JP2004310209A - 健康管理支援システムおよび健康管理支援プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】職場や教育機関等における集団の健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】健康診断結果データを入力する診断結果入力部1と、診断結果データに基づいてハイリスク群に属する者を精査対象者として選択するハイリスク群選択部2と、精査対象者の精密検査結果に基づいて、精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択する特別管理対象者選択部4と、特別管理対象者に対する再度の健康診断結果データに基づいて、特別管理対象者のうち依然としてハイリスク群に属する者を特別措置対象者として選択する特別措置対象者選択部5とを備えた健康管理支援システムである。
【選択図】 図1
【解決手段】健康診断結果データを入力する診断結果入力部1と、診断結果データに基づいてハイリスク群に属する者を精査対象者として選択するハイリスク群選択部2と、精査対象者の精密検査結果に基づいて、精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択する特別管理対象者選択部4と、特別管理対象者に対する再度の健康診断結果データに基づいて、特別管理対象者のうち依然としてハイリスク群に属する者を特別措置対象者として選択する特別措置対象者選択部5とを備えた健康管理支援システムである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、健康管理を支援する健康管理支援システムおよびこれをコンピュータで実現するための健康管理支援プログラムに関し、特に、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象とする健康管理支援システムおよびプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
疾患の早期発見および早期治療を目的として、職場や学校等において集団検診が行われている。従来、一般的には、集団検診では、問診、尿検査、血液検査、肺X線検査、血圧測定、あるいは心電図測定などの必要に応じた所定項目についての検査が行われる。そして、測定値が正常範囲を逸脱した人や、例えば問診やX線検査の所見として異常有りあるいは要注意を示された人に対して、自主的な精密検査を勧めることが多かった。
【0003】
しかし、近年、従業者の過労死や脳・心疾患の発症などに際して、健康配慮義務あるいは安全配慮義務を怠ったとして、雇用者(会社)が訴えられるケースが見られるようになっている。従って、雇用者としては、健康管理を従業者自身に任せるのではなく、集団検診の結果を利用して、従業者に対する健康配慮義務を十分に果たせるような健康管理システムを構築することが求められている。
【0004】
疾病予防や生活習慣の改善指導に貢献するシステムの従来例として、疾病に罹患する危険性、あるいは疾患の程度が進行する危険性を「リスク」という概念でとらえ、このリスクに関連する要因及び疾患の原因となる要因を分析することで、疾患の発症や進行の予兆を客観的に判断すると共に、リスクの状況に応じたリスク回避措置を提示しようとするシステムが、特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−46381号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、職場や学校等において、集団に対する健康管理を徹底して行い、健康上の問題がある人については、例えば職場であれば就業条件を制限したり、場合によっては休業させたりする等の適切な措置を行うようにするためのシステムは実現されていない。
【0007】
また、生活習慣病予防の観点からは、発症してから措置を施すだけでなく、定期健康診断において問題が見つかった時点で積極的な生活指導を行って健康状態を改善に導き、疾病を未然に防ぐことが望まれる。しかし、従来、適切な生活改善指導を行うためのシステムは実現されていない。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するために、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象者として、その健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムおよびコンピュータでこのシステムを実現するための健康管理支援プログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第1の健康管理支援システムは、管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力する診断結果入力手段と、前記診断結果入力手段により入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力するハイリスク群選択手段と、前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力する精検結果入力手段と、前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力する特別管理対象者選択手段と、前記診断結果入力手段により入力された、前記特別管理対象者に対する再度の健康診断結果データに基づいて、前記特別管理対象者のうち依然としてハイリスク群に属する者を特別措置対象者として選択し、少なくとも当該特別措置対象者の識別子を含む情報を出力する特別措置対象者選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる第2の健康管理支援システムは、管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力する診断結果入力手段と、前記診断結果入力手段により入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力するハイリスク群選択手段と、前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力する精検結果入力手段と、前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力する特別管理対象者選択手段と、前記特別管理対象者の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データとをそれぞれ入力する生活習慣データ入力手段と、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび生活習慣データを対比可能な状態に表示する生活習慣データ表示手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第1の健康管理支援プログラムは、コンピュータに読み込まれてその動作を制御するプログラムであって、管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力し、入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力し、前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力し、前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力し、前記特別管理対象者に対して再度の健康診断結果データを入力した場合、前記特別管理対象者のうち依然としてハイリスク群に属する者を特別措置対象者として選択し、少なくとも当該特別措置対象者の識別子を含む情報を出力することを特徴とする処理をコンピュータに実行させる健康管理支援プログラムである。
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第2の健康管理支援プログラムは、コンピュータに読み込まれてその動作を制御するプログラムであって、管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力し、入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力し、前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力し、前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力し、前記特別管理対象者の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データとをそれぞれ入力し、入力された現状データおよび生活習慣データを対比可能な状態に表示することを特徴とする処理をコンピュータに実行させる健康管理支援プログラムである。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記した本発明にかかる第1の健康管理支援システムでは、診断結果入力手段より入力された健康診断結果データに基づいて、ハイリスク群選択手段が、ハイリスク群に属する人を精査対象者として選択する。そして、これらの人に対する精密検査の結果を精検結果入力手段より入力し、特別管理対象者選択手段により、例えば経過観察や生活習慣改善指導等の特別な管理が必要な人を特別管理対象者として選択する。そして、特別管理対象者に対して行った再検査の結果に基づき、特別措置対象者選択手段が、依然としてハイリスク群に属する人を、例えば就業条件等についての特別な措置を講ずることが必要な特別措置対象者として選択する。これにより、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象者として、その健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムを提供できる。
【0014】
前記第1の健康管理支援システムは、健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段をさらに備え、前記ハイリスク群選択手段および前記特別措置対象者選択手段において、前記健康状態評価手段により算出された健康状態評価値を所定の閾値と比較することにより、各管理対象者がハイリスク群に属するか否かを判断する構成とすることができる。
【0015】
また、前記健康状態評価手段が算出する健康状態評価値として、これに限定されないが、CHDリスクを用いることが好ましい。CHDリスクは、心筋梗塞や狭心症等が10年間で発症する確率を表す指標である。CHDリスクを指標としてハイリスク群に属するか否かを判断することにより、死亡リスクの高い心疾患の予防を効果的に達成することができる。さらに、各管理対象者のCHDリスクが20%以上100%以下である場合、当該管理対象者はハイリスク群に属すると判定することが好ましい。この値は、感度・特異度から作成されたROC(Receiver operating characteristic)曲線や陽性反応的中率といった疫学指標から決定される最適カットオフ値である。
【0016】
また、上記した本発明にかかる第2の健康管理支援システムでは、特別管理対象者の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データを生活習慣データ入力手段より入力し、入力された現状データと目標データとを対比可能な状態に表示するようになっている。
【0017】
このように、現状データおよび目標データを対比可能な状態に表示することにより、特別管理対象者が、現状の生活習慣の問題点を把握しやすくなると共に、どの程度の改善が必要であるかを容易に認識することができる。これにより、生活習慣改善指導を効果的に行うことができる。
【0018】
第2の健康管理支援システムにおいて、生活習慣の改善に関連する情報を記憶する生活改善情報記憶手段をさらに備え、前記生活習慣データ表示手段に、前記生活改善情報記憶手段から取得した情報を表示しても良い。あるいは、生活習慣の改善に関連する情報をシステム外部から通信により取得する生活改善情報取得手段をさらに備え、前記生活習慣データ表示手段に、前記生活改善情報取得手段により取得した情報を表示しても良い。
【0019】
第2の健康管理支援システムは、前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、健康状態評価値の目標値を入力する健康状態目標値入力手段と、健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標が前記目標値を達成するために十分か否かを判断する判断手段とをさらに備えた構成としても良い。
【0020】
あるいは、第2の健康管理支援システムは、前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標を達成するまでの健康状態評価値の推移を予測して表示する状態推移表示手段とをさらに備えた構成としても良い。
【0021】
または、第2の健康管理支援システムは、前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標を達成した際の健康状態評価値を予測して表示する予測値表示手段とをさらに備えた構成としても良い。
【0022】
また、本発明にかかる第1の健康管理支援プログラムをコンピュータに読み込んで動作させることにより、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象者として、その健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムを実現できる。
【0023】
本発明にかかる第2の健康管理支援プログラムをコンピュータに読み込んで動作させることにより、現状データおよび目標データを対比可能な状態に表示させ、特別管理対象者が、現状の生活習慣の問題点を把握しやすくなると共に、どの程度の改善が必要であるかを容易に認識することが可能となる。これにより、生活習慣改善指導を効果的に行うことができる。
【0024】
以下、本発明のさらに具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の健康管理支援システムは、診断結果入力部1、ハイリスク群選択部2、精検結果入力部3、特別管理対象者選択部4、特別措置対象者選択部5、健康状態評価部6、生活習慣データ入力部7、表示処理部8、生活改善情報記憶部9、生活習慣評価部10、目標値入力部11、および、相関データ記憶部12を備えている。
【0026】
なお、本発明にかかる健康管理システムは、例えば前記の各部を全て備えた一台の装置(例えば一台のコンピュータ)として実現されていても良いし、前記の各部を分散して備えた複数の装置(例えば複数のコンピュータ)からなるシステムとして実現されていても良い。
【0027】
診断結果入力部1は、定期総合健康診断の結果を入力する機能を持ち、例えば、定期総合健康診断の結果をオペレータが入力するためのキーボードやポインティングデバイス等によって構成できる。または、例えば定期総合健康診断が外部検査機関によって実施されるような場合であれば、検査結果データが、印刷または穿孔等により記録された媒体、あるいは磁気的、光学的、あるいは光磁気的に記録された媒体を外部検査機関から供給され、その媒体から検査結果データを読みとるような構成としても良い。あるいは、検査機器と有線または無線の通信手段によって接続され、検査機器からオペレータを介さずに検査結果データを直接入力するような構成であっても良い。
【0028】
診断結果入力部1から入力される検査結果データは、所定の検査項目(例えば尿検査、血液検査、問診、血圧、心電図など)に関する検査結果を、数値や文字あるいは画像等により表すデータである。検査結果データは、誰のデータであるかを一意に表す識別子と関連付けられた状態で、診断結果入力部1から入力される。前記識別子としては、例えば従業員コードまたは学生番号など、任意の数字あるいは数字と文字との組み合わせが用いられるが、例えば氏名そのものであっても良い。
【0029】
ハイリスク群選択部2は、診断結果入力部1により入力された検査結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択する。本実施形態では、健康状態評価部6が、定期総合健康診断の検査結果データに基づいて、各管理対象者の健康状態を客観的かつ総合的に表す評価値を算出し、ここで算出された評価値に基づいて、ハイリスク群選択部2が精査対象者を決定する。本実施形態では、健康状態評価部6が、前記評価値として、フラミンガムスタディを基にした冠疾患発症リスク予測モデルを用いて算出される、10年間の冠疾患発症リスク(10−year Coronary heart disease risk:以下、CHDリスクと称する)を算出するものとして以下の説明を行う。しかし、本発明で用いることのできる評価値はCHDリスクに限定されず、健康状態を客観的に評価し得る任意の評価指数を用いることができる。
【0030】
ハイリスク群選択部2は、精査対象者として選択された者のリストを表示または印刷出力する。このリストには、精査対象者として選択された者を特定できるように、各精査対象者の前記識別子を少なくとも記載する。このリストに基づき、精査対象者として選択された者に対して、定期総合健康診断よりも精密な検査を受けるよう促す通知が作成される。この通知は、紙媒体に印刷出力されて精査対象者へ届けられるものであっても良いし、ハイリスク群選択部2から、図示しない通信手段を介して、精査対象者へ電子メール等の電子媒体により送信されるものでも良い。
【0031】
精検結果入力部3は、精査対象者が受けた精密検査の結果データを入力する機能を持ち、前記の診断結果入力部1と同様に、例えば、精密検査の結果をオペレータが入力するためのキーボードやポインティングデバイス等によって構成できる。または、外部検査機関によって精密検査が実施された場合であれば、検査結果データが、印刷または穿孔等により記録された媒体、あるいは磁気的、光学的、あるいは光磁気的に記録された媒体を外部検査機関から供給され、その媒体から検査結果データを読みとるような構成としても良い。あるいは、検査機器と有線または無線の通信手段によって接続され、検査機器からオペレータを介さずに検査結果データを直接入力するような構成であっても良い。
【0032】
ここで、精密検査の結果データも、どの精査対象者についてのデータであるかを一意に特定できるように、精査対象者の識別子と対応付けられた状態で、精検結果入力部3へ入力される。なお、精査対象者の識別子は、前述した管理対象者の識別子と同一であっても良いし、管理対象者の識別子と対応付けられていることを条件として、精査対象者の個々に対して管理対象者の識別子とは別個に付与される固有の識別子であっても良い。
【0033】
特別管理対象者選択部4は、精検結果入力部3へ入力された精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択する。
【0034】
特別管理対象者選択部4は、特別管理対象者として選択された者のリストを表示または印刷出力する。このリストには、特別管理対象者として選択された者を特定できるように、各特別管理対象者の識別子を少なくとも記載する。このリストに基づき、特別管理対象者として選択された者に対して、生活習慣改善指導を受けるよう促す通知が作成される。この通知は、紙媒体に印刷出力されて特別管理対象者へ届けられるものであっても良いし、特別管理対象者選択部4から、図示しない通信手段を介して、特別管理対象者へ電子メール等の電子媒体により送信されるものでも良い。
【0035】
特別措置対象者選択部5は、特別管理対象者に対する再度の健康診断結果データに基づいて、特別管理対象者のうち依然としてハイリスク群に属する者を特別措置対象者として選択する。すなわち、特別管理対象者とされた者は、前述したように、生活習慣改善指導を受けることとなるが、例えば半年後や一年後に行われる次の定期総合健康診断の際に、特別管理対象者の検査結果データは、診断結果入力部1により入力された後、この特別措置対象者選択部5へ送られる。そして、特別措置対象者選択部5は、所定の基準に従って、特別管理対象者の検査結果データが改善されているかどうかを判断する。本実施形態の特別措置対象者選択部5は、精査対象者を選択するハイリスク群選択部2と同様に、健康状態評価部6により検査結果データから算出されるCHDリスクに基づき、特別措置対象者を選択する。ただし、本発明はこれに限定されず、ハイリスク群選択部2における精査対象者の選択と、特別措置対象者選択部5における特別措置対象者の選択とを、互いに異なる評価値に従って行っても良い。
【0036】
生活習慣データ入力部7は、生活改善情報記憶部9、生活習慣評価部10、目標値入力部11、および相関データ記憶部12は、生活習慣改善指導に関わる部分である。
【0037】
生活習慣データ入力部7は、特別管理対象者に指定された人の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データとをそれぞれ入力する機能を有する。前記現状データおよび目標データの具体例は後述する。
【0038】
生活改善情報記憶部9は、生活習慣の改善に関連する情報を記憶している。生活習慣の改善に関連する情報とは、特別管理対象者が生活習慣の改善目標を達成するために役立つ任意の情報である。具体例については後に説明する。なお、本実施形態では、生活習慣の改善に関連する情報を記憶する生活改善情報記憶部9をシステム内に備えた構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、生活習慣の改善に関連する情報を記憶するための構成をシステム内に持たず、例えばインターネット等の通信手段を介してアクセス可能な外部の記憶装置に生活習慣の改善に関連する情報を記憶し、ここから情報を取得するようにしても良い。あるいは、生活改善情報記憶部9をシステム内に有すると共に、外部の記憶装置からも情報を取得できるようにしても良い。
【0039】
生活習慣評価部10は、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれを数値化し、生活習慣評価値を算出する。この具体例についても後述する。
【0040】
目標値入力部11は、特別管理対象者が目標とすべき健康状態評価値を入力する機能を持つ。例えば、本実施形態の場合は、健康状態評価値としてCHDリスクを用いるので、特別管理対象者は、目標入力部11より、目標とすべきCHDリスクの値を入力することとなる。
【0041】
相関データ記憶部12は、健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶している。このデータとしては、例えば、この健康管理支援システムによる全ての管理対象者に関して過去から累積された健康状態評価値と生活習慣評価値とから統計的に抽出される相関性データ等を用いることができる。ただし、本発明はこれに限定されず、理論的に決定される相関性データを用いてもよい。あるいは、特定の職場や学校等に限定されず、ある程度の規模を持つ集団の健康状態評価値と生活習慣評価値とから統計的に抽出される相関性データを用いることも可能である。
【0042】
表示処理部8は、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置に、本健康管理支援システムで扱われる様々なデータを表示するための処理を行う。
【0043】
以下、上述の構成にかかる本実施形態の健康管理支援システムの動作について説明する。
【0044】
図2は、本実施形態の健康管理支援システムを用いた健康管理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
定期総合健康診断が行われると、診断結果入力部1より、全管理対象者の検査結果データが入力される(ステップS1)。この例では、検査データとして、T−cho(総コレステロール値)、HDL−C(HDLコレステロール値)、BP(血圧)、Smoke(喫煙の有無)、DM(耐糖能異常の有無)を入力した。なお、この他に年齢を加味してもよい。ステップS1で入力された検査結果データは、診断結果入力部1からハイリスク群選択部2へ送られる。
【0046】
ハイリスク群選択部2は、各管理対象者の検査データからCHDリスクを算出する。CHDリスクとは、心筋梗塞や狭心症等が10年間で発症する確率を表すものであり、その算出方法は、Wilson PW, D’agostino RB, Levy D et. al: Prediction of coronary heart disease using risk factor categories. Circulation 97: 1837−1847, 1998.に説明されている。
【0047】
ハイリスク群選択部2は、管理対象者のうち、算出されたCHDリスクが20%以上の人を、ハイリスク群に分類し、そのリストを出力する(ステップS2)。ハイリスク群に分類された人(精査対象者)には、前記リストに基づいて、精密検査を受けるよう促す通知が送られる。なお、この通知は、前述したように書面で送られても良いし、電子メール等の電子媒体により送られても良い。
【0048】
ここで、CHDリスクが19%以下であった管理対象者は、正常群に分類されることとなるが、図2に示すように、正常群に属する管理対象者をさらにCHDリスクが14%以下の者(ノーマル群)と15〜19%の者(ハイノーマル群)に分類し、ノーマル群とハイノーマル群との別にリストを出力しても良い。これにより、例えば、正常群に属する管理対象者を就業可能と判定するが、ハイノーマル群に属する人に対しては、例えば「注意して就業可」というような指導を行うことが可能となる。
【0049】
ハイリスク群に分類された精査対象者に対しては、問診、診察、作業内容調査(勤務形態、作業時間等)、頸部エコー、負荷心電図、24時間血圧等の精密検査を行う。その検査結果は、精検結果入力部3より入力され、特別管理対象者選択部4へ送られる(ステップS3)。
【0050】
特別管理対象者選択部4は、精密検査の結果に基づき、特別な生活習慣改善指導を必要とする特別管理対象者を選択する。本実施形態では、CHDリスクが25%以上の人は、精密検査の結果を問わずに特別管理対象者に分類し、CHDリスクが20〜24%の人については、精密検査の結果が「所見あり」とされた人を特別管理対象者に分類した。なお、本実施形態では、CHDリスクは、小数点以下を四捨五入した値とした後に、上述の閾値と比較した。しかし、本発明はこれに限定されず、特別管理対象者の選択基準や選択方法は、生活指導効果や管理効率を考慮して適宜設定すればよい。
【0051】
特別管理対象者に分類された人は、就業が困難であると仮判定されたと見ることもできる。本システム上で、各特別管理対象者のデータに、「就業困難仮判定」を表すフラグを付けても良い。なお、CHDリスクが20〜24%であってかつ精密検査の結果が「所見なし」とされた人は、特別管理対象者には分類されないが、「条件付き就業可」とされる。このように条件付き就業可とされた人についても、そのリストを出力したり、各人に対して例えば「労働時間短縮」等の就業条件を通知したりすることができる。
【0052】
特別管理対象者に分類された人には、特別対象者選択部4から出力されるリストに基づき、後述する生活習慣改善指導を受けることを促す通知が送られる。なお、この通知は、前述したように書面で送られても良いし、電子メール等の電子媒体により送られても良い。
【0053】
そして、半年あるいは一年のような所定の期間が経過した後に、特別管理対象者は再検査を受け、特別措置対象者選択部5が、再検査の結果を入力してCHDリスクを再評価する(ステップS4)。ここで、再評価されたCHDリスクが25%以上の値であった人と、CHDリスクが20〜24%であってかつステップS3の精密検査の結果が「所見あり」であった人は、就業上の特別措置が必要な特別措置対象者(就業困難)に分類される。CHDリスクが19%以下の人と、CHDリスクが20〜24%であってかつステップS3の精密検査の結果が「所見なし」であった人は、就業可能ではあるが、就業条件に制約が付けられる「条件付き就業可」に分類される。
【0054】
特別措置対象者に対しては、例えば「要休業」扱いとし、医師の診断書を提出させた上で休業させることが考えられる。あるいは、例えば社内の所定の機関(例えば人事部または健康管理室等)で当人の就業上の措置(配置転換、労働時間の短縮等)を決定する際の参考資料とするために、例えば図3に示すような帳票を出力しても良い。なお、図3に示した帳票はあくまでも一例であって、帳票に出力すべきデータや帳票デザインは任意である。また、帳票は、システム内に蓄積されたデータに基づいて全項目を自動出力するものでも良いし、一部の項目については医師や人事担当者等が手書きしたり押印したりするものでも良い。
【0055】
以上のように、本実施形態の健康管理支援システムを用いることにより、定期総合健康診断の結果を利用して求められるCHDリスク等に基づき、管理対象者の健康状態を客観的に判断し、就業条件の考慮や生活改善指導等、適切な措置を講ずることが可能となる。
【0056】
ここで、本実施形態の健康管理支援システムを用いて特別管理対象者に提供される生活習慣改善指導の例を、より具体的に説明する。
【0057】
図4に、生活習慣データ入力部7により生活習慣に関する現状データおよび目標データを入力する際に、表示処理部8により表示される入力画面の例を示す。図4の例では、各特別管理対象者について、「喫煙」、「食事」、「余暇」、「運動」の4つの大項目の生活習慣に関する現状データおよび目標データを入力でき、入力結果が表示されるようになっている。「食事」については16項目、「余暇」については3項目、「運動」については6項目が設けられている。図4の画面において、欄41〜45のうち、右側の欄ほど「現在実施している」、「実施できる自信あり」の項目を、左側の欄ほど「実施できていない」、「実施したくない」項目を配置するようになっている。このような画面は、GUIを利用して実現することができ、入力操作は、特別管理対象者自身が行っても良いし、生活習慣改善指導を行う医師、保健師、看護師、またはヘルスケアトレーナー等が、特別管理対象者と面談しながら入力操作を行ってもよい。
【0058】
図4の画面の各項目について、現状として実施できている場合は、一番右側の欄45をマウス等のポインティングデバイスで指定すれば、その項目の欄45に○が表示される。また、特別管理対象者が十分に実施できていないと思う場合は、その実施の程度に応じて、欄41から欄42までのいずれかを、マウス等のポインティングデバイスで指定する。例えば、図4の例では、「喫煙」について、現状は、タバコをかなり多く吸っている状態であるので、欄41を指定した結果、欄41に「タバコをやめる・吸わない」が表示されている。
【0059】
このように現状データを入力した後、目標データを入力する。すなわち、図4の例において、タバコをやめる自信がある場合は、欄45を指定することにより、図4に示したように、欄41に表示されている「タバコをやめる・吸わない」から欄45までの矢印記号が表示される。タバコをやめる努力をする意思はあるが、完全にやめる自信がない場合は、その意思の強さや自信の程度に応じて、欄42〜44のいずれかを指定すれば良い。なお、上記の矢印記号による表示はあくまでも一例であり、生活習慣の各項目に関する現状データと目標データとの対比が可能であることを条件として、任意の表示形態とすれば良い。
【0060】
ただし、項目によっては、特別管理対象者がそのような改善努力をしたくないあるいはできないというものもある。例えば、お酒が好きでどうしてもやめたくない、というような場合は、図4に示したように、該当する項目(「休肝日をつくる」、「アルコールを摂らない」)の欄41の横に×印を入力すれば、目標データを入力する必要はない。
【0061】
なお、現状データおよび目標データの入力方法や入力順序は任意であり、必ずしも上述した具体例には限定されない。また、現状データおよび目標データの表示方法も、前述したように、図4に示した具体例には限定されず、現状データと目標データとを対比可能であることを条件として、任意の表示状態とすることができる。例えば、項目毎に異なる画面に表示されるようにしても良い。
【0062】
以上のように、現状データおよび目標データを対比可能な状態に表示することにより、特別管理対象者が、現状の生活習慣の問題点を把握しやすくなると共に、どの程度の改善が必要であるかを容易に認識することができる。これにより、生活習慣改善指導を効果的に行うことができる。
【0063】
生活習慣評価部10が、生活習慣に関する現状データおよび目標データを生活習慣データ入力部7より入力すると、入力された現状データおよび目標データを数値化する。例えば、図4の場合、欄41に−2点、欄42に−1点、欄43に0点、欄44に1点、欄45に2点をそれぞれ割り当て、全項目について現状データが入力されている欄の合計点と、目標データが入力されている欄の合計点とをそれぞれ算出する。本実施形態の健康管理支援システムでは、この合計点を生活習慣評価値として用いることにより、各特定管理対象者の生活習慣を総合的かつ客観的に評価することが可能である。
【0064】
本実施形態にかかる健康管理支援システムでは、このように入力された生活習慣データや、生活習慣評価部10により求められた生活習慣評価値を用いて、様々な生活習慣改善指導を行うことが可能であるが、以下に、いくつかの具体例を示す。
【0065】
第1の例として、生活習慣の各項目について、その生活習慣の改善に関連する情報を、図4に示すような生活習慣データの表示画面と共に、あるいは別画面として、表示処理部8により表示することが考えられる。生活改善情報記憶部9には、生活習慣の改善に関連する情報として、様々な情報を記憶している。具体例を挙げれば、(1)禁煙に効果的な経皮吸収ニコチン製剤や禁煙補助食品(キャンディーやガム等)等の商品情報、(2)塩分を控えるためのメニューの例、(3)効果的な運動メニューの例、等があるが、これらのみに限定されるものではない。これらの情報の表示処理部8による表示状態は任意である。すなわち、文字情報として表示しても良いし、画像として表示しても良い。さらに、表示処理部8により表示したものと同じデータを印刷出力するようにしても良い。
【0066】
なお、本実施形態では、システム内に設けられた生活改善情報記憶部9から生活習慣の改善に関連する情報を取得して表示するものとしたが、システム外から例えばインターネット等を経由してこのような情報を取得して表示する構成とすることも可能である。
【0067】
第2の例として、特別管理対象者に、目標値入力部11より健康状態評価値の目標値(CHDリスクの目標値)を入力させ、生活習慣の現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値(現状のCHDリスク)と、相関データ記憶部12に記憶されている健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータとに基づき、生活習慣の改善目標が、CHDリスクの目標値を達成するために十分か否かを判断し、その結果を表示処理部8により表示させることも可能である。このような生活習慣改善指導を行うことにより、特別管理対象者に、生活習慣改善の必要性を十分に認識させて、生活習慣を積極的に改善しようとするモチベーションを持たせることができ、指導効果が上がるという利点がある。
【0068】
これを実現するためには、相関データ記憶部12に、生活習慣評価値とCHDリスクの値との相関性を表すデータを記憶しておく必要がある。このようなデータとしては、ある程度の規模を持つ集団に対して、各人の健康状態評価値(CHDリスク)と生活習慣評価値との相関性を調査した結果から統計的に抽出されたデータを用いることができる。また、理論的には、生活習慣評価値の値が良くなるほど(図4の例では値が大きくなるほど)、CHDリスクの値も良くなる(低くなり)はずであり、生活習慣評価値とCHDリスクの値との相関を表す関数を定義することも可能である。従って、このような関数を、相関データ記憶部12に記憶しておくことも考えられる。
【0069】
第3の例として、生活習慣の現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値(現状のCHDリスク)と、相関データ記憶部12に記憶されている健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータとに基づいて、生活習慣の改善目標を達成するまでの健康状態評価値(CHDリスク)の推移を予測し、表示処理部8により表示することも考えられる。これにより、生活習慣を改善することによってどの程度まで健康状態評価値(CHDリスク)の値が変化するかを特別管理対象者に分かりやすく認識させることができるので、生活習慣を積極的に改善しようとするモチベーションを持たせることができ、指導効果が向上するという利点がある。
【0070】
第4の例として、生活習慣の現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値(現状のCHDリスク)と、相関データ記憶部12に記憶されている健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータとに基づき、生活習慣の改善目標を達成した際の健康状態評価値(CHDリスク)を予測し、表示処理部8により表示することも考えられる。これにより、生活習慣を改善することによってどの程度まで健康状態評価値(CHDリスク)の値が変化するかを特別管理対象者に分かりやすく認識させることができるので、生活習慣を積極的に改善しようとするモチベーションを持たせることができ、指導効果が向上するという利点がある。
【0071】
以上の第1〜第4の例は、あくまでも例示であり、本発明をこれらに限定するものではない。本発明の健康管理支援システムでは、生活習慣の現状データおよび目標データや、これらのデータを数値化した生活習慣評価値を用いることにより、客観的かつ効果的な、様々な生活習慣改善指導を行うことができる。
【0072】
また、本実施形態にかかる健康管理支援システムでは、複数のスタッフ(医師、看護師、保健師、トレーナー等)が協同して効率的に生活習慣改善指導を行えるように、表示処理部8により、図5に示すような管理画面を表示する。
【0073】
この管理画面は、検査データを含む各種のデータの入力画面であると共に、各スタッフがなすべき作業のチェックリストでもある。なお、図5の例では、一つの画面に複数スタッフのデータ入力欄およびチェック欄が併記されているが、スタッフ毎に専用の画面を表示するようにしても良い。このように、生活習慣改善指導を行うために複数のスタッフが関与する場合に、スタッフ毎にデータ入力欄等を分けることにより、各スタッフの責務が明らかになり、重複作業や作業漏れが生じることを防止できる。
【0074】
以上の説明では、本発明にかかる健康管理支援システムをハードウェアとして実施する例を示したが、上述したような動作をコンピュータに実行させる健康管理支援プログラムとして本発明を実施することも可能である。この場合、本発明にかかるプログラムは、プログラム記録媒体や通信媒体等を介してコンピュータに読み込まれ、コンピュータの動作を制御することによって、本実施形態で説明したような健康管理支援システムを実現する。また、本発明にかかる健康管理支援プログラムを動作させるコンピュータは、パーソナルコンピュータ等の単体のコンピュータであっても良いし、例えばサーバ−クライアントシステムとして構成される複数のコンピュータであっても良い。後者の場合、サーバコンピュータとクライアントコンピュータが、その役割に応じて、本発明にかかる健康管理支援プログラムの各部(部分モジュール)を分担して動作させても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象者として、その健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムおよびコンピュータでこのシステムを実現するための健康管理支援プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムの概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムを用いた健康管理の流れを示すフローチャート
【図3】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムが出力する帳票の一例を示す図
【図4】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムにおいて、生活習慣改善指導をする際に表示される画面の一例を示す図
【図5】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムにおいて、生活習慣改善指導をする際に表示される画面の他の例を示す図
【符号の説明】
1 診断結果入力部
2 ハイリスク群選択部
3 精検結果入力部
4 特別管理対象者選択部
5 特別措置対象者選択部
6 健康状態評価部
7 生活習慣データ入力部
8 表示処理部
9 生活改善情報記憶部
10 生活習慣評価部
11 目標値入力部
12 相関データ記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、健康管理を支援する健康管理支援システムおよびこれをコンピュータで実現するための健康管理支援プログラムに関し、特に、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象とする健康管理支援システムおよびプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
疾患の早期発見および早期治療を目的として、職場や学校等において集団検診が行われている。従来、一般的には、集団検診では、問診、尿検査、血液検査、肺X線検査、血圧測定、あるいは心電図測定などの必要に応じた所定項目についての検査が行われる。そして、測定値が正常範囲を逸脱した人や、例えば問診やX線検査の所見として異常有りあるいは要注意を示された人に対して、自主的な精密検査を勧めることが多かった。
【0003】
しかし、近年、従業者の過労死や脳・心疾患の発症などに際して、健康配慮義務あるいは安全配慮義務を怠ったとして、雇用者(会社)が訴えられるケースが見られるようになっている。従って、雇用者としては、健康管理を従業者自身に任せるのではなく、集団検診の結果を利用して、従業者に対する健康配慮義務を十分に果たせるような健康管理システムを構築することが求められている。
【0004】
疾病予防や生活習慣の改善指導に貢献するシステムの従来例として、疾病に罹患する危険性、あるいは疾患の程度が進行する危険性を「リスク」という概念でとらえ、このリスクに関連する要因及び疾患の原因となる要因を分析することで、疾患の発症や進行の予兆を客観的に判断すると共に、リスクの状況に応じたリスク回避措置を提示しようとするシステムが、特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−46381号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、職場や学校等において、集団に対する健康管理を徹底して行い、健康上の問題がある人については、例えば職場であれば就業条件を制限したり、場合によっては休業させたりする等の適切な措置を行うようにするためのシステムは実現されていない。
【0007】
また、生活習慣病予防の観点からは、発症してから措置を施すだけでなく、定期健康診断において問題が見つかった時点で積極的な生活指導を行って健康状態を改善に導き、疾病を未然に防ぐことが望まれる。しかし、従来、適切な生活改善指導を行うためのシステムは実現されていない。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するために、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象者として、その健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムおよびコンピュータでこのシステムを実現するための健康管理支援プログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第1の健康管理支援システムは、管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力する診断結果入力手段と、前記診断結果入力手段により入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力するハイリスク群選択手段と、前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力する精検結果入力手段と、前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力する特別管理対象者選択手段と、前記診断結果入力手段により入力された、前記特別管理対象者に対する再度の健康診断結果データに基づいて、前記特別管理対象者のうち依然としてハイリスク群に属する者を特別措置対象者として選択し、少なくとも当該特別措置対象者の識別子を含む情報を出力する特別措置対象者選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる第2の健康管理支援システムは、管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力する診断結果入力手段と、前記診断結果入力手段により入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力するハイリスク群選択手段と、前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力する精検結果入力手段と、前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力する特別管理対象者選択手段と、前記特別管理対象者の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データとをそれぞれ入力する生活習慣データ入力手段と、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび生活習慣データを対比可能な状態に表示する生活習慣データ表示手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第1の健康管理支援プログラムは、コンピュータに読み込まれてその動作を制御するプログラムであって、管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力し、入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力し、前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力し、前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力し、前記特別管理対象者に対して再度の健康診断結果データを入力した場合、前記特別管理対象者のうち依然としてハイリスク群に属する者を特別措置対象者として選択し、少なくとも当該特別措置対象者の識別子を含む情報を出力することを特徴とする処理をコンピュータに実行させる健康管理支援プログラムである。
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる第2の健康管理支援プログラムは、コンピュータに読み込まれてその動作を制御するプログラムであって、管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力し、入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力し、前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力し、前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力し、前記特別管理対象者の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データとをそれぞれ入力し、入力された現状データおよび生活習慣データを対比可能な状態に表示することを特徴とする処理をコンピュータに実行させる健康管理支援プログラムである。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記した本発明にかかる第1の健康管理支援システムでは、診断結果入力手段より入力された健康診断結果データに基づいて、ハイリスク群選択手段が、ハイリスク群に属する人を精査対象者として選択する。そして、これらの人に対する精密検査の結果を精検結果入力手段より入力し、特別管理対象者選択手段により、例えば経過観察や生活習慣改善指導等の特別な管理が必要な人を特別管理対象者として選択する。そして、特別管理対象者に対して行った再検査の結果に基づき、特別措置対象者選択手段が、依然としてハイリスク群に属する人を、例えば就業条件等についての特別な措置を講ずることが必要な特別措置対象者として選択する。これにより、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象者として、その健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムを提供できる。
【0014】
前記第1の健康管理支援システムは、健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段をさらに備え、前記ハイリスク群選択手段および前記特別措置対象者選択手段において、前記健康状態評価手段により算出された健康状態評価値を所定の閾値と比較することにより、各管理対象者がハイリスク群に属するか否かを判断する構成とすることができる。
【0015】
また、前記健康状態評価手段が算出する健康状態評価値として、これに限定されないが、CHDリスクを用いることが好ましい。CHDリスクは、心筋梗塞や狭心症等が10年間で発症する確率を表す指標である。CHDリスクを指標としてハイリスク群に属するか否かを判断することにより、死亡リスクの高い心疾患の予防を効果的に達成することができる。さらに、各管理対象者のCHDリスクが20%以上100%以下である場合、当該管理対象者はハイリスク群に属すると判定することが好ましい。この値は、感度・特異度から作成されたROC(Receiver operating characteristic)曲線や陽性反応的中率といった疫学指標から決定される最適カットオフ値である。
【0016】
また、上記した本発明にかかる第2の健康管理支援システムでは、特別管理対象者の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データを生活習慣データ入力手段より入力し、入力された現状データと目標データとを対比可能な状態に表示するようになっている。
【0017】
このように、現状データおよび目標データを対比可能な状態に表示することにより、特別管理対象者が、現状の生活習慣の問題点を把握しやすくなると共に、どの程度の改善が必要であるかを容易に認識することができる。これにより、生活習慣改善指導を効果的に行うことができる。
【0018】
第2の健康管理支援システムにおいて、生活習慣の改善に関連する情報を記憶する生活改善情報記憶手段をさらに備え、前記生活習慣データ表示手段に、前記生活改善情報記憶手段から取得した情報を表示しても良い。あるいは、生活習慣の改善に関連する情報をシステム外部から通信により取得する生活改善情報取得手段をさらに備え、前記生活習慣データ表示手段に、前記生活改善情報取得手段により取得した情報を表示しても良い。
【0019】
第2の健康管理支援システムは、前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、健康状態評価値の目標値を入力する健康状態目標値入力手段と、健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標が前記目標値を達成するために十分か否かを判断する判断手段とをさらに備えた構成としても良い。
【0020】
あるいは、第2の健康管理支援システムは、前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標を達成するまでの健康状態評価値の推移を予測して表示する状態推移表示手段とをさらに備えた構成としても良い。
【0021】
または、第2の健康管理支援システムは、前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標を達成した際の健康状態評価値を予測して表示する予測値表示手段とをさらに備えた構成としても良い。
【0022】
また、本発明にかかる第1の健康管理支援プログラムをコンピュータに読み込んで動作させることにより、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象者として、その健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムを実現できる。
【0023】
本発明にかかる第2の健康管理支援プログラムをコンピュータに読み込んで動作させることにより、現状データおよび目標データを対比可能な状態に表示させ、特別管理対象者が、現状の生活習慣の問題点を把握しやすくなると共に、どの程度の改善が必要であるかを容易に認識することが可能となる。これにより、生活習慣改善指導を効果的に行うことができる。
【0024】
以下、本発明のさらに具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の健康管理支援システムは、診断結果入力部1、ハイリスク群選択部2、精検結果入力部3、特別管理対象者選択部4、特別措置対象者選択部5、健康状態評価部6、生活習慣データ入力部7、表示処理部8、生活改善情報記憶部9、生活習慣評価部10、目標値入力部11、および、相関データ記憶部12を備えている。
【0026】
なお、本発明にかかる健康管理システムは、例えば前記の各部を全て備えた一台の装置(例えば一台のコンピュータ)として実現されていても良いし、前記の各部を分散して備えた複数の装置(例えば複数のコンピュータ)からなるシステムとして実現されていても良い。
【0027】
診断結果入力部1は、定期総合健康診断の結果を入力する機能を持ち、例えば、定期総合健康診断の結果をオペレータが入力するためのキーボードやポインティングデバイス等によって構成できる。または、例えば定期総合健康診断が外部検査機関によって実施されるような場合であれば、検査結果データが、印刷または穿孔等により記録された媒体、あるいは磁気的、光学的、あるいは光磁気的に記録された媒体を外部検査機関から供給され、その媒体から検査結果データを読みとるような構成としても良い。あるいは、検査機器と有線または無線の通信手段によって接続され、検査機器からオペレータを介さずに検査結果データを直接入力するような構成であっても良い。
【0028】
診断結果入力部1から入力される検査結果データは、所定の検査項目(例えば尿検査、血液検査、問診、血圧、心電図など)に関する検査結果を、数値や文字あるいは画像等により表すデータである。検査結果データは、誰のデータであるかを一意に表す識別子と関連付けられた状態で、診断結果入力部1から入力される。前記識別子としては、例えば従業員コードまたは学生番号など、任意の数字あるいは数字と文字との組み合わせが用いられるが、例えば氏名そのものであっても良い。
【0029】
ハイリスク群選択部2は、診断結果入力部1により入力された検査結果データに基づいて、管理対象者のうちハイリスク群に属する者を精査対象者として選択する。本実施形態では、健康状態評価部6が、定期総合健康診断の検査結果データに基づいて、各管理対象者の健康状態を客観的かつ総合的に表す評価値を算出し、ここで算出された評価値に基づいて、ハイリスク群選択部2が精査対象者を決定する。本実施形態では、健康状態評価部6が、前記評価値として、フラミンガムスタディを基にした冠疾患発症リスク予測モデルを用いて算出される、10年間の冠疾患発症リスク(10−year Coronary heart disease risk:以下、CHDリスクと称する)を算出するものとして以下の説明を行う。しかし、本発明で用いることのできる評価値はCHDリスクに限定されず、健康状態を客観的に評価し得る任意の評価指数を用いることができる。
【0030】
ハイリスク群選択部2は、精査対象者として選択された者のリストを表示または印刷出力する。このリストには、精査対象者として選択された者を特定できるように、各精査対象者の前記識別子を少なくとも記載する。このリストに基づき、精査対象者として選択された者に対して、定期総合健康診断よりも精密な検査を受けるよう促す通知が作成される。この通知は、紙媒体に印刷出力されて精査対象者へ届けられるものであっても良いし、ハイリスク群選択部2から、図示しない通信手段を介して、精査対象者へ電子メール等の電子媒体により送信されるものでも良い。
【0031】
精検結果入力部3は、精査対象者が受けた精密検査の結果データを入力する機能を持ち、前記の診断結果入力部1と同様に、例えば、精密検査の結果をオペレータが入力するためのキーボードやポインティングデバイス等によって構成できる。または、外部検査機関によって精密検査が実施された場合であれば、検査結果データが、印刷または穿孔等により記録された媒体、あるいは磁気的、光学的、あるいは光磁気的に記録された媒体を外部検査機関から供給され、その媒体から検査結果データを読みとるような構成としても良い。あるいは、検査機器と有線または無線の通信手段によって接続され、検査機器からオペレータを介さずに検査結果データを直接入力するような構成であっても良い。
【0032】
ここで、精密検査の結果データも、どの精査対象者についてのデータであるかを一意に特定できるように、精査対象者の識別子と対応付けられた状態で、精検結果入力部3へ入力される。なお、精査対象者の識別子は、前述した管理対象者の識別子と同一であっても良いし、管理対象者の識別子と対応付けられていることを条件として、精査対象者の個々に対して管理対象者の識別子とは別個に付与される固有の識別子であっても良い。
【0033】
特別管理対象者選択部4は、精検結果入力部3へ入力された精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択する。
【0034】
特別管理対象者選択部4は、特別管理対象者として選択された者のリストを表示または印刷出力する。このリストには、特別管理対象者として選択された者を特定できるように、各特別管理対象者の識別子を少なくとも記載する。このリストに基づき、特別管理対象者として選択された者に対して、生活習慣改善指導を受けるよう促す通知が作成される。この通知は、紙媒体に印刷出力されて特別管理対象者へ届けられるものであっても良いし、特別管理対象者選択部4から、図示しない通信手段を介して、特別管理対象者へ電子メール等の電子媒体により送信されるものでも良い。
【0035】
特別措置対象者選択部5は、特別管理対象者に対する再度の健康診断結果データに基づいて、特別管理対象者のうち依然としてハイリスク群に属する者を特別措置対象者として選択する。すなわち、特別管理対象者とされた者は、前述したように、生活習慣改善指導を受けることとなるが、例えば半年後や一年後に行われる次の定期総合健康診断の際に、特別管理対象者の検査結果データは、診断結果入力部1により入力された後、この特別措置対象者選択部5へ送られる。そして、特別措置対象者選択部5は、所定の基準に従って、特別管理対象者の検査結果データが改善されているかどうかを判断する。本実施形態の特別措置対象者選択部5は、精査対象者を選択するハイリスク群選択部2と同様に、健康状態評価部6により検査結果データから算出されるCHDリスクに基づき、特別措置対象者を選択する。ただし、本発明はこれに限定されず、ハイリスク群選択部2における精査対象者の選択と、特別措置対象者選択部5における特別措置対象者の選択とを、互いに異なる評価値に従って行っても良い。
【0036】
生活習慣データ入力部7は、生活改善情報記憶部9、生活習慣評価部10、目標値入力部11、および相関データ記憶部12は、生活習慣改善指導に関わる部分である。
【0037】
生活習慣データ入力部7は、特別管理対象者に指定された人の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データとをそれぞれ入力する機能を有する。前記現状データおよび目標データの具体例は後述する。
【0038】
生活改善情報記憶部9は、生活習慣の改善に関連する情報を記憶している。生活習慣の改善に関連する情報とは、特別管理対象者が生活習慣の改善目標を達成するために役立つ任意の情報である。具体例については後に説明する。なお、本実施形態では、生活習慣の改善に関連する情報を記憶する生活改善情報記憶部9をシステム内に備えた構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、生活習慣の改善に関連する情報を記憶するための構成をシステム内に持たず、例えばインターネット等の通信手段を介してアクセス可能な外部の記憶装置に生活習慣の改善に関連する情報を記憶し、ここから情報を取得するようにしても良い。あるいは、生活改善情報記憶部9をシステム内に有すると共に、外部の記憶装置からも情報を取得できるようにしても良い。
【0039】
生活習慣評価部10は、前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれを数値化し、生活習慣評価値を算出する。この具体例についても後述する。
【0040】
目標値入力部11は、特別管理対象者が目標とすべき健康状態評価値を入力する機能を持つ。例えば、本実施形態の場合は、健康状態評価値としてCHDリスクを用いるので、特別管理対象者は、目標入力部11より、目標とすべきCHDリスクの値を入力することとなる。
【0041】
相関データ記憶部12は、健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶している。このデータとしては、例えば、この健康管理支援システムによる全ての管理対象者に関して過去から累積された健康状態評価値と生活習慣評価値とから統計的に抽出される相関性データ等を用いることができる。ただし、本発明はこれに限定されず、理論的に決定される相関性データを用いてもよい。あるいは、特定の職場や学校等に限定されず、ある程度の規模を持つ集団の健康状態評価値と生活習慣評価値とから統計的に抽出される相関性データを用いることも可能である。
【0042】
表示処理部8は、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置に、本健康管理支援システムで扱われる様々なデータを表示するための処理を行う。
【0043】
以下、上述の構成にかかる本実施形態の健康管理支援システムの動作について説明する。
【0044】
図2は、本実施形態の健康管理支援システムを用いた健康管理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
定期総合健康診断が行われると、診断結果入力部1より、全管理対象者の検査結果データが入力される(ステップS1)。この例では、検査データとして、T−cho(総コレステロール値)、HDL−C(HDLコレステロール値)、BP(血圧)、Smoke(喫煙の有無)、DM(耐糖能異常の有無)を入力した。なお、この他に年齢を加味してもよい。ステップS1で入力された検査結果データは、診断結果入力部1からハイリスク群選択部2へ送られる。
【0046】
ハイリスク群選択部2は、各管理対象者の検査データからCHDリスクを算出する。CHDリスクとは、心筋梗塞や狭心症等が10年間で発症する確率を表すものであり、その算出方法は、Wilson PW, D’agostino RB, Levy D et. al: Prediction of coronary heart disease using risk factor categories. Circulation 97: 1837−1847, 1998.に説明されている。
【0047】
ハイリスク群選択部2は、管理対象者のうち、算出されたCHDリスクが20%以上の人を、ハイリスク群に分類し、そのリストを出力する(ステップS2)。ハイリスク群に分類された人(精査対象者)には、前記リストに基づいて、精密検査を受けるよう促す通知が送られる。なお、この通知は、前述したように書面で送られても良いし、電子メール等の電子媒体により送られても良い。
【0048】
ここで、CHDリスクが19%以下であった管理対象者は、正常群に分類されることとなるが、図2に示すように、正常群に属する管理対象者をさらにCHDリスクが14%以下の者(ノーマル群)と15〜19%の者(ハイノーマル群)に分類し、ノーマル群とハイノーマル群との別にリストを出力しても良い。これにより、例えば、正常群に属する管理対象者を就業可能と判定するが、ハイノーマル群に属する人に対しては、例えば「注意して就業可」というような指導を行うことが可能となる。
【0049】
ハイリスク群に分類された精査対象者に対しては、問診、診察、作業内容調査(勤務形態、作業時間等)、頸部エコー、負荷心電図、24時間血圧等の精密検査を行う。その検査結果は、精検結果入力部3より入力され、特別管理対象者選択部4へ送られる(ステップS3)。
【0050】
特別管理対象者選択部4は、精密検査の結果に基づき、特別な生活習慣改善指導を必要とする特別管理対象者を選択する。本実施形態では、CHDリスクが25%以上の人は、精密検査の結果を問わずに特別管理対象者に分類し、CHDリスクが20〜24%の人については、精密検査の結果が「所見あり」とされた人を特別管理対象者に分類した。なお、本実施形態では、CHDリスクは、小数点以下を四捨五入した値とした後に、上述の閾値と比較した。しかし、本発明はこれに限定されず、特別管理対象者の選択基準や選択方法は、生活指導効果や管理効率を考慮して適宜設定すればよい。
【0051】
特別管理対象者に分類された人は、就業が困難であると仮判定されたと見ることもできる。本システム上で、各特別管理対象者のデータに、「就業困難仮判定」を表すフラグを付けても良い。なお、CHDリスクが20〜24%であってかつ精密検査の結果が「所見なし」とされた人は、特別管理対象者には分類されないが、「条件付き就業可」とされる。このように条件付き就業可とされた人についても、そのリストを出力したり、各人に対して例えば「労働時間短縮」等の就業条件を通知したりすることができる。
【0052】
特別管理対象者に分類された人には、特別対象者選択部4から出力されるリストに基づき、後述する生活習慣改善指導を受けることを促す通知が送られる。なお、この通知は、前述したように書面で送られても良いし、電子メール等の電子媒体により送られても良い。
【0053】
そして、半年あるいは一年のような所定の期間が経過した後に、特別管理対象者は再検査を受け、特別措置対象者選択部5が、再検査の結果を入力してCHDリスクを再評価する(ステップS4)。ここで、再評価されたCHDリスクが25%以上の値であった人と、CHDリスクが20〜24%であってかつステップS3の精密検査の結果が「所見あり」であった人は、就業上の特別措置が必要な特別措置対象者(就業困難)に分類される。CHDリスクが19%以下の人と、CHDリスクが20〜24%であってかつステップS3の精密検査の結果が「所見なし」であった人は、就業可能ではあるが、就業条件に制約が付けられる「条件付き就業可」に分類される。
【0054】
特別措置対象者に対しては、例えば「要休業」扱いとし、医師の診断書を提出させた上で休業させることが考えられる。あるいは、例えば社内の所定の機関(例えば人事部または健康管理室等)で当人の就業上の措置(配置転換、労働時間の短縮等)を決定する際の参考資料とするために、例えば図3に示すような帳票を出力しても良い。なお、図3に示した帳票はあくまでも一例であって、帳票に出力すべきデータや帳票デザインは任意である。また、帳票は、システム内に蓄積されたデータに基づいて全項目を自動出力するものでも良いし、一部の項目については医師や人事担当者等が手書きしたり押印したりするものでも良い。
【0055】
以上のように、本実施形態の健康管理支援システムを用いることにより、定期総合健康診断の結果を利用して求められるCHDリスク等に基づき、管理対象者の健康状態を客観的に判断し、就業条件の考慮や生活改善指導等、適切な措置を講ずることが可能となる。
【0056】
ここで、本実施形態の健康管理支援システムを用いて特別管理対象者に提供される生活習慣改善指導の例を、より具体的に説明する。
【0057】
図4に、生活習慣データ入力部7により生活習慣に関する現状データおよび目標データを入力する際に、表示処理部8により表示される入力画面の例を示す。図4の例では、各特別管理対象者について、「喫煙」、「食事」、「余暇」、「運動」の4つの大項目の生活習慣に関する現状データおよび目標データを入力でき、入力結果が表示されるようになっている。「食事」については16項目、「余暇」については3項目、「運動」については6項目が設けられている。図4の画面において、欄41〜45のうち、右側の欄ほど「現在実施している」、「実施できる自信あり」の項目を、左側の欄ほど「実施できていない」、「実施したくない」項目を配置するようになっている。このような画面は、GUIを利用して実現することができ、入力操作は、特別管理対象者自身が行っても良いし、生活習慣改善指導を行う医師、保健師、看護師、またはヘルスケアトレーナー等が、特別管理対象者と面談しながら入力操作を行ってもよい。
【0058】
図4の画面の各項目について、現状として実施できている場合は、一番右側の欄45をマウス等のポインティングデバイスで指定すれば、その項目の欄45に○が表示される。また、特別管理対象者が十分に実施できていないと思う場合は、その実施の程度に応じて、欄41から欄42までのいずれかを、マウス等のポインティングデバイスで指定する。例えば、図4の例では、「喫煙」について、現状は、タバコをかなり多く吸っている状態であるので、欄41を指定した結果、欄41に「タバコをやめる・吸わない」が表示されている。
【0059】
このように現状データを入力した後、目標データを入力する。すなわち、図4の例において、タバコをやめる自信がある場合は、欄45を指定することにより、図4に示したように、欄41に表示されている「タバコをやめる・吸わない」から欄45までの矢印記号が表示される。タバコをやめる努力をする意思はあるが、完全にやめる自信がない場合は、その意思の強さや自信の程度に応じて、欄42〜44のいずれかを指定すれば良い。なお、上記の矢印記号による表示はあくまでも一例であり、生活習慣の各項目に関する現状データと目標データとの対比が可能であることを条件として、任意の表示形態とすれば良い。
【0060】
ただし、項目によっては、特別管理対象者がそのような改善努力をしたくないあるいはできないというものもある。例えば、お酒が好きでどうしてもやめたくない、というような場合は、図4に示したように、該当する項目(「休肝日をつくる」、「アルコールを摂らない」)の欄41の横に×印を入力すれば、目標データを入力する必要はない。
【0061】
なお、現状データおよび目標データの入力方法や入力順序は任意であり、必ずしも上述した具体例には限定されない。また、現状データおよび目標データの表示方法も、前述したように、図4に示した具体例には限定されず、現状データと目標データとを対比可能であることを条件として、任意の表示状態とすることができる。例えば、項目毎に異なる画面に表示されるようにしても良い。
【0062】
以上のように、現状データおよび目標データを対比可能な状態に表示することにより、特別管理対象者が、現状の生活習慣の問題点を把握しやすくなると共に、どの程度の改善が必要であるかを容易に認識することができる。これにより、生活習慣改善指導を効果的に行うことができる。
【0063】
生活習慣評価部10が、生活習慣に関する現状データおよび目標データを生活習慣データ入力部7より入力すると、入力された現状データおよび目標データを数値化する。例えば、図4の場合、欄41に−2点、欄42に−1点、欄43に0点、欄44に1点、欄45に2点をそれぞれ割り当て、全項目について現状データが入力されている欄の合計点と、目標データが入力されている欄の合計点とをそれぞれ算出する。本実施形態の健康管理支援システムでは、この合計点を生活習慣評価値として用いることにより、各特定管理対象者の生活習慣を総合的かつ客観的に評価することが可能である。
【0064】
本実施形態にかかる健康管理支援システムでは、このように入力された生活習慣データや、生活習慣評価部10により求められた生活習慣評価値を用いて、様々な生活習慣改善指導を行うことが可能であるが、以下に、いくつかの具体例を示す。
【0065】
第1の例として、生活習慣の各項目について、その生活習慣の改善に関連する情報を、図4に示すような生活習慣データの表示画面と共に、あるいは別画面として、表示処理部8により表示することが考えられる。生活改善情報記憶部9には、生活習慣の改善に関連する情報として、様々な情報を記憶している。具体例を挙げれば、(1)禁煙に効果的な経皮吸収ニコチン製剤や禁煙補助食品(キャンディーやガム等)等の商品情報、(2)塩分を控えるためのメニューの例、(3)効果的な運動メニューの例、等があるが、これらのみに限定されるものではない。これらの情報の表示処理部8による表示状態は任意である。すなわち、文字情報として表示しても良いし、画像として表示しても良い。さらに、表示処理部8により表示したものと同じデータを印刷出力するようにしても良い。
【0066】
なお、本実施形態では、システム内に設けられた生活改善情報記憶部9から生活習慣の改善に関連する情報を取得して表示するものとしたが、システム外から例えばインターネット等を経由してこのような情報を取得して表示する構成とすることも可能である。
【0067】
第2の例として、特別管理対象者に、目標値入力部11より健康状態評価値の目標値(CHDリスクの目標値)を入力させ、生活習慣の現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値(現状のCHDリスク)と、相関データ記憶部12に記憶されている健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータとに基づき、生活習慣の改善目標が、CHDリスクの目標値を達成するために十分か否かを判断し、その結果を表示処理部8により表示させることも可能である。このような生活習慣改善指導を行うことにより、特別管理対象者に、生活習慣改善の必要性を十分に認識させて、生活習慣を積極的に改善しようとするモチベーションを持たせることができ、指導効果が上がるという利点がある。
【0068】
これを実現するためには、相関データ記憶部12に、生活習慣評価値とCHDリスクの値との相関性を表すデータを記憶しておく必要がある。このようなデータとしては、ある程度の規模を持つ集団に対して、各人の健康状態評価値(CHDリスク)と生活習慣評価値との相関性を調査した結果から統計的に抽出されたデータを用いることができる。また、理論的には、生活習慣評価値の値が良くなるほど(図4の例では値が大きくなるほど)、CHDリスクの値も良くなる(低くなり)はずであり、生活習慣評価値とCHDリスクの値との相関を表す関数を定義することも可能である。従って、このような関数を、相関データ記憶部12に記憶しておくことも考えられる。
【0069】
第3の例として、生活習慣の現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値(現状のCHDリスク)と、相関データ記憶部12に記憶されている健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータとに基づいて、生活習慣の改善目標を達成するまでの健康状態評価値(CHDリスク)の推移を予測し、表示処理部8により表示することも考えられる。これにより、生活習慣を改善することによってどの程度まで健康状態評価値(CHDリスク)の値が変化するかを特別管理対象者に分かりやすく認識させることができるので、生活習慣を積極的に改善しようとするモチベーションを持たせることができ、指導効果が向上するという利点がある。
【0070】
第4の例として、生活習慣の現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値(現状のCHDリスク)と、相関データ記憶部12に記憶されている健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータとに基づき、生活習慣の改善目標を達成した際の健康状態評価値(CHDリスク)を予測し、表示処理部8により表示することも考えられる。これにより、生活習慣を改善することによってどの程度まで健康状態評価値(CHDリスク)の値が変化するかを特別管理対象者に分かりやすく認識させることができるので、生活習慣を積極的に改善しようとするモチベーションを持たせることができ、指導効果が向上するという利点がある。
【0071】
以上の第1〜第4の例は、あくまでも例示であり、本発明をこれらに限定するものではない。本発明の健康管理支援システムでは、生活習慣の現状データおよび目標データや、これらのデータを数値化した生活習慣評価値を用いることにより、客観的かつ効果的な、様々な生活習慣改善指導を行うことができる。
【0072】
また、本実施形態にかかる健康管理支援システムでは、複数のスタッフ(医師、看護師、保健師、トレーナー等)が協同して効率的に生活習慣改善指導を行えるように、表示処理部8により、図5に示すような管理画面を表示する。
【0073】
この管理画面は、検査データを含む各種のデータの入力画面であると共に、各スタッフがなすべき作業のチェックリストでもある。なお、図5の例では、一つの画面に複数スタッフのデータ入力欄およびチェック欄が併記されているが、スタッフ毎に専用の画面を表示するようにしても良い。このように、生活習慣改善指導を行うために複数のスタッフが関与する場合に、スタッフ毎にデータ入力欄等を分けることにより、各スタッフの責務が明らかになり、重複作業や作業漏れが生じることを防止できる。
【0074】
以上の説明では、本発明にかかる健康管理支援システムをハードウェアとして実施する例を示したが、上述したような動作をコンピュータに実行させる健康管理支援プログラムとして本発明を実施することも可能である。この場合、本発明にかかるプログラムは、プログラム記録媒体や通信媒体等を介してコンピュータに読み込まれ、コンピュータの動作を制御することによって、本実施形態で説明したような健康管理支援システムを実現する。また、本発明にかかる健康管理支援プログラムを動作させるコンピュータは、パーソナルコンピュータ等の単体のコンピュータであっても良いし、例えばサーバ−クライアントシステムとして構成される複数のコンピュータであっても良い。後者の場合、サーバコンピュータとクライアントコンピュータが、その役割に応じて、本発明にかかる健康管理支援プログラムの各部(部分モジュール)を分担して動作させても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、例えば職場や教育機関等における集団を管理対象者として、その健康管理を適切に支援するための健康管理支援システムおよびコンピュータでこのシステムを実現するための健康管理支援プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムの概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムを用いた健康管理の流れを示すフローチャート
【図3】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムが出力する帳票の一例を示す図
【図4】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムにおいて、生活習慣改善指導をする際に表示される画面の一例を示す図
【図5】本発明の一実施形態にかかる健康管理支援システムにおいて、生活習慣改善指導をする際に表示される画面の他の例を示す図
【符号の説明】
1 診断結果入力部
2 ハイリスク群選択部
3 精検結果入力部
4 特別管理対象者選択部
5 特別措置対象者選択部
6 健康状態評価部
7 生活習慣データ入力部
8 表示処理部
9 生活改善情報記憶部
10 生活習慣評価部
11 目標値入力部
12 相関データ記憶部
Claims (20)
- 管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力する診断結果入力手段と、
前記診断結果入力手段により入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちリスクの大きな所定の群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力するリスク群選択手段と、
前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力する精検結果入力手段と、
前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力する特別管理対象者選択手段と、
前記診断結果入力手段により入力された、前記特別管理対象者に対する再度の健康診断による再健康診断結果データに基づいて、前記特別管理対象者のうちリスク群に属する者を特別措置対象者として選択し、少なくとも当該特別措置対象者の識別子を含む情報を出力する特別措置対象者選択手段とを備えたことを特徴とする健康管理支援システム。 - 前記健康診断結果データまたは前記再健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段をさらに備え、
前記リスク群選択手段または前記特別措置対象者選択手段のいずれかにおいて、前記健康状態評価手段により算出された健康状態評価値を所定の閾値と比較することにより、各管理対象者がハイリスク群に属するか否かを判断する、請求項1に記載の健康管理支援システム。 - 前記健康状態評価手段が算出する健康状態評価値がCHDリスクである、請求項2に記載の健康管理支援システム。
- 各管理対象者のCHDリスクが20%以上100%以下である場合、当該管理対象者はハイリスク群に属すると判定する、請求項3に記載の健康管理支援システム。
- 管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力する診断結果入力手段と、
前記診断結果入力手段により入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちリスクの大きな所定の群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力するリスク群選択手段と、
前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力する精検結果入力手段と、
前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力する特別管理対象者選択手段と、
前記特別管理対象者の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データとをそれぞれ入力する生活習慣データ入力手段と、
前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび生活習慣データを対比可能な状態に表示する生活習慣データ表示手段とをさらに備えたことを特徴とする健康管理支援システム。 - 生活習慣の改善に関連する情報を記憶する生活改善情報記憶手段をさらに備え、
前記生活習慣データ表示手段に、前記生活改善情報記憶手段から取得した情報を表示する、請求項5に記載の健康管理支援システム。 - 生活習慣の改善に関連する情報をシステム外部から通信により取得する生活改善情報取得手段をさらに備え、
前記生活習慣データ表示手段に、前記生活改善情報取得手段により取得した情報を表示する、請求項5に記載の健康管理支援システム。 - 前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、
前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、
健康状態評価値の目標値を入力する健康状態目標値入力手段と、
健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、
前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標が前記目標値を達成するために十分か否かを判断する判断手段とをさらに備えた、請求項5に記載の健康管理支援システム。 - 前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、
前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、
健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、
前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標を達成するまでの健康状態評価値の推移を予測して表示する状態推移表示手段とをさらに備えた、請求項5に記載の健康管理支援システム。 - 前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出する健康状態評価手段と、
前記生活習慣データ入力手段により入力された現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出する生活習慣評価手段と、
健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段と、
前記相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標を達成した際の健康状態評価値を予測して表示する予測値表示手段とをさらに備えた、請求項5に記載の健康管理支援システム。 - 管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力し、
入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちリスクの大きな所定の群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力し、
前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力し、
前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力し、
前記特別管理対象者に対して再度の健康診断による再健康診断結果データを入力した場合、前記特別管理対象者のうちリスク群に属する者を特別措置対象者として選択し、少なくとも当該特別措置対象者の識別子を含む情報を出力することを特徴とする処理をコンピュータに実行させる健康管理支援プログラム。 - 前記健康診断結果データまたは前記再健康診断結果データから健康状態評価値を算出し、算出された健康状態評価値を所定の閾値と比較することにより、各管理対象者がハイリスク群に属するか否かを判断する、請求項11に記載の健康管理支援プログラム。
- 前記健康状態評価値としてCHDリスクを算出する、請求項12に記載の健康管理支援プログラム。
- 各管理対象者のCHDリスクが20%以上100%以下である場合、当該管理対象者はハイリスク群に属すると判定する、請求項13に記載の健康管理支援プログラム。
- 管理対象者の健康診断結果データを各管理対象者の識別子と関連づけて入力し、
入力された健康診断結果データに基づいて、管理対象者のうちリスクの大きな所定の群に属する者を精査対象者として選択し、少なくとも当該精査対象者の識別子を含む情報を出力し、
前記精査対象者の精密検査結果を各精査対象者の識別子と関連付けて入力し、
前記精密検査結果に基づいて、前記精査対象者のうち特別な管理が必要な者を特別管理対象者として選択し、少なくとも当該特別管理対象者の識別子を含む情報を出力し、
前記特別管理対象者の現状の生活習慣を表す現状データと、生活習慣の改善目標を表す目標データとをそれぞれ入力し、
入力された現状データおよび生活習慣データを対比可能な状態に表示することを特徴とする処理をコンピュータに実行させる健康管理支援プログラム。 - 生活習慣の改善に関連する情報を、前記コンピュータ内の記憶手段から取得して表示する、請求項15に記載の健康管理支援プログラム。
- 生活習慣の改善に関連する情報を、前記コンピュータ外部から通信により取得して表示する、請求項15に記載の健康管理支援プログラム。
- 前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出し、
入力された前記現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出し、
健康状態評価値の目標値を入力し、
健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標が前記目標値を達成するために十分か否かを判断する、請求項15に記載の健康管理支援プログラム。 - 前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出し、
入力された前記現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出し、
健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標を達成するまでの健康状態評価値の推移を予測して表示する、請求項15に記載の健康管理支援プログラム。 - 前記健康診断結果データから健康状態評価値を算出し、
入力された前記現状データおよび目標データのそれぞれについて生活習慣評価値を算出し、
健康状態評価値と生活習慣評価値との相関性に関するデータを記憶した相関データ記憶手段を参照し、前記現状データおよび目標データのそれぞれについて算出された生活習慣評価値の差と、現状の健康状態評価値とに基づいて、前記生活習慣の改善目標を達成した際の健康状態評価値を予測して表示する、請求項15に記載の健康管理支援プログラム。
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