JP2004314165A - レーザトリミング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極除去後のセラミック基体の溶融部位を良好に結晶化させるレーザトリミング方法を提供する。
【解決手段】トリミング対象となる電極1Aにレーザ光L1を照射して除去するレーザトリミング方法であって、前記レーザ光L1の照射により前記電極及びその周囲の電極の除去後におけるセラミック溶融部位を前記レーザ光L1とは別の徐冷用熱源からの徐冷用レーザ光L2による加熱制御により徐冷する。
【選択図】 図1
【解決手段】トリミング対象となる電極1Aにレーザ光L1を照射して除去するレーザトリミング方法であって、前記レーザ光L1の照射により前記電極及びその周囲の電極の除去後におけるセラミック溶融部位を前記レーザ光L1とは別の徐冷用熱源からの徐冷用レーザ光L2による加熱制御により徐冷する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック基体の表面電極をレーザ光照射によりトリミングして除去するレーザトリミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の一例である誘電体共振器はセラミック基体の表面に電極を形成して構成されている。このような誘電体共振器においては、一般に共振周波数特性など高周波特性の調整に際してはセラミック基体の表面電極にレーザ光を照射して、その電極の一部を除去(トリミング)することが行なわれている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−162607号公報(全頁、全図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のトリミングの際には、レーザ光を所望の電極除去箇所に照射することで電極が除去されるだけでなく、レーザ光照射によってセラミック基体の電極除去箇所に層状のセラミック溶融部位が生じることがある。セラミック基体の表面にセラミック溶融部位が生じた状態で電極除去用のレーザ照射が解除されると、自然状態ではその溶融部位が急冷されるのでセラミック溶融部位が非晶質になり易い。セラミック基体にそのような非晶質部分があると、セラミック基体の誘電率や絶縁抵抗が変化するため電極のトリミングが適正に行なわれているにもかかわらず、Q特性が劣化したものとなるなど品質低下につながる。このようなセラミック溶融部位を再結晶化して適正なQ特性にするために、従来においては、トリミングにより変質した部分を再生するようその部品を熱処理炉で加熱処理していた。この加熱処理によりQ特性の向上は図れるものの、加熱処理を別途行なうことから、効率的に製造できないという問題があった。
【0005】
本発明は、レーザトリミングによる電極除去により存在するセラミック溶融部位を良好に結晶化されるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、セラミック基体の表面に形成されている電極の一部をレーザ光照射により除去するレーザトリミング方法であって、前記電極に対するレーザ光の照射によりその電極の近傍で溶融した状態にあるセラミック溶融部位に対して徐冷用熱源から熱を加えておいて該セラミック溶融部位を徐冷することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、電極除去用のレーザ光照射に伴ってセラミック基体の表面が一部溶融することがあっても、徐冷用熱源による加熱制御によりその溶融部位の温度が徐々に低下するように制御される。これに伴い、溶融部位において非晶質層などの変質層の発生を抑制することができる。また、セラミック溶融部位の徐冷は、電極除去用のレーザ光照射時または電極除去用のレーザ光照射停止に引き続いて行われるものとなっているから、電極がトリミングされた部品を一旦冷却した後に、再度熱処理炉で加熱処理する従来のような手間が不要となり、生産性が向上することになる。また、誘電体共振器などの高周波部品についてはそのQ特性などが劣化することなく高品質なものを提供できる。
【0008】
本発明における前記徐冷用熱源は、好ましくは、レーザ光を照射するものである。この場合、レーザ光は選択性、指向性が強いことから、電極除去部位やその近傍を効率的に加熱することができる。また、熱処理炉のような大掛かりな設備が不要となる。
【0009】
本発明に係るトリミング方法は、好ましくは、前記電極除去用のレーザ光の前記セラミック基体に対するレーザ吸収率が60%以下であり、前記徐冷用熱源が照射するレーザ光の前記セラミック基体に対するレーザ吸収率が70%以上である。この場合、電極除去用レーザ光はセラミック基体に対するレーザ吸収率が比較的低く、セラミック基体と比べて電極を選択的に加熱することができるため、セラミック基体の溶融層の厚みを薄くすることができる。また、徐冷用レーザ光はセラミック基体に対するレーザ吸収率が比較的高く、徐冷に際しての出力コントロールがより正確にできる。
【0010】
本発明における前記徐冷用熱源による加熱は、好ましくは、電極除去用のレーザ光の照射前から行なう。この場合、予め徐冷用熱源による加熱が電極除去部位やその近傍に対して行われるから、電極除去用のレーザ光を照射した後から加熱させるものに比較して、電極除去に伴う溶融状態のセラミックが良好に結晶化される温度近くまで電極除去前に予め上昇させておくことができるので、電極除去後にセラミック基体の溶融部位が急冷されるおそれがなく、より確実に溶融部位を徐冷することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るレーザトリミング方法を図面を参照しながら詳細に説明する。図1ないし図5は、本発明の実施形態に係り、図1は、レーザトリミング装置の概略構成を示す図、図2は、電極除去と徐冷それぞれのレーザ光照射領域を概略的に示す図、図3は、電極除去用レーザ光照射と徐冷用レーザ光照射それぞれのレーザ照射時間対各レーザ出力の関係を示す図、図4は、ワークの斜視図、図5は、ワークの加工部位の概略拡大断面図である。この実施形態でのワークの例は誘電体共振器である。
【0012】
まず図1を参照して本実施形態のレーザトリミング装置を説明すると、1はワークであって、このワーク1は、セラミック基体1Bとその表面に形成された電極1Aとを備える。
【0013】
2は電極除去用レーザ光照射機構であって、電極除去用レーザ2A、ガルバノメータ2B、fθレンズ2Cおよびダイクロイックミラー2Dにより構成されていて、ワーク1に対して電極除去用レーザ光L1を照射することによりワーク1における電極の所望部位を除去するようになっている。ガルバノメータ2B、fθレンズ2Cおよびダイクロイックミラー2Dそれら自体は周知のものであるから、詳しい構成の説明は省略する。
【0014】
3は徐冷用レーザ光照射機構であって、徐冷用熱源3Aおよび集光レンズ3Bにより構成されていて、電極除去によりワーク1のセラミック基体1Bに生じたセラミック溶融部位を徐冷用レーザ光L2の照射により徐冷するようになっている。4は両機構2,3を制御する制御装置である。
【0015】
電極除去用レーザ光照射機構2において、電極除去用レーザ2Aで発生したレーザ光をガルバノメータ2Bのミラー2Eによって1方向にスキャンさせつつfθレンズ2Cを介してダイクロイックミラー2Dで反射させてワーク1の表面電極1Aに対して電極除去用レーザ光L1として照射する。
【0016】
徐冷用レーザ光照射機構3において、徐冷用熱源3Aからのレーザ光は集光レンズ3Bを介してワーク1の表面電極1Aに対して徐冷用レーザ光L2として照射する。このとき、集光レンズ3Bとワーク1との位置関係を調整(デフォーカス)することによって照射領域を調整する。
【0017】
図2を参照してこのような電極除去用レーザ光L1と徐冷用レーザ光L2とがワーク1に照射される様子を説明する。電極除去用レーザ光L1は実線から点線の方向にその照射位置が点線矢印で示すように移動していく。ここでSL1は電極除去用レーザ光L1により照射されてトリミング除去される電極除去領域を示す。
【0018】
一方、SL2は徐冷用レーザ光L2により照射されて徐冷される電極徐冷領域を示している。これから明らかであるように電極除去領域SL1よりも電極徐冷領域SL2の方が広くされており、これによって、電極除去領域SL1はその周囲の電極を含めて常に徐冷されることになる。
【0019】
電極除去用レーザL1は、電極除去領域SL1に対して連続的に照射されるのではなく間欠的に照射されるようになっている。すなわち、図3において横軸はレーザ光照射時間(単位秒S)を、また縦軸はレーザ出力(単位ワットW)をそれぞれ示す。電極除去用レーザ光照射機構2において、電極除去用レーザは、例えば0.5秒間という短い時間の間に最大出力5000Wの電極除去用レーザ光L1を数回例えば4回程度間欠出力する。なお、図3では理解のため電極除去用レーザ光L1が照射される前記0.5秒を時刻t1〜t2の間としている。そして、この電極除去用レーザから電極除去用レーザ光L1が照射される前の時刻t0に徐冷用熱源から電極除去用レーザ光L1より小さい出力の徐冷用レーザ光L2が照射されるようになっている。この徐冷用レーザ光L2は、時刻t0からt3まではほぼ一定の出力Xであり、時刻t3以降は、徐々にレベルが小さくなる形態で徐冷するようになっている。
【0020】
ワーク1の形状は例えば図4で示す高さ4mm、前後左右幅がそれぞれ3mmの直方体状のセラミック基体1Bの外表面全体に表面電極1Aが成膜形成されたものでよい。なお、この実施形態の場合、セラミック基体1Bには、長手方向を上下方向としたときに、上下に貫通する孔1Cが中心を通るように形成されている。この孔1Cの直径は1mmに設定されている。そして、この孔1Cの内周面にも表面電極1Aが成膜形成されている。セラミック基体1Bの材質を例えばチタン酸バリウム系とし、また電極1Aを無電解銅メッキとしてもよい。電極除去用レーザには、例えばQスイッチYAGレーザがある。このレーザによる場合の電極除去用レーザ光L1は、チタン酸バリウム系のセラミックに対する熱エネルギーに変換される吸収率が50%であり、電極に対する吸収率が5%である。電極除去用レーザの出力は任意に調整すればよく、例えば1Wないし10Wの範囲などで調整してよいし、また、電極除去用レーザ光L1のQSW周波数は例えば1kHz〜20kHzである。ガルバノメータ4によるスキャン速度は、レーザ照射位置において18mm/sである。
【0021】
本実施形態では電極除去用レーザ光L1による電極除去トリミングは、上下に縦長姿勢のワーク1の表面電極1Aに行い、ワーク1の共振周波数の調整を行うものである。
【0022】
徐冷用熱源から発生した徐冷用レーザ光L2は、集光レンズ3Bを介してワーク1の電極除去部位10を含むその周囲電極に照射される。この場合の徐冷用レーザ光L2の照射経路は、電極除去部位10に対して電極除去用レーザ光L1よりも斜め向きになっている。
【0023】
徐冷用熱源は、半導体レーザを発光源としているのであり、その出力された徐冷用レーザ光L2は、チタン酸バリウム系のセラミックに対する吸収率はほぼ80%である。
【0024】
次に、図3を用いて電極1Aのトリミング方法を説明すると、一単位範囲の電極除去を行うのに、電極除去用レーザ光L1をワーク1の電極除去部位10に照射する0.1秒前から所望範囲の電極除去部位10に予め徐冷用熱源7から徐冷用レーザ光L2の照射を開始する。この徐冷用レーザ光L2は集光レンズなどの光学部品によりセラミック基体1B上面の照射位置において拡散された状態となっている。これにより所望範囲の電極除去部位10およびその周囲の電極まで加熱される(図2の太い破線領域SL2)。この加熱開始後、セラミック基体1B表面温度は上昇していく。なお、図3において、細線は、徐冷用の熱源7からのレーザ光の出力の時間的な経過を示している。このレーザ光の出力値をXで示しているが、この場合、Xは、所望範囲の電極除去部10の電極除去が終了する時点において、セラミック基体1Bの温度を溶融した状態から良好に結晶化させることが可能な温度である500℃程度(セラミック基体の再結晶化温度)にセラミック基体1Bの温度を維持しておくことができる出力値である。そして、徐冷用熱源からの徐冷用レーザ光L2の出力開始時点t0についても、所望範囲の電極除去部10の電極除去が終了する時点t2で、セラミック基体の溶融部位を溶融した状態から良好に結晶化させることが可能な温度となるようなタイミングに設定されている。
【0025】
徐冷用レーザ光L2が出力開始して0.1秒後から電極除去用レーザ光L1(ピーク出力5000W)が所定回数間欠的に出力されて、所望範囲の電極除去がスキャニングされながら行なわれる。この場合、除去幅は約0.1mmでトリミングが行なわれていく。一単位範囲の電極除去完了に伴い、電極除去用レーザ光L1の照射が終了するとその終了後、引き続き徐冷用の熱源7からの徐冷用レーザ光L2の光照射による加熱は行なわれるが、予め設定された所定タイミングt3になると、徐冷用熱源からの徐冷用レーザ光L2の照射出力を所定プロファイルの出力低下勾配に従った制御により低下させていく。この徐冷用レーザ光L2の出力低下に伴い、溶融していたセラミックが徐冷されていく。この徐冷により、溶融していたセラミックが変質層になることなく、本来必要とされる結晶層として固化される。本実施の形態の場合、溶融していたセラミックの冷却速度は、103K/秒以下に設定されている。冷却速度が103K/秒よりも速いと、良好に結晶化されないおそれがあり、誘電体共振器のQ値が劣化する可能性がある。
【0026】
【表1】
【0027】
表1には、本発明者が上記実施の形態のようにワーク1に対して電極除去部位の電極除去後徐冷を行った実施例と、徐冷を行なわなかった比較例とで、それぞれ、電極除去のレーザトリミング(レーザ加工)する前のQ値と、レーザトリミング後のQ値を測定した結果が示されている。
【0028】
徐冷を行なった実施例の場合、Q値は変化しなかったが、徐冷を行なわなかった比較例の場合、Q値は著しく低下したものとなった。
【0029】
したがって、徐冷を行った本発明の場合、レーザトリミングによって発生するおそれのある共振器のQ値の劣化防止が図られる。すなわち、徐冷用熱源による電極除去部位の加熱を行なうことで、電極除去後のセラミックの溶融部位の急冷を抑制できるから、共振器のQ値を劣化させる非晶質層の発生を抑えることができることで溶融セラミックを良好に結晶化させることができ、よって、Q値の劣化が抑制された高精度で安定したレーザトリミングが行なえる。
【0030】
なお、上記実施の形態のように、電極除去用のレーザ光の照射前から予め徐冷用の加熱を開始するようにしておけば、電極除去後にセラミック基体の溶融部位が急冷されるおそれがなく、より確実に溶融部位を徐冷できることにより、一層効率的にQ値劣化の防止を行なえる。
【0031】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、次のような変形例や応用例がある。
【0032】
(1)電極除去用のレーザ光としてはYAGレーザのほかにCO2レーザなど利用できる。
【0033】
(2)徐冷用の熱源としては、例えば、CO2レーザなどのレーザ光を照射できるものや、赤外線を照射できる赤外線ランプ、白色光ランプ、LD(発光ダイオード)などでもよく、セラミックの溶融部位に対して輻射させて加熱を図る構成のものが望ましい。
【0034】
(3)電子部品としては、誘電体共振器に限定されるものでなく、例えばセラミック基板上の電極をレーザトリミングするものなどにも本発明を適用できる。
【0035】
(4)徐冷用熱源による加熱開始のタイミングは、電極除去用のレーザ光の照射開始と同時、もしくは後でもよい。徐冷用熱源の加熱制御による徐冷開始時が電極除去のためのレーザ光照射停止時点に極力近いタイミングとなることが好ましく、その徐冷開始時においてセラミックの溶融部位が良好に結晶化できる温度になっているよう、徐冷用熱源による加熱開始のタイミングが設定されていると、徐冷工程を含めたトリミングに要するタクト時間が極力短縮できるので好ましい。
【0036】
(5)徐冷用熱源による加熱範囲は、電極除去範囲とほぼ一致するように設定してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電極除去用のレーザ光照射に伴ってセラミック基体の表面が一部溶融することがあっても、徐冷用熱源による加熱制御によりその溶融部位の温度が徐々に低下するように制御されることに伴い、溶融部位において良好な結晶化が促進される。また、電極除去用のレーザ光照射時またはそれのレーザ光照射停止に引き続いて電極除去部位やその近傍箇所に徐冷用熱源により加熱を行なうことで急冷しないよう徐々に冷却することが図れるものとなっているから、電極除去された部品を別途熱処理炉で加熱処理する従来のような手間や設備が不要となり、生産性が向上する。また、誘電体共振器などの高周波部品についてはそのQ特性などが劣化することなく高品質なものを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレーザトリミング装置の概略構成を示す図
【図2】電極除去と徐冷それぞれのレーザ光照射領域を概略的に示す図
【図3】電極除去用レーザ光照射と徐冷用レーザ光照射それぞれのレーザ照射時間対各レーザ出力の関係を示す図
【図4】ワークの斜視図
【図5】図1におけるトリミングが行なわれた誘電体共振器の加工部位を概略的に示す断面図
【符号の説明】
1ワーク、2電極除去用レーザ光照射機構、3徐冷用レーザ光照射機構、4制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック基体の表面電極をレーザ光照射によりトリミングして除去するレーザトリミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の一例である誘電体共振器はセラミック基体の表面に電極を形成して構成されている。このような誘電体共振器においては、一般に共振周波数特性など高周波特性の調整に際してはセラミック基体の表面電極にレーザ光を照射して、その電極の一部を除去(トリミング)することが行なわれている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−162607号公報(全頁、全図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のトリミングの際には、レーザ光を所望の電極除去箇所に照射することで電極が除去されるだけでなく、レーザ光照射によってセラミック基体の電極除去箇所に層状のセラミック溶融部位が生じることがある。セラミック基体の表面にセラミック溶融部位が生じた状態で電極除去用のレーザ照射が解除されると、自然状態ではその溶融部位が急冷されるのでセラミック溶融部位が非晶質になり易い。セラミック基体にそのような非晶質部分があると、セラミック基体の誘電率や絶縁抵抗が変化するため電極のトリミングが適正に行なわれているにもかかわらず、Q特性が劣化したものとなるなど品質低下につながる。このようなセラミック溶融部位を再結晶化して適正なQ特性にするために、従来においては、トリミングにより変質した部分を再生するようその部品を熱処理炉で加熱処理していた。この加熱処理によりQ特性の向上は図れるものの、加熱処理を別途行なうことから、効率的に製造できないという問題があった。
【0005】
本発明は、レーザトリミングによる電極除去により存在するセラミック溶融部位を良好に結晶化されるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、セラミック基体の表面に形成されている電極の一部をレーザ光照射により除去するレーザトリミング方法であって、前記電極に対するレーザ光の照射によりその電極の近傍で溶融した状態にあるセラミック溶融部位に対して徐冷用熱源から熱を加えておいて該セラミック溶融部位を徐冷することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、電極除去用のレーザ光照射に伴ってセラミック基体の表面が一部溶融することがあっても、徐冷用熱源による加熱制御によりその溶融部位の温度が徐々に低下するように制御される。これに伴い、溶融部位において非晶質層などの変質層の発生を抑制することができる。また、セラミック溶融部位の徐冷は、電極除去用のレーザ光照射時または電極除去用のレーザ光照射停止に引き続いて行われるものとなっているから、電極がトリミングされた部品を一旦冷却した後に、再度熱処理炉で加熱処理する従来のような手間が不要となり、生産性が向上することになる。また、誘電体共振器などの高周波部品についてはそのQ特性などが劣化することなく高品質なものを提供できる。
【0008】
本発明における前記徐冷用熱源は、好ましくは、レーザ光を照射するものである。この場合、レーザ光は選択性、指向性が強いことから、電極除去部位やその近傍を効率的に加熱することができる。また、熱処理炉のような大掛かりな設備が不要となる。
【0009】
本発明に係るトリミング方法は、好ましくは、前記電極除去用のレーザ光の前記セラミック基体に対するレーザ吸収率が60%以下であり、前記徐冷用熱源が照射するレーザ光の前記セラミック基体に対するレーザ吸収率が70%以上である。この場合、電極除去用レーザ光はセラミック基体に対するレーザ吸収率が比較的低く、セラミック基体と比べて電極を選択的に加熱することができるため、セラミック基体の溶融層の厚みを薄くすることができる。また、徐冷用レーザ光はセラミック基体に対するレーザ吸収率が比較的高く、徐冷に際しての出力コントロールがより正確にできる。
【0010】
本発明における前記徐冷用熱源による加熱は、好ましくは、電極除去用のレーザ光の照射前から行なう。この場合、予め徐冷用熱源による加熱が電極除去部位やその近傍に対して行われるから、電極除去用のレーザ光を照射した後から加熱させるものに比較して、電極除去に伴う溶融状態のセラミックが良好に結晶化される温度近くまで電極除去前に予め上昇させておくことができるので、電極除去後にセラミック基体の溶融部位が急冷されるおそれがなく、より確実に溶融部位を徐冷することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るレーザトリミング方法を図面を参照しながら詳細に説明する。図1ないし図5は、本発明の実施形態に係り、図1は、レーザトリミング装置の概略構成を示す図、図2は、電極除去と徐冷それぞれのレーザ光照射領域を概略的に示す図、図3は、電極除去用レーザ光照射と徐冷用レーザ光照射それぞれのレーザ照射時間対各レーザ出力の関係を示す図、図4は、ワークの斜視図、図5は、ワークの加工部位の概略拡大断面図である。この実施形態でのワークの例は誘電体共振器である。
【0012】
まず図1を参照して本実施形態のレーザトリミング装置を説明すると、1はワークであって、このワーク1は、セラミック基体1Bとその表面に形成された電極1Aとを備える。
【0013】
2は電極除去用レーザ光照射機構であって、電極除去用レーザ2A、ガルバノメータ2B、fθレンズ2Cおよびダイクロイックミラー2Dにより構成されていて、ワーク1に対して電極除去用レーザ光L1を照射することによりワーク1における電極の所望部位を除去するようになっている。ガルバノメータ2B、fθレンズ2Cおよびダイクロイックミラー2Dそれら自体は周知のものであるから、詳しい構成の説明は省略する。
【0014】
3は徐冷用レーザ光照射機構であって、徐冷用熱源3Aおよび集光レンズ3Bにより構成されていて、電極除去によりワーク1のセラミック基体1Bに生じたセラミック溶融部位を徐冷用レーザ光L2の照射により徐冷するようになっている。4は両機構2,3を制御する制御装置である。
【0015】
電極除去用レーザ光照射機構2において、電極除去用レーザ2Aで発生したレーザ光をガルバノメータ2Bのミラー2Eによって1方向にスキャンさせつつfθレンズ2Cを介してダイクロイックミラー2Dで反射させてワーク1の表面電極1Aに対して電極除去用レーザ光L1として照射する。
【0016】
徐冷用レーザ光照射機構3において、徐冷用熱源3Aからのレーザ光は集光レンズ3Bを介してワーク1の表面電極1Aに対して徐冷用レーザ光L2として照射する。このとき、集光レンズ3Bとワーク1との位置関係を調整(デフォーカス)することによって照射領域を調整する。
【0017】
図2を参照してこのような電極除去用レーザ光L1と徐冷用レーザ光L2とがワーク1に照射される様子を説明する。電極除去用レーザ光L1は実線から点線の方向にその照射位置が点線矢印で示すように移動していく。ここでSL1は電極除去用レーザ光L1により照射されてトリミング除去される電極除去領域を示す。
【0018】
一方、SL2は徐冷用レーザ光L2により照射されて徐冷される電極徐冷領域を示している。これから明らかであるように電極除去領域SL1よりも電極徐冷領域SL2の方が広くされており、これによって、電極除去領域SL1はその周囲の電極を含めて常に徐冷されることになる。
【0019】
電極除去用レーザL1は、電極除去領域SL1に対して連続的に照射されるのではなく間欠的に照射されるようになっている。すなわち、図3において横軸はレーザ光照射時間(単位秒S)を、また縦軸はレーザ出力(単位ワットW)をそれぞれ示す。電極除去用レーザ光照射機構2において、電極除去用レーザは、例えば0.5秒間という短い時間の間に最大出力5000Wの電極除去用レーザ光L1を数回例えば4回程度間欠出力する。なお、図3では理解のため電極除去用レーザ光L1が照射される前記0.5秒を時刻t1〜t2の間としている。そして、この電極除去用レーザから電極除去用レーザ光L1が照射される前の時刻t0に徐冷用熱源から電極除去用レーザ光L1より小さい出力の徐冷用レーザ光L2が照射されるようになっている。この徐冷用レーザ光L2は、時刻t0からt3まではほぼ一定の出力Xであり、時刻t3以降は、徐々にレベルが小さくなる形態で徐冷するようになっている。
【0020】
ワーク1の形状は例えば図4で示す高さ4mm、前後左右幅がそれぞれ3mmの直方体状のセラミック基体1Bの外表面全体に表面電極1Aが成膜形成されたものでよい。なお、この実施形態の場合、セラミック基体1Bには、長手方向を上下方向としたときに、上下に貫通する孔1Cが中心を通るように形成されている。この孔1Cの直径は1mmに設定されている。そして、この孔1Cの内周面にも表面電極1Aが成膜形成されている。セラミック基体1Bの材質を例えばチタン酸バリウム系とし、また電極1Aを無電解銅メッキとしてもよい。電極除去用レーザには、例えばQスイッチYAGレーザがある。このレーザによる場合の電極除去用レーザ光L1は、チタン酸バリウム系のセラミックに対する熱エネルギーに変換される吸収率が50%であり、電極に対する吸収率が5%である。電極除去用レーザの出力は任意に調整すればよく、例えば1Wないし10Wの範囲などで調整してよいし、また、電極除去用レーザ光L1のQSW周波数は例えば1kHz〜20kHzである。ガルバノメータ4によるスキャン速度は、レーザ照射位置において18mm/sである。
【0021】
本実施形態では電極除去用レーザ光L1による電極除去トリミングは、上下に縦長姿勢のワーク1の表面電極1Aに行い、ワーク1の共振周波数の調整を行うものである。
【0022】
徐冷用熱源から発生した徐冷用レーザ光L2は、集光レンズ3Bを介してワーク1の電極除去部位10を含むその周囲電極に照射される。この場合の徐冷用レーザ光L2の照射経路は、電極除去部位10に対して電極除去用レーザ光L1よりも斜め向きになっている。
【0023】
徐冷用熱源は、半導体レーザを発光源としているのであり、その出力された徐冷用レーザ光L2は、チタン酸バリウム系のセラミックに対する吸収率はほぼ80%である。
【0024】
次に、図3を用いて電極1Aのトリミング方法を説明すると、一単位範囲の電極除去を行うのに、電極除去用レーザ光L1をワーク1の電極除去部位10に照射する0.1秒前から所望範囲の電極除去部位10に予め徐冷用熱源7から徐冷用レーザ光L2の照射を開始する。この徐冷用レーザ光L2は集光レンズなどの光学部品によりセラミック基体1B上面の照射位置において拡散された状態となっている。これにより所望範囲の電極除去部位10およびその周囲の電極まで加熱される(図2の太い破線領域SL2)。この加熱開始後、セラミック基体1B表面温度は上昇していく。なお、図3において、細線は、徐冷用の熱源7からのレーザ光の出力の時間的な経過を示している。このレーザ光の出力値をXで示しているが、この場合、Xは、所望範囲の電極除去部10の電極除去が終了する時点において、セラミック基体1Bの温度を溶融した状態から良好に結晶化させることが可能な温度である500℃程度(セラミック基体の再結晶化温度)にセラミック基体1Bの温度を維持しておくことができる出力値である。そして、徐冷用熱源からの徐冷用レーザ光L2の出力開始時点t0についても、所望範囲の電極除去部10の電極除去が終了する時点t2で、セラミック基体の溶融部位を溶融した状態から良好に結晶化させることが可能な温度となるようなタイミングに設定されている。
【0025】
徐冷用レーザ光L2が出力開始して0.1秒後から電極除去用レーザ光L1(ピーク出力5000W)が所定回数間欠的に出力されて、所望範囲の電極除去がスキャニングされながら行なわれる。この場合、除去幅は約0.1mmでトリミングが行なわれていく。一単位範囲の電極除去完了に伴い、電極除去用レーザ光L1の照射が終了するとその終了後、引き続き徐冷用の熱源7からの徐冷用レーザ光L2の光照射による加熱は行なわれるが、予め設定された所定タイミングt3になると、徐冷用熱源からの徐冷用レーザ光L2の照射出力を所定プロファイルの出力低下勾配に従った制御により低下させていく。この徐冷用レーザ光L2の出力低下に伴い、溶融していたセラミックが徐冷されていく。この徐冷により、溶融していたセラミックが変質層になることなく、本来必要とされる結晶層として固化される。本実施の形態の場合、溶融していたセラミックの冷却速度は、103K/秒以下に設定されている。冷却速度が103K/秒よりも速いと、良好に結晶化されないおそれがあり、誘電体共振器のQ値が劣化する可能性がある。
【0026】
【表1】
【0027】
表1には、本発明者が上記実施の形態のようにワーク1に対して電極除去部位の電極除去後徐冷を行った実施例と、徐冷を行なわなかった比較例とで、それぞれ、電極除去のレーザトリミング(レーザ加工)する前のQ値と、レーザトリミング後のQ値を測定した結果が示されている。
【0028】
徐冷を行なった実施例の場合、Q値は変化しなかったが、徐冷を行なわなかった比較例の場合、Q値は著しく低下したものとなった。
【0029】
したがって、徐冷を行った本発明の場合、レーザトリミングによって発生するおそれのある共振器のQ値の劣化防止が図られる。すなわち、徐冷用熱源による電極除去部位の加熱を行なうことで、電極除去後のセラミックの溶融部位の急冷を抑制できるから、共振器のQ値を劣化させる非晶質層の発生を抑えることができることで溶融セラミックを良好に結晶化させることができ、よって、Q値の劣化が抑制された高精度で安定したレーザトリミングが行なえる。
【0030】
なお、上記実施の形態のように、電極除去用のレーザ光の照射前から予め徐冷用の加熱を開始するようにしておけば、電極除去後にセラミック基体の溶融部位が急冷されるおそれがなく、より確実に溶融部位を徐冷できることにより、一層効率的にQ値劣化の防止を行なえる。
【0031】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、次のような変形例や応用例がある。
【0032】
(1)電極除去用のレーザ光としてはYAGレーザのほかにCO2レーザなど利用できる。
【0033】
(2)徐冷用の熱源としては、例えば、CO2レーザなどのレーザ光を照射できるものや、赤外線を照射できる赤外線ランプ、白色光ランプ、LD(発光ダイオード)などでもよく、セラミックの溶融部位に対して輻射させて加熱を図る構成のものが望ましい。
【0034】
(3)電子部品としては、誘電体共振器に限定されるものでなく、例えばセラミック基板上の電極をレーザトリミングするものなどにも本発明を適用できる。
【0035】
(4)徐冷用熱源による加熱開始のタイミングは、電極除去用のレーザ光の照射開始と同時、もしくは後でもよい。徐冷用熱源の加熱制御による徐冷開始時が電極除去のためのレーザ光照射停止時点に極力近いタイミングとなることが好ましく、その徐冷開始時においてセラミックの溶融部位が良好に結晶化できる温度になっているよう、徐冷用熱源による加熱開始のタイミングが設定されていると、徐冷工程を含めたトリミングに要するタクト時間が極力短縮できるので好ましい。
【0036】
(5)徐冷用熱源による加熱範囲は、電極除去範囲とほぼ一致するように設定してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電極除去用のレーザ光照射に伴ってセラミック基体の表面が一部溶融することがあっても、徐冷用熱源による加熱制御によりその溶融部位の温度が徐々に低下するように制御されることに伴い、溶融部位において良好な結晶化が促進される。また、電極除去用のレーザ光照射時またはそれのレーザ光照射停止に引き続いて電極除去部位やその近傍箇所に徐冷用熱源により加熱を行なうことで急冷しないよう徐々に冷却することが図れるものとなっているから、電極除去された部品を別途熱処理炉で加熱処理する従来のような手間や設備が不要となり、生産性が向上する。また、誘電体共振器などの高周波部品についてはそのQ特性などが劣化することなく高品質なものを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレーザトリミング装置の概略構成を示す図
【図2】電極除去と徐冷それぞれのレーザ光照射領域を概略的に示す図
【図3】電極除去用レーザ光照射と徐冷用レーザ光照射それぞれのレーザ照射時間対各レーザ出力の関係を示す図
【図4】ワークの斜視図
【図5】図1におけるトリミングが行なわれた誘電体共振器の加工部位を概略的に示す断面図
【符号の説明】
1ワーク、2電極除去用レーザ光照射機構、3徐冷用レーザ光照射機構、4制御装置
Claims (4)
- セラミック基体の表面に形成されている電極の一部をレーザ光照射により除去するレーザトリミング方法であって、前記電極に対するレーザ光の照射によりその電極の近傍で溶融した状態にあるセラミック溶融部位に対して徐冷用熱源から熱を加えておいて該セラミック溶融部位を徐冷することを特徴とするレーザトリミング方法。
- 請求項1に記載のレーザトリミング方法において、前記徐冷用熱源は、レーザ光を照射するものであることを特徴とするレーザトリミング方法。
- 請求項2に記載のレーザトリミング方法において、前記電極除去用のレーザ光の前記セラミック基体に対するレーザ吸収率が60%以下であり、前記徐冷用熱源が照射するレーザ光の前記セラミック基体に対するレーザ吸収率が70%以上であることを特徴とするレーザトリミング方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレーザトリミング方法において、前記徐冷用熱源による加熱は、電極除去用のレーザ光の照射前から行なうことを特徴とするレーザトリミング方法。
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