JP2004308895A - 燃料系統要素用の射出成形カップリング - Google Patents

Abstract

【課題】燃料系統要素用に、シール用部品数を減らした継手を提供する。
【解決手段】カップリングが雌継手を具備し、該雌継手は少なくとも一つの延設管部を有し、該管部は雄継手を収容する少なくとも一つの開口まで延設されている。該開口の内径は該雄継手の外径より小さくて、該雌継手は広がって該雄継手を収容する。該雌継手は射出成形された弾力性のある一体構造である。該雄継手上に少なくとも一つの突起が形成され、該突起は環状の連続した外周面を有し、該外周面は前記開口の前記内径より大きい直径を有する。
【選択図】図８

Description

本発明は燃料系統要素用カップリング（継手）に関し、より詳しくは、射出成形に作られる一体成形のカップリングに関する。

この技術分野で良く知られている燃料系統用のカップリングは、流体用配管に雌雄継手を確実に連結するのに、しばしば使用されている。例えば、速嵌合カップリングは雌雄継手を有し、それらは摩擦係止部材を介して互いに支持されて、その雌雄継手を恒久的又は離脱可能に保持することが知られている。その速嵌合カップリングの一例では、チューブ又はラインの雄形端を収容する雌継手またはハウジングを使用している。保持部材が雌継手に設けられて、その保持部材は一対の可撓フィンガを有する。その可撓フィンガは、雌継手に挿入される雄継手又は管の隆起フランンジにスナップ係合する。この分野では、雄継手を保持する種々の方法が知られていて、雌継手の開口にスナップばめされるフィンガの使用して、フィンガを押圧して雄継手を雌継手内に保持することもある。速着型燃料用カップリングは、一般的にはＯ−リングを使用して、管に当接させて、管と雌継手とをシールする。また、この分野で知られているように、クランプが一般的に使用されて、雌継手内で雄形管または導管をシールする。

継手はしばしば押出成形で製造され、そこでは熔融プラスチックが型から押し出されて、中空の管状構造を形成し、それら所望の長さに切られて両端開口を有する継手を提供する。その構造では、その押出成形された継手の両端は同じ寸法に制限される。従って、燃料系統要素用の継手の分野では、O−リングやクランプのようなコストがかかる付加部材を不要にし、しかも、単一雌継手の各端を特別な形状又は異なった寸法にできることが要望されている。

燃料系統要素用のカップリング（継手）が雌継手（管継手）を有し、その雌継手（管継手）は少なくとも一つの延設した管部を備え、その管部は雄継手を収容する少なくとも一つの開口を有する。その開口の内径はその雄継手の外径より小さく、雄継手が挿入されると雌継手が広がって、シールを形成する。雌継手は射出成形で形成された一体構造である。

この発明の目的・特徴・優位性には、この技術分野で現在普通に知られているＯ−リング又はクランプを使用しない、燃料系統要素用カップリングを提供することを含む。その継手は複数のポートを有し得て、それらのポートは押出成形ではできない特殊端部寸法とより小さい曲げ半径のものである。本発明の燃料系統要素の継手はまた、シールを形成するための部品数を減らして、燃料系統要素用継手の全体コストを減らし、比較的簡明なデザインであり、経済的に製作・組立が可能であり、有効使用寿命が長い。

この発明のこれら及び他の目的・特徴・優位性は、好適実施例と最適例の以下の詳細な説明と、請求項の記載と、添付図とから明らかにされる。

図１、２に示すように、燃料系統要素用のカップリング（継手）５の第一実施例は雌継手１０を有し、雌継手１０は少なくとも一つの延設管部１５を備え、その管部の端には少なくとも一つの開口２０があり、図５〜７に示す雄継手２５を収容する。各開口２０は、雄継手２５の外径より小さい内径を有する。図８に示すように、組み立て時に、雌継手１０は弾力的に広がって雄継手２５を収容して、雄継手２５と雌継手１０の間が確実にシールされる。雌継手１０は少し弾力性を有するプラスチック材から射出成形により形成される。

この雌継手１０はベンド１７により結合される二つの延設された管部１５を有する。この二つの延設管部１５は延設管部１５の両端に開口２０を有する。図１、２に示すように、開口２０は同径である。要すれば、開口２０は互いに内径が異なっていて、雌継手１０は異なった寸法の雄継手２５を受け入れて、確実に連結する。このように雌継手１０は種々の寸法の雄継手２５を収容できる。これは、同じ寸法の雄継手２５を収容する同じ寸法の開口２０の、押出成形により製造された雌継手ではできない。

肩部５０が各開口２０の近くで、延設管部１５の端付近に形成される。各肩部５０は雄継手２５の挿入を容易にするためにフレアー面５５を有する。フレアー面５５は第一端６０から外方向に増加する径を有し、第一端６０では径が開口２０と略等しく、第二端７０では径は開口２０の内径より大きい。フレアー面５５は開口２０の方に雄継手２５を導き、雌継手１０と雄継手２５とのシール結合を形成するために雌継手１０を広げる前のガイド部材として作用する。

雌継手１０は延設管部１５と一体成形され、開口２０から離間した取付肩部２２を有する。一般的には、取付肩部２２は、延設管部１５の周りに径方向に延びる環状フランジを有して、把持部となり、作業者または雌継手１０を組み付ける機械で、雌継手１０を掴んで、雄継手２５が雌継手１０内に挿入できるようにする。このように、雌継手１０と延設管部１５とが確実に嵌合して、確実にシールされる。

図３、４は燃料系統要素の雌継手１００である別の実施例を示す。雌継手１００は各延設管部１５の端でフレアー面５５を有し、そして、前述のように取付肩部２２を有する。図３、４に見られるように、三個の異なった内径の開口１１０、１１５、１２０が設けられる場合もある。その異なった内径により、種々の寸法の雄継手２５を挿入可能にし、雌継手１００の種々な部分で異なった流路を提供できる。

図５〜７は、本発明のカップリング５に対応する種々の形態の雄継手２５を図示している。図５では、雄継手２５の延設管ボディ７３に、少なくとも一つ、好ましくは三個の突起７５が形成されている。各突起７５は、環状に連続した周面８０を有し、周面８０は傾斜して円錐台形であり、端から内向きに径が増加して、雌継手１０に挿入され易い。少なくとも、各突起７５の最大直径７９は、雄継手が収容される雌継手１０又は１００の開口の内径より大きい。各突起は軸方向に互いに離れていて、好ましくは円筒部７８に隣接している。円筒部７８の外径は好ましくは突起７５の最小径に等しいか、少しだけ大きく、好ましくは、対応する雌継手の開口の内径より少し大きい。突起７５の周面８０は、対応する雌継手の開口に収容される時に、雌継手を広げて、摩擦ばめまたは締り嵌めを形成して、雌雄継手をシールして互いに保持する。このように、雄継手２５は弾力性雌継手１０又は１００を広げて、雄継手が雌継手に確実に保持されて、燃料系統要素用のシールされたカップリング５を提供する。又、雄継手２５内には、一体成形された肩部９０が設けられ、肩部９０は管ボディ７３の周りに環状に径方向外側に延設され、雄継手２５の挿入端から離間している。その離間長さは、雄継手が雌継手１０の挿入される軸方向長さに対応している。完全に挿入されると、肩部９０の面９２は、雌継手１０又は１００のフレアー面５５の自由端に当接して、雄継手２５の雌継手１０又は１００内への挿入深さを制限する。

図８に示すように、組み立てた使用状態で、雌継手１０はその開口２０を介して雄継手２５を収容している。雄継手２５は雌継手１０内に挿入されて、雌継手１０を広げて、雄継手２５に形成された突起７５と摩擦係合して、雄継手２５の突起７５と雌継手１０の延設管部１５の内面と締り嵌めによりシール１１２が形成される。その締り嵌めは圧力に耐えることができて、４０〜８０ｐｓｉ(280000〜550000 Pa)の圧力で運転される高圧燃料系統で漏れがない。しかし、この発明はこの圧力範囲に限定されるものではない。雌継手１０と雄継手２５は完全に嵌合すると、この技術分野で一般的に使用されているＯ−リングやクランプなどの付加的なシール結合部材無しに、シールを形成する。前述のように、雌継手１０は射出成形により形成され、好ましくは、ナイロン、ポリエチレン、アセチル、又は他の燃料耐性プラスチックポリマー等の材料製である。好ましくは、雄継手はまた、適切なプラスチック材から射出成形される。

図９、１０は燃料圧力制御装置用に設計された複数のカップリングを有するマニホールド１３０を示している。そのマニホールドは、射出成形された圧力調整器保持用ハウジング１３２を有し、そのハウジングは雌継手１０を有し、雌継手１０は開口２０まで延設された延設管部１５を有して、雄継手２５を収容する。雄継手２５は、燃料フィルタ（図１０）用の保持ハウジング１３４の部分として一体成形されている。マニホールド１３０はまた、好ましくは一体成形された第二継手１３６を有する。マニホールド１３０の管１３３は雌継手１０及び第二継手１３６とに通じ、管１３３の一端で開いた雌継手１３７を有する。第二継手１３６は、弁ガイド１３８を収容するように形成され、弁ガイド１３８は前述のように突起７５を有する雄継手２５を備えている。又、雄継手２５を有するプラグ１４０が雌継手１３７内に挿入されてそれを閉じる。マニホールド１３０と保持ハウジング１３２とは、好ましくは、射出成形で形成され、雌継手１０、１３６、１３７が管１３３を有する一体構造である。

本発明によるカップリング５を使用して、燃料圧力調整器のサブアセンブリが、一般的に使われるＯ−リングを使用しないで容易に組み立てられて、フィルターと弁ガイドサブアセンブリを調整器保持ハウジングに連結する。又、そのマニホールドハウジングの雌継手１３７に挿入されるプラグ１４０は、今までは超音波溶接されて、そのプラグを圧力調整器ハウジングに恒久的に取付けていた。しかし、雌雄継手を有するカップリング５を使用することにより、超音波溶接なしに、プラグを雌継手１３７にシールし保持して、ポンプアセンブリ内にプラスチック粒子（溶接ばり）が侵入するのを防ぐ。

好適実施例を記載したが、この技術分野の技術者には、請求項記載の本発明の範囲内で種々の変化例が可能であることが分かる。

図１は二個のポートを有する本発明の第一実施例の斜視図である。 図１の第一実施例の側面図である。 図１は三個のポートを有する本発明の第二実施例の斜視図である。 図３の第二実施例の側面図である。 三個の突起を有する雄継手の部分側面図である。 二個の突起を有する雄継手の部分側面図である。 単一突起を有する雄継手の部分側面図である。 組み付けられた雌雄継手の部分側面図である。 燃料圧力調整器用の保持ハウジングの斜視図であり、そのハウジングは種々の寸法の複数ポートを有する。 図９の保持ハウジングと、そこの連結される燃料フィルタ用保持ハウジングとの斜視図である。

符号の説明

５ カップリング
１０ 雌継手
１５ 延設管部
１７ ベンド
２０ 開口
２２ 取付肩部
２５ 雄継手
５０ 肩部
５５ フレアー面
６０ 第一端
７０ 第二端
７３ 管ボディ
７５ 突起
７８ 円筒部
７９ 最大直径
８０ 周面
９０ 肩部
９２ 面
１００ 雌継手
１１０ 開口
１１２ シール
１３０ マニホールド
１３２ 保持ハウジング
１３３ 管
１３６ 第二継手
１３７ 雌継手
１３８ 弁ガイド
１４０ プラグ

Claims (14)

1. 燃料系統要素用のカップリングであって、
   雌継手を具備し、該雌継手は少なくとも一つの延設管部を有し、該延設管部は雄継手を収容する少なくとも一つの開口まで延設されていて、該開口の内径は該雄継手の外径より小さくて、該雌継手は広がって該雄継手を収容し、該雌継手は射出成形で弾力性のある一体構造であることを特徴とする上記カップリング。
2. 前記開口は前記延設管部の互いに反対側にある二つの開口である請求項１記載のカップリング。
3. 前記二つの開口は互いに異なった直径である請求項２記載のカップリング。
4. 前記開口の近くに前記延設管部上に肩部が形成された請求項１記載のカップリング。
5. 前記肩部はフレアー面を有して前記雄継手の挿入を容易にした請求項４記載のカップリング。
6. 前記フレアー面は、その一端は前記開口の内径と略等しい直径を有し、その一端から他端に向けて径は増加し、該他端での直径は前記開口の該内径より大きい請求項５記載のカップリング。
7. 雄継手を具備し、該雄継手上に少なくとも一つの突起が形成された請求項１記載のカップリング。
8. 前記突起は環状の連続した外周面を有し、該外周面は前記開口の前記内径より大きい直径である請求項７記載のカップリング。
9. 前記雄継手は前記雄継手と嵌合して締り嵌めによりシールされ、４０〜８０ｐｓｉ(280000〜550000 Pa)の高圧燃料系統の圧力に耐え得る請求項１記載のカップリング。
10. 前記雄継手は前記雄継手と嵌合して、他のシール部材の使用なしにシールを形成する請求項１記載のカップリング。
11. 前記雄継手は前記雄継手と嵌合して、Ｏ−リングやクランプの使用なしにシールを形成する請求項１記載のカップリング。
12. 前記雌継手は複数の延設管部を有して、複数の雄継手と嵌合できる請求項１記載のカップリング。
13. 前記複数の延設管部は互いに異なった直径の開口を有する請求項１２記載のカップリング。
14. 前記開口の近くに前記延設管部上に肩部が形成され、前記雄継手の挿入を止める請求項１記載のカップリング。

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