JP2004313272A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この遊技機10は、図柄表示手段21、音声発生手段17、音声制御手段27等を有する。図柄表示手段21は、有効ライン上に停止する図柄によって大当り状態の発生を表示する。音声発生手段17は、図柄表示手段21の表示に関連して音声を発する。音声制御手段27は、有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声を発して図柄を説明するように、音声発生手段17を制御する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ機やスロットマシン等に代表される遊技機に係り、特には有効ライン上に停止する図柄によって大当り状態の発生を表示する図柄表示手段、遊技演出の一環として所定の音声を発生させる音声発生手段等を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一種であるパチンコ機には、複数種類の図柄を変動させて表示可能な図柄表示手段を備えたものがある。その具体例としては、例えば、数字図柄や文字図柄(または絵(キャラクタ)図柄)を液晶画面上にて3列で表示可能な図柄表示手段を備えたパチンコ機が通常よく知られている。
【0003】
このような図柄表示手段では、遊技盤に設けられた始動入賞口に遊技球が入賞すると、各列の図柄が変動表示を開始するようになっている。そして、変動表示開始後、所定の時間が経過すると、例えば、遊技者側から見て左図柄→右図柄→中図柄という順番で所定の図柄が有効ライン上に停止表示されて、大当りまたはハズレの図柄の組み合わせが結果として導出される。
【0004】
例えば、各列の図柄が有効ライン上において同一の図柄で確定的に停止表示された場合には、大当りの図柄組み合わせとなり、多数の遊技球を獲得できる機会が遊技者に付与され、遊技者に有利な状態(特別遊技状態)が生起される。逆に、各列の図柄が有効ライン上において同一の図柄となる組み合わせにならず、確定的に停止表示されたときは、ハズレとなる。その結果、特別遊技状態に比して多数の遊技球を獲得し難い状態(通常遊技状態)のままとなる。
【0005】
また、一般に、図柄の変動表示を開始してから、図柄が確定的に停止表示されるまでの間には、しばしばリーチが形成されることがある。リーチとは、例えば、上述の図柄表示手段にて左図柄及び右図柄が有効ライン上において同一の図柄で停止表示された状態で、中図柄が変動表示される演出である。従って、停止表示されている左図柄及び右図柄と同一の図柄が中図柄として有効ライン上に停止表示された場合には、大当りの組み合わせとなる。これに対して、リーチを形成している左図柄及び右図柄と異なる図柄が中図柄として有効ライン上に停止表示された場合には、ハズレの組み合わせとなる。
【0006】
以上のことから、リーチが形成された場合において遊技者は、最後に如何なる図柄が停止するのかを、期待感をもって注意深く見守ることとなる。即ち、遊技者は遊技機の行う視覚的演出に期待感を抱くのである。そして、近年では視覚的演出に対応した聴覚的演出をさらに行って遊技者の期待感を高める技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、図柄表示手段(可変表示装置)において特定の表示態様となる表示結果を表示する時期に近づくにつれて遊技者の聴覚的刺激を高める音声発生手段を有する遊技機が開示されている。より具体的にいうと、上記遊技機では「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」「ド」の音階が順にスピーカから発生されるようになっている。
【0007】
上記と同様の思想は、別の特許文献においても従来提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、かかる特許文献2には、可聴音(特許文献1でいう「聴覚的刺激」に相当。)を表す音符を図柄とともに表示させる表示手段を具備した遊技機も開示されている。そして、この技術内容によれば、表示された音符によって現在鳴っている音のほかに過去の音及びこれから鳴る音を視覚的に認識することができるので、遊技者にとってこれから表示されてくる図柄を予測可能であることが開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−28278号公報(段落[0050]参照)
【0009】
【特許文献2】
特開2002−200275号公報(請求項1、請求項2、[0039]等参照)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1,2に記載の従来技術では、リーチ形成時の聴覚的演出を行ってはいるものの、音階等に対応した単純音を発生させているにすぎない。よって、遊技者が視覚的演出を見ながらこのような単純音による聴覚的演出を聞いた場合、仮にその単純音に図柄と対応した何らかの意味があったとしても、その対応関係を直ちに理解することができなかった。つまり、視覚的演出に合せて聴覚的演出を行っているにもかかわらず、遊技者にとってわかりにくいものであった。ゆえに、遊技者の期待感を十分に高めることができず、興趣の向上を図ることができなかった。
【0011】
また、基本的に遊技者は図柄表示手段の表示領域を注視しながら遊技を行っているが、遊技が長時間にわたるような場合には、視線が表示領域にあるもののボーっとしていたり、他の遊技機を見ていたりして表示領域から視線をそらすこともある。さらに、遊技者の中には視力の弱い者も含まれる。ところが、特許文献1,2に記載の従来技術にて行われる聴覚的演出の場合、単純音を用いているがゆえ、その音声のみを聞いて直ちにかつ具体的に遊技の状態を把握することは非常に困難であった。つまり、現在有効ライン上に存在する図柄が何であるか等を、直ちにかつ具体的に把握することが非常に困難であった。
【0012】
さらに、図柄組み合わせゲームでは複数種類の図柄が用いられるが、前記複数種類の図柄はそれぞれ異なった呼称を有しており、中には絵(キャラクタ)図柄等のように呼称がよくわからない図柄が含まれる場合もしばしばある。しかも、複数種類の図柄の中には、いわゆる確変図柄と非確変図柄とが含まれている場合があるが、図柄自体を見てもそれらを区別できないことがある。従って、図柄の呼称、種類などがリアルタイムで把握できなければ、遊技者の立場からすると不便さを感じることも多くなる。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、視覚及び聴覚を通じて遊技者にわかりやすい演出を行うことができ、聴覚的演出のみを聞いた場合であってもその時点での遊技の状態を直ちにかつ具体的に把握することが可能な遊技機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、有効ライン上に停止する図柄によって大当り状態の発生を表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段の表示に関連して音声を発する音声発生手段と、前記有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御する音声制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機をその要旨とする。
【0015】
従って、請求項1によると、図柄表示手段の表示に関連して音声発生手段が音声を発する際、有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声が発されることで、図柄の説明がなされる。言葉を含む音声は単純音とは異なり人間の感情に直接訴える効果が大きく、しかもその言葉は有効ライン上の図柄に関するものである。このため、遊技者は有効ライン上に存在する図柄に関する種々の情報を、視覚及び聴覚の両方を通じて正確に把握することができる。つまり、視覚的演出に合せて音声による聴覚的演出を行うにあたり、遊技者にとってわかりやすい聴覚的演出とすることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0016】
また、仮に聴覚的演出のみを聞いた場合であったとしても、遊技者はその時点での遊技の状態を直ちにかつ具体的に把握することが可能となる。よって、遊技者にとっての利便性が格段に向上する。
【0017】
ここで「言葉を含む音声」とは、人の話し言葉を含む音声のことをいい、例えば、現実の人間が話した言葉をサンプリングしてなる音声(つまり肉声)、現実の人間が話した言葉をサンプリングしそれに各種のエフェクト(エコーや周波数変調など)をかけた音声、人間が話した言葉に似せて電気的に合成した音声などがある。この場合において使用する言語は日本語または外国語(英語、中国語など)のいずれであってもよいが、主として日本国内で使用される遊技機の場合、主として日本語を使用することが好ましい。もっとも、日本語を主体として用い、それに簡単な外国語を織り交ぜても一向に構わない。なお、日本語を使用する場合においては、標準語に限らず方言(例えば関西弁、東北弁、名古屋弁など)を用いてもよい。
【0018】
なお、前記音声は「言葉を含む音声」であればよく、従って言葉に加えて他の可聴音が含まれていてもよい。このような可聴音の例を挙げると、人の発する音(言葉ではない音、例えば拍手、口笛、クシャミ、いびきなど)、動物や虫の鳴き声、自然現象によって発生する音(例えば雨音、雷鳴など)、楽器の鳴る音、機械の発する音、などがある。
【0019】
また、前記図柄表示手段としては、液晶式図柄表示装置、CRT(ブラウン管)式図柄表示装置、プラズマディスプレイ式図柄表示装置、7セグメントLED式図柄表示装置、ドットマトリクス式図柄表示装置、機械式(ドラム式またはベルト式)図柄表示装置などを用いることができる。
【0020】
前記図柄表示手段は、例えば、有効ライン上に停止する1つの図柄または2つ以上の図柄の組合せによって大当り状態を表示するものであればよい。換言すると、前記図柄表示手段は、有効ライン上に同種類の図柄が複数停止することで大当りの図柄組み合わせを表示するものであってもよく、有効ライン上に特定の図柄が1つのみ停止することで大当り状態を表示するものであってもよい。また、前記図柄表示手段は、有効ライン上に同種類の図柄が複数停止することでリーチが形成されたことを表示するものであってもよい。この場合、図柄表示手段は表示領域内に有効ラインを1列のみ表示可能であってもよいほか、複数列同時に表示可能であってもよい。言い換えると、図柄表示手段はいわゆるシングルリーチのみを表示するものでもよいほか、いわゆるダブルリーチ、いわゆるトリプルリーチ等を表示するものでもよい。
【0021】
「有効ライン」とは、特定の図柄または図柄の組合せが確定停止した場合に大当り状態を生起しうる領域(ライン)のことをいう。特に、複数の図柄により大当りの図柄組み合わせを表示するものの場合、「有効ライン」とは、確定停止した複数の図柄が所定の図柄組み合わせを形成した場合に大当り状態を生起しうる領域(ライン)のことをいう。有効ラインは可視であっても不可視であっても構わない。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記音声制御手段は、前記図柄の呼称及び種類のうちの少なくとも1つを意味する言葉を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御することをその要旨とする。
【0023】
従って、請求項2によると、有効ライン上に存在する図柄の呼称や種類を視覚及び聴覚の両方を通じて正確に把握することができるようになり、遊技者にとって非常にわかりやすい聴覚的演出となる。また、仮に聴覚的演出のみを聞いた場合であったとしても、遊技者は現在有効ライン上に存在する図柄の呼称や種類を、直ちにかつ具体的に把握することが可能となる。よって、遊技者にとっての利便性が格段に向上する。例えば、絵(キャラクタ)図柄等のように呼称がよくわからない図柄が含まれる場合には、音声による呼称の説明がなされることにより、遊技者は当該図柄の正確な呼称を知ることができる。さらに、確変図柄と非確変図柄とが含まれている場合には、音声による種類の説明がなされることにより、必ずしも図柄自体を見なくてもそれらを区別することができるようになる。
【0024】
なお「図柄の呼称」とは、例えば数字図柄であればその数字そのものの呼称を指す。「図柄の呼称を意味する言葉」としては、例えば、数字図柄「7」であれば日本語の一般的呼称である「なな」、「しち」をいう。英語読みで「セブン」、中国語読みで「チー」等としてもよい。また、キャラクタが描かれた絵図柄であれば、そのキャラクタの名前、ニックネーム等を指す。図形図柄であればその図形の一般的呼称を指し、例えば四角形の図形図柄「□」であれば「しかく」、星型の図形図柄「☆」であれば「ほしがた」、円形の図形図柄「○」であれば「まる」をいう。
【0025】
また「図柄の種類」としては、大当り終了後に確率変動を生起する図柄(いわゆる確変図柄)、大当り終了後に確率変動を生起しない図柄(いわゆる非確変図柄)などがある。この場合「図柄の種類を意味する言葉」としては、例えば、確変図柄であれば「かくへん」、非確変図柄であれば「ひかくへん」などをいう。また、全ての図柄と同等のものとして取り扱われる、いわゆるオールマイティ図柄の場合には、「図柄の種類を意味する言葉」としては、例えば「オールマイティ」などをいう。さらに、図柄を大当り図柄とそうでない図柄(ハズレ図柄)とに分けた場合、「図柄の種類を意味する言葉」としては、例えば、大当り図柄であれば「あたり」、「おおあたり」などをいい、ハズレ図柄であれば「はずれ」などをいう。このほか「図柄の種類」といった場合には、例えばその図柄がどの図柄列に属するか、ということも含まれる。この場合「図柄の種類を意味する言葉」としては、例えば、その図柄が左図柄列に属するものであれば「ひだり」、「レフト」、中図柄列に属するものであれば「なか」、「センター」、右図柄列に属するものであれば「みぎ」、「ライト」などをいう。
【0026】
なお、図柄の呼称及び種類を意味する言葉を任意に組み合わせてもよい。具体例を挙げると、数字図柄の「7」が確変図柄であるような場合には、例えば「かくへんのなな」、「しちかくへん」、「かくへんセブン」等とすればよい。数字図柄の「6」が非確変図柄であるような場合には、例えば「ひかくへんのろく」、「ろくひかくへん」、「ひかくへんシックス」等とすればよい。数字図柄の「5」が確変図柄でありかつ中図柄列に属するような場合には、例えば「なかかくへんのご」、「なかごかくへん」、「かくへんセンターファイブ」等とすればよい。
【0027】
請求項3に記載の発明では、有効ライン上に停止する図柄によってリーチ状態の発生を表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段の表示に関連して音声を発する音声発生手段と、前記有効ライン上に存在する図柄に関する言語を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御する音声制御手段とを備え、前記図柄表示手段は、リーチ形成時から図柄が確定停止するまでの過程において、少なくとも前記リーチを形成している図柄と同種の図柄を変動表示し、前記音声制御手段は、図柄変動に同期させて、前記有効ライン上にある図柄の呼称及び種類のうちの少なくとも1つを意味する言語を含む音声を発するように、前記音声発生手段を制御することを特徴とする遊技機をその要旨とする。
【0028】
従って、請求項3によると、図柄表示手段の表示に関連して音声発生手段が音声を発する際、有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声が発されることで、図柄の説明がなされる。言葉を含む音声は単純音とは異なり人間の感情に直接訴える効果が大きく、しかもその言葉は有効ライン上の図柄の呼称、種類を意味するものである。このため、遊技者は有効ライン上に存在する図柄の呼称、種類を、視覚及び聴覚の両方を通じて正確に把握することができる。つまり、視覚的演出に合せて音声による聴覚的演出を行うにあたり、遊技者にとってわかりやすい聴覚的演出とすることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0029】
また、リーチ形成時から図柄が確定停止するまでの過程において、図柄変動により有効ライン上にある図柄が変化する毎に、これに同期して、有効ライン上にある図柄の呼称、種類を意味する言葉を含む音声が発せられる。従って、遊技者はこのような説明を聞くことにより、有効ライン上にある図柄についての呼称、種類をリアルタイムで把握することができる。また、図柄変動のタイミングと音声が発せられるタイミングとがほぼ一致するようになる結果、遊技者は視覚的刺激と聴覚的刺激とを同じタイミングで受けることとなる。よって、遊技者は、リーチを形成している図柄と同種の図柄(即ち大当り図柄)が有効ラインの停止位置に接近するにつれて、段階的にかつ確実に期待感を高めることができる。この場合において前記図柄表示手段は、図柄をコマ送りで変動させたり、超低速で変動させたりして表示することがよい。
【0030】
なお、リーチ形成時から図柄が確定停止するまでの過程ばかりでなく、図柄変動開始からリーチが形成されるまでの過程においても、前記有効ライン上にある図柄の呼称及び種類のうちの少なくとも1つを意味する言葉を含む音声を発するように、前記音声発生手段を制御してもよい。例えば、3つの図柄(左図柄、中図柄、右図柄)による図柄組み合わせゲームを表示するものの場合、有効ライン上に左図柄や右図柄が停止したら、それらの呼称及び種類のうちの少なくとも1つを意味する言葉を含む音声を発するようにする。より具体的には、左図柄及び右図柄がともに「3」となりリーチが形成されるような場合であれば、以下のようにする。即ち、有効ライン上にて左図柄が確定停止した時点で「ひだりさん」、「レフトスリー」等と音声を発し、有効ライン上にて右図柄が確定停止した時点で「みぎさん」、「ライトスリー」等と音声を発する。なお、「ひだりさんていし」、「レフトスリーストップ」等としたり、「みぎさんていし」、「ライトスリーストップ」等としても構わない。
【0031】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記図柄表示手段は、前記音声により説明されている前記有効ライン上の図柄を他の図柄と区別して表示することをその要旨とする。
【0032】
従って、請求項4によると、図柄表示手段の表示領域に同時に複数の図柄が表示されている場合でも、音声により説明されている前記有効ライン上の図柄が、他の図柄と区別して表示されるため、当該有効ライン上の図柄の識別性が高くなる。よって、遊技者は当該図柄と音声による説明との対応関係をいっそう明確に把握することができるようになる。
【0033】
具体的には、前記図柄表示手段は、リーチ形成時から図柄が確定停止するまでの過程において、少なくとも前記リーチを形成している図柄と同種の図柄(即ち大当り図柄)を変動表示するとともに、前記音声により説明されている前記有効ライン上の図柄(大当り図柄、ハズレ図柄を問わず。)を他の図柄と区別して表示してもよい。
【0034】
液晶式図柄表示手段等の電気式図柄表示手段を用いたときの具体例としては、有効ライン上に存在する図柄の色を有効ライン上に存在しない図柄の色と異ならせる表示態様、有効ライン上に存在する図柄の大きさを有効ライン上に存在しない図柄の大きさと異ならせる表示態様、有効ライン上に存在する図柄の背景色を有効ライン上に存在しない図柄の背景色と異ならせる表示態様、図柄が有効ライン上に存在しているときにのみ図柄にキャラクタを付加する表示態様、有効ライン上に存在する図柄のみ枠で囲う表示態様、有効ライン上に存在する図柄を指し示す識別図形を表示する表示態様、等がある。勿論、これらの表示態様を2つ以上組合せてもよい。また、機械式図柄表示手段を用いたときの具体例としては、有効ライン上に存在する図柄のみをLED等の発光手段にて照射する態様、有効ライン上に存在する図柄を照射する発光手段の照射強度を有効ライン上に存在しない図柄の照射強度よりも強くする態様、有効ライン上に存在する図柄を照射する発光手段の発光色を有効ライン上に存在しない図柄の発光色と異ならせる態様、等がある。
【0035】
この場合においてさらに、前記音声により説明されている有効ライン上の大当り図柄と、前記音声により説明されている前記有効ライン上のハズレ図柄とを区別して表示してもよい。
【0036】
請求項5に記載の発明では、有効ライン上に停止する図柄によって大当り状態の発生を表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段の表示に関連して音声を発する音声発生手段と、図柄の動作状態に関する言語を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御する音声制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機をその要旨とする。
【0037】
従って、請求項5によると、図柄表示手段の表示に関連して音声発生手段が音声を発する際、有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声が発されることで、図柄の説明がなされる。言葉を含む音声は単純音とは異なり人間の感情に直接訴える効果が大きく、しかもその言葉は図柄の動作状態に関するものである。このため、遊技者は図柄の動作状態を視覚及び聴覚の両方を通じて正確に把握することができる。つまり、視覚的演出に合せて音声による聴覚的演出を行うにあたり、遊技者にとってわかりやすい聴覚的演出とすることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0038】
また、仮に聴覚的演出のみを聞いた場合であったとしても、遊技者はその時点での遊技の状態を直ちにかつ具体的に把握することが可能となる。よって、遊技者にとっての利便性が格段に向上する。
【0039】
「図柄の動作状態」とは、図柄が変動していること、停止していること等の状態を指す。「図柄の動作状態を意味する言葉」としては、例えば図柄が停止状態であれば「ていし」、図柄が一旦停止状態であれば「いったんていし」、「かりていし」、図柄が確定停止した状態であれば「かくていていし」、図柄がゆれ変動中の状態であれば「ゆれへんどうちゅう」等をいう。また、図柄が拡大する状態であれば「かくだいちゅう」、図柄が縮小する状態であれば「しゅくしょうちゅう」等をいう。図柄が捻れる様を動作状態として表示するような場合には「ねじれちゅう」等をいう。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遊技機をパチンコ機に具体化した一実施形態を図1〜図8に基づき説明する。
【0041】
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、前枠14及び上球皿15がともに横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14は、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、各種遊技の演出状態(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾による演出を行う電飾ランプ16が設けられている。また、上球皿15の両側方には、遊技の演出状態に応じて各種音声(効果音、言葉を含む音声など)を出力するスピーカ17が設けられている。また、中枠12の下部には、下球皿19及び打球発射装置20などが装着されている。
【0042】
図1に示されるように、遊技盤13の遊技領域13aの略中央部には矩形状開口部を有する枠状の大型装飾部材24が装着されている。大型装飾部材24の奥側には、図柄表示装置として、可視表示部H(表示画面)を備えた液晶式図柄表示装置21が配設されている(図8参照)。なお、可視表示部Hは矩形状開口部から露出しており、遊技者側から視認可能とされている。この液晶式図柄表示装置21では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出が行われるようになっている。そして、液晶式図柄表示装置21では、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームにおいて3列の図柄による図柄組み合わせを導出し、その図柄組み合わせを構成する各列の図柄の種類を、0〜9の10種類の数字と定めている。なお、本実施形態では0〜9の数字は各図柄列においていずれも昇順に配列されている。
【0043】
本実施形態のパチンコ機10の場合、可視表示部Hにおいて、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄の変動が停止するように表示される。遊技者は、有効ライン上に同種類の2つの図柄(即ち同種の左図柄及び右図柄)が停止することをもって、リーチが形成されたことを認識することができる。本実施形態では、リーチが形成された状態を示すために例えば[1↓1]等の表現手法を採用している。「↓」は、そこにあるべき図柄が変動中であることを概念的に示したものである。
【0044】
例えば、1本の有効ライン上にて前記リーチを形成している図柄と同種の中図柄(以下、大当り図柄という。)が確定停止した場合、言い換えると1本の有効ライン上にて同種類の3つの図柄が確定停止した場合には、遊技者はその図柄組み合わせから大当りであることを認識することができる。以下、大当りを認識できる図柄組み合わせを「大当り組み合わせ」と示す。そして、この場合には遊技者にとって有利となる「大当り」が生起され、多数の遊技球を獲得できる機会が遊技者に付与される。また、1本の有効ライン上にて前記大当り図柄以外の図柄(即ちハズレ図柄)が確定停止した場合には、遊技者はその図柄組み合わせからハズレであることを認識することができる。なお、可視表示部Hにおいて停止した全列の図柄が異なる種類の場合についても同様にハズレとなる。
【0045】
図1に示されるように、液晶式図柄表示装置21の下方には始動入賞口22が配設され、その奥方には入賞した遊技球を検知する始動入賞口センサSE1(図2参照)が設けられている。始動入賞口センサSE1により遊技球の入賞検知がなされると、それを契機として図柄組み合わせゲームの始動条件(図柄変動の始動条件)が付与されるようになっている。また、始動入賞口22の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口23が配設されている。大入賞口23は、図柄組み合わせゲームによって導出され、停止した図柄組み合わせが大当り組み合わせになったことに関連して、開閉動作するようになっている。大当り組み合わせで停止した場合には遊技者に大当りが付与され、大入賞口23の開閉動作によって、多数の遊技球(賞球)が獲得できるチャンスを得ることができるようになっている。
【0046】
図2に示されるように、パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御手段26が装着されている。主制御手段26は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、その処理結果に応じて各種の制御コマンドを演算処理するようになっている。そして、主制御手段26は、前記制御コマンドを所定の制御信号として出力するようになっている。また、機裏側には、液晶式図柄表示装置21を制御する表示制御手段27が装着されている。また、機裏側には、電飾ランプ16を制御するランプ制御手段28が装着されている。また、機裏側には、スピーカ17を制御する音声制御手段29が装着されている。
【0047】
同じく機裏側には、統括制御手段30が装着されている。統括制御手段30は、主制御手段26が出力した制御コマンドに基づいて表示制御手段27、ランプ制御手段28及び音声制御手段29を統括的に制御する。かかる統括制御手段30は、表示制御手段27、ランプ制御手段28及び音声制御手段29を統括的に制御するために各種処理を実行し、その処理結果に応じて、遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)を行わせるための制御を指示する各種の制御コマンドを演算処理するようになっている。そして、統括制御手段30は、前記制御コマンドを所定の制御信号として出力するようになっている。
【0048】
以下、主制御手段26、表示制御手段27、ランプ制御手段28、音声制御手段29及び統括制御手段30の具体的な構成を、図2に基づき説明する。
【0049】
主制御手段26に対しては統括制御手段30が接続され、その統括制御手段30に対しては表示制御手段27、ランプ制御手段28及び音声制御手段29がそれぞれ接続されている。統括制御手段30には、主制御手段26から出力された制御信号が入力され、表示制御手段27、ランプ制御手段28及び音声制御手段29には、統括制御手段30から出力された制御信号が入力されるようになっている。
【0050】
主制御手段26はメインCPU26aを備えており、メインCPU26aにはROM26b及びRAM26cが接続されている。メインCPU26aは、判定用乱数としての大当り判定用乱数(以下「大当り乱数」という。)、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。メインCPU26aは、更新後の各種乱数の値をRAM26cにおける所定の領域に設定し、更新前の値を書き換えることにより各種乱数の値を更新している。ROM26bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラム等が記憶されている。また、RAM26cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(各種乱数の値、保留球数の値など)が一時的に記憶されるようになっている。
【0051】
図柄決定手段であるメインCPU26aは、始動入賞口22への遊技球の入賞を契機として図柄決定用乱数の抽選を行い、大当り時に確定停止させるべき各列の大当り図柄を決定するようになっている。また、変動パターン決定手段でもあるメインCPU26aは、図4(a)に示す大当りの変動パターン選択テーブルT0、図4(b)に示すハズレリーチの変動パターン選択テーブルT1、あるいはハズレ演出用の変動パターン選択テーブル(図示せず)のいずれかを用いて、複数の変動パターンのうちの1つを決定するようになっている。なお、大当りの変動パターン選択テーブルT0の変動パターンP1には乱数値「0」、変動パターンP2には乱数値「1」が振り分けられている。一方、ハズレリーチの変動パターン選択テーブルT1の変動パターンP3には乱数値「0」、変動パターンP4には乱数値「1」、変動パターンP5には乱数値「2」が振り分けられている。かかる変動パターン選択テーブルT0,T1はROM26bに記憶されている。
【0052】
ここで変動パターンとは、各列の図柄変動が開始してから全列の図柄が停止(確定停止)するまでの間において、パターン毎にあらかじめ定められた遊技演出の時間内における遊技演出のベースとなるパターンを示すものである。この変動パターンには、各別に遊技演出の時間が定められており、変動パターンによって遊技演出の時間が特定可能とされている。ROM26bには、大当り演出用の変動パターン(具体的にはP1,P2)、ハズレリーチ演出用の変動パターン(具体的にはP3〜P5)、ハズレ演出用の変動パターン(図示せず)が記憶されている。ハズレリーチ演出とはリーチを経てハズレ組み合わせで停止する演出を指し、ハズレ演出とはリーチを経ることなくハズレ組み合わせで停止する演出を指す。
【0053】
変動パターンP1が選択された場合には「ノーマルリーチ大当り」の演出が行われる。「ノーマルリーチ大当り」では、リーチ形成後に大当り図柄Zaを含む中図柄列を高速送りで変動表示させた後、低速送りで変動表示させるとともに、最終的に有効ライン上の停止位置に前記大当り図柄Zaを確定停止させて、大当りを発生させる。
【0054】
変動パターンP2が選択された場合には「コマ送りリーチ大当り」の演出が行われる。「コマ送りリーチ大当り」では、リーチ形成後に大当り図柄Zaを含む中図柄列を高速送りで変動表示させた後、コマ送りで(つまり図柄が変わるごとに図柄を有効ライン上の停止位置にて一旦停止させるようにして)変動表示させる。そして、最終的に有効ライン上の停止位置に前記大当り図柄Zaを確定停止させて、大当りを発生させる。
【0055】
変動パターンP3が選択された場合には「ノーマルリーチハズレ」の演出が行われる。「ノーマルリーチハズレ」では、リーチ形成後に大当り図柄Zaを含む中図柄列を高速送りで変動表示させた後、低速送りで変動表示させるとともに、最終的に有効ライン上の停止位置に前記大当り図柄Za以外の図柄(ハズレ図柄)を確定停止させて、ハズレとなる。
【0056】
変動パターンP4が選択された場合には「コマ送りリーチ手前ハズレ」の演出が行われる。「コマ送りリーチ手前ハズレ」では、リーチ形成後に大当り図柄Zaを含む中図柄列を高速送りで変動表示させた後、コマ送りで変動表示させる。そして、最終的に有効ライン上の停止位置に前記大当り図柄Zaの1つ手前の図柄(ハズレ図柄)を確定停止させて、ハズレとなる。
【0057】
変動パターンP5が選択された場合には「コマ送りリーチ奥ハズレ」の演出が行われる。「コマ送りリーチ奥ハズレ」では、リーチ形成後に大当り図柄Zaを含む中図柄列を高速送りで変動表示させた後、コマ送りで変動表示させる。そして、最終的に有効ライン上の停止位置に前記大当り図柄Zaの1つ奥の図柄(ハズレ図柄)を確定停止させて、ハズレとなる。
【0058】
そして、前述のように停止図柄及び変動パターンの決定を行ったメインCPU26aは、次いで統括制御手段30(詳細には統括CPU30a)に対して、停止図柄を指定するための図柄指定コマンドや、変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンド等の制御コマンドを所定のタイミングで出力するように構成されている。
【0059】
次に、統括制御手段30について説明する。図2に示されるように、統括制御手段30は統括CPU30aを備えており、統括CPU30aにはROM30b及びRAM30cが接続されている。ROM30bには、各種の制御プログラム、実行パターン振分乱数、実行パターン選択テーブルT2,T4,T5(図5(a),図5(b),図5(c)参照)などが記憶されている。統括CPU30aは、実行パターン振分乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。統括CPU30aは、更新後の実行パターン振分乱数の値をRAM30cの所定領域に設定し、更新前の値を書き換えることにより各種乱数の値を更新している。実行パターン選択手段として機能する統括CPU30aは、前記変動パターン指定コマンドを入力したタイミングで実行パターン振分乱数の抽選を行い、各変動パターンに対応した実行パターン選択テーブルT2,T4,T5に基づいて複数の実行パターンのうちの1つを選択するようになっている。なお、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(実行パターン振分乱数の値、選択した実行パターンなど)が一時的に記憶されるようになっている。
【0060】
ここで前記実行パターンとは、音声演出及び図柄変動演出の内容をあらかじめ規定したものである。例えば、図5(a)には、大当りの変動パターンP2に対する実行パターン選択テーブルT2が示されている。このテーブルT2によると、実行パターンP2−1には「0〜6」の数字7個が振分けられ、実行パターンP2−2には「7,8」の数字2個が振分けられ、実行パターンP2−3には「9」の数字1個が振分けられている。
【0061】
実行パターンP2−1では、大当り図柄Zaの5個手前の図柄からコマ送りを開始し大当りするという図柄表示演出を規定し、かつ、そのコマ送りに同期させて段階的に大当り図柄Zaの5個手前の図柄から音声を発するという音声演出内容を規定している。例えば、大当り図柄Zaが「7」であるような場合には、その5個手前の図柄から順に「2(に)」、「3(さん)」、「4(よん)」、「5(ご)」、「6(ろく)」、「7(なな)」というようにコマ送りに同期させて段階的に音声を発する(図3に一部例示)。これらの音声は、各々の図柄が有効ライン上の停止位置に到ったときに発せられる。
【0062】
実行パターンP2−2では、大当り図柄Zaの3個手前の図柄からコマ送りを開始し大当りするという図柄表示演出を規定し、かつ、そのコマ送りに同期させて段階的に大当り図柄Zaの3個手前の図柄から音声を発するという音声演出内容を規定している。例えば、大当り図柄Zaが「7」であるような場合には、その3個手前の図柄から順に「4(よん)」、「5(ご)」、「6(ろく)」、「7(なな)」というようにコマ送りに同期させて段階的に音声を発する(図3参照)。これらの音声は、各々の図柄が有効ライン上の停止位置に到ったときに発せられる。
【0063】
実行パターンP2−3では、大当り図柄Zaの1個手前の図柄からコマ送りを開始し大当りするという図柄表示演出を規定し、かつ、そのコマ送りに同期させて段階的に大当り図柄Zaの1個手前の図柄から音声を発するという音声演出内容を規定している。例えば、大当り図柄Zaが「7」であるような場合には、その1個手前の図柄から順に「6(ろく)」、「7(なな)」というようにコマ送りに同期させて段階的に音声を発する(図3参照)。これらの音声は、各々の図柄が有効ライン上の停止位置に到ったときに発せられる。
【0064】
図5(b)には、コマ送りリーチ手前ハズレの変動パターンP4に対する実行パターン選択テーブルT4が示されている。このテーブルT4によると、実行パターンP4−1には「8,9」の数字2個が振分けられ、実行パターンP4−2には「0〜7」の数字8個が振分けられている。
【0065】
実行パターンP4−1では、大当り図柄Zaの5個手前の図柄からコマ送りを開始し1コマ手前で停止するという図柄表示演出を規定し、かつ、そのコマ送りに同期させて段階的に大当り図柄Zaの5個手前の図柄から音声を発するという音声演出内容を規定している。例えば、大当り図柄Zaが「7」であるような場合には、その5個手前の図柄から順に「2(に)」、「3(さん)」、「4(よん)」、「5(ご)」、「6(ろく)」というようにコマ送りに同期させて段階的に音声を発し、ハズレ図柄である「6」で最終停止する(図3に一部例示)。これらの音声は、各々の図柄が有効ライン上の停止位置に到ったときに発せられる。
【0066】
実行パターンP4−2では、大当り図柄Zaの3個手前の図柄からコマ送りを開始し1コマ手前で停止するという図柄表示演出を規定し、かつ、そのコマ送りに同期させて段階的に大当り図柄Zaの3個手前の図柄から音声を発するという音声演出内容を規定している。例えば、大当り図柄Zaが「7」であるような場合には、その3個手前の図柄から順に「4(よん)」、「5(ご)」、「6(ろく)」というようにコマ送りに同期させて段階的に音声を発し、ハズレ図柄である「6」で最終停止する(図3に一部例示)。これらの音声は、各々の図柄が有効ライン上の停止位置に到ったときに発せられる。
【0067】
図5(c)には、コマ送りリーチ奥ハズレの変動パターンP5に対する実行パターン選択テーブルT5が示されている。このテーブルT5によると、実行パターンP5−1には「8,9」の数字2個が振分けられ、実行パターンP5−2には「0〜7」の数字8個が振分けられている。
【0068】
実行パターンP5−1では、大当り図柄Zaの5個手前の図柄からコマ送りを開始し1コマ奥で停止するという図柄表示演出を規定し、かつ、そのコマ送りに同期させて段階的に大当り図柄Zaの5個手前の図柄から音声を発するという音声演出内容を規定している。例えば、大当り図柄Zaが「7」であるような場合には、その5個手前の図柄から順に「2(に)」、「3(さん)」、「4(よん)」、「5(ご)」、「6(ろく)」、「7(なな)」、「8(はち)」というようにコマ送りに同期させて段階的に音声を発し、ハズレ図柄である「8」で最終停止する(図3に一部例示)。これらの音声は、各々の図柄が有効ライン上の停止位置に到ったときに発せられる。
【0069】
実行パターンP5−2では、大当り図柄Zaの3個手前の図柄からコマ送りを開始し1コマ奥で停止するという図柄表示演出を規定し、かつ、そのコマ送りに同期させて段階的に大当り図柄Zaの3個手前の図柄から音声を発するという音声演出内容を規定している。例えば、大当り図柄Zaが「7」であるような場合には、その3個手前の図柄から順に「4(よん)」、「5(ご)」、「6(ろく)」、「7(なな)」、「8(はち)」というようにコマ送りに同期させて段階的に音声を発し、ハズレ図柄である「8」で最終停止する(図3に一部例示)。これらの音声は、各々の図柄が有効ライン上の停止位置に到ったときに発せられる。
【0070】
実行パターンを選択した統括CPU30aは、その選択した実行パターンを指定する実行パターン指定コマンドを、表示制御手段27のサブCPU27a、ランプ制御手段28のサブCPU28a、音声制御手段29のサブCPU29aにそれぞれ出力する。また、統括CPU30aは、メインCPU26aが出力した各図柄指定コマンド及び図柄を確定停止するための全図柄停止コマンドを入力すると、これらのコマンドを表示制御手段27のサブCPU27aに出力する。また、統括CPU30aは、メインCPU26aが出力した保留球数コマンド(保留信号)を入力すると、その保留球数コマンドをランプ制御手段28のサブCPU28aに出力する。
【0071】
音声制御手段29はサブCPU29aを備えており、サブCPU29aにはROM29b及びRAM29cが接続されている。ROM29bには、各種の制御プログラム、複数種類の音声演出用の演出実行データなどが記憶されている。RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。前記音声演出用の演出実行データとは、サブCPU29aが、スピーカ17の音声出力態様(効果音の種類、言葉を含む音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。そして、ROM29bには、1つの実行パターンについて1つの音声演出用の演出実行データが対応付けられて記憶されている。
【0072】
統括CPU30aから実行パターンを示す制御コマンドが入力されると、サブCPU29aは、それに対応する音声演出用の演出実行データに基づいて音声制御を実行するようになっている。より詳しくは、音声制御手段29は、音声演出用の演出実行データを音声信号に変換し、スピーカ17に出力するようになっている。その結果、スピーカ17が音声信号に基づき音声を出力する。
【0073】
次に、ランプ制御手段28及び表示制御手段27について説明する。
【0074】
図2に示されるように、ランプ制御手段28はサブCPU28aを備えており、このサブCPU28aにはROM28b及びRAM28cが接続されている。ROM28bには、複数種類の発光演出用の演出実行データが記憶されている。RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。そして、ROM28bには、1つの実行パターンについて1つの発光演出用の演出実行データが対応付けられて記憶されている。統括CPU30aから実行パターンを示す制御コマンドが入力されると、サブCPU28aは、それに対応する発光演出用の演出実行データに基づいてランプ制御を実行するようになっている。より詳しくは、ランプ制御手段28は、発光演出用の演出実行データをランプ信号に変換し、電飾ランプ16に出力するようになっている。その結果、電飾ランプ16が、ランプ信号に基づき点灯(点滅)または消灯する。
【0075】
図2に示されるように、表示制御手段27はサブCPU27aを備えており、このサブCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。ROM27bには、複数種類の表示演出用の演出実行データや各種の画像情報(図柄の画像情報、背景画像、文字画像、識別図形画像、登場キャラクタの画像など)が記憶されている。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。前記表示演出用の演出実行データとは、サブCPU27aが、液晶式図柄表示装置21(可視表示部H)の表示内容(図柄変動、キャラクタの動作、可視表示部Hの背景、識別図形の動作など)を制御するための情報である。そして、ROM27bには、1つの実行パターンについて1つの表示演出用の演出実行データが対応付けられて記憶されている。
【0076】
図8に示されるように、本実施形態では、識別図形である一組の矢印51が可視表示部Hにて表示されるようになっている。かかる一組の矢印51は、リーチ形成時に可視表示部Hの中央部に出現する。より具体的にいうと、一組の矢印51は互いの先端部を対向させた状態で離間配置され、一組の矢印51の間には、言葉を含む音声により説明されるべき図柄(図8では大当り図柄Zaである「7」を示す。)が位置するように表示される。つまり、言葉を含む音声により説明されるべき図柄が一組の矢印51によって両脇から指し示された状態で表示される。なお、左側の矢印51については、先端側が中図柄列の表示エリアに位置し、基端側が左図柄列の表示エリアに位置している。右側の矢印51については、先端側が中図柄列の表示エリアに位置し、基端側が右図柄列の表示エリアに位置している。これらの矢印51は、各列の図柄と重なり合わないように表示される。なお、これら一組の矢印51は、図柄が確定停止して図柄組み合わせゲームが終了すると、消滅するようになっている。
【0077】
次に、図6,図7のフローチャートに基づいて、リーチ形成から大当り(またはハズレ)に至るまでの演出に係る処理を説明する。
【0078】
まず図6のフローチャートについて説明する。始動入賞口センサSE1により遊技球の入賞検知がなされると、メインCPU26aは、それを契機として所定の入賞検知処理を行い、保留球数が上限値(例えば4)に達していないことを条件として、大当り乱数及び図柄決定用乱数の抽選を行って各乱数の値を取得し、その値をRAM26cの所定領域に記憶する(ステップS10)。
【0079】
続いてメインCPU26aは、先に取得した大当り乱数をRAM26cから読み出し、その乱数の値を、あらかじめ定められた大当り判定値と比較する(ステップ20)。前記乱数の値が大当り判定値と等しく、大当りであると判定したときには(ステップ20:Y)、メインCPU26aはステップS30に移行する。前記乱数の値が大当り判定値と等しくなく、大当りではないと判定したときには(ステップ20:N)、メインCPU26aは、後述する図7のフローチャートのステップS120に移行する。
【0080】
ステップS30においてメインCPU26aは、先に取得した図柄決定用乱数をRAM26cから読み出し、その乱数の値に対応した図柄を確定停止させるべき図柄(左図柄、中図柄、右図柄)として決定する。
【0081】
続いてメインCPU26aは、変動パターン決定用乱数の抽選を行って任意の1つの乱数を取得するとともに、その取得した乱数の値から大当りの変動パターン選択テーブルT0に従って変動パターンを決定する(ステップS40)。このときメインCPU26aは、決定した変動パターンの情報を含む制御信号を生成し、統括制御手段30(統括CPU30a)に出力する。
【0082】
続いて統括CPU30aは、主制御手段(メインCPU26a)から送られてきた変動パターンが、P1,P2のうちのいずれであるかを確認する(ステップS50)。このとき、例えば、変動パターンがP2であると確認されれば、それに対応した大当りの実行パターン選択テーブルT2が、次ステップにて使用すべきものとして特定される。
【0083】
次に統括CPU30aは、実行パターン振分乱数の抽選を行って任意の1つの乱数を取得するとともに、先に特定した実行パターン選択テーブルT2に従って、前記取得した乱数の値から1つの実行パターンを決定する(ステップS60)。即ち、変動パターンP2であると確認した場合には、実行パターンP2−1,P2−2のうちのいずれか1つが選択される。
【0084】
次に統括CPU30aは、先に決定した実行パターンの情報を含む制御信号を生成し、表示制御手段27(サブCPU27a)及び音声制御手段29(サブCPU29a)に出力する(ステップS70)。
【0085】
すると、上記制御信号を入力した表示制御手段27のサブCPU27aは、統括制御手段30(統括CPU30a)から送られてきた実行パターンの内容を確認し、その確認した内容に応じて演出実行データをROM27bから読み出してくる(ステップS80)。そして、サブCPU27aは、液晶式図柄表示装置21に具体的な表示演出内容を実行させるべく、所定の図柄、所定の背景、一対の矢印51等を含む演出実行データ信号を液晶式図柄表示装置21に送信する(ステップS81)。
【0086】
一方、上記制御信号を入力した音声制御手段29のサブCPU29aは、統括制御手段30(統括CPU30a)から送られてきた実行パターンの内容を確認し、その確認した内容に応じて演出実行データをROM29bから読み出してくる(ステップS90)。そして、サブCPU29aは、スピーカ17に具体的な音声演出内容を実行させるべく、所定の音声を含む演出実行データ信号をスピーカ17に送信する(ステップS91)。
【0087】
その結果、選択した実行パターンに応じた所定の表示演出が開始されるとともに、それに同期して所定の音声演出が開始される。例えば、実行パターンP2−1が選択されたとすると、まずリーチ形成とともに一対の矢印51が表示される。そして、中図柄を高速送りで変動表示させた後、大当り図柄Zaである「7」の5個手前の図柄からコマ送りを開始する。なお、コマ送りの開始時に一対の矢印51を表示するようにしても構わない。すると、コマ送りに同期させて段階的に「2(に)」、「3(さん)」、「4(よん)」、「5(ご)」、「6(ろく)」、「7(なな)」という音声がスピーカ17から順次発せられる。そして、「7(なな)」が発せられた時点で大当りが確定し、一連の図柄組み合わせゲームが終了する。
【0088】
スピーカ17から発せられる音声には図柄の呼称が含まれているので、これを聞いた遊技者は、有効ライン上にどの図柄があるのかを視覚及び聴覚の両方を通じて正確にかつリアルタイムで把握することができる。よって、非常にわかりやすい演出となり、遊技者の期待感を十分に高めることができ、ひいては興趣の向上を図ることができる。また、図柄変動のタイミングと音声が発せられるタイミングとがほぼ一致しているため、遊技者は視覚的刺激と聴覚的刺激とを同じタイミングで受けることとなる。よって、遊技者は、大当り図柄Zaである「7」が有効ライン上の停止位置に接近するにつれて、段階的にかつ確実に期待感を高めることができる。
【0089】
さらに、可視表示部Hから目を離していたり目を閉じていたりする等、聴覚的演出のみを聞きながら遊技を行うような場合であったとしても、上述の音声による図柄の説明がなされる結果、遊技者はその時点での遊技の状態を直ちにかつ具体的に把握することができる。即ち、有効ライン上にどの図柄があるのかを聴覚のみを通じて正確にかつリアルタイムで把握することが可能である。よって、遊技者にとっての利便性が格段に向上する。
【0090】
次に、図7のフローチャートについて説明する。前記ステップS20において大当りではないと判定した場合、メインCPU26aはステップS120に移行して、リーチ演出を行うか否かを判定する。具体的には、リーチ判定用乱数を抽選して任意の1つの乱数を取得するとともに、その取得した乱数の値を、あらかじめ定められたリーチ判定値と比較することを行う。前記乱数の値がリーチ判定値と等しくなく、ハズレであると判定された場合(ステップS120:N)には、メインCPU26aはリーチ演出を行わずに所定のハズレ演出を行うべく、各種の処理を実行する。その詳細については省略する。前記乱数の値がリーチ判定値と等しく、リーチ演出を行うと判定された場合、(ステップS120:Y)には、メインCPU26aはステップS130に移行する。
【0091】
ステップS130においてメインCPU26aは、所定の乱数の抽選、取得を行って、当該乱数の値に対応した図柄を確定停止させるべき図柄(左図柄、中図柄、右図柄)として決定する。具体的には、リーチ図柄用乱数の抽選、取得によりリーチ図柄(即ち左図柄及び右図柄)を決定するとともに、中図柄用乱数の抽選、取得により中図柄(ただし、左図柄及び右図柄とは異なるもの。)を決定する。
【0092】
続いてメインCPU26aは、変動パターン決定用乱数の抽選を行って任意の1つの乱数を取得するとともに、その取得した乱数の値からハズレリーチの変動パターン選択テーブルT1に従って変動パターンを決定する(ステップS140)。このときメインCPU26aは、決定した変動パターンの情報を含む制御信号を生成し、統括制御手段30(統括CPU30a)に出力する。
【0093】
続いて統括CPU30aは、主制御手段26(メインCPU26a)から送られてきた変動パターンが、P3,P4,P5のうちのいずれであるかを確認する(ステップS150)。このとき、例えば、変動パターンがP4であると確認されれば、それに対応した実行パターン選択テーブルT4が、次ステップにて使用すべきものとして特定される。また、変動パターンがP5であると確認されれば、実行パターン選択テーブルT5が、それに対応した次ステップにて使用すべきものとして特定される。
【0094】
次に統括CPU30aは、実行パターン振分乱数の抽選を行って任意の1つの乱数を取得するとともに、先に特定した実行パターン選択テーブルT4,T5に従って、前記取得した乱数の値から1つの実行パターンを決定する(ステップS160)。即ち、変動パターンP4であると確認した場合には、実行パターンP4−1,P4−2のうちのいずれか1つが選択される。変動パターンP5であると確認した場合には、実行パターンP5−1,P5−2のうちのいずれか1つが選択される。
【0095】
次に統括CPU30aは、先に決定した実行パターンの情報を含む制御信号を生成し、表示制御手段27(サブCPU27a)及び音声制御手段29(サブCPU29a)に出力する(ステップS170)。
【0096】
すると、上記制御信号を入力した表示制御手段27のサブCPU27aは、統括制御手段30(統括CPU30a)から送られてきた実行パターンの内容を確認し、その確認した内容に応じて演出実行データをROM27bから読み出してくる(ステップS180)。そして、サブCPU27aは、液晶式図柄表示装置21に具体的な表示演出内容を実行させるべく、所定の図柄、所定の背景、一対の矢印51等を含む演出実行データ信号を液晶式図柄表示装置21に送信する(ステップS181)。
【0097】
一方、上記制御信号を入力した音声制御手段29のサブCPU29aは、統括制御手段30(統括CPU30a)から送られてきた実行パターンの内容を確認し、その確認した内容に応じて演出実行データをROM29bから読み出してくる(ステップS190)。そして、サブCPU29aは、スピーカ17に具体的な音声演出内容を実行させるべく、所定の音声を含む演出実行データ信号をスピーカ17に送信する(ステップS191)。
【0098】
その結果、選択した実行パターンに応じた所定の表示演出が開始されるとともに、それに同期して所定の音声演出が開始される。例えば、実行パターンP4−1が選択されたとすると、まずリーチ形成とともに一対の矢印51が表示される。そして、中図柄を高速送りで変動表示させた後、大当り図柄Zaである「7」の5個手前の図柄からコマ送りを開始する。なお、コマ送りの開始時に一対の矢印51を表示するようにしても構わない。すると、コマ送りに同期させて段階的に「2(に)」、「3(さん)」、「4(よん)」、「5(ご)」、「6(ろく)」という音声がスピーカ17から順次発せられる。そして、大当り図柄Zaである「7」の1コマ手前の図柄の呼称である「6(ろく)」が発せられた時点でハズレが確定し、一連の図柄組み合わせゲームが終了する。
【0099】
以上述べたように、本実施形態では、音声制御手段として機能する統括制御手段30及び音声制御手段29(実際には統括CPU30a及びサブCPU29a)が、リーチ形成時に図柄の説明を行うべく所定の制御を実行する。つまり、上記の音声制御手段が、図柄変動に同期させて、有効ライン上にある図柄の呼称を意味する言葉を含む音声を発するように、スピーカ17(音声発生手段)を制御する。従って、視覚及び聴覚の両方を通じて遊技者に非常にわかりやすい演出を行うパチンコ機10を提供することができる。また、聴覚的演出のみを聞いた場合であっても、その時点での遊技の状態を直ちにかつ具体的に把握することが可能なパチンコ機10を提供することができる。
【0100】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0101】
・前記実施形態では、主制御手段26が、統括制御手段30を介して表示制御手段27、ランプ制御手段28及び音声制御手段29を制御する構成を採用していた。しかし、これに限定されることはなく、統括制御手段30を省略して、主制御手段26が、表示制御手段27、ランプ制御手段28及び音声制御手段29を直接制御する構成を採用することもできる。
【0102】
・前記実施形態では、リーチ形成時から図柄が確定停止するまでの過程において、有効ライン上にある図柄の呼称を意味する言葉を含む音声を発して、図柄の説明を行っていた。勿論、本発明はこのような態様のみに限定されるわけではなく、例えば図9に示す別例のように、リーチ形成過程において図柄の説明を行ってもよい。左図柄列において例えば「7」という図柄が有効ライン上に停止し、次いで右図柄列において同じく「7」という図柄が有効ライン上に停止して、「7のリーチ」が形成される場合を考える。この場合、変動していた左図柄「7」が有効ライン上に停止すると同時に、「左7(ひだりなな)」という音声を発するようにする(図9(a),(b)参照)。つまり、有効ライン上にある図柄の呼称及び動作状態を意味する言葉を含む音声を発して、図柄の説明を行う。また、変動していた右図柄「7」が有効ライン上に停止すると同時に、「右7(みぎなな)」という音声を発するようにする(図9(c),(d)参照)。なお、リーチが形成されないハズレの場合においても、このような言葉による図柄の説明を行うようにしても構わない。
【0103】
・上記図9の別例において、例えば、左図柄の説明を行うときの音声のトーンと、右図柄の説明を行うときの音声のトーンとを、異ならせてもよい。例えば、左図柄の説明を行うときの音声を相対的に低いトーン(例えば男性の声)とし、右図柄の説明を行うときの音声を相対的に高いトーン(例えば女性の声)とする。このようにすれば、例えば遊技者が可視表示部Hを見ることなく音声による図柄の説明のみを聞いたときでも、どちらの図柄列についての説明であるかを容易に区別することができる。
【0104】
・前記実施形態では、複数の数字図柄によって図柄組み合わせゲームが行われる遊技機を例示したが、本発明は、数字図柄に加えて1つまたは2つ以上の絵(キャラクタ)図柄を含み、これらによって図柄組み合わせゲームが行われる遊技機として具体化されてもよい。例えば、図10に示す別例では、「0〜9」の10種類の数字図柄に加えて、3種類の絵(キャラクタ)図柄を含んでいる。そして、個々のキャラクタには、例えば「モッヒー」、「ビギオ」、「リンラン」という呼称がそれぞれ与えられているものとする。従って、リーチ形成時において有効ライン上にモッヒーの絵図柄が存在している場合には、その呼称である「モッヒー」という音声が発され、その絵図柄の説明がなされる(図10(a)参照)。リーチ形成時において有効ライン上にビギオの絵図柄が存在している場合には、その呼称である「ビギオ」という音声が発され、その絵図柄の説明がなされる(図10(b)参照)。リーチ形成時において有効ライン上にリンランの絵図柄が存在している場合には、その呼称である「リンラン」という音声が発され、その絵図柄の説明がなされる(図10(c)参照)。従って、遊技者が仮にキャラクタの呼称を知らなかったとしても、上記の音声による呼称の説明を聞くことによって、当該図柄の正確な呼称を知ることができる。よって、遊技者にとっての利便性が格段に向上するばかりでなく、遊技者に対して機種固有のキャラクタを印象付ける効果も大きく、かかる機種に対する愛着を深めさせることもできる。
【0105】
・有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声を発して図柄を説明する場合、その音声の音量を調整できるように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技機の前面側にボリュームを配置し、そのボリュームを操作することによりスピーカ17への出力を調整できるようにすればよい。このような構成であれば、周囲の環境等に応じて、説明にかかる音声を遊技者の好みの音量にすることができる。なお、図柄説明のための言葉を含む音声と、それ以外の音声とを別系統にしてスピーカ17に出力するとともに、図柄説明のための言葉を含む音声が出力されるラインについてのみ前記ボリュームを設けるようにしてもよい。また、前記説明にかかる音声を遊技者の好みに応じて完全に消せるように構成してもよい。
【0106】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0107】
(1)前記図柄表示手段は電気式図柄表示装置を含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機。
【0108】
(2)前記図柄表示手段は、少なくとも1つの絵図柄を表示し、前記音声制御手段は、前記有効ライン上にある前記絵図柄の呼称を意味する言葉を含む音声を発するように、前記音声発生手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機。
【0109】
(3)有効ライン上に停止する図柄によってリーチ状態の発生を表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段の表示に関連して音声を発する音声発生手段と、前記有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御する音声制御手段とを備え、前記図柄表示手段は、リーチ形成時から図柄が確定停止するまでの過程において、少なくとも前記リーチを形成している図柄と同種の図柄をコマ送りで変動表示し、前記音声制御手段は、コマ送りによる図柄変動に同期させて段階的に、前記有効ライン上にある図柄の呼称及び種類のうちの少なくとも1つを意味する言葉を含む音声を発するように、前記音声発生手段を制御することを特徴とする遊技機。
【0110】
(4)有効ライン上に複数の同種の図柄が停止することによってリーチ状態が形成されたことを表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段の表示に関連して音声を発する音声発生手段と、前記有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御する音声制御手段とを備え、前記図柄表示手段は、リーチ形成過程において図柄を変動表示し、前記音声制御手段は、図柄変動に同期させて、前記有効ライン上にある図柄の呼称及び種類のうちの少なくとも1つを意味する言葉を含む音声を発するように、前記音声発生手段を制御することを特徴とする遊技機。
【0111】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、視覚及び聴覚を通じて遊技者にわかりやすい演出を行うことができ、聴覚的演出のみを聞いた場合であってもその時点での遊技の状態を直ちにかつ具体的に把握することが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化したパチンコ機の機表側を示す正面図。
【図2】本実施形態のパチンコ機における主制御手段、表示制御手段、ランプ制御手段、音声制御手段及び統括制御手段の構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態のパチンコ機における演出内容を説明するための図表。
【図4】(a),(b)は、本実施形態のパチンコ機において使用される各種選択テーブル。
【図5】(a)〜(c)は、本実施形態のパチンコ機において使用される各種選択テーブル。
【図6】本実施形態のパチンコ機における図柄表示及び音声発生による大当り演出の実行過程を説明するためのフローチャート。
【図7】本実施形態のパチンコ機における図柄表示及び音声発生によるハズレリーチ演出の実行過程を説明するためのフローチャート。
【図8】本実施形態のパチンコ機における液晶式図柄表示装置の表示画面を示す拡大正面図。
【図9】(a)〜(d)は、別例のパチンコ機における演出内容を説明するための図表。
【図10】(a)〜(c)は、別例のパチンコ機における演出内容を説明するための図表。
【符号の説明】
10…遊技機としてのパチンコ機
17…音声発生手段としてのスピーカ
21…図柄表示手段としての液晶式図柄表示装置
27…音声制御手段
51…識別図形としての(一組の)矢印
Claims (5)
- 有効ライン上に停止する図柄によって大当り状態の発生を表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段の表示に関連して音声を発する音声発生手段と、
前記有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御する音声制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記音声制御手段は、前記図柄の呼称及び種類のうちの少なくとも1つを意味する言葉を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 有効ライン上に停止する図柄によってリーチ状態の発生を表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段の表示に関連して音声を発する音声発生手段と、
前記有効ライン上に存在する図柄に関する言葉を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御する音声制御手段と
を備え、
前記図柄表示手段は、リーチ形成時から図柄が確定停止するまでの過程において、少なくとも前記リーチを形成している図柄と同種の図柄を変動表示し、
前記音声制御手段は、図柄変動に同期させて、前記有効ライン上にある図柄の呼称及び種類のうちの少なくとも1つを意味する言葉を含む音声を発するように、前記音声発生手段を制御することを特徴とする遊技機。 - 前記図柄表示手段は、前記音声により説明されている前記有効ライン上の図柄を他の図柄と区別して表示することを特徴とした請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
- 有効ライン上に停止する図柄によって大当り状態の発生を表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段の表示に関連して音声を発する音声発生手段と、
図柄の動作状態に関する言葉を含む音声を発して前記図柄を説明するように、前記音声発生手段を制御する音声制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
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