JP2004309739A - 焦点検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】焦点調節動作において、高輝度物体像が存在すると、いわゆるボケ止まりが発生する。
【解決手段】光学系により形成された物体像を光電変換する光電変換素子3の複数の画素からの出力信号を用いて画素ごとの輝度情報を生成する輝度情報生成手段7と、輝度情報生成手段により生成された輝度情報のうち所定輝度よりも高い輝度情報および低い輝度情報のうち少なくとも一方を有する画素の数を計数し、該計数結果に応じた情報を、光学系の焦点状態を表す情報として出力する計数情報出力手段11と、輝度情報生成手段により生成された輝度情報に基づいて上記所定輝度を設定する所定輝度設定手段8とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラ、デジタルカメラ、テレビカメラなどの撮影装置やこれらに装着されるレンズ装置において、撮像信号を利用して焦点調節制御を行う技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、多くの民生用ビデオカメラ等の撮影装置には、自動焦点調節(以下、AFという)装置が搭載されているが、従来のAF装置は、撮像信号中から被写体像の鮮鋭度に応じた信号を抽出して評価し、光学系の焦点調節動作を行うものが主流となっている。
【0003】
この種のAF方式を実現するための構成例について図7を用いて説明する。同図において、101は撮影光学系に含まれるフォーカスレンズであり、102はフォーカスレンズ101を駆動するためのアクチュエータである。103はCCDであり、104はCCD103から画素情報を読み出すタイミングなどを生成する読み出しタイミング生成部である。
【0004】
105はCCD103からの出力信号を加工し、NTSC信号(もしくはPAL信号)などのフォーマットに整えるプロセス部であり、106は読み出しタイミング生成部104から水平、垂直同期信号を用いて、撮影光学系の焦点状態を評価するために読み出す画素領域(以下、AF評価領域という)を指定する信号を生成するAF領域タイミング生成部である。
【0005】
107はCCD103からの出力信号から輝度成分を抽出する輝度信号抽出部、114は輝度信号抽出部107から輝度信号を受け取り、輝度成分についてバンドパスフィルタ等を用いて高周波成分を抽出する高周波成分抽出部である。
【0006】
115はAF領域タイミング生成部106からの信号により定まるAF評価領域内の出力信号について、高周波成分抽出部114の出力の最大値や最大値の加算値などの合焦判定に使用する評価値を、フィールド周期で生成する評価値生成部である。112は評価値生成部115の結果に応じてアクチュエータ102の制御を行うAF駆動制御部である。
【0007】
次に、上記構成の動作について説明する。フォーカスレンズ101を通った光束(被写体像)はCCD103の撮像面上に結像し、CCD103で光電変換される。CCD103の出力は、読み出しタイミング制御部4の読み出しタイミング信号によって読み出され、プロセス部105に入力される。プロセス部105では、入力信号をNTSC信号などの映像フォーマットに加工し、該映像信号を記録装置や出力端に出力する。
【0008】
一方、CCD103の出力信号は、輝度信号抽出部107にも送られる。輝度信号抽出部107では、入力された信号から輝度信号成分を生成し、高周波成分抽出部114に出力する。高周波成分抽出部114では、バンドパスフィルタ等で水平方向の高周波成分を抽出する。抽出された高周波成分情報は、評価値生成部115においてAF動作のために必要な評価値に映像フィールド周期単位で加工される。
【0009】
一般的には、AF領域タイミング生成部106からの信号により指定されたAF評価領域内の信号の最大値や、AF評価領域内における各水平ラインの最大値の総和など、映像のエッジ成分が強調されるに伴い値が増すような評価値を生成する。
【0010】
このように生成された評価値は、AF駆動制御部112においてフィールド周期単位で比較判定がなされ、その評価値が最大をとるように、フォーカスレンズ101をアクチュエータ102を介して駆動する。
【0011】
なお、このようなAF制御を行う撮影装置としては、特許文献1にて提案されているもの等がある。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−265620号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例によると、映像信号の高周波成分、すなわちエッジ成分の情報により合焦判定を行っているため、例えば図2(a)の左図に示すような高輝度の光源を含む映像を撮影しようとしたときに、実体の存在しない焦点距離にエッジ成分が最大となる地点が発生し、図2(b)の左図のようなボケ状態で合焦判定をしてしまう、いわゆるボケとまりが発生する場合がある。
【0014】
本発明は、高輝度な被写体を含む映像を撮影する際でもボケ止り(未合焦状態での合焦判定)が発生せず、正確なAF動作ができるようにした焦点検出技術を提案することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の焦点検出装置は、光学系により形成された物体像を光電変換する光電変換素子の複数の画素からの出力信号を用いて画素ごとの輝度情報を生成する輝度情報生成手段と、輝度情報生成手段により生成された輝度情報のうち所定輝度よりも高い輝度情報および低い輝度情報のうち少なくとも一方を有する画素の数を計数し、該計数結果に応じた情報を、光学系の焦点状態を表す情報として出力する計数情報出力手段と、輝度情報生成手段により生成された輝度情報に基づいて上記所定輝度を設定する所定輝度設定手段とを有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1には、本発明の実施形態1である焦点検出装置およびこれを含む焦点調節装置の構成を示す。
【0017】
同図において、1は撮影光学系に含まれるフォーカスレンズであり、2はフォーカスレンズ1を駆動するアクチュエータである。3は光電変換素子としてのCCDである。なお、光電変換素子としては、CCDのほか、CMOSセンサ等も用いることができる。
【0018】
4は読み出しタイミング生成部であり、CCD3の各画素から出力信号(画素信号)を読み出すタイミングなどを生成する。5はプロセス部であり、CCD3からの画素信号を加工してNTSC信号やPAL信号などの映像フォーマットに整える。
【0019】
6はAF領域タイミング生成部であり、読み出しタイミング生成部4から水平、垂直同期信号を用いて、CCD3のうち撮影光学系の焦点状態を評価するために用いる画素領域(AF評価領域)を指定する信号を生成する。7は輝度信号抽出部であり、CCD3からの画素信号から、画素ごとの輝度信号成分を抽出する。8は輝度信号演算部であり、AF領域タイミング生成部6からの信号によって定まるAF評価領域内の画素信号から輝度信号抽出部7によって抽出された輝度信号を用いて演算を行う。
【0020】
9は閾値記憶部であり、輝度信号演算部8の結果である演算値を閾値(所定輝度)として1フィールド又はフレーム期間単位で記憶する。10は閾値判定部であり、閾値記憶部9に記憶されている演算値を閾値として、輝度信号抽出部7の出力である画素ごとの輝度信号の該閾値に対する高低を判定する。
【0021】
11は閾値判定部10により閾値より高い輝度信号と判定された画素の数を計数する閾値判定情報計数部、12は閾値判定情報計数部11の結果に応じてアクチュエータ2の制御を行うAF駆動制御部である。
【0022】
なお、図1中に内側の鎖線で囲んだ部分が焦点検出装置、外側の鎖線で囲んだ部分が焦点調節装置である。
【0023】
次に、上記焦点調節装置の動作について説明する。撮影光学系(フォーカスレンズ1)を通った被写体からの光束は、CCD3の撮像面上に結像し、CCD3で光電変換される。CCD3により光電変換された画素信号は、読み出しタイミング制御部4の読み出しタイミング信号に基づいてプロセス部5により読み出されるとともに、輝度信号抽出部7にも入力される。
【0024】
プロセス部5では、入力された画素信号をNTSC信号などの映像フォーマットに加工し、これを記録装置や出力端へ出力する。
【0025】
輝度信号抽出部7では、CCD3の出力である画素信号から輝度信号成分を画素信号ごとに抽出し、輝度信号演算部8および閾値判定部10に出力する。輝度信号演算部8では、AF領域タイミング生成部6からの信号で与えられるAF評価領域内について、輝度信号抽出部7に入力された輝度信号の最大値や最小値、中間値など、各フィールド映像について所定の値を検索したり、演算により決定したりして閾値記憶部9に与える。
【0026】
なお、本実施形態では、最大値と最小値を検索し、その平均値を中間値として閾値判定部10に出力する。
【0027】
図2(a)の左側には、合焦時のAF評価領域内の映像の例を、図2(b)の左側には、ボケ止り時のAF評価領域内の映像の例を示す。これらの2つの映像は、街灯などの高輝度光源を撮影した、フォーカス位置(焦点状態)が異なる映像である。これらの2つの映像の場合、最大値が白(輝度100%)、最小値が黒(輝度0%)であるので、中間値(平均値)は双方ともグレイレベル(輝度50%)になる。
【0028】
閾値記憶部9では、与えられた輝度信号の演算値(中間値)を次のフィールドの輝度信号演算値が与えられるまで保持するとともに、その値を閾値判定部10へ閾値として出力する。
【0029】
閾値判定部10は、与えられた閾値に対して、輝度信号抽出部7から入力されるAF評価領域内の画素ごとの輝度信号が高いか低いかを判定し、その結果を閾値判定情報計数部11に出力する。
【0030】
そして、閾値判定情報計数部11では、入力された判定結果に基づいて、AF領域タイミング生成部6からの信号で与えられるAF評価領域内に存在する、閾値よりも高い輝度信号の数(つまりは該輝度信号が得られた画素の数)を、フィールド単位で計数する。図2(a),(b)の右側の図は、AF評価領域内の所定の水平ライン上の画素に関して、各画素の輝度と閾値以上の輝度を有する画素数との関係を模式的に示したものであり、図2(b)のボケ状態では高輝度画素の計数値がb、図2(a)の合焦状態では高輝度画素の計数値がbより少ないaとなっている。例えば、このような高輝度画素の計数をAF評価領域内の各水平ラインで行い、加算することにより、AF評価領域内の高輝度画素の全計数値を求めることができる。
【0031】
図2の例では、閾値がグレイレベル(輝度50%)であるので、白(輝度100%)部分の画素数を計数する。計数値はAF評価領域内における高輝度領域(白部分)の面積に対応する値になる。
【0032】
ここで、この閾値判定動作においては、1フィールド前の輝度信号に基づいて定められた閾値と、現在のフィールドで得られた輝度信号とを比較することになるが、一般に、撮影映像では近接したフィールド間での輝度の相関性は高いと考えられるので、計数値が不安定になるようなことは無い。
【0033】
AF駆動制御部12は、閾値判定情報計数部11から順次(フィールド周期)で出力されてくる計数値を比較し、該計数値が最小値になるようにフォーカスレンズ1をアクチュエータ2を介して駆動する。具体的には、フォーカスレンズ1を所定方向に駆動し、そのときの計数値が駆動前の計数値よりも小さければ、合焦に近づいているものとして次回も同方向にフォーカスレンズ1を駆動し、計数値が駆動前の計数値よりも大きくなった場合は、合焦から離れているものとして次回は逆方向にフォーカスレンズ1を駆動する。こうして、最終的に計数値が最小値となるフォーカスレンズ1の位置を探索し、最小値が得られた時点で合焦とする。
【0034】
図2の例によれば、閾値判定情報計数部11による計数値は、図2(b)のボケ止り時よりも合焦時(a)の方が小さな値となる。また、合焦近傍の状態から合焦までもこの計数値の大小関係、すなわち合焦方向では計数値が減少し、ボケ方向では増加するという傾向が維持されるため、本実施形態によれば、正確に合焦状態を得ることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、閾値判定情報計数部11およびAF駆動制御部12において、閾値以上の輝度の画素数を計数し、その計数値を最小にするようにフォーカスレンズ1を駆動する場合について説明したが、閾値以下の輝度(図2の例では黒部)の画素数を計数し、その計数値が最大になるようにフォーカスレンズ制御してもよい。また、閾値よりも高い輝度の画素数と低い輝度の画素数の両方を計数し、これらの計数結果を比較等して最終的な合焦判定を行うようにすれば、より合焦精度を高めることも可能である。
【0036】
また、輝度信号演算部8において設定する閾値は、入力された輝度信号のうちの最小値や最大値(例えば、黒レベルより明るく白レベルより暗い輝度が最小値や最大値である場合)としてもよいし、最小値や最大値に所定の係数を乗じた値(例えば、最大値×係数0.5)でもよい。このように、閾値は、入力された輝度信号に依存する値であればどのようなものであってもよい。
【0037】
さらに、本実施形態では、閾値を1つの値として設定した場合について説明したが、閾値を範囲として設定し、該閾値範囲よりも高い輝度又は低い輝度の画素を計数してもよい。
【0038】
以上説明した本実施形態によれば、高輝度被写体のボケ止り現象を抑制し、正確な合焦制御を行うことができる。
【0039】
なお、映像信号の輝度信号レベルについて閾値判定を行い、その結果の計数値を用いる例としては、特開平6−209425号公報にて提案されている装置がある。但し、この公報提案の装置では、輝度に関する閾値を2つ設け、それぞれの閾値よりも高いおよび低い輝度を有する画素数を計数し、これらの計数値の比を用いて高輝度被写体の有無を判定するものであり、本実施形態のように、高輝度画素の計数値を撮影光学系の焦点状態を示す情報(フォーカスレンズを駆動するための情報)として用いるものとは異なる。
【0040】
以上説明した焦点検出装置又は焦点調節装置を撮影装置やレンズ装置に実際に搭載する形態としては、図6(a)〜(c)に示すようなものがある(以下の実施形態でも同様である)。
【0041】
図6(a)〜(c)には、交換型のレンズ装置(光学機器)20と該レンズ装置20の着脱が可能なカメラ(撮影装置)30とからなる撮影システムを示している。
【0042】
いずれのレンズ装置20にも、フォーカスレンズ1を含む撮影光学系21と、フォーカスレンズ1を駆動するアクチュエータ2とが設けられている。また、いずれのカメラ30にも、CCD3と、読み出しタイミング生成部4と、プロセス部5とが設けられている。
【0043】
そして、図6(a)のカメラ30には、図1中の6〜11により構成される焦点検出装置が搭載され、レンズ装置20には、カメラ30内の焦点検出装置から送信された高輝度画素の計数結果の情報に基づいて動作するAF駆動制御部12が搭載されている。
【0044】
また、図6(b)のカメラ30には、図1中の6〜11により構成される焦点検出装置と、該焦点検出装置から送信された高輝度画素の計数結果の情報に基づいて動作し、レンズ装置20内のアクチュエータ12に対して(不図示のアクチュエータ制御部に対して)駆動信号を送信するAF駆動制御部12とからなる焦点調節装置が搭載されている。
【0045】
また、図6(c)のレンズ装置20は、カメラ30から、CCD3からの画素信号(あるいはプロセス部5で生成されたフォーマット済みの映像信号でもよい)を受け取る。このレンズ装置20には、図1中の6〜11により構成される焦点検出装置と、該焦点検出装置からの高輝度画素の計数結果の情報に基づいて動作するAF駆動制御部12とがともに搭載されている。
【0046】
(実施形態2)
図3には、本発明の実施形態2として、実施形態1にて説明した焦点検出および焦点調節動作を、CPU等の制御回路でソフトウェア(プログラム)により行う場合のフローチャートを示している。
【0047】
カメラ又はレンズ装置の電源が投入されると本フローがスタートする。まず、ステップ(図では、Sと記す)1では、カメラでのビデオ映像の撮影や静止画撮影準備のためのレリーズスイッチの第1ストローク操作がなされて、AFを開始させるか否かを判別する。
【0048】
AFを開始させる場合は、ステップ2に進み、CCD3上のAF評価領域内の各画素の出力信号である画素信号から輝度信号を抽出する。なお、AF評価領域の指定についての説明は省略する。
【0049】
そして、ステップ3では、抽出した各画素の輝度信号から、その最大値および最小値を検索し、それらの平均値を閾値として設定する。実施形態1で説明したように、この閾値は輝度信号に依存した値であればどのように設定してもよい。
【0050】
次に、ステップ4では、輝度信号と閾値とを1画素ずつ比較し、輝度信号が閾値よりも高い輝度を有するか否かを判別する。閾値よりも高い輝度を有する場合は、ステップ5に進み、計数値(初期値0)を1インクリメントして、ステップ6に進む。ステップ4において、輝度信号が閾値以下の輝度を有する場合は、そのままステップ6に進む。
【0051】
ステップ6では、AF評価領域内のすべての画素の輝度信号についてステップ4での判別が終了したか否かを判別し、まだ終了していないときはステップ4に戻る。一方、すべての画素の輝度信号についてステップ4での判別が終了した場合は、ステップ7に進む。なお、ステップ2〜6は、フィールド期間ごとに繰り返される(図3には点線で示す)。
【0052】
ステップ7では、フィールド期間ごとにステップ5で積算された計数値を比較し、該計数値が最小値になるまでフォーカスレンズ1をアクチュエータ2を介して駆動する。そして、ステップ8で計数値が最小になると、ステップ9で合焦判定する。
【0053】
(実施形態3)
図4には、本発明の実施形態3である焦点検出装置およびこれを含む焦点調節装置の構成を示す。
【0054】
なお、図4において、実施形態1と共通する構成要素には実施形態1と同符号を付して説明に代える。
【0055】
本実施形態では、閾値判定部10に与える閾値を一連のAF動作期間にわたり固定する点で、フィールド周期内のみ保持する実施形態1と異なる。
【0056】
図4において、13は閾値設定部であり、輝度信号演算部8から与えられる信号により指定されたAF評価領域内の輝度信号演算値(閾値)を、AF駆動制御部12から与えられるトリガ信号のタイミングで取り込み、記憶する。
【0057】
本実施形態でのAF動作フローチャートを図5に示す。このフローチャートは、本実施形態においては閾値判定情報計数部11で生成された計数値を、AF駆動制御部12で各フィールド周期でその前のフィールドの計数値と比較する処理を示している。
【0058】
電源が投入されると、AF処理がスタートする。まず、ステップ401では、フォーカスレンズ1を微少量、光軸方向前後に移動させ、移動後の高輝度画素の計数値が移動前の計数値に比べて減少する方向を判定する。
【0059】
次に、ステップ402では、ステップ401で判定された方向にフォーカスレンズ1を所定駆動量単位で駆動し、計数値が最小となるフォーカス位置を検出する。 さらに、ステップ403では、フォーカスレンズ1をステップ402での所定駆動量よりも小さい駆動量単位で駆動し、ステップ402よりも精密に最小計数値が得られるフォーカス位置を検出する。ステップ402およびステップ403の動作により、最初から精密に最小計数値が得られるフォーカス位置を検出しようとする場合に比べて高速(短時間)で正確な合焦を得ることができる。なお、ステップ401〜ステップ403が一連のAF動作である。
【0060】
その後、ステップ404で再起動待ち状態に入る。ここでは、計数値を逐次確認しながら、計数値が大きく(所定量以上)変化した場合に撮影映像(シーン)が変化したものとして、ステップ401に戻り、AF動作を再起動する。
【0061】
なお、ステップ102,403においてフォーカスレンズ1の移動に対して計数値の変化が著しく小さく(所定量以下)なった場合についても、撮影映像が変化したものとしてAF動作を再起動する。
【0062】
このような処理フローによれば、AFの再起動から合焦に至るまでの動作は、各フィールドの映像の相関性が高い状態で行われることになる。本実施形態ではこの相関性を利用して閾値を決定する。すなわち、AF駆動制御部12では、フォーカスレンズ1の駆動方向判定(ステップ401)のタイミングで閾値設定部13に閾値ホールド信号を出力し、このタイミングで、輝度信号演算部8からのAF評価領域内の平均(中間)輝度信号をホールドし、閾値判定部8に与える。
【0063】
このような構成を採ることにより,撮影映像の相関性が弱くなったときに閾値を変更(再設定)するので、被写体が変わる遷移過程(シーンチェンジした場合)においても安定してAF動作を行うことが可能となる。
【0064】
さらに、以上説明した各実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもある。また、下記の各発明は上記各実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものでもある。
【0065】
〔発明1〕 光学系により形成された物体像を光電変換する光電変換素子の複数の画素からの所定期間内の出力信号を用いて画素ごとの輝度情報を生成する輝度情報生成手段と、
前記輝度情報生成手段により生成された輝度情報のうち所定輝度よりも高い輝度情報および低い輝度情報のうち少なくとも一方を有する画素の数を計数し、該計数結果に応じた情報を、前記光学系の焦点状態を表す情報として出力する計数情報出力手段と、
前記輝度情報生成手段により生成された輝度情報に基づいて前記所定輝度を設定する所定輝度設定手段とを有することを特徴とする焦点検出装置。
【0066】
〔発明2〕 前記所定輝度設定手段は、前記輝度情報生成手段により生成された輝度情報の中での最高輝度情報および最低輝度情報のうち少なくとも一方に基づいて前記所定輝度を設定することを特徴とする発明1(又は請求項1)に記載の焦点検出装置。
【0067】
〔発明3〕 前記所定輝度設定手段は、合焦動作完了状態において前記計数値の変化が所定量よりも大きくなったときに、前記所定輝度を再設定することを特徴とする発明1又は2(又は請求項1)に記載の焦点検出装置。
【0068】
〔発明4〕 発明1から3(および請求項1)のいずれかに記載の焦点検出装置と、
前記焦点検出装置から出力された、前記計数結果に応じた情報に基づいて、合焦状態が得られるように前記光学系を駆動する駆動制御手段とを有することを特徴とする焦点調節装置。
【0069】
〔発明5〕 前記駆動制御手段は、所定期間ごとに順次得られる前記計数結果に応じた情報が最小値および最大値のうち一方の値となるように前記光学系を駆動することを特徴とする発明4に記載の焦点調節装置。
【0070】
〔発明6〕 光学系により形成された物体像を光電変換する光電変換素子を備えた撮影装置に着脱が可能であり、
前記光学系と、
発明4又は5に記載の焦点調節装置とを有することを特徴とする光学機器。
【0071】
〔発明7〕 光学系により形成された物体像を光電変換する光電変換素子と、
発明4又は5に記載の焦点調節装置とを備えた撮影装置。
【0072】
〔発明8〕 光学系により形成された物体像を光電変換する光電変換素子と、
発明1から3(および請求項1)のいずれかに記載の焦点検出装置とを有し、
前記光学系を有する光学機器に対して、前記焦点検出装置からの情報を送信することを特徴とする撮影装置。
【0073】
〔発明9〕 光学系を有し、発明8に記載の撮影装置に着脱が可能な光学機器であって、
前記焦点検出装置から、所定期間ごとに順次得られる前記計数結果に応じた情報が最小値および最大値のうち一方の値となるように前記光学系を駆動する駆動制御手段を有することを特徴とする光学機器。
【0074】
〔発明10〕 光学系により形成された物体像を光電変換する光電変換素子の複数の画素からの所定期間内の出力信号を用いて画素ごとの輝度情報を生成するステップと、
前記生成された輝度情報のうち所定輝度よりも高い輝度情報および低い輝度情報のうち少なくとも一方を有する画素の数を計数するステップと、
該計数結果に応じた情報を、前記光学系の焦点状態を表す情報として出力するステップと、
出力された前記計数結果に応じた情報に基づいて、合焦状態が得られるように前記光学系を駆動するステップと、
前記生成された輝度情報に基づいて前記所定輝度を設定するステップとを有することを特徴とする合焦制御方法。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、物体像内に光源等の高輝度物体が存在するような場合でも、いわゆるボケ止り(未合焦状態での合焦判定)の発生を抑制することができる焦点調節動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である焦点検出装置および焦点調節装置の構成を示すブロック図。
【図2】合焦時およびボケ時のAF評価領域内の映像と高輝度画素の計数値を示す模式図。
【図3】本発明の実施形態2である焦点検出装置および焦点調節装置のフローチャート。
【図4】本発明の実施形態3である焦点検出装置および焦点調節装置の構成を示すブロック図。
【図5】上記実施形態3における焦点調節動作のフローチャート。
【図6】上記各実施形態の焦点検出装置および焦点調節装置の撮影システムへの搭載例を示す図。
【図7】従来の焦点調節装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 フォーカスレンズ
2 アクチュエータ
3 CCD
4 読み出しタイミング生成部
5 プロセス部
6 AF領域タイミング生成部
7 輝度信号抽出部
8 輝度信号判定部
9 閾値記憶部
10 閾値判定部
11 閾値判定情報計数部
12 AF駆動制御部
13 閾値設定部

Claims (1)

  1. 光学系により形成された物体像を光電変換する光電変換素子の複数の画素からの出力信号を用いて画素ごとの輝度情報を生成する輝度情報生成手段と、
    前記輝度情報生成手段により生成された輝度情報のうち所定輝度よりも高い輝度情報および低い輝度情報のうち少なくとも一方を有する画素の数を計数し、該計数結果に応じた情報を、前記光学系の焦点状態を表す情報として出力する計数情報出力手段と、
    前記輝度情報生成手段により生成された輝度情報に基づいて前記所定輝度を設定する所定輝度設定手段とを有することを特徴とする焦点検出装置。
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