JP2004314132A - 金属板のプレス加工工具および加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポンチを金属板の幅方向中央部に押し込んでダイス内に挿入し、ポンチによりダイス内に導入された金属板にオーバーラン現象を生じさせ、その後、ポンチ頭部とポンチ胴部の突出部の間隔を開き、ポンチ胴部の突出部によりオーバーラン後の金属板に曲げ戻し加工を行う金属板のプレス加工方法および特殊な構造のポンチを備えた加工工具。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板を断面ハット形状に成形するプレス加工方法および加工工具に関する技術であり、特に成形体の形状凍結性を改善する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車車体重量の軽減を図るため、素材として従来材より板厚が薄い高張力鋼板とか、比重が小さいアルミニウム合金板などが使用されるようになった。これらの素材は、プレス加工によって様々な部品に成形されるが、従来材に比べて強度が大きいか、またはヤング率(縦弾性係数)が小さい性質を有するために、形状凍結性が劣り、目標形状を得難い場合がある。
【0003】
例えば、図7(a)に示すような断面ハット形状の部品11をプレス加工によって得る場合には、図7(b)に示す通り、目標とする二点鎖線の形状であるべきところ、プレス加工を受けた成形体を加工工具から取り出すと、実線に示すような形状を呈することがある。これがプレス加工における形状凍結不良である。
形状凍結不良は、ハット頭部12と壁部13を繋ぐコーナー部におけるスプリングバックと、壁部13での反りに起因して生じることが知られている。図7(a)、(b)中、符号14はフランジ部であり、符号15は部品のダイ肩部である。
【0004】
断面ハット形状の部品11を得るには、図8(a)、(b)に示すように、ポンチ101 とダイス102 としわ押さえ103 を備えた加工工具を用い、金属板 104を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するのが一般的である。絞り曲げ加工は、ダイス102 としわ押さえ103 により金属板 104の幅方向両端部を押圧し、ポンチ101 を金属板 104の幅方向中央部に押し込んでダイス102 内に挿入することにより行われる。その際、金属板104 は、ダイスの肩部105 の入口で曲げ加工を、ダイス肩部105 の出口で曲げ戻し加工を受けながらダイス102 内に導入され、所定の高さまでポンチで押し込まれることにより成形がなされる。その結果、加工工具に拘束された状態で目標とする形状に成形される。プレス加工を受けた成形体の形状がそのまま凍結されれば問題はないが、実際には、曲げ、曲げ戻し加工により生じた曲げモーメントのために、プレス加工後の成形体を加工工具から取り外すと、曲げモーメントがゼロになるように弾性変形する。
【0005】
このプレス加工により生じた曲げモーメントが形状凍結不良の原因であり、素材の強度が大きいほど曲げモーメントが大きく、また曲げモーメントによって生じる弾性変形量はヤング率が小さいほど大きく、さらに素材板厚が薄いほど弾性変形量が大きくなるから、曲げモーメントを小さくすることが形状凍結性を向上させるうえで重要である。
【0006】
ところで、ハット頭部12と壁部13を繋ぐコーナー部におけるスプリングバックに関しては、プレス加工における成形ストロークの最終工程において、曲げ加工を受けた金属板1の凸面側の少なくともその一部に所定深さの凹部を付与することにより十分小さくできることが知られている(特許文献1)。
あるいは、ハット頭部12と壁部13を繋ぐコーナー部におけるスプリングバックがそれほど大きくない場合には、スプリングバック後に所定の断面ハット形状になるように予め断面ハット形状を得るためのポンチ等の加工工具に見込みを入れておくことによりほぼ解決できることも公知である。
【0007】
一方、壁部の反りに関しては、その解消が難しく、特に高張力鋼板等の強度が高い金属板素材やアルミニウム合金板等のヤング率の小さい金属板素材を使用した場合、断面ハット形状部品の寸法精度が悪化するという問題があった。
なお、壁部の反りを抑制する方法として、可動ダイを用いたプレス加工方法が知られている(特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−174074号公報
【特許文献2】
特開平2000−271661 号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2000−271661 号公報に記載のプレス加工方法は、ダイス内壁の異なる成形方向位置に二つの肩部を設け、その一方の肩部を可動ダイとする必要があるためにダイスの構造が複雑になる欠点があった。
本発明は、上記従来の問題点を解消することにあり、ダイスの構造をシンプルにでき、高張力鋼板等の強度が高い金属板素材やアルミニウム合金板等のヤング率の小さい金属板素材を使用した場合でも絞り曲げ加工により高精度な断面ハット形状部品を得ることができる加工工具および形状凍結性に優れた金属板のプレス加工方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の通りである。
1. 金属板を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するための、ポンチとダイスとしわ押さえを備えた加工工具であって、前記ポンチは、頭部から順にポンチ頭部と、突出部が頭部側に形成され前記突出部より幅の狭い側壁が基部側に形成されたポンチ胴部と、前記ポンチ頭部を支持するポンチ首部を有し、該ポンチ首部が成形高さ方向に摺動自在に該ポンチ胴部内に装着され、前記ポンチ頭部と前記ポンチ胴部の突出部の間隔が成形高さ方向に可変とされてなることを特徴とする加工工具。
2. 前記加工工具を用い、金属板を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するに際し、前記金属板の幅方向両端部を前記金属板の板厚方向に押圧し、ポンチ頭部とポンチ胴部の突出部とを接近させた状態で、前記ポンチを前記金属板の幅方向中央部に押し込んでダイス内に挿入し、前記ポンチによりダイス内に導入された金属板にオーバーラン現象を生じさせ、その後、ポンチ頭部とポンチ胴部の突出部の間隔を開き、ポンチ胴部の突出部によりオーバーラン後の金属板に逆曲げ加工を行うことを特徴とする金属板のプレス加工方法。
3. 前記金属板に逆曲げ加工を行うに際し、前記ポンチを、一旦、ポンチ頭部が成形高さの途中位置に到達するまで前記ダイス内に挿入し、次いで、ポンチ胴部の突出部を成形高さの途中位置に静止させたまま、ポンチ頭部を成形高さ位置に到達させることを特徴とする上記2.に記載の金属板のプレス加工方法。
4. 前記金属板に逆曲げ加工を行うに際し、前記ポンチを、一旦、ポンチ頭部が成形高さ位置に到達するまで前記ダイス内に挿入し、次いで、ポンチ頭部を成形高さ位置に静止させたまま、ポンチ胴部の突出部を前記ダイス内から引き出すことを特徴とする上記2.に記載の金属板のプレス加工方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るプレス加工方法について、図1〜3を用いて説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係るプレス加工方法の成形過程を示す縦断面模式図であり、図2(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係るプレス加工方法の要部を示す縦断面図である。また、図3は、本発明に用いて好適なポンチ1の概略縦断面図である。
【0012】
先ず、本発明の実施の形態に係るプレス加工方法に用いた加工工具について述べる。加工工具としては、図1および図3に示すようなポンチ1、ダイス2およびしわ押さえ3を用いることができる。
本発明に用いて好適なポンチ1は、図3に示すように、頭部から順に金属板4をハット頭部形状に成形するためのポンチ頭部1Aと、突出部8より幅の狭い側壁7が基部側に形成されたポンチ胴部1Cと、ポンチ頭部1Aを支持するポンチ首部1Bを有し、ポンチ首部1Bが成形高さ方向に摺動自在にポンチ胴部1C内に装着され、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部1Cの突出部8の間隔が成形高さ方向に可変とされてなる。
【0013】
上述したポンチ1、ダイス2およびしわ押さえ3を用いた場合には、絞り曲げ加工時、ポンチ1をダイス2内に挿入することにより、図2(a)に示すようにポンチ胴部1Cの側壁7とダイス内壁間の隙間に金属板4のオーバーラン現象が生じると共に、図2(b)に示すように、オーバーラン後の金属板4にポンチ胴部1Cの突出部8により逆曲げ加工を行うことができる。図2(a)、(b)中、G1 はポンチ胴部の側壁7とダイスの内壁間のクリアランスを、G2 はポンチ胴部の突出部8とダイスの内壁間のクリアランスをそれぞれ示し、G1 >G2 の関係となっている。
【0014】
ところで、図2(a)には金属板4のオーバーラン現象を示し、一方、図2(b)には、オーバーラン後の金属板4をポンチ胴部の突出部8に接触させ、オーバーランにより生じた曲げ方向と反対方向に曲げ加工を行っている。すなわち逆曲げ加工を行っている状態を示した。ここでオーバーラン現象とは、金属板4の強度が高い場合等に発生する現象で、金属板4がダイス2の肩2Aになじまず、金属板4の曲率半径がダイス2の肩半径よりも大きくなる現象である。このようなオーバーラン現象は、ダイス2の肩半径が小さく、押圧力が低い場合に顕著に生じる。
【0015】
またここで、図1(a)〜(c)では、ダイス2が図示しないプレス装置の上部に昇降可能に設置され、一方、ポンチ胴部1Cの基部側がプレス装置の下部に固定されている。ダイス2としわ押さえ3は、金属板4を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するに際し、金属板4の幅方向両端部を金属板4の板厚方向に押圧しつつ、ダイス2の下降に伴って、しわ押さえ3が下降する。その際、しわ押さえ3は、ロッド3Aを介して図示しない油圧シリンダーに接続され、押圧力を付与可能とされている。押圧力は、油圧シリンダー内の油圧の圧力を調整する圧力調整弁により、割れやしわ等の成形不良を発生することなく絞り曲げ加工により金属板4を断面ハット形状に成形できる適宜な値に設定することができる。ポンチ頭部1Aを支持するポンチ首部1Bは、プレス装置に設置された状態で金属板4を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するに際してポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8を接近させた状態からポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8の間隔αを開くことができる。
【0016】
次いで、本発明の実施の形態に係るプレス加工方法について図1(a)〜(c)および図2(a)、(b)を用いて説明する。
但し、図1(a)、(b)中、矢印5はダイス2の移動方向を示し、矢印6は、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8の間隔を変える際の、ポンチ頭部1Aを支持するポンチ首部1Bの移動方向を示す。また、図2(a)、(b)は、それぞれ図1(c)の要部縦断面図であり、図2(a)には、ポンチ胴部1Cの側壁7とダイス内壁間の隙間に生じた金属板4のオーバーラン現象を示し、一方、図2(b)には、オーバーラン後の金属板4がポンチ胴部1Cの突出部8によりダイス肩部とは逆方向の曲げ加工、すなわち逆曲げ加工を受けている状態を示した。
【0017】
本発明の実施の形態に係るプレス加工方法は、金属板4を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するに際し、金属板4の幅方向両端部をダイス2としわ押さえ3により押圧すると共にポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8とを接近させた状態で、ポンチ1を金属板4の幅方向中央部に押し込んでダイス2内に挿入し、ポンチ1によりダイス2内に導入された金属板4にオーバーラン現象を生じさせ、その後、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8の間隔αを開き、ポンチ胴部の突出部8によりオーバーラン後の金属板4に逆曲げ加工を行う。
【0018】
金属板4の幅方向両端部を押圧する理由は、金属板4の幅方向両端部をダイス2としわ押さえ3により押圧しない場合には、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8を接近させた状態で共にダイス2内に挿入するに際し、金属板4がダイス2の肩部により曲げ加工を受け、金属板4の幅方向両端部がダイフェース面から離れてしまうために部品のフランジ部となる部分を成形することができないからである。そこで、金属板4を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するために、金属板4の幅方向両端部をダイス2としわ押さえ3により押圧する。
【0019】
押圧力は、過大となると、金属板4にオーバーラン現象が生じないだけでなく、金属板4に割れが発生してしまうので、予め実験等により押圧力を決めておくのが望ましい。なお、ダイフェース面とは、金属板4を挟んでしわ押さえ3と対向するダイス2の面である。
また、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8とを接近させた状態でポンチ1をダイス2内に挿入する理由は、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8とが離隔した状態でポンチ1をダイス2内に挿入した場合、オーバーラン後の金属板4に逆曲げ加工を行うための成形高さ方向範囲が狭くなり、逆曲げ加工を施せない壁部がひろくなるためである。従って、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8とを接触させ、その状態でポンチ1をダイス2内に挿入するのがオーバーラン後の金属板4に逆曲げ加工を行うための成形高さ方向範囲をより広くすることができ、壁反り発生を少なくできるので望ましい。
【0020】
なお、オーバーラン後の金属板4に接触して逆曲げ加工を行っているポンチ胴部の突出部8の面は、図2(b)に示すように、突出部8の最大幅部位置より基部側であり、この面は曲面とするのが部品の内面に引っ掻き疵を発生させないので好ましい。
このように、本発明の実施の形態に係るプレス加工方法においては、ポンチ1を金属板4の幅方向中央部に押し込んでダイス2内に挿入し、ポンチ1によりダイス2内に導入された金属板4にオーバーラン現象を生じさせ、その後、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8の間隔αを開き、ポンチ胴部の突出部8によりオーバーラン後の金属板4に逆曲げ加工を行っているので、金属板4の残留応力の分布が緩和されるという作用により、図8に示すような従来のプレス成形方法に比べて、得られる金属板部品の壁部での反りを小さくすることができる。
【0021】
本発明の実施の形態に係るプレス加工方法においては、適切な押圧力で金属板4の幅方向両端部を金属板の板厚方向に押圧しつつ、絞り曲げ加工により断面ハット形状にするに際し、逆曲げという作用を効果的に発揮させ、得られる金属板部品の壁部での反りをより小さくするには、ポンチ胴部の突出部8とダイス内壁間のクリアランスG2 は板厚の1.1 〜1.2 倍程度とするのが好ましい。但し、ポンチ胴部の側壁7とダイスの内壁間のクリアランスG1 および押圧力の適正値は、部品形状や用いる金属板素材の板厚、材質、およびプレス加工条件等に応じた予備実験等を行って決定することが好ましい。
【0022】
上述した本発明の実施の形態に係るプレス加工方法においては、金属板4に逆曲げ加工を行うに際し、ポンチ1を、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8を接近させた状態で一旦、ポンチ頭部1Aが成形高さの途中位置に到達するまでダイス2内に挿入し、次いで、ポンチ胴部の突出部8を成形高さの途中位置に静止させたまま、ポンチ頭部1Aを成形高さ位置に到達させることがプレス装置の動作を簡単にできるので好ましい。この場合、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8を接近させた状態でポンチ1をダイス2内に挿入し、ポンチ胴部の突出部8を静止させる位置は、(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイスフェース面までの距離(mm))/(ダイス肩半径(mm))を0〜5とすることが好ましい。
【0023】
この理由は、下記〔実施例2〕の結果からわかるように、(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイスフェース面までの距離(mm))/(ダイス肩半径 (mm))を0未満とした場合、金属板4に適切な逆曲げ加工を施すことができず、得られる金属板部品の壁部の反りを十分小さくすることができない。一方、(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイスフェース面までの距離(mm))/(ダイス肩半径(mm))を5超えとした場合、ポンチ胴部の突出部8での逆曲げ半径が大きくなりすぎ、十分な逆曲げ効果が得られず、また逆曲げ加工を施す範囲である図1(c)におけるαが過小となるからである。
【0024】
但し、上述したプレス装置では、図1(c)に示す成形過程で絞り曲げ加工が終了し、続いてダイス2を上昇させて、絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形された金属板4の成形体を加工工具から取り出して金属板部品とする。その後、ポンチ首部1Bを下降させることにより、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8とを接触させ、一回のプレス加工が完了する。
【0025】
次のプレス加工を行うには、図1(a)に示すように金属板4の幅方向両端部をダイス2としわ押さえ3により押圧すると共にポンチ頭部とポンチ胴部の突出部8とを接近させた状態で絞り曲げ加工を開始する。
あるいは、上述した本発明の実施の形態に係るプレス加工方法においては、金属板4に逆曲げ加工行うに際し、ポンチ1を、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8を接近させた状態で一旦、ポンチ頭部1Aが成形高さ位置に到達するまでダイス2内に挿入し、次いで、ポンチ頭部1Aを成形高さ位置に静止させたまま、ポンチ胴部の突出部8をダイス2内から引き出すようにするのも、プレス装置の動作を簡単にできるので好ましい。
【0026】
この場合には、オーバーラン後の金属板4に逆曲げ加工を施す範囲を最大とすることができる。ここで、ポンチ1を、ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8を接近させた状態で一旦、ポンチ頭部1Aが成形高さ位置に到達するまでダイス2内に挿入し、次いで、ポンチ頭部1Aを成形高さ位置に静止させたまま、ポンチ胴部の突出部8をダイス2内から引き出すようにするには、図1に示したプレス装置ではプレス装置の動作が煩雑となるため、図1におけてポンチ首部113 を装置に固定し、ポンチ胴部1Cを昇降できる機構としたプレス装置により行うことができる。
【0027】
【実施例】
〔実施例1〕 図1、図3に示すポンチ1とダイス2としわ押さえ3を備えた加工工具を用い、金属板4を絞り曲げ加工により成形高さが70mmの断面ハット形状に成形した。その際、ポンチ頭部1Aの厚み、すなわちポンチ頭部1Aの頂面から首側の面までの成形高さ方向距離を10mmとし、ポンチ頭部1Aの肩半径を5mmとした。ポンチ頭部1Aの最大幅およびポンチ胴部1Cの最大幅は共に50mmとし、ポンチ胴部1Cの突出部8には、曲率半径が5mmの曲面を基部側に形成した。また、ポンチ胴部1Cの突出部8の厚みは10mmとした。また、ダイス2としては、ダイス肩半径を5mm、ダイスの内壁面間の間隔をポンチ頭部1Aの最大幅およびポンチ胴部1Cの最大幅に対して、ポンチ1とダイス2との隙間が供試材板厚の1.1 〜1.2 倍としたものを用いた。ダイス2の内壁は、ストレートに形成し、ポンチ1、ダイス2およびしわ押さえ3は鋼製とした。
【0028】
金属板4素材としては、引張強さが270MPa、590MPa、980MPaで、板厚が1.2 mmの鋼板と、板厚が1.2 mmの5000系のアルミニウム合金板(ヤング率:69GPa =7000kgf/mm2 )の4種類を用い、絞り曲げ加工を、金属板の幅方向両端部をダイス2としわ押さえ3により押圧すると共にポンチ頭部とポンチ胴部の突出部8とを接触させた状態で(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイスフェース面までの距離(mm))/ダイス肩半径(mm))が2となる位置にまでポンチ1をダイス2内に挿入し、その位置にポンチ胴部の突出部8を静止させ、その後、ポンチ頭部1Aが成形高さ位置に到達するまでポンチ頭部1Aのみをダイス2内に挿入することにより行い、発明例1とした。但し、発明例1における絞り曲げ加工では、押圧力を12000 kNとした。
【0029】
得られた断面ハット形状金属板部品の寸法精度を調べ、その結果を従来例の場合と比較して図4に示した。
従来例1としては、図8に示した加工工具を用い、発明例と同じ金属板素材を用い、成形高さを70mmとしてプレス加工を行った。なお、ポンチの幅を50mm、ポンチ肩半径を5mmとした。また、ダイスとしては、ポンチとダイスとの隙間が供試材板厚の1.1 倍とし、ダイスの肩部半径を5mmとした。ダイスの内壁はストレートに形成し、ポンチ、ダイス、しわ押さえの材質は発明例1と同じとした。絞り曲げ加工での押圧力は12000 kNとした。
【0030】
ここで、金属板部品の寸法精度は、工具から図7(b)に示す成形体を取り出した後、部品のダイ肩部の壁部側の終点、すなわち部品のダイ肩部の壁部側の曲げ留り部の内側間隔:L(mm)を測定し、寸法誤差(mm)=(内側間隔測定値L(mm))−(ポンチ幅(50mm))として寸法誤差(口開き量)を求めた。
図4に示す寸法誤差の結果から、従来例Lの場合には寸法誤差が大きく、一方、発明例1の場合には、強度が高い金属板素材やヤング率の小さい金属板素材を使用した場合でも従来例1より金属板部品の寸法精度が良好であることがわかる。
〔実施例2〕 上記実施例1に用いた加工工具を用い、引張強さが590MPaで板厚が1.2 mmの鋼板を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形した。
【0031】
その際、絞り曲げ加工を、金属板の幅方向両端部をダイス2としわ押さえ3により押圧すると共にポンチ頭部とポンチ胴部の突出部8とを接触させた状態で(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイスフェース面までの距離(mm))/(ダイス肩半径(mm))が図5に示す位置になるようにポンチ1をダイス2内に挿入し、その位置にポンチ胴部の突出部8を静止させ、その後、ポンチ頭部1Aが成形高さ位置に到達するまでポンチ頭部1Aのみをダイス2内に挿入することにより行い、発明例2とした。なお、発明例2における押圧力は、実施例1と同じとした。また、金属板部品の寸法精度は、成形体を加工工具から取り出し、実施例1と同様にして測定した。
【0032】
(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイスフェース面までの距離(mm))/(ダイス肩半径(mm))と金属板部品の寸法精度の関係を図5に示した。
図5に示す金属板部品の寸法精度から発明例2の場合には、(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイスフェース面までの距離(mm))/(ダイス肩半径(mm))が0〜5の範囲ではその範囲を外れた場合より格段と金属板部品の寸法精度が良好となる。
【0033】
また、図5に示す結果から、(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイスフェース面までの距離(mm))/(ダイス肩半径(mm))=7とした場合は、図4に示す引張強さが590MPaで板厚が1.2 mmの鋼板を成形した従来例1の場合と大差がなく、本発明の効果が小さくなってしまうため、(ポンチ胴部の突出部8の最大幅箇所からダイフェース面までの距離(mm))/(ダイス肩半径(mm))は0〜5の範囲とすることが好ましい。
〔実施例3〕 上記実施例1に用いた加工工具を用い、実施例1と同様な金属板素材を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形した。その際、絞り曲げ加工を、金属板の幅方向両端部をダイス2としわ押さえ3により押圧すると共にポンチ頭部とポンチ胴部の突出部8とを接触させた状態でポンチ1をポンチ頭部が成形高さ位置に到達するまでダイス内に挿入し、その後、ポンチ頭部を成形高さ位置に位置させたまま、ポンチ胴部を降下させポンチ胴部の突出部8をダイス内より引き出すことにより逆曲げ加工を行い発明例3とした。
【0034】
発明例3により得られた金属板部品の寸法精度を実施例1と同様に測定し、その結果を図6に示した。従来例2は、上述した実施例1における従来例2を再掲した。
図6に示す寸法誤差の結果から、発明例3の場合には、強度が高い金属板素材やヤング率の小さい金属板素材を使用した場合でも従来例1より金属板部品の寸法精度が良好であることがわかる。また、図6に示す発明例3の寸法誤差と、図4に示す発明例1の寸法誤差とを比較することにより、発明例3のプレス成形方法によれば、発明例1の場合より金属板部品の寸法精度をより良好にできることがわかる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイスの構造をシンプルにでき、高張力鋼板等の強度が高い金属板素材やアルミニウム合金板等のヤング率の小さい金属板素材を使用した場合でも壁部の反りを小さくすることができ、絞り曲げ加工により高精度な断面ハット形状部品を得ることができる。この結果、高寸法精度でかつ高剛性のハット形状部品を得ることができ、この部品を自動車の構造部材として使用することにより構造部材の組み立てが容易に行え、耐衝突性能に優れた自動車とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(c)は、本発明に係るプレス加工方法の成形過程を示す説明図である。
【図2】図2(a)、(b)は、本発明に係るプレス加工方法の要部を示す縦断面図である。
【図3】図3は、本発明に用いて好適なポンチの概略縦断面図である。
【図4】図4は、本発明のプレス加工方法により成形した金属板部品の寸法精度を従来例と比較して示すグラフである。
【図5】図5は、本発明のプレス加工方法における好適範囲を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明のプレス加工方法により成形した金属板部品の寸法精度を従来例と比較して示す他のグラフである。
【図7】図7は、ハット状金属板部品の一例を示す(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図8】図8(a)、(b)は、従来のプレス加工方法の説明図である。
【符号の説明】
1 ポンチ
1A ポンチ頭部
1B ポンチ首部
1C ポンチ胴部
2 ダイス
3 しわ押さえ
4 金属板
5 ダイス2の移動方向を示す矢印
6 ポンチ首部1Bの移動方向を示す矢印
7 ポンチ胴部の側壁
8 ポンチ胴部の突出部
α ポンチ頭部1Aとポンチ胴部の突出部8の間隔
G1 ポンチ胴部の側壁7とダイスの内壁間のクリアランス
G2 ポンチ胴部の突出部8とダイスの内壁間のクリアランス
11 ハット形状金属板部品
12 ハット頭部
13 壁部
14 フランジ部
15 ダイ肩部
101 ポンチ
102 ダイス
103 しわ押さえ
104 金属板
105 ダイスの肩部
Claims (4)
- 金属板を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するための、ポンチとダイスとしわ押さえを備えた加工工具であって、
前記ポンチは、頭部から順にポンチ頭部と、突出部が頭部側に形成され前記突出部より幅の狭い側壁が基部側に形成されたポンチ胴部と、前記ポンチ頭部を支持するポンチ首部を有し、該ポンチ首部が成形高さ方向に摺動自在に該ポンチ胴部内に装着され、前記ポンチ頭部と前記ポンチ胴部の突出部の間隔が成形高さ方向に可変とされてなることを特徴とする加工工具。 - 前記加工工具を用い、金属板を絞り曲げ加工により断面ハット形状に成形するに際し、前記金属板の幅方向両端部を前記金属板の板厚方向に押圧し、ポンチ頭部とポンチ胴部の突出部とを接近させた状態で、前記ポンチを前記金属板の幅方向中央部に押し込んでダイス内に挿入し、前記ポンチによりダイス内に導入された金属板にオーバーラン現象を生じさせ、その後、ポンチ頭部とポンチ胴部の突出部の間隔を開き、ポンチ胴部の突出部によりオーバーラン後の金属板に逆曲げ加工を行うことを特徴とする金属板のプレス加工方法。
- 前記金属板に逆曲げ加工を行うに際し、前記ポンチを、一旦、ポンチ頭部が成形高さの途中位置に到達するまで前記ダイス内に挿入し、次いで、ポンチ胴部の突出部を成形高さの途中位置に静止させたまま、ポンチ頭部を成形高さ位置に到達させることを特徴とする請求項2に記載の金属板のプレス加工方法。
- 前記金属板に逆曲げ加工を行うに際し、前記ポンチを、一旦、ポンチ頭部が成形高さ位置に到達するまで前記ダイス内に挿入し、次いで、ポンチ頭部を成形高さ位置に静止させたまま、ポンチ胴部の突出部を前記ダイス内から引き出すことを特徴とする請求項2に記載の金属板のプレス加工方法。
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