JP2004307744A - 酸素捕捉性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素捕捉性能の優れた組成物を提供する。
【解決手段】キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を有効成分とする酸素捕捉性組成物。
【選択図】 無し
【解決手段】キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を有効成分とする酸素捕捉性組成物。
【選択図】 無し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素捕捉性組成物に関するものであり、酸素による金属の発錆防止、有機物およびゴムの酸化防止、あるいは腐敗防止、防虫、防カビなどを必要とする塗料、包装材等、種々の分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】
空気中に存在する酸素が金属を酸化したり、有機物およびゴムを酸化劣化させることは良く知られている。これらの障害を防ぐ手段としては、例えば、有機物およびゴムの場合であれば、フェノール化合物、アミノ化合物、硫黄化合物などのいわゆる、酸化防止剤を添加する方法が良く知られている。一方、金属の酸化を防ぐ方法としては、金属表面を酸化され難い他の金属、有機高分子材料、例えば、塗料、プラスチックフィルムなどで被覆することによって、物理的に水や酸素を遮断する方法、よりイオン化傾向の大きい金属で被覆して保護する方法などがとられている。
【0003】
上記目的のため使用される塗料として、アルキッド塗料、エポキシ樹脂塗料、ウレタン塗料、塩化ゴム塗料、アクリル塗料、有機系および無機系ジンクリッチペイントなどがあげられる。また、上記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニールなどがそれぞれ、単独あるいは組み合わせで用いられている。また酸素を遮断するための高分子材料、特に酸化を受け易い高分子材料に金属触媒を添加して酸素遮蔽効果を高める方法も開示されている(特許文献1参照。)。一方、特定の金属が酸素によって酸化されやすいことを利用して、これら金属を粉末状にして酸素透過性の低い材料でつくられた容器に入れて食品の保存、防虫、防カビなどの目的に利用されている。また、同様な目的に、特定のグリコールとアルカリ性化合物および遷移金属化合物からなる脱酸素剤も提案されている。
【0004】
上記のように、種々の産業分野における、酸素によってもたらされる障害を防ぐ数多くの手段が実用化され、提案されているが、それぞれ、解決すべき課題を有する。例えば、塗膜の酸素透過性と金属の酸化とは深い関係があることは良く知られているが、前述の金属を高分子材料で被覆する方法においては、従来技術の被覆剤では酸素の透過を充分防ぐことが出来ない。また、高分子材料以外では、有機カルボン酸、その塩、スルホン酸塩、アミン、アミドなどの錆止め剤を加えた油脂類を塗布して金属を防錆する方法も行われているが、錆止め剤の金属への吸着力が弱く長期の防錆効果は小さい。
【0005】
一方、食品を中心とする酸化劣化や細菌、カビなどの発生を防ぐ目的で酸素バリア性容器に鉄粉を主剤にした脱酸素剤を存在させて容器内を無酸素状態にする方法も知られているが、バリア材の酸素遮蔽効果が充分でないとか、脱酸素剤については水の併用が不可欠であるほか鉄粉による内容物の汚染が問題になる場合がある。特に酸化を受け易い高分子材料に金属触媒を添加して酸素遮蔽効果を高める方法は使用目的によっては、酸素の捕捉性能が十分でないという問題点があり、より高い酸素捕捉性能を有する組成物として、キシリレンジアミン、特定の金属化合物を含む酸素捕捉性組成物が開発された(特許文献2、3、4)。しかしこれらでも酸素捕捉性能は十分とはいえず、より酸素捕捉性能の優れる組成物が求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−500846号公報
【特許文献2】
特開平5−140555号公報
【特許文献3】
特開平6−306360号公報
【特許文献4】
特開平6−329952号公報
【0007】
【発明が開発しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、酸素捕捉性能の優れた組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のアミノ化合物を有効成分として含有する組成物は、著しく酸素捕捉性に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を有効成分とする酸素捕捉性組成物に関する発明である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を用いる。該アミノ化合物の具体例としては、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミン、N−フェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−パラキシリレンジアミン、等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を併用して使用しても良い。この中で特に好ましいのは、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミンである。
【0011】
本発明の、キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物は公知の方法により製造できる(特開2002−161076号公報参照。)。
【0012】
本発明で用いられる酸素捕捉性組成物は、遷移金属化合物、および/またはブロモ化合物を併用してもよい。遷移金属化合物としては、コバルト、マンガン、銅、鉄、ニッケル、ロジウム、等の遷移金属の酢酸塩、ステアリン酸塩、ナフテン酸塩、等のモノカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、およびキレート化合物などがあげられる。ブロモ化合物としては、臭化水素酸、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、臭化アンモニウム、臭化コバルト、および臭化マンガンなどが挙げられる。これらの遷移金属化合物および/またはブロモ化合物は単独で使用しても、2種類以上を併用して使用しても良く、全組成物中で、1〜10000質量ppmの範囲、好ましくは、10〜1000質量ppmの範囲で添加される。なお、本発明の酸素捕捉性組成物は、特定の配合方法により得られるものに限定されるものではなく、調整方法は組成物の性状によって若干異なるが、基本的には、遷移金属化合物、および/またはブロモ化合物の添加は別々であっても、それぞれ単独であっても良く、また、その添加順序も容易に選べる。
【0013】
本発明の組成物をポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニール、ポリビニルアセテート等の熱可塑性樹脂、または、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂に配合して使用することもでき、さらに本発明の組成物中に酸素との接触性、流動性の向上を図るため、および液体の担体として種々の無機・有機化合物を配合して使用することができる。
【0014】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されたものではない。
【0015】
製造例
撹拌装置、温度計、窒素導入管、滴下漏斗、冷却管を備えた2リットルフラスコに、活性水素当量が34のメタキシリレンジアミン(三菱ガス化学(株)製(分子量136.2))817.2g(6.0モル)とリチウムアミド(メルク社製、試薬)2.9g(0.13モル)を仕込み、窒素気流下、撹拌しながら80℃に昇温した。80℃に保ちながら、スチレン(和光純薬工業(株)製、試薬特級)625.2g(6.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間保った。その後、室温に冷却し、仕込んだリチウムアミドの10倍モル量の水23.4g(1.3モル)を添加して撹拌した。フラスコ内液中の沈殿物をろ過で分離後、減圧蒸留で水を留去し、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミンからなるアミノ化合物A1117.3gを得た。アミノ化合物Aの粘度は66mPa・s/25℃、活性水素当量は103であった。
【0016】
実施例1
アミノ化合物A2.92gを直径50mmのシャーレに秤りとり、酸素が透過しないようにアルミコーティングしたポリエチレン製の袋に入れ、ヒートシールし200mlの空気と一緒に閉じ込め96時間40℃に保存した。96時間経過後、アルミ袋内の酸素濃度を食品用ヘッドスペースO2分析計(PBI Dansensor社製、CheckMate9900)で測定し、およびアルミ袋内のガス容量を注射筒で測定することにより96時間保存での酸素の減少体積を算出した。測定結果を表1に示す。
【0017】
比較例1
アミノ化合物Aの替わりに、メタキシレンジアミン(アミノ化合物B)2.92gを用いた以外は実施例1と同様の方法で、酸素の吸収量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0018】
比較例2
アミノ化合物Aの替わりに、メタキシレンジアミン(アミノ化合物B)2.92gおよびステアリン酸コバルト0.0155g(コバルトとして500ppm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、酸素の吸収量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明の酸素捕捉性組成物は優れた酸素捕捉性を有し、酸素による金属の発錆防止、有機物およびゴムの酸化防止、あるいは腐敗防止、防虫、防カビなどを必要とする広い分野において、極めて有利に用いることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素捕捉性組成物に関するものであり、酸素による金属の発錆防止、有機物およびゴムの酸化防止、あるいは腐敗防止、防虫、防カビなどを必要とする塗料、包装材等、種々の分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】
空気中に存在する酸素が金属を酸化したり、有機物およびゴムを酸化劣化させることは良く知られている。これらの障害を防ぐ手段としては、例えば、有機物およびゴムの場合であれば、フェノール化合物、アミノ化合物、硫黄化合物などのいわゆる、酸化防止剤を添加する方法が良く知られている。一方、金属の酸化を防ぐ方法としては、金属表面を酸化され難い他の金属、有機高分子材料、例えば、塗料、プラスチックフィルムなどで被覆することによって、物理的に水や酸素を遮断する方法、よりイオン化傾向の大きい金属で被覆して保護する方法などがとられている。
【0003】
上記目的のため使用される塗料として、アルキッド塗料、エポキシ樹脂塗料、ウレタン塗料、塩化ゴム塗料、アクリル塗料、有機系および無機系ジンクリッチペイントなどがあげられる。また、上記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニールなどがそれぞれ、単独あるいは組み合わせで用いられている。また酸素を遮断するための高分子材料、特に酸化を受け易い高分子材料に金属触媒を添加して酸素遮蔽効果を高める方法も開示されている(特許文献1参照。)。一方、特定の金属が酸素によって酸化されやすいことを利用して、これら金属を粉末状にして酸素透過性の低い材料でつくられた容器に入れて食品の保存、防虫、防カビなどの目的に利用されている。また、同様な目的に、特定のグリコールとアルカリ性化合物および遷移金属化合物からなる脱酸素剤も提案されている。
【0004】
上記のように、種々の産業分野における、酸素によってもたらされる障害を防ぐ数多くの手段が実用化され、提案されているが、それぞれ、解決すべき課題を有する。例えば、塗膜の酸素透過性と金属の酸化とは深い関係があることは良く知られているが、前述の金属を高分子材料で被覆する方法においては、従来技術の被覆剤では酸素の透過を充分防ぐことが出来ない。また、高分子材料以外では、有機カルボン酸、その塩、スルホン酸塩、アミン、アミドなどの錆止め剤を加えた油脂類を塗布して金属を防錆する方法も行われているが、錆止め剤の金属への吸着力が弱く長期の防錆効果は小さい。
【0005】
一方、食品を中心とする酸化劣化や細菌、カビなどの発生を防ぐ目的で酸素バリア性容器に鉄粉を主剤にした脱酸素剤を存在させて容器内を無酸素状態にする方法も知られているが、バリア材の酸素遮蔽効果が充分でないとか、脱酸素剤については水の併用が不可欠であるほか鉄粉による内容物の汚染が問題になる場合がある。特に酸化を受け易い高分子材料に金属触媒を添加して酸素遮蔽効果を高める方法は使用目的によっては、酸素の捕捉性能が十分でないという問題点があり、より高い酸素捕捉性能を有する組成物として、キシリレンジアミン、特定の金属化合物を含む酸素捕捉性組成物が開発された(特許文献2、3、4)。しかしこれらでも酸素捕捉性能は十分とはいえず、より酸素捕捉性能の優れる組成物が求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−500846号公報
【特許文献2】
特開平5−140555号公報
【特許文献3】
特開平6−306360号公報
【特許文献4】
特開平6−329952号公報
【0007】
【発明が開発しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、酸素捕捉性能の優れた組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のアミノ化合物を有効成分として含有する組成物は、著しく酸素捕捉性に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を有効成分とする酸素捕捉性組成物に関する発明である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を用いる。該アミノ化合物の具体例としては、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミン、N−フェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−パラキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−パラキシリレンジアミン、等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を併用して使用しても良い。この中で特に好ましいのは、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミンである。
【0011】
本発明の、キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物は公知の方法により製造できる(特開2002−161076号公報参照。)。
【0012】
本発明で用いられる酸素捕捉性組成物は、遷移金属化合物、および/またはブロモ化合物を併用してもよい。遷移金属化合物としては、コバルト、マンガン、銅、鉄、ニッケル、ロジウム、等の遷移金属の酢酸塩、ステアリン酸塩、ナフテン酸塩、等のモノカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、およびキレート化合物などがあげられる。ブロモ化合物としては、臭化水素酸、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、臭化アンモニウム、臭化コバルト、および臭化マンガンなどが挙げられる。これらの遷移金属化合物および/またはブロモ化合物は単独で使用しても、2種類以上を併用して使用しても良く、全組成物中で、1〜10000質量ppmの範囲、好ましくは、10〜1000質量ppmの範囲で添加される。なお、本発明の酸素捕捉性組成物は、特定の配合方法により得られるものに限定されるものではなく、調整方法は組成物の性状によって若干異なるが、基本的には、遷移金属化合物、および/またはブロモ化合物の添加は別々であっても、それぞれ単独であっても良く、また、その添加順序も容易に選べる。
【0013】
本発明の組成物をポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニール、ポリビニルアセテート等の熱可塑性樹脂、または、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂に配合して使用することもでき、さらに本発明の組成物中に酸素との接触性、流動性の向上を図るため、および液体の担体として種々の無機・有機化合物を配合して使用することができる。
【0014】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されたものではない。
【0015】
製造例
撹拌装置、温度計、窒素導入管、滴下漏斗、冷却管を備えた2リットルフラスコに、活性水素当量が34のメタキシリレンジアミン(三菱ガス化学(株)製(分子量136.2))817.2g(6.0モル)とリチウムアミド(メルク社製、試薬)2.9g(0.13モル)を仕込み、窒素気流下、撹拌しながら80℃に昇温した。80℃に保ちながら、スチレン(和光純薬工業(株)製、試薬特級)625.2g(6.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間保った。その後、室温に冷却し、仕込んだリチウムアミドの10倍モル量の水23.4g(1.3モル)を添加して撹拌した。フラスコ内液中の沈殿物をろ過で分離後、減圧蒸留で水を留去し、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミンからなるアミノ化合物A1117.3gを得た。アミノ化合物Aの粘度は66mPa・s/25℃、活性水素当量は103であった。
【0016】
実施例1
アミノ化合物A2.92gを直径50mmのシャーレに秤りとり、酸素が透過しないようにアルミコーティングしたポリエチレン製の袋に入れ、ヒートシールし200mlの空気と一緒に閉じ込め96時間40℃に保存した。96時間経過後、アルミ袋内の酸素濃度を食品用ヘッドスペースO2分析計(PBI Dansensor社製、CheckMate9900)で測定し、およびアルミ袋内のガス容量を注射筒で測定することにより96時間保存での酸素の減少体積を算出した。測定結果を表1に示す。
【0017】
比較例1
アミノ化合物Aの替わりに、メタキシレンジアミン(アミノ化合物B)2.92gを用いた以外は実施例1と同様の方法で、酸素の吸収量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0018】
比較例2
アミノ化合物Aの替わりに、メタキシレンジアミン(アミノ化合物B)2.92gおよびステアリン酸コバルト0.0155g(コバルトとして500ppm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、酸素の吸収量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明の酸素捕捉性組成物は優れた酸素捕捉性を有し、酸素による金属の発錆防止、有機物およびゴムの酸化防止、あるいは腐敗防止、防虫、防カビなどを必要とする広い分野において、極めて有利に用いることができる。
Claims (2)
- キシリレンジアミンにスチレンを付加したアミノ化合物を有効成分とする酸素捕捉性組成物。
- アミノ化合物が、N−フェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N’−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N−ジフェネチル−メタキシリレンジアミン、N,N,N’−トリフェネチル−メタキシリレンジアミン、およびN,N,N’,N’−テトラフェネチル−メタキシリレンジアミンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載の酸素捕捉性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003106440A JP2004307744A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 酸素捕捉性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003106440A JP2004307744A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 酸素捕捉性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004307744A true JP2004307744A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33468629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003106440A Pending JP2004307744A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 酸素捕捉性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004307744A (ja) |
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2003
- 2003-04-10 JP JP2003106440A patent/JP2004307744A/ja active Pending
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