JP2004309228A - 方位角計測装置及び方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】方位角計測装置100は、ユーザが方位角計測装置100を手に持ってユーザの姿勢を保持しながらその場で身長方向を軸として体の向きを変えている時の3軸地磁気測定データを3軸磁気センサ31から所定回数以上繰り返して取得する。次いで、計測装置座標系(x,y,z)からなる3次元空間上に、繰り返し取得した3軸地磁気測定データ群が円周上に位置する円を定め、その円の中心座標(Cox,Coy,Coz)を算出し、算出した円の中心座標(Cox,Coy,Coz)に基づいて傾斜角αを算出する。そして、算出した傾斜角αに基づいて方位角θ(またはθ−D)を算出する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、方位角を計測する装置およびプログラム、並びに方法に係り、特に、計測場所によらず方位角を正確に計測することができるとともに、コストを削減するのに好適な方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、地上座標系(xg,yg,zg)における地磁気成分を示したものである。
地上座標軸xg,yg,zgは、それぞれ南北方向、東西方向および鉛直方向を向いており、地磁気全磁力Mの地上座標軸xg,yg,zg方向の成分Mxg,Myg,Mzgは、それぞれ南北成分および東西成分、並びに鉛直分力と呼ばれる地磁気成分であり、また、xg−yg平面に平行な成分は、水平分力と呼ばれる。さらに、水平分力とxg軸との間になす角Dを偏角、地磁気全磁力Mと水平分力との間になす角Iを伏角と呼ぶ。なお、一般に方位磁石が指す北の方向は水平分力の方向のことであり、磁北と呼ばれる。
【0003】
従来、方位角を計測する技術としては、次に示すような2つの方位角計測装置があった。
第1の方位角計測装置は、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する2軸の磁気センサを備え、方位角計測装置を水平面に置き、磁気センサから取得した2軸出力に基づいて方位角を計測するようになっている。
【0004】
次に、第2の方位角計測装置の構成を図11ないし図13を参照しながら詳細に説明する。
図11は、従来の方位角計測装置における磁気センサの取付構造を示す透視図である。
図11において、第2の方位角計測装置には、方位角計測装置の縦方向をx軸としてx軸方向の地磁気成分を検出するx軸磁気センサHEx、方位角計測装置の横方向をy軸としてy軸方向の地磁気成分を検出するy軸磁気センサHEyおよび方位角計測装置の厚さ方向をz軸としてz軸方向の地磁気成分を検出するz軸磁気センサHEzが設けられている。x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzは、ホール素子等からなり、各感磁面が各軸に対して垂直になるように配置され、各軸方向の地磁気成分に応じた大きさのセンサ信号を出力するようになっている。
【0005】
図12は、従来の方位角計測装置における傾斜角センサの取付構造を示す透視図である。
図12において、第2の方位角計測装置には、xg−yg平面に対するy軸の傾斜角ηおよびxg−yg平面に対するx軸の傾斜角φを検出する傾斜角センサ17が設けられており、傾斜角センサ17は、傾斜角ηに応じた大きさのセンサ信号および傾斜角φに応じた大きさのセンサ信号をそれぞれ出力するようになっている。
【0006】
図13は、従来の方位角計測装置の構成を示すブロック図である。
図13において、第2の方位角計測装置には、3軸磁気センサ11、磁気センサ駆動電源部12、マルチプレクサ部13、磁気センサ増幅部14、磁気センサA/D変換部15、感度・オフセット補正部16、傾斜角センサ17、傾斜角センサ増幅部18、傾斜角センサA/D変換部19、測定データ補正部20および方位角計算部21が設けられている。
【0007】
3軸磁気センサ11には、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzが設けられている。
マルチプレクサ部13は、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzをそれぞれ切り換えるためのもので、磁気センサ駆動電源部12から出力された駆動電圧を、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzにそれぞれ印加し、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzから出力されたセンサ信号を時分割的に磁気センサ増幅部14に出力するようになっている。
【0008】
磁気センサA/D変換部15は、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzからのセンサ信号をA/D変換し、変換したディジタルデータをそれぞれx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データとして感度・オフセット補正部16に出力するようになっている。
【0009】
感度・オフセット補正部16は、磁気センサA/D変換部15からのx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データに基づいて、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzのオフセットおよび感度補正係数を算出し、算出したオフセットおよび感度補正係数に基づいて、x軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを補正するようになっている。
【0010】
傾斜角センサA/D変換部19は、傾斜角センサ17からのセンサ信号をA/D変換し、変換したディジタルデータを傾斜角測定データとして測定データ補正部20に出力するようになっている。
測定データ補正部20は、傾斜角センサA/D変換部19からの傾斜角測定データに基づいて、感度・オフセット補正部16からのx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを補正するようになっている。
【0011】
方位角計算部21は、測定データ補正部20からのx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データに基づいて方位角を算出するようになっている。
なお、第2の方位角計測装置に近い技術としては、例えば、特許文献1に開示されている方位出力装置がある。
【0012】
特許文献1の方位出力装置は、3次元地磁気センサからの地磁気情報X,Y,Zと、傾斜センサで検出された傾斜量α,βを用いて、非水平状態による測定誤差が補正された方位θmgを算出する。また、偏角値出力部からの偏角値Dを用いて、真方位θtrを算出し、算出した真方位θtrを提示する。
これにより、水平状態でなくても傾斜による誤差のない方位測定を行うことができるとともに、真方位を提示することができる。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−278137号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の第1の方位角計測装置にあっては、方位角計測装置を水平面に置く必要があるため、水平が確保できないような場所では方位角を正確に計測することができないという問題があった。
また、上記従来の第2の方位角計測装置にあっては、方位角計測装置を水平面に置く必要はないが、その代わりに方位角計測装置の傾斜角η,φを計測する必要があるため、傾斜角センサ17、傾斜角センサ増幅部18および傾斜角センサA/D変換部19が設けられている。したがって、コストの上昇を招くという問題があった。
【0015】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、計測場所によらず方位角を正確に計測することができるとともに、コストを削減するのに好適な方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の方位角計測装置は、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段と、前記地磁気検出手段の向きが、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群が円周上または円周近傍に位置する円を定め、前記円の中心座標を算出する円解析手段と、前記円解析手段で算出した円の中心座標に基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段と、前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角および前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段とを備える。
【0017】
このような構成であれば、地磁気検出手段の向きを、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させると、検出出力取得手段により、地磁気検出手段の向きが変化した時の3軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、円解析手段により、3軸出力を成分とする3次元座標上に、検出出力取得手段で繰り返し取得された3軸出力データ群が円周上または円周近傍に位置する円を定め、その円の中心座標が算出される。そして、傾斜角算出手段により、算出された円の中心座標に基づいて、地磁気検出手段の特定方向に対する傾斜角が算出され、方位角算出手段により、算出された傾斜角および改めて取得された3軸出力データに基づいて方位角が算出される。
【0018】
これにより、方位角を計測するには、方位角計測装置を水平面に置く必要がなく、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら地磁気検出手段の向きを変化させるだけでよい。具体的な計測方法としては、例えば、ユーザは、方位角計測装置を手に持って姿勢を保持しながらその場で伸長方向を軸として回転する。また、地磁気を検出する3軸の地磁気検出手段を用いて傾斜角を計測することができるので、方位角を計測するための磁気センサを兼用することができ、傾斜角センサ、傾斜角センサ増幅部および傾斜角センサA/D変換部を設けなくてすむ。
【0019】
さらに、本発明に係る請求項2記載の方位角計測装置は、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段と、前記地磁気検出手段の向きが、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、主軸が前記2次元座標の座標軸に平行でかつ前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群が円周上または円周近傍に位置する楕円を定め、前記楕円の主軸の長さを算出する楕円解析手段と、前記楕円解析手段で算出した楕円の主軸の長さに基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段と、前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角および前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段とを備える。
【0020】
このような構成であれば、地磁気検出手段の向きを、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させると、検出出力取得手段により、地磁気検出手段の向きが変化した時の3軸出力のうち特定2軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、楕円解析手段により、2軸出力を成分とする2次元座標上に、主軸が前記2次元座標の座標軸に平行でかつ検出出力取得手段で繰り返し取得された2軸出力データ群が円周上または円周近傍に位置する楕円を定め、その楕円の主軸の長さが算出される。そして、傾斜角算出手段により、算出された楕円の主軸の長さに基づいて、地磁気検出手段の特定方向に対する傾斜角が算出され、方位角算出手段により、算出された傾斜角および改めて取得された3軸出力データに基づいて方位角が算出される。
【0021】
これにより、方位角を計測するには、方位角計測装置を水平面に置く必要がなく、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら地磁気検出手段の向きを変化させるだけでよい。具体的な計測方法としては、例えば、ユーザは、方位角計測装置を手に持って姿勢を保持しながらその場で伸長方向を軸として回転する。また、地磁気を検出する3軸の地磁気検出手段を用いて傾斜角を計測することができるので、方位角を計測するための磁気センサを兼用することができ、傾斜角センサ、傾斜角センサ増幅部および傾斜角センサA/D変換部を設けなくてすむ。
【0022】
さらに、本発明に係る請求項3記載の方位角計測装置は、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段と、前記地磁気検出手段の向きが地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群が線上または線近傍に位置する直線を定め、前記直線の傾きを算出する直線解析手段と、前記直線解析手段で算出した直線の傾きに基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段と、前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角および前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段とを備える。
【0023】
このような構成であれば、地磁気検出手段の向きを地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させると、検出出力取得手段により、地磁気検出手段の向きが変化した時の3軸出力のうち特定2軸出力が所定回数以上繰り返して取得される。次いで、直線解析手段により、2軸出力を成分とする2次元座標上に、検出出力取得手段で繰り返し取得された2軸出力データ群が線上または線近傍に位置する直線を定め、その直線の傾きが算出される。そして、傾斜角算出手段により、算出された直線の傾きに基づいて、地磁気検出手段の特定方向に対する傾斜角が算出され、方位角算出手段により、算出された傾斜角および改めて取得された3軸出力データに基づいて方位角が算出される。
【0024】
これにより、方位角を計測するには、方位角計測装置を水平面に置く必要がなく、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら地磁気検出手段の向きを変化させるだけでよい。具体的な計測方法としては、例えば、ユーザは、方位角計測装置を手に持って姿勢を保持しながらその場で伸長方向を軸として回転する。また、地磁気を検出する3軸の地磁気検出手段を用いて傾斜角を計測することができるので、方位角を計測するための磁気センサを兼用することができ、傾斜角センサ、傾斜角センサ増幅部および傾斜角センサA/D変換部を設けなくてすむ。
【0025】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項4記載の方位角計測プログラムは、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記地磁気検出手段の向きが、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群が円周上または円周近傍に位置する円を定め、前記円の中心座標を算出する円解析手段、前記円解析手段で算出した円の中心座標に基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段、および前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角および前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0026】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、請求項1記載の方位角計測装置と同等の作用が得られる。
さらに、本発明に係る請求項5記載の方位角計測プログラムは、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記地磁気検出手段の向きが、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、主軸が前記2次元座標の座標軸に平行でかつ前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群が円周上または円周近傍に位置する楕円を定め、前記楕円の主軸の長さを算出する楕円解析手段、前記楕円解析手段で算出した楕円の主軸の長さに基づいて、前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段、並びに前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角および前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0027】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、請求項2記載の方位角計測装置と同等の作用が得られる。
さらに、本発明に係る請求項6記載の方位角計測プログラムは、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記地磁気検出手段の向きが地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群が線上または線近傍に位置する直線を定め、前記直線の傾きを算出する直線解析手段、前記直線解析手段で算出した直線の傾きに基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段、および前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角および前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0028】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、請求項3記載の方位角計測装置と同等の作用が得られる。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項7記載の方位角計測方法は、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段の向きを、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させるステップと、前記地磁気検出手段の向きが変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得するステップと、前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、前記所定回数以上取得した3軸出力データ群が円周上または円周近傍に位置する円を定め、前記円の中心座標を算出するステップと、前記算出した円の中心座標に基づいて前記傾斜角を算出するステップと、前記地磁気検出手段から改めて3軸出力データを取得するステップと、前記算出した傾斜角および前記取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出するステップとを含む。
【0029】
さらに、本発明に係る請求項8記載の方位角計測方法は、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段の向きを、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させるステップと、前記地磁気検出手段の向きが変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得するステップと、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、主軸が前記2次元座標の座標軸に平行でかつ前記所定回数以上取得した2軸出力データ群が円周上または円周近傍に位置する楕円を定め、前記楕円の主軸の長さを算出するステップと、前記算出した楕円の主軸の長さに基づいて前記傾斜角を算出するステップと、前記地磁気検出手段から改めて3軸出力データを取得するステップと、前記算出した傾斜角および前記取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出するステップとを含む。
【0030】
さらに、本発明に係る請求項9記載の方位角計測方法は、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段の向きを、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させるステップと、前記地磁気検出手段の向きが変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得するステップと、前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、前記所定回数以上取得した2軸出力データ群が線上または線近傍に位置する直線を定め、前記直線の傾きを算出するステップと、前記算出した直線の傾きに基づいて前記傾斜角を算出するステップと、前記地磁気検出手段から改めて3軸出力データを取得するステップと、前記算出した傾斜角および前記取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出するステップとを含む。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図6は、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法の第1の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法を、図1に示すように、方位角計測装置100の方位角を計測する場合について適用したものである。
【0032】
図1は、本発明に係る方位角計測装置100における磁気センサの取付構造を示す透視図である。
図1において、方位角計測装置100には、方位角計測装置100の縦方向をx軸としてx軸方向の地磁気成分を検出するx軸磁気センサHEx、方位角計測装置100の横方向をy軸としてy軸方向の地磁気成分を検出するy軸磁気センサHEyおよび方位角計測装置100の厚さ方向をz軸としてz軸方向の地磁気成分を検出するz軸磁気センサHEzが設けられている。x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzは、ホール素子等からなり、各感磁面が各軸に対して垂直になるように配置され、各軸方向の地磁気成分に応じた大きさのセンサ信号を出力するようになっている。
【0033】
なお、本実施の形態では、地上座標系を(xg,yg,zg)とし、方位角計測装置100の座標系(以下、計測装置座標系という。)を(x,y,z)とし、地上座標軸zgと計測装置座標軸xとのなす角度を傾斜角αとし、計測装置座標軸xをxg−yg平面に投影したものと地上座標軸xgとのなす角度を方位角θとする。
【0034】
図2は、本発明に係る方位角計測装置100の構成を示すブロック図である。
図2において、方位角計測装置100には、3軸磁気センサ31、磁気センサ駆動電源部32、マルチプレクサ部33、磁気センサ増幅部34、磁気センサA/D変換部35、感度・オフセット補正部36、傾斜角算出部37、傾斜角情報記憶部38、測定データ補正部39および方位角計算部40が設けられている。
【0035】
3軸磁気センサ31には、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzが設けられている。
マルチプレクサ部33は、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzをそれぞれ切り換えるためのもので、磁気センサ駆動電源部32から出力された駆動電圧を、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzにそれぞれ印加し、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzから出力されたセンサ信号を時分割的に磁気センサ増幅部34に出力するようになっている。
【0036】
磁気センサA/D変換部35は、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzからのセンサ信号をA/D変換し、変換したディジタルデータをそれぞれx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データとして感度・オフセット補正部36に出力するようになっている。
【0037】
感度・オフセット補正部36は、磁気センサA/D変換部35からのx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データに基づいて、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzのオフセットおよび感度補正係数を算出し、算出したオフセットおよび感度補正係数に基づいて、x軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを補正するようになっている。具体的には、例えば、方位角計測装置100の向きが、地上座標系におけるxg軸からの傾斜角αを一定に保ちながら変化した時の3軸地磁気測定データを所定回数以上繰り返して取得し、3軸地磁気測定データを成分とする座標系からなる仮想3次元空間上に、各主軸が仮想3次元空間の各座標軸に平行な楕円面を定め、繰り返し取得した3軸地磁気測定データ群に基づいて、楕円面の各主軸の長さおよび中心座標を算出する。そして、算出した楕円面の各主軸の長さおよび中心座標に基づいて、x軸磁気センサHEx、y軸磁気センサHEyおよびz軸磁気センサHEzのオフセットおよび感度補正係数をそれぞれ算出する。楕円面の各主軸の長さおよび中心座標は、多次元最適化手法(例えば、共役勾配法)を用いて算出することができる。
【0038】
傾斜角算出部37は、感度・オフセット補正部36からのx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データに基づいて傾斜角αを算出し、算出した傾斜角αを示す傾斜角情報を傾斜角情報記憶部38に格納するようになっている。
傾斜角αの算出方法を詳細に説明する。
【0039】
図3は、方位角計測装置100の姿勢を定める図である。
方位角計測装置100において、図3に示すように、方位角θと傾斜角αで方位角計測装置100の姿勢を定める。なお、y軸は、xg−yg平面と常に平行であり、また、傾斜角α=0のときは、x軸とzg軸は平行であるものとする。
すると、地上座標系(xg,yg,zg)と計測装置座標系(x,y,z)の間には、原点の相違による平行移動成分を除いて、下式(1)に示すような座標変換式が成立する。
【0040】
【数1】
【0041】
また、図10においてMxg,Myg,Mzgは、下式(2)〜(4)に示す通りとなる。
【0042】
【数2】
【0043】
【数3】
【0044】
【数4】
【0045】
すると、3軸磁気センサ31の3軸出力Mx,My,Mzは、下式(5)〜(7)に示す通りとなる。
【0046】
【数5】
【0047】
【数6】
【0048】
【数7】
【0049】
なお、3軸磁気センサ31の3軸出力は感度のばらつきおよびオフセットを含んでいるため、感度・オフセット補正部36にて感度およびオフセット補正を受け、以下の傾斜角αおよび方位角の算出に用いられる。そこで、以下の説明では感度・オフセット補正部36の出力をx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データとして扱い、それぞれMx,My,Mzと表すものとする。
【0050】
図4は、方位角計測装置100の姿勢を変化させる場合を示す図である。
次に、図4に示すように、傾斜角αが一定に保たれた状態で方位角θが変化するように方位角計測装置100の姿勢を変化させながら地磁気の測定を繰り返し行い、得られた地磁気測定データを、
x軸地磁気測定データ:Mx1,Mx2,…,MxN
y軸地磁気測定データ:My1,My2,…,MyN
z軸地磁気測定データ:Mz1,Mz2,…,MzN
と表すものとする。ここで、Nは測定回数である。なお、このように方位角計測装置100の姿勢を変化させる操作は、具体的には、例えば、図5に示すように、ユーザは、方位角計測装置100を手に持ってユーザの姿勢を保持しながらその場で身長方向を軸として体の向きを変えていくことによって容易に実施することができる。このとき、ユーザは、体の向きを360°にわたって変える必要はなく、例えば90°程度でもよい。
【0051】
図6は、3軸地磁気測定データを成分とする3軸出力座標系(Mx,My,Mz)からなる仮想3次元空間を示す図である。
次に、仮想3次元空間上に、地磁気測定データ点P1(Mx1,My1,Mz1)、P2(Mx2,My2,Mz2)、…、PN(MxN,MyN,MzN)を配置し、その分布から傾斜角αを算出する。上式(5)〜(7)により、P1(Mx1,My1,Mz1)、P2(Mx2,My2,Mz2)、…、PN(MxN,MyN,MzN)は、傾斜角α=0のときは、図6(a)に示すように、頂点が原点で底面の中心がMx軸上のMx=−MsinIかつ底面の半径がMcosIとなる円錐の底面円周上に分布する。そして、傾斜角α≠0のときは、図6(b)に示すように、円錐の軸が−Mz方向に向かって傾斜角αだけ傾く。よって、P1(Mx1,My1,Mz1)、P2(Mx2,My2,Mz2)、…、PN(MxN,MyN,MzN)の分布に円の当てはめ計算を行い、計算の結果得られた円の中心座標を(Cox,Coy,Coz)とすれば、下式(8)により傾斜角αを算出することができる。
【0052】
【数8】
【0053】
測定データ補正部39は、傾斜角情報記憶部38の傾斜角情報に基づいて、感度・オフセット補正部36からのx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを補正するようになっている。具体的には、方位角計測装置100が測定したい方位を向いたときの地磁気測定データMx,My,Mzに対して、下式(9)に示す計算を行うことによって傾斜角補正された地磁気測定データMx’,My’,Mz’を得ることができる。
【0054】
【数9】
【0055】
上式(9)に上式(5)〜(7)を代入すれば、
【0056】
【数10】
【0057】
【数11】
【0058】
【数12】
【0059】
が得られる。
方位角計算部40は、測定データ補正部39からのx軸地磁気測定データ、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データに基づいて方位角θを算出するようになっている。具体的には、下式(13)により、θ−D、すなわち磁北方向を基準とした方位角を得ることができる。
【0060】
【数13】
【0061】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
方位角計測装置100の方位角θ(またはθ−D)を測定する場合、ユーザは、傾斜角情報取得の開始を要求し、方位角計測装置100を手に持ってユーザの姿勢を保持しながらその場で身長方向を軸として体の向きを変えていく。
方位角計測装置100では、傾斜角情報取得の開始が要求されると、方位角計測装置100の向きが、地上座標系におけるxg軸からの傾斜角αを一定に保ちながら変化しているとみなして3軸地磁気測定データが3軸磁気センサ31から所定回数以上繰り返して取得される。取得された3軸地磁気測定データは、順次、感度・オフセット補正部36により、あらかじめ算出されたオフセットおよび感度補正係数に基づいて補正され、傾斜角算出部37に入力される。
【0062】
次に、方位角計測装置100では、傾斜角算出部37により、3軸出力座標系(Mx,My,Mz)からなる仮想3次元空間上に、入力された3軸地磁気測定データ群が円周上に位置する円を定め、その円の中心座標(Cox,Coy,Coz)が算出される。そして、上式(8)により、算出された円の中心座標(Cox,Coy,Coz)に基づいて傾斜角αが算出され、算出された傾斜角αを示す傾斜角情報が傾斜角情報記憶部38に格納される。
【0063】
その後、ユーザは、自分の姿勢を保ちながら、方位角を計測したい方向に体を向け、計測の開始を要求する。すると、方位角計測装置100では、3軸地磁気測定データが改めて3軸磁気センサ31から取得され、感度・オフセット補正部36により、あらかじめ算出されたオフセットおよび感度補正係数に基づいて補正され、さらに、測定データ補正部39により、傾斜角情報記憶部38の傾斜角情報に基づいて補正される。そして、方位角計算部40により、補正された3軸地磁気測定データに基づいて方位角θ(またはθ−D)が算出される。
【0064】
このようにして、本実施の形態では、ユーザが方位角計測装置100を手に持ってユーザの姿勢を保持しながらその場で身長方向を軸として体の向きを変えている時の3軸地磁気測定データを3軸磁気センサ31から所定回数以上繰り返して取得し、3軸出力座標系(Mx,My,Mz)からなる仮想3次元空間上に、繰り返し取得した3軸地磁気測定データ群が円周上に位置する円を定め、その円の中心座標(Cox,Coy,Coz)を算出し、算出した円の中心座標(Cox,Coy,Coz)に基づいて傾斜角αを算出する。そして、ユーザが方位角を計測したい方向に体を向けた時、改めて3軸地磁気測定データが3軸地磁気センサ31から取得され、算出した傾斜角αに基づいて方位角θ(またはθ−D)を算出するようになっている。
【0065】
これにより、計測装置座標軸xと地上座標軸xgがなす角度を固定したまま方位角計測装置100の向きを変化させるだけで傾斜角αを計測することができる。したがって、従来に比して、方位角計測装置100を水平面に置くことなく方位角θ(またはθ−D)を比較的正確に計測することができる。
上記第1の実施の形態において、3軸磁気センサ31は、請求項1、4若しくは7記載の地磁気検出手段に対応し、傾斜角算出部37は、請求項1若しくは4記載の検出出力取得手段、請求項1若しくは4記載の円解析手段、または請求項1若しくは4記載の傾斜角算出手段に対応している。また、方位角計算部40は、請求項1または4記載の方位角算出手段に対応し、3軸地磁気測定データは、請求項1、4または7記載の3軸出力データに対応している。
【0066】
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図7は、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法の第2の実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第1の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施の形態は、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法を、方位角計測装置100の方位角を計測する場合について適用したものであって、上記第1の実施の形態と異なるのは、楕円の当てはめ計算により傾斜角αを算出する点にある。
上記第1の実施の形態では、3軸出力座標系(Mx,My,Mz)からなる仮想3次元空間において円の当てはめ計算により傾斜角αを算出したが、本実施の形態では、x軸地磁気測定データおよびy軸地磁気測定データを成分とする2軸出力座標系(Mx,My)からなる仮想2次元空間において楕円の当てはめ計算により傾斜角αを算出する。
【0068】
図7は、2軸出力座標系(Mx,My)からなる仮想2次元空間を示す図である。
傾斜角算出部37は、仮想2次元空間上に、地磁気測定データ点P1(Mx1,My1)、P2(Mx2,My2)、…、PN(MxN,MyN)を配置し、その分布から傾斜角αを算出する。上式(5),(6)から下式(14)を導出することができる。
【0069】
【数14】
【0070】
これは、Mx,Myに関する楕円の式である。したがって、P1(Mx1,My1)、P2(Mx2,My2)、…、PN(MxN,MyN)は、図7に示すように、中心がMx軸上のMx=−MsinI・cosα、Mx軸方向の主軸の長さがMcosI・sinα、My軸方向の主軸の長さがMcosIとなる楕円上に分布することになる。よって、P1(Mx1,My1)、P2(Mx2,My2)、…、PN(MxN,MyN)の分布に楕円の当てはめ計算を行い、計算の結果得られた楕円のMx軸方向主軸の長さをa1、My軸方向主軸の長さをb1とすれば、下式(15)により傾斜角αを算出することができる。
【0071】
【数15】
【0072】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
方位角計測装置100では、傾斜角算出部37により、感度・オフセット補正部36から3軸地磁気測定データ群中のx軸地磁気測定データおよびy軸地磁気測定データを入力して2軸地磁気測定データ群とし、2軸出力座標系(Mx,My)からなる仮想2次元空間上に、入力された2軸地磁気測定データ群が円周上に位置する楕円を定め、その楕円の主軸の長さa1,b1が算出される。次いで、上式(15)により、算出された楕円の主軸の長さa1,b1に基づいて傾斜角αが算出され、算出された傾斜角αを示す傾斜角情報が傾斜角情報記憶部38に格納される。
【0073】
その後、ユーザが方位角を計測したい方向に体を向けた時に改めて3軸磁気センサ31から3軸地磁気測定データが取得され、感度・オフセット情報補正部36により補正され、さらに、測定データ補正部39により、傾斜角情報記憶部38の傾斜角情報に基づいて補正される。そして、方位角計算部40により、補正された3軸地磁気測定データに基づいて方位角θ(またはθ−D)が算出される。
【0074】
このようにして、本実施の形態では、ユーザが方位角計測装置100を手に持ってユーザの姿勢を保持しながらその場で身長方向を軸として体の向きを変えている時のx軸地磁気測定データおよびy軸地磁気測定データを3軸磁気センサ31から所定回数以上繰り返して取得し、2軸出力座標系(Mx,My)からなる仮想2次元空間上に、繰り返し取得した2軸地磁気測定データ群が円周上に位置する楕円を定め、その楕円の主軸の長さa1,b1を算出し、算出した楕円の主軸の長さa1,b1に基づいて傾斜角αを算出する。そして、ユーザが方位角を計測したい方向に体を向けた時、改めて3軸地磁気測定データが3軸地磁気センサ31から取得され、算出した傾斜角αに基づいて方位角θ(またはθ−D)を算出するようになっている。
【0075】
これにより、計測装置座標軸xと地上座標軸xgがなす角度を固定したまま方位角計測装置100の向きを変化させるだけで傾斜角αを計測することができる。したがって、従来に比して、方位角計測装置100を水平面に置くことなく方位角θ(またはθ−D)を比較的正確に計測することができる。
上記第2の実施の形態において、3軸磁気センサ31は、請求項2、5若しくは8記載の地磁気検出手段に対応し、傾斜角算出部37は、請求項2若しくは5記載の検出出力取得手段、請求項2若しくは5記載の楕円解析手段、または請求項2若しくは5記載の傾斜角算出手段に対応している。また、方位角計算部40は、請求項2または5記載の方位角算出手段に対応し、3軸地磁気測定データは、請求項2、5または8記載の3軸出力データに対応している。
【0076】
次に、本発明の第3の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図8は、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法の第3の実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第1の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
本実施の形態は、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法を、方位角計測装置100の方位角を計測する場合について適用したものであって、上記第1の実施の形態と異なるのは、楕円の当てはめ計算により傾斜角αを算出する点にある。
上記第1の実施の形態では、3軸出力座標系(Mx,My,Mz)からなる仮想3次元空間において円の当てはめ計算により傾斜角αを算出したが、本実施の形態では、y軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを成分とする2軸出力座標系(My,Mz)からなる仮想2次元空間において楕円の当てはめ計算により傾斜角αを算出する。
【0078】
図8は、2軸出力座標系(My,Mz)からなる仮想2次元空間を示す図である。
傾斜角算出部37は、仮想2次元空間上に、地磁気測定データ点P1(My1,Mz1)、P2(My2,Mz2)、…、PN(MyN,MzN)を配置し、その分布から傾斜角αを算出する。上式(6),(7)から下式(16)を導出することができる。
【0079】
【数16】
【0080】
これは、My,Mzに関する楕円の式である。したがって、P1(My1,Mz1)、P2(My2,Mz2)、…、PN(MyN,MzN)は、図8に示すように、中心がMz軸上のMz=−MsinI・sinα、Mz軸方向の主軸の長さがMcosI・cosα、My軸方向の主軸の長さがMcosIとなる楕円上に分布することになる。よって、P1(My1,Mz1)、P2(My2,Mz2)、…、PN(MyN,MzN)の分布に楕円の当てはめ計算を行い、計算の結果得られた楕円のMy軸方向主軸の長さをa2、Mz軸方向主軸の長さをb2とすれば、下式(17)により傾斜角αを算出することができる。
【0081】
【数17】
【0082】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
方位角計測装置100では、傾斜角算出部37により、感度・オフセット補正部36から3軸地磁気測定データ群中のy軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを入力して2軸地磁気測定データ群とし、2軸出力座標系(My,Mz)からなる仮想2次元空間上に、入力された2軸地磁気測定データ群が円周上に位置する楕円を定め、その楕円の主軸の長さa2,b2が算出される。次いで、上式(17)により、算出された楕円の主軸の長さa2,b2に基づいて傾斜角αが算出され、算出された傾斜角αを示す傾斜角情報が傾斜角情報記憶部38に格納される。
【0083】
その後、ユーザが方位角を計測したい方向に体を向けた時に改めて3軸磁気センサ31から3軸地磁気測定データが取得され、感度・オフセット情報補正部36により補正され、さらに、測定データ補正部39により、傾斜角情報記憶部38の傾斜角情報に基づいて補正される。そして、方位角計算部40により、補正された3軸地磁気測定データに基づいて方位角θ(またはθ−D)が算出される。
【0084】
このようにして、本実施の形態では、ユーザが方位角計測装置100を手に持ってユーザの姿勢を保持しながらその場で身長方向を軸として体の向きを変えている時のy軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを3軸磁気センサ31から所定回数以上繰り返して取得し、2軸出力座標系(My,Mz)からなる仮想2次元空間上に、繰り返し取得した2軸地磁気測定データ群が円周上に位置する楕円を定め、その楕円の主軸の長さa2,b2を算出し、算出した楕円の主軸の長さa2,b2に基づいて傾斜角αを算出する。そして、ユーザが方位角を計測したい方向に体を向けた時、改めて3軸地磁気測定データが3軸地磁気センサ31から取得され、算出した傾斜角αに基づいて方位角θ(またはθ−D)を算出するようになっている。
【0085】
これにより、計測装置座標軸xと地上座標軸xgがなす角度を固定したまま方位角計測装置100の向きを変化させるだけで傾斜角αを計測することができる。したがって、従来に比して、方位角計測装置100を水平面に置くことなく方位角θ(またはθ−D)を比較的正確に計測することができる。
上記第3の実施の形態において、3軸磁気センサ31は、請求項2、5若しくは8記載の地磁気検出手段に対応し、傾斜角算出部37は、請求項2若しくは5記載の検出出力取得手段、請求項2若しくは5記載の楕円解析手段、または請求項2若しくは5記載の傾斜角算出手段に対応している。また、方位角計算部40は、請求項2または5記載の方位角算出手段に対応し、3軸地磁気測定データは、請求項2、5または8記載の3軸出力データに対応している。
【0086】
次に、本発明の第4の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図9は、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法の第4の実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第1の実施の形態と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
本実施の形態は、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法を、方位角計測装置100の方位角を計測する場合について適用したものであって、上記第1の実施の形態と異なるのは、直線の当てはめ計算により傾斜角αを算出する点にある。
上記第1の実施の形態では、3軸出力座標系(Mx,My,Mz)からなる仮想3次元空間において円の当てはめ計算により傾斜角αを算出したが、本実施の形態では、x軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを成分とする2軸出力座標系(Mx,Mz)からなる仮想2次元空間において直線の当てはめ計算により傾斜角αを算出する。
【0088】
図9は、2軸出力座標系(Mx,Mz)からなる仮想2次元空間を示す図である。
傾斜角算出部37は、仮想2次元空間上に、地磁気測定データ点P1(Mx1,Mz1)、P2(Mx2,Mz2)、…、PN(MxN,MzN)を配置し、その分布から傾斜角αを算出する。上式(5),(7)から下式(18)を導出することができる。
【0089】
【数18】
【0090】
これは、Mx,Mzに関する直線の式である。したがって、P1(Mx1,Mz1)、P2(Mx2,Mz2)、…、PN(MxN,MzN)は、図9に示すように、傾きが−cotαで原点からの距離がMsinIとなる直線上に分布することになる。よって、P1(Mx1,Mz1)、P2(Mx2,Mz2)、…、PN(MxN,MzN)の分布に直線の当てはめ計算を行い、計算の結果得られた直線の傾きから傾斜角αを算出することができる。
【0091】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
方位角計測装置100では、傾斜角算出部37により、感度・オフセット補正部36から3軸地磁気測定データ群中のx軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを入力して2軸地磁気測定データ群とし、2軸出力座標系(Mx,Mz)からなる仮想2次元空間上に、入力された2軸地磁気測定データ群が線上に位置する直線を定め、その直線の傾きが算出される。次いで、上式(18)により、算出された直線の傾きに基づいて傾斜角αが算出され、算出された傾斜角αを示す傾斜角情報が傾斜角情報記憶部38に格納される。
【0092】
その後、ユーザが方位角を計測したい方向に体を向けた時に改めて3軸磁気センサ31から3軸地磁気測定データが取得され、感度・オフセット情報補正部36により補正され、さらに、測定データ補正部39により、傾斜角情報記憶部38の傾斜角情報に基づいて補正される。そして、方位角計算部40により、補正された3軸地磁気測定データに基づいて方位角θ(またはθ−D)が算出される。
【0093】
このようにして、本実施の形態では、ユーザが方位角計測装置100を手に持ってユーザの姿勢を保持しながらその場で身長方向を軸として体の向きを変えている時のx軸地磁気測定データおよびz軸地磁気測定データを3軸磁気センサ31から所定回数以上繰り返して取得し、2軸出力座標系(Mx,Mz)からなる仮想2次元空間上に、繰り返し取得した2軸地磁気測定データ群が線上に位置する直線を定め、その直線の傾きを算出し、算出した直線の傾きに基づいて傾斜角αを算出する。そして、ユーザが方位角を計測したい方向に体を向けた時、改めて3軸地磁気測定データが3軸地磁気センサ31から取得され、算出した傾斜角αに基づいて方位角θ(またはθ−D)を算出するようになっている。
【0094】
これにより、計測装置座標軸xと地上座標軸xgがなす角度を固定したまま方位角計測装置100の向きを変化させるだけで傾斜角αを計測することができる。したがって、従来に比して、方位角計測装置100を水平面に置くことなく方位角θ(またはθ−D)を比較的正確に計測することができる。
上記第4の実施の形態において、3軸磁気センサ31は、請求項3、6若しくは9記載の地磁気検出手段に対応し、傾斜角算出部37は、請求項3若しくは6記載の検出出力取得手段、請求項3若しくは6記載の直線解析手段、または請求項3若しくは6記載の傾斜角算出手段に対応している。また、方位角計算部40は、請求項3または6記載の方位角算出手段に対応し、3軸地磁気測定データは、請求項3、6または9記載の3軸出力データに対応している。
【0095】
なお、上記第1の実施の形態においては、3軸地磁気測定データ群が円周上に位置する円を仮想3次元空間上に定め、その円の中心座標を算出するように構成したが、これに限らず、3軸地磁気測定データに誤差が含まれる場合を考慮し、3軸地磁気測定データ群が円周近傍に位置する円を仮想3次元空間上に定め、その円の中心座標を算出するように構成することもできる。
【0096】
また、上記第2の実施の形態においては、2軸地磁気測定データ群が円周上に位置する楕円を仮想2次元空間上に定め、その楕円の主軸の長さa1,b1を算出するように構成したが、これに限らず、2軸地磁気測定データに誤差が含まれる場合を考慮し、2軸地磁気測定データ群が円周近傍に位置する楕円を仮想2次元空間上に定め、その楕円の主軸の長さa1,b1を算出するように構成することもできる。
【0097】
また、上記第3の実施の形態においては、2軸地磁気測定データ群が円周上に位置する楕円を仮想2次元空間上に定め、その楕円の主軸の長さa2,b2を算出するように構成したが、これに限らず、2軸地磁気測定データに誤差が含まれる場合を考慮し、2軸地磁気測定データ群が円周近傍に位置する楕円を仮想2次元空間上に定め、その楕円の主軸の長さa2,b2を算出するように構成することもできる。
【0098】
また、上記第4の実施の形態においては、2軸地磁気測定データ群が線上に位置する直線を仮想2次元空間上に定め、その直線の傾きを算出するように構成したが、これに限らず、2軸地磁気測定データに誤差が含まれる場合を考慮し、2軸地磁気測定データ群が線近傍に位置する直線を仮想2次元空間上に定め、その直線の傾きを算出するように構成することもできる。
【0099】
また、上記第1ないし第4の実施の形態においては、上式(9)により3軸地磁気測定データを補正するように構成したが、これに限らず、Mx,My,Mzから上式(9)の傾斜角補正計算を行うことなく直接θ−Dを算出することも可能である。
上記第1の実施の形態において、P1(Mx1,My1,Mz1)、P2(Mx2,My2,Mz2)、…、PN(MxN,MyN,MzN)の分布に円の当てはめ計算を行ったときの円の半径、上記第2の実施の形態において、P1(Mx1,My1)、P2(Mx2,My2)、…、PN(MxN,MyN)の分布に楕円の当てはめ計算を行ったときの楕円のMy軸方向の主軸の長さ、および上記第3の実施の形態において、P1(My1,Mz1)、P2(My2,Mz2)、…、PN(MyN,MzN)の分布に楕円の当てはめ計算を行ったときの楕円のMy軸方向の主軸の長さはいずれも、McosIである。したがって、上式(6)を変形した下式(19)を用いてθ−Dを得ることができる。
【0100】
【数19】
【0101】
また、上記第1ないし第4の実施の形態においては、3軸磁気センサ31としてホール素子を用いた場合を例にとって説明したが、3軸磁気センサ31が必ずしもホール素子に限定されることなく、例えば、ブラックスゲートセンサなどを用いるようにしてもよい。
【0102】
また、上記第1ないし第4の実施の形態においては、傾斜角算出部37で行う処理はハードウェアにより実現してもよいし、方位角計測装置100を、CPU、ROMおよびRAMをバス接続したコンピュータとして構成し、CPUがその処理を実行するようにしてもよい。この場合、ROMにあらかじめ格納されている制御プログラムを実行するように構成してもよいが、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAMに読み込んで実行するようにしてもよい。
【0103】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0104】
また、上記第1ないし第4の実施の形態においては、本発明に係る方位角計測装置および方位角計測プログラム、並びに方位角計測方法を、図1に示すように、方位角計測装置100の方位角を計測する場合について適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1記載の方位角計測装置によれば、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら地磁気検出手段の向きを変化させるだけでよいので、従来に比して、計測場所によらず方位角を比較的正確に計測することができるという効果が得られる。また、傾斜角センサ、傾斜角センサ増幅部および傾斜角センサA/D変換部を設けなくてすむので、従来に比して、コストを低減することができるという効果も得られる。
【0106】
さらに、本発明に係る請求項2記載の方位角計測装置によれば、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら地磁気検出手段の向きを変化させるだけでよいので、従来に比して、計測場所によらず方位角を比較的正確に計測することができるという効果が得られる。また、傾斜角センサ、傾斜角センサ増幅部および傾斜角センサA/D変換部を設けなくてすむので、従来に比して、コストを低減することができるという効果も得られる。
【0107】
さらに、本発明に係る請求項3記載の方位角計測装置によれば、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら地磁気検出手段の向きを変化させるだけでよいので、従来に比して、計測場所によらず方位角を比較的正確に計測することができるという効果が得られる。また、傾斜角センサ、傾斜角センサ増幅部および傾斜角センサA/D変換部を設けなくてすむので、従来に比して、コストを低減することができるという効果も得られる。
【0108】
一方、本発明に係る請求項4記載の方位角計測プログラムによれば、請求項1記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項5記載の方位角計測プログラムによれば、請求項2記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項6記載の方位角計測プログラムによれば、請求項3記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
【0109】
一方、本発明に係る請求項7記載の方位角計測方法によれば、請求項1記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項8記載の方位角計測方法によれば、請求項2記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項9記載の方位角計測方法によれば、請求項3記載の方位角計測装置と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方位角計測装置100における磁気センサの取付構造を示す透視図である。
【図2】本発明に係る方位角計測装置100の構成を示すブロック図である。
【図3】方位角計測装置100の姿勢を定める図である。
【図4】方位角計測装置100の姿勢を変化させる場合を示す図である。
【図5】方位角θの計測方法を示す図である。
【図6】3軸地磁気測定データを成分とする3軸出力座標系(Mx,My,Mz)からなる仮想3次元空間を示す図である。
【図7】2軸出力座標系(Mx,My)からなる仮想2次元空間を示す図である。
【図8】2軸出力座標系(My,Mz)からなる仮想2次元空間を示す図である。
【図9】2軸出力座標系(Mx,Mz)からなる仮想2次元空間を示す図である。
【図10】地上座標系(xg,yg,zg)における地磁気成分を示したものである。
【図11】従来の方位角計測装置における磁気センサの取付構造を示す透視図である。
【図12】従来の方位角計測装置における傾斜角センサの取付構造を示す透視図である。
【図13】従来の方位角計測装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 方位角計測装置
11,31 3軸磁気センサ
HEx x軸ホール素子
HEy y軸ホール素子
HEz z軸ホール素子
12,32 磁気センサ駆動電源部
13,33 マルチプレクサ部
14,34 磁気センサ増幅部
15,35 磁気センサA/D変換部
16,36 感度・オフセット補正部
37 傾斜角算出部
38 傾斜角情報記憶部
20,39 測定データ補正部
21,40 方位角計算部
17 傾斜角センサ
18 傾斜角センサ増幅部
19 傾斜角センサA/D変換部
Claims (9)
- 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段と、
前記地磁気検出手段の向きが、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群が円周上又は円周近傍に位置する円を定め、前記円の中心座標を算出する円解析手段と、
前記円解析手段で算出した円の中心座標に基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段と、
前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角及び前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段とを備えることを特徴とする方位角計測装置。 - 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段と、
前記地磁気検出手段の向きが、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、主軸が前記2次元座標の座標軸に平行で且つ前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群が円周上又は円周近傍に位置する楕円を定め、前記楕円の主軸の長さを算出する楕円解析手段と、
前記楕円解析手段で算出した楕円の主軸の長さに基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段と、
前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角及び前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段とを備えることを特徴とする方位角計測装置。 - 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段と、
前記地磁気検出手段の向きが地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段と、
前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群が線上又は線近傍に位置する直線を定め、前記直線の傾きを算出する直線解析手段と、
前記直線解析手段で算出した直線の傾きに基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段と、
前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角及び前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段とを備えることを特徴とする方位角計測装置。 - 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記地磁気検出手段の向きが、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、
前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した3軸出力データ群が円周上又は円周近傍に位置する円を定め、前記円の中心座標を算出する円解析手段、
前記円解析手段で算出した円の中心座標に基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段、及び
前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角及び前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする方位角計測プログラム。 - 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記地磁気検出手段の向きが、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、
前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、主軸が前記2次元座標の座標軸に平行で且つ前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群が円周上又は円周近傍に位置する楕円を定め、前記楕円の主軸の長さを算出する楕円解析手段、
前記楕円解析手段で算出した楕円の主軸の長さに基づいて、前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段、並びに
前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角及び前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする方位角計測プログラム。 - 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段を利用可能なコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記地磁気検出手段の向きが地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得する検出出力取得手段、
前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、前記検出出力取得手段で繰り返し取得した2軸出力データ群が線上又は線近傍に位置する直線を定め、前記直線の傾きを算出する直線解析手段、
前記直線解析手段で算出した直線の傾きに基づいて前記傾斜角を算出する傾斜角算出手段、及び
前記傾斜角算出手段で算出した傾斜角及び前記地磁気検出手段から改めて取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出する方位角算出手段として実現される処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする方位角計測プログラム。 - 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段の向きを、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させるステップと、
前記地磁気検出手段の向きが変化した時の3軸出力を所定回数以上繰り返して取得するステップと、
前記3軸出力を成分とする3次元座標上に、前記所定回数以上取得した3軸出力データ群が円周上又は円周近傍に位置する円を定め、前記円の中心座標を算出するステップと、
前記算出した円の中心座標に基づいて前記傾斜角を算出するステップと、
前記地磁気検出手段から改めて3軸出力データを取得するステップと、
前記算出した傾斜角及び前記取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出するステップとを含むことを特徴とする方位角計測方法。 - 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段の向きを、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させるステップと、
前記地磁気検出手段の向きが変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得するステップと、
前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、主軸が前記2次元座標の座標軸に平行で且つ前記所定回数以上取得した2軸出力データ群が円周上又は円周近傍に位置する楕円を定め、前記楕円の主軸の長さを算出するステップと、
前記算出した楕円の主軸の長さに基づいて前記傾斜角を算出するステップと、
前記地磁気検出手段から改めて3軸出力データを取得するステップと、
前記算出した傾斜角及び前記取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出するステップとを含むことを特徴とする方位角計測方法。 - 互いに直交する方向の地磁気成分を検出する3軸の地磁気検出手段の向きを、地上座標系における特定方向からの傾斜角を一定に保ちながら変化させるステップと、
前記地磁気検出手段の向きが変化した時の前記地磁気検出手段の3軸出力のうち特定2軸出力を所定回数以上繰り返して取得するステップと、
前記2軸出力を成分とする2次元座標上に、前記所定回数以上取得した2軸出力データ群が線上又は線近傍に位置する直線を定め、前記直線の傾きを算出するステップと、
前記算出した直線の傾きに基づいて前記傾斜角を算出するステップと、
前記地磁気検出手段から改めて3軸出力データを取得するステップと、
前記算出した傾斜角及び前記取得した3軸出力データに基づいて方位角を算出するステップとを含むことを特徴とする方位角計測方法。
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