JP2004306556A - インクジェット記録方法、及びこれに用いるクリアインク組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット記録において、記録物の鮮映性に優れた高品質な画像を得る。
【解決手段】本発明は、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくとも顔料を含む1色以上のカラーインク組成物と、を備えるインクセットを使用するインクジェット記録方法において、前記クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量をカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量の1.2〜30倍とすることを特徴とするインクジェット記録方法に係るものである。本発明のインクジェット記録方法により、記録画像の鮮映性に優れた記録物を提供することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明は、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくとも顔料を含む1色以上のカラーインク組成物と、を備えるインクセットを使用するインクジェット記録方法において、前記クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量をカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量の1.2〜30倍とすることを特徴とするインクジェット記録方法に係るものである。本発明のインクジェット記録方法により、記録画像の鮮映性に優れた記録物を提供することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法、及びこれに用いるクリアインク組成物に関し、特に、記録画像の鮮映性に優れた記録物を提供し得る、インクジェット記録方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、これを紙等の記録媒体に付着させて記録を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置を用いながら、解像度が高く鮮明な画像を高速に印刷することができるという特徴を有する。
【0003】
従来より、このインクジェット記録方法による記録に用いるためのインク組成物を備えたインクセットが種々提案されている。
【0004】
近年は、デジタルカメラなどの、より高品位な記録画像を印刷することへの要求が高まってきており、このため、記録画像の発色性及び光沢性を一層向上させる種々の工夫がなされている。
【0005】
しかしながら、記録画像の鮮映性に十分優れた記録物は提供されていない(鮮映性とは、画像に何らかの像を反射させた時に、いかに反射させた像が鮮明に見ることができるかを示す度合いである)。
【0006】
例えば、インク中の染料を不溶化せしめる化合物を含む無色または淡色の液体を被記録材に付着せしめた後、該液体が付着した部分にインクを付着せしめるインクジェット記録方法であって、無色または淡色の液体の記録材でのドット径を、インクのドット径よりも大きくするインクジェット記録方法が提案されている(特許文献1)。しかし、これは、記録画像の発色性や耐水性を向上させるという効果はあるが、鮮映性の優れた記録物を得ることは難しい。
【0007】
また、記録画像の光沢性を向上させるための技術として、例えば、特開2001−277488号(特許文献2)では2種以上の濃度の異なる黒色インクと着色剤を含まないインクを用い、黒色インクの非印字部のみに着色剤を含まないインクを使用する記録方法が提案されているが、この方法では、カラー画像が得られないばかりでなく、記録画像の鮮映性を十分に向上させることができないという問題がある。
【特許文献1】
特開昭64−63185号
【特許文献2】
特開2001−277488号
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、記録画像の鮮映性に優れたカラーの記録物を提供し得る、クリアインク組成物、インクセット、インクジェット記録方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくとも顔料を含む1色以上のカラーインク組成物を備えるインクセットにおいて、前記クリアインクの吐出量をインク組成物の吐出量の1.2〜30倍とすることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のクリアインク組成物は、上記インクセットに有用であって、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないことを特徴とする。
【0011】
前記ポリマー微粒子は、(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)、(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン、(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体、及び(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー微粒子であることが好ましい。
【0012】
特に、(i)〜(iv)のいずれかをポリマー微粒子として含む場合、(i)と(ii)の双方をポリマー微粒子として含む場合、並びに(ii)と(iii)の双方をポリマー微粒子として含む場合が好ましい。
【0013】
上記インクセットは、インクジェット記録に用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録方法、クリアインク組成物の好ましい実施形態について説明する。
【0015】
本発明のインクセットは、クリアインク組成物をカラーインク組成物と別に備えているので、これを用いて記録することにより、光沢性に優れた記録画像を得ることができる。特に、専用紙を用いた場合において、カラーインク組成物による非印字部分及び低duty部分にクリアインク組成物を印字することができ、非印字部分及び低duty部分の光沢性を向上させることができる。また、クリアインク組成物を印字することにより、カラーインク組成物を均一に付着させることができ発色性が向上する。特に、普通紙において白ぬけを防止することができるとともに、低明度・高彩度を実現できるので色再現性が著しく向上する場合がある。
【0016】
さらに、本発明では、インクジェット記録方法として、クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量をカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量よりも多くすることを特徴とする。クリアインクの吐出量が多いと、クリアインクのドット径が大きくなり、画像全体で見たときに、表面がよりなめらかに見えるようになり、鮮映性が高くなる。
【0017】
より具体的には、クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量をカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量の1.2〜30倍にすることが好ましい。クリアインクの吐出量をインク組成物の吐出量の1.2倍より少なくすると、表面をよりなめかにするという効果が薄れてしまい、鮮映性向上の効果は少なくなる。
【0018】
また、クリアインクの吐出量をカラーインク組成物の吐出量の30倍よりも多くしてしまうと、記録媒体上で乾燥するまでの時間が長くなったり、記録媒体上で溢れてしまって、にじみの原因となる場合が生じる。
【0019】
本発明のような効果が得られるためには、クリアインクの吐出量を多くすることが必要であるが、その方法としては、駆動エネルギーを調整することで簡単に実現することができる。具体的には、電歪素子に印加する電圧を調整したり、加える熱エネルギーを調整することで吐出量をコントロールすることができる。
【0020】
または、インクの吐出量はインクの粘度によっても調整することができる。同じ駆動エネルギーで、クリアインクの粘度を、カラーインクの粘度よりも小さくすると、クリアインクの吐出量をカラーインクの吐出量よりも多くすることができる。
【0021】
さらに、本発明の効果を得るためには、記録媒体上でのクリアインクのドット径を、インク組成物の記録媒体上でのドット径よりも大きくすることによっても実現することができる。つまり、インクの吐出量を調整するということは、もともとはドット径を調整するための手段であるからである。ドット径という観点では、クリアインクの記録媒体上でのドット径をインク組成物の記録媒体上でのドット径の1.2〜20倍にすると、鮮映性を上げる効果があり、かつにじみや乾燥性に問題はない。
【0022】
本発明のインクセットは、特定構造のポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物と、ブラックインク組成物とを備える。
【0023】
このように、本発明のクリアインク組成物は、インクセットとして用いたときに有用なものであり、さらに貯蔵性にも優れている。
【0024】
前記ポリマー微粒子は、クリアインク組成物中においてエマルジョンを形成してコロイド分散することが好ましい。すなわち、ポリマー微粒子は、エマルジョンの形でクリアインク組成物中に添加されるのが好ましい。
【0025】
ポリマー微粒子がクリアインク組成物中においてエマルジョンを形成してコロイド分散することにより、クリアインク組成物の透明性が増すので、より高品位な記録画像が得られる。
【0026】
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)、(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン、(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体、及び(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー微粒子であることが好ましい。
(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)
前記スルホン酸基含有重合体は、ジエン系スルホン酸基含有重合体及び/又は非ジエン系スルホン酸基含有重合体であることが好ましい。
【0027】
前記スルホン酸基含有重合体は、以下のモノマーを単独又は共重合して得た重合体又は共重合体をスルホン化処理して得たもの(特開平11−217525号公報を参照)、または、スルホン化されたモノマーを単独又は共重合して得た重合体であり、ジエン系モノマーを必須成分とするジエン系スルホン酸基含有重合体とジエンモノマーを必須成分としない非ジエン系スルホン酸基含有重合体とがある。
【0028】
前記ジエン系スルホン酸基含有重合体を得るために使用されるモノマーとしては、ジエン系モノマーと、ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとがある。
【0029】
ジエン系モノマーとしては、炭素数が4〜10のジエン系化合物で、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,2−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロヘプタジエン等を挙げることができる。これらのジエン系モノマーは1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0030】
ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、O−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のモノ或いはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケトン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられる。これらの他のモノマーは1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0031】
これらの他のモノマーを併用する場合には、ジエン系モノマーの使用量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。
【0032】
上記のジエン系モノマー又はジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとを共重合して得られるジエン系共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
【0033】
好ましい重合体としては、例えば、イソプレン単独重合体、ブタジエン単独重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元ブロック共重合体等が挙げられる。より好ましい共重合体としては、例えば、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体等が挙げられる。
【0034】
本発明で使用されるジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のジエン系重合体及び/又はその前駆モノマーに基づく残存二重結合の一部又は全部を水添して得られる重合体を、公知のスルホン化方法、例えば、日本化学会編集、新実験化学講座(14巻III.1773頁)又は特開平2−227403号公報等に記載された方法によってスルホン化されたものであってもよい。
【0035】
スルホン化剤としては、無水硫酸、硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(Li塩,Na塩,K塩,Rb塩,Cs塩等)等が挙げられる。スルホン化剤の量は、上記重合体1モルに対して、好ましくは、無水硫酸換算で0.005〜1.5モル、より好ましくは、0.01〜1.0モルである。
【0036】
前記ジエン系スルホン酸基含有重合体は、次に、上記のようにしてスルホン化された生成物に水及び/又は塩基性化合物を作用させて得られた状態で使用されるのが好ましい。塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニア水、有機金属化合物、アミン類などが挙げられる。塩基性化合物は、1種または2種以上を併用して用いることができる。塩基性化合物の使用量は、使用したスルホン化剤1モルに対して、2モル以下、好ましくは、1.3モル以下である。
【0037】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体を得るために使用されるモノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、又はイソブチレンと三酸化イオウとを反応させて得られるメタクリルスルホン酸等のビニルモノマー、あるいはp−スチレンスルホン酸ナトリウム等のスチレン系単量体(例えば、東ソ(株)製、スピロマー)、あるいは一般式CH2=C(CH3)−COO(AO)nSO3Na(A:低級アルキレン基)で表わされるメタクリル酸エステル系単量体(例えば、三洋化成(株)製、エレミノール RS−30)のようなスルホニル基を有するモノマー、及び前記モノマーのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0038】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記スルホン酸基を有するモノマーにスルホン酸基を含有しないモノマーを共重合させることによっても得られる。
【0039】
共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン等の芳香族モノビニル化合物、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、シリコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることができる。更に、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物や酢酸ビニル等のビニルエステル化合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物が挙げられる。共重合可能なモノマーのうちでは、スチレン、メチルメタクリレート、アクリロニトリルが好ましい。
【0040】
共重合可能なモノマーの使用量は、重合性モノマーの通常1〜93重量%、好ましくは、5〜80重量%である。
【0041】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のスルホン酸基含有モノマー又は、スルホン酸基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、例えば、水あるいは有機溶媒などの重合用溶媒の中で、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等を使用してラジカル重合する。
【0042】
上記の非ジエン系モノマーを共重合して得られる非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
【0043】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体としては、特に、アクリル系スルホン酸基含有重合体が好ましい。
【0044】
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、酸価が100以上であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、重量平均分子量(Mw)が8000以上、2万以下であり、ガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)が5℃以上、50℃以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の粒子径は70nm以下であることが好ましい。より好ましくは、20nm以上、70nm以下である。ポリマー微粒子径がこの範囲内であると、水中においてポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなり、透明性の高いクリアインク組成物が得られ、高品位な記録画像が得られる。
(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン
前記変性ポリプロピレンエマルジョンは、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、重量平均分子量(Mw)が1000以上、50000以下のポリプロピレンを不飽和カルボン酸又はその無水物で変性させた後、これを塩基性化合物及び乳化剤の存在下で水中に分散させて得たものであることが好ましい。前記不飽和カルボン酸は、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸であることが好ましい。
【0045】
本発明の変性ポリプロピレンエマルジョンとしては、低分子量ポリプロピレンを、加熱反応又は有機過酸化物を用いた公知の方法等で変性して得られたものが挙げられる。例えば、不活性ガス雰囲気中、低分子量ポリプロピレンを芳香族系溶剤又は塩素系溶剤の存在下で、あるいは、パーオキシド類ラジカル発生触媒の存在下で、加熱溶解し、不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフトさせて変性して得られる。
(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体(当該共重合体は「アルカリ可溶型樹脂」でもある)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、酸価が40以下であることが好ましい。
前記共重合体は、塩基によってpHが調整されていることが好ましい。
前記塩基は無機塩基であることが好ましい。
前記無機塩基は、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物であることが好ましい。
【0046】
前記共重合体のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、70℃以下であることが好ましい。より好ましくは50℃以下であり、さらに好ましくは10℃以下である。
【0047】
具体的には、水溶性高分子化合物のうち、分子量1,000当たりアルコール性水酸基を5〜25個含有しているものが好ましく、例えば、ポリビニルアルコールやその各種変性物等のビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸又は無水マレイン酸との共重合体の鹸化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシメチル澱粉、等の澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコール等を挙げることができる。これらのアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0048】
前記アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、ビニルアルコール系重合体であることが好ましい。
【0049】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シストラコン酸等の多価カルボン酸無水物等を挙げることができる。これらの単量体は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0050】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、アクリル酸又はメタクリル酸であることが好ましい。
【0051】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル単量体などが挙げられる。これらの単量体は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0052】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体であることが好ましい。
前記共重合性界面活性剤は、分子中に1個以上の重合可能なビニル基を有する界面活性剤であり、例えば、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステル燐酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤を挙げることができる。これらの中では、単量体の乳化分散性能および単量体との共重合性のバランスが優れている点で、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩が好ましい。これらの共重合性界面活性剤は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0053】
前記ポリマー微粒子の重量平均分子量(Mw)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、1000以上、100万以下であることが好ましく、より好ましくは、8000以上、2万以下である。なお、アルカリ可溶型樹脂の重量平均分子量を調節するために、必要に応じて連鎖移動剤を重合時に使用することができる。
【0054】
前記ポリマー微粒子のpHは、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、8以上、11以下であることが好ましく、さらには、9以上、10以下であることが好ましい。
【0055】
前記ポリマー微粒子の濁度は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、30mg/L以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂
前記ポリマー微粒子は、粒子径70nm以上の乳化型樹脂であることが好ましい。より好ましくは、100nm以上、150nm以下である。ポリマー微粒子径がこの範囲内であると、水中においてポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなり、透明性の高いクリアインク組成物が得られ、高品位な記録画像が得られる。
【0056】
該乳化型樹脂のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
【0057】
前記ポリマー微粒子の含有量は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、クリアインク組成物中0.05重量%以上、10.0重量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下である。なお、ここでいうポリマー微粒子の重量は、固形分換算量である。
【0058】
ポリマー微粒子は一種添加してもよく、あるいは、これらのうち二種以上を混合して添加してもよい。混合して添加する場合には、これらの合計含有量がインク組成物中0.05重量%以上、10.0重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下(さらに好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下)である。
【0059】
本発明のインクセットは、上記のいずれかに記載のクリアインク組成物と、少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物と、ブラックインクを備えることが好ましい。
【0060】
上記おいては、さらに、色相角が前記イエローインク組成物及び前記マゼンタインク組成物の混合色の色相角であるレッドインク組成物を備えることが好ましい。
【0061】
上記においては、さらに、色相角が前記マゼンタインク組成物及び前記シアンインク組成物の混合色の色相角であるバイオレットインク組成物を備えることが好ましい。
【0062】
レッドインク組成物やバイオレットインク組成物を備えることにより、粒状性に優れたインクセットを得ることができる。これは、マゼンタやシアンは顔料固形分の含有量が低いことに因るものと考えられる。
【0063】
上記の構成とすることにより、記録画像の発色性及び鮮映性がより向上する。
【0064】
上記クリアインク組成物においては、溶媒として水を用いる。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水の何れも好ましく用いることができる。また、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理したものを用いると、カビやバクテリアの発生が抑制されるため、さらに好ましい。
【0065】
上記クリアインク組成物は、さらに、アセチレングリコール系化合物、アセチレンアルコール系化合物、又はポリシロキサン系化合物のいずれかを界面活性剤として含有してもよい。
【0066】
これにより、発色性及び光沢性を劣化させることなく、クリアインク組成物の吐出安定性を高めることができる。吐出安定性が高まるのは、これら界面活性剤がクリアインク組成物の表面張力を低下させ、クリアインク組成物が記録媒体へ浸透するのを促進するためであると考えられる。
【0067】
界面活性剤の含有量は、クリアインク組成物中好ましくは0.1重量%以上、3.0重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以上、1.0重量%以下である。
【0068】
クリアインク組成物の表面張力は、吐出安定性向上の観点から、好ましくは15dyn/cm以上、45dyn/cm以下であり、より好ましくは20dyn/cm以上,30dyn/cm以下である。
【0069】
アセチレングリコール系化合物としては、オルフィンE1010、STG、Y(何れも商品名、日信化学社製)、サーフィノール82、104、440、465、485(何れも商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等の市販品を用いることができる。
【0070】
アセチレンアルコール系化合物としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、サーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等を用いることができる。
【0071】
ポリシロキサン系化合物としては、下記の一般式(2)で表わされる化合物等を用いることができる。
【0072】
【化1】
(式(2)中、R1〜R9は、独立してC1−6アルキル基を表し、j、k及びxは独立して1以上の整数を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、m及びnは0以上の整数を表すが、m+nは1以上の整数を表し、EO及びPOは[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)
上記クリアインク組成物は、さらに、グリコールエーテル系化合物又はアルキルジオール系化合物を含んでいてもよい。これら化合物を溶剤として用いることにより、発色性及び光沢性を低下させることなく、記録画像の画像品質を高めることができる。これら化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、画像品質の向上の観点から、クリアインク組成物中好ましくは1.0重量%以上、30重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以上、10重量%以下である。
【0073】
グリコールエーテル系化合物としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好適である。
【0074】
アルキルジオール系化合物としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。特に、1,2−ヘキサンジオールが好適である。
【0075】
上記クリアインク組成物は、さらに、多価アルコール系化合物を含有していてもよい。多価アルコール系化合物としては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等の水溶性の有機溶剤が挙げられる。特に、グリセリンが好適である。
【0076】
多価アルコール系化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、クリアインク組成物中好ましくは5.0重量%以上、40重量%以下、より好ましくは10重量%以上、30重量%以下である。
【0077】
本発明のインクセットは、イエローインク組成物(Y)、マゼンタインク組成物(M)、シアンインク組成物(C)等のカラーインク組成物を含有する。これらには、通常のインクジェット記録用カラーインク組成物に含まれる着色剤、分散剤等を特に制限なく用いることができる。
【0078】
イエローインク組成物(Y)の着色剤としては、イエロー顔料が好適に用いられる。該イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー74、81、83、93、109、110、120、128、138、139、150、151、154、155、173、180、185、195等が挙げられる。
【0079】
イエローインク組成物としては、記録媒体上でのCIELAB色空間(CIE1976(L*a*b*)表色系、JISZ 8729)において定義される色相角が80°〜110°の範囲内であるものが好ましい。
【0080】
マゼンタインク組成物(M)の着色剤としては、マゼンタ顔料が好適に用いられる。該マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、202、209、112、123、168、184、5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1及びC.I.ピグメントバイオレット19等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントレッド122と202が好ましい。
【0081】
マゼンタインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が330°〜360°の範囲内であるものが好ましい。
【0082】
シアンインク組成物(C)の着色剤としては、シアン顔料が好適に用いられる。該シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、60、1、2、3、16、22、15:34等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
【0083】
シアンインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が230°〜260°の範囲内であるものが好ましい。
【0084】
レッドインク組成物(R)の着色剤としては、色相角がイエローインク組成物及びマゼンタインク組成物の混合色の色相角となるようなレッド顔料が好適に用いられる。該レッド顔料としては、ピグメントレッド17、49:2、112、177、178、188、255、264、149等が挙げられる。
【0085】
バイオレットインク組成物(V)の着色剤としては、色相角がマゼンタインク組成物及びシアンインク組成物の混合色の色相角となるようなバイオレット顔料が好適に用いられる。該バイオレット顔料としては、ピグメントバイオレット3、19、23、32、36、38等が挙げられる。
【0086】
ブラックインク組成物(K)の着色剤としては、ブラック顔料が好適に用いられる。該ブランクインク顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。
【0087】
本発明のインクセットは、上記の他、ライトイエローインク組成物、ライトマゼンタインク組成物、ライトシアンインク組成物、ブルーインク組成物、ライトブラックインク組成物、グリーンインク組成物、ダークイエローインク組成物、オレンジインク組成物等を備えていてもよい。
【0088】
オレンジインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が30°〜80°の範囲内であるものが好ましい。
【0089】
ブルーインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が160°〜230°の範囲内であるものが好ましい。
【0090】
前記オレンジインク組成物の明度及びブルーインク組成物の明度は、それぞれマゼンタインク組成物の明度及びシアンインク組成物の明度よりも低いことが好ましい。
【0091】
前記オレンジインク組成物の彩度及びブルーインク組成物の彩度は、それぞれマゼンタインク組成物の彩度及びシアンインク組成物の彩度よりも高いことが好ましい。
【0092】
着色剤の含有量は、各インク組成物中、好ましくは0.1〜20重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。着色剤の含有量は、濃淡カラーインク組成物等のインク組成物の種類に応じて適宜調整される。
【0093】
前記クリアインク組成物及び/又はカラーインク組成物は、必要に応じてインクジェット記録用の水性インク組成物に一般的に用いられている溶媒をさらに含むことができる。そのような溶媒としては、2−ピロリドン、トリエタノールアミン、糖等が挙げられる。糖の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、等が挙げられる。ここで多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表わされる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。また市販品としては、HS−300、500(登録商標林原商事)等を入手することができる。
【0094】
また、クリアインク組成物及び/又はカラーインク組成物は、助剤をさらに含むことができる。そのような助剤としては、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、耐擦性向上剤等が挙げられる。
【0095】
カラーインク組成物の表面張力は、吐出安定性向上の観点から、好ましくは15dyn/cm以上,45dyn/cm以下であり,より好ましくは20dyn/cm以上,30dyn/cm以下である。
【0096】
さらに、本発明のインクジェット記録方法について、説明する。本発明のインクジェット記録方法では、上述のクリアインク組成物、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物あるいは、上記インクセットを用いて、各インク組成物を記録媒体に付着させて記録を行うものである。上述のインクセットを用いて印字することにより、特に、専用紙においてカラーインクの鮮映性を著しく向上させることができる。
【0097】
これらの記録方法を用いることにより、記録画像の発色性及び鮮映性を兼ね備えた記録物を得ることができる。
【0098】
なお、上記記録方法においては、クリアインク組成物とインク組成物とを同一処理時に吐出させてもよい。ここで、「同一処理時」とは、1回の記録(1パス)内で、クリアインク組成物及びインク組成物の両者により、特定画像を形成するように処理するときをいう。したがって、両者を全く同時に吐出する場合の他、1パス内において、インク組成物を先に吐出した後、クリアインク組成物を吐出する場合、及び1パス内において、クリアインク組成物を先に吐出した後、インク組成物を後で吐出する場合も「同一処理時」に含まれる。
【0099】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何等限定されるものではない。
【0100】
(実施例1)
(エマルジョンAの調整)
エチルアクリレート55部、メチルアクリレート37部、メタクリル酸6部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、ポリビニルアルコール2.5部及びイオン交換水280部を攪拌混合して、単量体混合物の分散物を調整した。
【0101】
次に、攪拌機付き反応器にイオン交換水130部と過硫酸カリウム2部を仕込み、80℃に昇温し、上記単量体混合物の分散物を4時間かけて連続添加して重合させた。連続添加終了後、80℃で30分間反応を行った。
【0102】
次いで、仕込みのメタクリル酸と当モルの水酸化ナトリウムに相当する量の10%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に添加し、さらに80℃で1時間熱処理した後に、適量のイオン交換水を加えて固形分濃度15%の樹脂を得た。該樹脂の酸価は40、pHは9.2であった。
【0103】
(エマルジョンBの調整)
(1)ガラス製反応容器にジオキサン100gを入れ、これに無水硫酸11.8gを内温を25℃に保ちながら添加し、2時間攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
【0104】
(2)次に、スチレン/イソプレン/スチレン3元ブロック共重合体(10/80/10重量比、Mw=100000)100gのTHF溶液(濃度=15%)中に上記(1)で得られた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添加し、さらに2時間攪拌を続けた。
【0105】
(3)水1200g、水酸化ナトリウム7.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gをフラスコに入れ、内温を40℃に保った。この中に、(2)の溶液全量を40℃に内温を保ちつつ1時間で滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌した後、減圧蒸留により、水を残しつつ溶剤を除去し、濃度15%のスルホン化ポリマーエマルジョンCを得た。固形分中のスルホン酸含量は1.2mmo1/gであった。
【0106】
下記の各組成物からなるクリアインク及びカラーインクを調製した。
【0107】
(クリアインク1)
エマルジョンA(固形分換算) 1.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0108】
(クリアインク2)
エマルジョンB(固形分換算) 1.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0109】
(イエローインク)
顔料(PY74) 3.0重量%
スチレン−アクリル共重合樹脂(固形分換算)1.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0110】
(シアンインク)
顔料(PB15:3) 1.5重量%
スチレン−アクリル共重合樹脂(固形分換算)0.5重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0111】
以上、クリアインクとカラーインクの表面張力を協和界面科学社製CBVP−Zで、粘度を山一電機製デジタル粘度計VM−100で測定したところ、以下表1のようであった。
【0112】
【表1】
【0113】
〔PM写真用紙を用いた鮮映性の評価〕
表1の各インクセットについて、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製;PM970C)を用いて、PM写真用紙(セイコーエプソン株式会社製;PM写真用紙)に対して、720×720dpi、双方向にて印刷を行った。このとき、1ドットあたりのインク吐出量が表2記載のインク量となるよう、圧電素子に印加する電圧を調整した。印刷パターンはカラーインクのdutyが20%、100%となるように10×10cm四方のベタを印刷し、クリアインクはそれらのベタに、dutyが20%となるように同じ印字パス内で、重ね打ちをした。
【0114】
〔鮮映性の評価〕
得られた記録物の鮮映性を次のようにして試験した。松下電器産業株式会社製パルック蛍光灯FLR40S EX−N/Mが2本並列で並んでいる電灯から1mの距離で、蛍光灯の形状をベタ上に映し、その形状の像と以下の基準から判断した。
【0115】
(評価基準)
AA:2本の蛍光灯の像が鮮明に見える
A:2本の蛍光灯の像が多少かすんで見える
B:2本の蛍光灯の像がかなりかすんで見えるが、蛍光灯が2本あることは確認できる。
C:蛍光灯の光自体は確認できるが、2本であることが確認できない
【0116】
にじみの評価
鮮映性の評価において印刷した100%dutyのベタ部の印刷面を観察し、にじみが生じているかを目視で確認した。
【0117】
(評価基準)
A:にじみがなく、印刷面が均一に見える
B:ほとんどにじみは生じていないが、よく見ると多少の不均一感がある
C:明らかにインクが溢れたにじみが見える
【0118】
【表2】
【0119】
表2に示すように、実施例1〜4においては比較例1、2に比べて鮮映性が向上した。また、比較例3のようにクリアインクを多く吐出しすぎると、高duty部ではインクが記録媒体上で溢れ、鮮映性がかえって悪くなり、かつにじみが生じてしまった。実施例1〜4のように、クリアインクの吐出布量をカラーインク吐出量の1.2〜30倍とすると、鮮映性を向上することができる。
【0120】
【発明の効果】
本発明のインク組成物、インクジェット記録方法によれば、記録画像の鮮映性に優れた高画質な画像を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法、及びこれに用いるクリアインク組成物に関し、特に、記録画像の鮮映性に優れた記録物を提供し得る、インクジェット記録方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、これを紙等の記録媒体に付着させて記録を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置を用いながら、解像度が高く鮮明な画像を高速に印刷することができるという特徴を有する。
【0003】
従来より、このインクジェット記録方法による記録に用いるためのインク組成物を備えたインクセットが種々提案されている。
【0004】
近年は、デジタルカメラなどの、より高品位な記録画像を印刷することへの要求が高まってきており、このため、記録画像の発色性及び光沢性を一層向上させる種々の工夫がなされている。
【0005】
しかしながら、記録画像の鮮映性に十分優れた記録物は提供されていない(鮮映性とは、画像に何らかの像を反射させた時に、いかに反射させた像が鮮明に見ることができるかを示す度合いである)。
【0006】
例えば、インク中の染料を不溶化せしめる化合物を含む無色または淡色の液体を被記録材に付着せしめた後、該液体が付着した部分にインクを付着せしめるインクジェット記録方法であって、無色または淡色の液体の記録材でのドット径を、インクのドット径よりも大きくするインクジェット記録方法が提案されている(特許文献1)。しかし、これは、記録画像の発色性や耐水性を向上させるという効果はあるが、鮮映性の優れた記録物を得ることは難しい。
【0007】
また、記録画像の光沢性を向上させるための技術として、例えば、特開2001−277488号(特許文献2)では2種以上の濃度の異なる黒色インクと着色剤を含まないインクを用い、黒色インクの非印字部のみに着色剤を含まないインクを使用する記録方法が提案されているが、この方法では、カラー画像が得られないばかりでなく、記録画像の鮮映性を十分に向上させることができないという問題がある。
【特許文献1】
特開昭64−63185号
【特許文献2】
特開2001−277488号
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、記録画像の鮮映性に優れたカラーの記録物を提供し得る、クリアインク組成物、インクセット、インクジェット記録方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくとも顔料を含む1色以上のカラーインク組成物を備えるインクセットにおいて、前記クリアインクの吐出量をインク組成物の吐出量の1.2〜30倍とすることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のクリアインク組成物は、上記インクセットに有用であって、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないことを特徴とする。
【0011】
前記ポリマー微粒子は、(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)、(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン、(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体、及び(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー微粒子であることが好ましい。
【0012】
特に、(i)〜(iv)のいずれかをポリマー微粒子として含む場合、(i)と(ii)の双方をポリマー微粒子として含む場合、並びに(ii)と(iii)の双方をポリマー微粒子として含む場合が好ましい。
【0013】
上記インクセットは、インクジェット記録に用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録方法、クリアインク組成物の好ましい実施形態について説明する。
【0015】
本発明のインクセットは、クリアインク組成物をカラーインク組成物と別に備えているので、これを用いて記録することにより、光沢性に優れた記録画像を得ることができる。特に、専用紙を用いた場合において、カラーインク組成物による非印字部分及び低duty部分にクリアインク組成物を印字することができ、非印字部分及び低duty部分の光沢性を向上させることができる。また、クリアインク組成物を印字することにより、カラーインク組成物を均一に付着させることができ発色性が向上する。特に、普通紙において白ぬけを防止することができるとともに、低明度・高彩度を実現できるので色再現性が著しく向上する場合がある。
【0016】
さらに、本発明では、インクジェット記録方法として、クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量をカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量よりも多くすることを特徴とする。クリアインクの吐出量が多いと、クリアインクのドット径が大きくなり、画像全体で見たときに、表面がよりなめらかに見えるようになり、鮮映性が高くなる。
【0017】
より具体的には、クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量をカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量の1.2〜30倍にすることが好ましい。クリアインクの吐出量をインク組成物の吐出量の1.2倍より少なくすると、表面をよりなめかにするという効果が薄れてしまい、鮮映性向上の効果は少なくなる。
【0018】
また、クリアインクの吐出量をカラーインク組成物の吐出量の30倍よりも多くしてしまうと、記録媒体上で乾燥するまでの時間が長くなったり、記録媒体上で溢れてしまって、にじみの原因となる場合が生じる。
【0019】
本発明のような効果が得られるためには、クリアインクの吐出量を多くすることが必要であるが、その方法としては、駆動エネルギーを調整することで簡単に実現することができる。具体的には、電歪素子に印加する電圧を調整したり、加える熱エネルギーを調整することで吐出量をコントロールすることができる。
【0020】
または、インクの吐出量はインクの粘度によっても調整することができる。同じ駆動エネルギーで、クリアインクの粘度を、カラーインクの粘度よりも小さくすると、クリアインクの吐出量をカラーインクの吐出量よりも多くすることができる。
【0021】
さらに、本発明の効果を得るためには、記録媒体上でのクリアインクのドット径を、インク組成物の記録媒体上でのドット径よりも大きくすることによっても実現することができる。つまり、インクの吐出量を調整するということは、もともとはドット径を調整するための手段であるからである。ドット径という観点では、クリアインクの記録媒体上でのドット径をインク組成物の記録媒体上でのドット径の1.2〜20倍にすると、鮮映性を上げる効果があり、かつにじみや乾燥性に問題はない。
【0022】
本発明のインクセットは、特定構造のポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物と、ブラックインク組成物とを備える。
【0023】
このように、本発明のクリアインク組成物は、インクセットとして用いたときに有用なものであり、さらに貯蔵性にも優れている。
【0024】
前記ポリマー微粒子は、クリアインク組成物中においてエマルジョンを形成してコロイド分散することが好ましい。すなわち、ポリマー微粒子は、エマルジョンの形でクリアインク組成物中に添加されるのが好ましい。
【0025】
ポリマー微粒子がクリアインク組成物中においてエマルジョンを形成してコロイド分散することにより、クリアインク組成物の透明性が増すので、より高品位な記録画像が得られる。
【0026】
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)、(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン、(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体、及び(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー微粒子であることが好ましい。
(i)スルホン酸基含有重合体(ゾル型樹脂)
前記スルホン酸基含有重合体は、ジエン系スルホン酸基含有重合体及び/又は非ジエン系スルホン酸基含有重合体であることが好ましい。
【0027】
前記スルホン酸基含有重合体は、以下のモノマーを単独又は共重合して得た重合体又は共重合体をスルホン化処理して得たもの(特開平11−217525号公報を参照)、または、スルホン化されたモノマーを単独又は共重合して得た重合体であり、ジエン系モノマーを必須成分とするジエン系スルホン酸基含有重合体とジエンモノマーを必須成分としない非ジエン系スルホン酸基含有重合体とがある。
【0028】
前記ジエン系スルホン酸基含有重合体を得るために使用されるモノマーとしては、ジエン系モノマーと、ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとがある。
【0029】
ジエン系モノマーとしては、炭素数が4〜10のジエン系化合物で、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,2−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロヘプタジエン等を挙げることができる。これらのジエン系モノマーは1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0030】
ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、O−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のモノ或いはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケトン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられる。これらの他のモノマーは1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0031】
これらの他のモノマーを併用する場合には、ジエン系モノマーの使用量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。
【0032】
上記のジエン系モノマー又はジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとを共重合して得られるジエン系共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
【0033】
好ましい重合体としては、例えば、イソプレン単独重合体、ブタジエン単独重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元ブロック共重合体等が挙げられる。より好ましい共重合体としては、例えば、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体等が挙げられる。
【0034】
本発明で使用されるジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のジエン系重合体及び/又はその前駆モノマーに基づく残存二重結合の一部又は全部を水添して得られる重合体を、公知のスルホン化方法、例えば、日本化学会編集、新実験化学講座(14巻III.1773頁)又は特開平2−227403号公報等に記載された方法によってスルホン化されたものであってもよい。
【0035】
スルホン化剤としては、無水硫酸、硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(Li塩,Na塩,K塩,Rb塩,Cs塩等)等が挙げられる。スルホン化剤の量は、上記重合体1モルに対して、好ましくは、無水硫酸換算で0.005〜1.5モル、より好ましくは、0.01〜1.0モルである。
【0036】
前記ジエン系スルホン酸基含有重合体は、次に、上記のようにしてスルホン化された生成物に水及び/又は塩基性化合物を作用させて得られた状態で使用されるのが好ましい。塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニア水、有機金属化合物、アミン類などが挙げられる。塩基性化合物は、1種または2種以上を併用して用いることができる。塩基性化合物の使用量は、使用したスルホン化剤1モルに対して、2モル以下、好ましくは、1.3モル以下である。
【0037】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体を得るために使用されるモノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、又はイソブチレンと三酸化イオウとを反応させて得られるメタクリルスルホン酸等のビニルモノマー、あるいはp−スチレンスルホン酸ナトリウム等のスチレン系単量体(例えば、東ソ(株)製、スピロマー)、あるいは一般式CH2=C(CH3)−COO(AO)nSO3Na(A:低級アルキレン基)で表わされるメタクリル酸エステル系単量体(例えば、三洋化成(株)製、エレミノール RS−30)のようなスルホニル基を有するモノマー、及び前記モノマーのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0038】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記スルホン酸基を有するモノマーにスルホン酸基を含有しないモノマーを共重合させることによっても得られる。
【0039】
共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン等の芳香族モノビニル化合物、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、シリコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることができる。更に、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物や酢酸ビニル等のビニルエステル化合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物が挙げられる。共重合可能なモノマーのうちでは、スチレン、メチルメタクリレート、アクリロニトリルが好ましい。
【0040】
共重合可能なモノマーの使用量は、重合性モノマーの通常1〜93重量%、好ましくは、5〜80重量%である。
【0041】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のスルホン酸基含有モノマー又は、スルホン酸基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、例えば、水あるいは有機溶媒などの重合用溶媒の中で、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等を使用してラジカル重合する。
【0042】
上記の非ジエン系モノマーを共重合して得られる非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
【0043】
非ジエン系スルホン酸基含有重合体としては、特に、アクリル系スルホン酸基含有重合体が好ましい。
【0044】
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、酸価が100以上であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、重量平均分子量(Mw)が8000以上、2万以下であり、ガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)が5℃以上、50℃以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の粒子径は70nm以下であることが好ましい。より好ましくは、20nm以上、70nm以下である。ポリマー微粒子径がこの範囲内であると、水中においてポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなり、透明性の高いクリアインク組成物が得られ、高品位な記録画像が得られる。
(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン
前記変性ポリプロピレンエマルジョンは、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、重量平均分子量(Mw)が1000以上、50000以下のポリプロピレンを不飽和カルボン酸又はその無水物で変性させた後、これを塩基性化合物及び乳化剤の存在下で水中に分散させて得たものであることが好ましい。前記不飽和カルボン酸は、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸であることが好ましい。
【0045】
本発明の変性ポリプロピレンエマルジョンとしては、低分子量ポリプロピレンを、加熱反応又は有機過酸化物を用いた公知の方法等で変性して得られたものが挙げられる。例えば、不活性ガス雰囲気中、低分子量ポリプロピレンを芳香族系溶剤又は塩素系溶剤の存在下で、あるいは、パーオキシド類ラジカル発生触媒の存在下で、加熱溶解し、不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフトさせて変性して得られる。
(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体(当該共重合体は「アルカリ可溶型樹脂」でもある)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、酸価が40以下であることが好ましい。
前記共重合体は、塩基によってpHが調整されていることが好ましい。
前記塩基は無機塩基であることが好ましい。
前記無機塩基は、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物であることが好ましい。
【0046】
前記共重合体のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、70℃以下であることが好ましい。より好ましくは50℃以下であり、さらに好ましくは10℃以下である。
【0047】
具体的には、水溶性高分子化合物のうち、分子量1,000当たりアルコール性水酸基を5〜25個含有しているものが好ましく、例えば、ポリビニルアルコールやその各種変性物等のビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸又は無水マレイン酸との共重合体の鹸化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシメチル澱粉、等の澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコール等を挙げることができる。これらのアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0048】
前記アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、ビニルアルコール系重合体であることが好ましい。
【0049】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シストラコン酸等の多価カルボン酸無水物等を挙げることができる。これらの単量体は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0050】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、アクリル酸又はメタクリル酸であることが好ましい。
【0051】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アリルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル単量体などが挙げられる。これらの単量体は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0052】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体であることが好ましい。
前記共重合性界面活性剤は、分子中に1個以上の重合可能なビニル基を有する界面活性剤であり、例えば、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステル燐酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤を挙げることができる。これらの中では、単量体の乳化分散性能および単量体との共重合性のバランスが優れている点で、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩が好ましい。これらの共重合性界面活性剤は、1種もしくは2種以上で使用することができる。
【0053】
前記ポリマー微粒子の重量平均分子量(Mw)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、1000以上、100万以下であることが好ましく、より好ましくは、8000以上、2万以下である。なお、アルカリ可溶型樹脂の重量平均分子量を調節するために、必要に応じて連鎖移動剤を重合時に使用することができる。
【0054】
前記ポリマー微粒子のpHは、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、8以上、11以下であることが好ましく、さらには、9以上、10以下であることが好ましい。
【0055】
前記ポリマー微粒子の濁度は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、30mg/L以下であることが好ましい。
前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂
前記ポリマー微粒子は、粒子径70nm以上の乳化型樹脂であることが好ましい。より好ましくは、100nm以上、150nm以下である。ポリマー微粒子径がこの範囲内であると、水中においてポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなり、透明性の高いクリアインク組成物が得られ、高品位な記録画像が得られる。
【0056】
該乳化型樹脂のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、20℃以下であることが好ましい。
【0057】
前記ポリマー微粒子の含有量は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、クリアインク組成物中0.05重量%以上、10.0重量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下である。なお、ここでいうポリマー微粒子の重量は、固形分換算量である。
【0058】
ポリマー微粒子は一種添加してもよく、あるいは、これらのうち二種以上を混合して添加してもよい。混合して添加する場合には、これらの合計含有量がインク組成物中0.05重量%以上、10.0重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下(さらに好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下)である。
【0059】
本発明のインクセットは、上記のいずれかに記載のクリアインク組成物と、少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物と、ブラックインクを備えることが好ましい。
【0060】
上記おいては、さらに、色相角が前記イエローインク組成物及び前記マゼンタインク組成物の混合色の色相角であるレッドインク組成物を備えることが好ましい。
【0061】
上記においては、さらに、色相角が前記マゼンタインク組成物及び前記シアンインク組成物の混合色の色相角であるバイオレットインク組成物を備えることが好ましい。
【0062】
レッドインク組成物やバイオレットインク組成物を備えることにより、粒状性に優れたインクセットを得ることができる。これは、マゼンタやシアンは顔料固形分の含有量が低いことに因るものと考えられる。
【0063】
上記の構成とすることにより、記録画像の発色性及び鮮映性がより向上する。
【0064】
上記クリアインク組成物においては、溶媒として水を用いる。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水の何れも好ましく用いることができる。また、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理したものを用いると、カビやバクテリアの発生が抑制されるため、さらに好ましい。
【0065】
上記クリアインク組成物は、さらに、アセチレングリコール系化合物、アセチレンアルコール系化合物、又はポリシロキサン系化合物のいずれかを界面活性剤として含有してもよい。
【0066】
これにより、発色性及び光沢性を劣化させることなく、クリアインク組成物の吐出安定性を高めることができる。吐出安定性が高まるのは、これら界面活性剤がクリアインク組成物の表面張力を低下させ、クリアインク組成物が記録媒体へ浸透するのを促進するためであると考えられる。
【0067】
界面活性剤の含有量は、クリアインク組成物中好ましくは0.1重量%以上、3.0重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以上、1.0重量%以下である。
【0068】
クリアインク組成物の表面張力は、吐出安定性向上の観点から、好ましくは15dyn/cm以上、45dyn/cm以下であり、より好ましくは20dyn/cm以上,30dyn/cm以下である。
【0069】
アセチレングリコール系化合物としては、オルフィンE1010、STG、Y(何れも商品名、日信化学社製)、サーフィノール82、104、440、465、485(何れも商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等の市販品を用いることができる。
【0070】
アセチレンアルコール系化合物としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、サーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等を用いることができる。
【0071】
ポリシロキサン系化合物としては、下記の一般式(2)で表わされる化合物等を用いることができる。
【0072】
【化1】
(式(2)中、R1〜R9は、独立してC1−6アルキル基を表し、j、k及びxは独立して1以上の整数を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、m及びnは0以上の整数を表すが、m+nは1以上の整数を表し、EO及びPOは[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)
上記クリアインク組成物は、さらに、グリコールエーテル系化合物又はアルキルジオール系化合物を含んでいてもよい。これら化合物を溶剤として用いることにより、発色性及び光沢性を低下させることなく、記録画像の画像品質を高めることができる。これら化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、画像品質の向上の観点から、クリアインク組成物中好ましくは1.0重量%以上、30重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以上、10重量%以下である。
【0073】
グリコールエーテル系化合物としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好適である。
【0074】
アルキルジオール系化合物としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。特に、1,2−ヘキサンジオールが好適である。
【0075】
上記クリアインク組成物は、さらに、多価アルコール系化合物を含有していてもよい。多価アルコール系化合物としては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等の水溶性の有機溶剤が挙げられる。特に、グリセリンが好適である。
【0076】
多価アルコール系化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、クリアインク組成物中好ましくは5.0重量%以上、40重量%以下、より好ましくは10重量%以上、30重量%以下である。
【0077】
本発明のインクセットは、イエローインク組成物(Y)、マゼンタインク組成物(M)、シアンインク組成物(C)等のカラーインク組成物を含有する。これらには、通常のインクジェット記録用カラーインク組成物に含まれる着色剤、分散剤等を特に制限なく用いることができる。
【0078】
イエローインク組成物(Y)の着色剤としては、イエロー顔料が好適に用いられる。該イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー74、81、83、93、109、110、120、128、138、139、150、151、154、155、173、180、185、195等が挙げられる。
【0079】
イエローインク組成物としては、記録媒体上でのCIELAB色空間(CIE1976(L*a*b*)表色系、JISZ 8729)において定義される色相角が80°〜110°の範囲内であるものが好ましい。
【0080】
マゼンタインク組成物(M)の着色剤としては、マゼンタ顔料が好適に用いられる。該マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、202、209、112、123、168、184、5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1及びC.I.ピグメントバイオレット19等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントレッド122と202が好ましい。
【0081】
マゼンタインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が330°〜360°の範囲内であるものが好ましい。
【0082】
シアンインク組成物(C)の着色剤としては、シアン顔料が好適に用いられる。該シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、60、1、2、3、16、22、15:34等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
【0083】
シアンインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が230°〜260°の範囲内であるものが好ましい。
【0084】
レッドインク組成物(R)の着色剤としては、色相角がイエローインク組成物及びマゼンタインク組成物の混合色の色相角となるようなレッド顔料が好適に用いられる。該レッド顔料としては、ピグメントレッド17、49:2、112、177、178、188、255、264、149等が挙げられる。
【0085】
バイオレットインク組成物(V)の着色剤としては、色相角がマゼンタインク組成物及びシアンインク組成物の混合色の色相角となるようなバイオレット顔料が好適に用いられる。該バイオレット顔料としては、ピグメントバイオレット3、19、23、32、36、38等が挙げられる。
【0086】
ブラックインク組成物(K)の着色剤としては、ブラック顔料が好適に用いられる。該ブランクインク顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。
【0087】
本発明のインクセットは、上記の他、ライトイエローインク組成物、ライトマゼンタインク組成物、ライトシアンインク組成物、ブルーインク組成物、ライトブラックインク組成物、グリーンインク組成物、ダークイエローインク組成物、オレンジインク組成物等を備えていてもよい。
【0088】
オレンジインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が30°〜80°の範囲内であるものが好ましい。
【0089】
ブルーインク組成物としては、前記CIELAB色空間において定義される色相角が160°〜230°の範囲内であるものが好ましい。
【0090】
前記オレンジインク組成物の明度及びブルーインク組成物の明度は、それぞれマゼンタインク組成物の明度及びシアンインク組成物の明度よりも低いことが好ましい。
【0091】
前記オレンジインク組成物の彩度及びブルーインク組成物の彩度は、それぞれマゼンタインク組成物の彩度及びシアンインク組成物の彩度よりも高いことが好ましい。
【0092】
着色剤の含有量は、各インク組成物中、好ましくは0.1〜20重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。着色剤の含有量は、濃淡カラーインク組成物等のインク組成物の種類に応じて適宜調整される。
【0093】
前記クリアインク組成物及び/又はカラーインク組成物は、必要に応じてインクジェット記録用の水性インク組成物に一般的に用いられている溶媒をさらに含むことができる。そのような溶媒としては、2−ピロリドン、トリエタノールアミン、糖等が挙げられる。糖の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、等が挙げられる。ここで多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表わされる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。また市販品としては、HS−300、500(登録商標林原商事)等を入手することができる。
【0094】
また、クリアインク組成物及び/又はカラーインク組成物は、助剤をさらに含むことができる。そのような助剤としては、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、耐擦性向上剤等が挙げられる。
【0095】
カラーインク組成物の表面張力は、吐出安定性向上の観点から、好ましくは15dyn/cm以上,45dyn/cm以下であり,より好ましくは20dyn/cm以上,30dyn/cm以下である。
【0096】
さらに、本発明のインクジェット記録方法について、説明する。本発明のインクジェット記録方法では、上述のクリアインク組成物、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、及びブラックインク組成物あるいは、上記インクセットを用いて、各インク組成物を記録媒体に付着させて記録を行うものである。上述のインクセットを用いて印字することにより、特に、専用紙においてカラーインクの鮮映性を著しく向上させることができる。
【0097】
これらの記録方法を用いることにより、記録画像の発色性及び鮮映性を兼ね備えた記録物を得ることができる。
【0098】
なお、上記記録方法においては、クリアインク組成物とインク組成物とを同一処理時に吐出させてもよい。ここで、「同一処理時」とは、1回の記録(1パス)内で、クリアインク組成物及びインク組成物の両者により、特定画像を形成するように処理するときをいう。したがって、両者を全く同時に吐出する場合の他、1パス内において、インク組成物を先に吐出した後、クリアインク組成物を吐出する場合、及び1パス内において、クリアインク組成物を先に吐出した後、インク組成物を後で吐出する場合も「同一処理時」に含まれる。
【0099】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何等限定されるものではない。
【0100】
(実施例1)
(エマルジョンAの調整)
エチルアクリレート55部、メチルアクリレート37部、メタクリル酸6部、分子量調整剤としてチオグリコール酸オクチル3部、ポリビニルアルコール2.5部及びイオン交換水280部を攪拌混合して、単量体混合物の分散物を調整した。
【0101】
次に、攪拌機付き反応器にイオン交換水130部と過硫酸カリウム2部を仕込み、80℃に昇温し、上記単量体混合物の分散物を4時間かけて連続添加して重合させた。連続添加終了後、80℃で30分間反応を行った。
【0102】
次いで、仕込みのメタクリル酸と当モルの水酸化ナトリウムに相当する量の10%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に添加し、さらに80℃で1時間熱処理した後に、適量のイオン交換水を加えて固形分濃度15%の樹脂を得た。該樹脂の酸価は40、pHは9.2であった。
【0103】
(エマルジョンBの調整)
(1)ガラス製反応容器にジオキサン100gを入れ、これに無水硫酸11.8gを内温を25℃に保ちながら添加し、2時間攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
【0104】
(2)次に、スチレン/イソプレン/スチレン3元ブロック共重合体(10/80/10重量比、Mw=100000)100gのTHF溶液(濃度=15%)中に上記(1)で得られた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添加し、さらに2時間攪拌を続けた。
【0105】
(3)水1200g、水酸化ナトリウム7.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gをフラスコに入れ、内温を40℃に保った。この中に、(2)の溶液全量を40℃に内温を保ちつつ1時間で滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌した後、減圧蒸留により、水を残しつつ溶剤を除去し、濃度15%のスルホン化ポリマーエマルジョンCを得た。固形分中のスルホン酸含量は1.2mmo1/gであった。
【0106】
下記の各組成物からなるクリアインク及びカラーインクを調製した。
【0107】
(クリアインク1)
エマルジョンA(固形分換算) 1.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0108】
(クリアインク2)
エマルジョンB(固形分換算) 1.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0109】
(イエローインク)
顔料(PY74) 3.0重量%
スチレン−アクリル共重合樹脂(固形分換算)1.0重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0110】
(シアンインク)
顔料(PB15:3) 1.5重量%
スチレン−アクリル共重合樹脂(固形分換算)0.5重量%
オルフィンE1010 0.5重量%
グリセリン 20重量%
エチレングリコール 20重量%
1,2−ヘキサンジオール 5.0重量%
2−ピロリドン 2.0重量%
TEA(トリエタノールアミン) 1.0重量%
水 残量
合計 100重量%
【0111】
以上、クリアインクとカラーインクの表面張力を協和界面科学社製CBVP−Zで、粘度を山一電機製デジタル粘度計VM−100で測定したところ、以下表1のようであった。
【0112】
【表1】
【0113】
〔PM写真用紙を用いた鮮映性の評価〕
表1の各インクセットについて、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製;PM970C)を用いて、PM写真用紙(セイコーエプソン株式会社製;PM写真用紙)に対して、720×720dpi、双方向にて印刷を行った。このとき、1ドットあたりのインク吐出量が表2記載のインク量となるよう、圧電素子に印加する電圧を調整した。印刷パターンはカラーインクのdutyが20%、100%となるように10×10cm四方のベタを印刷し、クリアインクはそれらのベタに、dutyが20%となるように同じ印字パス内で、重ね打ちをした。
【0114】
〔鮮映性の評価〕
得られた記録物の鮮映性を次のようにして試験した。松下電器産業株式会社製パルック蛍光灯FLR40S EX−N/Mが2本並列で並んでいる電灯から1mの距離で、蛍光灯の形状をベタ上に映し、その形状の像と以下の基準から判断した。
【0115】
(評価基準)
AA:2本の蛍光灯の像が鮮明に見える
A:2本の蛍光灯の像が多少かすんで見える
B:2本の蛍光灯の像がかなりかすんで見えるが、蛍光灯が2本あることは確認できる。
C:蛍光灯の光自体は確認できるが、2本であることが確認できない
【0116】
にじみの評価
鮮映性の評価において印刷した100%dutyのベタ部の印刷面を観察し、にじみが生じているかを目視で確認した。
【0117】
(評価基準)
A:にじみがなく、印刷面が均一に見える
B:ほとんどにじみは生じていないが、よく見ると多少の不均一感がある
C:明らかにインクが溢れたにじみが見える
【0118】
【表2】
【0119】
表2に示すように、実施例1〜4においては比較例1、2に比べて鮮映性が向上した。また、比較例3のようにクリアインクを多く吐出しすぎると、高duty部ではインクが記録媒体上で溢れ、鮮映性がかえって悪くなり、かつにじみが生じてしまった。実施例1〜4のように、クリアインクの吐出布量をカラーインク吐出量の1.2〜30倍とすると、鮮映性を向上することができる。
【0120】
【発明の効果】
本発明のインク組成物、インクジェット記録方法によれば、記録画像の鮮映性に優れた高画質な画像を得ることができる。
Claims (27)
- ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくとも顔料を含む1色以上のカラーインク組成物と、を備えるインクセットを使用するインクジェット記録方法において、前記クリアインクの1ドットあたりのインク吐出量がカラーインク組成物の1ドットあたりのインク吐出量の1.2〜30倍であることを特徴とする、インクジェット記録方法。
- 前記クリアインクの記録媒体上でのドット径が、カラーインク組成物の記録媒体上でのドット径よりも大きいことを特徴とする、請求項1記載のインクジェット記録方法。
- 前記クリアインクの記録媒体上でのドット径が、カラーインク組成物の記録媒体上でのドット径の1.2〜20倍であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に使用するクリアインク組成物であって、前記ポリマー微粒子が、(i)スルホン酸基含有重合体、(ii)変性ポリプロピレンエマルジョン、(iii)エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体、及び(iv)粒子径70nm以上の乳化型樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー微粒子であるクリアインク組成物。
- 前記スルホン酸基含有重合体が、ジエン系スルホン酸基含有重合体及び/又は非ジエン系スルホン酸基含有重合体である、請求項4記載のクリアインク組成物。
- 前記非ジエン系スルホン酸基含有重合体が、アクリル系スルホン酸基含有重合体である、請求項5記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子は、酸価が100以上である請求5又は6記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子は、重量平均分子量(Mw)が8000以上、2万以下であり、ガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)が5℃以上、50℃以下である請求項5〜7のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)が20℃以下である請求項5〜8のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子の粒子径が70nm以下である請求項5〜9のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記変性ポリプロピレンエマルジョンが、重量平均分子量(Mw)が1000以上、50000以下のポリプロピレンを不飽和カルボン酸又はその無水物で変性させた後、これを塩基性化合物及び乳化剤の存在下で水中に分散させて得たものである請求項4記載のクリアインク組成物。
- 前記不飽和カルボン酸が、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸である請求項11記載のクリアインク組成物。
- 前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体の酸価が40以下である請求項4記載のクリアインク組成物。
- 前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体及びこれと共重合可能なその他の単量体をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物又は共重合性界面活性剤の存在下で重合して得られる共重合体は、塩基によってpHが調整されている請求項13記載のクリアインク組成物。
- 前記塩基が無機塩基である請求項14記載のクリアインク組成物。
- 前記無機塩基が、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物である請求項15記載のクリアインク組成物。
- 前記共重合体のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)が70℃以下である請求項13〜16のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物が、ビニルアルコール系重合体である請求項13〜17のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸又はメタクリル酸である請求項13〜18のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体である請求項13〜19のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子の重量平均分子量(Mw)が1000以上、100万以下である請求項13〜20のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子のpHが8以上、11以下である請求項13〜21のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子の濁度が30mg/L以下である請求項13〜22のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)が20℃以下である請求項13〜23のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記粒子径70nm以上の乳化型樹脂のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)が20℃以下である請求項4に記載のクリアインク組成物。
- 前記ポリマー微粒子の含有量がクリアインク組成物中0.05重量%以上、10.0重量%以下である請求項4〜25のいずれかに記載のクリアインク組成物。
- 前記クリアインク組成物の表面張力が15dyn/cm以上、45dyn/cm以下である請求項1〜26のいずれかに記載のクリアインク組成物。
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