JP2004307289A - 結晶製造方法 - Google Patents

結晶製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004307289A
JP2004307289A JP2003104797A JP2003104797A JP2004307289A JP 2004307289 A JP2004307289 A JP 2004307289A JP 2003104797 A JP2003104797 A JP 2003104797A JP 2003104797 A JP2003104797 A JP 2003104797A JP 2004307289 A JP2004307289 A JP 2004307289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
transmittance
laser
wavelength
fluorescence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003104797A
Other languages
English (en)
Inventor
Keita Sakai
啓太 酒井
Tamakazu Yogo
瑞和 余語
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003104797A priority Critical patent/JP2004307289A/ja
Priority to US10/819,874 priority patent/US20040200405A1/en
Publication of JP2004307289A publication Critical patent/JP2004307289A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B11/00Single-crystal growth by normal freezing or freezing under temperature gradient, e.g. Bridgman-Stockbarger method
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/10Inorganic compounds or compositions
    • C30B29/12Halides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

【課題】内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することができる結晶製造方法を提供する。
【解決手段】結晶性物質の原料と脱酸素剤を混合して融解し、次いで固化することで前記原料の精製品を精製するステップと、前記精製ステップで精製された前記精製品に含まれる酸素の残留量を管理するステップと、前記管理ステップで管理された前記精製品を融解し、次いで結晶成長させるステップとを有することを特徴とする結晶製造方法を提供する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、結晶製造方法に係り、特に、真空紫外域から遠紫外光までの短波長範囲において用いられる各種光学素子、レンズ、露光装置に好適なフッ化カルシウム(CaF)結晶の結晶製造方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求は益々高くなっており、かかる要求を満足するために露光解像度を高める提案が様々なされている。露光光源の波長を短くすることは解像度の向上に有効な一手段であるため、近年では、露光光源はKrFエキシマレーザー(波長約248nm)からArFエキシマレーザー(波長約193nm)になろうとしており、Fレーザー(波長157nm)の実用化も進んでいる。
【0003】
しかし、光源の短波長化に伴い、従来の硝材のほとんどが透過率不足のため使用することができなくなる。ArFエキシマレーザーの波長域では、かろうじて石英ガラス(SiO)を使用することができるが、Fレーザーの波長域では、石英ガラスさえも使用することができず、フッ化カルシウム(CaF)結晶のみで光学系を構成することになる。従って、ArFエキシマレーザーやFレーザーを光源とする露光装置の性能向上のためには、良質なフッ化カルシウム結晶が必要不可欠となる。
【0004】
光学材料の光学特性を評価するパラメーターとしては、内部透過率、レーザー光を継続的に受光した場合の透過率変化を表すレーザー耐久性、レンズの屈折率が場所によって一定であることを表す屈折率均質性(ホモジニティー)、複屈折率及び加工(又は研磨)性などがあり、露光装置に用いられるフッ化カルシウム結晶には高い品質が要求される。例えば、内部透過率が低い場合、露光光がウェハに達するまでに減衰してしまい、十分な照度を得ることができない。また、レーザー光を吸収することによって温度上昇に伴う屈折率変化が生じ、結果として結像性能の劣化を招いてしまう。このように、内部透過率が低い場合、スループットの悪化や解像性能の劣化が生じるため、フッ化カルシウム結晶には10mm厚当たり99%以上といった高い内部透過率が要求されている。
【0005】
高い内部透過率を有するフッ化カルシウム結晶を実現するためには、フッ化カルシウム中の不純物を可能な限り排除することが重要である。特に、イットリウムやセリウムなどの希土類、鉄やマンガンなどの遷移金属が残留すると内部透過率の低下やレーザー照射による透過率の低下(レーザー耐久性の低下)を引き起こすことが知られている。現在、これらの不純物については原料段階で十分に除去しているため、希土類や遷移金属などによる内部透過率の低下は最小限に抑えられている。
【0006】
一方、原料段階で十分に不純物を排除しても製造工程中に混入する不純物が存在する。水分が原因として生じるフッ化カルシウムの酸化、かかる酸化を防止する目的で混入する脱酸素剤の残留が主な不純物である。酸化、即ち、酸素が残留することにより、特に、160nm以下の波長域で大きな吸収が生じ、また、脱酸素剤に通常使用されるフッ化鉛やフッ化亜鉛が残留することにより、内部透過率やレーザー耐久性が低下することがわかっている。つまり、良好な内部透過率やレーザー耐久性を実現するためには、還元反応を十分に行って酸化を防止すると共に、脱酸素剤の添加量も必要十分な量に抑えて残留を防止することが重要である。
【0007】
また、製造工程中に酸素や脱酸素剤が残留していないことを検査する工程管理についても検討しなければならない。露光装置用のフッ化カルシウム結晶は、一般的に、嵩密度を上げ不純物を除去するために原料を精製する精製工程、精製工程によって作られたフッ化カルシウムのブロックを2次原料として最終的な結晶を成長させる成長工程、成長工程によって結晶化されたフッ化カルシウムの歪を除去するアニール工程の3つの工程を経て製造される。かかる3つの工程には、脱酸素剤が使用されるため、全ての工程において酸化や脱酸素剤の残留が起きる可能性があり、工程間で酸化と脱酸素剤の残留の検査を行う必要がある。但し、均質性向上を目的とするアニール工程は、使用用途によって省く場合があり、また、成長工程後連続的に成長炉内でアニール処理を行う場合もある。このような場合には、成長工程とアニール工程の間の検査は不要となり、精製工程と成長工程の間の検査をするだけでよい。
【0008】
工程間の酸化や脱酸素剤の残留の検査方法としては、元素分析を用いた手法がこれまでに提案されている(例えば、特許文献1乃至4参照。)。これは、脱酸素剤を構成する金属元素に着目し、かかる金属元素の定量分析を工程間で実施することにより工程管理を行う手法である。例えば、脱酸素剤としてフッ化鉛を使用する場合には、工程間で鉛の定量分析を実施し、所定の濃度を越えないように管理している。このように、不純物の定量分析を用いて工程管理をすることにより、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れたフッ化カルシウム結晶を安定的に製造することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−119097号公報
【特許文献2】
特開2000−119098号公報
【特許文献3】
特開2001−072495号公報
【特許文献4】
特開2002−255687号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、定量分析は、時間的及びコスト的な負荷が大きいという問題がある。定量分析にICP−MS(Inductively Coupled Plasma − Mass Spectrometor:誘導結合プラズマ質量分析装置)やICP−AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometor:誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いる場合、装置の導入コストが高く、また、外部に分析委託したとしても高い費用が発生する。また、試料を分析する際には、試料を粉砕し溶液状態にしなければならず、大量の試料を分析することを考えると時間的な問題も大きい。一方、蛍光X線分析等の比較的簡単な分析方法を用いることで時間的及びコスト的な問題は軽減されるが、微量の不純物を正確に定量分析することができないため、工程管理面では不十分である。
【0011】
更に、定量分析では酸化を判断することができないという問題もある。各工程は、脱酸素剤の残留という方向に振れてしまう場合だけではなく、逆に、脱酸素剤が足りずに酸化する方向に振れてしまう場合もある。かかる場合には、金属元素が検出されなくても酸化による透過率低下やレーザー耐久性の低下が生じてしまう。また、酸素の定量分析を導入しようとしても微量な酸素の定量分析は難しく、燃焼法、放射化分析及びSIMS(Secondary Ion MassSpectrometer:2次イオン質量分析装置)などで分析しても正確に検出することは困難である。
【0012】
そこで、本発明は、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することができる結晶製造方法を提供することを例示的目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての結晶製造方法は、結晶性物質の原料と脱酸素剤を混合して融解し、次いで固化することで前記原料の精製品を精製するステップと、前記精製ステップで精製された前記精製品に含まれる酸素の残留量を管理するステップと、前記管理ステップで管理された前記精製品を融解し、次いで結晶成長させるステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての結晶製造方法について説明する。なお、各図において同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
本発明者は、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することができる結晶製造方法を提供するにあたり、結晶の製造工程(即ち、精製工程、成長工程、アニール工程等)における工程管理について鋭意検討した結果、不純物の定量分析以外の方法によって工程管理を行うことが可能であることを見出した。
【0017】
第1の方法は、透過率の評価を用いた工程管理である。フッ化カルシウムが酸化した場合又はフッ化カルシウムに脱酸素剤が残留した場合、紫外から真空紫外域の透過率が低下することが知られている。そこで、各工程間において透過率を評価することにより、良品のみを次の工程に用いるような工程管理を行うことが可能である。
【0018】
透過率の評価サンプルは、大口径の現品であっても、かかる大口径の現品から切り出した小片でも構わない。大口径の現品の透過率を評価することの利点は、小片を切り出す必要がないため製品の寸法が小さくならない点である。また、大口径の現品の中で品質に分布があるような場合にも有効である。但し、大口径の現品の透過率を評価する場合、表面付近を研削及び研磨する必要があるため、工程管理がない場合に比べて作業負荷が大幅に増えてしまう。
【0019】
一方、切り出した小片で透過率の評価をする利点は、扱いが簡単な点、サンプルを保管しておくことで不測の事態が生じた際に再度透過率の評価をすることが可能な点である。また、小片の場合、表面は劈開面でも研磨面でも構わず、劈開品であれば研磨する必要がないという利点もある。但し、劈開面のサンプルの透過率を評価する場合には、サンプルの挿入位置が積分球の直前になるような分光光度計を用いることが好ましい。
【0020】
透過率の評価は、120nm乃至300nmの波長範囲で実施することが好ましいが、かかる波長範囲の中であれば、例えば、135nmなどの単一波長であっても構わない。特に、サンプルの表面が研磨され、且つ、内部に泡のない状態であれば、単一波長による透過率の測定は測定時間短縮のために有効である。しかし、精製品の多くは内部に泡を含むため、長波長側の透過率、例えば、波長300nmの透過率を100%として、300nm以下の波長域の透過率を規格化することが望ましい。かかる規格化により、泡による散乱ロスとフッ化カルシウム結晶の内部吸収を概略分離することが可能である。
【0021】
第2の方法は、高エネルギー線の照射による透過率の低下量の評価を用いた工程管理である。フッ化カルシウムが酸化した場合又はフッ化カルシウムに脱酸素剤が残留した場合、ArFエキシマレーザーやFレーザー等の紫外線、又は、X線やγ線等の放射線を照射することにより透過率が低下することが知られている。そこで、各工程間において高エネルギー線の照射による透過率の低下量、換言すれば、高エネルギー線耐久性を評価することにより、良品のみを次の工程に用いるような工程管理を行うことが可能である。
【0022】
高エネルギー線耐久性の評価サンプルは、上述した透過率の評価サンプルと同様に、大口径の現品であっても、かかる大口径の現品から切り出した小片でも構わない。大口径の現品の中で特性に分布がある場合、特に、外周部よりも中心部において酸化や脱酸素剤の残留が顕著な場合には、大口径の現品を評価することが好ましい。逆に、大口径の現品の中で特性に分布がない場合、又は、大口径の現品の中で特性に分布があっても中心部より外周部において酸化や脱酸素剤の残留が顕著な場合には、外周部から小片を切り出して、かかる小片を評価することが好ましい。特に、サンプルの挿入位置が積分球の直前に位置する分光光度計がある場合には、劈開面でも測定が可能であるため研磨の必要がなく、検査コストを低減することができる点で好ましい。
【0023】
高エネルギー線の種類によって評価の方法は様々だが、高エネルギー線の照射後の透過率を分光光度計で測定する方法が最も簡単である。不純物を含むフッ化カルシウム結晶に高エネルギー線を照射した場合、200nm以上700nm以下の波長範囲に吸収帯が現れる。逆に、高エネルギー線を照射しても、200nm以上700nm以下の波長範囲に吸収帯が現れないフッ化カルシウム結晶は、真空紫外域でも透過率の低下はみられない。200nm以上の波長であれば、透過率の測定雰囲気も大気中でよく、測定も短時間で終了する。従って、多くのサンプルを評価しなければならない工程管理として好ましい。
【0024】
また、ArFエキシマレーザー、Fレーザー、Arレーザー等の紫外線レーザーを高エネルギー線として用いる場合には、サンプルに高エネルギー線を照射しながら、サンプル前後の光量を測定し、その比率の変化から透過率の低下量を評価することもできる。これは、実際にレンズとして使用する際の露光光に対する耐久性を直接的に評価することができるため信頼性が高い。但し、サンプルの表面が研磨面であることが必要であり、且つ、評価装置の導入コスト及びレーザーのランニングコストが膨大なものとなるため、工程管理に導入するにはコスト面での負担が大きい。
【0025】
第3の方法は、紫外線の照射によって発生する蛍光の評価を用いた工程管理である。フッ化カルシウム結晶にArFエキシマレーザーやFレーザーを照射すると蛍光が観測されるが、かかる蛍光特性からフッ化カルシウムの酸化や脱酸素剤の残留を判断できることが知られている。そこで、各工程間において紫外線を励起光とした分光蛍光を評価することにより、良品のみを次の工程に用いるような工程管理を行うことが可能である。
【0026】
蛍光の評価サンプルは、上述した透過率の評価サンプル及び高エネルギー線耐性の評価サンプルと同様に、大口径の現品であっても、かかる大口径の現品から切り出した小片でも構わない。大口径の現品の中で特性に分布がある場合、特に、外周部よりも中心部において酸化や脱酸素剤の残留が顕著な場合には、大口径の現品を評価することが好ましい。逆に、大口径の現品の中で特性に分布がない場合、又は、大口径の現品の中で特性に分布があっても中心部より外周部において酸化や脱酸素剤の残留が顕著な場合には、外周部から小片を切り出して、かかる小片を評価することが好ましい。特に、蛍光の評価の場合には、フッ化カルシウム結晶固有の蛍光ピーク(蛍光強度)を用いて他の蛍光ピークを規格化することが可能であるため、劈開面であっても高精度に評価することができる。また、研磨工程を省くことができ、検査コストを低減することができる点で好ましい。
【0027】
蛍光の評価には、ArFエキシマレーザーやFレーザーを用いるが、一般に、励起光をFレーザーとした方が多くの情報を得られる。Fレーザーを励起光として用いた場合、酸化傾向である場合には波長320nmや波長370nmに蛍光ピークが強く現れる。一方、脱酸素剤として使用するフッ化鉛の鉛が残留した場合には波長225nmに蛍光ピークが現れる。脱酸素剤として使用するフッ化亜鉛の亜鉛が残留した場合には波長490nm又は225nmに蛍光ピークが現れる。また、フッ化カルシウム結晶固有のエキシントンの蛍光ピークが波長280nmに現れるため、波長280nmの蛍光ピークを1として他の蛍光ピーク規格化することにより、サンプルの形状によらず安定的な評価が可能となる。但し、励起光がArFエキシマレーザーやFレーザーの場合、波長280nmの蛍光ピークは照射エネルギー密度の2乗に比例して強くなるが、他の蛍光ピークは1乗に比例して強くなるため、レーザーの照射エネルギー密度を変えて蛍光の測定を行う際には注意が必要である。
【0028】
蛍光の評価は、劈開面の小片であっても十分な評価が可能であること、及び、測定が短時間で終わることが利点として挙げられる。一方、レーザーを使用するため、評価装置の導入コスト及びランニングコストの面では負担が大きい。
【0029】
以上のように、透過率の評価、高エネルギー線耐久性の評価及び蛍光の評価を用いることにより、確実な工程管理を行うことが可能であり、結果として、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することができる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて本発明をより詳細に説明する。
【0031】
【実施例1】
透過率の評価を工程管理の手段として用いることを特徴とする第1の実施例を説明する。
【0032】
粉末のフッ化カルシウムの原料CMを脱酸素剤と混合し、図1に示すような精製炉100を用いて精製した。精製炉100においては、原料CMを収納する坩堝110が、チャンバー120及び断熱部材130によって画定された炉室GFに収納され、ヒーター140によって坩堝110の周囲から加熱される。また、精製炉100は、炉室GFを減圧又は真空環境に維持する排気部150を備えている。ここで、図1は、結晶性物質の原料を精製する精製工程に使用される精製炉100の概略ブロック図である。
【0033】
精製炉100は、動作において、炉室GFを排気部150を用いて減圧又は真空にし、ヒーター140により坩堝110を介して原料CMをフッ化カルシウムの融点以上(1390℃乃至1450℃)まで加熱して融解する。次いで、ヒーター140からの加熱をとめて融解した原料CMを冷却することでブロック状の多結晶(精製品)が精製されることが理解されるであろう。
【0034】
ブロック状の多結晶(精製品)の端部を一部砕いて10mm厚程度の劈開品を取り出した。ここで、劈開品とは、平行な2面が劈開面で形成されている小片である。かかる劈開面は、通常の研磨面と比べると傷は多いが、若干の表面散乱を除けば透過率の測定には支障のない表面である。
【0035】
この劈開品の表面をアルコール類で洗浄した後、オゾン洗浄等のドライ洗浄を施し、真空紫外光の波長域まで測定できる図示しない分光光度計に設置して透過率の測定を行った。なお、図示しない分光光度計は積分球を有しており、劈開品の表面(サンプル)は積分球の直前に位置するように設置される。
【0036】
図2に劈開品の分光透過率の測定結果の一例を示す。同図は、横軸に120nm乃至200nmの範囲の波長を、縦軸に波長200nmの透過率を100%として規格化した透過率を採用している。このように、波長200nmの透過率で規格化した理由は、散乱成分と吸収成分を分離するためである。特に、精製品には、泡が混入していることが多いため、規格化をするとわかりやすい。また、透過率の規格化は、波長200nmの透過率でなくても、例えば、波長300nmの透過率であっても構わない。
【0037】
図2を参照するに、透過率から、精製品を酸化品、鉛残留品、亜鉛残留品、良品に判別することができる。良品以外の精製品を次の成長工程に用いた場合、精製工程の状態を引き継ぐために良好な透過率を得ることができない。従って、良品の精製品を選択し、選択された良品の精製品のみを成長工程に用いることが工程管理上重要である。なお、精製品の良品基準は、波長200nmの透過率を100%として規格化した場合、波長135nmでの透過率が10mm厚当たり70%以上、好ましくは85%以上である。但し、かかる良品基準は一例であり、着目する波長は135nm以外でもよく、透過率の基準も上記値に限定されないことは言うまでもなく、フッ化カルシウム結晶に要求される仕様に応じて、最適な良品基準を設定すればよい。
【0038】
以上のような透過率の評価を用いて精製品の工程管理を行うことにより、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することが可能となる。
【0039】
【実施例2】
透過率の評価を工程管理の手段として用いることを特徴とする第2の実施例を説明する。
【0040】
ブロック状の精製品RMを脱酸素剤と混合し、図3に示すような結晶成長炉200を用いて結晶成長を行った。結晶成長炉200においては、精製品RMを収納する坩堝210が引き下げ機構260によって昇降可能に支持されると共に、チャンバー220及び断熱部材230によって画定された炉室GFに収納され、ヒーター240によって坩堝210の周囲から加熱される。また、結晶成長炉200は、炉室GFを減圧又は真空環境に維持する排気部250を備えている。ここで、図3は、結晶性物質の精製品を結晶成長する成長工程に使用される成長炉200の概略ブロック図である。
【0041】
結晶製造炉200は、動作において、炉室GFを排気部250を用いて減圧又は真空にし、ヒーター240により坩堝210を介して精製品RMをフッ化カルシウムの融点以上(1390℃乃至1450℃)まで加熱して融解する。次いで、引き下げ機構260を介して0.1乃至5mm/hr程度の速度で坩堝210を下降させる。フッ化カルシウムの融点以下の位置まで坩堝210が下降すると単結晶が順次成長することが理解されるであろう。
【0042】
結晶成長させた単結晶を坩堝210から取り出し、50mm厚の円柱形状となるように切断して両面を研磨した後、大口径結晶の透過率を測定可能な図示しない分光光度計を用いて透過率の測定を行った。
【0043】
図4に精製品を結晶成長させて得た結晶の分光透過率の測定結果の一例を示す。同図は、横軸に120nm乃至200nmの範囲の波長を、縦軸に波長200nmの透過率を100%として規格化した透過率を採用している。また、各測定結果は、結晶内の外周部4点及び中心部1点の合計5点の測定位置のうち、最も透過率が低かった測定位置の分光透過率である。
【0044】
図4を参照するに、実施例1と同様に、透過率から、結晶を酸化品、鉛残留品、亜鉛残留品、良品に判別することができる。良品以外の結晶を次のアニール工程に用いてもアニール工程で透過率が改善されることはない(即ち、成長工程の状態を引き継ぐ)ため、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を製造することはできない。従って、良品の結晶を選択し、選択された良品の結晶のみをアニール工程に用いることが工程管理上重要である。なお、結晶の良品基準は、波長200nmの透過率を100%として規格化した場合、波長135nmでの透過率が10mm厚当たり80%以上、好ましくは90%以上である。但し、かかる良品基準は一例であり、着目する波長は135nm以外でもよく、透過率の基準も上記値に限定されないことは言うまでもなく、フッ化カルシウム結晶の要求される仕様に応じて、最適な良品基準を設定すればよい。
【0045】
以上のような透過率の評価を用いて結晶成長させた結晶の工程管理を行うことにより、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することが可能となる。
【0046】
【実施例3】
高エネルギー線の照射による透過率の低下量の評価を工程管理の手段として用いることを特徴とする第3の実施例を説明する。
【0047】
粉末のフッ化カルシウムの原料CMを脱酸素剤と混合し、図1に示すような精製炉100を用いて、高温で融解した後に冷却してブロック状の多結晶(精製品)を精製した。ブロック状の多結晶(精製品)の端部を一部砕いて10mm厚程度の劈開品を取り出した。
【0048】
この劈開品を、レーザーを照射するためのチャンバー内に設置し、10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーを10パルスの条件で照射した。Fレーザーを照射した後、紫外可視分光光高度計によって透過率の測定を行った。なお、紫外可視分光光度計は積分球を有しており、劈開品(サンプル)は積分球の直前に位置するように設置される。
【0049】
図5にFレーザーを照射した後の劈開品の分光透過率の測定結果の一例を示す。同図は、横軸に250nm乃至800nmの範囲の波長を、縦軸に透過率を採用している。
【0050】
図5を参照するに、良好な精製品(良品)は、Fレーザーを照射した後もほとんど吸収帯が現れないが、酸化又は脱酸素剤が残留したとみられる精製品(不良品)には波長380nmや波長600nm付近に強い吸収ピークが現れる。レーザーの照射によって透過率が低下した精製品を次の成長工程に用いた場合、成長工程でも精製工程の状態を引き継ぐために良好な透過率を得ることができない。従って、良品の精製品を選択し、選択された良品の精製品のみを成長工程に用いることが工程管理上重要である。なお、精製品の良品基準は、10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーを10パルス以上照射したとき、250nm以上800nm以下の波長域において、10mm厚当たりの透過率の低下量が最大2%以下である。但し、かかる良品基準は一例であり、照射するエネルギー線の種類や照射条件は上記のものでなくてもよい。また、透過率の低下量についても上記値に限定されないことは言うまでもなく、フッ化カルシウム結晶に要求される仕様に応じて、最適な良品基準を設定すればよい。なお、FレーザーやArFエキシマレーザーを照射したときの透過率の低下量と照射するレーザーのエネルギー密度との間には明確な相関関係はない。かかる関係は、精製品に含まれる不純物の種類や入り方によって変化するため、製品としてフッ化カルシウム結晶が利用される際の実状に即した照射条件とすることが望ましい。
【0051】
以上のような高エネルギー線の照射による透過率の低下量の評価を用いて精製品の工程管理を行うことにより、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することが可能となる。
【0052】
【実施例4】
高エネルギー線の照射による透過率の低下量の評価を工程管理の手段として用いることを特徴とする第4の実施例を説明する。
【0053】
ブロック状の精製品RMを脱酸素剤と混合し、図3に示すような結晶成長炉200を用いて、高温で融解した後に坩堝210を降下させて冷却して単結晶を結晶成長させた。結晶成長させた単結晶を坩堝210から取り出し、50mm厚の円柱形状となるように切断して両面を研磨した。研磨面を洗浄後、大口径結晶の透過率を測定可能な分光光度計を用いて、波長157nmの透過率を測定した。
【0054】
次いで、この結晶を、レーザーを照射するためのチャンバー内に設置し、10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーを10パルスの条件で結晶内の外周部4点及び中心部1点の合計5点に照射した。Fレーザーを照射した後、大口径結晶の透過率を測定可能な分光光度計を用いて、波長157nmの透過率を再度測定した。
【0055】
図6にFレーザーを照射した後の透過率の低下量による結晶の評価結果の一例を示す。同図に示す透過率の低下量は、波長157nmにおける値であり、10mm厚当たりの透過率の低下量に換算してある。
【0056】
図6を参照するに、良品の結晶では透過率がほとんど低下していないのに対して、酸化又は脱酸素剤の残留した結晶の透過率は低下していることがわかる。良品以外の結晶(即ち、レーザーの照射によって透過率が低下した結晶)を次のアニール工程に用いてもアニール工程で透過率が改善させることはなく、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を製造することはできない。従って、良品の結晶を選択し、選択された良品の結晶のみをアニール工程に用いることが工程管理上重要である。なお、結晶の良品基準は、波長157nmの透過率の低下量が10mm厚当たり0.4%以下、好ましくは0.2%以下である。但し、かかる良品基準は一例であり、照射するエネルギー線の種類や照射条件は上記のものでなくてもよい。また、透過率の低下量についても上記値に限定されないことは言うまでもなく、フッ化カルシウム結晶に要求される仕様に応じて、最適な良品基準を設定すればよい。
【0057】
酸化と脱酸素剤の残留は、双方とも透過率の低下及びレーザー耐久性の低下を引き起こす。しかし、酸化の場合には、透過率は大きく低下するが、レーザー耐久性はそれほど低下しないことがわかっている。同様に、脱酸素剤の残留の場合には、透過率はそれほど低下しないが、レーザー耐久性が大きく低下することがわかっている。従って、高エネルギー線の照射による透過率の低下量の評価によれば、実施例2において説明した透過率の評価よりも高い感度で脱酸素剤の残留を見知することができる。
【0058】
以上のような高エネルギー線の照射による透過率の低下量の評価を用いて結晶成長させた結晶の工程管理を行うことにより、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することができる。
【0059】
【実施例5】
紫外線の照射によりフッ化カルシウム結晶から発せられる蛍光の評価を工程管理の手段として用いることを特徴とする第5の実施例を説明する。
【0060】
粉末のフッ化カルシウムの原料CMを脱酸素剤と混合し、図1に示すような精製炉100を用いて、高温で融解した後に冷却してブロック状の多結晶(精製品)を精製した。ブロック状の多結晶(精製品)の端部を一部砕いて10mm厚程度の劈開品を取り出した。
【0061】
次いで、図7に示すような蛍光測定装置300を用いて、劈開品(精製品)に10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーを照射しながら、蛍光を測定した。図7は、紫外線の照射によりフッ化カルシウム結晶から発せられる蛍光を測定する蛍光測定装置300の一例を示す概略ブロック図である。
【0062】
蛍光測定装置300において、310はFレーザーなどの紫外線を照射する光源であり、レーザーを照射するためのチャンバー330内に設置された精製品に光束整形光学系320を介してFレーザーを照射する。Fレーザーの照射により精製品から発せられた蛍光は、受光プローブ340及び光ファイバー350を介して分光測定部360に達し、分光測定部360において蛍光の波長スペクトルが測定される。測定された波長スペクトルは制御部370に送信され、制御部370において時間積分され、各波長の蛍光強度が得られる。
【0063】
図8にFレーザーの照射により劈開品から発せられた蛍光の測定結果の一例を示す。同図は、横軸に200nm乃至600nmの範囲の波長を、縦軸にフッ化カルシウム結晶固有のピークである波長280nmの蛍光強度を1として規格化した蛍光強度を採用している。
【0064】
図8を参照するに、酸化した精製品は、良品の精製品と比較して、波長320nmや波長370nmの蛍光強度が高い。一方、脱酸素剤として使用するフッ化鉛の鉛やフッ化亜鉛の亜鉛が残留した場合には、波長225nmや波長490nmに蛍光強度が現れる。
【0065】
このように、蛍光強度に着目することで、酸化や脱酸素剤の残留した精製品を不良と判別することができる。酸化や脱酸素剤の残留した精製品を次の成長工程に用いた場合、結晶成長された結晶も精製工程の状態を引き継ぐために良好な結晶を得ることができない。従って、良品の精製品を選択し、選択された良品の精製品のみを成長工程に用いることが工程管理上重要である。なお、精製品の良品基準は、10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーの照射による波長280nmの蛍光強度を1として規格化した場合において、波長320nm及び370nmの蛍光の相対強度が5以下、波長225nmの蛍光の相対強度が2以下、波長490nm以下の蛍光の相対強度が1以下である。但し、かかる良品基準は一例であり、照射する紫外線の種類や照射条件は上記のものでなくてもよい。また、蛍光の相対強度についても上記値に限定されないことは言うまでもなく、フッ化カルシウム結晶に要求される仕様に応じて、最適な良品基準を設定すればよい。
【0066】
以上のような紫外線励起によって発せられる蛍光の評価を用いて精製品の工程管理を行うことにより、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することができる。
【0067】
【実施例6】
紫外線の照射によりフッ化カルシウム結晶から発せられる蛍光の評価を工程管理の手段として用いることを特徴とする第6の実施例を説明する。
【0068】
ブロック状の精製品RMを脱酸素剤と混合し、図3に示すような結晶成長炉200を用いて、高温で融解した後に坩堝210を降下させて冷却して単結晶を結晶成長させた。結晶成長させた単結晶を坩堝210から取り出し、50mm厚の円柱形状となるように切断して両面を研磨した。
【0069】
次いで、図9に示すような蛍光測定装置400を用いて、結晶内の外周部4点及び中心部1点の合計5点に10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーを照射しながら、蛍光を測定した。図9は、紫外線の照射によりフッ化カルシウム結晶から発せられる蛍光を測定する蛍光測定装置400の一例を示す概略ブロック図である。
【0070】
蛍光測定装置400において、410はFレーザーなどの紫外線を照射する光源であり、ステージ430上に設置された結晶に光束整形光学系420を介してFレーザーを照射する。ステージ430を駆動することで、Fレーザーが照射される結晶の位置(即ち、結晶内の外周部4点及び中心部1点)を変えることができる。Fレーザーの照射により精製品から発せられた蛍光は、受光プローブ440及び光ファイバー450を介して分光測定部460に達し、分光測定部460において蛍光の波長スペクトルが測定される。測定された波長スペクトルは制御部470に送信され、制御部470において時間積分され、各波長の蛍光強度が得られる。
【0071】
図10にFレーザーの照射により精製品を結晶成長させて得た結晶から発せられた蛍光の測定結果の一例を示す。同図は、横軸に200nm乃至600nmの範囲の波長を、縦軸にフッ化カルシウム結晶固有のピークである波長280nmの蛍光強度を1として規格化した蛍光強度を採用している。また、各測定結果は、結晶内の外周部4点及び中心部1点の合計5点の測定位置のうち、最も蛍光強度が高かった測定位置のみを抜粋したものである。
【0072】
図10を参照するに、酸化した結晶は、良品の結晶と比較して、波長320nmや波長370nmの蛍光強度が高い。一方、脱酸素剤として使用するフッ化鉛の鉛やフッ化亜鉛の亜鉛が残留した場合には、波長225nmや波長490nmに蛍光強度が現れる。
【0073】
このように、蛍光強度に着目することで、酸化や脱酸素剤の残留した結晶を不良と判別することができる。酸化や脱酸素剤の残留した結晶を次のアニール工程に用いてもアニール工程で透過率が改善させることはなく、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を製造することはできない。従って、良品の結晶のみを選択し、選択された良品の結晶のみをアニール工程に用いることが工程管理上重要である。なお、結晶の良品基準は、10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーの照射による波長280nmの蛍光強度を1として規格化した場合において、波長320nm及び370nmの蛍光の相対強度が3以下、波長225nmの蛍光の相対強度が1以下、波長490nmの蛍光の相対強度が0.5以下である。但し、かかる良品基準は一例であり、照射する紫外線の種類や照射条件は上記のものでなくてもよい。また、蛍光の相対強度についても上記値に限定されないことは言うまでもなく、フッ化カルシウム結晶に要求される仕様に応じて、最適な良品基準を設定すればよい。
【0074】
以上のような紫外線励起によって発せられる蛍光の評価を用いて結晶成長させた結晶の工程管理を行うことにより、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することが可能となる。
【0075】
本発明の結晶製造方法によって得られたフッ化カルシウム結晶を必要とされる光学素子に成形する。光学素子は、レンズ、回折素子、光学膜体及びそれらの複合体、例えば、レンズ、マルチレンズ、レンズアレイ、レンチキュラーレンズ、ハエの目レンズ、非球面レンズ、回折格子、バイナリーオプティックス素子及びそれらの複合体を含む。また、光学素子は、単体のレンズ等に加えて(例えば、フォーカス制御用の)光センサーなどを含む。必要に応じて、反射防止膜をフッ化カルシウム結晶の光学部品表面に設けるとよい。反射防止膜としては、フッ化マグネシウムや酸化アルミニウム、酸化タンタルが好適に用いられ、これらは抵抗加熱による蒸着や電子ビーム蒸着やスパッタリングなどで形成できる。本発明により得られた光学素子は、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れているため、従来の光学素子よりも光学性能が向上している。
【0076】
本発明の光学素子を各種組み合わせれば、ArFエキシマレーザー、Fレーザーに適した投影光学系、照明光学系を構成できる。そして、各種レーザー光源と、本発明の結晶製造方法により得られたフッ化カルシウムからなるレンズを有する光学系と、ウェハを移動させ得るステージとを組み合わせてフォトリソグラフィー用の露光装置を構成できる。
【0077】
以下、図11を参照して、本発明の例示的な露光装置700について説明する。ここで、図11は、本発明の一側面としての露光装置700の例示的一形態を示す概略ブロック図である。露光装置700は、図11に示すように、回路パターンが形成されたレチクル720を照明する照明装置710と、照明されたレチクルパターンから生じる回折光をプレート740に投影する投影光学系730と、プレート740を支持するステージ745とを有する。
【0078】
露光装置700は、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でレチクル720に形成された回路パターンをプレート740に露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、レチクルに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してレチクルパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」とは、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動する露光方法である。
【0079】
照明装置710は、転写用の回路パターンが形成されたレチクル720を照明し、光源部712と、照明光学系714とを有する。
【0080】
光源部712は、例えば、光源としては、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用することができるが、光源の種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、波長約153nmのFレーザーやYAGレーザーを使用してもよいし、その光源も個数も限定されない。例えば、独立に動作する2個の固体レーザーを使用すれば固体レーザー間相互のコヒーレンスはなく、コヒーレンスに起因するスペックルはかなり低減する。さらにスペックルを低減するために光学系を直線的又は回動的に揺動させてもよい。また、光源部712にレーザーが使用される場合、レーザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部712に使用可能な光源はレーザーに限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
【0081】
照明光学系714は、レチクル720を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、オプティカルインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系714は、軸上光、軸外光を問わずに使用することができる。オプティカルインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。かかる照明光学系714のレンズなどの光学素子に本発明のフッ化カルシウム結晶から製造される光学素子を使用することができる。
【0082】
レチクル720は、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル720から発せられた回折光は、投影光学系730を通りプレート740上に投影される。レチクル720とプレート740は、光学的に共役の関係にある。本実施形態の露光装置700はスキャナーであるため、レチクル720とプレート740を縮小倍率比の速度比でスキャンすることによりレチクル720のパターンをプレート740上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる。)の場合は、レチクル720とプレート740を静止させた状態で露光が行われる。
【0083】
投影光学系730は、物体面であるレチクル720上のパターンを反映する光を像面であるプレート740上に投影する光学系である。投影光学系730は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。かかる投影光学系730のレンズなどの光学素子に本発明のフッ化カルシウム結晶から製造される光学素子を使用することができる。
【0084】
プレート740は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板やその他の被処理体を広く含む。プレート740には、フォトレジストが塗布されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを含む。前処理は、洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと下地との密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)処理であり、HMDS(Hexamethyl−disilazane)などの有機膜をコート又は蒸気処理する。プリベークは、ベーキング(焼成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであり、溶剤を除去する。
【0085】
ステージ745は、プレート740を支持する。ステージ745は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ745は、リニアモーターを利用してXY方向にプレート740を移動することができる。レチクル720とプレート740は、例えば、同期走査され、ステージ745と図示しないレチクルステージの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。ステージ745は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、レチクルステージ及び投影光学系730は、例えば、床等に載置されたベースフレーム上にダンパを介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0086】
露光において、光源部712から発せられた光束は、照明光学系714によりレチクル720を、例えば、ケーラー照明する。レチクル720を通過してレチクルパターンを反映する光は、投影光学系730によりプレート740上に結像される。露光装置700が使用する照明光学系714及び投影光学系730は、本発明によるフッ化カルシウムから製造される光学素子を含んで紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を高い透過率で透過するので、高いスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0087】
次に、図12及び図13を参照して、上述の露光装置700を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図12は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いて本発明のリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0088】
図13は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(CMP)では、CMP(Chemical Mechanical Planarization:化学材機研磨)装置によってウェハ表面を平坦に研磨する。ステップ16(レジスト処理)では、平坦化されたウェハに感光剤を塗布する。ステップ17(露光)では、露光装置700によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ18(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ19(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ20(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置700を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、結晶の製造工程において、上述した工程管理の手段を複数組み合わせることもできるし、精製工程と成長工程との間及び成長工程とアニール工程との間の両方において工程管理を行ってもよい。また、融解した原料を冷却する方法は、坩堝降下法以外でも、坩堝を固定してヒーターを引き上げていく方法、ヒーター出力を徐々に落としていく方法、その他周知のいかなる方法であってもよい。
【0090】
本出願は、更に以下の事項を開示する。
【0091】
〔実施態様1〕 結晶性物質の原料と脱酸素剤を混合して融解し、次いで固化することで前記原料の精製品を精製するステップと、
前記精製ステップで精製された前記精製品に含まれる酸素の残留量を管理するステップと、
前記管理ステップで管理された前記精製品を融解し、次いで結晶成長させるステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【0092】
〔実施態様2〕 結晶性物質の原料と脱酸素剤を混合して融解し、次いで固化することで前記原料の精製品を精製するステップと、
前記精製ステップで精製された前記精製品の所定の波長に対する透過率を測定し、所定の透過率を有する精製品を選択するステップと、
前記選択ステップで選択された前記所定の透過率を有する精製品を融解し、次いで結晶成長させるステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【0093】
〔実施態様3〕 結晶性物質の原料と脱酸素剤を混合して融解し、次いで固化することで前記原料の精製品を精製するステップと、
前記精製ステップで精製された前記精製品に所定のエネルギー線を照射して当該精製品の透過率の低下量を測定し、当該透過率の低下量が所定の範囲内の精製品を選択するステップと、
前記選択ステップで選択された前記透過率の低下量が所定の範囲内の精製品を融解し、次いで結晶成長させるステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【0094】
〔実施態様4〕 結晶性物質の原料と脱酸素剤を混合して融解し、次いで固化することで前記原料の精製品を精製するステップと、
前記精製ステップで精製された前記精製品に紫外線を照射して当該精製品から発せられる蛍光の強度を測定し、所定の蛍光の強度を有する精製品を選択するステップと、
前記選択ステップで選択された前記所定の蛍光の強度を有する精製品を融解し、次いで結晶成長させるステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【0095】
〔実施態様5〕 結晶性物質の原料から精製された精製品を融解し、次いで前記原料の結晶を成長させるステップと、
前記成長ステップで成長された前記結晶に含まれる酸素の残留量を管理するステップと、
前記管理ステップで管理された前記結晶を高温で処理した後に除冷するステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【0096】
〔実施態様6〕 結晶性物質の原料から精製された精製品を融解し、次いで前記原料の結晶を成長させるステップと、
前記成長ステップで成長された前記結晶の所定の波長に対する透過率を測定し、所定の透過率を有する結晶を選択するステップと、
前記選択ステップで選択された前記所定の透過率を有する結晶を高温で処理した後に除冷するステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【0097】
〔実施態様7〕 結晶性物質の原料から精製された精製品を融解し、次いで前記原料の結晶を成長させるステップと、
前記成長ステップで成長された前記結晶に所定のエネルギー線を照射して当該結晶の透過率の低下量を測定し、当該透過率の低下量が所定の範囲内の結晶を選択するステップと、
前記選択ステップで選択された前記透過率の低下量が所定の範囲内の結晶を高温で処理した後に除冷するステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【0098】
〔実施態様8〕 結晶性物質の原料から精製された精製品を融解し、次いで前記原料の結晶を成長させるステップと、
前記成長ステップで成長された前記結晶に紫外線を照射して当該結晶から発せられる蛍光の強度を測定し、所定の蛍光の強度を有する結晶を選択するステップと、
前記選択ステップで選択された前記所定の蛍光の強度を有する結晶を高温で処理した後に除冷するステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
【0099】
〔実施態様9〕 前記結晶性物質は、フッ化カルシウムであることを特徴とする実施態様1乃至8のうちいずれか一項記載の結晶製造方法。
【0100】
〔実施態様10〕 前記所定の波長は、100nm以上300nm以下であることを特徴とする実施態様2又は6記載の結晶製造方法。
【0101】
〔実施態様11〕 前記所定のエネルギー線は、Fレーザー又はArFエキシマレーザーであることを特徴とする実施態様3又は7記載の結晶製造方法。
【0102】
〔実施態様12〕 前記所定のエネルギー線は、X線又はγ線であることを特徴とする実施態様3記載の結晶製造方法。
【0103】
〔実施態様13〕 前記紫外線は、F2レーザー又はArFエキシマレーザーであることを特徴とする実施態様4又は8記載の結晶製造方法。
【0104】
〔実施態様14〕 前記所定の透過率は、波長200nmの光の透過率を100%として規格化した場合において、10mm厚当たり80%以上であることを特徴とする実施態様2又は6記載の結晶製造方法。
【0105】
〔実施態様15〕 前記所定の範囲内の前記透過率の低下量は、10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーを10パルス以上照射したとき、150nm以上800nm以下の波長域で、10mm厚当たり最大2%以下であることを特徴とする実施態様3又は7記載の結晶製造方法。
【0106】
〔実施態様16〕 前記所定の範囲内の前記透過率の低下量は、10R/時間のγ線を1時間照射したとき、200nm以上900nm以下の波長域で、10mm厚当たり最大10%以下であることを特徴とする実施態様3又は7記載の結晶製造方法。
【0107】
〔実施態様17〕 前記所定の蛍光の強度は、10mJ/cm/パルスのエネルギー密度を有するFレーザーの照射による波長280nmの蛍光の強度を1として規格化した場合において、波長370nmの蛍光の相対強度が5以下、波長225nmの蛍光の相対強度が2以下、波長490nmの蛍光の相対強度が1以下であることを特徴とする実施態様4又は8記載の結晶製造方法。
【0108】
〔実施態様18〕 実施態様1乃至17のうちいずれか一項記載の結晶製造方法から製造される単結晶から製造されることを特徴とする光学素子。
【0109】
〔実施態様19〕 レンズ、回折格子、光学膜体及びそれらの複合体の一であることを特徴とする実施態様18記載の光学素子。
【0110】
〔実施態様20〕 紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を露光光として利用し、当該露光光を、実施態様19記載の光学素子を含む光学系を介して被処理体に照射して当該被処理体を露光することを特徴とする露光装置。
【0111】
〔実施態様21〕 実施態様20記載の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、
露光された前記被処理体に所定のプロセスを行うステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、内部透過率やレーザー耐久性などの品質に優れた結晶を安定的に製造することができる結晶製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶性物質の原料を精製する精製工程に使用される精製炉の概略ブロック図である。
【図2】精製品の分光透過率の測定結果の一例を示すグラフである。
【図3】結晶性物質の精製品を結晶成長する成長工程に使用される成長炉の概略ブロック図である。
【図4】精製品を結晶成長させて得た結晶の分光透過率の測定結果の一例を示すグラフである。
【図5】Fレーザーを照射した後の精製品の分光透過率の測定結果の一例を示すグラフである。
【図6】Fレーザーを照射した後の透過率の低下量による結晶の評価結果の一例を示す表である。
【図7】紫外線の照射によりフッ化カルシウム結晶から発せられる蛍光を測定する蛍光測定装置の一例を示す概略ブロック図である。
【図8】Fレーザーの照射により精製品から発せられた蛍光の測定結果の一例を示すグラフである。
【図9】紫外線の照射によりフッ化カルシウム結晶から発せられる蛍光を測定する蛍光測定装置の一例を示す概略ブロック図である。
【図10】Fレーザーの照射により精製品を結晶成長させて得た結晶から発せられた蛍光の測定結果の一例を示すグラフである。
【図11】本発明の一側面としての露光装置の例示的一形態を示す概略ブロック図である。
【図12】デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
100 精製炉
110 坩堝
120 チャンバー
130 断熱部材
140 ヒーター
150 排気部
200 結晶成長炉
210 坩堝
220 チャンバー
230 断熱部材
240 ヒーター
250 排気部
260 引き下げ機構
300、400 蛍光測定装置
310、410 光源
320、420 光束整形光学系
330、430 チャンバー
340、440 受光プローブ
350、450 光ファイバー
360、460 分光測定部
370、470 制御部
700 露光装置
710 照明装置
712 光源部
714 照明光学系
720 レチクル
730 投影光学系
740 プレート
745 ステージ
RM 精製品
CM 結晶
GF 炉室

Claims (1)

  1. 結晶性物質の原料と脱酸素剤を混合して融解し、次いで固化することで前記原料の精製品を精製するステップと、
    前記精製ステップで精製された前記精製品に含まれる酸素の残留量を管理するステップと、
    前記管理ステップで管理された前記精製品を融解し、次いで結晶成長させるステップとを有することを特徴とする結晶製造方法。
JP2003104797A 2003-04-09 2003-04-09 結晶製造方法 Pending JP2004307289A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003104797A JP2004307289A (ja) 2003-04-09 2003-04-09 結晶製造方法
US10/819,874 US20040200405A1 (en) 2003-04-09 2004-04-07 Crystallization method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003104797A JP2004307289A (ja) 2003-04-09 2003-04-09 結晶製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004307289A true JP2004307289A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33127842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003104797A Pending JP2004307289A (ja) 2003-04-09 2003-04-09 結晶製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20040200405A1 (ja)
JP (1) JP2004307289A (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6342312B2 (en) * 1996-03-22 2002-01-29 Canon Kabushiki Kaisha Calcium fluoride crystal, optical article and exposure apparatus for photo-lithography using the same
US6486949B2 (en) * 2000-12-11 2002-11-26 Corning Incorporated Method and apparatus for evaluating the quality of an optical crystal

Also Published As

Publication number Publication date
US20040200405A1 (en) 2004-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0875778A1 (en) Image-focusing optical system for ultraviolet laser
KR101953712B1 (ko) 방사선 소스, 계측 장치, 리소그래피 시스템 및 디바이스 제조 방법
JP4540636B2 (ja) 光学材料の不可逆性放射線損傷測定方法
JP2000081367A (ja) 光透過性光学部材、その製造方法、その評価方法、および光リソグラフィー装置
US6989060B2 (en) Calcium fluoride crystal and method and apparatus for using the same
JP4666157B2 (ja) 人工水晶部材、露光装置、及び露光装置の製造方法
EP1050754B1 (en) Method of measuring the transmittance of optical members for ultraviolet use
CN1365343A (zh) 合成石英玻璃部件,光刻装置以及光刻装置的制造方法
US6894284B2 (en) UV optical fluoride crystal elements for λ < 200nm laser lithography and methods therefor
JP2004307289A (ja) 結晶製造方法
JP2001033379A (ja) 紫外線耐久性に優れた蛍石および蛍石の紫外線耐久性評価方法
JP2005094018A (ja) リソグラフィック装置及びデバイス製造方法
JP2005539245A (ja) 光学素子製造用光学材料の適合性判定方法、同適合性判定装置、及び同光学材料の使用
US6838681B2 (en) Detection and making of ultralow lead contaminated UV optical fluoride crystals for <200nm lithography
JP2003206197A (ja) フッ化カルシウム結晶の検査及び製造方法、並びに、かかるフッ化カルシウム結晶から製造された光学素子
JPH01197343A (ja) レーザー光学系の製造素体
JP2005061903A (ja) 蛍石の評価方法、評価装置及び蛍石
JP2003322710A (ja) 光吸収膜、光吸収膜形成方法、露光装置、デバイス製造方法及びデバイス
US20050047986A1 (en) Synthetic quartz glass member and method for producing the same
JP2003306396A (ja) フッ化カルシウム結晶の検査及び製造方法、並びに、かかるフッ化カルシウム結晶から製造された光学素子
JP2006216760A (ja) 処理方法、処理装置、及びそれらを用いたデバイスの製造方法
JP2005067937A (ja) 結晶製造方法
JP2006112955A (ja) 光散乱検査法、光学素子の製造方法及び投影露光装置
JPH01197335A (ja) レーザー光学系母材の製造方法
JP2006016259A (ja) 結晶製造方法