JP2004312363A - 無線通信用高周波回路およびそれを備えた通信機 - Google Patents

無線通信用高周波回路およびそれを備えた通信機 Download PDF

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誠 武岡
Kenji Fukube
健次 福邊
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Abstract

【課題】アンテナ15の受信信号のパワーレベル調整機能を備えた無線受信側回路部4において、受信信号のパワーレベル調整動作に起因した無線受信側回路部4とアンテナ15側とのインピーダンス不整合の発生を防止する。
【解決手段】無線受信側回路部4の入力部Pin4と、LNA11との間の信号線路部分に線路分断部28を設ける。LNA11の入力インピーダンスと同じインピーダンスを持つインピーダンス付与部29を設ける。また、線路分断部28の入力部側の端部28aを、LNA11側の端部28bとインピーダンス付与部29とのうちの一方に導体により切り換え接続させるスイッチ部30を設ける。スイッチ部30によって、線路分断部28の入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとの間が無線接続に切り換わっても、インピーダンス付与部29によって無線受信側回路部4の入力インピーダンスの変動を抑制できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナの受信信号のパワーを予め定めたレベル範囲内に調整する構成が設けられている無線通信用高周波回路およびそれを備えた通信機に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図6には無線通信用高周波回路の一例がブロック図により通信機に組み込まれた状態で示されている(例えば特許文献1参照)。この無線通信用高周波回路1はFDD(Frequency Division Duplex)方式に適用するものであり、当該無線通信用高周波回路1は、信号合分波回路であるデュプレクサ2と、無線送信側回路部3と、無線受信側回路部4とを有して構成されている。また、無線送信側回路部3は、送信側パワー調整回路部5と、送信側周波数変換回路部6とを有して構成されている。さらに、無線受信側回路部4は、受信側パワー調整回路部7と、帯域制限フィルタ(BPF)8と、受信側周波数変換回路部9とを有して構成され、さらにまた、受信側パワー調整回路部7は、スイッチ部10と、増幅器であるLNA(Low Noise Amplifier(低雑音増幅器))11と、バイパス通路12とを有して構成されている。
【0003】
無線通信用高周波回路1において、無線送信側回路部3と無線受信側回路部4は、共通にデュプレクサ2を介してアンテナ15に接続され、また、無線送信側回路部3と無線受信側回路部4は、それぞれ、無線通信用信号処理部(信号処理部)16に接続されている。
【0004】
無線送信側回路部3においては、無線通信用信号処理部16から無線送信側回路部3に無線送信用の信号が出力されると、その信号は送信側周波数変換回路部6に入力する。送信側周波数変換回路部6は、その無線送信用の信号の周波数を無線通信用に予め設定されている高周波に変換する。送信側パワー調整回路部5はその周波数変換後の無線送信用の信号のパワーを設定のレベルに高める。そのパワーが高められた高周波の無線送信用の信号が無線送信側回路部3からデュプレクサ2を介してアンテナ15に加えられ、当該アンテナ15によって無線送信用の信号が無線により送信される。
【0005】
また、無線受信側回路部4においては、アンテナ15により受信された信号がデュプレクサ2を介して加えられると、その受信信号は受信側パワー調整回路部7に入力する。受信側パワー調整回路部7はその受信信号のパワーを予め定めた設定のレベル範囲内に調整して帯域制限フィルタ8を介し受信側周波数変換回路部9に向けて出力する。受信側周波数変換回路部9は、パワー調整後の受信信号の周波数を高周波から設定の周波数に下げる。その周波数変換後の受信信号が無線受信側回路部4から無線通信用信号処理部16に出力される。
【0006】
ところで、アンテナ15により受信される信号のパワーレベルは様々な原因によって可変する。このため、この例に示す無線受信側回路部4の受信側パワー調整回路部7においては、その利得を変化させる機能を備えている。つまり、受信側パワー調整回路部7には、LNA11の信号入力側と信号出力側を短絡するバイパス通路12が設けられると共に、アンテナ15の受信信号をLNA11に通す経路と、バイパス通路12に通してLNA11に通さない経路とのうちの一方に信号経路を切り換えるスイッチ部10が設けられている。そのスイッチ部10の切り換え動作は例えば通信機の制御装置17によって行われる。
【0007】
例えば、制御装置17は、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベル以下であることを検知している間は、アンテナ15側から無線受信側回路部4に供給された受信信号がLNA11を通るようにスイッチ部10の切り換え動作を制御する。そのLNA11によって受信信号のパワーレベルは増幅されて予め定められた設定のレベル範囲内に調整される。そのパワーレベルが調整された受信信号は帯域制限フィルタ8を介して受信側周波数変換回路部9に出力される。
【0008】
また、制御装置17は、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベルよりも大きいことを検知したときには、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが大きくて増幅する必要がないので、アンテナ15側から無線受信側回路部4に供給された受信信号がLNA11ではなくバイパス通路12を通るようにスイッチ部10の切り換え動作を制御する。この場合には、アンテナ15側から受信側パワー調整回路部7に加えられた受信信号は増幅されずにそのパワーレベルのまま、帯域制限フィルタ8を介して受信側周波数変換回路部9に出力される。
【0009】
図7には別の無線通信用高周波回路の構成例が示されている(例えば特許文献2参照)。この無線通信用高周波回路1はTDD(Time Division Duplex)方式(つまり、送信と受信が設定時間間隔毎に交互に切り換わる方式)に適用するものであり、当該無線通信用高周波回路1においては、無線送信側回路部3と無線受信側回路部4は、送受信の切り換えを行うスイッチアンテナ20を介してアンテナ15に接続されている。なお、図7中の符号21は帯域制限フィルタ(BPF)を示している。
【0010】
この例では、無線送信側回路部3は、図6に示した無線送信側回路部3と同様に、送信側パワー調整回路部5と送信側周波数変換回路部6を有し、無線通信用信号処理部16から加えられた無線送信用の信号は送信側周波数変換回路部6によって高周波に変換され、さらに、送信側パワー調整回路部5によって設定のレベルに高められてアンテナ15に向けて出力される。なお、前記図6の無線通信用高周波回路1はFDD方式に適用するものであり、無線送信側回路部3は無線通信用信号処理部16側から供給される無線送信用の信号に常に対応できる常時動作状態であるのに対して、図7に示す無線通信用高周波回路1はTDD方式に適用するものであり、受信期間中には、制御装置17から無線送信側回路部3に動作休止信号(オフ信号)が加えられて無線送信側回路部3は休止状態となる。
【0011】
図7に示す無線受信側回路部4は、LNA11と帯域制限フィルタ8と受信側周波数変換回路部9を有して構成されている。当該無線受信側回路部4にアンテナ15の受信信号が供給されると、LNA11によって受信信号のパワーレベルが増幅され、このパワーレベル調整後の受信信号は帯域制限フィルタ8を介して受信側周波数変換回路部9に供給され、受信側周波数変換回路部9によって受信信号は周波数変換が成されて設定の周波数に下げられる。
【0012】
この図7の構成では、アンテナ15の受信信号のパワーレベルを調整するために、LNA11だけでなく、アンテナスイッチ20をも利用している。すなわち、制御装置17は、例えば、受信期間中には、無線送信側回路部3を休止状態に制御すると共に、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベル以下であることを検知しているときには、アンテナスイッチ20を受信側に切り換え接続させる。これにより、アンテナ15の受信信号はアンテナスイッチ20の導体を介して直接的に無線受信側回路部4に入力し、その受信信号はLNA11によってパワーレベルが増幅されて帯域制限フィルタ8を介し受信側周波数変換回路部9に供給される。
【0013】
これに対して、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベルよりも大きいことを制御装置17が検知したときには、その受信信号がLNA11によって増幅されてしまうと受信信号のパワーレベルが予め定められた設定のレベル範囲よりも過大となってしまうので、制御装置17は、受信期間中ではあるがアンテナスイッチ20を送信側に切り換え接続させる。これにより、アンテナ15の受信信号は、アンテナスイッチ20において、アンテナ15側から無線受信側回路部4側に無線接続により通電することとなり、受信信号の大きなパワーレベルはアンテナスイッチ20で減衰する。このようにアンテナスイッチ20で減衰させた受信信号をLNA11に入力させることで、受信信号をLNA11によって増幅しても予め定められたレベル範囲内に調整できる。このパワーレベル調整後の受信信号はLNA11から帯域制限フィルタ8を介して受信側周波数変換回路部9に供給される。
【0014】
なお、この図7に示す例では、受信期間中には、無線送信側回路部3は休止状態に制御されるので、アンテナスイッチ20から無線送信側回路部3側を見たときに、無線送信側回路部3の出力部Pout3の出力インピーダンスZout3は非常に高いインピーダンスとなり、送信中とは大きく異なる。その送信期間と受信期間との無線送信側回路部3の出力インピーダンスZout3の変動は無線受信側回路部4に悪影響を及ぼす。このため、この図7に示す構成では、無線送信側回路部3の出力インピーダンスZout3と同じインピーダンスを持つ負荷22を設けると共に、スイッチ部23を設けている。そのスイッチ部23は、無線送信側回路部3の出力部Pout3とアンテナスイッチ20との間の信号線路部分24と、負荷22との接続と非接続の切り換え制御を行うものであり、当該スイッチ部23の切り換え動作は制御装置17によって行われる。
【0015】
つまり、制御装置17は、送信期間中には、信号線路部分24と負荷22が非接続状態となるようにスイッチ部23の切り換え動作を制御し、受信期間中には、信号線路部分24と負荷22が接続状態となるようにスイッチ部23の切り換え動作を制御する。これにより、受信期間中には無線送信側回路部3は休止中であるが、信号線路部分24には、無線送信側回路部3の送信期間中の出力インピーダンスZout3と同じインピーダンスが負荷22によって付与されることとなる。このため、アンテナスイッチ20側から無線送信側回路部3の出力部Pout3を見たときに、その無線送信側回路部3の出力部Pout3における送信期間中と受信期間中のインピーダンス変動を抑制することができる。
【0016】
なお、図7の例では、スイッチ部23は、制御装置17からオン信号が加えられたときに負荷22を信号線路部分24に接続させる構成となっている。また、受信期間中に制御装置17から無線送信側回路部3に加えられる動作休止信号(オフ信号)を利用してスイッチ部23の切り換え動作をも制御するために、この図示の例では、その動作休止信号を反転させてオン信号に変換してスイッチ部23に加えるための信号反転部25が配設されている。さらに、この例では、送信期間中には、制御装置17によって、LNA11は休止状態に制御される。
【0017】
【特許文献1】
特表平10−510965号公報
【特許文献2】
特開平9−261109号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す構成では、無線受信側回路部4の信号の入力部Pin4がスイッチ部10の切り換え動作によってLNA11に接続されている場合と、バイパス通路12に接続されている場合とでは、アンテナ15側から無線受信側回路部4の入力部Pin4を見たときに、その入力部Pin4における入力インピーダンスZin4が変動する。このため、例えば、無線受信側回路部4の入力部Pin4がLNA11に接続されているときに、無線受信側回路部4とアンテナ15側との整合状態が良好でも、スイッチ部10によって無線受信側回路部4の入力部Pin4がLNA11からバイパス通路12に切り換え接続すると、無線受信側回路部4の入力インピーダンスZin4が変動するので、無線受信側回路部4とアンテナ15側との整合状態が悪化してしまう。これにより、アンテナ15による送信の特性が劣化してしまうという問題が生じる。
【0019】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、アンテナの受信信号のパワーレベルを調整する機能を備えた無線受信側回路部が設けられている場合に、その受信信号のパワーレベル調整動作に起因して無線受信側回路部とアンテナ側とのインピーダンス不整合の発生を防止できる無線通信用高周波回路およびそれを備えた通信機を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明の無線通信用高周波回路は、アンテナにより受信された信号のパワーを予め定められたレベル範囲内に調整して無線通信用信号処理部に向けて出力する無線受信側回路部を備えた無線通信用高周波回路において、無線受信側回路部は、アンテナに接続する入力部と、無線通信用信号処理部に接続する出力部と、それら入力部と出力部との間を接続する信号線路と、この信号線路に介設されアンテナの受信信号のパワーを増幅する増幅器とを有すると共に、増幅器と入力部との間の信号線路部分に設けられた線路分断部と、信号線路と間隔を介して配置され増幅器の入力インピーダンスと同じインピーダンスを持つインピーダンス付与部と、線路分断部の入力部側の端部を増幅器側の端部とインピーダンス付与部とのうちの一方に導体により切り換え接続させるスイッチ部とを有しており、線路分断部とインピーダンス付与部とスイッチ部は、線路分断部の入力部側の端部と増幅器側の端部とを導体接続と無線接続とのうちの一方に切り換えて増幅器に入力する受信信号のパワーレベルを可変して無線受信側回路部全体の利得を可変する利得可変回路を構成していることを特徴としている。また、この発明の通信機は、この発明において特有な構成を持つ無線通信用高周波回路が設けられていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1には第1実施形態例の通信機において特有な無線通信用高周波回路がアンテナと無線通信用信号処理部(信号処理部)と制御装置と共に表されている。なお、この第1実施形態例の説明において、図6や図7に図示した構成と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0023】
第1実施形態例の通信機はFDD方式に適用するものであり、この通信機において特徴的な無線通信用高周波回路1は、無線送信側回路部3と無線受信側回路部4をデュプレクサ2を介してアンテナ15に接続させる構成を有し、その無線受信側回路部4を構成する受信側パワー調整回路部7が特有な構成を備えている。
【0024】
すなわち、第1実施形態例では、無線受信側回路部4において、デュプレクサ2を介してアンテナ15に接続する入力部Pin4と、無線通信用信号処理部16に接続する出力部Pout4と、それら入力部Pin4と出力部Pout4との間を接続する信号線路26とが設けられている。その信号線路26には、アンテナ15(デュプレクサ2)側から、受信側パワー調整回路部7を構成するLNA11と、帯域制限フィルタ8と、受信側周波数変換回路部9とが順に介設されている。また、その信号線路26には、無線受信側回路部4の入力部Pin4と、LNA11との間となる線路部分に、線路分断部28が設けられている。
【0025】
さらに、第1実施形態例では、受信側パワー調整回路部7において、インピーダンス付与部29と、スイッチ部30とが設けられている。インピーダンス付与部29は、信号線路26と間隔を介して配置されており、当該インピーダンス付与部29は、LNA11の入力インピーダンスと同じインピーダンスを信号線路26に付与できるものである。スイッチ部30は、線路分断部28の入力部側の端部28aを、LNA11側の端部28bとインピーダンス付与部29とのうちの一方側に導体により切り換え接続させるものである。
【0026】
そのスイッチ部30の切り換え動作は、通信機の制御装置17により制御される。例えば、制御装置17は、アンテナ15の受信信号のパワーレベルと予め定められた設定レベルとを比較する比較部を有し、この比較部の比較結果により、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベル以下であることを検知しているときには、線路分断部28の入力部側の端部28aがLNA11側の端部28bと導体によって接続するようにスイッチ部30の切り換え動作を制御する。この場合には、アンテナ15からデュプレクサ2を介して無線受信側回路部4に供給された受信信号は、その線路分断部28の導体を介した接続部分(導体接続部分)を通ってLNA11に入力する。そして、LNA11によって受信信号のパワーは増幅して設定のレベル範囲内に調整され、当該受信信号は帯域制限フィルタ8を介して受信側周波数変換回路部9に加えられる。そして、その受信信号は受信側周波数変換回路部9によって設定の周波数に下げられて無線通信用信号処理部16に出力される。
【0027】
また、制御装置17は、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベルよりも大きいことを検知しているときには、その受信信号をLNA11によって増幅してしまうと設定のレベル範囲よりも受信信号のパワーレベルが過大となってしまうので、それを防止するために次に示すような制御動作を行う。つまり、制御装置17は、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベルよりも大きいことを検知しているときには、線路分断部28の入力部側の端部28aがインピーダンス付与部29に接続するようにスイッチ部30の切り換え動作を制御する。この場合には、アンテナ15側からの受信信号は、線路分断部28における入力部側の端部28aと、LNA11側の端部28bとの間の無線接続によりLNA11に入力する。その無線接続によって受信信号のパワーは減衰し、当該減衰した受信信号がLNA11に入力することになる。LNA11はその減衰した受信信号を増幅するので受信信号のパワーレベルを設定のレベル範囲内に調整できる。
【0028】
第1実施形態例では、線路分断部28と、インピーダンス付与部29と、スイッチ部30は、線路分断部28の入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとを導体接続と無線接続とのうちの一方に切り換えて、LNA11に入力する受信信号のパワーレベルを可変することで受信側パワー調整回路部7全体の利得を可変する利得可変回路32を構成している。
【0029】
ところで、仮に、インピーダンス付与部29が設けられていないものとし、スイッチ部30は、線路分断部28における入力部側の端部28aと、LNA11側の端部28bとの間を、オンして導体接続させる状態と、オフして無線接続させる状態とを切り換えるだけの構成としたとする。この場合、デュプレクサ2から無線受信側回路部4の入力部Pin4を見たときに、その無線受信側回路部4の入力インピーダンスZin4は、スイッチ部30がオンしたときには例えば50Ωであるのに対して、スイッチ部30がオフしたときにはオープンとなる。このように、無線受信側回路部4の入力インピーダンスZin4が、スイッチ部30のオン時とオフ時で互いに異なるインピーダンス値を持つことになる。このため、例えば、スイッチ部30がオンしているときには無線受信側回路部4とデュプレクサ2とは良好に整合している状態であるが、スイッチ部30がオフすると、無線受信側回路部4とデュプレクサ2とはインピーダンス不整合状態になるというような事態が発生してしまう。
【0030】
これに対して、この第1実施形態例では、線路分断部28における入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとの間を無線接続させる場合には、スイッチ部30によって、線路分断部28の入力部側の端部28aはインピーダンス付与部29に導体を介して接続する構成とした。そのインピーダンス付与部29は、LNA11の入力インピーダンスと同じインピーダンスを持つものであるので、スイッチ部30の切り換え動作によって線路分断部28の入力部側の端部28aがLNA11側の端部28bと無線接続状態となっている場合には、インピーダンス付与部29との導体接続によってその線路分断部28の入力部側の端部28aにはLNA11の入力インピーダンスと同じインピーダンスが付与されることになる。これにより、無線受信側回路部4の入力部Pin4における入力インピーダンスZin4は、スイッチ部30の切り換え動作によって線路分断部28の入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとが導体接続状態となっても、無線接続状態となっても、変動せず、安定化する。これにより、アンテナ15(デュプレクサ2)は、スイッチ部30の切り換え動作に関係なく、常に無線受信側回路部4と整合状態を維持することができる。また、そのように無線受信側回路部4の入力インピーダンスZin4の変動を抑制できるので、アンテナ15は、その受信側のインピーダンス変動の悪影響を受けずに良好に信号の送信を行うことができることとなり、送信特性の劣化を回避できる。
【0031】
また、無線送信側回路部3からデュプレクサ2を介して無線送信用の信号の一部が無線受信側回路部4に入り込む場合がある。この第1実施形態例では、無線受信側回路部4の信号線路26には線路分断部28とスイッチ部30が設けられ、そのスイッチ部30の切り換え動作によって、線路分断部28の入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとの間を無線接続状態にできる。このため、そのように線路分断部28の入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとの間が無線接続状態となっている場合には、無線送信用の信号の一部が無線受信側回路部4に入り込んだとしても、その無線送信用の信号は線路分断部28の無線接続によって減衰し、LNA11側に達する無線送信用の信号のレベルを小さくできる。
【0032】
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0033】
この第2実施形態例の通信機はTDD方式に適用するものであり、この通信機の無線通信用高周波回路1は、図2に示されるように、無線送信側回路部3と無線受信側回路部4をアンテナ送受信切り換えスイッチであるアンテナスイッチ20を介してアンテナ15に接続する構成を有する。そのアンテナスイッチ20の切り換え動作は通信機の制御装置17によって制御される。例えば、制御装置17によって、送信期間には、アンテナ15が無線送信側回路部3に導体接続するようにアンテナスイッチ20が切り換えられ、受信期間には、アンテナ15が無線受信側回路部4に導体接続するようにアンテナスイッチ20が切り換えられる。
【0034】
この第2実施形態例では、無線送信側回路部3は第1実施形態例に示した無線送信側回路部3と同様な構成を有する。また、無線受信側回路部4も第1実施形態例に示した無線受信側回路部4と同様な構成を有する。つまり、無線受信側回路部4は、この第2実施形態例においても、受信側パワー調整回路部7と帯域制限フィルタ8と受信側周波数変換回路部9を有し、その受信側パワー調整回路部7には、増幅器であるLNA11に加えて、線路分断部28とインピーダンス付与部29とスイッチ部30から成る利得可変回路32が設けられている。この利得可変回路32のスイッチ部30の切り換え動作は、第1実施形態例と同様に制御装置17により制御される。
【0035】
この第2実施形態例においても、第1実施形態例と同様の利得可変回路32を設けたので、アンテナ15の受信信号のパワーレベルに応じて受信側パワー調整回路部7の利得を可変することができて、アンテナ15の受信信号のパワーレベルを設定レベル範囲内に調整することができる。また、受信側パワー調整回路部7の利得を可変しても、無線受信側回路部4の入力インピーダンスZin4の変動を抑制することができる。このため、その入力インピーダンスZin4の変動に起因した問題(例えば、アンテナ15と無線受信側回路部4との不整合の問題や、アンテナ15の送信特性の劣化問題など)の発生を回避することができる。さらに、送信期間中に、アンテナスイッチ20のアイソレーション特性によって、無線送信用の信号の一部がアンテナスイッチ20の送信側から受信側に無線接続によって無線受信側回路部4に入り込んだとしても、送信期間中にはスイッチ部30の切り換え動作によって線路分断部28の入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとの間は無線接続状態となるため、その無線送信用の信号は線路分断部28の無線接続によって減衰し、LNA11側に達する無線送信用の信号のレベルを小さくできる。
【0036】
以下に、第3実施形態例を説明する。なお、この第3実施形態例の説明において、第1や第2の各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0037】
この第3実施形態例の通信機では、図3に示すように、無線通信用高周波回路1は第2実施形態例に示した構成と同様な構成を備えており、当該無線通信用高周波回路1のLNA11とアンテナスイッチ20とスイッチ部30のそれぞれの動作の制御に特徴がある。
【0038】
すなわち、この第3実施形態例では、制御装置17は、アンテナスイッチ20には制御信号1を、また、スイッチ部30には制御信号2を、さらに、LNA11には制御信号3を、それぞれ、加えるというように、アンテナスイッチ20とスイッチ部30とLNA11のそれぞれに別々の制御信号1,2,3を加えてアンテナスイッチ20とスイッチ部30とLNA11のそれぞれの動作を後述するような制御ルールに従って制御する。
【0039】
また、この第3実施形態例では、アンテナスイッチ20は、制御装置17から加えられる制御信号1(パルス信号)がHiレベルのときにはアンテナ15を無線送信側回路部3に導体接続させる送信側に切り換え、制御信号1がLレベルのときには無線受信側回路部4に導体接続させる受信側に切り換える。スイッチ部30は、制御装置17から加えられる制御信号2(パルス信号)がHiレベルのときには線路分断部28の入力部側の端部28aをLNA11側の端部28bに導体接続させるLNA11側に切り換え、制御信号2がLレベルのときには線路分断部28の入力部側の端部28aをインピーダンス付与部29に導体接続させるインピーダンス付与部29側に切り換える。LNA11は、制御装置17から加えられる制御信号3(パルス信号)がHiレベルのときには動作可能な状態(電源電力が供給されている状態)となり、制御信号3がLレベルのときには休止状態(電源電力の供給が無い状態)となる。
【0040】
この第3実施形態例では、制御装置17は、表1にまとめられているような制御ルールに従って制御信号1,2,3の各々のレベルを制御して、LNA11とアンテナスイッチ20とスイッチ部30をそれぞれ制御する。
【0041】
【表1】
Figure 2004312363
【0042】
つまり、この第3実施形態例では、通信機はTDD方式により通信動作を行うものであり、予め定められた時間間隔毎に送信と受信が切り換えられる。制御装置17は、送信期間中には、表1に示されるように、制御信号1をHiレベルにしてアンテナスイッチ20を送信側に切り換えた状態とし、また、制御信号2をLレベルにしてスイッチ部30をインピーダンス付与部29側に切り換えた状態とし、さらに、制御信号3をLレベルにしてLNA11を休止状態にする。なお、この第3実施形態例では、制御装置17からアンテナスイッチ20に加えられる制御信号1と同じ制御信号1が無線送信側回路部3にも供給される構成となっており、無線送信側回路部3は、Hiレベルの制御信号1が加えられると、動作状態となる。
【0043】
このような制御動作によって、送信期間中には、無線通信用信号処理部16から出力された無線送信用の信号は、無線送信側回路部3によって周波数変換とパワーレベル調整が行われ、設定パワーレベルを持つ設定周波数(高周波)の無線送信用の信号が無線送信側回路部3からアンテナスイッチ20と帯域制限フィルタ21を介してアンテナ15に向けて出力される。このとき、アンテナスイッチ20のアイソレーション特性によって、無線送信用の信号の一部がアンテナスイッチ20の送信側から受信側に無線接続によって無線受信側回路部4に入り込む場合がある。第3実施形態例では、送信期間中にはスイッチ部30の切り換え動作によって線路分断部28の入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとの間は無線接続状態となる。このため、無線受信側回路部4に入り込んだ無線送信用の信号は線路分断部28の無線接続によって減衰し、LNA11側に達する無線送信用の信号のレベルは小さいものとなる。
【0044】
表1に示されるように、制御装置17は、受信期間中に、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベル以下である場合(受信モードLのとき)には、制御信号1をLレベルにしてアンテナスイッチ20を受信側に切り換えた状態とし、また、制御信号2をHiレベルにしてスイッチ部30をLNA11側に切り換えた状態とし、さらに、制御信号3をHiレベルにしてLNA11を動作状態にする。なお、無線送信側回路部3は、受信期間中には、Lレベルの制御信号1によって休止状態となる。
【0045】
この受信モードL中には、アンテナ15から無線受信側回路部4に加えられた受信信号は、LNA11に加えられ当該LNA11によって増幅されて設定のパワーレベル範囲内に調整され、当該パワーレベル調整後の受信信号が無線通信用信号処理部16に向けて出力される。
【0046】
さらに、制御装置17は、受信期間中に、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが設定レベルよりも高くなった場合(受信モードHのとき)には、制御信号2をLレベルにしてスイッチ部30をインピーダンス付与部29側に切り換えた状態とする。また、この受信モードHのときにも受信モードLのときと同様に、制御装置17は、制御信号1をLレベルにしてアンテナスイッチ20を受信側に切り換えた状態とし、また、制御信号3をHiレベルにしてLNA11を動作状態にする。なお、この受信モードHの受信期間中においても、受信モードLのときと同様に、無線送信側回路部3は、Lレベルの制御信号1によって休止状態となる。
【0047】
この受信モードH中には、アンテナ15から無線受信側回路部4に加えられた受信信号は、パワーレベルが大きすぎてそのままLNA11で増幅してしまうと設定のパワーレベル範囲よりも過大となってしまうので、線路分断部28の入力部側の端部28aとLNA11側の端部28bとの間の無線接続によって受信信号を減衰させてからLNA11に入力させる。その減衰した受信信号がLNA11によって増幅されて設定のパワーレベル範囲内に調整される。そして、無線受信側回路部4から、設定のパワーレベルを持つ設定の周波数の受信信号が、無線通信用信号処理部16に向けて出力する。
【0048】
この第3実施形態例の構成を備えることによって、第1や第2の各実施形態例と同様の効果を得ることができる。
【0049】
以下に、第4実施形態例を説明する。なお、この第4実施形態例の説明において、第1〜第3の各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0050】
この第4実施形態例では、図4に示されるように、第3実施形態例と同様に通信機はTDD方式に適用するものであり、無線送信側回路部3と無線受信側回路部4がアンテナ送受信切り換えスイッチであるアンテナスイッチ20と帯域制限フィルタ21を介してアンテナ15に接続される。また、第4実施形態例では、無線受信側回路部4には、第1〜第3の各実施形態例と同じ構成の受信側パワー調整回路部7が設けられている。
【0051】
この第4実施形態例では、第3実施形態例よりも少ない数の制御信号1,2でもって、アンテナスイッチ20とスイッチ部30とLNA11と無線送信側回路部3のそれぞれの動作制御が可能となっている。つまり、制御信号1のレベルを反転させ当該レベル反転後の制御信号1をLNA11に加える信号反転部34が設けられている。これにより、制御信号1によってアンテナスイッチ20と無線送信側回路部3とLNA11のそれぞれの動作の制御が可能となっている。このため、第3実施形態例に示した制御信号3を省略できている。
【0052】
表2には第4実施形態例における制御信号1,2の制御装置17によるレベル制御のルールがまとめられて表されている。この表2に示されているルールに従って制御装置17が制御信号1,2のそれぞれのレベルを制御することで、第4実施形態例に示す無線通信用高周波回路1は、第3実施形態例と同じ動作を行うことができる。
【0053】
【表2】
Figure 2004312363
【0054】
第4実施形態例においても、第1〜第3の各実施形態例と同様の優れた効果を奏することができる。また、第3実施形態例よりも少ない数の制御信号で無線通信用高周波回路1の動作を制御することができるので、制御装置17の制御構成の簡略化を図ることができる。
【0055】
以下に、第5実施形態例を説明する。なお、この第5実施形態例の説明において、第1〜第4の各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0056】
この第5実施形態例では、図5に示されるように、通信機はTDD方式に適用するものである。この第5実施形態例の無線通信用高周波回路1は、第2〜第4の実施形態例の何れか1つに示した構成に加えて、無線送信側回路部3とアンテナスイッチ20との間の送信側信号線路35に、送信側線路分断部36が介設されている。また、その送信側信号線路35と間隔を介して送信側インピーダンス付与部38が設けられている。この送信側インピーダンス付与部38は、無線送信側回路部3の出力部Pout3の出力インピーダンスZout3と同じインピーダンスを送信側信号線路35に付与することができるものである。
【0057】
さらに、スイッチ部37が設けられている。このスイッチ部37は、送信側線路分断部36におけるアンテナ15側(アンテナスイッチ20側)の端部36aを、無線送信側回路部3側の端部36bと送信側インピーダンス付与部38とのうちの何れか一方に導体により切り換え接続させる構成を備えている。このスイッチ部37の切り換え動作は制御装置17によって次に示すように制御される。
【0058】
つまり、制御装置17は、送信期間中には、送信側線路分断部36のアンテナ15側の端部36aが無線送信側回路部3側の端部36bに導体により接続するようにスイッチ部37の切り換え動作を制御する。これにより、無線送信側回路部3から出力された無線送信用の信号は、その送信側線路分断部36のアンテナ15側の端部36aと無線送信側回路部3側の端部36bとの間の導体接続部分を通り、アンテナスイッチ20と帯域制限フィルタ21を介してアンテナ15に加えられる。
【0059】
また、制御装置17は、受信期間中には、送信側線路分断部36のアンテナ15側の端部36aが送信側インピーダンス付与部38に導体により接続するようにスイッチ部37の切り換え動作を制御する。例えば、受信期間中には、アンテナ15の受信信号の一部がアンテナスイッチ20のアイソレーション特性により無線送信側回路部3側に入り込む場合があるが、この第5実施形態例では、制御装置17によるスイッチ部37の切り換え動作によって、送信側線路分断部36のアンテナ15側の端部36aと無線送信側回路部3側の端部36bとの間は無線接続状態となるため、無線送信側回路部3側に入り込んだ受信信号はその無線接続により減衰する。
【0060】
また、TDD方式の通信機では、受信期間中には、無線送信側回路部3を休止状態(電源電力の供給が無い状態)に制御する場合がある。この場合、無線送信側回路部3の出力インピーダンスZout3は、送信期間中には例えば50Ωであるのに、受信期間中には非常に高いインピーダンスとなるというように、送信期間中と受信期間中とで互いに異なるインピーダンス値を持つことになる。その無線送信側回路部3の出力インピーダンスZout3の変動は、アンテナ15側(アンテナスイッチ20側)と無線送信側回路部3との不整合を招き、アンテナ15の受信特性に悪影響を与える虞がある。
【0061】
これに対して、この第5実施形態例では、受信期間中には、送信側線路分断部36のアンテナ15側の端部36aには送信側インピーダンス付与部38が導体により接続されて、無線送信側回路部3の送信期間中の出力インピーダンスZout3と同じインピーダンスを送信側インピーダンス付与部38から送信側線路分断部36のアンテナ15側の端部36aに付与することができる。このため、アンテナスイッチ20から無線送信側回路部3側を見たときに、送信期間中と受信期間中の何れの場合であっても無線送信側回路部3の出力インピーダンスZout3を見かけ上同じにすることができて、アンテナ15側(アンテナスイッチ20側)と無線送信側回路部3との不整合を回避することができる。
【0062】
なお、この発明は第1〜第5の各実施形態例に示した構成に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1〜第5の各実施形態例では、受信側パワー調整回路部7には、利得可変回路32が1つしか配設されていなかったが、例えば、アンテナ15の受信信号のパワーレベルの変動範囲が非常に広い場合には無線受信側回路部4の入力部Pin4とLNA11間の信号線路部分に複数の利得可変回路32を介設してもよい。この場合には、それら各々の利得可変回路32のスイッチ部30の切り換え動作をそれぞれ個別に制御することによって、受信側パワー調整回路部7の利得を複数段階で可変することが可能となる。
【0063】
また、第2〜第5の各実施形態例では、スイッチ部30の切り換え動作だけで受信信号に対する無線通信用高周波回路1の利得を可変していたが、例えば、TDD方式の通信機の場合には、アンテナスイッチ20の切り換え動作をも利用して、受信信号に対する無線通信用高周波回路1の利得を可変する構成としてもよい。具体例を挙げると、例えば、受信期間中に、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが予め設定されたレベルVsh以下である場合には、第2〜第5の各実施形態例と同様に、制御装置17によって、アンテナスイッチ20は受信側に切り換えられた状態に制御され、スイッチ部30はLNA11側に切り換えられた状態に制御される。また、アンテナ15の受信信号のパワーレベルがその設定のレベルVshよりも大きい場合には、制御装置17によって、スイッチ部30はインピーダンス付与部29側に切り換えられた状態に制御される。これにより、受信信号は、線路分断部28により減衰してからLNA11によって増幅されて設定のレベル範囲内に調整される。
【0064】
一方、受信期間中に、アンテナ15の受信信号のパワーレベルが、前記設定レベルVshよりも大きい設定レベルVsh’を越えたときには、受信期間中ではあるがアンテナスイッチ20を送信側に切り換えた状態に制御する。これにより、アンテナ15の非常に大きなパワーレベルを持つ受信信号は、アンテナスイッチ20で減衰し、さらに、無線送信側回路部3の線路分断部28で減衰して、LNA11に入力することになる。そのようにアンテナスイッチ20と線路分断部28の2段構成でアンテナ15の受信信号を減衰させることで、受信信号をLNA11によって増幅しても当該増幅後の受信信号のレベルが設定のレベル範囲よりも大きくなってしまうことを防止でき、受信信号のパワーレベルを設定のレベル範囲内に調整することができる。なお、受信期間中に、アンテナスイッチ20を送信側に切り換える構成とする場合には、第5実施形態例に特有な構成を備えることが好ましい。つまり、アンテナスイッチ20と無線送信側回路部3間の送信側信号線路35に送信側線路分断部36を設けると共に、スイッチ部37と送信側インピーダンス付与部38を設ける。そして、受信期間中には、スイッチ部37が送信側インピーダンス付与部38側に切り換わっている状態に制御して、受信信号がアンテナスイッチ20側から無線送信側回路部3側に入り込むことを防止する。
【0065】
【発明の効果】
この発明によれば、無線受信側回路部の入力部と増幅器との間の信号線路部分には線路分断部が設けられており、スイッチ部の切り換え動作によってその線路分断部の入力部側の端部と増幅器側の端部とを導体接続と無線接続とのうちの一方に切り換えて増幅器に入力する受信信号のパワーレベルを可変することで無線受信側回路部全体の利得を可変する構成とした。また、この発明では、線路分断部の入力部側の端部と増幅器側の端部とが無線接続の状態となっているときには、スイッチ部によって、線路分断部の入力部側の端部はインピーダンス付与部に導体により接続するので、当該線路分断部の入力部側の端部には、そのインピーダンス付与部から増幅器の入力インピーダンスと同じインピーダンスを付与することができる。このため、線路分断部の入力部側の端部と増幅器側の端部とが、導体接続の状態であっても、無線接続の状態であっても、無線受信側回路部の入力インピーダンスを同じインピーダンス値に安定化させることができる。
【0066】
つまり、無線受信側回路部の利得可変動作に起因した無線受信側回路部の入力インピーダンスの変動を抑制することができるので、無線受信側回路部とアンテナ側とのインピーダンス不整合を回避することができる。これにより、その受信側のインピーダンス不整合に起因した送信特性の劣化を防止することができる。
【0067】
無線受信側回路部において、入力部と増幅器との間の信号線路部分に、線路分断部とインピーダンス付与部とスイッチ部から成る利得可変回路が複数介設されている場合には、無線受信側回路部側とアンテナ側とのインピーダンス不整合を防止しながら、無線受信側回路部全体の利得を複数段階でもって可変することが可能となる。
【0068】
さらに、無線送信側回路部が設けられており、無線送信側回路部から出力した無線送信用の信号をアンテナに導くための送信側信号線路には送信側線路分断部が設けられており、スイッチ部の切り換え動作によってその送信側線路分断部のアンテナ側の端部と無線送信側回路部側の端部との間の導体による接続と非接続とが切り換えられる構成を備えた発明にあっては、例えば、TDD方式の通信機、つまり、アンテナ送受信切り換えスイッチが設けられている通信機において、受信期間中に、送信側線路分断部のアンテナ側の端部と無線送信側回路部側の端部との間を導体により接続しないことによって、アンテナ側からアンテナ送受信切り換えスイッチを通って送信側に入り込んでしまったアンテナの受信信号の一部をその送信側線路分断部で減衰させることができる。
【0069】
その上、この発明では、送信側線路分断部のアンテナ側の端部と無線送信側回路部側の端部との間が導体により接続されていないときには、スイッチ部の切り換え動作によって送信側線路分断部のアンテナ側の端部には送信側インピーダンス付与部から無線送信側回路部の出力インピーダンスと同じインピーダンスを付与することができるので、アンテナ送受信切り換えスイッチ側から無線送信側回路部側を見たときのインピーダンスの変動を抑制することができる。これにより、アンテナ側と無線送信側回路部側とのインピーダンス不整合を防止できる。また、送信側のインピーダンス変動に起因した受信特性の劣化を回避することができる。
【0070】
この発明において特有な構成は、TDD方式の通信機(つまり、アンテナ送受信切り換えスイッチが設けられている通信機)に組み込まれる無線通信用高周波回路にも、FDD方式の通信機(つまり、アンテナが信号合分波回路を介して無線送信側回路部と無線受信側回路部に接続されている通信機)にも、非常に有効な構成である。
【0071】
また、アンテナ送受信切り換えスイッチが設けられている通信機にあっては、アンテナ送受信切り換えスイッチの切り換え動作と、無線受信側回路部のスイッチ部の切り換え動作とをそれぞれ別々の制御信号によって制御することによって、それらアンテナ送受信切り換えスイッチと、無線受信側回路部のスイッチ部とを個別に制御することが可能となり、それらスイッチの制御の新たな展開を図ることが容易となる。
【0072】
さらに、この発明では、無線受信側回路部における線路分断部の入力側の端部をインピーダンス付与部側に切り換えることによって、無線送信側回路部側からアンテナ送受信切り換えスイッチや信号合分波回路を介して無線受信側回路部側に入り込んでしまった無線送信用の不要な信号を線路分断部で減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例を説明するためのブロック構成図である。
【図2】第2実施形態例を説明するためのブロック構成図である。
【図3】第3実施形態例を説明するためのブロック構成図である。
【図4】第4実施形態例を説明するためのブロック構成図である。
【図5】第5実施形態例を説明するためのブロック構成図である。
【図6】特許文献1に記載の無線通信用高周波回路の一つを説明するためのブロック図である。
【図7】特許文献2に記載の無線通信用高周波回路の一つを説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 無線通信用高周波回路
2 デュプレクサ
3 無線送信側回路部
4 無線受信側回路部
11 LNA
15 アンテナ
16 無線通信用信号処理部
17 制御装置
20 アンテナスイッチ
28 線路分断部
29 インピーダンス付与部
30,37 スイッチ部
35 送信側信号線路
36 送信側線路分断部
38 送信側インピーダンス付与部

Claims (7)

  1. アンテナにより受信された信号のパワーを予め定められたレベル範囲内に調整して無線通信用信号処理部に向けて出力する無線受信側回路部を備えた無線通信用高周波回路において、無線受信側回路部は、アンテナに接続する入力部と、無線通信用信号処理部に接続する出力部と、それら入力部と出力部との間を接続する信号線路と、この信号線路に介設されアンテナの受信信号のパワーを増幅する増幅器とを有すると共に、増幅器と入力部との間の信号線路部分に設けられた線路分断部と、信号線路と間隔を介して配置され増幅器の入力インピーダンスと同じインピーダンスを持つインピーダンス付与部と、線路分断部の入力部側の端部を増幅器側の端部とインピーダンス付与部とのうちの一方に導体により切り換え接続させるスイッチ部とを有しており、線路分断部とインピーダンス付与部とスイッチ部は、線路分断部の入力部側の端部と増幅器側の端部とを導体接続と無線接続とのうちの一方に切り換えて増幅器に入力する受信信号のパワーレベルを可変して無線受信側回路部全体の利得を可変する利得可変回路を構成していることを特徴とする無線通信用高周波回路。
  2. 無線受信側回路部において、入力部と増幅器間の信号線路部分には、線路分断部とインピーダンス付与部とスイッチ部から成る利得可変回路が複数介設されていることを特徴とする請求項1記載の無線通信用高周波回路。
  3. 無線送信用の信号のパワーを予め定めたレベルまで高めてアンテナに向けて出力する無線送信側回路部と、この無線送信側回路部から出力した無線送信用の信号をアンテナに導くための送信側信号線路と、この送信側信号線路に介設された送信側信号線路分断部と、送信側信号線路と間隔を介して配置され無線送信側回路部の出力インピーダンスと同じインピーダンスを持つ送信側インピーダンス付与部と、送信側信号線路分断部のアンテナ側の端部を無線送信側回路部側の端部とインピーダンス付与部とのうちの一方に導体により切り換え接続させるスイッチ部とが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の無線通信用高周波回路。
  4. アンテナにより受信された信号のパワーを予め定められたレベル範囲内に調整して無線通信用信号処理部に向けて出力する無線受信側回路部と、無線送信用の信号のパワーを予め定めたレベルまで高めてアンテナに向けて出力する無線送信側回路部とを有し、それら無線受信側回路部および無線送信側回路部を信号合分波回路を介してアンテナに接続させる構成を備えた無線通信用高周波回路が設けられている通信機において、無線通信用高周波回路は請求項1又は請求項2又は請求項3記載の無線通信用高周波回路の構成を有していることを特徴とする通信機。
  5. アンテナにより受信された信号のパワーを予め定められたレベル範囲内に調整して無線通信用信号処理部に向けて出力する無線受信側回路部と、無線送信用の信号のパワーを予め定めたレベルまで高めてアンテナに向けて出力する無線送信側回路部と、アンテナを無線受信側回路部と無線送信側回路部との一方に切り換え接続させるアンテナ送受信切り換えスイッチ部とを有した無線通信用高周波回路が設けられている通信機において、無線通信用高周波回路は請求項1又は請求項2又は請求項3記載の無線通信用高周波回路の構成を有することを特徴とする通信機。
  6. アンテナ送受信切り換えスイッチ部の切り換え動作と、無線受信側回路部のスイッチ部の切り換え動作とを予め定められたルールに従って制御する制御装置が設けられており、この制御装置は、アンテナ送受信切り換えスイッチ部と、無線受信側回路部のスイッチ部とをそれぞれ別々の制御信号によって制御することを特徴とする請求項5記載の通信機。
  7. 制御装置は、アンテナ送受信切り換えスイッチ部によってアンテナが無線送信側回路部に導体接続されている送信中には、無線受信側回路部のスイッチ部を制御して線路分断部の入力部側の端部をインピーダンス付与部に導体接続させる構成と成し、無線送信側回路部側からアンテナ送受信切り換えスイッチ部を介して無線受信側回路部側に入り込んでしまった無線送信用の不要な信号を線路分断部で減衰させることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の通信機。
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