JP2000286195A - レーザ熱処理方法、レーザ熱処理装置および半導体デバイス - Google Patents
レーザ熱処理方法、レーザ熱処理装置および半導体デバイスInfo
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Abstract
に、結晶性に優れた多結晶珪素膜を形成するレーザ熱処
理方法、レーザ熱処理装置を提供する。 【解決手段】 波長が350nm以上800nm以下であるパルス
レーザ光源により発生されるレーザビームを、幅方向に
3mJ/cm2/μm以上のエネルギー密度勾配を有する線状ビ
ームに成形して照射、珪素膜のレーザ熱処理を行う。
Description
を実現するために、結晶性に優れた多結晶珪素膜を形成
するレーザ熱処理方法、レーザ熱処理装置に関する。
たは合成石英基板上の非晶質または多結晶珪素膜で作製
された薄膜トランジスタのスイッチングにより、画像を
構成している。もし、このパネル上に画素トランジスタ
を駆動するドライバ回路(主として外部に独立して設置
してある)を同時に構成することが可能となれば、液晶
パネルの製造コスト・信頼性等の面で飛躍的なメリット
が生じることになる。しかし現在は、トランジスタ能動
層を構成する珪素膜の結晶性が悪いため、移動度に代表
される薄膜トランジスタの性能が低く、高速性・高機能
性が要求される集積回路の作製は困難である。高移動度
薄膜トランジスタ実現を目的とする、珪素膜結晶性改善
手法として、一般的にレーザによる熱処理が行われてい
る。
度の関係は以下のように説明される。レーザ熱処理によ
り得られる珪素膜は一般に多結晶である。多結晶の結晶
粒界には結晶欠陥が局在しており、これが薄膜トランジ
スタ能動層のキャリア移動を阻害する。従って、薄膜ト
ランジスタの移動度を高くするには、キャリアが能動層
を移動中に結晶粒界を横切る回数を少なくし、かつ結晶
欠陥密度を小さくすれば良い。レーザ熱処理の目的は、
結晶粒径が大きくかつ結晶粒界における結晶欠陥が少な
い多結晶珪素膜の形成である。
用いてレーザ熱処理を行うという試みが、 論文レベル
(文献1(Appl. Phys. Lett. 39, 1981, p425-427)、
文献2(Mat. Res. Soc. Symp. Proc., Vol.4, 1982, p
523-p528)及び文献3(Mat.Res. Soc. Symp. Proc., V
ol.358, 1995, p915-p920))でなされている。ここで
は波長350nm以上の長いレーザ光としてNd:YAGレーザの
第2高調波(波長:532nm)が使われている。図10は
従来のNd:YAGレーザ第2高調波によるレーザ熱処理装置
の一例を示す図である。ここにおいて、1は熱処理用レ
ーザとして使われている代表的な可視光パルスレーザ光
源であるNd:YAGレーザ第2高調波(波長:532nm)発振
装置、2は発振レーザ光、4はビームを集光するための
集光用レンズ、5は非晶質または多結晶珪素膜、7は基
板である。
する。Nd:YAGレーザ第2高調波発振装置1から出射され
たパルスレーザ光2が集光用レンズ4により集光されて
非晶質珪素膜5上に照射される。パルスレーザ光2の照
射により照射領域における非晶質珪素膜5が溶融され
る。しかし、これらの報告例では、照射位置でのビーム
プロファイルは軸対称ガウス分布である。従って、再結
晶時に結晶粒は中心対称的に放射状に成長し、図11の
ようになる。すなわち、レーザ熱処理後の多結晶珪素膜
質の面内均一性が非常に悪く、薄膜トランジスタを作製
した報告例はない。
係について述べる。一般に、能動層を構成する珪素膜厚
が薄いほど、dVG/d(logIDS)(VG:ゲート電圧、IDS:ド
レイン電流)で定義されるs因子が小さくなるため、閾
値電圧は低くなる。その結果、トランジスタの駆動電圧
が低くなり、消費電力が格段に小さくなる。従って、液
晶パネルの主要な用途である携帯情報端末機器に搭載す
る際に非常に大きなメリットとなる。しかしながら、文
献1及び2で用いられた珪素膜の膜厚は0.2〜1μmと厚
いために、しきい値電圧が高く、消費電力が高いことが
現実的にトランジスタとして機能しないことが予想され
る。
に基板を移動させながらレーザ熱処理を行うが、熱処理
後の膜質の均一性のために各レーザパルス照射間の基板
の移動量を照射ビーム幅よりも狭くし、同一箇所に複数
回のレーザ照射があるようにするのが一般的である。文
献3によると同一箇所への照射回数が200回以上が良い
とされている。これは、レーザ熱処理後の珪素膜のX線
回折ピーク強度の増大及び抵抗値の低減を根拠としてい
る。文献3では表面荒れについては言及していないが、
一般的に、照射回数が多いと、表面荒れが大きく、また
珪素膜は部分的にアブレーションされ基板から剥離す
る。多結晶珪素膜を能動層としてコプレーナ型あるいは
正スタガ型MOSトランジスタを作製する場合、表面荒れ
が大きいとゲート酸化膜がショートしてしまうという問
題があり、また珪素膜が部分的に剥離しているとそもそ
もMOSトランジスタが形成できない。
動度増大を狙った、従来のNd:YAGレーザの第2高調波を
用いたレーザ熱処理では、軸対称ガウスビームを用いる
ために、個々の結晶粒の方位が揃わず薄膜トランジスタ
を作製した場合に移動度が低くなる、結晶粒界における
結晶欠陥密度が高いという問題点があった。
レーザ照射回数を200回以上と多くのショット数を照
射していたため、表面荒れが大きくMOSトランジスタの
ゲート酸化膜がショートしてしまう、珪素膜がアブレー
ションされるため薄膜トランジスタが作製できないとい
う問題もあった。
タを作製するのに必要な結晶性に優れた薄膜を形成する
レーザ熱処理方法を提供することである。
方法を提供することを第2の目的とする。
デバイスを提供することを第3の目的とする。
るレーザ熱処理を施すレーザ熱処理装置を提供すること
を第4の目的とする。
レーザ熱処理方法は、波長が350nm以上800nm以下である
パルスレーザ光源により発生されるレーザビームを、幅
方向に3mJ/cm2/μm以上のエネルギー密度勾配を有する
線状ビームに成形して、基板上に形成された基板上膜材
料に照射するものである。
は、線状ビームの幅方向のエネルギー密度分布の形状を
ほぼガウス分布状としたものである。
は、線状ビームの幅方向のエネルギー密度分布の形状を
ほぼトップフラット状にしたものである。
は、線状ビームの長手方向のエネルギー密度分布の形状
をほぼトップフラット状にして、フラット部の平均強度
を1とした場合、標準偏差が0.3以下の分布にしたもの
である。
は、パルスレーザ光源をNdイオンドープあるいはYbイオ
ンドープの結晶あるいはガラスを励起媒質としたQスイ
ッチ発振固体レーザの高調波としたものである。
は、パルスレーザ光源をQスイッチNd:YAGレーザの第2
高調波としたものである。
は、パルスレーザ光源をNd:YAGレーザの第3高調波、N
d:ガラスレーザの第2高調波または第3高調波、Nd:Y
LFレーザの第2高調波または第3高調波、Yb:YAGレーザ
の第2高調波または第3高調波、Yb:ガラスレーザの第
2高調波または第3高調波、Ti:Sapphireレーザの基本
波または第2高調波のいずれかにしたものである。
は、パルスレーザ光源により発生されるレーザビームの
1パルス当たりのエネルギーを0.5mJ以上としたもので
ある。
は、基板が絶縁膜に覆われているものである。
法は、基板上膜材料として、非晶質または多結晶珪素膜
を用いるものである。
法は、非晶質または多結晶珪素膜の同一箇所へ照射され
るパルスレーザ光のパルス数を100パルス以下としたも
のである。
法は、非晶質または多結晶珪素膜の膜厚を200nm未満と
したものである。
法は、レーザ光のパルス時間幅を200nsec未満としたも
のである。
法は、照射エネルギー密度を1500mJ/cm2以下100mJ/ cm2
以上としたものである。
法は、線状ビームの長手方向の長さを上記線状ビームの
幅の10倍以上としたものである。
は、波長が350nm以上800nm以下であるパルスレーザ光源
により発生されるレーザビームを、幅方向に3mJ/cm2/μ
m以上のエネルギー密度勾配を有する線状ビームに成形
して、基板上膜材料に照射することにより熱処理された
上記基板上膜材料を能動層として用いた複数のトランジ
スタが、より高周波で動作させる上記トランジスタのド
レイン電流の流れる方向が、上記線状ビームの幅方向ま
たは長手方向になるよう作製したものである。
置は、波長が350nm以上800nm以下であるパルスレーザ光
源と、このパルスレーザ光源により発生されるレーザビ
ームを、幅方向に3mJ/cm2/μm以上のエネルギー密度勾
配を有する線状ビームに成形する線状ビーム成形光学系
とを備えたものである。
置は、パルスレーザ光源をNdイオンドープあるいはYbイ
オンドープの結晶あるいはガラスをレーザ励起媒質とし
たQスイッチ発振固体レーザの高調波としたものであ
る。
置は、パルスレーザ光源をQスイッチNd:YAGレーザの第
2高調波としたものである。
置は、パルスレーザ光源をNd:YAGレーザの第3高調
波、Nd:ガラスレーザの第2高調波または第3高調波、
Nd:YLFレーザの第2高調波または第3高調波、Yb:YAG
レーザの第2高調波または第3高調波、Yb:ガラスレー
ザの第2高調波または第3高調波、Ti:Sapphireレーザ
の基本波または第2高調波のいすれかにしたものであ
る。
置は、パルスレーザ光源により発生されるレーザビーム
の1パルス当たりのエネルギーを0.5mJ以上としたもの
である。
ーザ熱処理方法を具現化する装置の構成図である。同図
において91はNd:YAGレーザの第2高調波発振装置、92は
Nd:YAGレーザの第2高調波発振装置から出射されたレー
ザ光(波長は532nm)、93はバリアブルアッテネータ、9
4は線状ビームに変換するためのビーム成形光学系、95
はターゲット、96は移動ステージである。レーザ光92
は、バリアブルアッテネータ93で所定の強度に調整され
た後、線状ビーム成形光学系94に入射する。線状ビーム
成形光学系94により線状のビームプロファイルに変換さ
れた後、ターゲット95に照射され、レーザ熱処理が行わ
れる。基板は移動ステージ96上に設置されており、レー
ザ照射時での基板の移動が可能となっている。また、タ
ーゲットの詳細は図2のようであり、ガラス基板103上
に下地膜102として厚さ200nm酸化珪素膜をCVD(Chemica
l Vapor Deposition)により形成した上に、基板上膜材
料として、厚さ70nmの非晶質珪素膜101をLPCVD(Low Pr
essure Chemical Vapor Deposition)により成膜した。
の線に直行した方向に移動させながら照射する。各パル
スレーザ光照射の間隔にステージが移動する距離を、線
状ビームの幅よりも長くすると同一箇所へのレーザのパ
ルスの照射回数が1回になるが、ビーム幅よりも短くす
ると図3に示すように同一箇所へレーザ光が複数回照射
されることになる。
膜101の溶融する時の概念図を示す。図1中の線状ビー
ム成形光学系94の出力部にある集光レンズ941により非
晶質珪素膜101上に線状ビームを集光して照射する。集
光レーザビームプロファイルは図4中の点線で示すよう
に、長手方向が均一プロファイルであるトップフラット
状であり、幅方向のプロファイルは例えばガウス分布状
である。本発明である線状ビームプロファイルによるN
d:YAGレーザの第2高調波による熱処理方法を用いる
と、非晶質珪素に対する第2高調波吸収係数が小さいた
めに膜厚方向に対してはほぼ均一に加熱され、レーザ照
射によって発生する珪素膜内の横方向温度分布は、線状
ビームの幅方向にのみ形成される。従って、図4の下の
図に示すように、基板上膜材料である非晶質珪素膜101
の、ある強度以上のビームの部分が、深さ方向全体に溶
融する。すなわち、深さ方向全体に広がった溶融部が線
状に分布した溶融部ができる。よって、深さ方向および
線状ビームの長手方向に温度分布が少ないため、結晶成
長が線状ビームの幅方向への1次元横方向成長になり、
結晶粒径は数μm程度と大きな結晶粒が形成される。ま
た、レーザ熱処理後に形成される多結晶珪素膜の結晶粒
は図5のように結晶成長の方向である線状ビームの幅方
向、すなわち移動ステージの移動(スキャン)方向に揃
う。
ームプロファイルによるレーザ熱処理が行われている
が、これは波長350nm以上のレーザ光による熱処理とは
根本的に異なる概念によるものである。波長350nm以上
のレーザ光による熱処理は再結晶過程において膜の面内
方向である横方向に関して再結晶成長が起こるため大結
晶粒径化が可能であるが、エキシマレーザによる熱処理
は膜の厚み方向である縦方向に関しての成長であるため
大粒径化が困難である。線状ビームのエキシマレーザに
よる熱処理は、単に、レーザ熱処理後の膜質の面内均一
性及び生産性の向上を図るだけのものである。
熱処理における横方向成長の過程は、珪素膜内において
横方向に形成された温度分布に大きく影響される。すな
わち、照射される線状ビームの幅方向のエネルギー密度
分布に大きく影響される。レーザ光照射により珪素膜内
に導入された熱は、一様に基板へ散逸していく。すなわ
ち、珪素膜内の横方向温度分布は一様に低下していく。
従って、図6に示すように、先に温度が融点を下回った
部分から、後で温度が融点を下回る部分へ向かって横方
向に結晶成長していく。そしてこの結晶成長は、温度が
冷えていく過程で自然核発生により成長した微結晶によ
り、その行く手を遮られて横方向結晶成長が止まる。す
なわち、自然核発生が起こるまでの時間にできるだけ結
晶粒が長く成長していれば良い訳であるが、そのために
は結晶成長速度が速いことが要求される。一般に、ある
微小領域における結晶成長速度vはv=kΔT/Δxに
より表される。ここで、kは速度定数、ΔTは微小領域
における温度差、Δxは微小領域の幅である。すなわ
ち、珪素膜内の横方向に関して温度分布が存在する場
合、融点以上の温度である領域の温度分布が急峻な勾配
であれば、結晶成長速度が速く、その結果、結晶粒径の
大きい多結晶珪素膜の形成が可能となる。現実的な問題
である、珪素膜内における横方向温度分布の急勾配化に
関しては、ターゲット表面における照射エネルギー密度
分布を急勾配にすることにより実現できる。
る。Nd:YAGレーザの第2高調波のパルスエネルギーは20
mJ/pulse、時間パルス幅は60nsec(FWHM)である。
また、珪素膜表面でのビーム照射面積は、50μm×10mm
または250μm×10mmで、図1中に示すバリアブルアッテ
ネータ93によりレーザ光のエネルギーを調整すること
で、照射エネルギー密度を300-1000mJ/cm2(全照射エネ
ルギーをビーム照射面積で割った値)にして実験を行っ
た。線状ビームの幅方向の照射エネルギー密度分布の勾
配の最大値は、4mJ/cm2/μm(照射面積:250μm×10m
m、照射エネルギー密度800mJ/cm2での値)と30mJ/cm2/
μm(照射面積:50μm×10mm、照射エネルギー密度800m
J/cm2での値)で行った。珪素膜上の同一箇所へのレー
ザ照射回数は20回にする。なお、雰囲気は大気中であ
り、基板温度は室温である。
定方法について説明する。先ず、非晶質珪素膜表面での
照射位置における線状ビームプロファイル、すなわち照
射エネルギー密度分布を測定する。ここで、照射エネル
ギー密度分布は、ある微小部分に対して照射される1パ
ルス中のエネルギーを単位面積当たりの量に換算したも
のの分布であるとする。単位は通常mJ/cm2で表す。測定
は、フォトダイオードの1次元アレイより構成されるリ
ニアイメージセンサを用いて、線状ビームの長手方向と
幅方向に関して行う。このような実測により得られた2
次元の照射エネルギー密度分布は相対的な値であり、ま
だ絶対的な数値を持っていない。実測により得られた2
次元の照射エネルギー密度分布を面積に関して積分した
積分値を求めておく。別にパワーメーター等のレーザビ
ーム全体のエネルギーを測定する測定器により測定され
た、レーザビーム全体の1パルス当たりのエネルギー
と、先に測定された積分値とを等しくなるように実測さ
れた照射エネルギー分布を値付けすれば、照射エネルギ
ー密度分布が絶対値として得られる。照射エネルギー密
度分布の勾配は、このようにして得られた照射エネルギ
ー密度分布の絶対値を位置に関して微分したものであ
る。
ザ熱処理を行った。その結果得られた多結晶珪素膜の結
晶粒径は、線状ビームの幅方向の照射エネルギー密度分
布の勾配の最大値が4mJ/cm2/μm(照射強度800mJ/cm2に
おける値)のものは、ビームをスキャンした方向の結晶
粒の長さが1μm程度であったが、30mJ/cm2/μm(照射
強度800mJ/cm2における値)のものについては、3μm程
度と3倍も大きな値であった。これは照射エネルギー密
度分布に基づく温度分布の急峻さの差異に依存する結晶
成長速度の違いに起因する結果である。これらの多結晶
珪素膜を用いて能動層を構成したプレーナ型MOSトラン
ジスタを作製した。MOSトランジスタのドレイン電流が
流れる方向を、ビームをスキャンした方向、すなわち結
晶成長した方向になるよう作製した。チャネルの長さ及
び幅はそれぞれ5μm及び10μmである。 n-チャネル移動
度の照射エネルギー密度に対する依存性を図7に示す。
図で示されるように、照射強度800mJ/cm2における線状
ビームの幅方向の照射エネルギー密度分布の勾配の最大
値が4mJ/cm2/μm(照射強度800mJ/cm2における値)のも
のについては、照射強度600mJ/cm2(照射エネルギー密
度分布の勾配の最大値では3mJ/cm2/μmになる)以上
で、MOSトランジスタのn-チャネル移動度は100cm2/Vs程
度とやや低い値であったが、30mJ/cm2/μm(照射強度80
0mJ/cm2における値)のものに関しては、移動度200cm2/
Vs程度と非常に高い値が達成された。このように、照射
エネルギー密度の勾配の違いによりMOSトランジスタの
移動度が大きく異なってくるのは、結晶粒の長さが異な
るためMOSトランジスタの能動層においてキャリアが結
晶粒界を横切る回数が違うことに起因する。高速性・高
機能性が要求される集積回路を作製するには、ほぼ100c
m2/Vsの移動度が必要となる。従って、照射エネルギー
密度分布の勾配の最大値がおおよそ3mJ/cm2/μm以上で
ある線状ビームプロファイルを用いてレーザ熱処理を行
うことが必要である。
て説明したが、炭化珪素(SiC)、あるいは炭素のみよ
り成る材料、あるいは化合物半導体、あるいは誘電体化
合物、あるいは高温超伝導体化合物に対して上記のよう
なレーザ熱処理を施しても、大きな結晶粒径が得られる
といった同様の効果があることは言うまでもない。
プロファイルをガウス分布にしたものである。幅方向プ
ロファイルをガウ分布型にすると、レーザ熱処理時に非
常に良い効果を及ぼす。線状ビームのスキャン方向と一
致する幅方向のプロファイルがガウス分布であれば、図
6のように珪素膜を融点以上に加熱し溶融させるレーザ
光強度閾値以上の強度を有する中心領域の外側のレーザ
光エネルギーも珪素膜に照射されており、融点以下では
あるが珪素膜を加熱している。すなわち、スキャンに対
して進行方向逆側の溶融閾値以下のレーザ光強度を有す
る部分はpostアニールを施す効果がある。
結晶性をさらに向上させる効果がある。珪素に対するN
d:YAGレーザ第2高調波の吸収係数が低いため、珪素膜
中でレーザ光強度が1/eになる深さで定義される浸透長
は100nm以上ある。従って、再結晶後の珪素膜のほとん
ど裏面に至る部分まで結晶欠陥補償が施されることにな
り、結晶性がさらに良くなる。この効果は、従来行われ
ているエキシマレーザによる熱処理では期待できない。
エキシマレーザ光の珪素に対する吸収係数が非常に高
く、浸透長が数10nm程度しかないためである。
ームの幅方向のエネルギー密度分布形状をトップフラッ
ト形状にした場合について述べる。線状ビームの幅方向
照射エネルギー密度勾配を急峻にしていく場合、勾配の
急峻さとともにピーク値も高くなっていく。ピーク値が
高すぎると、珪素膜はアブレーションされ珪素膜は基板
より剥離してしまい、薄膜トランジスタを作製すること
ができない。従って、勾配の急峻化と同時にピーク値を
抑えることが必要となる。以上の条件を満足するプロフ
ァイルとして、トップフラット形状が適当である。
ームの長手方向のエネルギー分布形状について述べる。
長手方向のエネルギー分布形状はトップフラット形状で
あるが、レーザ光のコヒーレンスに起因する干渉のため
に、完全に均一なプロファイルを得るのは難しく、実際
は図8のように多少リプルが重畳したプロファイルとな
る。Nd:YAGレーザの第2高調波によるレーザ熱処理で得
られた多結晶珪素膜を用いて作製されたMOSトランジス
タの特性は図7から明らかなように、600mJ/cm2以上で
は照射エネルギー密度に対して、一定の特性となる。従
って、長手方向のエネルギー分布がフラットな部分の強
度を1とした場合、標準偏差が0.3以下、好ましくは0.2
程度以下であればよい。
形態1で説明した熱処理された基板材料に作製する半導
体デバイスについて述べる。実施の形態1で説明した、
Nd:YAGレーザの第2高調波により熱処理して形成された
多結晶珪素膜を能動層として図9のように、MOSトラン
ジスタ素子を、ビームをスキャンした方向、すなわち結
晶成長した方向がドレイン電流の流れる方向になるよう
構成すれば、個々の結晶粒の境界面での結晶方位のズレ
がなくなるためキャリアは境界面で散乱されず、粒界が
極めて狭いため結晶粒界における結晶欠陥密度も小さく
なり、トランジスタの移動度が著しく向上する。従っ
て、基板上に作製するトランジスタの内、高周波で動作
させるトランジスタをこの方向に作製すれば、より高い
周波数まで動作可能なデバイスが提供できる。また、ビ
ームをスキャンした方向に垂直な方向、すなわち線状ビ
ームの長手方向にドレイン電流が流れるようにMOSトラ
ンジスタ素子を構成しても、結晶粒の長さが若干短くな
るため移動度は多少減少するが、ほぼ同様の効果が得ら
れる。また、本発明による方法では、単に結晶粒が大き
くなり移動度が増大するばかりでなく、レーザ照射エネ
ルギー密度に対して最大の移動度が得られる条件がクリ
ティカルでなく、少々レーザの強度が変動しても一定の
特性のトランジスタが得られるという大きな利点があ
る。
ームの形状について説明する。線状の照射領域について
は、本実験では50μm×10mmの領域を照射するもので行
ったが、上述のように、レーザ照射によって発生する珪
素膜内の横方向温度分布が、線状ビームの幅方向にのみ
形成され、結晶成長が一次元方向に生じるのがメインと
なるのは、照射領域の幅に対する長さの比が10倍程度以
上である。すなわち、照射位置でのレーザ光の幅が50〜
100μmであれば、長さは1mm以上であればよい。
度について説明する。まず、Nd:YAGレーザの第2高調波
によるレーザ熱処理の照射強度の上限値に関して説明す
る。照射エネルギー密度を高くしていった場合、1500mJ
/cm2を越えると珪素膜はアブレーションされ、基板より
完全に剥離されてしまった。従って、レーザ光の照射エ
ネルギー密度は1500mJ/cm2以下で行わなければならない
ことが明らかになった。照射強度の下限値については、
100mJ/cm2で非晶質から多結晶への変化が色の変化によ
り視認できることから、100mJ/cm2、好ましくは200mJ/c
m2である。
所へのレーザ照射回数について説明する。本発明に関し
て行った照射実験では、100回以上の照射回数では激し
い表面荒れやアブレーションによる部分的な膜の剥離が
見られ、薄膜トランジスタの作製が不可能であった。こ
のような表面荒れやアブレーションが起こる原因は、珪
素膜側とレーザ光側の双方にある。珪素膜側の原因は、
膜厚の不均一性、膜密度の不均一性に起因するレーザ照
射時の熱分布ムラである。レーザ側の原因としては、ス
ペックル等の干渉に起因してビームプロファイルにリプ
ルが重畳して発生することにある。この様子を図8に示
す。図8は線状ビームプロファイルの長手方向の詳細な
分布を示すもので、干渉によりリプルが生じてこの方向
の分布が少し不均一になっている。このような原因を根
本的に除去するのは非常に困難である。実際、表面荒れ
は1回目の照射で軽く発生し、それが2回目の照射時の
不均一性になるという悪循環を繰り返し、照射回数が多
くなると相乗効果的に表面荒れが激しくなる。照射回数
100回以下に限定することにより、表面荒れが薄膜トラ
ンジスタの作製に支障をきたさないことを確認してい
る。
または多結晶珪素膜の膜厚について説明する。ガラス基
板を移動させながらレーザ熱処理を行う場合、同一箇所
へ対して複数回レーザが照射されるため、熱処理が複数
回繰り返されることになる。先ず、最初の幾回かのレー
ザ照射により粒径の大きい多結晶珪素膜が形成される。
その結果、良好な結晶部よりも、結晶粒界等の結晶欠陥
部の方が一般的に吸収係数が高くなる。つまり結晶欠陥
部がより多くのレーザ光を吸収するため、結晶欠陥部が
優先的に熱処理され、効率的な欠陥補償を可能とする。
よって、光がどのくらいの深さまで到達するかが非常に
重要となる。物質に対する光の浸透長は、光強度が1/e
になる深さで定義されるが、多結晶に対するNd:YAGレー
ザの第2高調波の浸透長は100〜200nm程度である。従っ
て、非晶質または多結晶珪素膜の膜厚が200nm未満、好
ましくは100nm未満であれば、結晶欠陥が効率よく低減
された多結晶珪素膜が形成される。
ザ光のパルス幅の影響について説明する。基本的に非晶
質の珪素膜を熱処理するためにはその表面をアブレーシ
ョンしない一定以下のピークパワー以内で、かつ溶融に
必要な熱エネルギーを供給するパルス幅を与える必要が
ある。逆に、一定の溶融条件が満たされれば、必要以上
にパルス時間幅を伸ばすと不必要にレーザ出力を増大す
るだけで、生産装置としての効率、生産性を落とすこと
になる。今回の実験では60nsのパルス幅で行っている
が、再結晶時の冷却過程をゆっくりと行い結晶の品質を
改善する効果を含め、60nsの数倍の200ns未満、好まし
くは60nsの2倍程度である100ns未満で行えばアブレー
ションしない、しかも効率の良い熱処理が行える。
ーザ光のエネルギーに関して説明する。実施の形態1で
の実験で、照射位置での1パルス当たりのエネルギー強
度が800mJ/ cm2で最適の特性が得られたが、この時の全
照射エネルギーは4mJ/pulseである。レーザ光は発振装
置から出射された後、途中の光学系で10〜20%ロスす
る。すなわち、発振装置で出射されるレーザ光のエネル
ギーは5mJ/pulse以上あればよいことになる。レーザ光
のパルス当たりのエネルギーは高いほど広い照射面積に
照射でき、本発明の場合は線状ビームの長さを長くでき
て、生産性を高くできる。なお、上述の線状ビームの下
限値、すなわち照射レーザ光の幅50μmで長さ1mmの領域
を照射するためには、最低0.5mJ/pulseのレーザ発振装
置が必要となる。さらに、生産性から言えば、25mm(1
インチ)の長さで処理できれば、例えば対角1.3インチ
程度のTFTの領域を1ビームの走査で処理できるため、
非常に有利となる。この時、15mJ/pulseのレーザ発振装
置が必要となる。以上のように、この発明の線状ビーム
の効果を発揮するのは0.5mJ/pulse以上のレーザ発振装
置によってであり、生産性からは、15mJ/pulse以上のレ
ーザ発振装置が好ましいことになる。
るレーザについて説明する。実施の形態1ではNd:YAGの
第2高調波によるレーザ照射について説明した。Nd:YAG
の第2高調波は効率が良く、高出力のものが得られるた
め、熱処理の生産性が良いものが得られるというメリッ
トがある。本発明の主旨によれば、照射するレーザに関
しては、基本的には非晶質珪素に対するレーザ光の吸収
率で決まることで、同じオーダーの吸収率を有する350n
mから800nmのパルスレーザ光であれば、大きな結晶粒径
の膜が作製できるという効果が得られる。したがって、
Nd:YAGレーザの第2高調波のみならず、他のNdイオンド
ープの固体レーザの高調波、すなわちNd:YAGレーザの
第3高調波、Nd:ガラスレーザの第2または第3高調
波、Nd:YLFレーザの第2または3高調波や、Yb:YAGやY
b:ガラスといったYbイオンドープの固体レーザの第2ま
たは第3高調波や、Ti:Sapphireレーザの基本波または
第2高調波を用いて熱処理を行っても良い。これら固体
レーザは高効率で安定な発振が可能であるため、信頼性
の高いレーザ熱処理方法や装置を提供できる。
項1のレーザ熱処理方法は、波長が350nm以上800nm以下
であるパルスレーザ光源により発生されるレーザビーム
を、幅方向に3mJ/cm2/μm以上のエネルギー密度勾配を
有する線状ビームに成形して、基板上に形成された基板
上膜材料に照射するもので、結晶の粒径が大きく、かつ
高品質な薄膜が安定して得られる効果がある。
は、線状ビームの幅方向のエネルギー密度分布の形状を
ほぼガウス分布状としたので、postアニール効果を期待
できる。
は、線状ビームの幅方向のエネルギー密度分布の形状を
ほぼトップフラット状としたので、アブレーションの原
因となるピーク値の高さを抑えて、照射エネルギー密度
分布の勾配を大きくすることができる。
は、線状ビームの長手方向のエネルギー密度分布の形状
をほぼトップフラット状にして、フラット部の平均強度
を1とした場合、標準偏差が0.3以下の分布にしたの
で、ビームプロファイル成形光学系の性能に関する要求
が緩くなり、コストを低減することができる。
は、パルスレーザ光源をNdイオンドープあるいはYbイオ
ンドープの結晶あるいはガラスを励起媒質としたQスイ
ッチ発振固体レーザの高調波としたので、安定な熱処理
ができる。
は、パルスレーザ光源をQスイッチNd:YAGレーザの第2
高調波としたので低コストで安定かつ生産性の高い熱処
理ができる。
は、パルスレーザ光源をNd:YAGレーザの第3高調波、N
d:ガラスレーザの第2高調波または第3高調波、Nd:Y
LFレーザの第2高調波または第3高調波、Yb:YAGレーザ
の第2高調波または第3高調波、Yb:ガラスレーザの第
2高調波または第3高調波、Ti:Sapphireレーザの基本
波または第2高調波のいずれかとしたので、安定かつ生
産性の高い熱処理ができる。
は、パルスレーザ光源により発生されるレーザビームの
1パルス当たりのエネルギーを0.5mJ以上としたので、
生産性の高い熱処理ができる。
は、基板が絶縁膜に覆われているので、特性が安定した
熱処理が得られる。
法は、基板上膜材料として、非晶質または多結晶珪素を
用いたので、特性が安定した熱処理が得られる。
法は、非晶質または多結晶珪素膜の同一箇所へ照射され
るパルスレーザ光のパルス数を100パルス以下としたの
で、表面状態が良好な多結晶膜が得られる。
法は、非晶質または多結晶珪素膜の膜厚が200nm未満と
したために、レーザのエネルギー利用効率がよく、生産
性が良い熱処理が行える。
法は、レーザ光のパルス時間幅が200nsec未満としたた
めに、レーザのエネルギー利用効率がよく、生産性が良
い熱処理が行える。
法は、照射エネルギー密度を1500mJ/cm2以下100mJ/ cm2
以上としたので、表面状態が良好な多結晶膜が得られ
る。
法は、線状ビームの長手方向の長さが上記線状ビームの
幅の10倍以上としたので、結晶の横方向成長を確実に行
わせることができ、高品質の多結晶膜が得られる。
は、波長が350nm以上800nm以下であるパルスレーザ光源
により発生されるレーザビームを、幅方向に3mJ/cm2/μ
m以上のエネルギー密度勾配を有する線状ビームに成形
して、基板上膜材料に照射することにより熱処理された
上記基板上膜材料を能動層として用いた複数のトランジ
スタが、より高周波で動作させる上記トランジスタのド
レイン電流の流れる方向が、上記線状ビームの幅方向ま
たは長手方向になるよう作製したので、高速に動作する
デバイスを低コストで得られる。
置は、波長が350nm以上800nm以下であるパルスレーザ光
源と、このパルスレーザ光源により発生されるレーザビ
ームを、幅方向に3mJ/cm2/μm以上のエネルギー密度勾
配を有する線状ビームに成形する線状ビーム成形光学系
とを備えたので、多結晶薄膜の作製において、高品質な
熱処理を提供する。
置は、パルスレーザ光源をNdイオンドープあるいはYbイ
オンドープの結晶あるいはガラスをレーザ励起媒質とし
たQスイッチ発振固体レーザの高調波としたので、安定
な装置を提供する。
置は、パルスレーザ光源をQスイッチNd:YAGレーザの第
2高調波としたので、低コストで安定かつ高効率な装置
を提供する。
置は、パルスレーザ光源をNd:YAGレーザの第3高調
波、Nd:ガラスレーザの第2高調波または第3高調波、
Nd:YLFレーザの第2高調波または第3高調波、Yb:YAG
レーザの第2高調波または第3高調波、Yb:ガラスレー
ザの第2高調波または第3高調波、Ti:Sapphireレーザ
の基本波または第2高調波のいすれかとしたので、安定
な装置を提供する。
置は、パルスレーザ光源により発生されるレーザビーム
の1パルス当たりのエネルギーが0.5mJ以上としたの
で、生産性の高い装置を提供する。
装置を示す概観図である。
の構造を示す模式図である。
を示す図である。
膜材料が溶融する様子を模式的に示す図である。
た多結晶珪素膜を示す模式図である。
程を示す模式図である。
多結晶珪素膜から作製されたNMOSトランジスタの移動度
を示す図である。
のビーム強度分布を示す模式図である。
た多結晶珪素膜を能動層として用いて作製されるMOSト
ランジスタを示す模式図である。
る。
す模式図である。
Claims (21)
- 【請求項1】 波長が350nm以上800nm以下であるパルス
レーザ光源により発生されるレーザビームを、幅方向に
3mJ/cm2/μm以上のエネルギー密度勾配を有する線状ビ
ームに成形して、基板上に形成された基板上膜材料に照
射することを特徴とするレーザ熱処理方法。 - 【請求項2】 上記線状ビームの幅方向のエネルギー密
度分布の形状がほぼガウス分布状であることを特徴とす
る請求項1記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項3】 上記線状ビームの幅方向のエネルギー密
度分布の形状がほぼトップフラット状であることを特徴
とする請求項1記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項4】 上記線状ビームの長手方向のエネルギー
密度分布の形状がほぼトップフラット状であり、フラッ
ト部の平均強度を1とした場合、標準偏差が0.3以下の
分布であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
に記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項5】 上記パルスレーザ光源は、Ndイオンドー
プあるいはYbイオンドープの、結晶あるいはガラスを励
起媒質とした、Qスイッチ発振固体レーザの高調波であ
ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
レーザ熱処理方法。 - 【請求項6】 上記パルスレーザ光源はQスイッチNd:Y
AGレーザの第2高調波であることを特徴とする請求項5
記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項7】 上記パルスレーザ光源はNd:YAGレーザ
の第3高調波、Nd:ガラスレーザの第2高調波または第
3高調波、Nd:YLFレーザの第2高調波または第3高調
波、Yb:YAGレーザの第2高調波または第3高調波、Yb:
ガラスレーザの第2高調波または第3高調波、Ti:Sapp
hireレーザの基本波または第2高調波のいずれかである
ことを特徴とする請求項5記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項8】 上記パルスレーザ光源により発生される
レーザビームの1パルス当たりのエネルギーが0.5mJ以
上であることを特徴とする請求項1乃至7のいすれかに
記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項9】上記基板が絶縁膜に覆われていることを特
徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のレーザ熱処
理方法。 - 【請求項10】 上記基板上膜材料として、非晶質また
は多結晶珪素膜を用いることを特徴とする請求項1乃至
9のいずれかに記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項11】 上記非晶質または多結晶珪素膜の同一
箇所へ照射されるパルスレーザ光のパルス数が100パル
ス以下であることを特徴とする請求項10記載のレーザ
熱処理方法。 - 【請求項12】 上記非晶質または多結晶珪素膜の膜厚
が200nm未満であることを特徴とする請求項10または
11記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項13】 上記レーザ光のパルス時間幅が200nse
c未満であることを特徴とする請求項10乃至12のい
ずれかに記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項14】 上記非晶質または多結晶珪素膜の表面
における照射エネルギー密度が1500mJ/cm2以下100mJ/ c
m2以上であることを特徴とする請求項10乃至13のい
ずれかに記載の熱処理方法。 - 【請求項15】 上記線状ビームの長手方向の長さが上
記線状ビームの幅の10倍以上であることを特徴とする請
求項1乃至14のいずれかに記載のレーザ熱処理方法。 - 【請求項16】 波長が350nm以上800nm以下であるパル
スレーザ光源により発生されるレーザビームを、幅方向
に3mJ/cm2/μm以上のエネルギー密度勾配を有する線状
ビームに成形して、基板上膜材料に照射することにより
熱処理された上記基板上膜材料を能動層として用いた複
数のトランジスタが、より高周波で動作させる上記トラ
ンジスタのドレイン電流の流れる方向が、上記線状ビー
ムの幅方向または長手方向になるよう作製されたことを
特徴とする半導体デバイス。 - 【請求項17】 波長が350nm以上800nm以下であるパル
スレーザ光源と、このパルスレーザ光源により発生され
るレーザビームを、幅方向に3mJ/cm2/μm以上のエネル
ギー密度勾配を有する線状ビームに成形する線状ビーム
成形光学系とを備えたことを特徴とするレーザ熱処理装
置。 - 【請求項18】 上記パルスレーザ光源はNdイオンドー
プあるいはYbイオンドープの結晶あるいはガラスをレー
ザ励起媒質としたQスイッチ発振固体レーザの高調波で
あることを特徴とする請求項17記載のレーザ熱処理装
置。 - 【請求項19】 上記パルスレーザ光源はQスイッチN
d:YAGレーザの第2高調波であることを特徴とする請求
項18記載のレーザ熱処装置。 - 【請求項20】 上記パルスレーザ光源はNd:YAGレー
ザの第3高調波、Nd:ガラスレーザの第2高調波または
第3高調波、Nd:YLFレーザの第2高調波または第3高
調波、Yb:YAGレーザの第2高調波または第3高調波、Y
b:ガラスレーザの第2高調波または第3高調波、Ti:Sa
pphireレーザの基本波または第2高調波のいすれかであ
ることを特徴とする請求項17記載のレーザ熱処理装
置。 - 【請求項21】 上記パルスレーザ光源により発生され
るレーザビームの1パルス当たりのエネルギーが0.5mJ
以上であることを特徴とする請求項17乃至20のいず
れかに記載のレーザ熱処理装置。
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