JP2004309202A - 風速、風量センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来風速、風量センサとしては発熱体の放熱現象を利用した熱式センサが一般的である。しかしながら、この種のセンサは風速検知用センサと温度補償用センサも部品コストの高価な白金センサが使用されており、しかも、抵抗温度特性の揃ったのを使用しなければならないために、コストが非常に高価になるという問題があった。
【解決手段】大変安価なダイオードを風速検出用感温素子、温度補償用感温素子として使用することが出来る。
【選択図】 図1
【解決手段】大変安価なダイオードを風速検出用感温素子、温度補償用感温素子として使用することが出来る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は風速、風量センサに関し、詳しくは気体の流速に対応した発熱体の放熱を利用して風速、風量を検知する風速、風量センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4には一般的な風速センサである定温度差法方式の基本回路が示されている。同図において、4辺のブリッジ回路の入力端12側にはトランジスタ11を介して電源+Vが接続されており、ブリッジ回路の他の入力端はGNDに接続されている。そして、入力端12と出力端13との間には抵抗器R11が接続され、出力端13とGND間には風速検知用センサRHが接続されている。また、入力端12と出力端14との間には抵抗器R12が接続され、出力端14とGND間には温度補償用センサRTが接続され、風速検知用センサRHのブリッジ辺出力電圧13と温度補償用センサRTのブリッジ辺出力電圧14との差がオペアンプ等の差動増幅器15によって求められ、この差動出力が風速検出信号として出力される一方において、前記トランジスタ1のベースに加えられている。
【0003】前記風速検知用センサRHと温度補償用センサRTはともに正の抵抗温度係数をもった白金の感温抵抗素子によって構成されており、このセンサRT,RHの抵抗温度係数は一般の抵抗器に比べ、一桁以上大きく、ばらつきの小さいほぼ同一の抵抗温度係数をもったものが使われている。また、抵抗器R12と温度補償センサRTとの合成抵抗値は抵抗器R11と風速検知用センサRHとの合成抵抗値よりも十分大きな値となっており、これにより、電源+Vからの電流によって風速検知用センサRHは自己発熱してヒータとして機能し、一方、温度補償用センサRTは自己発熱しない状態を保って気流の温度を検出する機能を有し、この風速検知用センサRHと温度補償用センサRTとの温度差が設定の一定温度差となったときにブリッジ端子13,14の出力電圧が平衡状態になるように各ブリッジ辺の抵抗値が設定されている。
【0004】この種の風速センサにおいて、気流が風速検知用センサRHを通過すると、気流の風速の大きさに応じて風速検知用センサRHの放熱量が変化し、抵抗値が変化する。この抵抗値の変化により出力端子13の電圧 が変化する。このとき、気流の温度に対応する出力端子14の電圧と前記の差が差動増幅器15で求められることにより、気流の温度変化の影響が取り除かれ、この温度補償された差動増幅器15の差動出力が風速検出信号として取り出される。その一方において、その差動出力はトランジスタ11に加えられる結果、トランジスタ11がオンし、電源+Vからの電流が風速検知用センサRHに流れて気流による放熱分だけ発熱駆動が行われ、風速検知用センサRHと温度補償用センサRTとの温度差が常に一定になるように制御されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の定温度差法の風速センサは、風速検知用センサRHとともに温度補償用センサRTも部品コストの高価な白金センサが使用されており、しかも、風速検知用センサRHと温度補償用センサRTの抵抗温度係数の揃ったものを使用しなければならないために、風速センサのコストが非常に高価になるという問題があった。
また風量などを測定する場合はセンサの数を増やして平均値がほしいことがある。この場合はセンサ及び回路もその数用意しなければならなくなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本出願人らは次のような構成を提案した。すなわち、大変安価なダイオードを風速検出用感温素子、温度補償用感温素子として使用する。ダイオードに定電流を流した時の順方向電圧は約−2.0mV/℃で良好な直線性を示し温度センサとしても利用されている。ただしダイオードは白金抵抗体やサーミスタと違い温度と電流の大きさにより順方向電圧が変化する。そこで発熱素子として使用するには定電力で駆動する必要があるが、従来の定電力回路は乗算器が必要で複雑、高コストになる。そこで簡単な回路で充分実用になる定電力回路を考案した。また発熱の温度を知る為には定電力駆動中は出来ないので、定電力回路を一定周期毎に切り離し、交互に定電力駆動、休止を繰り返す。
【0007】風速検出用ダイオード、温度補償用ダイオードとも定電流回路で自己発熱が問題にならない程度の小電流を流し順方向電圧を、温度補償用ダイオードの方を差動入力ADコンバータのコモン、風速検出用ダイオードを入力側に接続する。またADコンバータの入力はGNDにも切り換えて接続できるようにしておく。
【0008】速検出用ダイオードを定電力回路で駆動する発熱期間と休止期間を交互に繰り返す。ADコンバータは休止期間に、風速検出用ダイオードの電圧、発熱期間にGNDの電圧を測定する。GNDの電圧は気流の温度を表す。風速検出用ダイオードの電圧は発熱温度となり気流により温度変化する。これを風速、風量信号として取り出す。これは定温度差法とは同一では無いが、本来ダイオードを定電力で発熱させるため、気流がない時は、一定の温度差が生じるはずである。従ってその差を気流による放熱として風速、風量信号とする。
【0009】それぞれのダイオードは複数直列接続することにより、多点の平均風速、風量センサを容易に製作する事が出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】風速検出用ダイオード、温度補償用ダイオードとも定電流回路で自己発熱が問題にならない程度の小電流を流し順方向電圧の差をADコンバータで取り込み、両センサの温度差として検出する。一方、風速検出用ダイオードは定電力回路から一定の周期で電源を供給し発熱させる。この発熱温度を電源の供給休止期間に温度差として検出する。温度補償用感温素子の方を差動入力ADコンバータのコモン、風速検出用感温素子を入力側に接続する。またADコンバータの入力はGNDにも切り換えて接続できるようにしておく。
【0011】速検出用ダイオードを定電力回路で駆動する発熱期間と休止期間を交互に繰り返す。ADコンバータは休止期間に、風速検出用ダイオードの電圧、発熱期間にGNDの電圧を測定する。風速検出用ダイオードの電圧は発熱温度となり気流により温度変化する。GNDの電圧は気流の温度を表す。それぞれのダイオードは複数直列接続することにより、容易に多点の平均風速、風量センサとすることが出来る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1には本実施例に係わる風速、風量センサの説明図が示されている。D1は温度補償用ダイオードで電源+VとQ1、R1からなる定電流回路により自己加熱して誤差にならない程度の一定電流が流されている。このD1の順方向電圧2は差動入力のADコンバータのコモン入力に接続される。D2は風速検出用ダイオードで電源+VとQ2、R2からなる定電流回路により自己加熱して誤差にならない程度の一定電流が流されている。このD2の順方向電圧1はアナログマルチプレクサU2を通して差動入力のADコンバータの入力に接続される。
【0013】点線に囲まれた8が定電力回路でこの回路の電源は電源+VからQ3を通して供給される。Q3はCPUにより正確な一定周期でON、OFFを繰り返す。この定電力回路の出力は風速検出用ダイオードに接続されており、発熱する電力となる。
【0014】定電力回路の動作を説明する。U1はTL431というシャントレギュレータで大変ポピュラーなものである。このU1は3と4の間が2.5Vになるように7から3へと電流を流す働きをする。Q4とR3は電流を増幅するためのものである。かりに3と1を接続すればR4両端の電圧が2.5V一定になる定電流回路となり、電流値は2.5V÷R4(A)となる。ここで3の電圧をD2の電圧に応じて変化させ一定電力にするのが本回路の動作である。
【0015】ここでD2に流す電流を2.5V÷R4(A)の式で決めて、R4の値を決定する。D2の順方向電圧は反転増幅器OP1で反転増幅され電圧1に積み上げられた電圧5となる。この電圧5を2.5Vの電圧Vref1から引いた値を差動増幅器OP2により求め電圧3とする。なおこの差動増幅器のR5〜R8は全て同一で増幅度は1である。R9とVR1の決め方はD2の順方向電圧の加熱時の電圧×VR1÷R9が2.5Vになるように決定する。今ここでD2の電圧が高くなると電圧5は電圧6の2.5Vより高くなり電圧3は低くなる。するとR4の両端電圧がその分低くなり電流が減る方向に動くことになる。それで電力が一定になるように制御される。
【0016】図2にD2の電圧が変化したとき電力の計算値のグラフを示す。条件はR4を25Ω、OP1の増幅度を2.5に設定したときのものである。それによるとこの回路は完全な定電力ではないが、目的がダイオードのようにあまり順方向電圧が変化しない素子である事と風速、風量センサとした場合には充分な性能である。この回路では負荷の電圧が±10%変動すると電力が±1%変動する。
【0017】風速検出用ダイオードD2、温度補償用ダイオードD1は直列接続で増やすことが出来る。どちらも同じ数だけ増やした方が簡単である。変更点はD2の順方向電圧の加熱時の電圧×VR1÷R9が2.5VになるようにOP1の増幅度を小さくすことだけである。後は電源電圧とADコンバータの入力範囲に気を配るだけで良い。得られた値は全てのセンサの合計値になるのでセンサの数で割れば平均値が得られる。
【0018】図3に実際に風量を測定した場合の出力特性例を示す。風速検出用ダイオードの電圧は発熱温度となり気流がない時が最大となる。ただし、この発熱温度(電圧)は空気密度の影響を受けるために、厳密に測定するには温度、気圧による補正が必要である。
【0019】この発明は、その他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、ダイオードを発熱させ発熱温度が物理量を測定するために使用される用途において種々の応用、変形を加えることが出来る。
【0020】
【発明の効果】上述のように気流によって奪われる熱量を風速、風量の検出用に使用する熱式センサにおいて、高価な白金センサ及び特殊なサーミスタ等を使用せず、大変安価なダイオードを使用することが出来、またその特性により容易にセンサの数を増やすことが出来るのは風速、風量測定のセンサとして理想的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による風速、風量測定の一実施例である。
【図2】定電力回路の性能図である。
【図3】本発明の一実施例による風量−出力電圧特性例である。
【図4】従来の風速センサの回路構成を示す図である。
【符号の説明】
D1 温度補償用ダイオード
D2 風速検出用ダイオード
+V 電源電圧
GND 電源グランド
Q1、Q2 NタイプFET
Q3 トランジスタ
U1 シャントレギュレータTL431
U2 アナログマルチプレクサ
OP1、OP2 オペアンプ
Vref1 2.5Vリファレンス
VR1 可変抵抗器
R1〜R9 固定抵抗器
CPU マイクロコントローラ
ADコンバータ 入力差動式ADコンバータ
1 風速検出用ダイオードの順方向電圧
2 温度補償用ダイオードの順方向電圧
3 オペアンプOP2の出力電圧
4 シャントレギュレータのリファレンス端子
5 オペアンプOP1の出力電圧
6 2.5Vのリファレンス電圧
7 シャントレギュレータ出力端子
8 定電力回路
RH 風速検出用抵抗体
RT 温度補償用抵抗体
11 電源制御トランジスタ
12 ブリッジ入力端子
13、14 ブリッジ出力端子
15 オペアンプ
R11、12 固定抵抗器
【発明が属する技術分野】この発明は風速、風量センサに関し、詳しくは気体の流速に対応した発熱体の放熱を利用して風速、風量を検知する風速、風量センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4には一般的な風速センサである定温度差法方式の基本回路が示されている。同図において、4辺のブリッジ回路の入力端12側にはトランジスタ11を介して電源+Vが接続されており、ブリッジ回路の他の入力端はGNDに接続されている。そして、入力端12と出力端13との間には抵抗器R11が接続され、出力端13とGND間には風速検知用センサRHが接続されている。また、入力端12と出力端14との間には抵抗器R12が接続され、出力端14とGND間には温度補償用センサRTが接続され、風速検知用センサRHのブリッジ辺出力電圧13と温度補償用センサRTのブリッジ辺出力電圧14との差がオペアンプ等の差動増幅器15によって求められ、この差動出力が風速検出信号として出力される一方において、前記トランジスタ1のベースに加えられている。
【0003】前記風速検知用センサRHと温度補償用センサRTはともに正の抵抗温度係数をもった白金の感温抵抗素子によって構成されており、このセンサRT,RHの抵抗温度係数は一般の抵抗器に比べ、一桁以上大きく、ばらつきの小さいほぼ同一の抵抗温度係数をもったものが使われている。また、抵抗器R12と温度補償センサRTとの合成抵抗値は抵抗器R11と風速検知用センサRHとの合成抵抗値よりも十分大きな値となっており、これにより、電源+Vからの電流によって風速検知用センサRHは自己発熱してヒータとして機能し、一方、温度補償用センサRTは自己発熱しない状態を保って気流の温度を検出する機能を有し、この風速検知用センサRHと温度補償用センサRTとの温度差が設定の一定温度差となったときにブリッジ端子13,14の出力電圧が平衡状態になるように各ブリッジ辺の抵抗値が設定されている。
【0004】この種の風速センサにおいて、気流が風速検知用センサRHを通過すると、気流の風速の大きさに応じて風速検知用センサRHの放熱量が変化し、抵抗値が変化する。この抵抗値の変化により出力端子13の電圧 が変化する。このとき、気流の温度に対応する出力端子14の電圧と前記の差が差動増幅器15で求められることにより、気流の温度変化の影響が取り除かれ、この温度補償された差動増幅器15の差動出力が風速検出信号として取り出される。その一方において、その差動出力はトランジスタ11に加えられる結果、トランジスタ11がオンし、電源+Vからの電流が風速検知用センサRHに流れて気流による放熱分だけ発熱駆動が行われ、風速検知用センサRHと温度補償用センサRTとの温度差が常に一定になるように制御されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の定温度差法の風速センサは、風速検知用センサRHとともに温度補償用センサRTも部品コストの高価な白金センサが使用されており、しかも、風速検知用センサRHと温度補償用センサRTの抵抗温度係数の揃ったものを使用しなければならないために、風速センサのコストが非常に高価になるという問題があった。
また風量などを測定する場合はセンサの数を増やして平均値がほしいことがある。この場合はセンサ及び回路もその数用意しなければならなくなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本出願人らは次のような構成を提案した。すなわち、大変安価なダイオードを風速検出用感温素子、温度補償用感温素子として使用する。ダイオードに定電流を流した時の順方向電圧は約−2.0mV/℃で良好な直線性を示し温度センサとしても利用されている。ただしダイオードは白金抵抗体やサーミスタと違い温度と電流の大きさにより順方向電圧が変化する。そこで発熱素子として使用するには定電力で駆動する必要があるが、従来の定電力回路は乗算器が必要で複雑、高コストになる。そこで簡単な回路で充分実用になる定電力回路を考案した。また発熱の温度を知る為には定電力駆動中は出来ないので、定電力回路を一定周期毎に切り離し、交互に定電力駆動、休止を繰り返す。
【0007】風速検出用ダイオード、温度補償用ダイオードとも定電流回路で自己発熱が問題にならない程度の小電流を流し順方向電圧を、温度補償用ダイオードの方を差動入力ADコンバータのコモン、風速検出用ダイオードを入力側に接続する。またADコンバータの入力はGNDにも切り換えて接続できるようにしておく。
【0008】速検出用ダイオードを定電力回路で駆動する発熱期間と休止期間を交互に繰り返す。ADコンバータは休止期間に、風速検出用ダイオードの電圧、発熱期間にGNDの電圧を測定する。GNDの電圧は気流の温度を表す。風速検出用ダイオードの電圧は発熱温度となり気流により温度変化する。これを風速、風量信号として取り出す。これは定温度差法とは同一では無いが、本来ダイオードを定電力で発熱させるため、気流がない時は、一定の温度差が生じるはずである。従ってその差を気流による放熱として風速、風量信号とする。
【0009】それぞれのダイオードは複数直列接続することにより、多点の平均風速、風量センサを容易に製作する事が出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】風速検出用ダイオード、温度補償用ダイオードとも定電流回路で自己発熱が問題にならない程度の小電流を流し順方向電圧の差をADコンバータで取り込み、両センサの温度差として検出する。一方、風速検出用ダイオードは定電力回路から一定の周期で電源を供給し発熱させる。この発熱温度を電源の供給休止期間に温度差として検出する。温度補償用感温素子の方を差動入力ADコンバータのコモン、風速検出用感温素子を入力側に接続する。またADコンバータの入力はGNDにも切り換えて接続できるようにしておく。
【0011】速検出用ダイオードを定電力回路で駆動する発熱期間と休止期間を交互に繰り返す。ADコンバータは休止期間に、風速検出用ダイオードの電圧、発熱期間にGNDの電圧を測定する。風速検出用ダイオードの電圧は発熱温度となり気流により温度変化する。GNDの電圧は気流の温度を表す。それぞれのダイオードは複数直列接続することにより、容易に多点の平均風速、風量センサとすることが出来る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1には本実施例に係わる風速、風量センサの説明図が示されている。D1は温度補償用ダイオードで電源+VとQ1、R1からなる定電流回路により自己加熱して誤差にならない程度の一定電流が流されている。このD1の順方向電圧2は差動入力のADコンバータのコモン入力に接続される。D2は風速検出用ダイオードで電源+VとQ2、R2からなる定電流回路により自己加熱して誤差にならない程度の一定電流が流されている。このD2の順方向電圧1はアナログマルチプレクサU2を通して差動入力のADコンバータの入力に接続される。
【0013】点線に囲まれた8が定電力回路でこの回路の電源は電源+VからQ3を通して供給される。Q3はCPUにより正確な一定周期でON、OFFを繰り返す。この定電力回路の出力は風速検出用ダイオードに接続されており、発熱する電力となる。
【0014】定電力回路の動作を説明する。U1はTL431というシャントレギュレータで大変ポピュラーなものである。このU1は3と4の間が2.5Vになるように7から3へと電流を流す働きをする。Q4とR3は電流を増幅するためのものである。かりに3と1を接続すればR4両端の電圧が2.5V一定になる定電流回路となり、電流値は2.5V÷R4(A)となる。ここで3の電圧をD2の電圧に応じて変化させ一定電力にするのが本回路の動作である。
【0015】ここでD2に流す電流を2.5V÷R4(A)の式で決めて、R4の値を決定する。D2の順方向電圧は反転増幅器OP1で反転増幅され電圧1に積み上げられた電圧5となる。この電圧5を2.5Vの電圧Vref1から引いた値を差動増幅器OP2により求め電圧3とする。なおこの差動増幅器のR5〜R8は全て同一で増幅度は1である。R9とVR1の決め方はD2の順方向電圧の加熱時の電圧×VR1÷R9が2.5Vになるように決定する。今ここでD2の電圧が高くなると電圧5は電圧6の2.5Vより高くなり電圧3は低くなる。するとR4の両端電圧がその分低くなり電流が減る方向に動くことになる。それで電力が一定になるように制御される。
【0016】図2にD2の電圧が変化したとき電力の計算値のグラフを示す。条件はR4を25Ω、OP1の増幅度を2.5に設定したときのものである。それによるとこの回路は完全な定電力ではないが、目的がダイオードのようにあまり順方向電圧が変化しない素子である事と風速、風量センサとした場合には充分な性能である。この回路では負荷の電圧が±10%変動すると電力が±1%変動する。
【0017】風速検出用ダイオードD2、温度補償用ダイオードD1は直列接続で増やすことが出来る。どちらも同じ数だけ増やした方が簡単である。変更点はD2の順方向電圧の加熱時の電圧×VR1÷R9が2.5VになるようにOP1の増幅度を小さくすことだけである。後は電源電圧とADコンバータの入力範囲に気を配るだけで良い。得られた値は全てのセンサの合計値になるのでセンサの数で割れば平均値が得られる。
【0018】図3に実際に風量を測定した場合の出力特性例を示す。風速検出用ダイオードの電圧は発熱温度となり気流がない時が最大となる。ただし、この発熱温度(電圧)は空気密度の影響を受けるために、厳密に測定するには温度、気圧による補正が必要である。
【0019】この発明は、その他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、ダイオードを発熱させ発熱温度が物理量を測定するために使用される用途において種々の応用、変形を加えることが出来る。
【0020】
【発明の効果】上述のように気流によって奪われる熱量を風速、風量の検出用に使用する熱式センサにおいて、高価な白金センサ及び特殊なサーミスタ等を使用せず、大変安価なダイオードを使用することが出来、またその特性により容易にセンサの数を増やすことが出来るのは風速、風量測定のセンサとして理想的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による風速、風量測定の一実施例である。
【図2】定電力回路の性能図である。
【図3】本発明の一実施例による風量−出力電圧特性例である。
【図4】従来の風速センサの回路構成を示す図である。
【符号の説明】
D1 温度補償用ダイオード
D2 風速検出用ダイオード
+V 電源電圧
GND 電源グランド
Q1、Q2 NタイプFET
Q3 トランジスタ
U1 シャントレギュレータTL431
U2 アナログマルチプレクサ
OP1、OP2 オペアンプ
Vref1 2.5Vリファレンス
VR1 可変抵抗器
R1〜R9 固定抵抗器
CPU マイクロコントローラ
ADコンバータ 入力差動式ADコンバータ
1 風速検出用ダイオードの順方向電圧
2 温度補償用ダイオードの順方向電圧
3 オペアンプOP2の出力電圧
4 シャントレギュレータのリファレンス端子
5 オペアンプOP1の出力電圧
6 2.5Vのリファレンス電圧
7 シャントレギュレータ出力端子
8 定電力回路
RH 風速検出用抵抗体
RT 温度補償用抵抗体
11 電源制御トランジスタ
12 ブリッジ入力端子
13、14 ブリッジ出力端子
15 オペアンプ
R11、12 固定抵抗器
Claims (3)
- 気流によって奪われる熱量を測定するための風速検出用ダイオード、および前記気流の温度を測定するための温度補償用ダイオードを含み、定電力回路で発熱、休止期間を設けて風速検出用ダイオードを駆動する、風速、風量センサ。
- 風速検出用ダイオード、温度補償用ダイオードをそれぞれ複数直列接続した、多点の平均値風速、風量センサ。
- 風速検出用ダイオードに一定電力を供給する定電力回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003099979A JP2004309202A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 風速、風量センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003099979A JP2004309202A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 風速、風量センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004309202A true JP2004309202A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33464239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003099979A Pending JP2004309202A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 風速、風量センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004309202A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP3064904A2 (en) | 2015-03-06 | 2016-09-07 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Measurement device |
JPWO2014068693A1 (ja) * | 2012-10-31 | 2016-09-08 | 日本カノマックス株式会社 | 風速計 |
CN106018875A (zh) * | 2016-07-22 | 2016-10-12 | 无锡信大气象传感网科技有限公司 | 一种大气环境风速监控系统 |
EP3133299A1 (en) | 2015-08-20 | 2017-02-22 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Measurement device |
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