JP2004311242A - 燃料電池ボックス換気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】換気ファンを用いずに燃料電池ボックスの換気ができるようにする。
【解決手段】アノードに燃料ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池2が収納された燃料電池ボックス3の換気を行う燃料電池ボックス換気装置1であって、ノズルから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出するエゼクタ10Aを備え、前記カソードに供給される空気の一部を前記第1の流体としてエゼクタ10Aに供給し、外気を前記第2の流体として吸引し、このエゼクタ10Aから流出する前記空気と前記外気の混合空気を燃料電池ボックス3に導入して換気を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】アノードに燃料ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池2が収納された燃料電池ボックス3の換気を行う燃料電池ボックス換気装置1であって、ノズルから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出するエゼクタ10Aを備え、前記カソードに供給される空気の一部を前記第1の流体としてエゼクタ10Aに供給し、外気を前記第2の流体として吸引し、このエゼクタ10Aから流出する前記空気と前記外気の混合空気を燃料電池ボックス3に導入して換気を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料ガスと空気を反応ガスとして発電する燃料電池のボックス換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アノードに燃料ガスとして例えば水素ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池を備えた燃料電池システムでは、一般に、密閉されたボックス(以下、燃料電池ボックスという)の中に燃料電池を収納し、さらに、この燃料電池ボックス内に外気を導入して換気することで、万が一に燃料電池から水素漏洩があったとしても、燃料電池ボックス内の水素濃度を所定濃度以下に保持できるようにしている。(例えば、特許文献1参照)。
この燃料電池ボックス内の換気を行うのに、従来は電気モータで駆動される換気ファンを使っていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−31436号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように換気ファンで燃料電池ボックスの換気を行うようにすると、燃料電池および燃料電池システムが正常に運転されているときに、何らかの原因で換気ファンが運転できない場合には燃料電池ボックスの換気が不可能になるという問題が生じる。
また、電気モータで駆動される換気ファンは電力を消費するので、エネルギーマネージメント上、不利であった。
さらに、燃料電池の冷却は主として冷却水を循環させることで行っているが、燃料電池ボックスの換気も燃料電池の冷却に寄与しており、燃料電池ボックスの換気ができないと燃料電池ボックス内に熱がこもり、燃料電池に対する冷却能力が低下して、燃料電池の出力低下を招く虞もある。
そこで、この発明は、燃料電池の運転時にはいつでも換気が可能で、且つ、省電力可能な燃料電池ボックス換気装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、アノードに燃料ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池2)が収納された燃料電池ボックス(例えば、後述する実施の形態における燃料電池ボックス3、システムボックス4)の換気装置であって、ノズルから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出するエゼクタ(例えば、後述する実施の形態における10A,10B)を備え、前記カソードに供給される空気の一部を前記第1の流体として前記エゼクタに供給し外気を前記第2の流体として吸引し、このエゼクタから流出する前記空気と前記外気の混合空気を前記燃料電池ボックス内に導入して換気することを特徴とする燃料電池ボックス換気装置(例えば、後述する実施の形態における燃料電池ボックス換気装置1)である。
このように構成することにより、燃料電池の運転中は常にカソードに空気が供給されているので、この空気を第1の流体とするエゼクタによって燃料電池の運転中はいつでも外気を燃料電池ボックス内に導入することができる。また、エゼクタは電力を消費しないので、省電力を図ることができる。
【0006】
請求項2に係る発明は、アノードに燃料ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池2)が収納された燃料電池ボックス(例えば、後述する実施の形態における燃料電池ボックス3、システムボックス4)の換気装置であって、ノズルから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出するエゼクタ(例えば、後述する実施の形態におけるエゼクタ10C,10D)を備え、前記カソードから排出されるカソードオフガスを前記第1の流体として前記エゼクタに供給し前記燃料電池ボックス内のガスを前記第2の流体として吸引することにより、この燃料電池ボックス内に外気を導入し換気することを特徴とする燃料電池ボックス換気装置(例えば、後述する実施の形態における燃料電池ボックス換気装置1)である。
このように構成することにより、燃料電池の運転中は常にカソードからカソードオフガスが排出されているので、このカソードオフガスを第1の流体とするエゼクタによって燃料電池の運転中はいつでも燃料電池ボックス内のガスを吸引することができる。また、エゼクタは電力を消費しないので、省電力を図ることができる。
【0007】
なお、請求項1、請求項2に係る発明のいずれの場合も、エゼクタへの第1の流体の供給は、燃料電池の運転中常時行ってもよいし、必要に応じて必要な時に必要な期間だけ行ってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の実施の形態を図1から図6の図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
初めに、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第1の実施の形態を図1および図2の図面を参照して説明する。
燃料電池ボックス換気装置1は、内部に燃料電池2が収納されて密閉された燃料電池ボックス3と、この燃料電池ボックス3とエゼクタ10Aが収納されて密閉された燃料電池システムボックス(以下、システムボックスと略す)4を備えている。なお、このシステムボックス4も、燃料電池2を収納する燃料電池ボックスの一形態とみなすことができる。
燃料電池2は、アノードに燃料ガスとしての水素ガスが供給され、カソードに酸化剤ガスとしての酸素を含む空気が供給されて発電をする固体高分子電解質膜型の燃料電池である。
【0009】
水素ガスは、システムボックス4および燃料電池ボックス3を貫通して設けられた水素供給管11を介して、図示しない水素供給装置から燃料電池2のアノードに供給される。
燃料電池2のカソードに供給される空気(以下、カソード供給空気という)は、コンプレッサ5によって外気を加圧導入したものであり、熱交換器6で冷却された後に、システムボックス4および燃料電池ボックス3を貫通して設けられた空気供給管12を介して、燃料電池2のカソードに供給される。
カソードに供給された空気の余剰分は、システムボックス4および燃料電池ボックス3を貫通して設けられたカソードオフガス管13を介して、システムボックス4の外部に排出される。
【0010】
システムボックス4に収納されたエゼクタ10Aは、図2に示すように、ラッパ状をなすディフューザ10aの基端開口に復流室10bを連設し、この復流室10bに復流通路10cを連通し、ディフューザ10aと軸線を同一にして配置したノズル10dを復流室10b内に突き出してその先端をディフューザ10aの基端開口に臨ませて構成されている。
このように構成されたエゼクタ10Aでは、第1の流体をノズル10dからディフューザ10aに向けて流出すると、ディフューザ10aのスロート部10eに負圧が発生し、この負圧により第2の流体を復流通路10cから復流室10bを介してディフューザ10a内に吸引することができる。そして、吸引された第2の流体はノズル10dから流出した第1の流体と混合されてディフューザ10aの出口から流出される。
すなわち、エゼクタ10Aは、ノズル10dから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出する。
【0011】
この燃料電池ボックス換気装置1では、エゼクタ10Aのノズル10dには、システムボックス4内において空気供給管12から分岐された換気用空気供給管14が接続されており、空気供給管12を流通するカソード供給空気の一部が換気用空気供給管14を介して第1の流体としてエゼクタ10Aに供給可能にされている。
また、エゼクタ10Aの復流通路10cには、システムボックス4を貫通して設けられシステムボックス4の外部から外気導入可能な外気導入管15が接続されている。
したがって、エゼクタ10Aのノズル10dにカソード供給空気を供給すると、外気導入管15および復流通路10c、復流室10bを介してディフューザ10aに外気が吸引され、吸引された外気とノズル10dから流出したカソード供給空気が混合され、混合空気となってディフューザ10aから流出することとなる。
【0012】
エゼクタ10Aのディフューザ10aには換気供給管16が接続されており、ディフューザ10aから流出する前記混合空気は総てこの換気供給管16を介して燃料電池ボックス3に供給される。
燃料電池ボックス3内のガスは、システムボックス4を貫通して設けられた換気排出管17を介して、システムボックス4の外部に排出される。なお、換気供給管16の流出口と換気排出管17の流入口は燃料電池ボックス3内において十分に離間して配置されている。
【0013】
このように構成された燃料電池ボックス換気装置1によれば、燃料電池2の運転中は常にカソードに空気が供給されているので、燃料電池2の運転中はカソード供給空気が常にエゼクタ10Aのノズル10dに供給され、その結果、外気が外気導入管15を介してエゼクタ10Aに吸引され、外気とカソード供給空気の混合空気が換気供給管16を介して燃料電池ボックス3に導入され、これにより、燃料電池ボックス3内のガスが換気排出管17を介してシステムボックス4の外部に排出される。
すなわち、燃料電池2の運転中は常に燃料電池ボックス3内に外気とカソード供給空気の混合空気を導入することができ、燃料電池ボックス3内を換気することができる。しかも、エゼクタ10Aの駆動源はカソード供給空気であり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0014】
また、カソード供給空気が燃料電池ボックス3内を換気するのに適した温度よりも高い場合であっても、カソード供給空気は外気と混合されて燃料電池ボックス3に供給されるので、外気との混合により換気に適した温度にして燃料電池ボックス3に導入することができる。すなわち、外気の混合は、カソード供給空気を燃料電池ボックス3の換気用空気として用いる場合の冷却手段として機能するので、換気用空気を冷却するための熱交換器が不要になる。
【0015】
〔第2の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置1の第2の実施の形態を図3の図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1と同じ構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態との相違点についてだけ説明するものとする。
第2の実施の形態におけるシステムボックス4内には、エゼクタ10Aとは別にエゼクタ10Bが収納されている。エゼクタ10Bの構成は図2に示すエゼクタ10Aと全く同じである。エゼクタ10Aは燃料電池ボックス3内を換気するためのものであるが、エゼクタ10Bはシステムボックス4内を換気するためのものである。
【0016】
詳述すると、エゼクタ10Bのノズル10dには換気用空気供給管14が接続されており、空気供給管12を流通するカソード供給空気の一部が換気用空気供給管14を介して第1の流体としてエゼクタ10Bに供給可能にされている。エゼクタ10Bの復流通路10cには外気導入管15が接続されており、この外気導入管15を介してシステムボックス4の外部から復流通路10cに外気が導入可能にされている。
したがって、エゼクタ10Bのノズル10dにカソード供給空気を供給すると、外気導入管15を介してエゼクタ10Bのディフューザ10aに外気が吸引され、外気とカソード供給空気が混合され混合空気となってエゼクタ10Bのディフューザ10aから流出することとなる。
【0017】
エゼクタ10Bのディフューザ10aには換気供給管18が接続されており、ディフューザ10aから流出する前記混合空気は総てこの換気供給管18を介してシステムボックス4内に排出される。そして、システムボックス4内のガスは、システムボックス4を貫通して設けられた換気排出管19を介して、システムボックス4の外部に排出される。なお、換気供給管18の流出口と換気排出管19の流入口はシステムボックス4内において十分に離間して配置されている。
【0018】
この第2の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1では、前述した第1の実施の形態の作用に加えて、以下の作用がある。
燃料電池2の運転中は常にカソードに空気が供給されているので、燃料電池2の運転中はカソード供給空気が常にエゼクタ10Bのノズル10dに供給され、その結果、外気が外気導入管15を介してエゼクタ10Bに吸引され、外気とカソード供給空気の混合空気が換気供給管18を介してシステムボックス4に導入され、これにより、システムボックス4内のガスが換気排出管19を介してシステムボックス4の外部に排出される。
すなわち、燃料電池2の運転中は常にシステムボックス4内に外気とカソード供給空気の混合空気を導入することができ、システムボックス4内を換気することができる。しかも、エゼクタ10Bの駆動源はカソード供給空気であり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0019】
また、カソード供給空気がシステムボックス4内を換気するのに適した温度よりも高い場合であっても、カソード供給空気は外気と混合されてシステムボックス4に供給されるので、外気との混合により換気に適した温度にしてシステムボックス4に供給することができる。すなわち、外気の混合は、カソード供給空気をシステムボックス4の換気用空気として用いる場合の冷却手段として機能するので、換気用空気冷却用の熱交換器が不要になる。
【0020】
〔第3の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置1の第3の実施の形態を図4の図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1と同じ構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態との相違点についてだけ説明するものとする。
第3の実施の形態のシステムボックス4内にはエゼクタ10Aがなく、エゼクタ10Cが収納されている。エゼクタ10Cの構成は図2に示すエゼクタ10Aと全く同じであり、エゼクタ10Cもエゼクタ10Aと同様に燃料電池ボックス3内を換気するためのものであるが、エゼクタ10A,10Bでは第1の流体と第2の流体を異にしている。
【0021】
詳述すると、エゼクタ10Cのノズル10dには、システムボックス4内においてカソードオフガス管13から分岐された換気用カソードオフガス供給管20が接続されており、カソードオフガス管13を流通するカソードオフガスの一部が換気用カソードオフガス供給管20を介して第1の流体としてエゼクタ10Cに供給可能にされている。
また、エゼクタ10Cの復流通路10cは復流管21を介して燃料電池ボックス3内に接続されている。
したがって、エゼクタ10Cのノズル10dにカソードオフガスを供給すると、復流管21および復流通路10c、復流室10bを介してディフューザ10aに燃料電池ボックス3内のガスが吸引され、吸引されたガスとノズル10dから流出したカソードオフガスが混合され、混合ガスとなってディフューザ10aから流出することとなる。
【0022】
エゼクタ10Cのディフューザ10aには、システムボックス4を貫通して設けられた換気排出管22が接続されており、ディフューザ10aから流出する前記混合ガスは総てこの換気排出管22を介してシステムボックス4の外部に排出される。
また、燃料電池ボックス3には、システムボックス4を貫通して設けられた外気導入管23を介して、システムボックス4の外部から外気が導入可能にされている。なお、復流管21の流入口と外気導入管23の流出口は燃料電池ボックス3内において十分に離間して配置されている。
【0023】
このように構成された燃料電池ボックス換気装置1によれば、燃料電池2の運転中は常にカソードからカソードオフガスが排出されているので、燃料電池2の運転中はカソードオフガスが常にエゼクタ10Cのノズル10dに供給され、その結果、燃料電池ボックス3内のガスが復流管21を介してエゼクタ10Cに吸引され、燃料電池ボックス3内のガスとカソードオフガスからなる混合ガスが換気排出管22を介してシステムボックス4の外部に排出される。その結果、システムボックス4の外部から外気を外気導入管23を介して燃料電池ボックス3内に導入することができる。
すなわち、燃料電池2の運転中は常に燃料電池ボックス3内に外気を導入することができ、燃料電池ボックス3内を換気することができる。しかも、エゼクタ10Cの駆動源はカソードオフガスであり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0024】
〔第4の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置1の第4の実施の形態を図5の図面を参照して説明する。なお、前述した第3の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1と同じ構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略し、第3の実施の形態との相違点についてだけ説明するものとする。
第4の実施の形態におけるシステムボックス4内には、エゼクタ10Cとは別にエゼクタ10Dが収納されている。エゼクタ10Dの構成は図2に示すエゼクタ10Aと全く同じである。エゼクタ10Cは燃料電池ボックス3内を換気するためのものであるが、エゼクタ10Dはシステムボックス4内を換気するためのものである。
【0025】
詳述すると、エゼクタ10Dのノズル10dには換気用カソードオフガス供給管20が接続されており、カソードオフガス管13を流通するカソードオフガスの一部が換気用カソードオフガス供給管20を介して第1の流体としてエゼクタ10Dに供給可能にされている。エゼクタ10Dの復流通路10cは復流管24を介してシステムボックス4内に接続されている。
したがって、エゼクタ10Dのノズル10dにカソードオフガスを供給すると、復流管24を介してエゼクタ10Dのディフューザ10aにシステムボックス4内のガスが吸引され、吸引されたガスとカソードオフガスが混合され、混合ガスとなってエゼクタ10Dのディフューザ10aから流出することとなる。
【0026】
エゼクタ10Dのディフューザ10aには、システムボックス4を貫通して設けられた換気排出管25が接続されており、ディフューザ10aから流出する前記混合ガスは総てこの換気排出管25を介してシステムボックス4の外部に排出される。
また、システムボックス4には、システムボックス4を貫通して設けられた外気導入管26を介して、システムボックス4の外部から外気が導入可能にされている。なお、復流管24の流入口と外気導入管26の流出口はシステムボックス4内において十分に離間して配置されている。
【0027】
この第4の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1では、前述した第3の実施の形態の作用に加えて、以下の作用がある。
燃料電池2の運転中は常にカソードからカソードオフガスが排出されているので、燃料電池2の運転中はカソードオフガスが常にエゼクタ10Dのノズル10dに供給され、その結果、システムボックス4内のガスが復流管24を介してエゼクタ10Dに吸引され、システムボックス4内のガスとカソードオフガスからなる混合ガスが換気排出管25を介してシステムボックス4の外部に排出される。その結果、システムボックス4の外部から外気を外気導入管26を介してシステムボックス4内に導入することができる。
すなわち、燃料電池2の運転中は常にシステムボックス4内に外気を導入することができ、システムボックス4内を換気することができる。しかも、エゼクタ10Dの駆動源はカソードオフガスであり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0028】
〔第5の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置1の第5の実施の形態を図6の図面を参照して説明する。
第5の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1は、前述した第2の実施の形態におけるエゼクタ10A,10Bと第4の実施の形態におけるエゼクタ10C,10Dを備えて構成されている。以下、第2,第4の実施の形態と同一態様部分に同一符号を付して構成の説明は省略し、作用について簡単に説明する。
【0029】
燃料電池2の運転中は常にカソードに空気が供給されているので、燃料電池2の運転中はカソード供給空気が常に換気用空気供給管14を介してエゼクタ10Aのノズル10dとエゼクタ10Bのノズル10dに供給される。その結果、外気が外気導入管15を介してエゼクタ10A,10Bに吸引され、外気とカソード供給空気の混合空気が、エゼクタ10Aから換気供給管16を介して燃料電池ボックス3に導入されるとともに、エゼクタ10Bから換気供給管18を介してシステムボックス4に導入される。すなわち、燃料電池2の運転中は常に燃料電池ボックス3およびシステムボックス4内に外気とカソード供給空気の混合空気を導入することができる。
【0030】
また、燃料電池2の運転中は常にカソードからカソードオフガスが排出されているので、燃料電池2の運転中はカソードオフガスが常にエゼクタ10Cのノズル10dとエゼクタ10Dのノズル10dに供給される。
その結果、燃料電池ボックス3内のガスを復流管21を介してエゼクタ10Cで吸引することができ、該ガスをカソードオフガスとともに換気排出管22を介してシステムボックス4の外部に排出することができる。
また、システムボックス4内のガスを復流管24を介してエゼクタ10Dで吸引することができ、該ガスをカソードオフガスとともに換気排出管25を介してシステムボックス4の外部に排出することができる。
したがって、燃料電池2の運転中は常に燃料電池ボックス3内とシステムボックス4内を換気することができる。しかも、エゼクタ10A〜10Dの駆動源はカソード供給空気あるいはカソードオフガスであり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0031】
〔他の実施の形態〕
なお、この発明は前述した実施の形態に限られるものではない。
例えば、前述した各実施の形態では、燃料電池の運転中は常にエゼクタに第1の流体を供給するようにしているが、エゼクタの上流または下流に開閉弁を設け、例えば燃料電池ボックス内の水素濃度が所定値以上になったときなど必要に応じて、前記開閉弁を開き第1の流体をエゼクタに供給し燃料電池ボックスの換気を実施するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明するように、請求項1に係る発明によれば、燃料電池の運転中はいつでもエゼクタによって外気を燃料電池ボックス内に導入し、燃料電池ボックス内を換気することができるという優れた効果が奏される。また、省電力を図ることもできる。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、燃料電池の運転中はいつでもエゼクタによって燃料電池ボックス内のガスを吸引し、燃料電池ボックス内に外気を導入して換気することができるという優れた効果が奏される。また、省電力を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第1の実施の形態における概略構成図である。
【図2】前記燃料電池ボックス換気装置の一部を構成するエゼクタの作用を説明するための断面図である。
【図3】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第2の実施の形態における概略構成図である。
【図4】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第3の実施の形態における概略構成図である。
【図5】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第4の実施の形態における概略構成図である。
【図6】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第5の実施の形態における概略構成図である。
【符号の説明】
1 燃料電池ボックス換気装置
2 燃料電池
3 燃料電池ボックス
4 システムボックス(燃料電池ボックス)
10A〜10D エゼクタ
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料ガスと空気を反応ガスとして発電する燃料電池のボックス換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アノードに燃料ガスとして例えば水素ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池を備えた燃料電池システムでは、一般に、密閉されたボックス(以下、燃料電池ボックスという)の中に燃料電池を収納し、さらに、この燃料電池ボックス内に外気を導入して換気することで、万が一に燃料電池から水素漏洩があったとしても、燃料電池ボックス内の水素濃度を所定濃度以下に保持できるようにしている。(例えば、特許文献1参照)。
この燃料電池ボックス内の換気を行うのに、従来は電気モータで駆動される換気ファンを使っていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−31436号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように換気ファンで燃料電池ボックスの換気を行うようにすると、燃料電池および燃料電池システムが正常に運転されているときに、何らかの原因で換気ファンが運転できない場合には燃料電池ボックスの換気が不可能になるという問題が生じる。
また、電気モータで駆動される換気ファンは電力を消費するので、エネルギーマネージメント上、不利であった。
さらに、燃料電池の冷却は主として冷却水を循環させることで行っているが、燃料電池ボックスの換気も燃料電池の冷却に寄与しており、燃料電池ボックスの換気ができないと燃料電池ボックス内に熱がこもり、燃料電池に対する冷却能力が低下して、燃料電池の出力低下を招く虞もある。
そこで、この発明は、燃料電池の運転時にはいつでも換気が可能で、且つ、省電力可能な燃料電池ボックス換気装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、アノードに燃料ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池2)が収納された燃料電池ボックス(例えば、後述する実施の形態における燃料電池ボックス3、システムボックス4)の換気装置であって、ノズルから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出するエゼクタ(例えば、後述する実施の形態における10A,10B)を備え、前記カソードに供給される空気の一部を前記第1の流体として前記エゼクタに供給し外気を前記第2の流体として吸引し、このエゼクタから流出する前記空気と前記外気の混合空気を前記燃料電池ボックス内に導入して換気することを特徴とする燃料電池ボックス換気装置(例えば、後述する実施の形態における燃料電池ボックス換気装置1)である。
このように構成することにより、燃料電池の運転中は常にカソードに空気が供給されているので、この空気を第1の流体とするエゼクタによって燃料電池の運転中はいつでも外気を燃料電池ボックス内に導入することができる。また、エゼクタは電力を消費しないので、省電力を図ることができる。
【0006】
請求項2に係る発明は、アノードに燃料ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池2)が収納された燃料電池ボックス(例えば、後述する実施の形態における燃料電池ボックス3、システムボックス4)の換気装置であって、ノズルから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出するエゼクタ(例えば、後述する実施の形態におけるエゼクタ10C,10D)を備え、前記カソードから排出されるカソードオフガスを前記第1の流体として前記エゼクタに供給し前記燃料電池ボックス内のガスを前記第2の流体として吸引することにより、この燃料電池ボックス内に外気を導入し換気することを特徴とする燃料電池ボックス換気装置(例えば、後述する実施の形態における燃料電池ボックス換気装置1)である。
このように構成することにより、燃料電池の運転中は常にカソードからカソードオフガスが排出されているので、このカソードオフガスを第1の流体とするエゼクタによって燃料電池の運転中はいつでも燃料電池ボックス内のガスを吸引することができる。また、エゼクタは電力を消費しないので、省電力を図ることができる。
【0007】
なお、請求項1、請求項2に係る発明のいずれの場合も、エゼクタへの第1の流体の供給は、燃料電池の運転中常時行ってもよいし、必要に応じて必要な時に必要な期間だけ行ってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の実施の形態を図1から図6の図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
初めに、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第1の実施の形態を図1および図2の図面を参照して説明する。
燃料電池ボックス換気装置1は、内部に燃料電池2が収納されて密閉された燃料電池ボックス3と、この燃料電池ボックス3とエゼクタ10Aが収納されて密閉された燃料電池システムボックス(以下、システムボックスと略す)4を備えている。なお、このシステムボックス4も、燃料電池2を収納する燃料電池ボックスの一形態とみなすことができる。
燃料電池2は、アノードに燃料ガスとしての水素ガスが供給され、カソードに酸化剤ガスとしての酸素を含む空気が供給されて発電をする固体高分子電解質膜型の燃料電池である。
【0009】
水素ガスは、システムボックス4および燃料電池ボックス3を貫通して設けられた水素供給管11を介して、図示しない水素供給装置から燃料電池2のアノードに供給される。
燃料電池2のカソードに供給される空気(以下、カソード供給空気という)は、コンプレッサ5によって外気を加圧導入したものであり、熱交換器6で冷却された後に、システムボックス4および燃料電池ボックス3を貫通して設けられた空気供給管12を介して、燃料電池2のカソードに供給される。
カソードに供給された空気の余剰分は、システムボックス4および燃料電池ボックス3を貫通して設けられたカソードオフガス管13を介して、システムボックス4の外部に排出される。
【0010】
システムボックス4に収納されたエゼクタ10Aは、図2に示すように、ラッパ状をなすディフューザ10aの基端開口に復流室10bを連設し、この復流室10bに復流通路10cを連通し、ディフューザ10aと軸線を同一にして配置したノズル10dを復流室10b内に突き出してその先端をディフューザ10aの基端開口に臨ませて構成されている。
このように構成されたエゼクタ10Aでは、第1の流体をノズル10dからディフューザ10aに向けて流出すると、ディフューザ10aのスロート部10eに負圧が発生し、この負圧により第2の流体を復流通路10cから復流室10bを介してディフューザ10a内に吸引することができる。そして、吸引された第2の流体はノズル10dから流出した第1の流体と混合されてディフューザ10aの出口から流出される。
すなわち、エゼクタ10Aは、ノズル10dから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出する。
【0011】
この燃料電池ボックス換気装置1では、エゼクタ10Aのノズル10dには、システムボックス4内において空気供給管12から分岐された換気用空気供給管14が接続されており、空気供給管12を流通するカソード供給空気の一部が換気用空気供給管14を介して第1の流体としてエゼクタ10Aに供給可能にされている。
また、エゼクタ10Aの復流通路10cには、システムボックス4を貫通して設けられシステムボックス4の外部から外気導入可能な外気導入管15が接続されている。
したがって、エゼクタ10Aのノズル10dにカソード供給空気を供給すると、外気導入管15および復流通路10c、復流室10bを介してディフューザ10aに外気が吸引され、吸引された外気とノズル10dから流出したカソード供給空気が混合され、混合空気となってディフューザ10aから流出することとなる。
【0012】
エゼクタ10Aのディフューザ10aには換気供給管16が接続されており、ディフューザ10aから流出する前記混合空気は総てこの換気供給管16を介して燃料電池ボックス3に供給される。
燃料電池ボックス3内のガスは、システムボックス4を貫通して設けられた換気排出管17を介して、システムボックス4の外部に排出される。なお、換気供給管16の流出口と換気排出管17の流入口は燃料電池ボックス3内において十分に離間して配置されている。
【0013】
このように構成された燃料電池ボックス換気装置1によれば、燃料電池2の運転中は常にカソードに空気が供給されているので、燃料電池2の運転中はカソード供給空気が常にエゼクタ10Aのノズル10dに供給され、その結果、外気が外気導入管15を介してエゼクタ10Aに吸引され、外気とカソード供給空気の混合空気が換気供給管16を介して燃料電池ボックス3に導入され、これにより、燃料電池ボックス3内のガスが換気排出管17を介してシステムボックス4の外部に排出される。
すなわち、燃料電池2の運転中は常に燃料電池ボックス3内に外気とカソード供給空気の混合空気を導入することができ、燃料電池ボックス3内を換気することができる。しかも、エゼクタ10Aの駆動源はカソード供給空気であり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0014】
また、カソード供給空気が燃料電池ボックス3内を換気するのに適した温度よりも高い場合であっても、カソード供給空気は外気と混合されて燃料電池ボックス3に供給されるので、外気との混合により換気に適した温度にして燃料電池ボックス3に導入することができる。すなわち、外気の混合は、カソード供給空気を燃料電池ボックス3の換気用空気として用いる場合の冷却手段として機能するので、換気用空気を冷却するための熱交換器が不要になる。
【0015】
〔第2の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置1の第2の実施の形態を図3の図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1と同じ構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態との相違点についてだけ説明するものとする。
第2の実施の形態におけるシステムボックス4内には、エゼクタ10Aとは別にエゼクタ10Bが収納されている。エゼクタ10Bの構成は図2に示すエゼクタ10Aと全く同じである。エゼクタ10Aは燃料電池ボックス3内を換気するためのものであるが、エゼクタ10Bはシステムボックス4内を換気するためのものである。
【0016】
詳述すると、エゼクタ10Bのノズル10dには換気用空気供給管14が接続されており、空気供給管12を流通するカソード供給空気の一部が換気用空気供給管14を介して第1の流体としてエゼクタ10Bに供給可能にされている。エゼクタ10Bの復流通路10cには外気導入管15が接続されており、この外気導入管15を介してシステムボックス4の外部から復流通路10cに外気が導入可能にされている。
したがって、エゼクタ10Bのノズル10dにカソード供給空気を供給すると、外気導入管15を介してエゼクタ10Bのディフューザ10aに外気が吸引され、外気とカソード供給空気が混合され混合空気となってエゼクタ10Bのディフューザ10aから流出することとなる。
【0017】
エゼクタ10Bのディフューザ10aには換気供給管18が接続されており、ディフューザ10aから流出する前記混合空気は総てこの換気供給管18を介してシステムボックス4内に排出される。そして、システムボックス4内のガスは、システムボックス4を貫通して設けられた換気排出管19を介して、システムボックス4の外部に排出される。なお、換気供給管18の流出口と換気排出管19の流入口はシステムボックス4内において十分に離間して配置されている。
【0018】
この第2の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1では、前述した第1の実施の形態の作用に加えて、以下の作用がある。
燃料電池2の運転中は常にカソードに空気が供給されているので、燃料電池2の運転中はカソード供給空気が常にエゼクタ10Bのノズル10dに供給され、その結果、外気が外気導入管15を介してエゼクタ10Bに吸引され、外気とカソード供給空気の混合空気が換気供給管18を介してシステムボックス4に導入され、これにより、システムボックス4内のガスが換気排出管19を介してシステムボックス4の外部に排出される。
すなわち、燃料電池2の運転中は常にシステムボックス4内に外気とカソード供給空気の混合空気を導入することができ、システムボックス4内を換気することができる。しかも、エゼクタ10Bの駆動源はカソード供給空気であり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0019】
また、カソード供給空気がシステムボックス4内を換気するのに適した温度よりも高い場合であっても、カソード供給空気は外気と混合されてシステムボックス4に供給されるので、外気との混合により換気に適した温度にしてシステムボックス4に供給することができる。すなわち、外気の混合は、カソード供給空気をシステムボックス4の換気用空気として用いる場合の冷却手段として機能するので、換気用空気冷却用の熱交換器が不要になる。
【0020】
〔第3の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置1の第3の実施の形態を図4の図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1と同じ構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態との相違点についてだけ説明するものとする。
第3の実施の形態のシステムボックス4内にはエゼクタ10Aがなく、エゼクタ10Cが収納されている。エゼクタ10Cの構成は図2に示すエゼクタ10Aと全く同じであり、エゼクタ10Cもエゼクタ10Aと同様に燃料電池ボックス3内を換気するためのものであるが、エゼクタ10A,10Bでは第1の流体と第2の流体を異にしている。
【0021】
詳述すると、エゼクタ10Cのノズル10dには、システムボックス4内においてカソードオフガス管13から分岐された換気用カソードオフガス供給管20が接続されており、カソードオフガス管13を流通するカソードオフガスの一部が換気用カソードオフガス供給管20を介して第1の流体としてエゼクタ10Cに供給可能にされている。
また、エゼクタ10Cの復流通路10cは復流管21を介して燃料電池ボックス3内に接続されている。
したがって、エゼクタ10Cのノズル10dにカソードオフガスを供給すると、復流管21および復流通路10c、復流室10bを介してディフューザ10aに燃料電池ボックス3内のガスが吸引され、吸引されたガスとノズル10dから流出したカソードオフガスが混合され、混合ガスとなってディフューザ10aから流出することとなる。
【0022】
エゼクタ10Cのディフューザ10aには、システムボックス4を貫通して設けられた換気排出管22が接続されており、ディフューザ10aから流出する前記混合ガスは総てこの換気排出管22を介してシステムボックス4の外部に排出される。
また、燃料電池ボックス3には、システムボックス4を貫通して設けられた外気導入管23を介して、システムボックス4の外部から外気が導入可能にされている。なお、復流管21の流入口と外気導入管23の流出口は燃料電池ボックス3内において十分に離間して配置されている。
【0023】
このように構成された燃料電池ボックス換気装置1によれば、燃料電池2の運転中は常にカソードからカソードオフガスが排出されているので、燃料電池2の運転中はカソードオフガスが常にエゼクタ10Cのノズル10dに供給され、その結果、燃料電池ボックス3内のガスが復流管21を介してエゼクタ10Cに吸引され、燃料電池ボックス3内のガスとカソードオフガスからなる混合ガスが換気排出管22を介してシステムボックス4の外部に排出される。その結果、システムボックス4の外部から外気を外気導入管23を介して燃料電池ボックス3内に導入することができる。
すなわち、燃料電池2の運転中は常に燃料電池ボックス3内に外気を導入することができ、燃料電池ボックス3内を換気することができる。しかも、エゼクタ10Cの駆動源はカソードオフガスであり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0024】
〔第4の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置1の第4の実施の形態を図5の図面を参照して説明する。なお、前述した第3の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1と同じ構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略し、第3の実施の形態との相違点についてだけ説明するものとする。
第4の実施の形態におけるシステムボックス4内には、エゼクタ10Cとは別にエゼクタ10Dが収納されている。エゼクタ10Dの構成は図2に示すエゼクタ10Aと全く同じである。エゼクタ10Cは燃料電池ボックス3内を換気するためのものであるが、エゼクタ10Dはシステムボックス4内を換気するためのものである。
【0025】
詳述すると、エゼクタ10Dのノズル10dには換気用カソードオフガス供給管20が接続されており、カソードオフガス管13を流通するカソードオフガスの一部が換気用カソードオフガス供給管20を介して第1の流体としてエゼクタ10Dに供給可能にされている。エゼクタ10Dの復流通路10cは復流管24を介してシステムボックス4内に接続されている。
したがって、エゼクタ10Dのノズル10dにカソードオフガスを供給すると、復流管24を介してエゼクタ10Dのディフューザ10aにシステムボックス4内のガスが吸引され、吸引されたガスとカソードオフガスが混合され、混合ガスとなってエゼクタ10Dのディフューザ10aから流出することとなる。
【0026】
エゼクタ10Dのディフューザ10aには、システムボックス4を貫通して設けられた換気排出管25が接続されており、ディフューザ10aから流出する前記混合ガスは総てこの換気排出管25を介してシステムボックス4の外部に排出される。
また、システムボックス4には、システムボックス4を貫通して設けられた外気導入管26を介して、システムボックス4の外部から外気が導入可能にされている。なお、復流管24の流入口と外気導入管26の流出口はシステムボックス4内において十分に離間して配置されている。
【0027】
この第4の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1では、前述した第3の実施の形態の作用に加えて、以下の作用がある。
燃料電池2の運転中は常にカソードからカソードオフガスが排出されているので、燃料電池2の運転中はカソードオフガスが常にエゼクタ10Dのノズル10dに供給され、その結果、システムボックス4内のガスが復流管24を介してエゼクタ10Dに吸引され、システムボックス4内のガスとカソードオフガスからなる混合ガスが換気排出管25を介してシステムボックス4の外部に排出される。その結果、システムボックス4の外部から外気を外気導入管26を介してシステムボックス4内に導入することができる。
すなわち、燃料電池2の運転中は常にシステムボックス4内に外気を導入することができ、システムボックス4内を換気することができる。しかも、エゼクタ10Dの駆動源はカソードオフガスであり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0028】
〔第5の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池ボックス換気装置1の第5の実施の形態を図6の図面を参照して説明する。
第5の実施の形態の燃料電池ボックス換気装置1は、前述した第2の実施の形態におけるエゼクタ10A,10Bと第4の実施の形態におけるエゼクタ10C,10Dを備えて構成されている。以下、第2,第4の実施の形態と同一態様部分に同一符号を付して構成の説明は省略し、作用について簡単に説明する。
【0029】
燃料電池2の運転中は常にカソードに空気が供給されているので、燃料電池2の運転中はカソード供給空気が常に換気用空気供給管14を介してエゼクタ10Aのノズル10dとエゼクタ10Bのノズル10dに供給される。その結果、外気が外気導入管15を介してエゼクタ10A,10Bに吸引され、外気とカソード供給空気の混合空気が、エゼクタ10Aから換気供給管16を介して燃料電池ボックス3に導入されるとともに、エゼクタ10Bから換気供給管18を介してシステムボックス4に導入される。すなわち、燃料電池2の運転中は常に燃料電池ボックス3およびシステムボックス4内に外気とカソード供給空気の混合空気を導入することができる。
【0030】
また、燃料電池2の運転中は常にカソードからカソードオフガスが排出されているので、燃料電池2の運転中はカソードオフガスが常にエゼクタ10Cのノズル10dとエゼクタ10Dのノズル10dに供給される。
その結果、燃料電池ボックス3内のガスを復流管21を介してエゼクタ10Cで吸引することができ、該ガスをカソードオフガスとともに換気排出管22を介してシステムボックス4の外部に排出することができる。
また、システムボックス4内のガスを復流管24を介してエゼクタ10Dで吸引することができ、該ガスをカソードオフガスとともに換気排出管25を介してシステムボックス4の外部に排出することができる。
したがって、燃料電池2の運転中は常に燃料電池ボックス3内とシステムボックス4内を換気することができる。しかも、エゼクタ10A〜10Dの駆動源はカソード供給空気あるいはカソードオフガスであり、換気専用のファンが不要になるので、消費電力を低減することができる。
【0031】
〔他の実施の形態〕
なお、この発明は前述した実施の形態に限られるものではない。
例えば、前述した各実施の形態では、燃料電池の運転中は常にエゼクタに第1の流体を供給するようにしているが、エゼクタの上流または下流に開閉弁を設け、例えば燃料電池ボックス内の水素濃度が所定値以上になったときなど必要に応じて、前記開閉弁を開き第1の流体をエゼクタに供給し燃料電池ボックスの換気を実施するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明するように、請求項1に係る発明によれば、燃料電池の運転中はいつでもエゼクタによって外気を燃料電池ボックス内に導入し、燃料電池ボックス内を換気することができるという優れた効果が奏される。また、省電力を図ることもできる。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、燃料電池の運転中はいつでもエゼクタによって燃料電池ボックス内のガスを吸引し、燃料電池ボックス内に外気を導入して換気することができるという優れた効果が奏される。また、省電力を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第1の実施の形態における概略構成図である。
【図2】前記燃料電池ボックス換気装置の一部を構成するエゼクタの作用を説明するための断面図である。
【図3】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第2の実施の形態における概略構成図である。
【図4】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第3の実施の形態における概略構成図である。
【図5】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第4の実施の形態における概略構成図である。
【図6】この発明に係る燃料電池ボックス換気装置の第5の実施の形態における概略構成図である。
【符号の説明】
1 燃料電池ボックス換気装置
2 燃料電池
3 燃料電池ボックス
4 システムボックス(燃料電池ボックス)
10A〜10D エゼクタ
Claims (2)
- アノードに燃料ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池が収納された燃料電池ボックスの換気装置であって、
ノズルから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出するエゼクタを備え、
前記カソードに供給される空気の一部を前記第1の流体として前記エゼクタに供給し外気を前記第2の流体として吸引し、このエゼクタから流出する前記空気と前記外気の混合空気を前記燃料電池ボックス内に導入して換気することを特徴とする燃料電池ボックス換気装置。 - アノードに燃料ガスが供給されカソードに空気が供給されて発電をする燃料電池が収納された燃料電池ボックスの換気装置であって、
ノズルから流出する第1の流体により発生する負圧で第2の流体を吸引しこれら二つの流体を合流させて流出するエゼクタを備え、
前記カソードから排出されるカソードオフガスを前記第1の流体として前記エゼクタに供給し前記燃料電池ボックス内のガスを前記第2の流体として吸引することにより、この燃料電池ボックス内に外気を導入し換気することを特徴とする燃料電池ボックス換気装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |