JP2004305977A - 塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、以上のような問題を解決するものであり、グラビアコーターなどのロールコーターにおいて、縦スジ、欠陥等のない、均一な塗膜を形成できる塗布装置の提供を課題とする。さらには均一な薄膜を形成できる塗布装置の提供を課題とする。
【解決手段】少なくとも、連続的に搬送してなる支持体の片側に、離間した一対の上下流側ガイドロールが支持体に接触配置され、該支持体のもう一方の側であり、かつ該一対の上下流側ガイドロール支持体の間に配設され、かつ塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、該アプリケーターロールが振動機構を備えていることを特徴とする塗布装置を提供するものである。
【選択図】図3
【解決手段】少なくとも、連続的に搬送してなる支持体の片側に、離間した一対の上下流側ガイドロールが支持体に接触配置され、該支持体のもう一方の側であり、かつ該一対の上下流側ガイドロール支持体の間に配設され、かつ塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、該アプリケーターロールが振動機構を備えていることを特徴とする塗布装置を提供するものである。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラビア塗布装置等のロールコーターにおいて、連続して走行する支持体上に、均一な厚さの薄膜を塗布する塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続して搬送されるウェブ状で可撓性の支持体表面に、均一な塗布膜を形成する方法として、塗布液を支持体に転移させる為のアプリケーターロールを用いる、正転ロールコーター方式、リバースロールコーター方式、グラビアコーター方式、キスコーター方式などのロールコーターが知られており、様々な分野の膜形成法として適用されている。
【0003】
ロールコーターの代表的な一例として、ロール上に一定のセル状の凹凸が彫刻されたグラビアロールを用いたグラビアコーター方式が良く知られている。グラビアコーター方式は、一定速に回転するグラビアロールが塗布液槽より塗布液を掻き上げ、更にその掻き上げられた塗布液を一定の塗布量に計量するドクターブレードにより掻き落とし、連続搬送されるウェブ上に任意の膜厚をもって転写する方式で、特に薄膜形成等に応用されている。この方式では、グラビアロールの回転方向、回転速度、グラビアセルの深度等を変更する事により容易に膜厚を調整出来る為に、同一装置による少ロット多品種生産などに対応が可能であり、多くの分野における薄膜形成法として利用されている。
【0004】
しかしながらグラビアコーター方式は、セル内の塗布液を転移させる以上セルパターンが塗布面に残ってしまう欠点を有している。この問題に対しては塗布液の濃度、粘度の調整によるレベリングの改善により対応する事が試みられるが、なかなか均一な塗膜、平滑な塗布面を得る事が困難であった。
【0005】
また、グラビアロールを基材流れ方向に対して逆転方向に回転させるリバースグラビア方式にする事によって、セルパターンを塗布面に残さない対策も行われるが、調整に熟練を要する事、微妙な粘度変化で膜厚が変化してしまう事、縦スジが出やすい事、薄膜を得るのが困難な事などの欠点を有している。
【0006】
また、フィラーを含有するような塗布液を塗布する場合、連続的に塗布を続けている間に、版詰まりと呼ばれるグラビアのセルの内部にフィラー粒子が沈着する現象が起き、時間の経過とともに膜厚が薄くなっていく不具合が生じる事があった。また、その版詰まりが局所的に起こった場合、塗布面に縦スジが発生する不具合が生じる事があった。
【0007】
また、塗布ビードと呼ばれる、支持体とグラビアロールの接触点付近の液だまり部分に、外部からの異物、発生した泡、塗布液物質の凝集等が混入し留まる現象が起こり、縦スジを発生させる事があった。
また、塗布液の特性によっては、支持体上にグラビアロールから転移した直後の離れ際に、リビング現象と呼ばれる等間隔に発生する縦スジを起こす不具合がしばしば起こった。
【0008】
また、多くの高分子系溶液で見られる、擬粘性流動や擬塑性流動等の性質を示す流体においては、高せん断応力での塗布を求められる為に、グラビアロールを高速に回転するか、または支持体の搬送速度を高速にする必要があるが、塗布液の飛散の問題、乾燥能力の問題等が有り、非常に限られた条件での塗布を強いられていた。
このような問題はグラビアコーター方式に限られた事ではなく、アプリケータターロールを使ったロールコーター全般で起こる問題であった。
このような塗布スジに対し、グラビアロールの刻印間の面積率を規定することにより解消する技術が知られている(特許文献1参照)が、版詰まり、気泡発生などの問題が完全に解消できるわけではない。
【0009】
【特許文献1】
特開平07−144163号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、以上のような問題を解決するものであり、グラビアコーターなどのロールコーターにおいて、縦スジ、欠陥等のない、均一な塗膜を形成できる塗布装置の提供を課題とする。さらには均一な薄膜を形成できる塗布装置の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、少なくとも、連続的に搬送してなる支持体の片側に、離間した一対の上下流側ガイドロールが支持体に接触配置され、該支持体のもう一方の側であり、かつ該一対の上下流側ガイドロール支持体の間に配設され、かつ塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、該アプリケーターロールが振動機構を備えていることを特徴とする塗布装置である。
【0012】
請求項2の発明は、少なくとも、連続的に搬送してなる支持体の片側に、バックロールを備え、該支持体のもう一方の側に、塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールを備え、該アプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、該アプリケーターロールが振動機構を備えていることを特徴とする塗布装置である。
【0013】
請求項3の発明は、前記塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールと前記連続的に搬送してなる支持体の間に中間ロールが配置されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布装置である。
【0014】
請求項4の発明は、前記中間ロールが複数配置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布装置である。
【0015】
請求項5の発明は、前記振動機構が、複数の圧電素子からなり、各圧電素子が独立して振動を発生できることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布装置である。
【0016】
請求項6の発明は、前記連続的に搬送してなる支持体の前記アプリケーターロールより下流側に膜厚測定装置を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗布装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、アプリケーターロールを用いて塗工するロールコーター方式において、塗布時のアプリケーターロールに付着している塗液中の気泡や異物、塗液の凝集などによる塗布ムラを防ぐものである。
本発明のロールコーターは、アプリケーターロールにより、被転写体に塗液を転写するものであれば、何でもよく、例えば、グラビアコーター、リバースロールコーター、キスコーターなど様々な塗布装置に応用できる。
【0018】
以下本発明の実施の一形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、連続的に搬送してなる支持体1の片側に、離間した一対の上下流側ガイドロール2、3が支持体に接触配置され、該支持体のもう一方の側で、かつ該一対の上下流側ガイドロール支持体の間に配設され、かつ塗布液槽7内の塗布液6に接触して配置されてなるアプリケーターロール5から該支持体に塗布液を塗布する塗布装置である。
図3は、連続的に搬送してなる支持体1の片側に、バックロール4を備え、該支持体のもう一方の側に、塗布液槽7内の塗布液6に接触して配置されてなるアプリケーターロール5を備え、該アプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置である。
図2、図4は、図1、図3の塗布装置の塗布液槽7とアプリケーターロールの間に中間ロールを設けてなる塗布装置である。
【0019】
本発明の塗布装置において、アプリケーターロール5の大きさや回転方向は塗液の性質や、目的とする膜厚などにより、任意に変化させることができる。
また、図2、図4において中間ロール8は、アプリケーターロール5に付着している塗液の量などを調整するために備えてなるものである。この中間ロール8は複数設けてもかまわない。また、この中間ロール8の大きさや回転方向も塗液の性質や、目的とする膜厚などにより、任意に変化させることができる。
【0020】
本発明では、アプリケーターロール5に振動機構9を備える(図5、図6参照)ことにより、均一な塗工を行うことを特徴とする。
振動機構9としては、公知の圧電素子をアプリケーターをアプリケーターロールに組み込むことでアプリケーターロールに圧電機能を持たせることができる。
【0021】
前記振動機構9は、一つの圧電素子からなっていても良いが、複数の圧電素子10からなっていても良い。例えば、図5、図6にあるように、ロールコーターの内部に、ロールコーターの外壁に沿うように圧電素子10を組み込むことができる。
複数の圧電素子10からなる場合、それぞれの圧電素子10に独立して電圧を印加して、独立して圧電素子に応力を発生させることができる。
【0022】
流体に応力を加えて流動させることにより、軟化(粘度低下)を起こすことが知られている。またさらに応力を加え流動を増大させると、さらに軟化は進む。
本発明では、この作用を応用しており、アプリケーターロール上の塗液の気泡、凝集、濃度ムラが発生した際、圧電機構9に電圧を印加することにより、塗液に応力を加え、塗液の気泡、凝集、濃度ムラが発生している場所の、塗液特性を変化させ、このような問題を解消するものである。
また、塗液中の異物も塗液の特性が変化することにより、異物を除去することができる。
【0023】
また、本発明では、圧電素子10に電圧を印加させ、アプリケーターロール全体に振動を発生させながら、塗布することができる。このようにすることで、常に塗布時の塗布液を低粘度化させ、塗液の気泡、凝集、濃度ムラなどが発生がなく、塗布することができる。
【0024】
本発明では、前記したように圧電機構9として、複数の圧電素子10をアプリケーターロール5に備えることができ、アプリケーターロール上の塗液の気泡、凝集、濃度ムラが発生している場所に対応した圧電素子に電圧を印加し、その場所の塗液に応力を与えることにより、気泡、凝集、濃度ムラを解消することができる。
【0025】
また、本発明では、前記支持体の前記アプリケーターロールより下流側に膜厚測定装置11を備えることができる(図7参照)。
前記膜厚測定装置11を設けることにより、支持体上に塗布した塗液の縦スジ、欠陥などの塗布面不良を測定し、圧電機構に測定された信号を送り、該圧電機構に電圧を印加することにより、支持体上に塗布した塗液の縦スジ、欠陥などの塗布面不良を解消することができる。
【0026】
膜厚測定装置としては、公知の装置を用いることができる。例えば、CCDカメラ及び画像処理装置を用いた膜厚測定装置を用いることができる。
また、膜厚測定装置により測定された信号は、信号演算制御手段により計算され、圧電機構に縦スジや欠陥を解消するのに必要な電圧をかけることができるように信号を送ることができる。
このような信号演算制御手段には、公知の装置を用いることができる。例えば、演算制御コンピューター、アンプよりなる装置を用いることができる。
具体的には、例えばCCDカメラ及び画像処理装置によって縦スジ或いは欠陥、ヌケ等の塗布面不良が検出された場合、演算制御コンピューターによって塗布面不良を起こしているグラビアロールの位置を割り出し、特定の圧電素子に平常時の20倍の入力電圧を印加するシステムとすることができる。
【0027】
このようにすることで、一度支持体に縦スジや欠陥が発生しても、その後グラビアロールの縦スジや欠陥に対応する場所に振動を発生させることで、それ以降の支持体には縦スジ、欠陥の発生なく、塗液を塗布することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、アプリケーターロールに振動機構を持たせることにより、アプリケーターロールを用いて塗布液を塗布する際、アプリケーターロール上に発生した、塗布液の気泡、塗布液の凝集などによる塗布液の濃度ムラ、異物の混入、等による塗布ムラを解消することができると同時に、長時間の連続塗布においても版詰まりを生じる事無く、均一な塗工ができるものである。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図2】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図3】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図4】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図5】本発明の圧電機構を備えたアプリケーターロールの一実施形態を表した概略図である。
【図6】本発明の圧電機構を備えたアプリケーターロールの一実施形態を表した概略図である。
【図7】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図8】本発明の信号検出、制御を表わすチャート図である。
【符号の説明】
1・・・支持体
2・・・ガイドロール(上流側)
3・・・ガイドロール(下流側)
4・・・バックアップロール
5・・・アプリケーターロール
6・・・塗布液槽
7・・・塗布液
8・・・中間ロール
9・・・振動機構
10・・・圧電素子
11・・・膜厚測定手段
12・・・信号演算制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラビア塗布装置等のロールコーターにおいて、連続して走行する支持体上に、均一な厚さの薄膜を塗布する塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続して搬送されるウェブ状で可撓性の支持体表面に、均一な塗布膜を形成する方法として、塗布液を支持体に転移させる為のアプリケーターロールを用いる、正転ロールコーター方式、リバースロールコーター方式、グラビアコーター方式、キスコーター方式などのロールコーターが知られており、様々な分野の膜形成法として適用されている。
【0003】
ロールコーターの代表的な一例として、ロール上に一定のセル状の凹凸が彫刻されたグラビアロールを用いたグラビアコーター方式が良く知られている。グラビアコーター方式は、一定速に回転するグラビアロールが塗布液槽より塗布液を掻き上げ、更にその掻き上げられた塗布液を一定の塗布量に計量するドクターブレードにより掻き落とし、連続搬送されるウェブ上に任意の膜厚をもって転写する方式で、特に薄膜形成等に応用されている。この方式では、グラビアロールの回転方向、回転速度、グラビアセルの深度等を変更する事により容易に膜厚を調整出来る為に、同一装置による少ロット多品種生産などに対応が可能であり、多くの分野における薄膜形成法として利用されている。
【0004】
しかしながらグラビアコーター方式は、セル内の塗布液を転移させる以上セルパターンが塗布面に残ってしまう欠点を有している。この問題に対しては塗布液の濃度、粘度の調整によるレベリングの改善により対応する事が試みられるが、なかなか均一な塗膜、平滑な塗布面を得る事が困難であった。
【0005】
また、グラビアロールを基材流れ方向に対して逆転方向に回転させるリバースグラビア方式にする事によって、セルパターンを塗布面に残さない対策も行われるが、調整に熟練を要する事、微妙な粘度変化で膜厚が変化してしまう事、縦スジが出やすい事、薄膜を得るのが困難な事などの欠点を有している。
【0006】
また、フィラーを含有するような塗布液を塗布する場合、連続的に塗布を続けている間に、版詰まりと呼ばれるグラビアのセルの内部にフィラー粒子が沈着する現象が起き、時間の経過とともに膜厚が薄くなっていく不具合が生じる事があった。また、その版詰まりが局所的に起こった場合、塗布面に縦スジが発生する不具合が生じる事があった。
【0007】
また、塗布ビードと呼ばれる、支持体とグラビアロールの接触点付近の液だまり部分に、外部からの異物、発生した泡、塗布液物質の凝集等が混入し留まる現象が起こり、縦スジを発生させる事があった。
また、塗布液の特性によっては、支持体上にグラビアロールから転移した直後の離れ際に、リビング現象と呼ばれる等間隔に発生する縦スジを起こす不具合がしばしば起こった。
【0008】
また、多くの高分子系溶液で見られる、擬粘性流動や擬塑性流動等の性質を示す流体においては、高せん断応力での塗布を求められる為に、グラビアロールを高速に回転するか、または支持体の搬送速度を高速にする必要があるが、塗布液の飛散の問題、乾燥能力の問題等が有り、非常に限られた条件での塗布を強いられていた。
このような問題はグラビアコーター方式に限られた事ではなく、アプリケータターロールを使ったロールコーター全般で起こる問題であった。
このような塗布スジに対し、グラビアロールの刻印間の面積率を規定することにより解消する技術が知られている(特許文献1参照)が、版詰まり、気泡発生などの問題が完全に解消できるわけではない。
【0009】
【特許文献1】
特開平07−144163号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、以上のような問題を解決するものであり、グラビアコーターなどのロールコーターにおいて、縦スジ、欠陥等のない、均一な塗膜を形成できる塗布装置の提供を課題とする。さらには均一な薄膜を形成できる塗布装置の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、少なくとも、連続的に搬送してなる支持体の片側に、離間した一対の上下流側ガイドロールが支持体に接触配置され、該支持体のもう一方の側であり、かつ該一対の上下流側ガイドロール支持体の間に配設され、かつ塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、該アプリケーターロールが振動機構を備えていることを特徴とする塗布装置である。
【0012】
請求項2の発明は、少なくとも、連続的に搬送してなる支持体の片側に、バックロールを備え、該支持体のもう一方の側に、塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールを備え、該アプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、該アプリケーターロールが振動機構を備えていることを特徴とする塗布装置である。
【0013】
請求項3の発明は、前記塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールと前記連続的に搬送してなる支持体の間に中間ロールが配置されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布装置である。
【0014】
請求項4の発明は、前記中間ロールが複数配置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布装置である。
【0015】
請求項5の発明は、前記振動機構が、複数の圧電素子からなり、各圧電素子が独立して振動を発生できることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布装置である。
【0016】
請求項6の発明は、前記連続的に搬送してなる支持体の前記アプリケーターロールより下流側に膜厚測定装置を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗布装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、アプリケーターロールを用いて塗工するロールコーター方式において、塗布時のアプリケーターロールに付着している塗液中の気泡や異物、塗液の凝集などによる塗布ムラを防ぐものである。
本発明のロールコーターは、アプリケーターロールにより、被転写体に塗液を転写するものであれば、何でもよく、例えば、グラビアコーター、リバースロールコーター、キスコーターなど様々な塗布装置に応用できる。
【0018】
以下本発明の実施の一形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、連続的に搬送してなる支持体1の片側に、離間した一対の上下流側ガイドロール2、3が支持体に接触配置され、該支持体のもう一方の側で、かつ該一対の上下流側ガイドロール支持体の間に配設され、かつ塗布液槽7内の塗布液6に接触して配置されてなるアプリケーターロール5から該支持体に塗布液を塗布する塗布装置である。
図3は、連続的に搬送してなる支持体1の片側に、バックロール4を備え、該支持体のもう一方の側に、塗布液槽7内の塗布液6に接触して配置されてなるアプリケーターロール5を備え、該アプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置である。
図2、図4は、図1、図3の塗布装置の塗布液槽7とアプリケーターロールの間に中間ロールを設けてなる塗布装置である。
【0019】
本発明の塗布装置において、アプリケーターロール5の大きさや回転方向は塗液の性質や、目的とする膜厚などにより、任意に変化させることができる。
また、図2、図4において中間ロール8は、アプリケーターロール5に付着している塗液の量などを調整するために備えてなるものである。この中間ロール8は複数設けてもかまわない。また、この中間ロール8の大きさや回転方向も塗液の性質や、目的とする膜厚などにより、任意に変化させることができる。
【0020】
本発明では、アプリケーターロール5に振動機構9を備える(図5、図6参照)ことにより、均一な塗工を行うことを特徴とする。
振動機構9としては、公知の圧電素子をアプリケーターをアプリケーターロールに組み込むことでアプリケーターロールに圧電機能を持たせることができる。
【0021】
前記振動機構9は、一つの圧電素子からなっていても良いが、複数の圧電素子10からなっていても良い。例えば、図5、図6にあるように、ロールコーターの内部に、ロールコーターの外壁に沿うように圧電素子10を組み込むことができる。
複数の圧電素子10からなる場合、それぞれの圧電素子10に独立して電圧を印加して、独立して圧電素子に応力を発生させることができる。
【0022】
流体に応力を加えて流動させることにより、軟化(粘度低下)を起こすことが知られている。またさらに応力を加え流動を増大させると、さらに軟化は進む。
本発明では、この作用を応用しており、アプリケーターロール上の塗液の気泡、凝集、濃度ムラが発生した際、圧電機構9に電圧を印加することにより、塗液に応力を加え、塗液の気泡、凝集、濃度ムラが発生している場所の、塗液特性を変化させ、このような問題を解消するものである。
また、塗液中の異物も塗液の特性が変化することにより、異物を除去することができる。
【0023】
また、本発明では、圧電素子10に電圧を印加させ、アプリケーターロール全体に振動を発生させながら、塗布することができる。このようにすることで、常に塗布時の塗布液を低粘度化させ、塗液の気泡、凝集、濃度ムラなどが発生がなく、塗布することができる。
【0024】
本発明では、前記したように圧電機構9として、複数の圧電素子10をアプリケーターロール5に備えることができ、アプリケーターロール上の塗液の気泡、凝集、濃度ムラが発生している場所に対応した圧電素子に電圧を印加し、その場所の塗液に応力を与えることにより、気泡、凝集、濃度ムラを解消することができる。
【0025】
また、本発明では、前記支持体の前記アプリケーターロールより下流側に膜厚測定装置11を備えることができる(図7参照)。
前記膜厚測定装置11を設けることにより、支持体上に塗布した塗液の縦スジ、欠陥などの塗布面不良を測定し、圧電機構に測定された信号を送り、該圧電機構に電圧を印加することにより、支持体上に塗布した塗液の縦スジ、欠陥などの塗布面不良を解消することができる。
【0026】
膜厚測定装置としては、公知の装置を用いることができる。例えば、CCDカメラ及び画像処理装置を用いた膜厚測定装置を用いることができる。
また、膜厚測定装置により測定された信号は、信号演算制御手段により計算され、圧電機構に縦スジや欠陥を解消するのに必要な電圧をかけることができるように信号を送ることができる。
このような信号演算制御手段には、公知の装置を用いることができる。例えば、演算制御コンピューター、アンプよりなる装置を用いることができる。
具体的には、例えばCCDカメラ及び画像処理装置によって縦スジ或いは欠陥、ヌケ等の塗布面不良が検出された場合、演算制御コンピューターによって塗布面不良を起こしているグラビアロールの位置を割り出し、特定の圧電素子に平常時の20倍の入力電圧を印加するシステムとすることができる。
【0027】
このようにすることで、一度支持体に縦スジや欠陥が発生しても、その後グラビアロールの縦スジや欠陥に対応する場所に振動を発生させることで、それ以降の支持体には縦スジ、欠陥の発生なく、塗液を塗布することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、アプリケーターロールに振動機構を持たせることにより、アプリケーターロールを用いて塗布液を塗布する際、アプリケーターロール上に発生した、塗布液の気泡、塗布液の凝集などによる塗布液の濃度ムラ、異物の混入、等による塗布ムラを解消することができると同時に、長時間の連続塗布においても版詰まりを生じる事無く、均一な塗工ができるものである。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図2】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図3】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図4】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図5】本発明の圧電機構を備えたアプリケーターロールの一実施形態を表した概略図である。
【図6】本発明の圧電機構を備えたアプリケーターロールの一実施形態を表した概略図である。
【図7】本発明の塗布装置の一実施形態を側面で表した概略図である。
【図8】本発明の信号検出、制御を表わすチャート図である。
【符号の説明】
1・・・支持体
2・・・ガイドロール(上流側)
3・・・ガイドロール(下流側)
4・・・バックアップロール
5・・・アプリケーターロール
6・・・塗布液槽
7・・・塗布液
8・・・中間ロール
9・・・振動機構
10・・・圧電素子
11・・・膜厚測定手段
12・・・信号演算制御手段
Claims (6)
- 少なくとも、連続的に搬送してなる支持体の片側に、離間した一対の上下流側ガイドロールが支持体に接触配置され、該支持体のもう一方の側であり、かつ該一対の上下流側ガイドロール支持体の間に配設され、かつ塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、該アプリケーターロールが振動機構を備えていることを特徴とする塗布装置。
- 少なくとも、連続的に搬送してなる支持体の片側に、バックロールを備え、該支持体のもう一方の側に、塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールを備え、該アプリケーターロールから該支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、該アプリケーターロールが振動機構を備えていることを特徴とする塗布装置。
- 前記塗布液槽内の塗布液に接触して配置されてなるアプリケーターロールと前記連続的に搬送してなる支持体の間に中間ロールが配置されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布装置。
- 前記中間ロールが複数配置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布装置。
- 前記振動機構が、複数の圧電素子からなり、各圧電素子が独立して振動を発生できることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布装置。
- 前記連続的に搬送してなる支持体の前記アプリケーターロールより下流側に膜厚測定装置を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003106246A JP2004305977A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 塗布装置 |
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JP2003106246A JP2004305977A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 塗布装置 |
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JP (1) | JP2004305977A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107876297A (zh) * | 2017-11-15 | 2018-04-06 | 束长珠 | 一种冷裱膜用涂胶装置 |
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2003
- 2003-04-10 JP JP2003106246A patent/JP2004305977A/ja active Pending
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CN107876297A (zh) * | 2017-11-15 | 2018-04-06 | 束长珠 | 一种冷裱膜用涂胶装置 |
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