JP2002274805A - 改質原料を冷媒として利用した熱交換器を有する改質器の制御 - Google Patents

改質原料を冷媒として利用した熱交換器を有する改質器の制御

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JP2002274805A
JP2002274805A JP2001098163A JP2001098163A JP2002274805A JP 2002274805 A JP2002274805 A JP 2002274805A JP 2001098163 A JP2001098163 A JP 2001098163A JP 2001098163 A JP2001098163 A JP 2001098163A JP 2002274805 A JP2002274805 A JP 2002274805A
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flow path
fuel
reforming
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JP2001098163A
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Keiichi Yoshii
桂一 吉井
Koji Takumi
厚至 工匠
Kenji Kimura
憲治 木村
和政 ▲高▼田
Kazumasa Takada
Hiroki Tanaka
浩己 田中
Shigeto Kajiwara
滋人 梶原
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Toyota Motor Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改質装置の熱効率あるいは安定性を向上させ
る。 【解決手段】 2種類以上の原料、または、常温で液体
状の炭化水素化合物を含む原燃料を含む1種類以上の原
料に関して、改質器内に熱交換器143a,145aを
それぞれ設ける。改質原料の流路として、熱交換器を通
過するメイン流路と、熱交換器をバイパスするバイパス
流路が設けられている。メイン流路とバイパス流路の流
量配分は、熱交換部143やCO浄化部145の出口温
度に応じて決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系化合物
を含む原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成するため
の燃料改質装置の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】改質装置では、改質触媒を用いた改質反
応によって、炭化水素系化合物を含む原燃料から水素リ
ッチな燃料ガス(「改質ガス」とも呼ぶ)を生成する。
このような改質装置のエネルギ効率を高めることができ
れば、資源の節約や、地球環境の保護の上から好まし
い。
【0003】改質装置の効率向上の技術としては、例え
ば特開平10−334935号公報に記載されたものが
ある。この技術では、改質器への水供給系の流路が、複
数の反応器(改質器や変成器)に設けられた熱交換コイ
ルを通るコイル側流路と、熱交換コイルをバイパスする
バイパス側流路と、に分岐されている。そして、コイル
側流路を通る水量と、バイパス側流路を通る水量とを調
整することによって、各反応器における温度を適切に制
御し、これによって燃料電池システムの熱効率を向上さ
せている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の技術では、効率の向上対策としてはまだ不十分な場
合があった。また、燃料電池システムを利用する車両な
どにおいては、改質装置をより安定に運転することので
きる技術も望まれていた。
【0005】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、改質装置の熱効率を向上さ
せることのできる技術を提供することを第1の目的とす
る。また、改質装置をより安定に運転することのできる
技術を提供することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の第
1の燃料改質装置は、炭化水素系化合物を含む原燃料か
ら、燃料電池のための水素リッチな燃料ガスを生成する
ための燃料改質装置であって、改質触媒を収納する改質
部と、前記原燃料を含む複数種類の原料で構成される改
質原料が供給される供給口とを有し、前記供給口から供
給された前記改質原料を改質するための改質器と、前記
改質原料を前記改質器の供給口に供給するための原料供
給部と、前記改質器における特定の被測定量を測定する
ためのセンサと、を備える。前記改質器は、前記複数種
類の原料の中の2種類以上の原料が前記改質器の供給口
に供給される前に通過することが可能な熱交換器をそれ
ぞれ有している。また、前記原料供給部は、前記2種類
以上の原料に関して、前記熱交換器を通過して前記改質
器の供給口に至る熱交換流路と、前記熱交換器をバイパ
スして前記改質器の供給口に至るバイパス流路と、前記
熱交換流路とバイパス流路の流量配分を調整するための
流量調整部と、を有している。前記流量調整部は、前記
センサで測定された測定値に応じて、前記熱交換流路と
前記バイパス流路の流量配分を調整する。
【0007】この第1の燃料改質装置によれば、2種類
以上の原料を用いて改質器中の熱を回収し、再利用する
ことができるので、改質装置の熱効率を向上させること
が可能である。
【0008】また、本発明の第2の燃料改質装置は、常
温で液体状の炭化水素系化合物を含む原燃料から、燃料
電池のための水素リッチな燃料ガスを生成するための燃
料改質装置であって、改質触媒を収納する改質部と、前
記原燃料を含む複数種類の原料で構成される改質原料が
供給される供給口とを有し、前記供給口から供給された
前記改質原料を改質するための改質器と、前記改質原料
を前記改質器の供給口に供給するための原料供給部と、
前記改質器における特定の被測定量を測定するためのセ
ンサと、を備えている。前記改質器は、前記常温で液体
状の炭化水素系化合物を含む原燃料を少なくとも含む1
種類以上の原料が前記改質器の供給口に供給される前に
通過することが可能な熱交換器を有している。また、前
記原料供給部は、前記1種類以上の原料に関して、前記
熱交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交換流
路と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供給口
に至るバイパス流路と、前記熱交換流路とバイパス流路
の流量配分を調整するための流量調整部と、を有してい
る。前記流量調整部は、前記センサで測定された測定値
に応じて、前記熱交換流路と前記バイパス流路の流量配
分を調整する。
【0009】第2の燃料改質装置によれば、常温で液体
状の炭化水素系化合物を含む原燃料を用いて改質器中の
熱を回収し、再利用することができるので、改質装置の
熱効率を向上させることが可能である。特に、常温で液
体状の炭化水素系化合物に関しては熱伝達効率を高める
のが容易なので、改質装置の熱効率を容易に向上させる
ことができる。
【0010】なお、第1または第2の燃料改質装置にお
いて、前記改質原料は、前記原燃料と水と空気とを含ん
でおり、前記改質器は、前記原燃料と水と空気のために
前記熱交換器をそれぞれ有しており、前記原料供給部
は、前記原燃料と水と空気のために前記熱交換流路と前
記バイパス流路と前記流量調整部とをそれぞれ有してい
てもよい。このとき、前記流量調整部は、前記測定値に
応じて、前記原燃料と水と空気のそれぞれに関して前記
熱交換流路と前記バイパス流路の流量配分を調整するよ
うにしてもよい。
【0011】この構成では、3種類の原料を冷媒として
用いて改質器内の熱を有効利用することができるので、
改質装置の効率をさらに向上させることが可能である。
【0012】なお、前記改質器は、さらに、前記改質部
の下流側に設けられた一酸化炭素低減部を有しており、
前記熱交換器は、前記改質部と前記一酸化炭素低減部と
の間に設けられているようにしてもよい。
【0013】この構成では、一酸化炭素低減部の入口温
度を改質部の出口温度よりも低下さえることが要求され
るときに、改質ガス中の熱を有効に利用することが可能
である。
【0014】また、前記改質器は、さらに、前記改質部
の下流側に設けられた一酸化炭素低減部を有しており、
前記熱交換器は、前記一酸化炭素低減部の内部に設けら
れているようにしてもよい。
【0015】一般に、一酸化炭素低減部では、一酸化炭
素の酸化反応による熱が発生する。従って、上記の構成
によれば、この熱を有効に利用することが可能である。
【0016】前記センサで測定される前記特定の被測定
量は、前記一酸化炭素低減部の内部に設けられた前記熱
交換器の出口における冷媒温度を含み、前記流量調整部
は、前記熱交換器の出口における冷媒温度が所定の温度
範囲に収まるように前記熱交換流路と前記バイパス流路
の流量配分を調整するようにしてもよい。
【0017】この構成によれば、一酸化炭素低減部内を
流れる流体の温度がほぼ一定の範囲に収まるので、一酸
化炭素低減部内の反応を安定した条件下で行わせること
ができ、この結果、一酸化炭素を十分に低減することが
可能である。
【0018】前記所定の温度範囲は、前記冷媒の沸騰温
度を超えた範囲に設定されていることが好ましい。
【0019】冷媒が沸騰していないときには、冷却のた
めに多量の冷媒が必要になるので、冷媒は熱交換器内で
沸騰していることが好ましい。また、冷媒が熱交換器内
で沸騰していても、気液混合状態で熱交換器から流出す
る場合には、冷媒は沸騰温度となっている。このときに
は、熱交換量が変化しても冷媒の温度が一定の沸騰温度
に維持されるので、熱交換量の過不足を冷媒温度で検知
することができない可能性がある。一方、冷媒がその沸
騰温度を超えた気体状態になっていれば、熱交換量の過
不足を冷媒温度によって検知することができる。すなわ
ち、冷媒温度がその沸騰温度を超えているときには、熱
交換器における熱交換状態が冷媒温度に反映されるの
で、一酸化炭素低減部内の熱交換状態を所望の状態に維
持することができる。また、冷媒を気体の過熱状態にす
れば、熱交換器内における冷媒の温度分布がほぼ一定と
なる点で好ましいという利点もある。
【0020】前記流量調整部は、前記測定値が前記燃料
改質装置の安定的な運転状態にとって好ましくない変化
を示すときに、前記燃料改質装置を安定化させるように
前記熱交換流路とバイパス流路との流量配分を調整する
ようにしてもよい。
【0021】この構成によれば、燃料改質装置を安定的
に運転することが可能である。
【0022】前記流量調整部は、前記測定値が所定の変
化率よりも大きな変化を示すときに、前記バイパス流路
を流れる前記原料の流量を増加させるようにしてもよ
い。
【0023】バイパス流路を流れる原料の温度は、熱交
換流路を流れる原料の温度に比べて安定している。した
がって、上記の構成によれば、改質装置をより安定に運
転することが可能である。
【0024】なお、前記改質器は、前記供給口から供給
された前記改質原料を蒸発させるための蒸発部を有して
おり、前記センサで測定される前記特定の被測定量は、
前記蒸発部を通過した前記改質原料の温度と圧力の少な
くとも一方を含むようにしてもよい。
【0025】改質装置が不安定になると、蒸発部を通過
した改質原料の温度や圧力が変動することが多い。従っ
て、これらの少なくとも一方を測定し、その変化量に応
じてバイパス流路を流れる原料の流量を調整するように
すれば、改質装置の安定性を高めることが可能である。
【0026】なお、本発明は、種々の態様で実現するこ
とが可能であり、例えば、燃料改質装置およびその制御
方法、燃料電池システムおよびその制御方法、それらの
装置またはシステムを備える移動体およびその制御方
法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコ
ンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを
記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み
搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現す
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.第1実施例の構成: B.第1実施例の動作: C.第2実施例の構成と動作: D.第3実施例の構成と動作: E.変形例:
【0028】A.第1実施例の構成:図1は、本発明の
一実施例としての電気自動車の概略構成図である。この
電気自動車(以下、単に「車両」と呼ぶ)の車輪駆動機
構は、モータ20と、トルクコンバータ30と、変速機
40とを有している。モータ20の回転軸13は、トル
クコンバータ30に結合されている。トルクコンバータ
の出力軸14は、変速機40に結合されている。変速機
40の出力軸15は、ディファレンシャルギヤ16を介
して車輪18の車軸17に結合されている。
【0029】モータ20は、ロータ22と、ステータ2
4とを備える三相の同期モータである。ロータ22の外
周面には、複数個の永久磁石が設けられている。また、
ステータ24には、回転磁界を形成するための三相コイ
ルが巻回されている。モータ20は、ロータ22に備え
られた永久磁石による磁界と、ステータ24の三相コイ
ルによって形成される磁界との相互作用により回転駆動
する。また、ロータ22が外力によって回転させられる
場合には、これらの磁界の相互作用により三相コイルの
両端に起電力を生じさせる。この場合には、モータ20
は発電機として機能する。
【0030】モータ20には、主電源としての燃料電池
システム60と、補助電源としてのバッテリ(2次電
池)50と、の2つの電源が備えられている。バッテリ
50は燃料電池システム60が故障した場合や、車両の
始動時等のように燃料電池システム60から十分な電力
を出力することができない場合などに、不足する電力を
モータ20に供給する。バッテリ50の電力は、さら
に、車両の制御を行う制御ユニット70や、照明装置な
どの電力機器(図示せず)にも供給される。
【0031】2つの電源50,60からの電力は、それ
ぞれの駆動回路51,52と、切替スイッチ80とを介
してモータ20に供給される。切替スイッチ80は、バ
ッテリ50と、燃料電池システム60と、モータ20の
3者間の接続状態を任意に切り替えることができる。ス
テータ24は、切替スイッチ80および第1の駆動回路
51を介してバッテリ50に電気的に接続され、また、
切替スイッチ80および第2の駆動回路52を介して燃
料電池システム60に接続される。2つの駆動回路5
1,52は、それぞれトランジスタインバータで構成さ
れており、モータ20の三相それぞれに対して、ソース
側とシンク側の2つを一組としてトランジスタが複数備
えられている。これらの駆動回路51,52は、制御ユ
ニット70と電気的に接続されている。
【0032】制御ユニット70は、シフトレバー72
と、アクセルペダル74と、ブレーキペダル76とから
与えられる運転者の指令に基づいて、車両のための各種
の制御を実行する。制御ユニット70が駆動回路51,
52の各トランジスタのオン・オフの時間をPWM制御
すると、バッテリ50および燃料電池システム60を電
源とする擬似三相交流がステータ24の三相コイルに流
れ、回転磁界が形成される。モータ20は、このような
回転磁界の作用によって、先に説明した通り電動機また
は発電機として機能する。
【0033】なお、制御ユニット70の各種の制御動作
は、制御ユニット70に内蔵されている図示しないメモ
リ内に格納されたコンピュータプログラムを、制御ユニ
ット70が実行することによって実現される。このメモ
リとしては、ROMやハードディスクなどの種々の記録
媒体を利用することが可能である。
【0034】図2は、第1実施例における燃料電池シス
テム60の内部構成を示す説明図である。この燃料電池
システム60は、天然ガスなどの原燃料を供給するため
の原燃料供給部110と、水を供給するための水供給部
120と、空気を供給するための空気供給部130と、
原燃料と水と空気とを含む改質原料から改質反応により
燃料ガス(「改質ガス」とも呼ぶ)を生成する改質器1
40と、燃料電池150とを備えている。
【0035】改質器140は、改質原料を蒸発させるた
めの蒸発部141と、改質触媒を利用した改質反応を行
うための改質部142と、熱交換部143と、シフト反
応を行うためのシフト部144と、選択酸化を利用して
改質ガス中の一酸化炭素を低減するためのCO浄化部1
45と、を有している。
【0036】蒸発部141と熱交換部143とCO浄化
部145は、それぞれの内部に熱交換器141a,14
3a,145aを有している。蒸発部141内の熱交換
器141aは、蒸発部141における触媒燃焼反応で発
生した熱で、改質原料(原燃料と水と空気)とを昇温さ
せるためのものである。熱交換部143内の熱交換器1
43aは、改質ガスの温度を低下させて、シフト部14
4におけるシフト反応に適した温度にするためのもので
ある。また、CO浄化部145内の熱交換器145a
は、CO浄化のための反応(選択酸化反応)によって発
生する熱を除去するとともに、燃料ガスHRGの温度を
燃料電池150に適した温度に低下させるためのもので
ある。熱交換部143内の熱交換器143aには、原燃
料と水と空気の3種類の冷媒が通過する流路がそれぞれ
設けられているが、図2では図示が省略されている。な
お、シフト部144内にも、必要に応じて熱交換器を設
けることが可能である。
【0037】CO浄化部145は、「選択酸化部」また
は「CO選択酸化部」とも呼ばれる。また、シフト部1
44とCO浄化部145は、いずれも一酸化炭素濃度を
低減するための反応器なので、これらを合わせて「一酸
化炭素低減部」と呼ぶことができる。
【0038】原燃料供給部110は、原燃料を貯蔵する
原燃料タンク112と、ポンプ114と、分配弁116
と、原燃料供給用の配管系と、を有している。原燃料供
給用の配管系は、通常運転時において主に使用されるメ
イン流路212を有している。このメイン流路212
は、熱交換部143の熱交換器143aを通過した後
に、蒸発部141の原燃料供給口(すなわち、改質器1
40の原燃料供給口)に到達している。従って、メイン
流路212を流れる原燃料は、熱交換部143で昇温さ
れた後で蒸発部141の供給口に供給される。
【0039】原燃料用のメイン流路212は、分配弁1
16においてバイパス流路214に分岐している。この
バイパス流路214は、熱交換部143をバイパスして
おり、蒸発部141の原燃料供給口においてメイン流路
212と再合流している。また、バイパス流路214
は、もう1つの分配弁117において、蒸発部141に
至る分岐流路218に分岐している。この分岐流路21
8は、蒸発部141内の触媒燃焼反応に利用される燃料
ガス(「燃焼用原燃料」とも呼ぶ)を蒸発部141に供
給するためのものである。
【0040】水供給部120は、水を貯蔵する水タンク
122と、ポンプ124と、水供給用の配管系と、を有
している。水供給用の配管系は、通常運転時において主
に使用されるメイン流路222を有している。水用のメ
イン流路222は、ポンプ124を経由した後に、分配
弁126において2つのメイン流路222a,222b
に分岐している。第1のメイン流路222aは、CO浄
化部145内の熱交換器145aを通過した後に、蒸発
部141の水供給口(すなわち、改質器140の水供給
口)に到達している。第2のメイン流路222bは、熱
交換部143の熱交換器143aを通過した後に、第1
のメイン流路222aと合流し、蒸発部141の水供給
口に到達している。従って、メイン流路222,222
a,222bを流れる水は、CO浄化部145や熱交換
部143で昇温された後で蒸発部141の供給口に供給
される。
【0041】水用のメイン流路222は、分配弁126
において、バイパス流路226に分岐している。このバ
イパス流路226は、熱交換部143やCO浄化部14
5をバイパスして、メイン流路222a,222bと再
合流している。
【0042】空気供給部130は、エアポンプ124
と、空気供給用の配管系とを有している。空気供給用の
配管系は、通常運転時において主に使用されるメイン流
路232を有している。このメイン流路232は、熱交
換部143の熱交換器143aを通過した後に、蒸発部
141の空気供給口(すなわち、改質器140の空気供
給口)に到達している。従って、メイン流路232を流
れる空気は、熱交換部143で昇温された後で蒸発部1
41の供給口に供給される。
【0043】改質空気用のメイン流路232は、分配弁
134において分岐流路233に分岐している。この分
岐流路233は、蒸発部141内の触媒燃焼反応に利用
される空気(燃焼用空気)を蒸発部141に供給するた
めのものである。また、このメイン流路233は、もう
1つの分配弁135において、改質空気用のバイパス流
路234と、CO浄化空気用のバイパス流路236とに
分岐している。改質空気用のバイパス流路234は、熱
交換部143をバイパスして、蒸発部141の空気供給
口においてメイン流路232と再合流している。CO浄
化用空気用のバイパス流路236は、CO浄化部145
内における選択酸化反応に利用される空気を供給するた
めのものである。なお、改質空気用のメイン流路232
が熱交換部143を通過した後にも分配弁137が設け
られており、ここからCO浄化空気用のメイン流路23
8が分岐している。このメイン流路238は、熱交換部
143で昇温されたCO浄化用空気をCO浄化部145
に供給するためのものである。改質空気用のメイン流路
232のさらに下流では、分配弁136において分岐流
路235が分岐している。この分岐流路235は、蒸発
部141内の触媒燃焼反応に利用される空気を供給する
ための分岐流路233に合流している。
【0044】なお、CO浄化部145に供給される空気
は、改質ガス内の一酸化炭素を低減するための反応に利
用されるので、この意味では、改質器140内における
広義の改質反応(改質ガスを生成するための反応)に利
用されていると考えることができる。従って、CO浄化
部145に供給される空気も、広義の改質原料に含まれ
る。
【0045】改質器140内の各部141〜145の出
口には、それぞれ温度センサ191〜195が設けられ
ている。図2には、通常運転時における各部141〜1
45の出口温度(改質原料や改質ガスの温度)が例示さ
れている。例えば、蒸発部141の出口温度は400℃
であり、改質部142の出口温度は650℃である。但
し、これらの温度は一例であり、改質原料の種類や各部
の構成に応じて種々の温度を取りうる。
【0046】原燃料(天然ガス)と水と空気は、蒸発部
141において気化され、混合されて、改質原料ガスと
なる。この改質原料ガスは、改質部142と、シフト部
144と、CO浄化部145とにおける化学反応によっ
て水素ガスリッチな燃料ガスHRGに変換される。改質
部142内では、主に水蒸気改質反応と部分酸化反応と
が発生しており、これによって水素が生成される。シフ
ト部144とCO浄化部145は、水蒸気改質反応によ
って発生する一酸化炭素を低減するためのものである。
熱交換部143は、改質部142の出口における改質ガ
スの温度が高いので、この改質ガスを冷却して、シフト
部144でのシフト反応に適した温度に調整するための
ものである。
【0047】本実施例では、熱交換部143の冷媒とし
て、改質原料を構成する3つの原料(原燃料と水と空
気)をすべて利用している。従って、熱交換部143に
おける熱交換能力を十分に高めることができる。また、
熱交換部143で昇温された原燃料と水と空気は、改質
原料として利用されるので、改質部142で発生した熱
を有効に利用することが可能である。また、水は、CO
浄化部145内の熱交換器145aの冷却にも利用され
ており、ここでも昇温されている。この結果、CO浄化
部145で発生する熱も、改質反応のために有効利用す
ることができる。このように、本実施例では、改質器1
40内部で発生した余分な熱を、改質原料を構成する3
つの原料を用いて除去しているので、改質器140全体
としての熱効率(エネルギ効率)を高めることが可能で
ある。
【0048】こうして改質器140で生成された燃料ガ
スHRGは、燃料ガス流路252を介して燃料電池15
0に導入される。燃料電池150内では、燃料ガスHR
G内の水素を用いた電気化学反応によって発電が行わ
れ、この結果、燃料ガスHRG中の水素が消費される。
燃料電池150からの燃料排ガスEXGの排出路254
は、改質器140の蒸発部141に戻されており、そこ
での触媒燃焼反応に利用される。
【0049】B.第1実施例の動作:図3は、本発明の
実施例における改質装置の起動時の制御手順を示すフロ
ーチャートである。なお、この制御手順は、制御ユニッ
ト70(図1)内の図示しないメモリに格納されたコン
ピュータプログラムを、制御ユニット70が実行するこ
とによって実現される。
【0050】まず、車両が始動されると、ステップS1
において燃料電池システム60が起動され、ステップS
2において改質器140の運転状態が第1の起動状態に
設定される。
【0051】図4は、第1の起動状態を示す説明図であ
る。図4において、点線で描かれている流路はほとんど
使用されておらず、実線で描かれている流路が主に使用
されている。すなわち、原燃料は、熱交換部143を通
過するメイン流路212ではなく、バイパス流路214
を介して蒸発部141の原燃料供給口に供給される。ま
た、改質用空気も、熱交換部143を通過するメイン流
路232ではなく、バイパス流路234を介して蒸発部
141の空気供給口に供給される。改質用水も同様に、
熱交換部143を通過するメイン流路222a,222
bではなく、バイパス流路226を介して蒸発部141
の水供給口に供給される。さらに、CO浄化用空気も、
主にバイパス流路236を介してCO浄化部145に供
給される。なお、蒸発部141内の触媒燃焼反応に使用
される原燃料と空気は、それぞれの分岐流路218,2
33を介して蒸発部141にそれぞれ供給される。
【0052】このように、起動初期の第1の起動状態で
は、3つの改質原料は、熱交換部143やCO浄化部1
45の熱交換器を経由しないバイパス流路を主として経
由して蒸発部141に供給される。この理由は、起動初
期では改質器140がまだ昇温していないので、熱交換
部143やCO浄化部145の熱交換器を改質原料で冷
却しないようにするためである。こうすれば、改質器1
40の暖機を早めることが可能である。
【0053】図3のステップS3では、熱交換部143
の出口温度が所定の温度(例えば200℃)に達したか
否かが判断される。熱交換部143の出口温度が所定の
温度に達した場合には、ステップS4に移行して、改質
器140の運転状態が第2の起動状態に設定される。
【0054】図5は、第2の起動状態を示す説明図であ
る。原燃料と改質用空気は、第1の起動状態と同様に、
それぞれのバイパス流路214,233を介して蒸発部
141の供給口に供給される。また、CO浄化用空気
も、そのバイパス流路236を介してCO浄化部145
に供給される。一方、改質用の水は、主として、熱交換
部143を通過するメイン流路222aを介して蒸発部
141の水供給口に供給される。こうすることによっ
て、熱交換部143の出口温度を制御しつつ、改質用の
水を昇温することができる。
【0055】なお、熱交換部143の出口温度を所定の
温度に保つようにするために、水用のバイパス流路22
6も必要に応じて利用することができる。例えば、熱交
換部143の出口温度を約200℃に保るように、メイ
ン流路222とバイパス流路226における水の流量配
分が決定される。但し、他の改質原料(原燃料と空気)
に関しても、熱交換部143における冷却の要求に応じ
て、メイン流路とバイパス流路との流量配分を決定する
ようにしても良い。
【0056】このように、第2の起動状態において、主
に改質用水を用いて熱交換部143の冷却を行うのは、
以下のような理由による。3つの改質原料(原燃料と水
と空気)の中では、水が最も熱容量が大きく昇温されに
くい。そこで、本実施例では、改質用水を熱交換部14
3で予め昇温させた後に蒸発部141の水供給口に供給
することによって、蒸発部141における改質原料全体
の気化を容易にしている。
【0057】このように、第2の起動状態では、改質用
水の少なくとも一部が、熱交換部143を通過した後に
蒸発部141に供給されるので、起動の途中において
も、改質器140内の熱を有効に利用しつつ改質器14
0の暖機を行うことが可能である。
【0058】図3のステップS5では、改質部142の
出口温度が所定の温度(例えば650℃)に達したか否
かが判断される。改質部142の出口温度が所定の温度
に達した場合には、起動運転を終了し、改質器140の
運転状態が通常運転状態に設定される。
【0059】図6は、通常運転状態を示す説明図であ
る。原燃料は、熱交換部143を通過するメイン流路2
12を主に経由して蒸発部141の原燃料供給口に供給
される。また、改質用空気も、熱交換部143を通過す
るメイン流路232を主に経由して蒸発部141の空気
供給口に供給される。改質用水も同様に、熱交換部14
3を通過するメイン流路222a,222bを主に経由
して蒸発部141の水供給口に供給される。また、CO
浄化用空気も、主に、熱交換部143で昇温された後に
メイン流路238を経由してCO浄化部145に供給さ
れる。
【0060】各改質原料のバイパス流路は、改質器14
0内の各部の温度が所定の値に保たれるようにするため
に、必要に応じて利用される。例えば、熱交換部143
の出口温度を約200℃に保ち、CO浄化部145の出
口温度を約100℃に保つように、各原料の流量配分が
それぞれ決定される。
【0061】図7は、通常運転状態における流量配分制
御の手順を示すフローチャートである。ステップS11
では、制御ユニット70が、各改質原料(原燃料と水と
改質用空気とCO浄化用空気)の要求量を決定する。こ
の要求量は、燃料電池150における要求発電量に応じ
て決定される。ステップS12では、熱交換部143の
出口温度と、CO浄化部145の出口温度とが、それぞ
れ所定値(例えば200℃と100℃)になるように、
各改質原料に関するメイン流路とバイパス流路の流量配
分が決定される。具体的には、熱交換部143やCO浄
化部145の出口温度が所定値よりも低い場合には、バ
イパス流路の流量を増加させてメイン流路の流量を減少
させる。この結果、熱交換部143やCO浄化部145
内の熱交換器143a,145aにおける除熱量が減少
するので、熱交換部143やCO浄化部145の出口温
度が高くなる。反対に、熱交換部143やCO浄化部1
45の出口温度が所定値よりも高い場合には、バイパス
流路の流量を減少させてメイン流量の流量を増加させ
る。ステップS13では、蒸発部141の出口温度が所
定値(例えば400℃)になるように、触媒燃焼用の原
燃料と空気の量が決定される。
【0062】なお、流量の配分は、メイン流路とバイパ
ス流路の分岐点にある分配弁116,126,135,
137を用いて行われる。また、この手順における各流
量を決定するために、各流路には必要に応じて流量セン
サや温度センサが設けられいるが、図2、図4ないし図
6では、これらの測定器が省略されている。
【0063】このように、第1実施例の通常運転状態で
は、3種類の改質原料(原燃料と水と空気)が、主に、
熱交換部143やCO浄化部145の熱交換器を通過し
た後に蒸発部141に供給されるので、改質器140内
における熱の再利用を促進することが可能である。特
に、本実施例では、熱交換器の冷媒として複数種類の冷
媒を用いているので、熱交換器における冷却能力を高め
ることができ、この結果、改質装置の熱効率を高めるこ
とが可能である。また、各原料のメイン流路とバイパス
流路の流量配分は、熱交換部143やCO浄化部145
の出口温度に応じて制御されるので、これらの出口にお
ける改質原料ガスや改質ガスの温度を適切な値に制御す
ることが可能である。
【0064】C.第2実施例の構成と動作:図8は、第
2実施例における燃料電池システムを示す説明図であ
る。この燃料電池システムは、原燃料としてメタノール
を用いている。第2実施例は、第1実施例と原燃料が異
なるので、この差異に起因して、原燃料供給部110a
と水供給部120aと空気供給部130aと改質器14
0aの構成も異なっている。すなわち、メタノール改質
用の改質器140aでは、図2に示した熱交換部143
やシフト部144が不要なので、これらが削除されてい
る。また、原燃料供給部110aのメイン流路213
は、CO浄化部145内の熱交換器145aを通過した
後に、蒸発部141の原燃料供給口に到達している。水
供給部120aのメイン流路228は、改質原料ガスや
改質ガスと熱交換することなく、蒸発部141の水供給
口に直接接続されている。また、空気供給部130aの
メイン流路239も、改質原料ガスや改質ガスと熱交換
することなく、蒸発部141の空気供給口に到達してい
る。さらに、CO浄化用空気の流路236も、改質原料
ガスや改質ガスと熱交換することなく、CO浄化部14
5に到達している。換言すれば、第2実施例では、3種
類の原料のうちで、原燃料だけが熱交換器を経由して改
質器140の供給口に供給されている。
【0065】但し、第2実施例においても、上述した第
1実施例と同様に、改質用水や空気の流路として、CO
浄化部145内の熱交換器145aを通過するメイン流
路と、熱交換器145aを通過しないバイパス流路とを
設けることが可能である。
【0066】原燃料用のメイン流路213とバイパス流
路215には、流量センサ216,219がそれぞれ設
けられている。また、改質器140aから燃料電池15
0に至る燃料ガス流路252上には、圧力センサ196
と、流量センサ197と、調圧弁198とが設けられて
いる。第2実施例のその他の構成は、図2に示した第1
実施例の構成とほぼ同じである。
【0067】ところで、CO浄化部145内の温度は、
燃料電池システム60の運転状態によって比較的変動し
易い傾向にある。従って、第2実施例のように、改質用
の原燃料(メタノール)を、CO浄化部145で加熱し
た後に蒸発部141に供給すると、蒸発部141の供給
口における改質用原燃料の状態が燃料電池システム60
の運転状態によって変動する可能性がある。具体的に
は、CO浄化部145における熱交換量が多い場合には
メタノールが気体状態で蒸発部141に供給され、ま
た、熱交換量が少ない場合には液体状態で蒸発部141
に供給される。この結果、蒸発部141内部の温度が不
安定となり、改質器140a全体の運転状態も不安定と
なる可能性がある。そこで、第2実施例では、以下に説
明するように、原燃料のメイン流量とバイパス流量の比
率を調整することによって、改質器140aの安定性制
御を行っている。
【0068】図9は、第2実施例における通常運転時の
改質装置の安定性制御の手順を示すフローチャートであ
る。この制御手順は、制御ユニット70(図1)内の図
示しないメモリに格納されたコンピュータプログラム
を、制御ユニット70が実行することによって実現され
る。また、以下のステップS21〜S25は、一定時間
毎に実行される。
【0069】ステップS21では、蒸発部141の出口
温度を温度センサ191で測定する。ステップS22で
は、前回の測定値と今回の測定値とを比較して、温度変
化量Δtを算出する。ステップS23では、温度変化量
Δtが、所定のしきい値Th以上であるか否かが判断さ
れる。温度変化量Δtがしきい値Th未満のときには、
この処理を終了する。一方、温度変化量Δtがしきい値
Th以上のときには、ステップS24において、温度変
化量Δtに応じて原燃料のバイパス量の増加分が演算さ
れる。
【0070】図10は、温度変化量Δtとバイパス流量
の増加率との関係の一例を示すグラフである。この例で
は、温度変化量Δtが大きいほど、バイパス流量をより
大きく増加させる。なお、蒸発部141の原燃料供給口
に供給する原燃料の全流量は、燃料電池150における
要求発電量に応じて決定されるので、バイパス流量が増
加すると、メイン流量は減少する。
【0071】図9のステップ25では、こうして決定さ
れたバイパス流量とメイン流量とを実現するように分配
弁116が調整される。こうしてバイパス流量が増加す
ると、蒸発部141の原燃料供給口に供給される原燃料
の温度が安定するので、改質器140a全体の運転状態
も安定する。改質器140aが安定した後には、再びメ
イン流量を増加させて、熱効率を向上させることができ
る。
【0072】このように、第2実施例では、CO浄化部
145で原燃料を昇温させた後に蒸発部141の原燃料
供給口に供給しているので、改質器140aの熱効率を
向上させることが可能である。また、蒸発部141の出
口温度が不安定になったときに、改質用原燃料のバイパ
ス流量を増加させるようにしているので、改質用原燃料
をCO浄化部145で昇温することに伴う不安定性の影
響を低減することが可能である。
【0073】なお、第2実施例では、蒸発部141の出
口温度の変化量に応じて改質用原燃料のバイパス流量の
制御を行っていたが、蒸発部141の出口温度の変化量
の代わりに、圧力センサ196や流量センサ197で測
定された改質ガスHRGの圧力や流量の変化に応じて改
質用原燃料のバイパス流量の制御を行うようにしてもよ
い。
【0074】また、改質用原燃料のバイパス流量の制御
によって改質器140aの安定性を制御する代わりに、
改質器140aの出口に設けられている調圧弁198を
調整することによって、改質器140aの安定性を制御
することも可能である。あるいは、改質用空気やCO浄
化用空気の量を調整することによって改質器140aの
安定性を制御することも可能である。
【0075】上述の説明から理解できるように、第2実
施例では、改質原料ガス(または改質ガス)に関する特
定の測定値(温度、圧力、流量など)の変化に応じて、
複数種類の改質原料のうちの少なくとも1種類の原料の
流量を制御することによって、改質器の安定性を保つよ
うにすればよい。ここで、改質原料とは、改質用原燃料
と、改質用空気と、CO浄化用空気と、改質用水とを含
む広い意味を有している。
【0076】但し、改質器の安定性は、メタノールのよ
うに常温で液体状である炭化水素系化合物を含む原燃料
を改質する改質器において、その原燃料を冷媒とした熱
交換器を利用するときに問題となる場合が多い。すなわ
ち、原燃料のメイン流量とバイパス流量の調整によって
安定性を制御する技術の利点は、常温で液体状である炭
化水素系化合物を含む原燃料を改質する改質器において
特に顕著である。
【0077】D.第3実施例の構成と動作:図11は、
第3実施例における燃料電池システムの内部構成を示す
説明図である。この燃料電池システムは、メタノールと
水の混合物を原燃料として供給するための原燃料供給部
310と、改質器340と、燃料電池350とを備えて
いる。なお、空気供給部は図示が省略されている。
【0078】改質器340は、改質原料を蒸発させるた
めの蒸発部341と、改質触媒を利用した改質反応を行
うための改質部342と、選択酸化を利用して改質ガス
中の一酸化炭素を低減するためのCO浄化部345と、
を有している。この第3実施例は、改質器の運転状態が
変動したときにも、CO浄化部345の運転状態を安定
に保つことによって、改質ガスHRG中に含まれる一酸
化炭素を低レベルに維持するようにした点に大きな特徴
がある。
【0079】CO浄化部345には、選択酸化用の空気
が3カ所から投入されている。また、この3つの空気投
入口の下流側に、3つ熱交換器361,362,363
がそれぞれ設けられている。3つの熱交換器361〜3
63は、例えば直交型の熱交換器であり、その改質ガス
流路のフィンには、互いに異なる触媒がそれぞれ担持さ
れている。但し、CO浄化部345内には、1つ以上の
任意の数の熱交換器を設けることが可能である。
【0080】原燃料供給部310は、原燃料タンク31
2と、ポンプ314と、分配弁316と、メイン流路3
22と、バイパス流路324とを有している。メイン流
路322は3つに分岐しており、CO浄化部345内の
3つの熱交換器361〜363にそれぞれ接続されてい
る。これらの3つの分岐流路上には、熱交換器361〜
363の入口側に流量調整弁371〜373がそれぞれ
設けられている。流量調整弁371〜373は、後述す
るように、メイン流路322とバイパス流路324の流
量配分を調整することによって、CO浄化部345の運
転状態を安定に保つ機能を有している。
【0081】流量調整弁371は、熱交換器361の出
口側の流路に設けられた温度センサとしての感熱部37
1aを有している。これは、他の流量調整弁372,3
73も同様である。流量調整弁371〜373は、感熱
部371a〜373aで検知された冷媒(メタノール+
水)の温度に応じて弁開度が変化する機械制御式の調整
弁である。このような流量調整弁371〜373として
は、例えばエアコンに通常用いられている膨張弁を使用
することが可能である。これらの流量調整弁371〜3
73の開度が変化すると、メイン流路322の流量と、
バイパス流路324の流量との配分が変更される。
【0082】なお、機械制御式の調整弁の代わりに、温
度センサが付属していない調整弁と、温度センサと、電
子コントローラ(図1の制御ユニット70)とを用い
て、流量配分を調整するようにしてもよい。但し、機械
制御式の調整弁を用いると、構成が簡素化されるという
利点がある。
【0083】CO浄化部345の出口側では、3本の分
岐流路が1本のメイン流路326に合流している。この
出口側のメイン流路326は、蒸発部341の原燃料供
給口に到達している。従って、メイン流路212を流れ
る原燃料は、熱交換器361〜363で昇温された後で
蒸発部341の供給口に供給される。
【0084】熱交換器361〜363を通過した冷媒
(メタノール+水)は、完全に気化した状態となる。す
なわち、バイパス流路324の流量は、熱交換器361
〜363内において冷媒がすべて気化されて過熱状態
(沸騰温度よりも高い温度状態)になるように決定され
ている。具体的には、例えば、改質原料の全流量のうち
の約1/3がメイン流路322に配分され、残りの約2
/3がバイパス流路324に配分される。この例からも
理解できるように、本明細書において、「メイン流路」
とは、バイパス流路よりも流量が多いことを意味してお
らず、単に、熱交換器を経由して昇温される流路(熱交
換流路)であることを意味している。
【0085】なお、図11においては、各種のセンサな
どが省略されており、上述した第1および第2実施例に
比べて簡略に描かれている。
【0086】図12は、第3実施例における改質原料の
流量制御の手順を示すフローチャートである。この流量
制御は、流量調整弁371〜373の機構によって自動
的に行われる。
【0087】図12の制御手順では、熱交換器361〜
363の出口側流路における冷媒温度Ti(i=1〜
3)の目標温度を、冷媒(メタノール+水)の沸騰温度
BP+5℃を中心とする範囲としている。冷媒温度Ti
が(BP+3℃)未満の場合には、対応する流量調整弁
の開度が減少する(ステップS31,S32)。この結
果、冷媒量が減少して冷媒温度Tiが上昇する。一方、
冷媒温度Tiが(BP+7℃)を超えている場合には、
対応する流量調整弁の開度が増加する(ステップS3
1,S33)。この結果、冷媒量が増加して冷媒温度T
iが減少する。このような制御によって、冷媒温度Ti
(i=1〜3)は、目標温度(BP+5℃)±2℃の範
囲に収まるようにメイン流路322とバイパス流路32
4の流量配分が調整される。
【0088】なお、熱交換器出口における冷媒温度の目
標範囲を沸騰温度を超えた範囲としたのは、熱交換器に
おける熱交換の状態を安定化するためである。図13
は、熱交換器361〜363における冷媒の加熱量(す
なわち、改質ガスの冷却量)と、熱交換器出口における
冷媒温度Tiとの関係を示すグラフである。冷媒が熱交
換器内で沸騰していて完全には気化していない場合に
は、冷媒の加熱量が変動しても、冷媒温度は沸騰温度B
Pに維持される。従って、沸騰温度BP付近では熱交換
器内における熱交換状態の変化が検出できない。そこ
で、熱交換器出口における冷媒温度Tiの目標範囲を沸
騰温度BPを超える範囲に設定すれば、熱交換器361
〜363における熱交換の状態を応答性良く制御するこ
とが可能である。この結果、何らかの要因によって改質
器340の運転状態が変動した場合にも、改質ガスHR
Gの温度を望ましい範囲に維持することが可能である。
【0089】このように、第3実施例では、CO浄化部
345内の熱交換器361〜363の出口における冷媒
温度が所定の目標範囲内に収まるように、メイン流路3
22とバイパス流路324の流量配分が調整される。従
って、改質原料の流量の変動などの種々の要因によっ
て、熱交換器361〜363における熱交換の状態が変
動しても、その変動に素早く応答して、CO浄化部34
5における改質ガスHRGの温度を安定化することがで
きる。
【0090】ところで、CO浄化部345内の選択酸化
反応には適切な温度範囲が存在する。従って、CO浄化
部34内の温度が適切な温度範囲から外れると、一酸化
炭素の濃度を十分低くすることができなくなる可能性が
ある。この第3実施例では、CO浄化部345内の熱交
換器出口における冷媒温度が常に目標範囲内に納まるよ
うにしているので、CO浄化部345における改質ガス
HRGの温度も、ほぼ一定の範囲内に収まる。この結
果、CO浄化部345内における選択酸化反応が適正に
行われて、改質ガスHRG中の一酸化炭素濃度が十分に
低下し、一酸化炭素による燃料電池350の被毒も緩和
することが可能である。
【0091】なお、このようなCO浄化部の温度状態
(熱交換状態)の制御は、第1実施例や第2実施例にも
適用可能である。但し、CO浄化部内の熱交換器を通る
冷媒としては、常温で液体状の冷媒を使用することが好
ましい。この理由は、常温で液体状の冷媒を用いると、
その気化熱を利用して冷却効率を高めることができるか
らである。
【0092】図11の構成を変更して、熱交換器361
〜363を経由したガス状の冷媒を、蒸発部341と改
質部342との間に供給するようにしてもよい。蒸発部
341の出口では、バイパス流路324を介して供給さ
れた改質原料も気化しているので、CO浄化部345で
気化された改質原料と混合しても、液体の突沸が起こる
心配が無い。また、蒸発部341を通る流量が減少する
ので、蒸発部341を小型化することができ、また、蒸
発部341内の圧損も低下するという利点がある。
【0093】あるいは、熱交換器361〜363を経由
したガス状の冷媒を、蒸発部341内の改質原料の流路
に供給するようにしてもよい。この構成では、蒸発部3
41内における改質原料の流速が大きくなるので、熱伝
達率を向上させることができるという利点がある。
【0094】上述した第2実施例と第3実施例は、特定
のセンサで測定された測定値が、改質器の安定的な運転
状態にとって好ましくない変化を示すときに、改質器を
安定化させるようにメイン流路とバイパス流路との流量
配分を調整するという点で共通している。第2実施例と
第3実施例の燃料電池システムは、このような特徴によ
って、改質器を安定的に運転することが可能であるとい
う利点がある。
【0095】E.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0096】E1.変形例1:熱交換器を経由するメイ
ン流路と、熱交換器を経由しないバイパス流路とを設け
る対象としては、以下のような種々の原料が考えられ
る。 (1)改質用原燃料(蒸発部141の供給口に供給され
る原燃料) (2)改質用水(蒸発部141の供給口に供給される
水) (3)改質用空気(蒸発部141の供給口に供給される
空気) (4)CO浄化用空気(CO浄化部145に供給される
空気) (5)燃焼用空気(蒸発部141の触媒燃焼に利用され
る空気) (6)燃料電池用空気(燃料電池150内の電気化学反
応に利用される空気)
【0097】上述した第1実施例では、上記(1)〜
(4)の原料に関してメイン流路とバイパス流路とを併
用していた。また、第2実施例では、上記(1)の改質
用原燃料のみに関してメイン流路とバイパス流路とを併
用していた。第3実施例では、上記(1),(2)の原
料に関して、メイン流路とバイパス流路とを併用してい
た。これらの例から理解できるように、複数種類の原料
のうちのいくつかに関して、メイン流路(熱交換流路)
とバイパス流路とを用いるようにすればよい。
【0098】ところで、原燃料のうちで、熱容量が最も
大きいのは水であり、原燃料が次に大きく、空気は熱容
量が最も小さい。しかし、液体状の原燃料は水よりも沸
点が低いので、熱交換器内で沸騰熱伝達が起こし易い。
沸騰熱伝達では非沸騰熱伝達に比べて熱伝達率が高いの
で、冷媒として原燃料を用いた方が水よりも熱伝達率を
高くすることができ、従って、熱交換器における熱交換
の効率を高めることが可能である。この意味では、原燃
料(特に、常温で液体状の炭化水素系化合物を含む原燃
料)を冷媒として用いることが好ましい。
【0099】以上の説明から理解できるように、本発明
では、少なくとも原燃料を含む1種類以上の原料に関し
て、熱交換器を通過して改質器の供給口に至るメイン流
路(熱交換流路)と、熱交換器をバイパスして改質器の
供給口に至るバイパス流路と、を設けるようにすればよ
い。そして、センサで測定された改質器の特定の状態量
(温度、圧力、流量など)に応じて、メイン流路とバイ
パス流路の流量配分を調整するようにすればよい。
【0100】但し、複数種類の原料に関してメイン流路
とバイパス流路とを設けるようにすれば、エネルギ効率
がより向上するので好ましい。
【0101】E2.変形例2:上述した各実施例では、
分配弁を用いてメイン流路とバイパス流路の流量配分を
調整していたが、この代わりに、メイン流路用とバイパ
ス流路用にそれぞれポンプを設けておき、これらのポン
プを用いて流量配分を制御するようにしてもよい。すな
わち、メイン流路とバイパス流路の流量配分を調整する
流量調整部は、分配弁やポンプなどの種々の要素で構成
することが可能である。
【0102】E3.変形例3:改質器の原燃料として
は、天然ガスやメタノール以外の種々の炭化水素系燃料
を使用可能である。例えば、メタノール以外のアルコー
ルや、ガソリン、アルデヒド、エーテルなどの種々の炭
化水素系化合物を利用することができる。
【0103】なお、上記実施例では、水蒸気改質反応に
よって改質ガス(燃料ガス)HRGを生成していたが、
本発明は、水を利用しない改質反応によって改質ガスH
RGを生成する燃料改質装置にも適用可能である。
【0104】E4.変形例4:上記実施例では、燃料電
池システム60を使用した電気自動車の例について説明
したが、本発明は、車輪駆動用の原動機として、モータ
と内燃機関との2つの原動機を用いたハイブリッド自動
車(ハイブリッド車両)にも適用することができる。ま
た、本発明は、船舶や電車などのような、自動車以外の
移動体にも適用可能である。すなわち、本発明は、一般
に、燃料電池と、燃料改質装置と、燃料電池を含む電源
から供給される電力によって駆動される原動機と、を備
える移動体に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての電気自動車の概略構成
図。
【図2】燃料電池システム60の内部構成を示す説明
図。
【図3】実施例における改質装置の起動時の制御手順を
示すフローチャート。
【図4】第1の起動状態を示す説明図。
【図5】第2の起動状態を示す説明図。
【図6】通常運転状態を示す説明図。
【図7】通常運転状態における流量配分制御の手順を示
すフローチャート。
【図8】第2実施例における燃料電池システムを示す説
明図。
【図9】第2実施例における通常運転時の改質装置の安
定性制御の手順を示すフローチャート。
【図10】温度変化量Δtとバイパス流量の増加率との
関係の一例を示すグラフ。
【図11】第3実施例における燃料電池システムの内部
構成を示す説明図
【図12】第3実施例における改質原料の流量制御の手
順を示すフローチャート
【図13】熱交換器361〜363における冷媒の加熱
量と、熱交換器出口における冷媒温度Tiとの関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
13…回転軸 14…出力軸 15…出力軸 16…ディファレンシャルギヤ 17…車軸 18…車輪 20…モータ 22…ロータ 24…ステータ 30…トルクコンバータ 40…変速機 50…バッテリ 51,52…駆動回路 60…燃料電池システム 70…制御ユニット 72…シフトレバー 74…アクセルペダル 76…ブレーキペダル 80…切替スイッチ 110…原燃料供給部 112…原燃料タンク 114…ポンプ 116…分配弁 117…分配弁 120…水供給部 122…水タンク 124…エアポンプ 126…分配弁 130…空気供給部 134〜137…分配弁 140…改質器 141…蒸発部 141a…熱交換器 142…改質部 143…熱交換部 143a…熱交換器 144…シフト部 145…CO浄化部 145a…熱交換器 150…燃料電池 191〜195…温度センサ 196…圧力センサ 197…流量センサ 198…調圧弁 212…原燃料用メイン流路 213…原燃料用メイン流路 214…原燃料用バイパス流路 215…原燃料用バイパス流路 216…流量センサ 218…分岐流路 219…流量センサ 222,222a,222b…水用メイン流路 226…水用バイパス流路 228…水用メイン流路 232…空気用メイン流路 233…燃焼空気用流路 234…空気用バイパス流路 235…燃焼空気用分岐流路 236…CO浄化空気用バイパス流路 238…CO浄化空気用メイン流路 239…空気用メイン流路 252…燃料ガス流路 254…排出路 310…原燃料供給部 312…原燃料タンク 314…ポンプ 316…分配弁 322…メイン流路 324…バイパス流路 326…メイン流路 340…改質器 341…蒸発部 342…改質部 345…CO浄化部 350…燃料電池 361〜363…熱交換器 371〜373…流量調整弁 371a…感熱部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/04 H01M 8/04 G 8/06 8/06 G A (72)発明者 木村 憲治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 ▲高▼田 和政 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田中 浩己 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 梶原 滋人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EA06 EB03 EB31 EB42 EB43 4G140 EA02 EA03 EA06 EB03 EB31 EB42 EB43 5H027 AA02 BA01 BA09 BA16 BA17 DD03 KK10 KK21 KK41 MM01 MM12 MM13

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系化合物を含む原燃料から、燃
    料電池のための水素リッチな燃料ガスを生成するための
    燃料改質装置であって、 改質触媒を収納する改質部と、前記原燃料を含む複数種
    類の原料で構成される改質原料が供給される供給口とを
    有し、前記供給口から供給された前記改質原料を改質す
    るための改質器と、 前記改質原料を前記改質器の供給口に供給するための原
    料供給部と、 前記改質器における特定の被測定量を測定するためのセ
    ンサと、 を備えており、 前記改質器は、前記複数種類の原料の中の2種類以上の
    原料が前記改質器の供給口に供給される前に通過するこ
    とが可能な熱交換器をそれぞれ有しており、 前記原料供給部は、前記2種類以上の原料に関して、前
    記熱交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交換
    流路と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供給
    口に至るバイパス流路と、前記熱交換流路とバイパス流
    路の流量配分を調整するための流量調整部と、を有して
    おり、 前記流量調整部は、前記センサで測定された測定値に応
    じて、前記熱交換流路と前記バイパス流路の流量配分を
    調整することを特徴とする燃料改質装置。
  2. 【請求項2】 常温で液体状の炭化水素系化合物を含む
    原燃料から、燃料電池のための水素リッチな燃料ガスを
    生成するための燃料改質装置であって、 改質触媒を収納する改質部と、前記原燃料を含む複数種
    類の原料で構成される改質原料が供給される供給口とを
    有し、前記供給口から供給された前記改質原料を改質す
    るための改質器と、 前記改質原料を前記改質器の供給口に供給するための原
    料供給部と、 前記改質器における特定の被測定量を測定するためのセ
    ンサと、を備えており、 前記改質器は、前記常温で液体状の炭化水素系化合物を
    含む原燃料を少なくとも含む1種類以上の原料が前記改
    質器の供給口に供給される前に通過することが可能な熱
    交換器を有しており、 前記原料供給部は、前記1種類以上の原料に関して、前
    記熱交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交換
    流路と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供給
    口に至るバイパス流路と、前記熱交換流路とバイパス流
    路の流量配分を調整するための流量調整部と、を有して
    おり、 前記流量調整部は、前記センサで測定された測定値に応
    じて、前記熱交換流路と前記バイパス流路の流量配分を
    調整することを特徴とする燃料改質装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の燃料改質装置で
    あって、 前記改質原料は、前記原燃料と水と空気とを含んでお
    り、 前記改質器は、前記原燃料と水と空気のために前記熱交
    換器をそれぞれ有しており、 前記原料供給部は、前記原燃料と水と空気のために前記
    熱交換流路と前記バイパス流路と前記流量調整部をそれ
    ぞれ有しており、 前記流量調整部は、前記測定値に応じて、前記原燃料と
    水と空気のそれぞれに関して前記熱交換流路と前記バイ
    パス流路の流量配分を調整する、燃料改質装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃
    料改質装置であって、 前記改質器は、さらに、前記改質部の下流側に設けられ
    た一酸化炭素低減部を有しており、 前記熱交換器は、前記改質部と前記一酸化炭素低減部と
    の間に設けられている、燃料改質装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の燃
    料改質装置であって、 前記改質器は、さらに、前記改質部の下流側に設けられ
    た一酸化炭素低減部を有しており、 前記熱交換器は、前記一酸化炭素低減部の内部に設けら
    れている、燃料改質装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の燃料改質装置であって、 前記センサで測定される前記特定の被測定量は、前記一
    酸化炭素低減部の内部に設けられた前記熱交換器の出口
    における冷媒温度を含み、 前記流量調整部は、前記熱交換器の出口における冷媒温
    度が所定の温度範囲に収まるように前記熱交換流路と前
    記バイパス流路の流量配分を調整する、燃料改質装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の燃料改質装置であって、 前記所定の温度範囲は、前記冷媒の沸騰温度を超えた範
    囲に設定されている、燃料改質装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれかに記載の燃
    料改質装置であって、 前記流量調整部は、前記測定値が前記燃料改質装置の安
    定的な運転状態にとって好ましくない変化を示すとき
    に、前記燃料改質装置を安定化させるように前記熱交換
    流路とバイパス流路との流量配分を調整する、燃料改質
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の燃料改質装置であって、 前記流量部は、前記測定値が所定の変化率よりも大きな
    変化を示すときに、前記バイパス流路を流れる前記原料
    の流量を増加させる、燃料改質装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の燃料改質装置であっ
    て、 前記改質器は、前記供給口から供給された前記改質原料
    を蒸発させるための蒸発部を有しており、 前記センサで測定される前記特定の被測定量は、前記蒸
    発部を通過した前記改質原料の温度と圧力の少なくとも
    一方を含む、燃料改質装置。
  11. 【請求項11】 燃料電池システムであって、 燃料電池と、 炭化水素系化合物を含む原燃料から、前記燃料電池のた
    めの水素リッチな燃料ガスを生成する燃料改質装置と、 を備え、 前記燃料改質装置は、(a)改質触媒を収納する改質部
    と、前記原燃料を含む複数種類の原料で構成される改質
    原料が供給される供給口とを有し、前記供給口から供給
    された前記改質原料を改質するための改質器と、(b)
    前記改質原料を前記改質器の供給口に供給するための原
    料供給部と、(c)前記改質器における特定の被測定量
    を測定するためのセンサと、を備えており、 前記改質器は、前記複数種類の原料の中の2種類以上の
    原料が前記改質器の供給口に供給される前に通過するこ
    とが可能な熱交換器を有しており、 前記原料供給部は、前記2種類以上の原料に関して、前
    記熱交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交換
    流路と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供給
    口に至るバイパス流路と、前記熱交換流路とバイパス流
    路の流量配分を調整するための流量調整部と、を有して
    おり、 前記流量調整部は、前記センサで測定された測定値に応
    じて、前記熱交換流路と前記バイパス流路の流量配分を
    決定することを特徴とする燃料電池システム。
  12. 【請求項12】 燃料電池システムであって、 燃料電池と、 常温で液体状の炭化水素系化合物を含む原燃料から、前
    記燃料電池のための水素リッチな燃料ガスを生成する燃
    料改質装置と、を備え、 前記燃料改質装置は、(a)改質触媒を収納する改質部
    と、前記原燃料を含む複数種類の原料で構成される改質
    原料が供給される供給口とを有し、前記供給口から供給
    された前記改質原料を改質するための改質器と、(b)
    前記改質原料を前記改質器の供給口に供給するための原
    料供給部と、(c)前記改質器における特定の被測定量
    を測定するためのセンサと、を備えており、 前記改質器は、前記常温で液体状の炭化水素系化合物を
    含む原燃料を少なくとも含む1種類以上の原料が前記改
    質器の供給口に供給される前に通過することが可能な熱
    交換器を有しており、 前記原料供給部は、前記1種類以上の原料に関して、前
    記熱交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交換
    流路と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供給
    口に至るバイパス流路と、前記熱交換流路とバイパス流
    路の流量配分を調整するための流量調整部と、を有して
    おり、 前記流量調整部は、前記センサで測定された測定値に応
    じて、前記熱交換流路と前記バイパス流路の流量配分を
    決定することを特徴とする燃料電池システム。
  13. 【請求項13】 移動体であって、 燃料電池を含む電源と、 炭化水素系化合物を含む原燃料から、前記燃料電池のた
    めの水素リッチな燃料ガスを生成する燃料改質装置と、 前記移動体の推進力を発生するための原動機と、 前記電源から供給される電力を用いて前記原動機を駆動
    する駆動回路と、を備え、 前記燃料改質装置は、(a)改質触媒を収納する改質部
    と、前記原燃料を含む複数種類の原料で構成される改質
    原料が供給される供給口とを有し、前記供給口から供給
    された前記改質原料を改質するための改質器と、(b)
    前記改質原料を前記改質器の供給口に供給するための原
    料供給部と、(c)前記改質器における特定の被測定量
    を測定するためのセンサと、を備えており、 前記改質器は、前記複数種類の原料の中の2種類以上の
    原料が前記改質器の供給口に供給される前に通過するこ
    とが可能な熱交換器を有しており、 前記原料供給部は、前記2種類以上の原料に関して、前
    記熱交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交換
    流路と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供給
    口に至るバイパス流路と、前記熱交換流路とバイパス流
    路の流量配分を調整するための流量調整部と、を有して
    おり、 前記流量調整部は、前記センサで測定された測定値に応
    じて、前記熱交換流路と前記バイパス流路の流量配分を
    決定することを特徴とする移動体。
  14. 【請求項14】 移動体であって、 燃料電池を含む電源と、 常温で液体状の炭化水素系化合物を含む原燃料から、前
    記燃料電池のための水素リッチな燃料ガスを生成する燃
    料改質装置と、 前記移動体の推進力を発生するための原動機と、 前記電源から供給される電力を用いて前記原動機を駆動
    する駆動回路と、を備え、 前記燃料改質装置は、(a)改質触媒を収納する改質部
    と、前記原燃料を含む複数種類の原料で構成される改質
    原料が供給される供給口とを有し、前記供給口から供給
    された前記改質原料を改質するための改質器と、(b)
    前記改質原料を前記改質器の供給口に供給するための原
    料供給部と、(c)前記改質器における特定の被測定量
    を測定するためのセンサと、を備えており、 前記改質器は、前記常温で液体状の炭化水素系化合物を
    含む原燃料を少なくとも含む1種類以上の原料が前記改
    質器の供給口に供給される前に通過することが可能な熱
    交換器を有しており、 前記原料供給部は、前記1種類以上の原料に関して、前
    記熱交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交換
    流路と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供給
    口に至るバイパス流路と、前記熱交換流路とバイパス流
    路の流量配分を調整するための流量調整部と、を有して
    おり、 前記流量調整部は、前記センサで測定された測定値に応
    じて、前記熱交換流路と前記バイパス流路の流量配分を
    決定することを特徴とする移動体。
  15. 【請求項15】 炭化水素系化合物を含む原燃料から、
    燃料電池のための水素リッチな燃料ガスを生成するため
    の改質器の制御方法であって、(a)前記複数種類の原
    料の中の2種類以上の原料が前記改質器の供給口に供給
    される前に通過することが可能な熱交換器をそれぞれ準
    備する工程と、(b)前記2種類以上の原料に関して、
    前記熱交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交
    換流路と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供
    給口に至るバイパス流路と、を準備する工程と、(c)
    前記改質器における特定の被測定量を測定する工程と、
    (d)前記特定の被測定量の測定値に応じて、前記熱交
    換流路と前記バイパス流路の流量配分を調整する工程
    と、を備えることを特徴とする改質器の制御方法。
  16. 【請求項16】 常温で液体状の炭化水素系化合物を含
    む原燃料から、燃料電池のための水素リッチな燃料ガス
    を生成するための改質器の制御方法であって、(a)前
    記常温で液体状の炭化水素系化合物を含む原燃料を少な
    くとも含む1種類以上の原料が前記改質器の供給口に供
    給される前に通過することが可能な熱交換器を準備する
    工程と、(b)前記2種類以上の原料に関して、前記熱
    交換器を通過して前記改質器の供給口に至る熱交換流路
    と、前記熱交換器をバイパスして前記改質器の供給口に
    至るバイパス流路と、を準備する工程と、(c)前記改
    質器における特定の被測定量を測定する工程と、(d)
    前記特定の被測定量の測定値に応じて、前記熱交換流路
    と前記バイパス流路の流量配分を調整する工程と、を備
    えることを特徴とする改質器の制御方法。
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