JP2004307884A - プリント配線板用銅箔 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリント配線板用銅箔において、樹脂との非接着面側の炭酸ガスレ−ザ−直接穴開け加工が容易な表面層を少量の被覆物でかつ簡易な方法で得られる表面処理銅箔を開発すること。
【解決手段】銅箔の少なくとも一方の面に100 〜1000 mg/m2の鉄の層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔であり、銅箔の少なくとも一方の面に鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの中から選ばれる 1種以上の合金からなる100 〜1000mg/m2 の層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔である。
【選択図】 なし。
【解決手段】銅箔の少なくとも一方の面に100 〜1000 mg/m2の鉄の層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔であり、銅箔の少なくとも一方の面に鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの中から選ばれる 1種以上の合金からなる100 〜1000mg/m2 の層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔である。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は銅箔の表面処理に関するものであり、特に詳しくはプリント配線板におけるレ−ザ−穴開け加工が直接可能の性能を有する銅箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銅箔は電子、電気材料用として広く使用されており、プリント配線板用途にはセミアディティブ、アディティブ法の検討も進んでいるが、今なおサブトラクティブ法が主流であり、その必須材料として使用されている。
プリント配線板は高密度化、高信頼性が進んでおり、そのため複雑で且つ多様化してきている。その構成材料の銅箔についても同様に、厳しい品質要求が課せられて来ている。
【0003】
プリント配線板製造では、通常、まず銅箔の粗面側を合成樹脂含浸基材と合わせて積層し、プレスにより加熱圧着して銅張積層板を得る。一般によく使用されるガラスエポキシ基材では170 〜190 ℃の温度で1〜2時間のプレスにより銅張積層板が完成する。
【0004】
プリント配線板用銅箔としては片側粗面、片側光沢面を持つ電解銅箔が多く使用されており、通常、銅の電解液から電着装置により銅を電解析出させ、未処理銅箔と呼ばれる原箔を製造し、次に処理装置によりその原箔の表面処理を行う。
【0005】
一般的には、粗面側(非光沢面側)を酸洗し粗面化して、樹脂との接着力を確保する処理を行い、さらにその接着性における耐熱、耐薬品などの特性やエッチング特性などを向上、安定化させる処理を行う。光沢面側についても耐熱性、防錆性などを付与するための処理がなされ完成される。これらの処理についてはさまざまな技術が開発、提案され、高機能性表面となっている。
【0006】
ところで、プリント配線板においてはファインパターン、高密度の要求が益々進み、貫通スルーホールやバイアホールなどの微細高精度穴加工をするためには小径ドリルでは難しくなってきたため、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、YAGレーザーなどレーザーによる加工が導入されてきている。
ここで、量産に適する炭酸ガスレーザーでは銅箔光沢面の穴あけが困難であるという問題が生じているため、光沢面の特性改良が要求されてきている。
【0007】
一般には、穴予定位置の銅箔をあらかじめエッチングして取り除き、そこへレーザーを照射することで穴を形成するいわゆるコンフォーマルマスク法が採用されている。しかしこのような方法では工程が多く、煩雑で量産的にも不利な方法である。
【0008】
炭酸ガスレ−ザ−では上述のように低エネルギーで銅箔面を直接加工することが困難なため、穴開け加工を行う場合、銅箔表面を黒化処理する、あるいは薬液処理により、表面を粗化する方法、あるいはNi,Co などの金属により表面を覆い、レ−ザ−吸収性を向上させ、直接加工することなどが試みられてきた。
【0009】
具体的には、In,Sn,Co,Zn,Niの合金を0.1 〜100mg /dm2、但しZnは0.5〜100mg /dm2 (50〜10000mg/m2) 、を被覆する方法(例えば特許文献1)や、銅箔表面に酸化金属処理や薬液処理を施すか、金属化合物粉、カーボン粉などを含む層を設けること(例えば特許文献2)が提案されている。
【0010】
また、0.08〜 2μm 厚のニッケル層、又は0.05〜3 μm のコバルト層、又は0.03〜2 μm 厚の亜鉛層を設けること(例えば特許文献3)が提案されている。亜鉛の比重を7.1 とすると0.03μm は210mg/m2,2μm は14200mg/m2に相当する。
【0011】
このように下限値の200mg/m2近辺はともかく、1000〜10000mg/m2という量は極めて大量でコーティングする層が厚く、形成するためには長時間を必要とし、生産性としては好ましくない。また、このような層を除去する場合には除去のために時間を要し、廃液処分方法の検討が必要となり、環境負荷的に好ましくないという欠点があった。
【0012】
【特許文献1】
特許第3258308号公報
【特許文献2】
特開2001−44597号公報
【特許文献3】
特開2001−308544号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は前記の従来技術の問題を種々研究し、樹脂との非接着面側が炭酸ガスレ−ザ−直接穴開け加工の容易な表面層を少量の被覆物でかつ簡易な方法で得られる表面処理銅箔を開発した。
【0014】
具体的には、炭酸ガスレーザーの波長は一般には赤外線領域の9.3 〜10.6μmの波長のものが使われている。他方、エキシマレーザーやUV−YAGレーザーは0.2 〜0.4 μm の紫外線領域にある。
【0015】
炭酸ガスレーザーにおいて銅箔を加工しにくいのは基本的に金属の分光反射率の特性によると考える。形状による反射率と金属特有の反射率は異なり、金属のものは自由電子の集団運動によるものであり、形状による反射とは異なる成分がある。
【0016】
すなわち、銅の赤外領域の分光反射率は高く、紫外領域では低下してくる。 これは炭酸ガスレーザーの波長においては反射しやすく、エキシマレーザーのような短い波長などでは容易に貫通させることができることを意味し、事実その通りである。従って、銅箔を貫通させるには短波長のレーザー光を使うか、赤外領域での分光反射率が低くなるような物質を銅箔表面に付ければ良い。
【0017】
反射率が高い金属は反射率が自由電子によるものであるので一般的に導電性が良いという特徴を持つ。従ってレーザー加工性を上げるには導電性の低い金属を皮膜として銅箔表面上に付けるのが良い。
【0018】
たとえば、有毒物や高価なものを除き、また経済的に量産可能な電気めっき法を適用することを考慮すると、Feが好適なものとして上げられる。なお、Feのみでは酸化の問題があり、Fe層上に薄い亜鉛やスズの層を設けるか、有機系の防錆を施すかあるいはFeとNi,Co,Zn,Cr,Pの 1種以上の合金層にして耐酸化性を向上させると良い。
【0019】
Au,Ag,Cu,Alは導電性が極めて高く、分光反射率が高く炭酸ガスレーザー加工に不向きである。一方、これらの金属ほどではないが、Ni,Co,Znなどは単体では電気の良導体であるのでやはりあまり効果的ではないと考えられる。また、一般に炭酸ガスレーザー加工に有利と認知されている可視領域で黒く見えることと、赤外領域で反射が低いこととは同一ではなく、色調でレーザー加工性は判断できない。
【0020】
勿論、以上のように決して金属特有の分光反射率のみでレーザー加工性が論じられるものではなく、表面状態、酸化状態、表面層の融点、沸点などを総合して理解しなければならないが、金属特有の分光反射率が基本であると考えられる。
【0021】
本発明においては以上のことに鑑み、容易に銅箔表面に適用できる分光反射率の大きな層として、鉄又は鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの中から選ばれる 1種以上の合金層を提案するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銅箔の少なくとも一方の面に100〜1000 mg/m2の鉄の被覆層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔であり、銅箔の少なくとも一方の面に鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの中から選ばれる 1種以上の合金からなる100 〜1000mg/m2 の被覆層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明被覆層は鉄又は鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、リンのうちの1種以上の合金層である。被覆層の厚みは 100mg/m2 〜1000 mg/m2が良く、100mg/m2以下ではレーザー加工性が低く、1000 mg/m2以上では不経済である。鉄合金層においては、70 mg/m2以上の鉄を含むことが好ましい。
【0024】
上記被覆層を形成させるには電気めっき法を想定しているが、スパッタリング法、蒸着法などでも形成は可能であり、限定はしない。
電気めっき法で行うのが最も実際的であり価格的に有利である。
処理浴としては限定しないが、硫酸浴、クエン酸浴、ピロリン酸浴などが好ましい。この浴中に鉄イオン又は、鉄イオンとニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの各イオンのうちの 1種以上を含む。陰極電気分解における浴温は15〜50℃が好ましい。電流密度は 0.5〜10 A/dm2が好ましい。
【0025】
本発明銅箔の、樹脂との接着面側の粗面化処理方法は公知の粗化方法により表面処理を行うのが良い。すなわち例えば樹枝状又は粒状突起物銅を析出させ、次いでその突起物の脱落防止のためその上に銅めっきを施し、被覆銅を形成させて銅の粗面を作る。
【0026】
具体的には銅突起物の形成は
CuSO4・5H2O 50 g/l
H2SO4 100 g/l 常温、10A/dm2 の電流密度10秒間の陰極電解
次いで被覆銅めっき
CuSO4・5H2O 250 g/l
H2SO4 100 g/l 50℃、 5A/dm2 の電流密度、80秒間の陰極電解
を行う。
以上により、粗面の粗面化が完成される。次いで公知の耐熱性付与、耐薬品性付与の処理をするが、特公平2−24037号などのバリヤー層を設け、クロメート処理又は及び有機防錆により、粗面側が完成される。
【0027】
一方、光沢面側は未処理銅箔に本発明のレーザーダイレクト加工用層を形成させる。被覆層厚さはおよそ100 〜1000 mg/m2を設け、次いで防錆処理のためにクロメ−ト処理を行ってもよい。一般的には重クロム酸イオンを含む水溶液を使用し、酸性でもアルカリ性でも良く、浸漬処理又は陰極電解処理を行う。
薬品としては三酸化クロム、重クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウムなどを使用する。
【0028】
さらに防錆力を上げるために銅箔両面ともベンズトリアゾ−ルを代表とする有機防錆処理、また、シランカップリング剤処理などを行っても良い。両者を組み合わせても良い。ベンゾトリアゾール類の有機防錆にはメチルベンゾトリアゾール(トリルトリアゾール)、アミノベンゾトリアゾール、カルボキシルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールなどがあり、水溶液として浸漬処理又はスプレー処理などにより施す。その他にも脂肪族カルボン酸、アルキルアミン類、安息香酸類、イミダゾール類、トリアジンチオール類などを使用するのも良い。
【0029】
シランカップリング剤にはエポキシ基を持つもの、アミノ基、メルカプト基、ビニル基を持つものなど多種あるが、樹脂との接着面側は樹脂との適応性のあるものを使用すると良く、水溶液として、浸漬処理又はスプレー処理などにより施す。以上によりプリント配線板用銅箔が完成する。
【0030】
本発明の被覆層は一般的にはレーザー加工用とする場合、光沢面側に被覆する。しかし、未処理銅箔の粗面側に被覆し、光沢面側を粗面化処理して樹脂と接着させるいわゆる DSTF箔(drum side treated foil) の形態でも何ら差し支えない。
【0031】
また、レーザー加工側の面に必要に応じ、公知の銅粒子、あるいは薬液による銅表面のエッチングによって粗化を加え、その上に本発明の被覆層を形成させても差し支えない。
なお、本発明銅箔は25μm 以下の銅箔、さらには18μm 以下や5μm 以下の極薄の銅箔及び銅層が好ましい。薄い銅層ほど被覆層の影響により本発明の効果は高くなる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例について述べる。
【0033】
実施例(1)
予め未処理銅箔の粗面を粗面化した18μm 厚さの電解銅箔の光沢面を
の浴中において、2 A/dm2 、10秒間陰極電解し、水洗後、
の浴中において、光沢面を0.5 A /dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層し、4 MPaの圧力、 170℃、60分間の条件でプレスし、成型した。
その銅張積層板の表面のレーザー加工性を調べ、その結果を表1に示す。
また、光沢面側の被覆層を酸溶液で溶解し、ICP分析法により付着元素量を調べた結果も同じ表1に示す。
【0034】
表1において、レーザー加工性は炭酸ガスレーザーを使用し、20,25,30mJ の各パルスエネルギー、ショット数1、パルス幅14.5μsec 、周波数100Hz、スポット径160μmの孔加工を各試料について5回行い、平均開孔径を算出した。平均開孔径が大きいほど穴あけ性が良いことを示している。
【0035】
実施例(2)
予め未処理銅箔の粗面を粗面化した18μm 厚さの電解銅箔の光沢面を実施例(1) の (A)浴において 1.5 A/dm2 、20秒間陰極電解し、次いで、この銅箔をイミダゾール0.2g/l水溶液に浸漬し、処理後乾燥させた。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層し、4 MPaの圧力、 170℃、60分間の条件でプレスし、成型した。
その銅張積層板の表面のレーザー加工性を調べ、その結果を表1に示す。
また、光沢面側の付着元素量を調べた結果も同じ表1に示す。
【0036】
実施例 (3)
予め未処理銅箔の粗面を粗面化した18μm 厚さの電解銅箔の光沢面を
の浴中で2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0037】
実施例 (4)
実施例(3) において、(C)浴の NiSO4・6 H2O を10g/l とし、光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、実施例(1) の(B)浴で光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0038】
実施例(5)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴において光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0039】
実施例(6)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0040】
実施例(7)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴で光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0041】
実施例(8)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴において光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0042】
実施例(9)
実施例(5) において、あらかじめ未処理銅箔光沢面に粗面化処理した18μm の未処理銅箔粗面を(D) 浴で1.5A/dm2 12 秒間の陰極電解処理を行い、水洗後、実施例(1) の(B) 浴において粗面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面化処理面を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0043】
実施例(10)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を3A/dm2 5秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の (B)浴において光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0044】
【比較例】
比較例(1)
実施例(1) において(A) 浴の代わりに
の浴中で光沢面を0.4A/dm23 秒間、陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴で光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
【0045】
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0046】
比較例(2)
比較例(1) の(I) 浴において陰極電解を1.2A/dm2 7秒間としたこと以外は全て同じ条件で処理を行った。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0047】
比較例(3)
実施例(1) において(A) 浴の代わりに
の浴中で光沢面を 1.2A/dm210秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴で光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
実施例、比較例とも全て前述のとおり18μm 厚さである。
表1から、レーザー加工性において本発明銅箔は比較例よりも同じエネルギーで開孔径が大きく、また、低エネルギーで開孔できることがわかり、銅箔の直接レーザー加工性が優れていることは明らかである。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、以下のような効果がある。
(1) 銅張積層板の銅箔表面から直接炭酸ガスレーザー加工が可能であり、従来のものよりも加工性が良く、黒化処理などの煩雑な作業を不要とし、高密度プリント配線板製造に最適な銅箔を提供できる。
(2) 従来より薄い層を形成することで短時間の処理で済み、その点で銅箔製造において効率が高く、また使用者側においても不要な金属層を多く設けていないので環境負荷が少ない。
(3) この表面処理方法は実製造において導入が容易であり、量産製造が可能である。
【発明の属する技術分野】
本発明は銅箔の表面処理に関するものであり、特に詳しくはプリント配線板におけるレ−ザ−穴開け加工が直接可能の性能を有する銅箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銅箔は電子、電気材料用として広く使用されており、プリント配線板用途にはセミアディティブ、アディティブ法の検討も進んでいるが、今なおサブトラクティブ法が主流であり、その必須材料として使用されている。
プリント配線板は高密度化、高信頼性が進んでおり、そのため複雑で且つ多様化してきている。その構成材料の銅箔についても同様に、厳しい品質要求が課せられて来ている。
【0003】
プリント配線板製造では、通常、まず銅箔の粗面側を合成樹脂含浸基材と合わせて積層し、プレスにより加熱圧着して銅張積層板を得る。一般によく使用されるガラスエポキシ基材では170 〜190 ℃の温度で1〜2時間のプレスにより銅張積層板が完成する。
【0004】
プリント配線板用銅箔としては片側粗面、片側光沢面を持つ電解銅箔が多く使用されており、通常、銅の電解液から電着装置により銅を電解析出させ、未処理銅箔と呼ばれる原箔を製造し、次に処理装置によりその原箔の表面処理を行う。
【0005】
一般的には、粗面側(非光沢面側)を酸洗し粗面化して、樹脂との接着力を確保する処理を行い、さらにその接着性における耐熱、耐薬品などの特性やエッチング特性などを向上、安定化させる処理を行う。光沢面側についても耐熱性、防錆性などを付与するための処理がなされ完成される。これらの処理についてはさまざまな技術が開発、提案され、高機能性表面となっている。
【0006】
ところで、プリント配線板においてはファインパターン、高密度の要求が益々進み、貫通スルーホールやバイアホールなどの微細高精度穴加工をするためには小径ドリルでは難しくなってきたため、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、YAGレーザーなどレーザーによる加工が導入されてきている。
ここで、量産に適する炭酸ガスレーザーでは銅箔光沢面の穴あけが困難であるという問題が生じているため、光沢面の特性改良が要求されてきている。
【0007】
一般には、穴予定位置の銅箔をあらかじめエッチングして取り除き、そこへレーザーを照射することで穴を形成するいわゆるコンフォーマルマスク法が採用されている。しかしこのような方法では工程が多く、煩雑で量産的にも不利な方法である。
【0008】
炭酸ガスレ−ザ−では上述のように低エネルギーで銅箔面を直接加工することが困難なため、穴開け加工を行う場合、銅箔表面を黒化処理する、あるいは薬液処理により、表面を粗化する方法、あるいはNi,Co などの金属により表面を覆い、レ−ザ−吸収性を向上させ、直接加工することなどが試みられてきた。
【0009】
具体的には、In,Sn,Co,Zn,Niの合金を0.1 〜100mg /dm2、但しZnは0.5〜100mg /dm2 (50〜10000mg/m2) 、を被覆する方法(例えば特許文献1)や、銅箔表面に酸化金属処理や薬液処理を施すか、金属化合物粉、カーボン粉などを含む層を設けること(例えば特許文献2)が提案されている。
【0010】
また、0.08〜 2μm 厚のニッケル層、又は0.05〜3 μm のコバルト層、又は0.03〜2 μm 厚の亜鉛層を設けること(例えば特許文献3)が提案されている。亜鉛の比重を7.1 とすると0.03μm は210mg/m2,2μm は14200mg/m2に相当する。
【0011】
このように下限値の200mg/m2近辺はともかく、1000〜10000mg/m2という量は極めて大量でコーティングする層が厚く、形成するためには長時間を必要とし、生産性としては好ましくない。また、このような層を除去する場合には除去のために時間を要し、廃液処分方法の検討が必要となり、環境負荷的に好ましくないという欠点があった。
【0012】
【特許文献1】
特許第3258308号公報
【特許文献2】
特開2001−44597号公報
【特許文献3】
特開2001−308544号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は前記の従来技術の問題を種々研究し、樹脂との非接着面側が炭酸ガスレ−ザ−直接穴開け加工の容易な表面層を少量の被覆物でかつ簡易な方法で得られる表面処理銅箔を開発した。
【0014】
具体的には、炭酸ガスレーザーの波長は一般には赤外線領域の9.3 〜10.6μmの波長のものが使われている。他方、エキシマレーザーやUV−YAGレーザーは0.2 〜0.4 μm の紫外線領域にある。
【0015】
炭酸ガスレーザーにおいて銅箔を加工しにくいのは基本的に金属の分光反射率の特性によると考える。形状による反射率と金属特有の反射率は異なり、金属のものは自由電子の集団運動によるものであり、形状による反射とは異なる成分がある。
【0016】
すなわち、銅の赤外領域の分光反射率は高く、紫外領域では低下してくる。 これは炭酸ガスレーザーの波長においては反射しやすく、エキシマレーザーのような短い波長などでは容易に貫通させることができることを意味し、事実その通りである。従って、銅箔を貫通させるには短波長のレーザー光を使うか、赤外領域での分光反射率が低くなるような物質を銅箔表面に付ければ良い。
【0017】
反射率が高い金属は反射率が自由電子によるものであるので一般的に導電性が良いという特徴を持つ。従ってレーザー加工性を上げるには導電性の低い金属を皮膜として銅箔表面上に付けるのが良い。
【0018】
たとえば、有毒物や高価なものを除き、また経済的に量産可能な電気めっき法を適用することを考慮すると、Feが好適なものとして上げられる。なお、Feのみでは酸化の問題があり、Fe層上に薄い亜鉛やスズの層を設けるか、有機系の防錆を施すかあるいはFeとNi,Co,Zn,Cr,Pの 1種以上の合金層にして耐酸化性を向上させると良い。
【0019】
Au,Ag,Cu,Alは導電性が極めて高く、分光反射率が高く炭酸ガスレーザー加工に不向きである。一方、これらの金属ほどではないが、Ni,Co,Znなどは単体では電気の良導体であるのでやはりあまり効果的ではないと考えられる。また、一般に炭酸ガスレーザー加工に有利と認知されている可視領域で黒く見えることと、赤外領域で反射が低いこととは同一ではなく、色調でレーザー加工性は判断できない。
【0020】
勿論、以上のように決して金属特有の分光反射率のみでレーザー加工性が論じられるものではなく、表面状態、酸化状態、表面層の融点、沸点などを総合して理解しなければならないが、金属特有の分光反射率が基本であると考えられる。
【0021】
本発明においては以上のことに鑑み、容易に銅箔表面に適用できる分光反射率の大きな層として、鉄又は鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの中から選ばれる 1種以上の合金層を提案するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銅箔の少なくとも一方の面に100〜1000 mg/m2の鉄の被覆層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔であり、銅箔の少なくとも一方の面に鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの中から選ばれる 1種以上の合金からなる100 〜1000mg/m2 の被覆層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明被覆層は鉄又は鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、リンのうちの1種以上の合金層である。被覆層の厚みは 100mg/m2 〜1000 mg/m2が良く、100mg/m2以下ではレーザー加工性が低く、1000 mg/m2以上では不経済である。鉄合金層においては、70 mg/m2以上の鉄を含むことが好ましい。
【0024】
上記被覆層を形成させるには電気めっき法を想定しているが、スパッタリング法、蒸着法などでも形成は可能であり、限定はしない。
電気めっき法で行うのが最も実際的であり価格的に有利である。
処理浴としては限定しないが、硫酸浴、クエン酸浴、ピロリン酸浴などが好ましい。この浴中に鉄イオン又は、鉄イオンとニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの各イオンのうちの 1種以上を含む。陰極電気分解における浴温は15〜50℃が好ましい。電流密度は 0.5〜10 A/dm2が好ましい。
【0025】
本発明銅箔の、樹脂との接着面側の粗面化処理方法は公知の粗化方法により表面処理を行うのが良い。すなわち例えば樹枝状又は粒状突起物銅を析出させ、次いでその突起物の脱落防止のためその上に銅めっきを施し、被覆銅を形成させて銅の粗面を作る。
【0026】
具体的には銅突起物の形成は
CuSO4・5H2O 50 g/l
H2SO4 100 g/l 常温、10A/dm2 の電流密度10秒間の陰極電解
次いで被覆銅めっき
CuSO4・5H2O 250 g/l
H2SO4 100 g/l 50℃、 5A/dm2 の電流密度、80秒間の陰極電解
を行う。
以上により、粗面の粗面化が完成される。次いで公知の耐熱性付与、耐薬品性付与の処理をするが、特公平2−24037号などのバリヤー層を設け、クロメート処理又は及び有機防錆により、粗面側が完成される。
【0027】
一方、光沢面側は未処理銅箔に本発明のレーザーダイレクト加工用層を形成させる。被覆層厚さはおよそ100 〜1000 mg/m2を設け、次いで防錆処理のためにクロメ−ト処理を行ってもよい。一般的には重クロム酸イオンを含む水溶液を使用し、酸性でもアルカリ性でも良く、浸漬処理又は陰極電解処理を行う。
薬品としては三酸化クロム、重クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウムなどを使用する。
【0028】
さらに防錆力を上げるために銅箔両面ともベンズトリアゾ−ルを代表とする有機防錆処理、また、シランカップリング剤処理などを行っても良い。両者を組み合わせても良い。ベンゾトリアゾール類の有機防錆にはメチルベンゾトリアゾール(トリルトリアゾール)、アミノベンゾトリアゾール、カルボキシルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールなどがあり、水溶液として浸漬処理又はスプレー処理などにより施す。その他にも脂肪族カルボン酸、アルキルアミン類、安息香酸類、イミダゾール類、トリアジンチオール類などを使用するのも良い。
【0029】
シランカップリング剤にはエポキシ基を持つもの、アミノ基、メルカプト基、ビニル基を持つものなど多種あるが、樹脂との接着面側は樹脂との適応性のあるものを使用すると良く、水溶液として、浸漬処理又はスプレー処理などにより施す。以上によりプリント配線板用銅箔が完成する。
【0030】
本発明の被覆層は一般的にはレーザー加工用とする場合、光沢面側に被覆する。しかし、未処理銅箔の粗面側に被覆し、光沢面側を粗面化処理して樹脂と接着させるいわゆる DSTF箔(drum side treated foil) の形態でも何ら差し支えない。
【0031】
また、レーザー加工側の面に必要に応じ、公知の銅粒子、あるいは薬液による銅表面のエッチングによって粗化を加え、その上に本発明の被覆層を形成させても差し支えない。
なお、本発明銅箔は25μm 以下の銅箔、さらには18μm 以下や5μm 以下の極薄の銅箔及び銅層が好ましい。薄い銅層ほど被覆層の影響により本発明の効果は高くなる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例について述べる。
【0033】
実施例(1)
予め未処理銅箔の粗面を粗面化した18μm 厚さの電解銅箔の光沢面を
の浴中において、2 A/dm2 、10秒間陰極電解し、水洗後、
の浴中において、光沢面を0.5 A /dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層し、4 MPaの圧力、 170℃、60分間の条件でプレスし、成型した。
その銅張積層板の表面のレーザー加工性を調べ、その結果を表1に示す。
また、光沢面側の被覆層を酸溶液で溶解し、ICP分析法により付着元素量を調べた結果も同じ表1に示す。
【0034】
表1において、レーザー加工性は炭酸ガスレーザーを使用し、20,25,30mJ の各パルスエネルギー、ショット数1、パルス幅14.5μsec 、周波数100Hz、スポット径160μmの孔加工を各試料について5回行い、平均開孔径を算出した。平均開孔径が大きいほど穴あけ性が良いことを示している。
【0035】
実施例(2)
予め未処理銅箔の粗面を粗面化した18μm 厚さの電解銅箔の光沢面を実施例(1) の (A)浴において 1.5 A/dm2 、20秒間陰極電解し、次いで、この銅箔をイミダゾール0.2g/l水溶液に浸漬し、処理後乾燥させた。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層し、4 MPaの圧力、 170℃、60分間の条件でプレスし、成型した。
その銅張積層板の表面のレーザー加工性を調べ、その結果を表1に示す。
また、光沢面側の付着元素量を調べた結果も同じ表1に示す。
【0036】
実施例 (3)
予め未処理銅箔の粗面を粗面化した18μm 厚さの電解銅箔の光沢面を
の浴中で2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0037】
実施例 (4)
実施例(3) において、(C)浴の NiSO4・6 H2O を10g/l とし、光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、実施例(1) の(B)浴で光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0038】
実施例(5)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴において光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0039】
実施例(6)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0040】
実施例(7)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴で光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0041】
実施例(8)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を2A/dm2 10秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴において光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0042】
実施例(9)
実施例(5) において、あらかじめ未処理銅箔光沢面に粗面化処理した18μm の未処理銅箔粗面を(D) 浴で1.5A/dm2 12 秒間の陰極電解処理を行い、水洗後、実施例(1) の(B) 浴において粗面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面化処理面を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0043】
実施例(10)
実施例(1) において、 (A)浴の代わりに
の浴中で光沢面を3A/dm2 5秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の (B)浴において光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0044】
【比較例】
比較例(1)
実施例(1) において(A) 浴の代わりに
の浴中で光沢面を0.4A/dm23 秒間、陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴で光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
【0045】
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0046】
比較例(2)
比較例(1) の(I) 浴において陰極電解を1.2A/dm2 7秒間としたこと以外は全て同じ条件で処理を行った。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0047】
比較例(3)
実施例(1) において(A) 浴の代わりに
の浴中で光沢面を 1.2A/dm210秒間陰極電解し、水洗後、実施例(1) の(B) 浴で光沢面を0.5A/dm2 、2 秒間陰極電解し、水洗後乾燥した。
この銅箔の粗面側を被着面としてFR−4グレードのガラスエポキシ樹脂含浸基材に積層成型し、実施例(1) と同じ方法で表面のレーザー加工性、及び元素付着量を調べ、その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
実施例、比較例とも全て前述のとおり18μm 厚さである。
表1から、レーザー加工性において本発明銅箔は比較例よりも同じエネルギーで開孔径が大きく、また、低エネルギーで開孔できることがわかり、銅箔の直接レーザー加工性が優れていることは明らかである。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、以下のような効果がある。
(1) 銅張積層板の銅箔表面から直接炭酸ガスレーザー加工が可能であり、従来のものよりも加工性が良く、黒化処理などの煩雑な作業を不要とし、高密度プリント配線板製造に最適な銅箔を提供できる。
(2) 従来より薄い層を形成することで短時間の処理で済み、その点で銅箔製造において効率が高く、また使用者側においても不要な金属層を多く設けていないので環境負荷が少ない。
(3) この表面処理方法は実製造において導入が容易であり、量産製造が可能である。
Claims (2)
- 銅箔の少なくとも一方の面に100 〜1000mg/m2の鉄の被覆層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔。
- 銅箔の少なくとも一方の面に鉄とニッケル、コバルト、亜鉛、クロム、リンの中から選ばれる 1種以上の合金からなる100 〜1000mg/m2の被覆層を設けることを特徴とするレーザーダイレクト加工用銅箔。
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