JP2004305942A - 触媒反応装置および燃料改質システムおよび燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷増加の変化に追随して触媒層温度を制御する触媒反応装置を提供する。
【解決手段】改質ガスを用いて発熱反応を生じる触媒層1aと、触媒層1aと熱交換を行う冷媒層1bと、を備え、触媒層1aを所定の温度に保持する触媒反応装置1において、触媒層1aに流入される改質ガス流量に応じて触媒層1aの温度を制御する触媒温度制御手段(S2〜S5)を備える。例えば、負荷増加の過渡期に、冷媒層1bの圧力を調整したり、冷媒流量を調整したりすることで、触媒層1aの温度を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】改質ガスを用いて発熱反応を生じる触媒層1aと、触媒層1aと熱交換を行う冷媒層1bと、を備え、触媒層1aを所定の温度に保持する触媒反応装置1において、触媒層1aに流入される改質ガス流量に応じて触媒層1aの温度を制御する触媒温度制御手段(S2〜S5)を備える。例えば、負荷増加の過渡期に、冷媒層1bの圧力を調整したり、冷媒流量を調整したりすることで、触媒層1aの温度を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、触媒反応装置に関する。特に、燃料改質システムを備えた燃料電池システムにおける触媒反応装置の温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
改質型燃料電池システムにおいて、改質反応により生成された改質ガス中には、ある一定以上の濃度で燃料電池スタックの被毒原因となる一酸化炭素(以下、CO)が含まれている。そこで、燃料電池スタックに導入する改質ガス中のCO濃度を低減するために、例えば、COの選択酸化触媒等のCO低減手段が備えられている。
【0003】
COの選択酸化反応には最適な反応温度範囲が存在するため、反応温度制御が重要となる。この温度範囲を超えると、改質ガス中の水素を酸化する副反応が生じ、この温度範囲より低いと、COが十分に反応せずにCOが燃料電池スタックに流入してしまう可能性が生じる。
【0004】
これに対して、改質ガスと沸騰している冷媒との間で熱交換を行うことにより、CO除去触媒温度を最適に保つ熱交換型の触媒反応装置を備えた燃料電池システムが提案されている。沸騰している冷媒は、気化熱を与えない限り温度一定に保たれるため、冷媒の沸点が触媒の最適温度内となるように冷媒圧力を調整することにより、触媒を適切な温度に維持することができる(例えば、特許文献1、参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−182103号公報
【0006】
【発明が解決しようとしている問題点】
ここで、CO除去反応の最適温度は運転負荷により異なり、負荷が大きくなるほど最適反応温度は高くなる。これに対して、従来の技術では、負荷が増加した場合の触媒層温度の制御については特に言及しておらず、発熱反応であるCOの選択酸化反応に伴う自己発熱により触媒温度が上昇する。自己発熱による昇温は、最適な反応温度になるまでに時間がかかり、自己発熱の昇温速度が負荷の変化速度に追随しない場合には、触媒が最適反応温度以下となる可能性がある。そのため、COの酸化が不十分なまま、下流の燃料電池スタックに高CO濃度の改質ガスを導入して、燃料電池スタックの出力を低下させてしまうという可能性がある。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題を鑑みて、負荷増加の変化に追随して触媒層温度を制御することができる触媒反応装置、およびそれを用いた燃料改質システム、燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、反応ガスを用いて発熱反応を生じる触媒層と、前記触媒層と熱交換を行う冷媒を流通させる冷媒層と、を備え、前記触媒層を所定の温度領域に保持する触媒反応装置において、前記触媒層に流入される反応ガス流量に応じて前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度設定手段を備える。
【0009】
または、燃料から一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質部で生成した改質ガス中の一酸化炭素を低減する触媒層と、前記触媒層と熱交換を行う冷媒層と、を有する一酸化炭素除去部と、を備える。前記改質部の負荷に応じて、前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備える。
【0010】
または、燃料から一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質部で生成した改質ガス中の一酸化炭素を低減する触媒層と、前記触媒層と熱交換を行う冷媒層と、を有する一酸化炭素除去部と、一酸化炭素を低減した改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、備える。前記燃料電池スタックに要求される負荷に応じて、前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備える。
【0011】
【作用及び効果】
触媒層に流入される反応ガス流量に応じて触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えることで、要求される反応量に応じた適切な温度に触媒層を制御することができるので、適切な反応を生じることができる。
【0012】
また、改質部の負荷に応じて触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えることで、燃料改質システムにおいて、改質器の負荷を検出することで触媒層において生じる反応量を容易に推定することができ、触媒層の温度を適切反応温度に制御することができる。
【0013】
また、燃料電池スタックに要求される負荷に応じて触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えるので、燃料電池システムにおいて、要求負荷を検出することで触媒層において生じる反応量を容易に推定することができ、触媒層の温度を適切温度に制御することができる。また、触媒反応装置で生じる反応に遅れることなく触媒層の温度を制御できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成を図1に示す。
【0015】
まず、燃料電池7に供給する低CO濃度の改質ガスを生成する燃料系について説明する。図1において燃料系を実線で示す。
【0016】
燃料を改質することによりCOを含む水素リッチな改質ガスを生成する改質器6を備える。ここでは、炭化水素系燃料の蒸気と、水蒸気と、空気と、を混合することにより生成した改質燃料を改質することにより、改質ガスを生成する。また、改質ガス中のCO濃度を低減する熱交換型触媒反応装置(以下、触媒反応装置)1を備える。ここでは、CO選択酸化触媒を備えたCO除去装置を備える。触媒反応装置1の上流側から酸化剤としての空気を混入し、この空気を用いて改質ガス中のCOを酸化することによりCO濃度を低減する。これにより低CO濃度となった改質ガスを燃料電池7に供給して、発電を行う。
【0017】
次に、触媒反応装置1について説明する。
【0018】
触媒反応装置1を触媒層1aと冷媒層1bとから構成する。触媒層1aには、CO選択酸化触媒を充填し、改質ガスを流通させてCOの選択酸化反応を生じる。また、冷媒層1bには、冷媒として改質原料、ここでは改質反応に用いる水を流通させる。触媒層1aと冷媒層1bとは、互いに熱交換可能なように構成する。例えば、触媒層1aと冷媒層1bとを交互に積層することにより触媒反応装置1を構成する。COの選択酸化反応に伴って生じた熱を、冷媒層1bを流通する冷媒が吸収することにより、触媒層1aをCOの選択酸化反応に適した温度に調整する。なお、COの選択酸化触媒は、COの酸化反応を促進する物質であればどのようなものでもよく、例えば白金等の燃焼触媒が挙げられる。
【0019】
次に、触媒反応装置1の冷媒層1bを流通する冷媒系について説明する。図1において、冷媒系を一点鎖線で示す。
【0020】
改質反応に用いる液体状態の水を貯蔵する水タンク3を備える。また、所定量の水を水タンク3から取り出し、冷媒系に流通させる流量調整ポンプ5を備える。流量調整ポンプ5により流量を調整されて水タンク3から取り出された水を、触媒反応装置1の冷媒層1bに供給する。
【0021】
触媒反応装置1の冷媒層1bを流通する際に、水は冷却水として触媒層1aで生じた熱を吸収して触媒層1aの温度を調整する。冷媒層1b内では、COの酸化熱を吸収することにより水が沸騰して、気液二相流となる。そこで、触媒層1aを適切な反応温度に調整するために、水の沸点が触媒層1aを適切な反応温度に維持できる温度となるように、冷媒層1b内の圧力を調整する。ここでは、冷媒層1bの下流側に圧力調整バルブ4を備え、冷媒層1bの圧力を調整することにより沸点を設定する。これにより、冷媒層1bに供給された水は、触媒層1aの熱を吸収することにより沸騰して冷媒層1b内で沸点を維持するので、触媒層1aを適切反応温度に制御することができる。
【0022】
ここで、図2(a)に示すように、負荷に応じて触媒層1aの適切反応温度は異なる。負荷が小さい場合(Load20%)には適切反応温度は低く、負荷が大きい場合(Load100%)には適切反応温度は高くなる。定常時には、この適切反応温度は、触媒層1aで生じる発熱によって実現することができる。つまり、負荷が小さい場合には触媒層1aで生じる発熱量が小さいため、冷媒層1bと触媒層1aとの温度差が小さくなり、比較的低い適切反応温度が実現される。これに対して、負荷が大きい場合には触媒層1aで生じる発熱量が大きいため、冷媒層1bと触媒層1aとの温度差が大きくなり、比較的高い適切反応温度が実現される。そこで、冷媒層1bの温度を負荷にかかわらず一定とすることで、触媒層1aを、負荷が小さい場合には比較的低温に、負荷が大きい場合には比較的高温に制御することができる。ここで、負荷は触媒層1aに供給されるCOの流量、ひいては、COを含む改質ガスの流量に相当する。
【0023】
上述したように、触媒反応装置1において一部が蒸発して気液二相流となった水を、図示しない蒸発器または気液分離器等に供給する。ここで水蒸気を取り出し、改質器6の上流側で炭化水素系燃料の蒸気と空気と混合することにより改質燃料を生成し、改質器6に供給する。このように、改質反応に用いる水を、触媒反応装置1で生じるCO酸化反応に伴って生じた熱を用いて気化することにより、熱効率を向上することができる。
【0024】
さらに、燃料電池システムには、これを制御する制御系を備える。図1において、制御系を点線で示す。
【0025】
触媒反応装置1に供給される改質ガス流量を検出する流量検出センサ8を備える。さらに、この流量検出センサ8の出力に応じて冷媒系を制御するコントローラ10を備える。
【0026】
このような構成の改質システムにおいて、改質ガス流量が変化している時には、反応量と触媒層1aの温度とのバランスが崩れる場合がある。そこで、改質ガス流量の変化に応じて冷媒系の圧力を変化させることで、触媒層1aを適切な温度に制御する。以下、改質ガス流量の過渡期における触媒層1aの温度制御について説明する。
【0027】
負荷が増大した際には、適切反応温度がそれまでより高い温度となるので、触媒層1aの温度を上昇させる必要がある。触媒反応装置1に供給される改質ガス流量が増大することにより発熱量も増加するが、触媒層1aの温度は改質ガス流量の増加に遅れて上昇するため、未反応のCOを多く含んだ改質ガスが下流の燃料電池7に供給される可能性がある。そこで、本実施形態では、冷媒層1bの温度、または、冷媒層1bの冷却性能を調整することにより、触媒層1aの昇温を改質ガス流量の変化に追随するように制御する。
【0028】
具体的には、改質ガス流量の増加が緩やかな場合には、冷媒層1b内を加圧するように圧力調整バルブ4を制御する。これにより、冷媒層1b内の水の沸点が高くなり、冷媒層1bの温度が上昇する。そのため、触媒層1aから冷媒層1bに移動する熱量を抑制することができるので、触媒層1aの温度を上昇させることができる。
【0029】
一方、改質ガス流量の増加が急激な場合には、冷媒層1bを減圧するように圧力調整バルブ4を制御する。この圧力変化により沸点が下がるので、触媒層1aからの大きな熱の移動を伴うことなく冷媒層1b内の水を蒸発することができる。ここで、定常時には、冷媒は液相から気相に変化する際の潜熱を周囲から吸収することにより、周囲の冷却を効率良く行っている。つまり、冷媒層1b内が気液二相流の状態の場合には、液体の水が気体に相変化する際に触媒層1aで生じた反応熱を潜熱として吸収することにより触媒層1aの冷却を行っている。これに対して負荷の増加が急激な場合には、圧力を変化させて冷媒層1b内の水を蒸発させることにより、冷媒層1b内の水の流れ方向について少なくとも一部を気相の一相流状態にする。冷媒層1bの少なくとも一部を気相の一相流状態にすることで相変化が行われないので、冷媒層1bの熱吸収効率が低減する。その結果、冷媒層1bの冷却性能を抑制することができ、触媒層1aの温度上昇を速やかに行うことができる。
【0030】
このように制御することで、負荷増加の過渡期には、負荷の増加に追随して触媒層1aの温度を調整することができる。
【0031】
次に、負荷過渡期の制御方法を図3のフローチャートを用いて説明する。ここでは、改質システムの運転を開始したら、本フローを所定時間毎に繰り返し行う。
【0032】
ステップS1において、負荷の増加が検知されたか否かを判断する。ここでは、流量検出センサ8により検出した改質ガス流量が増加しているかどうかを判断する。負荷の増加が検出されなかったら本フローを終了して、定常の規定の冷媒圧力および冷媒流量を維持する。ここでは、供給される改質ガスの流量を用いて負荷の増加を判断しているが、燃料改質システムの負荷、例えば改質器6に供給される燃料流量や改質システムに要求される要求負荷が増加したか否かにより判断してもよい。また、燃料電池7に要求される要求負荷が増加したか否かにより判断してもよい。例えば、燃料電池システムを車輌に搭載した場合には、アクセル操作量を検知することにより燃料電池7への要求負荷の変動を検知することで、触媒層1aに供給される反応ガス流量を推定することができる。また、通常の規定の冷媒圧力および冷媒流量とは、冷媒層1b内での水の沸点が触媒層1aを適切反応温度に維持する温度となり、かつ、改質反応に用いられる水蒸気を供給することができる冷媒流体圧力および流量である。
【0033】
ステップS1において負荷の増加が検知されたら、ステップS2に進み、負荷の立ち上がりΔLを検出する。ここで、負荷立ち上がりΔLは、単位時間あたりの反応ガスの増加量を指している。これは、流量検出センサ8により改質ガス流量を検出することで求めることができる。また、ステップS1と同様に、燃料改質システムの負荷や燃料電池7への要求負荷等を検出することによって求めても良い。
【0034】
ステップS3において、負荷の立ち上がりΔLと、予め規定しておいた所定値ΔL1とを比較する。ここで、所定値ΔL1は、冷媒層1bの圧力を増加することで、触媒層1aが適切反応温度を維持することができる負荷増加率の上限を示している。つまり、予め実験等により冷媒層1bの圧力を増大して水の沸点を上昇させることにより得られる触媒層1aの温度上昇率の上限を設定する。このように冷媒層1bの圧力調整により温度上昇する触媒層1aに供給する負荷を増加させた際に、触媒層1aが適切反応温度を維持するような負荷の増加率を所定値ΔL1とする。負荷の立ち上がりΔLと所定値ΔL1とを比較することで、緩やかな負荷変動であるか、急激な負荷変動であるかどうかを判断する。つまり、触媒層1aの必要な温度上昇速度を判断する。
【0035】
ステップS3において、ΔL≦ΔL1の場合には、触媒層1aに要求される温度上昇は緩やかなものであると判断することができる。そこで、ステップS4に進み、負荷の増加に応じて触媒層1aの温度を上昇させるため、圧力調整バルブ4を調整して冷媒層1b内を加圧する。これにより、冷媒層1b内の水の沸点が上昇するので、触媒層1aの温度上昇を促進することができる。つまり、この場合には、改質ガスの増加による自己発熱量の増大に加えて、冷媒層1bの温度を上昇させることで、触媒層1aの温度上昇を行う。
【0036】
このときのタイミングチャートを図4に示す。このように、負荷の立ち上がりが緩やかな場合には、負荷増加の過渡期に冷媒層1b内の圧力を増大することにより、負荷に追随して触媒層1aの温度を制御する。なお、ここでは、冷媒層1bの圧力増加程度を一定としているが、負荷の立ち上がりΔLに応じて設定してもよい。負荷の立ち上がりΔLが小さいほど増加する圧力を小さく、ΔLが大きいほど増加する圧力を大きく設定する。
【0037】
一方、ステップS3において、ΔL>ΔL1の場合には、急激な負荷変動であると判断することができる。つまり、触媒層1aの温度上昇速度を大きくする必要があると判断することができる。そこで、ステップS5に進み、圧力調整バルブ4を調整することにより、冷媒層1b内を減圧する。ここでは、冷媒層1b内の少なくとも一部が気相の一相状態となるように減圧する。これにより、冷媒層1bの冷却性能を低減することができ、触媒層1aで生じた反応熱を吸収せずに触媒層1aの昇温に用いることができる。つまり、この場合には、改質ガスの増加による自己発熱量の増大に加えて、冷媒層1bによる冷却を抑制することで、触媒層1aの温度上昇を促進する。
【0038】
このときのタイミングチャートを図5に示す。このように、負荷増大の過渡期には、負荷の立ち上がりが急激な場合には、冷媒層1bの圧力を下げることにより冷媒層1b内の少なくとも一部を気相のみにする。これにより、冷媒層1bの熱吸収効率を大きく低下させることができるので、触媒層1aの温度低下を避けることができ、改質ガス中のCOを未反応のまま燃料電池7に供給するのを避けることができる。なお、ここでは、冷媒層1bの減圧量を一定としているが、負荷の立ち上がりΔLに応じて設定してもよい。負荷の立ち上がりΔLが小さいほど減圧量を小さく、ΔLが大きいほど減圧量を大きく設定する。これにより、要求される触媒層1aの昇温速度が大きいほど、冷媒層1b内で気相の一相状態となる領域を増大することができるので、熱吸収効率を低減することができる。
【0039】
ステップS4、S5において冷媒層1bの圧力を調整したらステップS6に進む。ステップS6において、過渡終了の信号を検知したか否かを判断する。過渡終了の信号を検知するまでその状態を維持する。過渡終了と判断されたら、ステップS7において、冷媒層1bの圧力を通常の圧力に戻すことで、触媒層1aの温度を適切反応温度に維持する。負荷増加後はCOの選択酸化反応が増加するため、発熱量が増加し、定常の冷媒圧力に戻しても触媒層1aは適切反応温度に保たれる。
【0040】
図2に、本実施形態と比較例との触媒層1aの温度変化を示す。比較例として、負荷過渡時に自己発熱のみにより触媒層1aの温度が変化する燃料電池システムを挙げる。ここでは、負荷が20%から100%に増加する場合について示す。
【0041】
図2(b)に示すように、触媒層1aが負荷20%における適切反応温度から負荷100%における適切反応温度に上昇するのにかかる時間が、比較例に比べて本実施形態は短くなる。そのため、負荷増加の過渡期に触媒層1aの温度が適切な温度に対して低い温度であることにより未反応のCOが燃料電池7に供給されて出力が低下するのを抑制することができる。
【0042】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0043】
改質ガスを用いて発熱反応を生じる触媒層1aと、触媒層1aと熱交換を行う冷媒層1bと、を備え、触媒層1aを所定の温度に保持する触媒反応装置1において、触媒層1aに流入される改質ガス流量に応じて触媒層1aの温度を制御する触媒温度制御手段(S2〜S5)を備える。これにより、要求される反応量に応じた適切な温度に触媒層を制御することができるので、適切な反応を生じることができる。なお、この触媒層1aの温度を、制御の余裕代を設けた温度領域としてもよい。
【0044】
ここでは、触媒層1aに流入する改質ガス流量の変化に応じて、触媒層1aの温度を制御する。改質ガス流量の変化に応じて適切反応温度も変化するが、これに応じて触媒層1aの温度を制御するので、改質ガス流量の変化に応じて触媒層1aを適切反応温度に制御することができる。
【0045】
冷媒層1b内の圧力を調整する圧力調整バルブ4を備え、触媒層1aに流入する改質ガス流量の変化に応じて、冷媒層1b内の圧力を変化させることにより、触媒層1aの温度を制御することができる。これにより、適切な触媒反応を生じることができる。
【0046】
改質ガス流量が所定の増加率以下で増加する場合には、冷媒層1b内の圧力を増加させる。これにより、気液二相状態の流体において、沸点を上昇させることができ、冷媒層1bの温度を上昇させることができる。その結果、触媒層1aの温度上昇を促進することができる。
【0047】
一方、改質ガスが所定より大きい増加率で増加する場合には、冷媒層1b内の圧力を低減する。これにより、沸点を降下させて冷媒層1bの少なくとも一部を気相の一相状態にすることができるので、冷媒層1b内の冷媒の冷却効率を抑制することができる。その結果、触媒層1aの温度上昇を促進することができる。
【0048】
また、燃料からCOを含む改質ガスを生成する改質器6と、改質器6で生成した改質ガス中のCOを低減する触媒層1aと、触媒層1aと熱交換を行う冷媒層1bと、を有する触媒反応装置1と、を備える。改質器6の負荷に応じて、触媒層1aの温度を制御する。このように、燃料改質システムにおいて、改質器6の負荷を検出することで、触媒層1aにおいて生じる反応量を容易に推定することができ、触媒層1aの温度を適切温度に制御することができる。例えば改質器6の負荷として、改質器6に供給される燃料流量、または、要求負荷を用いることができる。改質器6に供給される燃料流量は、流量検出センサを設けることにより検出してもよいが、図示しない燃料ポンプ等の負荷を検出することにより求めることができる。なお、制御する触媒層1aの温度を、制御の余裕代を設けた温度領域としてもよい。
【0049】
また、燃料からCOを含む改質ガスを生成する改質器6と、改質器6で生成した改質ガス中のCOを低減する触媒層1aと、前記触媒層と熱交換を行う冷媒層1bと、を有する触媒反応装置1と、COを低減した改質ガスを用いて発電を行う燃料電池7と、備える。燃料電池7に要求される負荷に応じて、触媒層1aの温度を制御する。このように、触媒反応装置1に供給する改質ガス流量に替わって、燃料電池7の要求負荷に応じても、触媒層1aの温度を制御することができる。燃料電池システムにおいて、要求負荷を検出することで触媒層1aにおいて生じる反応量を容易に推定することができ、触媒層1aの温度を適切温度に制御することができる。また、触媒反応装置1で生じる反応に遅れることなく触媒層1aの温度を制御できる。なお、制御する触媒層1aの温度を、制御の余裕代を設けた温度領域としてもよい。
【0050】
次に、第2実施形態について説明する。燃料電池システムの概略構成を、第1実施形態と同様とする。以下、本実施形態における負荷変動時の制御方法を図7のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
負荷変動の信号を検出したら本フローを開始する。ここでは、改質システムが開始されたら所定時間毎に本制御を繰り返す。
【0052】
ステップS11において、ステップS1と同様に、改質ガス流量を検出することにより負荷が増加したかどうかを判断する。増加したと判断されない場合には本フローを終了する。増加したと判断されたら、ステップS12に進む。
【0053】
ステップS12において、水タンク3から取り出す水の流量を減少させる。流量調整ポンプ5の負荷を抑制することにより、冷媒層1bに供給される冷媒の流量を抑制する。ここでは、冷媒層1b内の少なくとも一部で水が気相一相流となるように流量を調整する。なお、このときの水の流量が少ないほど、冷媒層1b内の気相一相流の領域が大きくなり、水の流量が多いほど、冷媒層1b内の起動一相流の領域が小さくなる。つまり、水の流量が少ないほど冷媒層1bの冷却性能は低下するので、負荷の立ち上がりΔLに応じて水の流量を設定することで、触媒層1aに要求される温度上昇率に応じた冷却性能に設定することもできる。
【0054】
このように冷媒流量を抑制することで、冷媒層1bの熱吸収効率が低下するので、触媒層1aから冷媒層1bに移動する熱量を抑制することができる。その結果、触媒層1aの温度低下を防ぎ、触媒層1aの温度を高温に保つことにより、最適な反応温度に上昇させることができる。
【0055】
次に、ステップS13において、過渡終了の信号を検知したかどうかを判断する。過渡中にはこの状態を維持し、過渡終了の信号を検知したら、ステップS14に進み、水の流量を通常の流量に戻し、本制御を終了する。
【0056】
このような制御を行った場合のタイミングチャートを図8に示す。
【0057】
負荷が増加している過渡期に、水の流量を低減することにより、触媒層1aから冷媒層1bへの熱伝達を抑制する。これにより、触媒層1aを昇温するために、自己発熱を用いると共に、冷媒層1bの熱吸収効率を抑制することで、触媒層1aの昇温を促進することができる。
【0058】
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
【0059】
冷媒層1b内を流通する冷媒流量を調整する水ポンプ3を備え、触媒層1aに流入する改質ガス流量の変化に応じて、冷媒層1b内を流通する水の流量を変化させることにより、触媒層1aの温度を制御する。冷媒層1bを流通する流体流量を変化させることで、容易に冷媒流体の相状態を変化させることができ、触媒層1aの温度を負荷に応じた適切反応温度に制御することができる。
【0060】
改質ガス流量が増大する場合には、水の流量を抑制することにより、冷媒層1bの少なくとも一部を気相の一相状態とする。これにより、気相の一相状態となった部分の熱吸収効率が大きく低下するので、触媒層1aからの熱の移動を抑制し、温度を上昇させることができる。
【0061】
なお、冷媒層1bを流れる冷媒として、改質反応に用いる水以外のものを用いてもよい。例えば、水を用いて改質ガス中のCO濃度を低減するシフト反応を行うCO低減装置を備えている場合には、冷媒層1bを流れる冷媒としてこのシフト反応に用いる水を用いても良い。また、改質反応に用いる炭化水素系燃料を用いて冷却を行うことにより、燃料蒸気を生成してもよい。
【0062】
また、ここでは触媒反応装置1として、CO除去装置を用いているが、発熱を伴う反応を生じ、適切反応温度が負荷に応じて変化する触媒反応装置であればよい。例えば、上記実施の形態を、水を用いて改質ガス中のCO濃度を低減するシフト反応を行うCO低減装置に用いることもできる。
【0063】
このように、本発明は、上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。
【図2】各負荷における最適触媒温度および負荷変動時の触媒温度の時間変化を示した図である。
【図3】第1の実施形態における過渡時の制御方法を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態において、過渡が緩やかな場合のタイミングチャートである。
【図5】第1の実施形態において、過渡が急激な場合のタイミングチャートである。
【図6】第2の実施形態における過渡時の制御方法を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における過渡期のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 触媒反応装置(一酸化炭素除去部)
4 圧力調整バルブ(圧力調整手段)
5 水ポンプ(流量調整手段)
6 改質器(改質部)
7 燃料電池(燃料電池スタック)
8 流量検出センサ
S2〜S5、S11〜S12 ・・・ 触媒温度制御手段
【産業上の利用分野】
本発明は、触媒反応装置に関する。特に、燃料改質システムを備えた燃料電池システムにおける触媒反応装置の温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
改質型燃料電池システムにおいて、改質反応により生成された改質ガス中には、ある一定以上の濃度で燃料電池スタックの被毒原因となる一酸化炭素(以下、CO)が含まれている。そこで、燃料電池スタックに導入する改質ガス中のCO濃度を低減するために、例えば、COの選択酸化触媒等のCO低減手段が備えられている。
【0003】
COの選択酸化反応には最適な反応温度範囲が存在するため、反応温度制御が重要となる。この温度範囲を超えると、改質ガス中の水素を酸化する副反応が生じ、この温度範囲より低いと、COが十分に反応せずにCOが燃料電池スタックに流入してしまう可能性が生じる。
【0004】
これに対して、改質ガスと沸騰している冷媒との間で熱交換を行うことにより、CO除去触媒温度を最適に保つ熱交換型の触媒反応装置を備えた燃料電池システムが提案されている。沸騰している冷媒は、気化熱を与えない限り温度一定に保たれるため、冷媒の沸点が触媒の最適温度内となるように冷媒圧力を調整することにより、触媒を適切な温度に維持することができる(例えば、特許文献1、参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−182103号公報
【0006】
【発明が解決しようとしている問題点】
ここで、CO除去反応の最適温度は運転負荷により異なり、負荷が大きくなるほど最適反応温度は高くなる。これに対して、従来の技術では、負荷が増加した場合の触媒層温度の制御については特に言及しておらず、発熱反応であるCOの選択酸化反応に伴う自己発熱により触媒温度が上昇する。自己発熱による昇温は、最適な反応温度になるまでに時間がかかり、自己発熱の昇温速度が負荷の変化速度に追随しない場合には、触媒が最適反応温度以下となる可能性がある。そのため、COの酸化が不十分なまま、下流の燃料電池スタックに高CO濃度の改質ガスを導入して、燃料電池スタックの出力を低下させてしまうという可能性がある。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題を鑑みて、負荷増加の変化に追随して触媒層温度を制御することができる触媒反応装置、およびそれを用いた燃料改質システム、燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、反応ガスを用いて発熱反応を生じる触媒層と、前記触媒層と熱交換を行う冷媒を流通させる冷媒層と、を備え、前記触媒層を所定の温度領域に保持する触媒反応装置において、前記触媒層に流入される反応ガス流量に応じて前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度設定手段を備える。
【0009】
または、燃料から一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質部で生成した改質ガス中の一酸化炭素を低減する触媒層と、前記触媒層と熱交換を行う冷媒層と、を有する一酸化炭素除去部と、を備える。前記改質部の負荷に応じて、前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備える。
【0010】
または、燃料から一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質部で生成した改質ガス中の一酸化炭素を低減する触媒層と、前記触媒層と熱交換を行う冷媒層と、を有する一酸化炭素除去部と、一酸化炭素を低減した改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、備える。前記燃料電池スタックに要求される負荷に応じて、前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備える。
【0011】
【作用及び効果】
触媒層に流入される反応ガス流量に応じて触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えることで、要求される反応量に応じた適切な温度に触媒層を制御することができるので、適切な反応を生じることができる。
【0012】
また、改質部の負荷に応じて触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えることで、燃料改質システムにおいて、改質器の負荷を検出することで触媒層において生じる反応量を容易に推定することができ、触媒層の温度を適切反応温度に制御することができる。
【0013】
また、燃料電池スタックに要求される負荷に応じて触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えるので、燃料電池システムにおいて、要求負荷を検出することで触媒層において生じる反応量を容易に推定することができ、触媒層の温度を適切温度に制御することができる。また、触媒反応装置で生じる反応に遅れることなく触媒層の温度を制御できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成を図1に示す。
【0015】
まず、燃料電池7に供給する低CO濃度の改質ガスを生成する燃料系について説明する。図1において燃料系を実線で示す。
【0016】
燃料を改質することによりCOを含む水素リッチな改質ガスを生成する改質器6を備える。ここでは、炭化水素系燃料の蒸気と、水蒸気と、空気と、を混合することにより生成した改質燃料を改質することにより、改質ガスを生成する。また、改質ガス中のCO濃度を低減する熱交換型触媒反応装置(以下、触媒反応装置)1を備える。ここでは、CO選択酸化触媒を備えたCO除去装置を備える。触媒反応装置1の上流側から酸化剤としての空気を混入し、この空気を用いて改質ガス中のCOを酸化することによりCO濃度を低減する。これにより低CO濃度となった改質ガスを燃料電池7に供給して、発電を行う。
【0017】
次に、触媒反応装置1について説明する。
【0018】
触媒反応装置1を触媒層1aと冷媒層1bとから構成する。触媒層1aには、CO選択酸化触媒を充填し、改質ガスを流通させてCOの選択酸化反応を生じる。また、冷媒層1bには、冷媒として改質原料、ここでは改質反応に用いる水を流通させる。触媒層1aと冷媒層1bとは、互いに熱交換可能なように構成する。例えば、触媒層1aと冷媒層1bとを交互に積層することにより触媒反応装置1を構成する。COの選択酸化反応に伴って生じた熱を、冷媒層1bを流通する冷媒が吸収することにより、触媒層1aをCOの選択酸化反応に適した温度に調整する。なお、COの選択酸化触媒は、COの酸化反応を促進する物質であればどのようなものでもよく、例えば白金等の燃焼触媒が挙げられる。
【0019】
次に、触媒反応装置1の冷媒層1bを流通する冷媒系について説明する。図1において、冷媒系を一点鎖線で示す。
【0020】
改質反応に用いる液体状態の水を貯蔵する水タンク3を備える。また、所定量の水を水タンク3から取り出し、冷媒系に流通させる流量調整ポンプ5を備える。流量調整ポンプ5により流量を調整されて水タンク3から取り出された水を、触媒反応装置1の冷媒層1bに供給する。
【0021】
触媒反応装置1の冷媒層1bを流通する際に、水は冷却水として触媒層1aで生じた熱を吸収して触媒層1aの温度を調整する。冷媒層1b内では、COの酸化熱を吸収することにより水が沸騰して、気液二相流となる。そこで、触媒層1aを適切な反応温度に調整するために、水の沸点が触媒層1aを適切な反応温度に維持できる温度となるように、冷媒層1b内の圧力を調整する。ここでは、冷媒層1bの下流側に圧力調整バルブ4を備え、冷媒層1bの圧力を調整することにより沸点を設定する。これにより、冷媒層1bに供給された水は、触媒層1aの熱を吸収することにより沸騰して冷媒層1b内で沸点を維持するので、触媒層1aを適切反応温度に制御することができる。
【0022】
ここで、図2(a)に示すように、負荷に応じて触媒層1aの適切反応温度は異なる。負荷が小さい場合(Load20%)には適切反応温度は低く、負荷が大きい場合(Load100%)には適切反応温度は高くなる。定常時には、この適切反応温度は、触媒層1aで生じる発熱によって実現することができる。つまり、負荷が小さい場合には触媒層1aで生じる発熱量が小さいため、冷媒層1bと触媒層1aとの温度差が小さくなり、比較的低い適切反応温度が実現される。これに対して、負荷が大きい場合には触媒層1aで生じる発熱量が大きいため、冷媒層1bと触媒層1aとの温度差が大きくなり、比較的高い適切反応温度が実現される。そこで、冷媒層1bの温度を負荷にかかわらず一定とすることで、触媒層1aを、負荷が小さい場合には比較的低温に、負荷が大きい場合には比較的高温に制御することができる。ここで、負荷は触媒層1aに供給されるCOの流量、ひいては、COを含む改質ガスの流量に相当する。
【0023】
上述したように、触媒反応装置1において一部が蒸発して気液二相流となった水を、図示しない蒸発器または気液分離器等に供給する。ここで水蒸気を取り出し、改質器6の上流側で炭化水素系燃料の蒸気と空気と混合することにより改質燃料を生成し、改質器6に供給する。このように、改質反応に用いる水を、触媒反応装置1で生じるCO酸化反応に伴って生じた熱を用いて気化することにより、熱効率を向上することができる。
【0024】
さらに、燃料電池システムには、これを制御する制御系を備える。図1において、制御系を点線で示す。
【0025】
触媒反応装置1に供給される改質ガス流量を検出する流量検出センサ8を備える。さらに、この流量検出センサ8の出力に応じて冷媒系を制御するコントローラ10を備える。
【0026】
このような構成の改質システムにおいて、改質ガス流量が変化している時には、反応量と触媒層1aの温度とのバランスが崩れる場合がある。そこで、改質ガス流量の変化に応じて冷媒系の圧力を変化させることで、触媒層1aを適切な温度に制御する。以下、改質ガス流量の過渡期における触媒層1aの温度制御について説明する。
【0027】
負荷が増大した際には、適切反応温度がそれまでより高い温度となるので、触媒層1aの温度を上昇させる必要がある。触媒反応装置1に供給される改質ガス流量が増大することにより発熱量も増加するが、触媒層1aの温度は改質ガス流量の増加に遅れて上昇するため、未反応のCOを多く含んだ改質ガスが下流の燃料電池7に供給される可能性がある。そこで、本実施形態では、冷媒層1bの温度、または、冷媒層1bの冷却性能を調整することにより、触媒層1aの昇温を改質ガス流量の変化に追随するように制御する。
【0028】
具体的には、改質ガス流量の増加が緩やかな場合には、冷媒層1b内を加圧するように圧力調整バルブ4を制御する。これにより、冷媒層1b内の水の沸点が高くなり、冷媒層1bの温度が上昇する。そのため、触媒層1aから冷媒層1bに移動する熱量を抑制することができるので、触媒層1aの温度を上昇させることができる。
【0029】
一方、改質ガス流量の増加が急激な場合には、冷媒層1bを減圧するように圧力調整バルブ4を制御する。この圧力変化により沸点が下がるので、触媒層1aからの大きな熱の移動を伴うことなく冷媒層1b内の水を蒸発することができる。ここで、定常時には、冷媒は液相から気相に変化する際の潜熱を周囲から吸収することにより、周囲の冷却を効率良く行っている。つまり、冷媒層1b内が気液二相流の状態の場合には、液体の水が気体に相変化する際に触媒層1aで生じた反応熱を潜熱として吸収することにより触媒層1aの冷却を行っている。これに対して負荷の増加が急激な場合には、圧力を変化させて冷媒層1b内の水を蒸発させることにより、冷媒層1b内の水の流れ方向について少なくとも一部を気相の一相流状態にする。冷媒層1bの少なくとも一部を気相の一相流状態にすることで相変化が行われないので、冷媒層1bの熱吸収効率が低減する。その結果、冷媒層1bの冷却性能を抑制することができ、触媒層1aの温度上昇を速やかに行うことができる。
【0030】
このように制御することで、負荷増加の過渡期には、負荷の増加に追随して触媒層1aの温度を調整することができる。
【0031】
次に、負荷過渡期の制御方法を図3のフローチャートを用いて説明する。ここでは、改質システムの運転を開始したら、本フローを所定時間毎に繰り返し行う。
【0032】
ステップS1において、負荷の増加が検知されたか否かを判断する。ここでは、流量検出センサ8により検出した改質ガス流量が増加しているかどうかを判断する。負荷の増加が検出されなかったら本フローを終了して、定常の規定の冷媒圧力および冷媒流量を維持する。ここでは、供給される改質ガスの流量を用いて負荷の増加を判断しているが、燃料改質システムの負荷、例えば改質器6に供給される燃料流量や改質システムに要求される要求負荷が増加したか否かにより判断してもよい。また、燃料電池7に要求される要求負荷が増加したか否かにより判断してもよい。例えば、燃料電池システムを車輌に搭載した場合には、アクセル操作量を検知することにより燃料電池7への要求負荷の変動を検知することで、触媒層1aに供給される反応ガス流量を推定することができる。また、通常の規定の冷媒圧力および冷媒流量とは、冷媒層1b内での水の沸点が触媒層1aを適切反応温度に維持する温度となり、かつ、改質反応に用いられる水蒸気を供給することができる冷媒流体圧力および流量である。
【0033】
ステップS1において負荷の増加が検知されたら、ステップS2に進み、負荷の立ち上がりΔLを検出する。ここで、負荷立ち上がりΔLは、単位時間あたりの反応ガスの増加量を指している。これは、流量検出センサ8により改質ガス流量を検出することで求めることができる。また、ステップS1と同様に、燃料改質システムの負荷や燃料電池7への要求負荷等を検出することによって求めても良い。
【0034】
ステップS3において、負荷の立ち上がりΔLと、予め規定しておいた所定値ΔL1とを比較する。ここで、所定値ΔL1は、冷媒層1bの圧力を増加することで、触媒層1aが適切反応温度を維持することができる負荷増加率の上限を示している。つまり、予め実験等により冷媒層1bの圧力を増大して水の沸点を上昇させることにより得られる触媒層1aの温度上昇率の上限を設定する。このように冷媒層1bの圧力調整により温度上昇する触媒層1aに供給する負荷を増加させた際に、触媒層1aが適切反応温度を維持するような負荷の増加率を所定値ΔL1とする。負荷の立ち上がりΔLと所定値ΔL1とを比較することで、緩やかな負荷変動であるか、急激な負荷変動であるかどうかを判断する。つまり、触媒層1aの必要な温度上昇速度を判断する。
【0035】
ステップS3において、ΔL≦ΔL1の場合には、触媒層1aに要求される温度上昇は緩やかなものであると判断することができる。そこで、ステップS4に進み、負荷の増加に応じて触媒層1aの温度を上昇させるため、圧力調整バルブ4を調整して冷媒層1b内を加圧する。これにより、冷媒層1b内の水の沸点が上昇するので、触媒層1aの温度上昇を促進することができる。つまり、この場合には、改質ガスの増加による自己発熱量の増大に加えて、冷媒層1bの温度を上昇させることで、触媒層1aの温度上昇を行う。
【0036】
このときのタイミングチャートを図4に示す。このように、負荷の立ち上がりが緩やかな場合には、負荷増加の過渡期に冷媒層1b内の圧力を増大することにより、負荷に追随して触媒層1aの温度を制御する。なお、ここでは、冷媒層1bの圧力増加程度を一定としているが、負荷の立ち上がりΔLに応じて設定してもよい。負荷の立ち上がりΔLが小さいほど増加する圧力を小さく、ΔLが大きいほど増加する圧力を大きく設定する。
【0037】
一方、ステップS3において、ΔL>ΔL1の場合には、急激な負荷変動であると判断することができる。つまり、触媒層1aの温度上昇速度を大きくする必要があると判断することができる。そこで、ステップS5に進み、圧力調整バルブ4を調整することにより、冷媒層1b内を減圧する。ここでは、冷媒層1b内の少なくとも一部が気相の一相状態となるように減圧する。これにより、冷媒層1bの冷却性能を低減することができ、触媒層1aで生じた反応熱を吸収せずに触媒層1aの昇温に用いることができる。つまり、この場合には、改質ガスの増加による自己発熱量の増大に加えて、冷媒層1bによる冷却を抑制することで、触媒層1aの温度上昇を促進する。
【0038】
このときのタイミングチャートを図5に示す。このように、負荷増大の過渡期には、負荷の立ち上がりが急激な場合には、冷媒層1bの圧力を下げることにより冷媒層1b内の少なくとも一部を気相のみにする。これにより、冷媒層1bの熱吸収効率を大きく低下させることができるので、触媒層1aの温度低下を避けることができ、改質ガス中のCOを未反応のまま燃料電池7に供給するのを避けることができる。なお、ここでは、冷媒層1bの減圧量を一定としているが、負荷の立ち上がりΔLに応じて設定してもよい。負荷の立ち上がりΔLが小さいほど減圧量を小さく、ΔLが大きいほど減圧量を大きく設定する。これにより、要求される触媒層1aの昇温速度が大きいほど、冷媒層1b内で気相の一相状態となる領域を増大することができるので、熱吸収効率を低減することができる。
【0039】
ステップS4、S5において冷媒層1bの圧力を調整したらステップS6に進む。ステップS6において、過渡終了の信号を検知したか否かを判断する。過渡終了の信号を検知するまでその状態を維持する。過渡終了と判断されたら、ステップS7において、冷媒層1bの圧力を通常の圧力に戻すことで、触媒層1aの温度を適切反応温度に維持する。負荷増加後はCOの選択酸化反応が増加するため、発熱量が増加し、定常の冷媒圧力に戻しても触媒層1aは適切反応温度に保たれる。
【0040】
図2に、本実施形態と比較例との触媒層1aの温度変化を示す。比較例として、負荷過渡時に自己発熱のみにより触媒層1aの温度が変化する燃料電池システムを挙げる。ここでは、負荷が20%から100%に増加する場合について示す。
【0041】
図2(b)に示すように、触媒層1aが負荷20%における適切反応温度から負荷100%における適切反応温度に上昇するのにかかる時間が、比較例に比べて本実施形態は短くなる。そのため、負荷増加の過渡期に触媒層1aの温度が適切な温度に対して低い温度であることにより未反応のCOが燃料電池7に供給されて出力が低下するのを抑制することができる。
【0042】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0043】
改質ガスを用いて発熱反応を生じる触媒層1aと、触媒層1aと熱交換を行う冷媒層1bと、を備え、触媒層1aを所定の温度に保持する触媒反応装置1において、触媒層1aに流入される改質ガス流量に応じて触媒層1aの温度を制御する触媒温度制御手段(S2〜S5)を備える。これにより、要求される反応量に応じた適切な温度に触媒層を制御することができるので、適切な反応を生じることができる。なお、この触媒層1aの温度を、制御の余裕代を設けた温度領域としてもよい。
【0044】
ここでは、触媒層1aに流入する改質ガス流量の変化に応じて、触媒層1aの温度を制御する。改質ガス流量の変化に応じて適切反応温度も変化するが、これに応じて触媒層1aの温度を制御するので、改質ガス流量の変化に応じて触媒層1aを適切反応温度に制御することができる。
【0045】
冷媒層1b内の圧力を調整する圧力調整バルブ4を備え、触媒層1aに流入する改質ガス流量の変化に応じて、冷媒層1b内の圧力を変化させることにより、触媒層1aの温度を制御することができる。これにより、適切な触媒反応を生じることができる。
【0046】
改質ガス流量が所定の増加率以下で増加する場合には、冷媒層1b内の圧力を増加させる。これにより、気液二相状態の流体において、沸点を上昇させることができ、冷媒層1bの温度を上昇させることができる。その結果、触媒層1aの温度上昇を促進することができる。
【0047】
一方、改質ガスが所定より大きい増加率で増加する場合には、冷媒層1b内の圧力を低減する。これにより、沸点を降下させて冷媒層1bの少なくとも一部を気相の一相状態にすることができるので、冷媒層1b内の冷媒の冷却効率を抑制することができる。その結果、触媒層1aの温度上昇を促進することができる。
【0048】
また、燃料からCOを含む改質ガスを生成する改質器6と、改質器6で生成した改質ガス中のCOを低減する触媒層1aと、触媒層1aと熱交換を行う冷媒層1bと、を有する触媒反応装置1と、を備える。改質器6の負荷に応じて、触媒層1aの温度を制御する。このように、燃料改質システムにおいて、改質器6の負荷を検出することで、触媒層1aにおいて生じる反応量を容易に推定することができ、触媒層1aの温度を適切温度に制御することができる。例えば改質器6の負荷として、改質器6に供給される燃料流量、または、要求負荷を用いることができる。改質器6に供給される燃料流量は、流量検出センサを設けることにより検出してもよいが、図示しない燃料ポンプ等の負荷を検出することにより求めることができる。なお、制御する触媒層1aの温度を、制御の余裕代を設けた温度領域としてもよい。
【0049】
また、燃料からCOを含む改質ガスを生成する改質器6と、改質器6で生成した改質ガス中のCOを低減する触媒層1aと、前記触媒層と熱交換を行う冷媒層1bと、を有する触媒反応装置1と、COを低減した改質ガスを用いて発電を行う燃料電池7と、備える。燃料電池7に要求される負荷に応じて、触媒層1aの温度を制御する。このように、触媒反応装置1に供給する改質ガス流量に替わって、燃料電池7の要求負荷に応じても、触媒層1aの温度を制御することができる。燃料電池システムにおいて、要求負荷を検出することで触媒層1aにおいて生じる反応量を容易に推定することができ、触媒層1aの温度を適切温度に制御することができる。また、触媒反応装置1で生じる反応に遅れることなく触媒層1aの温度を制御できる。なお、制御する触媒層1aの温度を、制御の余裕代を設けた温度領域としてもよい。
【0050】
次に、第2実施形態について説明する。燃料電池システムの概略構成を、第1実施形態と同様とする。以下、本実施形態における負荷変動時の制御方法を図7のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
負荷変動の信号を検出したら本フローを開始する。ここでは、改質システムが開始されたら所定時間毎に本制御を繰り返す。
【0052】
ステップS11において、ステップS1と同様に、改質ガス流量を検出することにより負荷が増加したかどうかを判断する。増加したと判断されない場合には本フローを終了する。増加したと判断されたら、ステップS12に進む。
【0053】
ステップS12において、水タンク3から取り出す水の流量を減少させる。流量調整ポンプ5の負荷を抑制することにより、冷媒層1bに供給される冷媒の流量を抑制する。ここでは、冷媒層1b内の少なくとも一部で水が気相一相流となるように流量を調整する。なお、このときの水の流量が少ないほど、冷媒層1b内の気相一相流の領域が大きくなり、水の流量が多いほど、冷媒層1b内の起動一相流の領域が小さくなる。つまり、水の流量が少ないほど冷媒層1bの冷却性能は低下するので、負荷の立ち上がりΔLに応じて水の流量を設定することで、触媒層1aに要求される温度上昇率に応じた冷却性能に設定することもできる。
【0054】
このように冷媒流量を抑制することで、冷媒層1bの熱吸収効率が低下するので、触媒層1aから冷媒層1bに移動する熱量を抑制することができる。その結果、触媒層1aの温度低下を防ぎ、触媒層1aの温度を高温に保つことにより、最適な反応温度に上昇させることができる。
【0055】
次に、ステップS13において、過渡終了の信号を検知したかどうかを判断する。過渡中にはこの状態を維持し、過渡終了の信号を検知したら、ステップS14に進み、水の流量を通常の流量に戻し、本制御を終了する。
【0056】
このような制御を行った場合のタイミングチャートを図8に示す。
【0057】
負荷が増加している過渡期に、水の流量を低減することにより、触媒層1aから冷媒層1bへの熱伝達を抑制する。これにより、触媒層1aを昇温するために、自己発熱を用いると共に、冷媒層1bの熱吸収効率を抑制することで、触媒層1aの昇温を促進することができる。
【0058】
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
【0059】
冷媒層1b内を流通する冷媒流量を調整する水ポンプ3を備え、触媒層1aに流入する改質ガス流量の変化に応じて、冷媒層1b内を流通する水の流量を変化させることにより、触媒層1aの温度を制御する。冷媒層1bを流通する流体流量を変化させることで、容易に冷媒流体の相状態を変化させることができ、触媒層1aの温度を負荷に応じた適切反応温度に制御することができる。
【0060】
改質ガス流量が増大する場合には、水の流量を抑制することにより、冷媒層1bの少なくとも一部を気相の一相状態とする。これにより、気相の一相状態となった部分の熱吸収効率が大きく低下するので、触媒層1aからの熱の移動を抑制し、温度を上昇させることができる。
【0061】
なお、冷媒層1bを流れる冷媒として、改質反応に用いる水以外のものを用いてもよい。例えば、水を用いて改質ガス中のCO濃度を低減するシフト反応を行うCO低減装置を備えている場合には、冷媒層1bを流れる冷媒としてこのシフト反応に用いる水を用いても良い。また、改質反応に用いる炭化水素系燃料を用いて冷却を行うことにより、燃料蒸気を生成してもよい。
【0062】
また、ここでは触媒反応装置1として、CO除去装置を用いているが、発熱を伴う反応を生じ、適切反応温度が負荷に応じて変化する触媒反応装置であればよい。例えば、上記実施の形態を、水を用いて改質ガス中のCO濃度を低減するシフト反応を行うCO低減装置に用いることもできる。
【0063】
このように、本発明は、上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。
【図2】各負荷における最適触媒温度および負荷変動時の触媒温度の時間変化を示した図である。
【図3】第1の実施形態における過渡時の制御方法を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態において、過渡が緩やかな場合のタイミングチャートである。
【図5】第1の実施形態において、過渡が急激な場合のタイミングチャートである。
【図6】第2の実施形態における過渡時の制御方法を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における過渡期のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 触媒反応装置(一酸化炭素除去部)
4 圧力調整バルブ(圧力調整手段)
5 水ポンプ(流量調整手段)
6 改質器(改質部)
7 燃料電池(燃料電池スタック)
8 流量検出センサ
S2〜S5、S11〜S12 ・・・ 触媒温度制御手段
Claims (9)
- 反応ガスを用いて発熱反応を生じる触媒層と、
前記触媒層と熱交換を行う冷媒層と、を備え、
前記触媒層を所定の温度領域に保持する触媒反応装置において、
前記触媒層に流入される反応ガス流量に応じて前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えたことを特徴とする触媒反応装置。 - 前記触媒層に流入する反応ガス流量の変化に応じて、前記触媒層の温度領域を制御する請求項1に記載の触媒反応装置。
- 前記冷媒層内の圧力を調整する圧力調整手段を備え、
前記触媒層に流入する反応ガス流量の変化に応じて、前記冷媒層内の圧力を変化させることにより、前記触媒層の温度領域を制御する請求項2に記載の触媒反応装置。 - 前記反応ガス流量が所定の増加率以下で増加する場合には、前記冷媒層内の圧力を増加させることにより、前記冷媒層内の温度を上昇させる請求項3に記載の触媒反応装置。
- 前記反応ガスが所定より大きい増加率で増加する場合には、前記冷媒層内の圧力を低減することにより、前記冷媒層の少なくとも一部を気相の一相状態とする請求項3または4に記載の触媒反応装置。
- 前記冷媒層内を流通する冷媒流量を調整する流量調整手段を備え、
前記触媒層に流入する反応ガス流量の変化に応じて、前記冷媒層内を流通する冷媒流量を変化させることにより、前記触媒層の温度領域を制御する請求項2に記載の触媒反応装置。 - 前記反応ガス流量が増大する場合には、前記冷媒流量を抑制することにより、前記冷媒層の少なくとも一部を気相の一相状態とする請求項6に記載の触媒反応装置。
- 燃料から一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質部と、
前記改質部で生成した改質ガス中の一酸化炭素を低減する触媒層と、前記触媒層と熱交換を行う冷媒層と、を有する一酸化炭素除去部と、を備え、
前記改質部の負荷に応じて、前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えたことを特徴とする燃料改質システム。 - 燃料から一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質部と、
前記改質部で生成した改質ガス中の一酸化炭素を低減する触媒層と、前記触媒層と熱交換を行う冷媒層と、を有する一酸化炭素除去部と、
一酸化炭素を低減した改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、備え、
前記燃料電池スタックに要求される負荷に応じて、前記触媒層の温度領域を制御する触媒温度制御手段を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003104387A JP2004305942A (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 触媒反応装置および燃料改質システムおよび燃料電池システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012104384A (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-31 | Osaka Gas Co Ltd | 燃料電池発電システム |
JP2014512665A (ja) * | 2011-04-26 | 2014-05-22 | ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション | 燃料電池内での蒸気の発生 |
-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003104387A patent/JP2004305942A/ja active Pending
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