JP2004312444A - 顧客の位置情報収集システム - Google Patents

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Abstract

【課題】店舗内を移動する顧客の位置情報を収集するものにおいて、無線通信装置の構成の簡単化、小形化を図る。
【解決手段】店舗1の通路に沿って敷設された漏洩同軸ケーブル5と、IDを記憶した携帯無線端末9と、漏洩ケーブルに接続され、この漏洩ケーブルを経由して携帯無線端末と定期的に通信し、通信の遅延時間から漏洩ケーブルの無線端末と通信している部位までの距離を検出する無線通信装置6と、この無線通信装置が検出した通信部位までの距離をIDとともに所定のタイミングで集約し、この距離データと予め設定された店舗内の漏洩同軸ケーブルの配置情報とから顧客の店舗内における移動位置を把握しデータベースに保存する制御装置8とからなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、店舗内を移動する顧客の位置情報を収集する顧客の位置情報収集システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
スーパマーケット等の店舗では、顧客の店舗内における行動を把握することが売り場の配置や商品の陳列場所を決定するために必要となる。そして、店舗内を移動する顧客の位置情報を収集し、その位置情報をプロットして顧客の移動軌跡として把握・表示するシステムは動線追跡システムと呼ばれている。
【0003】
このように顧客の動線を追跡には、その前に顧客の位置情報を収集することが必要となるが、このような顧客の位置情報を収集するシステムとしては、例えば、商品を陳列する商品棚に一定の間隔で複数のアンテナを配置し、この各アンテナを無線通信装置内の送受信部で制御して、各アンテナから一定周期の所定のタイミングで送信要求を送信し、各アンテナの通信領域内にある識別カードから識別情報を受信し、これにより識別カードを所持している顧客の位置を把握するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−90149号公報(段落「0014」〜「0021」)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように商品棚に複数のアンテナを配置するものでは、アンテナ毎に送受信制御を行わなければならず、送受信部を含む無線通信装置の構成が複雑化する問題があった。特に、大型店舗のように店舗内に多数の商品棚を配置している場合には、配置するアンテナの数が膨大となり、無線通信装置の構成がさらに複雑化し大形化する問題があった。
そこで、本発明は、店舗内を移動する顧客の位置情報を収集する装置において、無線通信装置の構成を簡単化、小型化できる顧客の位置収集システムを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、店舗の通路に沿って敷設された漏洩ケーブルと、顧客が携行する、識別コードを記録した無線端末と、漏洩ケーブルを経由して無線端末と所定のタイミングで通信し、通信の遅延時間から漏洩ケーブルの無線端末と通信している部位までの距離を検出する無線通信装置と、この無線通信装置が検出した通信部位までの距離と予め設定されている店舗内の漏洩ケーブルの配置情報とから無線端末を携行する顧客の位置情報を求め、この位置情報を無線端末の識別コードとともに記録部に記録する制御装置とを備えた顧客の位置収集システムにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、店舗1の中央部に、複数の商品棚2が所定の間隔を開けて配置されている。また、店舗1の一側部には複数台の登録精算端末であるPOS(販売時点情報管理)端末3がそれぞれ台4の上に載置されて配置されている。
【0008】
前記店舗1の通路に沿って漏洩ケーブル、例えば漏洩同軸ケーブル5が敷設されている。この漏洩同軸ケーブル5は、例えば、通路に沿った天井裏や通路に沿った床下など目立たないように敷設されている。
【0009】
前記漏洩同軸ケーブル5は、図2の(a)、(b)に示すように、中心に内部導体51、その周囲を絶縁体52で覆い、その絶縁体52の周囲に外部導体53を配置し、その外部導体53の周囲を被覆材54で覆ったもので、前記外部導体53には電波を放射したり受信したりするための多数のスロット55が設けられている。
【0010】
前記漏洩同軸ケーブル5は、その一端を無線通信装置6に接続し、その他端を終端器7に接続している。そして、前記無線通信装置6を制御装置8に接続している。前記店舗1内には顧客が買物籠などに入れて携帯する携帯無線端末9が顧客の移動とともに移動するようになっている。
【0011】
前記携帯無線端末9は、図3に示すように、制御部本体を構成するMPU(マイクロプロセッサユニット)91、このMPU91が各部を制御するためのプログラム及び端末毎に与えられた識別コード、すなわち、IDを格納したROM(リード・オンリー・メモリ)92、処理中のデータを一時的に格納するメモリ等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)93、受信アンテナ94を接続した受信部95、送信アンテナ96を接続した送信部97、各部に電力を供給するバッテリ98及びこのバッテリ98への充電を行う充電回路99を備えている。
【0012】
前記携帯無線端末9は、MPU91によって前記受信部95を制御し、受信アンテナ94が受信した信号を取込み、また、前記送信部97を制御し、送信信号を送信アンテナ96から放射する。
【0013】
前記無線通信装置6は、図4に示すように、制御部本体を構成するMPU(マイクロプロセッサユニット)61、このMPU61が各部を制御するためのプログラムを格納したROM(リード・オンリー・メモリ)62、処理中のデータを一時的に格納するメモリ等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)63、計時動作を行うタイマ64、前記漏洩同軸ケーブル5に接続した同軸コネクタ65、この同軸コネクタ65に接続した共用器66、この共用器66を介して前記同軸コネクタ65に接続した受信部67並びに送信部68、通信回線10を介して前記制御装置8と通信を行う通信インターフェース69及び各部に電力を供給する電源部70を備えている。
【0014】
前記制御装置8は、図5に示すように、制御部本体を構成するMPU(マイクロプロセッサユニット)81、このMPU81が各部を制御するためのプログラムを格納したROM(リード・オンリー・メモリ)82、処理中のデータを一時的に格納するメモリ等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)83、前記店舗1における漏洩同軸ケーブル5の配置情報や商品棚等の配置情報を保存するとともに処理したデータを保存する記録部としてのデータベースを設けたハードディスク装置84、データ表示を行うディスプレイ85、データ印字を行うプリンタ86、通信回線10を介して前記無線通信装置6と通信を行う通信インターフェース87及び各部に電力を供給する電源部88を備えている。
【0015】
図6は、前記制御装置8、無線通信装置6及び携帯無線端末9の間のやり取りを示す流れ図である。先ず、顧客は、店舗1の入口等において携帯無線端末9を受取り、買物籠などに入れて店舗内を持ち歩くことになる。
【0016】
制御装置8は適当な時間間隔で無線通信装置6を制御し、先ず、S11にて、携帯無線端末9の測定を無線通信装置6に指示する。これにより、無線通信装置6は、S21にて、携帯無線端末9の測定を開始する。続いて、無線通信装置6は、S22にて、タイマ64を起動し、S23にて、測定相手となる携帯無線端末9を特定するIDを信号に付加し、高周波信号に変調して送信する。すなわち、無線通信装置6においては、送信部68で送信信号を高周波信号に変調し、この変調された高周波信号を共用器66、同軸コネクタ65を介して漏洩同軸ケーブル5に送信する。これにより漏洩同軸ケーブル5ではスロット55から電波が一斉に放射される。
【0017】
顧客が所持している携帯無線端末9は、S31にて、受信アンテナ94及び受信部95により無線通信装置6からの信号を受信し復調する。そして、S32にて、受信した信号の宛先が自分のIDか否かを判断し、自分のIDであれば、S33にて、応答信号を送信部97から送信アンテナ96を介して無線通信装置6へ送信する。
【0018】
送信アンテナ96から放射される高周波信号は、漏洩同軸ケーブル5のスロット55を通り、無線通信装置6へ送信される。無線通信装置6は、S24にて、受信部67が信号を受信して復調し、S25にて、MPU61がタイマ64による計時動作を停止させる。そして、MPU61は、S26にて、通信の遅延時間の計算を行う。すなわち、無線通信装置6と携帯無線端末9の信号処理にかかる時間を予め計測しておき、タイマ64の計時時間からこの信号処理に要する時間を差し引くことで通信の遅延時間を求める。
【0019】
例えば、漏洩同軸ケーブル5の一端、すなわち、無線通信装置6との接続点から、携帯無線端末9に最も近いスロットまでの距離をL(m)、漏洩同軸ケーブル5内の信号伝搬速度をV(m/s)、無線通信装置6の処理時間をt1、携帯無線端末9の処理時間をt2とすると、無線通信装置6が信号を送信してから応答信号が帰ってくるまでの時間、すなわち、タイマ64の計測時間T0は、
T0=2L/V+t1+t2(sec) …(1)
となる。また、信号が漏洩同軸ケーブル5を往復する時間T1は、T0−t1−t2となるので、
T1=2L/V(sec) …(2)
となる。漏洩同軸ケーブル5内の信号伝送速度Vは既知であるため、上記(2)式より、漏洩同軸ケーブル5の一端から携帯無線端末9に最も近いスロットまでの距離Lを求めることができる。そして、この漏洩同軸ケーブル5における一端から携帯無線端末9に最も近いスロットまでの距離を通信部位までの距離として把握する。
【0020】
無線通信装置6は、こうして求めた距離データをIDとともに通信回線10を介して制御装置8に送信する。制御装置8は、S12にて、無線通信装置6からの距離データとIDを受信し、S13にて、距離データと店舗1における漏洩同軸ケーブル5の配置情報や商品棚等の配置情報から携帯無線端末9の位置、すなわち、顧客の位置を求め、S14にて、ID、位置、時刻の各情報をデータベースに保存する。
【0021】
従って、制御装置8が適当な時間間隔で無線通信装置6を制御することで、制御装置8のデータベースにはID、位置、時刻からなる情報が所定のタイミングで順次保存されることになる。
【0022】
従って、例えば、一日の業務の終了後に、制御装置8はデータベースから同一IDの位置情報を読み出すことで顧客の店舗内での移動位置を把握できる。そして、これにデータベースから同じく読み出した時刻の情報を重ね合わせることで、時刻の経過とともに顧客がどのように移動したかを知ることができる。すなわち、顧客の店舗内での動線を知ることができる。
【0023】
そして、この動線を店舗1のレイアウトとともにディスプレイ85に表示し、また、プリンタ86でプリントアウトすることで顧客がどのように行動して買物を行ったかを確認ができる。このような動線を各顧客について把握することで、顧客の買物における行動パターンを統計的に把握することもできる。
【0024】
このような一連の制御において、無線通信装置6は、タイマ64を起動し、漏洩同軸ケーブル5へIDを信号に付加して高周波信号に変調した信号を送信し、該当する携帯無線端末9からの応答信号を受信すると、携帯無線端末9までの距離を計算し、IDとともに距離データを制御装置8へ送信する制御を行うことになる。すなわち、従来のような複数のアンテナを配置し、アンテナ毎に送受信制御を行うことはない。従って、無線通信装置6として構成の簡単化、小型化を図ることができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
この実施の形態は漏洩同軸ケーブルを商品棚に配置し、無線端末を買物カードに取付けて携行する場合について述べる。
すなわち、図7に示すように、商品棚2の下部側面に沿って漏洩同軸ケーブル11を配置し、その一端に無線通信装置12を接続するとともにその他端に終端器13を接続している。また、顧客が手押し移動させる買物カート14の下部前面に無線端末15を取付けている。なお、前記無線端末15の取付け位置は前記漏洩同軸ケーブル11を配置する位置と同じ高さにすることが望ましい。なお、前記無線端末15の構成は図3と同様である。
【0026】
図8は店舗内レイアウトを示す図で、各商品棚2,2,2には、それぞれ漏洩同軸ケーブル11,11,11、無線通信装置12,12,12、終端器13,13,13が配置されている。そして、前記各無線通信装置12,12,12を、通信回線16を介して制御装置17に接続している。なお、前記各無線通信装置12,12,12の構成はMPUによる制御プログラムが若干異なるがブロック構成は図4と同様である。また、前記制御装置17の構成はMPUによる制御プログラムが若干異なるがブロック構成は図5と同様である。
【0027】
このような構成においては、制御装置17は各無線通信装置12,12,12を任意の間隔で順次制御し、各無線通信装置12,12,12はそれぞれ漏洩同軸ケーブル11,11,11に動線を追跡する無線端末15の該当するIDを付加した高周波信号を送信する。買物カート14に取付けた無線端末15は近くの漏洩同軸ケーブルのスロット55から放射される電波を受信し、受信信号の中のIDが自分宛てのIDであれば応答信号を送信する。
【0028】
例えば、顧客が商品棚2の商品を買物していれば無線端末15は漏洩同軸ケーブル11に接近しており、この漏洩同軸ケーブルのスロット55からの電波を受信して応答信号を返すことになる。無線通信装置12は、この応答信号を漏洩同軸ケーブル11から受信する。そして、前述した実施の形態と同様に、無線通信装置12は、タイマ64の計時時間から、接続点から無線端末15に最も近いスロット55までの距離を計算し、無線端末15のID、自己のID、距離データを制御装置17に送信する。
【0029】
制御装置17は、データベースに店舗内における各無線通信装置12,12,12の配置位置及び漏洩同軸ケーブル11,11,11の配置位置が情報として登録されており、無線通信装置12から無線端末15のIDとその無線通信装置12のID及び距離データを受信すると、無線通信装置12の位置を特定できるので、距離データから漏洩同軸ケーブル11上の位置を検出でき、従って、無線端末15の店舗内における位置、すなわち、顧客の位置を検出することができる。こうして、得られた無線端末15のIDとその店舗内の位置情報と時刻をデータベースに登録する。このようにして、制御装置17のデータベースには無線端末15のIDとその店舗内の位置情報と時刻が順次保存されることになる。
【0030】
従って、例えば、一日の業務の終了後に、制御装置17はデータベースから同一IDの位置を読み出すことで店舗内での顧客の移動位置を把握できる。そして、これに時刻を重ね合わせることで時刻の経過とともに顧客が店舗内をどのように移動したかを知ることができる。すなわち、店舗内での顧客の動線を知ることができる。
【0031】
そして、この動線を店舗1のレイアウトとともにディスプレイ85に表示し、また、プリンタ86でプリントアウトすることで顧客がどのように行動して買物を行ったかを確認ができる。このような動線を各顧客について把握することで、顧客の買物における行動パターンを統計的に把握することもできる。
【0032】
このような一連の制御において、各無線通信装置12,12,12は、タイマ64を起動し、それぞれ対応する漏洩同軸ケーブルへIDを信号に付加して高周波信号に変調した信号を送信し、該当する無線端末15からの応答信号を受信すると、無線端末15までの距離を計算し、無線端末のID、自己のIDとともに無線端末までの距離データを制御装置17へ送信する制御を行うことになる。従って、各無線通信装置12,12,12も前述した実施の形態と同様に、構成の簡単化、小型化を図ることができる。また、無線通信装置はそれぞれ商品棚毎に1個ずつ取付けるのみなので、システム全体としても構成が複雑化することはない。
【0033】
また、漏洩同軸ケーブルを商品棚の下部側面に沿って配置し、また、無線端末15を買物カート14の下部前面に取付けているので、漏洩同軸ケーブルと無線端末15を十分に接近させることができ、このため、比較的弱い電波の放射であっても無線端末15と確実に無線通信ができる。従って、無線端末15が他の商品棚に配置した漏洩同軸ケーブルからの電波を受信して応答する確率は低く、精度の高い位置検出ができる。
【0034】
なお、この実施の形態では、漏洩同軸ケーブルを商品棚の下部側面に沿って配置し、無線端末15を買物カート14の下部前面に取付けたが、必ずしもこれに限定するものでないのは勿論である。
【0035】
(第3の実施の形態)
この実施の形態は携帯無線端末が測定した距離データを保存する例について述べる。
すなわち、図9に示すように、各POS端末3を上位機器であるストアコントローラ19に接続している。
【0036】
前記各POS端末3とストアコントローラ18とは商品の登録においては以下のように動作する。
前記各POS端末3は、登録時にはスキャナによって商品に付されたバーコードを読取り、得られる商品コードをストアコントローラ18に問い合わせ、ストアコントローラ18から問い合わせた商品コードに対応する商品名や単価等の情報を受取り、この情報に基づいて登録処理を行う。そして登録の締め操作を行うことで精算処理へ移行し、精算時には、顧客の合計金額をディスプレイに表示させて顧客から金銭等による支払いを受け、この支払いデータを入力する。これにより、レシートが発行され、顧客に手渡す。また、一連の登録データがトランザクションデータとしてストアコントローラ18に送信される。ストアコントローラ18は各POS端末3からトランザクションデータを受信してデータベースに商品毎や部門毎、総売上げ金額や総売上げ点数など編集して集計する。
【0037】
この実施の形態における前記無線通信装置6と携帯無線端末91とのやり取りは図10に示す流れ図に基づいて行われるようになっている。なお、携帯無線端末91の構成は図3と同様である。
【0038】
すなわち、携帯無線端末91は、S41にて、適当な時間間隔で自己のIDを付加した位置情報取得要求信号を配置されている漏洩同軸ケーブル5を経由して無線通信装置6に対して送信する。
【0039】
無線通信装置6は、携帯無線端末91からの位置情報取得要求信号を受信すると、S51にて、測定を開始し、S52にて、タイマ64を起動し、S53にて、受信した携帯無線端末91のIDを信号に付加し、高周波信号に変調して送信する。すなわち、無線通信装置6においては、送信部68で送信信号を高周波信号に変調し、この変調された高周波信号を共用器66、同軸コネクタ65を介して漏洩同軸ケーブル5に送信する。これにより漏洩同軸ケーブル5ではスロット55から電波が一斉に放射される。
【0040】
顧客が所持している携帯無線端末91は、S42にて、受信アンテナ94及び受信部95により無線通信装置6からの信号を受信し復調する。そして、S43にて、受信した信号の宛先が自分のIDか否かを判断し、自分のIDであれば、S44にて、応答信号を送信部97から送信アンテナ96を介して無線通信装置6へ送信する。
【0041】
送信アンテナ96から放射される高周波信号は、漏洩同軸ケーブル5のスロット55を通り、無線通信装置6へ送信される。無線通信装置6は、S54にて、受信部67が信号を受信して復調し、S55にて、MPU61がタイマ64による計時動作を停止させる。そして、MPU61は、S56にて、通信の遅延時間の計算を行う。すなわち、無線通信装置6と携帯無線端末91の信号処理にかかる時間を予め計測しておき、タイマ64の計時時間からこの信号処理に要する時間を差し引くことで通信の遅延時間を求める。そして、漏洩同軸ケーブル5の一端から携帯無線端末91に最も近いスロットまでの距離Lを求める。
【0042】
無線通信装置6は、S57にて、こうして求めた距離とIDと現時刻の情報を、漏洩同軸ケーブル5を経由して携帯無線端末91に送信する。
携帯無線端末91は、S45にて、無線通信装置6からの距離とIDと現時刻の情報を受信し、S46にて、受信した情報をRAM93に格納する。
【0043】
携帯無線端末91は、買物を行っている間、S41〜S46の送受信制御を繰り返す。買物を行った顧客は商品の登録、精算のためにPOS端末3の配置位置へ移動する。顧客がPOS端末3に近づくと、携帯している携帯無線端末91は、S47にて、POS端末3に内蔵されている無線通信装置と無線通信を行い、POS端末を確認し、S48にて、RAM93に格納していた距離とIDと現時刻からなる多数の情報をPOS端末3へ送信する。
【0044】
距離とIDと現時刻からなる多数の情報を受信したPOS端末3は、この情報をメモリに一旦蓄えた後、該当する顧客が購入する商品について登録処理を行う。そして、登録処理、続く精算処理が終了すると、そのトランザクションデータとともに一旦蓄えた情報をストアコントローラ18に送信する。
【0045】
ストアコントローラ18は、受信した距離とIDと現時刻からなる多数の情報と店舗1における漏洩同軸ケーブル5の配置情報や商品棚等の配置情報とから携帯無線端末91のそれぞれの移動位置を把握できる。そして、これに時刻の経過を重ね合わせることで顧客の店舗内での動線を知ることができる。また、受信したトランザクションデータから顧客が購入した各商品を抽出し、その商品の商品棚における陳列位置を特定する。
【0046】
こうして得られた商品の陳列位置と顧客が買物のために移動した位置を重ね合わせることで、顧客がある商品を求めるためにどのような行動を取ったかなどの分析ができ、この情報を売り場の配置や商品の陳列場所を決定するために利用できる。
なお、この実施の形態においても前述した実施の形態と同様、無線通信装置6は構成の簡単化、小型化を図ることができるものである。
【0047】
(第4の実施の形態)
この実施の形態は無線通信装置が受信した距離とIDと現時刻からなる多数の情報を、制御装置を兼用したストアコントローラに送信する例について述べる。
すなわち、図11に示すように、無線通信装置6をストアコントローラ18に接続するとともに各POS端末3も前記ストアコントローラ18に接続している。
【0048】
この構成においては、無線通信装置6は、適当な時間間隔で携帯無線端末9の測定を開始する。そして、測定を開始すると、タイマ64を起動し、測定相手となる携帯無線端末9を特定するIDを信号に付加し、高周波信号に変調して送信する。
顧客が所持している携帯無線端末9は、無線通信装置6からの信号を、漏洩同軸ケーブル5を経由して受信し復調する。そして、受信した信号の宛先が自分のIDであれば、応答信号を無線通信装置6へ送信する。
【0049】
無線通信装置6は、応答信号を受信するとその信号を復調するとともにタイマ64による計時動作を停止させ、通信の遅延時間の計算を行う。そして、漏洩同軸ケーブル5の一端から携帯無線端末9に最も近いスロットまでの距離Lを求める。
【0050】
無線通信装置6は、こうして求めた距離データをIDとともに通信回線10を介してストアコントローラ18に送信する。ストアコントローラ18は、無線通信装置6からの距離データとIDを受信し、距離データと店舗1における漏洩同軸ケーブル5の配置情報や商品棚等の配置情報から携帯無線端末9の位置を求め、ID、位置、時刻の各情報をデータベースに保存する。従って、無線通信装置6が適当な時間間隔で携帯無線端末9と通信を行うことで、ストアコントローラ18のデータベースにはID、位置、時刻からなる情報が順次保存されることになる。
【0051】
一方、買物を行った顧客は商品の登録、精算のためにPOS端末3の配置位置へ移動する。顧客がPOS端末3に近づくと、携帯している携帯無線端末9は、POS端末3に内蔵されている無線通信装置と無線通信を行い、POS端末へIDを送信する。IDを受信したPOS端末3は、このIDをメモリに一旦蓄えた後、該当する顧客が購入する商品について登録処理を行う。そして、登録処理、続く精算処理が終了すると、そのトランザクションデータとともに一旦蓄えた情報をストアコントローラ18に送信する。
【0052】
ストアコントローラ18は、受信したIDを基に該当する位置、時刻からなる情報をデータベースから読み出すことで顧客の移動位置を把握できる。そして、これに時刻の経過を重ね合わせることで顧客の店舗内での動線を知ることができる。また、受信した該当する顧客のトランザクションデータからこの顧客が購入した各商品を抽出し、その商品の商品棚における陳列位置を特定する。
【0053】
こうして得られた商品の陳列位置と顧客が買物のために移動した位置を重ね合わせることで、顧客がある商品を求めるためにどのような行動を取ったかなどの分析ができ、この情報を売り場の配置や商品の陳列場所を決定するために利用できる。
なお、この実施の形態においても前述した実施の形態と同様、無線通信装置6は構成の簡単化、小型化を図ることができるものである。
なお、本発明は、上記各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、店舗内を移動する顧客の位置情報を収集する装置において、無線通信装置の構成を簡単化、小型化できる顧客の位置収集システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1の実施の形態に係る店舗のレイアウトを示す図。
【図2】同実施の形態における漏洩同軸ケーブルの構造を示す図。
【図3】同実施の形態における携帯無線端末の構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態における無線通信装置の構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態における制御装置の構成を示すブロック図。
【図6】同実施の形態における制御装置、無線通信装置及び携帯無線端末の間のやり取りを示す流れ図。
【図7】本発明の、第2の実施の形態に係る要部構成を示す斜視図。
【図8】同実施の形態における店舗のレイアウトを示す図。
【図9】本発明の、第3の実施の形態に係る店舗のレイアウトを示す図。
【図10】同実施の形態における無線通信装置と携帯無線端末とのやり取りを示す流れ図。
【図11】本発明の、第4の実施の形態に係る店舗のレイアウトを示す図。
【符号の説明】
1…店舗、2…商品棚、5…漏洩同軸ケーブル、6…無線通信装置、8…制御装置。

Claims (5)

  1. 店舗の通路に沿って敷設された漏洩ケーブルと、顧客が携行する、識別コードを記録した無線端末と、前記漏洩ケーブルを経由して前記無線端末と所定のタイミングで通信し、通信の遅延時間から前記漏洩ケーブルの前記無線端末と通信している部位までの距離を検出する無線通信装置と、この無線通信装置が検出した通信部位までの距離と予め設定されている店舗内の漏洩ケーブルの配置情報とから前記無線端末を携行する顧客の位置情報を求め、この位置情報を前記無線端末の識別コードとともに記録部に記録する制御装置とを備えたことを特徴とする顧客の位置情報収集システム。
  2. 店舗内に配置した各商品棚の側面に沿ってそれぞれ敷設された複数の漏洩ケーブルと、顧客が携行する、識別コードを記録した無線端末と、前記各漏洩ケーブルを経由して前記無線端末と所定のタイミングで通信し、通信の遅延時間から該当する漏洩ケーブルの前記無線端末と通信している部位までの距離を検出する複数の無線通信装置と、この各無線通信装置が検出した通信部位までの距離と予め設定されている店舗内の漏洩ケーブルの配置情報とから前記無線端末を携行する顧客の位置情報を求め、この位置情報を前記無線端末の識別コードとともに記録部に記録する制御装置とを備えたことを特徴とする顧客の位置情報収集システム。
  3. 複数の漏洩ケーブルを、それぞれ各商品棚の下部側面に沿って敷設し、無線端末を、顧客が手押し移動させる買物カートの下部に配置したことを特徴とする請求項2記載の顧客の位置情報収集システム。
  4. 店舗の通路に沿って敷設された漏洩ケーブルと、顧客が携行する、識別コードを記録した無線端末と、前記漏洩ケーブルを経由して前記無線端末と所定のタイミングで通信し、通信の遅延時間から前記漏洩ケーブルの前記無線端末と通信している部位までの距離を検出する無線通信装置と、顧客の購入する商品を登録処理するとともに登録した商品の精算を行い、かつ顧客が携行する前記無線端末と通信を行う登録精算端末と、この登録精算端末を制御して登録商品の集計を行うストアコントローラとを備え、
    前記無線端末は、前記無線通信装置が検出した通信部位までの距離を所定のタイミングで収集し、前記登録精算端末は、前記無線端末から、識別コードとともにこの無線端末が収集した通信部位までの距離情報を取込み、この取込んだ情報を前記ストアコントローラへ送信し、
    前記ストアコントローラは、受信した識別コードと距離情報と予め設定されている店舗内の漏洩ケーブルの配置情報とから前記無線端末を携行する顧客の位置情報を求め、この位置情報と前記登録精算端末から集計した顧客の登録商品とを識別コードによって照合し、顧客の店舗内における移動と顧客が購入した商品とを結び付けて管理することを特徴とする顧客の位置情報収集システム。
  5. 店舗の通路に沿って敷設された漏洩ケーブルと、顧客が携行する、識別コードを記録した無線端末と、前記漏洩ケーブルを経由して前記無線端末と所定のタイミングで通信し、通信の遅延時間から前記漏洩ケーブルの前記無線端末と通信している部位までの距離を検出する無線通信装置と、この無線通信装置が検出した通信部位までの距離と予め設定されている店舗内の漏洩ケーブルの配置情報とから前記無線端末を携行する顧客の位置情報を求め、この位置情報を前記無線端末の識別コードとともに記録部に記録する制御装置と、顧客の購入する商品を登録処理するとともに登録した商品の精算を行い、かつ顧客が携行する前記無線端末から識別コードを読取る登録精算端末とを備え、
    前記制御装置が記録した顧客の位置情報と前記登録精算端末が登録した顧客の商品とを識別コードによって照合し、顧客の店舗内における移動と顧客が購入した商品とを結び付けて管理することを特徴とする顧客の位置情報収集システム。
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