JP2004309398A - 計器用指針 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の利用効率を上げてその出射輝度を高めると共に、長手方向の輝度むらを抑えて均一な輝度分布を得ることによって指針の視認性をより向上させること。
【解決手段】本発明にかかる計器用指針1では、入射光を反射、偏向させる反射面3cには鋸歯形状を成す微細凹凸プリズム3hを形成した。さらに、この微細凹凸プリズム3hの間に平坦部3jを設けた。また、内側プリズム角よりも外側プリズム角を大きくすることにより、入射光が指針本体3の反射面3cと出射面3dの間で反射、屈折を繰り返しながら伝播するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明にかかる計器用指針1では、入射光を反射、偏向させる反射面3cには鋸歯形状を成す微細凹凸プリズム3hを形成した。さらに、この微細凹凸プリズム3hの間に平坦部3jを設けた。また、内側プリズム角よりも外側プリズム角を大きくすることにより、入射光が指針本体3の反射面3cと出射面3dの間で反射、屈折を繰り返しながら伝播するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の速度計やタコメータ、燃料残量計等の計器類の計測量に応じて動作する計器用指針に係り、特に視認性を向上させる目的で自発光を可能とした指針に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車用のメータパネルを例に取れば、速度計やタコメータ、燃料残量計などの計器盤は夜間やトンネル内の暗いところでは、計器盤そのものに半透過性を持たせ、計器盤の背面に配設した光源によって計器盤そのものを発光させ、これによって計器盤上の物理目盛りや指針を照らし出す方法、或いは物理目盛りや物理目盛り量を示す数字の部分に透過性を持たせ、これらを除く部分は背面からの光を透過させないように黒色に印刷形成し、計器盤の背面に配設した光源によって物理目盛りや数字のみを発光させる方法が多用されて来た。しかしながら、近年では、より計器盤の物理目盛りや指針の視認性を向上させる目的で様々な工夫が成されている。
【0003】
例えば図3は計器盤の指針そのものが発光する構造を持った従来例(以下、従来例1)を示したものである(例えば、特許文献1参照)。図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)に示した長手中心線に沿う断面図を示しており、1は指針、2は光源チップ、3は指針本体、3aは導光部、3cは反射面、3dは出射面、3fは後端部、4はセンターキャップ、4aは指針の回転軸、5は反射コートである。図では光源チップとしてLED(Light Emitting Diode)を回転軸近傍に配設しており、LEDから出射された光は導光部3aに入光される構造をなす。
【0004】
従来例1では、指針そのものの形状は回転軸近傍から先端に行くに従って、図3(a)に示した平面形状、図3(b)に示した断面形状のいずれも先細る形態、即ち楔状の態様を示す。また、指針の基体そのものは光が導光可能なように透明、若しくは半透明な素材で形成される。更に指針の背面、ここでは図3(b)の下面には拡散性を持った反射コート5が施され、LED2から出射された光は図3(b)に点線で示した如く、導光部3a内を進み、反射面3cに施された反射コート5で反射した光が、光の全反射臨界角を越えて、出射面3dより上方に出射される。この際、反射コート5には拡散機能を付与させており、光は点線の矢印で示した如く、広がりを持って出射することになる。
他方、指針本体の下面が、長手方向の断面形状において鋸歯形状とした計器用指針が提案されている(例えば、特許文献2参照。以下、従来例2とする)。この計器用指針では、指針本体の照明時には、鋸歯形状における内面が受光部側を向く面によって受光部から指針本体下面に向かう光線を指針本体上面方向に反射し、指針本体の輝度を増加する。また、指針本体の非照明時では、指針本体に外部から外部光が照射されたとしても、指針下面に届いた外部光は、頂点が偏移した形状の各鋸歯の反射面によって、外部光を指針本体内を通過させるか、もしくは少なくとも外部光の指針本体への入射方向と異なる方向へ反射する。
【0005】
【特許文献1】
実開平1−136422号公報
【特許文献2】
特開平8−219822号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例1及び従来例2は、それぞれ次のような問題点がある。
まず、従来例1の場合、指針1の楔形態によって光を出射する構造であることから、光は本来必要な指針本体3の出射面3dに対して法線方向に出射せず、図3(b)の如く点線矢印で示した光の進行方向に傾いて出射してしまう。また、法線方向(本図では上方)へ出射する光を確保する目的で反射面3cには拡散性を持たせた反射コート5が施してあり、光が必要以上に広がってしまうことからその輝度が低下してしまう。更には導光体3a内を進む光が光の全反射臨界角を越えない範囲で反射コート5に対して繰り返し反射した場合、例えば反射率85%の反射コートに対して5回反射を繰り返した場合は0.85の5乗となり、それだけで44%に光量が減衰してしまう。これらによって、LED2から出射された光が有効活用されず、指針の発光は暗いものとなってしまう。このため、LED2からの光の強度を必要以上に電流を供給して上げているのが実状である。また、指針1の長手方向に対して均一に発光させることが難しく、指針1を先端に向かって先細り構造とする必要があり、構造的に楔形態が必須となることから、根元となる回転軸近傍では必要以上に太い形態とせざるを得ない。
次に従来例2にかかる計器用指針は、指針本体の下面に頂点が受光部側に偏移した鋸歯形状、即ち鋸歯形状の内面において受光部側を向く角度をこれとは反対の先端側を向く角度に対して大としたものである。本従来例では、光源から出射され、指針本体に入射した光の大部分は、指針本体の下面に設けられた反射面で直接反射することになる。従って、光源から出射された光は、指針本体の先端部分まで伝わらず、指針本体の入射部分の近傍に比べて先端部分が暗くなるという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、光の利用効率を上げてその出射輝度を高めると共に、長手方向の輝度むらを抑えて均一な輝度分布を得ることによって指針の視認性をより向上させることにある。
【0008】
さらに、本発明の目的は、指針本体を効率よくその先端部分まで伝え、指針全体が明るい計器用指針を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明では、光源からの光を入光する光入射部と該光入射部から入光された該光を反射、偏向させる反射面と該反射面に対向して光を外部に出光する出射面とを有する棒状の計器用指針において、前記反射面には鋸歯形状を成す微細凹凸プリズムが形成され、この微細凹凸プリズムの間に平坦部を設けた。
【0010】
また、第2の発明は、平坦部を結んだ仮想面に対して前記微細凹凸プリズムの前記光入射部と対向する側の面の傾きを第1の傾斜角としたとき該第1の傾斜角は40°から48°であることを特徴とするものである。
また、第3の発明では、光源からの光を入光する光入射部と該光入射部から入光された該光を反射、偏向させる反射面と該反射面に対向して光を外部に出光する出射面とを有する棒状の計器用指針において、前記反射面には鋸歯形状を成す微細凹凸プリズムが形成され、前記微細凹凸プリズムの凸面を結んだ仮想面に対して、該微細凹凸プリズムの前記光入射部と対向する側の面の傾きを第1の傾斜角とし、先端と対向する側の面の傾きを第2の傾斜角としたとき、第1の傾斜角は、第2の傾斜角より大きいこととした。
【0011】
第4の発明では、第1の傾斜角を、40°から48°とした。第5の発明では、第2の傾斜角を、0°より大きく10°以下とした。
【0012】
第6の発明では、反射面と出射面までの距離に対する反射面の幅の比を3以下とした。
【0013】
第7の発明では、光入射部にLED(Light Emitting Diode)が配設するようにした。
【0014】
第8の発明では、前記光入射部に光源からの光を光ファイバーを用いて入光させるようにした。
【0015】
第9の発明では、指針の回転軸方向に進む光源からの光を三角プリズムにてその直角方向に屈折させ、前記光入射部に入光させるようにした。
【0016】
第10の発明では、長手方向の断面形状が略四角形であって、前記反射面と前記出射面との間に形成された側面が表面粗さRt1μm以下、Ra0.1μm以下の面に加工した。
【0017】
第11の発明では、前記反射面の微細凹凸プリズムが前記光入射部から遠ざかるほど、深くなるようにした。
【0018】
第12の発明では、前記反射面の微細凹凸プリズムが前記光入射部から遠ざかるほど、ピッチが狭まるようにした。
【0019】
第13の発明では、前記反射面の微細凹凸プリズムの断面形状を不等辺三角形状として夫々を等ピッチで形成し、前記第1の傾斜角は一定とし、前記第2の傾斜角が前記光入射部から遠ざかるにつれて、大きくなる形状をなすようにした。
【0020】
第14の発明では、前記反射面の微細凹凸プリズムの断面形状を不等辺三角形状として夫々を等ピッチで形成し、該微細凹凸プリズムの稜線を結んだ仮想面に対して、前記第1の傾斜角が前記光入射部から遠ざかるにつれて小さくなり、前記第2の傾斜角が、前記光入射部から遠ざかるにつれて大きくなり、かつ該第1の傾斜角と該第2の傾斜角との和が一定となる形状をなすようにした。
【0021】
第15の発明では、前記光入射部の幅、または高さの少なくとも一方が、指針の先端に行くほど狭まる、または低くなる形状とした。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従う実施形態を図面により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は本発明による計器用指針の第1の実施形態を示すものであって、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の中心線に沿う断面図であり、1はこの第1の実施形態の指針、2は光源チップ、2aは発光面、3は指針本体、3aは導光部、3bは入射面、3cは反射面、3dは出射面、3eは側面、3fは後端部、3gは光源装着孔、3hはプリズム、3iはプリズム稜線、4はセンターキャップ、4aは回転軸である。
【0023】
図1において、指針1は光源チップ2と指針本体3、センターキャップ4により構成されており、指針本体3は導光部3a、後端部3f、光源装着孔3gによりなる。導光部3aは長手方向の断面形状が略四角形の棒状の角柱形状をなしており、その端面には光源装着孔3gが形成されると共にその内面の一面が導光部3aの光の入り口となる入射面3bとなる。導光部3aはこの入射面3bと、反射面3c、反射面3cに対向する出射面3d、反射面3cとこの出射面3dの間に形成された側面3eにより構成される。ここで側面3eの表面粗さは導光部3a中を光が伝播する際に、光損失のないレベルで鏡面に仕上げられ、その表面粗さはRt1μm以下、Ra0.1μm以下が望ましく、伝播中に光損失をさらに低減することができる。
【0024】
また、光源装着孔3gには光源チップ2が装着され、光源チップ2の発光面2aは前述した導光部3aの入射面3bと対向して取り付けられる。後端部3fは光源チップ2の位置決めの役割を果たすと共に後述する回転軸4aに対する指針本体3の重量的なバランスを持たせる場合もある。センターキャップ4は光源チップ2を覆うと共に指針本体3と回転軸4aとの連結を行う。
【0025】
光源チップ2としてはLED(Light Emitting Diode)が望ましく、各種の発光色が計器盤との色合わせで決定される。例えばRGB3原色の素子を一つのパッケージに封止した白色LEDを使うことにより、エンジンの回転数に応じて、白、赤、緑、青と発光させることが出来る。これによって、エンジン回転数の極度な変化に対してドライバーに注意を促すことが可能となる。
【0026】
図1(b)に示した点線は光の導光を示したものであり、光源チップ2の発光面2aから出射した光は指針本体3の入射面3bから導光部3aに入光し、導光部3a内を反射面3cと出射面3dの間で、反射、屈折を繰り返しながら伝播することになる。伝播する光はその全反射の臨界角以上で各面に入射される限り、反射面3cと出射面3dとの間で反射が繰り返され、反射面のプリズム3hに当たった光のうち、出射面3dに対して入射角がその全反射の臨界角よりも小さくなった光が、出射面3dから出射されることになる。臨界角は式(1)で求められ、例えば指針本体3の材質をPMMA(ポリメタクリル酸メチル n=1.49)とすると、式(1)から疎な媒質はここでは空気(n’=1)であることから臨界角は42.1°と計算される。
【0027】
【数1】
【0028】
図2は図1(b)に示した断面図の要部拡大図であり、本図を用いてプリズム形態について更に詳しく説明する。ここで3hはプリズム、3iはプリズム稜線、3kは谷部を示す。
【0029】
先ず、プリズム3hのプリズム稜線3iを結ぶ面を仮想面とすると、仮想面に対するプリズムの傾斜角は、プリズム3hの谷部3kを基準とした場合、光入射面3bと対向する側の面の傾斜角(以下、内側プリズム角という)θ1とこれとは反対側のプリズム角(以下、外側プリズム角)θ2とがある。即ち、外側プリズム角θ2は微細凹凸プリズムの凸面を結んだ仮想面に対して、指針本体3の先端と対向する側の面の傾きを示す。いずれにおいても、内側プリズム角θ1は、光源チップ2の発光面2aからの光を出射面3d側に出射し、出射面3dに対してその法線方向に反射、出光させることがより望ましく、その角度は40゜から48゜の範囲内に設定され、さらに望ましくは42°から46°の範囲に設定することにより、法線方向への出射輝度をより高めることが出来る。また、外側プリズム角θ2は、出射面3dで反射された光を再び反射面3c側で反射、偏向させるために、極力平面(0°)に近い角度範囲、例えば、0゜<θ2≦10゜の範囲内に設定される。ここで、外側プリズム角θ2は内側プリズム角θ1、プリズムピッチP、プリズム深さDによって、式(2)で求めることが出来る。
【0030】
【数2】
【0031】
外側プリズム角θ2よりも内側プリズム角θ1を大きくすると、光源チップ2の発光面2aから出射した光は、指針本体3の入射面3bから導光部3aに入光し、導光部3a内を反射面3cと出射面3dの間で、反射、屈折を繰り返しながら伝播することになる。このため、指針本体内に入射した光を先端まで効率良く伝えることができ、これら光の経路を制御することによって、光の利用効率を向上させることができる。
本例として、内側プリズム角θ1は、光源チップ2の発光面2aからの光を出射面3d側に反射、偏向させるために、入射面3bからの距離Lに関係なく一定とするが、外側プリズム角θ2は、プリズムの深さDが入射面3bからの距離Lが大きくなるに従って深さを増すため、これに伴って同様に角度を増すことになる。
【0032】
各プリズム3hのプリズム稜線3iは、導光部3aの出射面3dとは本実施形態では平行にあるが、必ずしも平行である必要はない。また、プリズム3hのピッチPは本実施形態では一定とした。さらに、この仮想面からプリズム3hの谷部3kまでの距離をプリズム深さDとするが、このプリズム深さDは入射面3bからの距離Lに応じて異なり、一例として、入射面3bから遠ざかるほど(即ち、距離Lが大きいほど)順次増大する。
【0033】
このプリズム深さDとしては、一例として、距離Lをパラメータとして、非線形の高次関数に応じて変化することにより、出射面3dの長手方向での輝度を均一とすることが出来る。図4はその具体例を示すものであって、式(3)としている。
【0034】
【数3】
【0035】
このようにプリズムの深さDを距離Lに応じて変化させるのは、この距離Lに応じて出射光の光量の違いを補正するためであり、これを補正するように、上記の非線形高次関数や線形一次関数などの関数を選定するものである。
【0036】
ここでこれらのプリズムを精度良く形成させるためには射出成形法を用い、所望のプリズム形態に対応してその反転パターンとなる形状を金型上に刻設させる。金型はプリズム部分のみを別ピースの入れ駒として作成し、先ず土台となる緻密な面を得るためにSUS等の母材表面にNi、NiP、Cu等の鍍金を施し、その後に単結晶ダイヤモンドバイトなどの切削バイトを用いて所望とするプリズムパターンを鍍金上に形成する。また、指針本体3として使われるプラスチック成形材料としては、特に限定されないが、透過率や成形性の面からPMMA(ポリメタクリ酸メチル)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、COP(環状オレフィンポリマー)、COPとポリエチレンの共重合体であるCOC(環状オレフィンコポリマー)などが挙げられ、空気との屈折率差による表面反射を含んだ透過率が85%以上あれば、拡散材料などを含むものでも構わない。この成形材料を用い、上記入れ駒を金型に組み込んで所望の成形条件で射出成形することにより、指針本体3を得ることが出来る。最後にこの指針本体3に光源チップ2、センターキャップ4を組み込むことにより指針1が完成する。
【0037】
なお、本実施形態に対して、出射面3dに凹凸しぼを付与して、出射光の輝線を防止したり、出射角を広げたりすることも可能である。この場合、面粗さRt5〜50μm、Ra0.5〜5μmの範囲の凹凸シボ加工を施すことにより、透過する光がこのしぼ面によって効果的に拡散され、出射角が広がることになる。本明細書での面粗さの定義はJIS−B0601規格に基づくものである。かかる面粗さの測定機としては、位相差法を使ったWYKO社製TOPO−2D・3D、非点収差法を使った東京精密社製Surfcom920A、原子間力顕微鏡のDigital Instruments 社製Nano ScopeIII、触針式であるTencor社製P12EX等を用いることができ、本発明の数値範囲はTencor社製P12EXを用いた。
【0038】
これらの凹凸しぼは金型に形成して射出成形の際、転写させることにより、容易に出射面3d上に形成させることが出来る。金型への凹凸しぼの付与方法としては、サンドブラスト加工やケミカルエッチングなどが挙げられる。
【0039】
以上のように、この第1の実施形態では、反射面3cにプリズム3hを形成することによって、反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を出射させることが出来る。出射された光はプリズムによって出射方向がコントロール可能であり、法線方向に出射させることによって、極めて高輝度が得られる。また、従来のように反射率の低い反射コートで繰り返し反射することなく、光の全反射を利用していることから、光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率となる。更にはプリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dでこの距離Lに応じた出射光の光量の違いを補正することができ、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。この結果、指針1として、全長にわたって均一な輝度分布が得られることになる。また、内側プリズム角よりも外側プリズム角を大きくしたため、指針本体3に入射した光は、反射面3cと出射面3dの間で繰り返し反射し指針本体3を伝播する。このため、光を効率よくその先端部分まで伝え、指針本体3全体を明るくすることができる。特に外側プリズム角θ2が0〜10°の範囲において良好に光を先端部分まで伝えることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図5(a)は本発明による第2の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。第1の実施形態ではプリズム形状は不等辺三角形状であったが、本実施形態では等辺三角形状とした。ここでも内側プリズム角θ1は第1の実施形態同様に40゜から48゜の範囲内に設定され、望ましくは42°から46°の範囲に設定することにより、法線方向への出射輝度をより高めることが出来る。また、プリズム深さDについても、第1の実施形態同様に入射面3bから遠ざかるほど(即ち、距離Lが大きいほど)順次増大する。
【0041】
本第2の実施形態ではプリズム形状が等辺三角形状であることから、外側プリズム角θ2は内側プリズム角θ1と等しく設定し、プリズムとプリズムの間には平坦部3jを形成しており、式(2)は適用出来ないものの、その他の部分は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0042】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。更にプリズムとプリズムの間に平坦部3jを形成しており、この平坦部3jによって指針本体3内を伝播する光は出射面3dと平坦部3jの間で反射が繰り返され光を効率よくその先端部分まで伝え、指針本体3全体を明るくすることができる。
【0043】
(第3の実施形態)
図5(b)は本発明による第3の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。第1の実施形態ではプリズム形状は不等辺三角形状を連続させたプリズムとプリズムの間に平坦部のないものであったが、本実施形態では不等辺三角プリズム同士の間に平坦部3jを形成した形状とした。ここでも内側プリズム角θ1は第1の実施形態同様に40゜から48゜の範囲内に設定され、望ましくは42°から46°の範囲に設定することにより、法線方向への出射輝度をより高めることが出来る。また、プリズム深さDについても、第1の実施形態同様に入射面3bから遠ざかるほど(即ち、距離Lが大きいほど)順次増大する。
【0044】
本第3の実施形態ではプリズムとプリズムの間に平坦部3jを形成しており、式(2)は適用出来ないものの、その他の部分は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0045】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来ると共に光を効率良くその先端部分まで伝えることができる。
【0046】
(第4の実施形態)
図5(c)は本発明による第4の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。第1の実施形態ではプリズム形状は不等辺三角形状であったが、本実施形態では等辺三角形状とし、プリズムとプリズムの間に平坦部3jを設けた。ここでも内側プリズム角θ1は第1の実施形態同様に40゜から48゜の範囲内に設定され、望ましくは42°から46°の範囲に設定することにより、法線方向への出射輝度をより高めることが出来る。また、プリズム深さDについてはここでは深さDは一定とし、その代わりにピッチPを入射面3bから遠ざかるほど(即ち、距離Lが大きいほど)順次小さくした。即ち単位面積当たりのプリズム数を増すことにより、出射光の光量の違いを補正するものである。プリズムピッチPは第1の実施形態同様にこの出射光量を補正する目的で非線形高次関数や線形一次関数などの関数を選定することが出来る。
【0047】
本第4の実施形態ではプリズム形状が等辺三角形状で深さを一定として、ピッチを徐々に減じていることから、式(2)、式(3)は適用出来ないものの、その他の部分は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0048】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズム3cのピッチPを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来ると共に光を効率良くその先端部分まで伝えることができる。
【0049】
(第5の実施形態)
図6は本発明による第5の実施形態を示した図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の中心線に沿う断面図を示す。第1の実施形態では指針本体3の導光部3aは長手方向の断面形状が略四角形の棒状の角柱形状としたが、本実施形態の平面形状は入射面3bに対して指針の先端に行くほど、幅方向、高さのいずれも先細り形状とした。これは円盤状の計器盤において指針が物理量を指す際、デザイン的に視認性の向上を試みたものである。この形状以外は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0050】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面に反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率と出射させることが出来る。また、プリズムの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面の全面から均一な光量で光を出光させることが出来ると共に光を効率良くその先端部分まで伝えることができる。併せて、本発明では特にデザイン的に制限されることもない。つまり、デザインの自由度が高い特徴がある。
【0051】
(第6の実施形態)
図7(a)は本発明による第6の実施形態を示した入光部分の断面拡大図である。第1の実施形態では指針本体の入射面3bに光源チップ2を取り付けたが、本実施形態では入射面3bに光ファイバー6を取り付け、光源(図示せず)からの光は光ファイバー6を使って入光させた。この形状以外は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0052】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズムの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。
【0053】
(第7の実施形態)
図7(b)は本発明による第7の実施形態を示した入光部分の断面拡大図である。第1の実施形態では指針本体の入射面3bに光源チップ2を取り付けたが、本実施形態では回転軸下部方向に配設した光源チップ2からの光を三角プリズム9を使って屈折させ、入射面3bに入光させる構造とした。この形状以外は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0054】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズムの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。
【0055】
(第8の実施形態)
図8は本発明による第8の実施形態を示した計器用指針を成形するための金型プリズム駒の断面とその加工方法を示した図であり、7が指針1のプリズムパターンを射出成形法で成形するための金型プリズム駒、8が切削バイト、8aは切削バイト先端の頂角、8bがバイトの先端である。また、この頂角8aは180°から前述した(θ1+θ2)を減じたものである。第1の実施形態では内側プリズム角θ1は、入射面3bからの光を出射面3d側に反射、偏向させるために、入射面3bからの距離Lに関係なく一定とし、外側プリズム角θ2は入射面3bからの距離Lが増すに従って、角度を増すことになっていたが、本実施形態ではθ1+θ2=一定とし、入射面3bからの距離Lが増すに従ってプリズム深さDを増し、これに伴って外側プリズム角θ2は増すが、内側プリズム角θ1は減少するようにした。これは同一ピッチにおいて、プリズム深さを増すために、切削バイト8の先端8bを中心に左右方向に切削バイト8を回転させたものである。
【0056】
図8の点線はバイト8を先端8bを中心に図の右側へ傾け、プリズム1ピッチ分を送って深さを減じたものである。これによって、金型プリズム駒7の深さを容易に変化させることが出来る。本実施形態において、得られた金型を用いて射出成形法で指針本体3を成形し、計器用指針1を得た。その他の部分は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0057】
本実施形態においても第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来ると共に光を効率良くその先端部分まで伝えることができる。
【0058】
(第9の実施形態)
図9(a)は、指針本体の出射面側から見た斜視図である。図に示されるように、指針本体3の高さ、即ち反射面3cと出射面3dまでの距離をtとし、反射面3cの幅をWとする。そして、幅Wと高さtの比W/tをアスペクト比とする。また、指針本体3の高さ、反射面3cの幅Wが指針本体の長手方向において変化する場合は、それぞれ断面における高さtn、幅Wnの比Wn/tnをアスペクト比とする。
【0059】
図9(b)(c)は指針本体3の光源チップ2からの出射光の経路を表す概念図であり、上面図および側面図を表す。それぞれ(b)はアスペクト比の大きい例、(c)はアスペクト比の小さい例である。本図では指針本体3は長手方向にその断面が同一形状とする。本図から図9(b)のように、アスペクト比の大きい計器用指針は、光源チップ2から出射された光が放射状に広がる単調な経路を示す。反対に、図9(c)のように、アスペクト比が小さい計器用指針は、光源チップ2から出射された光が指針本体3の側面で反射され、様々な経路の光が存在する比率が増す。これにより、アスペクト比が小さい計器用指針の方が、アスペクト比が大きい計器用指針よりも、伝播方向に対しその左右方向の出射面からの出射角が広がる傾向にある。特に、高さtに対する幅Wの比を3以下とするとよい。このようにすることで、計器用指針の観察者、例えば運転手からの視認性が良くすることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の計器用指針によると、反射面3cにプリズム3hを形成することによって、反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を出射させることが出来る。出射された光はプリズムによって出射方向がコントロール可能であり、法線方向に出射させることによって、極めて高輝度が得られる。また、従来のように反射率の低い反射コートで繰り返し反射することなく、光の全反射を利用していることから、光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率となる。更にはプリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dでこの距離Lに応じた出射光の光量の違いを補正することができ、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。この結果、指針1として、全長にわたって均一な輝度分布が得られることになる。
【0061】
本発明にかかる計器用指針によれば、指針本体3に入射した光は、反射面3cと出射面3dの間で繰り返し反射させて指針本体3を伝播させることにより、指針本体3を効率よくその先端部分まで伝え、指針全体3を明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による計器用指針の第1の実施形態を示す平面図である。
(b)は(a)の中心線断面図である。
【図2】図1(a)に示した第1の実施形態の中心線断面図における要部の拡大詳細図である。
【図3】(a)は従来例の計器用指針を示す平面図である。
(b)は(a)の中心線断面図である。
【図4】図2におけるプリズム深さDの距離Lに応じた変化の一具体例を示す図である。
【図5】(a)は本発明による第2の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。
(b)は本発明による第3の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。
(c)は本発明による第4の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。
【図6】本発明による第5の実施形態を示した平面図である。
【図7】(a)は本発明による第6の実施形態を示した入光部分の拡大図である。
(b)は本発明による第7の実施形態を示した入光部分の拡大図である。
【図8】本発明による第8の実施形態を示した計器用指針を成形するための金型プリズム駒の断面とその加工方法を示した図である。
【図9】(a)は指針本体の出射面側から見た斜視図である。
(b)は指針本体の光源チップからの出射光の経路を表す概念図であり、アスペクト比が大きい例における上面及び側面の拡大図である。
(c)は指針本体の光源チップからの出射光の経路を表す概念図であり、アスペクト比が小さい例における上面及び側面の拡大図である。
【符号の説明】
1 指針
2 光源チップ
2a 発光面
3 指針本体
3a 導光部
3b 入射面
3c 反射面
3d 出射面
3e 側面
3f 後端部
3g 光源装着孔
3h プリズム
3i プリズム稜線
3j 平坦部
3k 谷部
4 センターキャップ
4a 回転軸
5 反射コート
6 光ファイバー
7 金型プリズム駒
8 切削バイト
8a 頂角
8b 先端
9 三角プリズム
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の速度計やタコメータ、燃料残量計等の計器類の計測量に応じて動作する計器用指針に係り、特に視認性を向上させる目的で自発光を可能とした指針に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車用のメータパネルを例に取れば、速度計やタコメータ、燃料残量計などの計器盤は夜間やトンネル内の暗いところでは、計器盤そのものに半透過性を持たせ、計器盤の背面に配設した光源によって計器盤そのものを発光させ、これによって計器盤上の物理目盛りや指針を照らし出す方法、或いは物理目盛りや物理目盛り量を示す数字の部分に透過性を持たせ、これらを除く部分は背面からの光を透過させないように黒色に印刷形成し、計器盤の背面に配設した光源によって物理目盛りや数字のみを発光させる方法が多用されて来た。しかしながら、近年では、より計器盤の物理目盛りや指針の視認性を向上させる目的で様々な工夫が成されている。
【0003】
例えば図3は計器盤の指針そのものが発光する構造を持った従来例(以下、従来例1)を示したものである(例えば、特許文献1参照)。図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)に示した長手中心線に沿う断面図を示しており、1は指針、2は光源チップ、3は指針本体、3aは導光部、3cは反射面、3dは出射面、3fは後端部、4はセンターキャップ、4aは指針の回転軸、5は反射コートである。図では光源チップとしてLED(Light Emitting Diode)を回転軸近傍に配設しており、LEDから出射された光は導光部3aに入光される構造をなす。
【0004】
従来例1では、指針そのものの形状は回転軸近傍から先端に行くに従って、図3(a)に示した平面形状、図3(b)に示した断面形状のいずれも先細る形態、即ち楔状の態様を示す。また、指針の基体そのものは光が導光可能なように透明、若しくは半透明な素材で形成される。更に指針の背面、ここでは図3(b)の下面には拡散性を持った反射コート5が施され、LED2から出射された光は図3(b)に点線で示した如く、導光部3a内を進み、反射面3cに施された反射コート5で反射した光が、光の全反射臨界角を越えて、出射面3dより上方に出射される。この際、反射コート5には拡散機能を付与させており、光は点線の矢印で示した如く、広がりを持って出射することになる。
他方、指針本体の下面が、長手方向の断面形状において鋸歯形状とした計器用指針が提案されている(例えば、特許文献2参照。以下、従来例2とする)。この計器用指針では、指針本体の照明時には、鋸歯形状における内面が受光部側を向く面によって受光部から指針本体下面に向かう光線を指針本体上面方向に反射し、指針本体の輝度を増加する。また、指針本体の非照明時では、指針本体に外部から外部光が照射されたとしても、指針下面に届いた外部光は、頂点が偏移した形状の各鋸歯の反射面によって、外部光を指針本体内を通過させるか、もしくは少なくとも外部光の指針本体への入射方向と異なる方向へ反射する。
【0005】
【特許文献1】
実開平1−136422号公報
【特許文献2】
特開平8−219822号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例1及び従来例2は、それぞれ次のような問題点がある。
まず、従来例1の場合、指針1の楔形態によって光を出射する構造であることから、光は本来必要な指針本体3の出射面3dに対して法線方向に出射せず、図3(b)の如く点線矢印で示した光の進行方向に傾いて出射してしまう。また、法線方向(本図では上方)へ出射する光を確保する目的で反射面3cには拡散性を持たせた反射コート5が施してあり、光が必要以上に広がってしまうことからその輝度が低下してしまう。更には導光体3a内を進む光が光の全反射臨界角を越えない範囲で反射コート5に対して繰り返し反射した場合、例えば反射率85%の反射コートに対して5回反射を繰り返した場合は0.85の5乗となり、それだけで44%に光量が減衰してしまう。これらによって、LED2から出射された光が有効活用されず、指針の発光は暗いものとなってしまう。このため、LED2からの光の強度を必要以上に電流を供給して上げているのが実状である。また、指針1の長手方向に対して均一に発光させることが難しく、指針1を先端に向かって先細り構造とする必要があり、構造的に楔形態が必須となることから、根元となる回転軸近傍では必要以上に太い形態とせざるを得ない。
次に従来例2にかかる計器用指針は、指針本体の下面に頂点が受光部側に偏移した鋸歯形状、即ち鋸歯形状の内面において受光部側を向く角度をこれとは反対の先端側を向く角度に対して大としたものである。本従来例では、光源から出射され、指針本体に入射した光の大部分は、指針本体の下面に設けられた反射面で直接反射することになる。従って、光源から出射された光は、指針本体の先端部分まで伝わらず、指針本体の入射部分の近傍に比べて先端部分が暗くなるという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、光の利用効率を上げてその出射輝度を高めると共に、長手方向の輝度むらを抑えて均一な輝度分布を得ることによって指針の視認性をより向上させることにある。
【0008】
さらに、本発明の目的は、指針本体を効率よくその先端部分まで伝え、指針全体が明るい計器用指針を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明では、光源からの光を入光する光入射部と該光入射部から入光された該光を反射、偏向させる反射面と該反射面に対向して光を外部に出光する出射面とを有する棒状の計器用指針において、前記反射面には鋸歯形状を成す微細凹凸プリズムが形成され、この微細凹凸プリズムの間に平坦部を設けた。
【0010】
また、第2の発明は、平坦部を結んだ仮想面に対して前記微細凹凸プリズムの前記光入射部と対向する側の面の傾きを第1の傾斜角としたとき該第1の傾斜角は40°から48°であることを特徴とするものである。
また、第3の発明では、光源からの光を入光する光入射部と該光入射部から入光された該光を反射、偏向させる反射面と該反射面に対向して光を外部に出光する出射面とを有する棒状の計器用指針において、前記反射面には鋸歯形状を成す微細凹凸プリズムが形成され、前記微細凹凸プリズムの凸面を結んだ仮想面に対して、該微細凹凸プリズムの前記光入射部と対向する側の面の傾きを第1の傾斜角とし、先端と対向する側の面の傾きを第2の傾斜角としたとき、第1の傾斜角は、第2の傾斜角より大きいこととした。
【0011】
第4の発明では、第1の傾斜角を、40°から48°とした。第5の発明では、第2の傾斜角を、0°より大きく10°以下とした。
【0012】
第6の発明では、反射面と出射面までの距離に対する反射面の幅の比を3以下とした。
【0013】
第7の発明では、光入射部にLED(Light Emitting Diode)が配設するようにした。
【0014】
第8の発明では、前記光入射部に光源からの光を光ファイバーを用いて入光させるようにした。
【0015】
第9の発明では、指針の回転軸方向に進む光源からの光を三角プリズムにてその直角方向に屈折させ、前記光入射部に入光させるようにした。
【0016】
第10の発明では、長手方向の断面形状が略四角形であって、前記反射面と前記出射面との間に形成された側面が表面粗さRt1μm以下、Ra0.1μm以下の面に加工した。
【0017】
第11の発明では、前記反射面の微細凹凸プリズムが前記光入射部から遠ざかるほど、深くなるようにした。
【0018】
第12の発明では、前記反射面の微細凹凸プリズムが前記光入射部から遠ざかるほど、ピッチが狭まるようにした。
【0019】
第13の発明では、前記反射面の微細凹凸プリズムの断面形状を不等辺三角形状として夫々を等ピッチで形成し、前記第1の傾斜角は一定とし、前記第2の傾斜角が前記光入射部から遠ざかるにつれて、大きくなる形状をなすようにした。
【0020】
第14の発明では、前記反射面の微細凹凸プリズムの断面形状を不等辺三角形状として夫々を等ピッチで形成し、該微細凹凸プリズムの稜線を結んだ仮想面に対して、前記第1の傾斜角が前記光入射部から遠ざかるにつれて小さくなり、前記第2の傾斜角が、前記光入射部から遠ざかるにつれて大きくなり、かつ該第1の傾斜角と該第2の傾斜角との和が一定となる形状をなすようにした。
【0021】
第15の発明では、前記光入射部の幅、または高さの少なくとも一方が、指針の先端に行くほど狭まる、または低くなる形状とした。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従う実施形態を図面により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は本発明による計器用指針の第1の実施形態を示すものであって、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の中心線に沿う断面図であり、1はこの第1の実施形態の指針、2は光源チップ、2aは発光面、3は指針本体、3aは導光部、3bは入射面、3cは反射面、3dは出射面、3eは側面、3fは後端部、3gは光源装着孔、3hはプリズム、3iはプリズム稜線、4はセンターキャップ、4aは回転軸である。
【0023】
図1において、指針1は光源チップ2と指針本体3、センターキャップ4により構成されており、指針本体3は導光部3a、後端部3f、光源装着孔3gによりなる。導光部3aは長手方向の断面形状が略四角形の棒状の角柱形状をなしており、その端面には光源装着孔3gが形成されると共にその内面の一面が導光部3aの光の入り口となる入射面3bとなる。導光部3aはこの入射面3bと、反射面3c、反射面3cに対向する出射面3d、反射面3cとこの出射面3dの間に形成された側面3eにより構成される。ここで側面3eの表面粗さは導光部3a中を光が伝播する際に、光損失のないレベルで鏡面に仕上げられ、その表面粗さはRt1μm以下、Ra0.1μm以下が望ましく、伝播中に光損失をさらに低減することができる。
【0024】
また、光源装着孔3gには光源チップ2が装着され、光源チップ2の発光面2aは前述した導光部3aの入射面3bと対向して取り付けられる。後端部3fは光源チップ2の位置決めの役割を果たすと共に後述する回転軸4aに対する指針本体3の重量的なバランスを持たせる場合もある。センターキャップ4は光源チップ2を覆うと共に指針本体3と回転軸4aとの連結を行う。
【0025】
光源チップ2としてはLED(Light Emitting Diode)が望ましく、各種の発光色が計器盤との色合わせで決定される。例えばRGB3原色の素子を一つのパッケージに封止した白色LEDを使うことにより、エンジンの回転数に応じて、白、赤、緑、青と発光させることが出来る。これによって、エンジン回転数の極度な変化に対してドライバーに注意を促すことが可能となる。
【0026】
図1(b)に示した点線は光の導光を示したものであり、光源チップ2の発光面2aから出射した光は指針本体3の入射面3bから導光部3aに入光し、導光部3a内を反射面3cと出射面3dの間で、反射、屈折を繰り返しながら伝播することになる。伝播する光はその全反射の臨界角以上で各面に入射される限り、反射面3cと出射面3dとの間で反射が繰り返され、反射面のプリズム3hに当たった光のうち、出射面3dに対して入射角がその全反射の臨界角よりも小さくなった光が、出射面3dから出射されることになる。臨界角は式(1)で求められ、例えば指針本体3の材質をPMMA(ポリメタクリル酸メチル n=1.49)とすると、式(1)から疎な媒質はここでは空気(n’=1)であることから臨界角は42.1°と計算される。
【0027】
【数1】
【0028】
図2は図1(b)に示した断面図の要部拡大図であり、本図を用いてプリズム形態について更に詳しく説明する。ここで3hはプリズム、3iはプリズム稜線、3kは谷部を示す。
【0029】
先ず、プリズム3hのプリズム稜線3iを結ぶ面を仮想面とすると、仮想面に対するプリズムの傾斜角は、プリズム3hの谷部3kを基準とした場合、光入射面3bと対向する側の面の傾斜角(以下、内側プリズム角という)θ1とこれとは反対側のプリズム角(以下、外側プリズム角)θ2とがある。即ち、外側プリズム角θ2は微細凹凸プリズムの凸面を結んだ仮想面に対して、指針本体3の先端と対向する側の面の傾きを示す。いずれにおいても、内側プリズム角θ1は、光源チップ2の発光面2aからの光を出射面3d側に出射し、出射面3dに対してその法線方向に反射、出光させることがより望ましく、その角度は40゜から48゜の範囲内に設定され、さらに望ましくは42°から46°の範囲に設定することにより、法線方向への出射輝度をより高めることが出来る。また、外側プリズム角θ2は、出射面3dで反射された光を再び反射面3c側で反射、偏向させるために、極力平面(0°)に近い角度範囲、例えば、0゜<θ2≦10゜の範囲内に設定される。ここで、外側プリズム角θ2は内側プリズム角θ1、プリズムピッチP、プリズム深さDによって、式(2)で求めることが出来る。
【0030】
【数2】
【0031】
外側プリズム角θ2よりも内側プリズム角θ1を大きくすると、光源チップ2の発光面2aから出射した光は、指針本体3の入射面3bから導光部3aに入光し、導光部3a内を反射面3cと出射面3dの間で、反射、屈折を繰り返しながら伝播することになる。このため、指針本体内に入射した光を先端まで効率良く伝えることができ、これら光の経路を制御することによって、光の利用効率を向上させることができる。
本例として、内側プリズム角θ1は、光源チップ2の発光面2aからの光を出射面3d側に反射、偏向させるために、入射面3bからの距離Lに関係なく一定とするが、外側プリズム角θ2は、プリズムの深さDが入射面3bからの距離Lが大きくなるに従って深さを増すため、これに伴って同様に角度を増すことになる。
【0032】
各プリズム3hのプリズム稜線3iは、導光部3aの出射面3dとは本実施形態では平行にあるが、必ずしも平行である必要はない。また、プリズム3hのピッチPは本実施形態では一定とした。さらに、この仮想面からプリズム3hの谷部3kまでの距離をプリズム深さDとするが、このプリズム深さDは入射面3bからの距離Lに応じて異なり、一例として、入射面3bから遠ざかるほど(即ち、距離Lが大きいほど)順次増大する。
【0033】
このプリズム深さDとしては、一例として、距離Lをパラメータとして、非線形の高次関数に応じて変化することにより、出射面3dの長手方向での輝度を均一とすることが出来る。図4はその具体例を示すものであって、式(3)としている。
【0034】
【数3】
【0035】
このようにプリズムの深さDを距離Lに応じて変化させるのは、この距離Lに応じて出射光の光量の違いを補正するためであり、これを補正するように、上記の非線形高次関数や線形一次関数などの関数を選定するものである。
【0036】
ここでこれらのプリズムを精度良く形成させるためには射出成形法を用い、所望のプリズム形態に対応してその反転パターンとなる形状を金型上に刻設させる。金型はプリズム部分のみを別ピースの入れ駒として作成し、先ず土台となる緻密な面を得るためにSUS等の母材表面にNi、NiP、Cu等の鍍金を施し、その後に単結晶ダイヤモンドバイトなどの切削バイトを用いて所望とするプリズムパターンを鍍金上に形成する。また、指針本体3として使われるプラスチック成形材料としては、特に限定されないが、透過率や成形性の面からPMMA(ポリメタクリ酸メチル)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、COP(環状オレフィンポリマー)、COPとポリエチレンの共重合体であるCOC(環状オレフィンコポリマー)などが挙げられ、空気との屈折率差による表面反射を含んだ透過率が85%以上あれば、拡散材料などを含むものでも構わない。この成形材料を用い、上記入れ駒を金型に組み込んで所望の成形条件で射出成形することにより、指針本体3を得ることが出来る。最後にこの指針本体3に光源チップ2、センターキャップ4を組み込むことにより指針1が完成する。
【0037】
なお、本実施形態に対して、出射面3dに凹凸しぼを付与して、出射光の輝線を防止したり、出射角を広げたりすることも可能である。この場合、面粗さRt5〜50μm、Ra0.5〜5μmの範囲の凹凸シボ加工を施すことにより、透過する光がこのしぼ面によって効果的に拡散され、出射角が広がることになる。本明細書での面粗さの定義はJIS−B0601規格に基づくものである。かかる面粗さの測定機としては、位相差法を使ったWYKO社製TOPO−2D・3D、非点収差法を使った東京精密社製Surfcom920A、原子間力顕微鏡のDigital Instruments 社製Nano ScopeIII、触針式であるTencor社製P12EX等を用いることができ、本発明の数値範囲はTencor社製P12EXを用いた。
【0038】
これらの凹凸しぼは金型に形成して射出成形の際、転写させることにより、容易に出射面3d上に形成させることが出来る。金型への凹凸しぼの付与方法としては、サンドブラスト加工やケミカルエッチングなどが挙げられる。
【0039】
以上のように、この第1の実施形態では、反射面3cにプリズム3hを形成することによって、反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を出射させることが出来る。出射された光はプリズムによって出射方向がコントロール可能であり、法線方向に出射させることによって、極めて高輝度が得られる。また、従来のように反射率の低い反射コートで繰り返し反射することなく、光の全反射を利用していることから、光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率となる。更にはプリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dでこの距離Lに応じた出射光の光量の違いを補正することができ、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。この結果、指針1として、全長にわたって均一な輝度分布が得られることになる。また、内側プリズム角よりも外側プリズム角を大きくしたため、指針本体3に入射した光は、反射面3cと出射面3dの間で繰り返し反射し指針本体3を伝播する。このため、光を効率よくその先端部分まで伝え、指針本体3全体を明るくすることができる。特に外側プリズム角θ2が0〜10°の範囲において良好に光を先端部分まで伝えることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図5(a)は本発明による第2の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。第1の実施形態ではプリズム形状は不等辺三角形状であったが、本実施形態では等辺三角形状とした。ここでも内側プリズム角θ1は第1の実施形態同様に40゜から48゜の範囲内に設定され、望ましくは42°から46°の範囲に設定することにより、法線方向への出射輝度をより高めることが出来る。また、プリズム深さDについても、第1の実施形態同様に入射面3bから遠ざかるほど(即ち、距離Lが大きいほど)順次増大する。
【0041】
本第2の実施形態ではプリズム形状が等辺三角形状であることから、外側プリズム角θ2は内側プリズム角θ1と等しく設定し、プリズムとプリズムの間には平坦部3jを形成しており、式(2)は適用出来ないものの、その他の部分は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0042】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。更にプリズムとプリズムの間に平坦部3jを形成しており、この平坦部3jによって指針本体3内を伝播する光は出射面3dと平坦部3jの間で反射が繰り返され光を効率よくその先端部分まで伝え、指針本体3全体を明るくすることができる。
【0043】
(第3の実施形態)
図5(b)は本発明による第3の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。第1の実施形態ではプリズム形状は不等辺三角形状を連続させたプリズムとプリズムの間に平坦部のないものであったが、本実施形態では不等辺三角プリズム同士の間に平坦部3jを形成した形状とした。ここでも内側プリズム角θ1は第1の実施形態同様に40゜から48゜の範囲内に設定され、望ましくは42°から46°の範囲に設定することにより、法線方向への出射輝度をより高めることが出来る。また、プリズム深さDについても、第1の実施形態同様に入射面3bから遠ざかるほど(即ち、距離Lが大きいほど)順次増大する。
【0044】
本第3の実施形態ではプリズムとプリズムの間に平坦部3jを形成しており、式(2)は適用出来ないものの、その他の部分は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0045】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来ると共に光を効率良くその先端部分まで伝えることができる。
【0046】
(第4の実施形態)
図5(c)は本発明による第4の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。第1の実施形態ではプリズム形状は不等辺三角形状であったが、本実施形態では等辺三角形状とし、プリズムとプリズムの間に平坦部3jを設けた。ここでも内側プリズム角θ1は第1の実施形態同様に40゜から48゜の範囲内に設定され、望ましくは42°から46°の範囲に設定することにより、法線方向への出射輝度をより高めることが出来る。また、プリズム深さDについてはここでは深さDは一定とし、その代わりにピッチPを入射面3bから遠ざかるほど(即ち、距離Lが大きいほど)順次小さくした。即ち単位面積当たりのプリズム数を増すことにより、出射光の光量の違いを補正するものである。プリズムピッチPは第1の実施形態同様にこの出射光量を補正する目的で非線形高次関数や線形一次関数などの関数を選定することが出来る。
【0047】
本第4の実施形態ではプリズム形状が等辺三角形状で深さを一定として、ピッチを徐々に減じていることから、式(2)、式(3)は適用出来ないものの、その他の部分は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0048】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズム3cのピッチPを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来ると共に光を効率良くその先端部分まで伝えることができる。
【0049】
(第5の実施形態)
図6は本発明による第5の実施形態を示した図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の中心線に沿う断面図を示す。第1の実施形態では指針本体3の導光部3aは長手方向の断面形状が略四角形の棒状の角柱形状としたが、本実施形態の平面形状は入射面3bに対して指針の先端に行くほど、幅方向、高さのいずれも先細り形状とした。これは円盤状の計器盤において指針が物理量を指す際、デザイン的に視認性の向上を試みたものである。この形状以外は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0050】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面に反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率と出射させることが出来る。また、プリズムの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面の全面から均一な光量で光を出光させることが出来ると共に光を効率良くその先端部分まで伝えることができる。併せて、本発明では特にデザイン的に制限されることもない。つまり、デザインの自由度が高い特徴がある。
【0051】
(第6の実施形態)
図7(a)は本発明による第6の実施形態を示した入光部分の断面拡大図である。第1の実施形態では指針本体の入射面3bに光源チップ2を取り付けたが、本実施形態では入射面3bに光ファイバー6を取り付け、光源(図示せず)からの光は光ファイバー6を使って入光させた。この形状以外は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0052】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズムの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。
【0053】
(第7の実施形態)
図7(b)は本発明による第7の実施形態を示した入光部分の断面拡大図である。第1の実施形態では指針本体の入射面3bに光源チップ2を取り付けたが、本実施形態では回転軸下部方向に配設した光源チップ2からの光を三角プリズム9を使って屈折させ、入射面3bに入光させる構造とした。この形状以外は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0054】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズムの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。
【0055】
(第8の実施形態)
図8は本発明による第8の実施形態を示した計器用指針を成形するための金型プリズム駒の断面とその加工方法を示した図であり、7が指針1のプリズムパターンを射出成形法で成形するための金型プリズム駒、8が切削バイト、8aは切削バイト先端の頂角、8bがバイトの先端である。また、この頂角8aは180°から前述した(θ1+θ2)を減じたものである。第1の実施形態では内側プリズム角θ1は、入射面3bからの光を出射面3d側に反射、偏向させるために、入射面3bからの距離Lに関係なく一定とし、外側プリズム角θ2は入射面3bからの距離Lが増すに従って、角度を増すことになっていたが、本実施形態ではθ1+θ2=一定とし、入射面3bからの距離Lが増すに従ってプリズム深さDを増し、これに伴って外側プリズム角θ2は増すが、内側プリズム角θ1は減少するようにした。これは同一ピッチにおいて、プリズム深さを増すために、切削バイト8の先端8bを中心に左右方向に切削バイト8を回転させたものである。
【0056】
図8の点線はバイト8を先端8bを中心に図の右側へ傾け、プリズム1ピッチ分を送って深さを減じたものである。これによって、金型プリズム駒7の深さを容易に変化させることが出来る。本実施形態において、得られた金型を用いて射出成形法で指針本体3を成形し、計器用指針1を得た。その他の部分は第1の実施形態を踏襲しており、第1の実施形態に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0057】
本実施形態においても第1の実施形態と同様に反射面3cに反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率で出射させることが出来る。また、プリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来ると共に光を効率良くその先端部分まで伝えることができる。
【0058】
(第9の実施形態)
図9(a)は、指針本体の出射面側から見た斜視図である。図に示されるように、指針本体3の高さ、即ち反射面3cと出射面3dまでの距離をtとし、反射面3cの幅をWとする。そして、幅Wと高さtの比W/tをアスペクト比とする。また、指針本体3の高さ、反射面3cの幅Wが指針本体の長手方向において変化する場合は、それぞれ断面における高さtn、幅Wnの比Wn/tnをアスペクト比とする。
【0059】
図9(b)(c)は指針本体3の光源チップ2からの出射光の経路を表す概念図であり、上面図および側面図を表す。それぞれ(b)はアスペクト比の大きい例、(c)はアスペクト比の小さい例である。本図では指針本体3は長手方向にその断面が同一形状とする。本図から図9(b)のように、アスペクト比の大きい計器用指針は、光源チップ2から出射された光が放射状に広がる単調な経路を示す。反対に、図9(c)のように、アスペクト比が小さい計器用指針は、光源チップ2から出射された光が指針本体3の側面で反射され、様々な経路の光が存在する比率が増す。これにより、アスペクト比が小さい計器用指針の方が、アスペクト比が大きい計器用指針よりも、伝播方向に対しその左右方向の出射面からの出射角が広がる傾向にある。特に、高さtに対する幅Wの比を3以下とするとよい。このようにすることで、計器用指針の観察者、例えば運転手からの視認性が良くすることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の計器用指針によると、反射面3cにプリズム3hを形成することによって、反射コートを施すことなく、出射面3dより光源チップ2からの光を出射させることが出来る。出射された光はプリズムによって出射方向がコントロール可能であり、法線方向に出射させることによって、極めて高輝度が得られる。また、従来のように反射率の低い反射コートで繰り返し反射することなく、光の全反射を利用していることから、光損失が殆どなく、極めて高い光の利用効率となる。更にはプリズム3cの深さDを入射面3bからの距離Lに応じて異ならせることにより、出射面3dでこの距離Lに応じた出射光の光量の違いを補正することができ、出射面3dの全面から均一な光量で光を出光させることが出来る。この結果、指針1として、全長にわたって均一な輝度分布が得られることになる。
【0061】
本発明にかかる計器用指針によれば、指針本体3に入射した光は、反射面3cと出射面3dの間で繰り返し反射させて指針本体3を伝播させることにより、指針本体3を効率よくその先端部分まで伝え、指針全体3を明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による計器用指針の第1の実施形態を示す平面図である。
(b)は(a)の中心線断面図である。
【図2】図1(a)に示した第1の実施形態の中心線断面図における要部の拡大詳細図である。
【図3】(a)は従来例の計器用指針を示す平面図である。
(b)は(a)の中心線断面図である。
【図4】図2におけるプリズム深さDの距離Lに応じた変化の一具体例を示す図である。
【図5】(a)は本発明による第2の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。
(b)は本発明による第3の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。
(c)は本発明による第4の実施形態を示したプリズム部分の断面拡大図である。
【図6】本発明による第5の実施形態を示した平面図である。
【図7】(a)は本発明による第6の実施形態を示した入光部分の拡大図である。
(b)は本発明による第7の実施形態を示した入光部分の拡大図である。
【図8】本発明による第8の実施形態を示した計器用指針を成形するための金型プリズム駒の断面とその加工方法を示した図である。
【図9】(a)は指針本体の出射面側から見た斜視図である。
(b)は指針本体の光源チップからの出射光の経路を表す概念図であり、アスペクト比が大きい例における上面及び側面の拡大図である。
(c)は指針本体の光源チップからの出射光の経路を表す概念図であり、アスペクト比が小さい例における上面及び側面の拡大図である。
【符号の説明】
1 指針
2 光源チップ
2a 発光面
3 指針本体
3a 導光部
3b 入射面
3c 反射面
3d 出射面
3e 側面
3f 後端部
3g 光源装着孔
3h プリズム
3i プリズム稜線
3j 平坦部
3k 谷部
4 センターキャップ
4a 回転軸
5 反射コート
6 光ファイバー
7 金型プリズム駒
8 切削バイト
8a 頂角
8b 先端
9 三角プリズム
Claims (15)
- 光源からの光を入光する光入射部と該光入射部から入光された該光を反射、偏向させる反射面と該反射面に対向して光を外部に出光する出射面とを有する棒状の計器用指針において、前記反射面には鋸歯形状を成す微細凹凸プリズムが形成され、この微細凹凸プリズムの間に平坦部を有することを特徴とする計器用指針。
- 前記平坦部を結んだ仮想面に対して前記微細凹凸プリズムの前記光入射部と対向する側の面の傾きを第1の傾斜角としたとき該第1の傾斜角は40°から48°であることを特徴とする請求項1記載の計器用指針。
- 光源からの光を入光する光入射部と該光入射部から入光された該光を反射、偏向させる反射面と該反射面に対向して光を外部に出光する出射面とを有する棒状の計器用指針において、前記反射面には鋸歯形状を成す微細凹凸プリズムが形成され、前記微細凹凸プリズムの凸面を結んだ仮想面に対して、該微細凹凸プリズムの前記光入射部と対向する側の面の傾きを第1の傾斜角とし、先端と対向する側の面の傾きを第2の傾斜角としたとき、第1の傾斜角は、第2の傾斜角より大きいことを特徴とする計器用指針。
- 請求項3記載の計器用指針において前記第1の傾斜角は、40°から48°であることを特徴とする請求項3記載の計器用指針。
- 前記第2の傾斜角は、0°より大きく10°以下であることを特徴とする請求項3又は4記載の計器用指針。
- 前記反射面と前記出射面までの距離に対する前記反射面の幅の比を3以下とすることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の計器用指針。
- 前記光入射部にLED(Light Emitting Diode)が配設されたことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の計器用指針。
- 前記光入射部に光源からの光を光ファイバーを用いて入光させたことを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の計器用指針。
- 指針の回転軸方向に進む光源からの光を三角プリズムにてその直角方向に屈折させ、前記光入射部に入光させたことを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の計器用指針。
- 長手方向の断面形状が略四角形であって、前記反射面と前記出射面との間に形成された側面が表面粗さRt1μm以下、Ra0.1μm以下の面に加工されたことを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の計器用指針。
- 前記反射面の微細凹凸プリズムが前記光入射部から遠ざかるほど、深くなることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の計器用指針。
- 前記反射面の微細凹凸プリズムが前記光入射部から遠ざかるほど、ピッチが狭まることを特徴とする請求項1又は2に記載の計器用指針。
- 前記反射面の微細凹凸プリズムの断面形状を不等辺三角形状として夫々を等ピッチで形成し、前記第1の傾斜角は一定とし、前記第2の傾斜角が前記光入射部から遠ざかるにつれて、大きくなる形状をなしたことを特徴とする請求項3乃至5いずれかに記載の計器用指針。
- 前記反射面の微細凹凸プリズムの断面形状を不等辺三角形状として夫々を等ピッチで形成し、該微細凹凸プリズムの稜線を結んだ仮想面に対して、前記第1の傾斜角が前記光入射部から遠ざかるにつれて小さくなり、前記第2の傾斜角が、前記光入射部から遠ざかるにつれて大きくなり、かつ該第1の傾斜角と該第2の傾斜角との和が一定となる形状をなしていることを特徴とする請求項3乃至5いずれかに記載の計器用指針。
- 前記光入射部の幅、または高さの少なくとも一方が、指針の先端に行くほど狭まる、または低くなる形状とすることを特徴とする請求項1乃至14いずれかに記載の計器用指針。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003105706A JP2004309398A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 計器用指針 |
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JP2003105706A JP2004309398A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 計器用指針 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010008208A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Nippon Seiki Co Ltd | 計器用指針 |
CN114675521A (zh) * | 2020-12-24 | 2022-06-28 | 精工爱普生株式会社 | 指针或植字、指针、钟表以及指针或植字的加工方法 |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003105706A patent/JP2004309398A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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