緩和する効果を向上する事ができる。また、粒状汚染物を除去する事で常に適切な印字条件でインクを吐出ヘッドに供給する事ができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、サブタンクを小型にして、メインタンクからサブタンクへ連続的にインクを供給しながら、キャリッジの往復運動の反転時の吐出ヘッドの吐出口での圧力変動を緩和することができ、高い信頼性で安定にヘッドにインクを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一例であるインクジェット記録装置の実施形態インク経路を示す図である。
【図2】請求項3に記載の発明の一例であるインクジェット記録装置の実施形態インク経路を示す図である。
【図3】キャリッジの移動方向の反転によって発生するインク流動を示す図である。
【図4】ソレノイド駆動によって発生するインク流動を示す図である。
【図5】キャリッジ往復運動の際に、サブタンクならびにインク吐出部が受ける圧力変動を示した図である。
【図6】従来のチューブ供給方式を用いたインクジェット記録装置を示す図である。
【符号の説明】
1 メインタンク
2 チューブ
3 サブタンク
4 キャリッジ
5 インク吐出ヘッド
6 キャリッジ反転検出スイッチ
7 インク流動発生源
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置のインク供給系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インク供給経路によるインクの供給に関する技術に関して、特に、インク吐出部からインク液滴を吐出して被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置のインク(インク)供給装置について述べる。
【0003】
インクジェット記録装置はインクを吐出して記録を行うものなので、記録ヘッドには吐出により消費されたインクを常時供給する必要がある。この記録ヘッドへのインク供給方式の中でも、サイズが大きな被記録媒体への記録や、記録ボリュームが大きい装置に搭載される場合のインクジェット記録装置においては、キャリッジに搭載されたインク吐出部(吐出ヘッド)およびインクを保有する第一インク貯蔵部(サブタンク)が往復運動し、このサブタンクと第二インク貯蔵部(メインタンク)がインク供給管(チューブ)を介して連絡されている構成で、吐出ヘッドにインクを順次供給するチューブ供給方式が用いられている。
【0004】
このチューブ供給方式における従来例を図6に示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
チューブ方式においては、連続的にインクを供給できるものの、キャリッジの往復運動において、移動方向の反転時にチューブ内のインクが慣性力を受け、吐出ヘッドの吐出口部での圧力が変動し、メニスカスが進行しインクが印字媒体上に滴下したり、逆にメニスカスが過剰に後退し不吐出になるなど印字品位を著しく低下するという問題がある。このキャリッジの往復運動の反転時の圧力変動のモデルを図3に示す。キャリッジが反転する時、減速→停止(反転)→加速を行う。この時サブタンク内のインクも慣性力を受け、インク流動が発生しサブタンク内で圧力変動が起こる。従来においては、キャリッジ上のサブタンクにはインク貯蔵部とともに空気を確保する大きな領域を持たせており、この空気をバッファとして圧力変動を緩和させていた。しかしながら、近年のインクジェットプリンタの高速化や、多ノズル化によるインク供給量の増加によって、従来の空気のバッファだけでは十分な圧力変動の緩和が困難になってきており、この問題の解決が必要である。
【0006】
そこで、この問題を解決するために以下のような提案がなされている。まず、サブタンクの1壁面を透明の可撓性フィルムとして、そのフィルムの変形によって圧力変動を緩和する方法(特開平5−229136号公報)である。この方法では、往復運動の反転によってインク流動が発生して起こるサブタンク内の圧力変動を、フィルムのたるみ量が変化することによって圧力変動を緩和している。しかしながら、将来的にプリンタの高速化が進行し、往復運動の速度が上昇すると、インクが受ける慣性力もこれまで以上に増大することが予想され、それに応じてある一定以上のフィルムの変位量が必要になり、自ずとサブタンクの小型化に限界が伺える。その他に、キャリッジ移動時のインクの流れをバルブで調節する方法(特開平9−11488号公報)がある。この方法では、チューブの途中にバルブを設置し、インク供給時以外はバルブを閉じてインクの流動そのものを停止させ、キャリッジ反転時のインク流動による圧力変動を抑制している。しかしながら、バルブでインク流動を停止しているためインクの連続供給という点では不十分であるなどの欠点がある。
【0007】
サイズが大きな被記録媒体への記録や、記録ボリュームが大きい装置に搭載されるインクジェット記録装置の場合、記録動作の高速化や記録画像の高画質化が必要となることが予想され、その一解決手段として吐出液滴のさらなる小液滴化が挙げられる。そして液滴の吐出精度に多大な影響を与える吐出口部での圧力変動の安定がより一層強く求められるとも予想される。本発明では、サブタンク外にインク流動発生源を持つためサブタンクを小型にすることが可能で、かつインクを連続的に供給しながら吐出口部での圧力変動の緩和を可能にするインク供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明はインクジェット記録装置のインク供給装置として、キャリッジの往復運動の移動方向の反転時にサブタンク内のインクが受ける慣性力とは逆方向の流動を発生することによって、吐出ヘッドの吐出口部での圧力変動を緩和する。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は本発明の一例であるインクジェット記録装置の実施形態図である。
【0010】
図1に示すように、プリンタは記録媒体の供給方向とは垂直方向に往復運動するようなキャリッジに搭載されたプリンタカートリッジの吐出ヘッドを伴うサブタンクとメインタンクをチューブによって接続している。
【0011】
本実施例において、代表的な磁性インクは水、磁性分散体としてBASF社のDispersBlack(SE0507)、水溶性有機溶剤としてエチレングリコールおよびグリセリンを含有し、それぞれ20重量%、50重量%、20重量%、10重量%で構成されている。
【0012】
また、メインタンクとサブタンク間のチューブの途中にインク流動発生源としてソレノイドを巻き付けている。このソレノイドに電流を流すことで、インクの流動方向と平行な磁界を誘導することができ、この誘導された磁界がインク中の強磁性粒子に作用し、インク流動を発生させる。本実施例においては誘導する磁界の向きが逆になるようにソレノイドを含む回路をあらかじめ2組設置している。または、インク流動をメインタンクからサブタンク方向へと、サブタンクからメインタンク方向への2方向発生させる必要があるため、ソレノイドに流す電流の方向を回路で切り替える方式でもよい。チューブ全長は本体サイズによって800mmと設定した。またチューブ内径はインク流量および全長によって、その圧力損失から決定する必要があり、本実施例においては内径2.0mmのチューブを使用した。メインタンクはサブタンクよりも大きな容量を有するものであり、本例の場合500cm3程度のインクを収容することができる。キャリッジの往復運動の反転タイミングを検出するために、キャリッジレールの端部およびキャリッジにスイッチを設置した。キャリッジが端部で反転するタイミングに応じてソレノイドに電流が流れ磁界を発生する。図4にソレノイドで発生させる磁界とインクの流動のモデルを示す。往復運動の反転時にサブタンク内のインクの受ける慣性力によって、プリントヘッドの吐出口でのメニスカスが後退する方向にインク流動が起こるときはA回路のスイッチを入れて電流を流しインクの供給を加速する方向に磁界を発生し吐出ヘッド側への流動を発生させ、逆にメニスカスが進行する方向にインク流動が起こるときはB回路のスイッチを入れて電流を流しメインタンクにインクが流れる方向に磁界を発生して吐出ヘッド側からインク流動を発生させ、吐出口部での圧力変動を緩和する。
【0013】
図5でさらに詳細に説明する。従来例のように容積6cm3のサブタンクと500cm3のメインタンクを内径2.0mm全長800mmのタイゴンチューブで接続し、キャリッジを609.6cm/sで移動させる。この時吐出ヘッド部に接続したダイヤフラム式圧力センサーを使用し、センサー出力をオシロスコープでモニターし圧力変動を測定した。ここで通常は非印字時に媒体へのインクの落下を防ぐために、サブタンク内圧力は大気圧に対して約−80mmAqの負圧状態としている。図5(a)のようにキャリッジ反転時において、サブタンク内のインクが慣性力を受けてインク流動が発生し、それに伴いサブタンク内圧力が変動する。ここでサブタンク内圧力が大気圧に対して正圧(加圧)になっている点に着目する。サブタンク内が大気圧に対して正圧になっていることは、すなわち吐出口からインクが外部へ押し出されることを意味しており、媒体へインクが落下し、画像品位を著しく低下させることをあらわす。この時本実施例によって、図5(b)に示すようにソレノイドで磁場を発生させることによって吐出口からインクが外部へ押し出される流動方向とは逆の流動を発生させる。本実施例によって、図5(c)に示すように結果的にサブタンク内圧力変動値が、大気圧に対して+50mmAqであったものが−50mmAqへと圧力変動を減少(緩和)することとなる。
【0014】
一般にインクジェット記録装置は複数の色のインクを使用するカラーインクジェット記録装置であることが多いため、本実施系を複数の各色チューブ毎に設け、各インクに適用したインクジェット記録装置に応用することは容易である。
【0015】
(実施例2)
図2は請求項3に示した本発明の一例であるインクジェット記録装置の実施形態インク経路の図である。
【0016】
図1とは複数のインク流動発生源を持ち、各々を駆動するタイミングを個別に設定できる点が異なる。図3に示すように、往復運動の反転によって発生するインク流動は、減速時と反転後の加速時で起こっている。インク流動発生源を複数設置することで、往復運動の反転による各々の流動に対して、強度およびタイミングのより最適な条件で流動を発生することができ、自由度が高くなるという利点を持つ。
【0017】
往復運動の反転時にサブタンク内のインクが受ける慣性力で発生するインク流動による吐出ロでの圧力変動を緩和する機構は実施例1に準ずる。
【0018】
(実施例3)
メインタンクからサブタンクの間のチューブの任意の位置にフィルタを取り付ける。その他の構成は実施例1に準ずる。インクがフィルタを通るとき気泡や溶存ガスの一部を除去するだけでなく、メインタンク中に混入していた粒状汚染物も除去することができる。本発明においては、チューブ内に気泡が溜まってしまうと、インク流動発生源によってインク流動を発生しても気泡の体積が変動しインク流動量が設定値よりも小さくなってしまう。よってフィルタをチューブ端に取り付ける事で、本発明の往復運動の反転時の圧力変動を緩和する効果を向上する事ができる。また、粒状汚染物を除去する事で常に適切な印字条件でインクを吐出ヘッドに供給する事ができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、サブタンクを小型にして、メインタンクからサブタンクへ連続的にインクを供給しながら、キャリッジの往復運動の反転時の吐出ヘッドの吐出口での圧力変動を緩和することができ、高い信頼性で安定にヘッドにインクを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一例であるインクジェット記録装置の実施形態インク経路を示す図である。
【図2】請求項3に記載の発明の一例であるインクジェット記録装置の実施形態インク経路を示す図である。
【図3】キャリッジの移動方向の反転によって発生するインク流動を示す図である。
【図4】ソレノイド駆動によって発生するインク流動を示す図である。
【図5】キャリッジ往復運動の際に、サブタンクならびにインク吐出部が受ける圧力変動を示した図である。
【図6】従来のチューブ供給方式を用いたインクジェット記録装置を示す図である。
【符号の説明】
1 メインタンク
2 チューブ
3 サブタンク
4 キャリッジ
5 インク吐出ヘッド
6 キャリッジ反転検出スイッチ
7 インク流動発生源
Claims (4)
- インク吐出部がキャリッジ上にあって往復運動し、該インク吐出部内に吐出液を保有する第一のインク貯蔵部を備え、さらに該第一のインク貯蔵部からインク供給管を介して、吐出液が保有してある第二のインク貯蔵部に、インクが連絡されているインクジェット記録装置において、インクに磁性粒子を分散し、前記第一インク貯蔵部と前記第二インク貯蔵部間の前記インク供給管の外部から、前記キャリッジの往復運動の反転タイミングに応じてインク中に分散した磁性粒子を移動させることにより一定量のインク流動を発生させるインク流動発生源を設け、該インク流動発生源によりキャリッジ往復運動に応じてキャリッジ移動方向の反転時に前記インク吐出口部において生じるインク流動方向に対し、逆方向の流動を発生することにより、インク吐出ヘッドの吐出口での圧力変動を抑制することを特徴とするインクジェット記録装置のインク供給装置。
- 前記インク流動発生源にソレノイドを用いることを特徴とした請求項1に記載のインク供給装置。
- 前記供給管から複数の支流管が分岐して構成され、前記各支流管外部にインク流動発生源が設けられていることを特徴とした、請求項1に記載のインク供給装置。
- 前記インク供給管の任意の位置にフィルタが取り付けられていることを特徴とした請求項1に記載のインク供給装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110216A JP2004314390A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | インク供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003110216A JP2004314390A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | インク供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004314390A true JP2004314390A (ja) | 2004-11-11 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003110216A Withdrawn JP2004314390A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | インク供給装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100609901B1 (ko) * | 2004-12-09 | 2006-08-08 | 삼성전자주식회사 | 잉크젯 프린터 |
JP2015040305A (ja) * | 2013-08-22 | 2015-03-02 | ゼロックス コーポレイションXerox Corporation | 磁性粒子の補助によりインクの沈殿を防ぐインクジェットプリンタのアドオンモジュールを実装するための方法およびシステム |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110216A patent/JP2004314390A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100609901B1 (ko) * | 2004-12-09 | 2006-08-08 | 삼성전자주식회사 | 잉크젯 프린터 |
JP2015040305A (ja) * | 2013-08-22 | 2015-03-02 | ゼロックス コーポレイションXerox Corporation | 磁性粒子の補助によりインクの沈殿を防ぐインクジェットプリンタのアドオンモジュールを実装するための方法およびシステム |
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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